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特許7409405操作端末装置及びそのユーザインターフェースの表示制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】操作端末装置及びそのユーザインターフェースの表示制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0488 20220101AFI20231226BHJP
   G06F 3/0482 20130101ALI20231226BHJP
   G06F 3/0485 20220101ALI20231226BHJP
   F24F 11/50 20180101ALI20231226BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
G06F3/0488
G06F3/0482
G06F3/0485
F24F11/50
H04Q9/00 301D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022011216
(22)【出願日】2022-01-27
(65)【公開番号】P2023109607
(43)【公開日】2023-08-08
【審査請求日】2023-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】河村 康晴
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-115298(JP,A)
【文献】特開2003-330586(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048-3/04895
H03J 9/00-9/06
H04Q 9/00-9/16
F24F 11/00-11/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが本体装置を制御するための操作端末装置であって、
制御部と、
前記制御部によって制御される、タッチパネルを含むユーザインターフェース部と、を備え、
前記制御部は、
複数の選択要素が配置されたドラムロール画像を含む画面を前記タッチパネルに表示させ、前記タッチパネルに対する前記ユーザのスライド操作に応じて前記ドラムロールが回転するよう前記ドラムロール画像を変化させるように制御を行うドラムロール表示制御機能と、
前記画面に表示された前記ドラムロール画像に対する前記ユーザの所定の操作に応じて、前記複数の選択要素のうちの一の選択要素を選択する選択要素選択機能と、
選択された前記一の選択要素に応じて、所定の制御コマンドを発行するコマンド発行機能と、を有し、
前記選択要素選択機能は、
前記ユーザの前記所定の操作が前記スライド操作である場合に、前記スライド操作に応じて前記ドラムロール画像の選択位置に移動した選択要素を前記一の選択要素として選択する機能と、
前記ユーザの前記所定の操作が前記ドラムロール画像における前記選択位置以外の他の位置に対するタップ操作である場合に、前記タップ操作された位置に対応する選択要素を前記選択位置に移動させて前記一の選択要素として選択する機能と、を含み、
前記スライド操作により前記選択要素が前記選択位置に移動した後、所定の時間が経過した場合に、前記選択位置にある前記選択要素を前記一の選択要素として選択するようにした、
操作端末装置。
【請求項2】
前記ドラムロール表示制御機能は、前記選択要素選択機能により選択された前記一の選択要素が視覚的に区別された演出効果で表示されるように制御することを含む、
請求項1に記載の操作端末装置。
【請求項3】
前記視覚的に区別された演出効果は、カラー、ハイライト、ブリンク、ボールド、斜体、及び下線の少なくとも1つを含む、
請求項2に記載の操作端末装置。
【請求項4】
前記ドラムロール画像は、前記本体装置の周囲環境の温度を設定するためのGUIであり、前記複数の選択要素のそれぞれは、設定温度を示す、
請求項1から3のいずれか一項に記載の操作端末装置。
【請求項5】
ユーザが本体装置を制御するためのタッチパネルを備えた操作端末装置によるユーザインターフェースの表示制御方法であって、
複数の選択要素が配置されたドラムロール画像を含む画面を前記タッチパネルに表示させ、前記タッチパネルに対する前記ユーザのスライド操作に応じて前記ドラムロールが回転するよう前記ドラムロール画像を変化させるように表示制御を行うことと、
前記画面に表示された前記ドラムロール画像に対する前記ユーザの所定の操作に応じて、前記複数の選択要素のうちの一の選択要素を選択することと、を含み、
前記一の選択要素を選択することは、
前記ユーザの前記所定の操作が前記スライド操作である場合に、前記スライド操作に応じて前記ドラムロール画像の選択位置に移動した選択要素を前記一の選択要素として選択することと、
前記ユーザの前記所定の操作が前記ドラムロール画像における前記選択位置以外の他の位置に対するタップ操作である場合に、前記タップ操作された選択要素を前記選択位置に移動させて前記一の選択要素として選択することと、を含み、
前記スライド操作により前記選択要素が前記選択位置に移動した後、所定の時間が経過した場合に、前記選択位置にある前記選択要素を前記一の選択要素として選択するようにした、
ユーザインターフェースの表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作端末装置及びそのユーザインターフェースの表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空調機の動作設定には、操作端末装置としてのリモートコントローラが用いられる。近年は、タッチパネル式のリモートコントローラも登場し、ユーザに対し、従来の押しボタン式より直感的な操作性を提供するGUI(グラフィカルユーザインターフェース)が用いられることが増加している。例えば、空調機の動作温度の設定では、いわゆる「ドラムロール」(「ピッカー」と称されることもある。)方式のGUIを実装したリモートコントローラが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-115298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドラムロール方式のGUIは、ユーザによる操作(例えばスワイプ操作等)によって仮想的にドラムロールを回転させることで、ユーザに直感的な操作性を提供するが、一方で、ユーザは、ドラムロール上に表示された選択要素(例えば設定温度を示す値)を規定の位置(選択位置)に合わせなければならないため、比較的細かく正確な操作が要求される。
【0005】
例えば、ドラムロールに対してユーザが勢いよくスワイプ操作等をした場合、選択要素が選択位置を勢い余って通り越してしまうことがある。このような場合、ユーザは、逆向きのスワイプ操作等により選択要素が選択位置に戻ってくるように操作し直さなければならないという煩雑さがあった。
【0006】
そこで、本発明は、ドラムロール方式のGUIによりユーザに直感的な操作性を提供しつつ、所望の選択要素を容易に選択し得る操作端末装置及びそのユーザインターフェースの表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明は、以下に示す発明特定事項乃至は技術的特徴を含んで構成される。
【0008】
ある観点に従う本発明は、ユーザが本体装置を制御するための操作端末装置である。該操作端末装置は、制御部と、該制御部によって制御される、タッチパネルを含むユーザインターフェース部とを備える。
また、該制御部は、複数の選択要素が配置されたドラムロール画像を含む画面を該タッチパネルに表示させ、該タッチパネルに対する該ユーザのスライド操作に応じて該ドラムロールが回転するように該ドラムロール画像を変化させるように制御を行うドラムロール表示制御機能と、該画面に表示された該ドラムロール画像に対する該ユーザの所定の操作に応じて、該複数の選択要素のうちの一の選択要素を選択する選択要素選択機能と、選択された該一の選択要素に応じて、所定の制御コマンドを発行するコマンド発行機能とを有する。
また、該選択要素選択機能は、該ユーザの該所定の操作が該スライド操作である場合に、該スライド操作に応じて該ドラムロール画像の選択位置に移動した選択要素を該一の選択要素として選択する機能と、該ユーザの該所定の操作が該ドラムロール画像における該選択位置以外の他の位置に対するタップ操作である場合に、該タップ操作された位置に対応する選択要素を該一の選択要素として選択する機能とを含む。
【0009】
更に、別の観点に従う本発明は、ユーザが本体装置を制御するためのタッチパネルを備えた操作端末装置によるユーザインターフェースの表示制御方法である。
該ユーザインターフェースの表示制御方法は、複数の選択要素が配置されたドラムロール画像を含む画面を該タッチパネルに表示させ、該タッチパネルに対する該ユーザのスライド操作に応じて該ドラムロールが回転するように該ドラムロール画像を変化させるように表示制御を行うことと、該画面に表示された該ドラムロール画像に対する該ユーザの所定の操作に応じて、該複数の選択要素のうちの一の選択要素を選択することとを含む。
また、該一の選択要素を選択することは、該ユーザの該所定の操作が該スライド操作である場合に、該スライド操作に応じて該ドラムロール画像の選択位置に移動した選択要素を該一の選択要素として選択することと、該ユーザの該所定の操作が該ドラムロール画像における該選択位置以外の他の位置に対するタップ操作である場合に、該タップ操作された選択要素を該一の選択要素として選択することとを含む。
【0010】
なお、本明細書等において、手段又は部とは、単に物理的手段又は要素を意味するものではなく、その手段又は部が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの手段又は部が有する機能が2つ以上の物理的手段又は要素により実現されても、2つ以上の手段又は部の機能が1つの物理的手段又は部により実現されても良い。また、「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が協働し動作する物のことをいい、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ドラムロール方式のGUIによりユーザの直感的な操作性を提供しつつ、細かく正確な操作を要求することなく、所望の選択要素を容易に選択し得る操作端末装置及びそのユーザインターフェースの制御方法を提供することを目的とする。
【0012】
本発明の他の技術的特徴、目的、及び作用効果乃至は利点は、添付した図面を参照して説明される以下の実施形態により明らかにされる。本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また他の効果があっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る操作端末装置が適用される空気調和システムの構成の一例を示すブロックダイアグラムである。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る操作端末装置が適用される空気調和システムにおける室内機の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る操作端末装置の機能的構成の一例を示すブロックダイアグラムである。
図4図4は、本発明の一実施形態に係る操作端末装置の外観構成の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る操作端末装置のタッチパネル上に表示された温度設定画面の一例を示す図である。
図6図6は、本発明の一実施形態に係る操作端末装置の全体動作の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、本発明の一実施形態に係る操作端末装置のタッチパネル上に表示された温度設定画面に対する操作の一例を示す図である。
図8図8は、本発明の一実施形態に係る操作端末装置のタッチパネル上に表示された温度設定画面に対する操作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(例えば各実施形態を組み合わせる等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る操作端末装置が適用される空気調和システムの構成の一例を示すブロックダイアグラムである。同図に示すように、空気調和システム1は、例えば、空気調和機の室内機2と、ユーザが室内機2を遠隔的に操作可能な操作端末装置3とを備える。また、図示しないが、空気調和システム1は、室内機2に電気配線及び冷媒配管によって接続された室外機を含む。
【0016】
室内機2は、例えば室内に配置され、室内の空気を調和する空気調和システム1の一部を構成する。室内機2は、熱交換器やファンを備え、熱交換器により冷媒と室内空気との間で熱交換を行い適切な温度及び湿度に調節された調和空気をファンにより室内に送出することで、室内の暖房、冷房、除湿等を行う。室内機2は、操作端末装置3との関係において、本体装置である。
【0017】
操作端末装置3は、ユーザが室内機2を遠隔的に操作するためのユーザインターフェースデバイスであり、リモートコントローラ(いわゆる「リモコン」)とも称される。本開示では、操作端末装置3は、据置型又は壁面取付型であるものとするが、これに限られず、ハンドヘルド型であっても良い。
【0018】
室内機2と操作端末装置3とは、例えば無線通信により接続されるが、これに限られず、有線通信により接続されても良い。無線通信の一例として、室内機2と操作端末装置3とは、赤外線通信により接続される。或いは、室内機2と操作端末装置3とは、例えばBLE(Bluetooth Low Energy)規格に従う無線通信技術により接続される。一方、有線通信の場合は、例えばUART(Universal synchronous Receiver/Transmitter)のようなI/Fにより接続されればよい。操作端末装置3は、ユーザによる入力操作に従った制御コマンドを室内機2に送信する。室内機2は、制御コマンドを受信し、これに従って動作する。
【0019】
図2は、本発明の一実施形態に係る空気調和システムにおける室内機の機能的構成の一例を示すブロック図である。同図に示すように、室内機2は、例えば、室内機制御部21と、空気調和機構22と、センサ部23と、通信インターフェース部24とを含む。
【0020】
室内機制御部21は、室内機2の動作を制御するためのプロセッサ(マイクロコンピュータ)211、メモリ212、外部インターフェース部213等を含む。メモリ212は、例えば組み込み型制御プログラム及び各種の設定データ等を記憶する。室内機制御部21は、例えば、ユーザによる操作端末装置3の操作の下、運転モード(例えば、冷房運転、暖房運転、除湿運転等)を切り替えるように、室内機2を制御する。外部インターフェース部213は、室内機制御部21と、空気調和機構22、センサ部23、及び外部の装置(例えば操作端末装置3)とを接続するインターフェース回路である。
【0021】
空気調和機構22は、室内機2のうち、熱交換器、コンプレッサ、ファン、ルーバー等である。空気調和機構22は、室内機制御部21からの制御を受け、こうして室内機2は室外機との協働により、熱交換器において冷媒と室内空気との間で熱交換を行い、調和された空気を室内に吹き出す。
【0022】
センサ部23は、室内機2が設置された部屋の各種の物理量を検出する素子である。センサ部23は、例えば、各種の環境センサを含む。同図では、温度センサ23a及び湿度センサ23bが示されている。
【0023】
通信インターフェース部24は、操作端末装置3の通信インターフェース部34(図3参照)との間で無線通信を実現するための通信インターフェースである。例えば、室内機2と操作端末装置3とが赤外線通信により接続される場合、通信インターフェース部24は赤外線信号を受信する受光部(図示せず)を含む。
【0024】
図3は、本発明の一実施形態に係る空気調和システムにおける操作端末装置の機能的構成の一例を示すブロックダイアグラムである。同図に示すように、操作端末装置3は、例えば、制御部31と、記憶部32と、ユーザインターフェース部33と、通信インターフェース部34とを備える。
【0025】
制御部31は、操作端末装置3を制御する。制御部31は、例えば、プロセッサを含む。また、記憶部32は、制御部31の動作に必要なメモリモジュールであり、例えば制御プログラムや各種の設定データ等を記憶する。制御部31は、プロセッサの制御の下、制御プログラムを実行し、記憶部32、ユーザインターフェース部33、通信インターフェース部34と協働することにより、操作端末装置3に種々の機能を実現させる。本開示では、制御部31は、少なくとも、ドラムロール画像をユーザインターフェース部33に表示させるドラムロール表示機能と、ユーザインターフェース部33に対する入力操作に基づいて、選択要素を選択する選択要素選択機能と、選択された選択要素に応じて所定の制御コマンドを発行するコマンド発行機能とを有する。
【0026】
ユーザインターフェース部33は、制御部31の制御により、ユーザに直感的な操作を提供する。本開示では、ユーザインターフェース部33は、タッチパネル331を含む。タッチパネル331は、表示部と位置入力部からなる入出力装置である。ユーザインターフェース部33は、タッチパネル331の表示部に表示された画像に対してユーザが指等で触れた位置を、タッチパネル331の位置入力部が検出し入力信号として制御部31に出力する。制御部31は、その入力信号に基づいて、所定の処理を実行する。
【0027】
通信インターフェース部34は、室内機2の通信インターフェース部24との間で無線通信を実現するための通信インターフェースである。例えば、室内機2と操作端末装置3とが赤外線通信により接続される場合、通信インターフェース部34は赤外線信号を発光する発光部(図示せず)を含む。
【0028】
図4は、本発明の一実施形態に係る操作端末装置の外観構成の一例を示す図である。同図に示すように、筐体301は、例えば、ABS等の樹脂材料により形成され、操作端末装置3の外観を与える。本実施形態では、筐体301は、薄型の直方体の形状を有し、前面にはユーザインターフェース部33のタッチパネル331が設けられている。タッチパネル331には、制御部31の制御により、種々のGUI画面が表示される。
【0029】
図5は、本発明の一実施形態に係る操作端末装置のタッチパネル上に表示された画面の一例を示す図であり、具体的には、同図は、タッチパネル331上に表示された温度設定画面の一例を示す図である。
【0030】
すなわち、同図に示すように、温度設定画面500は、電源スイッチを示す電源スイッチアイコン501と、表示されている設定画面のページを示すページアイコン502と、現在の運転モードを示す運転モードアイコン503と、現在の設定温度を示すとともに設定したい温度を選択するための温度設定アイコン504とを含む。ユーザは、温度設定画面500内の特定のアイコンに対して様々なタッチ操作をすることにより、操作端末装置3に指示を入力することができる。タッチ操作は、例えば、ユーザの指等で温度設定画面500内のアイコンをタップするタップ操作、同じ場所を長押しする長押し操作、及び温度設定画面500内で指を所定の方向(上下方向や左右方向)にスライドさせるスライド操作等(スワイプ操作やフリック操作等)がある。
【0031】
本開示において、温度設定画面500の温度設定アイコン504は、いわゆるドラムロール方式のGUIである。ユーザは、温度設定アイコン504を操作して、本体装置の周囲環境の温度を設定する。すなわち、温度設定画面500内の温度設定アイコン504は、選択し得る設定温度を示す複数の選択要素(本例では華氏温度を示す数字)が配置されたドラムロールを模擬的に表示した画像(ドラムロール画像)である。制御部31は、アニメーションのようにドラムロール画像を変化させるように制御する(ドラムロール表示制御機能)。ドラムロールの正面位置は、設定温度を決定するための位置(選択位置)であり、また、現在の設定温度を示す。本例では、選択位置における現在の設定温度を示す数字は、拡大表示されて他の数字より大きく表示され、これにより、視認性を向上させている。
【0032】
ユーザは、温度設定画面500内の温度設定アイコン504の近傍で、指等を上下方向にスライドさせることによりドラムロールを上下方向に移動させることで仮想的に回転させて、複数の選択要素から所望の選択要素(温度)をドラムロールの正面位置である温度設定画面500内の中央に移動させることで、設定温度とすることができる(選択要素選択機能)。操作端末装置3の制御部31は、例えば、ドラムロールの回転が停止した後、所定の時間(例えば1秒)が経過した場合に、選択位置にある選択要素を選択し、該選択した選択要素が示す温度を室内の設定温度とする。また、本開示では、ユーザは、温度設定画面500内の温度設定アイコン504が示す選択要素を直接タップすることにより、ドラムロールを回転させることなく、温度設定をすることもできる(選択要素選択機能)。すなわち、制御部31は、直接タップされたドラムロール画像における選択要素を選択し、該選択した選択要素が示す温度を室内の設定温度とする。
【0033】
なお、ユーザ操作の他の例では、ユーザは、電源スイッチアイコン501をタップすることにより、空気調和システム1の運転を開始または停止させることができる。更に、他の例では、ユーザは、指を左右方向にスライドさせることにより、温度設定以外の項目を設定するためのページを表示させることができる。
【0034】
図6は、本発明の一実施形態に係る操作端末装置の処理の一例を示すフローチャートである。かかる処理は、制御部31のプロセッサが制御プログラムを実行することにより、記憶部32、ユーザインターフェース部33、及び通信インターフェース部34と協働し、実現されるユーザインターフェースの表示制御方法である。
【0035】
同図に示すように、操作端末装置3は、例えばスリープモードで動作中、タッチパネル331に対するユーザによる何らかの操作があったか否かを監視している(S601)。ここでのユーザの操作は、例えば、タッチパネル331へのタッチ操作である。
【0036】
操作端末装置3は、タッチパネル331に対するユーザの何らかの操作があったと判断する場合(S601のYes)、タッチパネル331にホーム画面としての例えば図5に示したような温度設定画面500が表示されるように制御を行う(S602)。タッチパネル331に対する操作がない場合(S601のNo)は、操作があったか否かの判定に戻る(S601)。続いて、操作端末装置3は、タッチパネル331の温度設定画面500に対するユーザの所定の操作があったか否かを監視する(S603のNo)。
【0037】
操作端末装置3は、温度設定画面500に対して所定の操作として上又は下方向へのスライド操作(ドラムロール操作)があったと判断する場合(S603のYes)、そのスライド操作に合わせてドラムロールが回転するように表示を変化させる(S604)。例えば、図7(a)に示すように、ユーザが指を下方向にスライドさせた場合、同図(b)に示すように、ドラムロールの回転に応じて現在の設定温度よりも上側に示されている選択要素が下方向の選択位置に移動する。
【0038】
続いて、操作端末装置3は、回転しているドラムロールの停止表示を行う(S605)。操作端末装置3は、ドラムロールが停止した時点で計時を開始し、所定の時間(例えば1秒)が経過した場合に、選択位置にある一の選択要素を設定内容として確定し、該一の選択要素が示す温度を室内の設定温度に設定する(S606)。計時は、例えばドラムロール表示制御機能により行われる。なお、操作端末装置3は、所定の時間が経過した時点で、選択位置にある一の選択要素を例えば拡大表示するといった視覚的に区別された演出効果で表示されるように制御を行っても良い。或いは、操作端末装置3は、ドラムロールの回転停止後、所定の時間の経過を待つのではなく、ユーザによる所定の操作(例えば選択位置を2回タップ等)があった場合に、選択位置にある選択要素を確定するようにしても良い。ここで視覚的に区別された演出効果とは、ユーザが選択した選択要素をユーザが認識しやすいように強調表示することを示し、例えば、カラー(周囲との異なる配色表示)、ハイライト(マーカによる強調表示)、ブリンク(点滅表示)、ボールド(太字による強調表示)、斜体(文字等の傾斜表示)、及び下線(文字等への下線付加表示)の少なくとも1つを含み得る。
【0039】
また、操作端末装置3は、温度設定画面500のドラムロール画像に対してタップ操作があったと判断した場合、タップされた位置に対応する選択要素を選択し、該選択要素が示す温度を室内の設定温度とする(S607)。つまり、選択要素に対するタップ操作があった場合は、選択位置以外の他の位置でタップ操作された選択要素そのものが直ちに設定される。例えば、図8(a)に示すように、ユーザが指で現在の設定温度よりも上側に示されている選択要素を直接タップすると、同図(b)に示すように、タップされた選択要素が選択位置に直ちに移動し、そのまま該選択要素が示す温度を室内の設定温度とする。これにより、ユーザは、ドラムロール方式のGUIの操作で起こり得る所望の選択要素を選択しづらいといったストレスを感じることなく、正確かつ迅速に所望の選択要素を選択することができる。なお、操作端末装置3は、選択された選択要素が選択位置に移動した時点で、該選択要素を視覚的に区別された演出効果で表示されるように制御を行っても良い。
【0040】
或いは、操作端末装置3は、温度設定画面500に対して他の操作(例えば左右方向へのスライド操作やタッチ操作等)があったと判断する場合、その操作に応じた処理を実行する(S608)。例えば、左右方向へのスライド操作があった場合、操作端末装置3は、タッチパネル331上の表示を温度設定画面500から他の設定画面に切り替える。
【0041】
操作端末装置3は、所定の操作に応じた処理を室内機2に実行させるため、制御コマンドを発行し、これを室内機2に送信する(S609)。例えば、操作端末装置3は、上述した室内温度の設定処理であれば、選択された設定温度に基づく制御コマンドを発行し、これを室内機2に送信する(S609)。これにより、室内機2は、受信した制御コマンドに基づいて温度を設定する。
【0042】
以上のように、本実施形態によれば、ユーザは、ドラムロール方式のGUIによりユーザに直感的な操作性を提供しつつ、細かく正確な操作を要求することなく、所望の選択要素を容易に選択することができるようになる。とりわけ、本実施形態によれば、ユーザは、ドラムロール画像における選択位置以外の位置にある選択要素を直接選択することができるので、所望の選択要素を迅速に選択することができるようになる。また、ドラムロール方式のGUIであっても、ユーザは、選択要素を直接的に選択可能であるため、指等の乾燥によりスライド操作を上手くできない状況であっても、確実に操作することができるようになる。
【0043】
上記各実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施することができる。
【0044】
例えば、本明細書に開示される方法においては、その結果に矛盾が生じない限り、ステップ、動作又は機能を並行して又は異なる順に実施しても良い。説明されたステップ、動作及び機能は、単なる例として提供されており、ステップ、動作及び機能のうちのいくつかは、発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略でき、また、互いに結合させることで一つのものとしてもよく、また、他のステップ、動作又は機能を追加してもよい。
【0045】
また、本明細書では、さまざまな実施形態が開示されているが、一の実施形態における特定の技術的事項を、適宜改良しながら、他の実施形態に追加し、又は該他の実施形態における特定の技術的事項と置換することができ、そのような形態も本発明の要旨に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
1…空気調和システム
2…室内機
21…室内機制御部
211…プロセッサ
212…メモリ
213…外部インターフェース部
22…空気調和機構
23…センサ部
23a…温度センサ
23b…湿度センサ
24…通信インターフェース部
3…操作端末装置
31…制御部
32…記憶部
33…ユーザインターフェース部
331…タッチパネル
34…通信インターフェース部
301…筐体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8