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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20231226BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20231226BHJP
【FI】
G06Q30/0601 310
G06Q50/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020020533
(22)【出願日】2020-02-10
(65)【公開番号】P2021125177
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢部 義明
【審査官】松野 広一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-294977(JP,A)
【文献】特開2013-109653(JP,A)
【文献】特開平11-007472(JP,A)
【文献】特開2014-167665(JP,A)
【文献】特開2017-174315(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
利用者による第1サービスの第1利用量と、前記利用者による前記第1サービスと関連する第2サービスの無償で試用する第1利用形態での第2利用量とを取得し、
前記第2サービスの利用に応じた前記第1サービスの利用量の変化量であって定められた関係に従って前記第2利用量から得られる前記変化量と前記第1利用量とを用いて、前記第1利用形態から有償で使用する第2利用形態に切り替えられた後の期間における前記利用者による前記第1サービスの第1予測利用量を算出し、
前記第1予測利用量に応じた前記期間における前記第1サービスの第1予測利用額と前記第2利用量に応じた前記期間における前記第2サービスの第2予測利用額とを示す情報を出力する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記関係は、前記第1サービスの内容と前記第2サービスの内容とに応じて予め定められている
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
少なくとも一の他の利用者による前記第1サービス及び前記第2サービスの利用量の履歴を取得し、
前記利用量の履歴を用いて前記関係を定める
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記利用者による前記第1サービス及び前記第2サービスを含む複数のサービスの利用状況を示す第1利用情報と、前記少なくとも一の他の利用者による前記複数のサービスの利用状況を示す第2利用情報とを取得し、
前記第1利用情報と前記第2利用情報とを用いて、前記少なくとも一の他の利用者から前記利用状況について前記利用者との類似度が閾値以上となる参照者を決定し、
前記参照者による前記第1サービス及び前記第2サービスの利用量の履歴を取得し、
前記利用量の履歴を用いて前記関係を定める
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記第1利用形態から前記第2利用形態への切り替えとともに前記利用者により前記第2サービスの利用条件が変更される場合、変更後の利用条件を取得し、
前記期間における前記変更後の利用条件での前記第2サービスの第2予測利用量を算出し、
前記変化量は、前記定められた関係に従って前記第2予測利用量から得られる
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記変更後の利用条件に従って前記第2利用量から前記第2予測利用量を算出する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記利用条件は、第1利用条件であり、
前記プロセッサは、
他の利用者による前記第2サービスの第2利用条件及び利用量の履歴を取得し、
前記第1利用条件と前記第2利用条件との関係に応じて、前記利用量の履歴から前記第2予測利用量を算出する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記第1予測利用額及び前記第2予測利用額の出力後に、前記第2サービスの利用条件が変更されると、前記利用条件の変更に応じて前記第2予測利用量を変更し、
前記変更された第2予測利用量に応じて前記第1予測利用量を変更し、
前記変更された第1予測利用量及び第2予測利用量に応じてそれぞれ前記第1予測利用額及び前記第2予測利用額を変更し出力する
ことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記定められた関係は第1関係であり、
前記プロセッサは、前記第1利用形態から前記第2利用形態への切り替えとともに前記利用者により前記第2サービスと関連する第3サービスの利用が開始される場合には、前記期間における前記利用者による前記第3サービスの第3予測利用量であって定められた第2関係に従って前記第2利用量から得られる前記第3予測利用量を算出し、
前記情報は、さらに前記第3予測利用量に応じた前記期間における前記第3サービスの第3予測利用額を示す
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータに、
利用者による第1サービスの第1利用量と、前記利用者による前記第1サービスと関連する第2サービスの無償で試用する第1利用形態での第2利用量とを取得するステップと、
前記第2サービスの利用に応じた前記第1サービスの利用量の変化量であって定められた関係に従って前記第2利用量から得られる前記変化量と前記第1利用量とを用いて、前記第1利用形態から有償で使用する第2利用形態に切り替えられた後の期間における前記利用者による前記第1サービスの第1予測利用量を算出するステップと、
前記第1予測利用量に応じた前記期間における前記第1サービスの第1予測利用額と前記第2利用量に応じた前記期間における前記第2サービスの第2予測利用額とを示す情報を出力するステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用量に応じて課金される従量課金サービスがある。従量課金サービスに関し、例えば特許文献1には、対象プログラムが使用する資源の使用状況に基づいて、他の情報処理システムにて対象プログラムを実行した場合の課金額を算出する技術が記載されている。特許文献2には、ユーザがソフトウェアを稼働させて無償利用した利用量を算出し、この利用量が設定値を超えると、無償利用に利用制限をかけることで利用量に応じたサービスを提供する技術が記載されている。特許文献3には、通信手段が通常課金制で通信サービスを利用した累計時間をカウントし、累計時間が所定閾値時間を超えている場合に、課金方式の変更を促す変更画面を表示する技術が記載されている。また、従量課金サービスの利用に先立って、定められた期間に限り利用できる体験版が提供されることがある。このような体験版は、例えばライセンス数や機能等の制限が課せられていることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-174315号公報
【文献】特開2014-167665号公報
【文献】特開2013-55696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した体験版は無償であっても、体験版から有償の製品版に切り替えた後は、サービスの利用には利用量に応じた利用額がかかる。しかし、体験版の利用者は、体験版から製品版に切り替える前においては、製品版に切り替えた後のサービスの利用額は分からない。特に、利用者がこのサービスに関連する他のサービスを既に利用している場合には、体験版から製品版への切り替えに伴って他のサービスの利用量が変化する場合がある。このような場合には、体験版から製品版に切り替えた後のこれらのサービスの利用額を正確に予測するのは困難である。
本発明は、第2サービスの利用形態を無償試用から有償使用に切り替える前後で既に利用している第1サービスの利用量に変化がないと想定する場合に比べて、第2サービスの利用形態を切り替えた後の期間における第1サービス及び第2サービスの予測利用額の確度を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、利用者による第1サービスの第1利用量と、前記利用者による前記第1サービスと関連する第2サービスの無償で試用する第1利用形態での第2利用量とを取得し、前記第2サービスの利用に応じた前記第1サービスの利用量の変化量であって定められた関係に従って前記第2利用量から得られる前記変化量と前記第1利用量とを用いて、前記第1利用形態から有償で使用する第2利用形態に切り替えられた後の期間における前記利用者による前記第1サービスの第1予測利用量を算出し、前記第1予測利用量に応じた前記期間における前記第1サービスの第1予測利用額と前記第2利用量に応じた前記期間における前記第2サービスの第2予測利用額とを示す情報を出力することを特徴とする情報処理装置である。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記関係は、前記第1サービスの内容と前記第2サービスの内容とに応じて予め定められていることを特徴とする。
【0007】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、少なくとも一の他の利用者による前記第1サービス及び前記第2サービスの利用量の履歴を取得し、前記利用量の履歴を用いて前記関係を定めることを特徴とする。
【0008】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記利用者による前記第1サービス及び前記第2サービスを含む複数のサービスの利用状況を示す第1利用情報と、前記少なくとも一の他の利用者による前記複数のサービスの利用状況を示す第2利用情報とを取得し、前記第1利用情報と前記第2利用情報とを用いて、前記少なくとも一の他の利用者から前記利用状況について前記利用者との類似度が閾値以上となる参照者を決定し、前記参照者による前記第1サービス及び前記第2サービスの利用量の履歴を取得し、前記利用量の履歴を用いて前記関係を定めることを特徴とする。
【0009】
請求項5に係る発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第1利用形態から前記第2利用形態への切り替えとともに前記利用者により前記第2サービスの利用条件が変更される場合、変更後の利用条件を取得し、前記期間における前記変更後の利用条件での前記第2サービスの第2予測利用量を算出し、前記変化量は、前記定められた関係に従って前記第2予測利用量から得られることを特徴とする。
【0010】
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記変更後の利用条件に従って前記第2利用量から前記第2予測利量を算出することを特徴とする。
【0011】
請求項7に係る発明は、請求項5に記載の情報処理装置において、前記利用条件は、第1利用条件であり、前記プロセッサは、他の利用者による前記第2サービスの第2利用条件及び利用量の履歴を取得し、前記第1利用条件と前記第2利用条件との関係に応じて、前記利用量の履歴から前記第2予測利用量を算出することを特徴とする。
【0012】
請求項8に係る発明は、請求項5から7のいずれか1項に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第1予測利用額及び前記第2予測利用額の出力後に、前記第2サービスの利用条件が変更されると、前記利用条件の変更に応じて前記第2予測利用量を変更し、前記変更された第2予測利用量に応じて前記第1予測利用量を変更し、前記変更された第1予測利用量及び第2予測利用量に応じてそれぞれ前記第1予測利用額及び前記第2予測利用額を変更し出力することを特徴とする。
【0013】
請求項9に係る発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の情報処理装置において、前記定められた関係は第1関係であり、前記プロセッサは、前記第1利用形態から前記第2利用形態への切り替えとともに前記利用者により前記第2サービスと関連する第3サービスの利用が開始される場合には、前記期間における前記利用者による前記第3サービスの第3予測利用量であって定められた第2関係に従って前記第2利用量から得られる前記第3予測利用量を算出し、前記情報は、さらに前記第3予測利用量に応じた前記期間における前記第3サービスの第3予測利用額を示すことを特徴とする。
【0014】
請求項10に係るプログラムは、コンピュータに、利用者による第1サービスの第1利用量と、前記利用者による前記第1サービスと関連する第2サービスの無償で試用する第1利用形態での第2利用量とを取得するステップと、前記第2サービスの利用に応じた前記第1サービスの利用量の変化量であって定められた関係に従って前記第2利用量から得られる前記変化量と前記第1利用量とを用いて、前記第1利用形態から有償で使用する第2利用形態に切り替えられた後の期間における前記利用者による前記第1サービスの第1予測利用量を算出するステップと、前記第1予測利用量に応じた前記期間における前記第1サービスの第1予測利用額と前記第2利用量に応じた前記期間における前記第2サービスの第2予測利用額とを示す情報を出力するステップとを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明によれば、第2サービスの利用形態を無償試用から有償使用に切り替える前後で既に利用している第1サービスの利用量に変化がないと想定する場合に比べて、第2サービスの利用形態を切り替えた後の期間における第1サービス及び第2サービスの予測利用額の確度が高くなる。
請求項2に係る発明によれば、第1サービスの内容と第2サービスの内容とは無関係に関係が定められる場合に比べて、第1サービス及び第2サービスの予測利用額の確度が高くなる。
請求項3に係る発明によれば、他の利用者の利用量とは無関係に関係が定められる場合に比べて、第1サービス及び第2サービスの予測利用額の確度が高くなる。
請求項4に係る発明によれば、参照者以外の他の利用者の利用量の履歴を用いて関係が決定される場合に比べて、第1サービス及び第2サービスの予測利用額の確度が高くなる。
請求項5に係る発明によれば、第2サービスの利用形態の切り替えとともに第2サービスの利用条件が変更される場合に、変更前の利用条件に従って第2サービスの第2予測利用量を算出する場合に比べて、第1サービス及び第2サービスの予測利用額の確度が高くなる。
請求項6に係る発明によれば、利用条件の変更内容を反映した第2サービスの予測利用量を得ることができる。
請求項7に係る発明によれば、他の利用者による第2サービスの利用量を反映した第2サービスの予測利用量を得ることができる。
請求項8に係る発明によれば、第2サービスの利用条件の変更に応じた第1サービス及び第2サービスの予測利用額の変化を利用者が認識することができる。
請求項9に係る発明によれば、第2サービスの利用形態の切り替えとともに第1サービスと関連する第3サービスの利用が開始される場合でも、第3サービスの予測利用量を第2サービスの利用量とは無関係に算出する場合に比べて、第2サービスの利用形態を切り替えた後の期間における第3サービスの予測利用額の確度が高くなる。
請求項10に係る発明によれば、第2サービスの利用形態を無償試用から有償使用に切り替える前後で既に利用している第1サービスの利用量に変化がないと想定する場合に比べて、第2サービスの利用形態を切り替えた後の期間における第1サービス及び第2サービスの予測利用額の確度が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係るサービス提供システム100の一例を示す図である。
図2】サーバ装置130の構成の一例を示す図である。
図3】利用履歴136の一例を示す図である。
図4】関係定義テーブル137の一例を示す図である。
図5】ユーザ情報138の一例を示す図である。
図6】サービス提供システム100の動作の一例を示すシーケンスチャートである。
図7】表示部122に表示される予測利用量の一例を示す図である。
図8】表示部122に表示される予測利用額の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
1.構成
図1は、本実施形態に係るサービス提供システム100の一例を示す図である。サービス提供システム100は、利用者に各種のサービスを提供する。このサービスには、従量課金制のサービスが含まれる。この従量課金制とは、サービスの利用量に応じた利用額を課す方式をいう。また、サービスには、有償でサービスが提供される製品版と、無償でサービスが提供される体験版とがある。体験版は、製品版の購入前に試用目的で提供される。なお、体験版、製品版は、それぞれ本発明に係る第1利用形態、第2利用形態の一例である。体験版の利用には制限が設けられている。この制限には、例えば利用期間やライセンス数の制限が含まれる。例えばスキャンサービスセットの体験版は、利用期間が1か月間、ライセンス数が2ユーザに制限されている。体験版においては、複数のサービスを組み合わせて試用し得る。例えばスキャンサービスセットの体験版には、「スキャン to クラウド」というサービスを含む複数のサービスが含まれる。この「スキャン to クラウド」というサービスは、スキャンしたデータをクラウド上に送信するサービスである。サービス提供システム100は、クライアント装置110と、端末装置120と、サーバ装置130とを備える。これらの装置は通信回線140を介して接続されている。
【0018】
クライアント装置110は、複数のサービスの提供に用いられる。クライアント装置110には、例えばコピー機能、プリント機能、スキャン機能、ファクシミリ機能等の画像を処理する複数の機能を有する画像処理装置が用いられてもよい。
【0019】
端末装置120は、管理者により使用される。管理者は、端末装置120を用いてサーバ装置130に対してデータの入出力を行う。端末装置120にはブラウザーがインストールされており、ブラウザーを利用してデータの入出力が行われてもよい。例えば管理者は、端末装置120を用いて体験版の利用の申し込みや体験版から製品版への切り替えの申し込みを行う。端末装置120は、後述するサーバ装置130と同様の構成に加えて、操作部121と、表示部122とを備える。操作部121は、端末装置120の操作に用いられる。操作部121には、例えばマウスとキーボードとが用いられてもよい。表示部122は、各種の情報を表示する。表示部122には、例えば液晶ディスプレイが用いられてもよい。
【0020】
図2は、サーバ装置130の構成の一例を示す図である。サーバ装置130は、サービスのライセンス管理を行う。また、サーバ装置130は、体験版が製品版に切り替えられる際に、サービスの予測利用量と予測利用額とを算出し、端末装置120に提供する。なお、サーバ装置130は、本発明に係る情報処理装置の一例である。サーバ装置130は、プロセッサ131と、メモリ132と、通信部133と、記憶部134とを備える。これらの部位はバス135を介して接続されている。
【0021】
プロセッサ131は、プログラムを実行することにより、サーバ装置130の各部を制御し又は各種の処理を行う。プロセッサ131には、例えばCPUが用いられてもよい。メモリ132には、プロセッサ131により実行されるプログラムが記憶される。メモリ132には、例えばROM及びRAMが用いられてもよい。通信部133は、通信回線140を介して接続された他の装置とデータ通信を行う。記憶部134には、各種のデータが記憶される。記憶部134には、例えばハードディスクドライブ又はSSD(Solid State Drive)が用いられてもよい。記憶部134には、利用履歴136と、関係定義テーブル137と、ユーザ情報138とが予め記憶される。
【0022】
図3は、利用履歴136の一例を示す図である。利用履歴136は、利用者がサービスを利用した履歴を示す。利用履歴136には、日時と、ユーザIDと、サービスIDと、利用量と、種別とが含まれる。日時は、利用者がサービスを利用した日時を示す。ユーザIDは、利用者を一意に識別する情報である。このユーザIDは、個々の利用者を識別するものであってもよいし、複数の利用者が所属する組織毎にグルーピングされていてもよい。サービスIDは、利用者に利用されたサービスを一意に識別する情報である。利用量は、利用者がサービスを利用した量を示す。例えばコピー機能が利用された場合、この利用量にはコピーした枚数が用いられてもよい。スキャン機能が利用された場合、この利用量にはスキャンした枚数が用いられてもよい。なお、スキャンサービスセットのように複数のサービスが含まれる場合、この利用量はサービス毎に計数される。各サービスの利用量は、当該サービスに対して予め定められた方法で計数される。また、サービスに対して複数のライセンスが存在する場合には、これらのライセンスによる利用量の合計がこのサービスの利用量となる。種別は、利用者が利用したサービスが体験版であるか製品版であるかを示す情報である。利用履歴136には、利用者がサービスを利用する度に、サービスを利用した日時と、その利用者に対応するユーザIDと、サービスの利用量と、そのサービスに対応するサービスIDと、そのサービスが体験版であるか製品版であるかを示す種別とが対応付けて記憶される。
【0023】
利用履歴136を集計することにより、ユーザ毎に各サービスの月別の利用量が得られる。例えば、ユーザIDが「user1」の利用者によるスキャンサービスセットの体験版の利用量は、利用履歴136においてユーザID「user1」と、スキャンサービスセットのサービスIDと、体験版という種別との組に対応付けられた利用量を合算することにより得られる。また、ユーザIDが「user2」の利用者による第1クラウドストレージサービスの製品版の各月の利用量は、各月に含まれる日時と、利用履歴136においてユーザID「user2」と、第1クラウドストレージサービスのサービスIDと、製品版という種別との組に対応付けられた利用量を合算することにより得られる。利用履歴136は定められた時間間隔で集計され、その集計の結果が記憶部134に記憶されてもよい。
【0024】
図4は、関係定義テーブル137の一例を示す図である。クライアント装置110を用いて提供されるサービスの中には、特定のサービスと利用量が排他関係又は依存関係を有するサービスがある。例えばサービス提供システム100が提供するサービスには、スキャンサービスセットとクラウドストレージサービスとが含まれる。上述したように、スキャンサービスセットに含まれる「スキャン to クラウド」というサービスは、スキャンしたデータをクラウド上に送信するサービスである。一方、クラウドストレージサービスは、データをクラウド上で保存するサービスである。そのため、スキャンサービスセットを利用すると、「スキャン to クラウド」というサービスの利用量だけクラウドストレージサービスの利用量が増える。この場合、スキャンサービスセットの利用量とクラウドストレージサービスとの利用量には依存関係があると言える。また、サービス提供システム100が提供するサービスには、さらに文書管理サービスが含まれる。スキャンサービスセットは、画像をスキャンしてデータに変換するサービスである。一方、文書管理サービスは、データを利用者が所望の形式に変換するサービスである。そのため、スキャンサービスセットを利用すると、スキャンサービスセットの利用量のうち文書管理サービスが取り扱う形式に変換される分だけ文書管理サービスの利用量が増える。この場合、スキャンサービスセットの利用量と文書管理サービスとの利用量には依存関係があると言える。関係定義テーブル137は、特定のサービスの利用量と、特定のサービスと関連する他のサービスについて特定のサービスの利用に応じた利用量の変化量との関係を示す。この関係は、特定のサービスの内容と関連する他のサービスの内容とに応じて予め定められている。関係定義テーブル137には、サービスIDと、関連サービスIDと、割合とが含まれる。
【0025】
サービスIDは、サービスを一意に識別する情報である。関連サービスIDには、このサービスに関連する他のサービスを一意に識別する情報である。この関連サービスとは、対応するサービスの利用に応じて利用量が変化するサービスを示す。例えば上述したように、スキャンサービスセットが利用されると、スキャンサービスセットに含まれる「スキャン to クラウド」の利用量だけクラウドストレージサービスの利用量が増える。この場合、スキャンサービスセットの関連サービスには、クラウドストレージサービスが含まれる。また、スキャンサービスセットが利用されると、スキャンサービスセットの利用量のうち文書管理サービスが取り扱う形式に変換される分だけ文書管理サービスの利用量が増える。この場合、スキャンサービスセットの関連サービスには、文書管理サービスが含まれる。
【0026】
割合は、サービスの利用量に対する関連サービスの利用量の変化量の割合を示す。すなわち、割合は、サービスの利用量と関連サービスの利用量の変化量との関係を示す。例えばスキャンサービスセットが利用されると、スキャンサービスセットに含まれる「スキャン to クラウド」の利用量だけクラウドストレージサービスの利用量が増える場合において、スキャンサービスセットの利用量に対する「スキャン to クラウド」の利用量の割合が50%であると想定されるときは、スキャンサービスセットの利用量に対するクラウドストレージサービスの利用量の変化量の割合は50%となる。また、例えばスキャンサービスセットが利用されると、スキャンサービスセットの利用量のうち文書管理サービスが取り扱う形式に変換される分だけ文書管理サービスの利用量が増える場合において、スキャンサービスセットの利用量に対するこの形式に変換される分の利用量の割合が50%であると想定されるときは、スキャンサービスセットの利用量に対する文書管理サービスの利用量の変化量の割合は50%となる。この割合は、予め定められていてもよい。なお、スキャンサービスセットの利用量に対するクラウドストレージサービスの利用量の変化量の割合、スキャンサービスセットの利用量に対する文書管理サービスの利用量の変化量の割合は、それぞれ、本発明に係る第1関係、第2関係の一例である。
【0027】
図5は、ユーザ情報138の一例を示す図である。ユーザ情報138には、サービスを利用する全利用者の情報が含まれる。ユーザ情報138には、ユーザIDと、利用情報とが含まれる。各ユーザIDには、そのユーザIDに対応する利用者の利用情報が対応付けられている。ユーザIDは、利用者を一意に識別する情報である。このユーザIDは、個々の利用者を識別するものであってもよいし、複数の利用者が所属する組織毎にグルーピングされていてもよい。利用情報は、サービスの利用状況を示す情報である。利用情報には、顧客情報と、契約情報と、構成情報とが含まれる。顧客情報は、利用者の属性を示す情報である。例えば利用者が会社に所属する場合、顧客情報には、従業員数等の会社の規模を示す情報が含まれる。契約情報は、利用者が利用の契約をしているサービスとその利用条件とを示す情報である。利用の契約をしているサービスは、利用者が利用中のサービスを示す。構成情報は、利用者が利用可能なクライアント装置110の構成を示す情報である。この構成情報には、例えばクライアント装置110の型番やクライアント装置110にインストールされたソフトウェアのバージョンが含まれてもよい。
【0028】
2.動作
図6は、サービス提供システム100の動作の一例を示すシーケンスチャートである。なお、以下の説明において、プロセッサ131を処理の主体として記載する場合、これは、メモリ132に記憶されたプログラムと、このプログラムを実行するプロセッサ131との協働により、プロセッサ131が演算を行い又は他のハードウェア要素の動作を制御することにより、処理が行われることを意味する。図6に示す動作は、例えば利用者(以下、「対象利用者」という。)が体験版のサービス(以下、「対象サービス」という。)を利用しているときに、体験版から製品版に切り替えるときに行われる。なお、対象サービスは、本発明に係る第2サービスの一例である。
【0029】
ステップS11において、端末装置120は、入力画面を表示部122に表示する。この入力画面は、サービスの利用条件の入力に用いられる。この入力画面は、例えばサービスの購入に用いられる購買画面であってもよい。この利用条件には、例えばライセンス数やオプションの構成が含まれる。対象利用者に対応する管理者は、操作部121を用いて入力画面に利用条件を入力する操作を行う。例えば体験版から製品版への切り替えとともに対象サービスの利用条件が変更される場合、入力画面を用いて対象サービスの変更後の利用条件が入力される。また、対象サービスの体験版から製品版への切り替えに伴って新規サービスの利用を開始したい場合には、入力画面を用いて新規サービスの利用条件が入力される。
【0030】
ステップS12において、端末装置120は、管理者の操作に応じて入力された利用条件をサーバ装置130に送信する。この利用条件には、対象利用者のユーザIDが含まれる。端末装置120から利用条件が送信されると、サーバ装置130は通信部133にてこの利用条件を受信する。プロセッサ131は、この利用条件を取得する。
【0031】
ステップS13において、プロセッサ131は、記憶部134に記憶された利用履歴136に基づいて、対象利用者による対象サービスの体験版の利用量を取得する。対象サービスの体験版の利用量は、本発明に係る第2利用量の一例である。
【0032】
ステップS14において、プロセッサ131は、対象サービスが体験版から製品版に切り替えられた後の単位期間における対象利用者による対象サービスの予測利用量を算出する。この単位期間は、例えば1か月である。なお、対象サービスの製品版の予測利用量は、本発明に係る「第2予測利用量」の一例である。
【0033】
まず、対象サービスの体験版と製品版との間でライセンス数が異なる場合に、対象サービスの製品版の予測利用量を算出する方法の一例を説明する。この方法では、対象サービスの体験版のライセンス数と製品版のライセンス数との関係に応じて、対象サービスの体験版の利用量から予測利用量が算出される。対象サービスの体験版のライセンス数は予め定められている。対象サービスの製品版のライセンス数は、端末装置120から受信した利用条件に含まれる。対象サービスの体験版の利用量には、上述したステップS13において取得された利用量が用いられる。
【0034】
例えば、体験版のライセンス数が2ユーザであり、製品版のライセンス数が20ユーザであり、体験版の利用量が1000ページである場合、対象サービスの予測利用量は以下の式(1)により10000ページとなる。
【数1】
【0035】
次に、対象サービスの体験版と製品版との間でライセンス数が異なる場合に、全利用者による対象サービスの利用量の履歴を用いて、対象サービスの製品版の予測利用量を算出する方法の他の例を説明する。この方法では、対象サービスの製品版のライセンス数と全利用者が有する対象サービスのライセンス数との関係に応じて、全利用者による対象サービスの単位期間当たりの利用量から予測利用量が算出される。この全利用者には、対象利用者とは異なる少なくとも一の他の利用者が含まれる。対象サービスの製品版のライセンス数は、端末装置120から受信した利用条件に含まれる。全利用者が有する対象サービスのライセンス数は、記憶部134に記憶されたユーザ情報138から取得される。全利用者による対象サービスの単位期間当たりの利用量は、記憶部134に記憶された利用履歴136に基づいて取得される。なお、対象サービスの製品版のライセンス数、全利用者が有する対象サービスのライセンス数は、それぞれ、本発明に係る第1利用条件、第2利用条件の一例である。
【0036】
例えば、対象サービスの製品版のライセンス数が20ユーザであり、全利用者による対象サービスの単位期間当たりの利用量が50000ページであり、全利用者が有する対象サービスのライセンス数が100である場合、対象サービスの予測利用量は以下の式(2)により10000ページとなる。
【数2】
【0037】
ステップS15において、プロセッサ131は、記憶部134に記憶された関係定義テーブル137及びユーザ情報138に基づいて、対象サービスに関連する関連サービスの製品版を対象利用者が利用しているか否かを判定する。なお、関連サービスは、本発明に係る第1サービスの一例である。ここでは、対象サービスがスキャンサービスセットである場合を想定する。図4に示す関係定義テーブル137は、スキャンサービスセットの関連サービスにはクラウドストレージサービスと文書管理サービスとが含まれることを示す。例えば図5に示すユーザ情報138が第1クラウドストレージサービスの製品版と第2スキャンサービスセットの製品版とを対象利用者が利用していることを示す場合には、ステップS15の判定がYESになり、処理は次のステップS16に進む。なお、以下の説明において、単に「第1クラウドストレージサービス」、「第2クラウドストレージサービス」という場合には、これらのサービスの製品版を示すものとする。一方、関係定義テーブル137が対象サービスの関連サービスがないことを示す場合、又はユーザ情報138が対象サービスの関連サービスを対象利用者が利用していないことを示す場合には、ステップS15の判定がNOになり、処理は後述するステップS16からS21を飛ばしてステップS22に進む。
【0038】
ステップS16において、プロセッサ131は、記憶部134に記憶された利用履歴136に基づいて、対象利用者による関連サービスの利用量を取得する。ここでは、関連サービスが第1クラウドストレージサービスと第2クラウドストレージサービスとであるものとする。この場合、利用履歴136に基づいて対象利用者による第1クラウドストレージサービス及び第2クラウドストレージサービスの利用量が取得される。なお、関連サービスの利用量は、本発明に係る第1利用量の一例である。
【0039】
ステップS17において、プロセッサ131は、記憶部134に記憶された関係定義テーブル137を用いて、対象サービスが体験版から製品版に切り替えられた後の単位期間における対象利用者による関連サービスの基本の予測利用量を算出する。なお、関連サービスの予測利用量は、本発明に係る第1予測利用量の一例である。
【0040】
例えば、関連サービスの直近の利用量と対象サービスの体験版から製品版への切り替えに伴う関連サービスの利用量の変化量とを用いて関連サービスの予測利用量が算出される。この変化量は、関係定義テーブル137が示す対象サービスの体験版の利用量と関連サービスの利用量の変化量との関係に従って対象サービスの予測利用量から得られる。この対象サービスの予測利用量には、ステップS14において算出された予測利用量が用いられる。対象利用者による関連サービスの直近の利用量は、例えば8月に対象サービスの体験版が利用されている場合には、ステップS16において取得された関連サービスの利用量のうち8月の利用量が用いられる。
【0041】
ここでは、対象サービスがスキャンサービスセットであり、関連サービスが第1クラウドストレージサービスと第2クラウドストレージサービスとであるものとする。図4に示す関係定義テーブル137は、スキャンサービスセットの利用量に対するクラウドストレージサービスの利用量の変化量の割合は50%(すなわち、0.5)であることを示す。例えば第1クラウドストレージサービスの直近の利用量が90GBであり、対象サービスの予測利用量が10GBである場合、第1クラウドストレージサービスの単位期間における予測利用量は以下の式(3-1)により94.5GBとなる。また、第2クラウドストレージサービスの直近の利用量が10GBであり、対象サービスの予測利用量が10GBである場合、第2クラウドストレージサービスの単位期間における予測利用量は以下の式(3-2)により10.5GBとなる。ここで、第1クラウドストレージサービスの直近の利用量と第2クラウドストレージサービスの直近の利用量の比率は、9対1(すなわち、0.9対0.1)である。
【数3】
【0042】
ステップS18において、プロセッサ131は、記憶部134に記憶された利用履歴136及びユーザ情報138に基づいて、全利用者の中から対象利用者と利用状況が類似する類似利用者を決定する。例えば記憶部134に記憶されたユーザ情報138から対象利用者と他の利用者の各々の利用情報が取得される。なお、対象利用者の利用情報、他の利用者の利用情報は、それぞれ、本発明に係る第1利用情報、第2利用情報の一例である。続いて、これらの利用情報が示す会社の規模、利用中のサービスの内容、クライアント装置110の構成について、対象利用者と他の利用者の各々との間の類似度が算出される。この類似度は人工知能を用いて算出されてもよい。例えば、対象利用者の利用情報を機械学習してモデルが生成され、このモデルに他の利用者の利用情報を入力することにより、対象利用者と他の利用者との類似度が算出されてもよい。機械学習の方法には、深層学習が用いられてもよい。そして、類似度に応じて類似利用者が決定される。例えば類似度が閾値以上の他の利用者が類似利用者として決定されてもよい。また、類似度が上位の定められた数の他の利用者が類似利用者として決定されてもよい。さらに、会社の規模、利用中のサービスの内容、クライアント装置110の構成の各項目に関する類似度が最も高い他の利用者と、全ての項目に関する類似度が最も高い他の利用者とが、類似利用者として決定されてもよい。なお、この類似利用者は、本発明に係る参照者の一例である。
【0043】
ステップS19において、プロセッサ131は、ステップS18において決定された類似利用者の類似度が閾値以上であるか否かを判定する。類似度が閾値以上である場合、ステップS19の判定がYESになり、処理はステップS20に進む。一方、類似度が閾値未満である場合、処理は後述するステップS20~S21の処理を飛ばしてステップS22に進む。
【0044】
ステップS20において、プロセッサ131は、類似利用者による利用量の履歴を用いて、対象サービスの体験版の利用量に対する関連サービスの利用量の変化量の割合を算出する。このとき、複数の類似利用者の利用量の履歴に基づいて複数の割合が算出されてもよい。ここでは、対象サービスはスキャンサービスセットであり、関連サービスは第1クラウドストレージサービスと第2クラウドストレージサービスであるものとする。例えば記憶部134に記憶された利用履歴136に基づいて、類似利用者による単位期間当たりのスキャンサービスセットの利用量が取得される。続いて、記憶部134に記憶された利用履歴136に基づいて、「スキャン to クラウド」というサービスの利用量又はスキャンサービスセットが体験版から製品版に切り替えられた後の単位期間における第1クラウドストレージサービス及び第2クラウドストレージサービスの利用量の増加量が取得される。この増加量は、例えばスキャンサービスセットが体験版から製品版に切り替えられる直前の単位期間における第1クラウドストレージサービス及び第2クラウドストレージサービスの利用量と切り替えられた直後の単位期間における第1クラウドストレージサービス及び第2クラウドストレージサービスの利用量との差を求めることにより得られる。そして、スキャンサービスセットの利用量に対する「スキャン to クラウド」というサービスの利用量又は第1クラウドストレージサービス及び第2クラウドストレージサービスの利用量の増加量の割合が算出される。この割合が、対象サービスの体験版の利用量に対する関連サービスの利用量の変化量の割合として用いられる。
【0045】
ステップS21において、プロセッサ131は、対象サービスが体験版から製品版に切り替えられた後の単位期間における対象利用者による関連サービスの高度な予測利用量を算出する。この高度な予測利用量の算出には、上述したステップS20において算出された割合が用いられる。例えば上述した式(3-1)及び(3-2)において、関係定義テーブル137に含まれる割合に代えて、上述したステップS20において算出された割合を用いることにより、関連サービスの単位期間当たりの予測利用量が算出される。このとき、ステップS20において複数の割合が算出された場合には、複数の割合を用いて複数の予測利用量が算出されてもよい。
【0046】
ステップS22において、プロセッサ131は、対象サービスと関連する新規サービスの製品版が追加されるか否かを判定する。なお、新規サービスは、本発明に係る第3サービスの一例である。以下の説明において、単に「新規サービス」という場合には、新規サービスの製品版を示す。例えば利用条件に新規サービスの利用条件が含まれる場合には、ステップS22の判定がYESになり、処理はステップS23に進む。一方、例えば利用条件が新規サービスの利用条件が含まれない場合には、ステップS22の判定がNOになり、処理はステップS23を飛ばして後述するステップS24に進む。
【0047】
ステップS23において、プロセッサ131は、記憶部134に記憶された関係定義テーブル137を用いて、対象サービスが体験版から製品版に切り替えられた後の単位期間における対象利用者による新規サービスの予測利用量を算出する。例えば関係定義テーブル137が示す対象サービスの利用量と新規サービスの利用量の変化量との関係に従って、対象サービスの体験版のライセンス数と新規サービスのライセンス数との関係に応じて対象サービスの予測利用量から新規サービスの予測利用量が算出される。この対象サービスの予測利用量には、上述したステップS14において算出された予測利用量が用いられる。対象サービスの体験版のライセンス数は予め定められている。新規サービスのライセンス数は端末装置120から受信した利用条件に含まれる。なお、新規サービスの予測利用量は、本発明に係る第3予測利用量の一例である。
【0048】
ここでは、対象サービスがスキャンサービスセットであり、新規サービスが文書管理サービスであるものとする。図4に示す関係定義テーブル137は、スキャンサービスセットの利用量に対するクラウドストレージサービスの利用量の変化量の割合は50%(すなわち0.5)であることを示す。例えばスキャンサービスセットの予測利用量が20000ページであり、スキャンサービスセットの体験版のライセンス数が20ユーザであり、新規サービスのライセンス数が10ユーザである場合には、新規サービスの予測利用量は以下の式(4)により5000ページとなる。
【数4】
【0049】
ステップS24において、プロセッサ131は、対象サービスが体験版から製品版に切り替えられた後の単位期間における対象サービス、関連サービス、及び新規サービスの予測利用量に応じて、これらのサービスの予測利用額を算出する。なお、関連サービス又は新規サービスの予測利用量が算出されない場合、関連サービス又は新規サービスの予測利用額は算出されない。各サービスには、利用量に応じた利用額の算出方法が予め定められている。この算出方法に従って、各サービスの利用量に応じた利用額が算出される。また、上述したステップS21の処理が行われた場合、関連サービスの予測利用額は、上述したステップS17において算出された基本の予測利用量に応じた予測利用額と、上述したステップS21において算出された高度な予測利用量に応じた予測利用額とが両方とも算出される。さらに、複数のサービスの予測利用額が算出される場合には、それらの予測利用額の単位期間毎の合計も算出される。なお、対象サービスの予測利用額、関連サービスの予測利用額、新規サービスの予測利用額は、それぞれ、本発明に係る第1予測利用額、第2予測利用額、第3予測利用額の一例である。
【0050】
ステップS25において、プロセッサ131は、対象サービスが体験版から製品版に切り替えられた後の単位期間における対象サービス、関連サービス、及び新規サービスの予測利用量と、これらのサービスの予測利用額とを端末装置120に送信する。これにより、予測利用量と予測利用額とが出力される。また、対象利用者が関連サービスを利用している場合、記憶部134に記憶された利用履歴136から関連サービスの利用量の履歴が取得され、併せて送信される。なお、関連サービス又は新規サービスの予測利用量及び予測利用額が算出されない場合、関連サービス又は新規サービスの予測利用額及び予測利用額は送信されない。サーバ装置130から予測利用量及び予測利用額が送信されると、端末装置120はこれらの情報を受信する。
【0051】
ステップS26において、端末装置120は、サーバ装置130から受信した予測利用量及び予測利用額を表示部122に表示する。予測利用量と予測利用額とは、一画面に表示されてもよいし、互いに異なる画面に表示され、管理者による操作部121を用いた操作に応じて切り替えて表示されてもよい。
【0052】
図7は、表示部122に表示される予測利用量の一例を示す図である。この例では、サービス別に実際の利用量と予測利用量との少なくともいずれかを表す棒グラフが表示される。ここでは、対象サービスがスキャンサービスセットであり、関連サービスが第1クラウドストレージサービス及び第2クラウドストレージサービスであり、新規サービスが文書管理サービスであるものとする。また、単位期間は1か月である。スキャンサービスセットの体験版は8月に利用されている。
【0053】
スキャンサービスセットについては、8月は体験版の利用であり、8月より前は利用されていないため、8月以前の月の利用量を表す棒グラフは表示されず、9月の予測利用量を表す棒グラフだけが表示される。対象サービスの9月の予測利用量を表す棒グラフは、上述したステップS14において算出された予測利用量に応じて作成される。第1クラウドストレージサービス及び第2クラウドストレージサービスについては、それぞれ、2月~8月の利用量を表す棒グラフと、9月の予測利用量を表す棒グラフが表示される。第1クラウドストレージサービス及び第2クラウドストレージサービスの2月~8月の利用量を表す棒グラフは、対象利用者による関連サービスの各月の利用量の履歴に基づいて作成される。一方、第1クラウドストレージサービス及び第2クラウドストレージサービスの9月の予測利用量を表す棒グラフは、上述したステップS17において算出された基本の予測利用量又はステップS21において算出された高度な予測利用量に応じて作成される。文書管理サービスについては、8月以前は利用されていないため、8月以前の月の利用量を表す棒グラフは表示されず、9月の予測利用量を表す棒グラフだけが表示される。新規サービスの9月の予測利用量を表す棒グラフは、上述したステップS23において算出された予測利用量に応じて作成される。
【0054】
図8は、表示部122に表示される予測利用額の一例を示す図である。この例では、2月~8月までの各月の実際の利用額をサービス別に表す積み上げ棒グラフと9月の予測利用額をサービス別に表す積み上げ棒グラフとが表示される。2月~8月までの各月の実際の利用額をサービス別に表す積み上げ棒グラフは、対象利用者による第1クラウドストレージサービス及び第2クラウドストレージサービスの各月の利用量の履歴に応じて算出された利用額に応じて作成される。9月の予測利用額をサービス別に表す積み上げ棒グラフは、上述したステップS24において算出されたスキャンサービスセットの製品版の予測利用額と、第1クラウドストレージサービスの予測利用額と、第2クラウドストレージサービスの予測利用額と、文書管理サービスの予測利用額とに応じて作成される。また、各月の棒グラフの上には、その月の利用額又は予測利用額の合計が表示される。
【0055】
また、図8に示す予測利用額の画面には、タブ151とタブ152とが設けられている。タブ151が選択されている場合、9月の第1クラウドストレージサービスの予測利用額と第2クラウドストレージサービスの予測利用額には、上述したステップS17において算出された基本の予測利用量に応じて算出された予測利用額が用いられる。一方、管理者が操作部121を用いてタブ152を選択する操作を行うと、この操作に応じて画面が切り替えられる。切り替え後の画面では、9月の第1クラウドストレージサービスの予測利用額と第2クラウドストレージサービスの予測利用額には、上述したステップS21において算出された高度な予測利用額が用いられる。また、複数の類似利用者が存在する場合には、これらの類似利用者の利用量に応じた複数の予測利用額が管理者による操作部121を用いた操作に応じて切り替えて表示されてもよい。この場合、各類似利用者の利用情報が表示されてもよい。
【0056】
ステップS27において、端末装置120は、利用条件が変更されたか否かを判定する。例えば管理者による操作部121を用いた操作に応じて上述したステップS11において表示された入力画面が再び表示された後、利用条件を変更する操作が行われると、ステップS27の判定がYESになり、処理はステップS28に進む。
【0057】
ステップS28において、端末装置120は、変更後の利用条件をサーバ装置130に送信する。端末装置120から変更後の利用条件が送信されると、サーバ装置130は通信部133にてこの利用条件を受信する。プロセッサ131は、変更後の利用条件を取得する。変更後の利用条件が取得されると、処理は上述したステップS14に戻り、変更後の利用条件に従って上述したステップS14以降の処理が行われる。これにより、利用条件の変更に応じて、対象サービスの予測利用量が変更される。また、変更された対象サービスの予測利用量に応じて、関連サービスの予測利用量及び新規サービスの予測利用量が変更される。さらに、これらの予測利用量が変更されると、変更後の予測利用量に応じて予測利用額が変更される。そして、サーバ装置130から端末装置120に変更後の予測利用量と予測利用額が送信され、端末装置120において表示される。
【0058】
一方、上述したステップS27において利用条件が変更されない場合、ステップS27の判定がNOになり、処理はステップS28を飛ばしてステップS29に進む。ステップS29において、端末装置120は、管理者により操作部121を用いて対象サービスの製品版の購入を確定する操作が行われると、この操作に応じて確定情報をサーバ装置130に送信する。この確定情報には、最後に設定された利用条件が含まれる。端末装置120から確定情報が送信されると、サーバ装置130は通信部133にてこの確定情報を受信する。
【0059】
ステップS30において、サーバ装置130のプロセッサ131は、確定情報に従って、対象利用者について対象サービスを体験版から製品版に切り替える処理を行う。これにより、対象利用者は、対象サービスの製品版が利用可能となる。また、新規サービスの製品版が追加された場合には、対象利用者に新規サービスの製品版のライセンスを発行する処理を行う。これにより、対象利用者は、新規サービスの製品版が利用可能となる。
【0060】
以上説明した実施形態によれば、対象サービスと関連する関連サービスの予測利用量が算出され、この関連サービスの予測利用量に応じて予測利用額が算出されるため、対象サービスを体験版から製品版に切り替える前後で対象サービスと関連する関連サービスの利用量に変化がないと想定する場合に比べて、対象サービスを製品版に切り替えた後の単位期間におけるこれらのサービスの予測利用額の確度が高くなる。
【0061】
また、関係定義テーブル137は、対象サービスの内容と関連サービスの内容とに応じて予め定められた対象サービスの利用量と関連サービスの利用量の変化量との関係に基づいて生成されているため、これらのサービスの内容とは無関係にこの関係が定められる場合に比べて、対象サービス及び関連サービスの予測利用額の確度が高くなる。また、他の利用者の利用量の履歴に基づいて、対象サービスの利用量に対する関連サービスの利用量の変化量の割合が算出される場合には、他の利用者の利用量の履歴とは無関係にこの割合が定められる場合に比べて、対象サービス及び関連サービスの予測利用額の確度が高くなる。
【0062】
さらに、類似利用者による利用量の履歴に基づいて算出された割合を用いて関連サービスの高度な予測利用量が算出される場合には、類似利用者以外の他の利用者による利用量の履歴に基づいて算出された割合を用いて関連サービスの予測利用量が算出される場合に比べて、対象サービス及び関連サービスの予測利用額の確度が高くなる。
【0063】
さらに、対象サービスの製品版の利用条件に従って対象サービスの予測利用量が算出されるため、製品版への切り替えとともに対象サービスの利用条件が変更される場合には、体験版の利用条件に従って対象サービスの予測利用量を算出する場合に比べて、対象サービス及び関連サービスの予測利用額の確度が高くなる。
【0064】
さらに、利用条件が変更された場合には、変更後の利用条件に従って予測利用量及び予測利用額が再計算されるため、利用条件の変更内容を反映した対象サービスの予測利用量が得られる。また、再計算した予測利用量及び予測利用額が表示されることにより、この利用条件の変更に応じた対象サービス及び関連サービスの予測利用額の変化を利用者が認識することができる。
【0065】
さらに、他の利用者による対象サービスの利用量の履歴に基づいて対象サービスの予測利用量を算出する場合には、他の利用者による対象サービスの利用量を反映した対象サービスの予測利用量が得られる。
【0066】
さらに、対象サービスの予測利用量に基づいて新規サービスの予測利用量及び予測利用額が算出されるため、対象サービスの体験版から製品版への切り替えとともに対象サービスと関連する新規サービスの利用が開始される場合でも、新規サービスの予測利用量を対象サービスの利用量とは無関係に算出する場合に比べて、対象サービスを体験版から製品版に切り替えた後の単位期間における新規サービスの予測利用額の確度が高くなる。
【0067】
3.変形例
上述した実施形態は、本発明の一例である。本発明は、上述した実施形態に限定されない。また、上述した実施形態が以下の例のように変形して実施されてもよい。このとき、以下の2以上の変形例が組み合わせて用いられてもよい。
【0068】
上述した実施形態において、類似利用者による利用量の履歴に代えて全利用者による利用者の履歴を用いて、対象サービスの体験版の利用量に対する関連サービスの利用量の変化量の割合が算出されてもよい。また、算出された割合は、関係定義テーブル137に記憶されてもよい。
【0069】
上述した実施形態において、類似利用者の利用量の履歴に基づいて、対象サービスの予測利用量が算出されてもよい。例えば対象サービスの予測利用量については、まず記憶部134に記憶された利用履歴136から類似利用者による対象サービスの利用量が取得される。続いて、記憶部134に記憶されたユーザ情報138から、類似ユーザが利用した対象サービスのライセンス数を取得する。そして、上述した式(2)において、全利用者による対象サービスの利用量、全利用者が有する対象サービスのライセンス数に代えて、それぞれ、類似利用者による対象サービスの利用量、類似利用者による対象サービスのライセンス数を用いることにより、対象サービスの予測利用量が算出される。
【0070】
上述した実施形態において、対象サービスの体験版の利用量に対する関連サービスの利用量の変化量の割合を算出する方法と同様の方法により、類似利用者の利用量の履歴に基づいて、対象サービスの体験版の利用量に対する関連サービスの利用量の変化量の割合が算出されてもよい。
【0071】
上述した実施形態において、対象サービスの体験版から製品版への切り替えに伴ってオプションが追加された場合には、全利用者によるオプションの利用量を加味して対象サービスの予測利用量が算出されてもよい。体験版の中には、拡張機能が制限されているものもある。例えばスキャンサービスセットの製品版には「スキャン to クラウド」というサービスが含まれているが、体験版にはこのサービスが含まれていない場合がある。この場合、体験版から製品版への切り替えに伴ってこのサービスがオプションとして追加される場合がある。例えば対象サービスの製品版において追加されたオプションのライセンス数に応じて、全利用者による単位期間当たりのこのオプションの平均利用量から予測利用量が算出されてもよい。例えば、対象サービスの製品版で追加されたオプションのライセンス数が10ユーザであり、全利用者による単位期間当たりのこのオプションの平均利用量が100ページである場合、追加されたオプションの予測利用量は、10ユーザ×100ページ=1000ページとなる。この場合、上述したステップS14において算出された予測利用量に1000ページを加算して得られた結果が対象サービスの予測利用量として用いられてもよい。
【0072】
上述した実施形態において、対象サービスを体験版から製品版に切り替えるときに、オプションが削除される場合には、対象サービスの予測利用量からこのオプションの利用量が減じられてもよい。また、対象サービスを体験版から製品版に切り替えるときに、関連サービスの少なくとも一部の利用が止められる場合には、関連サービスの予測利用量から利用が止められる部分の利用量が減じられてもよい。
【0073】
上述した実施形態において、第1クラウドストレージサービスと第2クラウドストレージサービスのように、同様の機能を有する複数の関連サービスが存在する場合には、全利用者の利用量の履歴に基づいてこれらの関連サービスの利用量の変化量の比率が算出されてもよい。例えば全利用者が第1クラウドストレージサービスと第2クラウドストレージサービスとを5対5の割合で利用している場合には、これらのサービスの利用量の変化量の比率は5対5であってもよい。また、全利用者の利用量の履歴に代えて、類似利用者の利用量の履歴が用いられてもよい。
【0074】
上述した実施形態において、対象サービスの体験版から製品版への切り替えとともにライセンス数が変更された場合、ライセンス数に応じて予測利用量が変化していた。しかし、予測利用量を変化する要素はライセンス数に限定されない。例えばクライアント装置110の台数又はサービスにおいて扱われるデータ容量に応じて、予測利用量が変化してもよい。
【0075】
上述した実施形態において、体験版は製品版よりも機能が制限されていてもよい。この場合、対象サービスが体験版から製品版に切り替えられると、この制限が解除される分、利用量が増えると考えられる。この場合、対象サービスの予測利用量には、制限が解除された機能の予測利用量が加算されてもよい。
【0076】
上述した実施形態では、関連サービスの予測利用量として、基本の予測利用量と高度な予測利用量とが両方とも算出されていた。しかし、必ずしも両方の予測利用量が算出されなくてもよい。例えばどちらか一方の予測利用量だけが算出されてもよい。
【0077】
上述した実施形態において、対象サービスの製品版の予測利用量だけが表示されてもよい。関連サービスの予測利用量と新規サービスの予測利用量とは必ずしも表示されなくてもよい。例えばステップS14において対象サービスの製品版の予測利用量が算出されたことを契機に、この予測利用量が端末装置120に送信され表示されてもよい。
【0078】
上述した実施形態において、サーバ装置130は、予測利用量及び予測利用額そのものではなく、予測利用量と予測利用額とを示す情報を送信してもよい。例えばプロセッサ131は、図7及び図8に示す画面の表示に用いられる表示データを生成し、端末装置120に送信してもよい。
【0079】
上述した実施形態において、クライアント装置110は画像処理装置に限定されない。クライアント装置110は、サービスの提供に用いられる装置であれば、どのような装置であってもよい。クライアント装置110を用いて提供されるサービスは、画像を処理する機能を用いたサービスに限定されない。このサービスは、クライアント装置110を用いて提供されるサービスであれば、どのようなサービスであってもよい。
【0080】
上記実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0081】
また上記実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0082】
上述した実施形態において、サービス提供システム100において行われる処理の主体は、図6に示す例に限定されない。例えばサーバ装置130において行われる処理の少なくとも一部が端末装置120や他の装置において行われてもよい。
【0083】
上述した実施形態において、サービス提供システム100の構成は図1に示す例に限定されない。サーバ装置130とは別に、クライアント装置110から利用履歴136を収集する収集装置が設けられ、利用履歴136はサーバ装置130に代えて収集装置に格納されてもよい。
【0084】
本発明は、サーバ装置130において実行されるプログラムとして提供されてもよい。なお、サーバ装置130は、それぞれ本発明に係るコンピュータの一例である。このプログラムは、インターネットなどの通信回線を介してダウンロードされてもよいし、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの、コンピュータが読取可能な記録媒体に記録した状態で提供されてもよい。
【0085】
上述した実施形態において、サービスには、定額課金制のサービスや従量課金制と定額課金制とを組み合わせた課金制のサービスが含まれてもよい。定額課金制のサービスについては、利用量に関係なくそのサービスに対して予め定められた利用額が予測利用額となる。従量課金制と定額課金制とを組み合わせた課金制のサービスについては、例えばそのサービスに対して予め定められた利用額に予測利用量の少なくとも一部に応じた利用額を加算することにより予測利用額が得られる。
【符号の説明】
【0086】
100:サービス提供システム、110:クライアント装置、120:端末装置、121:操作部、122:表示部、130:サーバ装置、131:プロセッサ、132:メモリ、133:通信部、134:記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8