(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20231226BHJP
【FI】
H04N1/00 Z
H04N1/00 127Z
(21)【出願番号】P 2020036115
(22)【出願日】2020-03-03
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 知香
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-122689(JP,A)
【文献】特開2018-190031(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
第一機器を第二機器に置き換える場合において、前記第一機器と通信していた第三機器がある場合に、前記第一機器の自身を示す第一機器情報が前記第三機器に残存することを示す残存情報を提示する提示制御を前記第二機器に対して行う
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記第三機器に残存する前記第一機器情報を、前記第二機器の自身を示す第二機器情報へ書き換えるか否かを問い合わせる情報を、前記残存情報として提示する前記提示制御を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記提示制御を行った後、前記第一機器情報を前記第二機器情報へ書き換える指示を取得した場合に、前記第一機器情報を前記第二機器情報へ書き換える書換指示を前記第三機器に対して行う
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記第一機器の通信履歴を示す履歴情報を取得し、
前記第三機器との通信履歴が該履歴情報に含まれる場合に、前記提示制御を行う
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記第三機器との通信履歴がサーバレス通信を示すものである場合に、前記提示制御を行う
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
通信により、前記第一機器と予め定められた距離の範囲内において通信可能な第三機器を検索し、
該第三機器を発見した場合に、前記提示制御を行う
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
通信により、前記第一機器と予め定められた距離の範囲内において通信可能な第三機器を検索し、
前記第三機器を発見した場合に、前記第一機器情報が残存するかを該第三機器に対して問い合わせ、
前記第一機器情報が前記第三機器に残存する場合に、前記提示制御を行う
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータに、
第一機器を第二機器に置き換える場合において、前記第一機器と通信していた第三機器がある場合に、前記第一機器の自身を示す第一機器情報が前記第三機器に残存することを示す残存情報を提示する提示制御を前記第二機器に対して行う
処理を実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、所定の機能を有する一又は複数の機器と、機器の利用状況を管理するサーバ装置とを備えるレポート生成システムであって、操作手段と、第1記憶制御手段と、関連付け手段と、生成手段とを備えるレポート生成システムが開示されている。該レポート生成システムでは、操作手段は、所定の機能に係るジョブを実行させる操作を受け付ける。第1記憶制御手段は、機器コードに管理コードを関連付けて記憶する記憶部における管理コードに、ジョブの実行履歴を関連付けて記憶させる。関連付け手段は、管理コードに関連付けられた機器が別の機器に置き換えられた場合に、管理コードに、置き換えられた後の機器を関連付けて記憶させる。生成手段は、実行履歴に基づいて、管理コードに関連付けられた、置き換えられる前の機器と、置き換えられた後の機器との利用状況を有するレポートを生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、第一機器(例えば旧機種の機器)を第二機器(例えば新機種の機器)に置き換える場合において、第一機器と通信していた第三機器がある場合に、第一機器の自身を示す第一機器情報(例えば第一機器のアドレス)が第三機器に残存しているか否かを、第二機器を使用する使用者がわからない場合がある。
【0005】
本発明は、第一機器を第二機器に置き換える場合において、第一機器と通信していた第三機器がある場合に、第一機器の自身を示す第一機器情報が第三機器に残存していることを、第二機器を使用する使用者が認識できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、第一機器を第二機器に置き換える場合において、前記第一機器と通信していた第三機器がある場合に、前記第一機器の自身を示す第一機器情報が前記第三機器に残存することを示す残存情報を提示する提示制御を前記第二機器に対して行う。
【0007】
第2態様では、前記プロセッサは、前記第三機器に残存する前記第一機器情報を、前記第二機器の自身を示す第二機器情報へ書き換えるか否かを問い合わせる情報を、前記残存情報として提示する前記提示制御を行う。
【0008】
第3態様では、前記プロセッサは、前記提示制御を行った後、前記第一機器情報を前記第二機器情報へ書き換える指示を取得した場合に、前記第一機器情報を前記第二機器情報へ書き換える書換指示を前記第三機器に対して行う。
【0009】
第4態様では、前記プロセッサは、前記第一機器の通信履歴を示す履歴情報を取得し、前記第三機器との通信履歴が該履歴情報に含まれる場合に、前記提示制御を行う。
【0010】
第5態様では、前記プロセッサは、前記第三機器との通信履歴がサーバレス通信を示すものである場合に、前記提示制御を行う。
【0011】
第6態様では、前記プロセッサは、通信により、前記第一機器と予め定められた距離の範囲内において通信可能な第三機器を検索し、該第三機器を発見した場合に、前記提示制御を行う。
【0012】
第7態様では、前記プロセッサは、通信により、前記第一機器と予め定められた距離の範囲内において通信可能な第三機器を検索し、前記第三機器を発見した場合に、前記第一機器情報が残存するかを該第三機器に対して問い合わせ、前記第一機器情報が前記第三機器に残存する場合に、前記提示制御を行う。
【0013】
第8態様は、コンピュータに、第一機器を第二機器に置き換える場合において、前記第一機器と通信していた第三機器がある場合に、前記第一機器の自身を示す第一機器情報が前記第三機器に残存することを示す残存情報を提示する提示制御を前記第二機器に対して行う処理を実行させるための情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0014】
第1態様及び第8態様の構成によれば、第一機器を第二機器に置き換える場合において、第一機器と通信していた第三機器がある場合に、第一機器の自身を示す第一機器情報が第三機器に残存していることを、第二機器を使用する使用者が認識できる。
【0015】
第2態様の構成によれば、第一機器を第二機器に置き換える場合において、第一機器と通信していた第三機器がある場合に、第一機器情報を第二機器情報へ書き換え可能であることを、第二機器を使用する使用者が認識できる。
【0016】
第3態様の構成によれば、書換指示を第三機器に対して行う操作をしなくても、第三機器に残存する第一機器情報を第二機器情報に書き換えることができる。
【0017】
第4態様の構成によれば、第一機器と実際に通信を行った第三機器において、第一機器情報が残存していることを、第二機器を使用する使用者が認識できる。
【0018】
第5態様の構成によれば、第一機器と直接、通信が可能な範囲にある第三機器において、第一機器情報が残存していることを、第二機器を使用する使用者が認識できる。
【0019】
第6態様の構成によれば、第一機器の通信履歴を示す履歴情報を用いなくても、第一機器の自身を示す第一機器情報が第三機器に残存していることを、第二機器を使用する使用者が認識できる。
【0020】
第7態様の構成によれば、実際に第一機器情報が残存する第三機器についての残存情報を、第二機器を使用する使用者が認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1実施形態に係る情報処理システムの構成を示す概略図である。
【
図2】第1実施形態に係る第二機器のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係る情報処理装置の機能構成の例を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態に係る履歴情報の一例を示す概略図である。
【
図5】第1実施形態に係る宛先情報の一例を示す概略図である。
【
図6】第1実施形態に係る情報処理システムで実行される情報処理の流れを示す概略図である。
【
図7】第1実施形態に係る情報処理装置によって実行される情報処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】第1実施形態に係る第三機器に残存する第一機器情報を第二機器情報へ書き換えるかを問い合わせる表示画面の一例を示す概略図である。
【
図9】第2実施形態に係る情報処理装置の機能構成の例を示すブロック図である。
【
図10】第2実施形態に係る情報処理システムで実行される情報処理の流れを示す概略図である。
【
図11】第2実施形態に係る情報処理装置によって実行される情報処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
《第1実施形態》
(情報処理システム10)
まず、本実施形態に係る情報処理システム10の構成の一例を説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システム10の構成を示す概略図である。
【0023】
情報処理システム10は、情報を処理するシステムであって、
図1に示されるように、第一機器11と、第二機器12と、第三機器13と、サーバ装置14と、を備えている。
【0024】
以下、第一機器11、第二機器12、第三機器13及びサーバ装置14の具体的な構成について説明する。
【0025】
(サーバ装置14)
図1に示されるサーバ装置14は、少なくとも、第一機器11及び第二機器12の各々から送信された情報(すなわち、データ)を取得し、該情報を保存する機能を有している。
【0026】
また、サーバ装置14は、第一機器11、第二機器12及び第三機器13(以下、これらの機器をまとめて「機器11~13」と称する)の各々と、無線又は有線の通信機能により、相互に通信可能とされている。
【0027】
(第一機器11、第二機器12及び第三機器13)
図1に示される機器11~13の各々は、一例として、ユーザが指示した処理を実行する実行装置である。具体的には、機器11~13の各々は、ユーザが指示した画像形成処理を実行する画像形成装置である。
【0028】
さらに具体的には、機器11~13の各々は、ユーザが指示したコピー、ファックス、スキャン及びプリントなどの各種処理を実行する複合機である。なお、機器11~13の各々としては、複合機に限られず、例えば、プリント処理を実行するプリンタなどであってもよく、複合機以外の画像形成装置を用いてもよい。また、機器11~13の各々としては、画像形成装置に限られず、パーソナルコンピュータなどであってもよく、画像形成装置以外の実行装置を用いてもよい。なお、ユーザは、機器11~13の各々を使用する使用者である。
【0029】
第二機器12は、第一機器11に置き換えられる機器である。具体的には、第二機器12は、第一機器11から情報を引き継ぐ機器である。さらに具体的には、第二機器12は、第一機器11から設定データ等の情報が移行されてから使用される機器である。
【0030】
第一機器11は、第二機器12に置き換えられた後、使用が継続される機器である。例えば、第一機器11は別の場所で使用が継続される機器である。一例として、第二機器12は、新機種の装置であり、第一機器11は、旧機種の装置である。
【0031】
第三機器13は、第一機器11及び第二機器12の各々と、無線又は有線の通信機能により、相互に通信が可能な機器であり、情報処理システム10において不特定数(すなわち、単数又は複数)存在する。該通信には、サーバ装置14を介した通信と、サーバレス通信と、が含まれる。サーバレス通信とは、サーバ装置14を介さずに直接行う通信である。サーバレス通信は、具体的には、一例として、ワイファイ及びブルートゥース(登録商標)などの無線通信機能により、予め定められた距離の範囲内において行われる。
【0032】
さらに具体的には、第三機器13は、該通信により、例えば、IPファックス、インターネットファックス、及びメールプリントなどが、第一機器11及び第二機器12の各々との間で可能となっている。
【0033】
機器11~13の各々は、通信相手となる機器の自身を示す情報を有している。換言すれば、機器11~13の各々は、通信相手となる機器の宛先を示す情報(以下「宛先情報」という)を有している。
【0034】
宛先情報としては、IPアドレス、FQDN(Host名+Domain名)、FAX番号、メールアドレス、及び、IPファクスで利用するSIPアドレスなどが挙げられる。
【0035】
(第二機器12のハードウェア構成)
図2は、第二機器12のハードウェア構成を示すブロック図である。第二機器12は、表示部57と、情報処理装置50と、を有している。表示部57は、例えば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。
【0036】
情報処理装置50は、コンピュータとしての機能を備え、
図2に示されるように、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53、ストレージ54、通信インタフェース55を有している。表示部57及び情報処理装置50の各部は、バス59を介して相互に通信可能に接続されている。
【0037】
CPU51は、中央演算処理ユニットであり、情報処理プログラムを含む各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU51は、ROM52又はストレージ54からプログラムを読み出し、RAM53を作業領域としてプログラムを実行する。
【0038】
ROM52は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM53は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ54は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶部により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。通信インタフェース55は、第一機器11、第三機器13及びサーバ装置14等の他の機器と通信するためのインタフェース(通信部)である。
【0039】
情報処理装置50では、上記のプログラムを実行する際に、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。以下、情報処理装置50が実現する機能構成について説明する。
図3は、情報処理装置50の機能構成の例を示すブロック図である。
【0040】
図3に示されるように、情報処理装置50は、機能構成として、取得部50Aと、提示制御部50Bと、を有している。各機能構成は、CPU51がROM52又はストレージ54に記憶された情報処理プログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0041】
取得部50Aは、第一機器11から第二機器12へ移行される設定データ等の情報(以下「移行情報」という)を取得する。移行情報には、各種処理を実行した実行履歴を示す情報(以下「履歴情報」という)と、通信相手となる機器の宛先情報と、が含まれる。履歴情報には、第一機器11が他の機器と通信した履歴(以下「通信履歴」という)を示す履歴情報が含まれる。
図4には、履歴情報の一例が示されている。
図5には、宛先情報の一例が示されている。
【0042】
提示制御部50Bは、第一機器11を第二機器12に置き換える場合において、第一機器11と通信していた第三機器13がある場合に、第一機器11の自身を示す情報(以下「第一機器情報」という)が第三機器13に残存することを示す情報(以下「残存情報」という)を提示する制御(以下「提示制御」という)を第二機器12に対して行う。
【0043】
具体的には、提示制御部50Bは、第三機器13との通信履歴が、取得部50Aが取得した履歴情報に含まれる場合に、提示制御を行う。さらに具体的には、提示制御部50Bは、第三機器13との通信履歴がサーバレス通信を示すものである場合に、提示制御を行う。
【0044】
さらに、本実施形態では、提示制御部50Bは、第三機器13に残存する第一機器情報を、第二機器12の自身を示す情報(以下「第二機器情報」という)へ書き換えるか否かを問い合わせる情報を、残存情報として、提示制御を行う。
【0045】
提示制御部50Bは、提示制御を行った後、第一機器情報を第二機器情報へ書き換える指示を取得した場合に、第一機器情報を第二機器情報へ書き換える書換指示を第三機器13に対して行う。
【0046】
(本実施形態に係る作用)
次に、本実施形態の作用の一例について説明する。
図6は、情報処理システム10で実行される情報処理の流れを示す概略図である。
図7は、情報処理装置50によって実行される情報処理の流れを示すフローチャートである。
【0047】
本処理は、第二機器12のCPU51がROM52又はストレージ54から情報処理プログラムを読み出して実行することにより行なわれる。本処理は、第一機器11が第二機器12に置き換えられる場合に実行が開始される。具体的には、
図6に示されるように、第一機器11から第二機器12へ移行情報を移行する情報移行指示がなされた場合に(ステップS100)、本処理の実行が開始される。
【0048】
該情報移行指示は、管理者によって、第一機器11及び第二機器12の各々になされる。より具体的には、該情報移行指示は、第一機器11に対して行われる送信指示(ステップS100(A))と、第二機器12に対して行われる取得指示(ステップS100(A))と、を含んでいる。送信指示は、移行情報をサーバ装置14へ送信する指示である。取得指示は、移行情報をサーバ装置14から取得する指示である。
【0049】
したがって、本処理は、第二機器12に対して第一機器11からの移行情報を取得する取得指示がなされた場合に実行が開始されるともいえる。
【0050】
なお、第一機器11は、送信指示を受けると、移行情報をサーバ装置14へ送信する(ステップS101)。移行情報には、通信相手となる機器の宛先を示す宛先情報と、各種処理を実行した実行履歴を示す履歴情報と、が含まれる。
【0051】
本処理が開始されると、
図7に示されるように、第二機器12のCPU51は、第一機器11がサーバ装置14へ送信した移行情報を、サーバ装置14から取得する(ステップS102)。
【0052】
次に、CPU51は、サーバ装置14から取得した移行情報における履歴情報に、第三機器13との通信履歴が含まれるか否かを判断する(ステップS104)。なお、第三機器13は、前述のように、不特定数存在する。
【0053】
CPU51は、第三機器13との通信履歴が該履歴情報に含まれると判断した場合に(ステップS104:YES)、ステップS106へ移行する。一方、CPU51は、第三機器13との通信履歴が該履歴情報に含まれないと判断した場合は、本処理を終了する。
【0054】
ステップS106では、CPU51は、第三機器13との通信履歴がサーバレス通信を示すものであるか否かを判断する。これにより、第一機器11が直接、通信が行える範囲に存在する第三機器13が対象となる。
【0055】
CPU51は、第三機器13との通信履歴がサーバレス通信を示すものであると判断した場合に(ステップS106:YES)、ステップS108へ移行する。一方、CPU51は、第三機器13との通信履歴がサーバレス通信を示すものではないと判断した場合に(ステップS106:NO)、本処理を終了する。
【0056】
ステップS108では、CPU51は、第三機器13に残存する第一機器情報を第二機器情報へ書き換えるか否かを問い合わせる情報(以下「問合情報」という)を、残存情報として、管理者に対して提示する提示制御を行う。具体的には、
図8に示されるように、CPU51は、問合情報を表示させる制御を表示部57に対して行うことで、管理者に対して問合情報を提示する提示制御を行う。対象となる第三機器13が複数存在する場合には、CPU51は、例えば、
図8に示されるように、複数の第三機器13の中から、書き換える第三機器13を管理者が選択可能なように、表示部57の表示画面に表示させる制御を行う。
【0057】
次に、CPU51は、第一機器情報を第二機器情報へ書き換える書換指示を取得したか否かを判断する(ステップS110)。
【0058】
CPU51は、書換取得したと判断した場合に(ステップS110:YES)、ステップS112へ移行する。一方、CPU51は、第二機器情報への書き換え不要との指示を取得した場合に(ステップS110:NO)、本処理を終了する。
【0059】
ステップS112では、CPU51は、第三機器13に対して、第一機器情報が残存しているか否かを問い合わせる。換言すれば、CPU51は、第三機器13に対して、第一機器情報を有しているか否かを問い合わせる。なお、ステップS108において第三機器13の選択が行われている場合には、選択された第三機器13に対して問い合わせが行われる。また、問い合わせる第三機器13の宛先は、ステップS102で取得した移行情報に含まれる宛先情報に基づく宛先である。
【0060】
次に、CPU51は、問い合わせた第三機器13から「第一機器情報を有している」との回答を取得したか否かを判断する(ステップS114)。
【0061】
CPU51は、問い合わせた第三機器13から「第一機器情報を有している」との回答を取得したと判断した場合に(ステップS114:YES)、第一機器情報を第二機器情報へ書き換える書換指示を第三機器13に対して行い(ステップS116)、本処理を終了する。一方、CPU51は、第三機器13から「第一機器情報を有していない」との回答を取得したと判断した場合は(ステップS114:NO)、本処理を終了する。
【0062】
以上のように、本実施形態では、CPU51は、第一機器11を第二機器12に置き換える場合において、第一機器11と通信していた第三機器13がある場合に(ステップS104:YES)、第一機器情報が第三機器13に残存することを示す残存情報を提示する提示制御を第二機器12に対して行う(ステップS108)。
【0063】
これにより、第二機器12のユーザが、第一機器情報が第三機器13に残存していることを認識可能となる。
【0064】
具体的には、本実施形態では、CPU51は、第三機器13との通信履歴が、取得部50Aが取得した履歴情報に含まれる場合に(ステップS104:YES)、提示制御を行う(ステップS108)。
【0065】
このため、第一機器11と実際に通信を行った第三機器13において、第一機器情報が残存していることを、第二機器12のユーザが認識可能となる。
【0066】
さらに具体的には、本実施形態では、CPU51は、第三機器13との通信履歴がサーバレス通信を示すものである場合に(ステップS106:YES)、提示制御を行う(ステップS108)。
【0067】
これにより、本実施形態では、第一機器11と直接、通信が可能な範囲にある第三機器13において、第一機器情報が残存していることを、第二機器12のユーザが認識可能となる。
【0068】
また、本実施形態では、具体的には、CPU51は、第三機器13に残存する第一機器情報を第二機器情報へ書き換えるか否かを問い合わせる情報を、残存情報として、提示制御を行う(ステップS108)。
【0069】
これにより、第二機器12のユーザが、第一機器情報を第二機器情報へ書き換え可能であることを認識可能となる。
【0070】
また、本実施形態では、CPU51は、提示制御を行った後、第一機器情報を第二機器情報へ書き換える書換指示を取得した場合に(ステップS114:YES)、第一機器情報を第二機器情報へ書き換える書換指示を第三機器13に対して行う(ステップS116)。
【0071】
このため、書換指示を第三機器13に対して行う操作をしなくても、自動的に、第三機器13に残存する第一機器情報を第二機器情報に書き換えられる。
【0072】
(変形例)
本実施形態では、CPU51は、第三機器13に残存する第一機器情報を第二機器情報へ書き換えるか否かを問い合わせる情報を、残存情報として、提示制御を行ったが(ステップS108)、これに限られない。例えば、第一機器情報が第三機器13に残存することを示す情報のみを提示する構成であってもよい。
【0073】
また、本実施形態では、CPU51は、第三機器13に対して第一機器情報を有しているか否かを問い合わせ(ステップS112)、第三機器13から「第一機器情報を有している」との回答を取得した場合に(ステップS114:YES)、第一機器情報を第二機器情報へ書き換える書換指示を第三機器13に対して行っていたが(ステップS116)、これに限られない。例えば、CPU51は、提示制御を行った後、第一機器情報を第二機器情報へ書き換える書換指示を取得した場合に(ステップS114:YES)、第一機器情報を有しているか否かの第三機器13への問い合わせを行わず、第一機器情報を第二機器情報へ書き換える書換指示を第三機器13に対して行ってもよい(ステップS116)。
【0074】
また、本実施形態では、CPU51は、第三機器13との通信履歴がサーバレス通信を示すものである場合に(ステップS106:YES)、提示制御を行ったが(ステップS108)、これに限られない。第三機器13との通信履歴が、サーバ装置14を介した通信である場合に、提示制御を行ってもよい。
【0075】
《第2実施形態》
次に、第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一に構成された部分については、同一符号を付して、適宜、説明を省略する。
【0076】
第2実施形態では、
図9に示されるように、情報処理装置50は、機能構成として、検索部50Xと、問合部50Yと、提示制御部50Bと、を有している。各機能構成は、CPU51がROM52又はストレージ54に記憶された情報処理プログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0077】
検索部50Xは、通信により、第一機器11と予め定められた距離の範囲内において通信可能な第三機器13を検索する。該通信は、例えば、サーバレス通信により行われる。該サーバレス通信は、具体的には、一例として、ワイファイ及びブルートゥース(登録商標)などの無線通信機能により、予め定められた距離の範囲内において行われる。さらに、該通信は、例えば、複数の第三機器13に対して行うことが可能な通信(例えば、マルチキャスト通信及びブロードキャスト通信等)により行われる。
【0078】
問合部50Yは、第三機器13を発見した場合に、第一機器情報が残存するかを第三機器13に対して問い合わせる。提示制御部50Bは、第一機器情報が第三機器13に残存する場合に、提示制御を行う。
【0079】
次に、第2実施形態に係る作用の一例について説明する。
図10は、情報処理システム10で実行される情報処理の流れを示す概略図である。
図11は、情報処理装置50によって実行される情報処理の流れを示すフローチャートである。
【0080】
図10に示されるように、本実施形態においても、第一機器11は、送信指示を受けると、移行情報をサーバ装置14へ送信する(ステップS101)。本実施形態では、移行情報には、宛先情報と履歴情報とは含まれず、設定データが含まれる。
【0081】
本処理が開始されると、
図10及び
図11に示されるように、第二機器12のCPU51は、第一機器11がサーバ装置14へ送信した移行情報を、サーバ装置14から取得する(ステップS102)。
【0082】
次に、CPU51は、通信により、第一機器11と予め定められた距離の範囲内において通信可能な第三機器13を検索する(ステップS204)。具体的には、本実施形態では、第二機器12における通信により、置き換え前の第一機器11と予め定められた距離の範囲内において通信可能な第三機器13を検索する。該通信は、前述のように、例えば、サーバレス通信、且つ、複数の第三機器13に対して行うことが可能な通信(例えば、マルチキャスト通信及びブロードキャスト通信等)により行われる。
【0083】
次に、CPU51は、該検索の結果、第三機器13を発見したか否かを判断する(ステップS206)。CPU51は、第三機器13を発見したと判断した場合に(ステップS206:YES)、ステップS208へ移行する。一方、CPU51は、第三機器13を発見しないと判断した場合は(ステップS206:NO)、本処理を終了する。
【0084】
ステップS208では、CPU51は、第一機器情報が残存するかを第三機器13に対して問い合わせる。換言すれば、CPU51は、第一機器情報を有しているかを第三機器13に対して問い合わせる。
【0085】
次に、CPU51は、問い合わせた第三機器13から「第一機器情報を有している」との回答を取得したか否かを判断する(ステップS210)。CPU51は、問い合わせた第三機器13から「第一機器情報を有している」との回答を取得したと判断した場合に(ステップS210:YES)、ステップS212に移行する。一方、CPU51は、第三機器13から「第一機器情報を有していない」との回答を取得したと判断した場合は、本処理を終了する。
【0086】
ステップS212では、CPU51は、第三機器13に残存する第一機器情報を第二機器情報へ書き換えるか否かを問い合わせる情報(以下「問合情報」という)を、残存情報として、管理者に対して提示する提示制御を行う。具体的には、
図8に示されるように、CPU51は、問合情報を表示させる制御を表示部57に対して行うことで、管理者に対して問合情報を提示する提示制御を行う。対象となる第三機器13が複数存在する場合には、CPU51は、例えば、
図8に示されるように、複数の第三機器13の中から、書き換える第三機器13を管理者が選択可能なように、表示部57の表示画面に表示させる制御を行う。
【0087】
次に、CPU51は、第一機器情報を第二機器情報へ書き換える書換指示を取得したか否かを判断する(ステップS214)。
【0088】
CPU51は、書換指示を取得したと判断した場合に(ステップS214:YES)、第一機器情報を第二機器情報へ書き換える書換指示を第三機器13に対して行い(ステップS216)、本処理を終了する。一方、第三機器13から「第一機器情報を有していない」との回答を取得したと判断した場合は(ステップS214:NO)、本処理を終了する。
【0089】
以上のように、本実施形態では、CPU51は、第一機器11を第二機器12に置き換える場合において、通信により、第一機器11と予め定められた距離の範囲内において通信可能な第三機器13を検索し(ステップS204)、第三機器13を発見した場合に(ステップS206:YES)、第一機器情報が残存するかを第三機器13に対して問い合わせる(ステップS208)。そして、CPU51は、第一機器情報が第三機器13に残存する場合に(ステップS210:YES)、提示制御を行う(ステップS212)。
【0090】
このため、本実施形態では、第一機器11の通信履歴を示す履歴情報を用いなくても、第一機器情報が第三機器13に残存していることを、第二機器12のユーザが認識可能となる。
【0091】
また、本実施形態では、第一機器情報が残存するかを第三機器13に対して問い合わせた結果(ステップS208、ステップS210)、に基づいて、提示制御を行う(ステップS212)ので、実際に第一機器情報が残存する第三機器13についての残存情報を、第二機器12のユーザが認識可能となる。
【0092】
(変形例)
本実施形態では、第一機器情報が残存するかを第三機器13に対して問い合わせた結果、(ステップS208)。第一機器情報が第三機器13に残存する場合に(ステップS210:YES)、CPU51は提示制御を行っていた(ステップS212)が、これに限られない。CPU51は、ステップS204において第三機器13を検索した結果、第三機器13を発見した場合に(ステップS206:YES)、提示制御を行ってもよい。
【0093】
本発明は、上記の第1、第2実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
【0094】
上記の第1、第2実施形態では、情報処理装置50が第二機器12に備えられていたが、これに限られない。例えば、情報処理装置50が、第二機器12の外部に設けられた外部装置に備えられる構成であってもよい。該外部装置としては、第二機器12と通信可能なサーバ装置14などが挙げられる。
【0095】
また、上記の第1、第2実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、前述のCPU等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0096】
また、上記の第1、第2実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0097】
10 情報処理システム
11 第一機器
12 第二機器
13 第三機器
14 サーバ装置
50 情報処理装置
50A 取得部
50B 提示制御部
50X 検索部
50Y 問合部
54 ストレージ
55 通信インタフェース
57 表示部
59 バス