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特許7409211類似症例検索プログラム、類似症例検索方法及び類似症例検索システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】類似症例検索プログラム、類似症例検索方法及び類似症例検索システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20231226BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
G16H10/00
A61B5/00 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020075043
(22)【出願日】2020-04-20
(65)【公開番号】P2021174073
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】小澤 亮夫
(72)【発明者】
【氏名】中川 真智子
【審査官】松尾 真人
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-119863(JP,A)
【文献】特開2007-287027(JP,A)
【文献】特開2017-010452(JP,A)
【文献】特開2011-118540(JP,A)
【文献】特開2019-111164(JP,A)
【文献】特開2016-214324(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の画面上の領域に、患者の肺を撮影した画像と当該画像に関するカルテ情報とを切り替え可能に表示させ、
並んだ2つの領域のそれぞれに前記画像と前記カルテ情報とが切り替え可能に表示されている場合に、前記2つの領域のうちの一方に対し、前記画像と前記カルテ情報とを切り替える操作が行われた場合、前記2つの領域の両方の前記画像と前記カルテ情報とを切り替える
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする類似症例検索プログラム。
【請求項2】
前記切り替える処理は、患者についての前記画像又は前記カルテ情報を表示する領域が3以上並んだ状態で、それぞれの領域のサイズ及び領域内のレイアウトが同じ場合には、前記領域のうちの1つに対し、前記画像と前記カルテ情報とを切り替える操作が行われた場合、前記領域のうちの当該操作が行われた領域以外の領域の前記画像と前記カルテ情報についても前記操作に合わせて切り替えることを特徴とする請求項1に記載の類似症例検索プログラム。
【請求項3】
前記切り替える処理は、患者についての前記画像又は前記カルテ情報を表示する領域が3以上並んだ状態で、前記領域のうち、診断対象を表示する領域のサイズ及び領域内のレイアウトと異なる領域に対しての操作が行われた場合は、当該操作が行われた領域のみの前記画像と前記カルテ情報とを切り替えることを特徴とする請求項1に記載の類似症例検索プログラム。
【請求項4】
表示装置の画面上の領域に、患者の肺を撮影した画像と当該画像に関するカルテ情報とを切り替え可能に表示させ、
並んだ2つの領域に前記画像と前記カルテ情報とが切り替え可能に表示されている場合に、前記2つの領域のうちの一方に対し、前記画像と前記カルテ情報とを切り替える操作が行われた場合、前記2つの領域の両方の前記画像と前記カルテ情報とを切り替える
処理をコンピュータが実行することを特徴とする類似症例検索方法。
【請求項5】
類似症例検索装置と表示装置とを有する類似症例検索システムであって、
前記類似症例検索装置は、
前記表示装置の画面上の領域に、患者の肺を撮影した画像と当該画像に関するカルテ情報とを切り替え可能に表示させる表示制御部と、
並んだ2つの領域に前記画像と前記カルテ情報とが切り替え可能に表示されている場合に、前記2つの領域のうちの一方に対し、前記画像と前記カルテ情報とを切り替える操作が行われた場合、前記2つの領域の両方の前記画像と前記カルテ情報とを切り替える切替部と、
を有し、
前記表示装置は、
前記表示制御部及び前記切替部の制御に応じて画面を表示することを特徴とする類似症例検索システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、類似症例検索プログラム、類似症例検索方法及び類似症例検索システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、びまん性肺疾患の患者の肺のCT画像を医師に提示し、診察を支援する症例検索システムが知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】innnavinet、「富士フイルム、人工知能を用いて画像診断をサポートする類似症例検索システム「SYNAPSE Case Match(シナプス ケース マッチ)」の対象疾患を拡大~画像診断が難しい「びまん性肺疾患」の症例検索機能を搭載」~(https://www.innervision.co.jp/products/release/20170414)
【文献】富士フイルム、「富士フイルムと京都大学 AI技術を用いた間質性肺炎の診断支援技術の共同開発に成功」(https://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/articleffnr_1417.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、表示中の情報間の関係が明確でない場合があるという問題がある。例えば、画像とカルテ情報を切り替え可能な画面において、2人の患者の画像を並べて表示している際に、一方の画像をカルテ情報に切り替えた場合、表示中の画像とカルテ情報が関連しているか否かが明確でない場合がある。
【0005】
1つの側面では、表示中の情報間の関係を明確にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様において、類似症例検索プログラムは、表示装置の画面上の領域に、患者の肺を撮影した画像と当該画像に関するカルテ情報とを切り替え可能に表示させる処理をコンピュータに実行させる。類似症例検索プログラムは、並んだ2つの領域のうちの一方に対し、画像とカルテ情報とを切り替える操作が行われた場合、2つの領域の両方の画像とカルテ情報とを切り替える処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0007】
1つの側面では、表示中の情報間の関係を明確にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、類似症例検索システムの構成例を示す図である。
図2図2は、患者DBのデータ構造の例を示す図である。
図3図3は、症例DBのデータ構造の例を示す図である。
図4図4は、表示制御部の構成例を示す図である。
図5図5は、1対多の画像を比較する画面の例を示す図である。
図6図6は、1対多のカルテ情報を比較する画面の例を示す図である。
図7図7は、1対1の画像を比較する画面の例を示す図である。
図8図8は、1対1のカルテ情報を比較する画面の例を示す図である。
図9図9は、表示制御処理の流れを示すフローチャートである。
図10図10は、ハードウェア構成例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係る類似症例検索プログラム、類似症例検索方法及び類似症例検索システムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。また、各実施例は、矛盾のない範囲内で適宜組み合わせることができる。
【0010】
類似症例検索システムは、DBに蓄積された患者の画像を検索し、検索により得られた画像を表示することで、医師の診察を支援するシステムである。ここでの画像は、例えばCT画像等の医用画像である。例えば、類似症例検索システム1は、診察中の患者の画像に類似する画像をDBから取得し、当該取得した画像に対応付けられた疾患に関する情報を医師に提示することができる。これにより、医師は、提示された画像及び疾患に関する情報を参考にして診察を行うことができる。類似症例検索システムのユーザは、例えば医師である。
【0011】
図1は、類似症例検索システムの構成例を示す図である。図1に示すように、類似症例検索システム1は、類似症例検索装置10及び表示装置20を有する。また、類似症例検索装置10は、インタフェース部11、記憶部12及び制御部13を有する。
【0012】
インタフェース部11は、データの入出力、及び他の装置とのデータ通信を行うためのインタフェースである。また、例えば、インタフェース部11は、表示装置20に対し画像データを出力する。このとき、表示装置20は、インタフェース部11を介して受け取った画像データを基に画像を表示する。表示装置20は、例えばディスプレイ及びタッチパネルである。
【0013】
記憶部12は、制御部13が実行するプログラム及びプログラムの実行に必要なデータを記憶する記憶装置の一例である。記憶部12は、患者DB121、症例DB122及び画像DB123を記憶する。
【0014】
患者DB121には、患者ごとの情報が格納される。図2は、患者DBのデータ構造の例を示す図である。図2に示すように、患者DB121には、患者ごとの患者ID、氏名、性別、生年月日が格納される。図2の例では、患者IDが「0000000074」である患者の氏名が「患者 太朗」であり、性別が男であり、生年月日が「1950/1/1」であることが示されている。
【0015】
症例DB122には、検査結果が格納される。図3は、症例DBのデータ構造の例を示す図である。図3に示すように、症例DB122には、患者を識別する患者ID、画像を識別するUIDとともに、画像情報及びカルテ情報が格納される。
【0016】
画像情報f1、画像情報f2等は、例えば画像から抽出される特徴量である。画像情報は画像の類似度の計算等に用いられる。また、カルテ情報には、臨床診断、画像診断、病理診断の結果、画像検査日、及び白血球数等の詳細な検査数値等が含まれる。
【0017】
図3の例では、患者IDが「0000000074」である患者のUIDが「1.1.1.1」である画像の画像情報f1が「100」であり、画像情報f2が「300」であり、病理診断の結果「○○病」と診断され、画像検査日が「2019/10/15」であり、白血球数が「10000」であったことが示されている。
【0018】
画像DB123には、検査において得られた画像が格納される。画像DB123に格納された画像は、UIDにより一意に特定される。また、画像DB123の画像を取得するためのパスは、症例DB122に格納されていてもよい。
【0019】
制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等によって、内部の記憶装置に記憶されているプログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部13は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されるようにしてもよい。制御部13は、表示制御部131、抽出部132、検索部133を有する。
【0020】
表示制御部131は、制御部13の各処理部による処理の結果を基に生成される画像を表示装置20に表示させる。例えば、表示制御部131は、インタフェース部11を介して画像データを表示装置20に出力する。
【0021】
抽出部132は、画像から特徴量を抽出する。抽出部132は、画像全体の特徴量を抽出してもよいし、パッチごとの特徴量を抽出してもよい。
【0022】
ここで、パッチはCT画像を分割して得られる複数の領域である。例えば、パッチは、CT画像を分割して得られる16×16pixelの画像である。また、パッチごとの特徴と、あらかじめ定められた所定の陰影ごとの特徴との類似度を基に、陰影種類が得られる。例えば、類似症例検索システム1は、パッチから抽出した特徴量と、各陰影種類の特徴量との類似度を計算する機械学習モデルを利用して、各パッチに対応する陰影種類を検出することができる。
【0023】
検索部133は、患者の肺を撮影した第1の画像に類似する画像を、画像DB123から検索する。画像DB123は、所定の記憶領域の一例である。例えば、検索部133は、指定された画像の特徴量と画像DB123に格納された画像の特徴量との類似度を比較し、類似度が大きい順に所定数の画像を取得することができる。また、検索部133は、類似度が所定値以上、かつ指定されたその他の条件に合致する画像を取得してもよい。ここで、その他の条件には、患者ID及び各種カルテ情報が含まれる。また、その他の条件は、フラグが付与されているか否かであってもよい。
【0024】
表示制御部131は、検索部133による検索によって得られた画像を表示装置20に表示させる。また、表示制御部131は、画像に対応するカルテ情報を表示させる。表示制御部131は、症例DB122からカルテ情報を取得することができる。
【0025】
ここで、表示制御部131は、表示装置20の画面上の領域に、患者の肺を撮影した画像と当該画像に関するカルテ情報とを切り替え可能に表示させる。また、表示制御部131は、ユーザの指定に応じて、1対多の画像又はカルテ情報を比較する画面及び1対1の画像又はカルテ情報を比較する画面のいずれかを表示させることができる。
【0026】
図4は、表示制御部の構成例を示す図である。図4に示すように、表示制御部131は、診断対象表示内容切替部131a及び比較対象表示内容切替部131bを有する。診断対象表示内容切替部131aは、診断対象を表示するための領域の表示内容を切り替える。一方、比較対象表示内容切替部131bは、比較対象を表示するための領域の表示内容を切り替える。診断対象表示内容切替部131a及び比較対象表示内容切替部131bは、切替部の一例である。
【0027】
診断対象表示内容切替部131a及び比較対象表示内容切替部131bは、一方が表示内容を切り替える依頼を受けた場合、他方にも表示内容を切り替える依頼を行う。例えば、診断対象表示内容切替部131aが患者Aの画像情報を表示している際に、患者Aのカルテ情報を表示する依頼を受けたものとする。このとき、診断対象表示内容切替部131aは、比較対象表示内容切替部131bに対し、表示内容を患者Bの画像情報から患者Bのカルテ情報に切り替えるように依頼する。以下、画面例を用いて表示制御部131の動作を詳細に説明する。
【0028】
図5は、1対多の画像を比較する画面の例を示す図である。図5に示すように、画面の領域201には、診断対象の画像が表示される。また、比較対象の画面として、領域201の右側の領域群202には4つの画像が表示されている。また、領域201の下部には、検査画像タブ211とカルテ詳細タブ212が設けられている。
【0029】
検査画像タブ211が選択された場合、表示制御部131は、画像を比較する画面を表示させる。一方、カルテ詳細タブ212が選択された場合、表示制御部131は、カルテ情報を比較する画面を表示させる。図5の例では、検査画像タブ211が選択されているため、画像を比較する画面が表示されている。
【0030】
図6は、1対多のカルテ情報を比較する画面の例を示す図である。図5に示す状態において、カルテ詳細タブ212が選択されると、表示制御部131は、図6の画面を表示させる。図6に示すように、1対多のカルテ情報を比較する画面の領域201には、診断対象の画像の代わりに、診断対象の画像に対応するカルテ情報が表示される。一方で、領域群202の4つの画像は、カルテ詳細タブ212が選択された場合であってもそのまま表示される。
【0031】
このように、表示制御部131は、3つ以上の領域のそれぞれに画像とカルテ情報とが表示されている場合に、領域のうちの1つに対し、画像とカルテ情報とを切り替える操作が行われた場合、当該操作が行われた領域のみの画像とカルテ情報とを切り替える。
【0032】
ここで、領域群202に表示された画像の4つのうちいずれかが選択された場合、表示制御部131は、診断対象の画像と当該選択された画像とを1対1で比較する画面を表示させる。
【0033】
図7は、1対1の画像を比較する画面の例を示す図である。図7に示すように、画面の領域201aには、診断対象の画像が表示される。また、領域201bには、比較対象の画像が表示される。領域201aの下部には、検査画像タブ211aとカルテ詳細タブ212aが設けられている。また、領域201bの下部には、検査画像タブ211bとカルテ詳細タブ212bが設けられている。また、領域群202cには、領域群202に表示されていた画像のうち、選択されなかった画像が表示されている。このように画像を詳細に比較する場合は、領域201aと領域201bは、ユーザによる比較が容易となるように、それぞれの領域のサイズ、及び、領域内のレイアウトを同じとしている。
【0034】
検査画像タブ211a又は検査画像タブ211bが選択された場合、表示制御部131は、画像を比較する画面を表示させる。一方、カルテ詳細タブ212a又はカルテ詳細タブ212bが選択された場合、表示制御部131は、カルテ情報を比較する画面を表示させる。
【0035】
表示制御部131は、並んだ2つの領域のそれぞれに画像とカルテ情報とが切り替え可能に表示されている場合に、2つの領域のうちの一方に対し、画像とカルテ情報とを切り替える操作が行われた場合、2つの領域の両方の画像とカルテ情報とを切り替える。
【0036】
このため、図7の例では、検査画像タブ211a及び検査画像タブ211bが選択されており、領域201aと領域201bの両方に画像を比較する画面が表示されている。このとき、例えばカルテ詳細タブ212aが選択されると、表示制御部131は、領域201aと領域201bの両方にカルテ情報を表示させる。
【0037】
図8は、1対1のカルテ情報を比較する画面の例を示す図である。図7に示す状態において、カルテ詳細タブ212a又はカルテ詳細タブ212bのいずれかが選択されると、表示制御部131は、図8の画面を表示させる。図8の例では、領域201aと領域201bの両方にカルテ情報が表示されている。
【0038】
図9は、表示制御処理の流れを示すフローチャートである。図9に示すように、まず、検索部133は、診断対象の画像と類似する画像を検索する(ステップS101)。次に、表示制御部131は、検索により得られた画像を類似度が大きい順に並べて表示させる(ステップS102)。
【0039】
ここで、表示制御部131は、比較対象の画像の選択を受け付ける(ステップS103)。表示制御部131は、診断対象の画像と比較対象の画像又は、各画像に対応するカルテ情報を並んだ領域に表示させる(ステップS104)。
【0040】
表示制御部131は、いずれかの領域のタブが変更されるまで待機する(ステップS105、No)。表示制御部131は、いずれかの領域のタブが変更されると(ステップS105、Yes)、両方の領域のタブを連動して切り替える(ステップS106)。その後、表示制御部131は、ステップS104に戻り画像表示を行った後、タブの操作を待機する。
【0041】
これまで説明してきたように、表示制御部131は、表示装置20の画面上の領域に、患者の肺を撮影した画像と当該画像に関するカルテ情報とを切り替え可能に表示させる。
表示制御部131は、並んだ2つの領域のそれぞれに画像とカルテ情報とが切り替え可能に表示されている場合に、2つの領域のうちの一方に対し、画像とカルテ情報とを切り替える操作が行われた場合、2つの領域の両方の画像とカルテ情報とを切り替える。例えば、ユーザが画面上の2つの領域に画像又はカルテ情報を並べて表示する場合、一方の領域にある患者の画像が表示され、他方の領域に別の患者のカルテ情報が表示される場合を考える。この場合、ユーザが誤って画像とカルテ情報が同じ患者のものであるという判断をしてしまうことが考えられる。本実施例では、並んだ2つの領域に表示される情報の切り替えを連動させることで、表示中の情報間の関係を明確にすることができる。その結果、前述のような誤った判断の発生を防止することができる。
【0042】
なお、本実施例では、ユーザが画像の詳細比較を行う場面では画面上に並んだ2つの領域を比較することを例に説明している。実際には、並んで表示された3つ以上の領域について、ユーザはそれぞれの領域に表示された情報を対比しながら確認している場合があり得る。例えば、表示されるそれぞれの領域のサイズ、領域内のレイアウトが同じである場合には、ユーザはそれぞれの領域に表示された情報を対比しながら確認している可能性がある。また、例えば、表示されるそれぞれの領域のサイズ及び領域内のレイアウトが、診断対象が表示されている領域のサイズ及び領域内のレイアウトと同じ場合は、ユーザは対比しながら症例を分析している可能性がある。そこで、表示制御部131は、画面上に並んだ3つ以上の領域をユーザが詳細に比較する場面では、並んだ3つ以上の領域に表示される情報の切り替えを連動させることも可能である。
【0043】
表示制御部131は、患者についての画像又はカルテ情報を表示する領域が3以上並んだ状態で、それぞれの領域のサイズ及び領域内のレイアウトが同じ場合には、領域のうちの1つに対して画像とカルテ情報とを切り替える操作が行われた場合、操作が行われた領域以外の領域の画像とカルテ情報についても前記操作に合わせて切り替える処理を実行すればよい。
【0044】
表示制御部131は、例えば、画面上に表示されるそれぞれの領域のサイズ、領域内のレイアウトの情報を管理しておく。表示制御部131は、画面上に表示される1つの領域Aに表示される情報の変更指示を受け付けた場合に、画面上の他の領域の内、領域Aと同じサイズ、レイアウトとなる1以上の領域Bを特定する。表示制御部131は、領域Aに対する変更指示に合わせて領域Aに表示される情報の変更を行うとともに、1以上の領域Bについても領域Aへの変更指示にあわせて表示される情報の変更を行う。
【0045】
このような構成であれば、3以上の領域が表示されている場合であっても、1つの領域についての表示を変更させた場合に、他の領域も連動して変更させることができる。
【0046】
一方、患者についての前記画像又は前記カルテ情報を表示する領域が3以上並んだ状態であっても、1対多のような表示のパターンの場合においては、ユーザはそれぞれの領域を対比させながら詳細に比較していない場合もある。このように、診断対象を表示する領域のサイズ及び領域内のレイアウトと異なる領域に対しての操作である場合には、表示制御部131は、3つ以上の領域のそれぞれに画像とカルテ情報とが切り替え可能に表示されている場合に、領域のうちの1つに対し、画像とカルテ情報とを切り替える操作が行われた場合、当該操作が行われた領域のみの画像とカルテ情報とを切り替える。このように、1対多の比較の場合は、表示する情報の切り替えを連動させずとも前述のような誤った判断は発生しにくいと考えられる。実施例によれば、1対多の比較の場合に、ユーザの希望する表示態様により画面表示を行うことができる。
【0047】
なお、画面の切り替え方法は、タブ切り替えに限定されない。例えば、表示制御部131は、スクロールによって画面の切り替えを受け付けてもよい。例えば、図7の例で、領域201aが下にスクロールされると、表示制御部131は、領域201aにカルテ情報を表示させる。このとき、表示制御部131は、領域201aに連動させて、領域201bにもカルテ情報を表示させる。
【0048】
また、例えば、表示制御部131は、子画面呼び出しによって画面の切り替えを受け付けてもよい。例えば、図7の例で、領域201aがクリックされると、表示制御部131は、子画面を呼び出し、当該子画面にカルテ情報を表示させる。このとき、表示制御部131は、領域201aに連動させて、領域201bに表示中の画像に関するカルテ情報を別の子画面に表示させる。
【0049】
上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。また、実施例で説明した具体例、分布、数値等は、あくまで一例であり、任意に変更することができる。
【0050】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0051】
図10は、ハードウェア構成例を説明する図である。図10に示すように、類似症例検索装置10は、通信インタフェース10a、HDD(Hard Disk Drive)10b、メモリ10c、プロセッサ10dを有する。また、図10に示した各部は、バス等で相互に接続される。
【0052】
通信インタフェース10aは、ネットワークインタフェースカード等であり、他のサーバとの通信を行う。HDD10bは、図1に示した機能を動作させるプログラムやDBを記憶する。
【0053】
プロセッサ10dは、図1に示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムをHDD10b等から読み出してメモリ10cに展開することで、図1等で説明した各機能を実行するプロセスを動作させるハードウェア回路である。すなわち、このプロセスは、類似症例検索装置10が有する各処理部と同様の機能を実行する。具体的には、プロセッサ10dは、表示制御部131、抽出部132及び検索部133と同様の機能を有するプログラムをHDD10b等から読み出す。そして、プロセッサ10dは、表示制御部131、抽出部132及び検索部133等と同様の処理を実行するプロセスを実行する。
【0054】
このように類似症例検索装置10は、プログラムを読み出して実行することで学習類方法を実行する情報処理装置として動作する。また、類似症例検索装置10は、媒体読取装置によって記録媒体から上記プログラムを読み出し、読み出された上記プログラムを実行することで上記した実施例と同様の機能を実現することもできる。なお、この他の実施例でいうプログラムは、類似症例検索装置10によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータ又はサーバがプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【0055】
このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することができる。
【符号の説明】
【0056】
1 類似症例検索システム
10 類似症例検索装置
11 インタフェース部
12 記憶部
13 制御部
20 表示装置
121 患者DB
122 症例DB
123 画像DB
131 表示制御部
131a 診断対象表示内容切替部
131b 比較対象表示内容切替部
132 抽出部
133 検索部
201、201a、201b 領域
202、202c 領域群
211、211a、211b 検査画像タブ
212、212a、212b カルテ詳細タブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10