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特許7409060画像形成装置、画像形成装置の制御方法及び画像形成システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成装置の制御方法及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20231226BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20231226BHJP
   G03G 15/20 20060101ALI20231226BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
G03G21/00 370
G03G21/00 388
G03G21/14
G03G15/20 510
G03G15/00 411
G03G15/00 420
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2019225561
(22)【出願日】2019-12-13
(65)【公開番号】P2021096294
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩井 克敏
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-045250(JP,A)
【文献】特開2016-090787(JP,A)
【文献】特開2010-012660(JP,A)
【文献】特開2016-137969(JP,A)
【文献】特開2005-326730(JP,A)
【文献】特開2019-126965(JP,A)
【文献】特開平06-246987(JP,A)
【文献】特開2018-130918(JP,A)
【文献】特開2016-218220(JP,A)
【文献】特開2019-064751(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 21/14
G03G 15/20
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール紙上に画像形成可能な画像形成装置であって、
搬送路にセットされたロール紙を搬送する用紙搬送部と、
前記ロール紙上にトナー像を形成する画像形成部と、
前記ロール紙を加熱して前記トナー像を定着させる定着部と、
印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用される場合、前記ロール紙をニップした状態で前記定着部の加熱を停止して前記ロール紙を搬送させる搬送冷却モードを実行し、印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合、前記搬送冷却モードを実行させない制御部と、を備え、
前記印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合とは、印刷ジョブの終了後に、前記ロール紙の交換または取り外しが予定または予測される場合である、
画像形成装置。
【請求項2】
前記ロール紙の交換が予定または予測される場合とは、ユーザ操作により前記ロール紙の取り出し要求があった場合である、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
印刷ジョブが終了する所定時間前に前記ロール紙の取り出し要求を受け付け可能な第1の設定部を有効にする、
請求項に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ロール紙の残量を検知する残量検知部を更に備え、
前記制御部は、
前記残量検知部が検知した前記ロール紙の残量が所定量以下の場合、前記搬送冷却モードを実行しない
請求項1からのうち何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
印刷ジョブの終了時に前記搬送冷却モードを実行しないように、ジョブ実行前に予め設定可能な第2の設定部を有する、
請求項1からのうち何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ロール紙の切断を検知する切断検知部を更に備え、
前記制御部は、
印刷ジョブの終了時に前記搬送冷却モードを実行せず、かつ前記切断検知部によって前記ロール紙の切断を検知した場合、前記定着部に位置する前記ロール紙を巻き取らせる、
請求項1からのうち何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成装置に対してロール紙の搬送方向上流に設けられた給紙装置または下流に設けられた巻取装置に前記定着部に位置する前記ロール紙を巻き取らせる、
請求項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記ロール紙を切断する切断部を更に備え、
前記制御部は、
印刷ジョブの終了時に前記搬送冷却モードを実行せず、かつ前記切断部によって前記ロール紙を切断した場合、前記用紙搬送部によって前記定着部に位置する前記ロール紙を巻き取る、
請求項1からのうち何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記搬送路におけるロール紙を検知する用紙検知部を更に備え、
前記制御部は、
印刷ジョブの終了時に前記搬送冷却モードを実行せず、かつ印刷ジョブの終了から所定時間経過後まで、前記用紙検知部によって前記搬送路に前記ロール紙を継続して検知した場合、前記搬送冷却モードを実行する
請求項1からのうち何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
ロール紙上に画像形成可能な画像形成装置であって、
搬送路にセットされたロール紙を搬送する用紙搬送部と、
前記ロール紙上にトナー像を形成する画像形成部と、
前記ロール紙を加熱して前記トナー像を定着させる定着部と、
印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用される場合、前記ロール紙をニップした状態で前記定着部の加熱を停止して前記ロール紙を搬送させる搬送冷却モードを実行し、印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合、前記搬送冷却モードを実行させない制御部と、
前記ロール紙の残量を検知する残量検知部と、備え、
前記制御部は、
前記残量検知部が検知した前記ロール紙の残量が所定量以下の場合、前記搬送冷却モードを実行しない、
画像形成装置。
【請求項11】
ロール紙上に画像形成可能な画像形成装置であって、
搬送路にセットされたロール紙を搬送する用紙搬送部と、
前記ロール紙上にトナー像を形成する画像形成部と、
前記ロール紙を加熱して前記トナー像を定着させる定着部と、
印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用される場合、前記ロール紙をニップした状態で前記定着部の加熱を停止して前記ロール紙を搬送させる搬送冷却モードを実行し、印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合、前記搬送冷却モードを実行させない制御部と、
前記ロール紙の切断を検知する切断検知部と、を備え、
前記制御部は、
印刷ジョブの終了時に前記搬送冷却モードを実行せず、かつ前記切断検知部によって前記ロール紙の切断を検知した場合、前記定着部に位置する前記ロール紙を巻き取らせる、
画像形成装置。
【請求項12】
ロール紙上に画像形成可能な画像形成装置であって、
搬送路にセットされたロール紙を搬送する用紙搬送部と、
前記ロール紙上にトナー像を形成する画像形成部と、
前記ロール紙を加熱して前記トナー像を定着させる定着部と、
印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用される場合、前記ロール紙をニップした状態で前記定着部の加熱を停止して前記ロール紙を搬送させる搬送冷却モードを実行し、印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合、前記搬送冷却モードを実行させない制御部と、
前記搬送路におけるロール紙を検知する用紙検知部と、を備え、
前記制御部は、
印刷ジョブの終了時に前記搬送冷却モードを実行せず、かつ印刷ジョブの終了から所定時間経過後まで、前記用紙検知部によって前記搬送路に前記ロール紙を継続して検知した場合、前記搬送冷却モードを実行する、
画像形成装置。
【請求項13】
ロール紙上に画像形成可能な画像形成装置の制御方法であって、
用紙搬送部が搬送路にセットされたロール紙を搬送するステップと、
画像形成部が前記ロール紙上にトナー像を形成するステップと、
定着部が前記ロール紙を加熱して前記トナー像を定着させるステップと、
印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用される場合、前記ロール紙をニップした状態で前記定着部の加熱を停止して前記ロール紙を搬送させる搬送冷却モードを実行し、印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合、前記搬送冷却モードを実行させないステップと、を実行し、
前記印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合とは、印刷ジョブの終了後に、前記ロール紙の交換または取り外しが予定または予測される場合である、
画像形成装置の制御方法。
【請求項14】
ロール紙上に画像形成可能な画像形成装置の制御方法であって、
用紙搬送部が搬送路にセットされたロール紙を搬送するステップと、
画像形成部が前記ロール紙上にトナー像を形成するステップと、
定着部が前記ロール紙を加熱して前記トナー像を定着させるステップと、
印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用される場合、前記ロール紙をニップした状態で前記定着部の加熱を停止して前記ロール紙を搬送させる搬送冷却モードを実行し、印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合、前記搬送冷却モードを実行させないステップと、
残量検知部が検知した前記ロール紙の残量が所定量以下の場合、前記搬送冷却モードを実行させないステップと、
を実行する画像形成装置の制御方法。
【請求項15】
ロール紙上に画像形成可能な画像形成装置の制御方法であって、
用紙搬送部が搬送路にセットされたロール紙を搬送するステップと、
画像形成部が前記ロール紙上にトナー像を形成するステップと、
定着部が前記ロール紙を加熱して前記トナー像を定着させるステップと、
印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用される場合、前記ロール紙をニップした状態で前記定着部の加熱を停止して前記ロール紙を搬送させる搬送冷却モードを実行し、印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合、前記搬送冷却モードを実行させないステップと、
印刷ジョブの終了時に前記搬送冷却モードを実行せず、かつ切断検知部によって前記ロール紙の切断を検知した場合、前記定着部に位置する前記ロール紙を巻き取らせるステップと、
を実行する画像形成装置の制御方法。
【請求項16】
ロール紙上に画像形成可能な画像形成装置の制御方法であって、
用紙搬送部が搬送路にセットされたロール紙を搬送するステップと、
画像形成部が前記ロール紙上にトナー像を形成するステップと、
定着部が前記ロール紙を加熱して前記トナー像を定着させるステップと、
印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用される場合、前記ロール紙をニップした状態で前記定着部の加熱を停止して前記ロール紙を搬送させる搬送冷却モードを実行し、印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合、前記搬送冷却モードを実行させないステップと、
印刷ジョブの終了時に前記搬送冷却モードを実行せず、かつ印刷ジョブの終了から所定時間経過後まで、用紙検知部によって前記搬送路に前記ロール紙を継続して検知した場合、前記搬送冷却モードを実行するステップと、
を実行する画像形成装置の制御方法。
【請求項17】
ロール紙上に画像形成可能な画像形成システムであって、
搬送路にロール紙を供給する給紙装置と、
前記搬送路にセットされた前記ロール紙を搬送する用紙搬送部と、
前記ロール紙上にトナー像を形成する画像形成部と、
前記ロール紙を加熱して前記トナー像を定着させる定着部と、
印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して画像形成装置が使用される場合、前記ロール紙をニップした状態で前記定着部の加熱を停止して前記ロール紙を搬送させる搬送冷却モードを実行し、印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合、前記搬送冷却モードを実行させない制御部と、を備え、
前記印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合とは、印刷ジョブの終了後に、前記ロール紙の交換または取り外しが予定または予測される場合である、
画像形成システム。
【請求項18】
ロール紙上に画像形成可能な画像形成システムであって、
搬送路にロール紙を供給する給紙装置と、
前記搬送路にセットされた前記ロール紙を搬送する用紙搬送部と、
前記ロール紙上にトナー像を形成する画像形成部と、
前記ロール紙を加熱して前記トナー像を定着させる定着部と、
印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して画像形成装置が使用される場合、前記ロール紙をニップした状態で前記定着部の加熱を停止して前記ロール紙を搬送させる搬送冷却モードを実行し、印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合、前記搬送冷却モードを実行させない制御部と、
前記ロール紙の残量を検知する残量検知部と、を備え、
前記制御部は、
前記残量検知部が検知した前記ロール紙の残量が所定量以下の場合、前記搬送冷却モードを実行させない、
画像形成システム。
【請求項19】
ロール紙上に画像形成可能な画像形成システムであって、
搬送路にロール紙を供給する給紙装置と、
前記搬送路にセットされた前記ロール紙を搬送する用紙搬送部と、
前記ロール紙上にトナー像を形成する画像形成部と、
前記ロール紙を加熱して前記トナー像を定着させる定着部と、
印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して画像形成装置が使用される場合、前記ロール紙をニップした状態で前記定着部の加熱を停止して前記ロール紙を搬送させる搬送冷却モードを実行し、印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合、前記搬送冷却モードを実行させない制御部と、
前記ロール紙の切断を検知する切断検知部と、を備え、
前記制御部は、
印刷ジョブの終了時に前記搬送冷却モードを実行せず、かつ前記切断検知部によって前記ロール紙の切断を検知した場合、前記定着部に位置する前記ロール紙を巻き取らせる、
画像形成システム。
【請求項20】
ロール紙上に画像形成可能な画像形成システムであって、
搬送路にロール紙を供給する給紙装置と、
前記搬送路にセットされた前記ロール紙を搬送する用紙搬送部と、
前記ロール紙上にトナー像を形成する画像形成部と、
前記ロール紙を加熱して前記トナー像を定着させる定着部と、
印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して画像形成装置が使用される場合、前記ロール紙をニップした状態で前記定着部の加熱を停止して前記ロール紙を搬送させる搬送冷却モードを実行し、印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合、前記搬送冷却モードを実行させない制御部と、
前記搬送路におけるロール紙を検知する用紙検知部と、を備え、
前記制御部は、
印刷ジョブの終了時に前記搬送冷却モードを実行せず、かつ印刷ジョブの終了から所定時間経過後まで、前記用紙検知部によって前記搬送路に前記ロール紙を継続して検知した場合、前記搬送冷却モードを実行する、
画像形成システム。
【請求項21】
画像形成装置に対してロール紙の搬送方向上流に設けられた給紙装置または下流に設けられた巻取装置に前記定着部に位置する前記ロール紙を巻き取らせる、
請求項17から20のうち何れか1項に記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロール紙に画像を形成する画像形成装置は、原則として常に、定着部にロール紙が存在する。定着部は、ロール紙を加熱してトナー画像を定着させるため、高温になる。そのため、定着部の温度が高い状態でロール紙を停止させると、ロール紙が熱により痛んでしまうことが考えられる。
【0003】
そのため、印刷の終了後、定着部の温度が高い状態ならば、ロール紙を搬送させることで定着ローラの熱を吸わせ、定着部の温度が下がってから、ロール紙の搬送を停止させる必要があった。
【0004】
例えば、従来の画像形成装置は、ロール紙がダメージを受けない温度まで定着部を冷却するために、印刷が完了して定着ヒータをオフにした後、ロール紙の搬送を継続する。これにより、画像形成装置は、ロール紙に定着ローラの熱を吸収させ、所定の温度まで定着部の温度が低下したら定着部を離間する。また、画像形成装置は、ロール紙の搬送速度を落とすことで熱を吸収するロール紙の量を減らしつつ、ロール紙への熱の影響がない温度になるまで待機する制御が行われている。以下、このような制御を搬送冷却モードと呼ぶ。
【0005】
ここで、関連する画像形成装置として、制御部を備え、当該制御部が、例えば、定着部の圧着状態と離間状態との切り替え制御と、ロール紙の搬送速度を制御する画像形成装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-90787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された画像形成装置は、印刷後、定着部を圧着状態で、ロール紙を第1搬送速度で搬送し、所定のタイミングで定着部を離間状態にして、第1搬送速度より低速の第2搬送速度でロール紙を搬送する。そして、画像形成装置は、定着部の温度が所定の温度以下になったとき、ロール紙の搬送を停止する。
【0008】
このように、特許文献1に開示された画像形成装置は、定着部にセットされたロール紙が、変形や破損しない安全な温度まで定着部の温度を下げている。これにより、特許文献1に開示された画像形成装置は、ロール紙の変形や破損を回避することができる。
【0009】
しかしながら、ロール紙の取り外しを行うためには、定着部が安全な温度に下がるまで、ユーザは待機する必要がある。
【0010】
そこで、本発明は、ユーザが不要な待機をすることなく、最適なタイミングでロール紙の取り外しを行うことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち、本発明の上記課題は、下記の構成により解決される。
【0012】
(1)ロール紙上に画像形成可能な画像形成装置であって、
搬送路にセットされたロール紙を搬送する用紙搬送部と、
前記ロール紙上にトナー像を形成する画像形成部と、
前記ロール紙を加熱して前記トナー像を定着させる定着部と、
印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用される場合、前記ロール紙をニップした状態で前記定着部の加熱を停止して前記ロール紙を搬送させる搬送冷却モードを実行し、印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合、前記搬送冷却モードを実行させない制御部と、を備え、
前記印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合とは、印刷ジョブの終了後に、前記ロール紙の交換または取り外しが予定または予測される場合である、
画像形成装置。
【0014】
)前記ロール紙の交換が予定または予測される場合とは、ユーザ操作により前記ロール紙の取り出し要求があった場合である、
)に記載の画像形成装置。
【0015】
)前記制御部は、
印刷ジョブが終了する所定時間前に前記ロール紙の取り出し要求を受け付け可能な第1の設定部を有効にする、
)に記載の画像形成装置。
【0016】
)前記ロール紙の残量を検知する残量検知部を更に備え、
前記制御部は、
前記残量検知部が検知した前記ロール紙の残量が所定量以下の場合、前記搬送冷却モードを実行しない、
(1)から()のうち何れか1つに記載の画像形成装置。
【0017】
)前記制御部は、
印刷ジョブの終了時に前記搬送冷却モードを実行しないように、ジョブ実行前に予め設定可能な第2の設定部を有する、
(1)から()のうち何れか1つに記載の画像形成装置。
【0018】
)前記ロール紙の切断を検知する切断検知部を更に備え、
前記制御部は、
印刷ジョブの終了時に前記搬送冷却モードを実行せず、かつ前記切断検知部によって前記ロール紙の切断を検知した場合、前記定着部に位置する前記ロール紙を巻き取らせる、
(1)から()のうち何れか1つに記載の画像形成装置。
【0019】
)前記画像形成装置に対してロール紙の搬送方向上流に設けられた給紙装置または下流に設けられた巻取装置に前記定着部に位置する前記ロール紙を巻き取らせる、
)に記載の画像形成装置。
【0020】
)前記ロール紙を切断する切断部を更に備え、
前記制御部は、
印刷ジョブの終了時に前記搬送冷却モードを実行せず、かつ前記切断部によって前記ロール紙を切断した場合、前記用紙搬送部によって前記定着部に位置する前記ロール紙を巻き取る、
(1)から()のうち何れか1つに記載の画像形成装置。
【0021】
)前記搬送路におけるロール紙を検知する用紙検知部を更に備え、
前記制御部は、
印刷ジョブの終了時に前記搬送冷却モードを実行せず、かつ印刷ジョブの終了から所定時間経過後まで、前記用紙検知部によって前記搬送路に前記ロール紙を継続して検知した場合、前記搬送冷却モードを実行する、
(1)から()のうち何れか1つに記載の画像形成装置。
(10)ロール紙上に画像形成可能な画像形成装置であって、
搬送路にセットされたロール紙を搬送する用紙搬送部と、
前記ロール紙上にトナー像を形成する画像形成部と、
前記ロール紙を加熱して前記トナー像を定着させる定着部と、
印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用される場合、前記ロール紙をニップした状態で前記定着部の加熱を停止して前記ロール紙を搬送させる搬送冷却モードを実行し、印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合、前記搬送冷却モードを実行させない制御部と、
前記ロール紙の残量を検知する残量検知部と、備え、
前記制御部は、
前記残量検知部が検知した前記ロール紙の残量が所定量以下の場合、前記搬送冷却モードを実行しない、
画像形成装置。
(11)ロール紙上に画像形成可能な画像形成装置であって、
搬送路にセットされたロール紙を搬送する用紙搬送部と、
前記ロール紙上にトナー像を形成する画像形成部と、
前記ロール紙を加熱して前記トナー像を定着させる定着部と、
印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用される場合、前記ロール紙をニップした状態で前記定着部の加熱を停止して前記ロール紙を搬送させる搬送冷却モードを実行し、印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合、前記搬送冷却モードを実行させない制御部と、
前記ロール紙の切断を検知する切断検知部と、を備え、
前記制御部は、
印刷ジョブの終了時に前記搬送冷却モードを実行せず、かつ前記切断検知部によって前記ロール紙の切断を検知した場合、前記定着部に位置する前記ロール紙を巻き取らせる、
画像形成装置。
(12)ロール紙上に画像形成可能な画像形成装置であって、
搬送路にセットされたロール紙を搬送する用紙搬送部と、
前記ロール紙上にトナー像を形成する画像形成部と、
前記ロール紙を加熱して前記トナー像を定着させる定着部と、
印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用される場合、前記ロール紙をニップした状態で前記定着部の加熱を停止して前記ロール紙を搬送させる搬送冷却モードを実行し、印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合、前記搬送冷却モードを実行させない制御部と、
前記搬送路におけるロール紙を検知する用紙検知部と、を備え、
前記制御部は、
印刷ジョブの終了時に前記搬送冷却モードを実行せず、かつ印刷ジョブの終了から所定時間経過後まで、前記用紙検知部によって前記搬送路に前記ロール紙を継続して検知した場合、前記搬送冷却モードを実行する、
画像形成装置。
【0022】
(1)ロール紙上に画像形成可能な画像形成装置の制御方法であって、
用紙搬送部が搬送路にセットされたロール紙を搬送するステップと、
画像形成部が前記ロール紙上にトナー像を形成するステップと、
定着部が前記ロール紙を加熱して前記トナー像を定着させるステップと、
印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用される場合、前記ロール紙をニップした状態で前記定着部の加熱を停止して前記ロール紙を搬送させる搬送冷却モードを実行し、印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合、前記搬送冷却モードを実行させないステップと、を実行し、
前記印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合とは、印刷ジョブの終了後に、前記ロール紙の交換または取り外しが予定または予測される場合である、
画像形成装置の制御方法。
(14)ロール紙上に画像形成可能な画像形成装置の制御方法であって、
用紙搬送部が搬送路にセットされたロール紙を搬送するステップと、
画像形成部が前記ロール紙上にトナー像を形成するステップと、
定着部が前記ロール紙を加熱して前記トナー像を定着させるステップと、
印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用される場合、前記ロール紙をニップした状態で前記定着部の加熱を停止して前記ロール紙を搬送させる搬送冷却モードを実行し、印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合、前記搬送冷却モードを実行させないステップと、
残量検知部が検知した前記ロール紙の残量が所定量以下の場合、前記搬送冷却モードを実行させないステップと、
を実行する画像形成装置の制御方法。
(15)ロール紙上に画像形成可能な画像形成装置の制御方法であって、
用紙搬送部が搬送路にセットされたロール紙を搬送するステップと、
画像形成部が前記ロール紙上にトナー像を形成するステップと、
定着部が前記ロール紙を加熱して前記トナー像を定着させるステップと、
印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用される場合、前記ロール紙をニップした状態で前記定着部の加熱を停止して前記ロール紙を搬送させる搬送冷却モードを実行し、印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合、前記搬送冷却モードを実行させないステップと、
印刷ジョブの終了時に前記搬送冷却モードを実行せず、かつ切断検知部によって前記ロール紙の切断を検知した場合、前記定着部に位置する前記ロール紙を巻き取らせるステップと、
を実行する画像形成装置の制御方法。
(16)ロール紙上に画像形成可能な画像形成装置の制御方法であって、
用紙搬送部が搬送路にセットされたロール紙を搬送するステップと、
画像形成部が前記ロール紙上にトナー像を形成するステップと、
定着部が前記ロール紙を加熱して前記トナー像を定着させるステップと、
印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用される場合、前記ロール紙をニップした状態で前記定着部の加熱を停止して前記ロール紙を搬送させる搬送冷却モードを実行し、印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合、前記搬送冷却モードを実行させないステップと、
印刷ジョブの終了時に前記搬送冷却モードを実行せず、かつ印刷ジョブの終了から所定時間経過後まで、用紙検知部によって前記搬送路に前記ロール紙を継続して検知した場合、前記搬送冷却モードを実行するステップと、
を実行する画像形成装置の制御方法。
【0023】
(1)ロール紙上に画像形成可能な画像形成システムであって、
搬送路にロール紙を供給する給紙装置と、
前記搬送路にセットされた前記ロール紙を搬送する用紙搬送部と、
前記ロール紙上にトナー像を形成する画像形成部と、
前記ロール紙を加熱して前記トナー像を定着させる定着部と、
印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して画像形成装置が使用される場合、前記ロール紙をニップした状態で前記定着部の加熱を停止して前記ロール紙を搬送させる搬送冷却モードを実行し、印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合、前記搬送冷却モードを実行させない制御部と、を備え、
前記印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合とは、印刷ジョブの終了後に、前記ロール紙の交換または取り外しが予定または予測される場合である、
画像形成システム。
【0024】
(18)ロール紙上に画像形成可能な画像形成システムであって、
搬送路にロール紙を供給する給紙装置と、
前記搬送路にセットされた前記ロール紙を搬送する用紙搬送部と、
前記ロール紙上にトナー像を形成する画像形成部と、
前記ロール紙を加熱して前記トナー像を定着させる定着部と、
印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して画像形成装置が使用される場合、前記ロール紙をニップした状態で前記定着部の加熱を停止して前記ロール紙を搬送させる搬送冷却モードを実行し、印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合、前記搬送冷却モードを実行させない制御部と、
前記ロール紙の残量を検知する残量検知部と、を備え、
前記制御部は、
前記残量検知部が検知した前記ロール紙の残量が所定量以下の場合、前記搬送冷却モードを実行させない、
画像形成システム。
(19)ロール紙上に画像形成可能な画像形成システムであって、
搬送路にロール紙を供給する給紙装置と、
前記搬送路にセットされた前記ロール紙を搬送する用紙搬送部と、
前記ロール紙上にトナー像を形成する画像形成部と、
前記ロール紙を加熱して前記トナー像を定着させる定着部と、
印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して画像形成装置が使用される場合、前記ロール紙をニップした状態で前記定着部の加熱を停止して前記ロール紙を搬送させる搬送冷却モードを実行し、印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合、前記搬送冷却モードを実行させない制御部と、
前記ロール紙の切断を検知する切断検知部と、を備え、
前記制御部は、
印刷ジョブの終了時に前記搬送冷却モードを実行せず、かつ前記切断検知部によって前記ロール紙の切断を検知した場合、前記定着部に位置する前記ロール紙を巻き取らせる、
画像形成システム。
(20)ロール紙上に画像形成可能な画像形成システムであって、
搬送路にロール紙を供給する給紙装置と、
前記搬送路にセットされた前記ロール紙を搬送する用紙搬送部と、
前記ロール紙上にトナー像を形成する画像形成部と、
前記ロール紙を加熱して前記トナー像を定着させる定着部と、
印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して画像形成装置が使用される場合、前記ロール紙をニップした状態で前記定着部の加熱を停止して前記ロール紙を搬送させる搬送冷却モードを実行し、印刷ジョブの終了後に継続して前記ロール紙に対して前記画像形成装置が使用されない場合、前記搬送冷却モードを実行させない制御部と、
前記搬送路におけるロール紙を検知する用紙検知部と、を備え、
前記制御部は、
印刷ジョブの終了時に前記搬送冷却モードを実行せず、かつ印刷ジョブの終了から所定時間経過後まで、前記用紙検知部によって前記搬送路に前記ロール紙を継続して検知した場合、前記搬送冷却モードを実行する、
画像形成システム。
21)画像形成装置に対してロール紙の搬送方向上流に設けられた給紙装置または下流に設けられた巻取装置に前記定着部に位置する前記ロール紙を巻き取らせる、
(17)から(20)のうちいずれか1つに記載の画像形成システム。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ユーザが不要な待機をすることなく、最適なタイミングでロール紙の取り外しを行うことができる、画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及び画像形成システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本実施形態に係る画像形成システムの構成例を説明する図である。
図2】画像形成システムにおける画像形成装置の構成を示す機能ブロック図である。
図3】画像形成システムの画像形成装置が実行する、画像形成動作の手順を示すフローチャートである。
図4】画像形成システムの画像形成装置が実行する、画像形成動作の手順を示すフローチャートである。
図5】本実施の形態に係る画像形成装置の表示部に表示された表示画面の例を示した説明図である。
図6】本実施の形態に係る画像形成装置の表示部に表示された表示画面の例を示した説明図である。
図7】ステップ015において、制御部が、加熱ローラ、加圧ローラ、用紙搬送部、及び冷却ファンを、同時にオフに制御する処理を示したタイミングチャートである。
図8】ステップ021において、制御部が、加熱ローラ、加圧ローラ、用紙搬送部、及び冷却ファンにより、搬送冷却制御する処理を示したタイミングチャートである。
図9】画像形成システムの画像形成装置の切断部が、ロール紙を切断するカット位置を示した説明図である。
図10】所定時間経過してもロール紙の巻取作業が開始されなかった場合、用紙搬送部の搬送速度を低速で再開させ、自然冷却する処理を示したタイミングチャートである。
図11】所定時間経過してもロール紙の巻取作業が開始されなかった場合、強制冷却を実施する処理を示したタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実現するための一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。また、後述する各実施形態の一部を適宜組み合わせて構成してもよい。なお、同一の部材については同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
【0028】
<本実施形態>
[画像形成装置の全体の概略構成]
図1は、本実施形態に係る画像形成システム100の構成例を説明する図である。図1に示すように、画像形成システム100は、ロール紙(連続紙)Pを記録媒体として使用し、このロール紙P上に画像を形成するシステムである。
【0029】
図1に示すように、画像形成システム100は、ロール紙Pの搬送方向に沿って、上流側から、給紙装置1、画像形成装置3、巻取装置5が接続されて構成される。
【0030】
給紙装置1は、給紙調整部2を備えている。給紙装置1は、給紙調整部2を介してロール紙Pを画像形成装置3へ給紙する。給紙装置1の筐体内では、例えば、図1に示すように、ロール状で形成されたロール紙Pが支持軸10に巻回されて回転可能に保持される。給紙装置1では、支持軸10に巻回されたロール紙Pは、複数のローラを経由して一定の速度で給紙調整部2へ搬送される。
【0031】
なお、ロール紙Pは、必ずしもロール状に保持されている必要はなく、折り畳まれて保持された連続紙であってもよい。
【0032】
給紙調整部2は、給紙装置1の支持軸10から搬送されたロール紙Pを、画像形成装置3へ搬送する。給紙調整部2は、給紙装置1からのロール紙Pの搬送速度と、画像形成装置3におけるロール紙Pの搬送速度との速度差を吸収するために、図1に示すようにロール紙Pをたるませて保持している。
【0033】
画像形成装置3は、ロール紙Pに画像を形成する機能を有している。画像形成装置3は、ロール紙Pの搬送方向において、給紙装置1の下流側で、且つ、巻取装置5の上流側に設置される。
【0034】
巻取装置5は、巻取調整部4を備えている。巻取装置5は、巻取調整部4を介して画像形成装置3から搬送されてきたロール紙P1を巻き取る。
【0035】
巻取調整部4は、画像形成装置3から搬送されたロール紙P2を、巻取装置5へ搬送する。巻取調整部4は、画像形成装置3からのロール紙P2の搬送速度と、巻取装置5におけるロール紙P1の搬送速度との速度差を吸収するために、図1に示すようにロール紙P1をたるませて保持している。
【0036】
巻取装置5は、巻取装置5の上面に切断部51が設けられている。切断部51は、例えば、ロール紙P1の幅方向に長尺な断裁刃を備え、ロール紙P1を所定の位置にて切断する。
【0037】
巻取装置5の筐体内では、図1に示すように、ロール紙P1が支持軸50に巻回されて、ロール状に保持される。巻取装置5において、巻取調整部4から搬送されてきたロール紙P1は、巻取装置5の上面に露出されて切断部51により切断された後に、再度、巻取装置5の内部に進入し、一定の速度で支持軸50に巻き取られる。
【0038】
また、巻取装置5は、画像形成装置3から離間して設置される。このため、ロール紙Pは、画像形成装置3の搬出口38から搬出され、外部に露出される。そして、ロール紙P2は、巻取調整部4に設けられた支持板42により下面を支持された状態にて搬送され、巻取調整部4に設けられた搬入口41から巻取調整部4の内部に搬入される。
【0039】
次に、画像形成装置3の構成について詳細に説明する。図2は、画像形成システム100における画像形成装置3の構成を示す機能ブロック図である。
【0040】
図2に示すように、画像形成装置3は、用紙搬送部31と、画像形成部32と、定着部33と、制御部6と、表示部61と、操作部62と、記憶部63と、切断部34,341と、切断検知部35と、用紙センサ36と、冷却ファン37とを備えて構成されている。
【0041】
用紙搬送部31は、画像形成装置3の搬送路にセットされたロール紙Pを搬送する。用紙搬送部31は、例えば、複数のローラによって、給紙調整部2から搬送されたロール紙Pを画像形成部32へ搬送すると共に、画像形成部32、及び定着部33を通過したロール紙P2を、巻取調整部4へ搬送する。
【0042】
画像形成部32は、ロール紙P上にトナー像を形成する。画像形成部32は、電子写真プロセスによってトナー像を形成し、ロール紙Pに転写して、各色の層が重畳したトナー像(カラー画像)が形成される。
【0043】
定着部33は、加熱ローラ331、及び加圧ローラ332を備えて構成されている。加熱ローラ331と加圧ローラ332は、一対のローラを構成する。定着部33は、加熱ローラ331によりロール紙Pを加熱して、トナー像を定着させる。これにより、定着部33は、ロール紙P上に転写されたトナー像を定着させる。
【0044】
加熱ローラ331は、加熱源としての定着ヒータにより所定の温度に加熱される。加圧ローラ332は、制御部6の制御により、所定タイミングで、加熱ローラ331に対して圧着又は離間する。
【0045】
トナー像の転写されたロール紙Pは、加熱ローラ331と加圧ローラ332とのニップ部を通ることにより熱と圧力が加えられ、トナー像が溶融定着する。加圧ローラ332の外周面近傍には、温度センサが設けられる。温度センサは、加圧ローラ332の外周面近傍の温度を、定着部33の温度として測定する。
【0046】
制御部6は、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit)、図示しないRAM(Random Access Memory)等により構成される。制御部6のCPUは、記憶部63に記憶されている各種プログラム等を読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行する。制御部6は、例えば、画像形成装置3を構成する各部を制御して、ロール紙がダメージを受けない温度まで定着部を冷却するために、印刷が完了して定着ヒータをオフにした後、ロール紙の搬送を継続する。これにより、画像形成装置3は、ロール紙に定着ローラの熱を吸収させ、所定の温度まで定着部の温度が低下したら、定着部を離間する制御(搬送冷却モード、以下、これを通常モードと呼ぶ。)を実行する。
【0047】
ここで、「通常モード」とは、デフォルトとして設定されているモードのことである。具体的に、制御部6は、ロール紙Pの搬送モードがデフォルトとしての「通常モード」の場合に設定され、ロール紙Pに対して、印刷ジョブの終了後に継続して同じロール紙を使用し、同一又は他の印刷ジョブを行う場合、画像形成部32と定着部33とを動作させずに用紙搬送部31にロール紙Pを搬送させる。この場合、制御部6は、例えば、ある印刷ジョブの終了後に、同一の電子データの印刷ジョブを同一の印刷ジョブとして再度実行し、または、異なる電子データの印刷ジョブを他の印刷ジョブとして実行する。更に、制御部6は、同一の電子データの印刷ジョブを再度実行する場合、その印刷ジョブを他の印刷ジョブとして実行してもよい。
【0048】
また、同じロール紙Pに対して同一の印刷ジョブや他の印刷ジョブを実行することは、画像形成装置3を印刷ジョブにより継続して使用することを意味し、搬送冷却モードを実行する。換言すれば、同じロール紙Pに対して画像形成装置3が継続して使用される場合、制御部6は、ロール紙Pをニップした状態で定着部33の加熱を停止してロール紙Pを搬送させる搬送冷却モードを実行する。また、同じロール紙Pに対して画像形成装置3が継続して使用される場合には、後続の印刷ジョブ(同一の印刷ジョブ及び他の印刷ジョブ)による印刷処理だけでなく、プリントキューによる画像形成装置3の使用も含まれる。
【0049】
一方、制御部6は、「通常モード」ではなく、同じロール紙Pに対して同一の印刷ジョブや他の印刷ジョブを実行しない場合は、画像形成装置3を印刷ジョブにより継続して使用しないことを意味し、搬送冷却モードを実行しない。即ち、制御部6は、印刷ジョブの終了後に、継続してロール紙Pに対して画像形成装置3が使用されない場合、搬送冷却モードを実行させない。この場合、ロール紙Pに対して画像形成装置3が使用されない場合とは、印刷ジョブの終了後にロール紙Pの交換または取り外しが予定または予測される場合が該当する。
【0050】
記憶部63は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリー等で構成されている。記憶部63には、制御部6で実行されるシステムプログラムや処理プログラムを始めとする各種プログラム、及びこれらのプログラムの実行に必要なデータが記憶されている。例えば、記憶部63には、画像形成動作の実行に必要な設定情報が、記憶されている。具体的には、例えば、記憶部63には、ユーザが表示部61の設定画面を用いて設定した画像形成動作におけるロール紙Pの搬送モード等が記憶される。
【0051】
表示部61は、設定部として表示画面を備え、画面上に各種情報の表示を行う。操作部62は、ユーザによる各種指示の入力を受け付ける。操作部62では、設定部として、例えば、画像形成動作におけるロール紙Pの搬送モードを設定変更する場合などの入力を受け付ける。
【0052】
切断部34,341は、ロール紙Pを切断する。切断部34,341は、例えば、図9において後述するカット位置1001,1002において、ロール紙Pを切断する。
【0053】
切断検知部35は、ロール紙Pの切断を検知する。切断検知部35は、例えば、切断部34によってカット位置1001(図9参照)でロール紙Pが切断されたことを検知する。
【0054】
用紙センサ(用紙検知部)36は、搬送路におけるロール紙Pを検知する。
【0055】
冷却ファン37は、定着部33を冷却するファンである。
【0056】
なお、本実施形態においては、制御部6は、図2に示すように、画像形成システム100全体を統括的に制御しているが、給紙装置1、巻取装置5の各装置がそれぞれ制御部を備えた構成であっても良い。
【0057】
また、画像形成装置3は、例えば、画像形成機能に加え、コピー機能、スキャン機能、ファクシミリ機能等を有するMFP(Multi-Function Peripheral)であってもよい。
【0058】
なお、給紙装置1が備える残量センサ(残量検知部)11については、図4のフローチャートを用いて後述する。
【0059】
[画像形成装置の概略動作]
次に、本実施形態における画像形成システム100における画像形成装置3の動作について説明する。図3及び4は、画像形成システム100の画像形成装置3が実行する、画像形成動作の手順を示すフローチャートである。なお、画像形成動作の前提として、予めロール紙Pの搬送冷却モード(通常モード)が設定されている。
【0060】
まず、画像形成装置3の制御部6は、印刷ジョブを受信するとその印刷ジョブを解析し、印刷(プリント)を開始する(ステップS001)。
【0061】
制御部6は、印刷ジョブが終了する所定時間前になったか否か判定しており(ステップS003)、印刷ジョブが終了する所定時間前になるまで待ち受ける(ステップS003のNo)。制御部6は、印刷ジョブが終了する所定時間前になると(ステップS003のYes)、ロール紙Pの取り出し要求設定有効化の設定を行う(ステップS005)。
【0062】
この場合、制御部6は、印刷ジョブが終了する所定時間前に第1の設定部を有効にする。なお、所定時間は、例えば、印刷ジョブが終了する5分前とすることができる。
【0063】
図5は、本実施の形態に係る画像形成装置3の表示部61に表示された表示画面71の例を示した説明図である。図5では、印刷ジョブ終了時にロール紙Pの搬送を停止させる動作の選択画面を示している。なお、第1の設定部の一例として、表示画面71に、搬送冷却モードを実行させないように設定可能な項目(ロール紙取り出し要求)715が設けられた場合について説明する。
【0064】
図5では、表示画面71において、項目711には、現在の印刷ジョブ以外に続けて印刷(プリント)できる旨が表示されている。また、他の項目には、ジョブと、補給/廃棄部材と、用紙と、プリント停止切替え設定と、ロール紙取り出し要求の項目715が表示されている。
【0065】
例えば、ロール紙取り出し要求を示す項目715では、ロール紙Pの取り出し要求が設定可能になっており、領域712において、ボタン713とボタン714とが設けられている。ボタン713は、ロール紙Pを取り出さない旨の設定をするボタンであり、ボタン714は、ロール紙Pを取り出す旨のボタンになっている。
【0066】
ステップS005では、制御部6は、印刷ジョブの終了する5分前(所定時間)になったとき、第1の設定部を構成する項目715を、表示画面71においてポップアップ表示させる(ステップS005)。これにより、制御部6は、ユーザによるロール紙取り出し要求の選択を、ユーザに対し、より意識させることができる。そして、制御部6は、項目715において、ロール取り出し要求を受け付けることができ、その受け付けた内容に従って処理をする。
【0067】
制御部6は、印刷ジョブが終了したか否かを判定しており(ステップS007)、印刷ジョブが終了するまで待ち受ける(ステップS007のNo)。制御部6は、印刷ジョブが終了すると(ステップS007のYes)、ロール紙Pの取り出し要求があるか否かを判定する(ステップS009)。具体的には、制御部6は、図5に示したロール紙取り出し要求を示す項目715において、ボタン714がオンになっているか判定する。
【0068】
制御部6は、図5のボタン714が選択されている場合(ステップS009のYes)、結合子Aを介して図5のステップS015に進む。一方、ボタン713が選択されている場合(ステップS009のNo)、ステップS011に進む。
【0069】
このように、制御部6は、実行中の印刷ジョブの終了後に継続して印刷ジョブが実行される場合でも、搬送冷却モードを実行させないように設定可能な項目715を有している。
【0070】
次に、ステップS011において、制御部6は、ジョブ毎停止設定が有るか否かを判定しており、ジョブ毎停止設定が有る場合には(ステップS011のYes)、結合子Aを介して図4のステップS015に進む。
【0071】
ここで、ステップS011において、制御部6は、印刷ジョブの終了毎に搬送冷却モードを実行しない条件を、予め設定可能な第2の設定部を有している。第2の設定部について、図6を用いて説明する。
【0072】
図6は、本実施の形態に係る画像形成装置3の表示部61の表示画面72に表示された例を示した説明図である。図6では、印刷ジョブの終了時に搬送冷却モードを停止する条件を示す項目721が表示されている。
【0073】
搬送冷却モードを停止する条件を示す項目721には、印刷ジョブの終了時に搬送冷却モードを実行しない条件の一例として、ボタン722,723が表示されている。ボタン722は、1つのジョブが終了する毎に、搬送冷却モードの停止を指示するボタンである。ユーザによっては、ジョブ毎にロール紙Pを取り出したり、交換する場合があり、そのような場合、毎回図5のロール取り出し要求の操作をしなくても済むようにするために、ユーザが予めボタン722で搬送冷却モードの停止設定を指示しておく。これにより、画像形成装置3の近傍で待機しているユーザは、それぞれのジョブの完了とともにすぐロール紙Pの取り出しや交換作業に移ることができる。また、ボタン723は、用紙の残量が少ない場合、搬送冷却モードを停止することを指示するボタンである。
【0074】
上述したステップS011では、制御部6は、第2の設定部を構成するボタン722が選択されているか否かを判定しており、上述したように、ボタン722が選択されてジョブ毎停止設定が有れば(ステップS011のYes)、搬送冷却モードを停止する(ステップS015)。
【0075】
一方、ジョブ毎停止設定がない場合は(ステップS011のNo)、ステップS017において、制御部6は、用紙(ロール紙P)の残量停止設定が有るか否かを判定しており、用紙の残量停止設定がある場合(ステップS017のYes)、結合子Cを介して図4のステップS019に進む。これに対し、用紙の残量停止設定がない場合(ステップS017のNo)、制御部6は、結合子Bを介して図4のステップS021に進む。
【0076】
この場合、ステップS017では、図6における項目721において、ボタン723が選択されていれば、制御部6は、用紙の残量停止設定があると判定する(ステップS017のYes)。そして、制御部6は、印刷用紙の残量が少ないか否かを判定し(ステップS019)、印刷用紙の残量が少ない場合は(ステップS019のYes)、搬送冷却モードを停止する(ステップS015)。
【0077】
このように、制御部6は、印刷ジョブの終了後に継続して印刷ジョブが実行される場合であっても、残量センサ(残量検知部)12が検知したロール紙Pの残量が所定量以下の場合には、搬送冷却モードを実行しないようになっている。
【0078】
即ち、ステップS019では、制御部6は、ロール紙Pの残量が閾値以下であるか否かを判定し、ロール紙Pの残量が閾値以下の場合(ステップS019のYes)、ステップS015に進む。一方、制御部6は、ロール紙Pの残量が閾値よりも大きい場合(ステップS019のNo)、制御部6は、ステップS021に進む。
【0079】
ここで、閾値は、例えば、給紙装置1の残量センサ11(図2参照)によってロール紙Pが印刷された使用量から計測されるロール紙Pの残りの長さであってもよく、また、残量センサ11と支持軸10との距離であってもよい。
【0080】
ステップS015では、制御部6は、搬送冷却モードを実行させないで用紙搬送部31を停止させる。即ち、制御部6は、定着部33を冷却ファン37により冷却しないで用紙搬送部31を停止させている。
【0081】
図7は、ステップ015において、制御部6が、加熱ローラ331、加圧ローラ332、用紙搬送部31、及び冷却ファン37を、同時にオフに制御する処理を示したタイミングチャートである。
【0082】
図7に示すように、制御部6は、ステップS015になったタイミング(時間t1)で、加熱ローラ331の定着ヒータをONからOFFに制御するとともに、加圧ローラ332は、加熱ローラ331に対して圧着状態から離間状態に制御する。また、制御部6は、時間t1において、用紙搬送部31のロール紙Pの搬送速度を、「High」から「OFF」にする。即ち、制御部6は、用紙搬送部31が行うロール紙Pの搬送を停止させる。更に、制御部6は、時間t1において、冷却ファン37の動作を「ON」から「OFF」に制御する。
【0083】
このように、制御部6は、画像形成装置3の搬送冷却モードを停止させる。これにより、ユーザは、不要な待機をすることなく、最適なタイミングでロール紙Pの取り出しを行うことができる。
【0084】
図4に戻り説明を続ける。一方、ステップS021では、制御部6は、定着部33による定着と冷却ファン37による冷却を実行した後、用紙搬送部31の搬送速度を低下させてから用紙搬送部31を停止させる(ステップS021)。この場合、制御部6は、定着部33の加熱ローラ331の定着ヒータをOFFにして冷却ファン37で定着部33を冷却しつつ、用紙搬送部31を停止させている。
【0085】
図8は、ステップ021において、制御部6が、加熱ローラ331、加圧ローラ332、用紙搬送部31、及び冷却ファン37により、搬送冷却制御する処理を示したタイミングチャートである。
【0086】
図8に示すように、制御部6は、ステップS021になったタイミング(時間t1)で、加熱ローラ331の定着ヒータをONからOFFに制御する。この場合、加圧ローラ332は、加熱ローラ331に対して圧着状態を維持し、用紙搬送部31による用紙搬送を継続させることにより、ロール紙Pに加熱ローラ331の熱を吸収させる。また、同時に制御部6は、冷却ファン37により定着部33の加熱ローラ331を冷却する。
【0087】
定着部33の加熱ローラ331における温度が所定の温度まで低下したとき、即ち、時間t1から時間t2になったとき、制御部6は、加圧ローラ332を加熱ローラ331に対して圧着状態から離間状態に制御し、用紙搬送部31の搬送速度を「High」から「Low」に制御する。そして、制御部6は、冷却ファン37ファンを「ON」から「OFF」に制御する。
【0088】
この場合、制御部6は、用紙搬送部31の用紙搬送を停止させると、ロール紙Pを痛める可能性があるため、用紙搬送部31による用紙搬送は低速で動作させる。また、制御部6は、加圧ローラ332を加熱ローラ331から離間させた状態で、冷却ファン37を回転させると、熱風が画像形成部32に流れ込むため、冷却ファン37を停止させる。そして、自然に温度が低下するまで待ち受ける。
【0089】
制御部6は、ロール紙Pを痛めない程度まで温度が低下した場合(即ち、時間t2から時間t3になった場合)、用紙搬送部31による搬送速度を、「Low」から「OFF」に制御し、用紙搬送を停止させる。制御部6は、時間t3において用紙搬送部31による用紙搬送を停止させると、この処理を終了する。
【0090】
また、画像形成システム100は、切断検知部35を備えている。切断検知部35は、ロール紙Pの切断を検知する(ステップS023)。即ち、制御部6は、ステップS015において、用紙搬送部31を停止させた後、ロール紙Pの切断が完了したか否かを判定する(ステップS023)。
【0091】
図4に戻り説明を続ける。制御部6は、印刷ジョブの終了時に搬送冷却モードを実行せず、かつ切断部34によってロール紙Pを切断した場合(ステップS023のYes)、用紙搬送部31によって定着部33に位置するロール紙Pを巻き取る(ステップS025)。
【0092】
図9は、画像形成システム100の画像形成装置3の切断部34が、ロール紙Pを切断するカット位置を示した説明図である。
【0093】
図9に示すように、ロール紙Pを切断する位置は、例えば、切断部34が画像形成装置3の給紙側に設けられた場合、カット位置1001で切断される。また、切断部341が画像形成装置3の巻取側に設けられた場合、カット位置1002で切断される。
【0094】
例えば、印刷ジョブの終了時に、次のジョブが異なる紙種を用いる場合は、給紙装置1と巻取装置5の両方のロール紙P,P1を交換する必要がある。そのため、ロール紙P,P1は、カット位置1001,1002で切断される。
【0095】
一般的には、給紙装置1は、ロール紙Pを給紙方向と逆転する方向には、巻き取ることができないため、カット位置1001でロール紙Pを切断し、巻取装置5がロール紙P1を巻き取る。なお、給紙装置1が給紙方向に対して逆転する方向に巻き取る機構を有する場合は、カット位置1002で切断し、給紙装置1が巻き取ってもよい。
【0096】
また、印刷ジョブの終了時に、次の印刷ジョブが同じロール紙Pを用いる場合、巻取装置5のロール紙P1のみを交換すればよい。巻取装置5のロール紙P1の取り出し後、ロール紙の先端の再セットを容易にするために、カット位置1002でロール紙P2を切断する。
【0097】
この場合、定着部33にロール紙Pが残ることになるが、給紙装置1が逆転巻取機能を有している場合は、給紙装置1がロール紙Pを巻き取ることにより、定着部33にロール紙Pは、残らない。
【0098】
このように、制御部6は、切断部34,341によってロール紙P,P2が切断された場合(ステップS023のYes)、用紙搬送部31によって定着部33に位置するロール紙Pを巻き取り(ステップS025)、給紙装置1と巻取装置5のロール紙P,P1を即交換することが可能となる。この場合、制御部6は、この処理を終了する。
【0099】
図4に戻り説明を続ける。一方、切断部34によってロール紙Pが切断されていないことを切断検知部35が検知した場合は(ステップS023のNo)、制御部6は、所定時間が経過した否かを判定する(ステップS027)。制御部6は、所定時間が経過してもロール紙Pが切断されていないことを切断検知部35により検知した場合(ステップS027のYes)、搬送冷却モードを実行する(ステップS021)。
【0100】
この場合、制御部6は、印刷ジョブの終了時に搬送冷却モードを実行せず、かつ印刷ジョブの終了から所定時間経過後まで、用紙センサ(用紙検知部)36によって搬送路にロール紙Pを継続して検知されていた場合、搬送冷却モードを実行させる(ステップS021)。
【0101】
この場合、制御部6は、図8とは異なる2種類の搬送冷却モードを実行することができる。
【0102】
図10は、所定時間経過してもロール紙Pの巻取作業が開始されなかった場合(ステップS027のYes)、用紙搬送部31の搬送速度を低速で再開させて、自然冷却する処理を示したタイミングチャートである。
【0103】
制御部6は、例えば、図7では、加熱ローラ331の定着ヒータ、加圧ローラ332の圧着、用紙搬送部31の搬送速度、及び冷却ファン37ファンの全てをオフにしていた。図10では、時間t1から所定時間経過して時間t11になったとき、用紙搬送部31の搬送速度を低速で再開させる。
【0104】
即ち、所定時間(例えば、時間t1からt11まで)経過してもロール紙Pの巻取作業が開始されず、冷却しなければならない定着温度が低い場合、制御部6は、用紙搬送部31の搬送速度を低速で再開させて、定着部33を自然冷却させる。
【0105】
一方、図11は、所定時間経過してもロール紙Pの巻取作業が開始されなかった場合に、強制冷却する処理を示したタイミングチャートである。
【0106】
制御部6は、例えば、図10では、用紙搬送部31のみをオンにして、低速の搬送速度でロール紙Pを搬送させ、自然冷却させていた。図11では、時間t1から所定時間経過して時間t12になったとき、加圧ローラ332を圧着状態にして、用紙搬送部31を高速で再開させている。さらに、冷却ファン37ファンもオンにして再開させている。
【0107】
その後、時間t12から所定時間経過して時間t13になったとき、制御部6は、加圧ローラ332を離間状態にし、また、用紙搬送部31の搬送速度を低速の「Low」に設定し、さらに冷却ファン37をオフにする。
【0108】
そして、時間t13から所定時間経過して時間t14になったとき、制御部6は、用紙搬送部31を低速の搬送速度を示す「Low」から停止を示す「OFF」に設定する。
【0109】
即ち、図11に示す搬送冷却モードの場合、所定時間(例えば、時間t1からt12まで)経過してもロール紙Pの巻取作業が開始されなかった場合、加圧ローラ332を再び圧着状態にして、用紙搬送部31の搬送速度を高速で搬送させ、冷却ファン37をオンにして強制冷却を行う。その後、制御部6は、加圧ローラ332を離間状態にし、用紙搬送部31の搬送速度を低速にするとともに、冷却ファン37をオフにして、自然冷却させる。
【0110】
このように、所定時間(例えば、時間t1からt12まで)経過してもロール紙Pの巻取作業が開始されず、冷却しなければならない定着温度が高い場合は、制御部6は、定着部33を強制冷却させる。
【0111】
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成システム100の画像形成装置3は、用紙搬送部31と、画像形成部32と、定着部33と、制御部6とを備えている。制御部6は、印刷ジョブの終了後に継続してロール紙Pに対して画像形成装置3が使用される場合、ロール紙Pをニップした状態で定着部33の加熱を停止してロール紙Pを搬送させる搬送冷却モードを実行し、印刷ジョブの終了後に継続してロール紙Pに対して画像形成装置3が使用されない場合、搬送冷却モードを実行させない。
【0112】
これにより、本実施形態に係る画像形成装置3は、ユーザが不要な待機をすることなく、最適なタイミングでロール紙Pの取り外しを行うことができる。
【符号の説明】
【0113】
100 画像形成システム
1 給紙装置
3 画像形成装置
5 巻取装置
2 給紙調整部
10 支持軸
4 巻取調整部
P,P1,P2 ロール紙
51 切断部
50 支持軸
38 搬出口
42 支持板
6 制御部
61 表示部
62 操作部
63 記憶部
34,341 切断部
35 切断検知部
36 用紙センサ(用紙検知部)
37 冷却ファン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11