(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20231226BHJP
【FI】
A63F5/04 620
(21)【出願番号】P 2020041309
(22)【出願日】2020-03-10
【審査請求日】2023-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】立石 卓也
(72)【発明者】
【氏名】春好 辰則
【審査官】鶴岡 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-146464(JP,A)
【文献】特開2018-175690(JP,A)
【文献】特開2014-036725(JP,A)
【文献】特開2018-126178(JP,A)
【文献】特開2015-123307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の役の入賞を補助する指示演出の実行を制御する指示機能制御手段と、
前記指示演出が実行される特定演出状態を含む複数の演出状態の間で、演出状態を移行させる制御を行う演出状態制御手段と、
前記指示演出を実行可能な有利区間を含む複数の遊技区間の間で遊技区間を移行させる制御を行う遊技区間制御手段と、
複数の設定値の中から選択される設定値を変更可能な設定変更手段と、を備え、
前記有利区間における前記特定演出状態へ移行するよりも前の特定区間は、指示機能に関する有利度合いが前記特定演出状態よりも低くなっており、
前記設定値が高いほど、前記特定区間での遊技回数が少ない回数となる確率が高くなっており、
前記特定区間での
遊技価値の消費が多いほど、前記特定演出状態に関する付与される利益が大きい
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から遊技機として、外周面に複数の図柄が配列されたリールを複数備えたスロットマシンが知られている。スロットマシンでは、遊技開始に伴ってリールが回転を開始するとともに、抽選テーブルを用いた内部抽選が行われる。また、リールが停止したときに内部抽選に当選した当選役に対応する図柄組合せが複数のリールによって表示されて、この当選役が入賞となると、入賞した当選役に対応する処理として、例えば、メダル(遊技価値)を払い出すメダル払出処理やメダルを新たに消費することなく再度の遊技を可能とする再遊技処理等が行われる。
【0003】
また、特定役に当選した場合に、この特定役の入賞を補助する打順ナビ演出(指示演出)を実行可能な演出状態であるAT演出状態(アシストタイム演出状態)が設けられたスロットマシンが知られている。このようなスロットマシンでは、AT演出状態において打順ナビ演出が行われるため、遊技者は当該特定役を入賞させることが容易となり、メダルを増加させることができる。
【0004】
一方、AT演出状態での遊技回数が制限されているスロットマシンが知られている。すなわち、遊技区間を非有利区間と有利区間とに分け、有利区間においてのみ、AT演出状態へ移行させて打順ナビ演出を行うことが可能となっており、有利区間での遊技回数の上限値(例えば1500回)に到達すると、非有利区間に移行させるものがある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、遊技機では、出玉性能を適切に設定することが求められている。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、出玉性能が適切に設定された遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の遊技機は、
所定の役の入賞を補助する指示演出の実行を制御する指示機能制御手段と、
前記指示演出が実行される特定演出状態を含む複数の演出状態の間で、演出状態を移行させる制御を行う演出状態制御手段と、
前記指示演出を実行可能な有利区間を含む複数の遊技区間の間で遊技区間を移行させる制御を行う遊技区間制御手段と、
複数の設定値の中から選択される設定値を変更可能な設定変更手段と、を備え、
前記有利区間における前記特定演出状態へ移行するよりも前の特定区間は、指示機能に関する有利度合いが前記特定演出状態よりも低くなっており、
前記設定値が高いほど、前記特定区間での遊技回数が少ない回数となる確率が高くなっており、
前記特定区間での遊技価値の消費が多いほど、前記特定演出状態に関する付与される利益が大きいことを特徴とする。
【0009】
本発明では、設定値が高いほど、特定区間における遊技回数が比較的少ない段階でAT演出状態へ移行する確率が高くなっているため、設定値が高いほど(高設定であるほど)特定演出状態(AT演出状態)へ移行しやすく、メダルを獲得しやすい。この場合、(1)高設定について出玉が多くなり過ぎてしまうおそれがあるが、本発明では、特定区間での遊技回数が比較的少ないと、特定演出状態での遊技回数が比較的少なくなるように設定されているため、出玉性能(メダルの獲得性能)が過大となるのを防止できる。また、(2)低設定について出玉が比較的少なくなり過ぎてしまうおそれがあるが、本発明では、特定区間での遊技回数が比較的多いと、特定演出状態での遊技回数が比較的多くなるので、出玉性能(メダルの獲得性能)が過小となるのを防止できる。すなわち、出玉性能を適切に設定することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、出玉性能が適切に設定された遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の一例を示す斜視図である。
【
図2】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
【
図3】同、遊技機の精算処理が行われている間およびその前後における処理を示すタイミングチャート(その1)である。
【
図4】同、遊技機の精算処理が行われている間およびその前後における処理を示すタイミングチャート(その2)である。
【
図5】同、遊技機のエラーの種類、エラーコード、および解除方法について示す図である。
【
図6】同、遊技機の精算処理が行われている間およびその前後における処理を示すタイミングチャート(その3)である。
【
図7】同、遊技機の精算処理が行われている間およびその前後における処理を示すタイミングチャート(その4)である。
【
図8】同、遊技機の精算処理が行われている間およびその前後における処理を示すタイミングチャート(その5)である。
【
図9】同、第1の実施の形態に係る遊技機の精算処理が行われている間およびその前後における処理を示すタイミングチャート(その6)である。
【
図10】本発明の第2の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その斜視図である。
【
図11】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
【
図12】同、内部抽選テーブルを説明するための図である。
【
図13】同、小役の当選態様を説明するための図である。
【
図14】同、小役の配当を説明するための図である。
【
図16】同、遊技区間および演出状態の状態遷移図である。
【
図18】同、特定区間について説明するための図である。
【
図19】同、指示機能に係る抽選について説明するための図であり、各モードに定められている置数を、設定ごとに示したものである。
【
図20】同、指示機能に係る抽選について説明するための図であり、(a)は特定区間での遊技回数とAT当選確率との関係をモードごとに示したものであり、(b)はAT当選確率の高低を説明するものである。
【
図21】同、特定区間での遊技回数とAT演出状態における利益との関係を説明するための図である。
【
図22】本発明の第3の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、遊技区間および演出状態の状態遷移図である。
【
図23】同、特定区間について説明するための図であり、(a)は特定区間が比較的短い場合を示し、(b)は特定区間が比較的長い場合を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施の形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施の形態について説明する。本実施の形態は本発明を遊技機の一つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等のその他の遊技機に適用されてもよい。また、以下の説明において、基本的に、「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
【0013】
まず、発明が適用されるスロットマシンMの概略構成について説明する。
図1はスロットマシンMを示す斜視図である。
このスロットマシンMは、筐体1を備えており、この筐体1は、底板、左右の側板、天板および背板を備え、当該筐体1の正面側に開口する正面開口部を有する箱形に形成されている。なお、底板の上面には、各部品に電力を供給するための電源装置を内蔵した電源ユニット、遊技媒体(遊技価値)としてのメダルを貯留するとともにメダルを払い出す払い出し装置としてのホッパー装置150(
図2参照)等が設けられている。
【0014】
また、筐体1の正面には、筐体1の正面開口部を開閉可能に閉塞する前扉3が設けられており、この前扉3は、前記開口部の上部を開閉可能に閉塞する上扉30と、前記開口部の下部を開閉可能に閉塞する下扉40とを備えている。
筐体1内には、図示しない交換ユニットが着脱可能に設けられている。この交換ユニットは、略直方体状に組まれた金属枠である枠体と、枠体に支持されたリールユニットと、枠体に固定された基板ユニットとを備えている。
【0015】
前記リールユニットは、枠体に設けられた3個のステッピングモータと、各々のステッピングモータの出力軸に固定された3個の回転リール100a,100b,100c(
図2参照;
図1には示されない)とを備えている。また、前記基板ユニットは、CPU、ROM、RAM、I/O等の電子部品を備えた基板を、基板ケースに収納したものである。そして、前記基板ユニットは、スロットマシンMの遊技を制御するための遊技制御装置として機能する。
【0016】
図1に示すように、上扉30の下部には表示窓31が設けられている。この表示窓31は上側ほど後側に向かうように水平面に対して傾斜して設けられ、この表示窓31の奥には、3個の前記回転リールが横一列に設けられている。各回転リールの外周面には複数種類の図柄が配列されており、回転リールが停止すると表示窓31を通して1リール当たり3個の図柄が表示される。スロットマシンMでは、横3本と斜め2本とからなる計5本の入賞有効ラインが設定されている。
そして、3個の回転リールが停止したときに入賞有効ライン上に停止した図柄の組み合わせによって当選役が入賞したか否かが表示される。
【0017】
また、上扉30の上部には、表示窓31よりも大きい表示窓32がほぼ鉛直に設けられている。この表示窓32は上扉30に設けられた画像表示装置の表示面を見るために設けられたものである。画像表示装置は液晶表示パネルを有し、画像表示装置では、その表示面に遊技機における演出用の画像が表示されるようになっている。また、表示窓32よりも上側に位置される上扉30の左右両側部位には、各種演出音(音楽、効果音、音声等)を出力するスピーカ14が設けられる。
【0018】
また、上扉30の表示窓32の上側中央部には、ロゴシートの表示を遊技者に見せるようになっている横長のトップレンズ33が表示部として設けられている。
また、表示窓32と表示窓31との間には報知や演出などを行なうための横長の照明装置34,35,34が左右に隣接して設けられている。
【0019】
また、表示窓31の左右両側には報知や演出などを行なうための演出用パネル61が設けられ、右側の演出用パネル61には演出ボタン62が設けられている。演出ボタン62は、遊技者によって押下操作されるものであり、押下されることで例えば表示窓32を通して見える画像表示装置に表示される演出画像の態様を変化させ、遊技者に対して遊技への参加意識を高めるとともに、興趣を高めるようにしたものである。例えば、演出ボタン62の操作に連動して画像表示装置に表示される演出画像を選択することができる。なお、演出ボタン62の配置は、これに限定されるものではなく、遊技者が押下操作可能な位置に設けられていればよい。
さらに、上扉30の左右両側にはそれぞれ報知や演出などを行なうための照明装置37が設けられている。
【0020】
また、上扉30は、筐体1内に設けられた前記交換ユニットにヒンジを介して回動可能に連結されることで、筐体1の開口上部を開閉するようになっている。また、下扉40は筐体1にヒンジを介して回動可能に連結されることで、筐体1の開口下部を開閉するようになっている。
【0021】
なお、このスロットマシンMは、分離型筐体タイプの構造を有するものであり、遊技店における機種の交換時に、上扉30が回動自在に取り付けられた交換ユニットを交換するようになっており、機種の交換時に筐体1、下扉40および筐体1内の電源ユニットやホッパー装置150(
図2参照)等は、遊技店の島設備に取り付けられたままで、交換されないようになっている。また、スロットマシンMは、分離型筐体タイプに限られるものではなく、機種交換時にスロットマシン全体を交換するものであってもよい。この場合に、前扉3を上扉30と下扉40とに分けない一体の構造としてもよい。また、上扉30と下扉40とに分ける場合に、上扉30を、筐体1の側板にヒンジを介して回動自在に取り付けてもよい。
【0022】
また、上扉30の下端部には、下扉40の前面より後方側で下扉40の上端より下側に突出する係合部が設けられ、下扉40が閉じた状態で、上扉30を開放することができない構造になっている。
【0023】
また、下扉40の下部には、スロットマシンMの内部よりメダルを排出するためのメダル払い出し口と、メダル払い出し口から排出されたメダルを溜めておくためのメダル受け皿43とが形成されている。また、下扉40の上部にはスロットマシンMを操作するための操作部50が設けられており、この操作部50とメダル受け皿43との間には液晶表示パネル45が取り付けられている。また、この液晶表示パネル45の左右両側にはそれぞれ報知や演出などを行なうための照明装置33dが設けられている。
【0024】
操作部50には、メダルを払い出す精算処理を指示するための精算操作部としての精算ボタン52が設けられる。この場合、精算ボタン52の操作に基づく精算処理では、ベットまたはクレジットのうちの少なくとも一方に設定されているメダルが払い出される。すなわち、本実施の形態における精算ボタン52の操作に基づく精算の対象は、クレジットに設定されているメダルのみならず、ベットに設定されているメダルも含む。ここで、ベットおよびクレジットの双方にメダルが設定されている場合の精算ボタン52の操作による精算パターンとしては、例えば、1回目の精算ボタン52の操作によってベットに設定されているメダルおよびクレジットに設定されているメダルの双方が一括して払い出される精算パターンや、1回目の精算ボタン52の操作によってベットに設定されているメダルのみが払い出され、ベットに設定されているメダルの清算後の2回目の精算ボタン52の操作によってクレジットに設定されているメダルが払い出される精算パターンなどを挙げることができる。
また、操作部50には、さらに、遊技を開始させるためのスタートレバー53、3個の回転リールそれぞれの回転を停止させるための3個のストップボタン54、メダルを投入するためのメダル投入口42、メダル投入口42の下方のメダル通路内で発生したメダル詰まりを解消するリジェクトボタン55、最大数の3枚のメダルをベットするときに操作されるMAXベットボタン56(ベットボタン:ベット操作部)等が設けられる他、遊技の演出等を選択するための操作盤57や、表示ユニット58も設けられている。操作盤57は操作部50の幅方向(左右方向)の略中央部に配置され、メダル投入口42およびリジェクトボタン55を挟んで、右側に表示ユニット58が配置されている。なお、操作盤57は、演出等の選択用の十字キー、決定ボタン、キャンセルボタン等を有している。
【0025】
MAXベットボタン56は、上方を向くように配置されており、上方から下方に向かって押し込まれるように形成されている。MAXベットボタン56を動作させるために必要な力(以下、操作力という)は、約1.0Nとなっている。また、MAXベットボタン56は、押圧部と弾性部材とを備えている。押圧部は、遊技者の指等によって押し込み操作される部材であり、樹脂等で形成されている。また、押圧部は、弾性部材によって上方に付勢されている。弾性部材は、押圧部を付勢するとともに、押圧部が押し込み操作された場合には付勢力に抗して弾性変形するように形成されている部材であり、ばね等が用いられている。
また、ストップボタン54は、前方を向くように配置されており、前方から後方に向かって押し込まれるように形成されている。ストップボタン54の操作力は、約0.7Nとなっている。すなわち、ストップボタン54の操作力は、MAXベットボタン56の操作力よりも小さくなっている。
【0026】
また、前述した演出ボタン62は、前方を向くように配置されており、前方から後方に向かって押し込まれるように形成されている。演出ボタン62の操作力は、MAXベットボタン56の操作力よりも大きいか、あるいは同等のものとなっている。演出ボタン62の操作力は、例えば、約3.0Nとなっている。
また、ストップボタン54および演出ボタン62は、MAXベットボタン56と同様に、押圧部と弾性部材とを備えており、ストップボタン54および演出ボタン62の押圧部は、弾性部材によって前方に付勢されている。
また、既述のとおり、MAXベットボタン56の操作力は約1.0Nとなっている。すなわち、押圧部を押し込んで弾性部材を弾性変形させ、MAXベットボタン56が備えるセンサからスイッチON信号(ボタンが押された旨の信号)が出力される位置まで押圧部を移動させるのに必要な荷重(センサ検知荷重)が約1.0Nとなっている。なお、本実施の形態の遊技機においては、センサには、フォトセンサが用いられているが、押圧部の押し込みを検知できるものであればその他のセンサを用いてもよい。フォトセンサは、例えば、押圧部の押し込みによって動く検出物体によって、発光素子から受光素子に向かう光が変化したことを検知すると、スイッチON信号を出力するようになっている。押圧部は、センサ検知荷重より大きな荷重が加えられると、弾性部材を弾性変形させながらさらに移動し、メカストッパーに当接して停止するようになっている。MAXベットボタン56の押圧部の初期位置からメカストッパーに当接するまでの移動距離(フルストローク)は、約2.0mmであり、ONストロークの約2倍となっている。また、MAXベットボタン56の押圧部を初期位置からメカストッパーに当接するまで移動させるために必要な荷重(最大荷重)は、約2.0Nであり、センサ検知荷重(操作力)の約2倍となっている。
ストップボタン54(操作力約0.7N)についても同様の構成となっている。また、ストップボタン54のONストロークは約1.0mmであり、フルストロークはその約2倍の約2.0mmとなっている。また、ストップボタン54のセンサ検知荷重(操作力)は約0.7Nであり、最大荷重はその約2倍の約1.4Nとなっている。
なお、以上の説明で操作力、荷重、ストロークに関して使用される「約」なる用語は、設計誤差や組み付け誤差に伴う±10%程度のばらつきを含む意味である。
【0027】
ここで、本実施の形態の遊技機における基本的な遊技の流れを説明する。遊技者がMAXベットボタン56を押下すると、クレジットされたメダルが投入(ベット)され、遊技を開始することが可能な状態となる。そして、遊技者が遊技を開始する操作としてスタートレバー53を押下する操作を行なうと、回転リールが回転を始め、回転リールの回転速度が所定の速度まで上昇するとストップボタン54の押下操作が有効な状態となる。その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタン54を押下していくと、各回転リールが停止する。そして、すべての回転リールが停止すると、遊技の結果に応じて、メダルを払い出す処理や、メダルを新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理等が行なわれ、1回の遊技が終了する。
【0028】
また、演出ボタン62は、例えば、ボーナスに当たったことや、遊技者にとって有利な状態に移行することが決定したこと等の、遊技者にとって喜ばしいことを遊技者に報知する場合や、遊技者にとっての勝負所等の所定のタイミングで、演出の態様を変化させるための押下操作が有効な状態となる。そして、当該押下操作が有効な状態で、演出ボタン62が押下されると、画像表示装置に表示される演出画像の態様が変化したり、可動役物が動いたりして、演出の態様が変化する。
【0029】
上記から明らかなように、ストップボタン54は、遊技毎に回転リールの数に応じた複数個押下する必要がある。このとき、ストップボタン54の操作力が、MAXベットボタン56および演出ボタン62の操作力よりも小さく設定されていることにより、遊技者は、ストップボタン54の操作に関して軽くて心地よい操作フィーリングを得ることができるとともに、テンポよくすべてのストップボタン54を押下することが可能となる。したがって、遊技者は快適に遊技を行なうことが可能となり、遊技性が向上する。また、このように使用頻度の高いストップボタン54の操作力が小さく設定されていることにより、遊技者の疲労の蓄積が軽減され、遊技性が向上する。
【0030】
また、MAXベットボタン56は、遊技を開始するための操作に用いられることや、上から叩くようにして操作することが可能であることから、強い力で操作されることも多いが、ストップボタン54よりも操作力が大きく設定されていることにより、遊技者は適度に押しごたえのある操作フィーリングを得ることができ、遊技性が向上する。
【0031】
また、演出ボタン62は、ストップボタン54やMAXベットボタン56よりも操作頻度が低い。また、演出ボタン62は、上記のように遊技者にとって喜ばしいことを遊技者に報知する場合や、遊技者にとっての勝負所等で、演出の態様を変化させるための押下操作が有効な状態となるので、気分が高揚した状態の遊技者によって強い力で操作される傾向がある。このような演出ボタン62の操作力が、ストップボタン54の操作力より大きく、かつMAXベットボタン56の操作力以上となるように設定されているので、遊技者は重くてずっしりとした操作フィーリングを得ることができ、遊技性が向上する。
【0032】
図2に示すように、スロットマシンMの内部には、遊技に関するコマンドを決定して該コマンドを送信する主制御手段としてのメイン制御基板70と、メイン制御基板70から前記コマンドを受信してその受信したコマンドに対応する処理を実行する副制御手段としてのサブ制御基板72とが設けられている。メイン制御基板70は、MAXベットボタンを含むベットボタン56、スタートレバー53、ストップボタン54、メダル投入口42から投入されるメダルの通過を検知する通過検知センサ89、精算ボタン52等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行ない、演算結果に基づいてリールユニット(リール100a,100b,100c)、ホッパー装置150等の出力手段の制御を行なう。また、サブ制御基板72は、メイン制御基板70から送られてくる信号(コマンド)を受けて、演出を実行するための各種の演算を行ない、演算結果に基づいて、表示窓32に対応して上扉30に設けられた前述の液晶表示パネルやその他の液晶表示パネル45を含む画像表示装置の液晶ディスプレイDおよびスピーカ14等の演出用の装置の制御を行なう。
【0033】
また、メイン制御基板70とサブ制御基板72とは電気的に接続されており、メイン制御基板70からサブ制御基板72へは遊技状態を示す情報など各種情報(コマンド信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板72からメイン制御基板70へは情報を送信できないようになっている。
また、メイン制御基板70やサブ制御基板72等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0034】
メイン制御基板70は、後述するメダルセレクタ92(
図2参照)の動作を制御するセレクタ制御手段93と、投入受付手段80と、乱数発生手段81と、当選役抽選を行なって役の当否を決定する当選役抽選手段82と、リールの回転を制御するリール制御手段83と、全てのリールが停止したときに当選役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段84と、遊技状態制御手段85と、各種情報(コマンド信号)を送信するための情報送信手段86と、記憶手段90と、払出制御手段91と、精算制御手段95とを備える。
また、サブ制御基板72は、各種の演出を制御する演出制御手段73と、当選役判定処理を行なう当選役判定手段74と、当選した役が正しくない(エラー)と当選役判定手段74が判定した場合にサブ制御基板72をリセットして初期化する初期化手段75と、演出に関するデータを記憶するサブ側記憶手段76とを備える。
【0035】
メイン制御基板70の投入受付手段80は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、規定枚数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー53に対する遊技開始操作を有効化する処理を行なう。具体的には、メダル投入口42にメダルが投入されると、通過検知センサ89がメダルの通過を検知することに伴って、投入受付手段80が、3枚を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。また、投入受付手段80は、メダルがクレジットされた状態でベットボタン56が押下されると、3枚を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。なお、本実施形態の遊技機では、3枚のメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー53に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール100a~100cの回転が開始されるとともに、当選役抽選等の抽選が行われる。
【0036】
また、メイン制御基板70の投入受付手段80は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では遊技者の所有するメダルを新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、メダルの投入を受け付けている状態でメダル投入口42にメダルが投入されても投入されたメダルを投入状態に設定することなく、クレジット上限枚数(例えば、50枚)を限度として、投入されたメダルをクレジットする。また、メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタン56に対する操作を受け付けないようにして、ベットボタン56が押下されてもクレジットされたメダルを投入状態に設定しないようにする。
【0037】
メイン制御基板70の乱数発生手段81は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0038】
メイン制御基板70の当選役抽選手段82は、有効化されたスタートレバー53が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に基づいて当選役抽選テーブルを用いた当選役抽選を行なう。当選役抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナスを含む各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、記憶手段90のROMに設けられた当選役抽選テーブル記憶領域に複数格納されている。当選役抽選では、乱数発生手段81から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を当選役抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。
【0039】
メイン制御基板70のリール制御手段83は、メイン制御基板70による制御のもと有効化されたスタートレバー53が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール100a,100b,100cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン54が操作されると、操作されたストップボタン54に対応するリールの停止制御を行なう。
【0040】
すなわち、リール制御手段83は、ストップボタン54の各ボタンが操作される毎に、第一リール100a~第三リール100cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行なう。したがって、3つあるストップボタン54の操作順序(打順)によって、第一リール100a~第三リール100cの停止順序が変化する。
【0041】
メイン制御基板70の入賞判定手段84は、リール100a~100cの回転が停止されると作動され、リール100a~100cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、リール100a~100cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、記憶手段90のROMに記憶されている入賞判定テーブル(図示せず)に照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。メイン制御基板70は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。
【0042】
メイン制御基板70の遊技状態制御手段85は、複数の状態間、例えば、通常状態、CBB成立状態(第1ボーナス成立状態)、CBB状態(第1ボーナス状態)、RBB成立状態(第2ボーナス成立状態)、RBB状態(第2ボーナス状態)、RB1成立状態(特定ボーナス成立状態)、およびRB1状態(特定ボーナス状態)の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行なう。
【0043】
メイン制御基板70の情報送信手段86は、当選した役を通知する信号、当該役が当選した当選役抽選時の遊技状態を通知する信号、現在の遊技状態を通知する信号などの他、後述するメダル精算に関連するコマンド信号もサブ制御基板72に送信する。
【0044】
また、メイン制御基板70の払出制御手段91は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払い出し制御処理を行なう。具体的には、例えば小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払い出し数を決定し、決定された払い出し数に相当するメダルをホッパー装置150に払い出させる制御を行なう。
また、メイン制御基板70のセレクタ制御手段93は、前述したように、後述するメダルセレクタ92の動作を制御するようになっている。具体的には、セレクタ制御手段93は、メダルセレクタ92を構成する前述した通過検知センサ89を含む各種のセンサから信号を受け、メダルセレクタ92を構成するブロッカー99の動作を制御する。なお、セレクタ制御手段93を別個に設けることなく、セレクタ制御手段93が投入受付手段80等によって兼ねられてもよい。
【0045】
また、メイン制御基板70の精算制御手段95は、精算ボタン52の操作に基づいて、貯留されているメダル、すなわち、クレジットおよび/またはベットに設定されているメダルをホッパー装置150を通じて払い出す精算処理の実行を制御する。なお、精算制御手段95は、精算ボタン52の操作に基づく精算処理の実行を制御するだけでなく、後述するように、精算処理の完了後に通過検知センサ89による検知を伴うメダルの受け付けを所定期間にわたって許容しないようにブロッカー99の動作を制御してもよい。そのような制御形態の場合には、ブロッカー99を備えるメダルセレクタ92の動作を制御する前述のセレクタ制御手段93が精算制御手段95によって兼ねられてもよい。
【0046】
一方、サブ制御基板72の演出制御手段73は、サブ側記憶手段76のROMに設けられた演出データ記憶領域に記憶されている演出データに基づいて、サブ側記憶手段76のRAMと協働して、液晶ディスプレイD、スピーカ14、および、照明装置33d,34,35,37等の演出用の装置を制御し、演出を行なう。具体的には、メダルの投入やベットボタン56、精算ボタン52、スタートレバー53、ストップボタン54に対する操作、遊技状態の変動等に応じて、液晶ディスプレイDの表示内容を変化させたり、スピーカ14から音を出力させたりすることにより、遊技の進行状況に応じて、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行なう。特に、本実施の形態において、演出制御手段73は、後述するように、精算ボタン52の操作に基づいて、具体的には後述する精算実行中状態および精算終了中状態において、それらの状態を報知する演出音、演出光、および、演出画像を出力するべく、液晶ディスプレイD(45)、スピーカ14、および、照明装置33d,34,35,37等の演出用の装置を制御するようになっている。
【0047】
図1で示したように、スロットマシンMにおける演出用パネル61には、演出に用いられる演出操作部(演出に関する操作に用いられる第1の演出操作部)としての演出ボタン62が設けられている。この演出ボタン62は、例えば操作部50等に設けられていてもよい。また、演出ボタン62の押圧部は、円形状に限らず、四角形状等であってもよい。また、本実施の形態では、演出操作部を演出ボタン62としているが、演出操作部を、例えば、傾動操作が可能なレバーや、タッチ(指等の接触)を検出可能なタッチパネル、物体による遮光等を検出可能な光電センサ等としてもよい。
【0048】
以下、3停止とは、その遊技で、ストップボタン54のうちいずれか2つのストップボタンが押下操作された状態において、ストップボタン54のうちいずれか有効なボタンを押下する操作をいう。本実施の形態では、例えば、遊技者にとって勝負所等のタイミングである場合、3停止以降に、サブ制御基板72が、演出ボタン62を、押下操作を受け付け可能な状態(すなわち押下操作が有効化された状態)とする。このとき、サブ制御基板72は、その旨を示す画面を液晶ディスプレイDに表示するとともに、演出ボタン62を点灯させる。
【0049】
また、以下、
図1で示した操作盤57を、演出設定操作部(演出に関する操作に用いられる第2の演出操作部)としての十字ボタン57とする。十字ボタン57は、演出の設定を含む操作に用いられる。演出の設定としては、例えば、音量の調整、キャラクターの選択等がある。
十字ボタン57は、少なくとも、中央に配置されたメインボタンと、メインボタンの周囲に配置された選択ボタン(方向操作ボタン)とを備えている。選択ボタンには、上ボタン、左ボタン、下ボタンおよび右ボタンがある。なお、選択ボタンは、複数からなるもの(上下左右が独立しているもの)であっても、一体となっているものでもよい。また、演出設定操作部は、十字ボタン(十字キー)に限らず、例えば、少なくとも2つのボタンを備えたものや、メインボタンとジョグダイヤルとを備えたもの、あるいはタッチ(指等の接触)を検出可能なタッチパネル等であってもよい。非遊技中に、十字ボタン57(例えばメインボタン)が押下されると、サブ制御基板72は、メニュー画面を液晶ディスプレイDに表示する。換言すると、十字ボタン57は、メニュー画面突入ボタンとしての機能を果たす。また、非遊技中に、十字ボタン57(例えば左右ボタン)が押下されると、サブ制御基板72は、音量変更画面を液晶ディスプレイDに表示する。換言すると、十字ボタン57は、音量変更画面突入ボタンとしての機能を果たす。
なお、メニュー画面からは、演出態様の設定(例えば、演出にメインで登場するキャラクターの設定や、役またはボーナス等の当選の報知態様の設定)、遊技履歴の参照やユーザー端末(遊技者のスマートフォン等)への転送、役の表示態様の確認等が可能となっている。また、メニュー画面から音量の設定や照明装置の発光強度の設定等が可能となっていてもよい。すなわち、メニュー画面が音量変更画面を兼ねていてもよい。
【0050】
メイン制御基板70は、精算ボタン52が押下操作されたことを検出すると、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理(払出処理)を開始(実行)する。
サブ制御基板(制御手段)72は、精算開始コマンドをメイン制御基板70から受信すると、精算処理(精算ボタン52の操作に基づく遊技媒体の払い出し)の実行を報知する。サブ制御基板72は、精算処理の実行の報知として、精算中である旨を報知する画面(以下、精算中報知画面という)を液晶ディスプレイDに表示するとともに、精算中である旨を報知する演出音(以下、精算中報知音という:例えば効果音やブザー音)を、スピーカ14を介して出力する。また、サブ制御基板72は、精算中である旨を報知する演出光(以下、精算中ランプという:例えば赤色)を、照明装置33d、34,35,37のうちの少なくとも1つを通じて出力(点灯)する。
【0051】
メイン制御基板70は、精算処理が終了すると、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信する。サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、精算処理の実行の報知を停止し、精算処理の完了(精算ボタン52の操作に基づく遊技媒体の払い出しの完了)の報知を行う。サブ制御基板72は、精算処理の完了の報知として、精算処理の完了を報知する演出音(以下、精算完了音声という)を、スピーカ14を介して出力する。精算完了音声としては、例えば「精算しました」というものがある。なお、本実施の形態では、サブ制御基板72は、精算処理の完了の報知として、精算中報知画面の表示および精算中ランプの点灯を行う。精算処理の完了の報知をしている間の画面(精算の完了を示す画面)は、精算中の画面(精算中を示す画面)と同じものであっても異なるものであってもよい。
【0052】
以下、精算処理の実行が報知されている間(期間)を「精算報知中」という。精算報知中は、サブ制御基板72が、精算開始コマンドを受信してから精算終了コマンドを受信するまでの間を指す。この精算報知中は、精算ボタン52の操作に基づく遊技媒体の払い出し中ともいえる。
また、精算ボタン52の操作に基づく遊技媒体の払い出しの完了が報知されている間、すなわち精算処理の完了が報知されている間(期間)を「精算完了報知中」という。精算完了報知中は、精算終了コマンドを受信してから精算完了音声の出力が終了するまでの間を指す。なお、精算完了報知中には、精算処理終了後(サブ制御基板72が精算終了コマンドを受信した後)、精算完了音声の最初の1音(例えば「せ」)が出力されるまでの間も含まれる。
【0053】
次に、
図3に示すタイミングチャートを用いて、精算処理が行われている間およびその前後における処理の構成例を説明する。以下、演出ボタン62、十字ボタン57、精算ボタン52等の「押下操作」を単に「押下」または「操作」ということがある。
(A5、A6)3停止以降、サブ制御基板72は、演出ボタン62を、押下を受け付け可能な状態(すなわち操作が有効な状態)とし、演出ボタン62を押下可能である旨を示す画面(操作指示画面)を液晶ディスプレイDに表示する。このときの演出ボタン62の押下は、演出を進行させる契機となるもので、演出ボタン62が押下されると、遊技の結果が遊技者に報知される。具体的には、例えばボーナスの当選(いわゆる疑似ボーナス(AT演出状態への移行)の当選も含む))を期待させる演出中、すなわち遊技者にとって有利な状態に移行することを期待させる演出中に、演出ボタン62の押下が有効となり操作指示画面が表示され、演出ボタン62が押下されると、有利な状態に移行するか否かが報知される。
(A4)このタイミングチャートの開始時点は遊技中であるため、十字ボタン57は無効となっている。
【0054】
(A1、A2)精算ボタン52が押下されると、メイン制御基板70は、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理(払出処理)を開始する。
(A2、A3)メイン制御基板70は、精算処理の終了に伴い、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信し、サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、精算完了音声の出力を開始する。
【0055】
(A4)サブ制御基板72は、精算報知中および精算完了報知中に、十字ボタン57の操作を無効とする。すなわち、サブ制御基板72は、精算報知中および精算完了報知中は、十字ボタン57が押下されても、当該押下を受け付けないように制御する。換言すると、精算報知中および精算完了報知中に十字ボタン57を押下しても、液晶ディスプレイDにはメニュー画面や音量変更画面は表示されない(メニュー画面や音量変更画面に移行しない)。サブ制御基板72は、精算完了音声の出力(精算完了報知中)の終了に伴い、十字ボタン57の操作を有効とする。
【0056】
このように、精算報知中に十字ボタン57の操作を無効とすることで、精算処理の実行の報知が、十字ボタン57の操作によって遮られ(妨げられ)精算中であることを把握できなくなることや、例えば、メニュー画面と精算中を示す画面とが同時に表示され、メニュー画面は情報量(文字数)が多いことから、精算中であることが把握しにくくなるという問題が回避される。これにより、遊技者は確実に精算処理の実行の報知を把握でき、遊技者による誤認(例えば精算が中断されたかのように認識することを含む)を防止できる。また、精算報知中にメニュー画面が開くと、精算報知中であることが周囲にわかりにくくなってしまい、これを利用した不正等が行われる虞があるが、そのような問題を回避することができる。
また、精算完了報知中に十字ボタン57の操作を無効とすることで、精算処理の完了の報知が、十字ボタン57の操作によって遮られ(妨げられ)精算完了の報知を把握できなくなることや、例えば、メニュー画面と精算の完了を示す画面とが同時に表示され、メニュー画面は情報量(文字数)が多いことから、精算完了を示す画面が把握しにくくなるという問題が回避される。これにより、遊技者は確実に精算処理の完了の報知を把握でき、遊技者による誤認(例えば精算が中断されたかのように認識することを含む)を防止できる。また、精算完了報知中にメニュー画面が開くと、精算完了報知中であることが周囲にわかりにくくなってしまい、これを利用した不正等が行われる虞があるが、そのような問題を回避することができる。
【0057】
(A5、A6)精算ボタン52が押下され、精算報知中および精算完了報知中となっても、サブ制御基板72は、演出ボタン62を押下可能である旨を示す画面を液晶ディスプレイDに表示しつつ、演出ボタン62を有効のままとする。換言すると、サブ制御基板72は、精算報知中または精算完了報知中に演出ボタン62が押下された場合、当該押下を受け付ける。また、精算完了報知が終了した後も演出ボタン62は有効となっている。すなわち、3停止を契機として演出ボタン62が有効化されると、精算処理に移行し精算が終了しても、演出ボタン62の有効化が解除されないようになっている。
なお、精算報知中または精算完了報知中において演出ボタン62が押下された場合、演出が進行するが、この間も、液晶ディスプレイDには、精算の実行中あるいは精算の完了を報知する表示がなされる。このとき、精算に係る表示を優先し、精算に係る表示によって、遊技に係る演出の一部が隠された状態となる。
【0058】
このように、演出ボタン62の操作については精算報知中に無効とせずに有効とすることで、遊技者は演出ボタン62を押下して演出を進めることができる。このため、遊技者は、精算報知中に演出ボタン62を押下できないことによる不満を抱くことがない。例えば、演出ボタン62の押下指示画面が表示されている場合、遊技者は演出ボタン62を押下し、遊技の結果を見てから席を立ちたいと思うこともあるが、精算報知中であっても演出ボタン62が有効となっていることで、精算報知中に演出を進め、結果を見てから席を立つということがスムーズに行えるようになる。なお、押下指示画面は、メニュー画面のように情報量(文字数)が多いものではないため、精算中を示すが画面と同時に表示しても遊技者が誤認することはない。
また、精算完了報知中に演出ボタン62の操作を無効とせず有効とすることで、遊技者は演出ボタン62を押下して演出を進めることができる。このため、遊技者は、精算完了報知中に演出ボタン62を押下できないことによる不満を抱くことがない。例えば、演出ボタン62の押下指示画面が表示されている場合、遊技者は演出ボタン62を押下し、遊技の結果を見てから席を立ちたいと思うこともあるが、精算完了報知中であっても演出ボタン62が有効となっていることで、精算完了報知中に演出を進め、結果を見てから席を立つということがスムーズに行えるようになる。なお、押下指示画面は、メニュー画面のように情報量(文字数)が多いものではないため、精算完了を示す画面と同時に表示しても遊技者が誤認することはない。
【0059】
なお、サブ制御基板72は、精算報知中または精算完了報知中において、演出ボタン62の操作を有効としつつ、演出ボタン62を消灯させている。すなわち、演出ボタン62を点灯させ、操作の有効を積極的には報知はしないが、押下された場合にはその押下を受け付けるようになっている。このようにすることで、基本的には精算報知中または精算完了報知中に演出を進めさせることを推奨しないが、仮に演出ボタン62を押下された場合には、遊技者の意思を優先し、演出を進めることが可能となる。なお、サブ制御基板72は、精算報知中または精算完了報知中に、演出ボタン62の操作を有効としつつ、演出ボタン62を点灯させてもよい。
【0060】
図3では、演出ボタン62が押下されていない状態で精算ボタン52が押下された場合を示した。
図4では、3停止以降に、有効となった演出ボタン62が押下され、演出ボタン62の押下に基づく演出が実行されている間に、精算ボタン52が押下された場合の構成例について説明する。
【0061】
(B4、B5)サブ制御基板72は、演出ボタン62を押下可能である旨を示す画面を液晶ディスプレイDに表示するとともに、演出ボタン62を有効とする。
(B6、B7、B8)有効化された演出ボタン62が押下されると、サブ制御基板72は、演出ボタン62の押下に基づく(対応する)液晶演出および音声演出の出力を開始する。具体的には、サブ制御基板72は、演出ボタン62の押下に基づく演出画像を液晶ディスプレイDに表示するとともに、演出ボタン62の押下に基づく音声演出(BGM、セリフ、効果音等)を、スピーカ14を介して出力する。なお、サブ制御基板72は、演出ボタン62の押下に基づく演出光を、照明装置33d、34,35,37のうちの少なくとも1つを通じて出力してもよい。
【0062】
(B1、B2)精算ボタン52が押下されると、メイン制御基板70は、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理を開始する。
(B1、B7、B8)演出ボタン62の押下に基づく液晶演出および音声演出の出力中に、精算ボタン52が押下されると、サブ制御基板72は、精算開始コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、音声演出の出力を停止する。ただし、サブ制御基板72は、精算開始コマンドを受信しても、液晶演出の出力は停止しない(継続する)。
【0063】
(B2、B3)メイン制御基板70は、精算処理の終了に伴い、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信し、サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、精算完了音声の出力を開始する。
【0064】
(B8)サブ制御基板72は、精算完了音声の出力の終了に伴い(精算完了音声の出力の終了を待って)、音声演出(演出ボタン62の押下に基づく音声演出)の出力を開始する。なお、サブ制御基板72は、音声演出の出力を停止している間、音を外部に出力せずに、精算完了音声の出力の裏(精算完了音声の裏のレイヤ)では音声演出を実行している。すなわち、サブ制御基板72は、演出ボタン62の押下に基づく音声演出の出力中に精算開始コマンドを受信すると、音声演出を実行しているが音は出力しない状態とし、精算完了音声の出力が終了すると、再び音声演出の音を出力するように制御する。これは、音声演出が飛ぶようになっているともいえる。
【0065】
このように、演出ボタン62の押下に基づく音声演出が出力されている際に精算処理が実行された場合、音声演出の出力を停止し、精算に関する報知(精算中報知音および精算完了音声)の出力を優先させることで、遊技者は音を介して精算処理が実行されていることを把握できる。ただし、精算中報知音および精算完了音声が出力されている間であっても、演出ボタン62の押下に基づく液晶演出は継続されるため、遊技者は、視覚的に演出が進行していることを把握できる。
【0066】
図4では、有効となった演出ボタン62が押下され、演出ボタン62の押下に基づく演出が実行されている間に、精算ボタン52が押下された場合を示した。
図9では、先に精算ボタン52が押下され、精算処理が実行されている間に演出ボタン62が押下された場合を示す。
【0067】
(G4、G5)サブ制御基板72は、演出ボタン62を押下可能である旨を示す画面を液晶ディスプレイDに表示するとともに、演出ボタン62を有効とする。
(G1、G2)精算ボタン52が押下されると、メイン制御基板70は、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理を開始する。
【0068】
(G6、G7、G8)精算処理が実行されている間に、有効状態の演出ボタン62が押下されると、サブ制御基板72は、その旨の情報(信号)の受信に基づき、演出ボタン62の押下に基づく液晶演出の出力を開始する。このとき、サブ制御基板72は、演出ボタン62の押下に基づく音声演出を出力しない。この「音声演出を出力しない」は「音声演出の出力を停止する」に含まれる。換言すると、サブ制御基板72は、精算に関する報知(精算報知中および精算完了報知中)を実行している間に、演出ボタン62が押下された旨の情報(信号)を受信しても、音声演出を出力しない。すなわち、精算に関する報知を演出ボタン62の押下に基づく音声演出よりも優先させる。
【0069】
(G2、G3)メイン制御基板70は、精算処理の終了に伴い、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信し、サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、精算完了音声の出力を開始する。
(G8)サブ制御基板72は、精算完了音声の出力の終了に伴い(精算完了音声の出力の終了を待って)、音声演出の出力を開始する。なお、サブ制御基板72は、音声演出の出力を停止している間、音を外部に出力せずに、精算完了音声の出力の裏(精算完了音声の裏のレイヤ)では音声演出を実行している。すなわち、サブ制御基板72は、精算に関する報知を実行している間、演出ボタン62が押下された旨の信号を受信しても、精算完了音声の出力が終了するまでは音声演出を実行するが音は出力しない状態とし、精算完了音声の出力が終了すると、音声演出の音を出力するように制御する。
【0070】
なお、
図4および
図9の例において、精算完了音声を音声演出の音声に「優先させる」には、音声演出の音声を無音にする場合だけでなく、音声演出の音声を精算完了音声に比べ小さくして出力(流す)ことが含まれる。
【0071】
次に、「精算中」にエラーが発生した場合について説明する。
まず、メイン制御基板70が検出(検知)する各エラーについて説明する。なお、図示は省略しているが、メイン制御基板70は、エラー検出手段とエラー管理手段とを備えている。エラー検出手段は、各種センサの信号状態等に基づいて、逆流エラー、エンプティエラー、払出詰まりエラー、払出異常エラー、オーバーエラー、滞留エラー、バックアップエラー、ドア開放エラー、投入異常エラー、表示判定異常エラー、RAM異常エラー、設定値異常エラーを検出する。
【0072】
(1)逆流エラーは、メダルが流路において逆流していることに起因するエラーである。
(2)エンプティエラーは、ホッパー装置150に貯蔵されているメダルがなくなったことに起因するエラーである。具体的には、メダルの払い出しが行われている状況において、払出センサの信号状態がオフ状態(払い出されるメダルが検知されていない状態)で一定期間(約2100ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
(3)払出詰まりエラーは、ホッパー装置150において払い出されるべきメダルが詰まって排出されていないことに起因するエラーである。具体的には、メダルの払い出しが行われている状況において、払出センサ(払出メダルスイッチ)の信号状態がオン状態(払い出されるメダルが検知されている状態)で一定期間(約172ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
【0073】
(4)払出異常エラーは、メダルの払い出しを行うべきではない状況でメダルの払い出しがあったことに起因するエラーである。具体的には、メダルの払い出しが行われていない状況において、払出センサ(払出メダルスイッチ)の信号状態がオン状態で一定期間(約6ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
(5)オーバーエラーは、キャッシュボックスに貯蔵されている余剰メダルが所定量を超えたことに起因するエラーである。具体的には、オーバーフローセンサの信号状態がオン状態(余剰メダルが所定量を超えたこと示す信号状態)で一定期間(約100ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
(6)滞留エラーは、メダルセレクタ92内でメダルが詰まっていることに起因するエラーである。具体的には、投入検知センサ130の下流であり、ブロッカー99よりも上流にある第一メダル通過センサまたは第二メダル通過センサの信号状態がオン状態(メダルの存在を検知していることを示す信号状態)で一定期間(約113ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
【0074】
(7)バックアップエラーは、RWMのバックアップに不具合が生じたことに起因するエラーである。具体的には、電源投入時において、RWMのバックアップ異常を検出した場合に検出されるエラーである。あるいは、電源投入時において、スタックポインタの保存値が特定の範囲でない場合に検出されるエラーである。
(8)ドア開放エラーは、下扉40(前扉3)が開いていることに起因するエラーである。具体的には、下扉40が開くことによって作動するドア開閉スイッチの信号状態がオン状態(下扉40が開いていることを示す信号状態)で一定期間(約48ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
【0075】
(9)投入異常エラーは、ブロッカー99を作動させてメダルシュートへの流路を閉塞したことによってメダルの流路が切り替えられたにも関わらずに、メダルが正規の流路(ここではメダル払出口に返却される流路)とは異なる流路を通過していることに起因するエラーである。具体的には、ブロッカー99の作動後に第二メダル通過センサによってメダルセレクタ92を通過してメダルシュートへ向かって流れるメダルを検知した場合に検出されるエラーである。本実施形態の遊技機では、ブロッカー99が閉塞してから一定期間(約250ms)以上経過後に、第二メダル通過センサがON状態となった場合に、エラーを検出する。
また、投入異常エラーには、シュートエラーがある。シュートエラーは、メダルセレクタ92を通過したメダルの数とメダルシュートを通過したメダルの数とに一定以上の差が生じたことに起因するエラーである。具体的には、投入されたメダルが第一メダル通過センサおよび第二メダル通過センサを正しい順序で通過してから一定期間を経過するまでの間に、第一メダル通過センサおよび第二メダル通過センサを正しい順序で通過したと検知されたメダルの数と、シュートセンサの信号状態がオン状態(メダルの存在を検知している信号状態)となった回数との差が、所定範囲に収まっていない場合、または投入されたメダルが第一メダル通過センサおよび第二メダル通過センサを正しい順序で通過してから一定期間を経過した時点において、第一メダル通過センサおよび第二メダル通過センサを正しい順序で通過したと検知されたメダルの数と、シュートセンサの信号状態がオン状態(メダルの存在を検知している信号状態)となった回数との差が、所定数以上となった場合に検出されるエラーである。
また、投入異常エラーには投入検知エラーがある。投入検知エラーは、メダル投入口42付近でメダルが詰まっていることに起因するエラーである。具体的には、メダルセレクタ92内の投入検知センサ130がオン状態(メダルの存在を検知している信号状態)で一定期間(約602ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
【0076】
(10)表示判定異常エラーは、当選役でない図柄が表示された場合に検出されるエラーである。
(11)RAM異常エラーは、RAMの読み書きが正常に行われなかった場合に検出されるエラーである。
(12)設定値異常エラーは、内部抽選時において、設定値が許容範囲外の場合に検出されるエラーである。
【0077】
各エラーには、
図5に示すように、エラーの種類に応じてE1~ECまでのエラーコードが割り当てられている。エラー管理手段は、エラー検出手段によってエラーが検出されると、検出されたエラーを、液晶ディスプレイDやメイン表示器(
図1の表示ユニット58)を介して報知する処理を実行する。具体的には、エラー管理手段は、検出されたエラーの種類に対応したエラーコードを設定して、設定されたエラーコードを、液晶ディスプレイDやメイン表示器(
図1の表示ユニット58)に表示させる。
【0078】
また、エラー管理手段は、所定の解除操作(エラー解除操作)が行われたことに基づいてエラー検出フラグ等をクリアする解除処理を行う。所定の解除操作(エラー解除操作)としては、例えば、ドアキーシリンダにドアキーを挿入し、ドアキーを反時計回りに回転させる(捻る)という操作と、設定変更ボタンを押下するという操作とがある。
図5に示すように、エラーの種類(エラーコードE1~EC)ごとに、エラー解除操作が設定されている。エラー管理手段は、エラー解除操作によって設定変更ボタンまたはドアセンサから信号が入力されると、エラー解除操作が行われたと判断し、エラー検出フラグやタイマの計時情報等のエラーに関連する情報をクリア(消去)する解除処理を行う。
【0079】
メイン制御基板70は、エラーを検出すると、エラーが発生した旨を示すコマンド(エラーコマンド)をサブ制御基板72に送信する。サブ制御基板72は、エラーコマンドを主制御装置70から受信すると、エラーの発生内容に対応する画像(以下、エラー画面という)を液晶ディスプレイDに表示する制御や、エラー発生に対応する警告音(以下、エラー音という)を、スピーカ14を介して出力する制御等を行う。
【0080】
図6に示すタイミングチャートを用いて、精算報知中にエラーが発生した場合の処理の構成例を説明する。なお、以下ではエラーとして逆流エラーが発生した場合について説明するが、他のエラーであってもよい。
(C1、C2)精算ボタン52が押下されると、メイン制御基板70は、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理を開始する。
(C4)メイン制御基板70は、逆流エラーを検出すると(逆流エラーの条件を満たすと)、逆流エラーが発生した旨を示すコマンド(逆流エラーコマンド)をサブ制御基板72に送信する。
【0081】
(C2、C5)サブ制御基板72は、精算開始コマンドを受信し、かつ、エラーコマンド(逆流エラーコマンド)を受信しても、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信するまでは、逆流エラーコマンドの受信に基づく処理を実行しない。
サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、逆流エラーコマンドの受信に基づく処理を実行する。サブ制御基板72は、逆流エラーコマンドの受信に基づく処理として、逆流エラーの報知を行う。サブ制御基板72は、逆流エラーの報知として、逆流エラーに対応する画面(逆流エラー画面)を液晶ディスプレイDに表示し、逆流エラーに対応する警告音(エラー音)を、スピーカ14を介して出力し、エラー中である旨を報知する演出光(以下、エラーランプという:例えば赤色)を、照明装置33d、34,35,37のうちの少なくとも1つを通じて出力(点灯)する。
【0082】
このようにサブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信しても、エラーコマンドを先に受信している場合には、当該エラーコマンドに基づく処理(エラー報知)を優先して行う。そして、以下に示すように、サブ制御基板72は、エラーが解除されてから、精算終了コマンドに基づく処理(精算完了音声の出力)を行う。
【0083】
(C6)作業者等により、逆流エラーに対応するエラー解除動作(エラー復帰処理)が入力(実行)されると、メイン制御基板70は、逆流エラーが解除された旨を示すコマンド(逆流エラー解除コマンド)をサブ制御基板72に送信する。
(C3、C5)サブ制御基板72は、逆流エラー解除コマンドの受信に基づき、逆流エラーの報知を停止するとともに、精算完了音声(「精算しました」)の出力を開始する。サブ制御基板72は、逆流エラーの報知の停止として、液晶ディスプレイDの表示をエラー画面から通常画面に移行させ、エラー音の出力を停止し、エラーランプを消灯する。なお、サブ制御基板72は、精算完了音声を出力している間(精算完了報知中)に、精算の完了を示す画面を表示させ、その後、通常画面を表示させてもよい。また、サブ制御基板72は、エラーランプを消灯するとともに、精算完了報知中に精算中ランプを点灯させてもよい。その場合、例えば、エラーランプと精算中ランプの点灯パターン(点灯色)が同一である場合には、見た目上の変化はない。
【0084】
なお、C3、C5、C6について、エラー解除の立上りエッジでエラー報知を停止し、精算完了音声の出力を開始しているが、これらをエラー解除の立下りエッジに基づき行うものとしてもよい。
【0085】
このように、精算報知中にエラー(例えば逆流エラー)が発生した場合、精算処理が終了するのを待ってからエラーの発生を報知するため、遊技者が、精算が終了したことを確実に把握できる。換言すると、遊技者が、誤認する(例えば精算が中断されたかのような認識を抱くこと)のを防止できる。一方で、エラーの発生の報知を精算完了音声の出力よりは優先させているため、エラー発生からエラーが報知されるまでの時間をより短縮でき、エラーに対して早期に処置を施すことができる。また、精算報知中にエラー発生を報知する構成とする場合には処理が複雑となるが、上述の構成とすれば、そのような処理の複雑化を招くことはない。
【0086】
なお、精算処理の終了後にエラーの発生を報知し、その後精算完了音声を出力するための処理は、上述の処理に限られない。例えば、上述の例では、サブ制御基板72は、エラーコマンドを受信しても、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信するまでは、エラーコマンドの受信に基づく処理を実行しないこととしたが、精算処理中にエラーが発生した場合、メイン制御基板70は精算処理が終了してから、エラーコマンドをサブ制御基板72に送信することとしてもよい。また、メイン制御基板70は、エラーの解除後(エラー解除コマンドの送信後)に、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信することとしてもよい。
【0087】
次に、
図7に示すタイミングチャートを用いて、精算完了報知中にエラーが発生した場合の処理の構成例を説明する。
(D1、D2)精算ボタン52が押下されると、メイン制御基板70は、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理を開始する。
(D7)サブ制御基板72は、精算開始コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、液晶ディスプレイDの表示を通常画面から精算中報知画面に移行させる。
【0088】
(D2、D3)メイン制御基板70は、精算処理の終了に伴い、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信し、サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、精算完了音声の出力を開始する。
【0089】
(D4)メイン制御基板70は、逆流エラーを検出すると、逆流エラーコマンドをサブ制御基板72に送信する。
(D3、D5)サブ制御基板72は、精算完了音声の出力を実行している間(すなわち精算完了報知中)に、逆流エラーコマンドをメイン制御基板70から受信した場合、当該受信に基づき、精算完了音声(「精算しました」)の出力を停止(キャンセル)して(例えば「精算し」で止めて)、逆流エラーの報知を行う。具体的には、サブ制御基板72は、逆流エラー画面を液晶ディスプレイDに表示し、エラー音を出力し、エラーランプを点灯させる。
【0090】
(D6)作業者等により、逆流エラーに対応するエラー解除動作が入力(実行)されると、メイン制御基板70は、逆流エラー解除コマンドをサブ制御基板72に送信する。
(D5、D7)サブ制御基板72は、逆流エラー解除コマンドの受信に基づき、逆流エラーの報知を停止し(エラー音の出力を停止して、エラーランプを消灯し)、液晶ディスプレイDの表示をエラー画面から通常画面に移行させる。
(D3)なお、本例では、サブ制御基板72は、エラーから復帰しても(逆流エラー解除コマンドを受信しても)、逆流エラーコマンドの受信に従い停止した精算完了音声の出力を、再開(出力)することはしない。ただし、サブ制御基板72は、エラーの復帰(通常画面への移行)とともに、精算完了音声を出力することとしてもよい。その場合、サブ制御基板72は、停止した箇所からではなくもう一度最初から精算完了音声を出力することとしてもよい。
【0091】
なお、D5、D6において、エラー解除の立上りエッジでエラー報知が停止するものとしているが、エラー解除の立下りエッジでエラー報知が停止するものとしてもよい。
また、D6、D7において、エラー解除の立下りエッジで通常画面に移行するものとしているが、エラー解除の立上りエッジで通常画面に移行するものとしてもよい。
【0092】
このように、精算完了報知中にエラー(例えば逆流エラー)が発生した場合、精算完了音声の出力が終了するのを待たずに(精算完了音声の出力の途中でも)、エラーの発生の報知を優先する。すなわち、より優先度(緊急度)の高いエラーの報知が精算完了音声よりも優先して出力される。これにより、エラーに対して早期に対策を施すことができる。すなわち、エラーに対する処理が遅れるのを防止できる。
【0093】
なお、D3およびD4では、精算完了音声が出力されている間にエラーが発生した場合を示したが、精算処理終了後(精算終了コマンドの受信後)、精算完了音声の最初の1音(例えば「せ」)が出力される前にエラーが発生する場合がある。そのような場合でも、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力をせず(出力を停止し)、エラーの報知を実行する。すなわち、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力よりもエラーの報知を優先する。
【0094】
次に、
図8に示すタイミングチャートを用いて、精算完了報知中に十字ボタン57が押下された場合の処理の構成例を説明する。
(F1、F2)精算ボタン52が押下されると、メイン制御基板70は、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理を開始する。
(F4、F7)サブ制御基板72は、精算開始コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、遊技中のランプの点灯(例えば白色)を停止し、精算中ランプの点灯(例えば赤色)を開始する。なお、本実施の形態では、精算中ランプの点灯とエラーランプの点灯とは、同パターンとなっている。
【0095】
(F2、F3)メイン制御基板70は、精算処理の終了に伴い、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信し、サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、精算完了音声の出力を開始する。
【0096】
(F3、F5)サブ制御基板72は、精算完了音声の出力を実行している間(すなわち精算完了報知中)に、十字ボタン57が操作(押下)されると当該操作(押下)を受け付ける。本例では、サブ制御基板72は、精算完了報知中(すなわち精算終了コマンドを受信してから精算完了音声の出力が終了するまでの間)に、十字ボタン57の操作を有効な状態としている。そして、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力を実行している間に、十字ボタン57が押下された旨を示す情報(信号)(コマンド)を受信すると、当該受信に基づき、精算完了音声の出力を停止する(例えば「精算しま」で止める)。
【0097】
(F5、F6、F7)また、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力を実行している間に、十字ボタン57が押下された旨を示す情報(信号)(コマンド)を受信すると、当該受信に基づき、精算中ランプを消灯して遊技中ランプを点灯させ、液晶ディスプレイDの表示を、精算中報知画面からメニュー画面(なお音量変更画面でもよい)に移行させる。すなわち、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力を実行している間に、十字ボタン57が押下された旨を示す情報を受信すると、当該受信に基づき、十字ボタン57の押下に基づく処理を行う。
【0098】
なお、F3およびF5では、精算完了音声が出力されている間に十字ボタン57が押下された場合を示したが、精算処理終了後、精算完了音声の最初の1音(例えば「せ」)が出力される前に十字ボタン57が押下される場合がある。そのような場合でも、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力をせず(出力を停止し)、十字ボタン57の押下に基づく処理を実行する。すなわち、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力よりも十字ボタン57の押下に基づく処理を優先する。
【0099】
また、F5およびF6について、十字ボタン57の立下りエッジでメニュー画面に移行するものとしているが、十字ボタン57の立上りエッジでメニュー画面に移行するようにしてもよい。
【0100】
このように、精算完了報知中に十字ボタン57が操作された場合、精算完了音声の出力が終了するのを待たずに(精算完了音声の出力の途中でも)、十字ボタン57の操作を受け付け(十字ボタン57の操作が優先され)、当該操作に基づく処理(メニュー画面への移行等)が実行されるため、例えば、遊技者は、精算完了音声を最後まで聞かずにメニュー画面を早く開いて所望の設定を行うことができる。すなわち、精算完了音声の出力が終わるのを待たなければ十字ボタン57を操作できないことによって、遊技者が不満を抱く(ストレスを感じる)のを防止できる。
【0101】
ここで、
図8のF4における破線部Zについて説明する。破線部Zは、本来実行される予定であった精算中ランプの点灯を示している。ここで、仮に、精算完了音声出力中に十字ボタン57が押下されなかった場合を考える。その場合、精算完了音声(「精算しました」)の出力が終了した後であっても、精算中ランプの点灯が一定時間継続するようになっている。換言すると、サブ制御基板72は、精算処理の完了の報知である、精算完了音声の出力および精算中ランプの点灯を行うが、前者(精算完了音声の出力)が終了した後も後者(精算中ランプの点灯)を一定時間継続させる。なお、サブ制御基板72は、画面(液晶ディスプレイD)については、精算完了音声出力の終了とともに通常画面へ移行させている。このように、精算中ランプの点灯を、精算完了音声の出力よりも長くすることで、精算処理が終わった後、一定時間の間、精算処理が終了したことを認識できる。すなわち、精算処理が終わった後、一定時間の間、精算処理が終了したことが周囲に報知されるため、例えば、ホールスタッフ等が認識しやすくなる。
【0102】
(第2の実施の形態)
以下、第2の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態は本発明を遊技機の一つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等のその他の遊技機に適用されてもよい。
【0103】
図10に示すように、本発明のスロットマシン(遊技機)10は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体11と、当該筐体11の前面側開口を開閉する前面扉12とを備えている。筐体11には、回転自在な第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cがユニット化されたリールユニットと、メダルの払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12aおよび下扉12bはそれぞれ筐体11に対して開閉自在となっている。
【0104】
上扉12aには、表示装置13、スピーカ14などの演出用の装置、および、表示窓16が設けられている。表示装置13は、例えば液晶ディスプレイにより構成され、各種演出用の画像(動画、静止画)を表示する。また、スピーカ14は、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)を出力する。なお、演出用の装置としては、表示装置13やスピーカ14の他にランプ(LED)などの照明装置、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などを設けても良い。
【0105】
表示窓16の奥には、リールユニットが、その一部を表示窓16の外から視認可能に配置されている。各リール20a~20cの外周面には、複数種類の図柄が一列に配置されており(
図17参照)、各リール20a~20cが停止すると表示窓16を通して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示される。また、表示窓16には、各リール20a~20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a~20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態の遊技機では、第1リール20aの中段と、第2リール20bの中段と、第3リール20cの中段とによって有効ラインが構成されている。また、本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が、3枚に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化される。
【0106】
スロットマシン10では、遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a~20cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0107】
表示窓16の下方には、遊技情報表示部17および有利区間表示器18が設けられている。遊技情報表示部17は、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、エラー情報等の各種遊技情報が表示される。また、有利区間表示器18はLEDを有しており、このLEDの点灯および消灯により、有利区間に滞在しているか否かが報知されるようになっている。
【0108】
下扉12bには、メダルを投入するメダル投入口22、クレジットされたメダルをベットするためのベットボタン23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー(開始操作手段)24、回転しているリールを停止させるためのストップボタン(停止操作手段)26a,26b,26c、ホッパー装置によりメダルを払い出す払い出し口27、払い出し口27から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿28が設けられている。また、メダル投入口22の奥には、メダル投入口22から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサ29(
図11参照)が設けられている。
【0109】
スロットマシン10では、メダル投入口22にメダルが投入、または、ベットボタン23が操作され規定枚数のメダルがベットされることで、スタートレバー24の操作が有効化される。また、有効化されたスタートレバー24が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール20a~20cが回転を開始し、各リール20a~20cの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン26a~26cの操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタン26a~26cに対応する各リール20a~20cを停止する。
【0110】
図11に示すように、スロットマシン10の内部には、メイン制御基板(主制御装置)31と、サブ制御基板(副制御装置)32とが設けられている。メイン制御基板31は、ベットボタン23、スタートレバー24、ストップボタン26a~26c、メダルセンサ29等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニットや、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、サブ制御基板32は、メイン制御基板31から送られてくる信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて表示装置13およびスピーカ14等の演出用の装置の制御を行う。
【0111】
また、メイン制御基板31とサブ制御基板32とは電気的に接続されており、メイン制御基板31からサブ制御基板32へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板32からメイン制御基板31へは情報を送信できないようになっている。
また、メイン制御基板31やサブ制御基板32等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0112】
メイン制御基板31は、投入受付手段40と、乱数発生手段41と、内部抽選を行って役の当否を決定する内部抽選手段42と、リールの回転を制御するリール制御手段43と、全てのリールが停止したときに当選役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段44と、払出制御手段45と、設定変更手段47と、初期化手段48と、遊技状態制御手段49と、指示機能制御手段51と、演出メイン制御手段52と、記憶手段60と、を備えている。また、記憶手段60は、ROMとRAMとを備えている。
また、サブ制御基板32は、演出サブ制御手段70と、サブ側記憶手段72と、を備えている。また、サブ側記憶手段72は、ROMとRAMとを備えている。
【0113】
また、演出メイン制御手段52と演出サブ制御手段70とによって、演出制御手段100が構成されている。演出メイン制御手段52は、遊技状態や演出状態等に基づきナビ演出を行うか否かを決定する。また、演出サブ制御手段70は、演出メイン制御手段52から送信される遊技状態、演出状態に関する情報、あるいはナビ演出を行うか否かの決定に基づき、サブ側記憶手段72に記憶された演出用データを用いて、演出用の装置の制御を行う。なお、本実施形態において説明する演出メイン制御手段52で行う制御は、演出サブ制御手段70で行ってもよく、演出サブ制御手段70で行う制御は、演出メイン制御手段52で行ってもよい。
【0114】
投入受付手段40は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、規定数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー24に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口22にメダルが投入されると、メダルセンサ29がメダルを検知することに伴って、投入受付手段40が、規定数を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。また、投入受付手段40は、メダルがクレジットされた状態でベットボタン23が押下されると、規定数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。なお、本実施形態の遊技機では、規定数のメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー24に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール20a~20cの回転が開始されるとともに、内部抽選等の抽選が行われる。
【0115】
また、投入受付手段40は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では遊技者の所有するメダルを新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、メダルの投入を受け付けている状態でメダル投入口22にメダルが投入されても投入されたメダルを投入状態に設定することなく、クレジット上限数(例えば、50枚)を限度として、投入されたメダルをクレジットする。また、メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタン23に対する操作を受け付けないようにして、ベットボタン23が押下されてもクレジットされたメダルを投入状態に設定しないようにする。
【0116】
乱数発生手段41は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0117】
内部抽選手段42は、有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に基づいて内部抽選テーブルを用いた内部抽選を行う。
内部抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナスを含む各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、記憶手段60のROMに設けられた内部抽選テーブル記憶領域61に複数格納されている。具体的には、本実施形態の遊技機は、
図12に示す、内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル3までの、3種類の内部抽選テーブルを含む複数の内部抽選テーブルを有している。内部抽選手段42は、遊技状態および設定値に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。
なお、小役とは、入賞することにより、入賞した小役に応じた所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、リプレイとは、入賞することにより、メダルを新たに消費することなく、再度遊技を行うことができる役である。リプレイが入賞すると、遊技者のメダルを使うことなくスタートレバー24の操作が有効化され、スタートレバー24の操作により遊技を開始することが可能な状態となる。
【0118】
内部抽選では、乱数発生手段41から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を内部抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。また、各乱数値には、1つの当選役が対応付けられているものと、複数の当選役が対応付けられているものとが存在する。したがって、内部抽選によって、1つの役が当選する場合と、複数の役が重複して当選する場合とが存在する。
【0119】
本実施形態の遊技機では、小役として、通常ベルA、ベルB、ベルC、特殊小役A1、特殊小役A2、特殊小役A3、特殊小役A4、特殊小役B、弱チェリー、強チェリーおよびスイカが用意されており、複数種類の小役が重複して当選する小役の当選態様として、打順ベル(打順ベル1~打順ベル8:第1当選態様)と、JAC1(第2当選態様)およびJAC2とが設定されている。
【0120】
打順ベルについて
図13を参照しながら具体的に説明すると、打順ベル1~打順ベル4は、
図13(a)に示すように、ベルAと、ベルBと、特殊小役A1~特殊小役A4のうちいずれか1種類と、特殊小役Bとが重複して当選することを示している。このように本実施形態の遊技機では、打順ベル1~打順ベル4において、ベルAと、ベルBと、2種類の特殊小役とが重複して当選し、ベルAおよびベルBと重複して当選する2種類の特殊小役の組合せが異なっている。また打順ベル5~打順ベル8は、
図13(a)に示すように、ベルAと、ベルCと、特殊小役A1~特殊小役A4のうちいずれか1種類と、特殊小役Bとが重複して当選することを示している。このように本実施形態の遊技機では、打順ベル5~打順ベル8において、ベルAと、ベルCと、2種類の特殊小役とが重複して当選し、ベルAおよびベルCと重複して当選する2種類の特殊小役の組合せが異なっている。
【0121】
また、JACについて
図13を参照しながら具体的に説明すると、JAC1は、
図13(b)に示すように、ベルAと、ベルBと、ベルCと、特殊小役Bと、スイカと、弱チェリーと、強チェリーとが重複して当選することを示している。また、JAC2は、
図13(b)に示すように、特殊小役A1~特殊小役A4と、特殊小役Bと、ベルAとが重複して当選することを示している。
【0122】
また、本実施形態の遊技機では、内部抽選テーブル1および内部抽選テーブル2において小役の当選確率が同一となっている。また、内部抽選テーブル1~3においてリプレイの当選確率が同一となっている。また、内部抽選テーブル3では、内部抽選テーブル1および内部抽選テーブル2とは異なる態様で小役が当選するようになっている。そして、内部抽選テーブル1および内部抽選テーブル2では、打順ベル1~打順ベル8によってベルBとベルCが互いに重複せずに当選するようになっており、内部抽選テーブル3ではJAC1によってベルBとベルCが重複して当選するようになっている。
【0123】
また、本実施形態の遊技機では、ボーナスとしてビッグボーナス(BB)が用意されており、内部抽選テーブル1では、ビッグボーナスが抽選対象として設定されているが、内部抽選テーブル2および内部抽選テーブル3では、ビッグボーナスが抽選対象から除外されている。
なお、本実施形態の遊技機では、ボーナスとしていわゆる第一種特別役物に係る役物連続作動装置を想定しているが、第一種特別役物や、第二種特別役物に係る役物連続作動装置等であってもよい。また、ボーナスは一種類に限られず、複数のボーナスを搭載していてもよい。
【0124】
また、本実施形態の遊技機では、リプレイおよびボーナスは、それぞれ単独で当選するように設定されているが、重複して当選する場合が設定されていてもよい。例えば、リプレイとボーナスとが重複して当選する場合や、小役とボーナスとが重複して当選する場合や、複数種類のリプレイが重複して当選する場合等が設定されていてもよい。
【0125】
内部抽選手段42は、内部抽選の結果当選した役に対応する当選フラグを非当選状態(オフ状態)から当選状態(オン状態)に設定する。また、複数の当選役が重複して当選した場合には、重複して当選したそれぞれの役に対応する当選フラグを非当選状態から当選状態に設定する。また、当選フラグの設定情報は、記憶手段60のRAM60aに設けられた当選フラグ記憶領域62に格納される。
【0126】
また、当選フラグには、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な当選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態が持ち越されず、非当選状態にリセットされる当選フラグ(持越不可フラグ)とがある。持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナスがある。また、持越不可フラグが対応づけられる役としては、小役、およびリプレイがある。例えば、内部抽選手段42は、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段42は、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの当選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの当選フラグとの、2種類以上の役に対応する当選フラグを当選状態に設定する。
【0127】
また、スロットマシン10は、設定1~設定6までの6つの設定値について、設定値の違いによって、役の当選確率が異なるようになっている。具体的には、設定が変わると内部抽選テーブル1~3からなる内部抽選テーブル群が、各設定に対応付けられた内部抽選テーブル群に変更されるようになっており、設定によって小役、リプレイ、ボーナスの当選確率が異なる内部抽選テーブル群に変わるようになっている。
【0128】
設定変更手段47は、記憶手段60のRAMに設けられた設定値記憶領域63に記憶されている設定値を変更する制御を行う。具体的には、スロットマシン10の内部に設けられた設定変更キーシリンダに設定変更キーが挿入され、設定変更キー(設定変更キーシリンダ)が初期位置から時計回りに90度回された状態でスロットマシン10の電源が投入されると、設定変更手段47は、スロットマシン10を設定変更モードで起動する。設定値は、設定1~設定6までの6段階の設定値の中から選択できるようになっており、設定1から設定6に向かって順番に出玉率の期待値が高くなるように内部抽選の当選確率が変動するようになっている。設定変更手段47は、設定変更モードにおいてスロットマシン10の内部に設けられた設定変更ボタンが押下される毎に、設定1→設定2→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバー24が押下されると、設定値を確定させて、確定された設定値を設定値記憶領域63に記憶させる。また、設定変更キーシリンダに挿入された設定変更キーを初期位置に戻すことによって設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。
なお、本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
【0129】
また、設定変更キーシリンダが初期位置にある状態で電源が投入されると、スロットマシン10を遊技モードで起動する。本実施形態の遊技機では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。
【0130】
初期化手段48は、設定値が変更されると記憶手段60のRAMに記憶されている情報の少なくとも一部を初期化する初期化処理を行う。具体的には、設定値が変更されると初期化手段48は、後述する遊技状態、遊技区間および演出状態を初期状態に戻す処理を行う。すなわち、設定値が変更されると、遊技状態が通常状態となり、遊技区間が非有利区間となり、演出状態が通常演出状態となり、これらの状態が工場出荷後最初に電源を入れたときと同様の状態となる。また、初期化手段48は、初期化処理において、他にも記憶手段60のRAMに記憶された演出に関する情報等を初期化する。また、サブ制御基板32も初期化手段(図示せず)を備えており、設定値が変更されたことを知らせる信号がメイン制御基板31から送信されると、サブ制御基板32の初期化手段はサブ側記憶手段72のRAMに記憶された演出に関する情報を初期化する。
なお、設定値が変更されても、遊技状態や遊技区間や演出状態が初期状態に戻らないようにしてもよい。
【0131】
リール制御手段43は、メイン制御基板31による制御のもと有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール20a~20cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの停止制御を行う。
【0132】
すなわち、リール制御手段43は、ストップボタン26a~26cの各ボタンが操作される毎に、第1リール20a~第3リール20cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行う。スロットマシン10では、ストップボタン26aが操作されると、第1リール20aの回転が停止され、ストップボタン26bが操作されると、第2リール20bの回転が停止され、ストップボタン26cが操作されると、第3リール20cの回転が停止される。したがって、ストップボタン26a~26cの操作順序によって、第1リール20a~第3リール20cの停止順序が変化する。
【0133】
なお、以下では、停止操作の順序(ストップボタン26a~26cの操作順序)について、ストップボタン26a~26cのうちの全てのストップボタンを操作する1まとまりの停止操作の順序を「打順」とする。また打順を構成する各停止操作のうち、最初に行う停止操作を「第1停止操作」、2番目に行う停止操作を「第2停止操作」、3番目に行う停止操作を「第3停止操作」とする。
【0134】
また、以下では、第1リール20a、第2リール20b、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順1」とし、第1リール20a、第3リール20c、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順2」とし、第2リール20b、第1リール20a、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順3」とし、第2リール20b、第3リール20c、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順4」とし、第3リール20c、第1リール20a、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順5」とし、第3リール20c、第2リール20b、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順6」とする。
【0135】
ストップボタン26a~26cが操作された際の停止制御において、リール制御手段43は、当選フラグが当選状態に設定されている当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。具体的には、1つの当選役の当選フラグが当選状態に設定されている状態では、この当選役が入賞するように各リール20a~20cの停止制御を行う。また、複数の当選役の当選フラグが重複して当選状態に設定されている状態では、役毎に定められた優先順位に従って、所定の当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。本実施形態の遊技機においては、当該優先順位は、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められている。そして、リール制御手段43は、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄が、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄に優先して有効ライン上に表示されるように、リール20a~20cを停止させる。
【0136】
また、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先順位は、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先順位を求める場合と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先順位を求める場合とが存在する。有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が多くなる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先順位はそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0137】
また、打順ベル1~打順ベル8には、それぞれ正解打順と特定打順とが設定されており、正解打順および特定打順のいずれとも異なる順序が不正解打順として扱われる。特に本実施形態では、正解打順と特定打順とでは最初に停止させるべきリールが同一であり、2番目に停止させるリールにおいて正解打順であると判断される場合と特定打順であると判断される場合に分岐するようになっている。そして、いずれかの打順ベルが当選した場合に、最初に押下されたストップボタンの種類が正解打順および特定打順に対応している場合には、最初に停止するリールについてはメダルの払出数が最も多く、かつ有効ライン上に表示可能となる図柄組合せの数が最も多くなる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、2番目以降に停止するリールについては、有効ライン上に表示可能となる図柄組合せの数が最も多くなる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。また、いずれかの打順ベルが当選した場合に、不正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、最も多くの入賞形態を構成する図柄組合せを表示することができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0138】
そして本実施形態の遊技機では、いずれかの打順ベルが当選した場合に、特定打順でストップボタン26a~26cが押下されると、ベルAを入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、ベルBやベルCを入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように遊技順位が求められ、不正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、特殊小役A1~特殊小役A4や特殊小役Bを入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0139】
また、JAC1に当選した場合には、いずれの打順で遊技を行ってもベルBあるいはベルCを入賞させることができ、JAC2に当選した場合には、いずれの打順で遊技を行ってもベルAを入賞させることができるようになっている。
【0140】
入賞判定手段44は、リール20a~20cの回転が停止されると作動され、リール20a~20cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、リール20a~20cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、記憶手段60のROMに記憶されている入賞判定テーブルに照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。メイン制御基板31は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。入賞処理としては、具体的には、小役が入賞した場合には払出処理を行い、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理(再遊技処理)を行い、ボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる処理(遊技状態移行制御処理)を行う。
【0141】
ここで、払出処理は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいて決定された枚数のメダルを払い出す処理であり、払出制御手段45が行う。払出制御手段45は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいてメダルの払出数を決定し、決定された払出数のメダルをホッパー装置に払い出させる。なお、クレジットが許可されている場合には、ホッパー装置によって実際にメダルを払い出す代わりに、記憶手段60のRAMに設けられたクレジット記憶領域に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して、払出数を加算するクレジット加算処理を行って、仮想的にメダルを払い出す。
【0142】
本実施形態の遊技機では、
図14に示すように、ベルA、特殊小役A1~A4または特殊小役Bに入賞すると1枚のメダルが払い出され、ベルBまたはベルCに入賞すると7枚のメダルが払い出され、スイカに入賞すると3枚のメダルが払い出され、弱チェリーまたは強チェリーに入賞すると2枚のメダルが払い出されるようになっている。
【0143】
また、リプレイ処理は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ遊技開始待機状態に設定する処理であり、リプレイ処理手段46が行う。リプレイが入賞した場合には、前回の遊技(当該リプレイが入賞した遊技)において投入状態に設定された枚数と同じ枚数分のメダルを、遊技者の手持ちのメダル(クレジットされたメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、自動投入処理によって投入されたメダルの数に対応する有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバー24に対する遊技開始操作を待機する。また、自動投入処理が行なわれた場合、メダルを追加投入することはできないようになっている。
【0144】
遊技状態制御手段49は、
図15に示すように、通常状態、ボーナス成立状態およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことに基づいて遊技状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、遊技状態を移行させてもよい。
【0145】
内部抽選手段42は、遊技状態に応じて
図12に示す内部抽選テーブルのうちから内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。具体的には、通常状態では、ビッグボーナスが抽選対象に設定されている内部抽選テーブル1を参照して内部抽選を行う。また、ボーナス成立状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブル2を参照して内部抽選を行う。また、ボーナス状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブル3を参照して内部抽選を行う。なお、スロットマシン10は、リプレイの当選確率の異なる複数の内部抽選テーブルを備え、遊技状態制御手段49が、所定の契機で(例えば、所定の役の当選に基づいて)、リプレイの当選確率の異なる複数の遊技状態(RT状態)の間で遊技状態を移行させるようになっていてもよい。
【0146】
遊技状態は、初期状態においては、通常状態となっている。
また、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。遊技状態制御手段49は、通常状態においてビッグボーナスが当選した場合に、遊技状態をボーナス成立状態へ移行させる。
【0147】
ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をボーナス成立状態からボーナス状態へ移行させる。
【0148】
ボーナス状態は、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。また、ボーナス状態では、ボーナス状態において払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、定められた所定枚数(例えば、100枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段49は、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ移行させる。
なお、本実施形態では、ボーナス状態の終了条件がメダルの払出数の合計によって定められているが、ボーナス状態での遊技回数や小役の入賞回数等によって終了条件が定められていてもよい。またボーナス状態は、1回の遊技で終了するように終了条件が定められたものであってもよい。
【0149】
指示機能制御手段51は、遊技区間制御手段80と、演出状態制御手段81と、特典付与手段82とを備えている。指示機能制御手段51は、有利区間において特定役の入賞を補助する指示機能の作動に係る処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、所定の役が当選した場合に、この役の入賞を補助する指示演出を行うか否かを決定する。より具体的には、指示機能制御手段51は、打順ベルが当選した場合に、正解打順を報知してベルBやベルCの入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を行うか否かを決定する。そして、この決定に基づいて、演出制御手段100が、打順ナビ演出を表示装置13やスピーカ14等の演出装置に実行させるようになっている。
【0150】
遊技区間制御手段80は、
図16に示すように、遊技の進行状況に応じて、非有利区間と有利区間との間で遊技区間を移行させる遊技区間移行制御処理を行う。非有利区間は、複数種類の遊技区間の中で初期状態に相当する遊技区間となっている。非有利区間においては、特典付与手段82が有利区間移行抽選を行い、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80が遊技区間を有利区間へ移行させる。また、有利区間は、遊技を行うことが可能な回数に上限値(ここでは、1500回とする)が設けられた遊技区間となっている。また、遊技区間が非有利区間に設定されている状態では打順ナビ演出(打順を指示するナビ演出)を行うことができず、有利区間に設定されている場合に限り打順ナビ演出を行うことができるようになっている。遊技区間制御手段80は、有利区間において遊技を行った回数が上限値である1500回に達すると有利区間を終了させ、遊技区間を非有利区間へ移行させる。
【0151】
特典付与手段82は、非有利区間においては、スイカ、弱チェリーまたは強チェリーの当選(レア役の当選)に基づいて、有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。そして、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80は、遊技区間を非有利区間から有利区間へ移行させる。
【0152】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において1回の遊技が行われる毎に、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、記憶手段60のRAMに設けられた有利区間遊技数カウンタ65に1回分の遊技に相当する値として「1」を加算するインクリメント処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、有利区間遊技数カウンタ65への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値が閾値(上限値)「1500」に達すると、有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。すなわち、有利区間における遊技回数は、上限値が1500回に設定されており、有利区間において1500回を超える遊技が連続して行なわれないようになっている。
【0153】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において、記憶手段60のRAMに設けられた差枚数カウンタ(図示せず)の値をメダルの差枚数によって更新し、メダルの払出数に相当する値(例えば、7枚のメダルの払い出しがあった場合には「7」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して当該遊技における差枚数の演算結果を求めて、この演算結果を差枚数カウンタの値に加算する更新処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、差枚数カウンタへの加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、差枚数カウンタの記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、差枚数カウンタの値がしきい値(例えば、「2400」)を超えた場合に有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、差枚数カウンタの値は初期値「0」を下回らないように制御され、例えば、遊技開始時における差枚数カウンタの値が「2」であり、遊技を行った結果、いずれの役も入賞せずにメダルの払い出しがなかった場合には、その遊技における差枚数の演算結果が「-3」となり、差枚数カウンタの値に差枚数の演算結果を加算すると初期値「0」を下回ってしまうが、更新後の差枚数カウンタの値は初期値「0」を下限値としてカウントストップされるようになっている。すなわち、有利区間において獲得可能なメダル数には、上限値が設定されており、有利区間においてメダルが最も減少したときを基準「0」として、当該基準からのメダルの増加数が2400枚を超えた場合に有利区間が終了するようになっている。また、遊技においてリプレイの入賞があった場合には、リプレイの入賞した遊技で当該遊技の規定投入数に相当するメダルの払い出しがあったものとして取り扱って差枚数を求め、リプレイの入賞によって無償で提供される次回の遊技については実際のメダルの投入は行われていなくても当該遊技の規定投入数に相当するメダルの投入が行われたものとして扱い、差枚数を求めることとしてもよい。
【0154】
また、有利区間表示器18は、非有利区間において消灯し、有利区間において点灯するようになっている。なお、有利区間表示器18は、有利区間に移行すると同時に点灯させる必要はなく、最初のナビ演出(打順を指示するナビ演出)を行うまでに点灯させればよい。また、一度点灯させると、有利区間が終了するまでは、消灯しないようになっている。
【0155】
演出状態制御手段81は、
図16に示すように、通常演出状態、非AT演出状態およびAT演出状態(打順ナビ演出状態)を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態移行制御処理を行う。演出状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことによって演出状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、演出状態を移行させてもよい。
【0156】
通常演出状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する演出状態である。非有利区間においては、演出状態制御手段81は、演出状態を通常演出状態に設定している。通常演出状態(非有利区間)においては、上述のように特典付与手段82が有利区間移行抽選を行っており、有利区間移行抽選において有利区間への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態を非AT演出状態に移行させる。
【0157】
非AT演出状態(チャンス演出状態を含む)においては、特典付与手段82は、AT演出状態への移行の可否を決定する抽選(AT抽選)を行う。具体的には、特典付与手段82は、非AT演出状態において、スイカ、弱チェリーまたは強チェリーに当選した場合に、AT抽選を行う。
なお、非AT演出状態は、AT演出状態への移行確率が通常演出状態よりも高く、通常演出状態よりも遊技者にとって有利な演出状態となっている。また、非AT演出状態は、打順ナビ演出が行われる頻度がAT演出状態よりも低く、打順ナビ演出がほぼ行われないか、あるいは全く行われないようになっている。
【0158】
AT抽選に当選すると、演出状態制御手段81は、演出状態をAT演出状態へ移行させることを決定する。AT抽選に当選し、演出状態をAT演出状態へ移行させることを決定した場合、演出状態制御手段81は、記憶手段60のRAMに設けられたAT遊技数カウンタ67の記憶値に所定の値を設定し、演出状態をAT演出状態へ移行させる。本実施形態においては、AT遊技数カウンタ67には、例えば50回分の遊技に相当する値として「50」が設定される。また、AT演出状態においては、特典付与手段82は、スイカ、弱チェリーまたは強チェリーに当選した場合に、AT演出状態での遊技回数を増加させるか否か決定する(AT演出状態の継続期間を増加させるか否か決定する)抽選(上乗せ抽選)を行い、当該抽選結果に基づいて決定された遊技の回数に相当する値がAT遊技数カウンタ67に加算される。なお、AT演出状態の開始時にAT遊技数カウンタ67に設定される値は、抽選等により決定されるものであってもよい。
【0159】
なお、通常演出状態からAT演出状態へ直接移行することがあるようにしてもよい。例えば、有利区間移行抽選において、単に有利区間(非AT演出状態)への移行の可否を決定するのではなく、演出状態をAT演出状態に移行させるか、非AT演出状態に移行させるか、それとも通常演出状態のまま移行させないか抽選することとしてもよい。通常演出状態からAT演出状態へ直接移行する確率は、設定1よりも設定6の方が高いというように設定毎に異ならせてもよく、すべての設定値において同じ確率としてもよい。
【0160】
演出状態制御手段81は、AT演出状態において遊技が行われる毎に、AT遊技数カウンタ67の記憶値から、1回分の遊技回数に相当する値「1」を減算するデクリメント処理を行う。そして、AT遊技数カウンタ67の記憶値が閾値「0」に達すると、AT演出状態の終了条件が成立したものと判断してAT演出状態を終了させ、演出状態を通常演出状態に移行させる。
【0161】
また、AT演出状態は、ボーナスの当選あるいは入賞に基づいて移行する遊技状態に応じて設定されるものであってもよい。例えば、遊技状態がボーナス成立状態である場合にAT演出状態に移行し、通常状態やボーナス状態においてはAT演出状態に移行しないようになっていてもよい。換言すると、通常状態やボーナス状態においては、例えば、AT抽選に当選したとしてもAT演出状態に移行させないこととしてもよく、また、AT抽選を行わないようにしてもよい。
【0162】
また、演出状態がAT演出状態であって遊技状態がボーナス成立状態であるときにボーナスに入賞した場合、このボーナスの入賞により移行するボーナス状態の終了後に通常状態を経由して再びボーナス成立状態に移行するまでの間、AT演出状態(AT遊技数カウンタ67の更新)を中断することとしてもよい。すなわち、ボーナスに入賞するとナビ演出を止め、再びボーナス成立状態に移行するとナビ演出を再開させるようにしてもよい。
【0163】
指示機能制御手段51は、有利区間が終了し、遊技区間が通常区間に移行する際に、ナビ演出に係る情報として記憶手段60のRAMに記憶されている情報を初期化するナビ情報初期化処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、有利区間遊技数カウンタ65、特定区間遊技数カウンタ66、AT遊技数カウンタ67の記憶値、ポイントカウンタ69の記憶値等を初期化する。すなわち、打順ナビ演出(指示機能)に係る情報は、複数の有利区間を跨いで持ち越されることがないようになっている。また、初期化手段48が、設定値が変更された際に行う上述の初期化処理を行うと、ここで示した打順ナビ演出に係る情報も初期化されるようになっている。
【0164】
演出制御手段100は、演出状態がAT演出状態である場合に、打順ベル1~打順ベル8のいずれかが当選すると、正解打順を報知してベルBやベルCの入賞を補助する打順ナビ演出を表示装置13およびスピーカ14等の演出装置に実行させる制御を行う。打順ナビ演出で報知された正解打順に沿ってストップボタン26a~26cが押下されると必ずベルBまたはベルCが入賞して7枚のメダルを獲得することができるようになっている。なお、打順ナビ演出を行う場合には、遊技情報表示部17の7セグメント表示器にも正解打順を示す情報が表示される。
【0165】
図17に示すようにリール20a~20cの外周面には、赤7図柄「赤7」、BAR図柄「BAR」、特殊図柄「SP」、リプレイ図柄A「RPA」、リプレイ図柄B「RPB」、ベル図柄A「BLA」、ベル図柄B「BLB」、スイカ図柄A「WMA」、スイカ図柄B「WMB」、およびチェリー図柄「CH」が配列されている。
【0166】
ここで、
図18に示すように、(1つの)有利区間が開始されてから、その有利区間における特定演出状態(AT演出状態)へ移行するよりも前の区間を、特定区間とする。すなわち、有利区間における特定演出状態(AT演出状態)へ移行するよりも前の区間を特定区間とする。なお、非AT演出状態では打順ナビ演出が行われず、AT演出状態のみで打順ナビ演出が行われる場合、特定区間は、有利区間が開始されてから、最初の打順ナビ演出が行われるまでの区間(有利区間が開始されてから、指示機能が作動するまでの区間)といえる。特定区間での遊技回数が比較的少ない場合、特定区間は比較的短くなり、特定区間での遊技回数が比較的多い場合、特定区間は比較的長くなる。
【0167】
また、本実施の形態では、特定区間の開始時点を、有利区間の開始時点(有利区間へ移行した時点)とするが、特定区間の開始時点を有利区間の終了時点としてもよい。その場合、特定区間は、有利区間の終了時点から、次の有利区間においてAT演出状態へ移行するまでの区間となる。この場合でも、特定区間での遊技回数が比較的少ない場合、有利区間における特定演出状態(AT演出状態)へ移行するよりも前の区間は比較的短くなり、特定区間の遊技回数が比較的多い場合、有利区間における特定演出状態(AT演出状態)へ移行するよりも前の区間は比較的長くなる。
なお、特定演出状態(AT演出状態)が終了すると、遊技区間制御手段80は、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。
【0168】
特定区間は、指示機能に関する有利度合いがAT演出状態(有利区間のうちのAT演出状態となっている区間)よりも低くなっている。具体的には、特定区間は、打順ナビ演出の発生頻度がAT演出状態よりも低くなっている。換言すると、特定区間は、メダル獲得に対する期待値がAT演出状態よりも低くなっている。
【0169】
本実施形態の遊技機は、有利区間へ移行すると、特典付与手段82が、所定の契機で(例えばレア役の当選に基づいて)、指示機能に係る所定の抽選(AT演出状態へ移行するまでの遊技回数に関する抽選:モード抽選)を行う。モード抽選では、複数のモード(種別)の中から1つのモードが決定される。なお、各モードの詳細については後述する。具体的には、特典付与手段82は、設定値記憶領域63に記憶されている設定値と、第1テーブル(後述する)とを用いてモード抽選を行い、複数のモードの中から1つのモードを決定する。本実施の形態の遊技機では、複数のモードとして、5つのモード(モードA、モードB、モードC、モードD、およびモードE)が用意されている。なお、特典付与手段82がモードAを決定することを、モードAに当選するともいう。
【0170】
図19は、第1テーブルを示している。第1テーブルは、例えば記憶手段60のROMに記憶されている。第1テーブルでは、設定値(設定1~設定6)ごとに、モードA~モードEに割り当てられる置数(値数)が異なっている。置数は、乱数値の全範囲(例えば256)に対して当選となる範囲を示す数値である。設定1の場合、モードAに設定されている置数は176、モードBに設定されている置数は52、モードCに設定されている置数は26、モードDに設定されている置数は1、およびモードEに設定されている置数は1となっており、モードA~モードEの置数の合計は256となっている。設定1の場合、モード抽選でのモードAの当選確率は約68.8%(=176/256)である。
なお、
図19では1つのテーブル(第1テーブル)を示したが、これに限らず、例えば設定ごとに対応するテーブルが設けられていてもよい。その場合、特典付与手段82は、設定値記憶領域63に記憶されている設定値に対応する所定のテーブルを選択し、当該所定のテーブルを用いてモード抽選を行う。
【0171】
次に、モードA~モードEについて説明する。ここで、
図20(a)に示すように、特定区間での遊技回数が0~99回を第1遊技回数とし、特定区間での遊技回数が100~199回を第2遊技回数とし、特定区間での遊技回数が200~299回を第3遊技回数とし、特定区間での遊技回数が300~399回を第4遊技回数とし、特定区間での遊技回数が400~499回を第5遊技回数とし、特定区間での遊技回数が500~599回を第6遊技回数とし、特定区間での遊技回数が600~699回を第7遊技回数とし、特定区間での遊技回数が700~799回を第8遊技回数とし、特定区間での遊技回数が800~899回を第9遊技回数とし、特定区間での遊技回数が900~999回を第10遊技回数とする。
【0172】
また、
図20(b)に示すように、AT演出状態へ移行する権利が付与される確率(AT当選確率)を、複数の段階(例えば6つの段階)に分け、「a」が最もAT当選確率が低く、「b」~「e」に向かって順にAT当選確率が高くなり、「f」が最もAT当選確率が高いものとする。換言すると、AT当選確率aは「AT当選確率が極めて低い」、AT当選確率bは「AT当選確率が低い」、AT当選確率cは「AT当選確率がやや低い」、AT当選確率dは「AT当選確率がやや高い」、AT当選確率eは「AT当選確率が高い」、AT当選確率fは「AT当選確率が極めて高い」となっている。なお、AT当選確率fである区間(範囲)では、AT抽選に必ず当選し、AT演出状態への移行が決定するようになっている。
【0173】
図20(a)に示すように、本実施形態の遊技機では、特定区間における所定の遊技回数ごとにAT当選確率が定められており、そのAT当選確率がモードA~モードEで異なっている。
(モードA)
第1遊技回数ではAT当選確率a、第2遊技回数ではAT当選確率b、第3遊技回数ではAT当選確率a、第4遊技回数ではAT当選確率b、第5遊技回数ではAT当選確率a、第6遊技回数ではAT当選確率c、第7遊技回数ではAT当選確率a、第8遊技回数ではAT当選確率c、第9遊技回数ではAT当選確率d、第10遊技回数ではAT当選確率fとなっている。よって、モードAの場合、AT演出状態へ移行するまでに要する、特定区間での遊技回数は最大で999回となっている。
(モードB)
第1遊技回数ではAT当選確率d、第2遊技回数ではAT当選確率b、第3遊技回数ではAT当選確率d、第4遊技回数ではAT当選確率c、第5遊技回数ではAT当選確率e、第6遊技回数ではAT当選確率c、第7遊技回数ではAT当選確率fとなっている。よって、モードBの場合、AT演出状態へ移行するまでに要する、特定区間での遊技回数は最大で699回となっている。
(モードC)
第1遊技回数ではAT当選確率a、第2遊技回数ではAT当選確率b、第3遊技回数ではAT当選確率d、第4遊技回数ではAT当選確率fとなっている。よって、モードCの場合、AT演出状態へ移行するまでに要する、特定区間での遊技回数は最大で399回となっている。
(モードD)
第1遊技回数ではAT当選確率d、第2遊技回数ではAT当選確率fとなっている。よって、モードDの場合、AT演出状態へ移行するまでに要する、特定区間での遊技回数は最大で199回となっている。
(モードE)
第1遊技回数ではAT当選確率a、第2遊技回数ではAT当選確率b、第3遊技回数ではAT当選確率a、第4遊技回数ではAT当選確率b、第5遊技回数ではAT当選確率a、第6遊技回数ではAT当選確率b、第7遊技回数ではAT当選確率a、第8遊技回数ではAT当選確率b、第9遊技回数ではAT当選確率a、第10遊技回数ではAT当選確率fとなっている。よって、モードEの場合、AT演出状態へ移行するまでに要する、特定区間での遊技回数は最大で999回となっている。
【0174】
モードA~モードCで比較すると、モードAの場合、モードBおよびモードCの場合に比べて、AT演出状態に移行する前の特定区間での遊技回数が多い回数となる確率が高い。すなわち、モードAの場合、モードBおよびモードCの場合に比べて、AT演出状態に移行するまでに要する期間が長くなる確率が高い。一方、モードCの場合、モードAおよびモードBの場合に比べて、AT演出状態に移行する前の特定区間での遊技回数が少ない回数となる確率が高い。すなわち、モードCの場合、モードAおよびモードBの場合に比べて、AT演出状態に移行するまでの期間が短くなる確率が高い。
【0175】
本実施形態の遊技機は、特定区間において遊技が実行された回数を記憶する特定区間遊技数カウンタ66(
図11)を備えている。特定区間遊技数カウンタ66は、記憶手段60のRAMに設けられている。特定区間遊技数カウンタ66の記憶値は、特定区間において遊技が行われる毎に「1」ずつ増えるようになっている。なお、特定区間遊技数カウンタ66の記憶値は、所定の契機で(例えばAT演出状態への移行を契機とし)、リセットされて「0」となる。特定区間遊技数カウンタ66の記憶値は、AT演出状態や通常演出状態では増加することがなく、特定区間の開始時には「0」となっている。
【0176】
AT抽選に当選してAT演出状態への移行が決定されると、指示機能制御手段51は、AT演出状態における利益を決定する。具体的には、指示機能制御手段51は、特定区間遊技数カウンタ66の値を、第2テーブル(後述する)と照合し、AT演出状態における利益を決定する。
【0177】
図21は、第2テーブルを示している。第2テーブルは、例えば記憶手段60のROMに記憶されている。第2テーブルでは、特定区間での遊技回数と、AT演出状態における利益(AT演出状態でのメダルの払出数)とが紐付けられて設定されている。本実施の形態の遊技機では、指示機能制御手段51は、当該メダルの払出数の付与に相当するAT演出状態での遊技回数をAT演出状態における利益(遊技上の利益:遊技利益)として決定する(第1AT遊技回数~第4AT遊技回数)。なお、指示機能制御手段51は、当該メダルの払出数の付与に相当するAT演出状態での打順ナビ演出の実行回数を、AT演出状態における利益として決定することとしてもよい。
【0178】
指示機能制御手段51は、特定区間での遊技回数が例えば1~100回である場合、AT演出状態でのメダルの払出数を、第1払出数(例えば約150枚)とすることを決定する。すなわち、AT演出状態での遊技回数を第1AT遊技回数とすることを決定する。
【0179】
指示機能制御手段51は、特定区間での遊技回数が例えば101~300回である場合、AT演出状態でのメダルの払出数を、第2払出数(例えば約300枚)とすることを決定する。すなわち、AT演出状態での遊技回数を第2AT遊技回数とすることを決定する。
【0180】
指示機能制御手段51は、特定区間での遊技回数が例えば301~500回である場合、AT演出状態でのメダルの払出数を、第3払出数(例えば約500枚)とすることを決定する。すなわち、AT演出状態での遊技回数を第3AT遊技回数とすることを決定する。
【0181】
指示機能制御手段51は、特定区間での遊技回数が例えば501回以上である場合、AT演出状態でのメダルの払出数を、第4払出数(例えば約800枚~約1000枚)とすることを決定する。すなわち、AT演出状態での遊技回数を第4AT遊技回数とすることを決定する。
【0182】
第1AT遊技回数~第4AT遊技回数について、例えば、特定区間での遊技回数に応じてAT演出状態での遊技回数を決定する抽選に係るテーブル(値数)を選択することとし、AT演出状態の開始時に決定される(或いはAT演出状態の開始時と上乗せとで決定される)AT演出状態での遊技回数の平均値が、第1AT遊技回数~第4AT遊技回数となるようにしてもよい。具体的には、例えば、特定区間での遊技回数が1~100回でAT演出状態へ移行した場合に、選択されたテーブルによる抽選の結果、第1AT遊技回数よりも多い遊技回数が付与されたり、第1AT遊技回数よりも少ない遊技回数が付与されてもよい。換言すると、特定区間での遊技回数に応じて決定される、AT演出状態での遊技回数の平均値(メダルの払出数の平均値)が、上述の第1AT遊技回数~第4遊技回数(第1払出数~第4払出数)となればよく、特定区間での遊技回数に応じて決定される、AT演出状態での遊技回数は変動するものであってもよい。また、第1AT遊技回数~第4遊技回数(第1払出数~第4払出数)のうち一部または全部が、特定区間での遊技回数に応じて固定されたもの(平均値ではなく固定値)であってもよい。
【0183】
本実施形態の遊技機では、特定区間での遊技回数に応じて決定される第1AT遊技回数~第4AT遊技回数に応じた回数の遊技が、1回の(一連の)AT演出状態で付与されるようになっている。例えば、AT演出状態の開始時に、第1AT遊技回数~第4AT遊技回数のうちの決定された遊技回数に応じた値がAT遊技数カウンタ67に設定される。
【0184】
なお、AT演出状態の開始時に、第1AT遊技回数~第4AT遊技回数のいずれかに応じた値が一度にAT遊技数カウンタ67に設定されるものに限らず、複数回に分けてAT遊技数カウンタ67に設定されるようにしてもよい。その場合、AT演出状態において、AT演出状態での遊技回数をいくつ増加させるかが決定され、決定された遊技回数に相当する値がAT遊技回数カウンタ67に都度設定(加算)される。そして、最終的に1回のAT演出状態で第1AT遊技回数~第4AT遊技回数の遊技が行われる。
【0185】
また、一回(一連)のAT演出状態には、打順ナビ演出が行われる第1区間(AT演出状態の一部としての小AT演出状態)と、打順ナビ演出が行われない第2区間(インターバル区間:低期待値演出状態:打順ナビ演出が行われる頻度が第1区間よりも低く、メダルの獲得に対する期待値が第1区間よりも低い区間)とが設けられていてもよい。換言すると、一連のAT演出状態において、第1区間と第2区間とがループするようになっていてもよい。さらに換言すると、AT演出状態を、第1区間のセット数によって管理する方式としてもよい。この場合、第1区間のセット数を増加させるか否かを決定する抽選が、AT演出状態(例えば第2区間等)における所定の契機で(例えばレア役の当選に基づいて)行われるようにしてもよい。なお、第2区間を介さずに第1区間が繰り返される(いわゆる1ゲーム連が行われる)方式としてもよい。
【0186】
モードAの場合、AT演出状態へ移行する前の特定区間での遊技回数が比較的多い回数となる確率が最も高いが、その遊技回数が例えば999回である場合、AT演出状態における利益が第4AT遊技回数(比較的多い遊技回数)となっているため、最も多い第4払出数のメダルが払い出される。一方でモードCの場合、AT演出状態へ移行する前の特定区間での遊技回数が比較的少ない遊技回数となる確率が高く、その遊技回数が399回である場合、AT演出状態における利益が第3AT遊技回数(比較的少ない遊技回数)となっているため、第4払出数よりも少ない第3払出数のメダルが払い出される。
【0187】
このように特定区間での遊技回数に応じて、AT演出状態でのメダルの払出数(AT演出状態での遊技回数)が決定される。具体的には、指示機能制御手段51は、特定区間での遊技回数が多いほど、AT演出状態でのメダルの払出数(AT演出状態での遊技回数)を多く設定する。すなわち、特定区間での遊技回数が多いほど、AT演出状態で付与される(獲得できる)利益が大きくなる。また、指示機能制御手段51は、特定区間での遊技回数が少ないほど、AT演出状態でのメダルの払出数(AT演出状態での遊技回数)を少なく設定する。すなわち、特定区間での遊技回数が少ないほど、AT演出状態で付与される(獲得できる)利益が小さくなる。
【0188】
特定区間での遊技回数が多いほど、AT演出状態に関しての(AT演出状態に関する)付与される利益が大きいという場合、AT演出状態での遊技回数が多いことの他に次のようにしてもよい。すなわち、AT演出状態が打順ナビ演出の回数で管理される場合には、特定区間での遊技回数が多いほど、AT演出状態での打順ナビ演出の実行回数を多くしてもよい。なお、AT演出状態で打順ナビ演出が実行される回数が多いと、AT演出状態での遊技回数は多くなる。
また、AT演出状態での遊技回数は固定されているものであってもよい。例えば、AT演出状態において当選し得る打順ベルとして2種類の打順ベル、すなわち打順ベル1Aと打順ベル1Bとが用意されているとする。打順ベル1Aは10枚役と1枚役とが重複して当選する当選エリア(配当が比較的多い当選エリア)である。打順ベル1Bは3枚役と1枚役とが重複して当選する当選エリア(配当が比較的少ない当選エリア)である。打順ベル1Aが当選した場合、正解打順で操作がされると10枚役が入賞し、不正解打順で操作がされると1枚役が入賞する。また、打順ベル1Bに当選した場合、正解打順で操作されると3枚役が入賞し、不正解打順で操作されると1枚役が入賞する。この場合に、特定区間での遊技回数が多いほど、打順ベル1Aに当選する確率を打順ベル1Bに当選する確率よりも大きくしてもよい。なお、打順ベル1Aに当選する確率を打順ベル1Bに当選する確率よりも大きくするとは、打順ベル1Bに当選する確率が0である場合を含む。また、特定区間での遊技回数が少ないほど、打順ベル1Bに当選する確率を打順ベル1Aに当選する確率よりも大きくしてもよい。
また、一回(一連)のAT演出状態に、第1区間(小AT演出状態)と第2区間(インターバル区間)とが設けられていてループする仕様の場合には、特定区間での遊技回数が多いほど、第2区間を介さずに第1区間が連続して実行される確率を高くしてもよい。また、例えば第2区間において第1区間のセット数を増加させるか否かを決定する抽選が行われる場合、特定区間での遊技回数が多いほど、当該抽選に当選する確率を高くしてもよく、さらには、当該抽選に当選した場合のセット数の増加数をより大きくしてもよい。また、第1区間および第2区間を1セットとする場合には、特定区間での遊技回数が多いほど、当該1セットが連続して実行される確率を高くしてもよい。
【0189】
なお、AT演出状態における利益は、特定区間で付与されたポイントに応じて決定されるものであってもよい。このような構成でも、特定区間での遊技回数が多いほど、AT演出状態の利益を大きくすることができる。具体的には、例えば、特典付与手段82は、特定区間において、所定の契機で(例えばレア役の当選に基づいて)、指示機能に係る所定の抽選(AT演出状態に関するポイントを付与する抽選:ポイント付与抽選)を行う。ポイント付与抽選に当選すると、特典付与手段82は、所定のポイント(例えば10ポイント)の付与を決定する。なお、所定のポイントは、複数種類のポイントの中から選択されて決定されるものであってもよい。特典付与手段82は、所定のポイントの付与を決定すると、記憶手段60のRAMに設けられたポイントカウンタ69に、付与するポイントに相当する所定値を設定(加算)する。このポイントカウンタ69は、ポイントが付与される度に所定値が加算されて更新されるようになっている。なお、ポイントカウンタ69の記憶値は、所定の契機で(例えばAT演出状態への移行を契機とし)、リセットされて「0」となる。ポイントカウンタ69の記憶値は、AT演出状態や通常演出状態では増加することがなく、特定区間の開始時には「0」となっている。
【0190】
AT演出状態における利益が特定区間で付与されたポイントに応じて決定される場合、
図21で示した第2テーブルにおける特定区間での遊技回数の箇所が、特定区間で付与されたポイントに置き換えられた第3テーブル(図示せず)が用いられる。具体的には、指示機能制御手段51は、ポイントカウンタ69の示す値を、第3テーブルと照合し、AT演出状態における利益を決定する。指示機能制御手段51は、ポイントカウンタ69の示す値が大きいほど、AT演出状態でのメダルの払出数(AT演出状態での遊技回数)を多く設定し、ポイントカウンタ69の示す値が小さいほど、AT演出状態でのメダルの払出数(AT演出状態での遊技回数)を少なく設定する。特定区間においてポイント付与抽選が行われる頻度は、設定1~設定6で同等であるか、或いは高設定ほど高くなっているが、特定区間での遊技回数が多くなるほど、ポイント付与抽選が行われる回数が多くなり、ポイントカウンタ69が示す値は比較的大きくなる。
【0191】
本実施形態の遊技機は、
図19で示したように、高設定(設定4~設定6)の場合、モードCの当選確率が他のモードの当選確率よりも高い。そして、
図20(a)で示したように、モードCでは、AT演出状態へ移行するよりも前の特定区間での遊技回数が比較的少ない回数となる確率が高い。AT演出状態へ移行するよりも前の特定区間での遊技回数が比較的少ないと、
図21で示したように、AT演出状態でのメダルの払出数(AT演出状態での遊技回数)は比較的少なくなる。換言すると、高設定の場合に高確率で当選するモードCでは、特定区間での遊技回数が比較的少なくなる確率が高いため、AT演出状態へ移行するまでに消費するメダルが比較的少なくなる確率が高いが、AT演出状態での遊技回数が比較的少ないため、AT演出状態において獲得できるメダルが少ない。すなわちメダルの増減が小さい出玉設計となっている。
【0192】
また、
図19で示したように、低設定(設定1~設定3)の場合、モードAの当選確率が他のモードの当選確率よりも高い。そして、
図20(a)で示したように、モードAでは、AT演出状態へ移行するよりも前の特定区間での遊技回数が比較的多い回数となる確率が高い。AT演出状態へ移行するよりも前の特定区間での遊技回数が比較的多いと、
図21で示したように、AT演出状態でのメダルの払出数(AT演出状態での遊技回数)は比較的多くなる。換言すると、低設定の場合に高確率で当選するモードAでは、特定区間での遊技回数が比較的多くなる確率が高いため、AT演出状態へ移行するまでに消費するメダルが比較的多くなる確率が高いが、AT演出状態での遊技回数が比較的多いため、AT演出状態において獲得できるメダルが比較的多い。すなわちメダルの増減が大きい出玉設計となっている。
【0193】
本実施形態に係る遊技機は、所定の役の入賞を補助する指示演出の実行を制御する指示機能制御手段51と、前記指示演出が実行される特定演出状態を含む複数の演出状態の間で、演出状態を移行させる制御を行う演出状態制御手段81と、前記指示演出を実行可能な有利区間を含む複数の遊技区間の間で遊技区間を移行させる制御を行う遊技区間制御手段80と、複数の設定値の中から選択される設定値を変更可能な設定変更手段47とを備え、前記有利区間における前記特定演出状態へ移行するよりも前の特定区間は、指示機能に関する有利度合いが前記特定演出状態よりも低くなっており、前記設定値が高いほど、前記特定区間での遊技回数が少ない回数となる確率が高くなっており、前記特定区間での遊技回数が多いほど、前記特定演出状態での遊技回数が多くなっている。
【0194】
増加区間(メダルを増加させることが可能な区間)の出玉性能を上げるには、通常区間(メダルを増加させることができない区間)の出玉性能を下げなければいけない。そして、一定区間内における増加区間と通常区間のバランスを取る(両者の比率を適切に管理する)ことで出玉性能を適切にしなければならない。
本実施形態の遊技機では、設定値が高いほど、特定区間における遊技回数が比較的少ない段階でAT演出状態へ移行する確率が高くなっているため、設定値が高いほど(高設定であるほど)特定演出状態(AT演出状態)へ移行しやすく、メダルを獲得しやすい。この場合、(1)高設定について出玉が多くなり過ぎてしまうおそれがあるが、本実施形態の遊技機では、特定区間での遊技回数が比較的少ないと、特定演出状態での遊技回数が比較的少なくなるように設定されているため、出玉性能(メダルの獲得性能)が過大となるのを防止できる。また、(2)低設定について出玉が比較的少なくなり過ぎてしまうおそれがあるが、本実施形態の遊技機では、特定区間での遊技回数が比較的多いと、特定演出状態での遊技回数が比較的多くなるため、出玉性能(メダルの獲得性能)が過小となるのを防止できる。すなわち、出玉性能を適切に設定することができる。
【0195】
なお、
図19で示したように、本実施形態の遊技機は、指示機能に係る所定の抽選において、設定値が高いほどモードCの当選確率が高くなっている(設定値が高くなるほど、指示機能に関する有利度合いが比較的高いモードの当選確率が高くなっている)。換言すると、設定値が低くなるほど、指示機能に関する有利度合いが比較的高いモードの当選確率が高くなるようには設定されていない。また、低設定あるいは高設定のいずれかの場合にのみ当選するモードは設けられておらず、設定1~設定6で同じモード(モードA~モードE)が用いられている。
【0196】
なお、
図18では、特定演出状態(AT演出状態)の終了に伴い、有利区間が終了する場合を示したが、通常演出状態からAT演出状態へ直接移行してAT演出状態が終了した場合に、その時点で有利区間の終了条件が成立しておらず、有利区間が継続されることがある。その場合、有利区間の残りの区間(AT演出状態が終了してから有利区間が終了するまでの区間)における遊技回数(有利区間の残り遊技回数)は、有利区間開始時よりも少なくなっている。この場合に、低設定(設定1~設定3)であっても、モードCの当選確率が高くなるようにしてもよい。例えば、低設定の場合におけるモードCの当選確率を高設定の場合の当選確率と同等するか或いはそれ以上としてよい。具体的には、有利区間の残り区間では、特典付与手段82が、
図19で示した第1テーブルとは異なるテーブルであって、低設定におけるモードCに設定されている置数が第1テーブルよりも大きいテーブルを用いてモード抽選を行ってもよい。
【0197】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施形態の遊技機は、基本的に第2の実施の形態の遊技機と同様の構成を有するものであるため、第2の実施の形態の遊技機と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。また、本実施形態に係る構成は第2の実施の形態以外の形態に係る構成と組み合わせることも可能である。なお、本実施形態に係る遊技機は、第2の実施の形態で示したモード抽選は行われない。
【0198】
本実施形態の遊技機では、演出状態制御手段81は、
図22に示すように、通常演出状態、非AT演出状態、およびAT演出状態を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態移行制御処理を行う。AT演出状態には、2つの種別があり、第1AT演出状態と第2AT演出状態とがある。第1AT演出状態は、指示機能に関する有利度合いが第2AT演出状態(特定演出状態)よりも低くなっている。具体的には、第1AT演出状態は、打順ナビ演出の発生頻度が第2AT演出状態よりも低くなっている。
【0199】
非AT演出状態においては、特典付与手段82は、所定の契機で(例えばレア役の当選に基づいて)AT抽選を行うが、本実施形態の遊技機では、AT抽選の結果、第1AT演出状態への移行が決定する場合と、第2AT演出状態(特定演出状態)への移行が決定する場合とがある。なお、1つの抽選(AT抽選)によって第1AT演出状態または第2AT演出状態への移行が決定されるものに限らず、第1AT演出状態への移行を決定するための第1AT抽選と、第2AT演出状態への移行を決定するための第2AT抽選とが、それぞれ所定の契機で行われるようにしてもよい。
【0200】
なお、通常演出状態から第1AT演出状態または第2AT演出状態へ直接移行することがあってもよい。例えば、有利区間移行抽選において、単に有利区間(非AT演出状態)への移行の可否を決定するのではなく、演出状態を第2AT演出状態に移行させるか、第1演出状態に移行させるか、非AT演出状態に移行させるか、それとも通常演出状態のまま移行させないかを抽選することとしてもよい。
【0201】
(第1AT演出状態)
本実施形態の遊技機では、AT抽選に当選し、AT抽選の結果、第1AT演出状態への移行が決定され、1停止態様が停止する(表示窓16を介して現れる)所定の役に当選したときに、第1停止態様が停止し得ることを示唆する狙え演出が実行される。第1停止態様とは、リール20aに赤7図柄「赤7」が停止し、リール20bに赤7図柄「赤7」が停止し、リール20cにBAR図柄「BAR」が停止し、表示窓16を介して、それらの3つの図柄が一直線上に揃うように表示された停止態様をいう。演出制御手段100は、狙え演出として、例えば、リール20aの赤7図柄「赤7」に対応する画像と、リール20bの赤7図柄「赤7」に対応する画像と、リール20cのBAR図柄「BAR」に対応する画像とを、表示装置13に表示させる。
【0202】
狙え演出が実行される遊技において第1停止態様で停止すると、演出状態制御手段81は、演出状態を第1AT演出状態へ移行させる。ただし、狙え演出が実行される遊技(狙え演出はいわゆるガセではない)において第1停止態様で停止しない場合であっても、第1AT演出状態へ移行させることがあってもよい。また、狙え演出が実行される遊技において、狙え演出がいわゆるガセであり、所定の図柄(第1停止態様の図柄組合せ)を表示させることを狙ってストップボタンが押下された場合でも、当該所定の図柄が表示されないことがあってもよい。
【0203】
第1AT演出状態では、特典付与手段82が、所定の契機で(例えばレア役の当選に基づいて)、第1AT演出状態へ移行する権利を付与するか否か(第1AT演出状態のセット数を増加させるか否か)を決定する抽選を行う。また、第1AT演出状態では、特典付与手段82が、所定の契機で(例えばレア役の当選に基づいて)、第2AT演出状態へ移行する権利を付与するか否かを決定する抽選を行う。
【0204】
第1AT演出状態の終了条件が成立すると、演出状態制御手段81は、演出状態を他の演出状態へ移行させる。第1AT演出状態は、例えば、所定枚数(例えば60枚)を超えるメダルが払い出されると終了する。なお、第1AT演出状態の終了条件は、第1AT演出状態における遊技回数が所定の回数に到達した場合や、第1AT演出状態において打順ナビ演出が実行された回数が所定の回数に到達した場合としてもよい。
【0205】
第1AT演出状態の終了時に、第1AT演出状態へ移行する権利が付与されている場合、演出状態制御手段81は、演出状態を再び第1AT演出状態とする。第1AT演出状態の終了時に、第2AT演出状態へ移行する権利が付与されている場合、演出状態制御手段81は、演出状態を第2AT演出状態へ移行させる。第1AT演出状態の終了時に、第1AT演出状態へ移行する権利または第2AT演出状態へ移行する権利のいずれも付与されていない場合、演出状態制御手段81は、演出状態を非AT演出状態(チャンス演出状態)へ移行させる。なお、第1AT演出状態の終了時に、演出状態制御手段82が、演出状態を通常演出状態へ移行させることがあってもよく、その場合には、遊技区間制御手段80は、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。
【0206】
(第2AT演出状態)
本実施形態の遊技機では、AT抽選に当選し、AT抽選の結果、第2AT演出状態への移行が決定され、第2停止態様が停止する(表示窓16を介して現れる)所定の役に当選したときに、第2停止態様が停止し得ることを示唆する狙え演出が実行される。第2停止態様とは、リール20a~20cに赤7図柄「赤7」が停止し、表示窓16を介して3つの赤7図柄「赤7」が一直線上に揃うように表示された態様、或いは、リール20a~20cにBAR図柄「BAR」が停止し、表示窓16を介して3つのBAR図柄「BAR」が一直線上に揃うように表示された停止態様をいう。演出制御手段100は、狙え演出として、例えば、リール20a~リール20cの赤7図柄「赤7」に対応する画像、或いは、リール20a~リール20cのBAR図柄「BAR」に対応する画像を、表示装置13に表示させる。
【0207】
狙え演出が実行される遊技において第2停止態様で停止すると、演出状態制御手段81は、演出状態を第2AT演出状態へ移行させる。ただし、狙え演出が実行される遊技(狙え演出はいわゆるガセではない)において第2停止態様で停止しない場合であっても、第2AT演出状態へ移行させることがあってもよい。また、狙え演出が実行される遊技において、狙え演出がいわゆるガセであり、所定の図柄(第2停止態様の図柄組合せ)を表示させることを狙ってストップボタンが押下された場合でも、当該所定の図柄が表示されないことがあってもよい。
【0208】
演出状態制御手段81は、第2AT演出状態の開始時に、記憶手段60のRAMに設けられたAT遊技数カウンタ67の記憶値に、特定区間で獲得した(付与された)ポイント(ポイントカウンタ69の示す値)に応じて決定される所定の値(第2AT演出状態での遊技回数に相当する値)を設定する。なお、第2AT演出状態の開始時にAT遊技数カウンタ67に設定される値は、抽選等により決定されるものであってもよい。また、特定区間で獲得したポイントに応じて第2AT演出状態において上乗せ抽選が行われ、当該抽選結果に基づいて第2AT演出状態での遊技回数(AT遊技数カウンタ67に設定される値)が決定されるようにしてもよい。
【0209】
第2AT演出状態の終了条件が成立すると(AT遊技数カウンタ67の記憶値が閾値「0」に達すると)、演出状態制御手段81は、演出状態を通常演出状態に移行させる。なお、演出状態を第2AT演出状態から通常演出状態へ移行させる場合には、遊技区間制御手段80は、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、演出状態を第2AT演出状態から第1AT演出状態または非AT演出状態(チャンス演出状態)へ移行させることがあってもよい。
【0210】
図23に示すように、特定区間は、(1つの)有利区間が開始されてから、その有利区間における特定演出状態(第2AT演出状態)へ移行するよりも前の区間である。なお、本実施の形態では、特定区間の開始時点を有利区間の開始時点とするが、有利区間における最初の第1AT演出状態の開始時点を特定区間の開始時点としてもよい。
【0211】
特定区間は、指示機能に関する有利度合いが第2AT演出状態よりも低くなっている。具体的には、特定区間は、打順ナビ演出の発生頻度が第2AT演出状態よりも低くなっている。換言すると、特定区間は、メダル獲得率の期待値が第2AT演出状態よりも低くなっている。
【0212】
本実施形態の遊技機は、第1AT演出状態へ移行すると、第1AT演出状態の終了時に、特典付与手段82が所定のポイント(例えば10ポイント)の付与を決定する。特典付与手段82は、所定のポイントの付与を決定すると、記憶手段60のRAMに設けられたポイントカウンタ69に、付与するポイントに相当する所定値を設定(加算)する。このポイントカウンタ69の所定値はポイントが付与される度に所定値が加算され、更新されるようになっている。なお、ポイントカウンタ69の記憶値は、所定の契機で(例えば第2AT演出状態への移行を契機として)、リセットされて「0」となる。ポイントカウンタ69の記憶値は、第2AT演出状態や通常演出状態では増加することがなく、特定区間の開始時には「0」となっている。
【0213】
なお、第1AT演出状態における所定の契機(例えばレア役の当選に基づいて)で、特典付与手段82が、第2の実施の形態と同様のポイント付与抽選を行うこととしてもよい。すなわち、第1AT演出状態への移行に伴うポイントの付与と、ポイント付与抽選によるポイントの付与とが両方行われるようにしてもよい。
【0214】
本実施形態の遊技機は、設定値が高いほど(高設定であるほど)、指示機能に係る抽選(AT抽選、第1AT抽選、第2AT抽選、有利区間移行抽選等)において、第2AT演出状態への移行が決定される確率が高くなっている。換言すると、設定値が高いほど特定区間での遊技回数が比較的少ない回数で第2AT演出状態へ移行する確率が高くなっている。
図23(a)は、特定区間での遊技回数が比較的少ない回数で第2AT演出状態へ移行する場合を示している。特定区間での遊技回数が比較的少ないと、特定区間において第1AT演出状態へ移行する頻度が低くなり、
図23(a)の場合、特定区間における第1AT演出状態への移行回数が1回であるため、付与されたポイントが比較的少ないポイント(10ポイント)となっている。
【0215】
本実施形態の遊技機は、設定値が低いほど(低設定であるほど)、指示機能に係る抽選(AT抽選、第1AT抽選、第2AT抽選、有利区間移行抽選等)において、第2AT演出状態への移行が決定される確率が低くなっている(第1AT演出状態への移行の決定がされる確率が高くなっている)。換言すると、設定値が低いほど、特定区間での遊技回数が比較的多い回数で第2AT演出状態へ移行する確率が高くなっている。
図23(b)は、特定区間での遊技回数が比較的多い回数で第2AT演出状態へ移行する場合を示している。特定区間での遊技回数が比較的多いと、特定区間において第1AT演出状態へ移行する頻度が高くなり、
図23(b)の場合、特定区間における第1AT演出状態への移行回数が3回であるため、付与されたポイントが比較的多いポイント(合計30ポイント)となっている。
なお、特定区間において第1AT演出状態への移行が決定される確率は、設定1~設定6で同等であるか、或いは高設定ほど高くなっているが、特定区間での遊技回数が多くなるほど、第1AT演出状態へ移行する回数が多くなり、ポイントカウンタ69が示す値は比較的大きくなる。
【0216】
第2AT演出状態への移行が決定されると、指示機能制御手段51は、ポイントカウンタ69の示す値を、
図21で示した第2テーブルにおける特定区間での遊技回数の箇所が特定区間で付与されたポイントに置き換えられた第3テーブル(図示せず)と照合し、第2AT演出状態における利益を決定する。指示機能制御手段51は、ポイントカウンタ69の示す値が大きいほど、第2AT演出状態でのメダルの払出数(AT演出状態での遊技回数)を比較的多く設定する。また、指示機能制御手段51は、ポイントカウンタ69の示す値が小さいほど、第2AT演出状態でのメダルの払出数(AT演出状態での遊技回数)を比較的少なく設定する。
【0217】
具体的には、指示機能制御手段51は、ポイントカウンタ69の示す値が第1範囲内である場合、第2AT演出状態でのメダルの払出数を、第1払出数(例えば約150枚)とすることを決定する。すなわち、第2AT演出状態での遊技回数を第1AT遊技回数とすることを決定する。
【0218】
また、指示機能制御手段51は、ポイントカウンタ69の示す値が第2範囲内である場合、第2AT演出状態でのメダルの払出数を、第2払出数(例えば約300枚)とすることを決定する。すなわち、第2AT演出状態での遊技回数を第2AT遊技回数とすることを決定する。
【0219】
また、指示機能制御手段51は、ポイントカウンタ69の示す値が第3範囲内である場合、第2AT演出状態でのメダルの払出数を、第3払出数(例えば約500枚)とすることを決定する。すなわち、第2AT演出状態での遊技回数を第3AT遊技回数とすることを決定する。
【0220】
また、指示機能制御手段51は、ポイントカウンタ69の示す値が第4範囲内である場合、第2AT演出状態でのメダルの払出数を、第4払出数(例えば約800枚~約1000枚)とすることを決定する。なお、本実施の形態では、第4払出数のメダルが払い出されることとなる第2AT演出状態での遊技回数(第4AT遊技回数)を決定する。
【0221】
本実施形態の遊技機では、ポイントカウンタ69の示す値応じて決定される第1AT遊技回数~第4AT遊技回数に応じた回数の遊技が、1回の(一連の)第2AT演出状態で付与されるようになっている。なお、その詳細については、第2AT演出状態を、第2の実施の形態におけるAT演出状態と同様に考えればよい。
【0222】
なお、本実施形態では、指示機能制御手段51が、ポイントカウンタ69の示す値に基づいて第2AT演出状態における利益を決定するものとしたが、第2の実施の形態と同様に、特定区間遊技数カウンタ66の示す値に基づいて第2AT演出状態における利益を決定するものとしてもよい。
【0223】
本実施形態によれば、第2の実施の形態と同様に、設定値が高いほど、特定区間における遊技回数が比較的少ない段階でAT演出状態へ移行する確率が高くなっているため、設定値が高いほど(高設定であるほど)特定演出状態(AT演出状態)へ移行しやすく、メダルを獲得しやすい。この場合、(1)高設定について出玉が多くなり過ぎてしまうおそれがあるが、本実施形態の遊技機では、特定区間での遊技回数が比較的少ないと、特定演出状態での遊技回数が比較的少なくなるように設定されているため、出玉性能(メダルの獲得性能)が過大となるのを防止できる。また、(2)低設定について出玉が比較的少なくなり過ぎてしまうおそれがあるが、本実施形態の遊技機では、特定区間での遊技回数が比較的多いと、特定演出状態での遊技回数が比較的多くなるため、出玉性能(メダルの獲得性能)が過小となるのを防止できる。すなわち、出玉性能を適切に設定することができる。
【0224】
なお、前述した各実施形態では、スロットマシン100として遊技媒体(メダル)を使用するものを示したが、スロットマシン100は、遊技媒体を使用せずに遊技を行うことが可能な遊技機(いわゆるメダルレス遊技機)であってもよい。このメダルレス遊技機では、メダル等の遊技媒体が、電子化された情報(電子情報)によって管理され、この電子情報によってベットや払い出しが行われる。すなわち、メダル等の遊技媒体を使用せずに遊技を行うことが可能である。本実施の形態では、メダル等の遊技媒体と、遊技媒体が電子化された電子情報とを含む概念を、遊技価値とする。
【0225】
なお、本発明は、前述した各実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、スロットマシンの遊技制御形態および構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、前述した制御動作は、スロットマシンに限らず、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等の他の遊技機にも適用できる。本発明は、遊技機に適用でき、遊技機には、スロットマシン、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等が含まれる。
【0226】
なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0227】
47 設定変更手段
51 指示機能制御手段
80 遊技区間制御手段
81 演出状態制御手段