(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】エアロゾル供給システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/50 20200101AFI20231226BHJP
A24F 40/53 20200101ALI20231226BHJP
A24F 40/60 20200101ALI20231226BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/53
A24F40/60
(21)【出願番号】P 2022522948
(86)(22)【出願日】2020-09-17
(86)【国際出願番号】 GB2020052248
(87)【国際公開番号】W WO2021074580
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-06-07
(32)【優先日】2019-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】モロニ-, パトリック
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/224823(WO,A1)
【文献】特表2017-538408(JP,A)
【文献】特開2019-083979(JP,A)
【文献】国際公開第2019/115464(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/060305(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/123587(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
A61M 11/00-19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の吸引のためにエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル供給システムを備えるシステムであって、
使用者による前記エアロゾル供給システムとの相互作用に関する使用者挙動データを取得し、
前記取得した使用者挙動データに基づいて、前記相互作用に対するデフォルト使用者挙動を判定し、
前記使用者による前記エアロゾル供給システムとの現在の相互作用を監視し、
前記現在の使用者相互作用が、予め定められた量を前記デフォルト使用者挙動から逸脱したとき、前記現在の使用者相互作用に基づいて、前記エアロゾル供給システムの動作パラメータを調整する
ように構成されたコンピュータを備えるシステム。
【請求項2】
前記コンピュータが、
使用者による前記エアロゾル供給システムとの相互作用の異なるタイプの2つ以上に関する使用者挙動データを取得し、
前記取得した使用者挙動データに基づいて、相互作用の2つ以上のタイプに対するデフォルト使用者挙動を判定し、
前記使用者による前記エアロゾル供給システムとの現在の相互作用を監視し、
前記現在の使用者相互作用の2つ以上が、それぞれの予め定められた量を前記デフォルト使用者挙動から逸脱したとき、前記現在の使用者相互作用に基づいて、前記エアロゾル供給システムの前記動作パラメータを調整するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コンピュータが、
予め定められた期間内に、複数のサンプル点に対する使用者挙動データを取得し、
前記予め定められた期間内に、対応する複数の点に対するデフォルト使用者挙動を判定し、
前記予め定められた期間内に、現在の相互作用を、現在のそれぞれの点に対するデフォルト使用者挙動と比較するように構成されている、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コンピュータが、
前記判定したデフォルト使用者挙動に対応するデフォルト動作パラメータを判定し、
前記現在の使用者相互作用と前記デフォルト使用者挙動との間の逸脱度に応答して、前記エアロゾル供給システムの判定したデフォルト動作パラメータを調整するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記コンピュータが、
前記判定したデフォルト使用者挙動に対応するデフォルト動作パラメータを判定し、
前記現在の使用者相互作用又は各々の現在の使用者相互作用と前記デフォルト使用者挙動との間の偏差のタイプに応答して、前記エアロゾル供給システムの判定したデフォルト動作パラメータを調整するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記コンピュータが、
予め定められた基準に従って、前記現在の使用者相互作用と前記デフォルト使用者挙動との間の前記偏差がストレスの増大を示すかどうかを分類し、ストレスの増大を示す場合、
ストレス緩和行為を開始するように構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記コンピュータが、
ストレス緩和行為が開始されることを望むかどうかを前記使用者に尋ね、
ユーザインターフェースを介して前記使用者からの指示を受け取るように構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記ストレス緩和行為が、
i.吸引される空気の単位体積当たりに送達される有効成分の量を変化させること、
ii.吸引される空気の単位体積当たりに送達される香料の量を変化させること、及び
iii.前記エアロゾル供給システムのユーザインターフェースを修正することからなるリストから選択された1つ又は複数を含む、請求項6又は7に記載のシステム。
【請求項9】
前記エアロゾル供給システムのユーザインターフェースを修正することが、
i.予め定められたメッセージを表示すること、
ii.落ち着かせる音を出すこと、及び
iii.落ち着かせる視覚表示を表示することからなるリストから選択された1つ又は複数を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記コンピュータの動作が、
i.前記エアロゾル供給システム、
ii.前記エアロゾル供給システムと通信するように動作可能な遠隔サーバ、
iii.前記エアロゾル供給システムと通信するように動作可能な移動コンピューティングデバイス、及び
iv.前記エアロゾル供給システムと通信するように動作可能な移動コンピューティングデバイスと通信するように動作可能な遠隔サーバからなるリストから選択された1つ又は複数の範囲内に配置されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
エアロゾル供給の方法であって、
使用者によるエアロゾル供給システムとの相互作用に関する使用者挙動データを取得するステップと、
前記取得した使用者挙動データに基づいて、前記相互作用に対するデフォルト使用者挙動を判定するステップと、
前記使用者による前記エアロゾル供給システムとの現在の相互作用を監視するステップと、
前記現在の使用者相互作用が、予め定められた量を前記デフォルト使用者挙動から逸脱したとき、前記現在の使用者相互作用に基づいて、前記エアロゾル供給システムの動作パラメータを調整するステップとを含む方法。
【請求項12】
前記取得ステップが、使用者による前記エアロゾル供給システムとの相互作用の異なるタイプの2つ以上に関する使用者挙動データを取得することを含み、
前記判定ステップが、前記取得した使用者挙動データに基づいて、相互作用の2つ以上のタイプに対するデフォルト使用者挙動を判定することを含み、
前記監視ステップが、前記使用者による前記エアロゾル供給システムとの現在の相互作用を監視することを含み、
前記現在の使用者相互作用のうちの2つ以上が、それぞれの予め定められた量を前記デフォルト使用者挙動から逸脱したとき、前記調整するステップが、前記現在の使用者相互作用に基づいて、前記エアロゾル供給システムの前記動作パラメータを調整することを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記取得ステップが、予め定められた期間内に、複数のサンプル点に対する使用者挙動データを取得することを含み、
前記判定ステップが、前記予め定められた期間内に、対応する複数の点に対するデフォルト使用者挙動を判定することと、
前記予め定められた期間内に、現在の相互作用を、現在のそれぞれの点に対するデフォルト使用者挙動と比較することとを含む、
請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記判定ステップが、前記判定したデフォルト使用者挙動に対応するデフォルト動作パラメータを判定することを含み、
前記調整ステップが、前記現在の使用者相互作用と前記デフォルト使用者挙動との間の逸脱度に応答して、前記エアロゾル供給システムの判定したデフォルト動作パラメータを調整することを含む、
請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記判定ステップが、前記判定したデフォルト使用者挙動に対応するデフォルト動作パラメータを判定することを含み、
前記調整ステップが、前記現在の使用者相互作用又は各々の現在の使用者相互作用と前記デフォルト使用者挙動との間の偏差のタイプに応答して、前記エアロゾル供給システムの判定したデフォルト動作パラメータを調整することを含む、
請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
予め定められた基準に従って、前記現在の使用者相互作用と前記デフォルト使用者挙動との間の前記偏差がストレスの増大を示すかどうかを分類するステップと、ストレスの増大を示す場合、
ストレス緩和行為を開始するステップと
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ストレス緩和行為が開始されることを望むかどうかを前記使用者に尋ねるステップと、
ユーザインターフェースを介して前記使用者からの指示を受け取るステップと
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ストレス緩和行為が、
i.吸引される空気の単位体積当たりに送達される有効成分の量を変化させること、
ii.吸引される空気の単位体積当たりに送達される香料の量を変化させること、及び
iii.前記エアロゾル供給システムのユーザインターフェースを修正することからなるリストから選択された1つ又は複数を含む、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記エアロゾル供給システムのユーザインターフェースを修正することが、
i.予め定められたメッセージを表示すること、
ii.落ち着かせる音を出すこと、及び
iii.落ち着かせる視覚表示を表示することからなるリストから選択された1つ又は複数を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記方法の前記ステップが、
i.前記エアロゾル供給システム、
ii.前記エアロゾル供給システムと通信するように動作可能な遠隔サーバ、
iii.前記エアロゾル供給システムと通信するように動作可能な移動コンピューティングデバイス、及び
iv.前記エアロゾル供給システムと通信するように動作可能な移動コンピューティングデバイスと通信するように動作可能な遠隔サーバからなるリストから選択された1つ又は複数によって実施される、請求項11~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
コンピュータシステムに、請求項11~20のいずれか一項に記載の方法を実行させるように構成されたコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[開示の背景]
[分野]
本開示は、エアロゾル供給システム及び方法に関する。
【従来技術の説明】
【0002】
本明細書に提供する「背景」の説明は、本開示の文脈について概略的に提示することを目的とする。この背景の節に記載する範囲で本明細書に名前を挙げる発明者らの仕事、並びにその他の点では出願の時点で従来技術であると考えられない説明の態様は、明示又は暗示を問わず本開示において従来技術であると認められるものではない。
【0003】
電子タバコ(eシガレット)などの電子エアロゾル供給システムは一般に、ニコチンを典型的に含む配合剤を含有する原料液体のリザーバを含み、エアロゾルは、それから、たとえば加熱気化によって生成される。したがって、エアロゾル供給システム用のエアロゾル供給源は、たとえばウィッキング/毛細管作用によってリザーバから原料液体を受け取るように配置された加熱要素を有するヒーターを備えてもよい。植物物質、又は有効成分及び/若しくは香味剤などのゲルなどの他の供給源材料も同様に加熱して、エアロゾルを生じさせることができる。したがって、より一般的には、eシガレットは、加熱気化のためのペイロードを含む又は受け入れるものと考えることができる。
【0004】
使用者がデバイスを吸引する間、電力が加熱要素に供給されて、加熱要素の近くにあるエアロゾル供給源(ペイロードの一部分)を気化し、使用者による吸引のためのエアロゾルを生成する。そのようなデバイスは通常、システムの吸い口端部から離れたところに配置された1つ又は複数の空気入口孔を備える。使用者がシステムの吸い口端部に接続された吸い口を吸うと、空気は入口孔を通って引き込まれ、エアロゾル供給源を通過する。エアロゾル供給源と吸い口の開口との間を接続する流路があり、その結果、エアロゾル供給源を通過する空気は、エアロゾル供給源からエアロゾルの一部を運びながら、流路に沿って吸い口開口に引き込まれ続ける。エアロゾルを運ぶ空気は、使用者による吸引のための吸い口開口を通ってエアロゾル供給システムを出る。
【0005】
通常、使用者がデバイスを吸い込む/パフすると、ヒーターに電流が供給される。典型的に、使用者が吸引する/吸い込む/パフすると、流路に沿った空気流センサが起動することに応答して、又は使用者によるボタンの起動に応答して、電流がヒーター、たとえば抵抗加熱要素へ供給される。加熱要素によって生成された熱は、配合剤を気化するために使用される。放出された蒸気は、喫煙消費者によってデバイスに吸い込まれた空気と混合し、エアロゾルを形成する。これに代えて、又はこれに加えて、加熱要素は、タバコなどの植物を典型的には燃焼させずに加熱して、その有効成分を蒸気/エアロゾルとして放出するために使用される。
【0006】
使用者によって吸引される気化/エアロゾル化されるペイロードの量は、少なくとも部分的に、ある期間において、使用者がどれだけ長く及びどれだけ深く吸引するか、並びに同様に使用者がどれだけ頻繁に吸引するかに依存する。これらの使用者挙動は、使用者の気分に影響されることがある。
【0007】
その結果、使用者の気分又は挙動により応答するエアロゾル送達機構を提供することが有用になるはずである。
【発明の概要】
【0008】
第1の態様では、エアロゾル供給システムを備えるシステムが、請求項1によって提供される。
【0009】
別の態様では、エアロゾル供給方法が、請求項11によって提供される。
【0010】
本発明のさらなる態様は、特許請求の範囲に記載のとおり提供される。
【0011】
本開示の上記の一般的な概要及び以下の詳細な説明はどちらも、本開示の例示であり、制限するものではないことを理解されたい。
【0012】
本開示及びそれに伴う利点の多くのより完全な理解は、以下の詳細な説明を参照し、添付の図面と関連して考慮することによってよりよく理解されることから、容易に得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】電子エアロゾル/蒸気供給システム(EVPS)を示す図である。
【
図5】EVPS及び遠隔デバイスを備えるシステムを示す図である。
【実施形態の説明】
【0014】
電子エアロゾル供給システム及び方法が開示される。以下の説明では、本開示の実施形態の徹底的な理解を提供するために、複数の特有の詳細を提示する。しかし、本開示の実施形態を実施するためにこれらの特有の詳細を用いる必要がないことは、当業者には明らかである。逆に言えば、当業者に知られている特有の詳細は、説明を明確にする目的で必要に応じて省略される。
【0015】
上述したように、本開示は、エアロゾル供給システム(たとえば、非燃焼式エアロゾル供給システム)又はeシガレットなどの電子蒸気供給システム(EVPS)に関する。以下の説明全体を通して、「eシガレット」という用語が使用されることがあるが、この用語は、(電子)エアロゾル/蒸気供給システムと交換可能に使用することができる。同様に、「蒸気」及び「エアロゾル」という用語も本明細書では同等に参照される。
【0016】
一般に、電子蒸気/エアロゾル供給システムは、ベイピングデバイス又は電子ニコチン送達システム(END)としても知られている電子タバコとすることができるが、エアロゾル化可能材料内にニコチンが存在することは必要条件ではないことに留意されたい。いくつかの実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給システムは、非燃焼加熱式システムとしても知られているタバコ加熱システムである。いくつかの実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給システムは、エアロゾル化可能材料の組合せを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムであり、これらの材料のうちの1つ又は複数を加熱することができる。エアロゾル化可能材料の各々は、たとえば、固体、液体、又はゲルの形態であってもよく、ニコチンを含有しても又は含有しなくてもよい。いくつかの実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体又はゲルのエアロゾル化可能材料と、固体のエアロゾル化可能材料とを含む。固体のエアロゾル化可能材料は、たとえば、タバコ又は非タバコ製品を含んでもよい。一方、いくつかの実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給システムは、1つ又は複数のそのようなエアロゾル化可能材料から蒸気/エアロゾルを生成する。
【0017】
典型的に、非燃焼式エアロゾル供給システムは、非燃焼式エアロゾル供給デバイスと、非燃焼式エアロゾル供給システムとともに使用するための物品とを備えることができる。しかし、それ自体がエアロゾル生成構成要素にパワーを供給するための手段を備える物品は、それ自体が非燃焼式エアロゾル供給システムを形成することができると考えられる。一実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給デバイスは、パワー源及びコントローラを備えることができる。パワー源は、電源であっても又は発熱パワー源であってもよい。一実施形態では、発熱パワー源は、発熱パワー源の近くのエアロゾル化可能材料又は熱伝達材料に熱の形態のパワーを分配するようにエネルギーを与えることができる炭素基材を含む。一実施形態では、発熱パワー源などのパワー源は、非燃焼式エアロゾル供給部を形成するように物品に設けられる。一実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品は、エアロゾル化可能材料を含んでもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル化可能材料から1つ又は複数の揮発成分を放出してエアロゾルを形成するようにエアロゾル化可能材料と相互作用することが可能なヒーターである。一実施形態では、エアロゾル生成構成要素は、加熱することなくエアロゾル化可能材料からエアロゾルを生成することが可能である。たとえば、エアロゾル生成構成要素は、たとえば振動手段、機械的手段、加圧手段、又は静電気的手段のうちの1つ又は複数によって、熱を加えることなくエアロゾル化可能材料からエアロゾルを生成することが可能である。
【0019】
いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料は、活性材料、エアロゾル形成材料、及び任意選択で1つ又は複数の機能材料を含んでもよい。活性材料は、ニコチン(任意選択で、タバコ又はタバコ派生物に含まれる)又は1つ若しくは複数の他の非嗅覚的な生理活性材料を含んでもよい。非嗅覚的な生理活性材料は、嗅覚以外の生理学的応答を実現するためにエアロゾル化可能材料に含まれる材料である。エアロゾル形成材料は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソ-エリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及び炭酸プロピレンのうちの1つ又は複数を含んでもよい。1つ又は複数の機能材料は、香料、キャリア、pH調整剤、安定剤、及び/又は酸化防止剤のうちの1つ又は複数を含んでもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品は、エアロゾル化可能材料、又はエアロゾル化可能材料を受け入れるための領域を含んでもよい。一実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品は、吸い口を備えてもよい。エアロゾル化可能材料を受け入れるための領域は、エアロゾル化可能材料を貯蔵するための貯蔵領域であってもよい。たとえば、貯蔵領域はリザーバであってもよい。一実施形態では、エアロゾル化可能材料を受け入れるための領域は、エアロゾル生成領域から離れていても、又はエアロゾル生成領域と組み合わされていてもよい。
【0021】
次に図面を参照されたい。いくつかの図全体を通して、同じ参照番号が同一の部分又は対応する部分を指す。
【0022】
図1は、本開示のいくつかの実施形態によるeシガレット10などの電子蒸気/エアロゾル供給システムの概略図である(原寸に比例しない)。eシガレットは、破線LAによって示す長手方向軸線に沿って延びる略円筒形の形状を有し、2つの主要な構成要素、すなわち本体20及びカトマイザ30を備える。カトマイザは、たとえばニコチンを含む液体などのペイロードのリザーバと、気化器(ヒーターなど)と、吸い口35とを含む内部チャンバを含む。以下で述べる「ニコチン」は、単なる例示であり、任意の好適な有効成分に置き換えることができることを理解されたい。ペイロードとして述べる「液体」は、単なる例示であり、植物物質(たとえば、燃焼ではなく加熱されるタバコ)、又は有効成分及び/若しくは香味剤を含むゲルなどの任意の好適なペイロードに置き換えることができることを理解されたい。リザーバは、気化器へ送達することが必要とされるときまで液体を保持するための発泡体又は任意の他の構造とすることができる。液体/流動性ペイロードの場合、気化器は、その液体を気化するためのものであり、カトマイザ30は、少量の液体をリザーバから気化器の気化位置、又は気化器に隣り合う気化位置へ移送するためのウィック又は類似の手段をさらに含むことができる。以下では、ヒーターが気化器の具体例として使用されている。しかし、気化器の他の形態(たとえば、超音波を利用するもの)も使用することができることを理解されたい。使用される気化器のタイプはまた、気化されるペイロードのタイプに依存しうることも理解されたい。
【0023】
本体20は、eシガレット10に電力を供給するための再充電可能な電池又はバッテリーと、eシガレットを全体的に制御するための回路基板とを含む。回路基板によって制御されるように、ヒーターがバッテリーから電力を受け取ると、ヒーターは液体を気化し、次いでこの蒸気は吸い口35を通って使用者によって吸引される。いくつかの特有の実施形態では、本体は、本体の外側に配置された手動起動デバイス265、たとえばボタン、スイッチ、又はタッチセンサをさらに備える。
【0024】
本体20及びカトマイザ30は、
図1に示すように、長手方向軸線LAに平行な方向に分離することによって、互いから取外し可能とすることができるが、本体20とカトマイザ30との間の機械的及び電気的な接続を提供するために、
図1に25A及び25Bとして概略的に示す接続部によって、デバイス10が使用されるときにともに接合される。カトマイザ30に接続するために使用される本体20の電気コネクタ25Bはまた、本体20がカトマイザ30から取り外されたときに充電デバイス(図示せず)を接続するためのソケットとしても働く。充電デバイスの他方の端部をUSBソケットに差し込んで、eシガレット10の本体20内の電池を再充電することができる。他の実施態様では、本体20の電気コネクタ25BとUSBソケットとの間の直接接続のためにケーブルが提供されてもよい。
【0025】
eシガレット10には、空気入口用の1つ又は複数の孔(
図1には図示せず)が設けられている。これらの孔は、eシガレット10を通って吸い口35に至る空気通路に接続する。使用者が吸い口35を吸引すると、空気は、eシガレットの外側に好適に配置された1つ又は複数の空気入口孔を通ってこの空気通路に引き込まれる。ヒーターを起動させてカートリッジからニコチンを気化させると、空気流は生成された蒸気を通ってその蒸気と結合し、次いで空気流と生成された蒸気とが組み合わさって、吸い口35から流出して、使用者によって吸引される。1回限りの使用のデバイスを除いて、カトマイザ30は、液体の供給源が使い尽くされたとき、本体20から取り外されて処分されてもよい(所望される場合は別のカトマイザと交換される)。
【0026】
図1に示すeシガレット10は、例として提示されており、様々な他の実施態様を採用することができることが理解されよう。たとえば、いくつかの実施形態では、カトマイザ30は、2つの分離可能な構成要素として、すなわち液体リザーバ及び吸い口を備えるカートリッジ(リザーバからの液体が使い尽くされたときは交換することができる)、及びヒーターを備える気化器(一般的に保持される)として提供される。別の例として、充電手段は、車のシガーライタなどの追加又は代替の電源に接続してもよい。
【0027】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による
図1のeシガレット10の本体20の概略図(簡略図)である。
図2は、概して、eシガレット10の長手方向軸線LAを通る平面における断面であると考えることができる。たとえば配線及びより複雑な形状など、本体の様々な構成要素及び詳細は、明確にするために
図2から省略されたことに留意されたい。
【0028】
本体20は、使用者によるデバイスの起動に応答してeシガレット10に電力を供給するためのバッテリー又は電池210を含む。加えて、本体20は、eシガレット10を制御するためのコントロールユニット(
図2には図示せず)、たとえば特定用途向け集積回路(ASIC)又はマイクロコントローラなどのチップを含む。マイクロコントローラ又はASICは、CPU又はマイクロプロセッサを含む。CPU及び他の電子構成要素の動作は、概して、CPU(又は他の構成要素)上で走るソフトウェアプログラムによって少なくとも部分的に制御される。そのようなソフトウェアプログラムは、マイクロコントローラ自体に組み込むことができ、又は別個の構成要素として設けることができる、ROMなどの不揮発性メモリに記憶されてもよい。CPUは、必要に応じて、及び必要とされるときに、ROMにアクセスして個々のソフトウェアプログラムをロード及び実行することができる。マイクロコントローラはまた、適当な場合、本体10内の他のデバイスと通信するための適当な通信インターフェース(及び制御ソフトウェア)を含む。
【0029】
本体20は、eシガレット10の遠方(遠位)端をシールして保護するためのキャップ225をさらに含む。典型的に、使用者が吸い口35を吸引すると、空気が本体20に流入することができるように、キャップ225に、又はキャップ225に隣り合って、空気入口孔が設けられる。コントロールユニット又はASICは、バッテリー210に沿って、又はバッテリー210の一端に、配置されてもよい。いくつかの実施形態では、ASICは、吸い口35での吸引を検出するためにセンサユニット215に取り付けられる(又はその代わりに、ASIC自体にセンサユニット215を設けてもよい)。空気入口から空気流センサ215及びヒーター(気化器又はカトマイザ30内)を通過して吸い口35に至る空気経路が、eシガレットに設けられている。したがって、使用者がeシガレットの吸い口を吸引すると、CPUは、空気流センサ215からの情報に基づいて、そのような吸引を検出する。
【0030】
キャップ225とは反対側の本体20の端部には、本体20をカトマイザ30に接合するためのコネクタ25Bがある。コネクタ25Bは、本体20とカトマイザ30との間の機械的及び電気的な接続を提供する。コネクタ25Bは、カトマイザ30への電気接続のための1つの端子(正又は負)として機能する金属(いくつかの実施形態では銀めっきされている)である本体コネクタ240を含む。コネクタ25Bは、第1の端子、すなわち本体コネクタ240とは反対の極性の、カトマイザ30への電気接続のための第2の端子を提供する電気接点250をさらに含む。電気接点250は、コイルばね255に取り付けられている。本体20がカトマイザ30に取り付けられると、カトマイザ30のコネクタ25Aは、コイルばねを軸線方向、すなわち長手方向軸線LAに平行な方向(長手方向軸線LAと一致する方向)に圧縮するように、電気接点250を押す。ばね255の弾性を考慮すると、この圧縮によって、ばね255が付勢されて伸びようとし、これには電気接点250をカトマイザ30のコネクタ25Aに対してしっかりと押し付ける効果があり、以て本体20とカトマイザ30との間の良好な電気接続を確実にするのに役立つ。本体コネクタ240及び電気接点250は、架台260によって分離されており、架台260は、2つの電気端子間の良好な絶縁を提供するために、非導電体(プラスチックなど)から作られている。架台260は、コネクタ25A及び25Bの相互の機械的係合を支援するような形状である。
【0031】
上述したように、手動起動デバイス265の形態を表すボタン265は、本体20の外側ハウジングに配置することができる。ボタン265は、使用者によって手動で起動されるように動作可能な任意の適当な機構を使用して、たとえば機械式ボタン又はスイッチ、静電容量型又は抵抗型のタッチセンサなどとして実施することができる。また、手動起動デバイス265は、本体20の外側ハウジングではなく、カトマイザ30の外側ハウジングに配置されてもよく、その場合、手動起動デバイス265は、接続部25A、25BによってASICに取り付けられてもよいことが理解されよう。ボタン265はまた、キャップ225の代わりに(又はキャップ225に加えて)、本体20の端部に配置されてもよい。
【0032】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による
図1のeシガレット10のカトマイザ30の概略図である。
図3は、概して、eシガレット10の長手方向軸線LAを通る平面における断面であると考えることができる。配線及びより複雑な形状など、カトマイザ30の様々な構成要素及び詳細は、明確にするために
図3から省略されたことに留意されたい。
【0033】
カトマイザ30は、カトマイザ30の中心軸線(長手方向軸線)に沿って、吸い口35から、カトマイザ30を本体20に接合するためのコネクタ25Aまで延びる空気通路355を含む。液体のリザーバ360が、空気通路335の周りに設けられている。このリザーバ360は、たとえば液体に浸漬された綿又は発泡体を提供することによって実施することができる。カトマイザ30はまた、使用者がeシガレット10を吸引したことに応答して、蒸気を生成して空気通路355に流し、吸い口35から流出させるように、リザーバ360からの液体を加熱するためのヒーター365を含む。ヒーター365は、電線366及び367を通して電力が供給され、電線366及び367は、コネクタ25Aを介して本体20のバッテリー210の反対の極性(正極及び負極、又はその逆)に接続される(電力線366及び367とコネクタ25Aとの間の配線の詳細は、
図3から省略されている)。
【0034】
コネクタ25Aは内部電極375を含み、内部電極375は、銀めっきされても、又は何らかの他の好適な金属若しくは導電性材料から作られてもよい。カトマイザ30が本体20に接続されると、内部電極375は本体20の電気接点250に接触して、カトマイザ30と本体20との間に第1の電気経路を提供する。特に、コネクタ25A及び25Bが係合されると、内部電極375は、コイルばね255を圧縮するように電気接点250を押し、以て内部電極375と電気接点250との間の良好な電気接触を確実にするのに役立つ。
【0035】
内部電極375は絶縁リング372に取り囲まれており、絶縁リング372は、プラスチック、ゴム、シリコーン、又は任意の他の好適な材料から作ることができる。絶縁リングは、カトマイザコネクタ370によって取り囲まれており、カトマイザコネクタ370は、銀めっきされても、又は何らかの他の好適な金属若しくは導電性材料から作られてもよい。カトマイザ30が本体20に接続されると、カトマイザコネクタ370は本体20の本体コネクタ240に接触して、カトマイザ30と本体20との間に第2の電気経路を提供する。言い換えれば、内部電極375及びカトマイザコネクタ370は、適当な場合、本体20内のバッテリー210から供給線366及び367を介してカトマイザ30内のヒーター365へ電力を供給するための正端子及び負端子(又はその逆)として機能する。
【0036】
カトマイザコネクタ370には、eシガレット10の長手方向軸線から離れて反対の方向に延びる2つの突起又はタブ380A、380Bが設けられている。これらのタブは、カトマイザ30を本体20に接続するために、本体コネクタ240とともにバヨネット式の取付具を提供するために使用される。このバヨネット式の取付具は、カトマイザ30と本体20との間に確実で堅牢な接続を提供し、その結果、カトマイザ及び本体は互いに対して固定位置に保持され、ぐらつき又はたわみが最小限に抑えられ、偶発的な分離の可能性が非常に小さい。同時に、バヨネット式の取付具は、挿入してから回転させて接続すること、及び回転(逆方向)させてから引っ張って分離することによって、簡単で迅速な接続及び切断を提供する。他の実施形態は、スナップ嵌め又はねじ接続など、本体20とカトマイザ30との間で異なる形態の接続を使用することができることが理解されよう。
【0037】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による本体20の端部にあるコネクタ25Bの特定の詳細の概略図である(ただし、説明を明確にするため、架台260など、
図2に示すコネクタの内部構造の大部分は省略する)。特に、
図4は、概ね円筒チューブの形態を有する本体20の外部ハウジング201を示す。この外部ハウジング201は、たとえば、紙などで外側が覆われた金属の内側チューブを備えてもよい。外部ハウジング201はまた、手動起動デバイス265が使用者にとって容易にアクセス可能となるように、手動起動デバイス265(
図4には図示せず)を備えてもよい。
【0038】
本体コネクタ240は、本体20のこの外部ハウジング201から延びる。
図4に示す本体コネクタ240は、2つの主要な部分、本体20の外部ハウジング201にちょうど嵌るようなサイズの中空の円筒チューブの形状のシャフト部分241、及びeシガレットの主長手方向軸線(LA)から離れる方向に、半径方向に外向きに向けられたリップ部分242を備える。シャフト部分が外部ハウジング201と重複しないところで、カラー又はスリーブ290が、本体コネクタ240のシャフト部分241を取り囲んでおり、カラー290もまた円筒チューブの形状である。カラー290は、本体コネクタ240のリップ部分242と本体の外部ハウジング201との間に保持され、これらはともに、カラー290の軸線方向(すなわち、軸線LAに平行な方向)の移動を防止する。しかし、カラー290は、シャフト部分241(したがって、軸線LAでもある)の周りを自由に回転することができる。
【0039】
上述したように、キャップ225には、使用者が吸い口35を吸引すると空気が流れることができるように、空気入口孔が設けられている。しかし、いくつかの実施形態では、使用者が吸引するとデバイスに入る空気の大部分は、
図4に2つの矢印によって示すように、カラー290及び本体コネクタ240を通って流れる。
【0040】
図1及び
図5を再び参照すると、本開示の一実施形態では、使用者による吸引のためにエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル供給システムは、コンピュータ(図示せず)を備える。本明細書に後に説明するように、コンピュータは、電子蒸気供給システム(EVPS)10、若しくはEPVSと通信するように動作可能な電話などの移動デバイス100に配置してもよく、又はこれらのデバイスの各々のプロセッサ、及び/若しくは遠隔サーバ(図示せず)間で、コンピュータの機能を共有してもよい。
【0041】
次いで、このコンピュータは、以下の機能を実行するように構成される(たとえば、好適なソフトウェア命令による)。
【0042】
第1に、使用者によるエアロゾル供給システムとの相互作用に関する使用者挙動データを取得する。
【0043】
第2に、取得した使用者挙動データに基づいて、相互作用に対するデフォルト使用者挙動を判定する。
【0044】
第3に、使用者によるエアロゾル供給システムとの現在の相互作用を監視する。
【0045】
次いで、現在の使用者の相互作用が、予め定められた量をデフォルト使用者挙動から逸脱すると、第4に、現在の使用者の相互作用に基づいて、エアロゾル供給システムの動作パラメータを調整する。
【0046】
第1の機能に関して、使用者挙動データは、使用者によるエアロゾル供給システムの使用に関する任意のセンサデータ又はユーザインターフェース相互作用データを含んでもよい。
【0047】
吸引に基づく相互作用に直接関係する例には、吸引行為の頻度、吸引行為の規則性/不規則性/分布、吸引の浅さ/深さ/体積、及び吸引の持続時間のうちの1つ又は複数が含まれる。典型的に、これらは、空気圧センサ(典型的に、吸引を検出してエアロゾルの送達を引き起こす1次使用を有する)、及びコンピュータに関連付けられたクロックなどの計時手段を使用して検出される。
【0048】
取扱い/手動の相互作用に関する例には、エアロゾル供給システムをポケット又はかばんに単独で入れる挙動(静的)(典型的に、低い頻度の運動の混合)、デバイスを受動的に保持する挙動(典型的に、この場合も、タッチ検出を伴う低い頻度の運動の混合)、デバイスをいじる又はもてあそぶ挙動(典型的に、任意選択でタッチ検出を伴う高い頻度の運動の混合物、及び/又はそれ自体がエアロゾルの送達を直接引き起こさない、エアロゾル供給システムに関連付けられたユーザインターフェース構成要素との繰返しの相互作用)、及び吸引の始まりとして、又は別個の動作として、デバイスを使用者の口に入れる挙動など、運動に基づく挙動のうちの1つ又は複数が含まれる。典型的に、これらは、加速度計/ジャイロスコープセンサ、タッチセンサ、圧力センサ、応力センサ、UI入力などの混合によって検出される。吸引に基づく相互作用と同様に、取扱い/手動の相互作用もまた、相互作用の頻度、相互作用の規則性/不規則性/分布、相互作用の強度(たとえば、運動の程度又は圧力の量などの連続変数に関する)、及び相互作用の持続時間のうちの1つ又は複数によって特徴付けることができる。
【0049】
コンピュータは、相互作用の1つのタイプ、若しくは上記の例のように、相互作用の2つ以上の異なるタイプ、又は任意の他の好適な1つ若しくは複数のタイプに関する使用者挙動データを取得することができることが理解されよう。
【0050】
同様に、コンピュータは、予め定められた期間内に、複数のサンプル点に対する使用者挙動データを取得することができることが理解されよう。したがって、各時刻に対する使用者データを収集することができ、その結果、1日の時間ごとの挙動を判定することができる。これに代えて、又はこれに加えて、異なる場所に対する使用者データを収集することができ、任意選択で、複数回訪れた場所、及び/又は使用者が閾値期間より長く滞在した場所に場所を制限するフィルターを用いてもよい。したがって、これはまた、予め定められた期間内に、複数のサンプル点に対する使用者挙動データを取得することに匹敵することができ、その期間は、ある場所(たとえば、在宅中、仕事中、市中に滞在中など)に使用者がいる測定された持続時間、典型的な持続時間、又は平均的な持続時間に対応することが理解されよう。任意選択で、輸送機関を仮想の場所として同様に考えてもよい(この場合、たとえば使用者が車又は電車の中にいるとき、動いているものの場所)。任意選択で、使用者は、現在の場所がそのようなデータに含まれないように、ユーザインターフェースによって現在の場所をブラックリストに載せてもよい。
【0051】
第2の機能に関して、デフォルト使用者挙動は、コンピュータによって、取得した使用者挙動データに基づいて、相互作用に対して判定することができる。第1の機能に関して上述したように、これは、任意選択で、取得した使用者挙動データに基づいて、相互作用2つ以上のタイプに対して判定すること、及び/又は任意選択で、予め定められた期間内の対応する複数の点に対して判定することができる(たとえば、1日の1時間ごとのスロット、又は仕事中、休憩中、移動中などのうちの1つ若しくは複数に対応する期間/場所)。
【0052】
これらの場合のいずれにおいても、任意の好適な統計分析によって、デフォルト使用者挙動を判定することができる。
【0053】
第1の事例では、たとえば使用者データが吸引の頻度、吸引の体積、又は吸引の持続時間などの連続変数に関するとき、この特性に対する平均値を、デフォルトとして判定することができる。任意選択で、平均の分散又は標準偏差はまた、この判定されたデフォルト使用者挙動がどれだけ正確又は確実であるかの指標として判定されてもよい(したがってたとえば、狭い分散は、正確な推定を示唆し、広い分散は、推定が代表的であり、いずれの個々の事例に対しても正確である可能性が低いことを示唆する)。
【0054】
吸引の規則性又は吸引の分布パターンを特徴付ける値などの複数の連続変数を使用して、他のデータを表してもよく、たとえば使用者は、いわゆる「バースティング(bursting)」パターンで習慣的に吸引することがあり、使用者は、制限された期間でエアロゾル供給システムを頻繁にパフしてから、長期間にわたって休止し、次いでこのパターンを繰り返す。その代わりに、使用者は、いわゆる「グレージング(grazing)」パターンで習慣的に吸引することがあり、使用者は、バースティングパターンより少ない頻度でエアロゾル供給システムをパフするが、長く休止することはない。
【0055】
そのようなパターンは、平均パフ頻度データを使用して表すことができるが、バースティングパターンに対応するパターン、又はより長い時間枠にわたってパフしないことを示す低い頻度又は集合のパフ頻度データを追加することで、より正確に表すことができる。その代わりに、パターンは、閾値量未満の時間によって分離したパフに関して集めた平均パフ頻度データを、その閾値量の時間より大きい吸引の間隙に対する平均休止時間とともに使用して表されてもよい。これに代えて、又はこれに加えて、そのような計画は、使用者挙動をバースティング、グレージング、又はデータ内で特定可能な任意の他の特徴的なパターンとして分類するために、パフ記録及び/又は上記の値のいずれかのk平均法など、他の分析を使用して表されてもよい。
【0056】
「バースティング」パターンの他の例には、エアロゾル供給システムをいじる又はもてあそぶことが含まれてもよく、これは、いじること又はもてあそぶこと自体を記述する値を含んでもよく、またこれが発生する頻度及び/又は規則性を含んでもよい。この場合も、これに代えて、又はこれに加えて、そのような挙動の分類は、任意の好適なクラスタリング手段を使用して実施されてもよい。
【0057】
いずれの事象でも、このようにして、1つ若しくは複数のデータタイプ、及び/又は1つ若しくは複数の期間若しくは等しく場所に対して、使用者によるエアロゾル供給システムとの相互作用の特定のファセットに対する使用者の典型的な挙動又はデフォルト挙動の統計的表現を判定することができる。
【0058】
そのような判定は、長期間にわたって、たとえば数週間又は数か月にわたって予測可能な挙動に関し、したがって統計モデルは、その日の個々の時間に関する場合でも、複数の日、潜在的には複数の週又はさらには月から導出された、その日のその時間に対するデータに基づいていることが理解されよう。
【0059】
任意選択で、使用者は自身の挙動をゆっくりと変化させる可能性がある(たとえば、個人的な状況の変化による、仕事の変化による、又は挙動中止計画の一部として)ことを認識した上で、典型的な使用者挙動/デフォルト使用者挙動のそのような統計的表現は、ローリング表現(たとえば、最後のN日、M週、又はO月のデータに基づく)とすることができ、又は同じデータの複数の表現を維持することもでき、たとえば、特定の相互作用に対する典型的な使用者挙動/デフォルト使用者挙動の統計的表現は、月のデータに基づいてもよいが、別個の測定挙動は、最後の週のデータに基づいてもよく、それに応じて、別個の測定の分散が、使用者の挙動が変化していることを示す閾値を超過した場合、及び/又はその平均が、より長期の平均からそれている場合、これは、より新しいデータに基づいて、新しい統計的表現を構築する必要、又は構築し始める必要を示すことがある。
【0060】
第3の機能に関して、コンピュータは、任意の好適な手段を使用して、典型的には少なくとも、コンピュータによって前に判定されたデフォルト使用者挙動の基礎となる使用者挙動データを集めるために使用されたものと同じ手段の一部を使用して、使用者によるエアロゾル供給システムとの現在の相互作用を監視する。
【0061】
したがって、たとえば、吸引の頻度、吸引の体積、及び/又は吸引の持続時間に関するデータは、この場合も、先に論じたように、空気圧センサ及び計時手段を使用して検出することができる。
【0062】
監視プロセスの一部として、コンピュータは、比較を有効化又は簡略化するために、典型的な使用者挙動/デフォルト使用者挙動の判定に関して本明細書に前述したものに対応する統計分析を実行してもよい。
【0063】
しかしこの場合、統計分析は、比較的短期の使用者挙動データに関して実行される。したがって、たとえば、所与の場所又は所与の時刻に対する典型的な使用者挙動のファセットが、複数の日又は週に対するデータを使用して判定されてもよいが、現在の相互作用は、最後の5、15、30、60、90、若しくは120分の挙動に基づいて、又は使用者が所与の場所に到達したとき、所与の状態になったとき、若しくは検出可能な活動を開始したときからのデータに基づいて適当に、監視されてもよい。一方、任意選択で、何らかのより長期の使用者挙動(たとえば、季節的な傾向)が、日又は週ベースで現在の挙動として監視されてもよい。
【0064】
次いで、必要とされる場合に適当に処理される短期の使用者挙動データは、使用者挙動の1つ又は複数のファセット/タイプに対する判定された典型的な使用者挙動/デフォルト使用者挙動/長期の使用者挙動のデータと比較されてもよい。
【0065】
それに応じて、コンピュータのさらなる機能は、現在の相互作用をデフォルト使用者挙動と比較することである。これは、監視機能の一部、若しくは後の条件的調整機能の一部、又はそれ自体別個の機能であると考えることができる。
【0066】
この比較は、現在の使用者相互作用が、予め定められた量をデフォルト使用者挙動から逸脱するとき、又は同様に、2つ以上が監視及び比較されている場合、現在の使用者相互作用のうちの2つ以上が、それぞれの予め定められた量をデフォルト使用者挙動から逸脱するときを確認することを意図したものである。
【0067】
挙動が、時間、場所、又は使用者の状態に依存する場合、同様に現在の相互作用が、予め定められた期間(たとえば、関連する時間ブロック、又は使用者が関連する場所若しくは状態にある期間)内に、現在のそれぞれの点に対するデフォルト使用者挙動と比較されてもよい。
【0068】
デフォルト使用者挙動の判定に関して上述したように、偏差の本質は任意の好適な形態をとってもよく、したがって、たとえば連続変数の場合、平均値からの絶対値偏差としても、又は相対値偏差(たとえば、百分位数の差)としてもよい。一方、たとえば、バースティング又はグレージング挙動をともに特徴付ける、高域通過フィルター及び低域通過フィルターにかけられた吸引値などの多変数記述の場合、個々の変数からの偏差は、別個に評価してもよいし、又は任意選択で偏差の程度の重み付きの組合せに基づいて全体的なスコアに対して評価してもよい。最終的に、この場合も挙動の分類に関して、偏差が分類の切換えによって表されてもよく、又は適当な場合、提供される分類の信頼度の変化によって表されてもよい。使用者挙動のそれぞれの統計的表現に適当な偏差の他の尺度は、当業者には明らかである。
【0069】
同様に、予め定められた量(閾値に対応する)は、絶対的若しくは相対的な閾値であってもよく、又はデータの平均からの全体的若しくは部分的な標準偏差によって測定されている根本的な挙動の固有の変動性を考慮に入れてもよい。この場合も、多変数記述の場合、本明細書に後述するように、任意の好適な重み付け及び/又は任意の好適な論理関係を使用して、そのような閾値を組み合わせてもよい。
【0070】
同様に、2つの別個の挙動が監視されている場合、典型的な挙動/デフォルト挙動からの偏差に対するそれぞれの閾値は、別個に評価されてもよく、又は本明細書に後述するように、任意選択で重み付けされた組合せとして、及び/又は任意の好適な論理関係を使用して評価されてもよい。
【0071】
一方、分類に関して、閾値は、分類選択機構に構築されてもよく、及び/又は、閾値は、現在の分類に対する閾値信頼度レベルに関してもよい。
【0072】
値及び/又は挙動が評価されている場合、上述したように、任意の好適な論理関係を使用して、これらを組み合わせることができる。たとえば、何らかの単一の挙動が、予想からその閾値量逸脱した場合、OR関係を使用することによって、後の調整応答を引き起こすことができる。一方、AND関係を使用することは、すべての挙動が予想からその閾値量逸脱することを必要とする。一方、XORなどの関数は、いくつかの挙動のうちの1つのみが予想から逸脱した場合に後の調整応答が引き起こされることを確実にすることができる。
【0073】
このようにして値及び/又は挙動を組み合わせることによって、誤検出を低減させることができる。たとえば、使用者は習慣的にグレージングするが、何らかの理由で、短期間にわたって自身のエアロゾル供給システムをより頻繁に使用した場合、高域通過の頻度値は予想される基準から逸脱するが、バースト間の対応する吸引中止がないため、谷の低域通過はそれほど逸脱しない。したがって、この場合、偏差が高頻度及び低頻度の値に対する閾値を満たすことを必要とすることで、グレージング挙動からバースティング挙動への変化の誤検出を回避することができる。
【0074】
同様に、使用者は、グレージング挙動からバースティング挙動へ変化するとき、自身のエアロゾル供給システムを習慣的にもてあそんでいることがあり、たとえばどちらの挙動も、ストレスの増大という兆候を示す。
【0075】
任意選択で、使用者は、ユーザインターフェースによって、これらの挙動を論理的にリンクさせることができ、又は任意選択で、コンピュータはまた、時間との相関に対して(たとえば、一般的な5、15、30、60、90、又は120分の時間枠などの好適な期間内で)、判定された異なる挙動を分析してもよい。相関が予め定められた閾値を上回る場合、任意選択で、コンピュータは、誤検出を制限するために、2つの挙動間にAND条件を自動的に追加してもよい。
【0076】
いずれの事象でも、比較された現在の使用者相互作用、又は各々の比較された現在の使用者相互作用が、任意選択で上述した組合せ動作、重み付け動作、又は論理動作のいずれかにさらにかけられた、その予め定められた量/閾値だけ、デフォルト使用者挙動から逸脱するとき、コンピュータは、その第4の機能を実行する。
【0077】
コンピュータの第4の機能は、現在の使用者相互作用に基づいて、エアロゾル供給システムの動作パラメータを調整することである。
【0078】
コンピュータが、エアロゾル供給システム自体以外のデバイスに配置された場合、又はその機能が複数のデバイスに分散された場合、任意選択で、この機能は、そのエアロゾル供給システムの動作パラメータを調整するように、エアロゾル供給システムのコントローラへ命令を伝送するという形態をとることもできることが理解されよう。
【0079】
第1の事例では、この調整は、コンピュータが、判定されたデフォルト使用者挙動に対応するデフォルト動作パラメータを判定することと、次いで現在の使用者相互作用とデフォルト使用者挙動との間の逸脱度に応答して、エアロゾル供給システムのこれらの判定されたデフォルト動作パラメータを調整することを含むことができる。
【0080】
したがって、閾値外のわずかな偏差は、適当な動作パラメータのわずかな調整をもたらし、閾値外のより大きい偏差は、それに対応して、適当な動作パラメータのより大きい調整をもたらす。
【0081】
言い換えれば、エアロゾル供給システムの機能の変化の程度は、この偏差が予め定められた閾値を超過した後、典型的な挙動/デフォルト挙動からの使用者の挙動の逸脱度に線形又は非線形に比例しうる。
【0082】
使用者の挙動に関係する任意の好適な動作パラメータを調整することができる。
【0083】
第1の事例では、これらは、エアロゾル供給システムによってエアロゾル化/気化された有効成分の送達速度に関することができる。したがって、たとえば動作パラメータは、有効成分を含むペイロードを気化するために使用されるヒーターの動作温度、又は同等に、圧電振動器など、その目的で使用される任意の他の手段のエアロゾル化出力に関することができる。これは、ヒーターへ提供される電力のレベル、又はヒーターのデューティーサイクル、又は起動される加熱要素の数などに関することもできる。他の例には、エアロゾル供給システムを通る空気の流量を変更することが含まれ、流量を低減させると、蒸気の密度を増大させて、吸引される空気の所与の体積に対して送達される有効成分の量を増大させることができる。さらなる例は、吸引の開始時により多くのエアロゾルが生成されるように、加熱プロファイルを変化させることを含み、その結果、所与の吸引期間に対して、このように第1の部分で送達されるより多くの有効成分が、肺の中へ深く吸い込まれて、したがって使用者に所望の薬理作用を与える可能性がより高くなる。したがって、さらなる例は、たとえばヒーターに対するペイロードの一部又は全部の相対的な配置によって、ヒーターへのペイロード(液体である場合)の流量を変更すること、又はそうでない場合、ヒーターへのペイロードの露出を増大させることを含む。
【0084】
これに代えて、又はこれに加えて、ペイロードの香料成分が変更されてもよく、たとえば有効成分の量/密度をさらに増大させることで、香料の量を増大させて、より多くのエアロゾル、したがって暗示的により多くの有効成分が送達されているという主観的な印象を提供することができる。これにより、有効成分の薬理作用を増大させることなく、有益なプラシーボ効果を与えることができる。
【0085】
エアロゾル供給システムの動作パラメータに対する調整は、エアロゾル自体の送達に限定されるものではなく、又は特にエアロゾル自体の送達自体に関するものでもない。たとえば、エアロゾル供給システム(又は等しくそれに関連付けられた移動デバイス)のユーザインターフェースは、予め定められたメッセージ(たとえば、正常な挙動から逸脱していることを使用者に知らせる)を表示することのうちの1つ又は複数を含むことができる。たとえば、使用者が、異常なときにエアロゾル供給システムをもてあそんでいる場合、これは、使用者の注意がデバイスに集中される可能性がより高いため、バッテリー状態灯を示すのに良好な時間とすることができる。
【0086】
逆に言えば、使用者がグレージングからバースティング又は高頻度の消費へ不意に切り換わった場合、これはストレス又は制限された利用可能な時間を示し、エアロゾル供給システム自体又は使用者の電話の添付のアプリへのUI特徴の提供は、UIによる、ノイズ又はより頻繁、完全、若しくは敏感な一連の通知の使用など、ストレスが多いと考えられうるユーザインターフェースの態様と同様に、好ましくないことがある。UI出力を低減させる代わりに、又はそれに加えて、落ち着かせる音を聞かせること、又は落ち着かせる視覚表示を表示することなど、代替の出力を提供してもよい。
【0087】
ストレスの指標に関して、所与の挙動に対して、時として、1つの偏差タイプが高いストレスを示すこともあり、別の偏差タイプが低い又は穏やかなストレスを示すこともあることが理解されよう。したがって、任意選択で、コンピュータは、偏差(又は、本明細書に前述したように、任意の組合せ)が典型的なレベルから増大若しくは減少するかどうか、又は変化する場合は分類のタイプなどに応じて、異なる応答(又は応答がまったくないこと)によって、偏差タイプに応答して、判定されたデフォルト動作パラメータを調整するだけであってもよい。
【0088】
したがって、任意選択で、コンピュータは、予め定められた基準に従って、現在の使用者相互作用(複数可)とデフォルト使用者挙動(複数可)との間の偏差がストレスの増大を示すかどうかを分類し、ストレスの増大を示す場合、ストレス緩和行為を開始することができる。
【0089】
したがって、この場合、デフォルト動作パラメータに対する調整は、特に、デフォルト挙動からの偏差が、ストレスが原因であり得ることを示すとき、ストレスを緩和することを意図したものである。変化がストレスを示すという分類は、製造者によって提供されてもよく(たとえば、複数の使用者から集められた使用者試験又はフィードバックに基づく)、又はたとえば電話アプリのUIのスクリーン上のボタンを押すことによって、使用者がストレスを受けていることを示すことを可能にするユーザインターフェースを備える場合、使用者によって提供されてもよい。この場合、アプリは、将来の分類のために、監視される現在の相互作用を使用者のストレスに関連付けることができる。任意選択で、アプリはまた、将来の製造者設定又はこれらの設定に対する更新を可能にするために、この情報を製造者へフィードバックしてもよい。
【0090】
したがって、1つ又は複数の使用者挙動が、ストレスの増大を示すものとして分類された場合、エアロゾル供給システムは、知られている落ち着かせる効果がある場合、有効成分の相対的な送達を増大させること、並びに/或いはデバイス若しくは関連付けられたアプリのユーザインターフェースを簡略化すること、又はそれ以外の場合、より落ち着かせるものにすること、たとえば背景色を変更すること、及び/又はエアロゾル供給システムの音若しくは触覚フィードバックを変更すること、若しくは取り消すことができる。
【0091】
任意選択で、関連付けられた移動デバイスは、たとえば、皮膚ガルバニックセンサ及び/若しくは心拍モニタ(たとえば、移動電話と通信するフィットネスウェアラブル)を使用すること、又は使用者が電話と相互作用しているときは使用者の表情若しくは声を分析することによって、ストレスの増大の指標を直接監視することができる。
【0092】
動作パラメータに対するすべての調整が比例することができるとは限らず、一部は2値状態又は多値状態の変化を表すことができ、たとえば使用者の見掛け上発散するストレス挙動の程度に応答してユーザインターフェースによって出されるあらゆる音の大きさを低減させることは比例であるが、任意選択で、デフォルト挙動からの偏差が閾値を超過する場合(2値変化)、ユーザインターフェースは、音声を単にミュートすることができることが理解されよう。同様に、使用者、たとえば電話に提示される通知又はUIオプションの頻度及び/又は複雑さは、デフォルト挙動からの偏差が増大するにつれて低減させることができる。この場合、頻度は比例であってもよく、又はその代わりに、異なる優先レベルを有する通知が表示されるか否かに対応してもよい。たとえば、バッテリー電力又はペイロードリザーバがそれぞれの閾値を下回らない限り、バッテリー及びリザーバレベル情報は、ユーザインターフェースから除去されてもよい。
【0093】
使用者挙動がストレスを受けている可能性があることを示す場合、使用者挙動は、本明細書に前述した態様のいずれかでエアロゾル供給システムが異なる挙動をし始めたことに、積極的に反応しないことが理解されよう。
【0094】
それに応じて、エアロゾル供給システム又は関連付けられた移動デバイスは、ストレス緩和行為が開始されることを望むかどうかを使用者に尋ねることができ、これは、「静穏モード」などに入ることを望むかどうかを使用者に尋ねるという形態をとってもよい。その代わりに、デバイスは、たとえば動作パラメータを変化させるとき、及び/又は同様にストレス緩和行為を開始するとき、落ち着かせる音又は旋律を出すことによって、デバイスが状態を変化させているという一意のユーザインターフェース通知を提供してもよい。
【0095】
本明細書に前述したように、コンピュータは、エアロゾル供給システム、移動電話などの関連付けられた移動デバイス、及びエアロゾル供給システム自体によって直接(たとえば、Wi-Fi(登録商標)を介して)、又はエアロゾル供給システムの代わりに移動デバイスによってアクセス可能な遠隔サーバの一部又は全部に配置することができる。
【0096】
したがって、より概略的に、エアロゾル供給システムを備えるシステムは、エアロゾル供給システム(コンピュータを備える)のみ、又はエアロゾル供給システム及び移動電話などの移動デバイス(一方又は両方のデバイスにコンピュータ又はコンピュータのそれぞれの機能を有する)、又はエアロゾル供給システム及び遠隔サーバ(一方又は両方のデバイスにコンピュータ又はコンピュータのそれぞれの機能を有する)、又はエアロゾル供給システム、移動電話などの移動デバイス、及び遠隔サーバ(これらのデバイスのうちの1つ又は複数にコンピュータ又はコンピュータのそれぞれの機能を有する)を備えることができる。
【0097】
したがって、上記の技法は、ソフトウェア命令によって適用可能に好適に構成された従来のハードウェアで、又は専用のハードウェアの包含若しくは置換えによって、実施することができることが理解されよう。
【0098】
したがって、従来の同等デバイスの既存の部分に対する必要とされる適合は、フロッピーディスク、光学式ディスク、ハードディスク、固体状態ディスク、PROM、RAM、フラッシュメモリ、又はこれら若しくは他の記憶媒体の任意の組合せなどの非一時的機械可読媒体に記憶されたプロセッサ実施可能命令を備えるコンピュータプログラム製品の形態で実施することができ、或いはASIC(特定用途向け集積回路)若しくはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、又は従来の同等のデバイスを適合させる際に使用するのに好適な他の構成可能な回路として、ハードウェアで実現することができる。別個に、そのようなコンピュータプログラムは、イーサネット、無線ネットワーク、インターネット、又はこれら若しくは他のネットワークの任意の組合せなどのネットワークのデータ信号を介して伝送されてもよい。
【0099】
したがって、そのようなハードウェアを構成するために使用されるソフトウェアは、任意の専用のハードウェア構成のように、対応するエアロゾル供給方法を実施することができる。
図6を次に参照すると、そのようなエアロゾル供給方法は、
第1のステップs610で、本明細書に前述したように、使用者によるエアロゾル供給システムとの1つ又は複数の相互作用に関する使用者挙動データを取得することと、
第2のステップs620で、この場合も本明細書に前述したように、取得した使用者挙動データに基づいて、これらの相互作用のうちの1つ又は複数に対するデフォルト使用者挙動を判定することと、
第3のステップs630で、本明細書に前述したように、使用者によるエアロゾル供給システムとの現在の相互作用(又は複数の相互作用)を監視することとを含む。
【0100】
次いで、第3のステップ若しくは以下の第4のステップのいずれかの部分として、又は別個の中間ステップとして、本明細書に前述したように、現在の使用者相互作用が、予め定められた量をデフォルト使用者挙動から逸脱するかどうかを確認する。
【0101】
次いで、現在の使用者相互作用が、予め定められた量をデフォルト使用者挙動から逸脱する場合、第4のステップs640で、本明細書に前述したように、現在の使用者相互作用に基づいて、エアロゾル供給システムの動作パラメータを調整する。
【0102】
本開示の範囲内で、本明細書に説明及び特許請求する方法及び/又は装置の様々な実施形態の動作に対応する上記の方法の変形が考えられることが、当業者には明らかであり、本開示は、それだけに限定されるものではないが、以下を含む。
【0103】
取得ステップは、使用者によるエアロゾル供給システムとの相互作用の異なるタイプの2つ以上に関する使用者挙動データを取得することを含み、判定ステップは、取得した使用者挙動データに基づいて、相互作用の2つ以上のタイプに対するデフォルト使用者挙動を判定することを含み、監視ステップは、使用者によるエアロゾル供給システムとの現在の相互作用を監視することを含み、現在の使用者相互作用のうちの2つ以上が、それぞれの予め定められた量をデフォルト使用者挙動から逸脱したとき、調整ステップは、現在の使用者相互作用に基づいて、エアロゾル供給システムの動作パラメータを調整することを含む。
【0104】
取得ステップは、予め定められた期間内に、複数のサンプル点に対する使用者挙動データを取得することを含み、判定ステップは、予め定められた期間内に、対応する複数の点に対するデフォルト使用者挙動を判定することと、予め定められた期間内に、現在の相互作用を、現在のそれぞれの点に対するデフォルト使用者挙動と比較することとを含む。
【0105】
判定ステップは、判定されたデフォルト使用者挙動に対応するデフォルト動作パラメータを判定することを含み、調整ステップは、現在の使用者相互作用とデフォルト使用者挙動との間の逸脱度に応答して、エアロゾル供給システムの判定されたデフォルト動作パラメータを調整することを含む。
【0106】
判定ステップは、判定されたデフォルト使用者挙動に対応するデフォルト動作パラメータを判定することを含み、調整ステップは、現在の使用者相互作用又は各々の現在の使用者相互作用とデフォルト使用者挙動との間の偏差タイプに応答して、エアロゾル供給システムの判定されたデフォルト動作パラメータを調整することを含む。
【0107】
予め定められた基準に従って、現在の使用者相互作用とデフォルト使用者挙動との間の偏差がストレスの増大を示すかどうかを分類し、ストレスの増大を示す場合、ストレス緩和行為を開始する。
この場合、ストレス緩和行為が開始されることを望むかどうかを使用者に尋ねて、ユーザインターフェースを介して使用者からの指示を受け取る。
この場合、ストレス緩和行為は、吸引される空気の単位体積当たりに送達される有効成分の量を変化させること、吸引される空気の単位体積当たりに送達される香料の量を変化させること、及びエアロゾル供給システムのユーザインターフェースを修正することからなるリストから選択された1つ又は複数を含む。
この後者の事例では、エアロゾル供給システムのユーザインターフェースを修正することは、予め定められたメッセージを表示すること、落ち着かせる音を出すこと、及び落ち着かせる視覚表示を表示することからなるリストから選択された1つ又は複数を含む。
【0108】
この方法のステップは、エアロゾル供給システム、エアロゾル供給システムと通信するように動作可能な遠隔サーバ、エアロゾル供給システムと通信するように動作可能な移動コンピューティングデバイス、及びエアロゾル供給システムと通信するように動作可能な移動コンピューティングデバイスと通信するように動作可能な遠隔サーバからなるリストから選択された1つ又は複数によって実施される。
【0109】
本明細書に前述したように、
図1を再び参照すると、エアロゾル供給システムは、自己内蔵型ユニット(デバイス自体が従来のシガレットの形状又は寸法に必ずしも一致しない場合でも、一般にeシガレットと呼ばれる)とすることができる。そのようなeシガレットは、空気流測定手段、処理手段、並びに任意選択で、触覚、音声、及び/又は光/表示手段などの1つ又は複数のフィードバック手段を備えることができる。
【0110】
その代わりに、
図5を参照すると、エアロゾル供給システムは、eシガレット10、及びたとえばブルートゥース(登録商標)を介してeシガレットと通信するように(たとえば、少なくともeシガレットからのデータを受け取るように)動作可能な移動電話又は類似のデバイス(タブレットなど)100など、2つの構成要素を備えることができる。
【0111】
次いで、移動電話は、eシガレットのものの代わりに、又はそれに加えて、処理手段、並びに触覚、音声、及び/又は光/表示手段などの1つ又は複数のフィードバック手段を備えることができる。
【0112】
任意選択で、エアロゾル供給システムは、移動電話100と通信するように動作可能なeシガレット10を備えることができ、移動電話は、エアロゾル供給システムに対する1つ若しくは複数のパラメータ又は他のデータ(使用者による使用の1つ又は複数の態様に特徴的なデータなど)を記憶し、eシガレットからそのようなパラメータ/データを受け取る。次いで、電話は、任意選択で、そのようなパラメータ/データに関する処理を実行し、処理済みのデータ及び/若しくは命令をエアロゾル供給システムへ戻し、結果を使用者に表示し(又は別の行為を実行する)、又は処理済み及び/若しくは未処理のパラメータ/データを遠隔サーバへ転送することができる。
【0113】
任意選択で、移動電話又はエアロゾル供給システム自体は、そのような遠隔サーバで使用者のアカウントに関連付けられたデータに無線でアクセスするように動作可能であってもよい。
【0114】
本開示の変形実施形態では、使用者の第1のエアロゾル供給システムは、その使用者設定の一部又は全部を別のエアロゾル供給システムへ通信することができる。使用者設定は、使用者挙動に特徴的なデータ、及び/又はエアロゾル供給システム動作の修正に関するデータなど、上記で開示した方法の実施態様に関係する設定を含むことができる。
【0115】
そのようなデータは、デバイス間で直接(たとえば、ブルートゥース(登録商標)又は近距離通信を介して)中継することができ、又は2つのデバイスの使用者によって所有される移動電話若しくは使用者がアカウントを有するサーバなどの1つ若しくは複数の仲介デバイスを介して中継することができる。
【0116】
このようにして、たとえば使用者が、2つのエアロゾル供給システムデバイスを有する場合、又は使用者が、蓄積された個人化データを失うことなく、1つのエアロゾル供給システムを別のエアロゾル供給システムに交換したいと考えた場合、使用者は、1つのデバイスから別のデバイスへデータを容易に共有することができる。
【0117】
任意選択で、この実施形態では、第2のエアロゾル供給システムが第1のエアロゾル供給システムとはタイプが異なる場合(たとえば、異なるデフォルトパワーレベル又は加熱効率を有することによる)、動作パラメータを第1のエアロゾル供給システムから第2のエアロゾル供給システムへ変換するための変換係数又はルックアップテーブルを用いてもよい。これは、第2のエアロゾル供給システムのソフトウェア又はファームウェアで提供することができ、直接通信するとき(又はデータが電話などの仲介を介した変化なく中継されるとき)、第1のEVPSエアロゾル供給システム、したがって適当な変換を識別する。これに代えて、又はこれに加えて、電話のアプリにより変換を提供してもよく、任意選択で第1及び第2のエアロゾル供給システムの識別情報に応答して、関連する変換をダウンロードしてもよい。この場合も、これに代えて、又はこれに加えて、遠隔サーバが、使用者のアカウントに関連付けられた第1及び第2のエアロゾル供給システムの識別情報に応答して、変換を提供してもよい。
【0118】
上記の議論は、本開示の単なる例示的な実施形態を開示及び説明する。当業者には理解されるように、本開示は、本開示の本質的な特徴から逸脱することなく、他の特有の形態で実施してもよい。それに応じて、本開示の開示は、本開示の範囲並びに他の特許請求の範囲の限定ではなく説明であることを意図したものである。本開示は、本明細書の教示のあらゆる容易に認識できる変形形態を含めて、本発明の主題が公衆に専用に供されないように、上記の特許請求の範囲の術語の範囲を部分的に定義する。