(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】特定システム、特定装置、及び特定方法
(51)【国際特許分類】
E02B 3/04 20060101AFI20231226BHJP
E02B 3/12 20060101ALI20231226BHJP
G01F 23/292 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
E02B3/04
E02B3/12
G01F23/292 B
(21)【出願番号】P 2022558663
(86)(22)【出願日】2020-10-28
(86)【国際出願番号】 JP2020040376
(87)【国際公開番号】W WO2022091242
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-04-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】依田 幸英
(72)【発明者】
【氏名】森 洸遥
(72)【発明者】
【氏名】岩野 忠行
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-074768(JP,A)
【文献】特開2002-054974(JP,A)
【文献】特開2004-361323(JP,A)
【文献】特開2012-198079(JP,A)
【文献】特開2001-296151(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 3/04
E02B 3/12
G01F 23/292
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
河川の堤防に沿って敷設された光ファイバと、
前記光ファイバから、前記堤防の状態に応じたパターンを含む光信号を受信する通信部と、
前記パターンに基づいて、前記河川の水位を特定する特定部と、
を備え
、
前記特定部は、前記光信号に含まれる前記堤防の振動状態に応じたパターンに基づいて、前記河川の水位を特定する、
特定システム。
【請求項2】
前記特定部は、前記光信号の信号強度に基づいて、前記堤防の欠損を特定し、前記光信号に基づいて、前記堤防の欠損が発生した位置を特定する、
請求項
1に記載の特定システム。
【請求項3】
前記特定部は、前記河川の水位に基づいて、前記堤防の欠損を特定し、前記光信号に基づいて、前記堤防の欠損が発生した位置を特定する、
請求項
1に記載の特定システム。
【請求項4】
前記河川を監視するためのカメラと、
前記堤防の欠損が発生した位置を撮影するよう前記カメラを制御するカメラ制御部と、
をさらに備える、請求項
2又は
3に記載の特定システム。
【請求項5】
河川の堤防に沿って敷設された光ファイバから、前記堤防の状態に応じたパターンを含む光信号を受信する通信部と、
前記パターンに基づいて、前記河川の水位を特定する特定部と、
を備え
、
前記特定部は、前記光信号に含まれる前記堤防の振動状態に応じたパターンに基づいて、前記河川の水位を特定する、
特定装置。
【請求項6】
前記特定部は、前記光信号の信号強度に基づいて、前記堤防の欠損を特定し、前記光信号に基づいて、前記堤防の欠損が発生した位置を特定する、
請求項
5に記載の特定装置。
【請求項7】
前記特定部は、前記河川の水位に基づいて、前記堤防の欠損を特定し、前記光信号に基づいて、前記堤防の欠損が発生した位置を特定する、
請求項
5に記載の特定装置。
【請求項8】
前記堤防の欠損が発生した位置を撮影するよう、前記河川を監視するためのカメラを制御するカメラ制御部、
をさらに備える、請求項
6又は
7に記載の特定装置。
【請求項9】
特定装置による特定方法であって、
河川の堤防に沿って敷設された光ファイバから、前記堤防の状態に応じたパターンを含む光信号を受信する受信ステップと、
前記パターンに基づいて、前記河川の水位を特定する特定ステップと、
含
み、
前記特定ステップでは、前記光信号に含まれる前記堤防の振動状態に応じたパターンに基づいて、前記河川の水位を特定する、
特定方法。
【請求項10】
前記特定ステップでは、前記光信号の信号強度に基づいて、前記堤防の欠損を特定し、前記光信号に基づいて、前記堤防の欠損が発生した位置を特定する、
請求項
9に記載の特定方法。
【請求項11】
前記特定ステップでは、前記河川の水位に基づいて、前記堤防の欠損を特定し、前記光信号に基づいて、前記堤防の欠損が発生した位置を特定する、
請求項
9に記載の特定方法。
【請求項12】
前記堤防の欠損が発生した位置を撮影するよう、前記河川を監視するためのカメラを制御するステップ、
をさらに含む、請求項
10又は
11に記載の特定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、特定システム、特定装置、及び特定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、台風や暴風雨の影響により、河川の氾濫や洪水等の災害が頻発している。そのため、災害対応の効率化を図るため、氾濫や洪水の発生に繋がる河川の水位の情報をリアルタイムに収集することが求められている。現状では、カメラ映像の目視や直接的な目視により、河川の水位の確認を行っている。
【0003】
しかし、目視による確認は、一度に確認できる範囲が局所的になってしまう。また、目視による確認は、天候(荒天等)や時間帯(夜間等)によっては、河川の状態を正確に判断することが難しい場合もある。
そのため、目視によらず、広範囲でかつリアルタイムに河川周辺の状態を確認することが必要となっている。
【0004】
その一方、最近は、光ファイバをセンサとして使用し、広範囲でかつリアルタイムなセンシングが可能な光ファイバセンシングと呼ばれる技術が注目を集めており、光ファイバセンシングを利用した様々な提案がなされている。
【0005】
例えば、特許文献1に記載の技術では、土手の長手方向に延びるように、光ファイバを土中に埋設する。そして、光ファイバにパルス光を入力したときに光ファイバから出力される散乱光を検出することにより、光ファイバの各位置における歪み量を算出する。光ファイバの各位置における歪み量は、土砂の移動量の増加に対応して増加する。そのため、上記で算出された各位置における歪み量に基づいて、土砂災害の発生を検出する。
【0006】
また、特許文献2に記載の技術では、堤防の斜面に対して平行に、光ファイバを堤防内部に埋設する。そして、光ファイバに光を入射し、光ファイバの歪みに起因する散乱光の変化を計測することにより、堤防の状態変化を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2003-232043号公報
【文献】特開2001-249035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載の技術は、土砂災害の発生を検出する技術であり、特許文献2に記載の技術は、堤防の破損等の状態変化を検出する技術である。
そのため、特許文献1,2に記載の技術では、河川の水位を特定することはできない。
【0009】
そこで本開示の目的は、上述した課題を解決し、河川の水位を特定できる特定システム、特定装置、及び特定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様による特定システムは、
河川の堤防に沿って敷設された光ファイバと、
前記光ファイバから、前記堤防の状態に応じたパターンを含む光信号を受信する通信部と、
前記パターンに基づいて、前記河川の水位を特定する特定部と、
を備える。
【0011】
一態様による特定装置は、
河川の堤防に沿って敷設された光ファイバから、前記堤防の状態に応じたパターンを含む光信号を受信する通信部と、
前記パターンに基づいて、前記河川の水位を特定する特定部と、
を備える。
【0012】
一態様による特定方法は、
特定装置による特定方法であって、
河川の堤防に沿って敷設された光ファイバから、前記堤防の状態に応じたパターンを含む光信号を受信する受信ステップと、
前記パターンに基づいて、前記河川の水位を特定する特定ステップと、
含む。
【発明の効果】
【0013】
上述の態様によれば、河川の水位を特定できる特定システム、特定装置、及び特定方法を提供できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態1に係る特定システムのイメージ例を示す図である。
【
図2】実施の形態1に係る特定システムの構成例を示す図である。
【
図4】河川の水の越水により堤防が浸食した時の堤防の例を示す断面図である。
【
図5】河川の水の越水により堤防が浸食した時の堤防の例を示す断面図である。
【
図6】実施の形態1に係る通信部が受信した光信号に含まれる振動パターンの例を示す図である。
【
図7】実施の形態1に係る通信部が受信した光信号に含まれる振動パターンの例を示す図である。
【
図8】実施の形態1に係る通信部が受信した光信号に含まれる振動パターンの例を示す図である。
【
図9】実施の形態1に係る通信部が受信した光信号に含まれる振動パターンの周波数特性の例を示す図である。
【
図10】実施の形態1に係る通信部が受信した光信号に含まれる振動パターンの周波数特性の例を示す図である。
【
図11】越水及び堤防の浸食により光ファイバが露出及び浸水した時の堤防の例を示す断面図である。
【
図12】越水及び堤防の浸食により光ファイバが露出及び浸水した時の堤防の例を示す断面図である。
【
図13】実施の形態1に係る通信部が受信した光信号に含まれる温度パターンの例を示す図である。
【
図14】実施の形態1に係る通信部が受信した光信号に含まれる温度パターンの例を示す図である。
【
図15】実施の形態1に係る通信部が受信した光信号の信号強度の例を示す図である。
【
図16】実施の形態1に係る通信部が受信した光信号の信号強度の例を示す図である。
【
図17】実施の形態1に係る特定システムの全体的な動作の流れの例を示すフロー図である。
【
図18】実施の形態2に係る特定システムの構成例を示す図である。
【
図19】実施の形態2に係る報知部が所定の端末に表示させるGUI画面の例を示す図である。
【
図20】実施の形態2に係る特定システムの全体的な動作の流れの例を示すフロー図である。
【
図21】実施の形態3に係る特定システムの構成例を示す図である。
【
図22】実施の形態3に係るカメラ制御部が保持するカメラ情報の例を示す図である。
【
図23】実施の形態3に係る特定システムの全体的な動作の流れの例を示すフロー図である。
【
図24】実施の形態4に係る特定システムにおける光ファイバ及びカメラの設置態様の例を示す図である。
【
図25】実施の形態4に係る特定システムにおける光ファイバ及びカメラの設置態様の例を示す図である。
【
図26】カメラが設置された堤防であって、越水及び堤防の浸食により光ファイバが浸水した時の堤防の例を示す断面図である。
【
図27】カメラが設置された堤防であって、越水及び堤防の浸食により光ファイバが浸水した時の堤防の例を示す断面図である。
【
図28】他の実施の形態に係る特定システムの構成例を示す図である。
【
図29】実施の形態に係る特定装置を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。なお、以下の記載及び図面は、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化がなされている。また、以下の各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0016】
<実施の形態1>
まず、
図1を参照して、本実施の形態1に係る特定システムのイメージ例について説明する。
図1に示されるように、本実施の形態1に係る特定システムは、河川10の堤防20に沿って敷設された光ファイバ30を備えている。詳細には、光ファイバ30は、堤防20に沿って、堤防20の内部に埋設されている。なお、
図1は、河川10の水Wが堤防20を越えて越水し、堤防20の脇の道路に流れ出ている様子を示している。
【0017】
また、光ファイバ30は、一端がセンシング機器40に接続され、センシング機器40は、特定装置50に接続されている。特定装置50は、センシング機器40から離れた場所に設置することができ、例えば、クラウド上に配置することができる。
【0018】
次に、
図2及び
図3を参照して、本実施の形態1に係る特定システムの構成例について説明する。なお、
図2及び
図3では、正常時の堤防20が断面図で示されており、
図2は、河川10に対して平行な断面図、
図3は、河川10に対して垂直な断面図である。
【0019】
図2及び
図3に示されるように、本実施の形態1に係る特定システムは、上述したように、光ファイバ30、センシング機器40、及び特定装置50を備えている。また、センシング機器40は、通信部41を備え、特定装置50は、特定部51を備えている。
【0020】
通信部41は、光ファイバ30にパルス光を入射し、パルス光が光ファイバ30を伝送されることに伴い発生した反射光や散乱光を、光ファイバ30を経由して、光信号として受信する。
【0021】
ここで、河川10の水位の上昇及び越水が発生すると、堤防20が振動する。この振動は、光ファイバ30に伝達され、光ファイバ30を伝送される光信号の特性(例えば、波長)が変化する。そのため、光ファイバ30は、堤防20に発生した振動を検知可能である。また、光ファイバ30を伝送される光信号は、堤防20に発生した振動に応じて特性が変化することから、堤防20の振動状態に応じた振動パターンを含んでいる。この振動パターンは、振動の強弱、振動位置、振動数の変動の推移等が異なる固有のパターンとなる。
【0022】
また、河川10の水位の上昇及び越水が発生すると、堤防20の温度が変化する。この温度変化も、光ファイバ30に伝達される。そのため、光ファイバ30を伝送される光信号は、堤防20の温度状態に応じた温度パターンも含んでいる。
【0023】
そのため、特定部51は、通信部41が受信した光信号に含まれる、堤防20の振動状態又は温度状態に応じたパターンの動的変化を分析することにより、河川10における水位の上昇及び越水の発生を、すなわち、河川10の水位を特定することが可能となる。
【0024】
そこで、特定部51は、通信部41が受信した光信号に含まれる、堤防20の状態(振動状態又は温度状態)に応じたパターンに基づいて、河川10の水位を特定する。
以下、特定部51において、河川10の水位を特定する方法の例について説明する。
【0025】
(1)第1の方法
まず、
図4~
図7を参照して、河川10の水位を特定する第1の方法について説明する。第1の方法は、
図4及び
図5に示されるように、河川10の水Wの越水により堤防20が浸食した場合に、その越水を特定する例である。なお、
図4及び
図5において、越水により堤防20が浸食した時の堤防20が断面図で示されており、
図4は、河川10に対して平行な断面図、
図5は、河川10に対して垂直な断面図である。
図6及び
図7は、通信部41が受信した光信号に含まれる振動パターンの例を示しており、横軸が堤防20上の位置(センシング機器40からの距離)、縦軸が振動の時間経過を示している。例えば、車両や歩行者が時間経過に従って移動していることは、
図6及び
図7上では斜めに1本の線で表される。また、
図6は、堤防20が正常である場合の振動パターンの例を示し、
図7は、堤防20が異常(ここでは、浸食の発生)である場合の振動パターンの例を示している。
【0026】
例えば、特定部51は、通信部41が光ファイバ30にパルス光を入射した時刻と、通信部41が光ファイバ30から光信号を受信した時刻と、の時間差に基づいて、その光信号に含まれる振動パターンが発生した堤防20上の位置(センシング機器40からの距離)を特定することが可能となる。
【0027】
図6に示されるように、堤防20が正常である場合、車両や歩行者の移動に伴う振動が発生するが、振動の発生区間は狭くなっている。
これに対して、
図7に示されるように、堤防20に浸食が発生している場合、振動の発生区間は広く、振動が時間的に継続して発生している。
【0028】
そのため、
図7の例では、特定部51は、河川10の水Wの越水が発生したと判断できる。また、その結果に基づいて、特定部51は、堤防20に欠損(ここでは、浸食)が発生したと判断できる。また、特定部51は、上述したように、光信号に含まれる振動パターンが発生した堤防20上の位置(センシング機器40からの距離)を特定できるため、欠損が発生した堤防20上の位置(センシング機器40からの距離)を特定できる。
【0029】
(2)第2の方法
次に、
図8~
図10を参照して、河川10の水位を特定する第2の方法について説明する。第2の方法は、第1の方法と同様に、河川10の水Wの越水により堤防20が浸食した場合に(例えば、
図4及び
図5を参照)、その越水を特定する例である。
図8は、通信部41が受信した光信号に含まれる振動パターンであって、堤防20上のある位置における振動パターンの例を示しており、横軸が時間、縦軸が振動強度を示している。また、
図9及び
図10は、通信部41が受信した光信号に含まれる振動パターンであって、堤防20上のある位置における振動パターンの周波数特性を示しており、横軸が周波数、縦軸が振動強度を示している。また、
図9は、堤防20が正常である場合の振動パターンの例を示し、
図10は、堤防20が異常(ここでは、浸食の発生)である場合の振動パターンの例を示している。
【0030】
図9及び
図10に示される振動パターンにおいては、振動強度のピークが発生する。振動強度のピークの大きさ及びこのピークが発生する周波数が、堤防20の状態に応じて異なっている。具体的には、堤防20に浸食が発生している状態(
図10)では、堤防20が正常である状態(
図9)と比較して、振動強度のピークの大きさが大きく、また、このピークが発生する周波数が高周波側にシフトしている。
【0031】
そのため、特定部51は、振動強度のピークの大きさ及びこのピークが発生する周波数に基づいて、越水が発生したか否かを判断する。例えば、特定部51は、堤防20が正常である状態(
図9)の振動強度のピークの大きさ及びこのピークが発生する周波数の情報を保持し、保持している情報との比較により、越水が発生したか否かを判断する。
【0032】
図10の例では、保持している情報(
図9の情報)と比較すると、振動強度のピークの大きさが大きく、また、このピークが発生する周波数が高周波側にシフトしている。そのため、特定部51は、河川10の水Wの越水が発生したと判断できる。また、その結果に基づいて、特定部51は、堤防20に欠損(ここでは、浸食)が発生したと判断できる。また、特定部51は、欠損が発生した堤防20上の位置(センシング機器40からの距離)を特定できる。
【0033】
(3)第3の方法
次に、
図11~
図14を参照して、河川10の水位を特定する第3の方法について説明する。第3の方法は、
図11及び
図12に示されるように、河川10の水Wの越水により堤防20が浸食し、堤防20の浸食により光ファイバ30が露出及び浸水した場合に、その越水を特定する例である。なお、
図11及び
図12では、越水及び堤防20の浸食により光ファイバ30が露出及び浸水した時の堤防20が断面図で示されており、
図11は、河川10に対して平行な断面図、
図12は、河川10に対して垂直な断面図である。
図13及び
図14は、通信部41が受信した光信号に含まれる温度パターンを示しており、横軸が堤防20上の位置(センシング機器40からの距離)、縦軸が温度を示している。また、
図13は、堤防20が正常である場合の温度パターンの例を示し、
図14は、堤防20が異常(ここでは、浸食の発生)である場合の温度パターンの例を示している。
【0034】
図13に示されるように、堤防20が正常である場合、堤防20上の位置(センシング機器40からの距離)に応じた温度変化は緩やかになっている。
これに対して、
図14に示されるように、堤防20に浸食が発生している場合、浸食の発生区間において、急激な温度変化(温度の低下)が発生している。この現象は、浸食により光ファイバ30の一部が露出及び浸水したためであると考えられる。
【0035】
そのため、
図14の例では、特定部51は、河川10の水Wの越水が発生したと判断できる。また、その結果に基づいて、特定部51は、堤防20に欠損(ここでは、浸食)が発生したと判断できる。また、特定部51は、欠損が発生した堤防20上の位置(センシング機器40からの距離)を特定できる。
【0036】
(4)第4の方法
次に、
図15及び
図16を参照して、河川10の水位を特定する第4の方法について説明する。第4の方法は、第3の方法と同様に、河川10の水Wの越水により堤防20が浸食し、堤防20が浸食により光ファイバ30が露出及び浸水した場合に(例えば、
図11及び
図12を参照)、その越水を特定する例である。
図15及び
図16は、通信部41が受信した光信号の信号強度を示しており、横軸が堤防20上の位置(センシング機器40からの距離)、縦軸が信号強度を示している。また、
図15は、堤防20が正常である場合の信号強度の例を示し、
図16は、堤防20が異常(ここでは、浸食の発生)である場合の信号強度の例を示している。
【0037】
図15に示されるように、堤防20が正常である場合、堤防20上の位置(センシング機器40からの距離)に応じた光信号の信号強度の変化は緩やかになっている。
これに対して、
図16に示されるように、堤防20に浸食が発生している場合、浸食の発生区間において、光信号の信号強度が低下している。この現象は、浸食により光ファイバ30の一部が露出及び浸水し、その露出及び浸水した部分に水Wの圧力による強い曲げが発生し、光信号の損失が増加したためであると考えられる。
【0038】
そのため、
図16の例では、特定部51は、河川10の水Wの越水が発生したと判断できる。また、その結果に基づいて、特定部51は、堤防20に欠損(ここでは、浸食)が発生したと判断できる。また、特定部51は、欠損が発生した堤防20上の位置(センシング機器40からの距離)を特定できる。
【0039】
続いて、
図17を参照して、本実施の形態1に係る特定システムの全体的な動作の流れの例について説明する。
図17に示されるように、通信部41は、河川10の堤防20に沿って敷設された光ファイバ30から、堤防20の状態に応じたパターンを含む光信号を受信する(ステップS11)。
【0040】
続いて、特定部51は、通信部41が受信した光信号に含まれる、堤防20の状態に応じたパターンに基づいて、河川10における水位の上昇及び越水の発生を、すなわち、河川10の水位を特定する(ステップS12)。この特定は、例えば、上述した第1~第4の方法のいずれかを用いて、行えば良い。
【0041】
上述したように本実施の形態1によれば、通信部41は、河川10の堤防20に沿って敷設された光ファイバ30から、堤防20の状態に応じたパターンを含む光信号を受信する。特定部51は、通信部41が受信した光信号に含まれる、堤防20の状態に応じたパターンに基づいて、河川10の水位を特定する。これにより、河川10の水位を特定できるようになる。
【0042】
また、特定部51は、河川10の水位に基づいて、堤防20の浸食等の欠損を特定し、通信部41が受信した光信号に基づいて、堤防20の欠損が発生した位置を特定しても良い。これにより、河川10の水位だけでなく、河川10の水位に起因する堤防20の欠損を特定でき、さらに、堤防20の欠損が発生した位置も特定できるようになる。
【0043】
<実施の形態2>
続いて、
図18を参照して、本実施の形態2に係る特定システムの構成例について説明する。
図18に示されるように、本実施の形態2に係る特定システムは、上述した実施の形態1の構成と比較して、特定装置50に報知部52が追加されている点が異なる。
【0044】
報知部52は、特定部51が堤防20の欠損を特定すると共に、堤防20の欠損が発生した位置を特定した場合に、堤防20の欠損が発生したこと及び欠損が発生した位置を所定の端末(不図示)に報知する。所定の端末は、例えば、現地にいる監視員が所持する端末や、監視センターに設置された端末等である。報知方法は、例えば、所定の端末のディスプレイやモニター等にGUI(Graphical User Interface)画面を表示する方法でも良いし、所定の端末のスピーカからメッセージを音声出力する方法でも良い。
【0045】
例えば、報知部52は、GUI画面の表示により、上記の報知を行う場合、以下のように動作する。報知部52は、光ファイバ30の敷設位置を示す情報と、地図情報と、を対応付けて予め保持しておく。特定部51が堤防20の欠損及びその欠損が発生した位置を特定した場合、報知部52は、特定部51が特定した欠損発生位置を地図上に重畳したGUI画面を、所定の端末に表示させる。このGUI画面の例を
図19に示す。
図19に示されるGUI画面では、光ファイバ30の敷設位置、越水が発生した可能性があることを示すメッセージ、及び、越水の発生位置を地図上に重畳している。
【0046】
続いて、
図20を参照して、本実施の形態2に係る特定システムの全体的な動作の流れの例について説明する。
図20に示されるように、まず、
図17のステップS11,S12と同様のステップS21,S22が行われる。
次に、特定部51は、河川10の水位に基づいて、堤防20の浸食等の欠損の特定を試みる(ステップS23)。
【0047】
特定部51は、ステップS23で堤防20の欠損を特定した場合(ステップS23のYes)、続いて、通信部41が受信した光信号に基づいて、堤防20の欠損が発生した位置を特定する(ステップS24)。
その後、報知部52は、堤防20の欠損が発生したこと及び欠損が発生した位置を所定の端末に報知する(ステップS25)。この報知は、例えば、
図19に示されるようなGUI画面を用いて、行えば良い。
【0048】
上述したように本実施の形態2によれば、報知部52は、特定部51が堤防20の欠損及びその欠損が発生した位置を特定した場合に、堤防20の欠損が発生したこと及び欠損が発生した位置を所定の端末に報知する。これにより、例えば、監視員等に、堤防20の欠損が発生したこと及び欠損が発生した位置を知らせることができる。
その他の効果は、上述した実施の形態1と同様である。
【0049】
<実施の形態3>
続いて、
図21を参照して、本実施の形態3に係る特定システムの構成例について説明する。なお、
図21では、正常時の堤防20が、河川10に対して平行な断面図で示されている。
【0050】
図21に示されるように、本実施の形態3に係る特定システムは、上述した実施の形態1の構成と比較して、カメラ60が追加されている点と、特定装置50にカメラ制御部53が追加されている点と、が異なる。
【0051】
カメラ60は、河川10を監視するためのカメラであり、例えば、固定カメラ、PTZ(Pan Tilt Zoom)カメラ等で実現される。カメラ60は、カメラ制御部53から撮影指示を無線で受信する機能と、撮影指示に従って撮影を行う機能と、撮影したカメラ映像をカメラ制御部53に無線で送信する機能と、を備えている。なお、カメラ60は、1台以上設置されていれば良く、カメラ60の台数は特に限定されない。
【0052】
カメラ制御部53は、
図22に示されるように、カメラ60の識別子及び撮影可能エリア等を示すカメラ情報を保持する。
図22は、3台のカメラ60が設置されている場合のカメラ情報の例であり、撮影可能エリアは、センシング機器40からの距離で表されている。
【0053】
カメラ制御部53は、特定部51が堤防20の欠損を特定すると共に、堤防20の欠損が発生した位置を特定した場合、
図22に示されるようなカメラ情報に基づいて、欠損が発生した位置を含むエリアを撮影するカメラ60を選択し、選択したカメラ60で欠損が発生した位置を撮影するよう制御する。例えば、カメラ制御部53は、選択したカメラ60に対し、欠損が発生した位置を撮影するためのカメラ60の角度(方位角、仰角)及びズーム倍率等を指定した撮影指示を無線で送信する。
【0054】
そのため、特定部51は、堤防20の欠損を特定した場合、堤防20の欠損が発生した位置を撮影したカメラ映像を取得できるため、カメラ映像に基づいて、堤防20の欠損の詳細(例えば、欠損の詳細な内容や程度等)を特定できるようになる。
【0055】
続いて、
図23を参照して、本実施の形態3に係る特定システムの全体的な動作の流れの例について説明する。
図23に示されるように、まず、
図21のステップS21~S24と同様のステップS31~S34が行われる。
その後、カメラ制御部53は、堤防20の欠損が発生した位置を含むエリアを撮影するカメラ60を選択し、選択したカメラ60で欠損が発生した位置を撮影するよう制御する(ステップS35)。
【0056】
上述したように本実施の形態3によれば、カメラ制御部53は、特定部51が堤防20の欠損及びその欠損が発生した位置を特定した場合に、カメラ60で欠損が発生した位置を撮影するよう制御する。これにより、特定部51は、カメラ映像に基づいて、堤防20の欠損の詳細(例えば、欠損の詳細な内容や程度等)を特定できるようになる。
【0057】
なお、本実施の形態3は、上述した実施の形態1を変形した例として説明したが、これには限定されない。本実施の形態3は、上述した実施の形態2を変形した例とすることも可能である。
【0058】
<実施の形態4>
上述した実施の形態3では、光ファイバ30は、センシング専用の光ファイバ30であり、カメラ60は、カメラ映像や撮影指示等を、特定装置50との間で、無線で送受信することを前提としていた。
【0059】
これに対して本実施の形態4では、光ファイバ30は、通信及びセンシング兼用の光ファイバであって、カメラ60に接続されている。また、カメラ60は、カメラ映像や撮影指示等を、光ファイバ30及びセンシング機器40を介して、特定装置50との間で、送受信する。
【0060】
続いて、
図24及び
図25を参照して、本実施の形態4に係る特定システムにおける光ファイバ30及びカメラ60の設置態様の例について説明する。なお、
図24及び
図25では、正常時の堤防20が断面図で示されており、
図24は、河川10に対して平行な断面図、
図25は、河川10に対して垂直な断面図である。
【0061】
図24及び
図25に示されるように、本実施の形態4に係る特定システムにおいては、カメラ60は、堤防20上の電柱等のポールに固定されているものとする。また、光ファイバ30は、堤防20の内部に埋設されているが、その一部が分岐し、分岐した一部の光ファイバ30がカメラ60に接続されている。
なお、本実施の形態4に係る特定システムは、その他の構成については、上述した実施の形態3に係る特定システムの構成と同様であるため、説明を省略する。
【0062】
上述したように、本実施の形態4に係る特定システムにおいては、光ファイバ30は、ポールに固定されたカメラ60に接続されているため、光ファイバ30の一部は、常時、露出された状態になっている。
【0063】
そのため、
図26及び
図27に示されるように、堤防20がわずかに浸食する程度の越水が発生したとしても、光ファイバ30は、一部が浸水し、浸水した部分に振動や温度変化が発生する。なお、
図26及び
図27では、河川10の水Wの越水及び堤防20のわずかな浸食により光ファイバ30が浸水した時の堤防20が断面図で示されており、
図26は、河川10に対して平行な断面図、
図27は、河川10に対して垂直な断面図である。
また、堤防20が浸食しない程度の越水が発生したとしても、光ファイバ30は、一部が浸水し、浸水した部分に振動や温度変化が発生する。
【0064】
そのため、本実施の形態4に係る特定システムにおいては、わずかな越水が発生した場合でも、特定部51が、上述した第1~第3の方法のいずれかを用いて、河川10の水位を特定できる。
なお、本実施の形態4に係る特定システムは、全体的な動作やその他の効果については、上述した実施の形態3に係る特定システムの構成と同様であるため、説明を省略する。
【0065】
<他の実施の形態>
上述した実施の形態では、特定装置50から通信部41を分離しているが、これには限定されない。特定装置50の内部に通信部41を設けても良い。
図28は、特定装置50の内部に通信部41を設けた特定システムの構成例を示している。なお、
図28に示される特定システムは、上述した実施の形態2のように、特定装置50の内部に報知部52を追加しても良いし、上述した実施の形態3のように、カメラ60を追加すると共に、特定装置50の内部にカメラ制御部53を追加しても良いし、上述した実施の形態4のように、光ファイバ30をカメラ60に接続しても良い。
【0066】
<特定装置のハードウェア構成>
続いて、
図29を参照して、特定装置50を実現するコンピュータ70のハードウェア構成について説明する。
【0067】
図29に示されるように、コンピュータ70は、プロセッサ701、メモリ702、ストレージ703、入出力インタフェース(入出力I/F)704、及び通信インタフェース(通信I/F)705等を備える。プロセッサ701、メモリ702、ストレージ703、入出力インタフェース704、及び通信インタフェース705は、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路で接続されている。
【0068】
プロセッサ701は、例えばCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置である。メモリ702は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等のメモリである。ストレージ703は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、またはメモリカード等の記憶装置である。また、ストレージ703は、RAMやROM等のメモリであっても良い。
【0069】
ストレージ703は、特定装置50が備える構成要素の機能を実現するプログラムを記憶している。プロセッサ701は、これら各プログラムを実行することで、特定装置50が備える構成要素の機能をそれぞれ実現する。ここで、プロセッサ701は、上記各プログラムを実行する際、これらのプログラムをメモリ702上に読み出してから実行しても良いし、メモリ702上に読み出さずに実行しても良い。また、メモリ702やストレージ703は、特定装置50が備える構成要素が保持する情報やデータを記憶する役割も果たす。
【0070】
また、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータ(コンピュータ70を含む)に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、CD-R(CD-Recordable)、CD-R/W(CD-ReWritable)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAMを含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されても良い。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0071】
入出力インタフェース704は、表示装置7041、入力装置7042、音出力装置7043等と接続される。表示装置7041は、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、モニターのような、プロセッサ701により処理された描画データに対応する画面を表示する装置である。入力装置7042は、オペレータの操作入力を受け付ける装置であり、例えば、キーボード、マウス、及びタッチセンサ等である。表示装置7041及び入力装置7042は一体化され、タッチパネルとして実現されていても良い。音出力装置7043は、スピーカのような、プロセッサ701により処理された音響データに対応する音を音響出力する装置である。
【0072】
通信インタフェース705は、外部の装置との間でデータを送受信する。例えば、通信インタフェース705は、有線通信路または無線通信路を介して外部装置と通信する。
【0073】
以上、実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上述した実施の形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
例えば、上述した実施の形態は、一部又は全部を相互に組み合わせて用いても良い。
【0074】
また、上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
河川の堤防に沿って敷設された光ファイバと、
前記光ファイバから、前記堤防の状態に応じたパターンを含む光信号を受信する通信部と、
前記パターンに基づいて、前記河川の水位を特定する特定部と、
を備える特定システム。
(付記2)
前記特定部は、前記光信号に含まれる前記堤防の振動状態又は温度状態に応じたパターンに基づいて、前記河川の水位を特定する、
付記1に記載の特定システム。
(付記3)
前記特定部は、前記光信号の信号強度に基づいて、前記堤防の欠損を特定し、前記光信号に基づいて、前記堤防の欠損が発生した位置を特定する、
付記1又は2に記載の特定システム。
(付記4)
前記特定部は、前記河川の水位に基づいて、前記堤防の欠損を特定し、前記光信号に基づいて、前記堤防の欠損が発生した位置を特定する、
付記1又は2に記載の特定システム。
(付記5)
前記河川を監視するためのカメラと、
前記堤防の欠損が発生した位置を撮影するよう前記カメラを制御するカメラ制御部と、
をさらに備える、付記3又は4に記載の特定システム。
(付記6)
河川の堤防に沿って敷設された光ファイバから、前記堤防の状態に応じたパターンを含む光信号を受信する通信部と、
前記パターンに基づいて、前記河川の水位を特定する特定部と、
を備える特定装置。
(付記7)
前記特定部は、前記光信号に含まれる前記堤防の振動状態又は温度状態に応じたパターンに基づいて、前記河川の水位を特定する、
付記6に記載の特定装置。
(付記8)
前記特定部は、前記光信号の信号強度に基づいて、前記堤防の欠損を特定し、前記光信号に基づいて、前記堤防の欠損が発生した位置を特定する、
付記6又は7に記載の特定装置。
(付記9)
前記特定部は、前記河川の水位に基づいて、前記堤防の欠損を特定し、前記光信号に基づいて、前記堤防の欠損が発生した位置を特定する、
付記6又は7に記載の特定装置。
(付記10)
前記堤防の欠損が発生した位置を撮影するよう、前記河川を監視するためのカメラを制御するカメラ制御部、
をさらに備える、付記8又は9に記載の特定装置。
(付記11)
特定装置による特定方法であって、
河川の堤防に沿って敷設された光ファイバから、前記堤防の状態に応じたパターンを含む光信号を受信する受信ステップと、
前記パターンに基づいて、前記河川の水位を特定する特定ステップと、
含む、特定方法。
(付記12)
前記特定ステップでは、前記光信号に含まれる前記堤防の振動状態又は温度状態に応じたパターンに基づいて、前記河川の水位を特定する、
付記11に記載の特定方法。
(付記13)
前記特定ステップでは、前記光信号の信号強度に基づいて、前記堤防の欠損を特定し、前記光信号に基づいて、前記堤防の欠損が発生した位置を特定する、
付記11又は12に記載の特定方法。
(付記14)
前記特定ステップでは、前記河川の水位に基づいて、前記堤防の欠損を特定し、前記光信号に基づいて、前記堤防の欠損が発生した位置を特定する、
付記11又は12に記載の特定方法。
(付記15)
前記堤防の欠損が発生した位置を撮影するよう、前記河川を監視するためのカメラを制御するステップ、
をさらに含む、付記13又は14に記載の特定方法。
【符号の説明】
【0075】
10 河川
20 堤防
30 光ファイバ
40 センシング機器
41 通信部
50 特定装置
51 特定部
52 報知部
53 カメラ制御部
60 カメラ
70 コンピュータ
701 プロセッサ
702 メモリ
703 ストレージ
704 入出力インタフェース
7041 表示装置
7042 入力装置
7043 音出力装置
705 通信インタフェース
W 水