(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】上りリンク送信タイミングアドバンスの取得方法、装置及び通信システム
(51)【国際特許分類】
H04W 56/00 20090101AFI20231226BHJP
H04W 28/18 20090101ALI20231226BHJP
H04W 72/23 20230101ALI20231226BHJP
【FI】
H04W56/00 130
H04W28/18
H04W72/23
(21)【出願番号】P 2022078571
(22)【出願日】2022-05-12
(62)【分割の表示】P 2020537149の分割
【原出願日】2018-01-10
【審査請求日】2022-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ジアン・チンイェヌ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・レイ
【審査官】田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】Qualcomm Incorporated,"Remaining Details on RACH Procedure",3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #91 R1-1720653,[online],2017年11月18日,pages 1-22,[retrieved on 2021-09-16], <URL: https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_91/Docs/R1-1720653.zip>
【文献】NTT DOCOMO, INC,"Remaining details on RACH procedure",3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #91 R1-1720795,[online],2017年11月18日,pages 1-9,[retrieved on 2021-09-16], <URL: https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_91/Docs/R1-1720795.zip>
【文献】CATT,"Further details on NR 4-step RA Procedure",3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #91 R1-1720174,[online],2017年11月18日,pages 1-12,[retrieved on 2021-09-16], <URL: https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_91/Docs/R1-1720174.zip>
【文献】Fujitsu,"Discussion on ambiguity about TA determination in case of multiple configured UL BWPs with differen,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting AH1801 R1-1800124,[online],2018年01月12日,pages 1-3,[retrieved on 2021-09-16], <URL: https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/NR_AH_1801/Docs/R1-1800124.zip>,本願の出願日の後に公開された文献
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置であって、
タイミングアドバンス命令値(T
A)を含むタイミングアドバンス命令(TA command)を受信するためのレシーバー;及び
プロセッサーを含み、
前記プロセッサーは、
前記T
A及び第一サブキャリア間隔(SCS)に基づいて上り伝送タイミングを調整し;及び
第二SCSと関連している第一時点(time point)の後に、前記調整された上り伝送タイミングを適用するように構成され
、
前記レシーバーはn番目のスロットで前記TA commandを受信し、
前記第一時点はn+N番目のスロットの先頭(beginning)であり、
ここで、nは自然数であり、Nは正の整数である、端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の端末装置であって、
前記第二SCSは事前定義又は事前設定される、端末装置。
【請求項3】
請求項1に記載の端末装置であって、
前記第一時点は前記端末装置のサービングセルの動作帯域(operational band)と関連している、端末装置。
【請求項4】
請求項2に記載の端末装置であって、
前記第二SCSの事前定義とは、参照SCSが前記端末装置の出荷前に前記端末装置にプリセット(preset)されることを指す、端末装置。
【請求項5】
請求項1に記載の端末装置であって、
前記レシーバーはネットワーク装置によって送信される第一設定情報を受信し、前記第一設定情報は、前記第二SCSを示すために用いられ、又は、前記端末装置が前記第二SCSを得るために用いられる、端末装置。
【請求項6】
請求項1に記載の端末装置であって、
前記第二SCSは前記第一SCSとは異なる、端末装置。
【請求項7】
請求項1に記載の端末装置であって、
前記第一SCSは複数の上りリンク帯域幅パート(uplink bandwidth part)のうちの最大のSCSである、端末装置。
【請求項8】
請求項1に記載の端末装置であって、
前記第二SCSは前記TA commandに対応するタイミングアドバンスグループ(Timing Advance Group)における複数の上りリンク帯域幅パート(uplink bandwidth part)のうちの最小のSCSである、端末装置。
【請求項9】
請求項5に記載の端末装置であって、
前記第一設定情報は物理層制御チャネル、媒体アクセス制御シグナリング、無線リソース制御シグナリング、システム情報、又はブロードキャストシグナリングを用いて送信される、端末装置。
【請求項10】
請求項1に記載の端末装置であって、
前記調整された上り伝送タイミングを適用した後に、前記端末装置がアクティブな上りリンク帯域幅パートを変更する場合、前記プロセッサーは、前記アクティブな上りリンク帯域幅パートの変更の前後で同じ絶対タイミングアドバンス命令値を想定する、端末装置。
【請求項11】
請求項1に記載の端末装置であって、
前記TA commandを受信する第一時間と、前記調整された上り伝送タイミングを適用する第二時間との間に、前記端末装置がアクティブな第一上りリンク帯域幅パートを第二上りリンク帯域幅パートに変更する場合、前記第一SCSは前記第二上りリンク帯域幅パートのSCSに対応する、端末装置。
【請求項12】
ネットワーク装置であって、
端末装置がタイミングアドバンス(T
TA)を計算するために用いられる、第一サブキャリア間隔(SCS)に関連しているタイミングアドバンス命令値(T
A)を得るためのプロセッサー;及び
前記T
Aを含むタイミングアドバンス命令(TA command)を送信するためのトランスミッターを含み、
前記タイミングアドバンスは、前記タイミングアドバンス命令値及び前記第一サブキャリア間隔に基づいて前記端末装置によって計算され、かつ第二SCSと関連している第一時点の後に適用され
、
前記端末装置はn番目のスロットで前記TA commandを受信し、
前記第一時点はn+N番目のスロットの先頭(beginning)であり、
ここで、nは自然数であり、Nは正の整数である、ネットワーク装置。
【請求項13】
請求項1乃至
11のうちの何れか1項に記載の端末装置;及び
請求項12に記載のネットワーク装置を含む、通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信分野に関し、特に、上りリンク送信タイミングアドバンスの取得方法、装置及び通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)において、タイミングアドバンス(Timing Advance,TA)が採用されることで、上りリンク伝送の直交性を維持し、セル内干渉を回避することができる。
図1に示すように、ユーザ装置(User Equipment、UE)について言えば、タイミングアドバンスは、下りリンクサブフレームを受信する時間と、上りリンクサブフレームを伝送する時間との間の負のオフセットである。基地局が各UEのオフセットの度合いを適切に制御することで異なるUEの異なる伝送遅延を解消し、これにより、異なるUEからの上りリンク信号が基地局に到着する時間がほぼ一致するように保証することができる。通常、異なるUEからの上りリンク信号が基地局に到着する時間がすべてサイクリックプレフィックス(Cyclic Prefix,CP)内にあることが要求される。
【0003】
具体的には、LTEでは、上りリンク同期粒度が16Ts(≒5.2μs)であり、そのうち、Ts=1/(15*103*2048)秒である。UEが一回目にその受信した下りリンク伝送との同期を取った後、ランダムアクセスプロシージャによりイニシャルタイミングアドバンスを取得する。ランダムアクセスレスポンス(RAR,random access response)には、イニシャルタイミングアドバンスを指示するための11ビットの上りリンクタイミングアドバンス命令(TA command,Timing Advance command)が含まれる。UEが受信したRARにおけるタイミングアドバンス命令がTA(TA∈{0,1,2,…,1282})であれば、タイミングアドバンスは、TTA=(NTA+NTAoffset)×TSであり、そのうち、NTA=TA×16であり、NTAoffsetは、タイミングアドバンスグループ(Timing advance group、TAG)におけるセル類型及びデュプレックス類型に依存する所定の固定値である。1つのUEに複数のTAG(例えば、mcg_PTAG、scg_PTAG、msg_STAG、scg_STAGなど)を設定することができ、1つのTAG内のセル(cells)の上りリンク送信タイミングアドバンスが同じである。UEは、或るTAGについてのタイミングアドバンス命令を受信したときに、TAG内のセル(cells)の上りリンクタイミングに対して統一的に調整する。
【0004】
UEのイニシャル上りリンク同期化の後に、基地局は、媒体アクセス制御層の制御エレメント(MAC-CEと略称する)によりUEの上りリンクタイミングに対して調整を行う。タイミングアドバンス命令を搬送するためのMAC-CEの構造は、
図2に示すようであり、2ビット(TAG ID)がTAGを指示するために用いられ、6ビットが該TAGについてのタイミングアドバンス命令である。UEが受信したMAC-CE搬送のタイミングアドバンス命令がT
A(T
A∈{0,1,2,…,63})であれば、タイミングアドバンスは、T
TA=(N
TA_new+N
TAoffset)×T
Sであり、そのうち、N
TA_new=N
TA_old+(T
A-31)×16であり、N
TA_oldは、該タイミングアドバンス命令を受信する前のN
TAの値である。
【0005】
なお、上述の背景技術についての紹介は、本発明の技術案を明確且つ完全に説明し、また、当業者がそれを認識しやすいためのものである。これらの技術案は、本発明の背景技術に記述されているため、当業者にとって周知であると解釈してはならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明者が次のようなことを発見した。即ち、新無線(New Radio,NR)システムにおいて、複数のサブキャリア間隔(Subcarrier Spacing,SCS)がサポートされ、各SCSと、上りリンク同期粒度(Unit)との対応関係が以下の表に示されるようである。
【表1】
【0007】
そのうち、TC=1/(64*30.72*106)秒であり、TCの意味が従来の規格と同じであるから、その内容がここに合併される。
【0008】
式で表すと、以下の通りである。
【0009】
Unit=16・64・T
C/2
μ,μ=0,1,2,3
μの値と、SCSとの対応関係が以下の表に示されるようである。
【表2】
【0010】
そのうち、△fは、SCSの値を表す。
【0011】
これで分かるように、MAC-CEにおけるTA commandについて、異なるSCSに対応する上りリンク同期粒度が異なるため、同じタイミングアドバンス命令値(T
A値)を含むTA commandについて、即ち、
図2に示すTA commandのビット情報が同じであり、該同じT
A値が異なるSCSと関係があれば、その実際に指示するタイミングアドバンスは異なる。例えば、2つのTA commandにおけるタイミングアドバンス命令値(T
A値)が同じであり、かつ2つのT
A値がそれぞれ15kHzのSCS及び30kHzのSCSと関係があれば、15kHzと関係があるT
A値の実際に指示するタイミングアドバンスの調整量は、後者の2倍である可能性がある。
【0012】
よって、UEが1つのTA commandを受信し、UEが認識する該TA commandにおけるタイミングアドバンス命令値(TA値)に対応するSCSが、該TA commandにおけるタイミングアドバンス命令値(TA値)の実際に対応するSCSとは異なる場合、UEは、正確な上りリンク送信タイミングアドバンスを得ることができない。これにより、上りリンク伝送の直交性に影響を与え、セル内干渉を増加させることがある。
【0013】
上述の問題を解決するために、本発明の実施例は、上りリンク送信タイミングアドバンスの取得方法、装置及び通信システムを提供し、これにより、UEの正確な上りリンク送信タイミングアドバンスの取得を助けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の実施例の第一側面によれば、上りリンク送信タイミングアドバンスの取得方法が提供され、そのうち、前記方法は、
ネットワーク装置がタイミングアドバンス命令値(TA)を取得し、前記TAは、端末装置がタイミングアドバンス(TTA)を計算するための第一参照サブキャリア帯域幅(SCS)と関係があり;及び
前記ネットワーク装置がタイミングアドバンス命令(TA command)を送信し、前記タイミングアドバンス命令は前記タイミングアドバンス命令値を含むことを含む。
【0015】
本発明の実施例の第二側面によれば、上りリンク送信タイミングアドバンスの取得方法が提供され、そのうち、前記方法は、
端末装置がタイミングアドバンス命令(TA command)を受信し、前記TA commandにおけるタイミングアドバンス命令値(TA)を取得し;及び
前記端末装置が、前記TAと関係がある、タイミングアドバンス(TTA)を計算するための第一参照サブキャリア帯域幅(SCS)を確定することを含む。
【0016】
本発明の実施例の第三側面によれば、ネットワーク装置に構成される上りリンク送信タイミングアドバンスの取得装置が提供され、そのうち、前記装置は、
タイミングアドバンス命令値(TA)を得る取得ユニットであって、前記TAは、端末装置がタイミングアドバンス(TTA)を計算するための第一参照サブキャリア帯域幅(SCS)と関係がある、取得ユニット;及び
タイミングアドバンス命令(TA command)を送信する送信ユニットであって、前記タイミングアドバンス命令は前記タイミングアドバンス命令値を含む送信ユニットを含む。
【0017】
本発明の実施例の第四側面によれば、端末装置に構成される上りリンク送信タイミングアドバンスの取得装置が提供され、そのうち、前記装置は、
タイミングアドバンス命令(TA command)を受信し、前記TA commandにおけるタイミングアドバンス命令値(TA)を得る受信ユニット;及び
前記TAと関係がある、タイミングアドバンス(TTA)を計算するための第一参照サブキャリア帯域幅(SCS)を確定する確定ユニットを含む。
【0018】
本発明の実施例の第五側面によれば、上りリンク送信タイミングアドバンスの調整方法が提供され、そのうち、前記方法は、
端末装置がタイミングアドバンス命令(TA command)を受信し、前記TA commandはタイミングアドバンス命令値(TA)を含み;
前記端末装置が前記TAに基づいて調整後の上りリンク伝送タイミングを確定し;及び
前記端末装置が第一時点の後に前記調整後の上りリンク伝送タイミングを使用することを含み、
そのうち、前記第一時点は第二参照SCSと関係があり、前記第二参照SCSは事前定義又は事前設定され、及び/又は、前記第一時点は前記端末装置のサービングセルのワーキングバンド(band)と関係がある。
【0019】
本発明の実施例の第六側面によれば、上りリンク送信タイミングアドバンスの調整装置が提供され、そのうち、前記装置は、
タイミングアドバンス命令(TA command)を受信する受信ユニットであって、前記TA commandはタイミングアドバンス命令値(TA)を含む受信ユニット;
前記TAに基づいて調整後の上りリンク伝送タイミングを確定する確定ユニット;及び
第一時点の後に前記調整後の上りリンク伝送タイミングを使用する処理ユニットを含み、
そのうち、前記第一時点は第二参照SCSと関係があり、前記第二参照SCSは事前定義又は事前設定され、及び/又は、前記第一時点は前記端末装置のサービングセルのワーキングバンド(band)と関係がある。
【0020】
本発明の実施例の第七側面によれば、上りリンクキャリア帯域幅(BWP)のアクティベーション方法が提供され、そのうち、前記方法は、
端末装置が第n個目の時間単位でネットワーク装置からの設定情報を受信し、前記設定情報は前記端末装置にアクティベーションされる上りリンクBWPを指示するために用いられ;及び
前記端末装置が第n+k個目の時間単位から前記アクティベーションされる上りリンクBWPを使用することを含み、
そのうち、nは自然数であり、kは正の整数であり且つkはK以上であり、Kは、タイミングアドバンス命令を受信してから、該タイミングアドバンス命令に基づいて調整された後の上りリンク伝送タイミングを使用するまでの間の時間単位の個数であり、前記時間単位はシンボル、スロット、サブスロット又はサブフレームである。
【0021】
本発明の実施例の第八側面によれば、上りリンクキャリア帯域幅(BWP)のアクティベーション装置が提供され、そのうち、前記装置は、
第n個目の時間単位でネットワーク装置からの設定情報を受信する受信ユニットであって、前記設定情報は前記端末装置にアクティベーションされる上りリンクBWPを指示するために用いられ;及び
第n+k個目の時間単位から前記アクティベーションされる上りリンクBWPを使用する処理ユニットを含み、
そのうち、nは自然数であり、kは正の整数であり且つkはK以上であり、Kは、タイミングアドバンス命令を受信してから、該タイミングアドバンス命令に基づいて調整された後の上りリンク伝送タイミングを使用するまでの間の時間単位の個数であり、前記時間単位はシンボル、スロット、サブスロット又はサブフレームである。
【0022】
本発明の実施例の第九側面によれば、ネットワーク装置が提供され、そのうち、前記ネットワーク装置は前述の第三側面に記載の装置を含む。
【0023】
本発明の実施例の第十側面によれば、端末装置が提供され、そのうち、前記端末装置は前述の第四側面、第六側面又は第八側面に記載の装置を含む。
【0024】
本発明の実施例の第十一側面によれば、通信システムが提供され、前記通信システムは前述の第九側面に記載のネットワーク装置及び前述の第十側面に記載の端末装置を含む。
【0025】
本発明の実施例の他の側面によれば、コンピュータ可読プログラムが提供され、そのうち、ネットワーク装置中で前記プログラムを実行するときに、前記プログラムは、コンピュータに、前記ネットワーク装置中で前述の第一側面に記載の方法を実行させる。
【0026】
本発明の実施例の他の側面によれば、コンピュータ可読プログラムを記憶した記憶媒体が提供され、そのうち、前記コンピュータ可読プログラムは、コンピュータに、ネットワーク装置中で前述の第一側面に記載の方法を実行させる。
【0027】
本発明の実施例の他の側面によれば、コンピュータ可読プログラムが提供され、そのうち、在端末装置中で前記プログラムを実行するときに、前記プログラムは、コンピュータに、前記端末装置中で前述の第二側面、第五側面又は第七側面に記載の方法を実行させる。
【0028】
本発明の実施例の他の側面によれば、コンピュータ可読プログラムを記憶した記憶媒体が提供され、そのうち、前記コンピュータ可読プログラムは、コンピュータに、端末装置中で前述の第二側面、第五側面又は第七側面に記載の方法を実行させる。
【0029】
本発明の実施例の有益な効果は次の通りであり、即ち、ネットワーク装置送信のタイミングアドバンス命令(TA command)におけるタイミングアドバンス命令値(TA)が、端末装置がタイミングアドバンス(TTA)を計算するための参照SCS(第一SCSとも言う)と関係があり、これにより、UEの正確な上りリンク送信タイミングアドバンスの取得を助けることができる。
【0030】
後述の説明及び図面を参照することで、本発明の特定の実施形態を詳しく開示し、本発明の原理を採用し得る態様を示す。なお、本発明の実施形態は、範囲上ではこれらにより限定されない。添付した特許請求の範囲内であれば、本発明の実施形態は、様々な変更、修正及び代替によるものを含んでも良い。
【0031】
また、1つの実施方式について説明した及び/又は示した特徴は、同じ又は類似した方式で1つ又は複数の他の実施形態に用い、他の実施形態における特徴と組み合わせ、又は、他の実施形態における特徴を置換することもできる。
【0032】
なお、「含む/有する」のような用語は、本明細書に使用されるときに、特徴、要素、ステップ、又はアセンブルの存在を指すが、1つ又は複数の他の特徴、要素、ステップ、又はアセンブリの存在又は付加を排除しないということも指す。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本発明の1つの図面又は1つの実施形態に記載の要素及び特徴は、1つ又は複数の他の図面又は実施形態に示した要素及び特徴と組み合わせることができる。また、図面では、類似した符号は、幾つの図面における対応する部品を示し、複数の実施形態に用いる対応部品を示すためにも用いられる。
【0034】
含まれている図面は、本発明の実施例への更なる理解を提供するために用いられ、これらの図面は、本明細書の一部を構成し、本発明の実施形態を例示し、文字記載とともに本発明の原理を説明するために用いられる。また、明らかのように、以下に記載される図面は、本発明の幾つかの実施例を示すためのものに過ぎず、当業者は、創造性のある労働をせずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【
図1】タイミングアドバンスの概念を示す図である。
【
図2】MAC-CEのフォーマットを示す図である。
【
図3】本発明の実施例における通信システムを示す図である。
【
図4】1つのTGAが複数のUL BWPを含むシナリオを示す図である。
【
図5】実施例1における上りリンク送信タイミングアドバンスの取得方法を示す図である。
【
図6】TA commandの有効時間を示す図である。
【
図7】実施例2における上りリンク送信タイミングアドバンスの取得方法を示す図である。
【
図8】実施例3における上りリンク送信タイミングアドバンスの取得装置を示す図である。
【
図9】実施例4における上りリンク送信タイミングアドバンスの取得装置を示す図である。
【
図10】実施例5におけるネットワーク装置の1つの実施方式を示す図である。
【
図11】実施例6における端末装置の1つの実施方式を示す図である。
【
図12】NRシステムにおいて異なるSCSに対応するシンボルの時間長を示す図である。
【
図13】実施例8における上りリンク送信タイミングアドバンスの調整方法を示す図である。
【
図14】実施例9における上りリンクキャリア帯域幅のアクティベーション方法を示す図である。
【
図15】実施例10における上りリンク送信タイミングアドバンスの調整装置を示す図である
【
図16】実施例11における上りリンクキャリア帯域幅のアクティベーション装置を示す図である。
【
図17】実施例12における端末装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
添付した図面及び以下の説明を参照することにより、本発明の前述及び他の特徴が明らかになる。なお、明細書及び図面では、本発明の特定の実施形態を開示するが、それは、本発明の原理を採用し得る一部のみの実施形態を示し、理解すべきは、本発明は、記載されている実施形態に限定されず、即ち、本発明は、添付した特許請求の範囲内のすべての変更、変形及び代替によるものも含むということである。
【0036】
本発明の実施例では、用語「通信ネットワーク」又は「無線通信ネットワーク」は、次のような任意の通信規格に準ずるネットワークを指しても良く、例えば、LTE(LTE、Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、WCDMA(登録商標)(Wideband Code Division Multiple Access)、HSPA(High-Speed Packet Access)などである。
【0037】
また、通信システムにおける装置間の通信は、任意の段階の通信プロトコルに従って行われても良く、例えば、次のような通信プロトコルを含んでも良いが、それに限定されず、即ち、1G(generation)、2G、2.5G、2.75G、3G、4G、4.5G及び将来の5G、新無線(NR、New Radio)など、及び/又は、その他の従来の又は将来に開発される通信プロトコルである。
【0038】
本発明の実施例では、用語「ネットワーク装置」は、例えば、通信システムにおける、端末装置を通信ネットワークに接続し、且つ該端末装置にサービスを提供する装置を指す。ネットワーク装置は、次のようなものを含んでも良いが、それに限定されず、即ち、基地局(BS、Base Station)、アクセスポイント(AP、Access Point)、送受信ポイント(TRP、Transmission Reception Point)、ブロードキャスト送信機、モバイル管理エンティティ(MME、Mobile Management Entity)、ネットワークゲートウェイ、サーバー、無線ネットワーク制御器(RNC、Radio Network Controller)、基地局制御器(BSC、Base Station Controller)などである。
【0039】
そのうち、基地局は、次のようなものを含んでも良いが、それに限定されず、即ち、ノードB(NodeB又はNB)、進化ノードB(eNodeB又はeNB)及び5G基地局(gNB)などであり、さらにRRH(Remote Radio Head)、RRU(Remote Radio Unit)、リレー(relay)又は低パワーノード(例えば、femto、picoなど)を含んでも良い。また、用語「基地局」は、それらの一部又はすべての機能を含んでも良く、各基地局は、特定の地理的領域に対して通信カバレッジを提供することができる。用語「セル」が指すのは、基地局及び/又はそのカバーする領域であっても良い、これは、該用語のコンテキストによるものである。
【0040】
本発明の実施例では、用語「ユーザ装置」(UE、User Equipment)又は「端末装置」(TE、Terminal Equipment)は、例えば、ネットワーク装置により通信ネットワークにアクセスし、且つネットワークからのサービスを受ける装置を指す。ユーザ装置は、固定したもの又は移動するものであっても良く、また、移動ステーション(MS、Mobile Station)、端末、ユーザステーション(SS、Subscriber Station)、アクセス端末(AT、Access Terminal)、ステーションなどとも称される。
【0041】
そのうち、ユーザ装置は、次のようなものを含んでも良いが、それに限定されず、例えば、携帯電話(Cellular Phone)、PDA(Personal Digital Assistant)、無線モデム、無線通信装置、携帯装置、マシンタイプ通信装置、ラップトップコンピュータ、コードレス電話機、スマートフォン、スマートウォッチ、デジタルカメラなどである。
【0042】
また、例えば、IoT(Internet of Things)などのシナリオでは、ユーザ装置は、さらに、監視又は測定を行う機器又は装置であっても良く、例えば、次のようなものを含んでも良いが、それに限定されず、即ち、マシンタイプ通信(MTC、Machine Type Communication)端末、車載通信端末、D2D(Device to Device)端末、M2M(Machine to Machine)端末などである。
【0043】
以下、例を挙げて本発明の実施例のシナリオについて説明を行うが、本発明は、これに限られない。
【0044】
図3は、本発明の実施例における通信システムを示す図であり、端末装置及びネットワーク装置を例とするケースを示している。
図3に示すように、通信システム300は、ネットワーク装置301及び端末装置302を含んでも良い。便宜のため、
図3では、1つのみの端末装置を例として説明を行う。ネットワーク装置301は、例えば、NRのネットワーク装置gNBである。
【0045】
本発明の実施例では、ネットワーク装置301と端末装置302との間は、従来のトラフィック又は将来実施可能なトラフィックが行われても良い。これらのトラフィックは、例えば、eMBB(enhanced Mobile Broadband)、mMTC(massive Machine Type Communication)、URLLC(Ultra-Reliable and Low-Latency Communication)などを含むが、これに限定されない。
【0046】
そのうち、端末装置302は、ネットワーク装置301にデータを送信することができ、例えば、グラントフリー(grant-free)伝送方式を使う。ネットワーク装置301は、1つ又は複数の端末装置302送信のデータを受信し、そして、端末装置302に情報(例えば、確認ACK/非確認NACK)をフィードバックすることができ、端末装置302は、フィードバック情報に基づいて伝送プロセスの終了を確認することができ、又は新しいデータの伝送を再び行うことができ、又はデータの再送を行うことができる。
【0047】
NRシステムでは、キャリア帯域幅(bandwidth part,BWP)の概念が導入されており、1つの下りリンク(DL)/上りリンク(UL)帯域幅に複数のBWPが含まれる。各UEに1つ又は複数のDL/UL BWPが半静的に設定され、同じ時刻にそのうちの1つ又は複数のDL/UL BWPの使用をアクティベーションして上下りリンクデータの受信/送信を行うことができる。各BWPがサポートするSCSなどのパラメータは、互いに独立して設定される。
【0048】
一般的に、1つのTAGが少なくとも1つのcellを含み、1つのcellが少なくとも1つの上りリンクコンポネントキャリア(UL CC)をサポートし、例えば、補足UL(Supplementary UL、SUL)及び非補足ULを含み、1つのUL CCに少なくとも1つのUL BWPが半静的に設定され得る。
図4は、1つのTAGに1つ又は複数の半静的に設定されるUL BWPが含まれるシナリオを示す図である。
【0049】
本発明の実施例では、UEは、或るTAGについてのTA commandを受信した後に、或る参照SCS及びその対応する上りリンク同期粒度に基づいて、タイミングアドバンスを計算することができる。該UE側の参照SCSが事前定義のルールにより確定される場合、TA command受信後にUL BWPの設定に変化が発生する可能性があるため、UE側の参照SCSに変化(増大又は減少)が生じる可能性もある。
【0050】
例えば、UE側の参照SCSが、TAGにおける、半静的に設定されるUL BWPの、事前定義のルールに基づいて確定されるSCS、例えば、最大又は最小SCSであり、一方、UEがTA commandを受信した後に、基地局が制御シグナリング(例えば、RRCシグナリングなど)によってUEに該TAGにおける、半静的に設定されるUL BWP集合の更新を指示した場合、それ相応に、その参照SCSに変化が生じる。
【0051】
また、例えば、UE側の参照SCSが、TAGにおける、アクティベーションされるUL BWPの、事前定義のルールに基づいて確定されるSCS、例えば、最大又は最小SCSであり、一方、UEがTA commandを受信した後に、基地局が制御シグナリング、例えば、RRCシグナリング(例えば、Active-BWP-UL-SCell)、MAC-CE、DCI(downlink control information)(例えば、DCI format 0_1)などによってUEにUL BWPのアクティベーション及び/又はディアクティベーションを指示した場合、それ相応に、その参照SCSに変化が発生する。或いは、UEがTA commandを受信した後に、タイマー(timer)に基づいてUL BWPをアクティベーション及び/又はディアクティベーションした場合、それ相応に、その参照SCSに変化が生じる。そのうち、該タイマーの値は、基地局によりRRCシグナリング(BWP-InactivityTimer)を使って設定されても良い。
【0052】
以下、図面を参照しながら、本発明の各種の実施例について説明する。なお、これらの実施例は、例示に過ぎず、本発明を限定しない。
【実施例1】
【0053】
本発明の実施例では、上りリンク送信タイミングアドバンスの取得方法が提供され、該方法は、ネットワーク装置、例えば、gNB(NRにおけるあ基地局)などに応用される。
図5は、本発明の実施例における上りリンク送信タイミングアドバンスの取得方法を示す図である。
図5に示すように、該方法は、以下のステップを含む。
【0054】
ステップ501:ネットワーク装置がタイミングアドバンス命令値(TA)を取得し、前記TAは、端末装置がタイミングアドバンス(TTA)を計算するための第一参照サブキャリア帯域幅(SCS)と関係があり;
ステップ502:前記ネットワーク装置がタイミングアドバンス命令(TA command)を送信し、前記タイミングアドバンス命令は前記タイミングアドバンス命令値を含む。
【0055】
本実施例では、ネットワーク装置送信のタイミングアドバンス命令値(TA)が、端末装置がタイミングアドバンス(TTA)を計算するための参照SCSと関係があるため、端末装置の参照SCSに対応する認識と、ネットワーク装置の端末装置側の参照SCSに対する認識が一致するように保証することができ、これにより、端末装置の正確な上りリンク送信タイミングアドバンスの取得を助けることができる。
【0056】
1つの実施方式において、上述のTAと関係がある、TTAを計算するための第一参照SCSは、事前定義又は事前設定される。それは、上述のTA commandが有効になるときの端末装置側の参照SCSであっても良く、ネットワーク装置が上述のTA commandを送信する又は端末装置が上述のTA commandを受信するときの端末装置側の参照SCSであっても良い。本実施方式では、端末装置側の参照SCSは、上述のTA commandに対応するTAG中の半静的に設定されるUL BWPの最大又は最小SCSであっても良く、上述のTA commandに対応するTAG中のアクティベーションされるUL BWPの最大又は最小SCSであっても良い。
【0057】
本実施方式では、端末装置が時刻tにTA commandを受信し、該TA commandが一定の時間間隔の後(例えば、時刻t+T)に有効になる場合、時刻t+Tは、TA commandの有効時間と称され、即ち、端末装置は、時刻t+Tから該TA commandに基づいて更新された上りリンク送信タイミングアドバンスを採用して上りリンク伝送を行う。例えば、端末装置が第n個目の時間単位でTA commandを受信した場合、該TA commandが第n+N(N>0,例えば、N=6)個目の時間単位で有効になり、即ち、端末装置は、第n+N個目の時間単位から該TA commandに基づいて得られた上りリンク送信タイミングアドバンス(上りリンク伝送タイミング調整量)を採用して上りリンク伝送を行う。ここで、時間単位は、シンボル、スロット、サブスロット又はサブフレームであっても良い。そのうち、1つのスロット(slot)が14個のシンボルを含み、1つのサブスロット(subslot)が14個よりも小さい個数のシンボルを含む。
【0058】
本実施方式では、ネットワーク装置側と、端末装置側とがTA command有効時の端末装置側の参照SCSに対して同じ認識を有するように保証するために、
図6に示すように、ネットワーク装置がBWP設定を指示する時点(t1)から端末装置が該指示に基づいてBWP設定を更新する時点(t3)までの時間間隔Gap A(t3-t1)を、ネットワーク装置がTA commandを送信する時点(t2)から該TA commandが有効にある時点(t4)までの時間間隔Gap B(t4-t2)よりも大きくしても良い。
【0059】
もう1つの実施方式において、上述のTAと関係がある、TTAを計算するための第一参照SCSは、ネットワーク装置により指定される。本実施方式では、ネットワーク装置は、端末装置に制御シグナリングを送信し、該制御シグナリングによって端末装置にその指定する、上述のTAと関係がある、TTAを計算するための参照SCSを指示しても良い。ここでの制御シグナリングは、例えば、無線リソース制御(Radio Resource Control、RRC)シグナリング、MAC-CE、下りリンク制御情報(Downlink Control Information、DCI)などであるが、本実施例は、これに限定されない。また、上述のRRCシグナリングは、例えば、Active-BWP-UL-SCellであり、上述のMAC-CEは、例えば、TA command MAC-CEであり、上述のDCIは、例えば、DCI format 0_1などである。
【0060】
またもう1つの実施方式において、前述の2種類の実施方式は、組み合わせて使用されても良い。例えば、ネットワーク装置が上述の制御シグナリングによって端末装置にその指定する、上述のTAと関係がある、TTAを計算するための参照SCSを指示しない場合、端末装置は、上述の事前定義の或るルールに基づいて確定された参照SCSに従ってタイミングアドバンスを計算することができ、また、ネットワーク装置が上述の制御シグナリングによって端末装置にその指定する、上述のTAと関係がある、TTAを計算するための参照SCSを指示した場合、端末装置は、該指定された参照SCSに従ってタイミングアドバンスを計算する。
【0061】
本実施例における方法により、ネットワーク装置から、端末装置がタイミングアドバンス(TTA)を計算するための参照SCSと関係があるタイミングアドバンス命令値(TA)をTA commandにより送信することで、端末装置の、そのTTAを計算するための参照SCSに対する認識と、ネットワーク装置の、端末装置側のTTAを計算するための参照SCSに対する認識とが一致するように保証することができ、これにより、端末装置の正確な上りリンク送信タイミングアドバンスの取得を助けることができる。
【実施例2】
【0062】
本発明の実施例では、上りリンク送信タイミングアドバンスの取得方法が提供され、該方法は、端末装置に応用される。該方法が実施例1における方法に対応する端末装置側の処理であり、ここでは、実施例1と同じ内容の重複説明が省略される。
図7は、本発明の実施例における上りリンク送信タイミングアドバンスの取得方法を示す図である。
図7に示すように、該方法は、以下のステップを含む。
【0063】
ステップ701:端末装置がタイミングアドバンス命令(TA command)を受信し、前記TA commandにおけるタイミングアドバンス命令値(TA)を取得し;
ステップ702:前記端末装置が、前記TAと関係がある、タイミングアドバンス(TTA)を計算するための第一参照サブキャリア帯域幅(SCS)を確定する。
【0064】
本実施例の1つの実施方式において、実施例1に記載のように、上述のTAと関係がある、タイミングアドバンス(TTA)を計算するための第一参照サブキャリア帯域幅(SCS)は、事前定義又は事前設定され、例えば、上述のTA commandが有効になるときの端末装置側の参照SCSであり、また、例えば、ネットワーク装置が上述のTA commandを送信すする又は端末装置が上述のTA commandを受信するときの端末装置側の参照SCSである。ここで、端末装置側の参照SCSは、上述のTA commandに対応するタイミングアドバンスグループ(TAG)中の半静的に設定される上りリンクキャリア帯域幅(UL BWP)の最大又は最小SCSであっても良く、又は、上述のTA commandに対応するTAG中のアクティベーションされるUL BWPの最大又は最小SCSであっても良い。
【0065】
本実施例のもう1つの実施方式において、実施例1に記載のように、上述のTAと関係がある、タイミングアドバンス(TTA)を計算するための第一参照サブキャリア帯域幅(SCS)は、ネットワーク装置により指定される。本実施方式では、端末装置は、ネットワーク装置送信の制御シグナリングを受信することができ、該制御シグナリングは、ネットワーク装置指定の上述のTAと関係がある、タイミングアドバンス(TTA)を計算するための第一参照SCSを指示している。
【0066】
本実施例では、端末装置は、上述のTAと関係がある、TTAを計算するための第一参照SCSに基づいてタイミングアドバンス(TTA)を計算することができる。オプションとして、端末装置はさらに、上りリンク伝送時刻(又は、時間単位)に対応する端末装置側の参照SCSに基づいて、上述のタイミングアドバンス(TTA)を計算又は調整することもできる。ここで、時間単位はシンボル、スロット、サブスロット又はサブフレームであっても良く、そのうち、1つのスロット(slot)が14個のシンボルを含み、1つのサブスロット(subslot)が14個よりも小さい個数のシンボルを含む。なお、端末装置側の参照SCSの意味が前述と同じであるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。
【0067】
以下、例を挙げて、端末装置がタイミングアドバンス(TTA)を計算する方法について説明する。以下の例では、ネットワーク装置がgNB、端末装置がUEであるケースを例とする。
【0068】
UEが時刻t(又は、第n個目の時間単位)に受信したTA commandの値がTA(例えば、TA∈{0,1,2,…,63})であり、該TA commandが時刻t+T(又は、第n+N個目の時間単位)に有効になるとする。
【0069】
また、UE側の時刻t(又は、第n個目の時間単位)の参照SCS(例えば、SCS_0)に対応する上りリンク同期粒度がUnitt=16・64・TC/2μ0であり、時刻t+T(又は、第n+N個目の時間単位)の参照SCS(例えば、SCS_1)に対応する上りリンク同期粒度がUnitt+T=16・64・TC/2μ1であり、時刻t+T(又は、第n+N個目の時間単位)後の或る上りリンク伝送時刻(又は、時間単位)の参照SCS(例えば、SCS_2)に対応する上りリンク同期粒度がUnitt+T+?=16・64・TC/2μ2であり、gNBが指定してUEに通知する或るSCS(例えば、SCS_3)に対応する上りリンク同期粒度がUnitgNB_selected=16・64・TC/2μ3であるとする。ここで、SCS_0、SCS_1、SCS_2、SCS_3の値が同じであっても良く又は異なっても良く、それ相応に、μ0、μ1、μ2、μ3の値も同じであっても良く又は異なっても良い。
【0070】
1つの実施方式において、前述のように、UEは、上述のTAと関係がある、TTAを計算するための第一参照SCSに基づいてタイミングアドバンス(TTA)を計算することができる。
【0071】
本実施方式では、UEがタイミングアドバンス(TTA)を計算するための参照SCSは、タイミングアドバンス命令値(TA)と関係がある上述の第一参照SCSであり、UEは、タイミングアドバンス命令値(TA)と関係がある該第一参照SCSに基づいて、対応する上りリンク同期粒度を確定し、タイミングアドバンス(TTA)を計算することができる。
【0072】
タイミングアドバンス命令値(TA)と関係がある第一参照SCSが事前定義又は事前設定のものであり、且つgNBがTA commandを送信する又はUEがTA commandを受信するときのUE側の参照SCS(SCS_0)である場合、UEが時刻t(又は、第n個目の時間単位)のTA command(TA)に基づいて計算される、更新されるタイミングアドバンス(TTA)は、以下の通りである。
【0073】
TTA=(NTA_new+NTA,offset)×TC
NTA_new=NTA_old+(TA-31)・16・64/2μ0
タイミングアドバンス命令値(TA)と関係がある第一参照SCSが、事前定義又は事前設定のものであり、且つ該TA commandが有効になるときのUE側の参照SCS(SCS_1)である場合、UEが時刻t(又は、第n個目の時間単位)のTA command(TA)に基づいて計算される、更新されるタイミングアドバンス(TTA)は、以下の通りである。
【0074】
TTA=(NTA_new+NTA,offset)×TC
NTA_new=NTA_old+(TA-31)・16・64/2μ1
タイミングアドバンス命令値(TA)と関係がある第一参照SCSが基地局により指定されてUEに通知されるSCS(SCS_3)である場合、UEが時刻t(又は、第n個目の時間単位)のTA command(TA)に基づいて計算される、更新されるタイミングアドバンス(TTA)は、以下の通りである。
【0075】
TTA=(NTA_new+NTA,offset)×TC
NTA_new=NTA_old+(TA-31)・16・64/2μ3
以上の公式では、NTA,offsetの値が、該TA commandに対応するTAG類型、上りリンク伝送発生時のデュプレックスモード(duplex mode,FDD又はTDD)、周波数範囲(frequency range、FR)などに基づいて確定される。
【0076】
例えば、N
TA,offsetの値と、TAG類型との間の関係を考慮すると、TAGにプライマリーセル及び/又はプライマリー・セカンダリーセルセル(PCell/PSCell)が含まれ、又は、TAGにPCell/PSCellが含まれないが、そのうちのサービングセルが同じデュプレックスモードを有する場合、N
TA,offsetは、0であり;また、TAGにPCell/PSCellが含まれず、且つそのうちのサービングセルが異なるデュプレックスモードを有する場合、N
TA,offsetの値は、周波数範囲と関係がある。例えば、以下の表に示されるようである。
【表3】
【0077】
また、例えば、N
TA,offsetの値と、デュプレックスモード及び周波数範囲との関係のみを考慮すると、N
TA,offsetの値は、例えば、以下の表に示されるようである。
【表4】
【0078】
この例では、同じTAG内のサービングセルのデュプレックスモードが同じであることが要求される。
【0079】
本実施方式では、t+T時刻(又は、第n+N個目の時間単位)後の参照SCSに変化が生じても、該TA commandが有効になった(t+T時刻)後では、次の1つのTA commandを受信する前に、UEがNTAを不変に維持し、次の1つのTA commandが有効になる前に、UEが依然として上述のタイミングアドバンス(TTA)を採用する。
【0080】
もう1つの実施方式において、前述のように、UEは、上りリンク伝送時刻に対応するUE側の参照SCSに基づいて上述のタイミングアドバンス(TTA)を計算又は調整することができる。
【0081】
本実施方式では、UEがタイミングアドバンス(TTA)を計算又は調整するための参照SCSは、上りリンク伝送時刻に対応する参照SCSであり、UEは、上りリンク伝送時刻に対応する参照SCSに基づいて、対応する上りリンク同期粒度を確定し、タイミングアドバンス(TTA)を計算又は調整することができる。
【0082】
タイミングアドバンス命令値(TA)と関係がある第一参照SCSがSCS_0である場合、UEが時刻t(又は、第n個目の時間単位)のTA command(TA)に基づいて計算される、更新されるタイミングアドバンス(TTA)は、以下の通りである。
【0083】
T
TA=(N
TA_new+N
TA,offset)×T
C
N
TA_new=N
TA_old+(T
A_new-31)・16・64/2
μ2
そのうち、
【数1】
又は
【数2】
である。
【0084】
タイミングアドバンス命令値(TA)と関係がある第一参照SCSがSCS_1である場合、UEが時刻t(又は、第n個目の時間単位)のTA command(TA)に基づいて計算される、更新されるタイミングアドバンス(TTA)は、以下の通りである。
【0085】
T
TA=(N
TA_new+N
TA,offset)×T
C
N
TA_new=N
TA_old+(T
A_new-31)・16・64/2
μ2
そのうち、
【数3】
又は
【数4】
である。
【0086】
タイミングアドバンス命令値(TA)と関係がある第一参照SCSがSCS_3である場合、UEが時刻t(又は、第n個目の時間単位)のTA command(TA)に基づいて計算される、更新されるタイミングアドバンス(TTA)は、以下の通りである。
【0087】
T
TA=(N
TA_new+N
TA,offset)×T
C
N
TA_new=N
TA_old+(T
A_new-31)・16・64/2
μ2
そのうち、
【数5】
又は
【数6】
である。
【0088】
本実施方式では、該TA commandが有効になった(t+T時刻)後、かつ次の1つのTA commandが受信されかつ有効になる前に、μ2の値は、UE上りリンク伝送時刻に対応する参照SCSの変化に伴って変化する。
【0089】
前述の2つの実施方式では、端末装置が上述のTAと関係がある、TTAを計算するための第一参照SCSに基づいてタイミングアドバンス(TTA)を計算するケースを例として説明を行ったが、即ち、端末装置が調整後のタイミングアドバンスを直接確定することで、上りリンク伝送タイミングを確定したが、本実施例は、これに限定されない。端末装置は、現在のタイミングアドバンスに対しての相対調整量を確定してから、上りリンク伝送タイミングを確定しても良い。なお、相対調整量の確定方法については、前述の実施方式を参照することができ、ここでは、その詳しい説明を省略する。
【0090】
本実施例における方法により、端末装置の上りリンク伝送のUL BWPに変化が生じたときに、ネットワーク装置及び端末装置がUL BWP変化後のタイミングアドバンスを唯一的に確定することができ、そして、ネットワーク装置は、該基準値に基づいてさらに制御シグナリングにより端末装置の上りリンクタイミングを調整することができる。
【実施例3】
【0091】
本発明の実施例では、上りリンク送信タイミングアドバンスの取得装置が提供され、該装置は、ネットワーク装置、例えば、gNB(NRにおける基地局)などに構成される。該装置が問題を解決する原理が実施例1の方法と同様であるから、その具体的な実施については、実施例1の方法の実施を参照することができ、ここでは、内容が同じである重複説明を省略する。
【0092】
図8は、本発明の実施例における上りリンク送信タイミングアドバンスの取得装置を示す図である。
図8に示すように、該上りリンク送信タイミングアドバンスの取得装置800は、以下のものを含む。
【0093】
取得ユニット801:タイミングアドバンス命令値(TA)を取得し、前記TAは、端末装置がタイミングアドバンス(TTA)を計算するための第一参照サブキャリア帯域幅(SCS)と関係があり;及び
第一送信ユニット802:タイミングアドバンス命令(TA command)を送信し、前記タイミングアドバンス命令は、前記タイミングアドバンス命令値を含む。
【0094】
本実施例の1つの実施方式において、前記TAと関係がある、TTAを計算するための第一参照SCSは、事前定義又は事前設定される。例えば、前記TA commandが有効になるときの端末装置側の参照SCSであっても良い。また、例えば、前記ネットワーク装置が前記TA commandを送信する又は前記端末装置が前記TA commandを受信するときの前記端末装置側の参照SCSであっても良い。
【0095】
本実施方式では、前記端末装置側の参照SCSは、前記TA commandに対応するタイミングアドバンスグループ(TAG)中の半静的に設定される上りリンクキャリア帯域幅(UL BWP)の最大又は最小SCSであり、又は、前記端末装置側の参照SCSは、前記TA commandに対応するTAG中のアクティベーションされるUL BWPの最大又は最小SCSである。
【0096】
本実施例の1つの実施方式において、前記TAと関係がある、TTAを計算するための第一参照SCSは、前記ネットワーク装置指定のSCSである。
【0097】
本実施方式では、
図8に示すように、該装置800はさらに、以下のものを含んでも良い。
【0098】
第二送信ユニット803:前記端末装置に制御シグナリングを送信し、前記制御シグナリングにより前記端末装置にその指定する前記TAと関係がある、TTAを計算するための第一参照SCSを指示する。
【0099】
本実施例における装置により、ネットワーク装置から、端末装置がタイミングアドバンス(TTA)を計算するための参照SCSと関係があるタイミングアドバンス命令値(TA)をTA commandにより送信することで、端末装置の、そのTTAを計算するための参照SCSに対する認識と、ネットワーク装置の、端末装置側のTTAを計算するための参照SCSに対する認識とが一致するように保証することができ、これにより、端末装置の正確な上りリンク送信タイミングアドバンスの取得を助けることができる。
【実施例4】
【0100】
本発明の実施例では、上りリンク送信タイミングアドバンスの取得装置が提供され、前記装置は、ユーザ装置に設置される。該装置が問題を解決する原理が実施例2の方法と同様であるから、その具体的な実施については、実施例2の方法の実施を参照することができ、ここでは、内容が同じである重複説明を省略する。
【0101】
図9は、本発明の実施例における上りリンク送信タイミングアドバンスの取得装置を示す図である。
図9に示すように、該上りリンク送信タイミングアドバンスの取得装置900は、以下のものを含む。
【0102】
第一受信ユニット901:タイミングアドバンス命令(TA command)を受信し、前記TA command中のタイミングアドバンス命令値(TA)を取得し;及び
確定ユニット902:前記TAと関係がある、タイミングアドバンス(TTA)を計算するための第一参照サブキャリア帯域幅(SCS)を確定する。
【0103】
本実施例の1つの実施方式において、前記TAと関係がある、タイミングアドバンス(TTA)を計算するための第一参照サブキャリア帯域幅(SCS)は、事前定義又は事前設定される。例えば、前記TA command有効時の端末装置側の参照SCSであっても良い。また、例えば、前記ネットワーク装置が前記TA commandを送信する又は前記端末装置が前記TA commandを受信するときの前記端末装置側の参照SCSであっても良い。
【0104】
本実施例のもう1つの実施方式において、前記TAと関係がある、TTAを計算するための第一参照SCSは、前記ネットワーク装置指定のSCSである。
【0105】
本実施方式では、
図9に示すように、該装置900はさらに、以下のものを含んでも良い。
【0106】
第二受信ユニット903:ネットワーク装置送信の制御シグナリングを受信し、前記制御シグナリングは、前記ネットワーク装置指定の前記TAと関係がある、タイミングアドバンス(TTA)を計算するための第一参照サブキャリア帯域幅(SCS)を指示している。
【0107】
本実施例の1つの実施方式において、
図9に示すように、該装置900はさらに、以下のものを含んでも良い。
【0108】
計算ユニット904:前記TAと関係がある、TTAを計算するための第一参照SCSに基づいて、タイミングアドバンス(TTA)を計算する。
【0109】
本実施方式では、計算ユニット904はさらに、上りリンク伝送時刻に対応する端末装置側の参照SCSに基づいて、前記タイミングアドバンス(TTA)を計算又は調整することもできる。
【0110】
本実施例では、前記端末装置側の参照SCSは、前記TA commandに対応するタイミングアドバンスグループ(TAG)中の半静的に設定される上りリンクキャリア帯域幅(UL BWP)の最大又は最小SCSであり、又は、前記端末装置側の参照SCSは、前記TA commandに対応するTAG中のアクティベーションされるUL BWPの最大又は最小SCSである。
【0111】
本実施例における装置により、端末装置の上りリンク伝送のUL BWPに変化が生じたときに、ネットワーク装置及び端末装置がUL BWP変化後のタイミングアドバンスを唯一的に確定することができ、そして、ネットワーク装置は、該基準値に基づいてさらに制御シグナリングにより端末装置の上りリンクタイミングを調整することができる。
【実施例5】
【0112】
本発明の実施例では、ネットワーク装置が提供され、例えば、gNB(NRにおける基地局)などである。そのうち、該ネットワーク装置は、実施例3に記載の上りリンク送信タイミングアドバンスの取得装置を含む。
【0113】
図10は、本発明の実施例におけるネットワーク装置を示す図である。
図10に示すように、ネットワーク装置1000は、中央処理器(CPU)1001及び記憶器1002を含んでも良く、記憶器1002は、中央処理器1001に接続される。そのうち、該記憶器1002は、各種のデータを記憶することができ、憶情報処理用のプログラムをさらに記憶することができ、かつ中央処理器1001の制御下で該プログラムを実行することで、端末装置送信の各種情報を受信したり、端末装置に各種の情報を送信したりすることができる。
【0114】
1つの実施方式において、実施例3に記載の上りリンク送信タイミングアドバンスの取得装置の機能が中央処理器1001に統合され、中央処理器1001により実施例3に記載の上りリンク送信タイミングアドバンスの取得装置の機能を実現しても良い。なお、上りリンク送信タイミングアドバンスの取得装置の機能がここに合併されるから、ここでは、その詳しい説明を省略する。
【0115】
もう1つの実施方式において、実施例3の上りリンク送信タイミングアドバンスの取得装置が中央処理器1001と別々で配置されても良く、例えば、該上りリンク送信タイミングアドバンスの取得装置を、中央処理器1001に接続されるチップ(chip)として構成し、中央処理器1001の制御により、該上りリンク送信タイミングアドバンスの取得装置の機能を達成しても良い。
【0116】
また、
図10に示すように、ネットワーク装置1000はさらに、送受信機1003、アンテナ1004などを含んでも良く、そのうち、これらの部品の機能が従来技術と同様であるから、ここでは、その詳しい説明を省略する。また、ネットワーク装置1000は、
図10中の全ての部品を含む必要がない。さらに、ネットワーク装置1000は、
図10に無い部品を含んでも良く、これについては、従来技術を参照することができる。
【0117】
本実施例におけるネットワーク装置により、ネットワーク装置から、端末装置がタイミングアドバンス(TTA)を計算するための参照SCSと関係があるタイミングアドバンス命令値(TA)をTA commandにより送信することで、端末装置の、そのTTAを計算するための参照SCSに対する認識と、ネットワーク装置の、端末装置側のTTAを計算するための参照SCSに対する認識が一致するように保証することができ、これにより、端末装置の正確な上りリンク送信タイミングアドバンスの取得を助けることができる。
【実施例6】
【0118】
本発明の実施例では、端末装置が提供され、そのうち、該端末装置は、実施例4に記載の上りリンク送信タイミングアドバンスの取得装置を含む。
【0119】
図11は、本発明の実施例における端末装置を示す図である。
図11に示すように、該端末装置1100は、中央処理器1101及び記憶器1102を含んでも良く、記憶器1102は、中央処理器1101に接続される。なお、該図は例示に過ぎず、さらに該構造に対して他の類型の構造を用いて補充又は代替を行うことで電気通信機能又は他の機能を実現することもできる。
【0120】
1つの実施方式において、実施例4の上りリンク送信タイミングアドバンスの取得装置の機能が中央処理器1101に集積され、中央処理器1101により、実施例4に記載の上りリンク送信タイミングアドバンスの取得装置の機能を実現しても良い。そのうち、上りリンク送信タイミングアドバンスの取得装置の機能がここに合併されるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。
【0121】
もう1つの実施方式において、実施例4の上りリンク送信タイミングアドバンスの取得装置が中央処理器1101と独立して配置されても良く、例えば、該上りリンク送信タイミングアドバンスの取得装置を、中央処理器1101に接続されるチップ(chip)として構成し、中央処理器1101の制御により、該上りリンク送信タイミングアドバンスの取得装置の機能を達成しても良い。
【0122】
図11に示すように、該端末装置1100はさらに、通信モジュール1103、入力ユニット1104、音声処理ユニット1105、表示示器1106、電源1107などを含んでも良い。なお、端末装置1100は、
図11中の全部の部品を含む必要がない。また、端末装置1100はさらに、
図11に示されない部品を含んでも良く、これについては、従来技術を参照することができる。
【0123】
図11に示すように、中央処理器1101は、制御器又は操作コントローラと称される場合があり、マイクロプロセッサ又は他の処理器装置及び/又は論理装置を含んでも良く、該中央処理器1101は、入力を受信して端末装置1100の各部品の操作を制御することができる。
【0124】
そのうち、記憶器1102は、例えば、バッファ、フレッシュメモリ、HDD、移動可能な媒体、揮発性記憶器、不揮発性記憶器又はその他の適切な装置のうちの1つ又は複数であっても良く、設定に関する情報を記憶することができ、また、情報処理に関するプログラムをさらに記憶することができる。中央処理器1101は、該記憶器1102に記憶の該プログラムを実行することで、情報の記憶などの処理を実行することができる。なお、他の機能が従来と同様であるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。また、端末装置1100の各部品は、専用ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はその組み合わせにより実現されても良いが、これらは、すべて、本発明の範囲に属する。
【0125】
本実施例における端末装置により、端末装置が上りに伝送するUL BWPに変化があったときに、ネットワーク装置及び端末装置がUL BWP変化後のタイミングアドバンスを唯一的に確定することができ、そして、ネットワーク装置は、該基準値に基づいてさらに制御シグナリングにより端末装置の上りリンクタイミングを調整することができる。
【実施例7】
【0126】
本発明の実施例では、通信システムが提供され、該通信システムは、ネットワーク装置及び端末装置を含み、ネットワーク装置は、例えば、実施例5に記載のネットワーク装置1000であり、端末装置は、例えば、実施例6に記載の端末装置1100である。
【0127】
本実施例では、該ネットワーク装置は、例えば、NRにおけるgNBであり、それは、実施例3に記載の上りリンク送信タイミングアドバンスの取得装置の機能の他に、ネットワーク装置の通常の構成及び機能をも実施例5に記載のように含むので、ここでは、その詳しい説明を省略する。
【0128】
本実施例では、該端末装置は、例えば、gNBがサービングするUEであり、それは、施例4に記載の上りリンク送信タイミングアドバンスの取得装置の機能の他に、端末装置の通常の構成及び機能をも実施例6に記載のように含むから、ここでは、その詳しい説明を省略する。
【0129】
本実施例における通信システムにより、データの正常な伝送を保証することができる。
【実施例8】
【0130】
LTEシステムにおいて、端末装置が、第n個目のサブフレーム(subframe)においてTA commandを受信する場合、第n+6個目のサブフレーム(subframe)から、該TA commandに基づいて調整されたタイミングアドバンスを採用して上りリンク伝送を行う。しかしながら、NRシステムにおいて、次のように定義され、即ち、1つのスロット(slot)が14個のシンボルを含み、1つのサブスロット(subslot)が14個よりも小さい個数のシンボルを含む。また、NRシステムが複数のSCSをサポートし、異なるSCSに対応するシンボルの時間長が異なり、それ相応に、異なるSCSに対応するslot又は同じsymbol数を含むsubslotの時間長も異なる。
図12は、NRシステムにおいて異なるSCSに対応するシンボルの時間長を示す図であり、そのうち、15kHzに対応するスロットの絶対時間長が1msである。端末装置がTA commandを受信してから、該TA commandに基づいて計算又は調整された上りリンク伝送タイミングを採用して上りリンク伝送を行うまでの間の時間間隔をスロット、サブスロット又はシンボル個数と定義すると、端末装置は、1つのTA commandを受信した後に、調整後のタイミングアドバンスを採用して上りリンク伝送を行い始める時点を把握することができない可能性がある。
【0131】
本発明の実施例では、上りリンク送信タイミングアドバンスの調整方法が提供され、該方法は、端末装置に応用される。
図13は、本実施例における上りリンク送信タイミングアドバンスの調整方法を示す図である。
図13に示すように、該方法は、以下のステップを含む。
【0132】
ステップ1301:端末装置がタイミングアドバンス命令(TA command)を受信し、前記TA commandは、タイミングアドバンス命令値(TA)を含み;
ステップ1302:前記端末装置が前記TAに基づいて調整後の上りリンク伝送タイミングを確定し;
ステップ1303:前記端末装置が第一時点の後に前記調整後の上りリンク伝送タイミングを使用する。
【0133】
本実施例では、各ステップの実行順序について限定せず、例えば、ステップ1302及びステップ1303を同時に実行しても良く、又は、ステップ130をステップ1303の前に実行しても良い。
【0134】
本実施例では、タイミングアドバンス命令値(TA)は、TA調整パラメータと称されても良く、その具体的な意味については、実施例1に記載のようであるから、ここでは、<重複説明が省略される。
【0135】
本実施例では、端末装置は、調整後のタイミングアドバンスを直接確定することで、上りリンク伝送タイミングを確定することができ、また、端末装置は、現在のタイミングアドバンスに対しての相対調整量を確定してから、上りリンク伝送タイミングを確定することもできるが、本実施例は、これについて限定しない。
【0136】
本実施例では、第一時点は、調整後の上りリンク伝送タイミングを使用する第1個目の時間単位の前縁(leading edge)である。
【0137】
本実施例の1つの実施方式において、上述の第一時点の位置は、端末装置の第二参照SCSと関係があっても良い。
【0138】
本実施方式では、第一時点の位置は、第二参照SCSと、以下の1つ又は複数の面において関係がある。
【0139】
端末装置が第n個目の時間単位でTA commandを受信し、端末装置が第n+N個目の時間単位から調整後の上りリンク伝送タイミングを用いて上りリンク伝送を行うとする。そのうち、nは、自然数であり、Nは、正の整数(例えば、N=5,6,8,16,18,20などである)である。該時間単位がスロット又はサブスロットであれば、第一時点の位置は、第二参照SCSに基づく第n+N個目の時間単位の前縁である。
図12に示すように、このときに、異なるSCSに対応する時間単位の長さが異なるので、異なる第二参照SCSの値に基づいて得られた第一時点の位置も異なる。
【0140】
或いは、異なるSCSに対応する、端末装置がTA commandを受信する時間単位から、該TA commandに基づいて調整された上りリンク伝送タイミングを使用して上りリンク伝送を行う時間単位までの間の間隔が異なる。例えば、15kHzのSCSについて、端末装置が第n個目の時間単位でTA commandを受信し、端末装置は第n+N1個目の時間単位から調整後の上りリンク伝送タイミングを用いて上りリンク伝送を行い、30kHzのSCSについて、端末装置が第n個目の時間単位でTA commandを受信し、端末装置は第n+N2個目の時間単位から調整後の上りリンク伝送タイミングを応用して上りリンク伝送を行う。そのうち、N1はN2に等しくない。
【0141】
或いは、異なるSCSに対応する、端末装置がTA commandを受信してから、該TA commandに基づいて調整された上りリンク伝送タイミングを用いて上りリンク伝送を行うまでの間の間隔が基づく時間単位が異なる。例えば、15kHzのSCSについて、端末装置が第n個目のサブフレームでTA commandを受信し、端末装置は第n+N1個目のサブフレームから調整後の上りリンク伝送タイミングを使用して上りリンク伝送を行い、30kHzのSCSについて、端末装置が第n個目のslotでTA commandを受信し、端末装置は第n+N2個目のslotから調整後の上りリンク伝送タイミングを使って上りリンク伝送を行う。そのうち、N1はN2に等しく又は等しくない。
【0142】
1つの例において、上述の第二参照SCSは、事前定義又は事前設定のものであり、事前定義とは、該第二参照SCSがメーカーから出荷する前に予め端末装置に設定されることを指し、該第二参照SCSの具体的な事前定義又は事前設定の方式については、前述の第一参照SCSの事前定義又は事前設定の方式と同じであるから、ここでは、その詳しい説明を省略する。本実施方式では、該第二参照SCSは、上述の第一参照SCSと同じであっても良く異なっても良く、また、両者は、互いに独立したものであっても良く、例えば、実施例1に記載のように、該第一参照SCSは、該端末装置がタイミングアドバンス(TTA)を計算するための参照SCSである。
【0143】
もう1つの例において、上述の第二参照SCSは、第一設定情報により指示されても良い。本実施方式では、該端末装置はさらに、ネットワーク装置送信の第一設定情報を受信することができ、該第一設定情報は、上述の第二参照SCSの指示又は該端末装置の該第二参照SCSの取得のために用いられる。
【0144】
本実施方式では、第一設定情報が上述の第二参照SCSを指示するために用いられるときに、該第一設定情報は、次のような情報又はシグナリングの少なくとも1つに搬送されても良く、即ち、物理層制御チャネル、MACシグナリング、RRCシグナリング、システム情報又はブロードキャスト情報である。なお、これらのシグナリングの定義又は実施方式については、従来の規格を参照することができる。
【0145】
本実施方式では、第一設定情報が、該端末装置が上述の第二参照SCSを得るために用いられるときに、該第一設定情報はさらに、該端末装置に、アクティベーションされる上りリンクキャリア帯域幅(BWP)を指示するために用いられても良く、該第二参照SCSは、アクティベーションされる上りリンクBWP(UL BWP)のSCSである。
【0146】
本実施例のもう1つの実施方式において、上述の第一時点の位置は、該端末装置のサービングセルのワーキングバンド(band)と関係があっても良く、又は、前述の第二参照SCS及びサービングセルのワーキングバンドと同時に関係があっても良い。
【0147】
例えば、サービングセルのワーキングバンド(band 1とも言う)が6GHzよりも高いときに、上述の第一時点の位置は、或るSCS(例えば、SCS_4)に基づく第n+N1個目の時間単位の前縁であっても良く、サービングセルのワーキングバンド(band 2とも言う)が6GHzよりも低いときに、上述の第一時点の位置は、或るSCS(例えば、SCS_5)に基づく第n+N2個目の時間単位の前縁であっても良い。この例では、SCS_4及びSCS_5は同じであっても良く異なっても良く、かつN1はN2に等しくない。即ち、この例では、第一時点の位置は、該端末装置のサービングセルのワーキングバンド(band)のみと関係がある。
【0148】
また、例えば、サービングセルのワーキングバンドが6GHzよりも高いときに、上述の第一時点の位置は、第n+N1個目の時間単位の前縁であっても良く、サービングセルのワーキングバンドが6GHzよりも低いときに、上述の第一時点の位置は、第n+N2個目の時間単位の前縁であっても良く、かつ時間単位の索引は、事前定義のルールに基づいて確定される第二参照SCSと関係がある。即ち、この例では、第一時点の位置は、前述の第二参照SCS及びサービングセルのワーキングバンドとともに関係がある。
【0149】
本実施例では、第一参照SCS又は第二参照SCSがTA commandに対応するTAG中のアクティベーションされるUL BWPの最大又は最小SCSであるときに、第一参照SCS又は第二参照SCSがUL BWPのアクティベーション/ディアクティベーションに伴って変化し得るから、TA commandが有効になる第一時点と、UL BWPのアクティベーションの指示が有効になる第二時点との相対位置を協調する必要がある。
【0150】
本実施例の1つの実施方式において、端末装置はさらに、ネットワーク装置送信の第二設定情報を受信することができ、該第二設定情報は、該端末装置に、アクティベーションされる上りリンクキャリア帯域幅(UL BWP)を指示するために用いられる。
【0151】
本実施方式及び前述の、アクティベーションされるUL BWPを第一設定情報より指示する実施方式では、端末装置は、第二時点の後に該アクティベーションされるUL BWPを使用することができ、このときに、該第二時点は、時間軸において前述の第一時点と同じであり又は前述の第一時点の後にある。また、端末装置は、第n+k個目の時間単位から該アクティベーションされるUL BWPを使用することもでき、ここで、nは、端末装置が上述の第二設定情報を受信する時間単位の順番号であり、kは、端末装置が上述のTA commandを受信してから上述の第一時点の前の時間単位の和以上であり、ここで、時間単位はシンボル、スロット、サブスロット又はサブフレームであっても良く、かつn及びkは、自然数である。
【0152】
本実施方式では、端末装置が上述の第一時点の前に上述の第二設定情報を受信することができ、かつ該第二設定情報は、物理層制御チャネル又はMAC層シグナリング又はRRC層シグナリングにより搬送されても良いが、本実施例は、これに限定されない。
【0153】
本実施例における方法により、端末装置は、1つのTA commandを受信した後に、調整後のタイミングアドバンスを採用して上りリンク伝送を行い始める時点を把握することができる。
【実施例9】
【0154】
前述の実施例では、第一参照SCSが、TA commandと関連付けられるTAG中の該TA command有効時のUE側の参照SCSであり、かつUE側の参照SCSが、アクティベーションされるUL BWPの最大又は最小SCSであるときに、上りリンクタイミングアドバンスの正確性を向上させるために、ネットワーク装置は、TA command送信前に、アクティベーションされるUL BWPを指示することで、該TA commandの有効時間と、UL BWPのアクティベーション時間とが一致(アライメント)するようにさせることができる。
【0155】
本発明の実施例では、上りリンクキャリア帯域幅(BWP)のアクティベーション方法が提供され、該方法は、端末装置に応用される。
図14は、本実施例における上りリンクキャリア帯域幅(BWP)のアクティベーション方法を示す図である。
図14に示すように、該方法は、以下のステップを含む。
【0156】
ステップ1401:端末装置が第n個目の時間単位でネットワーク装置からの設定情報を受信し、前記設定情報は、前記端末装置に、アクティベーションされるUL BWPを指示するために用いられ;
ステップ1402:前記端末装置が第n+k個目の時間単位から前記アクティベーションされるUL BWPを使用し、そのうち、nは自然数であり、kは正の整数であり、かつkはK(例えば、K=5,6,8,16,18,20などである)以上であり、前記時間単位はシンボル、スロット、サブスロット又はサブフレームである。
【0157】
そのうち、Kはタイミングアドバンス命令を受信してから、該タイミングアドバンス命令に基づいて調整された後の上りリンク伝送タイミングを使用するまでの間の時間単位の個数である。即ち、端末装置が第n個目の時間単位でTA commandを受信する場合、端末装置は第n+K個目の時間単位から該TA commandに基づいて調整された後の上りリンク伝送タイミングを採用する。
【0158】
本実施例では、端末装置は、上述の第n個目の時間単位の後、かつ第n+k個目の時間単位の前にタイミングアドバンス命令(TA command)を受信することができる。
【0159】
本実施例における方法により、該TA commandの有効時間と、UL BWPのアクティベーション時間が一致するようにさせることができる。
【実施例10】
【0160】
本発明の実施例では、上りリンク送信タイミングアドバンスの調整装置が提供され、該装置が問題を解決する原理が実施例8の方法と同様であるから、その具体的な実施については、実施例8、ここでは、内容が同じである重複説明を省略する。
【0161】
図15は、本実施例における上りリンク送信タイミングアドバンスの調整装置を示す図である。
図15に示すように、該装置1500は、以下のものを含む。
【0162】
受信ユニット1501:タイミングアドバンス命令(TA command)を受信し、前記TA commandは、タイミングアドバンス命令値(TA)を含み;
確定ユニット1502:前記TAに基づいて調整後の上りリンク伝送タイミングを確定し;及び
処理ユニット1503:第一時点の後に前記調整後の上りリンク伝送タイミングを使用する。
【0163】
本実施例では、前記第一時点は、第二参照SCSと関係があり、具体的にどのような面において関係があるかについては、実施例8に記載のようであるから、ここでは、その詳しい説明を省略し、及び/又は、前記第一時点は、前記端末装置のサービングセルのワーキングバンド(band)と関係がある。
【0164】
本実施例では、前記第二参照SCSは、第一参照SCSと同じであっても良く又は異なっても良く、前記第一参照SCSは、前記端末装置がタイミングアドバンス(TTA)を計算するための参照SCSである。
【0165】
1つの実施方式において、前記第二参照SCSは、事前定義又は事前設定され、事前定義とは、前記第二参照SCSが出荷前に予め前記端末装置に設定されることを指す。
【0166】
もう1つの実施方式において、前記第二参照SCSは、ネットワーク装置の設定により取得される。本実施方式では、受信ユニット1501はさらに、ネットワーク装置送信の第一設定情報を受信することができ、前記第一設定情報は、前記第二参照SCSの指示用であり、又は、前記端末装置が前記第二参照SCSを得るために用いられる。
【0167】
本実施方式では、前記第一設定情報が前記第二参照SCSの指示用であるときに、前記第一設定情報は、次のような情報又はシグナリングの少なくとも1つに搬送され、即ち、物理層制御チャネル、MACシグナリング、RRCシグナリング、システム情報又はブロードキャスト情報である。
【0168】
本実施方式では、前記第一設定情報が前記端末装置の前記第二参照SCSの取得用であるときに、前記第一設定情報はさらに、前記端末装置に、アクティベーションされる上りリンクキャリア帯域幅(BWP)を指示するために用いられ、前記第二参照SCSは、前記アクティベーションされるUL BWPのSCSである。
【0169】
本実施例のもう1つの実施方式において、受信ユニット1501はさらに、ネットワーク装置送信の第二設定情報を受信し、前記第二設定情報は、前記端末装置に、アクティベーションされる上りリンクキャリア帯域幅(BWP)を指示するために用いられる。
【0170】
本実施方式では、処理ユニット1503は、第二時点の後に前記アクティベーションされるUL BWPを使用することができ、前記第二時点は、時間軸において前記第一時点と同じであり又は前記第一時点の後にある。
【0171】
本実施方式では、処理ユニット1503は、第n+k個目の時間単位から前記アクティベーションされるUL BWPを使用しても良く、前記nは、前記端末装置が前記第二設定情報を受信する時間単位の順番号であり、前記kは、前記端末装置が前記TA commandを受信してから前記第一時点の前の時間単位の和以上であり、前記時間単位はシンボル、スロット、サブスロット又はサブフレームであり、前記n及びkは、自然数である。
【0172】
本実施方式では、受信ユニット1501は、前記第一時点の前に前記第二設定情報を受信することができる。前記第二設定情報は、物理層制御チャネル又はMAC層シグナリング又はRRC層シグナリングにより搬送される。
【0173】
本実施例における装置により、端末装置は、1つのTA commandを受信した後に、調整後のタイミングアドバンスを採用して上りリンク伝送を行い始める時点を把握することができる。
【実施例11】
【0174】
本発明の実施例では、上りリンクキャリア帯域幅(BWP)のアクティベーション装置が提供され、該装置が問題を解決する原理が実施例9の方法と同様であるから、その具体的な実施については、実施例9を参照することができ、ここでは、内容が同じである重複説明を省略する。
【0175】
図16は、本実施例における上りリンクキャリア帯域幅(BWP)のアクティベーション装置を示す図である。
図16に示すように、該装置1600は、以下のものを含む。
【0176】
受信ユニット1601:第n個目の時間単位でネットワーク装置からの設定情報を受信し、前記設定情報は、前記端末装置に、アクティベーションされるUL BWPを指示するために用いられ;及び
処理ユニット1602:第n+k個目の時間単位から前記アクティベーションされるUL BWPを使用し、そのうち、nは自然数であり、kは正の整数であり、かつkは、K以上であり、Kは、タイミングアドバンス命令を受信してから、該タイミングアドバンス命令に基づいて調整された後の上りリンク伝送タイミングを使用するまでの間の時間単位の個数である。また、前記時間単位はシンボル、スロット、サブスロット又はサブフレームである。
【0177】
本実施例では、受信ユニット1601は、前記第n個目の時間単位の後、かつ第n+k個目の時間単位の前にタイミングアドバンス命令(TA command)を受信することができる。
【0178】
本実施例における方法により、該TA commandの有効時間と、UL BWPのアクティベーション時間とが一致するようにさせることができる。
【実施例12】
【0179】
本発明の実施例では、端末装置が提供され、そのうち、該端末装置は、実施例10又は11に記載の装置を含む。
【0180】
図17は、本発明の実施例における端末装置を示す図である。
図17に示すように、該端末装置1700は、中央処理器1701及び記憶器1702を含んでも良く、記憶器1702は、中央処理器1701に接続される。なお、該図は例示に過ぎず、さらに該構造に対して他の類型の構造を用いて補充又は代替を行うことで電気通信機能又は他の機能を実現しても良い。
【0181】
1つの実施方式において、実施例10又は11に記載の装置の機能が中央処理器1701に統合され、中央処理器1701により実施例10又は11に記載の装置の機能を達成しても良く、そのうち、実施例10又は11に記載の装置の機能がここに合併されるから、ここでは、その詳しい説明を省略する。
【0182】
もう1つの実施方式において、実施例10又は11に記載の装置が中央処理器1701と別々で配置されても良く、例えば、実施例10又は11に記載の装置を、中央処理器1701に接続されるチップ(chip)として構成し、中央処理器1701の制御により実施例10又は11に記載の装置の機能を実現しても良い。
【0183】
図17に示すように、該端末装置1700はさらに、通信モジュール1703、入力ユニット1704、音声処理ユニット1705、表示器1706、電源1707などを含んでも良い。なお、端末装置1700は、
図17中の全ての部品を含む必要がない。また、端末装置1700はさらに、
図17に無い部品を含んでも良く、これについては、従来技術を参照することができる。
【0184】
図17に示すように、中央処理器1701は、制御器又は操作コントローラと称される場合があり、マイクロプロセッサ又は他の処理器装置及び/又は論理装置を含んでも良く、該中央処理器1701は、入力を受信して端末装置1700の各部品の操作を制御することができる。
【0185】
そのうち、記憶器1702は、例えば、バッファ、フレッシュメモリ、HDD、移動可能な媒体、揮発性記憶器、不揮発性記憶器又はその他の適切な装置のうちの1つ又は複数であっても良く、設定に関する情報を記憶することができ、また、情報処理に関するプログラムをさらに記憶することができる。中央処理器1701は、該記憶器1702に記憶の該プログラムを実行することで、情報の記憶などの処理を実現することができる。他の機能が従来と同様であるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。端末装置1700の各部品は、専用ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はその組み合わせにより実現されても良いが、これらは、すべて、本発明の範囲に属する。
【0186】
本実施例における端末装置により、実施例10に記載の装置が配置されるときに、端末装置は、1つのTA command後を受信した後に、調整後のタイミングアドバンスを採用して上りリンク伝送を行い始める1つの確定の時点を把握することができる。実施例11に記載の装置が構成されるときに、該TA commandの有効時間と、UL BWPのアクティベーション時間とが一致するようにさせることができる。
【実施例13】
【0187】
本発明の実施例では、通信システムが提供され、該通信システムは、ネットワーク装置及び端末装置を含み、ネットワーク装置は、例えば、実施例5に記載のネットワーク装置1000であり、端末装置は、例えば、実施例12に記載の端末装置1100である。
【0188】
本実施例では、該ネットワーク装置は、例えば、NRにおけるgNBであっても良く、それは、実施例3に記載の上りリンク送信タイミングアドバンスの取得装置の機能の他に、ネットワーク装置の通常の構成及び機能をも実施例5に記載のように含むから、ここでは、その詳しい説明を省略する。
【0189】
本実施例では、該端末装置は、例えば、gNBがサービングするUEであり、それは、実施例4又は10又は11に記載の装置の機能の他に、端末装置の通常の構成及び機能をも実施例6又は12に記載のように含むので、ここでは、その詳しい説明を省略する。
【0190】
本実施例における通信システムにより、データの正常な伝送を保証することができる。
【0191】
本発明の実施例はさらに、コンピュータ可読プログラムを提供し、そのうち。ネットワーク装置中で前記プログラムを実行するときに、前記プログラムは、コンピュータに、前記ネットワーク装置中で実施例1に記載の方法を実行させる。
【0192】
本発明の実施例はさらに、コンピュータ可読プログラムを記憶した記憶媒体を提供し、そのうち、前記コンピュータ可読プログラムは、コンピュータに、ネットワーク装置中で実施例1に記載の方法を実行させる。
【0193】
本発明の実施例はさらに、コンピュータ可読プログラムを提供し、そのうち、端末装置中で前記プログラムを実行するときに、前記プログラムは、コンピュータに、前記端末装置中で実施例2又は実施例8又は実施例9に記載の方法を実行させる。
【0194】
本発明の実施例はさらに、コンピュータ可読プログラムを記憶した記憶媒体を提供し、そのうち、前記コンピュータ可読プログラムは、コンピュータに、端末装置中で実施例2又は実施例8又は実施例9に記載の方法を実行させる。
【0195】
また、上述の装置及び方法は、ソフトウェア又はハードウェアにより実現されても良く、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにより実現されても良い。本発明は、さらに、下記のようなコンピュータ読み取り可能なプログラムに関し、即ち、該プログラムは、ロジック部品により実行されるときに、該ロジック部品に、上述の装置又は構成部品を実現させ、又は、該ロジック部品に、上述の各種の方法又はステップを実現させる。ロジック部品は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)、マイクロプロセッサ、コンピュータに用いる処理器などであっても良い。本発明は、さらに、上述のプログラムを記憶した記憶媒体、例えば、ハードディスク、磁気ディスク、光ハードディスク、DVD、フラッシュメモリなどにも関する。
【0196】
さらに、図面に記載の機能ブロックのうちの1つ又は複数の組み合わせ及び/又は機能ブロックの1つ又は複数の組み合わせは、本明細書に記載の機能を実行するための汎用処理器、デジタル信号処理器(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラム可能な論理部品、ディスクリートゲート又はトランジスタ論理部品、ディスクリートハードウェアアセンブリ又は他の任意の適切な組む合わせとして実現されても良い。また、図面に記載の機能ブロックのうちの1つ又は複数の組み合わせ及び/又は機能ブロックの1つ又は複数の組み合わせは、さらに、計算装置の組み合わせ、例えば、DSP及びマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPと通信により接続される1つ又は複数のマイクロプロセッサ又は他の任意の構成の組み合わせとして構成されても良い。
【0197】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されず、本発明の趣旨を離脱しない限り、本発明に対するあらゆる変更は本発明の技術的範囲に属する。
【0198】
また、以上の実施例などに関し、以下のような付記をさらに開示する。
【0199】
(付記1)
端末装置に構成される上りリンク送信タイミングアドバンスの調整装置であって、
タイミングアドバンス命令(TA command)を受信し、前記TA commandがタイミングアドバンス命令値(TA)を含む受信ユニット;
前記TAに基づいて調整後の上りリンク伝送タイミングを確定する確定ユニット;及び
第一時点の後に前記調整後の上りリンク伝送タイミングを使用する処理ユニットを含み、
そのうち、前記第一時点は第二参照SCSと関係があり、前記第二参照SCSは事前定義又は事前設定され、及び/又は、
前記第一時点は前記端末装置のサービングセルのワーキングバンド(band)と関係がある、装置。
【0200】
(付記2)
付記1に記載の装置であって、
前記第二参照SCSの事前定義とは、前記SCSが出荷前に予め前記端末装置に設定されることを指す、装置。
【0201】
(付記3)
付記1に記載の装置であって、
前記受信ユニットはさらに、ネットワーク装置送信の第一設定情報を受信し、前記第一設定情報は、前記第二参照SCSを指示するために用いられ、又は、前記端末装置が前記第二参照SCSを得るために用いられる、装置。
【0202】
(付記4)
付記1-3の任意の一項に記載の装置であって、
前記第二参照SCSは第一参照SCSと同じであり又は異なり、前記第一参照SCSは前記端末装置がタイミングアドバンス(TTA)を計算するための参照SCSである、装置。
【0203】
(付記5)
付記3に記載の装置であって、
前記第一設定情報が前記第二参照SCSの指示用であるときに、前記第一設定情報は、次のような情報又はシグナリングのうちの少なくとも1つにより搬送され、即ち、物理層制御チャネル、MACシグナリング、RRCシグナリング、システム情報又はブロードキャスト情報である、装置。
【0204】
(付記6)
付記3に記載の装置であって、
前記第一設定情報が前記端末装置の前記第二参照SCSの取得用であるときに、前記第一設定情報はさらに、前記端末装置に、アクティベーションされる上りリンクキャリア帯域幅(BWP)を指示するために用いられ、前記第二参照SCSは、前記アクティベーションの上りリンクBWPのSCSである、装置。
【0205】
(付記7)
付記1に記載の装置であって、
前記受信ユニットはさらに、ネットワーク装置送信の第二設定情報を受信し、前記第二設定情報は、前記端末装置に、アクティベーションされる上りリンクキャリア帯域幅(BWP)を指示するために用いられる、装置。
【0206】
(付記8)
付記6又は付記7に記載の装置であって、
前記処理ユニットは、第二時点の後に前記アクティベーションされる上りリンクBWPを使用し、前記第二時点は、時間軸において前記第一時点と同じであり又は前記第一時点の後にある、装置。
【0207】
(付記9)
付記6又は付記7に記載の装置であって、
前記処理ユニットは、第n+k個目の時間単位から前記アクティベーションされる上りリンクBWPを使用し、前記nは、前記端末装置が前記第二設定情報を受信する時間単位の順番号であり、前記kは、前記端末装置が前記TA commandを受信してから前記第一時点までの時間単位の和以上であり、前記時間単位は、シンボル、スロット、サブスロット又はサブフレームであり、前記n及びkは、自然数である、装置。
【0208】
(付記10)
付記7乃至付記9の任意の一項に記載の装置であって、
前記受信ユニットは、前記第一時点の前に前記第二設定情報を受信する、装置。
【0209】
(付記11)
付記7乃至付記10の任意の一項に記載の装置であって、
前記第二設定情報は、物理層制御チャネル、又は、MAC層シグナリング、又は、RRC層シグナリングにより搬送される、装置。
【0210】
(付記12)
端末装置に構成される上りリンクキャリア帯域幅(BWP)のアクティベーション装置であって、
第n個目の時間単位でネットワーク装置からの設定情報を受信し、前記設定情報が前記端末装置にアクティベーションされる上りリンクBWPを指示するために用いられる受信ユニット;及び
第n+k個目の時間単位から前記アクティベーションされる上りリンクBWPを使用する処理ユニットを含み、
そのうち、nは、自然数であり、kは、正の整数であり、kは、K以上であり、Kは、タイミングアドバンス命令を受信してから、該タイミングアドバンス命令に基づいて調整された後の上りリンク伝送タイミングを使用するまでの間の時間単位の個数であり、前記時間単位は、シンボル、スロット、サブスロット又はサブフレームである、装置。
【0211】
(付記13)
付記12に記載の装置であって、
前記受信ユニットは、前記第n個目の時間単位の後、かつ第n+k個目の時間単位の前にタイミングアドバンス命令(TA command)を受信する、装置。