(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
H04L 27/26 20060101AFI20231226BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20231226BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20231226BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20231226BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20231226BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20231226BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20231226BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20231226BHJP
H04W 76/14 20180101ALI20231226BHJP
【FI】
H04L27/26 100
G03G21/00 396
B41J29/00 E
B41J29/38 401
B41J29/42 F
H04N1/00 127B
G06F3/12 385
G06F3/12 336
G06F3/12 303
G06F3/12 384
H04W72/0453
H04W76/14
(21)【出願番号】P 2022072777
(22)【出願日】2022-04-26
【審査請求日】2023-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】槌谷 啓吾
【審査官】谷岡 佳彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/002802(WO,A1)
【文献】特開2021-103806(JP,A)
【文献】特開2019-161676(JP,A)
【文献】特開2021-158545(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
G03G 21/00
B41J 29/00
B41J 29/38
B41J 29/42
H04N 1/00
G06F 3/12
H04W 72/0453
H04W 76/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部アクセスポイントを介した第1無線通信と、前記外部アクセスポイントを介さない第2無線通信を実行可能な通信装置であって、
前記通信装置が6GHz帯の無線通信において利用可能な周波数情報を外部装置から取得可能な状態で動作している場合、前記通信装置が前記第2無線通信において親局として動作する際に利用できる周波数帯の選択肢として6GHz帯に対応する選択肢を含む第1設定画面を表示し、前記通信装置が6GHz帯の無線通信において利用可能な周波数情報を外部装置から取得可能な状態で動作していない場合、前記通信装置が前記第2無線通信において親局として動作する際に利用できる周波数帯の選択肢として6GHz帯の選択が制限される第2設定画面を表示する表示制御手段と、
前記第1設定画面において前記6GHz帯に対応する選択肢が選択された場合、前記外部装置から受信した周波数情報に基づいて6GHz帯の通信チャネルを特定する特定手段と、
前記特定されたチャネルを用いて前記第2無線通信における親局として動作する無線通信制御手段を備え、
前記第2無線通信における親局は、前記第2無線通信において利用される通信チャネルを決定することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記周波数情報に基づいて利用可能な6GHz帯の複数の通信チャネルが特定された場合、前記特定手段は、前記第1無線通信で利用されている通信チャネルに基づいて6GHz帯の通信チャネルを特定することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記特定手段は、前記第1無線通信で利用されている通信チャネルと異なる通信チャネルを特定することを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記第2無線通信を介して受信した印刷データに基づいて用紙に対する印刷処理を実行する印刷制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記第2無線通信を介してインクの残量を通信相手装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項6】
前記6GHz帯の選択が制限される第2設定画面とは、前記6GHzに対応する選択肢が含まれない画面であることを特徴とする請求項1に記載の
通信装置。
【請求項7】
前記6GHz帯の選択が制限される第2設定画面とは、前記6GHzに対応する選択肢が選択された場合に所定のメッセージが通知される画面であることを特徴とする請求項1に記載の
通信装置。
【請求項8】
前記通信装置が6GHz帯の無線通信において利用可能な周波数情報を外部装置から取得可能な状態とは、前記第1無線通信が実行可能な状態であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項9】
前記通信装置が6GHz帯の無線通信において利用可能な周波数情報を外部装置から取得可能な状態とは、前記外部装置であるAutomated Frequency Cordination(AFC)システムと通信可能な状態であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項10】
前記第1無線通信および前記第2無線通信は、IEEE802.11シリーズに準拠した通信であり、前記第1無線通信はインフラストラクチャモードによる通信であり、前記第2無線通信はピア・ツー・ピアモードによる通信であることを特徴とする請求項8に記載の通信装置。
【請求項11】
前記第1無線通信および前記第2無線通信は、IEEE802.11シリーズに準拠した通信であり、前記第1無線通信はインフラストラクチャモードによる通信であり、前記第2無線通信はピア・ツー・ピアモードによる通信であることを特徴とする請求項9に記載の通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置がアクセスポイントを介してインフラストラクチャモードによる無線通信と、アドホックモードによる無線通信を並行して実行可能である技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、無線通信は様々なケースで使用されており、利便性の高い無線通信の提供が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、外部アクセスポイントを介した第1無線通信と、前記外部アクセスポイントを介さない第2無線通信を実行可能な通信装置であって、前記通信装置が6GHz帯の無線通信において利用可能な周波数情報を外部装置から取得可能な状態で動作している場合、前記通信装置が前記第2無線通信において親局として動作する際に利用できる周波数帯の選択肢として6GHz帯に対応する選択肢を含む第1設定画面を表示し、前記通信装置が6GHz帯の無線通信において利用可能な周波数情報を外部装置から取得可能な状態で動作していない場合、前記通信装置が前記第2無線通信において親局として動作する際に利用できる周波数帯の選択肢として6GHz帯の選択が制限される第2設定画面を表示する表示制御手段と、前記第1設定画面において前記6GHz帯に対応する選択肢が選択された場合、前記外部装置から受信した周波数情報に基づいて6GHz帯の通信チャネルを特定する特定手段と、前記特定されたチャネルを用いて前記第2無線通信における親局として動作する無線通信制御手段を備え、前記第2無線通信において親局として動作する装置は、前記第2無線通信において利用される通信チャネルを決定することを特徴とする通信装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、より効率的な無線通信技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態におけるシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】(a)携帯端末のハードウェア構成の一例を示す図である。(b)画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】通信装置において実行されるフローチャートの一例を示す図である。
【
図4】通信装置において表示される画面の一例を示す図である。
【
図5】通信装置において実行されるフローチャートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施形態は一例に過ぎず、構成要素、処理ステップ、表示画面等の具体的な例は、特段の記載の無い限り、本発明の範囲をそれらに限定することを意図していないことに留意されたい。
【0009】
(システム構成)
図1に、本実施形態に係るシステムの構成例を示す。本システムは、一例において、複数の通信装置が相互に無線で通信可能な無線通信システムである。
図1の例では、アクセスポイント(AP)131、MFP151、携帯端末101を含む。なお、携帯端末101は、携帯端末101の一例であり、ノートパソコンまたはスマートフォンである。また、本システムにはAutomated Frequency Cordinaion(AFC)システム100が含まれる。MFP151は、AP131を介してAFC100と通信可能である。なお、本実施形態におけるMFP151は、少なくとも6GHzを用いた無線通信が可能であり、Standard Power Devicesとして動作する。Standard Power Devicesは、Very Low Power DevicesおよびLow Power Indoor-Only Devicesと比較して送信電力の制限が緩い。一方、Standard Power Devicesとして動作する装置は、6GHzの無線通信で利用可能な周波数レンジまたはチャネルをAFCシステム100に問い合わせ、その回答を受けることで6GHzで利用する周波数レンジまたはチャネルを決定する。
【0010】
MFP151は、印刷機能、読取機能(スキャナ)、FAX機能等を有している。また、本実施形態のMFP151は、101と無線通信可能な通信機能を有する。また、本実施形態では一例としてMFP151が用いられる場合について説明するが、これに限られない。例えば、MFP151の代わりに、ファクシミリ装置、スキャナ装置、プロジェクタ、シングルファンクションの印刷装置が用いられてもよい。MFPは、Multi Function Peripheral(多機能周辺機器)の略語である。なお、本実施形態では、印刷機能を備える装置を画像形成装置と呼ぶこともある。
【0011】
アクセスポイント131は、携帯端末101及びMFP151とは別(外部)に設けられ、無線LAN(WLAN)の基地局装置として動作する。なお、アクセスポイント131は、外部のアクセスポイント131または外部の無線基地局(または外部の親局)と記載されることもある。WLANの通信機能を有するMFP151は、アクセスポイント131を介してWLANのインフラストラクチャモードでの通信を行うことができる。なお、以下では、アクセスポイントを「AP」と呼ぶ場合がある。また、インフラストラクチャモードを「無線インフラモード」、「インフラモード」と呼ぶ場合がある。
【0012】
インフラストラクチャモードとは、MFP151が、ネットワークを形成する外部装置(例えば、アクセスポイント131)を介して、他の装置と通信する形態である。インフラストラクチャモードで動作するMFP151によって確立される外部アクセスポイントとの接続を、インフラストラクチャ接続(以後、インフラ接続)という。本実施形態では、インフラ接続において、MFP151が子局として動作し、外部アクセスポイントが親局として動作する。なお本実施形態において親局とは、親局が属するネットワークにおいて使用される通信チャネルを決定する装置であり、子局とは、子局が属するネットワークにおいて使用される通信チャネルを決定せず、親局が決定した通信チャネルを用いる装置である。
【0013】
アクセスポイント131は、自装置への接続を許可した(認証済みの)通信装置と無線通信を行い、その通信装置と、他の通信装置との無線通信を中継する。また、アクセスポイント131は、例えば有線通信ネットワークに接続され、その有線通信ネットワークに接続されている通信装置と、アクセスポイント131に無線接続している他の通信装置との通信を中継しうる。
【0014】
携帯端末101とMFP151は、各々が有するWLAN通信機能を用いて、外部のアクセスポイント131を介した無線インフラモードや、外部のアクセスポイント131を介さないピア・ツー・ピアモードで無線通信を行いうる。なお、以下では、ピア・ツー・ピアを「P2P」と呼ぶ。または、外部のアクセスポイント131を介さない通信をダイレクト無線通信と呼ぶこともある。P2Pモードでは、Wi-Fi Direct(登録商標)やソフトAPモード等を含む。以下ではWi-Fi Direct(登録商標)をWFDと呼ぶ場合がある。P2Pモードは、IEEE802.11シリーズに準拠した通信ともいえる。
【0015】
P2Pモードとは、MFP151が、ネットワークを形成する外部装置を介さず、携帯端末101等の他の装置と直接的に通信する形態である。本実施形態では、P2Pモードには、MFP151がアクセスポイントとして動作するAPモードが含まれるものとする。APモード時にMFP151内で有効化されるアクセスポイントの接続情報(SSIDやパスワード)は、ユーザが任意に設定可能であるものとする。なおP2Pモードには、例えば、MFP151がWi-Fi Direct(WFD)によって通信するためのWFDモードが含まれていても良い。なお、複数のWFD対応機器のうちいずれが親局として動作するかは、例えば、Group Owner Negotiationというシーケンスに従って決定される。なお、Group Owner Negotiationが実行されずに、親局が決定されても良い。WFD対応機器であり且つ親局の役割を果たす装置を特に、Group Ownerという。P2Pモードで動作するMFP151によって確立される他の装置との直接的な接続を、ダイレクト接続という。本実施形態では、ダイレクト接続において、MFP151が親局として動作し、他の装置(携帯端末101等)が子局として動作する。
【0016】
AFCシステム100は、上述した通り装置からの問い合わせ(inquired Frequency Rangeまたはinquired Channels)に対して利用可能な周波数レンジやチャネルを回答する。
【0017】
次に、本実施形態の携帯端末と、本実施形態の携帯端末と通信可能な通信装置の構成について
図2を参照して説明する。また、本実施形態では以下の構成を例に記載するが、本実施形態は通信装置と通信を行うことが可能な装置に関して適用可能なものであり、特にこの図のとおりに機能を限定するものではない。
【0018】
携帯端末101は、入力インタフェース102、CPU103、ROM104、RAM105、外部記憶装置106、出力インタフェース107、表示部108、キーボード109、通信部110、近距離無線通信部111、ネットワークインタフェース112、USBインタフェース113等を有する。CPU103、ROM104、RAM105等によって、携帯端末101のコンピュータが形成される。
【0019】
入力インタフェース102は、キーボード109等の操作部が操作されることにより、ユーザからのデータ入力や動作指示を受け付けるためのインタフェースである。なお、操作部は、物理キーボードや物理ボタン等であっても良いし、表示部108に表示されるソフトキーボードやソフトボタン等であっても良い。すなわち、入力インタフェース102は、表示部108を介してユーザからの入力(操作)を受け付けても良い。
【0020】
CPU103は、システム制御部であり、携帯端末101の全体を制御する。ROM104は、CPU103が実行する制御プログラムやデータテーブル、組み込みオペレーティングシステム(以下、OSという。)プログラム等の固定データを格納する。本実施形態では、ROM104に格納されている各制御プログラムは、ROM104に格納されている組み込みOSの管理下で、スケジューリングやタスクスイッチ、割り込み処理等のソフトウエア実行制御を行う。
【0021】
RAM105は、バックアップ電源を必要とするSRAM(Static Random Access Memory)等で構成される。なお、RAM105は、図示しないデータバックアップ用の1次電池によってデータが保持されているため、プログラム制御変数等の重要なデータを揮発させずに格納することができる。また、携帯端末101の設定情報や携帯端末101の管理データ等を格納するメモリエリアもRAM105に設けられている。また、RAM105は、CPU103の主メモリとワークメモリとしても用いられる。
【0022】
外部記憶装置106は、例えば、印刷装置115が解釈可能な印刷情報を生成する印刷情報生成プログラム等を保存している。出力インタフェース107は、表示部108がデータの表示や携帯端末101の状態の通知を行うための制御を行うインタフェースである。
【0023】
表示部108は、LED(発光ダイオード)やLCD(液晶ディスプレイ)などから構成され、データの表示や携帯端末101の状態の通知を行う。通信部110は、MFP151やアクセスポイント(AP)131等の装置と接続して、データ通信を実行するための構成である。例えば、通信部110は、MFP151内のアクセスポイント(不図示)に接続可能である。通信部110とMFP151内のアクセスポイントが接続することで、携帯端末101とMFP151はP2P通信が可能となる。なお、通信部110は無線通信でMFP151とダイレクトに通信しても良いし、携帯端末101やMFP151の外部に存在するAP131部装置を介して通信しても良い。なお、外部装置とは、携帯端末101の外部及びMFP151の外部に存在する外部アクセスポイント(アクセスポイント131等)や、アクセスポイント以外で通信を中継可能な装置を含む。本実施形態では、通信部110が用いる無線通信方式は、IEEE802.11シリーズに準拠する通信規格であるWi-Fi(WirelessFidelity)(登録商標)であるものとする。また、アクセスポイント131としては、例えば、無線LANルーター等の機器などが挙げられる。
【0024】
近距離無線通信部111は、MFP151等の装置と近距離で無線接続して、データ通信を実行するための構成であり、通信部110とは異なる通信方式によって通信を行う。近距離無線通信部111は、例えば、MFP151内の近距離無線通信部157と接続可能である。通信方式としては、例えば、Near Field Communication(NFC)、Bluetooth(登録商標) Classic、Bluetooth Low Energy(BLE)、Wi-Fi Aware等が挙げられる。
【0025】
ネットワークインタフェース112は、無線経由の通信および有線LANケーブルを経由した通信処理を制御する接続I/Fである。
【0026】
USBインタフェース113はUSBケーブルを経由したUSB接続を制御する接続I/Fである。具体的にはUSBインタフェース113は、MFP151や、外部アクセスポイント131等の装置とUSBによって接続して、データ通信を実行するためのインタフェースである。
【0027】
つづいてMFP151について説明する。MFP151は、ROM152、RAM153、CPU154、プリントエンジン155、通信部156、近距離無線通信部157、入力インタフェース158、操作部159、出力インタフェース160、表示部161、ネットワークインタフェース162、USBインタフェース163等を有する。ROM152、RAM153、CPU154等によって、MFP151のコンピュータが形成される。
【0028】
通信部156は、各インタフェースを用いた通信処理を制御する。例えば、MFP151は、通信部156を用いて通信を行うためのモードとして、インフラストラクチャモード及びP2P(Peer to Peer)モードで動作可能である。
【0029】
具体的には、通信部156は、MFP151内部のアクセスポイントとして動作可能である。例えばユーザが、該内部のアクセスポイントを有効化することを指示することで、MFP151がアクセスポイントとして動作することになる。本実施形態では、通信部156が用いる無線通信方式は、IEEE802.11シリーズに準拠する通信規格であるものとする。また、本実施形態においては、通信部156が用いる無線通信方式は、少なくともIEEE802.11axに準拠する通信規格であるものとする。また以下の説明において、Wi-Fi(WirelessFidelity)(登録商標)(Wi-Fi通信)とは、IEEE802.11シリーズに準拠する通信規格である。また、通信部156は、アクセスポイントとして機能するハードウェアを備えていてもよいし、アクセスポイントとして機能させるためのソフトウエアにより、アクセスポイントとして動作してもよい。なお、通信部156は親局として動作する場合、通信部156は、所定台数以下(例えば3第以下)の子局の装置とのP2P無線接続を並行して維持できる。なお、通信部156は、2.4GHz、5GHzおよび6GHzから選択された周波数帯域を用いて無線通信を実行できる。
【0030】
近距離無線通信部157は、携帯端末101等の装置と近距離で無線接続するための構成であり、例えば、携帯端末101内の近距離無線通信部111と接続可能である。通信方式としては、例えば、NFC、Bluetooth Classic、BLE、Wi-Fi Aware等が挙げられる。
【0031】
RAM153は、バックアップ電源を必要とするSRAM等で構成される。なお、RAM153は、図示しないデータバックアップ用の1次電池によってデータが保持されているため、プログラム制御変数等の重要なデータを揮発させずに格納することができる。また、MFP151の設定情報やMFP151の管理データ等を格納するメモリエリアもRAM153に設けられている。また、RAM153は、CPU154の主メモリとワークメモリとしても用いられ、携帯端末101等から受信した印刷情報を一旦保存するための受信バッファや各種の情報を保存する。
【0032】
ROM152は、CPU154が実行する制御プログラムやデータテーブル、OSプログラム等の固定データを格納する。本実施形態では、ROM152に格納されている各制御プログラムは、ROM152に格納されている組み込みOSの管理下で、スケジューリングやタスクスイッチ、割り込み処理等のソフトウエア実行制御を行う。
【0033】
CPU154は、システム制御部であり、MFP151の全体を制御する。
【0034】
プリントエンジン155は、RAM153に保存された情報や携帯端末101等から受信した印刷ジョブに基づき、インク等の記録剤を用紙等の記録媒体上に付加することで記録媒体上に画像を形成する印刷処理を実行し、印刷結果を出力する。なお一般に、携帯端末101等から送信される印刷ジョブのデータ量は大きいため、印刷ジョブの通信には、高速通信が可能な通信方式を用いることが求められる。そのため、MFP151は、近距離無線通信部157よりも高速な通信が可能な通信部156を介して、印刷ジョブを受信する。なお、インクを用いた印刷は一例であり、トナーを用いた電子写真方式により印刷を実行しても良い。また、インクについては、カートリッジを装着するカートリッジタイプのMFPでも良いし、MFPのインクタンクにインクボトルからインクを補充するタイプのMFPでも良い。
【0035】
なお、MFP151には、外付けHDDやSDカード等のメモリがオプション機器として装着されてもよく、MFP151に保存される情報は、当該メモリに保存されても良い。
【0036】
入力インタフェース158は、物理ボタン等の操作部159が操作されることにより、ユーザからのデータ入力や動作指示を受け付けるためのインタフェースである。なお、操作部は、表示部161に表示されるソフトキーボードやソフトボタン等であっても良い。すなわち、入力インタフェース158は、表示部161を介してユーザからの入力を受け付けても良い。
【0037】
出力インタフェース160は、表示部161がデータの表示やMFP151の状態の通知を行うための制御を行うインタフェースである。
【0038】
表示部161は、LED(発光ダイオード)やLCD(液晶ディスプレイ)などから構成され、データの表示やMFP151の状態の通知を行う。
【0039】
USBインタフェース163は、USBケーブルを経由したUSB接続を制御するインタフェースである。具体的にはUSBインタフェース163は、MFP151や、外部アクセスポイント等の装置とUSBによって接続して、データ通信を実行するためのインタフェースである。
【0040】
図3は、MFP151において実行される本実施形態のフローチャートを説明する図である。本実施形態のフローチャートは、CPU154がフローチャートの処理に関わるプログラムをROM152から読み出して実行することで実現される。なお、
図3のフローチャートは、
図4(a)に示す設定画面400において周波数帯の設定401がユーザにより選択された場合に開始される。
【0041】
CPU154は、AFCシステム100と通信可能か否かを判定する(S301)。S301は、例えば、インフラモードが有効化されているかを判定することで実現されても良いし、インフラ接続が確立されているか否かを判定することで実現されても良い。また、MFP151が、AFCシステム100と通信可能か否かを判定することでS301が実現されても良い。
【0042】
S301においてYesと判定された場合、CPU154は6GHzの選択肢を含む設定画面を表示し(S302)、S301においてNoと判定された場合、CPU154は6GHzの選択肢を含まない設定画面を表示する(S303)。例えば、S302において
図4(b)の設定画面402が表示され、S303において
図4(c)の設定画面403が表示される。なお、
図4(c)では6GHzの選択肢が消えた画面となっているが、6GHzの選択肢をユーザが選択できない画面が表示されればよく、例えば6GHzの選択肢がグレーアウトされた状態の画面が表示されても良い。また、CPU154は、S301においてNoと判定された場合に
図4(b)のような画面を表示し、6GHzの選択肢が選択された場合に選択できないことを示すメッセージを表示しても良い。
【0043】
CPU154は、設定画面402または設定画面403において選択された周波数帯で内部アクセスポイントを起動して、親局として動作する(S304)。
【0044】
ここでS304の詳細な処理について
図5を用いて説明する。
【0045】
CPU154は、
図4(b)または
図4(c)の画面において選択された周波数帯を判定する(S501)。
【0046】
CPU154が2.4GHzの選択肢が選択されたと判定した場合、CPU154は2.4GHzのチャネルを選択して親局として動作する(S502)。この際、インフラ通信で利用されているチャネルと同じチャネルが選択されても良いし、インフラ通信で利用されているチャネルと異なるチャネルが選択されても良い。
【0047】
CPU154が5GHzの選択肢が選択されたと判定した場合、CPU154は5GHz帯のチャネルの中で非DFS(Dynamic Frequency Selection)帯のチャネルを選択して親局として動作する(S502)。なお、非DFS帯のチャネルとはW52のチャネルが該当する。なお、非DFS帯のチャネルを選択する理由としては、MFP151はDFS機能を備えていないためである。
【0048】
CPU154が6GHzの選択肢が選択されたと判定した場合、CPU154はAFCシステム100に利用可能チャネルを問い合わせる(S504)。この際、CPU154は、例えばUNII-5の80MHzで利用可能なチャネルをAFCシステム100に問い合わせる。この問い合わせを受けたAFCシステム100は、UNII-5(5925MHzから6425MHz)の中で80MHzの通信に利用可能なチャネルを回答する。
【0049】
CPU154は、AFCシステム100から受信した利用可能チャネルを用いて親局として動作する(S505)。なお、S505において利用可能なチャネルとして複数のチャネルが受信された場合、CPU154はインフラ通信で利用されているチャネルに基づいてチャネルを選択しても良い。例えば、CPU154は、インフラ通信で利用されているチャネルとは異なるチャネルを選択しても良い。
【0050】
以上の処理により親局として動作しているMFP151と端末装置101のダイレクト通信が可能となり、例えば、端末装置101から受信した印刷データに基づいてMFP151は印刷処理を実行しても良い。また、MFP151は、当該ダイレクト通信を利用して消耗品の残量を端末装置101に送信しても良い。消耗品の残量とは、例えばインクの残量、トナーの残量が該当する。
【0051】
なお、上記実施形態では、MFP151を例に説明したが、他の装置で実施されても構わない。例えば、デジタルカメラ、シングルファンクションプリンタ、シングルファンクションスキャナ、プロジェクタ、スマートフォンなどの装置が上記実施形態の処理を実行しても良い。
【0052】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0053】
本実施形態の開示は以下の構成及び方法を含む。
【0054】
(構成1)
外部アクセスポイントを介した第1無線通信と、前記外部アクセスポイントを介さない第2無線通信を実行可能な通信装置であって、
前記通信装置が6GHz帯の無線通信において利用可能な周波数情報を外部装置から取得可能な状態で動作している場合、前記通信装置が前記第2無線通信において親局として動作する際に利用できる周波数帯の選択肢として6GHz帯に対応する選択肢を含む第1設定画面を表示し、前記通信装置が6GHz帯の無線通信において利用可能な周波数情報を外部装置から取得可能な状態で動作していない場合、前記通信装置が前記第2無線通信において親局として動作する際に利用できる周波数帯の選択肢として6GHz帯の選択が制限される第2設定画面を表示する表示制御手段と、
前記第1設定画面において前記6GHz帯に対応する選択肢が選択された場合、前記外部装置から受信した周波数情報に基づいて6GHz帯の通信チャネルを特定する特定手段と、
前記特定されたチャネルを用いて前記第2無線通信における親局として動作する無線通信制御手段を備え、
前記第2無線通信における親局は、前記第2無線通信において利用される通信チャネルを決定することを特徴とする通信装置。
【0055】
(構成2)
前記周波数情報に基づいて利用可能な6GHz帯の複数の通信チャネルが特定された場合、前記特定手段は、前記第1無線通信で利用されている通信チャネルに基づいて6GHz帯の通信チャネルを特定することを特徴とする構成1に記載の通信装置。
【0056】
(構成3)
前記特定手段は、前記第1無線通信で利用されている通信チャネルと異なる通信チャネルを特定することを特徴とする構成2に記載の通信装置。
【0057】
(構成4)
前記第2無線通信を介して受信した印刷データに基づいて用紙に対する印刷処理を実行する印刷制御手段を備えることを特徴とする構成1乃至3のいずれか1つに記載の通信装置。
【0058】
(構成5)
前記第2無線通信を介してインクの残量を通信相手装置に送信することを特徴とする構成1乃至4のいずれか1つに記載の通信装置。
【0059】
(構成6)
前記6GHz帯の選択が制限される第2設定画面とは、前記6GHzに対応する選択肢が含まれない画面であることを特徴とする構成1乃至5のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0060】
(構成7)
前記6GHz帯の選択が制限される第2設定画面とは、前記6GHzに対応する選択肢が選択された場合に所定のメッセージが通知される画面であることを特徴とする構成1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0061】
(構成8)
前記通信装置が6GHz帯の無線通信において利用可能な周波数情報を外部装置から取得可能な状態とは、前記第1無線通信が実行可能な状態であることを特徴とする構成1乃至5のいずれか1つに記載の通信装置。
【0062】
(構成9)
前記通信装置が6GHz帯の無線通信において利用可能な周波数情報を外部装置から取得可能な状態とは、前記外部装置であるAutomated Frequency Cordination(AFC)システムと通信可能な状態であることを特徴とする構成1乃至5のいずれか1つに記載の通信装置。
【0063】
(構成10)
前記第1無線通信および前記第2無線通信は、IEEE802.11シリーズに準拠した通信であり、前記第1無線通信はインフラストラクチャモードによる通信であり、前記第2無線通信はピア・ツー・ピアモードによる通信であることを特徴とする構成8に記載の通信装置。
【0064】
(構成11)
前記第1無線通信および前記第2無線通信は、IEEE802.11シリーズに準拠した通信であり、前記第1無線通信はインフラストラクチャモードによる通信であり、前記第2無線通信はピア・ツー・ピアモードによる通信であることを特徴とする構成9に記載の通信装置。
【符号の説明】
【0065】
151 MFP