(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】機能性先端部を有する低侵襲心臓アブレーション用の冷凍プローブと、冷凍プローブを制御する方法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/02 20060101AFI20231226BHJP
【FI】
A61B18/02
(21)【出願番号】P 2022102651
(22)【出願日】2022-06-27
【審査請求日】2022-09-08
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】522256956
【氏名又は名称】メディナイス エス・アー
【氏名又は名称原語表記】Medinice S.A.
【住所又は居所原語表記】ul. Hankiewicza 2 02-103 Warszawa Poland
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】スヴァルスキ ピョートル
【審査官】羽月 竜治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0251121(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0043729(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0254606(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0100827(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0141810(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0114843(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能性先端部を有する低侵襲心臓アブレーション用の冷凍プローブであって、
ハンドル(5)と、
内部を流れる液体ガスによって冷却される第1の先端部(1)と、
少なくとも1つの機能性先端部(2)と
を備え、
前記機能性先端部(2)が、前記第1の先端部(1)に対して移動可能であり、その端部(4)に、
組織の物理量を測定し、それに基づいて前記組織の温度を決定する温度測定システム(6)を有し、一方、前記第1の先端部(1)が、前記機能性先端部(2)を制御するための少なくとも1つのボタン(3)を備えた前記ハンドル(5)に取り付けられ、前記第1の先端部(1)および少なくとも1つの機能
性先端部(2)の両方が、形状を塑性変形
可能な部分を有しており、少なくとも1つの機能性先端部(2)が、形状を塑性変形
可能な中央部分、およびその端部に
前記中央部分よりも剛性の高い高剛性部分を有し、前記第1の先端部(1)が、その端部に、形状を塑性変形
可能な部分を有し、前記第1の先端部(1)の
前記端部以外の残りの部分
は前記端部よりも剛性が高
く、前記第1の先端部(1)と前記機能性先端部(2)とは分離可能で異なる形状に構成されていることを特徴とする冷凍プローブ。
【請求項2】
前記機能性先端部(2)が、前記第1の先端部(1)にヒンジ式に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の冷凍プローブ。
【請求項3】
前記機能性先端部(2)が、前記第1の先端部(1)に
ばねによって
弾性的に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の冷凍プローブ。
【請求項4】
前記機能性先端部(2)が、レバー機構を用いて、ボタン(3)によって制御されるように構
成されることを特徴とする、請求項1、2、又は3に記載の冷凍プローブ。
【請求項5】
前記機能性先端部(2)が、回転機構を用いて、ボタン(3)によって制御されるように構成および調節されることを特徴とする、請求項1、2、又は3に記載の冷凍プローブ。
【請求項6】
前記機能性先端部(2)が、張力付与機構を用いて、ボタン(3)によって制御されるように構成および調節されることを特徴とする、請求項1、2、又は3に記載の冷凍プローブ。
【請求項7】
前記機能性先端部(2)が、電気アクチュエータを用いて、ボタン(3)によって制御されるように構成および調節されることを特徴とする、請求項1、2、又は3に記載の冷凍プローブ。
【請求項8】
前記機能性先端部(2)が、空気圧アクチュエータを用いて、ボタン(3)によって制御されるように構成および調節されることを特徴とする、請求項1、2、又は3に記載の冷凍プローブ。
【請求項9】
前記機能性先端部(2)の
引き込み及び又は引き離しを制御するための制御器を有することを特徴とする、請求項7又は8に記載の冷凍プローブ。
【請求項10】
前記機能性先端部を前記第1の先端部の方向に押圧する
ばねを有することを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の冷凍プローブ。
【請求項11】
前記第1の先端部(1)が、
加熱要素によって前記第1の先端部(1)の表面を加熱す
るシステムを有することを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の冷凍プローブ。
【請求項12】
前記組織用の前記温度測定システム(6)が、熱電対および/または半導体センサを備えることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の冷凍プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的は、組織の外側でアブレーションのパラメータを制御するための、機能性先端部を有する低侵襲心臓アブレーション用の冷凍プローブである。
【背景技術】
【0002】
米国特許出願公開第20110087205(A1)号および米国特許出願公開第20140200567(A1)号は、患者の肺静脈に隣接する標的組織の切断によるアブレーションのためのシステム、装置、および方法を開示している。アブレーション装置は、カムアセンブリを備えるヒンジと、可動アームと、可動ジョーと、下側ジョーとを有する。ジョーの制御は、片手で持つハンドルによって行われる。ジョーは、センサと組織アブレーションに必要なエネルギーを伝達するための要素とを装備する。これらの文献に記載されている器具は、高剛性の加工用先端部および高剛性のジョーを有し、それらを手術時に望ましい形状に成形および調節することができない。このため、温度測定の精度が下がり、アブレーション・プロセスの範囲が広がり、これは、隣接する組織にとって好ましくない。
【0003】
米国特許出願公開第20200000511(A1)号は、心臓アブレーション用の冷凍プローブを開示しており、この冷凍プローブは、ハンドル、制御ボタン、および2つの先端部を備え、2つの先端部のうちの一方は他方に対して移動可能である。先端部は、高剛性部分と組織の形状に合わせることが可能な可撓性部分とを有する。この文献に開示された先端部は、所定の形状を有しており、可撓性があり回転する。アブレーションは、処置時間を短縮するために、心臓組織の両側で同時に行われる。この文献に記載された器具はセンサを有しておらず、組織の温度を測定しない。アブレーション中には、必要以上に多くの細胞が凍結される。
【0004】
文献CN209253102Uは、既に論じた文献に開示されたものと同様の解決策を開示している。ここでは、それは、心臓アブレーション用の冷凍プローブを含み、この冷凍プローブは、2つの高剛性先端部を有し、そのうちの一方は、組織の内部に導入される冷却先端部であり、他方は、組織の外側に当てられる測定先端部である。先端部が高剛性であることにより、処置中に成形することができない。その結果、組織の不必要な部分が凍結されることになり、またはアブレーションの必要な部位に到達することができない場合、組織が余分に切除されることになる。このため、この装置によって行われるアブレーションは侵襲性が高い。
【0005】
本発明の目的は、上記の欠点がなく、アブレーションを受けない組織への損傷を低減するために、正確なアブレーションをできるだけ短時間で行うための冷凍プローブである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、処置を行う時間を短縮することができる冷凍プローブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による、機能性先端部を有する低侵襲心臓アブレーション用の冷凍プローブは、ハンドルと、組織を凍結させることによって破壊するための冷却システムを有する第1の先端部と、少なくとも1つの機能性先端部とを備える。ここで、機能性先端部は、第1の先端部に対して移動可能であり、その端部に、第1の先端部によって破壊される組織用の少なくとも温度測定システムを有する。第1の先端部は、機能性先端部を制御するための少なくとも1つのボタンを備えたハンドルに取り付けられる。第1の先端部および少なくとも1つの機能性先端部の両方は、形状を塑性変形させやすい部分を有する。本発明による冷凍プローブは、少なくとも1つの機能性先端部が、形状を塑性変化させやすい中央部、およびその端部に高剛性部分を有し、第1の先端部が、その端部に、形状を塑性変化させやすい部分を有し、第1の先端部の残りの部分の剛性が高いことを特徴とする。
【0008】
機能性先端部は、第1の先端部にヒンジ式に取り付けられていることが好ましい。
【0009】
機能性先端部は、第1の先端部に弾性要素によって恒久的に取り付けられていることが好ましい。
【0010】
機能性先端部は、レバー機構を用いて、ボタンによって制御されるように構成および調節されることが好ましい。
【0011】
機能性先端部は、回転機構を用いて、ボタンによって制御されるように構成および調節されることが好ましい。
【0012】
機能性先端部は、張力付与機構を用いて、ボタンによって制御されるように構成および調節されることが好ましい。
【0013】
機能性先端部は、電気アクチュエータを用いて、ボタンによって制御されるように構成および調節されることが好ましい。
【0014】
機能性先端部は、空気圧アクチュエータを用いて、ボタンによって制御されるように構成および調節されることが好ましい。
【0015】
冷凍プローブは、機能性先端部の動きを自動または半自動で制御するための制御器を有することが好ましい。
【0016】
冷凍プローブは、機能性先端部を第1の先端部の方向に押圧するための弾性要素を有することが好ましい。
【0017】
凍結された組織から第1の先端部の凍結を解除する時間を短縮するために、第1の先端部は、第1の先端部の表面を加熱するためのシステムを有することが好ましい。
【0018】
組織用の温度測定システムは、熱電対および/または半導体センサを備えることが好ましい。
【0019】
本発明はまた、次のステップを含むことを特徴とする、冷凍プローブを制御するための方法を含む。
a)前もって成形された第1の先端部を組織の内側部分に配置するステップ
b)所与の厚さの組織を破壊するのに必要な所定の時間の間、組織を破壊するためのシステムを作動させるステップ
c)前もって成形された移動可能な先端部の端部を、第1の先端部が組織を破壊している場所に当てるステップ
d)破壊される組織の物理量を測定するステップ
e)組織の破壊を示す物理量の限界値を超えたことを検出するステップ
f)組織が破壊された場所から端部を引き離すステップ
g)組織を破壊するためのシステムを停止するステップ
h)組織の内側部分から第1の先端部を取り外すステップ
【0020】
本方法は、機能性先端部の動きを自動または半自動で制御するための制御器を有する冷凍プローブを用いるが、ステップf)および/またはステップg)が自動的に行われることが好ましい。
【0021】
次に、添付図面を参照して、本発明を好ましい実施形態で提示する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図3】弾性要素7によって機能性先端部2を押圧する機構の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
冷凍アブレーションでは、マイナスの温度を用いて心臓の電気パルスの伝導不良の原因となる組織の断片を正確に殺す。心房細動の原因除去に、低温を用いたアブレーションが最も広く使用されている。細胞を殺すためには、組織の温度は摂氏-40度より低くしなければならない。この治療法では、冷凍アブレーションの有効性は80パーセントにも達する。
【0024】
冷凍アブレーションは、心臓の組織が完全に凍結される場合に有効である。心臓の壁が完全には凍結されず、恒久的な細胞の壊死が生じない場合には、細胞に導電性ブリッジが形成され、心房細動を除去する代わりに、さらに細動を強める場合がある。心臓の壁が完全に凍結されているかどうかということに関する不確実性を排除するために、凍結組織の両側で同時に温度を能動的に測定する設計の必要性が注目されている。
【0025】
冷凍アブレーション処置では、非常に重要な要素は、処置中の心膜温度の測定である。例えば、冷凍プローブが心臓組織に十分に接触していないことによって、冷凍プローブのみでの温度測定では十分でない場合がある。接触が不十分な場合、冷凍プローブで測定された温度は細胞を殺すのに十分であるが、心臓の外側の温度は細胞死温度より下がっていない場合があり、その場合には細胞の壊死を引き起こさない。
【0026】
好ましい実施形態では、本装置は、組織を凍結させて破壊するための冷却システムを有する第1の先端部1を備えたハンドル5を有する冷凍プローブから構成される。このシステムは、先端部1の内部を流れる液体ガス、好ましくは窒素、ヘリウム、水素のエネルギーを使用する。加えて、冷凍プローブは、移動可能な機能性先端部2を有し、この移動可能な機能性先端部2は、先端部1に対して移動可能である。その端部4には、温度計の形態の温度測定システム6が設けられている。先端部2は、先端部1に枢動可能でヒンジ式に取り付けられ、先端部1は、冷却および移動可能な先端部2を制御するためのボタン3を備えたハンドル5を有する。温度測定システム6は、物理量の測定を行い、それに基づいて組織温度が決定される。採用される温度測定方法に応じて、以下の測定、すなわち、2つの異なる金属の接触部における電圧、要素の抵抗の変化、半導体コネクタのパラメータの変化、身体の熱放射パラメータ、例えばパイロメータ、色の変化-視覚的な温度計の測定が用いられる。
【0027】
好ましい実施形態では、温度測定システム6は、熱電対、例えばタイプKの熱電対で構成される。システム6は、熱電対コネクタの電圧を測定する。タイプKの熱電対は、約36℃の温度を有する生きている組織に対して約16.5mV、組織のアブレーション温度として実施形態で想定される-80℃の温度に対して約-20mVのコネクタ電圧を受け取る。他のタイプの熱電対も適用可能な場合があり、その場合、その電圧および温度特性は異なる場合があり、コネクタのタイプ、その組成、および寸法に依存する場合がある。
【0028】
別の好ましい実施形態では、サーミスタがシステム6として用いられ、これは、可変の抵抗温度特性を有する抵抗器を意味する。測定される物理量は抵抗である。様々な温度に対するサーミスタの抵抗は規格化されている。好ましい実施形態における-80℃のアブレーション温度に対して、Pt100白金サーミスタの抵抗は68.33Ωであり、生きている組織の温度36℃に対して、この抵抗は約112Ωである。
【0029】
別の実施形態では、システム6として半導体温度計、好ましくはツェナーダイオードを有するシステムが用いられる。測定される量はダイオードのブレークダウン電圧であり、これはコネクタの温度に対して約10mV/Kで比例し、好ましい実施形態では、25℃の温度に対して-3.4Vである。1.2~200Vの範囲内でブレークダウン電圧の様々な値を有し、ブレークダウン電圧の値に対するコネクタ温度の様々な比率を有するツェナーダイオードが知られている。
【0030】
代替の実施形態では、目盛り付き光学システムおよび検出器による組織の放射エネルギーの測定が用いられる。この測定では、800~1200nmの波長範囲内の近赤外線検出器を使用する。
【0031】
両方の先端部には、形状を塑性変形させやすい部分がある。アブレーションを受ける組織の形状を知ると、操作者は必要に応じて先端部の可塑性部分を成形することができる。先端部1は、凍結される組織の内側形状を複製するために、その端部が成形される。その可塑性端部における先端部1は、塑性変形しやすい材料、好ましくはアルミニウムまたは銅の合金で作られる。別の好ましい実施形態では、先端部1の可塑性端部は、塑性変形しにくい材料、例えば鋼で作られるが、例えば一連の切断によって適切に弱くされ、またはばね、薄い覆い、管の形態に折り曲げられたリボン、または弾性蛇腹の形態に成形される。機能性先端部2はその中央部分において、その中央部分が、アブレーションを受けない組織の外側部分、およびアブレーションの場所までの途中にあり得る障害物を迂回し、同時に、機能性先端部2の高剛性端部4を、アブレーションを受ける組織とその外側から機械的に接触させるように成形される。このような分離可能で異なる形状の先端部により、先端部1の端部が、内側から凍結される組織と確実に機械的に接触することができ、それによって、アブレーションの精度が向上し、凍結組織へのエネルギーの伝達が最大化される。同時に、組織を凍結させる場所に機能性先端部2の端部4を正確に確実に接触させ、この組織の正確な測定を可能にする。機能性先端部2のこのような形状により、組織との接触を最小限にすることができ、温度を離散的に測定することができる。かなり高い温度を有する、アブレーションを受けない組織に先端部が触れないことにより、測定はより正確で速い。そのため、高剛性アームがアブレーションを受ける組織と受けない組織とに接触して測定が行われる場合よりも、組織を凍結させるプロセスを早く終わらせることができる。
【0032】
測定が迅速で正確であることにより、組織を冷却する時間を短縮することができ、アブレーションの領域を超えて組織を破壊する必要のない場所まで低温が伝播する時間を短縮することができる。アブレーションを受けない組織に対しては、処置時間が短縮されることは望ましい。
【0033】
機能性先端部2は可塑性であり、冷凍プローブの先端部1の凍結部に対して任意の位置に配置することができる。可塑性とは、その形状を変えて、その形状を保持することができることを意味する。
【0034】
好ましい実施形態では、弾性要素7、例えば金属ばねが機構内に配置され、それが一定の力で測定先端部を組織に対して押圧する。
【0035】
別の好ましい実施形態では、機能性先端部2は、ヒンジの代わりに弾性要素によって取り付けられる。
【0036】
機能性先端部2の制御は、レバー機構、回転機構、または張力付与機構によって実現される。別の好ましい実施形態では、機能性先端部2は、電気アクチュエータ、例えば電気モータまたは電磁石によって、あるいは空気圧アクチュエータ、例えば空気圧シリンダによって制御することができる。
【0037】
機能性先端部およびアブレーション・プロセスは、ボタン3を用いて手動で、または自動で制御される。手動制御の場合、操作者は、アブレーションを受ける組織の厚さおよび種類を知って、アブレーションを行うのに必要な時間、すなわち、ある体積の細胞を適切に低い温度の冷却剤によって適切に低い温度に冷却するのに必要な時間を決定または計算しなければならない。この種の計算は、アブレーションを行う人々には知られている。
【0038】
好ましい実施形態では、冷凍プローブは、先端部1の凍結部分を加熱する追加のシステムを有する。アブレーションを完了すると、先端部1は、組織に凍結して取り外すことが不可能になる、または、取り外そうとするとそれに凍結した組織を損傷する。操作者がアブレーションを終えた瞬間に作動される加熱要素が、先端部1の表面を加熱し、組織から凍結を解除し、器具を安全に取り外すことができる。
【0039】
好ましい実施形態では、冷凍プローブは制御器を有し、この制御器によって、機能性先端部2の作動部の動きが制御される。この制御は、自動的または半自動的に進むことができる。半自動的な動作とは、操作者が機能的先端部2を組織の方へ引き込み、自動システムが引き離し機構を作動させるようなものである。
【0040】
制御器が引き込みおよび引き離しを行うことを意味する自動的な動作とは、アブレーション・プロセスの開始後、制御器がその時間を測定し、組織が完全に凍結するのに近いと予想される所定の時間または計算された時間が経過すると、機能性先端部2を凍結する場所に引き込み、測定を行い、所望の温度に達するまで待機するようなものである。所望の組織の温度に達すると、制御器は機能的先端部2を引き離す。代替の実施形態では、冷却は、機能性先端部2を引き離した後に停止され、その後、冷却先端部1の加熱が起動される。冷却先端部1は、凍結した組織よりも早く加熱され、それにより、安全に凍結が解除され、器具は組織からいつでも取り外せるようになる。加えて、自動的な動作は、アブレーションの時間を短縮するが、それは、凍結される組織および冷却剤の種類についてのデータを入れる必要がある。
【0041】
手動および自動で行われるアブレーションのパラメータは、既知の経験的および数学的モデル、ならびに実験データを用いて、処置の前に当業者によって設定される。
【0042】
好ましい実施形態は、心筋組織のアブレーションについて言及している。これに代えて、好ましくは、それらは他の組織または細胞群とすることができる。