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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】記録管理システムおよび入力端末
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20231226BHJP
   G16H 20/00 20180101ALI20231226BHJP
   A61G 12/00 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
G16H10/00
G16H20/00
A61G12/00 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020003499
(22)【出願日】2020-01-14
(65)【公開番号】P2021111185
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2022-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】591253593
【氏名又は名称】株式会社ケアコム
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】前田 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】海野 剛靖
【審査官】鹿野 博嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-347760(JP,A)
【文献】国際公開第2018/003750(WO,A1)
【文献】和田 遥香,位置に応じたビュー切り替え機能と情報補完機能を有するモバイルアプリの実証実験と評価,情報処理学会 シンポジウム マルチメディア通信と分散処理ワークショップ 2019 [online],日本,情報処理学会,2019年11月04日,p.156~163,[検索日:2023年10月19日] Internet<URL:https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=repository_uri&item_id=199936&file_id=1&file_no=1>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
A61G 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設の部屋ごとに設置され、スタッフが介護記録または看護記録を入力するために使用する入力端末と、
上記入力端末に通信ネットワークを介して接続され、上記入力端末から送られてくる介護記録または看護記録を履歴として保存する管理装置とを備え、
上記入力端末は、
上記入力端末の設置場所が居室または共用室のどちらであるかを識別可能な設置場所の情報を設定し、その設定情報を設定情報記憶部に記憶させる情報設定部と、
上記設定情報記憶部に記憶されている上記設定情報に基づいて、上記入力端末の設置場所が居室か共用室かを判定する設置場所判定部と、
上記設置場所判定部による判定結果に応じて、上記介護記録または看護記録の情報として入力する項目を変えた入力操作画面を提示する画面制御部とを備えた
ことを特徴とする記録管理システム。
【請求項2】
上記画面制御部は、上記設置場所判定部により上記入力端末の設置場所が居室であると判定された場合、上記スタッフの氏名を入力するための第1の入力操作画面と、介護行為または看護行為の内容を入力するための第2の入力操作画面とを提示するように制御する一方、上記設置場所判定部により上記入力端末の設置場所が共用室であると判定された場合、上記スタッフの氏名を入力するための第1の入力操作画面と、要介護者または患者の氏名を入力するための第3の入力操作画面とを提示するように制御することを特徴とする請求項1に記載の記録管理システム。
【請求項3】
上記入力端末は、上記介護記録または看護記録の記録情報を上記管理装置に送信して登録することを要求する登録要求部を更に備え、
上記管理装置は、上記登録要求部により登録が要求された記録情報を上記介護記録または看護記録の履歴として保存する記録保存部を備え、
上記登録要求部は、上記設置場所判定部により上記入力端末の設置場所が居室であると判定された場合、上記第1の入力操作画面を通じて入力された上記スタッフの氏名および上記第2の入力操作画面を通じて入力された上記介護行為または看護行為の内容に加え、上記入力端末にあらかじめ設定されている上記要介護者または患者の氏名を上記管理装置に送信して登録することを要求する一方、上記設置場所判定部により上記入力端末の設置場所が共用室であると判定された場合、上記第1の入力操作画面を通じて入力された上記スタッフの氏名および上記第3の入力操作画面を通じて入力された上記要介護者または患者の氏名に加え、上記入力端末にあらかじめ設定されている上記介護行為または看護行為の内容を上記管理装置に送信して登録することを要求する
ことを特徴とする請求項2に記載の記録管理システム。
【請求項4】
施設の部屋ごとに設置され、スタッフが介護記録または看護記録を入力するために使用する入力端末と、
上記入力端末に通信ネットワークを介して接続され、上記入力端末から送られてくる介護記録または看護記録を履歴として保存する管理装置とを備え、
上記入力端末は、
上記入力端末の設置場所が居室か共用室かを判定する設置場所判定部と、
上記設置場所判定部による判定結果に応じて、上記介護記録または看護記録の情報として入力する項目を変えた入力操作画面を提示する画面制御部と、
上記部屋に設置された無線送信装置から発信される情報を受信可能な無線受信装置と、
上記介護記録または看護記録の記録情報を上記管理装置に送信して登録することを要求する登録要求部とを備え、
上記管理装置は、上記登録要求部により登録が要求された記録情報を上記介護記録または看護記録の履歴として保存する記録保存部を備え、
上記画面制御部は、上記設置場所判定部により上記入力端末の設置場所が居室であると判定された場合、上記スタッフの氏名を入力するための第1の入力操作画面と、介護行為または看護行為の内容を入力するための第2の入力操作画面とを提示するように制御する一方、上記設置場所判定部により上記入力端末の設置場所が共用室であると判定された場合、上記スタッフの氏名を入力するための第1の入力操作画面と、要介護者または患者の氏名を入力するための第3の入力操作画面とを提示するように制御し、
上記登録要求部は、上記設置場所判定部により上記入力端末の設置場所が居室であると判定された場合、上記第1の入力操作画面を通じて入力された上記スタッフの氏名および上記第2の入力操作画面を通じて入力された上記介護行為または看護行為の内容に加え、上記無線受信装置により受信された情報に含まれている上記要介護者または患者の氏名を上記管理装置に送信して登録することを要求する一方、上記設置場所判定部により上記入力端末の設置場所が共用室であると判定された場合、上記第1の入力操作画面を通じて入力された上記スタッフの氏名および上記第3の入力操作画面を通じて入力された上記要介護者または患者の氏名に加え、上記無線受信装置により受信された情報に含まれている上記介護行為または看護行為の内容を上記管理装置に送信して登録することを要求する
ことを特徴とする記録管理システム。
【請求項5】
スタッフが介護記録または看護記録を入力するために使用する入力端末であって、
上記入力端末の設置場所が居室または共用室のどちらであるかを識別可能な設置場所の情報を設定し、その設定情報を設定情報記憶部に記憶させる情報設定部と、
上記設定情報記憶部に記憶されている上記設定情報に基づいて、上記入力端末の設置場所が居室か共用室かを判定する設置場所判定部と、
上記設置場所判定部による判定結果に応じて、上記介護記録または看護記録の情報として入力する項目を変えた入力操作画面を提示する画面制御部とを備えた
ことを特徴とする入力端末。
【請求項6】
施設の部屋ごとに設置され、スタッフが介護記録または看護記録を入力するために使用する入力端末であって、
上記入力端末の設置場所が居室か共用室かを判定する設置場所判定部と、
上記設置場所判定部による判定結果に応じて、上記介護記録または看護記録の情報として入力する項目を変えた入力操作画面を提示する画面制御部と、
上記部屋に設置された無線送信装置から発信される情報を受信可能な無線受信装置と、
上記介護記録または看護記録の記録情報を、通信ネットワークを介して接続された管理装置に送信して登録することを要求する登録要求部とを備え、
上記画面制御部は、上記設置場所判定部により上記入力端末の設置場所が居室であると判定された場合、上記スタッフの氏名を入力するための第1の入力操作画面と、介護行為または看護行為の内容を入力するための第2の入力操作画面とを提示するように制御する一方、上記設置場所判定部により上記入力端末の設置場所が共用室であると判定された場合、上記スタッフの氏名を入力するための第1の入力操作画面と、要介護者または患者の氏名を入力するための第3の入力操作画面とを提示するように制御し、
上記登録要求部は、上記設置場所判定部により上記入力端末の設置場所が居室であると判定された場合、上記第1の入力操作画面を通じて入力された上記スタッフの氏名および上記第2の入力操作画面を通じて入力された上記介護行為または看護行為の内容に加え、上記無線受信装置により受信された情報に含まれている上記要介護者または患者の氏名を上記管理装置に送信して登録することを要求する一方、上記設置場所判定部により上記入力端末の設置場所が共用室であると判定された場合、上記第1の入力操作画面を通じて入力された上記スタッフの氏名および上記第3の入力操作画面を通じて入力された上記要介護者または患者の氏名に加え、上記無線受信装置により受信された情報に含まれている上記介護行為または看護行為の内容を上記管理装置に送信して登録することを要求する
ことを特徴とする入力端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録管理システムおよび入力端末に関し、特に、介護記録または看護記録を登録して管理するシステムおよびこれに用いる入力端末に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、病気や怪我、あるいは高齢等の理由により介護を必要とする要介護者が増えている。要介護者は、介護施設に入所し、必要な介護を受けることが可能である。介護施設において介護士等のスタッフは、要介護者(施設利用者)の部屋を定期的に巡視することによって要介護者の安否や様子を確認したり、あらかじめ作成した介護計画あるいは要介護者からの呼び出しに従って必要な介助を行ったりする。そして、スタッフは、実際に行った介護行為の内容を介護記録として記録する。介護記録には、介護行為を行ったスタッフの氏名、要介護者の氏名、介護行為の内容、介護行為の開始日時および終了日時などの情報が含まれる。
【0003】
従来、スタッフによる持ち運びが可能なタブレット端末に介護記録を入力したり、施設に設置された端末に介護記録を入力したりすることで、介護記録の入力作業を支援するシステムが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。また、病室の出入口付近に設置された液晶廊下灯に看護情報を入力するようにしたシステムも知られている(例えば、特許文献3,4参照)。部屋ごとに設置された端末から介護記録を入力するようにすることで、スタッフの一人ひとりにタブレット端末を支給する場合に比べて端末の所在などを管理するコストを削減でき、また、スタッフはタブレット端末を一々持ち運ばなくても済むというメリットを有する。
【0004】
部屋内に設置された端末から介護記録を入力する場合、スタッフは、入室した際に、端末を操作して介護行為の開始日時を入力する。また、介護行為が終わって退室する際に、介護行為の内容および介護行為の終了日時を入力する。スタッフの氏名および要介護者の氏名は、開始日時を入力する際または終了日時を入力する際に併せて入力する。こうして端末から入力された介護記録は、入力内容の確定または保存を指示する操作を行うと、通信ネットワークを介して接続された管理装置に送信されて保存される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-147104号公報
【文献】特開2018-120385号公報
【文献】特開2005-339327号公報
【文献】特開2006-19841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
要介護者に対する介護行為は、要介護者の居室にて行われるものと、トイレや風呂などの共用室で行われるものとがある。当然ながら、どこで介護行為が行われるかによって、介護記録として入力すべき内容は異なる。ここで、ノート等に介護記録を手書きで記述する場合と異なり、タブレット端末などのIT技術を使って介護記録を入力する場合、コンピュータ操作に不慣れなスタッフもいるため、介護記録の入力をできるだけ少ない操作で効率的に行えるようにすることが求められる。これと同様のことが、病院において看護師が患者に対して行った看護行為を看護記録として記録する際にも求められる。
【0007】
そこで本発明は、どこで介護行為または看護行為が行われるかに応じて、介護記録または看護記録の入力をできるだけ少ない操作で効率的に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するために、本発明では、スタッフが介護記録または看護記録を入力するために使用する入力端末において、入力端末の設置場所が居室または共用室のどちらであるかを識別可能な設置場所の情報を設定してその設定情報を設定情報記憶部に記憶しておき、当該設定情報記憶部に記憶されている設定情報に基づいて、入力端末の設置場所が居室か共用室かを判定し、その判定結果に応じて、介護記録または看護記録の情報として入力する項目を変えた入力操作画面を提示するようにしている。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成した本発明によれば、入力端末が居室または共用室のどちらに設置されるかに応じて、介護記録または看護記録として入力すべき情報の項目が異なる入力操作画面が提示されるので、どこで介護行為または看護行為が行われるかに応じて、それぞれについて必要最小限の項目の情報を入力すればよいようにすることができ、介護記録または看護記録の入力をできるだけ少ない操作で効率的に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態による記録管理システムの全体構成例を示す図である。
図2】居室の入力端末から介護記録を入力して管理装置に登録する際の操作手順の一例を説明するための図である。
図3】共用室の入力端末から介護記録を入力して管理装置に登録する際の操作手順の一例を説明するための図である。
図4】本実施形態による入力端末の機能構成例を示すブロック図である。
図5】本実施形態による管理装置の機能構成例を示すブロック図である。
図6】本実施形態による入力端末の動作例を示すフローチャートである。
図7】本実施形態による管理装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による記録管理システムの全体構成例を示す図である。図1に示すように、本実施形態の記録管理システムは、複数の入力端末1と、管理装置2とを備えて構成される。本実施形態の記録管理システムは、例えば介護施設または病院において利用されるものである。
【0012】
複数の入力端末1は、施設の部屋ごとに設置され、介護施設または病院のスタッフが介護記録または看護記録を入力するために使用する。入力端末1は、施設利用者が入居する居室RM1,RM2,・・・(以下、特に区別しないときは単にRMと記す)に設置されるものと、トイレや風呂などの共用室(図1ではトイレWCを図示している)に設置されるものとがある。入力端末1は、例えば、各部屋(居室RMおよびトイレWC)の出入口DWの近傍の部屋壁に設置されたタッチパネル付きのタブレット端末である。なお、入力端末1は部屋内に設置可能であればよく、タブレット端末であることや、出入口DWの近傍の部屋壁に設置することを必須とするものではない。
【0013】
管理装置2は、入力端末1に通信ネットワーク100を介して接続され、入力端末1から送られてくる介護記録または看護記録を履歴として保存する。管理装置2が履歴として保存する介護記録には、介護行為を行ったスタッフの氏名、介護行為を受けた要介護者(各居室RMの入居者)の氏名、介護行為の内容、介護行為の開始日時および終了日時などの情報が含まれる。また、管理装置2が履歴として保存する看護記録には、看護行為を行ったスタッフの氏名、看護行為を受けた患者(各病室RMの入院患者)の氏名、看護行為の内容、看護行為の開始日時および終了日時などの情報が含まれる。以下では、本実施形態の記録管理システムを介護施設で使用する場合について説明する。
【0014】
図2は、スタッフが居室RMの入力端末1から介護記録を入力して管理装置2に登録する際の操作手順の一例を説明するための図である。ここでは、入力端末1に表示される画面の遷移を示している。
【0015】
図2(1)に示す待機画面では、居室RMの識別情報である部屋番号と、その居室RMに入居している要介護者の氏名とが表示されている。なお、居室RMの待機画面に何を表示するかは任意であるが、部屋番号および要介護者の氏名を表示しておくことにより、スタッフがこれから介護行為を行おうとする要介護者の居室RMで間違いがないかどうかを確認できる点で好ましい。
【0016】
スタッフが待機画面をタッチすると、図2(2)に示す「スタッフ選択画面」が表示される。スタッフ選択画面には、入力端末1にあらかじめ登録されている複数のスタッフの氏名が、タッチして選択可能な名前ボタン201として表示される。スタッフは、自分の氏名が表示された名前ボタン201をタッチする。
【0017】
何れかの名前ボタン201がタッチされると、図2(3)のように、タッチされた名前ボタン201のスタッフが介護行為に対応中であることを示す情報と、介護行為を行っている間の経過時間を示す情報とを含む「対応中画面」が表示される。なお、対応中画面の左上には戻るボタン202が表示されており、名前ボタン201を間違ってタッチしてしまった場合は、戻るボタン202をタッチすれば、図2(2)のスタッフ選択画面に戻ることが可能である。
【0018】
スタッフは、名前ボタン201をタッチした後、要介護者に対して必要な介護行為を行う。そして、介護行為が終わった後、スタッフが対応中画面をタッチすると、図2(4)に示す「大項目選択画面」が表示される。大項目選択画面は、介護行為の内容を表す情報として大項目を選択するための画面である。ここでは一例として、身体介助1、身体介助2、生活補助、その他の4つが、タッチして選択可能な大項目ボタン203として表示されている。
【0019】
スタッフが何れかの大項目ボタン203をタッチして選択すると、図2(5)に示す「小項目選択画面」が表示される。小項目選択画面は、介護行為の内容を表す情報として小項目を選択するための画面であり、選択された大項目に属する複数の具体的な介護行為の名称が、タッチして選択可能な小項目ボタン205として表示されている。スタッフは、自分が実際に行った介護行為に対する小項目ボタン205を選んでタッチする。
【0020】
図2(4)に示す大項目選択画面には、大項目ボタン203の他に、キー入力ボタン204も表示されている。スタッフがこのキー入力ボタン204をタッチすると、図2(6)に示す「キー入力画面」が表示される。キー入力画面には、ソフトウェアキーボード206、当該ソフトウェアキーボード206により入力された文字列を表示するための表示欄207、文字列の入力完了を指示するための完了ボタン208が表示されている。スタッフは、自分が実際に行った介護行為の文字列をソフトウェアキーボード206により入力した後、完了ボタン208をタッチする。
【0021】
図2(5)に示す小項目選択画面において何れかの小項目ボタン205をタッチするか、図2(6)に示すキー入力画面において所望の文字列を入力して完了ボタン208をタッチすると、図2(7)に示す「対応記録確認画面」が表示される。この対応記録確認画面には、介護行為を行ったスタッフの氏名、介護行為の開始時刻から終了時刻までを示す対応時間、小項目選択画面またはキー入力画面において入力された介護行為を示す対応内容が表示されている。
【0022】
また、この対応記録確認画面には、介護行為の追加入力を指示するための追加ボタン209,210と、入力した介護記録を管理装置2に送信して登録することを指示するための登録ボタン211とが表示されている。追加ボタン209,210には、大項目および小項目を選択して介護行為を追加入力することを指示する第1の追加ボタン209と、ソフトウェアキーボード206により介護行為を追加入力することを指示する第2の追加ボタン210とがある。第1の追加ボタン209がタッチされた場合は、図2(4)の大項目選択画面に戻る。第2の追加ボタン210がタッチされた場合は、図2(6)のキー入力画面に戻る。
【0023】
スタッフが登録ボタン211をタッチすると、図2(1)の待機画面に表示されている要介護者の氏名(入力端末1にあらかじめ設定されている)、図2(2)のスタッフ選択画面で選択したスタッフの氏名、図2(4)~(6)の各画面において入力した介護行為の内容、介護行為の開始日時および終了日時を含む介護記録の情報が通信ネットワーク100を介して管理装置2に送信され、登録される。そして、入力端末1の画面は図2(1)の待機画面に戻る。
【0024】
図3は、スタッフがトイレWC等の共用室の入力端末1から介護記録を入力して管理装置2に登録する際の操作手順の一例を説明するための図である。ここでも、入力端末1に表示される画面の遷移を示している。
【0025】
図3(1)に示す待機画面では、共用室がトイレWCであることを示す情報と現在時刻とが表示されている。なお、共用室の待機画面に何を表示するかは任意である。スタッフが待機画面をタッチすると、図3(2)に示す「スタッフ選択画面」が表示される。スタッフ選択画面には、入力端末1にあらかじめ登録されている複数のスタッフの氏名が、タッチして選択可能な名前ボタン201として表示される。スタッフは、自分の氏名が表示された名前ボタン201をタッチする。
【0026】
何れかの名前ボタン201がタッチされると、図3(3)のように、タッチされた名前ボタン201のスタッフが介護行為に対応中であることを示す情報と、介護行為を行っている間の経過時間を示す情報とを含む「対応中画面」が表示される。なお、対応中画面の左上には戻るボタン202が表示されており、名前ボタン201を間違ってタッチしてしまった場合は、戻るボタン202をタッチすれば、図3(2)のスタッフ選択画面に戻ることが可能である。
【0027】
スタッフは、名前ボタン201をタッチした後、要介護者に対して必要な介護行為を行う。共用室の場合、スタッフが要介護者に対して行う介護行為の内容は決まっているので、その介護行為を実施する。例えば、共用室がトイレWCの場合、スタッフは要介護者に対してトイレ介助を行う。そして、介護行為が終わった後、スタッフは対応中画面をタッチする。
【0028】
スタッフが対応中画面をタッチすると、図3(4)に示す「要介護者選択画面」が表示される。要介護者選択画面には、入力端末1にあらかじめ登録されている複数の要介護者の氏名が、タッチして選択可能な名前ボタン212として表示される。スタッフは、介護行為を行った要介護者の氏名が表示された名前ボタン212をタッチする。
【0029】
何れかの名前ボタン212がタッチされると、図3(5)に示す「対応記録確認画面」が表示される。この対応記録確認画面には、介護行為を行ったスタッフの氏名、要介護者の氏名、介護行為の開始時刻から終了時刻までを示す対応時間、共用室に応じてあらかじめ決まっている介護行為を示す対応内容が表示されている。
【0030】
また、この対応記録確認画面には戻るボタン213が表示されており、名前ボタン212を間違ってタッチしてしまった場合は、戻るボタン213をタッチすれば、図3(4)の要介護者選択画面に戻ることが可能である。また、対応記録確認画面には、入力した介護記録を管理装置2に送信して登録することを指示するための登録ボタン211も表示されている。
【0031】
スタッフが登録ボタン211をタッチすると、図3(2)のスタッフ選択画面で選択したスタッフの氏名、図3(4)の要介護者選択画面で選択した要介護者の氏名、共用室に応じてあらかじめ決まっている介護行為の内容、介護行為の開始日時および終了日時を含む介護記録の情報が通信ネットワーク100を介して管理装置2に送信され、登録される。そして、入力端末1の画面は図3(1)の待機画面に戻る。
【0032】
図4は、本実施形態による入力端末1の機能構成例を示すブロック図である。図4に示すように、本実施形態の入力端末1は、機能構成として、操作検出部11、計時部12、情報入力部13、画面制御部14、登録要求部15、情報設定部16および設置場所判定部17を備えている。また、入力端末1は、記憶媒体として、記録情報一時記憶部18および設定情報記憶部19を備えている。
【0033】
上記各機能ブロック11~17は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック11~17は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROMに記憶されたプログラムが動作することによって実現される。なお、当該プログラムは、ハードディスクや半導体メモリ等の他の記録媒体に記憶されていてもよい。
【0034】
操作検出部11は、スタッフによる入力端末1のタッチパネルに対する操作を検出する。すなわち、操作検出部11は、図2および図3で説明した一連の操作の1つ1つを検出し、どのような操作が行われたかの操作内容を検出する。
【0035】
情報設定部16は、入力端末1の設置場所、居室RMに入居する要介護者の氏名、その設置場所で行う介護行為の内容などの情報を設定し、その設定情報を設定情報記憶部19に記憶させる。情報設定部16が設定する情報は、入力端末1を居室RMまたは共用室のどちらに設置するかによって異なる。入力端末1を居室RMに設置する場合、情報設定部16は、入力端末1の設置場所として部屋番号を設定するとともに、居室RMに入居する要介護者の氏名を設定する。一方、入力端末1を共用室に設置する場合、情報設定部16は、入力端末1の設置場所としてトイレ、風呂といった共用室の名称を設定するとともに、その共用室で行う介護行為の内容を設定する。
【0036】
情報設定部16による情報の設定は、例えば、スタッフが入力端末1に表示させた所定の設定画面を操作することによって行う。この設定画面は、入力端末1にインストールされているアプリケーションにより提供される画面であってもよいし、入力端末1から管理装置2にアクセスすることによって管理装置2から提供されるWeb画面であってもよい。例えば、部屋番号、要介護者の氏名、共用室の名称、介護行為の内容に関して管理装置2から入力端末1に送信したリスト情報または入力端末1にあらかじめ登録したリスト情報を設定画面上に一覧表示し、その中から何れかを選択する操作によって設定を行うようにすることが可能である。あるいは、情報設定部16は、管理装置2または他の外部装置において設定された情報をインポートし、それを設定情報記憶部19に記憶させるようにしてもよい。
【0037】
設置場所判定部17は、設定情報記憶部19に記憶されている設定情報に基づいて、入力端末1の設置場所が居室か共用室かを判定する。すなわち、設置場所判定部17は、設定情報記憶部19に居室RMの部屋番号が記憶されている場合は入力端末1の設置場所が居室RMであると判定し、共用室の名称が記憶されている場合は入力端末1の設置場所が共用室であると判定する。
【0038】
画面制御部14は、操作検出部11による各種操作の検出結果および設置場所判定部17による判定結果に基づいて、図2または図3の何れかに従って遷移するように各種の入力操作画面の表示を制御する。ここで、画面制御部14は、設置場所判定部17による判定結果に応じて、介護記録の情報として入力する項目を変えた入力操作画面を提示するように制御する。
【0039】
すなわち、画面制御部14は、設置場所判定部17により入力端末1の設置場所が居室RMであると判定された場合、スタッフの氏名を入力するための第1の入力操作画面(図2(2)に示すスタッフ選択画面)と、介護行為の内容を入力するための第2の入力操作画面(図2(4)~(6)に示す大項目選択画面、小項目選択画面およびキー入力画面)とを提示するように制御する。一方、設置場所判定部17により入力端末1の設置場所がトイレWC等の共用室であると判定された場合、画面制御部14は、スタッフの氏名を入力するための第1の入力操作画面(図3(2)に示すスタッフ選択画面)と、要介護者の氏名を入力するための第3の入力操作画面(図3(4)に示す要介護者選択画面)とを提示するように制御する。
【0040】
計時部12は、スタッフの氏名(スタッフを識別可能なスタッフ情報)を入力する操作である名前ボタン201のタッチが操作検出部11により検出されたときに、経過時間の計測を開始する。なお、戻るボタン202がタッチされた場合、計時部12は経過時間をゼロにリセットし、何れかの名前ボタン201が再びタッチされたときに経過時間の計測を再開する。計時部12は、経過時間の計測を開始した後、対応中画面(戻るボタン202以外の領域)のタッチが操作検出部11により検出されたときに、経過時間の計測を終了する。
【0041】
情報入力部13は、操作検出部11により検出される操作内容に応じて、介護記録に関する情報(以下、記録情報という)を入力し、入力した記録情報を記録情報一時記憶部18に逐次記憶していく。情報入力部13が入力する記録情報は、入力端末1を居室RMまたは共用室のどちらに設置するかによって異なる。居室RMに設置された入力端末1の場合、情報入力部13は以下のように記録情報を記録情報一時記憶部18に記憶させる。
【0042】
すなわち、情報入力部13は、図2(2)に示すスタッフ選択画面で何れかの名前ボタン201のタッチが操作検出部11により検出されたときに、タッチされた名前ボタン201に対応するスタッフの氏名を入力するとともに、計時部12が経過時間の計測を開始した日時を介護行為の開始日時として入力し、これらを記録情報一時記憶部18に記憶させる。
【0043】
また、情報入力部13は、図2(3)の対応中画面のタッチが操作検出部11により検出されたときに、計時部12が経過時間の計測を終了した日時を介護行為の終了日時として入力し、これを記録情報一時記憶部18に記憶させる。
【0044】
また、情報入力部13は、図2(5)に示す小項目選択画面で小項目ボタン205のタッチが操作検出部11により検出されたときに、選択された介護行為の内容を入力し、これを記録情報一時記憶部18に記憶させる。また、情報入力部13は、図2(6)に示すキー入力画面で完了ボタン208のタッチが操作検出部11により検出されたときに、表示欄207に表示されている文字列から成る介護行為の内容を入力し、これを記録情報一時記憶部18に記憶させる。
【0045】
共用室に設置された入力端末1の場合、情報入力部13は以下のように記録情報を記録情報一時記憶部18に記憶させる。
【0046】
すなわち、情報入力部13は、図3(2)に示すスタッフ選択画面で何れかの名前ボタン201のタッチが操作検出部11により検出されたときに、タッチされた名前ボタン201に対応するスタッフの氏名を入力するとともに、計時部12が経過時間の計測を開始した日時を介護行為の開始日時として入力し、これらを記録情報一時記憶部18に記憶させる。
【0047】
また、情報入力部13は、図3(3)の対応中画面のタッチが操作検出部11により検出されたときに、計時部12が経過時間の計測を終了した日時を介護行為の終了日時として入力し、これを記録情報一時記憶部18に記憶させる。
【0048】
また、情報入力部13は、図3(4)に示す要介護者選択画面で何れかの名前ボタン212のタッチが操作検出部11により検出されたときに、タッチされた名前ボタン212に対応する要介護者の氏名を入力し、これを記録情報一時記憶部18に記憶させる。
【0049】
登録要求部15は、介護記録の登録を指示する操作(登録ボタン211のタッチ)が行われたことが操作検出部11により検出された場合に、記録情報一時記憶部18に記憶されている記録情報と、設定情報記憶部19に記憶されている何れかの設定情報とを管理装置2に送信して登録することを要求する。
【0050】
居室RMに設置された入力端末1の場合、登録ボタン211のタッチが操作検出部11により検出された時点で、記録情報一時記憶部18には、スタッフの氏名、介護行為の内容、介護行為の開始日時および終了日時が記憶されている。登録要求部15は、この記録情報一時記憶部18に記憶されている情報に加え、設定情報記憶部19に記憶されている要介護者の氏名を介護記録に関する情報として管理装置2に送信して登録することを要求する。
【0051】
すなわち、登録要求部15は、設置場所判定部17により入力端末1の設置場所が居室RMであると判定された場合、第1の入力操作画面(図2(2)に示すスタッフ選択画面)を通じて入力されたスタッフの氏名および第2の入力操作画面(図2(4)~(6)に示す大項目選択画面、小項目選択画面およびキー入力画面)を通じて入力された介護行為の内容に加え、情報設定部16により設定情報記憶部19にあらかじめ設定された要介護者の氏名を管理装置2に送信して登録することを要求する。
【0052】
一方、共用室に設置された入力端末1の場合、登録ボタン211のタッチが操作検出部11により検出された時点で、記録情報一時記憶部18には、スタッフの氏名、要介護者の氏名、介護行為の開始日時および終了日時が記憶されている。登録要求部15は、この記録情報一時記憶部18に記憶されている情報に加え、設定情報記憶部19に記憶されている介護行為の内容を介護記録に関する情報として管理装置2に送信して登録することを要求する。
【0053】
すなわち、登録要求部15は、設置場所判定部17により入力端末1の設置場所が共用室であると判定された場合、第1の入力操作画面(図3(2)に示すスタッフ選択画面)を通じて入力されたスタッフの氏名および第3の入力操作画面(図3(4)に示す要介護者選択画面)を通じて入力された要介護者の氏名に加え、情報設定部16により設定情報記憶部19にあらかじめ設定された介護行為の内容を管理装置2に送信して登録することを要求する。
【0054】
図5は、本実施形態による管理装置2の機能構成例を示すブロック図である。図5に示すように、本実施形態の管理装置2は、機能構成として、登録要求受信部21および記録保存部22を備えている。また、管理装置2は、記憶媒体として、介護記録記憶部20を備えている。
【0055】
上記各機能ブロック21~22は、ハードウェア、DSP、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック21~22は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROMに記憶されたプログラムが動作することによって実現される。なお、当該プログラムは、ハードディスクや半導体メモリ等の他の記録媒体に記憶されていてもよい。
【0056】
登録要求受信部21は、入力端末1の登録要求部15により送信される介護記録の登録要求を受信する。記録保存部22は、入力端末1の登録要求部15により登録が要求された記録情報を介護記録の履歴として介護記録記憶部20に保存する。入力端末1が居室RMに設置されている場合も、入力端末1が共用室に設置されている場合も、入力端末1の登録要求部15により送信される介護記録の情報は、スタッフの氏名、要介護者の氏名、介護行為の内容、介護行為の開始日時および終了日時である。
【0057】
図6は、上記のように構成した入力端末1の動作例を示すフローチャートである。図6に示すフローチャートは、入力端末1の電源がオンとされたときに開始する。
【0058】
まず、設置場所判定部17は、設定情報記憶部19に記憶されている設定情報に基づいて、入力端末1の設置場所が居室RMか共用室かを判定する(ステップS1)。ここで、入力端末1の設置場所が居室RMであると判定された場合、画面制御部14が図2のような遷移に従って各種の入力操作画面の表示を制御し、操作検出部11により検出される操作内容に基づいて情報入力部13が各種の記録情報(スタッフの氏名、介護行為の内容、介護行為の開始日時および終了日時)を入力して記録情報一時記憶部18に逐次記憶させる(ステップS2)。
【0059】
そして、操作検出部11は、図2(7)の対応記録確認画面において登録ボタン211がタッチされたか否かを判定する(ステップS3)。登録ボタン211のタッチが操作検出部11により検出された場合、登録要求部15は、記録情報一時記憶部18に記憶されている情報に加え、設定情報記憶部19に記憶されている要介護者の氏名を介護記録に関する情報として管理装置2に送信して登録することを要求する(ステップS4)。
【0060】
一方、上記ステップS1で入力端末1の設置場所が共用室であると判定された場合、画面制御部14が図3のような遷移に従って各種の入力操作画面の表示を制御し、操作検出部11により検出される操作内容に基づいて情報入力部13が各種の記録情報(スタッフの氏名、要介護者の氏名、介護行為の開始日時および終了日時)を入力して記録情報一時記憶部18に逐次記憶させる(ステップS5)。
【0061】
そして、操作検出部11は、図3(5)の対応記録確認画面において登録ボタン211がタッチされたか否かを判定する(ステップS6)。登録ボタン211のタッチが操作検出部11により検出された場合、登録要求部15は、記録情報一時記憶部18に記憶されている情報に加え、設定情報記憶部19に記憶されている介護行為の内容を介護記録に関する情報として管理装置2に送信して登録することを要求する(ステップS7)。
【0062】
ステップS4またはステップS7の処理の後、入力端末1は、電源がオフにされたか否かを判定する(ステップS8)。電源がオフにされていない場合、処理はステップS2に戻る。一方、入力端末1の電源がオフにされた場合、図6に示すフローチャートの処理が終了する。
【0063】
図7は、本実施形態による管理装置2の動作例を示すフローチャートである。図7に示すフローチャートの処理は、管理装置2の電源がオンの間は常時実行されている。
【0064】
まず、登録要求受信部21は、入力端末1から送信されてくる介護記録の登録要求を受信したか否かを判定する(ステップS21)。登録要求受信部21が介護記録の登録要求を受信していない場合、ステップS21の判定を継続する。そして、登録要求受信部21が介護記録の登録要求を受信した場合、記録保存部22は、登録要求受信部21が登録要求と共に受信した記録情報を介護記録の履歴として介護記録記憶部20に保存する(ステップS22)。その後、処理はステップS21に戻る。
【0065】
以上詳しく説明したように、本実施形態では、入力端末1の設置場所が居室RMかトイレWC等の共用室かを判定し、その判定結果に応じて、介護記録の情報として入力する項目を変えた入力操作画面を提示するようにしている。すなわち、入力端末1の設置場所が居室RMの場合は、図2のような遷移に従って第1の入力操作画面(スタッフ選択画面)と第2の入力操作画面(大項目選択画面、小項目選択画面およびキー入力画面)とを提示する一方、入力端末1の設置場所が共用室の場合は、図3のような遷移に従って第1の入力操作画面(スタッフ選択画面)と第3の入力操作画面(要介護者選択画面)とを提示するようにしている。
【0066】
このように構成した本実施形態によれば、入力端末1が居室RMまたは共用室のどちらに設置されるかに応じて、介護記録として入力すべき情報の項目が異なる入力操作画面が提示されるので、どこで介護行為が行われるかに応じて、それぞれについて必要最小限の項目の情報を入力すればよいようにすることができる。すなわち、入力端末1の設置場所が居室RMの場合は、スタッフの氏名と介護行為の内容を入力すればよく、要介護者の氏名は入力する必要がない。また、入力端末1の設置場所が共用室の場合は、スタッフの氏名と要介護者の氏名を入力すればよく、介護行為の内容は入力する必要がない。これにより、スタッフは、介護記録の入力をできるだけ少ない操作で効率的に行うことができる。
【0067】
なお、上記実施形態では、入力端末1の設置場所を設定情報記憶部19にあらかじめ設定しておき、設置場所判定部17がこの設定情報記憶部19に設定された情報に基づいて、入力端末1の設置場所を判定するについて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、共用室の名称およびそこで行われる介護行為の内容を示す共用室関連情報を記憶した無線送信装置を共用室に設置する一方、無線送信装置から近距離無線通信手段によって発信される共用室関連情報を受信可能な無線受信装置を入力端末1が備えるようにする。そして、設置場所判定部17は、無線受信装置が共用室関連情報を受信したか否かによって、入力端末1の設置場所を判定するようにしてもよい。すなわち、設置場所判定部17は、共用室関連情報を受信した場合は、その共用室関連情報で示される共用室に入力端末1が設置されていると判定し、共用室関連情報を受信していない場合は、入力端末1が居室RMに設置されていると判定する。
【0068】
このように構成した場合、共用室の名称および介護行為の内容を設定情報記憶部19にあらかじめ設定する必要はなく、無線受信装置が受信した共用室関連情報を利用することが可能である。特に、入力端末1を共用室で使用する場合には、居室RMの部屋番号、要介護者の氏名、共用室の名称および介護行為の内容の何れについても設定情報記憶部19に設定しておく必要はない。
【0069】
同様に、居室RMの部屋番号および要介護者の氏名を示す居室関連情報を記憶した無線送信装置を居室RMに設置する一方、無線送信装置から近距離無線通信手段によって発信される居室関連情報を受信可能な無線受信装置を入力端末1が備えるようにする。そして、設置場所判定部17は、無線受信装置が居室関連情報を受信したか否かによって、入力端末1の設置場所を判定するようにしてもよい。すなわち、設置場所判定部17は、居室関連情報を受信した場合は、その居室関連情報で示される居室RMに入力端末1が設置されていると判定し、居室関連情報を受信していない場合は、入力端末1が共用室に設置されていると判定するようにしてもよい。
【0070】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 入力端末
2 管理装置
11 操作検出部
12 計時部
13 情報入力部
14 画面制御部
15 登録要求部
16 情報設定部
17 設置場所判定部
18 記録情報一時記憶部
19 設定情報記憶部
20 介護記録記憶部
21 登録要求受信部
22 記録保存部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7