(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】シフト装置
(51)【国際特許分類】
B60K 20/02 20060101AFI20231226BHJP
【FI】
B60K20/02 Z
B60K20/02 A
B60K20/02 E
(21)【出願番号】P 2018000841
(22)【出願日】2018-01-05
【審査請求日】2020-08-28
【審判番号】
【審判請求日】2022-02-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 泰典
(72)【発明者】
【氏名】今井 浩二
(72)【発明者】
【氏名】仲野 洋平
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 一博
(72)【発明者】
【氏名】牧村 宗年
【合議体】
【審判長】小川 恭司
【審判官】久島 弘太郎
【審判官】平城 俊雅
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-218096(JP,A)
【文献】特開2015-72718(JP,A)
【文献】特開2017-95013(JP,A)
【文献】特開2014-141251(JP,A)
【文献】特開2017-168002(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 60/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に移動されてシフト位置が変更されるシフト体が設けられるシフト機構と、
前記シフト機構に少なくとも1つ設けられ、
前記シフト体が移動されて中心軸線周りに回転される回転部と、
前記シフト機構に少なくとも1つ設けられると共に、被検出部が設けられ、
前記シフト体が他方向に移動されて移動される移動部と、
前記回転部の中心軸線に沿って配置され、前記被検出部の移動位置を検出する検出体と、
を備え、前記回転部の中心軸線周りの回転が前記検出体の板面に沿う前記被検出部とは異なる被検出体の移動に変換されることで前記検出体が前記被検出体の移動位置を検出して前記回転部の回転位置を検出するシフト装置。
【請求項2】
移動されてシフト位置が変更されるシフト体が設けられるシフト機構と、
前記シフト機構に少なくとも1つ設けられ、前記シフト体が移動されて中心軸線周りに回転される回転部と、
前記シフト機構に少なくとも1つ設けられると共に、被検出部が設けられ、移動されて前記シフト体の移動が規制される移動部と、
前記回転部の中心軸線に沿って配置され、前記被検出部の移動位置を検出する検出体と、
を備え、前記回転部の中心軸線周りの回転が前記検出体の板面に沿う前記被検出部とは異なる被検出体の移動に変換されることで前記検出体が前記被検出体の移動位置を検出して前記回転部の回転位置を検出するシフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シフト体が移動されてシフト体のシフト位置が変更されるシフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載のシフト切換装置では、シフトレバーの回動位置がセンサによって検出されると共に、シフトレバーにおける幹部に対する先端部の回動位置が幹部の接点部材と先端部の接点部材とによって検出される。
【0003】
ここで、このようなシフト切換装置では、シフトレバー等の移動位置を簡単な構成で検出できるのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、回転部の回転位置及び移動部の移動位置を簡単な構成で検出できるシフト装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様のシフト装置は、移動されてシフト位置が変更されるシフト体が設けられるシフト機構と、前記シフト機構に少なくとも1つ設けられ、中心軸線周りに回転される回転部と、前記シフト機構に少なくとも1つ設けられ、移動される移動部と、前記回転部の回転位置及び前記移動部の移動位置を検出する検出体と、を備える。
【0007】
本発明の第2態様のシフト装置は、本発明の第1態様のシフト装置において、前記シフト体が移動されて前記回転部又は前記移動部が中心軸線周りに回転される。
【0008】
本発明の第3態様のシフト装置は、本発明の第1態様又は第2態様のシフト装置において、前記移動部が移動されて前記シフト体が移動される。
【0009】
本発明の第4態様のシフト装置は、本発明の第1態様~第3態様の何れか1つのシフト装置において、前記シフト体が一方向に移動されて前記シフト体のシフト位置が変更されると共に、前記シフト体が他方向に移動されて前記移動部が移動される。
【0010】
本発明の第5態様のシフト装置は、本発明の第1態様~第4態様の何れか1つのシフト装置において、前記移動部が移動されて前記シフト体の移動が規制される。
【0011】
本発明の第6態様のシフト装置は、本発明の第1態様~第5態様の何れか1つのシフト装置において、前記回転部の中心軸線に沿って前記検出体が配置される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1態様のシフト装置では、シフト機構にシフト体が設けられており、シフト体が移動されて、シフト体のシフト位置が変更される。また、シフト機構の少なくとも1つの回転部が中心軸線周りに回転されると共に、シフト機構の少なくとも1つの移動部が移動される。
【0013】
ここで、検出体が回転部の回転位置及び移動部の移動位置を検出する。このため、回転部の回転位置及び移動部の移動位置を簡単な構成で検出できる。
【0014】
本発明の第2態様のシフト装置では、シフト体が移動されて、回転部又は移動部が中心軸線周りに回転される。このため、検出体が回転部又は移動部の回転位置を検出して、シフト体の移動位置を検出できる。
【0015】
本発明の第3態様のシフト装置では、移動部が移動されて、シフト体が移動される。このため、検出体が移動部の移動位置を検出することで、移動部がシフト体とは別に移動される場合でも、移動部の移動位置を検出できる。
【0016】
本発明の第4態様のシフト装置では、シフト体が一方向に移動されて、シフト体のシフト位置が変更される。
【0017】
ここで、シフト体が他方向に移動されて、移動部が移動される。このため、検出体が移動部の移動位置を検出して、シフト体の他方向への移動位置を検出できる。
【0018】
本発明の第5態様のシフト装置では、移動部が移動されて、シフト体の移動が規制される。このため、検出体が移動部の移動位置を検出して、シフト体の移動規制状況を検出できる。
【0019】
本発明の第6態様のシフト装置では、回転部の中心軸線に沿って検出体が配置される。このため、回転部と検出体との対向方向における配置寸法を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態に係るシフト装置を示す後斜め左方から見た斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るシフト装置を示す前斜め左方から見た斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るシフト装置を示す前方から見た正面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るシフト装置のロック装置等を示す後斜め右方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1には、本発明の実施形態に係るシフト装置10が後斜め左方から見た斜視図にて示されており、
図2には、シフト装置10が前斜め左方から見た斜視図にて示されている。さらに、
図3には、シフト装置10が前方から見た正面図にて示されている。なお、図面では、シフト装置10の前方を矢印FRで示し、シフト装置10の右方を矢印RHで示し、シフト装置10の上方を矢印UPで示す。
【0022】
本実施形態に係るシフト装置10は、所謂コラム式のものにされて、車両のステアリングコラムに設置されており、シフト装置10の前方、右方及び上方は、それぞれ車両の前斜め下方、右方及び前斜め上方に向けられている。
【0023】
図1~
図3に示す如く、シフト装置10の下端部には、検出体及び制御体としての略矩形板状の基板12が設けられており、基板12は、上下方向に垂直に配置されている。基板12には、車両のブレーキ(図示省略)が電気的に接続されており、車両の乗員(特に運転手)によりブレーキが操作されることで、車両が制動される。
【0024】
基板12の上側には、シフト機構14が設けられている。
【0025】
シフト機構14には、回転部及び移動部としての略円柱状の回転軸16が設けられており、回転軸16は、車体側に回転(中心軸線周りに回転、移動)自在に支持されると共に、軸方向が前後方向に平行に配置されている。回転軸16の後端部には、略矩形筒状の回転筒16Aが設けられており、回転筒16Aは、回転軸16と一体回転可能にされると共に、内部が左右方向両側に開放されている。
【0026】
回転軸16の回転筒16A内には、右側から、シフト体としての略長尺棒状のレバー18の左端(基端)近傍が貫通されており、レバー18は、回転筒16Aに上下方向周りに回動可能に支持されている。レバー18は、回転軸16を中心として上下方向(一方向、シフト方向)に所定範囲で回動(移動)可能にされており、レバー18は、回転筒16Aに対し前後方向(他方向、セレクト方向)に所定範囲で回動(移動)可能にされている。レバー18は、回転筒16Aから右側に延出されて、車室に上下方向及び前後方向に回動可能に延出されており、レバー18は、乗員により、右端部(先端部)が把持された状態で、上下方向及び前後方向に回動操作可能にされている。また、レバー18が上側から下側に回動操作されることで、レバー18のシフト位置が、例えば、「P」位置(パーキング位置、所定シフト位置)、「R」位置(リバース位置)、「N」位置(ニュートラル位置)及び「D」位置(ドライブ位置)にこの順番で変更される。さらに、レバー18が下側に回動操作されて、回転軸16が正方向(
図1等の矢印Aの方向)に回転されると共に、レバー18が上側に回動操作されて、回転軸16が逆方向(
図1等の矢印Bの方向)に回転される。
【0027】
回転軸16の前部の周囲には、検出装置20が設けられている。
【0028】
検出装置20には、ヘリカルギアである回転ギア22が設けられており、回転ギア22は、回転軸16の前端部に同軸上に固定されている。回転ギア22の後部には、略扇形板状の回転板22Aが一体に設けられており、回転板22Aは、回転ギア22と一体回転可能にされると共に、左側に突出されている。回転ギア22の左側には、ヘリカルギアである検出ギア24が噛合されており、検出ギア24の軸方向は、上下方向に平行に配置されている。レバー18が上下方向に回動される際には、回転軸16と一体に回転ギア22が回転されて、検出ギア24が回転される。
【0029】
検出ギア24の下端部は、基板12の直上に配置されており、基板12が検出ギア24の回転位置(検出ギア24の下端部に固定されたマグネットの回転位置)を検出して、回転ギア22及び回転軸16の回転位置が検出されることで、レバー18の上下方向への回動位置が検出されて、レバー18のシフト位置が検出される。
【0030】
回転軸16の後部の周囲には、規制装置としてのロック装置26(
図4参照)が設けられている。
【0031】
ロック装置26には、作動部及び移動部としての略U字形枠状の作動枠28が設けられており、作動枠28は、回転軸16の後部の左側かつ下側に配置されている。作動枠28は、前後方向にスライド(移動)可能にされており、作動枠28の上下方向及び左右方向への移動は、規制されている。作動枠28は、後側に付勢されて、レバー18の左端に前側から当接されており、レバー18は、左端が作動枠28を介して後側に付勢されて、右端が前側に付勢されている。このため、レバー18が右端部において付勢力に抗して後側に回動操作されることで、作動枠28が付勢力に抗して後側の非操作位置から前側の操作位置にスライドされる。さらに、レバー18が右端部において付勢力により前側に回動されることで、作動枠28が付勢力により操作位置から非操作位置にスライドされる。作動枠28の下端部は、基板12の直上に配置されており、基板12は、作動枠28の位置(作動枠28の下端部に固定されたマグネットの位置)を検出する。
【0032】
作動枠28の右側には、回転軸16の下側において、規制駆動部としてのロックモータ30が設けられており、ロックモータ30は、基板12に電気的に接続されて、基板12の制御により駆動される。ロックモータ30の出力軸は、右方に突出されており、ロックモータ30の出力軸には、ロックウォーム32が同軸上に固定されている。
【0033】
ロックウォーム32の下側には、略円柱状のロックカム34が設けられており、ロックカム34の軸方向は、前後方向に平行に配置されている。ロックカム34の後部には、ロックウォームホイール34Aが同軸上に設けられており、ロックウォームホイール34Aには、ロックウォーム32が噛合されている。このため、ロックモータ30が駆動されて、ロックウォーム32が回転されることで、ロックカム34がロック方向(
図1等の矢印Cの方向)及び解除方向(
図1等の矢印Dの方向)に回転される。ロックカム34の前部には、カム面36が同軸上に設けられており、カム面36は、前側に向けられている。カム面36には、解除方向側からロック方向側に向けてロック面36A、傾斜面36B及び解除面36Cがこの順番で設けられており、ロック面36Aは解除面36Cに対し後側に配置されると共に、傾斜面36Bはロック方向へ向かうに従い前側へ向かう方向に傾斜されている。
【0034】
ロックカム34の下側の左側及び右側には、それぞれ規制部及び移動部としての略矩形柱状のロックバー38が設けられており、ロックバー38の軸方向は、前後方向に平行に配置されている。ロックバー38は、前後方向にスライド(移動)可能にされており、ロックバー38の上下方向及び左右方向の移動は、規制されている。ロックバー38の前端には、柱状の係合部38Aが一体に設けられており、係合部38Aは、ロックカム34に向けて延出されている。ロックバー38は、後側に付勢されており、係合部38Aは、ロックカム34のカム面36に前側から係合されている。係合部38Aは、ロックカム34の回転によりカム面36のロック面36Aと解除面36Cとに傾斜面36Bを介して係合可能にされており、係合部38Aがロック面36Aに係合されてロックバー38が付勢力により後側のロック位置(規制位置)に配置されると共に、係合部38Aが解除面36Cに係合されてロックバー38が付勢力に抗して前側の解除位置に配置される。
【0035】
ロックバー38の後側には、被規制部としての略扇形板状のディテント板40が設けられており、ディテント板40の上端部は、回転軸16に固定されている。ディテント板40は、回転軸16の回転と一体に回動可能にされており、ディテント板40の下面は、ディテント板40の回動周方向に沿って湾曲されている。ディテント板40の下面には、矩形板状のロック部40Aが所定数(本実施形態では3個)一体に設けられており、ロック部40Aは、ディテント板40の回動径方向外側に突出されている。ロックバー38がロック位置に配置される際には、ロックバー38にロック部40Aが当接されて、ディテント板40の回動が係止される場合に、回転軸16の回転が係止されて、レバー18の回動(例えば「P」位置から「R」位置への回動)がロック(規制)される。ロックバー38が解除位置に配置される際には、ロックバー38にロック部40Aが当接不能にされて、ディテント板40の回動が係止されないことで、回転軸16の回転が係止されずに、レバー18の回動が許可(ロック解除)される。
【0036】
回転軸16の周囲には、検出装置20とロック装置26との間において、移動装置としの駆動装置42が設けられている。
【0037】
駆動装置42には、移動駆動部としての駆動モータ44が設けられており、駆動モータ44は、回転軸16の下側に配置されている。駆動モータ44は、基板12に電気的に接続されており、駆動モータ44は、基板12の制御により駆動される。駆動モータ44の出力軸は、後方に延出されており、駆動モータ44の出力軸には、第1ウォーム46が同軸上に固定されている。
【0038】
第1ウォーム46は、左側の第1ウォームホイール48に噛合されており、第1ウォームホイール48の軸方向は、上下方向に平行に配置されている。第1ウォームホイール48の上側には、第2ウォーム50が同軸上に連結されており、第2ウォーム50は、第1ウォームホイール48と一体回転可能にされている。
【0039】
第2ウォーム50の右側には、駆動部及び移動部としての略扇形板状の第2ウォームホイール52が噛合されており、第2ウォームホイール52は、回転軸16に回動(移動)可能に支持されると共に、回転軸16に対する前後方向への移動を規制されている。第2ウォームホイール52の回転は、第1ウォーム46、第1ウォームホイール48及び第2ウォーム50により規制されており、第2ウォームホイール52は、基準位置(基準移動位置)に配置されている。駆動モータ44が駆動された際には、第1ウォーム46、第1ウォームホイール48及び第2ウォーム50が回転されて、第2ウォームホイール52が回転される。第2ウォームホイール52の前面上部には、三角柱状の回転突起52Aが一体に設けられており、回転突起52Aは、前側に突出されている。回転突起52Aは、検出装置20における回転ギア22の回転板22Aから正方向側に離間されており、レバー18が「P」位置から「D」位置までの範囲で回動されて回転板22Aが回動されても、回転板22Aが回転突起52Aに当接不能にされている。
【0040】
第2ウォームホイール52の後側には、第1ヘリカルギア54が設けられており、第1ヘリカルギア54は、回転軸16に回転可能に支持されると共に、回転軸16に対する前後方向への移動を規制されている。第1ヘリカルギア54は、第2ウォームホイール52と一体にされており、第1ヘリカルギア54は、第2ウォームホイール52の回動と一体に回転される。
【0041】
第1ヘリカルギア54の右側は、第2ヘリカルギア56に噛合されており、第2ヘリカルギア56は、軸方向が上下方向に平行に配置されると共に、第1ヘリカルギア54が回転されて回転される。第2ヘリカルギア56の下端部は、基板12の直上に配置されており、基板12が第2ヘリカルギア56の回転位置(第2ヘリカルギア56の下端部に固定されたマグネットの回転位置)を検出して、第1ヘリカルギア54の回転位置が検出されて、第2ウォームホイール52の回動位置が検出される。
【0042】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0043】
以上の構成のシフト装置10では、レバー18が、上下方向に回動操作されて、「P」位置、「R」位置、「N」位置及び「D」位置に配置される。また、レバー18が上下方向に回動される際には、検出装置20において、レバー18及び回転軸16と一体に回転ギア22が回転されて、検出ギア24が回転されることで、基板12が検出ギア24の回転位置を検出して、レバー18の上下方向への回動位置が検出される。
【0044】
さらに、レバー18が後側に回動操作されることで、ロック装置26の作動枠28が付勢力に抗して非操作位置側から操作位置にスライドされる。一方、レバー18が後側に回動操作されない(レバー18の後側への回動操作が解除される)ことで、作動枠28が付勢力により操作位置側から非操作位置にスライドされる。
【0045】
レバー18が「P」位置に配置される際に、ブレーキが操作された状態で、レバー18が後側に回動操作されない場合(作動枠28が非操作位置にスライドされたことを基板12が検出した場合)には、ロック装置26において、基板12の制御により、ロックモータ30が駆動されて、ロックウォーム32を介してロックカム34がロック方向(矢印Cの方向)に回転されることで、ロックバー38がロック位置に配置される(ロックバー38がロック位置にスライドされたことを基板12が検出した際に基板12の制御によりロックモータ30の駆動が停止される)。このため、ロックバー38にディテント板40のロック部40Aが当接されて、ディテント板40の回動が係止されることで、回転軸16の回転が係止されて、レバー18の「P」位置から「R」位置側への回動がロックされる。
【0046】
レバー18が「P」位置に配置される際に、ブレーキが操作された状態で、レバー18が後側に回動操作された場合(作動枠28が操作位置にスライドされたことを基板12が検出した場合)には、ロック装置26において、基板12の制御により、ロックモータ30が駆動されて、ロックウォーム32を介してロックカム34が解除方向(矢印Dの方向)に回転されることで、ロックバー38が解除位置に配置される(ロックバー38が解除位置にスライドされたことを基板12が検出した際に基板12の制御によりロックモータ30の駆動が停止される)。このため、ロックバー38にディテント板40のロック部40Aが当接不能にされて、ディテント板40の回動が係止されないことで、回転軸16の回転が係止されずに、レバー18の「P」位置から「R」位置側への回動が許可される。
【0047】
レバー18が「P」位置以外のシフト位置に配置される際に、レバー18が後側に回動操作されない場合(作動枠28が非操作位置にスライドされたことを基板12が検出した場合)には、ロック装置26において、基板12の制御により、ロックモータ30が駆動されて、ロックウォーム32を介してロックカム34がロック方向(矢印Cの方向)に回転されることで、ロックバー38がロック位置に配置される(ロックバー38がロック位置にスライドされたことを基板12が検出した際に基板12の制御によりロックモータ30の駆動が停止される)。このため、ロックバー38にディテント板40のロック部40Aが当接されて、ディテント板40の回動が係止される場合には、回転軸16の回転が係止されて、レバー18の回動がロックされる。
【0048】
レバー18が「P」位置以外のシフト位置に配置される際に、レバー18が後側に回動操作された場合(作動枠28が操作位置にスライドされたことを基板12が検出した場合)には、ロック装置26において、基板12の制御により、ロックモータ30が駆動されて、ロックウォーム32を介してロックカム34が解除方向(矢印Dの方向)に回転されることで、ロックバー38が解除位置に配置される(ロックバー38が解除位置にスライドされたことを基板12が検出した際に基板12の制御によりロックモータ30の駆動が停止される)。このため、ロックバー38にディテント板40のロック部40Aが当接不能にされて、ディテント板40の回動が係止されないことで、回転軸16の回転が係止されずに、レバー18の回動が許可される。
【0049】
レバー18が「P」位置以外に配置された状態での所定の機会(例えば車両のエンジンが停止された場合)には、ロック装置26において、基板12の制御により、ロックモータ30が駆動されて、ロックウォーム32を介してロックカム34が解除方向(矢印Dの方向)に回転されることで、ロックバー38が解除位置に配置される(ロックバー38が解除位置にスライドされたことを基板12が検出した際に基板12の制御によりロックモータ30の駆動が停止される)。
【0050】
その後、駆動装置42において、基板12の制御により、駆動モータ44が駆動されて、第1ウォーム46、第1ウォームホイール48及び第2ウォーム50を介して第2ウォームホイール52が逆方向(矢印Bの方向)に回動されることで、第2ウォームホイール52の回転突起52Aが回転ギア22の回転板22Aを押圧して、回転ギア22が逆方向に回転される。このため、回転軸16が逆方向に回転されて、レバー18が「P」位置に回動(復帰)される。
【0051】
レバー18が「P」位置に配置された際(検出装置20によりレバー18が「P」位置に回動されたことを基板12が検出した際)には、基板12の制御により、駆動モータ44が駆動されて、第1ウォーム46、第1ウォームホイール48及び第2ウォーム50を介して第2ウォームホイール52が正方向(矢印Aの方向)に回動されることで、第2ウォームホイール52が基準位置に回動(復帰)される。また、第2ウォームホイール52が回動される際には、第2ウォームホイール52により第1ヘリカルギア54を介して第2ヘリカルギア56が回転されて、基板12が第2ヘリカルギア56の回転位置を検出することで、第2ウォームホイール52の回転位置が検出される。このため、第2ウォームホイール52が基準位置に回動されたことが検出された際には、基板12の制御により駆動モータ44の駆動が停止される。
【0052】
ここで、上述の如く、回転軸16の回転位置、作動枠28のスライド位置、ロックバー38のスライド位置及び第2ウォームホイール52の回動位置が同一の基板12によって検出される。このため、回転軸16の回転位置、作動枠28のスライド位置、ロックバー38のスライド位置及び第2ウォームホイール52の回動位置を簡単な構成で検出できる。
【0053】
さらに、回転軸16の軸方向が前後方向に平行に配置されると共に、基板12が上下方向に垂直に配置されて、回転軸16の中心軸線に沿って基板12が配置されている。このため、回転軸16の中心軸線が基板12に対し垂直に配置される場合とは異なり、基板12と回転軸16との対向方向(上下方向)における配置寸法を小さくできる。
【0054】
また、レバー18が上下方向に回動されて、回転軸16が回転される。このため、基板12が回転軸16の回転位置を回転ギア22及び検出ギア24を介して検出することで、レバー18の上下方向への回動位置を検出できて、レバー18のシフト位置を検出できる。
【0055】
さらに、回転軸16がヘリカルギアである回転ギア22及び検出ギア24に連絡されている。このため、回転軸16の中心軸線に沿って基板12が配置される場合でも、検出ギア24の回転中心軸線を基板12に対し垂直に配置でき、基板12が検出ギア24の回転位置を適切に検出できて、回転軸16の回転位置を適切に検出できる。
【0056】
しかも、回転軸16の回転角に対し検出ギア24の回転角が回転ギア22及び検出ギア24によって増加される。このため、基板12が検出ギア24の回転位置を検出することで、回転軸16の回転位置の検出精度を高くでき、レバー18の上下方向への回動位置の検出精度を高くできる。
【0057】
また、基板12が第2ウォームホイール52の回動位置を第1ヘリカルギア54及び第2ヘリカルギア56を介して検出する。このため、第2ウォームホイール52がレバー18、回転軸16及び回転ギア22とは別に回動される場合でも、第2ウォームホイール52の回動位置を検出できる。
【0058】
さらに、第2ウォームホイール52が第1ヘリカルギア54及び第2ヘリカルギア56に連絡されている。このため、第2ウォームホイール52の回動中心軸線に沿って基板12が配置される場合でも、第2ヘリカルギア56の回転中心軸線を基板12に対し垂直に配置でき、基板12が第2ヘリカルギア56の回転位置を適切に検出できて、第2ウォームホイール52の回動位置を適切に検出できる。
【0059】
しかも、第2ウォームホイール52の回動角に対し第2ヘリカルギア56の回転角が第1ヘリカルギア54及び第2ヘリカルギア56によって増加される。このため、基板12が第2ヘリカルギア56の回転位置を検出することで、第2ウォームホイール52の回動位置の検出精度を高くできる。
【0060】
また、レバー18が前後方向に回動されて、作動枠28がスライドされる。このため、基板12が作動枠28のスライド位置を検出することで、レバー18の前後方向への回動位置を検出できる。
【0061】
さらに、ロックバー38がスライドされて、ディテント板40を介してレバー18の回動がロック及び許可される。このため、基板12がロックバー38のスライド位置を検出することで、レバー18の回動のロック及び許可を検出できる。
【0062】
しかも、レバー18が前後方向に回動されて、作動枠28がスライドされることで、ロックモータ30の駆動によりロックバー38がスライドされて、レバー18の回動がロック及び許可される。このため、ロックモータ30を駆動させるためのスイッチをレバー18の右端部(先端部)に設ける必要をなくすことができる。これにより、レバー18の意匠の自由度を向上できると共に、当該スイッチに接続するハーネスを不要にできる。さらに、レバー18の上下方向への回動操作と当該スイッチの操作と行う必要がなく、レバー18の上下方向及び前後方向への回動操作を行えばよいため、レバー18の操作自由度を向上できる。
【0063】
なお、本実施形態では、駆動装置42がレバー18を「P」位置に回動させる。しかしながら、駆動装置42がレバー18を「P」位置以外の所定シフト位置(例えば「N」位置)に回動させてもよい。
【0064】
さらに、本実施形態では、レバー18(シフト体)が回動される。しかしながら、シフト体が中心軸線周りに回転又はスライドされてもよい。
【0065】
また、本実施形態では、シフト機構14に回転部として回転軸16のみ設けた。しかしながら、シフト機構14に回転部を複数設けてもよい。
【0066】
さらに、本実施形態では、レバー18(シフト体)が、回転部又は移動部にされずに、位置を基板12によって検出されない。しかしながら、シフト体が、回転部又は移動部にされて、位置を基板12によって検出されてもよい。
【0067】
また、本実施形態では、シフト装置10をステアリングコラムに設置した。しかしながら、シフト装置10を車室の床部、インストルメントパネル又はコンソールに設置してもよい。
【符号の説明】
【0068】
10 シフト装置
12 基板(検出体)
14 シフト機構
16 回転軸(回転部、移動部)
18 レバー(シフト体)
28 作動枠(移動部)
38 ロックバー(移動部)
52 第2ウォームホイール(移動部)