(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】方法、RANノード、及びユーザ機器
(51)【国際特許分類】
H04W 68/00 20090101AFI20231226BHJP
H04W 76/27 20180101ALI20231226BHJP
H04W 52/02 20090101ALI20231226BHJP
H04W 4/70 20180101ALI20231226BHJP
【FI】
H04W68/00
H04W76/27
H04W52/02
H04W4/70
(21)【出願番号】P 2022120827
(22)【出願日】2022-07-28
(62)【分割の表示】P 2020507123の分割
【原出願日】2018-08-07
【審査請求日】2022-07-28
(32)【優先日】2017-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141519
【氏名又は名称】梶田 邦之
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ユーファー
(72)【発明者】
【氏名】ハイララ, チャディ
(72)【発明者】
【氏名】グプタ, ニーラジ
【審査官】野村 潔
(56)【参考文献】
【文献】Ericsson,RAN area updating due to mobility in RRC_INACTIVE[online],3GPP TSG RAN WG2 #97 R2-1700894,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_97/Docs/R2-1700894.zip>,2017年02月04日
【文献】Huawei,Stage 2 TP for support of RAN notification area update[online],3GPP TSG RAN WG3 adhoc_R3_AH_NR_1706 R3-172389,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_AHGs/R3_AH_NR_1706/Docs/R3-172389.zip>,2017年06月20日
【文献】ZTE, ZTE Microelectronics,Consideration on the RAN based notification in RRC_INACTIVE[online],3GPP TSG RAN WG2 adhoc_2017_01_NR R2-1700277,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_AHs/2017_01_NR/Docs/R2-1700277.zip>,2017年01月07日
【文献】Samsung,Discussion on the RRC Inactive Assistant information[online],3GPP TSG RAN WG3 adhoc_R3_AH_NR_1706 R3-172270,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_AHGs/R3_AH_NR_1706/Docs/R3-172270.zip>,2017年06月20日
【文献】MTI,RAN-based Notification Area Update for RRC_INACTIVE UEs[online],3GPP TSG RAN WG2 adhoc_2017_06_NR R2-1706358,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_AHs/2017_06_NR/Docs/R2-1706358.zip>,2017年06月16日
【文献】Sharp,Discussion on RAN Notification Area Configuration[online],3GPP TSG RAN WG2 adhoc_2017_06_NR R2-1706491,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_AHs/2017_06_NR/Docs/R2-1706491.zip>,2017年06月16日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システムの無線アクセスネットワーク(RAN)ノードによって実行される方法であって、
少なくとも1つの他のRANノードから、前記少なくとも1つの他のRANノードの少なくとも1つのセルに関連付けられた少なくとも1つのトラッキングエリアを識別する情報を受信すること、
コアネットワークノードから、トラッキングエリアのトラッキングエリア識別子を少なくとも含むトラッキングエリアリストを含む、ユーザ機器(UE)のための登録エリアを識別する情報を受信すること、
前記UEのRANベースの通知エリアであって、前記UEが無線リソース制御(RRC)非アクティブ状態を維持して移動することのできるエリアを示し、前記登録エリア内に含まれる、前記RANベースの通知エリアを示す情報を前記UEに送信すること、
前記RANベースの通知エリア内の他のRANノードに、前記UEをページするためのページングメッセージを送信すること、
を含む方法。
【請求項2】
通信システムのユーザ機器(UE)によって実行される方法であって、
無線アクセスネットワーク(RAN)ノードから、
前記UEの登録エリアに関し、コアネットワークノードより提供される情報であり、前記UEが非アクティブ状態を維持して移動することのできるエリアを示すRANベースの通知エリアを示す情報を含む、前記UEを無線リソース制御(RRC)非アクティブ状態にするためのメッセージを受信することを含み
、
前記RANベースの通知エリア内の他のRANノードから、前記UEをページするためのページングメッセージを受信すること、を含む、方法。
【請求項3】
通信システムの無線アクセスネットワーク(RAN)ノードであって、
少なくとも1つの他のRANノードから、前記少なくとも1つの他のRANノードの少なくとも1つのセルに関連付けられた少なくとも1つのトラッキングエリアを識別する情報を受信する手段と、
コアネットワークノードから、トラッキングエリアのトラッキングエリア識別子を少なくとも含むトラッキングエリアリストを含む、ユーザ機器(UE)のための登録エリアを識別する情報を受信する手段と、
前記UEのRANベースの通知エリアであって、前記UEが無線リソース制御(RRC)非アクティブ状態を維持して移動することのできるエリアを示し、前記登録エリア内に含まれる、前記RANベースの通知エリアを示す情報を前記UEに送信する手段と、
前記RANベースの通知エリア内の他のRANノードに、前記UEをページするためのページングメッセージを送信する手段と、
を備える、RANノード。
【請求項4】
通信システムのユーザ機器(UE)であって、
無線アクセスネットワーク(RAN)ノードから、
前記UEの登録エリアに関し、コアネットワークノードより提供される情報であり、前記UEが非アクティブ状態を維持して移動することのできるエリアを示すRANベースの通知エリアを示す情報を含む、前記UEを無線リソース制御(RRC)非アクティブ状態にするためのメッセージを受信する手段を備え
、
前記RANベースの通知エリア内の他のRANノードから、前記UEをページするためのページングメッセージを受信する手段を備える、ユーザ機器。
【請求項5】
前記RANベースの通知エリアは、トラッキングエリアを示す情報及びRANエリアコードによって示される、請求項4に記載のUE。
【請求項6】
前記ページングメッセージは、前記トラッキングエリアを示す情報及び前記RANエリアコードを含む、請求項5に記載のUE。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方法、RANノード、及びユーザ機器に関する。特に、本発明は、3GPP(3rd Generation Partnership Project)規格、またはこれと同等もしくは派生の規格(LTE-Advanced規格、および次世代または5Gネットワークを含む)に従って動作する無線通信システムおよびそのデバイスに関するが、これに限定されない。特に、本発明は、非アクティブ状態のユーザ機器のトラッキングに関わる改良に関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0002】
3GPP規格の最新動向は、EPC(Evolved Packet Core)ネットワークおよびE-UTRAN(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network)のLTE(Long Term Evolution)と呼ばれ、一般に4Gとも呼ばれる。さらに、5GおよびNR(New Radio)という用語は、種々のアプリケーションおよびサービスをサポートすることが期待される開発中の通信技術を指す。5Gネットワークの種々の詳細は、例えば、NGMN(Next Generation Mobile Networks)アライアンスによるNGMN 5G White Paper V1.0に説明されており、当該文書は、https://www.ngmn.org/5g-white-paper.htmlから入手可能である。3GPPは、いわゆる3GPP NextGen( Next Generation)無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)および3GPP次世代コアネットワークを介して5Gをサポートすることが計画されている。
【0003】
3GPP規格では、LTE(または5GのgNB/NG-RANノード)におけるeNBは、通信デバイス(ユーザ機器または「UE」)がコアネットワークに接続し、他の通信デバイスまたはリモートサーバと通信を行うための基地局である。説明の簡略化のため、本出願において、基地局という用語はそのような基地局を指し、UE、ユーザデバイス、またはUEという用語はそのような通信デバイスを指すものとする。コアネットワーク(すなわち、LTEの場合のEPC)は、加入者管理、モビリティ管理、課金、セキュリティ、および呼セッション管理(など)の機能を統括し、通信デバイスをインターネットなどの外部ネットワークに接続させる。
【0004】
ユーザ機器(UE)のアイテムには、例えば、モバイル電話、スマートフォン、ユーザ機器、パーソナルデジタルアシスタント、ラップトップ/タブレットコンピュータ、Webブラウザ、電子書籍リーダなどのモバイル通信デバイスが含まれる。このようなモバイル(または一般的には固定の)デバイスは、通常、ユーザによって操作される。しかしながら、3GPP規格は、いわゆる「モノのインターネット」(IoT:Internet of Things)のデバイス(例えば、狭帯域IoT(NB-Iot:Narrow Band-IoT)デバイス)をネットワークに接続することも可能にし、これらのデバイスは、通常、種々の測定機器、テレメトリ機器、監視システム、トラッキングおよびトレーシングデバイス、車載安全システム、車両メンテナンスシステム、道路センサ、デジタル広告板、POS(Point Of Sale)端末、遠隔操作システムなどの自動化装置を含む。事実上、モノのインターネットとは、適切な電子機器、ソフトウェア、センサ、ネットワーク接続機能などを備えたデバイス(または「モノ」)のネットワークであり、これらのデバイスが相互に、および他の通信デバイスと、データを収集および交換することを可能にする。IoTデバイスは、MTC(Machine-Type Communication)通信デバイスまたはM2M(Machine-to-Machine)通信デバイスとも呼ばれる。
【0005】
説明の簡略化のため、本出願は、明細書中においてUE全般を参照するが、本明細書に記載の技術は、任意の(モバイルおよび/または一般的には固定の)通信デバイス上で実施可能であり、当該通信デバイスは、人による入力によって制御されるか、またはメモリに格納されたソフトウェアの命令によって制御されるかに関わらず、データを送受信するための通信ネットワークに接続可能であるものとする。
【0006】
UEと基地局との間の通信は、3GPP TS 36.331の現行のバージョンで定義されているRRCプロトコルに基づくRRC(Radio Resource Control)層を使用して制御される。RRCレイヤは、UEと無線アクセスネットワークとの間のレイヤ3(ネットワーク層)の制御プレーンシグナリングを処理し、特に、システム情報のブロードキャスト、ページング、接続の確立および解放、無線ベアラの確立、再構成および解放、モビリティ手順、ならびに電力制御の機能を含む。RRCプロトコルの現行のバージョンによると、UEは、任意の時点において、「RRCアイドルモード(データ通信が行われない)」または「RRC接続モード(UEとそのサービング基地局との間でデータ通信が行われる可能性がある)」のいずれかで動作する。
【0007】
RRC接続モードで動作するUEが、通信システムでカバーされるエリア内を移動すると、信号の状態や、要求されるサービス品質、使用されるサービスの種類、システム全体の負荷などの他の要件に応じて、あるセル(すなわち、基地局によって運用されるセル)から別のセル(同一または異なる基地局によって運用されるセル)にハンドオーバされる。ハンドオーバでは、UEと(ハンドオーバ前後の)基地局との間、さらには基地局とコアネットワークとの間においても、大規模なシグナリングが必要となる。
【0008】
一方、RRCアイドルモードでは、UEは、高品質の信号を有する「サービング」セルを選択してキャンプするようにプログラムされているため、これらのUEに新しいデータを送信したり、これらのUEから新しいデータを送信したりする際に、好適な信号条件を享受することができる。アイドル状態のUEが、例えばその位置を変更したことで、現在のサービングセルよりも優れた信号品質を有する新しいセルを検出した場合、当該UEは、いわゆるセル再選択手順を行うことができる。しかしながら、選択された新しいセルが同一「トラッキングエリア(TA)」(すなわち、予め定義されたセルのセットを含むより大きな地理的エリア)内にある限り、アイドルモードのUEは、当該セルについてネットワークに通知を行わない。これは、無線ネットワークは、システム情報とUE固有のページングメッセージとをTA内の全体で送信するため、TAのどのセルでUEが現在キャンプしているかに関わらず、当該UEにコンタクトしたり、当該UEに対する又は当該UEからの通信を開始したりすることができるためである。トラッキングエリア識別子(TAI)は、各トラッキングエリアを識別するのに使用される。TAの使用は、UEがネットワークに登録する際に、コアネットワークノード(例えば、モビリティ管理エンティティ(MME:Mobility Management Entity))がTAのセット(「リスト」)を当該UEに割り当てる、いわゆる「トラッキングエリアリストコンセプト」によって拡張されてきた。このTAのセットの中心を当該UEの現在位置に確実に近づけることにより、UEが別のトラッキングエリアへ唐突にアップデートする可能性を低減することができる。実際には、TAリスト(TAL)は、UEのコアネットワーク定義エリア(コアネットワーク(CN)登録エリアと呼ばれる)を表す。
【0009】
エネルギー消費を最小限に抑え、貴重なシステムリソースを解放するために、UEは可能な限りRRCアイドルモードに戻り、同一TA内に残る限り、(ハンドオーバの代わりに)セルの再選択を行う。基地局は、そのセル内の各UEに対して、種々の動作モード間の移行を制御する。基地局とUEとの間のRRC接続のセットアップと終了には、貴重なシステムリソースを使用してシグナリングメッセージを交換する必要があり、また、完了には一定の時間を要するため、接続モードからアイドルモードへの移行は、3GPP TS 36.331に定義される特定の状況下において許可される。例えば、サービング基地局は、特定のUEに送信する、または特定のUEから送信されるデータがもうない(例えば、アップリンク(UL)およびダウンリンク(DL)の両方のバッファが空である)ことを確認した後にのみ、UEにRRCアイドルモードに入るように指示をしてもよい。
【0010】
各UEが現在位置(例えば、セル)をコアネットワークに登録すると、対応する「S1」接続が、各UEのサービング基地局とコアネットワークとの間に付与される。S1接続とは、いわゆる「ECM-IDLE」モード(UEがRRCアイドルモードの場合)または「ECM-CONNECTED」モード(UEがRRC接続モードの場合)のいずれかである。S1接続は、UEとコアネットワークとの間で(およびその範囲を超えて)データ(制御データおよびユーザデータ)を転送するのに使用され、UEがRRC接続モードである限り維持される。一方で、UEがRRCアイドルモードに入ると、UEにおいて送信または受信するデータが発生するまで対応するS1接続も終了(または中断)し、その場合、現在のサービング基地局に対する新しいS1接続が確立される(または中断したS1接続が再有効化される)。
【0011】
RRCアイドルモードのUEに送信するデータをネットワークが有する場合、当該ネットワークは、UEの最後の既知のエリア(トラッキング/ページングエリア)において適切なページング手順をトリガし、これにより、当該エリア内の基地局が、それぞれのセル内で、特定のUEにRRC接続状態に入るように要求する適切なページングメッセージをブロードキャストする。アイドル状態にあったモバイル電話が、送信するデータを再度有する場合(または下りデータを受信するようにページングされた場合)、当該モバイル電話は、通信リソースの割り当てを受けるために、適切にフォーマットされたRRC接続要求メッセージを基地局に送信することにより、いわゆるRRC接続確立手順を開始する(下位層、特にメディアアクセス制御(MAC)層が基地局との通信用にセットアップされることを保証する、いわゆるランダムアクセス手順に従う)。
【0012】
3GPP規格の最新動向である、いわゆる次世代(NG)または5Gネットワークについては、UEは、新しいRRC状態、または「RRC非アクティブ」状態(例えば、5G)もしくは「ライト接続」(LC:Light-Connected)状態/モード(例えば、LTE/4G)と呼ばれる新しい無線状態で動作することも想定される。説明の簡略化のため、「非アクティブ状態」という用語は、5GのRRC非アクティブ状態とLTE/4GのLC状態/モードの両方を指して用いられるものとする。
【0013】
UEが非アクティブ状態の場合、UEにおいて送信または受信するデータがなくなった後でも、RAN(基地局)とコアネットワークとの間で、制御プレーン接続(例えば、5GのNG2基準点または4G/LTEのS1-MMEを介する)およびユーザプレーン接続(例えば、5GのNG3基準点または4G/LTEのS1-Uを介する)の両方が維持される(したがって、通常、UEはRRCアイドルモードに入るように構成される)。言い換えれば、非アクティブ状態中であっても、RANの観点からは、UEはアイドルモードで動作していると見なされる。基地局と非アクティブ状態のUEとの間にアクティブなRRC接続がない場合でも、当該非アクティブ状態は、コアネットワークに対して透過的であってもよい(あるいは透過的でなくてもよい)とされる(すなわち、コアネットワークの観点からは、接続しているものと見なされる)。この新しい非アクティブ状態の利点の1つは、データ送信が小規模かつ低頻度であるUE(特にIoTデバイス)は、送信(または受信)するデータが発生するたびにRRC接続を確立するための全手順を行う必要はないことである。その代わりに、非アクティブ状態のUEは、必要に応じて現在のサービング基地局との既存のRRC接続を再開し、送受信するデータが再度発生するまで、より電力効率の良い動作モードに戻るように構成することができる。
【0014】
UEは、再開する接続を識別する情報(再開IDなど)を現在の基地局に送信することにより、RRC接続を再開することができる。これにより、基地局とUEが認証および無線ベアラの確立を行う必要がないという利点が得られる。このような非アクティブな接続を容易にし、UEとそのサービング基地局との間の接続を再開することを容易にするために、いわゆるアンカー基地局の概念が3GPPで検討されている。実際には、アンカー基地局は、UEアクセス層(AS:Access Stratum)のコンテキストを格納し、UEのユーザデータ(UEコンテキスト)をキャッシュし、NGコアネットワーク接続(NG2/NG3)を終了する際に、必要に応じて他の基地局へユーザデータを与える役割を担う基地局である。例えば、アンカー基地局は、UEが特定のTA(または事前に定義された他のエリア)に登録した最初の(または過去の)基地局であってよい。したがって、UEが(同一エリア内で)異なる基地局を介してRRC接続を再開しようとすると、新しい基地局はアンカー基地局に接続し、UEから提供された情報(例えば、再開IDなど)に基づいて、キャッシュされたユーザデータとともにUEコンテキストを取得することができる。非アクティブ状態ではNG2/NG3接続が維持されるため、新しい基地局は、コアネットワークにコンタクトしたり、UEのために新しいNG2/NG3接続を確立したりする必要がなくなるという利点がある(しかしながら、新しい基地局では、NG2/NG3接続をアンカー基地局/以前の基地局から新しい基地局に切り替える必要がある可能性がある)。この手順は「アンカー再配置」とも呼ばれ、UEコンテキストを転送しながら、NG2/NG3終端ポイントをアンカー基地局から新しいサービング基地局に切り替えることが含まれる。
【0015】
3GPPにおける現在の合意は、UEが非アクティブ状態にある間、基地局がNG2/NG3接続を維持すること、および(コアネットワークではなく)RANが、必要に応じて、UEに接触するための通知手順を開始し、当該通知に関するパラメータを設定する役割を担うということである。より具体的には、全接続を再開する必要がある場合に、RANの基地局は、ページングのような手順で(例えば、コアネットワークから下りデータを受信するために)UEに通知を行う役割を担う(「RANベースの通知」または「RANベースのページング」と呼ばれる)。
【0016】
基地局による効率的なRANベースの通知を容易にするため、最近の動向によると、非アクティブ状態のUE(例えば、RRC_INACTIVE)に、当該UEに対応するコアネットワークの登録エリアのサブセットであるRANベースの通知エリアを設定することができ、当該RANベースの通知エリアは1つまたは複数のセルを含んでもよい。RANベースの通知エリアはUE固有であり、個別シグナリングを介して基地局により設定可能である。さらに、適切なインタフェース(Xnなど)を介した基地局間ダイレクト通信は、RANベースの通知エリアの基地局間で利用することができる。このRANベースの通知エリア内を移動する間(およびその境界内に留まる間)、UEは、ネットワークに対してその位置を更新するための手順を開始する必要はない(すなわち、UEは「位置更新」指示を送信しない)。しかしながら、そのエリアを離れる場合、UEは、その位置をネットワークに更新する(例えば、位置エリア更新またはトラッキングエリア更新手順を用いる)。このように、基地局RANは、1つのRANベースの通知エリアから別の通知エリアへの当該UEの移動を認識し続けることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
RANベースの通知エリアを設定するにあたって、基地局には種々の選択肢がある。例えば、所定のRANベースの通知エリアを構成するセルの明示的なリストが、UEに通知されてもよい。当該リストは、単一のセルで構成されるRANベースの通知エリアを実装するための単一のエントリのみを含み得るものとする。
【0018】
別の例では、RANベースの通知エリアは、それぞれが個別のRANエリア識別子(RANAID)を有する1つまたは複数の別個のRANエリアとして(例えば、ネットワーク内で)設定されてもよい。このように、各UEに、当該UEが位置エリアの更新を開始することなく移動することのできるRANエリアを示す1つまたは複数のRANエリアIDを識別する情報(例えば、1つまたは複数のRANエリアIDのリスト)が与えられてもよい。特定のセルが特定のRANエリアの一部であるか否かをUEが判断できるようにするには、各セルは、当該セルが属するRANエリアのRANエリアIDを(例えば、システム情報で)ブロードキャストしてもよい。
【0019】
これらの例のいずれか一方または両方がサポートされるものとする。例えば、高モビリティのUEの場合、基地局は、UEが非アクティブ状態を維持することのできるRANベースの通知エリアを示す1つまたは複数のRANエリアIDのリストを設定してもよい。一方、低モビリティのUEの場合、基地局は、UEが非アクティブ状態を維持することのできるRANベースの通知エリアを示す1つまたは複数のセルのリストを設定してもよい。この場合、基地局によってRANエリアIDのブロードキャストが引き続き行われる。
【0020】
したがって、設定されたRANベースの通知エリアに属さないセルを再選択する場合(例えば、再開手順を使用して、RANベースの位置エリア更新(RLAU)をRANに通知する場合)、非アクティブ状態のUEはRANに通知を行うことができ、その場合、ネットワークは、当該UEを非アクティブモードに維持するか、UEを「中断」する(例えば、RRCアイドルモードに入ることを要求する)か、を決定することができる。再開手順による、RANベース位置エリアの更新(RLAU)についても、周期的にトリガしてもよい。これに関して、接続再開メッセージは、少なくともRANエリア更新を示すことができる情報全般を含み、さらに、アクセス制御を可能にする情報を含んでもよい。非アクティブ状態のUEがTA境界を越える際に、当該UEは(RANエリアに基づくRAN更新に加えて)CNレベルの位置更新を行ってもよい。
【0021】
図1では、トラッキングエリアとRANエリア(上記のRANエリアの例が使用されている場合)のプランニングは、オペレータによって行われ、運用、管理および保守(OAM:Operations, Administration and Maintenance)機能を介して設定される。オペレータのプランニングでは、
図1(a)に示すように、所定のRANベースの通知エリアの任意のRANエリアが1つのトラッキングエリアのサブセットを構成することを保証する必要がある。このように、
図1(b)に示す、RANエリアが2つのトラッキングエリアに跨るシナリオを回避する必要がある。
【0022】
図2(a)に示すように、RANベースの通知エリアが、所定のUEのコアネットワーク登録エリアのサブセットを構成することを確認することも効果的である。しかしながら、本発明者らは、現在の提案では、RANベースの通知エリアが所定のUEのコアネットワーク登録エリアのサブセットを構成することを保証できないことを認識している。したがって、所定のUEについて、そのRANベースの通知エリアのすべてのRANエリアがそのコアネットワーク登録エリア内にない、
図2(b)に示すシナリオが発生する可能性がある。具体的には、
図2(b)の例では、RANベースの通知エリアを設定するRANエリアには、トラッキングエリアTA1の一部であるRANA3と、トラッキングエリアTA2の一部であるRANA4およびRANA5とが含まれる。しかしながら、TA1は、TA2が属するUEのコアネットワーク登録エリアのTALの一部ではない。したがって、UEのRANベースの通知エリアは、当該UEのコアネットワーク登録エリアのサブセットではなく、好ましくない。本発明者らは、この問題が発生し得ることを理解している。これは、例えば、(TALに対応する)コアネットワーク登録エリアと、RANベースの通知エリア(すなわち、上記のRANエリアの例を使用する場合のRANエリアのリスト)は、別々のレイヤ(すなわち、非アクセス層およびアクセス層)および別々の通信エンティティ(すなわち、コアネットワークノードおよび基地局)によってUEに設定されるためである。このように、RANエリアおよびトラッキングエリアがオペレータによってプランニングされ得る一方で、基地局には、当該基地局のセルTAIおよびRANエリアIDを通知して、当該基地局が、これらの識別子をシステム情報でブロードキャストすることもできるが、当該基地局は、異なるコアネットワーク登録エリアに重複するRANベースの通知エリアを設定してもよい(すなわち、単一のコアネットワーク登録エリアのサブセットを形成しない)。
【0023】
図2に示す問題は、複数のRANエリアから形成されるRANベースの通知エリアを想定して説明されるが、RANエリア識別子のリストによって定義されたRANベースの通知エリアとは異なる、所定のRANベースの通知エリアを構成するセルの明示的なリストを使用する場合であっても、同様の問題が発生し得る。
【0024】
本発明は、上記の問題に対処する、または少なくとも部分的に改善する方法、RANノード、及びユーザ機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
例示的な一態様において、通信システム内の基地局によって実行される方法が提供され、上記方法は、少なくとも1つの他の基地局から、他の基地局の各々の少なくとも1つのセルに関連付けられた少なくとも1つの個別のトラッキングエリアを識別する情報を受信すること、コアネットワークから、少なくともユーザ機器(UE)が位置するトラッキングエリアを含む上記UEの登録エリアを識別する情報を受信すること、上記少なくとも1つの個別のトラッキングエリアを識別する受信情報と、上記登録エリアを識別する受信情報とに基づいて、上記UEの無線アクセスネットワーク(RAN)ベースの通知エリアであり、上記UEが非アクティブ状態を維持して移動することのできるエリアを示すRANベースの通知エリアを定義すること、および上記RANベースの通知エリアを定義する情報を上記UEに送信すること、を含む。
【0026】
例示的な一態様において、通信システムのコアネットワーク機能によって実行される方法が提供され、上記方法は、ユーザ機器(UE)のコアネットワーク登録エリアであり、上記UEが位置するトラッキングエリアを少なくとも含む登録エリアを定義すること、および上記UEのサービング基地局に、上記UEの登録エリアを定義する情報を与えること、を含む。
【0027】
例示的な一態様において、通信システム内のユーザ機器(UE)によって実行される方法が提供され、上記方法は、少なくとも1つの基地局から、少なくとも1つの個別のトラッキングエリアを識別する情報と、登録エリアを識別する受信情報と、上記UEの無線アクセスネットワーク(RAN)ベースの通知エリアとを受信することを含み、上記RANベースの通知エリアは、上記UEが非アクティブ状態を維持して移動することのできるエリアを示し、上記UEのRANベースの通知エリアは、少なくとも1つの個別のトラッキングエリアを識別する情報と、登録エリアを識別する情報とに基づいて、上記UEのコアネットワーク登録エリアのサブセットとして定義されるエリアを示す。
【0028】
例示的な一態様において、通信システムの基地局が提供され、上記基地局は、コントローラおよびトランシーバを具備し、上記コントローラは、上記トランシーバを、少なくとも1つの他の基地局から、上記他の基地局の各々の少なくとも1つのセルに関連付けられた少なくとも1つの個別のトラッキングエリアを識別する情報を受信し、コアネットワークから、ユーザ機器(UE)の登録エリアであり、上記UEが位置するトラッキングエリアを少なくとも含む登録エリアを識別する情報を受信し、上記少なくとも1つの個別のトラッキングエリアを識別する受信情報と、上記登録エリアを識別する受信情報とに基づいて、上記UEの無線アクセスネットワーク(RAN)ベースの通知エリアであり、上記UEが非アクティブ状態を維持して移動することのできるエリアを示すRANベースの通知エリアを定義するように制御し、上記トランシーバを、上記RANベースの通知エリアを定義する情報を上記UEに送信するように制御するように、構成される。
【0029】
例示的な一態様において、通信システムのコアネットワーク機能が提供され、上記コアネットワーク機能は、コントローラおよびトランシーバを具備し、上記コントローラは、ユーザ機器(UE)のコアネットワーク登録エリアであり、上記UEが位置するトラッキングエリアを少なくとも含む登録エリアを定義し、上記トランシーバを、上記UEのサービング基地局に上記UEの登録エリアを定義する情報を与えるように制御するように、構成される。
【0030】
例示的な一態様において、通信システムのユーザ機器(UE)が提供され、上記UEは、コントローラおよびトランシーバを具備し、上記コントローラは、上記トランシーバを、少なくとも1つの基地局から、少なくとも1つの個別のトラッキングエリアを識別する情報と、登録エリアを識別する受信情報と、上記UEの無線アクセスネットワーク(RAN)ベースの通知エリアとを受信し、上記RANベースの通知エリアは、上記UEが非アクティブ状態を維持して移動することのできるエリアを示し、上記UEの無線アクセスネットワーク(RAN)ベースの通知エリアは、少なくとも1つの個別のトラッキングエリアを識別する情報と、登録エリアを識別する情報とに基づいて、上記UEのコアネットワーク登録エリアのサブセットとして定義されるエリアを示す。
【0031】
例示的な一態様において、通信システムの基地局が提供され、上記基地局は、少なくとも1つの他の基地局から、上記他の基地局の各々の少なくとも1つのセルに関連付けられた少なくとも1つの個別のトラッキングエリアを識別する情報を受信する手段と、コアネットワークから、少なくともユーザ機器(UE)が位置するトラッキングエリアを含む上記UEの登録エリアを識別する情報を受信する手段と、上記少なくとも1つの個別のトラッキングエリアを識別する受信情報と、上記登録エリアを識別する受信情報とに基づいて、上記UEの無線アクセスネットワーク(RAN)ベースの通知エリアであり、上記UEが非アクティブ状態を維持して移動することのできるエリアを示す上記RANベースの通知エリアを定義する手段と、上記RANベースの通知エリアを定義する情報を上記UEに送信する手段と、を備える。
【0032】
例示的な一態様において、通信システムのコアネットワーク機能が提供され、上記コアネットワーク機能は、ユーザ機器(UE)のコアネットワーク登録エリアであり、上記UEが位置するトラッキングエリアを少なくとも含む登録エリアを定義する手段と、上記UEのサービング基地局に上記UEの登録エリアを定義する情報を与える手段と、を備える。
【0033】
例示的な一態様において、通信システムのユーザ機器(UE)が提供され、上記UEは、少なくとも1つの個別のトラッキングエリアを識別する情報と、登録エリアを識別する受信情報と、上記UEの無線アクセスネットワーク(RAN)ベースの通知エリアとを受信する手段を備え、上記RANベースの通知エリアは、上記UEが非アクティブ状態を維持して移動することのできるエリアを示し、上記UEの無線アクセスネットワーク(RAN)ベースの通知エリアは、少なくとも1つの個別のトラッキングエリアを識別する情報と、登録エリアを識別する情報とに基づいて、上記UEのコアネットワーク登録エリアのサブセットとして定義されるエリアを示す。
【0034】
例示的な一態様において、上記無線基地局、コアネットワーク機能、およびUEを含む通信システムが提供される。
【0035】
例示的な一態様において、コンピュータによって実行可能な命令製品が提供され、上記製品は、プログラム可能な通信デバイスに上記方法を実行させる、コンピュータによって実行可能な命令を含む。
【0036】
当業者の効率的な理解のために、本発明の例示的な態様を、3GPPシステム(UMTS、LTE、NR)を想定して詳細に説明するが、本発明の例示的な態様の原理は、通信デバイスまたはユーザ機器(UE)が無線アクセス技術を使用してコアネットワークにアクセスする他のシステムにも適用することができる。
【0037】
本発明の例示的な態様は、対応するシステムと、装置と、プログラム可能なプロセッサをプログラムして上記の例示的な態様に記載の方法および特許請求の範囲に記載の可能性を実施させ、好適に適合したコンピュータをプログラムして任意の請求項に記載の装置を提供させるように動作可能な命令を格納する、コンピュータ読取可能な記憶媒体などのコンピュータプログラム製品と、に及ぶ。
【0038】
本明細書(特許請求の範囲を含む)に開示されるおよび/または図面に示される各特徴は、他の開示されるおよび/または図示される特徴とは独立して(または組み合わせて)本発明に組み込まれてもよい。特に、特定の独立請求項に従属する請求項の特徴は、任意の組み合わせで、または個別にその独立請求項に導入することができるが、これに限らない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
ここで、添付図面を参照して、本発明の例示的な実施形態の例を説明する。
【
図1】トラッキングエリアのサブセットを適切に形成しない無線アクセスネットワーク(RAN)エリアに関連する問題を示す図である。
【
図2】所定のUEの特定のコアネットワーク登録エリアを示す設定トラッキングエリアリストのサブセットを適切に形成しない特定の無線アクセスネットワーク(RAN)ベースの通知エリアを示す設定RANエリアリストに関連する問題を示す図である。
【
図3】本発明の例示的な実施形態が適用され得るセルラ通信システムを概略的に示す図である。
【
図4】
図3に示すシステムで実装可能な、RANエリアを識別するメカニズムを示す図である。
【
図5】
図3に示すシステムの一部を形成するUEのブロック図である。
【
図6】
図3に示すシステムの一部を形成する基地局のブロック図である。
【
図7】
図3に示すシステムの一部を形成するコアネットワーク機能のブロック図である。
【
図8】
図3に示すシステムの構成要素によって実行され得る例示的なプロセスを示すメッセージシーケンスチャートである。
【
図9】
図3に示すシステムの構成要素によって実行され得る例示的なプロセスを示す別のメッセージシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
<概要>
図3は、通信ネットワーク1を概略的に示し、ここでは、ユーザ機器(UE)3-1~3-4のアイテム(モバイル電話や、IoTデバイスを含む他の通信デバイスなど)が、New Radio(NR)無線アクセス技術(RAT)を使用して基地局5(この例ではgNBs)およびコアネットワーク7を介して相互に通信を行うことができる。当業者が理解するように、
図3では4つのUE3(「UE1」~「UE4」と表示)および5つの基地局5a~5eが例として示されているが、システムの実装の際には、通常他の基地局および通信デバイスも含まれる。
【0041】
図3には示されていないが、各基地局5は1つまたは複数の対応するセルを操作する(例えば、基地局5aは「セルA」を操作し、基地局5bは「セルB」を操作するなど)。
【0042】
UE3は、適切なセル(UEと基地局の位置に応じて、あるいは適宜信号条件、サブスクリプションデータ、能力など他の要因に応じて)に、当該セルを操作する適切な基地局5と無線リソース制御(RRC)接続を確立することにより、接続することができる。以上のように、第1のUE3は、基地局5aまたは5bによって動作するセルによってサーブされるエリアに位置する。従って、RRCアイドルモードで動作する(データの送受信を行わない)とき、UE3は、最高の信号品質を有するセルにキャンプし、RRCアクティブモードであるとき、UE3は、そのセルを介してデータ通信を行う。
【0043】
UE3(例えば、UE3 3-3)が最初に(基地局5のうちの1つを介して)ネットワークに登録する際、UE3のサービング基地局5(例えば、gNB5a)は、サービング基地局5とコアネットワーク7との間の通信(ユーザデータおよび制御データ)を中継するための関連インタフェース接続についても確立する。
【0044】
基地局5は、NG2/NG3インタフェース(4G/LTEの場合はS1-MME/S1-Uインタフェース)を介してコアネットワーク7に接続され、Xnインタフェース(4G/LTEではX2インタフェース)を介して相互に接続される。コアネットワーク7は、アクセス及びモビリティ管理機能(AMF:Access and Mobility Management Function)7-1(モビリティ管理エンティティ全般に対応し、4G/LTEではMME)と、基地局5と外部ネットワーク15(インターネットなど)および/またはコアネットワーク7外でホストされるサーバとの間の接続を行うためのユーザプレーン機能7-2とを含む。
【0045】
AMF7-1は、特にUE3がRRCアイドルモードである場合に、通信ネットワーク1内においてUEを追跡する役割を担うネットワークノードである。特に、AMF7-1は、UE3の最後の既知のセル(またはトラッキングエリア)の識別子を格納しているため、着信(音声またはデータ)があった場合に通知を行い、特定のUE3に現在サーブする基地局5を介して、通信パスをセットアップすることができる。
【0046】
この例において、各UE3は、リモートエンドポイント(例えば、サーバまたは別の通信デバイス)にデータを送信するために周期的(例えば、UE3のアプリケーションの1つがネットワークと通信を行う必要がある場合)にネットワークに接続する。各UE3は、RANの観点から当該UE3がアイドルモードで動作しているように見える場合であってもネットワークによって対応のNG2/NG3接続が維持されるRRC非アクティブ状態(RRC_INACTIVE)で動作するように構成される。したがって、周期的な再接続と再接続との間で、UE3は、アンカー基地局5によって設定されたRANベースの通知エリア内に留まる限り、非アクティブモードに入ることが可能であり、ハンドオーバを行うのを回避することができる(すなわち、UEは、非アクティブ状態を維持したままRANベースの通知エリア内を自由に移動することができ、その位置をコアネットワークに更新する必要はない)。周期的なデータ送信を行うUEを想定して説明される非アクティブ状態での使用は例示に過ぎず、他の場合における非アクティブ状態の使用も可能であるものとする。
【0047】
各UEのサービング基地局5は、当該UE3に適したRANベースの通知エリアを設定する役割を担う。RANエリアは、同一または異なる基地局5からの1つまたは複数のセルを含むように構成されてもよい。この例では、UE3 3-3のRANベースの通知エリアは、3つのRANエリア(RANA1、RANA2およびRANA3)を含むものとして示される。RANエリアRANA1は、gNB5aおよびgNB5eのセルを含み、RANエリアRANA2は、gNB5cの1つまたは複数のセルを含み、RANエリアRANA3は、gNB5bおよびgNB5dのセルを含む。UE3 3-3のコアネットワーク登録エリアは、コアネットワーク内で(例えば、AMF7-1によって)設定され、この例では、2つのトラッキングエリアTA1およびTA2を含むトラッキングエリアリスト(TAL)を含み、ここで、TA1にはRANエリアRANA1およびRANエリアRANA2が含まれ、TA2にはRANエリアRANA3が含まれる。
図3に示され、
図3を参照して説明されるRANベースの通知エリアおよびコアネットワーク登録エリアの設定は単純に例示であり、任意の適切な設定が可能であるものとする。さらに、当該設定はUE固有であり、動的に変更することができるものとする。
【0048】
図3に示す例では、対応するRANエリアIDを有するRANエリアが設定されるため、所定のUE3のRANベースの通知エリアは、そのRANベースの通知エリアを示す1つまたは複数のRANエリアIDのリストを与えることで設定されてもよい(しかしながら、明示的なセルのリストを使用する所定のUEのRAN通知エリアの設定をオプションとして実装してもよい)。
【0049】
有利には、
図3に示すシステムで実装可能なRANエリアを識別するためのメカニズムを示す
図4を参照すると、RANエリアは、トラッキングエリアを一意に識別するトラッキングエリア識別子(TAI)と、TAIで表されるトラッキングエリア内のRANエリアを一意に識別するRANエリアコード(RANAC)との組み合わせである「グローバルRANエリアID(RANAID)」によって一意に識別される。TAIは、地上波公共移動通信ネットワーク(PLMN:Public Land Mobile Network)識別子と、識別されたPLMN内の対象のトラッキングエリアを識別するトラッキングエリアコード(TAC)とを含む集合識別子である。したがって、異なるPLMNに同一TACを使用し、異なるトラッキングエリアに同じRANACを使用することもできる。
図4に示すように、PLMN識別子は、PLMNのモバイル国コード(MCC:Mobile Country Code)とモバイルネットワークコード(MNC:Mobile Network Code)とを含む集合識別子でもある。したがって、この方法で識別されたRANエリアは、本質的に特定のトラッキング(のサブセット)内にあり、2つ以上のトラッキングエリアと重複しないことがわかる。
【0050】
再度
図3を参照すると、基地局が属するトラッキングエリアは、ブロードキャストシステム情報(SIとも呼ばれ、例えば、システム情報ブロック1)によって、そのセル内のUEに通知される。ブロードキャストシステム情報は、TAC情報要素と、1つまたは複数のPLMNのリストを備える情報要素とを含む。TAC情報要素によって識別されるTACは、リストされた各PLMNに共通である。この例では、基地局5からブロードキャストされるシステム情報は、(同一または異なるシステム情報ブロックに)セルのRANエリアコードも含む。
【0051】
したがって、RANエリア識別子は、TAIがRANエリア識別子の一部となる(例えば、グローバルRANエリアID={トラッキングエリアID、TA内のRANエリアコード}となる)ように符号化される。基地局5はTA内でTACおよびRANエリアコードをブロードキャストするため、UEは、単純に、グローバルRANエリアIDがTA内のRANエリアコードとの組み合わせによって、TAIと等しくなると解釈する必要がある。
【0052】
有利には、隣接する基地局同士は、トラッキングエリア情報を含むセル情報(すなわち、当該隣接基地局のセルがその一部を形成するTAのTAI)を(例えば、Xnインタフェースを介して)交換する。同様に、この例では、隣接セルのRANエリア情報(例えば、TAIに関連してRANエリアIDまたはRANエリアコード)は、対応する隣接基地局によって提供される(当該情報は、代替的または追加的に、運用、管理および保守(OAM)機能によって提供されてもよい)。
【0053】
有利には、コアネットワーク(例えば、AMF7-1などのコアネットワーク制御機能)は、所定のUEのTAリスト設定(およびそのUEのコアネットワーク登録エリアの設定)を基地局に通知する。TAリストに関する当該情報は、例えば、初期UEコンテキストセットアップ手順の間に提供されてもよいし、および/または、トラッキングエリアの更新に続いて提供されてもよい。
【0054】
このように、基地局5がUE3を非アクティブ状態にすることを決定すると、基地局は、当該UE3のトラッキングリストの一部を形成するトラッキングエリアに属する1つまたは複数のRANエリアのリストを使用して、または、当該UE3のトラッキングリストの一部を形成するトラッキングエリア内の1つまたは複数のセルの明示的なリストを使用して、UE3のRANベースの通知エリアを有利に設定することができる。
【0055】
図3を参照して説明する例では、1つまたは複数のセルを含むRANエリアの概念を使用するが、RANベースの通知エリアが所定のUEのコアネットワーク登録エリアのサブセットを構成することを保証するために同様の(かつより単純な)手順を有益に使用してもよい。
【0056】
より具体的には、RANエリアが実装されない場合、隣接する基地局は、単純に、トラッキングエリア情報(すなわち、当該基地局のセルがその一部を形成するTAのTAI)を含むセル情報を相互に(例えば、Xnインタフェースを介して)交換してもよく、RANエリア情報を与える必要はない。RANエリアに係る手順と同様に、コアネットワーク(例えば、AMF7-1などのコアネットワーク制御機能)は、所定のUEのTAリスト設定(および当該UEのコアネットワーク登録エリアの設定)を基地局に通知してもよい。TAリストに関する当該情報は、例えば、初期UEコンテキストセットアップ手順の間に提供されてもよいし、および/または、トラッキングエリアの更新に続いて提供されてもよい。
【0057】
このように、基地局5がUE3を非アクティブ状態にすることを決定すると、基地局は、UE3のトラッキングリストの一部を形成するトラッキングエリア内の1つまたは複数のセルの明示的なリストを使用して、UE3のRANベースの通知エリアを有利に設定することができる。したがって、所定のTAの一部を形成する他のセル(および/またはRANエリア)を基地局が判別するための十分な情報を当該基地局に与えることで、上記手順によって、RANベースの通知エリアが所定のUEのコアネットワーク登録エリアのサブセットを構成することを保証することができることがわかる。
【0058】
<UE>
図5は、
図3に示すUE3の主な構成要素(例えば、モバイル電話、IoTデバイスなど)を示すブロック図である。図示されるように、UE3は、1つまたは複数のアンテナ33を介して基地局5に信号を送信し、基地局5から信号を受信するように動作可能なトランシーバ回路31を有する。UE3は、UE3の動作を制御するコントローラ37を有する。コントローラ37はメモリ39に関連付けられ、トランシーバ回路31に接続されている。その動作に必ずしも必要ではないが、UE3が従来のモバイル電話の通常の機能(ユーザインタフェース35など)をすべて備えてもよいことは明らかであり、これは、ハードウェア、ソフトウェアおよびファームウェアのいずれか1つまたは任意の組み合わせによって適宜提供されてもよい。ソフトウェアは、メモリ39に事前にインストールしてもよいし、および/または、例えば、通信ネットワークを介して、またはリムーバブルデータ格納デバイス(RMD)から、ダウンロードしてもよい。
【0059】
コントローラ37は、この例では、メモリ39内に格納されたプログラム命令またはソフトウェア命令によってUE3全体の動作を制御するように構成される。図示されるように、これらのソフトウェア命令は、オペレーティングシステム41、通信制御モジュール43、ページングモジュール45、RRCモジュール46、NASモジュール49などを含む。
【0060】
通信制御モジュール43は、UE3とそのサービング基地局5(および当該サービング基地局5に接続された、他のユーザ機器、コアネットワーク機能などの他の通信デバイス)との間の通信を制御するように動作可能である。
【0061】
ページングモジュール45は、UE3をページングすることのできるRANベースの通知エリアを(例えば、セルおよび/またはRANエリアのリストの形式で)維持する役割を担い、UE3宛のページング/通知メッセージを監視するようにトランシーバ31を制御する。ページングモジュール45は、UE3が現在設定されているRANページングエリアを離れる直前(または、離れたとき)に、他のモジュール(例えば、適宜RRCモジュール46およびNASモジュール49によって)に通知を行う役割も担う(例えば、適切な位置更新手順を行うために)。
【0062】
RRCモジュール46は、RRC規格に従ってフォーマットされたシグナリングメッセージを生成、送信および受信するように動作可能である。例えば、そのようなメッセージが、UE3とそのサービング基地局5との間で交換される。RRCメッセージは、例えば、UE3のRANベース通知エリアの設定に関するメッセージを含んでもよい。
【0063】
NASモジュール49は、NAS規格に従ってフォーマットされたシグナリングメッセージを生成、送信および受信するように動作可能である。例えば、そのようなメッセージが(サービング基地局5を介して、RRCモジュール46を使用して)、UE3とAMF7-1との間で交換される。NASメッセージは、例えば、UE3が現在位置するトラッキングエリア(またはセル)の登録および/または更新に関するメッセージを含んでもよい。
【0064】
<基地局>
図6は、
図3に示す基地局5の主な構成要素を示すブロック図である。図示されるように、基地局5は、1つまたは複数のアンテナ53を介してユーザ機器(UE3など)と信号の送受信を行うためのトランシーバ回路51、コアネットワーク7と信号の送受信を行うためのコアネットワークインタフェース55(例えば、S1インタフェース、NG2および/またはNG3インタフェースなど)、および隣接する基地局と信号の送受信を行うための基地局インタフェース56(例えば、X2インタフェース、Xnインタフェースなど)を備える。基地局5は、基地局5の動作を制御するコントローラ57を有する。コントローラ57はメモリ59に関連付けられる。
図3に示されてはいないが、基地局5が従来のセルラ電話ネットワーク基地局の通常の機能をすべて有することは明らかであり、この機能はハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアのいずれか1つまたは任意の組み合わせによって適宜提供されてもよい。ソフトウェアは、メモリ59に事前にインストールしてもよいし、例えば、通信ネットワーク1を介して、またはリムーバブルデータ格納デバイス(RMD)から、ダウンロードしてもよい。コントローラ57は、この例では、メモリ59内に格納されたプログラム命令またはソフトウェア命令によって基地局5の全体的な動作を制御するように構成される。図示されるように、これらのソフトウェア命令は、オペレーティングシステム61、通信制御モジュール63、ページングエリア制御モジュール65、RRCモジュール66、基地局シグナリングモジュール67、およびCNシグナリングモジュール68を含む。
【0065】
通信制御モジュール63は、基地局5と、UE3(ユーザ機器)および基地局5に接続された他のネットワークエンティティとの間の通信を制御するように動作可能である。通信制御モジュール63は、この基地局5に関連付けられたUEに送信される下りリンクユーザトラフィック(関連データ無線ベアラを介して)および制御データの個別のフローも制御する。制御データは、例えば、UE3の動作を管理するための制御データ(例えば、NAS、RRC、ページング、システム情報など)を含んでもよい。
【0066】
ページングエリア制御モジュール65は、基地局5がアンカーとして機能する各UEについて、適切なRANベースの通知エリアを設定および維持する役割を担う。ページングエリア制御モジュール65は、適宜UE3のページング/通知を行うようにトランシーバ51を制御する役割も担う(例えば、RRC接続モードではない特定のUE3に送信する下りデータがある場合)。ページングエリア制御モジュール65は、所定のUEのRANベース通知エリアを、1つまたは複数の他の基地局(例えば、隣接する基地局)から受信したトラッキングエリア情報および/またはRANエリア情報(該当する場合)、コアネットワーク(例えば、AMF7-1、MMEなど)から受信した当該UEのトラッキングエリアリスト(TAL)などの情報に基づいて設定する。
【0067】
RRCモジュール66は、RRC規格に従ってフォーマットされたシグナリングメッセージを生成、送信および受信するように動作可能である。例えば、そのようなメッセージが、基地局5とUE3(および基地局5のセル内の他のユーザ機器)の間で交換される。RRCメッセージは、例えば、UE3のRANベース通知エリアの設定に関するメッセージを含んでもよい。
【0068】
基地局シグナリングモジュール67は、適切な基地局から基地局アプリケーションプロトコル(例えば、XnAPまたはX2AP)に従ってフォーマットされたシグナリングメッセージ(X2/Xnメッセージ)を生成、送信および受信するように動作可能である。X2/Xnメッセージには、例えば、UE3のページング、データ転送、隣接基地局間でのUEコンテキスト(およびUE3に関連するその他の情報)の転送/取得、1つまたは複数の他の基地局(例えば、隣接基地局)などとのトラッキングエリア情報および/またはRANエリア情報(該当する場合)などの情報の交換に関するメッセージが含まれる。
【0069】
CNシグナリングモジュール68は、適切な基地局からコアネットワークシグナリングプロトコル(例えば、NG2/NG3APまたはS1AP)に従ってフォーマットされたシグナリングメッセージを生成、送信および受信するように動作可能である。例えば、そのようなメッセージが、基地局5とAMF7-1/UPF7-2の間で交換される。当該メッセージには、例えば、基地局5のセル内のユーザ機器の位置および/または動作状態の登録と、コアネットワークからの特定のUEのTAリストの取得と、特定のUE3のページング要求とに関わるメッセージ、および/または対応する応答が含まれてもよい。
【0070】
<アクセス及びモビリティ管理機能>
図7は、
図3に示すアクセス及びモビリティ管理機能7-1(または同様のモビリティ管理エンティティ)の主要な構成要素を示すブロック図である。図示されるように、アクセス及びモビリティ管理機能7-1は、基地局インタフェース75(例えば、NG2インタフェース)を介して基地局5(および/または基地局5に接続されたUE3)と信号の送受信を行うトランシーバ回路71を有する。アクセス及びモビリティ管理機能7-1は、アクセス及びモビリティ管理機能7-1の動作を制御するコントローラ77を有する。コントローラ77はメモリ79に関連付けられている。
図7に示されてはいないが、アクセス及びモビリティ管理機能7-1がセルラ電話ネットワークアクセス/モビリティ管理機能/モビリティ管理エンティティの通常の機能をすべて備えることは明らかであり、これは、ハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアのいずれか1つまたは任意の組み合わせによって適宜提供されてもよい。ソフトウェアは、メモリ79に事前にインストールしてもよいし、および/または、例えば、通信ネットワーク1を介して、またはリムーバブルデータ格納デバイス(RMD)から、ダウンロードしてもよい。コントローラ77は、この例では、メモリ79内に格納されたプログラム命令またはソフトウェア命令によってアクセス及びモビリティ管理機能7-1の全体的な動作を制御するように構成される。図示されるように、これらのソフトウェア命令は、オペレーティングシステム81、通信制御モジュール83、UE位置登録モジュール85、NG2シグナリングモジュール88、およびNASモジュール89などを含む。
【0071】
通信制御モジュール83は、アクセス及びモビリティ管理機能7-1と、基地局5、UE3、およびアクセス及びモビリティ管理機能7-1に接続される他のネットワークエンティティとの間の通信を制御するように動作可能である。
【0072】
UE位置登録モジュール85は、アクセス及びモビリティ管理機能7-1に接続されたユーザ機器の現在位置および状態(例えば、アイドル状態または接続状態)を追跡する役割を担う。
【0073】
NG2シグナリングモジュール88は、アクセス及びモビリティ管理機能7-1と基地局との間のNG2インタフェースを介したシグナリングのための適切なアプリケーションプロトコルに従ってフォーマットされたシグナリングメッセージを生成、送信および受信するように動作可能である。当該NG2メッセージには、例えば、基地局5のセル内のユーザ機器の位置および/または動作状態の登録と、コアネットワークからの特定のUE3のTAリストの取得と、特定のUE3のページング要求とに関わるメッセージ、および/または対応する応答が含まれてもよい。
【0074】
NASモジュール89は、NAS規格に従ってフォーマットされたシグナリングメッセージを生成し、UE3へ送信およびUE3から受信するように動作可能である。例えば、そのようなメッセージが、アクセス及びモビリティ管理機能7-1とUE3の間で(基地局5を介して)交換される。NASメッセージは、例えば、UE3が現在位置するトラッキングエリア(またはセル)の登録および/または更新に関するメッセージを含んでもよい。
【0075】
上の説明では、理解を容易にするため、UE3、基地局5、およびアクセス及びモビリティ管理機能7-1は、多数の個別のモジュール(通信制御モジュール、RRCモジュールなど)を有するものとして説明された。これらのモジュールは、例えば、既存のシステムが本発明を実装するために変更された特定のアプリケーションについてはこのような方法で提供され得るが、例えば最初から本発明の特徴を念頭に置いて設計されたシステムなどの他のアプリケーションについては、これらのモジュールをオペレーティングシステムまたはコード全体に組み込んでもよく、この場合、これらのモジュールは個別のエンティティとして認識されなくてもよい。これらのモジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで実装されてもよい。
【0076】
次に、RANベースのページングエリアを(LC状態/モードで動作する)UEのために設定することができる様々な方法についてより詳細に(
図5~
図10を参照して)説明する。
【0077】
<オペレーション-第1の実施例>
図8は、所定のUE3に設定されたRANベースの通知エリアが当該UE3のコアネットワーク登録エリアのサブセットを構成することを保証するためにシステム1の構成要素によって実行され得る例示的なプロセスを示すメッセージシーケンスチャートである。
【0078】
S810に示すように、隣接する基地局5はセル情報を交換する。各基地局5によって提供されるセル情報は、当該基地局によって運用されるセルの個別のトラッキングエリア情報(例えば、トラッキングエリア識別子)を含む。当該基地局は、この交換の一部として他の基地局5から受信した情報を格納する。RANエリアを使用する場合、セル情報は、対応する隣接基地局5によって運用されるセルのRANエリア情報(例えば、TAIと共に使用されるRANエリアIDまたはRANエリアコード)をさらに含んでもよい(当該情報は、代替的または追加的に、運用、管理および保守(OAM)機能によって提供されてもよい)。
【0079】
この例示的な手順では、特定のUEのコアネットワーク登録エリアを識別する情報は、S820とS828の間に示される初期UEコンテキスト手順によって提供される。例えば、UE3および特定の基地局がS820に示すようなRRC接続セットアップ手順を行い、基地局5aが初期UEメッセージ(例えば、適切なサービス要求を含む)をコアネットワーク機能7(例えば、AMF7-1)に送信する場合、コアネットワーク機能はS823において当該UE3のCN登録エリアを識別し、S824において、UE3のCN登録エリアを識別する情報(例えば、CN登録エリアのTAの1つまたは複数のTAIのTAリスト)を含む初期コンテキスト要求メッセージで以って基地局5に応答する。この情報は、対応するUEを識別する情報に関連付けて基地局5に格納される。次に、基地局5およびUE3は、適宜(例えば、S826に示すように)RRC接続再構成手順を行い、これが完了すると、適切にフォーマットされた初期コンテキストセットアップ応答をS828で基地局に送信して、UE3とのセキュリティ手順の確立の成功、および無線ベアラの確立の成功/失敗を、コアネットワーク機能7に報告する。
【0080】
このように、S840において基地局5がUE3を非アクティブ状態にすることを決定すると、基地局5は、S842において、UE3のトラッキングリストの一部を形成するトラッキングエリアに属する1つまたは複数のRANエリアのリストを使用して、または、UE3のトラッキングリストの一部を形成するトラッキングエリア内の1つまたは複数のセルの明示的なリストを使用して、UE3のRANベースの通知エリアを有利に設定することができる。
【0081】
<オペレーション-第2の実施例>
図9は、所定のUE3に設定されたRANベースの通知エリアが当該UE3のコアネットワーク登録エリアのサブセットを構成することを保証するためにシステム1の構成要素によって実行され得る、別の例示的なプロセスを示すメッセージシーケンスチャートである。
【0082】
S910に示すように、隣接する基地局5同士は、
図8に示されるのとほぼ同じ方法でセル情報を交換する。
図8の手順のように、各基地局5によって提供されるセル情報は、当該基地局によって運用されるセルの個別のトラッキングエリア情報(例えば、トラッキングエリア識別子)を含む。基地局は、この交換の一部として他の基地局5から受信した情報を格納する。RANエリアを使用する場合、セル情報は、対応する隣接基地局5によって運用されるセルのRANエリア情報(例えば、TAIと共に使用されるRANエリアIDまたはRANエリアコード)をさらに含んでもよい(当該情報は、代替的または追加的に、運用、管理および保守(OAM)機能によって提供されてもよい)。
【0083】
しかしながら、
図8の手順とは異なり、この例示的な手順においては、特定のUEのコアネットワーク登録エリアを識別する情報は、S920とS928の間に示されるトラッキングエリア更新(TAU)手順によって提供される。例えば、トラッキングエリアを更新する必要があるとUE3が判断した場合、S920において、当該UE3は、コアネットワーク機能7(AMF7-1など)にトラッキングエリアの更新要求を送信することで、トラッキングエリアの更新を開始する。コアネットワーク機能7は、S922において、UE3の適切なコンテキスト情報を取得し、当該UE3の適切なCN登録エリアを決定する。トラッキングエリア更新要求が受諾されることを想定すると、コアネットワーク機能7は、S924において、適切にフォーマットされたトラッキングエリア更新受諾メッセージで以ってUE3に応答する。或いは、オプションとして、UE3は、適切にフォーマットされたトラッキングエリア更新完了メッセージで以ってトラッキングエリア更新受諾メッセージに応答してもよい(例えば、変更されたグローバルユニークテンポラリID(GUTI)がトラッキングエリア更新受諾メッセージに含まれる場合)。
【0084】
トラッキングエリアの更新は基地局を介して送信されるが、当該更新は基地局に対して透過性を有する非アクセス層(NAS)メッセージであるため、基地局はトラッキングエリアの更新受諾メッセージからCN登録エリアを決定することができない。したがって、トラッキングエリア更新手順に続いて(ほぼ直後に)、CN機能7は、UE3のCN登録エリアを識別するCN情報(例えば、CN登録エリアのTAの1つまたは複数のTAIのTAリスト)を基地局5に送信する。この情報は、対応するUEを識別する情報に関連付けて基地局5に保存される。
【0085】
このように、S940において基地局5がUE3を非アクティブ状態にすることを決定すると、基地局5は、S942において、UE3のトラッキングリストの一部を形成するトラッキングエリアに属する1つまたは複数のRANエリアのリストを使用して、または、UE3のトラッキングリストの一部を形成するトラッキングエリア内の1つまたは複数のセルの明示的なリストを使用して、UE3のRANベースの通知エリアを有利に設定することができる。
【0086】
<変形例および代替案>
以上、例示的な実施形態を詳細に説明した。当業者が理解するように、上記例示的な実施形態については複数の変形例および代替案が可能であり、そのようにして具現化された発明の恩恵を受けることができる。説明のため、これらの変形例および代替案の複数の例のみを説明する。
【0087】
本発明の例示的な実施形態は、モノのインターネット(またはマシンタイプ)のデータ送信(例えば、測定イベントなどの間に取得されたデータの送信)に特に有益であり得る。しかしながら、例示的な実施形態は、UEが使用されるアプリケーションによっては、任意の形式のデータの送信についても有益であり得る。例えば、上記例示的な実施形態は、ユーザデータ、バックアップデータ、同期データ、診断データ、監視データ、使用統計、エラーデータなどのデータ送信に適用可能であってもよい。
【0088】
説明の簡略化のため、基地局5aは
図1の各UE(UE1~UE4)のアンカー基地局として説明される。しかしながら、異なるUEは(同一セル内であっても)異なるアンカー基地局に対応付けられ、所定のUEのアンカー基地局は適宜変更されてもよい。言い換えれば、2つ以上の基地局を(1つまたは複数のUEの)アンカー基地局として機能するように構成してもよいし、UEごとに1つのアンカー基地局のみを使用してもよい。
【0089】
図3では、2つの隣接する基地局間にXnインタフェースが設けられ、各基地局とコアネットワークとの間にNG2/NG3インタフェースが設けられる。しかしながら、他のシステムにおいては、異なる基地局から基地局へのインタフェース、および/または、異なる基地局からコアネットワークへのインタフェースを設けてもよい。例えば、4G/LTEシステムでは、隣接基地局間のインタフェースは「X2」インタフェースと呼ばれ、基地局とコアネットワークとの間のインタフェースは「S1」インタフェースと呼ばれる。4Gシステムでは、基地局は「eNB」と呼ばれる。
【0090】
上の説明において、特定のRANベースの通知エリアに属するセルの明示的なリスト(セルID)を使用して当該RANベース通知エリアの設定をUEに通知する場合、当該リストには、各セルの個別のトラッキングエリアコード/識別子が含まれてもよい。これによりUEと基地局とが(同一セルIDの再利用が可能な)複数のトラッキングエリア全体でセルを一意に識別できることが理解されよう。しかしながら、RANベースの通知エリアは、セルIDのみのリストを使用して(すなわち、トラッキングエリアコード/識別子を使用せずに)定義してもよい。
【0091】
アンカー基地局は、RANベースの通知エリアに/からどのセルを追加/削除するかを決定する際に、周辺のトポロジおよび/または隣接基地局とのX2/Xn接続(の状態)を考慮に入れるように構成されてもよい。例えば、隣接基地局は、RANベースの通知エリア(またはRANエリア)からセルを削除する必要がある設定の変更(他の基地局へのX2/Xn接続の変更も含む)に関する情報を相互に交換するように構成されてもよい。
【0092】
RANベースの通知エリアは、「RANベースのルーティングエリア」または「RANベースのページングエリア」と呼ばれてもよい。
【0093】
上の説明では、理解を容易にするため、UE、基地局およびAMFは、個別の機能的構成要素またはモジュールを複数有するものとして説明された。これらのモジュールは、例えば、既存のシステムが本発明を実装するために変更された特定のアプリケーションについてはこのような方法で提供され得るが、例えば最初から発明の特徴を念頭に置いて設計されたシステムなどの他のアプリケーションについては、これらのモジュールをオペレーティングシステムまたはコード全体に組み込んでもよく、この場合、これらのモジュールは個別のエンティティとして認識されなくてもよい。
【0094】
上記の例示的な実施形態では、複数のソフトウェアモジュールが説明された。当業者が理解するように、ソフトウェアモジュールは、コンパイルされた形式またはコンパイルされていない形式で提供されてもよいし、コンピュータネットワークを介した信号として、または記録媒体上で、基地局、AMFおよびUEに供給されてもよい。さらに、このソフトウェアの一部またはすべてによって実行される機能は、1つまたは複数の専用ハードウェア回路を使用して実行されてもよい。しかしながら、基地局、モビリティ管理エンティティ、またはUEの機能更新を目的としたアップデートを容易にするためには、ソフトウェアモジュールの使用が推奨される。
【0095】
UE、基地局、およびAMFの(すなわち、
図5~
図7を参照した)説明で言及されたコントローラは、例えば、アナログまたはデジタルコントローラといった任意の適切なコントローラを含んでもよい。各コントローラは任意の適切な形態の処理回路を含んでもよく、これには、例えば、以下が含まれる(限定的ではない):
1つまたは複数のハードウェアに実装されたコンピュータプロセッサ;マイクロプロセッサ;中央処理装置(CPU);算術論理ユニット(ALU)。入出力(IO)回路;内部メモリ/キャッシュ(プログラムおよび/またはデータ)。処理レジスタ;通信バス(例えば、制御、データおよび/またはアドレスバス);ダイレクトメモリアクセス(DMA)機能。ハードウェアまたはソフトウェア実装されたカウンタ、ポインタ、タイマなど。
【0096】
本明細書に記載の種々の手順を行うための特定の物理的構造を有する特定のハードウェア装置(例えば、コントローラおよびトランシーバ回路)が開示された一方で、本明細書に開示されたおよび/または請求項の一部に記載の方法の各ステップは、当該ステップを実行するための任意の適切な手段によって実装されてもよい。このように、本発明の例示的な方法の各態様は、当該例示的な方法の態様の各ステップを実行するための個別の手段を備えた、対応の例示的な装置の態様を有する。
【0097】
本明細書で説明された一例は、通信システム内の基地局によって実行される方法を含み、上記方法は、少なくとも1つの他の基地局から、上記他の基地局の各々の少なくとも1つのセルに関連付けられた少なくとも1つの個別のトラッキングエリアを識別する情報を受信すること、コアネットワークから、少なくともユーザ機器(UE)が位置するトラッキングエリアを含む上記UEの登録エリアを識別する情報を受信すること、上記少なくとも1つの個別のトラッキングエリアを識別する受信情報と、上記登録エリアを識別する受信情報とに基づいて、上記UEがその位置を上記コアネットワークに登録する必要がないまま、上記UEが非アクティブ状態を維持して自由に移動することのできるエリアを示す上記UEの無線アクセスネットワーク(RAN)ベースの通知エリアを定義すること、およびRANベースの通知エリアを定義する情報をUEに送信すること、を含む。
【0098】
上記UEの登録エリアを識別する情報は、上記UEの初期UEコンテキストセットアップ手順の一部として(例えば、初期UEコンテキストセットアップ要求メッセージ内で)、または上記UEのトラッキングエリア更新手順の一部として(または、例えば直後など、上記更新手順後に)受信されてもよい。上記他の基地局の各々の少なくとも1つのセルに関連付けられた少なくとも1つの個別のトラッキングエリアを識別する上記情報は、他の所定の基地局について、当該基地局との基地局間ダイレクトインタフェースまたは基準点(およびX2またはXnインタフェースなど)を介して受信されてもよい。
【0099】
上記方法は、上記他の基地局の各々の少なくとも1つのセルがその一部を形成する少なくとも1つの個別のRANエリアを識別する情報を受信することをさらに含んでもよい。上記UEのRANベースの通知エリアの定義は、上記他の基地局の各々の少なくとも1つのセルが一部を形成する少なくとも1つの個別のRANエリアを識別する受信情報にさらに基づいてもよい。各RANエリアは、当該基地局に関連付けられたトラッキングエリアを形成する(例えば、より小さいエリアを示す)少なくとも1つのセルのサブセットを含んでもよい。上記少なくとも1つの個別のRANエリアを識別する情報は、他の所定の基地局について、当該基地局との基地局間ダイレクトインタフェースまたは基準点(および、X2またはXnインタフェースなど)を介して、および/または、運用、管理、および保守(OAM)機能によって受信されてもよい。
【0100】
上記RANベースの通知エリアを定義する情報は、上記RANベースの通知エリアを形成し、上記UEの登録エリアの一部を形成する少なくとも1つのトラッキングエリアの少なくとも一部を形成する少なくとも1つのセルのリストを含み、および/または、上記RANベースの通知エリアを形成する少なくとも1つのRANエリアのリストを含んでもよく、上記リスト内の各RANエリアは、上記UEの登録エリアの一部を形成するトラッキングエリアの少なくとも一部を形成する少なくとも1つのセルをそれぞれ含む。
【0101】
上記無線アクセスネットワーク(RAN)ベースの通知エリアは、上記登録エリアを形成する(例えば、上記登録エリアより小さいエリアを示す)セルのサブセットを構成する少なくとも1つのセルを示すために、上記少なくとも1つの個別のトラッキングエリアを識別する受信情報と、上記登録エリアを識別する受信情報とに基づいて定義されてもよい。
【0102】
上記方法は、上記基地局の少なくとも1つのセルがその一部を形成する少なくとも1つの個別のRANエリアを識別する情報をブロードキャストすることをさらに含んでもよい。上記少なくとも1つの個別のRANエリアを識別する情報は、少なくともトラッキングエリアを識別するトラッキングエリアコード(TAC)(例えば、地上波公共移動通信ネットワーク(PLMN)内の場合)と、上記トラッキングエリア内で一意にRANエリアを識別するRANエリアコード(RANAC)とを示す情報を含んでもよい。
【0103】
種々の他の変更は、当業者にとって明らかであるため、ここでは更に詳細な説明は省略する。
【0104】
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0105】
(付記1)
通信システム内の基地局によって実行される方法であって、
少なくとも1つの他の基地局から、前記他の基地局の各々の少なくとも1つのセルに関連付けられた少なくとも1つの個別のトラッキングエリアを識別する情報を受信すること、
コアネットワークから、ユーザ機器(UE)の登録エリアを識別する情報と、少なくとも前記UEが位置するトラッキングエリアを含む登録エリアとを受信すること、
少なくとも1つの個別のトラッキングエリアを識別する受信情報と、登録エリアを識別する受信情報とに基づいて、前記UEが非アクティブ状態を維持して移動することのできるエリアを示す前記UEの無線アクセスネットワーク(RAN)ベースの通知エリアを定義すること、および
前記RANベースの通知エリアを定義する情報を前記UEに送信すること、を含む方法。
【0106】
(付記2)
前記UEの登録エリアを識別する情報は、前記UEの初期UEコンテキストセットアップ手順の一部として受信される、付記1に記載の方法。
【0107】
(付記3)
前記UEの登録エリアを識別する情報は、初期UEコンテキストセットアップ要求メッセージにおいて受信される、付記2に記載の方法。
【0108】
(付記4)
前記UEの登録エリアを識別する情報は、前記UEのトラッキングエリア更新手順の一部として(または、例えば直後など前記更新手順後に)受信される、付記1に記載の方法。
【0109】
(付記5)
前記他の基地局の各々の少なくとも1つのセルに関連付けられた少なくとも1つの個別のトラッキングエリアを識別する前記情報は、他の所定の基地局について、当該基地局との基地局間ダイレクトインタフェースまたは基準点(および、X2またはXnインタフェースなど)を介して受信される、付記1~4のいずれか一項に記載の方法。
【0110】
(付記6)
前記他の基地局の各々の少なくとも1つのセルが一部を形成する少なくとも1つの個別のRANエリアを識別する情報を受信することをさらに含む、付記1~5のいずれか一項に記載の方法。
【0111】
(付記7)
前記UEのRANベースの通知エリアの定義は、前記他の基地局の各々の少なくとも1つのセルが一部を形成する少なくとも1つの個別のRANエリアを識別する前記受信情報にさらに基づく、付記6に記載の方法。
【0112】
(付記8)
各RANエリアは、前記基地局に関連付けられたトラッキングエリアを形成する(例えば、より小さいエリアを示す)少なくとも1つのセルのサブセットを含む、付記6または7に記載の方法。
【0113】
(付記9)
前記少なくとも1つの個別のRANエリアを識別する情報は、他の所定の基地局について、当該基地局との基地局間ダイレクトインタフェースまたは基準点(および、X2またはXnインタフェースなど)を介して受信される、付記6、7または8に記載の方法。
【0114】
(付記10)
前記少なくとも1つの個別のRANエリアを識別する情報は、運用、管理および保守(OAM:Operations, Administration and Maintenance)機能によって受信される、付記6、7または8に記載の方法。
【0115】
(付記11)
前記RANベースの通知エリアを定義する情報は、前記RANベースの通知エリアを形成し、前記UEの登録エリアの一部を形成する少なくとも1つのトラッキングエリアの少なくとも一部を形成する少なくとも1つのセルのリストを含む、付記1~10のいずれか一項に記載の方法。
【0116】
(付記12)
前記RANベースの通知エリアを定義する情報は、RANベースの通知エリアを形成する少なくとも1つのRANエリアのリストを含み、リスト内の各RANエリアは、UEの登録エリアの一部を形成するトラッキングエリアの少なくとも一部を形成する少なくとも1つのセルをそれぞれ含む、付記1~10のいずれか一項に記載の方法。
【0117】
(付記13)
前記無線アクセスネットワーク(RAN)ベースの通知エリアは、前記登録エリアを形成する(例えば、登録エリアより小さいエリアを示す)セルのサブセットを構成する少なくとも1つのセルを示すために、前記少なくとも1つの個別のトラッキングエリアを識別する受信情報と、前記登録エリアを識別する受信情報とに基づいて定義される、付記1~12のいずれか一項に記載の方法。
【0118】
(付記14)
前記基地局の少なくとも1つのセルがその一部を形成する少なくとも1つの個別のRANエリアを識別する情報をブロードキャストすることをさらに含む、付記1~13のいずれか一項に記載の方法。
【0119】
(付記15)
前記少なくとも1つの個別のRANエリアを識別する情報は、少なくともトラッキングエリアを識別するトラッキングエリアコード(TAC)(例えば、地上波公共移動通信ネットワーク(PLMN))と、前記トラッキングエリア内で一意にRANエリアを識別するRANエリアコード(RANAC)とを含む、付記14に記載の方法。
【0120】
(付記16)
通信システム内のコアネットワーク機能によって実行される方法であって、
ユーザ機器(UE)のコアネットワーク登録エリアと、少なくとも前記UEが位置するトラッキングエリアを含む登録エリアとを定義すること、および
前記UEのサービング基地局に、前記UEの登録エリアを定義する情報を与えること、を含む方法。
【0121】
(付記17)
通信システム内のユーザ機器(UE)によって実行される方法であって、
少なくとも1つの基地局から、少なくとも1つの個別のトラッキングエリアを識別する情報と、登録エリアを識別する受信情報と、前記UEの無線アクセスネットワーク(RAN)ベースの通知エリアとを受信することを含み、前記RANベースの通知エリアは、前記UEが非アクティブ状態を維持して移動することのできるエリアを示し、
前記UEの無線アクセスネットワーク(RAN)ベースの通知エリアは、少なくとも1つの個別のトラッキングエリアを識別する情報と、登録エリアを識別する情報とに基づいて前記UEのコアネットワーク登録エリアのサブセットとして定義されるエリアを示す、方法。
【0122】
(付記18)
通信システムの基地局であって、コントローラおよびトランシーバを具備し、
前記コントローラは、前記トランシーバを、
少なくとも1つの他の基地局から、前記他の基地局の各々の少なくとも1つのセルに関連付けられた少なくとも1つの個別のトラッキングエリアを識別する情報を受信し、
コアネットワークから、ユーザ機器(UE)の登録エリアを識別する情報と、少なくとも前記UEが位置するトラッキングエリアを含む登録エリアとを受信するように制御し、
前記少なくとも1つの個別のトラッキングエリアを識別する受信情報と、前記登録エリアを識別する受信情報とに基づいて、前記UEが非アクティブ状態を維持して移動することのできるエリアを示す前記UEの無線アクセスネットワーク(RAN)ベースの通知エリアを定義し、
前記トランシーバを前記RANベースの通知エリアを定義する情報を前記UEに送信するように制御するように構成される、基地局。
【0123】
(付記19)
通信システムのコアネットワーク機能であって、
コントローラおよびトランシーバを具備し、
前記コントローラは、
少なくとも前記UEが位置するトラッキングエリアを含むユーザ機器(UE)のコアネットワーク登録エリアを定義し、
トランシーバを、前記UEのサービング基地局に前記UEの前記登録エリアを定義する情報を与えるように制御するように構成される、コアネットワーク機能。
【0124】
(付記20)
通信システム内のユーザ機器(UE)であって、コントローラおよびトランシーバを具備し、
前記コントローラは、前記トランシーバを、少なくとも1つの基地局から、少なくとも1つの個別のトラッキングエリアを識別する情報と、登録エリアを識別する受信情報と、前記UEが非アクティブ状態を維持して移動することのできるエリアを示す前記UEの無線アクセスネットワーク(RAN)ベースの通知エリアとを受信するように制御し、
前記UEの無線アクセスネットワーク(RAN)ベースの通知エリアは、少なくとも1つの個別のトラッキングエリアを識別する情報と、登録エリアを識別する情報とに基づいて、前記UEのコアネットワーク登録エリアのサブセットとして定義されるエリアを示す、ユーザ機器。
【0125】
(付記21)
付記18に記載の基地局、付記19に記載のコアネットワーク機能、および付記20に記載のUEを備える、通信システム。
【0126】
(付記22)
プラグラム可能な通信デバイスに付記1~17のいずれか一項に記載の方法を実行させるためのコンピュータによって実行可能な命令を備える、コンピュータによって実行可能な命令製品。
【0127】
本出願は、2017年8月10日に出願された英国特許出願第1712862.0号に基づく優先権の利益に基づいており、その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。