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特許7409453基地局装置、無線端末、及びこれらの方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】基地局装置、無線端末、及びこれらの方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/44 20180101AFI20231226BHJP
   H04W 4/46 20180101ALI20231226BHJP
   H04W 8/22 20090101ALI20231226BHJP
   H04W 36/08 20090101ALI20231226BHJP
   H04W 72/02 20090101ALI20231226BHJP
   H04W 72/25 20230101ALI20231226BHJP
   H04W 88/04 20090101ALI20231226BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20231226BHJP
【FI】
H04W4/44
H04W4/46
H04W8/22
H04W36/08
H04W72/02
H04W72/25
H04W88/04
H04W92/18
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022157726
(22)【出願日】2022-09-30
(62)【分割の表示】P 2021112503の分割
【原出願日】2016-06-21
(65)【公開番号】P2022173485
(43)【公開日】2022-11-18
【審査請求日】2022-09-30
(31)【優先権主張番号】P 2015185290
(32)【優先日】2015-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】二木 尚
【審査官】田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-527697(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0195827(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0065142(US,A1)
【文献】国際公開第2014/015470(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/065130(WO,A1)
【文献】Samsung,"Overview of V2X features and specification impact",3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #82 R1-154190,[online],2015年08月15日,pages 1-3,[retrieved on 2021-05-28], <URL: https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_82/Docs/R1-154190.zip>
【文献】General Motors,"V2X deployment scenarios and modelling",3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #82 R1-154492,[online],2015年08月30日,pages 1-2,[retrieved on 2021-05-28], <URL: https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_82/Docs/R1-154492.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルラー通信ネットワークで使用される基地局装置であって、
少なくとも1つの無線トランシーバと、
プロセッサと、を有し、
前記プロセッサは、
Vehicle-to-Everything(V2X)サービスに関する第1の情報を前記少なくとも1つの無線トランシーバを介して第1の無線端末にブロードキャストし、
前記第1の情報を受信した前記第1の無線端末から送信された第2の情報を受信した後に、前記V2Xサービスのためのリソース割り当てを行い、
前記第1の情報は、前記V2Xサービスが利用可能なエリアであるV2Xサービスエリアのリストと、前記V2Xサービスエリアごとの無線リソースプールと、を含む、
基地局装置。
【請求項2】
前記第1の情報は、前記基地局装置を含むサービングネットワークによって前記V2Xサービスがサポートされていることを示す、
請求項1に記載の基地局装置。
【請求項3】
前記無線リソースプールは、前記第1の無線端末による自動的なリソース選択のために使用される、
請求項1又は2に記載の基地局装置。
【請求項4】
前記第1の情報は、第1のV2Xサービスエリアに関連する第1の無線リソースプールと、第2のV2Xサービスエリアに関連する第2の無線リソースプールと、を含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記第1の無線端末を含む複数の無線端末が、前記基地局装置が提供するセルにおいて前記第1の情報を受信できるように、前記第1の情報をブロードキャストするように構成される、
請求項1~4のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、セルラー通信に用いられる第1の搬送波周波数帯域と前記V2Xサービスに用いられる第2の搬送波周波数帯域の両方で前記第1の情報を送信するように構成される、
請求項1~5のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項7】
前記第1の情報は、(a)前記V2Xサービスが利用可能であること、(b)前記V2Xサービスに使用される搬送波周波数帯域、(c)前記V2Xサービスに使用される前記搬送波周波数帯域の測定設定、(d)サポートされるV2Xサービスのタイプ、及び(e)前記V2Xサービスのために無線端末に許可される送信パワー、のうち少なくとも1つを示す、
請求項1~6のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項8】
前記無線リソースプールは、前記V2Xサービスに含まれるV2Xサービスのタイプごとの無線リソースプール、無線端末のV2X動作モードごとの無線リソースプール、V2Xサービスエリアごとの無線リソースプール、無線端末のデバイス・タイプごとの無線リソースプール、又は事前設定されたカテゴリごとの無線リソースプールを含む、
請求項1~7のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項9】
前記第2の情報は、(a)前記第1の無線端末が前記V2Xサービスに関心があること、(b)前記第1の無線端末が前記V2Xサービスの利用を希望すること、(c)前記第1の無線端末が前記V2Xサービスのためにサポートしている周波数帯域、(d)前記第1の無線端末が前記V2Xサービスのために使用できる周波数帯域、(e)前記第1の無線端末が関心のあるV2Xサービス・タイプ、及び(f)前記第1の無線端末のデバイス・タイプ、のうち少なくとも1つを示す、
請求項1~8のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項10】
前記第2の情報は、前記第1の無線端末がRoad Side Unit(RSU)であるか否かを示す、
請求項1~9のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記第1の無線端末に関するハンドオーバ要求をターゲット基地局に送信するよう構成され、
前記ハンドオーバ要求は、前記第1の無線端末が前記V2Xサービスに関心があること、
前記第1の無線端末が前記V2Xサービスの利用を許可されていること、前記第1の無線端末が前記V2Xサービスのために認証済みであること、又は前記第1の無線端末が前記V2Xサービスのために承認済みであること、のうち少なくとも1つを示す、
請求項1~10のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項12】
セルラー通信ネットワークで使用される基地局装置における方法であって、
前記基地局装置を含むサービングネットワークによってVehicle-to-Everything(V2X)サービスに関する第1の情報を第1の無線端末にブロードキャストすること、及び
前記第1の情報を受信した前記第1の無線端末から送信された第2の情報を受信した後に、前記V2Xサービスのためのリソース割り当てを行うこと、を備え、
前記第1の情報は、前記V2Xサービスが利用可能なエリアであるV2Xサービスエリアのリストと、前記V2Xサービスエリアごとの無線リソースプールと、を含む、
方法。
【請求項13】
少なくとも1つの無線トランシーバと、
プロセッサと、を有し、
前記プロセッサは、
サービングネットワークによってVehicle-to-Everything(V2X)サービスに関する第1の情報を前記サービングネットワークから前記少なくとも1つの無線トランシーバを介して受信し、
前記第1の情報の受信に応答して第2の情報を前記サービングネットワークに送信し、
前記第2の情報の送信後に、前記V2Xサービスのためのリソースの割り当てを示す第3の情報を前記サービングネットワークから受信し、
前記第3の情報に従ってV2X通信を行い、
前記第1の情報は、前記V2Xサービスが利用可能なエリアであるV2Xサービスエリアのリストと、前記V2Xサービスエリアごとの無線リソースプールと、を含む、
無線端末。
【請求項14】
無線端末における方法であって、
サービングネットワークによってVehicle-to-Everything(V2X)サービスに関する第1の情報を前記サービングネットワークから受信すること、
前記第1の情報の受信に応答して第2の情報を前記サービングネットワークに送信すること、
前記第2の情報の送信後に、前記V2Xサービスのためのリソースの割り当てを示す第3の情報を前記サービングネットワークから受信すること、及び
前記第3の情報に従ってV2X通信を行うこと、を備え、
前記第1の情報は、前記V2Xサービスが利用可能なエリアであるV2Xサービスエリアのリストと、前記V2Xサービスエリアごとの無線リソースプールと、を含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信システムに関し、特にV2Xサービスに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1は、Long Term Evolution(LTE)ベースのVehicle-to-Everything(V2X)サービスに関するユースケース(use cases)及び潜在的な要件(potential requirements)について記載している。V2Xは、車両に関する通信(vehicular communications)を意味し、Vehicle-to-Vehicle(V2V)通信、Vehicle-to-Infrastructure(V2I)通信、及びVehicle-to-Pedestrian(V2P)通信を含む。V2V通信又はV2Vサービスは、車両に搭載され且つV2V applicationを使用するUser Equipments(UEs)の間の通信又はサービスである。V2I通信又はV2Iサービスは、双方がV2I applicationを使用するUEとRoad Side Unit(RSU)との間の通信又はサービスを意味する。特に断らないかぎり、V2I通信は、Infrastructures-to-Vehicle(I2V)通信を含む。また、ここでのUEは、車両UEのみでなく、歩行者のUEを含む。RSUは、ロードサイドに設置されるエンティティであり、V2Iアプリケーションを使用する車両UEとの送受信を含むV2Iサービスをサポートする。RSUは、LTE等の基地局(つまり、Evolved Node B(eNB))又は据え付けのUE(stationary UE)に実装される。V2P通信又はV2Pサービスは、双方がV2I applicationを使用する車両UEと歩行者のUEとの間の通信又はサービスを意味する。V2P通信は、RSUを介して行われてもよく、V2I2P通信又はP2I2V通信と呼ばれることもある。
【0003】
非特許文献1に記載されたV2Iサービスに関する幾つかのユースケースを紹介する。非特許文献1は、セクション5.6 V2I Emergency Stop Use Caseにおいて、車両とRSUが共にProse-enabled UEを実装しており、車両とRSUがProximity-based services (Prose)通信を行う構成を記載している。ProSe通信は、device-to-device(D2D)通信の一例であり、近接する2以上のProSe-enabled UEsの間の直接通信(direct communication)を含む。当該ユースケースでは、車両Aは、例えば緊急停止(emergency stop)などのイベントを示すメッセージをサービスRSUに送信する。サービスRSUは、車両Aから当該メッセージを受信し、当該メッセージを周囲の車両にリレーする。サービスRSUの送信レンジ内に位置する全ての車両は、当該メッセージを受信することができる。
【0004】
非特許文献1のセクション5.14 V2X Road safety service via infrastructureに記載されたユースケースでは、RSU Cは、自身が管理するエリア内でアクシデントが発生したことを検出し、アクシデントの発生を遠隔のサーバ(Traffic Safety Server(TSS)又はIntelligent Transport Systems(ITS)サーバ)に通知するとともに、当該情報のエリア内への送信を開始する。サーバは、RSU Cが管理するエリア内でアクシデントが発生したことをRSU Cの近くのRSUsに知らせる。近くのRSUsは、RSU Cによって示されたエリア内でアクシデントが発生したことを示すV2Xメッセージの送信を開始する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】3GPP S1-151330 “3GPP TR 22.885 V0.2.0 Study on LTE Support for V2X Services (Release 14)”, 2015年4月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
非特許文献1は、V2Xサービスを開始するための具体的な手順を示していない。すなわち、車両UE、歩行者UE、又はUE機能を有するRSU等のV2Xサービスを使用するUEに対してV2Xサービスのためのプロビジョニングを行う手順が明らかではない。
【0007】
本明細書に開示される実施形態が達成しようとする目的の1つは、V2Xサービスを使用する無線端末に対してV2Xサービスのためのプロビジョニングを行う手順の実現に寄与する装置、方法、及びプログラムを提供することである。なお、この目的は、本明細書に開示される実施形態が達成しようとする複数の目的の1つに過ぎないことに留意されるべきである。その他の目的又は課題と新規な特徴は、本明細書の記述又は添付図面から明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様では、基地局装置は、少なくとも1つの無線トランシーバ及び少なくとも1つのプロセッサを含む。前記少なくとも1つのプロセッサは、前記基地局装置を含むサービングネットワークによってVehicle-to-Everything(V2X)サービスがサポートされていることを示すV2Xサポート情報を前記少なくとも1つの無線トランシーバを介して送信し、前記V2Xサポート情報を受信した第1の無線端末から送信されたV2X端末情報の受信に応答してV2X設定を前記第1の無線端末に送信するよう構成されている。
【0009】
第2の態様では、基地局装置における方法は、(a)前記基地局装置を含むサービングネットワークによってVehicle-to-Everything(V2X)サービスがサポートされていることを示すV2Xサポート情報を送信すること、及び(b)前記V2Xサポート情報を受信した第1の無線端末から送信されたV2X端末情報の受信に応答してV2X設定を前記第1の無線端末に送信すること、を含む。
【0010】
第3の態様では、無線端末は、少なくとも1つの無線トランシーバ及び少なくとも1つのプロセッサを含む。前記少なくとも1つのプロセッサは、サービングネットワークによってVehicle-to-Everything(V2X)サービスがサポートされていることを示すV2Xサポート情報を前記サービングネットワークから前記少なくとも1つの無線トランシーバを介して受信し、前記V2Xサポート情報の受信に応答して前記V2Xサービスに関心があることを示すV2X端末情報を前記サービングネットワークに送信し、前記V2X端末情報の送信に応答して前記サービングネットワークから送信されるV2X設定を受信し、前記V2X設定に従ってV2X通信を行うよう構成されている。
【0011】
第4の態様では、無線端末における方法は、(a)サービングネットワークによってVehicle-to-Everything(V2X)サービスがサポートされていることを示すV2Xサポート情報を前記サービングネットワークから受信すること、(b)前記V2Xサポート情報の受信に応答して前記V2Xサービスに関心があることを示すV2X端末情報を前記サービングネットワークに送信すること、及び(c)前記V2X端末情報の送信に応答して前記サービングネットワークから送信されるV2X設定を受信し、前記V2X設定に従ってV2X通信を行うこと、を含む。
【0012】
第5の態様では、セルラー通信ネットワークは、1つ以上の基地局、及び制御エンティティを含む。前記1つ以上の基地局は、記セルラー通信ネットワークによってVehicle-to-Everything(V2X)サービスがサポートされていることを示すV2Xサポート情報を送信するよう構成されている。前記制御エンティティは、前記V2Xサポート情報を受信した第1の無線端末から送信されたV2X端末情報を受信したことに応答して、V2X設定を前記1つ以上の基地局を介して前記第1の無線端末に送信するよう構成されている。
【0013】
第6の態様では、セルラー通信ネットワークにおける方法は、(a)前記セルラー通信ネットワークによってVehicle-to-Everything(V2X)サービスがサポートされていることを示すV2Xサポート情報を基地局から送信すること、(b)前記V2Xサポート情報を受信した第1の無線端末から送信されたV2X端末情報を前記1つ以上の基地局を介して受信したことに応答して、V2X設定を前記1つ以上の基地局を介して前記第1の無線端末に制御エンティティから送信すること、を含む。
【0014】
第7の態様では、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、上述の第2又は第4の態様に係る方法をコンピュータに行わせるための命令群(ソフトウェアコード)を含む。
【発明の効果】
【0015】
上述の態様によれば、V2Xサービスを使用する無線端末に対してV2Xサービスのためのプロビジョニングを行う手順の実現に寄与する装置、方法、及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
図2】実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
図3】実施形態に係る無線通信システムのアーキテクチャ/配置(deployments)の例を示す図である。
図4】実施形態に係るV2Xサービスのためのプロビジョニング手順の一例を示すシーケンス図である。
図5】実施形態に係るハンドオーバ手順の一例を示すシーケンス図である。
図6】実施形態に係る無線通信システムにおけるメッセージ転送の第1の例を示す図である。
図7】実施形態に係る無線通信システムにおけるメッセージ転送の第2の例を示す図である。
図8】実施形態に係る無線通信システムにおけるメッセージ転送の第3の例を示す図である。
図9】実施形態に係る無線通信システムにおけるメッセージ転送の第4の例を示す図である。
図10】実施形態に係るRSU及び基地局の構成例を示すブロック図である。
図11】実施形態に係るRSU及び無線端末の構成例を示すブロック図である。
図12】実施形態に係るサーバ及びV2Xコントローラの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0018】
以下に示される実施形態は、LTE及びSAE(System Architecture Evolution)を収容するEvolved Packet System(EPS)を主な対象として説明される。しかしながら、これらの実施形態は、EPSに限定されるものではなく、他のモバイル通信ネットワーク又はシステム、例えば3GPP(登録商標) UMTS、3GPP2 CDMA2000システム(1xRTT, HRPD (High Rate Packet Data))、global system for mobile communications(GSM(登録商標))/ General packet radio service(GPRS)システム、及びWiMAXシステム等に適用されてもよい。
【0019】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態を含むいくつかの実施形態に係る無線通信システムの構成例を示している。無線端末(UE)100~102は、車両に搭載される。車両UE100~102は、車載処理ユニット(例えば、カーナビゲーションシステム)内に実装されてもよい。車両UE100~102は、V2IサービスをサポートするためにV2I アプリケーションを実行する。UE100~102は、他のV2Xサービス、つまりV2Vサービス若しくはV2Pサービス又はこれら両方をサポートしてもよい。
【0020】
RSU120及び121は、ロードサイドに設置される。図1の例では、RSU120は、交差点110の近くに設置される。RSU120及び121は、限定されないが例えば、Prose-enabled UEをそれぞれ実装しており、V2Iサービスを提供するために車両UE100~102とProSe通信を行ってもよい。なお、RSU120及び121は、ProSe UE-to-Network Relay(i.e., Relay UE)として動作してもよい。ProSe UE-to-Network Relayは、主にカバレッジ外のUE(remote UE)とネットワークとの間でトラフィック(ダウンリンク及びアップリンク)を中継する。RSU120及び121は、無線コネクションを介してセルラー通信ネットワーク内の基地局(eNB)130と通信し、eNB130を介してサーバ140(e.g., ITSサーバ又はTSS)とさらに通信する。
【0021】
なお、既に説明したように、3GPP Release 12に規定されたProximity-based services(ProSe)は、D2D通信の一例である。D2D通信は、直接通信(Direct Communication)および直接ディスカバリ(Direct Discovery)の少なくとも一方を含む。3GPP Release 12では、直接通信または直接ディスカバリに用いられるUE間の無線リンクは、PC5インタフェース又はサイドリンク(Sidelink)と呼ばれる。したがって、ProSeは、少なくともSidelinkを使用した通信(又はサービス)の総称であると言うことができる。図1の例では、UE又はRelay UE として動作するRSU120及びUE100又は101の間の通信、並びに2以上のUE間の通信は、サイドリンクを使用してもよい。なお、3GPP Release 12では、サイドリンク送信は、アップリンク及びダウンリンクのために定義されたLong Term Evolution(LTE)フレーム構造と同じフレーム構造を使用し、周波数および時間ドメインにおいてアップリンク・リソースのサブセットを使用する。3GPP Release 12では、UEは、アップリンクと同様のシングルキャリア周波数分割多重(Single Carrier Frequency Division Multiple Access(SC-FDMA))を使用してサイドリンク送信を行う。
【0022】
サーバ140は、V2XサービスをサポートするUE100~102並びにRSU120及び121と通信する。より具体的に述べると、サーバ140は、基地局130を含むセルラー通信ネットワークを介して、UE100~102並びにRSU120及び121の各々において実行されるV2Xアプリケーションとアプリケーションレイヤ(アプリケーションレベル)で通信する。言い換えると、UE100~102とサーバ140の間の参照点(reference point)は、セルラー通信ネットワークのユーザープレーンに依存してもよく、UE100~102とサーバ140の間のシグナリング及びデータは当該ユーザープレーン上で転送されてもよい。同様に、RSU120及び121とサーバ140の間の参照点は、セルラー通信ネットワークのユーザープレーンに依存してもよい。
【0023】
サーバ140は、ITSサーバ又はTSSであってもよい。例えば、サーバ140は、何らかのアクシデントの発生を示す報告情報をRSU120から受信したことに応答して、RSU120が管理するエリア内でアクシデントが発生したことをRSU120の近くのRSUs(e.g., RSU121)に知らせてもよい。
【0024】
さらに、いくつかの実装において、セルラー通信ネットワークによって提供されるV2Xサービスを利用するために、UE100~102は、基地局130(及びコアネットワーク)を介してV2Xコントローラ150と通信してもよい。さらに、UEとして動作するRSU120及び121も、基地局130(及びコアネットワーク)を介してV2Xコントローラ150と通信してもよい。
【0025】
V2Xコントローラ150は、V2Xサービスのために必要なセルラー通信ネットワーク(i.e., Public Land Mobile Network (PLMN))に関連した動作に用いられる論理的な機能(logical function)を提供する。例えば、V2Xコントローラ150は、V2XサービスのためのUE100~102の認証または承認を行ってもよい。V2Xコントローラ150は、UEとして動作するRSU120及び121の認証または承認を行ってもよい。V2Xコントローラ150は、V2X functionエンティティと呼ばれてもよい。
【0026】
UE100~102(並びにRSU120及び121)とサーバ140との間の参照点(reference point)又はインタフェースは、セルラー通信ネットワークのユーザープレーンに依存してもよく、UE100~102(並びにRSU120及び121)とサーバ140との間のシグナリング及びデータは当該ユーザープレーン上で転送されてもよい。
【0027】
図2は、第1の実施形態を含むいくつかの実施形態に係る無線通信システムの他の構成例を示している。図2の例では、RSU220及び221の各々は、基地局(eNB)として動作する。
【0028】
図1及び図2の構成において、UE100~102の一部又は全ては、歩行者のUEであってもよい。さらに、図1及び図2の構成において、サーバ140は、eNB130又はeNBとして動作するRSU220若しくは221と共に同一サイト内にコロケートされてもよい。このようなサーバは、Mobile Edge Computing(MEC)サーバと呼ばれる。これに代えて、サーバ140は、eNB130(又はRSU220若しくは221)のサイトから地理的に離れた遠隔のサイトに配置され、セルラー通信ネットワーク内の1又は複数のエンティティ(e.g., Mobility Management Entity、Packet Data Network Gateway(P-GW)、及びServing Gateway(S-GW))を介してeNB130と通信してもよい。
【0029】
図3は、第1の実施形態を含むいくつかの実施形態に係る無線通信システムのアーキテクチャ/配置(deployments)の例を示す図である。図1及び図2を参照して説明したように、ある実装においてRSU120及び121はUEの機能を有し、他の実装においてRSU220はeNBの機能を有する。すなわち、いくつかの実装において、V2XサービスをサポートするUE(e.g., UE100)は、UEとして動作するRSU120及びeNB130を通る経路361を介してサーバ140と通信することができる。さらに又はこれに代えて、いくつかの実装において、図3の経路362に示されるように、UE(e.g., UE100)は、RSU120を介さずにeNB130と直接的に接続し、サーバ140と通信することができる。さらに又はこれに代えて、いくつかの実装において、図3の経路363に示されるように、UE(e.g., UE100)は、eNBとして動作するRSU220に接続し、RSU220を介してサーバ140と通信することができる。
【0030】
UEとして動作するRSU120とeNB130の間の通信351は、V2Xサービスために確保された個別の(dedicated)搬送波周波数帯域f1を使用してもよい。これに代えて、通信351は、いずれのオペレータにもライセンスされていない又は複数のオペレータによって共用される共用周波数帯域(Shared frequency band、Shared spectrum)f2を使用してもよい。このような共用周波数を使用した通信は、Licensed Shared Access (LSA)とも呼ばれる。これに代えて、通信351は、セルラー通信ネットワークのオペレータにライセンスされた搬送波周波数帯域f3を使用してもよい。通信351と同様に、UE100とRSU(UE)120の間の通信352、UE100とeNB130の間の通信353、及びUE100とeNBとして動作するRSU220の間の通信354も、上述した周波数帯域f1、f2、及びf3のいずれを使用してもよい。さらに、UE間の通信(図示なし)も、上述した周波数帯域f1、f2、及びf3のいずれを使用してもよい。
【0031】
続いて以下では、V2Xサービスのプロビジョニング手順について説明する。図4は、プロビジョニング手順の一例である処理400を示すシーケンス図である。ネットワーク410は、図1の構成例では少なくともeNB130を含み、図2の構成例では少なくともeNBとして動作するRSU220を含む。ネットワーク410は、さらに、V2Xコントローラ150を含んでもよい。
【0032】
ステップ401では、ネットワーク410は、eNB130を含むサービングネットワーク(セルラー通信ネットワーク)によってV2Xサービスがサポートされていることを示すV2Xサポート情報(V2X Support Information)を送信する。V2Xサポート情報は、eNB130又はeNBとして動作するRSU220によって送信される。さらに、V2Xサポート情報は、UEとして動作するRSUによって送信されてもよい。この場合、RSUは、eNB130から受信したV2Xサポート情報の一部又は全てをブロードキャストしてもよいし、グループキャストしてもよい。
【0033】
V2Xサポート情報は、(a)V2Xサービスが利用できること、(b)V2Xサービスに使用される搬送波周波数帯域、(c)V2Xサービスに使用される搬送波周波数帯域の測定設定(measurement configuration)、(d)サポートされるV2Xサービスのタイプ(e.g., V2V、V2I、V2P)、及び(e)V2Xサービスのために無線端末に許可される送信パワー、のうち少なくとも1つを示してもよい。なお、(a)V2Xサービスが利用できること、は当該V2Xサポート情報が送信されることにより暗示的に示されてもよい。また、(b)V2Xサービスに使用される搬送波周波数帯域と共に、V2Xサービスが提供されるネットワーク識別子(e.g., PLMN identity list)またはエリア識別子(e.g., V2X area list)が送信されてもよい。
【0034】
さらに又はこれに代えて、V2Xサポート情報は、各UEによるV2Xサービスのための自発的なリソース選択(autonomous resource selection)に使用される無線リソースプールを示してもよい。当該無線リソースプールは、V2Xサービスに含まれる1又は複数のV2Xサービスのタイプ毎(e.g., V2V、V2I、V2P)、UEとして動作するRSUのV2X動作モード(e.g., リレーモード、ダイレクトモード)毎、V2Xサービスエリア毎、UEのデバイス・タイプ毎(e.g., RSU、Vehicle、Pedestrian)、又は事前設定されたカテゴリ毎(e.g., スピード、(移動)走行方向、車線)の無線リソースプールを含んでもよい。当該無線リソースプールは、V2Xサービスが行われる搬送波周波数帯域毎に設定されてもよい。
【0035】
さらに又はこれに代えて、V2Xサポート情報は、V2Xのための同期設定を含んでもよい。
【0036】
eNB130又はRSU(eNB)220は、少なくともアイドル状態(e.g., RRC_IDLE)の複数のUEがV2Xサポート情報を受信できるように、eNB130又はRSU(eNB)220によって提供されるセル内においてV2Xサポート情報をブロードキャストしてもよい。eNB130又はRSU(eNB)220は、System Information Block(SIB)を運ぶブロードキャスト制御チャネル(Broadcast Control Channel(BCCH))上でV2Xサポート情報を送信してもよい。
【0037】
eNB130又はRSU(eNB)220は、セルラー通信に使用される第1の搬送波周波数帯域(e.g., セルラーオペレータにライセンスされた周波数帯域f3)とV2Xサービスに使用される第2の搬送波周波数帯域(e.g., V2Xのための個別周波数帯域f1)の両方でV2Xサポート情報を送信してもよい。いくつかの実装において、V2Xサポート情報がこれら2つの周波数帯域の両方で送信される場合、一方の周波数帯域(e.g., セルラーオペレータにライセンスされた周波数帯域f3)で送信される情報が他方の周波数帯域(e.g., V2Xのための個別周波数帯域f1)で送信される情報よりも優先されてもよい。
【0038】
いくつかの実装において、UE100がセルラー通信ネットワークのカバレッジ外(out-of-coverage)にいる場合、UE100は、V2Xのための個別周波数帯域f1で送信されるV2Xサポート情報を使用してもよい。例えば、RSU(UE)120が、eNB130から送信されるV2Xサポート情報を受信し、当該V2Xサポート情報(の少なくとも一部)をV2Xサービスための個別周波数帯域f1でブロードキャスト又はグループキャストしてもよいし、UE100へ転送(中継)してもよい。あるいは、UE100は、予め格納された設定(e.g., 予め設定されたV2X用の無線リソース)を使用してもよい。
【0039】
図4のステップ402では、UE100又はRSU120は、V2Xサポート情報の受信に応答して、V2Xサービスに関心があることを示すV2X端末情報、つまりV2X UE情報(V2X UE Information)をネットワーク410に送信する。
【0040】
V2X UE情報は、(a)UE100又はRSU120がV2Xサービスに関心があること、(b)UE100又はRSU120がV2Xサービスの利用を希望すること、(c)UE100又はRSU120がV2Xサービスのためにサポートしている周波数帯域、(d)UE100又はRSU120が記V2Xサービスのために使用できる周波数帯域、(e)UE100又はRSU120が関心のあるV2Xサービス・タイプ(e.g., V2V、V2I、V2P)、及び(f)UE100又はRSU120のデバイス・タイプ(e.g., RSU、Vehicle、Pedestrian)、のうち少なくとも1つを示してもよい。
【0041】
さらに又はこれに代えて、V2X UE情報は、RSU表示(RSU indication)を含んでもよい。RSU表示は、送信元UEがRSUであるか否かを示す。さらにRSU表示は、RSUのタイプを含んでもよい。RSUのタイプは、RSUが設置される道路の種別(e.g., 上り車線、下り車線、高架下、高架上、地上、地下、一般道路、又は高速道路)を示してもよい。なお、RSU表示は、Mobility Management Entity(MME)からeNB(i.e., eNB130又はRSU (eNB)220)に、E-RAB SETUP REQUESTメッセージ又はINITIAL CONTEXT SETUP REQUESTメッセージを用いて送信されてもよい。
【0042】
なお、V2X UE情報は、eNB130又はRSU(eNB)220との制御コネクション(e.g., Radio Resource Control (RRC) Connection)の確立手順において送信されてもよい。例えば、UE100又はRSU120は、RRCコネクション確立手順において、RRC Connection Setup Completeメッセージ、又はUE capability Signalingを用いてV2X UE情報を送信してもよい。なお、RSU(UE)120がV2X UE情報(e.g., RSU表示)を送信する場合、eNB130はS1APのINITIAL UE MESSAGEメッセージ又はE-RAB SETUP RESPONSEメッセージで、当該メッセージがRSUに関するものであることを示す情報(e.g., RSU Indicator)をMMEに送信してもよい。
【0043】
図4のステップ403では、ネットワーク410(e.g., eNB130、RSU220、又はV2Xコントローラ150)は、UE100又はRSU120からのV2X UE情報の受信に応答して、V2X設定(V2X Configuration)をUE100又はRSU120に送信する。例えば、V2X設定は、RRC Connection Reconfigurationメッセージを用いて送信されてもよい。UE100又はRSU120から送信されたV2X UE情報に基づくV2X設定の生成は、eNB130又はeNBとして動作するRSU220によって行われてもよいし、V2Xコントローラ150によって行われてもよい。UE100又はRSU120は、ネットワーク410から送信されるV2X設定を受信し、当該V2X設定に従ってV2X通信を行う。
【0044】
なお、V2X設定(V2X configuration)は、V2Xサービスために確保された個別の搬送波周波数帯域f1、LSAのための共用周波数帯域f2、及びセルラー通信ネットワークのオペレータにライセンスされた搬送波周波数帯域f3のいずれで送信されてもよい。さらに、V2X設定はRSU120から送信されてもよい。例えば、RSU(UE)120が、eNB130から送信されるV2X設定を受信し、当該V2X設定(の少なくとも一部)をV2Xサービスための個別周波数帯域f1でグループキャストしてもよいし、UE100へ転送(中継)してもよい。
【0045】
いくつかの実装において、V2X設定は、V2Xサービスのために使用される搬送波周波数帯域の測定設定を示してもよい。いくつかの実装において、V2X設定は、V2Xサービスのための無線リソース設定を含んでもよい。当該無線リソース設定は、データ無線ベアラ(Data Radio Bearer(DRB))の設定及びシグナリング無線ベアラ(Signalling Radio Bearer(SRB))の設定のいずれか又は両方を含んでもよい。DRB設定は、以下に列挙される要素のうち少なくとも1つを含んでもよい:
・Multimedia Broadcast/Multicast Service(MBMS)のためのPhysical Multicast Channel(PMCH)の設定;
・Single Cell Point to Multi-point(SC-PTM)のためのPhysical Downlink Shared Channel(PDSCH)の設定;
・Logical Channel ID(LCID);及び
・E-UTRAN Radio Access Bearer(E-RAB) identity。
【0046】
さらに又はこれに代えて、V2X設定は、UE100又はRSU120によるV2Xサービスのための自発的なリソース選択に使用される無線リソースプールを示してもよい。V2X設定は、UE100又はRSU120に対するV2Xサービスのための個別無線リソースの割り当てを示してもよい。
【0047】
例えば、ネットワーク410は、送信元UEがRSUであることを示すRSU表示を包含するV2X UE情報をRSU120から受信したことに応答して、RSUのために確保された無線リソースの割り当てを示すV2X設定をRSU120に送信してもよい。又は、ネットワーク410は、ネットワーク410の上位装置(e.g., MME)から下位装置(e.g., eNB)へ対象UEがRSUであることを示す通知を受信したことに応答して、RSUのために確保された無線リソースの割り当てを示すV2X設定をRSU120に送信してもよい。これにより、ネットワーク410は、UEとして動作するRSU120を通常のUE100から区別することができ、通常のUE100に割り当てられる無線リソース(e.g., 周波数)とは異なる無線リソース(e.g., 周波数)をUEとして動作するRSU120に割り当てることができる。
【0048】
さらに又はこれに代えて、ネットワーク410は、RSU120がRSUとしてどのように動作するべきかを示すRSU設定(RSU Configuration)をRSU120に送信してもよい。RSU設定は、RRC Connection Reconfigurationメッセージで送信されてもよい。さらに、RSU設定は、V2X設定の少なくとも一部を含んでもよい。さらにまた、RSU設定は、RSU120がRelay UEとしてV2X報告メッセージをネットワーク(e.g., eNB)へ送信すべきか、又はRSU120がV2X UEとしてV2Vメッセージを受信したことに応答してネットワーク(e.g., eNB)へV2X報告メッセージを送信すべきか、を暗示的又は明示的にRSU120に示してもよい。暗示的に示す場合、RSU120は、RSU設定がRelay UEとして動作するのに必要な無線リソース設定情報(e.g. Radio Resource Configuration)を含むか否かで判定してもよい。例えば、当該無線リソース設定情報が含まれていたらRSU120はRelay UEとして動作し、当該無線リソース設定情報が含まれていなかったらRSU120はV2V UEとして動作してもよい。また、明示的に示す場合、RSU設定はRSUの動作モードを示してもよい。動作モードは、例えば、Relay UE mode、V2V UE modeなどでもよい。
【0049】
ここで、同じV2X設定(V2X configuration)が適用されるエリアは、V2Xサービスエリア(V2X Service Area (SA))として規定されてもよい。V2X SAは、V2Xサービスために確保された個別の搬送波周波数帯域f1、LSAのための共用周波数帯域f2、及びセルラー通信ネットワークのオペレータにライセンスされた搬送波周波数帯域f3のいずれにおいて定義されてもよい。例えば、セルは周波数帯域f3で定義され、V2X SAは周波数帯域f1又はf2で定義されてもよい。V2X SAは、セルとは独立に定義されてもよいし、セルと関連づけて定義されてもよい。前者の場合、ある1つのセル内に複数のV2X SAが存在してもよいし、複数のセルにまたがる(つまり、複数のセルの各々を少なくとも部分的にカバーする)1つのV2X SAが存在してもよい。後者の場合、1セルまたは複数のセルの組み合わせによって1つのV2X SAが定義されてもよい。さらに、UEが同じV2X SAに属するセル間を移動(セル再選択またはハンドオーバを実行)する場合、当該UEはV2Xサービスを中断せずに継続してもよいし、セル再選択またはハンドオーバの実行中は中断するが、これが完了するとすぐ再開してもよい。つまり、V2X SAは、V2X設定の”Valid area”と考えることができる。V2X SAの情報(e.g., V2X SA Index(ID))は、V2X設定に含まれる情報要素(IE)の1つとして送信されてもよいし、V2X設定とは別のメッセージ又はシグナリングで送信されてもよい。例えば、eNB130またはRSU(eNB)220が周波数帯域f3でV2X設定を送信し、それにV2X SAの情報が含まれてもよい。この場合、さらに、RSU(UE)120が周波数帯域f1又はf2でV2X SAの情報を送信してもよい。RSU(UE)120は、V2X SAの情報をブロードキャストまたはグループキャストしてもよいし、UE100へ転送(中継)してもよい。
【0050】
図4を参照して説明された手順によれば、UE100又はUEとして動作するRSU120がV2Xサービスを開始するために必要なプロビジョニングを行うことができる。
【0051】
<第2の実施形態>
本実施形態では、V2XサービスをサポートするUEのハンドオーバの具体例が説明される。図1に示された例において、UE100は、eNB130Sによって提供されるソースセルからeNB130Tによって提供されるターゲットセルへのハンドオーバを行ってもよい。同様に、図2に示された例において、UE100は、RSU(eNB)220によって提供されるソースセルからRSU(eNB)221によって提供されるターゲットセルへのハンドオーバを行ってもよい。
【0052】
図5は、本実施形態に係るハンドオーバ手順の一例である処理500を示すシーケンス図である。ステップ501では、UE100は、ソースeNB130S(又はRSU220)に接続し、V2Xサービス(V2X通信)を行っている。ステップ502では、UE100は、測定報告をソースeNB130S(又はRSU220)に送信する。当該測定報告は、UE100による測定値が所定のハンドオーバ・イベント条件に合致した場合に送信される。
【0053】
ステップ503では、ソースeNB130S(又はRSU220)は、測定報告に基づいてUE100のハンドオーバを決定し、V2X表示(V2X indication)を包含するハンドオーバ要求をターゲットeNB130T(又はRSU221)に送る。V2X表示は、UE100がV2Xサービスに関心があること、V2Xサービスの利用を許可されていること、V2Xサービスのために認証済みであること、及びV2Xサービスのために承認済みであること、のうち少なくとも1つを示す。
【0054】
ステップ504では、ターゲットeNB130T(又はRSU221)は、ハンドオーバ要求の受信に応答して、ハンドオーバを受け入れることを示すハンドオーバ応答(Handover Request ACK)をソースeNB130S(又はRSU220)に送る。当該ハンドオーバ応答は、ターゲットeNB130T(又はRSU221)が提供するターゲットセルに関するV2X設定を包含する。
【0055】
ステップ505では、ソースeNB130S(又はRSU220)は、ターゲットセルへのハンドオーバをUE100に指示するために、ターゲットセルに関するV2X設定を包含するハンドオーバ・コマンド(RRC Connection Reconfigurationメッセージ)を送信する。V2X設定は、ターゲットセルにおいて提供されるV2Xサービス、又はターゲットセルが包含する(又は包含される)V2Xサービスエリアの情報(e.g., V2X SA Index(ID))を含んでもよい。
【0056】
ステップ506では、ハンドオーバ・コマンド(RRC Connection Reconfigurationメッセージ)の受信に応答して、UE100は、ターゲットeNB130T(又はRSU221)への切り替えを行う。すなわち、UE100は、ターゲットeNB130T(又はRSU221)へのランダムアクセス手順を行ってターゲットセルとの同期を確立し、ハンドオーバ確認(Handover Confirm)メッセージ(RRC Connection Reconfiguration Completeメッセージ)をターゲットeNB130T(又はRSU221)に送信する。
【0057】
ステップ507では、UE100は、V2X UE情報をターゲットeNB130T(又はRSU221)に送信する。なお、UE100のV2X UE情報は、ステップ503においてソースeNB130S(又はRSU220)からターゲットeNB130T(又はRSU221)に送られてもよい。この場合、ステップ507でのV2X UE情報の送信は省略されてもよい。
【0058】
ステップ508では、UE100は、ターゲットeNB130T(又はRSU221)によって提供されるターゲットセルにおいてV2Xサービス(V2X通信)を行う。
【0059】
上述したように、本実施形態では、ソースeNB130S(又はRSU220)は、UE100に関するV2X表示(V2X indication)をターゲットeNB130T(又はRSU221)にハンドオーバ準備手順(i.e., ステップ503)において送るよう構成されている。さらに、ターゲットeNB130T(又はRSU221)は、V2X表示(V2X indication)を包含するハンドオーバ要求を受け入れる場合に、ターゲットセルのV2X設定をソースeNB130S(又はRSU220)にハンドオーバ準備手順(i.e., ステップ504)において送るよう構成されている。したがって、本実施形態に係るハンドオーバ手順によれば、UE100は、ハンドオーバ後もV2Xサービスを継続することができる。なお、UE100は、ハンドオーバを実行中もV2Xサービスを継続してもよい。例えば、ハンドオーバのターゲットセル(又はeNB130T)とソースセル(又はeNB130S)で同じV2Xサービスが提供されている場合、またはターゲットセルとソースセルが同じV2Xサービスエリア(V2X SA)に含まれる場合、UE100はV2Xサービスを継続してもよい。
【0060】
<第3の実施形態>
本実施形態では、V2Xに関するメッセージ転送のいくつかの具体例が説明される。図6は、メッセージ転送の第1の例を示している。図6の例では、RSU(UE)120は、車両UE100からの通知660の受信に応答して、通知660に基づくV2X報告情報(V2X report information)670を生成し、生成されたV2X報告情報670をeNB130を介してサーバ140に送る。
【0061】
例えば、RSU(UE)120は、通知660のコンテンツをアプリケーションレイヤで解析(又は検出)し、通知660のコンテンツを包含するV2X報告情報670を生成してもよい。RSU(UE)120は、通知660のコンテンツが所定の条件を満たす場合に(例えば、通知660のコンテンツが所定のカテゴリ、グループ、又はサービスに関する場合に)、V2X報告情報670を送信してもよい。
【0062】
これに代えて、RSU(UE)120は、通知660の送信に使用されるレイヤ2ヘッダ(e.g., Medium Access Control(MAC)ヘッダ)を用いて通知660のコンテンツタイプ(例えば、カテゴリ、グループ、又はサービス)を検出し、所定のコンテンツタイプを検出した場合にV2X報告情報670を送信してもよい。
【0063】
通知660は、例えば、UE100が搭載された車両の緊急停止(emergency stop)若しくは事故に関するメッセージ、車両の走行状況に関するメッセージ、又は周辺の道路状況(e.g., 渋滞、気象、事故、道路上の障害物)に関するメッセージであってもよいが、これらに限定されない。UE100は、V2V通信を介して他の車両(UE)から受信したV2Vメッセージ又はこれから導かれるメッセージを通知660に含めてもよい。なお、通知660はUE100から他の(不特定の)UEに対して送信されるV2Vメッセージであってもよく、RSU(UE)120は当該V2Vメッセージを通知660として受信してもよい。これに代えて、通知660はUE100からRSU(UE)120へ向けた個別メッセージ(e.g., Uu UL)であってもよく、RSU(UE)120は当該個別メッセージを通知660として受信してもよい。
【0064】
なお、RSU(UE)120は、車両UE100からの通知660の受信に依存せずに、自律的にV2X報告情報670を生成してもよい。例えばRSU(UE)120は、カメラ及び気象計などのセンサを利用して管理エリア内の道路状況(e.g., 渋滞、気象、事故、道路上の障害物)を監視し、監視結果に基づいてV2X報告情報670を生成してもよい。
【0065】
いくつかの実装において、RSU(UE)120は、V2X報告情報670をユーザプレーン(U-plane)でサーバ140に向けて送信してもよい。この場合、eNB130は、V2X報告情報670を単に(トランスペアレントに)転送してもよい。あるいは、いくつかの実装において、RSU(UE)120は、V2X報告情報670をコントロールプレーン(C-plane)で送信してもよい。この場合、eNB130は、RSU(UE)120からのV2X報告情報6700の受信に応答して、当該V2X報告情報670を含むV2X報告メッセージ(V2X report message)を生成し、生成されたV2X報告メッセージをサーバ140に送信してもよい。eNB130は、当該V2X報告メッセージをコントロールプレーン(C-plane)で送信してもよいしユーザプレーン(U-plane)で送信してもよい。
【0066】
サーバ140は、RSU(UE)120からのV2X報告情報670の受信に応答して、V2X報告情報670に基づくV2X制御メッセージ680を生成する。V2X制御メッセージ680は、例えば、道路状況(e.g., 事故又は渋滞の発生)に関する警告、又は迂回路案内を含んでもよい。サーバ140は、車両UE100~102を含む複数の車両UEがV2X制御メッセージ680を受信できるように、V2X制御メッセージ680を送信する。図6の例では、V2X制御メッセージ680は、サーバ140からeNB130を介してRSU(UE)120及び121に送信され、各RSU(UE)によって車両UE100~102に送信される。各RSUは、V2X制御メッセージ680をユニキャストで各UEに送信してもよいし、V2X制御メッセージ680を複数のUEにグループキャスト、マルチキャスト、又はブロードキャストで送信してもよい。ここで言うグループキャストは、例えば、受信側(e.g., UE)が所定のフィルタリング処理により受信すべき情報か否かを判定し、受信すべき情報である場合には当該情報を復元する通信であってもよい。所定のフィルタリングは、例えば、UEがレイヤ2ヘッダに挿入されたグループ識別子を復元して、それが受信すべきグループ識別子である否かを判定することを含んでもよい。なお、グループ識別子は、予め受信側(e.g., UE)に設定されていてもよいし、送信側(e.g., eNB、アプリケーション・サーバ)から通知されてもよい。さらに、グループ識別子は、所定のグループ(e.g., UE群)を示す情報でもよいし、V2X SA Index(ID)でもよい。
【0067】
図7に示された第2の例は、図6に示された配信経路とは異なるV2X制御メッセージ680の配信経路を示している。図7の例では、V2X制御メッセージ680は、RSU(UE)120及び121を経由せずに、eNB130から直接的に車両UE100~102に送信される。例えば、eNB130は、自身が提供するセル内に位置する複数のUEが受信できるように、V2X制御メッセージ680をブロードキャスト/マルチキャストしてもよい。
【0068】
いくつかの実装において、eNB130は、V2X制御メッセージ680をユーザプレーン(U-plane)で送信してもよい。具体的には、eNB130は、ブロードキャスト・ベアラ、マルチキャスト・ベアラ、又はPoint-to-Multipoint(PTM)ベアラを用いてV2X制御メッセージ680を送信してもよい。V2X制御メッセージ680は、MBMSデータを運ぶためのデータ無線ベアラ、つまりMBMS Radio Bearer(MRB)又はPoint-to-Multipoint (PTM)Radio Bearer上で送信されてもよい。MBMSでは、同一データ(メッセージ)が共通のMRB(又はPTM無線ベアラ)を介して複数のUEsに送信される。
【0069】
これに代えて、いくつかの実装において、eNB130は、V2X制御メッセージ680をコントロールプレーン(C-plane)で送信してもよい。eNB130は、System Information Block(SIB)を運ぶブロードキャスト制御チャネル(Broadcast Control Channel(BCCH))上でV2X制御メッセージ680を送信してもよい。例えば、LTE/Evolved Packet System(EPS)におけるCBSのためのPublic Warning System(PWS)が利用されてもよい。3GPPは、PWSとして、日本で用いられるEarthquake and Tsunami Warning System(ETWS)、北米で用いられるCommercial Mobile Alert System(CMAS)、韓国で用いられるKorean Public Alert System(KPAS)、及びヨーロッパ諸国で用いられるEU-ALERTを規格化している。PWSでは、警報メッセージ(Primary Notification及びSecondary Notification)がSIB 10及びSIB 11において送信される。なお、V2X制御メッセージ680がC-planeで送信される場合、サーバ140からMMEを介してeNB130に送信されてもよい。この場合、WRITE-REPLACE WARNING REQUESTメッセージにて、V2X制御メッセージが送信されてもよい。
【0070】
図8は、メッセージ転送の第3の例を示している。図8の例では、RSU120及び121は、ProSe UE-to-Network Relay(i.e., Relay UE)として動作する。ProSe UE-to-Network Relay(Relay UE)として動作するRSU120及び121は、車両UE100(ProSe Remote UE)のアプリケーションレイヤを終端せずに透過する。したがって、図8の例では、RSU100は、車両UE100から受信したアプリケーションレイヤのV2X報告情報870をeNB130に転送する。つまり、車両UE100からのV2X報告情報870は、Relay UEとしてのRSU120及びeNB130によって中継され、最終的にサーバ140に到達する。サーバ140は、V2X報告情報870の受信に応答して、V2X制御メッセージ880を生成し、これを複数のUE100~102に送信する。V2X制御メッセージ880は、eNB130及びRSU120または121を経由して、複数のUE100~102に送信されてもよい。あるいは、図7を参照して説明した第2の例と同様に、V2X制御メッセージ880は、RSU10及び121を経由せずに、eNB130から複数のUE100~102に直接的に送信されてもよい。
【0071】
図9は、メッセージ転送の第4の例を示している。図9の例では、RSU220及び221の各々は、基地局(eNB)として動作する。RSU(eNB)220は、車両UE100からの通知960の受信に応答して、通知960に基づくV2X報告情報970を生成し、生成されたV2X報告情報970をサーバ140に送る。ここで、通知960は、UE100からRSU(eNB)への個別メッセージ(e.g., Uu UL)でもよいし、V2Vメッセージでもよい。また、RSU(eNB)220は、V2X報告情報970をコントロールプレーン(C-plane)で送信してもよいしユーザプレーン(U-plane)で送信してもよい。
【0072】
サーバ140は、RSU(eNB)220からのV2X報告情報970の受信に応答して、V2X報告情報970に基づくV2X制御メッセージ980を生成する。図6及び図7の例と同様に、サーバ140は、車両UE100~102を含む複数の車両UEがV2X制御メッセージ980を受信できるように、V2X制御メッセージ980を送信する。ただし、図9の例では、V2X制御メッセージ980は、サーバ140からRSU(eNB)220及び221に送信され、各RSU(eNB)によって車両UE100~102に送信される。RSU(eNB)220及び221は、図7に示されたeNB130と同様に、V2X制御メッセージ980をU-planeで送信してもよいしC-planeで送信してもよい。
【0073】
図6図9は、V2X制御メッセージ680、880、及び980が複数の車両UE100~102によって受信される例を示した。しかしながら、V2X制御メッセージ680、880、及び980は、歩行者(歩行者のUE)によって受信されてもよい。また、V2X制御メッセージを車両UEが受信すべき情報と、歩行者UEが受信すべき情報を含み、それぞれのUEがフィルタリングを行って受信すべき情報を抽出するようにしてもよい。さらに、車両UE向けと歩行者UE向けの異なるV2X制御メッセージは、それぞれ異なる送信形態(e.g., U-plane, C-plane)で送信されてもよい。
【0074】
なお、図6図9に示された複数のメッセージ転送の例は、適宜組み合わせて試用されてもよい。すなわち、車両UE100からサーバ140へのメッセージの転送のために、図3に示された3つの経路361、362、及び363のいずれが使用されてもよい。同様に、サーバ140から車両UE100へのメッセージ転送のために、図3に示された3つの経路361、362、及び363のいずれが使用されてもよい。
【0075】
図6に示されたRSU(UE)120及びeNB130と図9に示されたRSU(eNB)220が一緒に使用される場合、eNB130は、V2X報告情報670を基地局間インタフェース(e.g., X2インタフェース)を介してRSU(eNB)220に転送してもよい。また、eNB130は、V2X制御メッセージ680を基地局間インタフェース(e.g., X2インタフェース)を介してRSU(eNB)220に転送してもよい。
【0076】
続いて以下では、上述の複数の実施形態で説明されたUE100~102、RSU120及び220、eNB130、サーバ140、並びにV2Xコントローラ150の構成例について説明する。図10は、eNB130の構成例を示すブロック図である。eNBとして動作するRSU220も図10の構成と同様の構成を有してもよい。図10を参照すると、eNB130は、RFトランシーバ1001、ネットワークインターフェース1003、プロセッサ1004、及びメモリ1005を含む。RFトランシーバ1001は、UEsと通信するためにアナログRF信号処理を行う。RFトランシーバ1001は、複数のトランシーバを含んでもよい。RFトランシーバ1001は、アンテナ1002及びプロセッサ1004と結合される。RFトランシーバ1001は、変調シンボルデータ(又はOFDMシンボルデータ)をプロセッサ1004から受信し、送信RF信号を生成し、送信RF信号をアンテナ1002に供給する。また、RFトランシーバ1001は、アンテナ1002によって受信された受信RF信号に基づいてベースバンド受信信号を生成し、これをプロセッサ1004に供給する。
【0077】
ネットワークインターフェース1003は、ネットワークノード(e.g., 他のeNBs、Mobility Management Entity (MME)、Serving Gateway(S-GW)、及びTSS又はITSサーバ)と通信するために使用される。ネットワークインターフェース1003は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインターフェースカード(NIC)を含んでもよい。
【0078】
プロセッサ1004は、無線通信のためのデジタルベースバンド信号処理を含むデータプレーン処理とコントロールプレーン処理を行う。例えば、LTEおよびLTE-Advancedの場合、プロセッサ1004によるデジタルベースバンド信号処理は、PDCPレイヤ、RLCレイヤ、MACレイヤ、およびPHYレイヤの信号処理を含んでもよい。さらに、プロセッサ1004による信号処理は、X2-Uインタフェース及びS1-UインタフェースでのGTP-U・UDP/IPレイヤの信号処理を含んでもよい。また、プロセッサ1004によるコントロールプレーン処理は、X2APプロトコル、S1-MMEプロトコルおよびRRCプロトコルの処理を含んでもよい。
【0079】
プロセッサ1004は、複数のプロセッサを含んでもよい。例えば、プロセッサ1004は、デジタルベースバンド信号処理を行うモデム・プロセッサ(e.g., DSP)、X2-Uインタフェース及びS1-UインタフェースでのGTP-U・UDP/IPレイヤの信号処理を行うプロセッサ(e.g., DSP)、及びコントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサ(e.g., CPU又はMPU)を含んでもよい。
【0080】
メモリ1005は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ1005は、物理的に独立した複数のメモリデバイスを含んでもよい。揮発性メモリは、例えば、Static Random Access Memory(SRAM)若しくはDynamic RAM(DRAM)又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、マスクRead Only Memory(MROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの任意の組合せである。メモリ1005は、プロセッサ1004から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1004は、ネットワークインターフェース1003又は図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ1005にアクセスしてもよい。
【0081】
メモリ1005は、上述の複数の実施形態で説明されたeNB130による処理を行うための命令群およびデータを含むソフトウェアモジュール(コンピュータプログラム)を格納してもよい。いくつかの実装において、プロセッサ1004は、当該ソフトウェアモジュールをメモリ1005から読み出して実行することで、上述の実施形態で説明されたeNB130の処理を行うよう構成されてもよい。
【0082】
図11は、UE(又はRelay UE)として動作するRSU120の構成例を示すブロック図である。UE101~102も、図11の構成と同様の構成を有してもよい。Radio Frequency(RF)トランシーバ1101は、eNB130と通信するためにアナログRF信号処理を行う。RFトランシーバ1101により行われるアナログRF信号処理は、周波数アップコンバージョン、周波数ダウンコンバージョン、及び増幅を含む。RFトランシーバ1101は、アンテナ1102及びベースバンドプロセッサ1103と結合される。すなわち、RFトランシーバ1101は、変調シンボルデータ(又はOFDMシンボルデータ)をベースバンドプロセッサ1103から受信し、送信RF信号を生成し、送信RF信号をアンテナ1102に供給する。また、RFトランシーバ1101は、アンテナ1102によって受信された受信RF信号に基づいてベースバンド受信信号を生成し、これをベースバンドプロセッサ1103に供給する。
【0083】
ベースバンドプロセッサ1103は、無線通信のためのデジタルベースバンド信号処理(データプレーン処理)とコントロールプレーン処理を行う。デジタルベースバンド信号処理は、(a) データ圧縮/復元、(b) データのセグメンテーション/コンカテネーション、(c) 伝送フォーマット(伝送フレーム)の生成/分解、(d) 伝送路符号化/復号化、(e) 変調(シンボルマッピング)/復調、及び(f) Inverse Fast Fourier Transform(IFFT)によるOFDMシンボルデータ(ベースバンドOFDM信号)の生成などを含む。一方、コントロールプレーン処理は、レイヤ1(e.g., 送信電力制御)、レイヤ2(e.g., 無線リソース管理、及びhybrid automatic repeat request(HARQ)処理)、及びレイヤ3(e.g., アタッチ、モビリティ、及び通話管理に関するシグナリング)の通信管理を含む。
【0084】
例えば、LTEおよびLTE-Advancedの場合、ベースバンドプロセッサ1103によるデジタルベースバンド信号処理は、Packet Data Convergence Protocol(PDCP)レイヤ、Radio Link Control(RLC)レイヤ、MACレイヤ、およびPHYレイヤの信号処理を含んでもよい。また、ベースバンドプロセッサ1103によるコントロールプレーン処理は、Non-Access Stratum(NAS)プロトコル、RRCプロトコル、及びMAC CEの処理を含んでもよい。
【0085】
ベースバンドプロセッサ1103は、デジタルベースバンド信号処理を行うモデム・プロセッサ(e.g., Digital Signal Processor(DSP))とコントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサ(e.g., Central Processing Unit(CPU)、又はMicro Processing Unit(MPU))を含んでもよい。この場合、コントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサは、後述するアプリケーションプロセッサ1104と共通化されてもよい。
【0086】
アプリケーションプロセッサ1104は、CPU、MPU、マイクロプロセッサ、又はプロセッサコアとも呼ばれる。アプリケーションプロセッサ1104は、複数のプロセッサ(複数のプロセッサコア)を含んでもよい。アプリケーションプロセッサ1104は、メモリ1106又は図示されていないメモリから読み出されたシステムソフトウェアプログラム(Operating System(OS))及び様々なアプリケーションプログラム(例えば、通話アプリケーション、WEBブラウザ、メーラ、カメラ操作アプリケーション、音楽再生アプリケーション)を実行することによって、RSU120の各種機能を実現する。
【0087】
いくつかの実装において、図11に破線(1105)で示されているように、ベースバンドプロセッサ1103及びアプリケーションプロセッサ1104は、1つのチップ上に集積されてもよい。言い換えると、ベースバンドプロセッサ1103及びアプリケーションプロセッサ1104は、1つのSystem on Chip(SoC)デバイス1105として実装されてもよい。SoCデバイスは、システムLarge Scale Integration(LSI)またはチップセットと呼ばれることもある。
【0088】
メモリ1106は、揮発性メモリ若しくは不揮発性メモリ又はこれらの組合せである。メモリ1106は、物理的に独立した複数のメモリデバイスを含んでもよい。揮発性メモリは、例えば、Static Random Access Memory(SRAM)若しくはDynamic RAM(DRAM)又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、マスクRead Only Memory(MROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの任意の組合せである。例えば、メモリ1106は、ベースバンドプロセッサ1103、アプリケーションプロセッサ1104、及びSoC1105からアクセス可能な外部メモリデバイスを含んでもよい。メモリ1106は、ベースバンドプロセッサ1103内、アプリケーションプロセッサ1104内、又はSoC1105内に集積された内蔵メモリデバイスを含んでもよい。さらに、メモリ1106は、Universal Integrated Circuit Card(UICC)内のメモリを含んでもよい。
【0089】
メモリ1106は、上述の複数の実施形態で説明されたRSU120による処理を行うための命令群およびデータを含むソフトウェアモジュール(コンピュータプログラム)を格納してもよい。いくつかの実装において、ベースバンドプロセッサ1103又はアプリケーションプロセッサ1104は、当該ソフトウェアモジュールをメモリ1106から読み出して実行することで、上述の実施形態で説明されたRSU120の処理を行うよう構成されてもよい。
【0090】
図12は、サーバ140の構成例を示すブロック図である。V2Xコントローラ150も、図12の構成と同様の構成を有してもよい。図12を参照すると、サーバ140は、ネットワークインターフェース1201、プロセッサ1202、及びメモリ1203を含む。ネットワークインターフェース1201は、ネットワークノード(e.g., eNodeB130、MME、P-GW、)と通信するために使用される。ネットワークインターフェース1201は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインタフェースカード(NIC)を含んでもよい。
【0091】
プロセッサ1202は、メモリ1203からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態においてシーケンス図及びフローチャートを用いて説明されたサーバ140の処理を行う。プロセッサ1202は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU、又はCPUであってもよい。プロセッサ1202は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0092】
メモリ1203は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ1203は、プロセッサ1202から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1202は、図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ1203にアクセスしてもよい。
【0093】
図12の例では、メモリ1203は、ソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。プロセッサ1202は、これらのソフトウェアモジュール群をメモリ1203から読み出して実行することで、上述の実施形態において説明されたサーバ140の処理を行うことができる。
【0094】
図10図12を用いて説明したように、上述の実施形態にUE100~102、RSU120及び320、eNB130、サーバ140、並びにV2Xコントローラ150が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行する。このプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、Programmable ROM(PROM)、Erasable PROM(EPROM)、フラッシュROM、Random Access Memory(RAM))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0095】
<その他の実施形態>
図1に示された構成において、RSU120及び121の各々は、eNB130又はサーバ140に周期的にキープアライブ(keep-alive)メッセージ又はハートビート(heartbeat)メッセージを送信するよう動作してもよい。eNB130又はサーバ140は、あるRSUからのキープアライブ又はハートビートメッセージの受信に失敗した場合に、当該RSUの故障発生を検出してもよい。
【0096】
上述の実施形態は、LTE/LTE-Advanced及びその改良について主に説明した。しかしながら、上述の実施形態は、他の無線通信ネットワーク又はシステムに適用されてもよい。
【0097】
さらに、上述した実施形態は本件発明者により得られた技術思想の適用に関する例に過ぎない。すなわち、当該技術思想は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは勿論である。
【0098】
この出願は、2015年9月18日に出願された日本出願特願2015-185290を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0099】
100~102 UE
120、121 RSU
130 eNB
140 サーバ
150 V2Xコントローラ
220、221 RSU
1001 RFトランシーバ
1004 プロセッサ
1101 RFトランシーバ
1103 ベースバンドプロセッサ
1104 アプリケーションプロセッサ
1202 プロセッサ
1203 メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12