(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】栓と容器とのワンタッチ開閉構造
(51)【国際特許分類】
B65D 41/16 20060101AFI20231226BHJP
B65D 41/28 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
B65D41/16
B65D41/28
(21)【出願番号】P 2022528999
(86)(22)【出願日】2020-11-02
(86)【国際出願番号】 KR2020015115
(87)【国際公開番号】W WO2021101122
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-05-17
(31)【優先権主張番号】10-2019-0148106
(32)【優先日】2019-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522195161
【氏名又は名称】チェイ、ドン-シュク
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】チェイ、ドン-シュク
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-530654(JP,A)
【文献】特開2019-055816(JP,A)
【文献】特開2016-190648(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 41/16
B65D 41/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口と、外周面に形成された係止片を含む容器と、
前記係止片に対応するフック部材が形成されて、上昇によって前記容器の入口を開放させ、下降によって前記フック部材が前記係止片に掛けられて、前記容器の入口を閉鎖させる密閉部と、前記密閉部を内側に収容するための筒状体からなるカバー部と、を含む栓と、で構成され、
前記栓は、前記密閉部と前記カバー部とを連結して一体に成形され、折り曲げ変形可能な薄肉変形部材と前記薄肉変形部材よりも厚さが厚い厚肉切換部材とからなる連結部をさらに含み、
前記厚肉切換部材は、前記カバー部の上端に連結されるように形成されて、前記栓の開封時に、前記カバー部を外側に弾性変形させ、
前記薄肉変形部材には、前記連結部が前記カバー部の半径方向内側に畳み込まれるように変形を誘導する切込み溝が形成されることを特徴とする、栓と容器とのワンタッチ開閉構造。
【請求項2】
前記カバー部は、前記フック部材の半径方向外側への変形に対する最大変位を制限するための内周面を有した小径部と、前記小径部よりも大きな内周面を有した大径部と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の栓と容器とのワンタッチ開閉構造。
【請求項3】
前記カバー部は、前記フック部材の半径方向外側への変形に対する最大変位を前記密閉部との相対的な上下位置によって互いに異ならせて制限するための凹溝及びレールが形成された支持部材を含むことを特徴とする、請求項2に記載の栓と容器とのワンタッチ開閉構造。
【請求項4】
前記密閉部のフック部材は、カンチレバーの形態で互いに離隔して形成される一対の羽根フックと、一対の前記羽根フックを連結する架橋と、前記架橋の中間に位置する中央フックと、を含み、
前記カバー部の支持部材は、前記羽根フックに対応する一対のロックレールと、一対の前記ロックレールの中間に位置して、前記中央フックに対応する支持レールと、を含み、前記ロックレールには、前記羽根フックの末端エッジを収容するためのロック凹溝が形成され、前記支持レールには、前記中央フックの末端エッジを収容するための支持凹溝が形成されることを特徴とする、請求項3に記載の栓と容器とのワンタッチ開閉構造。
【請求項5】
前記中央フックの下端には、前記支持凹溝に対応して塑性変形可能な中央突起が突設されることを特徴とする、請求項4に記載の栓と容器とのワンタッチ開閉構造。
【請求項6】
前記密閉部の底面には、前記容器の入口内外に接触するようにそれぞれ気密リップ及び気密レールが設けられ、
前記カバー部の下部外周縁には、指で把持するための羽根取っ手が突設されることを特徴とする、請求項5に記載の栓と容器とのワンタッチ開閉構造。
【請求項7】
前記密閉部の上端エッジには、階段型断面の上部段差が一周して形成され、前記カバー部には、前記上部段差に対応して密閉フックが形成され、
前記容器の係止片の下側には、外周面を一周してサポートリングが突設され、前記カバー部の内周面には、前記サポートリングに対応するストッパーが突設されることを特徴とする、請求項6に記載の栓と容器とのワンタッチ開閉構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、栓と容器とのワンタッチ開閉構造にかかり、特に、従来のワンタッチ開閉構造をより簡単に改善して成形性及び生産性を高める一方、密閉時には、容器の内圧あるいは外力によって自ら開かれることを信頼性高く防止し、開封時には、よりスムーズかつ円滑に開封させるためのものであって、より簡単な構造を通じて一体に射出成形された栓を押す動作のみで密封がなされるために、製品の生産性及び組立性を大きく増大させる一方、片手のみを用いて容易に開封することが可能であって、ユーザの利用便宜性を向上させ、最初の開封有無も容易に確認することができて、製品の商品性及び市場競争力を極大化させることができる。
【背景技術】
【0002】
一般的に、飲料を含めて多様な液体類を保管または運ぶか、流通させるために、容器と栓とが広く使われている実情である。
【0003】
このような容器と栓との開閉構造は、大きくネジ方式と、プッシュ及びプルタイプ(push & pull type)のワンタッチ方式と、に区分される。
【0004】
まず、ネジ方式の開閉構造は、容器及び栓にそれぞれネジ山が形成されており、片手で容器を取った状態で他の片手で栓を回すことにより、栓に対する開閉がなされる。
【0005】
このようなネジ方式の開閉構造は、高い締結力を保持することができるという長所を有しているが、容器から栓を数回回転させなければならないので、所定の組立時間が要求されるために、組立性が悪い、特に、老弱者や患者など手の握力が不足な場合、栓を容易に開きにくいという短所を有している。
【0006】
そして、プッシュ及びプルタイプのワンタッチ方式は、栓の弾性変形を用いて容器の入口を開閉させる構造であって、通常、片手では容器を取り、他の片手では栓を押すか、引っ張って開閉がなされる構造である。
【0007】
このようなワンタッチ方式は、短時間内に栓の開閉がなされるという長所を有するが、密封能力に限界があって、容器内の内容物が流出される恐れが常存するものであった。
【0008】
本出願人は、前述したワンタッチ方式の開閉構造に対して、短時間内に栓の開閉を実施することができるだけではなく、栓と容器との相互間の締結力を向上させて、大韓民国登録特許第10-0757795号及び大韓民国登録特許第10-1121860号などを開発するに至った。
【0009】
しかし、従来においては、栓と容器とのワンタッチ開閉構造が比較的複雑な構造であって、射出による量産時に、製造公差によって、各構成要素が所望する機能を円滑に行うことができない恐れが残存しているという従来技術上の問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】大韓民国登録特許第10-0757795号
【文献】大韓民国登録特許第10-1121860号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、前記の問題点を解消するためのものであって、より簡単な構造を通じて一体に射出成形された栓を押す動作のみで密封がなされるために、製品の生産性及び組立性を大きく増大させる一方、片手のみを用いて容易に開封することが可能であって、ユーザの利用便宜性を向上させ、最初の開封有無も容易に確認することができて、製品の商品性及び市場競争力を極大化させるようにする栓と容器とのワンタッチ開閉構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造は、入口と、外周面に形成された係止片を含む容器と、前記係止片に対応するフック部材が形成されて、上昇によって前記容器の入口を開放させ、下降によって前記フック部材が前記係止片に掛けられて、前記容器の入口を閉鎖させる密閉部と、前記密閉部を内側に収容するための筒状体からなるカバー部と、を含む栓と、で構成され、前記栓は、前記密閉部と前記カバー部とを連結して一体に成形され、折り曲げ変形可能な薄肉変形部材と前記薄肉変形部材よりも厚さが厚い厚肉切換部材とからなる連結部をさらに含み、前記厚肉切換部材は、前記カバー部の上端に連結されるように形成されて、前記栓の開封時に、前記カバー部を外側に弾性変形させ、前記薄肉変形部材には、前記連結部が前記カバー部の半径方向内側に畳み込まれるように変形を誘導する切込み溝が形成されることで達成される。
【0013】
ここで、前記カバー部は、前記フック部材の半径方向外側への変形に対する最大変位を制限するための内周面を有した小径部と、前記小径部よりも大きな内周面を有した大径部と、を含むことが望ましい。
【0014】
そして、前記カバー部は、前記フック部材の半径方向外側への変形に対する最大変位を前記密閉部との相対的な上下位置によって互いに異ならせて制限するための凹溝及びレールが形成された支持部材を含むことが良好である。
【0015】
追加的に、前記密閉部のフック部材は、カンチレバーの形態で互いに離隔して形成される一対の羽根フックと、一対の前記羽根フックを連結する架橋と、前記架橋の中間に位置する中央フックと、を含み、前記カバー部の支持部材は、前記羽根フックに対応する一対のロックレールと、一対の前記ロックレールの中間に位置して、前記中央フックに対応する支持レールと、を含み、前記ロックレールには、前記羽根フックの末端エッジを収容するためのロック凹溝が形成され、前記支持レールには、前記中央フックの末端エッジを収容するための支持凹溝が形成されることが可能である。
【0016】
また、前記中央フックの下端には、前記支持凹溝に対応して塑性変形可能な中央突起が突設されることが望ましい。
【0017】
それだけではなく、前記密閉部の底面には、前記容器の入口内外に接触するようにそれぞれ気密リップ及び気密レールが設けられ、前記カバー部の下部外周縁には、指で把持するための羽根取っ手が突設されることが望ましい。
【0018】
そして、前記密閉部の上端エッジには、階段型断面の上部段差が一周して形成され、前記カバー部には、前記上部段差に対応して密閉フックが形成され、前記容器の係止片の下側には、外周面を一周してサポートリングが突設され、前記カバー部の内周面には、前記サポートリングに対応するストッパーが突設されることが望ましい。
【発明の効果】
【0019】
以上のような本発明は、より簡単な構造を通じて一体に射出成形された栓を押す動作のみで密封がなされるために、製品の生産性及び組立性を大きく増大させる一方、片手のみを用いて容易に開封することが可能であって、ユーザの利用便宜性を向上させ、最初の開封有無も容易に確認することができて、製品の商品性及び市場競争力を極大化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造を図示する分解斜視図である。
【
図2】本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造において、栓を図示する断面図である。
【
図3】本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造において、栓の作動状態を図示する断面図である。
【
図4】本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造において、カバー部の変形例を図示する断面図である。
【
図5】本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造において、栓の他の変形例を図示する斜視図である。
【
図6】本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造において、栓の他の変形例を図示する底面斜視図である。
【
図8】本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造において、栓の他の変形例を図示する平面図である。
【
図12】本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造において、連結部の作動状態を図示する断面図である。
【
図13】本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造において、中央フックの作動状態を図示する断面図である。
【
図14】本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造において、羽根フックの作動状態を図示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造を図示する分解斜視図であり、
図2は、本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造において、栓を図示する断面図であり、
図3は、本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造において、栓の作動状態を図示する断面図である。
【0022】
そして、
図4は、本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造において、カバー部の変形例を図示する断面図である。
【0023】
また、
図5は、本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造において、栓の他の変形例を図示する斜視図であり、
図6は、本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造において、栓の他の変形例を図示する底面斜視図であり、
図7は、
図6において、A部分の拡大図である。
【0024】
そして、
図8は、本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造において、栓の他の変形例を図示する平面図であって、
図9は、
図8において、B-B線の断面図であり、
図10は、
図8において、C-C線の断面図であり、
図11は、
図8において、D-D線の断面図である。
【0025】
最後に、
図12は、本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造において、連結部の作動状態を図示する断面図であり、
図13は、本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造において、中央フックの作動状態を図示する断面図であり、
図14は、本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造において、羽根フックの作動状態を図示する断面図である。
【0026】
本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造は、より簡単な構造を通じて一体に射出成形された栓を押す動作のみで密封がなされるために、製品の生産性及び組立性を大きく増大させる一方、片手のみを用いて容易に開封することが可能であって、ユーザの利用便宜性を向上させ、最初の開封有無も容易に確認することができて、製品の商品性及び市場競争力を極大化させることをその技術上の基本特徴とする。
【0027】
本発明の実施形態を添付図面を参照して詳しく説明すれば、次の通りである。
【0028】
まず、本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造は、
図1ないし
図3に示すように、入口110と、外周面に形成された係止片120を含む容器100と、前記係止片120に対応するフック部材211が形成されて、上昇によって前記容器100の入口110を開放させ、下降によって前記フック部材211が前記係止片120に掛けられて、前記容器100の入口110を閉鎖させる密閉部210と、前記密閉部210を内側に収容するための筒状体からなるカバー部220と、を含む栓200と、で構成することができる。
【0029】
すなわち、本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造は、基本的に容器100と栓200とを含む。
【0030】
まず、容器100は、飲料や多様な液体類を保管または運ぶか、流通させるために使われる構成である。
【0031】
このために、前記容器100は、基本的に内容物の内圧変化によって弾性変形が可能な合成樹脂で製作されるが、必要に応じてガラスを含んだ多様な素材で製作されても良い。
【0032】
しかし、本発明においては、成形性などを考慮して合成樹脂材で射出成形されることが最も望ましい。
【0033】
このような容器100には、通常、液体内容物の注入及び排出のための入口110が形成され、前記入口110は、円状を基本として後述するが、必要に応じて正方形または正六角形などの多角状に製作され、その形状に制限はない。
【0034】
このような容器100の入口110近隣、より具体的には、入口110から下側に所定距離離隔した外周面に、
図1のように、係止片120が形成されている。
【0035】
前記係止片120の断面形状は、
図3のように、2つの傾斜面を含んで形成されるものであって、前記入口110に隣接した側に緩やかな傾斜面が形成され、その反対側にほぼ垂直面または垂直面に近いように急な勾配を有した傾斜面が形成される。
【0036】
このように、係止片120の傾斜面の角度を互いに異ならせて形成する理由としては、栓200による容器100の密封はスムーズになされる一方、栓200の開封は、それよりも大きな作用力を要求させるためである。
【0037】
このような係止片120は、前記容器100の外周面を一周して形成され、必要に応じて2つ以上に分離形成されうる。
【0038】
次いで、前記容器100の入口110を開閉させるための栓200は、機能的に密閉部210とカバー部220とに区分され、前記密閉部210と前記カバー部220も、合成樹脂材を用いて射出成形で製作されることができる。
【0039】
まず、栓200の製造時には、前記密閉部210とカバー部220が、
図1ないし
図3に示したように、それぞれ独立して分割形成され、前記密閉部210と前記カバー部220とが一体に成形されても良い。
【0040】
前記密閉部210と前記カバー部220とが一体に成形される例については、追って説明し、まず、前記密閉部210と前記カバー部220とが分割形成された例について先に説明する。
【0041】
そして、前述した容器100の入口110は、比較的高い剛性を保持して変形がほとんど発生しない一方、前記栓200は、基本的に弾性的に変形可能であり、必要に応じて大きな荷重によって塑性変形も可能な素材からなっている。
【0042】
このように、前記栓200が所望する適切な物性値を保有するように、熱可塑性樹脂のうちから選択された2つ以上の材料を適正比率で混合して製作することが望ましい。
【0043】
まず、前記栓200において、密閉部210は、ほぼ水平な面を含み、図面上、ほぼ上端に位置するものであって、その底面が、前記容器100の入口110を実質的に開閉させる構成である。
【0044】
すなわち、前記密閉部210が、前記容器100を基準に上昇すれば、前記密閉部210の底面が、前記容器100の入口110から離隔することにより、前記入口110を開放させる。
【0045】
逆に、前記密閉部210が、前記容器100を基準に下降すれば、前記密閉部210の底面が、前記容器100の入口110に接触することにより、前記入口110を密閉させる。
【0046】
この際、前記密閉部210の下端外周縁には、図面上、下側に向けて延び、半径方向内側に向けて突出したフック状のフック部材211が形成されており、前記密閉部210の上下位置によって、前記フック部材211が、前述した容器100の係止片120に選択的に掛けられるようになる。
【0047】
このために、前記容器100において、入口110から前記係止片120までの距離に対応する長さに前記密閉部210のフック部材211が成形される必要がある。
【0048】
そして、図面上には、60°の位相角の差を置き、1つの密閉部210に総6個のフック部材211が形成されたことを例示したが、必要に応じて6個未満あるいは6個を超過するフック部材211が形成されても良い。
【0049】
ここで、前記フック部材211は、1つのフックからなりうるが、望ましくは、同じ形状に互いに離隔して位置する多数のフックからなることもある。
【0050】
このように、多数のフックを含むフック部材211は、後述するカバー部220に対して所望する形状への適切な変形を誘導して、フック部材211が係止片120から容易に抜け出ることができず、高い気密力を保持することが可能である。
【0051】
次いで、前記栓200において、カバー部220は、中空パイプ状の筒状体からなって、前記密閉部210を内側に収容するための構成である。
【0052】
すなわち、前記栓200において、前記密閉部210と前記カバー部220との相互間には、相対的な上下位置によって、前記栓200が、前記容器100を密封した状態を保持するか、前記栓200が、前記容器100から開封可能な状態に転換されることが可能である。
【0053】
したがって、容器100に栓200を組み立てることによって、前記密閉部210の上端を除いた残りの部分が、前記カバー部220の内周面の内側に入って位置する。
【0054】
このために、前記栓200において、密閉部210の外周面の直径よりも前記カバー部220の内周面の直径が少し大きく形成されている。
【0055】
これにより、前記フック部材211の外側に前記カバー部220が位置する場合、前記密閉部210の外周面と前記カバー部220の内周面との間には、微細な間隙のみが存在するだけである。
【0056】
したがって、前記カバー部220は、前記フック部材211が半径方向外側への変形を制限する。
【0057】
逆に、前記フック部材211の外側に前記カバー部220が位置しない場合、前記フック部材211が半径方向外側への変形を許容することができる。
【0058】
このような密閉部210及びカバー部220の構成によって、
図3(a)及び
図3(b)に示したように、栓200で容器100の入口110を密閉させれば、密閉部210のフック部材211が容器100の係止片120に掛けられて固定される。
【0059】
以後、
図3(c)に示したように、密閉部210を下降させてフック部材211の外側に位置させることにより、
図3(d)に示したように、密封状態が確実に保持される。
【0060】
この際、前記フック部材211の末端エッジを収容、言い換えれば、前記フック部材211の一部が入って掛けられて位置することができる凹溝を前記カバー部220の内周面にさらに形成することが可能である。
【0061】
これにより、前記フック部材211が係止片120から抜け出ようとすることを前記カバー部220がより確実に制限することが可能となる。
【0062】
そして、栓200の開封時には、
図3(e)に示したように、親指で栓200の上側面を下向きに支持する状態で、人差し指及び中指を用いてカバー部220の下端を上向きに移動させる。
【0063】
その結果、前記カバー部220が、前記密閉部210を基準に分離され、密閉部210のフック部材211が容器100の係止片120から抜け出て栓200が開封される。
【0064】
前述したように、栓200で容器100の入口110を容易に開閉させることが可能となる。
【0065】
前記基本的な構成の栓と容器とのワンタッチ開閉構造に対して多様な構成を追加することにより、機能を付加することについて後述する。
【0066】
まず、
図4に示すように、本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造において、栓200の変形例によれば、前記カバー部220は、前記フック部材211の半径方向外側への変形に対する最大変位を制限するための内周面を有した小径部と、前記小径部よりも大きな内周面を有した大径部と、を含むことが可能である。
【0067】
この際、前記小径部と前記大径部との間には、階段型の継ぎ目が形成され、この階段型の継ぎ目が形成される上下方向の位置は、前述したフック部材211の長さによって適切に変更される。
【0068】
すなわち、前記カバー部220の小径部の内側に前記フック部材211が位置する場合、前記フック部材211が半径方向外側への変形することを制限し、前記カバー部220の大径部の内側に前記フック部材211が位置する場合、前記フック部材211が半径方向外側への変形することを許容することができる。
【0069】
前述したように、カバー部220に小径部及び大径部を形成することにより、前記カバー部220の全高を延長させることが可能となり、これにより、前記カバー部220の下部、すなわち、大径部の内側に多様な構成を追加的に付加させることが可能である。
【0070】
例えば、前記カバー部220に形成される大径部内にストッパーを形成することにより、このストッパーが容器100の成形時に、係止片120の下に形成されるサポートリングに掛けられて位置させるなどが可能である。
【0071】
次いで、密閉部210とカバー部220とが一体に成形された栓200について説明する。
【0072】
すなわち、本発明による栓と容器とのワンタッチ開閉構造において、他の変形例の栓200は、
図5ないし
図7に示したように、前記密閉部210と前記カバー部220とを連結して一体に成形されるが、折り曲げ変形可能な薄肉変形部材231と前記薄肉変形部材231よりも厚さが厚い厚肉切換部材232とからなる連結部230をさらに含むことが望ましい。
【0073】
このような構成によって、
図13及び
図14(a)ないし(c)に示したように、栓200の製造以後、容器100を密封する以前まで前記密閉部210が前記カバー部220の上側に位置する。
【0074】
そして、栓200が容器100を密封させた時には、
図13及び
図14(d)のように、前記密閉部210が前記カバー部220の内側に位置し、栓200の開封時には、
図13及び
図14(e)に示したように、前記カバー部220が前記密閉部210を基準に上昇する。
【0075】
前記栓200において、連結部230は、
図9及び
図12に示したように、上端が前記密閉部210に連結され、下端が前記カバー部220に連結されるように比較的薄い厚さの帯状体からなる。
【0076】
このように成形された前記連結部230は、前述したように、密閉部210がカバー部220の内側に位置することによって、
図12(c)ないし(e)に示したように、前記密閉部210と前記カバー部220との間に形成された微細な間隙内に折り曲げられた状態に位置する。
【0077】
これにより、前記連結部230は、前記密閉部210と前記カバー部220との間の微細な間隙内でほぼS字状に折り曲げられた状態を保持し、前記密閉部210と前記カバー部220との相対的な高さの変化によってほぼS字状を保持してスムーズに変形される。
【0078】
特に、本発明において、前記連結部230は、単純に前述した密閉部210とカバー部220とを連結する構成に留まらず、栓200の開封時に、前記カバー部220が、前記密閉部210を基準に上昇することを適切に制限する機能を保有することができる。
【0079】
このために、本発明においては、前記連結部230が全長にわたって比較的薄い均一厚さを保持して形成されず、
図9及び
図12のように、厚さの差によって2種の構成で区分されて製作されることができる。
【0080】
すなわち、前記連結部230は、折り曲げ変形が円滑になされうる薄肉変形部材231と、前記薄肉変形部材231よりも厚さが厚くて、折り曲げ変形時に、大きな作用力が要求される厚肉切換部材232と、を含むことが良好である。
【0081】
まず、前記薄肉変形部材231は、比較的薄い厚さからなって、前記密閉部210と前記カバー部220とを連結してスムーズに変形可能な構成である。
【0082】
一方、前記厚肉切換部材232は、前記薄肉変形部材231の厚さよりも比較的厚く形成されて、折り曲げ変形に大きな作用力が要求される構成である。
【0083】
この際、前記連結部230の厚肉切換部材232は、適切な位置に成形される必要があり、
図12には、厚肉切換部材232が、カバー部220の上端に連結されるように形成されていることを例示した。
【0084】
このような構成によれば、前記連結部230において、薄肉変形部材231は、栓200の密封時に、前記密閉部210と前記カバー部220とを連結して、
図12(c)のように、前記密閉部210と前記カバー部220との間の空間にほぼS字状断面を成して折り曲げられた状態に位置する。
【0085】
その結果、前記密閉部210と前記カバー部220との相互間の相対的な上下位置によって、前記薄肉変形部材231はスムーズに変形される。
【0086】
しかし、栓200の開封時には、前記連結部230において、厚肉切換部材232は、折り曲げ変形時に、大きな作用力が要求されるために、
図12(d)に示したように、栓200のカバー部220を上昇させる場合、前記厚肉切換部材232が折り曲げ変形しようとする時、前記カバー部220の内周面を外側に押し出して弾性変形させる。
【0087】
このような作用をより詳しく説明すれば、栓200が容器100を密封している状態で、栓200を開封しようとして密閉部210を基準にカバー部220を漸次的に上昇させる場合、
図12(d)に示した状態以前までは薄肉変形部材231がスムーズに変形する。
【0088】
しかし、このような変形が厚肉切換部材232で発生しようとする時、前記厚肉切換部材232の変形に大きな作用力が要求される。
【0089】
このような状態でより大きな作用力を加えれば、前記厚肉切換部材232の変形によって、前記カバー部220の内周面を外側に弾性変形させ、厚肉切換部材232は大きな作用力下のみで変形される。
【0090】
すなわち、厚肉切換部材232の変形に要求される大きな作用力が加えられる場合のみに、
図12(e)に示したように、厚肉切換部材232が内側に折れて折り曲げ変形されながらカバー部220の上昇が許容される。
【0091】
その結果、その半径方向内側に位置したフック部材211が、容器100の係止片120から抜け出ることができる空間が大径部によって確保される。
【0092】
したがって、前述した厚肉切換部材232の折り曲げ変形に要求される大きな作用力が外部から加えられなければ、前記栓200の開封はなされない。
【0093】
すなわち、本出願人による従来の栓と容器とのワンタッチ開閉構造においては、栓200の密封状態を保持するために、前述したフック部材211を制御するための別途の突起が必ず必要であった。
【0094】
しかし、本発明によれば、フック部材211の制御のための突起なしに連結部230の厚さを適切な位置で変化させることのみで栓200が密封状態を保持することが可能なことに最も大きな特徴がある。
【0095】
追加的に、前記密閉部210が下降して、前記カバー部220の内側に入る時、前記連結部230において、薄肉変形部材231が、前記密閉部210と前記カバー部220との間に折れながら位置できるように、前記連結部230の変形方向を誘導することも可能である。
【0096】
このために、
図12(a)に示したように、薄肉変形部材231の中間に厚さが非常に薄くて変形を誘導することができる切込み溝231aを形成することにより、前記密閉部210の下降時に、
図12(b)のように、連結部230が、カバー部220の半径方向内側に畳み込まれるように誘導することが可能である。
【0097】
追加的に、容器100内の内容物が炭酸飲料や発酵飲料の場合には、前記容器100内で発生する圧力が相対的に高いので、必要に応じて前記フック部材211を制御するための構成が付加されうる。
【0098】
すなわち、本発明において、前記カバー部220は、前記フック部材211の半径方向外側への変形に対する最大変位を前記密閉部210との相対的な上下位置によって互いに異ならせて制限するための凹溝及びレールが形成された支持部材221を含むことが望ましい。
【0099】
このような支持部材221は、
図6のように、前記カバー部220の内周面に上下方向に沿って形成されるものであって、レールは、緩やかな傾斜面からなって、前記カバー部220の上下方向の位置によって適切な半径方向の高さに形成されうる。
【0100】
また、このような支持部材221のレール上には、適切な位置に凹溝を形成することにより、前記フック部材211が係止片120に掛けられている時、前記フック部材211が、半径方向外側への変形を適切な位置で制限させることも可能である。
【0101】
このようなレールと凹溝との組み合わせによって、前記支持部材221は、フック部材211をより効果的に制御することが可能となる。
【0102】
特に、本発明においては、前述した密閉部210のフック部材211と前述したカバー部220の支持部材221とをより改善して、容器100に対する栓200の正確な開閉がなされるようにすることが可能となる。
【0103】
このために、本発明において、
図7と
図10及び
図11とに示したように、前記密閉部210のフック部材211は、カンチレバーの形態で互いに離隔して形成される一対の羽根フック211aと、一対の前記羽根フック211aを連結する架橋211bと、前記架橋211bの中間に位置する中央フック211cと、を含み、前記カバー部220の支持部材221は、前記羽根フック211aに対応する一対のロックレール221aと、一対の前記ロックレール221aの中間に位置して、前記中央フック211cに対応する支持レール221bと、を含むが、前記ロックレール221aには、前記羽根フック211aの末端エッジを収容するためのロック凹溝221a-1が形成され、前記支持レール221bには、前記中央フック211cの末端エッジを収容するための支持凹溝221b-1が形成されることが望ましい。
【0104】
すなわち、本発明において、前記フック部材211は、1つの中央フック211cを基準に両側に羽根フック211aが形成された3個のフックを含み、前記支持部材221は、1つの支持レール221bを基準に両側にロックレール221aが形成された3個のレールを含みうる。
【0105】
このようなフック部材211及び支持部材221は、1つの栓200に互いに対を成して多数個設けられ、図面においては、6個のフック部材211及び支持部材221が互いに対を成して形成されたことを例示している。
【0106】
この際、前記フック部材211の中央フック211c及び羽根フック211aは、いずれも半径方向内側を志向するフック状に成形されたフックであって、前記密閉部210の外周縁から下側に延びたカンチレバーの形態からなっており、前記フック部材211の半径方向の変形を可能にする。
【0107】
そして、前記中央フック211cは、両側に位置する2個の羽根フック211aを連結している架橋211bによって支持されて、より回転が容易になされうるように設けられる。
【0108】
これにより、前記中央フック211c及び前記羽根フック211aの半径方向内側は、前記容器100の係止片120に選択的に掛けられるようになる。
【0109】
そして、このような中央フック211c及び羽根フック211aの半径方向外側には、支持部材221として平行に上下方向に沿って支持レール221b及びロックレール221aがそれぞれ形成されている。
【0110】
この際、前記支持部材221のロックレール221aは、前記フック部材211の羽根フック211aに対応する構成であって、前記ロックレール221aの形状によって、前記羽根フック211aの半径方向外側への変形を適切な高さに制限する。
【0111】
そして、前記支持部材221の支持レール221bも、前記フック部材211の中央フック211cに対応する構成であって、前記支持レール221bの形状によって、前記中央フック211cに対する半径方向外側への変形を適切な高さに制限させうる。
【0112】
これと同様に、前記ロックレール221aには、前記羽根フック211aの末端エッジを収容するためのロック凹溝221a-1が形成されており、前記ロック凹溝221a-1内に前記羽根フック211aの末端エッジが位置するように誘導する。
【0113】
そして、前記ロック凹溝221a-1は、前記羽根フック211aが容器100の係止片120に掛けられている状態では前記羽根フック211aが半径方向外側への変形することを制限して、前記羽根フック211aが係止片120から解除されて、栓200の開封を防止する。
【0114】
また、前記支持レール221bにも、前記中央フック211cの末端エッジを収容するための支持凹溝221b-1が形成されており、前記支持凹溝221b-1内に前記中央フック211cの末端エッジが位置するように誘導する役割を果たす。
【0115】
そして、前記支持凹溝221b-1は、前記中央フック211cが容器100の係止片120に掛けられている状態で前記中央フック211cが半径方向外側への変形することを制限して、中央フック211cが係止片120から解除されて、栓200の開封も防止する。
【0116】
特に、本発明においては、前述した中央フック211cと羽根フック211aとの断面形状を互いに異ならせて形成し、前述した支持レール221bとロックレール221aとの断面形状を互いに異ならせて形成することにより、栓200と容器100との相互間の結合力を増大させることが可能である。
【0117】
すなわち、前記中央フック211cに対する半径方向の最大突出高さは、前記羽根フック211aに対する半径方向の最大突出高さよりは低く形成されている。
【0118】
しかし、前記中央フック211cにおいては、フック部分の上側に凸状の突部が突設されており、前記羽根フック211aにおいては、フック部分の上側に凹状の凹部が形成されている。
【0119】
このような構成によって、栓200が容器100から開封されようとする場合、
図13(d)に示したように、中央フック211cが係止片120に掛けられて架橋211bを基準に回転しながら、その半径方向外側に位置するカバー部220の内周面を外側に変形させる。
【0120】
これにより、中央フック211cの外側に位置する前記カバー部220の部位が外側に延びれば、これに相応して前記カバー部220において、羽根フック211aの半径方向外側に位置する部位は、
図14(d)のように、内側に変形が誘導される。
【0121】
その結果、栓200が容器100の入口110を密封している時、
図8のように、上から見た時、円状のカバー部220がほぼ多角状の形態に弾性変形されながら、羽根フック211aと係止片120との相互間の結合力がより増大する作用を行う。
【0122】
このような変形をより円滑に誘導するために、
図7のように、前述した架橋211bにおいて、中央フック211cと羽根フック211aとを連結する上側は、比較的狭い幅を保持するように、前記羽根フック211aの円周方向の厚さを厚く形成する。
【0123】
これに加えて、中央フック211cと羽根フック211aとを連結する下側は、比較的広い幅を保持するように、前記羽根フック211aの円周方向の厚さをより薄く形成することが可能である。
【0124】
それによれば、前述したフック部材211において、中央フック211cが半径方向外側に押されることによって、羽根フック211aが中央フック211cに向けて集められるように変形することを誘導することが可能となって、より高い結合力を保持することが可能となる。
【0125】
これにより、追加的に、前記羽根フック211aのフック先端部の形状を前記中央フック211cに向けて漸次的に広がるようにテーパー加工することによって、前述した羽根フック211aの変形を所望する形態により円滑に誘導することも可能である。
【0126】
また、前記羽根フック211aを半径方向外側に支持するロックレール221aに対して円周方向両側に位置するように偏心配置することによって、前記羽根フック211aが、中央フック211cに向けて集められるように変形することを追加的に誘導することも可能である。
【0127】
このような構成及び作用によって、既存に比べて容器100に対する栓200のより高い密封結合力を保有することが可能となる。
【0128】
追加的に、本発明において、
図7に示すように、前記中央フック211cの下端には、前記支持凹溝221b-1に対応して塑性変形可能な中央突起211c-1が突設されることが望ましい。
【0129】
このような中央突起211c-1は、前記中央フック211cの下端に比較的薄い厚さに突設されるものであって、この中央突起211c-1が形成されることによって、前記支持レール221bの支持凹溝221b-1内で実質的に中央突起211c-1が先に接触して塑性変形することができる。
【0130】
その結果、前記中央フック211cが支持レール221bの支持凹溝221b-1内に入る時、よりスムーズに入って載置させる一方、前記中央フック211cが、支持凹溝221b-1から抜け出るのに要求される作用力を適切に調節することも可能となる。
【0131】
例えば、前記中央突起211c-1の高さが高く、厚さを薄く形成すれば、それほど塑性変形が円滑になされて、よりスムーズに栓200の密封及び開封がなされうる。
【0132】
しかし、一方、前記中央突起211c-1の高さが低く、厚さを厚く形成すれば、前記中央突起211c-1の塑性変形に大きな作用力が要求されるので、栓200の密封及び開封により大きな作用力を必要とすることができる。
【0133】
すなわち、前記中央突起211c-1を通じて所望する作用力で栓200を容器100から開閉させることが可能となる。
【0134】
追加的に、本発明において、前記密閉部210の底面には、前記容器100の入口110内外に接触するようにそれぞれ気密リップ212及び気密レール213が設けられ、 前記カバー部220の下部外周縁には、指で把持するための羽根取っ手222が突設されることが良好である。
【0135】
まず、前記密閉部210の底面には、前記容器100の入口110の内周面に接触するように気密リップ212が形成されうる。
【0136】
このような気密リップ212は、比較的薄い厚さに形成されて、基本的に容器100の入口110と密閉部210との間の気密性を高め、追加的に、前記容器100の入口110から上側に向けて密閉部210を弾性支持することにより、フック部材211が係止片120に正確に掛けられているように補助する。
【0137】
また、前記密閉部210の底面には、前記容器100の入口110の外周面に接触するように気密レール213が形成されうる。
【0138】
このような気密レール213は、ほぼ半円形断面を有し、所定長さの上下方向に延設されて、容器100の入口110と前述した気密リップ212との相互間の密着力を増大させる役割を果たす。
【0139】
そして、前記カバー部220の下部外周縁には、指で把持するための羽根取っ手222が突設されることが望ましい。
【0140】
このような羽根取っ手222は、複数個形成されうるが、最も望ましくは、180°の位相角の差を置き、1つのカバー部220に2個の羽根取っ手222が形成されることが望ましい。
【0141】
これにより、ユーザは、
図13及び
図14(e)に示したように、親指で前述した密閉部210を下向きに支持する状態で、人差し指と中指とで2つの羽根取っ手222を上向きに移動させることにより、栓200を開封させることが可能である。
【0142】
したがって、本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造は、容器100に密封されている栓200を片手のみを用いて容易に開封することが可能である。
【0143】
追加的に、本発明において、前記密閉部210の上端エッジには、階段型断面の上部段差214が一周して形成され、前記カバー部220には、前記上部段差214に対応して密閉フック223が形成され、前記容器100の係止片120の下側には、外周面を一周してサポートリング130が突設され、前記カバー部220の内周面には、前記サポートリング130に対応するストッパー224が突設されることが望ましい。
【0144】
まず、前記密閉部210の上端エッジには、ほぼ階段状の断面を有した上部段差214が一周して形成される一方、前記カバー部220には、前記上部段差214に掛けられて固定されることができる密閉フック223が多数形成されうる。
【0145】
このような密閉フック223は、図面上、60°の位相角の差を置き、総6個が形成されたと例示したが、これに限定されるものではないということは自明である。
【0146】
この際、前記密閉フック223は、前記密閉部210のフック部材211が前記容器100の係止片120に掛けられて固定される状態を保持することができる長さに形成されて、栓200が容器100の入口110を密封した時、密閉フック223が上部段差214に掛けられるようにすることが望ましい。
【0147】
また、本発明において、前記容器100の係止片120の下側には、
図13及び
図14のように、外周面を一周してサポートリング130が突設され、これは、容器100の射出成形時に、必須的に形成されうる。
【0148】
これに対応して、前記カバー部220の内周面には、前記サポートリング130に対応するストッパー224が突設される。
【0149】
このようなストッパー224は、前記カバー部220の内周面に上下方向に沿って形成されるものであって、このストッパー224の下端が前記サポートリング130に当接した時、前記カバー部220がこれ以上下降することを制限する。
【0150】
追加的に、前述したストッパー224とは別途に前記カバー部220の下端外周縁に追加的な階段型断面の下部段差225を追加して、この下部段差225が前記サポートリング130を取り囲んで支持されるようにすることにより、前記カバー部220の下降を所望する高さで確実に制限することもできる。
【0151】
最後に、本発明において、前記連結部230の中間には、カッター233が形成され、前記連結部230と前記カバー部220との間には、開封有無確認用のトレース234が連結されて、前記カバー部220の上昇時に、前記トレース234が前記カッター233によって切断されることが可能である。
【0152】
すなわち、前記カッター233及びトレース234は、栓200の最初の開封有無をユーザが視覚的に確認させるための構成であって、前記カッター233は、栓200の製造時に、連結部230の中間に円周方向に突設される。
【0153】
そして、トレース234は、前記連結部230と前記密閉フック223とを連結して形成されるものであって、このトレース234の両端のうち何れか1つ以上は、外力に容易に切断されるように細く連結されている。
【0154】
このようなトレース234は、栓200の製造時に、前記カッター233よりも下側に位置するが、密閉部210がカバー部220の内側に入って位置することによって、前記カッター233は逆相されてトレース234の下側に位置する。
【0155】
前記カッター233は、栓200の開封時に、密閉部210を基準にカバー部220が上昇することによって共に上昇することにより、最初に連結されていた状態のトレース234の両端のうち何れか一側を切断させる。
【0156】
これにより、ユーザは、前記トレース234の連結有無を視覚的に確認して、栓200の密封が解除されたか否かを容易に確認することができる。
【0157】
以下、図面を参照して、本発明の作用を説明すれば、次の通りである。
【0158】
前記のように構成された本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造は、大きく密閉部210、カバー部220、そして、連結部230が一体からなる栓200を成形する。
【0159】
このような状態で密封しようとする容器100の入口110上に、
図13及び
図14(a)のように、栓200を載せる。
【0160】
この際、カバー部220の下端外周縁に形成された階段型断面の下部段差225と前記カバー部220の内周面に形成された多数のストッパー224が、容器100の射出時に成形されたサポートリング130の上に支持される。
【0161】
このような状態で密閉部210の上端を押せば、
図13及び
図14(b)のように、密閉部210が下降してカバー部220の内側に挿入され始め、これにより、連結部230は、
図12(b)のように、折れながら密閉部210の外周面とカバー部220の内周面との間の間隙に
図12(c)のように入る。
【0162】
この際、前記連結部230のカッター233は、トレース234との干渉なしにトレース234の下側に位置する。
【0163】
以後、フック部材211の中央フック211c及び2個の羽根フック211aが容器100に形成された係止片120に触れれば、
図13及び
図14(c)のように、中央フック211c及び羽根フック211aは、係止片120を乗って越える。
【0164】
この際、前記中央フック211c及び羽根フック211aの半径方向外側に位置するカバー部220は、一時的に外側に弾性変形されてから復元され、これにより、前記フック部材211が係止片120に掛けられて、
図13及び
図14(d)のように、栓200の密封状態になる。
【0165】
この際、前記フック部材211において、中央フック211cは、支持レール221bによって支持されるが、中央突起211c-1が支持レール221bの中間に形成された支持凹溝221b-1内に位置することにより、中央突起211c-1が係止片120から抜け出ることを確実に防止する。
【0166】
それだけではなく、前記フック部材211において、羽根フック211aも、ロックレール221aによって支持されるが、羽根フック211aの下端エッジがロックレール221aの中間に形成されたロック凹溝221a-1内に位置することにより、羽根フック211aが係止片120から抜け出ることができなくなる。
【0167】
このような状態では、追加的にカバー部220に形成された密閉フック223も、密閉部210に形成された上部段差214に掛けられるようになってより高い締結力を保有する。
【0168】
以後、容器100の入口110から栓200を開封しようとする時には、
図13及び
図14(e)に示したように、ユーザが親指で前述した密閉部210を下向きに支持する状態で、人差し指と中指とで2つの羽根取っ手222を上向きに移動させることにより、栓200を開封させ始める。
【0169】
このような開封初期には、フック部材211が係止片120から抜け出ることはできず、但し、カバー部220が密閉部210を基準に上昇する。
【0170】
この際、前述したように、連結部230において、薄肉変形部材231は、
図12(d)のように、スムーズに折り曲げ変形されるが、厚肉切換部材232は、折り曲げ変形に大きな作用力を要求する。
【0171】
したがって、前記栓200がユーザに依らず、保管や流通段階で自ら開封されることを効果的に予防することができる。
【0172】
以後、前記厚肉切換部材232が、
図12(e)のように、折り曲げ変形されれば、弾性的に変形された密閉部210及びカバー部220は復元される一方、カバー部220が上昇して、フック部材211の半径方向外側には、カバー部220の大径部が位置する。
【0173】
これにより、前記フック部材211において、中央フック211c及び羽根フック211aが半径方向外側に変形可能であって、中央フック211c及び羽根フック211aは、容器100の係止片120を乗って越える。
【0174】
その結果、栓200を容器100から分離させて開封することが可能となる。
【0175】
この際、連結部230において、トレース234の下側に位置したカッター233が上昇しながらトレース234を支持した両端のうち何れか1つを切断させることにより、トレース234が切れるようになり、これを通じてユーザは、栓200の最初の開封有無を視覚的に容易に確認可能となる。
【0176】
以後、必要に応じて、ユーザは、再び密閉部210を押す簡単な操作で栓200を容器100の入口110に再密封することが可能であり、前述した手順を繰り返して栓200を再開封することも可能となる。
【0177】
したがって、本発明の栓と容器とのワンタッチ開閉構造は、より簡単な構造を通じて一体に射出成形された栓押をす動作のみで密封がなされるために、製品の生産性及び組立性を大きく増大させる一方、片手のみを用いて容易に開封することが可能であって、ユーザの利用便宜性を向上させ、最初の開封有無も容易に確認することができて、製品の商品性及び市場競争力を極大化させることができるという卓越した利点を有した発明である。
【0178】
前記実施形態は、本発明の技術的思想を具体的に説明するための一例であって、本発明の範囲は、前記の図面や実施形態に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0179】
以上のような本発明は、より簡単な構造を通じて一体に射出成形された栓を押す動作のみで密封がなされるために、製品の生産性及び組立性を大きく増大させる一方、片手のみを用いて容易に開封することが可能であって、ユーザの利用便宜性を向上させ、最初の開封有無も容易に確認することができて、製品の商品性及び市場競争力を極大化させることができる。
【符号の説明】
【0180】
100:容器
110:入口
120:係止片
130:サポートリング
200:栓
210:密閉部
211:フック部材
211a:羽根フック
211b:架橋
211c:中央フック
211c-1:中央突起
212:気密リップ
213:気密レール
214:上部段差
220:カバー部
221:支持部材
221a:ロックレール
221a-1:ロック凹溝
221b:支持レール
221b-1:支持凹溝
222:羽根取っ手
223:密閉フック
224:ストッパー
225:下部段差
230:連結部
231:薄肉変形部材
231a:切込み溝
232:厚肉切換部材
233:カッター
234:トレース