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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】推定装置、推定方法、推定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/30 20060101AFI20231226BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20231226BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20231226BHJP
   G09B 29/00 20060101ALN20231226BHJP
【FI】
G01C21/30
G08G1/0969
G09B29/10 A
G09B29/00 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019210764
(22)【出願日】2019-11-21
(65)【公開番号】P2021081370
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2021-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】南口 雄一
【審査官】藤村 泰智
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-138834(JP,A)
【文献】特開2008-249639(JP,A)
【文献】特開2013-075632(JP,A)
【文献】特開2013-088208(JP,A)
【文献】特開2002-213979(JP,A)
【文献】特開2011-174771(JP,A)
【文献】特開2000-097714(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0021229(US,A1)
【文献】特表2017-508966(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 ~ 21/36
G08G 1/00 ~ 1/16
G09B 29/10
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(4)の位置を含む状態量を推定する推定装置(1)であって、
前記車両の挙動を変化させる動的パラメータ(pt)を含んだダイナミクスモデル(DM)と、前記車両の内界から取得される内界情報(Ii)とに基づいたデッドレコニングにより、前記状態量を推定するデッドレコニング部(100)と、
前記車両の走行環境を表す地図情報(Im)と、前記車両の外界から取得される外界情報(Io)とに基づいたマップマッチングにより、前記状態量を観測するマップマッチング部(120)と、
前記マップマッチングにより観測される前記状態量に対して、前記デッドレコニングにより推定される前記状態量がオフセットしたオフセット量(δz)に基づき、前記デッドレコニングへフィードバックする前記動的パラメータを、補正するパラメータ補正部(140)とを、備え
前記パラメータ補正部は、前記オフセット量のうち、前記デッドレコニングにより推定される前記状態量が前記動的パラメータの変動量(δp)に応じてずれたずれ分(δzp)を、予測し、当該予測のずれ分に対応した前記変動量により、前記動的パラメータを補正する推定装置。
【請求項2】
前記パラメータ補正部は、前記オフセット量との差を最小にする前記ずれ分を、予測する請求項に記載の推定装置。
【請求項3】
前記パラメータ補正部は、前記挙動以外の要因に応じて変動する前記動的パラメータを、補正する請求項1又は2に記載の推定装置。
【請求項4】
前記パラメータ補正部は、前記車両が走行する路面の動摩擦係数を含んだ前記動的パラメータを、補正する請求項に記載の推定装置。
【請求項5】
前記マップマッチングにより観測される前記状態量に基づいたフィルタリングにより、前記デッドレコニングにより推定される前記状態量の誤差を補償する誤差補償部(160)を、さらに備える請求項1~のいずれか一項に記載の推定装置。
【請求項6】
プロセッサ(12)により実行され、車両(4)の位置を含む状態量を推定する推定方法であって、
前記車両の挙動を変化させる動的パラメータ(pt)を含んだダイナミクスモデル(DM)と、前記車両の内界から取得される内界情報(Ii)とに基づいたデッドレコニングにより、前記状態量を推定するデッドレコニングプロセス(S101)と、
前記車両の走行環境を表す地図情報(Im)と、前記車両の外界から取得される外界情報(Io)とに基づいたマップマッチングにより、前記状態量を観測するマップマッチングプロセス(S102)と、
前記マップマッチングにより観測される前記状態量に対して、前記デッドレコニングにより推定される前記状態量がオフセットしたオフセット量(δz)に基づき、前記デッドレコニングへフィードバックする前記動的パラメータを、補正するパラメータ補正プロセス(S103)とを、含み、
前記パラメータ補正プロセスは、前記オフセット量のうち、前記デッドレコニングにより推定される前記状態量が前記動的パラメータの変動量(δp)に応じてずれたずれ分(δzp)を、予測し、当該予測のずれ分に対応した前記変動量により、前記動的パラメータを補正する推定方法。
【請求項7】
前記パラメータ補正プロセスは、前記オフセット量との差を最小にする前記ずれ分を、予測する請求項に記載の推定方法。
【請求項8】
前記パラメータ補正プロセスは、前記挙動以外の要因に応じて変動する前記動的パラメータを、補正する請求項6又は7に記載の推定方法。
【請求項9】
前記パラメータ補正プロセスは、前記車両が走行する路面の動摩擦係数を含んだ前記動的パラメータを、補正する請求項に記載の推定方法。
【請求項10】
前記マップマッチングにより観測される前記状態量に基づいたフィルタリングにより、前記デッドレコニングにより推定される前記状態量の誤差を補償する誤差補償プロセス(S104)を、さらに含む請求項6~9のいずれか一項に記載の推定方法。
【請求項11】
車両(4)の位置を含む状態量を推定するために記憶媒体(10)に格納され、プロセッサ(12)に実行させる命令を含む推定プログラムであって、
前記命令は、
前記車両の挙動を変化させる動的パラメータ(pt)を含んだダイナミクスモデル(DM)と、前記車両の内界から取得される内界情報(Ii)とに基づいたデッドレコニングにより、前記状態量を推定させるデッドレコニングプロセス(S101)と、
前記車両の走行環境を表す地図情報(Im)と、前記車両の外界から取得される外界情報(Io)とに基づいたマップマッチングにより、前記状態量を観測させるマップマッチングプロセス(S102)と、
前記マップマッチングにより観測される前記状態量に対して、前記デッドレコニングにより推定される前記状態量がオフセットしたオフセット量(δz)に基づき、前記デッドレコニングへフィードバックさせる前記動的パラメータを、補正させるパラメータ補正プロセス(S103)とを、含み、
前記パラメータ補正プロセスは、前記オフセット量のうち、前記デッドレコニングにより推定される前記状態量が前記動的パラメータの変動量(δp)に応じてずれたずれ分(δzp)を、予測させ、当該予測のずれ分に対応した前記変動量により、前記動的パラメータを補正させる推定プログラム。
【請求項12】
前記パラメータ補正プロセスは、前記オフセット量との差を最小にする前記ずれ分を、予測させる請求項11に記載の推定プログラム。
【請求項13】
前記パラメータ補正プロセスは、前記挙動以外の要因に応じて変動する前記動的パラメータを、補正させる請求項11又は12に記載の推定プログラム。
【請求項14】
前記パラメータ補正プロセスは、前記車両が走行する路面の動摩擦係数を含んだ前記動的パラメータを、補正させる請求項13に記載の推定プログラム。
【請求項15】
前記命令は、
前記マップマッチングにより観測される前記状態量に基づいたフィルタリングにより、前記デッドレコニングにより推定される前記状態量の誤差を補償させる誤差補償プロセス(S104)を、さらに含む請求項11~14のいずれか一項に記載の推定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の状態量を推定する推定技術に、関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の内界から取得される内界情報に基づいたデッドレコニングにより、車両の位置を含む状態量が推定されている。このような推定技術の一種として特許文献1の開示技術は、デッドレコニングでの推定結果に含まれる航法誤差を補正するために、ダイナミクスをモデル化した状態方程式に基づくカルマンフィルタを、用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-249639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の開示技術では、車両挙動を変化させる動的パラメータとしてダイナミクスモデルに含まれるパラメータ自体に誤差が生じると、デッドレコニングの精度が低下する。この動的パラメータでは、例えば路面状況等、車両挙動以外の要因に応じた変動分が誤差となる。しかし、こうした動的パラメータの誤差は、カルマンフィルタによっては正確には補正又は補償され得ず、状態量の推定精度を低下させてしまう。
【0005】
本開示の課題は、状態量の推定精度を高める推定装置を、提供することにある。本開示の別の課題は、状態量の推定精度を高める推定方法を、提供することにある。本開示のさらに別の課題は、状態量の推定精度を高める推定プログラムを、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、課題を解決するための本開示の技術的手段について、説明する。尚、特許請求の範囲及び本欄に記載された括弧内の符号は、後に詳述する実施形態に記載された具体的手段との対応関係を示すものであり、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
本開示の第一態様は、
車両(4)の位置を含む状態量を推定する推定装置(1)であって、
車両の挙動を変化させる動的パラメータ(pt)を含んだダイナミクスモデル(DM)と、車両の内界から取得される内界情報(Ii)とに基づいたデッドレコニングにより、状態量を推定するデッドレコニング部(100)と、
車両の走行環境を表す地図情報(Im)と、車両の外界から取得される外界情報(Io)とに基づいたマップマッチングにより、状態量を観測するマップマッチング部(120)と、
マップマッチングにより観測される状態量に対して、デッドレコニングにより推定される状態量がオフセットしたオフセット量(δz)に基づき、デッドレコニングへフィードバックする動的パラメータを、補正するパラメータ補正部(140)とを、備え
パラメータ補正部は、オフセット量のうち、デッドレコニングにより推定される状態量が動的パラメータの変動量(δp)に応じてずれたずれ分(δzp)を、予測し、当該予測のずれ分に対応した変動量により、動的パラメータを補正する
【0008】
本開示の第二態様は、
プロセッサ(12)により実行され、車両(4)の位置を含む状態量を推定する推定方法であって、
車両の挙動を変化させる動的パラメータ(pt)を含んだダイナミクスモデル(DM)と、車両の内界から取得される内界情報(Ii)とに基づいたデッドレコニングにより、状態量を推定するデッドレコニングプロセス(S101)と、
車両の走行環境を表す地図情報(Im)と、車両の外界から取得される外界情報(Io)とに基づいたマップマッチングにより、状態量を観測するマップマッチングプロセス(S102)と、
マップマッチングにより観測される状態量に対して、デッドレコニングにより推定される状態量がオフセットしたオフセット量(δz)に基づき、デッドレコニングへフィードバックする動的パラメータを、補正するパラメータ補正プロセス(S103)とを、含み、
パラメータ補正プロセスは、オフセット量のうち、デッドレコニングにより推定される状態量が動的パラメータの変動量(δp)に応じてずれたずれ分(δzp)を、予測し、当該予測のずれ分に対応した変動量により、動的パラメータを補正する
【0009】
本開示の第三態様は、
車両(4)の位置を含む状態量を推定するために記憶媒体(10)に格納され、プロセッサ(12)に実行させる命令を含む推定プログラムであって、
命令は、
車両の挙動を変化させる動的パラメータ(pt)を含んだダイナミクスモデル(DM)と、車両の内界から取得される内界情報(Ii)とに基づいたデッドレコニングにより、状態量を推定させるデッドレコニングプロセス(S101)と、
車両の走行環境を表す地図情報(Im)と、車両の外界から取得される外界情報(Io)とに基づいたマップマッチングにより、状態量を観測させるマップマッチングプロセス(S102)と、
マップマッチングにより観測される状態量に対して、デッドレコニングにより推定される状態量がオフセットしたオフセット量(δz)に基づき、デッドレコニングへフィードバックさせる動的パラメータを、補正させるパラメータ補正プロセス(S103)とを、含み、
パラメータ補正プロセスは、オフセット量のうち、デッドレコニングにより推定される状態量が動的パラメータの変動量(δp)に応じてずれたずれ分(δzp)を、予測させ、当該予測のずれ分に対応した変動量により、動的パラメータを補正させる
【0010】
これら第一~第三態様によると、車両挙動を変化させる動的パラメータの補正は、マップマッチングによる観測状態量に対してデッドレコニングによる推定状態量がオフセットしたオフセット量に、基づくこととなる。この補正によれば、動的パラメータを正確に補正してデッドレコニングへとフィードバックすることができる。故に、フィードバックされた動的パラメータを含むダイナミクスモデルに基づくことで、デッドレコニングによる状態量の推定精度を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態による推定装置の全体構成を示すブロック図である。
図2】一実施形態による推定装置の詳細構成を示すブロック図である。
図3】一実施形態によるデッドレコニングブロックについて説明するための模式図である。
図4】一実施形態によるデッドレコニングブロックについて説明するための模式図である。
図5】一実施形態の変形例による推定装置の詳細構成を示すブロック図である。
図6】一実施形態によるマップマッチングブロックについて説明するための模式図である。
図7】一実施形態によるパラメータ補正ブロックについて説明するための模式図である。
図8】一実施形態の変形例による推定装置の詳細構成を示すブロック図である。
図9】一実施形態の変形例による推定装置の詳細構成を示すブロック図である。
図10】一実施形態による推定方法を示すフローチャートである。
図11】一実施形態の変形例による推定方法を示すフローチャートである。
図12】一実施形態の変形例による推定方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1及び図2に示すように一実施形態の推定装置1は、センサユニット2及び地図ユニット3と共に、車両4に搭載される。センサユニット2は、外界センサ22及び内界センサ24を含んで構成される。
【0014】
外界センサ22は、車両4の周辺環境となる外界から、車両4の運動推定に活用可能な情報を、外界情報Iとして取得する。外界センサ22は、車両4の外界に存在する物体を検知することで、外界情報Iを取得してもよい。この検知タイプの外界センサ22は、例えばLIDAR(Light Detection and Ranging / Laser Imaging Detection and Ranging)、カメラ、レーダ及びソナー等のうち、一種類又は複数種類である。外界センサ22は、車両4の外界に存在する無線通信システムから信号を受信することで、外界情報Iを取得してもよい。この受信タイプの外界センサ22は、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)の受信機及びITS(Intelligent Transport Systems)の受信機等のうち、一種類又は複数種類である。以下、外界への光照射により反射点からの反射光を検知して点群画像を生成するLIDARが、外界センサ22として車両4に搭載される場合を例にとって、本実施形態を説明する。
【0015】
内界センサ24は、車両4の内部環境となる内界から、車両4の運動推定に活用可能な情報を、内界情報Iとして取得する。内界センサ24は、車両4の内界において特定の運動物理量を検知することで、内界情報Iを取得してもよい。この検知タイプの内界センサ24は、例えば慣性センサ、車速センサ及び舵角センサ等のうち、一種類又は複数種類である。以下、車体の角速度を検知する慣性センサとしてのジャイロセンサと、車体の速度を検知する車速センサと、車体に対する車輪の舵角を検出する舵角センサとが、内界センサ24として車両4に搭載される場合を例にとって、本実施形態を説明する。
【0016】
地図ユニット3は、地図情報Iを非一時的に格納又は記憶する、例えば半導体メモリ、磁気媒体及び光学媒体等のうち、一種類又は複数種類の非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)を含んで構成される。地図ユニット3は、車両4の高度運転支援又は自動運転制御に利用される、ロケータのデータベースであってもよい。地図ユニット3は、車両4の運転をナビゲートする、ナビゲーション装置のデータベースであってもよい。
【0017】
地図情報Iは、車両4の走行環境を表す情報として、二次元又は三次元にデータ化されている。地図情報Iは、例えば道路自体の位置、形状及び路面状態等のうち、一種類又は複数種類を表した道路情報を、少なくとも含んでいる。地図情報Iは、例えば道路に付属する標識及び区画線の位置並びに形状等のうち、一種類又は複数種類を表した標示情報を、含んでいてもよい。地図情報Iは、例えば道路に面する建造物及び信号機の位置並びに形状等のうち、一種類又は複数種類を表した構造物情報を、含んでいてもよい。
【0018】
図1に示すように推定装置1は、例えばLAN(Local Area Network)、ワイヤハーネス及び内部バス等のうち、一種類又は複数種類一種類を介してセンサユニット2及び地図ユニット3に接続されている。推定装置1は、車両4の高度運転支援又は自動運転制御を実行する、運転制御専用のECU(Electronic Control Unit)であってもよい。推定装置1は、車両4の高度運転支援又は自動運転制御に利用される、ロケータのECU(Electronic Control Unit)であってもよい。推定装置1は、車両4の運転をナビゲートする、ナビゲーション装置のECUであってもよい。推定装置1は、車両4と外界との間の通信を制御する、通信制御装置のECUであってもよい。
【0019】
推定装置1は、メモリ10及びプロセッサ12を少なくとも一つずつ含んで構成される、専用のコンピュータである。メモリ10は、コンピュータにより読み取り可能なプログラム及びデータ等を非一時的に格納又は記憶する、例えば半導体メモリ、磁気媒体及び光学媒体等のうち、一種類又は複数種類の非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)である。プロセッサ12は、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)及びRISC(Reduced Instruction Set Computer)-CPU等のうち、一種類又は複数種類をコアとして含む。プロセッサ12は、メモリ10に記憶された推定プログラムに含まれる複数の命令を、実行する。これにより推定装置1は、車両4の位置を含む状態量を推定するための複数の機能ブロックを、図2に示すように構築する。このように推定装置1では、車両4の状態量を推定するためにメモリ10に格納された推定プログラムが複数の命令をプロセッサ12に実行させることで、複数の機能ブロックが構築される。
【0020】
推定装置1により構築される複数の機能ブロックには、デッドレコニングブロック100、マップマッチングブロック120、パラメータ補正ブロック140及び誤差補償ブロック160が、含まれる。デッドレコニングブロック100は、ダイナミクスモデルDM(Dynamics Model)と内界情報Iとに基づいたデッドレコニングにより、車両4の状態量を推定する。そのためにデッドレコニングブロック100は、挙動推定サブブロック102及び状態量推定サブブロック104を有している。以下の説明においてデッドレコニングは、DR(Dead Reckoning)と表記されるものとする。
【0021】
挙動推定サブブロック102は、最新時刻tでの車両4の運転状態となる挙動(以下、単に車両挙動と表記される)を、図3に示すダイナミクスモデルDMによって推定する。具体的にダイナミクスモデルDMは、車両挙動を動力学に基づきモデル化した、例えば二輪モデル等である。本実施形態のダイナミクスモデルDMは、車両挙動を特定する運動物理量として、滑り角βを推定可能にモデル化されている。図3においてγ及びψは、それぞれ車両4の角速度及び舵角である。図3においてF、G及びLは、それぞれ車両4における横力、横加速度及びホイールベースである。図3においてβ、F及びLに付されたrは、車両4のリアモデルの成分を示すサフィックスである。図3においてβ、F及びLに付されたfは、車両4のフロントモデルの成分を示すサフィックスである。
【0022】
図2に示す挙動推定サブブロック102には、内界センサ24により最新時刻tに取得された内界情報Iのうち角速度γ及び舵角ψが、入力される。挙動推定サブブロック102には、後に詳述するパラメータ補正ブロック140により補正且つフィードバックされる、最新時刻tに関しての動的パラメータpが、入力される。動的パラメータpは、車両挙動以外の要因に応じて変動する物理量のうち、一種類又は複数種類を対象として含んでいる。本実施形態の動的パラメータpは、車両4が走行する路面の動摩擦係数を、少なくとも含んでいる。この動摩擦係数の他に動的パラメータpは、乗員体重を含めた車両4の重量を、含んでいてもよい。
【0023】
角速度γ及び舵角ψに加えて挙動推定サブブロック102へと入力される動的パラメータpは、本実施形態のダイナミクスモデルDMにより最新時刻tに関して推定される車両挙動としての滑り角βを、同パラメータpの変動に応じて変化させる。そこで挙動推定サブブロック102は、角速度γ及び舵角ψと共に動的パラメータpを変数とする、ダイナミクスモデルDMに基づいたモデル関数Mとしての下記式1により、最新時刻tの滑り角βを推定演算する。
【数1】
【0024】
図2に示す状態量推定サブブロック104は、挙動推定サブブロック102のダイナミクスモデルDMによる推定結果に応じて、最新時刻tにおける車両4の状態量Zを推定する。具体的に最新時刻tでの状態量Zは、車両4の二次元座標位置x、y及びヨー角θを用いたベクトル式としての下記式2により、定義される。
【数2】
【0025】
図4に示すように最新時刻tでの状態量Zを構成する二次元座標位置x、yは、それぞれ前回推定時刻t-1での二次元座標位置xt-1、yt-1を用いた線形関数としての下記式3及び4により、表される。式3及び式4においてβは、挙動推定サブブロック102により推定される、最新時刻tでの滑り角である。式3及び式4においてVは、車両4の車速である。式3及び式4においてθは、最新時刻tでの状態量Zを構成するヨー角である。このヨー角θは、前回推定時刻t-1での値θt-1を用いた下記式5により、表される。式3、式4及び式5においてΔtは、最新時刻tと前回推定時刻t-1との差分、即ち推定時刻間隔である。式5においてγは、最新時刻tでの車両4の角速度である。
【数3】
【数4】
【数5】
【0026】
図2に示すように状態量推定サブブロック104には、内界センサ24により最新時刻tに取得された内界情報Iのうち車速V及び角速度γが、入力される。状態量推定サブブロック104には、挙動推定サブブロック102のダイナミクスモデルDMにより推定された最新時刻tの滑り角βが、入力される。状態量推定サブブロック104にはさらに、前回推定において前回時刻t-1に関連付けて記憶された状態量Zt-1が、メモリ10における推定記憶領域180からの読み出しにより入力される。これらの入力に基づき状態量推定サブブロック104は、式3、式4及び式5を代入した式2の状態量Zを構成する二次元座標位置x、y及びヨー角θを、最新時刻tに関して推定演算する。状態量推定サブブロック104は、これら今回推定の結果を、最新時刻tと関連付けて推定記憶領域180に記憶する。
【0027】
ここで、式1を代入した式3及び式4の各右辺第二項と、式5の右辺第二項とは、推定時刻間隔Δtでの状態量の推定変位量をベクトル式により表す、変位量関数ΔZとしての下記式6に集約される。この式6は、滑り角βを表したダイナミクスモデルDMのモデル関数Mを用いることで、動的パラメータpを変数とした変位量関数ΔZを、定義しているとも言える。以上より最新時刻tでの状態量Zは、前回推定時刻t-1での状態量Zt-1及び最新時刻tでの変位量関数ΔZを用いた下記式7により、表される。そこで、図5に変形例を示すようにDRブロック100は、角速度γ、舵角ψ、車速V、動的パラメータp、及び前回状態量Zt-1の入力に基づくことで、式6を代入した式7の状態量Zを構成する二次元座標位置x、y及びヨー角θを、当該滑り角βの演算なしに推定してもよい。
【数6】
【数7】
【0028】
図2に戻ってマップマッチングブロック120は、地図情報Iと外界情報Iとに基づいたマップマッチングにより、車両4の状態量を観測する。以下の説明においてマップマッチングは、MM(Map Matching)と表記されるものとする。
【0029】
具体的にMMブロック120には、DRブロック100により推定された最新時刻tの状態量Zが、入力される。MMブロック120には、入力された状態量Zのうち二次元座標位置x、yに対応する地図情報Iが、地図ユニット3からの読み出しにより入力される。MMブロック120には、外界センサ22のうちLIDARにより最新時刻tに取得された点群画像が、外界情報Iとして入力される。これらの入力に基づきMMブロック120は、点群画像において外界物体を観測した観測点群Sに対して、図6に示すようにマッチングする複数特徴点Sを、地図情報Iから抽出する。尚、図6では、観測点群Sが白丸により表されている一方、複数特徴点Sが黒丸により表されている。
【0030】
MMブロック120は、観測点群Sとマッチングした複数特徴点Sに基づくことで、最新時刻tにおける車両4の状態量Zを観測する。このときMMブロック120は、車両4の二次元座標位置x、y及びヨー角θを用いて定義される下記式8のベクトル式により、状態量Zを推定演算する。
【数8】
【0031】
図2に示すパラメータ補正ブロック140は、MMブロック120により観測される状態量Zに対して、DRにより推定される状態量Z図7に示すようにオフセットした、オフセット量δzに基づき動的パラメータpを補正する。そのためにパラメータ補正ブロック140は、最小化サブブロック142及び調整サブブロック144を有している。
【0032】
最小化サブブロック142には、DRブロック100により推定された最新時刻tの状態量Zと、MMブロック120により観測された同時刻tの状態量Zとが、入力される。この入力に基づき最小化サブブロック142は、観測状態量Zに対して推定状態量Zのオフセットしたオフセット量δzを、下記式9の差分演算により取得する。
【数9】
【0033】
最小化サブブロック142は、図7に示すように取得したオフセット量δzのうち、DRブロック100による最新時刻tの推定状態量Zが動的パラメータpの変動量δpに応じてずれた、ずれ分δzを予測する。具体的にずれ分δzは、動的パラメータp、pt-1をそれぞれ変数とした最新時刻t及び前回時刻t-1での変位量関数ΔZ間の差分値として、下記式10により定義される。ここで式10は、最新時刻t及び前回時刻t-1での動的パラメータp、pt-1間の変動量δpを用いることで、下記式11に変形される。ずれ分δzは、最新時刻t及び前回時刻t-1での動的パラメータp、pt-1間の変動量δpを変数とした変位量関数ΔZの値として、下記式12により近似されてもよい。
【数10】
【数11】
【数12】
【0034】
そこで最小化サブブロック142には、前回時刻t-1での動的パラメータpt-1が、メモリ10における推定記憶領域180からの読み出しにより入力される。この入力に基づき最小化サブブロック142は、オフセット量δzとの差の絶対値(即ち、絶対差)を最小にするずれ分δzを、下記式13の最小化関数Mを用いた最適化演算により、取得する。このとき最小化サブブロック142は、動的パラメータpt-1を代入演算した式11又は式12に基づくことで、ずれ分δzに対応する変動量δpの最適値も、取得する。
【数13】
【0035】
図2に示す調整サブブロック144には、前回時刻t-1での動的パラメータpt-1が、推定記憶領域180からの読み出しにより入力される。調整サブブロック144には、ずれ分δzと対応して最小化サブブロック142により予測された変動量δpの最適値が、入力される。これらの入力に基づき調整サブブロック144は、前回時刻t-1の動的パラメータpt-1と変動量δpの最適値と共にカルマンゲインKを用いた下記式14の重み付け演算により、最新時刻tでの動的パラメータpを取得する。これは、カルマンフィルタを通すことで、動的パラメータpを変動量δpの最適値により補正しているとも言える。調整サブブロック144は、こうして補正された動的パラメータpを、最新時刻tと関連付けて推定記憶領域180に記憶すると共に、次回の最新時刻に関する動的パラメータとしてDRブロック100のDRへとフィードバックする。
【数14】
【0036】
図2に示す誤差補償ブロック160は、DRブロック100により推定される状態量Zの誤差を、MMブロック120により観測される状態量Zに基づいたフィルタリングにより、補償する。
【0037】
具体的に誤差補償ブロック160には、DRブロック100により推定された最新時刻tの状態量Zと、MMブロック120により観測された最新時刻tの状態量Zとが、入力される。この入力に基づき誤差補償ブロック160は、MMブロック120による観測状態量Zと共にカルマンゲインKを用いた下記式15の重み付け演算により、DRブロック100による推定状態量Zの誤差を補償する。これは、カルマンフィルタを通して観測状態量Zをフュージョンさせることで、推定状態量Zを確定しているとも言える。尚、誤差補償により確定された推定状態量Zは、誤差補償ブロック160からの出力により、例えば車両4の高度運転支援又は自動運転制御等に活用される。
【数15】
【0038】
ここで式15は、オフセット量δzを用いて変形されることで、下記式16により表される。そこで、図8及び図9にそれぞれ変形例を示すように誤差補償ブロック160は、最小化サブブロック142による取得量δzと共にカルマンゲインKを用いた下記式16の重み付け演算により、DRブロック100による推定状態量Zの誤差を補償してもよい。尚、図8は、図2に対しての変形例を示している一方、図9は、図5の変形例に対してのさらなる変形例を示している。
【数16】
【0039】
以上より本実施形態では、DRブロック100が「デッドレコニング部」に相当し、MMブロック120が「マップマッチング部」に相当する。また本実施形態では、パラメータ補正ブロック140が「パラメータ補正部」に相当し、誤差補償ブロック160が「誤差補償部」に相当する。
【0040】
機能ブロック100、120、140及び160の共同により、推定装置1が車両4の状態量を推定する推定方法のフローを、図10に従って以下に説明する。尚、本フローは、車両4が推定を必要する推定タイミング毎に、実行される。また、本フローにおいて「S」とは、推定プログラムに含まれた複数命令により実行される複数ステップを、意味する。
【0041】
S101においてDRブロック100は、車両挙動を変化させる動的パラメータpを含んだダイナミクスモデルDMと、車両4の内界から取得される内界情報Iとに基づいたDRにより、車両4の状態量Zを推定する。S102においてMMブロック120は、車両4の走行環境を表す地図情報Iと、車両4の外界から取得される外界情報Iとに基づいたMMにより、車両4の状態量Zを観測する。
【0042】
S103においてパラメータ補正ブロック140は、S102のMMにより観測される状態量Zに対して、S101のDRにより推定される状態量Zのオフセットしたオフセット量δzに基づき、動的パラメータpを補正する。このときパラメータ補正ブロック140は、車両挙動以外の要因に応じて変動する動的パラメータpとして、車両4が走行する路面の動摩擦係数を含んだパラメータを、補正対象とする。そこで、パラメータ補正ブロック140は、オフセット量δzのうち、補正対象とした動的パラメータpの変動量δpに応じてDRによる推定状態量Zがずれた、ずれ分δzを予測する。このときラメータ補正ブロック140は、オフセット量δzとの差の絶対値を最小にするように、ずれ分δzを予測する。パラメータ補正ブロック140はまた、予測のずれ分δzに対応した変動量δpの最適値により、動的パラメータpを補正する。パラメータ補正ブロック140はさらに、補正した動的パラメータpを、次回フローのS101によるDRブロック100でのDRに向けてフィードバックする。
【0043】
S104において誤差補償ブロック160は、S102のMMにより観測される状態量Zに基づいたフィルタリングにより、S101のDRにより推定される状態量Zの誤差を補償して確定する。以上により、本フローの今回実行が終了する。尚、S103とS104とは、図10に示すようにステップナンバーの順に実行されてもよいし、図11に変形例を示すように逆順に実行されてもよいし、図12に別の変形例を示すように同時並行的に実行されてもよい。
【0044】
以上より本実施形態では、S101が「デッドレコニングプロセス」に相当し、S102が「マップマッチングプロセス」に相当する。また本実施形態では、S103の組が「パラメータ補正プロセス」に相当し、S104が「誤差補償プロセス」に相当する。
【0045】
(作用効果)
以上説明した本実施形態の作用効果を、以下に説明する。
本実施形態によると、車両挙動を変化させる動的パラメータpの補正は、MMによる観測状態量Zに対してDRによる推定状態量Zがオフセットしたオフセット量δzに、基づくこととなる。この補正によれば、動的パラメータpを正確に補正してDRへとフィードバックすることができる。故に、フィードバックされた動的パラメータpを含むダイナミクスモデルDMに基づくことで、DRによる状態量Zの推定精度を高めることが可能となる。
【0046】
本実施形態によると、オフセット量δzのうち、DRによる推定状態量Zが動的パラメータpの変動量δpに応じてずれたずれ分δzの予測下、当該予測のずれ分δzに対応した変動量δpにより、動的パラメータpが補正される。この補正によれば、オフセット量δzの発生要因となっている変動量δpが正確に反映された動的パラメータpを、DRへとフィードバックすることができる。故に、フィードバックされた動的パラメータpを含むダイナミクスモデルDMに基づくことで、DRによる状態量Zの推定精度を高めることが可能となる。
【0047】
本実施形態によると、オフセット量δzとの差を最小にするずれ分δzに対応した変動量δpは、それにより補正される動的パラメータpを含んでのダイナミクスモデルDMに基づくDRにより、推定状態量Zを観測状態量Zに可及的に近づけることができる。即ち、DRによる状態量Zの推定精度を高めることが可能となる。
【0048】
本実施形態によると、車両が走行する路面の動摩擦係数を含んだ動的パラメータpのように、車両挙動以外の要因に応じて変動する動的パラメータpが、オフセット量δzに基づき補正される。この補正によれば、車両挙動以外の要因に応じた変動分(即ち、変動量δp)が誤差となる動的パラメータpを狙って、当該誤差を補正することができる。故に、この補正に応じてフィードバックされた動的パラメータpを含むダイナミクスモデルDMに基づくことで、DRによる状態量Zの推定精度を高めることが可能となる。
【0049】
本実施形態によると、MMによる観測状態量Zに基づいたフィルタリングにより、DRによる推定状態量Zの誤差が補償される。この誤差補償によれば、オフセット量δzに基づく補正に応じてフィードバックされる動的パラメータpを含んだ、ダイナミクスモデルDMの利用と相俟って、状態量Zの高い推定精度を担保することが可能となる。
【0050】
(他の実施形態)
以上、一実施形態について説明したが、本開示は、当該実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
【0051】
具体的に変形例の推定装置1は、デジタル回路及びアナログ回路のうち少なくとも一方をプロセッサとして含んで構成される、専用のコンピュータであってもよい。ここで特にデジタル回路とは、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、SOC(System on a Chip)、PGA(Programmable Gate Array)及びCPLD(Complex Programmable Logic Device)等のうち、少なくとも一種類である。またこうしたデジタル回路は、プログラムを格納したメモリを、備えていてもよい。
【0052】
変形例の推定装置1では、推定及び観測対象の状態量Z、Zとして、それぞれヨー角θ、θに代えて又は加えて、例えば速度等の車両関連物理量が含まれていてもよい。変形例の推定装置1では、カルマンフィルタでの重み付け演算に代えて、前回時刻t-1での動的パラメータpt-1に対する変動量δpの加算演算により、動的パラメータpがパラメータ補正ブロック140及びS103において補正されてもよい。
【0053】
変形例の推定装置1では、DRブロック100及びS101による推定状態量Zの誤差を、MMブロック120及びS102とは異なる原理により推定された状態量に基づき補償するように、誤差補償ブロック160及びS104が実施されてもよい。変形例の推定装置1では、誤差補償ブロック160及びS104が省略されることで、DRブロック100及びS101による推定状態量Zがそのまま確定値として出力されてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 推定装置、4 車両、10 メモリ、12 プロセッサ、100 デッドレコニング(DR)ブロック、120 マップマッチング(MM)ブロック、140 パラメータ補正ブロック、160 誤差補償ブロック、DM ダイナミクスモデル、I 内界情報、I 地図情報、I 外界情報、Z (観測)状態量、Z (推定)状態量、p 動的パラメータ、δp 変動量、δz オフセット量、δz ずれ分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12