(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】空調衣服
(51)【国際特許分類】
A41D 13/002 20060101AFI20231226BHJP
【FI】
A41D13/002 105
(21)【出願番号】P 2023017139
(22)【出願日】2023-02-07
【審査請求日】2023-02-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509343909
【氏名又は名称】株式会社金星
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 智直
(72)【発明者】
【氏名】丹井 涼太
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 悠太
(72)【発明者】
【氏名】孫 嘉
(72)【発明者】
【氏名】小島 慶紀
(72)【発明者】
【氏名】石井 一史
【審査官】西尾 元宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-133818(JP,A)
【文献】特開2005-016419(JP,A)
【文献】特開2022-092352(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/002
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者に着用された状態において前記着用者との間に存在する内側の空間を空調するための空調衣服であって、
前記着用者に着用可能である衣服本体と、
前記衣服本体に設けられるとともに、空調ファンユニットを脱着可能な取付部と、
前記空調衣服の外部から外気を吸気するための吸気口部及び前記空調衣服の内部に気流を排気するための排気口部を有する空調ファンユニットと、を備え、
前記空調ファンユニットは、
前記吸気部、及び、吸気用筒状部として前記吸気口部と前記排気口部との間に位置する一端及び他端を有する第1筒状部を含み、前記空調衣服の外側に取り付けられる吸気用ケーシングと、
前記排気口部、及び、排気用筒状部として前記吸気口部と前記排気口部との間に位置する一端及び他端を有する第2筒状部を含み、前記空調衣服の内側に取り付けられる排気用ケーシングと、
前記第1筒状部と前記第2筒状部とにより囲まれる空間に収納されるファン部であって、回転中心線を中心として回転することで、前記吸気口部から前記排気口部に向けて気流を発生するように設けられた複数のフィンを有するファン部と、を備え、
前記第1筒状部において、
前記第1筒状部の側面に設けられた第1固定機構を有し、
前記第2筒状部において、
前記第2筒状部の側面を取り囲むように設けられたフランジと、
前記第2筒状部の側面において、前記フランジと前記第2筒状部の前記他端との間に位置するように設けられた第2固定機構と、を有し、
前記第2筒状部の前記回転中心線の方向において、前記フランジから前記第2筒状部の前記他端までの長さは、予め規定された設定値以上であり、
前記設定値は、5mmであり、
前記第1筒状部の前記他端から前記第1筒状部の内側に、前記第2筒状部の前記他端を予め設定された挿入位置まで挿入した状態で、前記第1固定機構と前記第2固定機構とが固定されることにより、前記第1筒状部と前記第2筒状部とが固定され、且つ、前記空調衣服の取付部を、前記第1筒状部の前記他端と前記第2筒状部の前記フランジで挟むことで、前記空調衣服の取付部に前記空調ファンユニットが取付られる
ことを特徴とする空調衣服。
【請求項2】
前記第1固定機構は、前記第1筒状部の内側面に設けられており、
前記フランジは、前記第2筒状部の外側面を取り囲むように設けられており、
前記第2固定機構は、前記第2筒状部の外側面において、前記フランジと前記第2筒状部の前記他端との間に位置するように設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の空調衣服。
【請求項3】
前記第1筒状部の前記一端は、前記吸気口部に接続され、且つ、前記第1筒状部の前記他端は、開口しており、
前記第2筒状部の前記一端は、前記排気口部に接続され、且つ、前記第2筒状部の前記他端は、開口している
ことを特徴とする請求項2に記載の空調衣服。
【請求項4】
前記排気用ケーシングに対して前記吸気用ケーシングを相対的に回転させることで、前記第1固定機構と前記第2固定機構とが固定されることにより、前記吸気用ケーシングと前記排気用ケーシングとが固定され、且つ、前記ファン部が前記吸気用ケーシングと前記排気用ケーシングとで囲まれる空間に収納される
ことを特徴とする請求項1に記載の空調衣服。
【請求項5】
前記第1固定機構は、前記吸気用筒状部の内側面に設けられた第1ねじ山であり、
前記第2固定機構は、前記排気用筒状部の外側面において、前記フランジと前記排気用筒状部の前記他端との間に位置するように設けられた第2ねじ山である
ことを特徴とする請求項4に記載の空調衣服。
【請求項6】
前記吸気用ケーシングと前記排気用ケーシングとが固定された状態において、前記吸気用筒状部と前記排気用筒状部とは、前記回転中心線を中心に延在するように配置されている
ことを特徴とする請求項5に記載の空調衣服。
【請求項7】
前記吸気用ケーシングと前記排気用ケーシングとが固定された状態において、前記空調衣服の取付部を、前記吸気用ケーシングの前記吸気用筒状部の前記他端と前記排気用ケーシングの前記排気用筒状部の前記フランジで挟むことで、前記空調衣服の取付部に前記空調ファンユニットが取付られる
ことを特徴とする請求項6に記載の空調衣服。
【請求項8】
前記吸気用筒状部の前記他端から前記吸気用筒状部の内側に、前記排気用筒状部の前記他端を前記挿入位置まで挿入した状態で、前記排気用ケーシングに対して前記吸気用ケーシングを相対的に回転させることで、前記第1ねじ山と前記第2ねじ山とが噛み合うことにより、前記吸気用ケーシングと前記排気用ケーシングとが螺着される
ことを特徴とする請求項7に記載の空調衣服。
【請求項9】
前記吸気用筒状部の前記他端から前記吸気用筒状部の内側に、前記排気用筒状部の前記他端を前記挿入位置まで挿入した状態で、前記排気用ケーシングに対して前記吸気用ケーシングを1回転以内の螺着用回転角度で相対的に回転させることで、前記第1ねじ山と前記第2ねじ山とが噛み合うことにより、前記吸気用ケーシングと前記排気用ケーシングとが螺着される
ことを特徴とする請求項8に記載の空調衣服。
【請求項10】
前記第1ねじ山は、前記吸気用筒状部の前記他端から前記一端に向かって螺旋して延在するように、前記吸気用筒状部の内側面に設けられ、
前記第2ねじ山は、前記排気用筒状部の前記他端から前記フランジに向かって螺旋して延在するように、前記排気用筒状部の外側面に設けられ、
前記吸気用ケーシングと前記排気用ケーシングとが螺着された状態では、前記第1ねじ山が前記フランジと前記第2ねじ山との間に位置し且つ前記第1ねじ山と前記第2ねじ山とが当接することで、前記第1ねじ山と前記第2ねじ山とが噛み合っている、
ことを特徴とする請求項8に記載の空調衣服。
【請求項11】
前記吸気用筒状部の内側面の前記他端の近傍において、前記第1ねじ山は、前記吸気用筒状部の前記他端側に曲がるように傾斜しており、又は、
前記排気用筒状部の外側面の前記他端の近傍において、前記第2ねじ山は、前記排気用筒状部の前記他端側に曲がるように傾斜している
ことを特徴とする請求項10に記載の空調衣服。
【請求項12】
前記第1ねじ山は、前記吸気用筒状部の内側面に2個設けられ、
前記第2ねじ山は、前記排気用筒状部の外側面に2個設けられている
ことを特徴とする請求項10に記載の空調衣服。
【請求項13】
前記2個の前記第1ねじ山のうち一方は、前記吸気用筒状部の内側面において、前記回転中心線を中心として、前記2個の前記第1ねじ山のうちの他方とは反対側の位置に配置されており、
前記2個の前記第2ねじ山のうち一方は、前記排気用筒状部の外側面において、前記回転中心線を中心として、前記2個の前記第2ねじ山のうちの他方とは反対側の位置に配置されている
ことを特徴とする請求項12に記載の空調衣服。
【請求項14】
前記吸気用筒状部の前記第1ねじ山が設けられた領域の内径は、前記排気用筒状部の前記第2ねじ山が設けられた領域の外径よりも、大きいことを特徴とする請求項13に記載の空調衣服。
【請求項15】
前記吸気用筒状部の前記他端から前記吸気用筒状部の内側に、前記排気用筒状部の前記他端を前記挿入位置まで挿入する場合に、
前記第1ねじ山が、前記排気用筒状部の外側面の前記第2ねじ山が形成されていない領域を、通過し、且つ、前記第2ねじ山が、前記吸気用筒状部の内側面の前記第1ねじ山が形成されていない領域を、通過する
ことを特徴とする請求項14に記載の空調衣服。
【請求項16】
前記排気口部には、排気する気流の方向を調整するリブが設けられていることを特徴とする請求項7に記載の空調衣服。
【請求項17】
前記排気口部の前記リブの向きは、前記排気口部から排出される気流の向きが前記回転中心線に対して傾くように、傾いている
ことを特徴とする請求項16に記載の空調衣服。
【請求項18】
前記吸気用ケーシングの前記吸気用筒状部の外側面には、前記着用者の指を引っかけるための突起部が設けられている
ことを特徴とする請求項6に記載の空調衣服。
【請求項19】
前記突起部は、前記吸気用筒状部の前記一端から前記他端に向けて延在する線状の突起部である
ことを特徴とする請求項18に記載の空調衣服。
【請求項20】
前記排気用ケーシングの前記排気用筒状部の外側面には、前記着用者の指を引っかけるための突起部が設けられている
ことを特徴とする請求項19に記載の空調衣服。
【請求項21】
前記突起部は、前記排気用筒状部の前記一端から前記他端に向けて延在する線状の突起部である
ことを特徴とする請求項20に記載の空調衣服。
【請求項22】
前記吸気用ケーシングの前記吸気用筒状部の外側面は、前記吸気用筒状部の前記他端から前記一端に向けて前記吸気用筒状部の外形が細くなるように傾斜している
ことを特徴とする請求項6に記載の空調衣服。
【請求項23】
前記吸気用ケーシングの前記吸気用筒状部の前記一端の外径は、前記吸気用筒状部の前記他端の外径よりも、小さいことを特徴とする請求項22に記載の空調衣服。
【請求項24】
前記排気用ケーシングに収納され、前記ファン部を駆動して、前記回転中心線を中心として前記ファン部の前記フィンを回転させる駆動部を備える
ことを特徴とする請求項9に記載の空調衣服。
【請求項25】
前記駆動部は、モータであることを特徴とする請求項24に記載の空調衣服。
【請求項26】
前記排気用ケーシングは、前記排気口部に設けられ、前記駆動部を支持する支持部をさらに備える
ことを特徴とする請求項25に記載の空調衣服。
【請求項27】
前記排気用ケーシングは、
前記支持部に設けられ、前記駆動部に電源から電力を供給するための配線を接続するための接続部をさらに備える
ことを特徴とする請求項26に記載の空調衣服。
【請求項28】
前記電源は、前記空調衣服に配置されたバッテリーであることを特徴とする請求項27に記載の空調衣服。
【請求項29】
前記排気用ケーシングの前記フランジは、前記空調衣服の取付部に取付られた場合における方向を前記着用者が確認するための方向表示部が設けられている
ことを特徴とする請求項17に記載の空調衣服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調衣服が着用者に着用された状態において当該着用者と空調衣服との間に存在する内側の空間を空調するための空調ファンユニット、及び、当該空調ファンユニットが取り付けられた空調衣服に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電動の空調ファンユニットを備えた空調衣服であって、この空調ファンユニットの作動により外気を衣服本体の内側に取り込むことによって身体の冷却を図るように構成された、空調衣服が知られている。このような空調衣服は、高温環境の室内外で作業を行う作業者(着用者)の体温上昇を抑制することができ、夏季の熱中症対策としても有効である。
【0003】
ここで、例えば、このような従来の空調ファンユニットは、ユニット本体に対して取付部材を複数回相対的に回転させることで、空調衣服に取り付けた場合、当該空調衣服の内側に空調ファンユニットの排出口側が突出すような構造になっている。
【0004】
このため、従来の空調衣服の内側において、空調ファンユニットの排出口側が、着用者の身体と接触して着用者に不快感を与えることがある。
【0005】
さらには、従来の空調ファンユニットの排出口と着用者の身体とが近くなるため、空調ファンユニットの排出口から出力される空気の流れが妨げられて空調効率が低下することがある。
【0006】
以上のように、上記従来技術の空調ファンユニットでは、空調衣服に取り付けた場合における、着用者の不快感を低減しつつ、空調効率を向上できない問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み、空調衣服に取り付けた場合における、着用者の不快感を低減しつつ、空調効率の向上を図ることが可能な空調ファンユニットおよび当該空調ファンユニットを取り付けた空調衣服を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る実施形態に従った空調ファンユニットは、
着用者に着用された状態において前記着用者との間に存在する内側の空間を空調するための空調衣服に取り付けられて適用され、前記空調服の外部から外気を吸気するための吸気口部及び前記空調衣服の内部に気流を排気するための排気口部を有する空調ファンユニットであって、
前記吸気口部と前記排気口部との間に位置する一端及び他端を有する第1筒状部と、
前記吸気口部と前記排気口部との間に位置する一端及び他端を有する第2筒状部と、
前記第1筒状部と前記第2筒状部とにより囲まれる空間に収納されるファン部であって、回転中心線を中心として回転することで、前記吸気口部から前記排気口部に向けて気流を発生するように設けられた複数のフィンを有するファン部と、を備え、
前記第1筒状部において、
前記第1筒状部の側面に設けられた第1固定機構を有し、
前記第2筒状部において、
前記第2筒状部の側面を取り囲むように設けられたフランジと、
前記第2筒状部の側面において、前記フランジと前記第2筒状部の前記他端との間に位置するように設けられた第2固定機構と、を有し、
前記第1筒状部の前記他端から前記第1筒状部の内側に、前記第2筒状部の前記他端を予め設定された挿入位置まで挿入した状態で、前記第1固定機構と前記第2固定機構とが固定されることにより、前記第1筒状部と前記第2筒状部とが固定され、且つ、前記空調衣服の取付部を、前記第1筒状部の前記他端と前記第2筒状部の前記フランジで挟むことで、前記空調衣服の取付部に前記空調ファンユニットが取付られる
ことを特徴とする。
【0010】
前記空調ファンユニットにおいて、
前記第2筒状部の前記回転中心線の方向において、前記フランジから前記第2筒状部の前記他端までの長さは、予め規定された設定値以上である
ことを特徴とする。
【0011】
前記空調ファンユニットにおいて、
前記設定値は、5mmである。
【0012】
前記空調ファンユニットにおいて、
前記第1固定機構は、前記第1筒状部の内側面に設けられており、
前記フランジは、前記第2筒状部の外側面を取り囲むように設けられており、
前記第2固定機構は、前記第2筒状部の外側面において、前記フランジと前記第2筒状部の前記他端との間に位置するように設けられている
ことを特徴とする。
【0013】
前記空調ファンユニットにおいて、
前記第1筒状部の前記一端は、前記吸気口部に接続され、且つ、前記第1筒状部の前記他端は、開口しており、
前記第2筒状部の前記一端は、前記排気口部に接続され、且つ、前記第2筒状部の前記他端は、開口している
ことを特徴とする。
【0014】
前記空調ファンユニットにおいて、
前記吸気口部及び吸気用筒状部として前記第1筒状部を含み、前記空調衣服の外側に取り付けられる吸気用ケーシングと、前記排気口部及び排気用筒状部として前記第2筒状部を含み、前記空調衣服の内側に取り付けられる排気用ケーシングと、を備える
ことを特徴とする。
【0015】
前記空調ファンユニットにおいて、
前記排気用ケーシングに対して前記吸気用ケーシングを相対的に回転させることで、前記第1固定機構と前記第2固定機構とが固定されることにより、前記吸気用ケーシングと前記排気用ケーシングとが固定され、且つ、前記ファン部が前記吸気用ケーシングと前記排気用ケーシングとで囲まれる空間に収納される
ことを特徴とする。
【0016】
前記空調ファンユニットにおいて、
前記第1固定機構は、前記吸気用筒状部の内側面に設けられた第1ねじ山であり、
前記第2固定機構は、前記排気用筒状部の外側面において、前記フランジと前記排気用筒状部の前記他端との間に位置するように設けられた第2ねじ山である
ことを特徴とする。
【0017】
前記空調ファンユニットにおいて、
前記吸気用ケーシングと前記排気用ケーシングとが固定された状態において、前記吸気用筒状部と前記排気用筒状部とは、前記回転中心線を中心に延在するように配置されている
ことを特徴とする。
【0018】
前記空調ファンユニットにおいて、
前記吸気用ケーシングと前記排気用ケーシングとが固定された状態において、前記空調衣服の取付部を、前記吸気用ケーシングの前記吸気用筒状部の前記他端と前記排気用ケーシングの前記排気用筒状部の前記フランジで挟むことで、前記空調衣服の取付部に前記空調ファンユニットが取付られる
ことを特徴とする。
【0019】
前記空調ファンユニットにおいて、
前記吸気用筒状部の前記他端から前記吸気用筒状部の内側に、前記排気用筒状部の前記他端を前記挿入位置まで挿入した状態で、前記排気用ケーシングに対して前記吸気用ケーシングを相対的に回転させることで、前記第1ねじ山と前記第2ねじ山とが噛み合うことにより、前記吸気用ケーシングと前記排気用ケーシングとが螺着される
ことを特徴とする。
【0020】
前記空調ファンユニットにおいて、
前記吸気用筒状部の前記他端から前記吸気用筒状部の内側に、前記排気用筒状部の前記他端を前記挿入位置まで挿入した状態で、前記排気用ケーシングに対して前記吸気用ケーシングを1回転以内の螺着用回転角度で相対的に回転させることで、前記第1ねじ山と前記第2ねじ山とが噛み合うことにより、前記吸気用ケーシングと前記排気用ケーシングとが螺着される
ことを特徴とする。
【0021】
前記空調ファンユニットにおいて、
前記第1ねじ山は、前記吸気用筒状部の前記他端から前記一端に向かって螺旋して延在するように、前記吸気用筒状部の内側面に設けられ、
前記第2ねじ山は、前記排気用筒状部の前記他端から前記フランジに向かって螺旋して延在するように、前記排気用筒状部の外側面に設けられ、
前記吸気用ケーシングと前記排気用ケーシングとが螺着された状態では、前記第1ねじ山が前記フランジと前記第2ねじ山との間に位置し且つ前記第1ねじ山と前記第2ねじ山とが当接することで、前記第1ねじ山と前記第2ねじ山とが噛み合っている、
ことを特徴とする。
【0022】
前記空調ファンユニットにおいて、
前記吸気用筒状部の内側面の前記他端の近傍において、前記第1ねじ山は、前記吸気用筒状部の前記他端側に曲がるように傾斜しており、又は、
前記排気用筒状部の外側面の前記他端の近傍において、前記第2ねじ山は、前記排気用筒状部の前記他端側に曲がるように傾斜している
ことを特徴とする。
【0023】
前記空調ファンユニットにおいて、
前記第1ねじ山は、前記吸気用筒状部の内側面に2個設けられ、
前記第2ねじ山は、前記排気用筒状部の外側面に2個設けられている
ことを特徴とする。
【0024】
前記空調ファンユニットにおいて、
前記2個の前記第1ねじ山のうち一方は、前記吸気用筒状部の内側面において、前記回転中心線を中心として、前記2個の前記第1ねじ山のうちの他方とは反対側の位置に配置されており、
【0025】
前記2個の前記第2ねじ山のうち一方は、前記排気用筒状部の外側面において、前記回転中心線を中心として、前記2個の前記第2ねじ山のうちの他方とは反対側の位置に配置されている
ことを特徴とする。
【0026】
前記空調ファンユニットにおいて、
前記吸気用筒状部の前記第1ねじ山が設けられた領域の内径は、前記排気用筒状部の前記第2ねじ山が設けられた領域の外径よりも、大きいことを特徴とする。
【0027】
前記空調ファンユニットにおいて、
前記吸気用筒状部の前記他端から前記吸気用筒状部の内側に、前記排気用筒状部の前記他端を前記挿入位置まで挿入する場合に、
前記第1ねじ山が、前記排気用筒状部の外側面の前記第2ねじ山が形成されていない領域を、通過し、且つ、前記第2ねじ山が、前記吸気用筒状部の内側面の前記第1ねじ山が形成されていない領域を、通過する
ことを特徴とする。
【0028】
前記空調ファンユニットにおいて、
前記排気口部には、排気する気流の方向を調整するリブが設けられていることを特徴とする。
前記空調ファンユニットにおいて、
前記排気口部UHの前記リブの向きは、前記排気口部から排出される気流の向きが前記回転中心線Mに対して傾くように、傾いている
ことを特徴とする。
【0029】
前記空調ファンユニットにおいて、
前記吸気用ケーシングの前記吸気用筒状部の外側面には、前記着用者の指を引っかけるための突起部が設けられている
ことを特徴とする。
【0030】
前記空調ファンユニットにおいて、
前記突起部、前記吸気用筒状部の前記一端から前記他端に向けて延在する線状の突起部である
ことを特徴とする。
【0031】
前記空調ファンユニットにおいて、
前記排気用ケーシングの前記排気用筒状部の外側面には、前記着用者の指を引っかけるための突起部が設けられている
ことを特徴とする。
【0032】
前記空調ファンユニットにおいて、
前記突起部は、前記排気用筒状部の前記一端から前記他端に向けて延在する線状の突起部である
ことを特徴とする。
【0033】
前記空調ファンユニットにおいて、
前記吸気用ケーシングの前記吸気用筒状部の外側面は、前記吸気用筒状部の前記他端から前記一端に向けて前記吸気用筒状部の外形が細くなるように傾斜している
ことを特徴とする。
【0034】
前記空調ファンユニットにおいて、
前記吸気用ケーシングの前記吸気用筒状部の前記一端の外径は、前記吸気用筒状部の前記他端の外径よりも、小さいことを特徴とする。
前記空調ファンユニットにおいて、
前記排気用ケーシングに収納され、前記ファン部を駆動して、前記回転中心線を中心として前記ファン部の前記フィンを回転させる駆動部を備える
ことを特徴とする。
【0035】
前記空調ファンユニットにおいて、
前記駆動部は、モータであることを特徴とする。
前記空調ファンユニットにおいて、
前記排気用ケーシングは、前記排気口部に設けられ、前記駆動部を支持する支持部UEをさらに備える
ことを特徴とする。
【0036】
前記空調ファンユニットにおいて、
前記排気用ケーシングは、
前記支持部に設けられ、前記駆動部に電源から電力を供給するための配線を接続するための接続部をさらに備える
ことを特徴とする。
【0037】
前記空調ファンユニットにおいて、
前記電源は、前記空調衣服に配置されたバッテリーであることを特徴とする。
前記空調ファンユニットにおいて、
前記排気用ケーシングの前記フランジは、前記空調衣服の取付部に取付られた場合における方向を前記着用者が確認するための方向表示部が設けられている
ことを特徴とする。
【0038】
本発明の一態様に係る実施形態に従った空調衣服は、
着用者に着用された状態において前記着用者との間に存在する内側の空間を空調するための空調衣服であって、
前記着用者に着用可能である衣服本体と、
前記衣服本体に設けられるとともに、空調ファンユニットを脱着可能な取付部と、
前記空調服の外部から外気を吸気するための吸気口部及び前記空調衣服の内部に気流を排気するための排気口部を有する空調ファンユニットと、を備え、
前記空調ファンユニットは、
前記吸気口部と前記排気口部との間に位置する一端及び他端を有する第1筒状部と、
前記吸気口部と前記排気口部との間に位置する一端及び他端を有する第2筒状部と、
前記第1筒状部と前記第2筒状部とにより囲まれる空間に収納されるファン部であって、回転中心線を中心として回転することで、前記吸気口部から前記排気口部に向けて気流を発生するように設けられた複数のフィンを有するファン部と、を備え、
前記第1筒状部において、
前記第1筒状部の側面に設けられた第1固定機構を有し、
前記第2筒状部において、
前記第2筒状部の側面を取り囲むように設けられたフランジと、
前記第2筒状部の側面において、前記フランジと前記第2筒状部の前記他端との間に位置するように設けられた第2固定機構と、を有し、
前記第1筒状部の前記他端から前記第1筒状部の内側に、前記第2筒状部の前記他端を予め設定された挿入位置まで挿入した状態で、前記第1固定機構と前記第2固定機構とが固定されることにより、前記第1筒状部と前記第2筒状部とが固定され、且つ、前記空調衣服の取付部を、前記第1筒状部の前記他端と前記第2筒状部の前記フランジで挟むことで、前記空調衣服の取付部に前記空調ファンユニットが取付られる
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0039】
本発明の一態様に係る空調ファンユニットによれば、空調衣服に取り付けた場合における、着用者の不快感を低減しつつ、空調効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1A】
図1Aは、本発明の実施形態に係る空調衣服100の前方から見た外観の一例を示す図である。
【
図1B】
図1Bは、本発明の実施形態に係る空調衣服100の後方から見た外観の一例を示す図である。
【
図2A】
図2Aは、空調衣服100の衣服本体10の後方部10Yの外側面10Yinの構成において、空調ファンユニット200を取り付けた領域Qに注目した構成の一例を示す図である。
【
図2B】
図2Bは、空調衣服100の衣服本体10の後方部10Yの内側面10Yinの構成において、空調ファンユニット200を取り付けた領域Qに注目した構成の一例を示す図である。
【
図3B】
図3Bは、
図2A及び
図2Bに示す空調ファンユニット200の構成を排気口部側から見た一例を示す図である。
【
図3C】
図3Cは、
図2A及び
図2Bに示す空調ファンユニット200の構成を吸気口部側から見た一例を示す図である。
【
図3D】
図3Dは、
図2A及び
図2Bに示す空調ファンユニット200の構成を回転中心線に沿うように側方から見た一例を示す側面図である。
【
図3E】
図3Eは、
図2A及び
図2Bに示す空調ファンユニット200の構成の回転中心線に沿った断面の一例を示す断面図である。
【
図4A】
図4Aは、
図3Aないし
図3Eに示す空調ファンユニット200の吸気用ケーシングSCの構成の一例を示す斜視図である。
【
図4B】
図4Bは、
図3Aないし
図3Eに示す空調ファンユニット200の吸気用ケーシングSCの構成を排気口部側から見た一例を示す図である。
【
図4C】
図4Cは、
図3Aないし
図3Eに示す空調ファンユニット200の吸気用ケーシングSCの構成を吸気口部側から見た一例を示す図である。
【
図4D】
図4Dは、
図3Aないし
図3Eに示す空調ファンユニット200の吸気用ケーシングSCの構成を回転中心線に沿うように側方から見た一例を示す側面図である。
【
図4E】
図4Eは、
図3Aないし
図3Eに示す空調ファンユニット200の吸気用ケーシングSCの構成の回転中心線に沿った断面の一例を示す断面図である。
【
図5A】
図5Aは、
図3Aないし
図3Eに示す空調ファンユニット200の排気用ケーシングUCの構成の一例を示す斜視図である。
【
図5B】
図5Bは、
図3Aないし
図3Eに示す空調ファンユニット200の排気用ケーシングUCの構成を排気口部側から見た一例を示す図である。
【
図5C】
図5Cは、
図3Aないし
図3Eに示す空調ファンユニット200の構成を吸気口部側から見た一例を示す図である。
【
図5D】
図5Dは、
図3Aないし
図3Eに示す空調ファンユニット200の排気用ケーシングUCの構成を回転中心線に沿うように側方から見た一例を示す側面図である。
【
図5E】
図5Eは、
図3Aないし
図3Eに示す空調ファンユニット200の排気用ケーシングUCの構成の回転中心線に沿った断面の一例を示す断面図である。
【
図6A】
図6Aは、
図2A及び
図2Bに示す空調衣服100の領域Qに注目した、空調ファンユニット200が取り付けられた状態の回転中心線に沿うように側方から見た一例を示す側面図である。
【
図6B】
図6Bは、
図2A及び
図2Bに示す空調衣服100の領域Qに注目した、空調ファンユニット200が取り付けられた状態の回転中心線に沿った断面の一例を示す断面図である。
【
図7】
図7は、
図6Bに示す断面図に示す構成のうち、吸気用筒状部及び排気用筒状部に関する構成を抽出して模式的に示す模式図である。
【
図8】
図8は、衣服本体10に取り付けられた空調ファンユニット100に接続される配線および電源を備えた衣服本体10の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明に係る実施形態について図面に基づいて説明する。
【0042】
まず、図を参照して、実施形態に係る空調衣服及び当該空調衣服に取り付けられる空調ファンユニットについて説明する。ここで、
図1Aは、本発明の実施形態に係る空調衣服100の前方から見た外観の一例を示す図である。また、
図1Bは、本発明の実施形態に係る空調衣服100の後方から見た外観の一例を示す図である。また、
図2Aは、空調衣服100の衣服本体10の後方部10Yの外側面10Yinの構成において、空調ファンユニット200を取り付けた領域Qに注目した構成の一例を示す図である。また、
図2Bは、空調衣服100の衣服本体10の後方部10Yの内側面10Yinの構成において、空調ファンユニット200を取り付けた領域Qに注目した構成の一例を示す図である。
【0043】
[空調衣服]
図1A及び
図1Bに示す実施形態に係る空調衣服100は、例えば、着用者(図示せず)に着用された状態において当該着用者との間に存在する内側の空間を空調するための作業着である。
【0044】
この空調衣服100は、例えば、
図1A、
図1Bに示すように、ベスト(袖が無い作業着)である。しかしながら、この空調衣服100は、長袖や半袖等の作業着であってもよい。
【0045】
そして、この空調衣服100は、例えば、
図1Aないし
図2Bに示すように、衣服本体10と、第1取付部T1と、第2取付部T2と、第1空調穴用フタF1と、第2空調穴用フタF2と、収納部P2と、収納部P1と、カラー部20と、を備える。なお、
図2Aないし
図2Bにおいては、簡単のため、
図1A及び
図1Bに示される空調衣服100の構成の一部(特に、フタF1、F2)が省略されて表示されている場合がある。
【0046】
以下、空調衣服100の各構成要素について詳細に説明する。
【0047】
[衣服本体]
衣服本体10は、当該着用者に着用可能になっている。特に、この衣服本体10は、着用者の上半身に着用可能である。
【0048】
この衣服本体10は、空調衣服100の前方に位置して着用者の少なくとも胸部近傍を被覆する前部10X(
図1A)と、空調衣服100の後方に位置して着用者の少なくとも背中近傍を被覆する後部10Y(
図1B)と、を備える。
【0049】
また、この衣服本体10は、ファスナーGを閉じることにより、衣服本体10の前部10Xが閉じられるようになっている(
図1A)。
【0050】
また、この衣服本体10は、着用者の肩周り、胴周り、及び首周りにそれぞれ対応する開口部10L、10R、10U、10Dを備える。
【0051】
また、この衣服本体10の前部10Xには、例えばポケットである、収納部(電源用収納部)P2及び収納部P1が設けられている。
【0052】
[第1及び第2取付部]
第1取付部T1は、例えば、
図1Bに示すように、衣服本体10の後部10Yに設けられるとともに、衣服本体10の後部10Yの内側面10Yin(
図2B)と外側面10Yout(
図2A)との間を貫通する第1空調穴T1Aを有する。
【0053】
この第1取付部T1は、第1空調穴T1Aを介して外気を空調衣服100の内側に取り込む温度調整装置である空調ファンユニット200を脱着可能である。なお、当該空調ファンユニット200は電動ファンである。
【0054】
また、第2取付部T2は、例えば、
図1Bに示すように、衣服本体10の後部10Yに設けられるとともに、衣服本体10の後部10Yの内側面10Yin(
図2B)と外側面10Yout(
図2A)との間を貫通する第2空調穴T2Aを有する。
【0055】
この第2取付部T2は、第2空調穴T2Aを介して外気を空調衣服100の内側に取り込む温度調整装置である空調ファンユニット200を脱着可能である。既述のように、当該空調ファンユニット200は電動ファンである。
【0056】
なお、実施形態においては、当該温度調整装置が、電動ファンである場合について説明しているが、当該温度調整装置は、発熱する発熱装置やその他の温度を調整することが可能な装置であってもよい。
【0057】
なお、
図1B~
図2Bの例では、第1取付部T1及び第2取付部T2は、空調衣服100が着用者に着用された状態において着用者の胴部の背中側に対面する衣服本体10の後部10Yの胴部領域に配置されている。しかしながら、第1取付部T1及び第2取付部T2は、衣服本体10の他の領域に配置されているようにしてもよい。
【0058】
[第1及び第2空調穴用フタ]
第1空調穴用フタF1及び第2空調穴用フタF2は、例えば、
図1Bに示すように、衣服本体10の内側面10Yinに配置されている。
【0059】
この第1空調穴用フタF1は、衣服本体10の外側から見た場合に、閉じた閉状態(
図1B)で第1空調穴T1Aを塞ぎ、一方、開いた開状態で第1空調穴T1Aを塞がないようになっている。
【0060】
同様に、この第2空調穴用フタF2は、衣服本体10の外側から見た場合に、閉じた閉状態(
図1B)で第2空調穴T2Aを塞ぎ、一方、開いた開状態で第2空調穴T2Aを塞がないようになっている。
【0061】
なお、既述のように、
図2Aないし
図2Bにおいては、簡単のため、
図1A及び
図1Bに示される空調衣服100の構成の一部(特に、フタF1、F2)が省略されて表示されている場合がある。
【0062】
[カラー部]
カラー部20は、例えば、
図1A及び
図1Bに示すように、衣服本体10の上部に設けられ、着用者に着用された状態で着用者の首の周辺を覆うようになっている。
【0063】
このカラー部20は、例えば、衣服本体10との接続部分(カラー部20の下端)から当該カラー部20の上端までの高さの最大値が、例えば、8cm以上である。
【0064】
このように、空調衣服100の襟であるカラー部20の高さを高くすることで、着用者の首の後ろや顔周辺に風を送り込むことができる。
【0065】
また、着用者がかぶるヘルメット内にも、空調衣服100の衣服本体10からカラー部20を介して、風を送り込むことができ、着用者の頭部の蒸れの軽減や冷却効果を高めることができる。
【0066】
さらに、カラー部20の高さを高くすることで、着用者の首後ろが隠れるので、日よけの効果もあり、熱中症予防に大きな効果が期待できる。
【0067】
また、従来、空調衣服である作業着にはフードタイプのものもあるが、見た目のカジュアルさから場所や業務によっては着用できない場合もある。しかしながら、本実施形態のように、空調衣服100はフードに代えてカラー部20を備えることで、場所や業務に拘わらず着用することが可能となる。
【0068】
特に、本実施形態のように、空調衣服100はフードに代えてカラー部20を備えることで、着用者の耳が隠れず、周囲の音を聞き取り易くなるため、屋外での作業において事故の危険性を軽減できる。
【0069】
なお、
図1A、
図1Bの例では、カラー部20は1つの部材で構成されているが、折りやすいように2つ以上の部材で構成されていてもよい。また、このカラー部20には、例えば、図示しない収納部(ポケット)が設けられているようにしてもよい。
【0070】
[空調ファンユニット]
本実施形態に係る空調ファンユニット200は、例えば、
図2A及び
図2Bに示すように、着用者(図示せず)に着用された状態において着用者との間に存在する内側の空間を空調するための空調衣服100に取り付けられて適用されるものである。この空調ファンユニット200は、空調服100の外部から外気を吸気するための吸気口部SH及び空調衣服100の内部に気流を排気するための排気口部UHを有する。
【0071】
ここで、
図3Aは、
図2A及び
図2Bに示す空調ファンユニット200の構成の一例を示す斜視図である。また、
図3Bは、
図2A及び
図2Bに示す空調ファンユニット200の構成を排気口部側から見た一例を示す図である。また、
図3Cは、
図2A及び
図2Bに示す空調ファンユニット200の構成を吸気口部側から見た一例を示す図である。また、
図3Dは、
図2A及び
図2Bに示す空調ファンユニット200の構成を回転中心線に沿うように側方から見た一例を示す側面図である。また、
図3Eは、
図2A及び
図2Bに示す空調ファンユニット200の構成の回転中心線に沿った断面の一例を示す断面図である。なお、この
図3Aないし
図3Eにおいては、空調衣服100の構成は図示されていない。
【0072】
本実施形態に係る空調ファンユニット200は、例えば、
図3Aないし
図3Eに示すように、吸気用ケーシングSCと、排気用ケーシングUCと、を備える。
【0073】
そして、吸気用ケーシングSCは、吸気口部SH、及び、吸気用筒状部SXとして第1筒状部SXを含み、空調衣服100の外側に取り付けられるようになっている。
【0074】
また、排気用ケーシングUCは、排気口部UH、及び、排気用筒状部UXとして第2筒状部UXを含み、空調衣服100の内側に取り付けられるようになっている。
【0075】
そして、例えば、
図3D、
図3Eに示すように、吸気用ケーシングSCと排気用ケーシングUCとが固定された状態において、吸気用筒状部SXと排気用筒状部UXとは、回転中心線Mを中心に延在するように配置されている。
【0076】
特に、本実施形態に係る空調ファンユニット200は、例えば、
図3Aないし
図3Eに示すように、吸気口部SHと、排気口部UHと、第1筒状部SX(以下では、吸気用筒状部SXと記載する場合がある)と、第2筒状部UX(以下では、排気用筒状部UXと記載する場合がある)と、ファン部UBと、駆動部UDと、支持部UEと、を備える。
【0077】
なお、空調ファンユニット200の構成は、この
図3Aないし
図3Eに示す構成に限定されるものでは無く、吸気口部SHと排気口部UHとの間に位置する第1、第2筒状部SX、UXの配置を変更してもよい。
【0078】
また、
図2Aないし
図3Eに示す例では、空調ファンユニット200は2個のケーシングSC、UCにより構成されている。しかしながら、空調ファンユニット200は、第1、第2筒状部SX、UXのうちの一方を含む1個のケーシングと、当該ケーシングを空調衣服100に取り付けるための第1、第2筒状部SX、UXのうちの他方を含む1個の取付部材とにより構成されるようにしてもよい。
【0079】
また、
図2Aないし
図3Eに示す例では、第1筒状部SXが吸気側(すなわち、空調衣服100の外側)に位置する吸気用筒状部であり且つ第2筒状部UXが排気側(すなわち、空調衣服100の内側)に位置する排気用筒状部である場合について説明しているが、これに限られるものでは無く、第2筒状部UXが気側(すなわち、空調衣服100の外側)に位置する吸気用筒状部であり且つ第1筒状部SXが排気側(すなわち、空調衣服100の内側)に位置する排気用筒状部であるようにしてもよい。この場合、第1筒状部SXの一端SXaは、排気口部UHに接続され、且つ、第1筒状部SXの他端SXbは、開口しており、第2筒状部UXの一端UXaは、吸気口部SHに接続され、且つ、第2筒状部UXの他端UXbは、開口しているものとなる。
【0080】
[吸気用ケーシング]
ここで、
図4Aは、
図3Aないし
図3Eに示す空調ファンユニット200の吸気用ケーシングSCの構成の一例を示す斜視図である。また、
図4Bは、
図3Aないし
図3Eに示す空調ファンユニット200の吸気用ケーシングSCの構成を排気口部側から見た一例を示す図である。また、
図4Cは、
図3Aないし
図3Eに示す空調ファンユニット200の吸気用ケーシングSCの構成を吸気口部側から見た一例を示す図である。また、
図4Dは、
図3Aないし
図3Eに示す空調ファンユニット200の吸気用ケーシングSCの構成を回転中心線に沿うように側方から見た一例を示す側面図である。また、
図4Eは、
図3Aないし
図3Eに示す空調ファンユニット200の吸気用ケーシングSCの構成の回転中心線に沿った断面の一例を示す断面図である。
【0081】
既述のように、吸気用ケーシングSCは、吸気口部SH、及び、吸気用筒状部SXとして第1筒状部SXを含み、空調衣服100の外側に取り付けられるようになっている。
【0082】
特に、
図4Aないし
図4Eに示すように、本実施形態に係る排気用ケーシングUCは、吸気口部SHと、吸気用筒状部SXと、を備える。
【0083】
[吸気口部]
吸気口部SHは、例えば、
図2Aに示すように、空調衣服100に空調ファンユニット200が取り付けられた状態において、空調衣服100の外側に配置される。そして、空調ファンユニット200は、この吸気口部SHを介して、空調服100の外部から外気SG(
図3D)を吸気するようになっている。
【0084】
なお、例えば、
図3A、
図4Aに示すように、吸気口部SHには、リブURが設けられている。
【0085】
[吸気用筒状部(第1筒状部)]
そして、吸気用筒状部SXは、例えば、
図3Aないし
図3Eに示すように、吸気口部SHと排気口部UHとの間に位置する、一端SXa及び他端SXbを有する。
【0086】
例えば、
図4Aないし
図4Eに示すように、吸気用筒状部SXの一端SXaは、吸気口部SHに接続され、且つ、吸気用筒状部SXの他端SXbは、開口している。
【0087】
この吸気用筒状部SXは、例えば、
図4Aないし
図4Eに示すように、第1固定機構SNと、突起部STと、を有する。
【0088】
そして、第1固定機構SNは、第1筒状部SXの側面(特に内側面SXc)に設けられている。
【0089】
この第1固定機構SNは、
図4Aないし
図4Eに示すように、吸気用筒状部SXの内側面SXcに設けられた第1ねじ山SNである。
【0090】
第1ねじ山SNは、吸気用筒状部SXの他端SXbから一端SXaに向かって螺旋して延在するように、例えば、
図4Aないし
図4Eに示すように、吸気用筒状部SXの内側面SXcに設けられている。
【0091】
また、例えば、
図4Aないし
図4Eに示す例では、第1ねじ山SNは、吸気用筒状部SXの内側面SXcに2個設けられている。
【0092】
この2個の第1ねじ山SNのうち一方は、吸気用筒状部SXの内側面SXcにおいて、回転中心線Mを中心として、2個の第1ねじ山SNのうちの他方とは反対側の位置に配置されている。
【0093】
なお、例えば、吸気用筒状部SXの内側面SXcの他端SXbの近傍において、第1ねじ山SNは、吸気用筒状部SXの他端SXb側に曲がるように傾斜しているようにしてもよい。
【0094】
また、吸気用ケーシングSCの吸気用筒状部SXの外側面SXdには、例えば、
図4Aないし
図4Eに示すように、着用者の指を引っかけるための突起部STが設けられている。
【0095】
この突起部STは、例えば、
図4Aないし
図4E示すように、吸気用筒状部SXの一端SXaから他端SXbに向けて延在する線状の突起部である。
【0096】
なお、この突起部STに代えて、着用者の指が引っかかりやすい又は摩擦が掛かりやすくなっている部材を適用するようにしてもよい。
【0097】
また、例えば、
図4Aないし
図4Eに示すように、吸気用ケーシングSCの吸気用筒状部SXの外側面SXdは、吸気用筒状部SXの他端SXbから一端SXaに向けて(先端に向けて)吸気用筒状部SXの外形が細くなるように傾斜している。
【0098】
このように、吸気用ケーシングSCの吸気用筒状部SXの一端SXaの外径は、当該吸気用筒状部SXの他端SXbの外径よりも、小さくなるように設定されている。
【0099】
これにより、例えば、空調ファンユニット200を空調衣服100に取り付けた際に、外に飛び出る吸気用ケーシングSCの外観を良くするとともに、当該吸気用ケーシングSCが外部の部材や機構に対する引っかかり等を低減することができる。
【0100】
[排気用ケーシング]
ここで、
図5Aは、
図3Aないし
図3Eに示す空調ファンユニット200の排気用ケーシングUCの構成の一例を示す斜視図である。また、
図5Bは、
図3Aないし
図3Eに示す空調ファンユニット200の排気用ケーシングUCの構成を排気口部側から見た一例を示す図である。また、
図5Cは、
図3Aないし
図3Eに示す空調ファンユニット200の構成を吸気口部側から見た一例を示す図である。また、
図5Dは、
図3Aないし
図3Eに示す空調ファンユニット200の排気用ケーシングUCの構成を回転中心線に沿うように側方から見た一例を示す側面図である。また、
図5Eは、
図3Aないし
図3Eに示す空調ファンユニット200の排気用ケーシングUCの構成の回転中心線に沿った断面の一例を示す断面図である。
【0101】
既述のように、排気用ケーシングUCは、排気口部UH、及び、排気用筒状部UXとして第2筒状部UXを含み、空調衣服100の内側に取り付けられるようになっている。
【0102】
特に、
図5Aないし
図5Eに示すように、本実施形態に係る排気用ケーシングUCは、排気口側UHと、排気用筒状部UXと、ファン部UBと、駆動部UDと、支持部UEと、接続部UAと、を備える。
【0103】
[排気口部]
ここで、排気口部UHは、例えば、
図2Bに示すように、空調衣服100に空調ファンユニット200が取り付けられた状態において、空調衣服100の内側に配置される。そして、空調ファンユニット200は、この排気口部UHを介して、空調服100の内部に気流UG(
図3D)を出力するようになっている。
【0104】
また、例えば、
図3D、
図5Dに示すように、排気口部UHには、排気する気流UGの方向を調整するリブURが設けられている。
【0105】
この排気口部UHのリブURの向きは、排気口部UHから排出される気流UGの向きが回転中心線Mに対して傾くように、傾いている(
図3D)。
【0106】
[排気用筒状部(第2筒状部)]
そして、排気用筒状部UXは、例えば、
図3Aないし
図3Eに示すように、吸気口部SHと排気口部UHとの間に位置する、一端UXa及び他端UXbを有する。
【0107】
例えば、
図5Aないし
図5Eに示すように、第2筒状部UXの一端UXaは、排気口部UHに接続され、且つ、第2筒状部UXの他端UXbは、開口している。
【0108】
ここで、
図5Aないし
図5Eに示すように、本実施形態に係る排気用筒状部UXは、フランジUFと、第2固定機構UNと、突起部UTと、を有する。
【0109】
そして、フランジUFは、
図5Aないし
図5Eに示すように、排気用筒状部UXの側面(特に外側面UXd)を取り囲むように設けられている。
【0110】
なお、例えば、
図3B、
図5Bに示すように、排気用ケーシングUCのフランジUFの排気口部UH側には、空調衣服100の第1取付部T1(及び/又は第2取付部T2)に取付られた場合における方向を当該着用者が確認するための方向表示部UZが設けられている。
【0111】
また、第2固定機構UNは、
図5Aないし
図5Eに示すように、排気用筒状部UXの側面(特に外側面UXd)において、フランジUFと排気用筒状部UXの他端UXbとの間に位置するように設けられている。
【0112】
ここで、第2筒状部UXの回転中心線Mの方向において、フランジUFから第2筒状部UXの他端UXbまでの長さは、予め規定された設定値以上である。なお、当該設定値は、例えば、5mmである。
【0113】
そして、第2固定機構SNは、
図5Aないし
図5Eに示すように、排気用筒状部UXの外側面UXdにおいて、フランジUFと排気用筒状部UXの他端UXbとの間に位置するように設けられた第2ねじ山UNである。
【0114】
この第2ねじ山SN(先端SNaから後端SNb)は、例えば、
図5Aないし
図5Eに示すように、排気用筒状部UXの他端SXbからフランジUFに向かって螺旋して延在するように、排気用筒状部UXの外側面UXdに設けられている。
【0115】
また、例えば、
図5Dに示すように、排気用筒状部UXの外側面UXdの他端UXbの近傍において、第2ねじ山UNの一端UNaは、排気用筒状部UXの他端UXb側に曲がるように傾斜している。
【0116】
これにより、吸気用筒状部SXの他端SXbから吸気用筒状部SXの内側に、排気用筒状部UXの他端UXbを既述の挿入位置まで挿入した状態で、排気用ケーシングUCに対して吸気用ケーシングSCを回転中心線Mを中心として相対的に回転させる場合に、第1ねじ山SNと第2ねじ山UNとがより確実に噛み合うようにすることができる。すなわち、吸気用ケーシングSCと排気用ケーシングUCをより確実に螺着させることができる。
【0117】
また、例えば、
図5Aないし
図5Eに示す例では、この第2ねじ山UNは、排気用筒状部UXの外側面UXdに2個設けられている。
【0118】
この2個の第2ねじ山UNのうち一方は、排気用筒状部UXの外側面UXdにおいて、回転中心線Mを中心として、当該2個の第2ねじ山UNのうちの他方とは反対側の位置に配置されている。
【0119】
特に、例えば、
図3E、
図4E、
図5Eに示すように、吸気用筒状部SXの第1ねじ山SNが設けられた領域(内側面SXc)の内径は、排気用筒状部UXの第2ねじ山UNが設けられた領域(外側面UXd)の外径よりも、大きくなるように設定されている。
【0120】
そして、例えば、吸気用筒状部SXの他端SXbから吸気用筒状部SXの内側に、排気用筒状部UXの他端UXbを既述の挿入位置まで挿入する場合に、第1ねじ山SNが、排気用筒状部UXの外側面UXdの第2ねじ山SNが形成されていない領域を、通過し、且つ、第2ねじ山UNが、吸気用筒状部SXの内側面SXcの第1ねじ山SNが形成されていない領域を、通過するように構成されている。
【0121】
これにより、第2ねじ山UNが吸気口部SH側に位置し且つ第1ねじ山UNが排気口部UH側に位置する状態で、第1ねじ山SNと第2ねじ山UNとが噛み合うことになる。すなわち、吸気用ケーシングSCと排気用ケーシングUCとが螺着された状態では、第1ねじ山SNがフランジUFと第2ねじ山SNとの間に位置し且つ第1ねじ山SNと第2ねじ山UNとが当接することで、第1ねじ山SNと第2ねじ山UNとが噛み合うことになる。
【0122】
これにより、後述のように、1回転(360度)以内(より好ましくは約60度)の螺着用回転角度で、排気用筒状部UXに対して吸気用筒状部SXを回転中心線Mを中心として相対的に回転させることで、空調ファンユニット200を空調衣服100に取り外し可能な状態にできるものである。
【0123】
また、突起部UTは、例えば、
図5Aないし
図5Eに示すように、排気用ケーシングUCの排気用筒状部UXの外側面UXdに、着用者の指を引っかけるために設けられている。
【0124】
この突起部UTは、排気用筒状部UXの一端UXaから他端UXbに向けて延在する線状の突起部である。
【0125】
[ファン部]
また、ファン部UBは、例えば、
図3Aないし
図3Eに示すように、第1筒状部SXと第2筒状部UXとにより囲まれる空間に収納されるようになっている。このファン部UBは、例えば、
図5Aないし
図5Eに示すように、回転中心線Mを中心として回転することで、吸気口部SHから排気口部UHに向けて気流を発生するように設けられた複数のフィンUFを有する。
【0126】
[駆動部]
また、駆動部UDは、例えば、
図5Aないし
図5Eに示すように、排気用ケーシングUCに収納され、ファン部UBを駆動して、回転中心線Mを中心としてファン部UBのフィンUFを回転させるようになっている。この駆動部UDは、例えば、モータである。
【0127】
[支持部]
また、支持部UEは、例えば、
図5Aないし
図5Eに示すように、排気口部UHに設けられ、駆動部UDを支持するようになっている。
【0128】
そして、接続部UAは、例えば、
図5Aないし
図5Eに示すように、支持部UEに設けられ、駆動部UDに電源から電力を供給するための配線(後述の実施例の
図8に示す配線L)を接続するための構成である。
【0129】
[空調ファンユニットの取付]
ここで、以上のような構成を有する本実施形態の空調ファンユニット200の取付の例について説明する。
【0130】
図6Aは、
図2A及び
図2Bに示す空調衣服100の領域Qに注目した、空調ファンユニット200が取り付けられた状態の回転中心線に沿うように側方から見た一例を示す側面図である。また、
図6Bは、
図2A及び
図2Bに示す空調衣服100の領域Qに注目した、空調ファンユニット200が取り付けられた状態の回転中心線に沿った断面の一例を示す断面図である。また、
図7は、
図6Bに示す断面図に示す構成のうち、吸気用筒状部及び排気用筒状部に関する構成を抽出して模式的に示す模式図である。なお、
図7において、吸気用筒状部SXに関する構成を実線で示し、排気用筒状部UXに関する構成を点線で示している。
【0131】
例えば、
図6Aないし
図7に示すように、第1筒状部SXの他端SXbから吸気用筒状部SXの内側に、排気用筒状部UXの他端UXbを予め設定された挿入位置まで挿入した状態で、第1固定機構(第1ねじ山)SNと第2固定機構(第2ねじ山)UNとが固定されることにより、第1筒状部SXと第2筒状部UXとが固定され、且つ、空調衣服100の第1取付部T1(及び/又は第2取付部T2)を、吸気用筒状部SXの他端SXbと排気用筒状部UXのフランジUFで挟むことで、空調衣服100の第1取付部T1(または第2取付部T2)に空調ファンユニット200が取付られる。
【0132】
このように、排気用ケーシングUCに対して吸気用ケーシングSCを回転中心線Mを中心として相対的に回転させることで、第1固定機構SNと第2固定機構UNとが固定されることにより、吸気用ケーシングSCと排気用ケーシングUCとが固定され、且つ、ファン部UBが吸気用ケーシングSCと排気用ケーシングUCとで囲まれる空間に収納されるようになっている。
【0133】
言い換えれば、吸気用ケーシングSCと排気用ケーシングUCとが固定された状態において、空調衣服100の第1取付部T1(または第2取付部T2)を、吸気用ケーシングSCの吸気用筒状部SXの他端SXbと排気用ケーシングUCの排気用筒状部UXのフランジUFで挟むことで、空調衣服100の第1取付部T1(または第2取付部T2)に空調ファンユニット200が取付られる。
【0134】
本実施形態においては、例えば、
図3E、
図6B、
図7に示すように、吸気用筒状部SXの他端SXbから吸気用筒状部SXの内側に、排気用筒状部UXの他端UXbを既述の挿入位置まで挿入した状態で、排気用ケーシングUCに対して吸気用ケーシングSCを相回転中心線Mを中心として対的に回転させることで、第1ねじ山SNと第2ねじ山UNとが噛み合うことにより、吸気用ケーシングSCと排気用ケーシングUCとが螺着される。
【0135】
そして、好ましくは、例えば、吸気用筒状部SXの他端SXbから吸気用筒状部SXの内側に、排気用筒状部UXの他端UXbを挿入位置まで挿入した状態で、排気用ケーシングUCに対して吸気用ケーシングSCを1回転(360度)以内の螺着用回転角度で回転中心線Mを中心として相対的に回転させることで、第1ねじ山SNと第2ねじ山UNとが噛み合うことにより、吸気用ケーシングSCと排気用ケーシングUCとが螺着されるようになっている。より好ましくは、例えば、この螺着用回転角度は、約60度である。
【0136】
すなわち、排気用ケーシングUCに対して吸気用ケーシングSCを1回転(360度)以内(より好ましくは約60度)の螺着用回転角度で回転中心線Mを中心として相対的に回転させることで、空調ファンユニット200を空調衣服100に取り外し可能な状態になる。
【0137】
これにより、当該着用者は、既述の従来技術と比較して、より簡単に且つ確実に空調ファンユニット200を空調衣服100に取り外しすることができる。
【0138】
ここで、既述のように、第2筒状部UXの回転中心線Mの方向において、フランジUFから第2筒状部UXの他端UXbまでの長さは、予め規定された設定値(例えば、5mm)以上である。なお、当該設定値は、例えば、5mmである。
【0139】
すなわち、空調衣服100の第1取付部T1(または第2取付部T2)に空調ファンユニット200が取付られた状態で、フランジUFから空調衣服100の外側に出る第2筒状部UXの他端UXbまで、少なくとも5mm以上あるようになっている。
【0140】
これにより、空調ファンユニット200において、ネジやツメ等の固定機構を付ける為のスペースが確保される。さらに、空調衣服100の外側から空調ファンユニット200の付け外しを行う場合、空調ファンユニット200の第2筒状部UXがある程度(当該設定値以上)外側に突出した構成になるため、着用者の指がこの突出した部分に引っかかって、排気用ケーシングUCを相対的に回転させることが容易になり、第1、第2固定機構SN、UNの固定を解除することができる。
【0141】
また、既述のように、吸気用筒状部SXの他端SXbから吸気用筒状部SXの内側に、排気用筒状部UXの他端UXbを既述の挿入位置まで挿入する場合に、第1ねじ山SNが、排気用筒状部UXの外側面UXdの第2ねじ山SNが形成されていない領域を、通過し、且つ、第2ねじ山UNが、吸気用筒状部SXの内側面SXcの第1ねじ山SNが形成されていない領域を、通過するように構成されている。
【0142】
これにより、例えば、
図7に示すように、第2ねじ山UNが吸気口部SH側に位置し且つ第1ねじ山UNが排気口部UH側に位置する状態で、第1ねじ山SNと第2ねじ山UNとが噛み合うことになる。すなわち、吸気用ケーシングSCと排気用ケーシングUCとが螺着された状態では、第1ねじ山SNがフランジUFと第2ねじ山SNとの間に位置し且つ第1ねじ山SNと第2ねじ山UNとが当接することで、第1ねじ山SNと第2ねじ山UNとが噛み合うことになる。
【0143】
また、本実施形態では、第1固定機構UNである第1ねじ山SNと第2固定機構SNである第2ねじ山UNとが噛み合って第1筒状部SXと第2筒状部UXとが螺着されているが、第1固定機構UN第2固定機構SNとが嵌合することで第1筒状部SXと第2筒状部UXとが固定されてもよい。さらに、第1固定機構UN第2固定機構SNとが嵌合することで第1筒状部SXと第2筒状部UXとが固定されてもよく、その他、第1固定機構UN第2固定機構SNとが固定されることで第1筒状部SXと第2筒状部UXとが固定できるようにしてもよい。
【0144】
これにより、本実施形態に係る空調ファンユニット200において、着用者は、空調ファンユニット200に接続した配線(ケーブル)やバッテリー(後述の実施例の
図8に示す配線LやバッテリーB)を外すことなく、空調ファンユニット200を容易に付け外しすることができる。
【0145】
例えば、既述の従来技術の空調ファンユニットでは、リング状のパーツがケーブルやバッテリーを避けることができない場合や、空調衣服から空調ファンユニットを外すためには、ケーブルが接続される空調衣服内のパーツを回転させる必要になる場合がある。このため、空調衣服から空調ファンユニットを取り外す場合には、ケーブルも空調ファンユニットから取り外す必要がある。
【0146】
一方、本実施形態に係る空調ファンユニット200においては、着用者は、排気用ケーシングUCを手で固定した状態で、空調ファンユニット200を空調衣服100に取り付け固定できる。さらには、着用者は、排気口部UH側のリブ等によって排気口部UHに出る風に方向性を持たせられる場合は、任意の方向に風を流すよう調整することができる。
【0147】
既述のように、本実施形態における空調ファンユニット200は、吸気用ケーシングSCが空調衣服100の外側に突出するように配置されるとともに、空調衣服100の内側における空調ファンユニット200の排気用ケーシングUCの厚さが薄くなって空調ファンユニット200の排出口UHと当該着用者の身体とが離れることになる。
【0148】
これにより、空調衣服100の内側において、空調ファンユニット200の排出口UH側が、着用者の身体と接触することを抑制して当該着用者に不快感を与えにくくすることができる。さらには、空調ファンユニットの排出口から出力される空気の流れが着用者の身体に妨げられにくくして空調衣服100内へ気流が流れ易くして空調効率を向上することができる。
【0149】
(実施例)
ここで、
図8は、衣服本体10に取り付けられた空調ファンユニット100に接続される配線および電源を備えた衣服本体10の構成の一例を示す図である。なお、この
図6においては、簡単のため、衣服本体10の前部10Xの右側の構成が省略され、第1及び第2空調穴用フタF1、F2等の構成は、省略されている。
【0150】
[電源]
ここで、電源Bは、例えば、
図8に示すように、2個の空調ファンユニット200に共通して1個備えられている。そして、この電源Bは、配線Lを介して、各空調ファンユニット200にそれぞれ接続されている。なお、この電源Bは、例えば、空調衣服100に配置された携帯型のバッテリーであり、空調ファンユニット200の駆動に必要な電力を供給するようになっている。
【0151】
この
図8の例では、分岐した配線Lが、電源Bと各空調ファンユニット200とをそれぞれ接続している。しかしながら、1本の線状の配線Lが、電源Bと各空調ファンユニット200をそれぞれ接続するようにしてもよい。
【0152】
なお、図示されていないが、電源Bは、各空調ファンユニット200にそれぞれ対応して、複数個(例えば、2個)備えられていてもよい。この場合、2個の電源Bは、配線Lを介して、2個の空調ファンユニット200にそれぞれ接続されることなる。
【0153】
[電源用収納部]
また、電源用収納部P2は、衣服本体10の前部10Xに設けられ、電源Bを収納するようになっている。この電源用収納部P2は、例えば、
図8に示すように、衣服本体10の前方の左側に設けられた裾ポケットである。
【0154】
この電源用収納部P2には、例えば、
図8に示すように、電源用収納部P2の内部と外部との間を貫通して配線Lを通すための配線用穴P2Hが電源用収納部P2の中央付近に形成されている。
【0155】
なお、既述の
図8の例では、衣服本体10の前部10Xの左側に設けられた電源用収納部P2に電源Bを収納しているが、衣服本体10の前部10Xの右側に設けられた収納部P1に電源Bを収納するようにしてもよい。
【0156】
なお、本実施例に係る空調衣服および空調ファンユニットのその他の構成は、既述の実施形態と同様である。
【0157】
すなわち、本実施例の空調衣服および空調ファンユニットによれば、空調衣服に取り付けた場合における、着用者の不快感を低減しつつ、空調効率の向上を図ることができる。
【0158】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を実行することができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0159】
100 空調衣服
10 衣服本体
20 カラー部
200 空調ファンユニット
【要約】
【課題】空調衣服に取り付けた場合における、着用者の不快感を低減しつつ、空調効率の向上を図ることが可能な空調ファンユニットを提供する。
【解決手段】空調ファンユニットは、着用者に着用された状態において着用者との間に存在する内側の空間を空調するための空調衣服に取り付けられて適用され、空調服の外部から外気を吸気するための吸気口部及び空調衣服の内部に気流を排気するための排気口部を有する空調ファンユニットであって、吸気口部と排気口部との間に位置する一端及び他端を有する第1筒状部と、吸気口部と排気口部との間に位置する一端及び他端を有する第2筒状部と、第1筒状部と第2筒状部とにより囲まれる空間に収納されるファン部であって、回転中心線を中心として回転することで、吸気口部から排気口部に向けて気流を発生するように設けられた複数のフィンを有するファン部と、を備える。
【選択図】
図6A