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特許7409056情報処理装置及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】情報処理装置及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20231226BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20231226BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20231226BHJP
   B41J 21/16 20060101ALI20231226BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
H04N1/00 350
H04N1/00 C
G03G21/00 386
G03G21/00 388
B41J29/38 601
B41J21/16
G06F3/12 353
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019221020
(22)【出願日】2019-12-06
(65)【公開番号】P2021090182
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 友暉
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-237779(JP,A)
【文献】特開2013-091229(JP,A)
【文献】特開2014-220560(JP,A)
【文献】特開2018-133763(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 21/16
B41J 29/38
G03G 21/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
設定が記載された設定用紙を読み取った内容に基づいて設定を決定し、
少なくとも確認が必須である項目について前記設定の確認のための確認情報を出力させ、
前記設定が正しい旨の指示入力があった場合に、前記設定用紙以降の処理対象に対して前記設定に基づいた処理を実行する
情報処理装置。
【請求項2】
確認が必須である項目は、前記設定用紙に記載された設定によって標準設定から変更された項目を含む、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記確認情報を音声で出力させる、請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記設定が正しくない旨の指示入力があった場合に、前記設定用紙を再度読み取った内容に基づいて差分を抽出し、抽出した差分に基づいて前記設定を変更する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記設定用紙の内容のうち、再度読み取る前に読み取った前記内容に対して取り消しが行われた箇所を差分として抽出する、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、設定として読み取るためのマーク及び設定のためのキーワードが記載された用紙を前記設定用紙として読み取る、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、予め設定されたキーワードと、前記設定用紙から読み取ったキーワードとが一致していれば、読み取った前記キーワードを前記設定とする、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記設定用紙が読み取れなかったと判断した場合に、前記設定用紙を読み取らせるための情報を出力する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記処理対象は、前記設定用紙以降に読み取った対象である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記処理対象は、印刷ジョブとして取得した対象である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータに
設定が記載された設定用紙を読み取った内容に基づいて設定を決定し、
少なくとも確認が必須である項目について前記設定の確認のための確認情報を出力させ、
前記設定が正しい旨の指示入力があった場合に、前記設定用紙以降の処理対象に対して前記設定に基づいた処理を実行させる
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像印刷手段と、画像読取り手段、および複数種類のデータを保存できるストレージ手段を含む画像処理装置において、前記データの印刷出力または管理処理を制御するためのマーク式シートを前記画像印刷手段により印刷し、前記画像読取り手段で読み取った前記マーク式シートのマークの有無およびマーク位置に基づき前記マーク式シートに印刷されたデータの印刷出力または管理処理を制御する制御手段と、前記データの種類ごとに、前記データの種類に適合した当該種類のデータ用のマーク式シートを前記画像印刷手段により印刷させるためのユーザインタフェース手段を有することを特徴とする画像処理装置の発明が記載されている。
【0003】
特許文献2には、スキャナと表示手段とを備えた画像形成装置であって、媒体に印刷された見本画像を前記スキャナで読み取って得たスキャン画像を画像解析して前記見本画像の印刷条件を示す印刷パラメータを取得する画像解析手段と、前記印刷パラメータから特定される印刷モードを起動するモード起動手段と、前記起動された印刷モードが、画像選択画面が個別に用意された複数の印刷モードのうちの一つであると判断した場合に、前記起動された印刷モードに対応する画像選択画面を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、前記表示手段に表示された前記画像選択画面で選択された画像を前記印刷パラメータを反映させつつ印刷する印刷手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置の発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-49412号公報
【文献】特開2008-28706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
印刷又はスキャン等の処理の設定のためのユーザインタフェースが無い、又は簡素なものしかない画像形成装置で手軽に処理を行いたいが、そのような画像形成装置に対して設定を指定するのは困難である。設定を音声で指定すると、設定項目が多くなるほど発話に時間が掛かり、また誤認識の可能性もある。
【0006】
そこで、設定が記載された紙を読み取り、読み取った内容に応じて処理を実行することで、上記画像形成装置での手軽な処理が可能となる。
【0007】
しかし、画像形成装置が紙に記載された設定の内容を誤って認識してしまうと、ユーザが意図した処理を実行することが出来ない。
【0008】
本発明は、紙に記載された設定の内容を認識して処理を実行する際にユーザの意図しない処理の実行を回避できる情報処理装置及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、設定が記載された設定用紙を読み取った内容に基づいて設定を決定し、前記設定の確認のための確認情報を出力させ、前記設定が正しい旨の指示入力があった場合に、前記設定用紙以降の処理対象に対して前記設定に基づいた処理を実行する。
【0010】
本発明の第2態様に係る情報処理装置は、本発明の第1態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、少なくとも確認が必須である項目について前記確認情報を出力させる。
【0011】
本発明の第3態様に係る情報処理装置は、本発明の第2態様に係る情報処理装置であって、確認が必須である項目は、前記設定用紙に記載された設定によって標準設定から変更された項目を含む。
【0012】
本発明の第4態様に係る情報処理装置は、本発明の第1態様~第3態様のいずれかに係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記確認情報を音声で出力させる。
【0013】
本発明の第5態様に係る情報処理装置は、本発明の第1態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記設定が正しくない旨の指示入力があった場合に、前記設定用紙を再度読み取った内容に基づいて差分を抽出し、抽出した差分に基づいて前記設定を変更する。
【0014】
本発明の第6態様に係る情報処理装置は、本発明の第5態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記設定用紙の内容のうち、再度読み取る前に読み取った前記内容に対して取り消しが行われた箇所を差分として抽出する。
【0015】
本発明の第7態様に係る情報処理装置は、本発明の第1態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、設定として読み取るためのマーク及び設定のためのキーワードが記載された用紙を前記設定用紙として読み取る。
【0016】
本発明の第8態様に係る情報処理装置は、本発明の第7態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、予め設定されたキーワードと、前記設定用紙から読み取ったキーワードとが一致していれば、読み取った前記キーワードを前記設定とする。
【0017】
本発明の第9態様に係る情報処理装置は、本発明の第1態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記設定用紙が読み取れなかったと判断した場合に、前記設定用紙を読み取らせるための情報を出力する。
【0018】
本発明の第10態様に係る情報処理装置は、本発明の第1態様に係る情報処理装置であって、前記処理対象は、前記設定用紙以降に読み取った対象である。
【0019】
本発明の第11態様に係る情報処理装置は、本発明の第1態様に係る情報処理装置であって、前記処理対象は、印刷ジョブとして取得した対象である。
【0020】
本発明の第12態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに設定が記載された設定用紙を読み取った内容に基づいて設定を決定し、前記設定の確認のための確認情報を出力させ、前記設定が正しい旨の指示入力があった場合に、前記設定用紙以降の処理対象に対して前記設定に基づいた処理を実行させる。
【0021】
本発明の第1態様によれば、紙に記載された設定の内容を認識して処理を実行する前に、記載された設定をユーザに確認させるための確認情報を生成して出力することで、ユーザの意図しない処理の実行を回避できる。
【0022】
本発明の第2態様によれば、確認が必須である項目についてのみをユーザに確認させることができる。
【0023】
本発明の第3態様によれば、標準設定から変更された項目についてのみをユーザに確認させることができる。
【0024】
本発明の第4態様によれば、記載された設定をユーザに確認させるための確認情報を音声として出力することで、ユーザの意図しない処理の実行を回避できる。
【0025】
本発明の第5態様によれば、変更された部分を認識して設定を変更することができる。
【0026】
本発明の第6態様によれば、変更前の記載内容について取り消された部分を認識して設定を変更することができる。
【0027】
本発明の第7態様によれば、設定として読み取るためのマーク及び設定のためのキーワードを認識してキーワードに対応する処理を実行できる。
【0028】
本発明の第8態様によれば、読み取ったキーワードが予め設定されたキーワードと一致していることを条件に、当該キーワードに対応する処理を実行できる。
【0029】
本発明の第9態様によれば、設定用紙を読み取れなかった旨を通知できる。
【0030】
本発明の第10態様によれば、設定用紙以降に読み取った対象について設定用紙に記載された内容に基づいた処理を実行できる。
【0031】
本発明の第11態様によれば、印刷ジョブとして取得した対象について設定用紙に記載された内容に基づいた処理を実行できる。
【0032】
本発明の第12態様によれば、紙に記載された設定の内容を認識して処理を実行する前に、記載された設定をユーザに確認させるための確認情報を生成して出力することで、ユーザの意図しない処理の実行を回避できる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、紙に記載された設定の内容を認識して処理を実行する前に、記載された設定をユーザに確認させるための確認情報を生成して出力することで、ユーザの意図しない処理の実行を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の機能構成例を示す図である。
図2】画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3】画像形成装置による情報処理の流れを示すフローチャートである。
図4】画像形成装置が読み取る原稿の例を示す図である。
図5】画像形成装置による認識処理の流れを示すフローチャートである。
図6】設定DBに登録される情報の例を示す図である。
図7】優先度テーブルに登録される情報の例を示す図である。
図8】画像形成装置による設定確認処理の流れを示すフローチャートである。
図9】画像形成装置による設定修正処理の流れを示すフローチャートである。
図10】画像形成装置が読み取る設定用紙の例を示す図である。
図11】画像形成装置による情報処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0036】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置10の機能構成例を示す図である。画像形成装置10は、例えばプリント機能、ファクシミリ機能、スキャン機能、及びコピー機能といった画像の形成に関する複数の機能を有する電子機器であり、ユーザが要求した機能を提供する。本実施形態に係る画像形成装置10は、プリント、ファクシミリ、スキャン、コピーの各処理の設定のためのユーザインタフェースが無い、又はボタン等の簡素なもののみを有する装置である。
【0037】
画像形成装置10は、画像の形成に関する機能であれば上記に示した機能と異なる機能を備えていてもよく、例えば入力された画像に対して画像処理を行い、画像を加工する機能等を備えてもよい。また、画像形成装置10は、必ずしも画像の形成に関する機能を複数備えている必要はなく、単体の機能を備えるものであってもよい。
【0038】
図1に示すように、画像形成装置10は入力部11、制御部12、登録部13、プリント処理部14、ファクシミリ(facsimile:FAX)処理部15、スキャン処理部16、コピー処理部17、通信部18、及び出力部19の各機能部と、記憶装置20と、を含む。
【0039】
入力部11は、ユーザからの指示を受け付けて制御部12に通知する。ユーザからの指示には、例えばユーザが所望する機能の開始指示や画像形成装置10の動作を規定する設定項目の設定指示等が存在する。
【0040】
制御部12は、入力部11で受け付けたユーザの指示に従った処理が行われるように、画像形成装置10に含まれる他の機能部及び記憶装置20を制御する。
【0041】
登録部13は、スキャン処理部16が原稿を読み取った内容を記憶装置20に登録する。例えば、登録部13は、スキャン処理部16が原稿を読み取った内容を、画像形成装置10が実行する機能の設定が記録された設定DBに登録する。設定DBについては後に詳述する。
【0042】
プリント処理部14は、例えばプリント指示を受け付けた場合、制御部12の制御に従って、プリント処理の対象となる画像データの内容を用紙等の記録媒体に形成するプリント機能を実行する機能部である。
【0043】
FAX処理部15は、例えばFAX指示を受け付けた場合、制御部12の制御に従って、図示しないFAX回線を経由して、FAX処理の対象となる画像データを送受信するファクシミリ機能を実行する機能部である。
【0044】
スキャン処理部16は、例えば原稿の読み取り指示を受け付けた場合、制御部12の制御に従って原稿に記載された内容を光学的に読み取り、原稿の画像データを生成するスキャン機能を実行する機能部である。スキャン処理部16がスキャンする原稿は、例えば画像形成装置10に設けられる原稿読み取りトレイ(図示せず)に置かれる。
【0045】
コピー処理部17は、例えば原稿のコピー指示を受け付けた場合、制御部12の制御に従い、プリント処理部14及びスキャン処理部16と連動してスキャン処理部16で原稿を読み取る。そして、コピー処理部17は、スキャン処理部16で読み取った原稿の画像データを記録媒体に画像として形成し、読み取った原稿の複製を生成するコピー機能を実行する機能部である。
【0046】
通信部18は、制御部12の制御に従い、例えばFAX回線、電話回線、及びインターネットといった図示しない通信回線に接続される各装置との間で各種情報を送受信する。例えば通信部18は通信回線を通じて、スキャン処理部16で生成された画像データを指定されたメールアドレスに送信する。また、通信部18は、制御部12を介してFAX処理部15から受け付けた画像データを、指定されたFAX番号宛にFAX回線を通じて送信すると共に、FAX回線から画像データを受信した場合、画像データがFAX処理部15で処理されるように制御部12に通知する。その他、通信部18は通信回線から画像データを受け付けた場合、プリント処理部14で画像データの内容が記録媒体に形成されるように制御部12に通知する。
【0047】
出力部19は制御部12の制御に従い、画像形成装置10における処理状況を出力する。出力部19は、例えばスピーカ又はLED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)ランプ等からなる。
【0048】
記憶装置20は、画像形成装置10が有する機能に関する設定を記憶する。記憶装置20は、設定DBを有する。設定DBに登録されている内容は制御部12が読み出して、画像の形成に関する各機能を実行する。また、登録部13によってスキャン処理部16が読み取った設定は、例えば登録部13によって設定DBに登録される。設定DBについては後に詳述する。
【0049】
本実施形態に係る画像形成装置10は、印刷又はスキャン等の処理の設定のためのユーザインタフェースが無い、又は簡素なものしかない装置を想定する。印刷又はスキャン等の処理の設定のためのユーザインタフェースが無い、又は簡素なものしかない画像形成装置10で、画像形成装置10が備える機能に基づいた処理を手軽に行いたいという要求が存在しうる。そのような画像形成装置10に対して、ユーザが設定を音声で指定することも考えられる。
【0050】
単に「コピーして」、又は「スキャンして」等の短い内容であれば、画像形成装置10がユーザの発話の内容を誤認識する可能性は低い。しかし、設定項目が多くなればなるほどユーザは発話に時間が掛かり、また画像形成装置10が設定を誤認識してしまう可能性も増加する。
【0051】
そこで、本実施形態に係る画像形成装置10は、スキャン処理部16が読み取った原稿に、画像形成装置10が有する機能に関する設定が記載されていた場合、その記載されている設定に基づいた処理を実行する。画像形成装置10が有する機能に関する設定は、予め紙に印刷されたものであってもよく、紙に手書きで記載されたものであってもよい。本実施形態では、設定が記載された紙を設定用紙と称する。
【0052】
しかし、特に設定用紙に手書きで設定が記載されていた場合に、スキャン処理部16が読み取って認識した内容が、設定用紙に記載されていた内容と異なることがありうる。その際に、スキャン処理部16が読み取って認識した内容で処理が行われてしまうと、ユーザが意図した処理とは異なる処理が実行されてしまう。
【0053】
そこで本実施形態に係る画像形成装置10は、スキャン処理部16が読み取った原稿に、画像形成装置10が有する機能に関する設定が記載されている設定用紙が含まれていた場合、設定用紙を読み取った内容をユーザに確認させるための確認情報を出力部19から出力させる。確認情報は、例えば音声情報であってもよく、LEDランプの点灯であってもよい。また、CPU31は、確認情報をプリントユニット39で印刷させてもよい。
【0054】
画像形成装置10は、設定用紙を読み取った内容をユーザに確認させるための確認情報を出力することで、設定用紙に記載された設定の内容を認識して処理を実行する際にユーザの意図しない処理の実行を回避できる。
【0055】
図1に示すような画像形成装置10は、例えばコンピュータ30を用いて構成される。図2は、画像形成装置10のハードウェア構成例を示す図である。
【0056】
コンピュータ30は、画像形成装置10に係る各機能部を担うCPU(Central Processing Unit)31、コンピュータ30を画像形成装置10の各機能部として機能させるための情報処理プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)32、CPU31の一時的な作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)33、不揮発性メモリ34、及び入出力インタフェース(I/O)35を備える。そして、CPU31、ROM32、RAM33、不揮発性メモリ34、及びI/O35がバス36を介して各々接続されている。
【0057】
不揮発性メモリ34は、不揮発性メモリ34に供給される電力が遮断されても、記憶した情報が維持される記憶装置の一例であり、例えば半導体メモリが用いられるが、ハードディスクを用いてもよい。不揮発性メモリ34は必ずしもコンピュータ30に内蔵されている必要はなく、例えばメモリカードのようにコンピュータ30に着脱される記憶装置であってもよい。
【0058】
I/O35には、例えば通信ユニット37、操作ユニット38、プリントユニット39、及びスキャンユニット40が接続される。
【0059】
通信ユニット37は、通信回線に接続され、通信回線に接続する各装置との間でデータ通信を行う通信プロトコルを備える。通信ユニット37が備える通信プロトコルには、例えばFAX通信を規定するG3規格に沿った通信プロトコルも含まれるため、通信ユニット37はFAX通信にも対応する。
【0060】
操作ユニット38は、ユーザに画像形成装置10とのインタフェースを提供するユニットであり、例えば画像形成装置10の筺体に取り付けられている。操作ユニット38は、入力ユニット38A及び出力ユニット38Bを含む。
【0061】
入力ユニット38Aは、ユーザからの指示を受け付けてCPU31に通知する入力装置であり、例えばボタン等が用いられる。画像形成装置10は、入力ユニット38Aを介してユーザの指示を受け付ける。なお、ユーザの指示は音声で受け付けてもよく、この場合、入力ユニット38Aとしてマイクが用いられる。
【0062】
出力ユニット38Bは、CPU31によって処理された情報を出力する装置であり、本実施形態に係る画像形成装置10では、例えばスピーカ、LEDランプ等が用いられる。
【0063】
プリントユニット39は、CPU31の指示に従って、画像を記録媒体に形成するユニットである。プリントユニット39における画像形成方式はどのような方式であってもよく、例えば電子写真方式であっても、インクジェット方式であってもよい。プリントユニット39は、プリント機能、コピー機能、及びFAX機能の実行に伴って用いられる。
【0064】
スキャンユニット40は、CPU31の指示に従って、例えば図示しないプラテンガラスに置かれた原稿の内容を光学的に読み取り、原稿の内容を画像データに変換するユニットである。スキャンユニット40はスキャン機能の実行に伴って用いられる。
【0065】
なお、コピー機能は、CPU31がスキャンユニット40で得られた画像データをプリントユニット39で記録媒体に形成させることによって実現される。
【0066】
次に、画像形成装置10の作用について説明する。
【0067】
図3は、画像形成装置10による情報処理の流れを示すフローチャートである。CPU31がROM32から情報処理プログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、図3に示した一連の情報処理が行なわれる。
【0068】
CPU31は、画像形成装置10の原稿読み取りトレイ(図示せず)に置かれた原稿をスキャンユニット40に読み取らせて、読み取った原稿に対する認識処理を実行する(ステップS11)。認識処理の詳細については後述するが、CPU31は、置かれた原稿の中から設定用紙を認識する。具体的には、CPU31は、予め定めた設定用マークを認識でき、かつ、予め登録されているキーワードに合致する文字列を認識できると、その紙を設定用紙と認識する。そしてCPU31は、認識できた設定項目を設定DBに登録する。
【0069】
図4は、画像形成装置10が読み取る原稿の例を示す図である。画像形成装置10は、原稿の中に設定用紙S1、S2が含まれていれば、設定用紙S1、S2に書かれている内容を認識し、認識した内容に基づいて、処理対象P1、P2に対する処理を実行する。図4では、設定用紙S1に「<!スキャン!> 2アップ 両面」と書かれている例が示されている。「<!」及び「!>」が設定用マークの一例である。この設定用紙S1には、処理対象P1に対して、2アップ(2ページの原稿を1ページに纏めることをいう)で原稿の両面をスキャンする指示が書かれている。
【0070】
CPU31は、設定用マークに挟まれた文字列を認識し、認識した文字列に対応する処理を実行するよう制御する。上述のように「<!スキャン!>」と設定用紙に書かれていれば、CPU31は、設定用紙の次にスキャンユニット40で読み取った一連の原稿に対してスキャン処理を実行するよう制御する。また、例えば「<!コピー!>」と設定用紙に書かれていれば、CPU31は、設定用紙の次にスキャンユニット40で読み取った一連の原稿に対してプリントユニット39から印刷する処理を実行するよう制御する。
【0071】
ステップS11に続いて、CPU31は、スキャンユニット40に読み取らせた設定用紙の内容を確認させるための設定確認処理を実行する(ステップS12)。設定確認処理の詳細については後述するが、CPU31は、設定確認処理において、読み取った内容を音声などで出力させるための確認情報を生成する。
【0072】
ステップS12に続いて、CPU31は、ステップS11の認識処理で認識した設定が正しいかどうかを、確認情報の出力によりユーザに判断させる。そしてCPU31は、ステップS11の認識処理で認識した設定が正しいかどうかに関するユーザからの入力を判定する(ステップS13)。ユーザからの入力は入力部11に対して行われる。ユーザからの入力は、ボタンに対する操作であってもよく、発話によるものであってもよい。
【0073】
ステップS13の判定の結果、認識した設定が正しかったとユーザが入力した場合は(ステップS13;Yes)、CPU31は、認識した設定に基づいた処理を実行する(ステップS14)。一方、ステップS13の判定の結果、認識した設定が正しくなかったとユーザが入力した場合は(ステップS13;No)、CPU31は、設定修正処理を実行する(ステップS15)。設定修正処理の詳細については後述するが、CPU31は、設定修正処理において、設定用紙の内容を再度認識して、認識した結果に基づいた設定の修正を実施する。
【0074】
続いて、図3のステップS11の認識処理の詳細なフローを説明する。
【0075】
図5は、画像形成装置10による認識処理の流れを示すフローチャートである。図5に示したのは、図3のステップS11の認識処理の詳細なフローである。
【0076】
認識処理において、まずCPU31は、スキャンユニット40に紙をスキャンさせる(ステップS101)。
【0077】
ステップS101に続いて、CPU31は、スキャンして得られる画像データで所定の設定用マークを認識できたかどうか判断する(ステップS102)。設定用マークは、上述したように、「<!」及び「!>」のようなマークである。
【0078】
ステップS102の判断の結果、所定の設定用マークを認識できた場合は(ステップS102;Yes)、CPU31は、紙に記載された内容を言語解析し、キーワードを抽出する(ステップS103)。
【0079】
ステップS103に続いて、CPU31は、紙に記載されたキーワードが、予め設定DBに設定されたキーワードと一致するかどうか判断する(ステップS104)。
【0080】
ステップS104の判断の結果、紙に記載されたキーワードが、予め設定DBに設定されたキーワードと一致している場合は(ステップS104;Yes)、CPU31は、その紙が設定用紙であると判断し、紙に記載されたキーワード、及びその処理を実行する原稿の最初のページ番号を設定DBに登録することで設定内容を登録する(ステップS105)。
【0081】
ステップS102の判断の結果、所定の設定用マークを認識できなかった場合(ステップS102;No)、又は、ステップS104の判断の結果、紙に記載されたキーワードが、予め設定されたキーワードと一致していない場合は(ステップS104;No)、CPU31は、そのスキャンした紙を処理対象とする。
【0082】
ステップS105、又はステップS106に続いて、CPU31は、次の紙があるかどうか判断する(ステップS107)。次の紙がある場合は(ステップS107;Yes)、CPU31は、ステップS101に戻って、スキャンユニット40に次の紙をスキャンさせる。次の紙がない場合は(ステップS107;No)、CPU31は、その処理を実行する原稿の最後のページ番号を設定DBに登録し(ステップS108)、認識処理を終了する。
【0083】
図6は、設定DBに登録される情報の例を示す図である。図6には、4つの処理に対する設定が設定DBに登録されている例が示されている。設定DBの各カラムについて説明する。「index」は、設定DBへの登録内容を一意に識別するための識別子である。画像形成装置10は、「index」の順に処理を実行する。「モード」は、画像形成装置10が実行する処理である。CPU31は、この「モード」のカラムに登録されている内容と、紙に記載されたキーワードとが一致しているかどうかを判断する。「nアップ」は、1ページにまとめる原稿の枚数の設定である。「両面/片面」は、原稿を片面で処理するか、両面で処理するかの設定である。「濃度」は、原稿を処理する際の濃度の設定であり、百分率で設定される。「倍率」は、原稿を処理する際の倍率の設定である。「Start」は、その処理を実行する原稿の最初のページ番号である。「End」は、その処理を設定する最後の原稿のページ番号である。例えば、原稿の1番上に設定用紙が置かれた10枚の原稿を画像形成装置10が読み取ったとする。CPU31は、設定DBの「Start」に「1」を登録し、「End」に「9」を登録する。
【0084】
例えば、「index」が「0000」のレコードは、1ページあたり1枚の原稿で、片面で、濃度を100パーセントで、倍率を1倍(等倍)で、画像形成装置10にコピー機能を実行させる設定を意味する。なお(default)と書かれているのは、この設定が標準設定であることを意味する。標準設定の場合、ページ番号にはNULLが設定されている。認識できなかったり、また記入されていなかったりする項目に対しては、CPU31は設定DBの設定値を標準設定のままとする。
【0085】
同様に、「index」が「0001」のレコードは、1ページあたり1枚の原稿で、片面で、濃度を120パーセントで、倍率を1倍(等倍)で、原稿の1ページ目から9ページ目まで、画像形成装置10にスキャン機能を実行させる設定を意味する。
【0086】
なお、「index」が「0003」のレコードは、プリント機能を実行させる設定の例であるが、プリント機能を実行させる設定の場合、ページ番号の設定は無視される。パーソナルコンピュータ等に保存されている文書データがプリントの対象となるからである。
【0087】
各カラムの設定名に下線を付しているものは、その設定が確認必須カラムであることを意味する。確認必須カラムについては後述する。図6では、「モード」、「nアップ」、「両面/片面」、「Start」及び「End」が確認必須カラムとして設定されている。
【0088】
設定DBが有するカラムは係る例に限定されない。例えば、設定DBは部数の情報を格納するカラムを有してもよい。設定DBが部数の情報を格納するカラムを有する場合、部数の標準設定は1部であってもよい。設定DBが部数の情報を格納するカラムを有することで、ユーザは、設定用紙に部数の指定を記入することができる。
【0089】
なお、既に設定DBに登録されている項目に対して、設定用紙で設定が指定されていた場合、CPU31は、優先度テーブルを参照し、設定を設定DBに上書きするかどうか判断する。既に設定DBに登録されている項目に対して、設定用紙で設定が指定されていた場合とは、設定用紙に複数の設定が記載されている場合が考えられる。
【0090】
図7は、優先度テーブルに登録されている情報の例を示す図である。図7には、設定DBで規定されている項目の設定が、優先度順に登録されている例が示されている。
【0091】
例えば、「両面/片面」を例にとると、優先度が高いのは「片面」であり、優先度が低いのは「両面」である。従って、設定用紙に「片面」及び「両面」が記載されていた場合、CPU31は、優先度テーブルを参照し、「両面/片面」へは「片面」のみを設定DBに登録する。同様に、「倍率」を例にとると、優先度が高いのは「1」であり、その次に優先度が高いのは「1.5」であり、優先度が最も低いのは「2」である。従って、設定用紙に「1」及び「2」が記載されていた場合、CPU31は、優先度テーブルを参照し、「倍率」へは「1」のみを設定DBに登録する。
【0092】
画像形成装置10が読み取った原稿の中に、設定用紙が含まれていなかった場合が考えられる。その場合、CPU31は、設定用紙をトレイに置くことを促す通知を出力してもよい。当該通知は、スピーカからの音声の出力によるものであってもよく、所定のLEDランプの点灯であってもよい。また、画像形成装置10が読み取った原稿の中に、設定用紙が含まれていなかった場合、原稿を読み取った後に、どの処理を実行すれば良いかをユーザに確認するための情報を出力してもよい。当該情報は音声によるものであってもよい。
【0093】
続いて、図3のステップS12の設定確認処理の詳細なフローを説明する。
【0094】
図8は、画像形成装置10による設定確認処理の流れを示すフローチャートである。図8に示したのは、図3のステップS12の設定確認処理の詳細なフローである。
【0095】
設定確認処理において、CPU31は、先頭のカラムから設定DBの値を確認する(ステップS111)。
【0096】
ステップS111に続いて、CPU31は、確認しているカラムが確認必須カラムであるかどうか判断する(ステップS112)。
【0097】
ステップS112の判断の結果、確認しているカラムが確認必須カラムであれば(ステップS113;Yes)、CPU31は、そのカラムを確認項目に追加する(ステップS113)。
【0098】
一方、ステップS112の判断の結果、確認しているカラムが確認必須カラムでなければ(ステップS113;No)、CPU31は、そのカラムの設定値が標準設定から変更されているかどうか判断する(ステップS114)。
【0099】
ステップS114の判断の結果、そのカラムの設定値が標準設定から変更されている場合は(ステップS114;Yes)、CPU31は、そのカラムを確認項目に追加する(ステップS113)。
【0100】
続いて、CPU31は、まだ確認していない残りのカラムがあるかどうか判断する(ステップS115)。残りのカラムがあれば(ステップS115;Yes)、CPU31は、ステップS111に戻ってカラムの値を確認する。一方、残りのカラムがなければ(ステップS115;No)、CPU31は、確認項目についてユーザに確認させるための確認情報を生成する(ステップS116)。上述したように、確認情報は、例えば音声情報であってもよく、LEDランプの点灯であってもよい。
【0101】
例えば、確認情報が音声情報である場合、CPU31は、「1~9ページを濃度100パーセント、片面でスキャンします」といった音声を出力ユニット38Bから出力させるための音声情報を出力する。
【0102】
このように、CPU31が、確認項目についてユーザに確認させるための確認情報を生成することで、画像形成装置10は、設定用紙に記載された内容と、設定DBに登録した内容とが一致しているかどうか、ユーザに確認させることができる。画像形成装置10は、設定用紙に記載された内容と、設定DBに登録した内容とが一致しているかどうか、ユーザに確認させることで、ユーザが意図しない設定での処理の実行を防ぐことができる。
【0103】
続いて、図3のステップS15の設定修正処理の詳細なフローを説明する。
【0104】
図9は、画像形成装置10による設定修正処理の流れを示すフローチャートである。図9に示したのは、図3のステップS15の設定修正処理の詳細なフローである。
【0105】
設定修正処理において、CPU31は、まず設定用紙を読み取った内容の差分を抽出する(ステップS121)。具体的には、CPU31は、再度読み取る前に設定用紙をスキャンして得られる画像データ、すなわち、変更前の設定用紙のスキャンにより得られる画像データと、変更後の設定用紙のスキャンにより得られる画像データとの差分を抽出する。
【0106】
ステップS121に続いて、CPU31は、既存の部分、すなわち、変更前の設定用紙に記載されていた設定に変更があったかどうか判断する(ステップS122)。
【0107】
ステップS122の判断の結果、既存の部分に変更があった場合は(ステップS122;Yes)、CPU31は、該当の設定DBの値を変更する(ステップS123)。
【0108】
一方、ステップS122の判断の結果、既存の部分に変更がなかった場合は(ステップS122;No)、CPU31は、ステップS123の処理をスキップする。
【0109】
続いて、CPU31は、認識処理と同様に、新たに設定用紙に記載されたキーワードが、予め設定されたキーワードと一致するかどうか判断する(ステップS124)。
【0110】
ステップS124の判断の結果、新たに設定用紙に記載されたキーワードが、予め設定されたキーワードと一致している場合は(ステップS124;Yes)、CPU31は、設定用紙に記載されたキーワードを設定DBに登録することで設定内容を登録する(ステップS125)。
【0111】
一方、ステップS124の判断の結果、新たに設定用紙に記載されたキーワードが、予め設定されたキーワードと一致していない場合は(ステップS124;No)、CPU31は、ステップS125の処理をスキップする。
【0112】
具体例を示す。図10は、設定用紙S1の例を示す図である。図10に示した設定用紙S1は、図4に示した設定用紙S1と比較すると、「両面」が二重取り消し線で消されており、その右に「片面」と記載されている。CPU31は、図10に示した設定用紙S1がスキャンされると、設定DBの「両面/片面」の設定について「両面」を削除し、「片面」を追加する。
【0113】
このように設定修正処理を実行することで、画像形成装置10は、ユーザが設定用紙に対して行った変更を読み取って、設定DBに内容を反映させることができる。特に、設定用紙への設定の記入は手書きであってもよく、ユーザに対し、設定用紙に記載された設定の変更を手軽に行わせることができる。
【0114】
設定修正処理の際に、画像形成装置10が新たに読み取った設定用紙の内容が、変更前の設定用紙の内容と全く異なっている場合も考えられる。その場合、CPU31は、変更前の設定用紙の内容で登録した設定DBの内容を削除し、新たに読み取った設定用紙の内容で設定DBへ情報を登録する。
【0115】
次に、画像形成装置10が、設定用紙に記載された設定に基づいて印刷処理を行う場合の例を説明する。
【0116】
図11は、画像形成装置10による情報処理の流れを示すフローチャートである。CPU31がROM32から情報処理プログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、図11に示した一連の情報処理が行なわれる。
【0117】
ステップS11からステップS15までは、図3に示した情報処理と同一であるため、詳細な説明は割愛する。
【0118】
ステップS13の判断の結果、設定が正しかった場合は(ステップS13;Yes)、CPU31は、印刷する対象のファイル名を読み上げる(ステップS24)。プリントする対象のファイルは、例えば画像形成装置10へ印刷ジョブを送信したパーソナルコンピュータに保存されているファイルである。
【0119】
続いて、CPU31は、印刷処理の対象のファイルであるかどうかに関するユーザからの入力を判定する(ステップS25)。ユーザからの入力は入力部11に対して行われる。ユーザからの入力は、ボタンに対する操作であってもよく、発話によるものであってもよい。
【0120】
ユーザからの入力の結果、印刷対象のファイルであった場合は(ステップS25;Yes)、CPU31は、当該ファイルに対する印刷処理をプリントユニット39に実行させる(ステップS26)。一方、ユーザからの入力の結果、印刷対象のファイルでなかった場合は(ステップS25;No)、CPU31は、ステップS26の処理をスキップする。
【0121】
続いて、CPU31は、残りの印刷対象のファイルがあるかどうか判断する(ステップS27)。
【0122】
ステップS27の判断の結果、残りの印刷対象のファイルがある場合は(ステップS27;Yes)、CPU31は、ステップS24に戻ってファイル名を読み上げる。一方、ステップS27の判断の結果、残りの印刷対象のファイルがない場合は(ステップS27;No)、CPU31は、印刷処理が終了した旨の通知を出力ユニット38Bから出力させる(ステップS28)。
【0123】
なお、上記各実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した情報処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、情報処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0124】
また、上記各実施形態では、情報処理のプログラムがROMに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0125】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0126】
10 画像形成装置
30 コンピュータ
S1、S2 設定用紙
P1、P2 原稿
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11