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特許7409763基地局制御装置、基地局制御システム、基地局制御方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】基地局制御装置、基地局制御システム、基地局制御方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/04 20090101AFI20231226BHJP
   H04W 28/08 20230101ALI20231226BHJP
   H04W 88/18 20090101ALI20231226BHJP
   H04W 92/14 20090101ALI20231226BHJP
   H04W 92/24 20090101ALI20231226BHJP
【FI】
H04W16/04
H04W28/08
H04W88/18
H04W92/14
H04W92/24
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018099653
(22)【出願日】2018-05-24
(65)【公開番号】P2019205082
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-04-15
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】菅野 哲也
【合議体】
【審判長】齋藤 哲
【審判官】圓道 浩史
【審判官】本郷 彰
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0247750(US,A1)
【文献】特表2013-505617(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
3GPP TSG SA WG1-4
3GPP TSG CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
学習対象のイベントに関する情報と、前記学習対象のイベントに関する情報と同じ又は少なくとも一つのパラメータが前記学習対象のイベントに関する情報と同じである実施対象のイベントに関する情報とを、送信装置から取得する取得手段と、
前記取得手段が前記学習対象のイベントに関する情報を取得した場合、基地局における通信負荷を、前記学習対象のイベントに関する情報に関連付けて学習する学習手段と、
前記取得手段が前記実施対象のイベントに関する情報を取得した場合、前記実施対象のイベントに関する情報と、前記学習対象のイベントに関する情報に関連付けて学習された前記通信負荷とを用いて前記基地局を制御する基地局制御手段と
を含み、
前記取得手段は、前記実施対象のイベントに関する情報を、前記学習手段が前記学習を実行した後に取得する、
基地局制御装置。
【請求項2】
前記学習対象のイベントに関する情報および前記実施対象のイベントに関する情報は、イベントに関する情報を含む、
請求項1に記載の基地局制御装置。
【請求項3】
前記パラメータが、イベントの種類、イベントの開始時間、イベントの終了時間、イベントの開始から終了までの時間、イベントの開催時期、イベントの観客の数、イベントにおける観客の分布、又は、イベントにおける前記基地局と通信する無線端末の分布、の少なくとも一つを含む
請求項2に記載の基地局制御装置。
【請求項4】
前記学習手段が、前記学習対象のイベントに関する情報に情報が含まれているイベントにおける時間経過に沿って前記基地局の前記通信負荷を学習し、
前記基地局制御手段が、学習された前記通信負荷を用いて、前記実施対象のイベントに関する情報に情報が含まれているイベントにおける時間経過に沿って前記基地局を制御する
請求項2又は3に記載に基地局制御装置。
【請求項5】
前記学習対象のイベントに関する情報及び前記実施対象のイベントに関する情報が、同じ種類の複数のサブ・イベントに関する情報を含み、
前記学習手段が、前記学習対象のイベントに関する情報における前記サブ・イベントそれぞれにおける前記通信負荷を学習し、
前記基地局制御手段が、前記実施対象のイベントに関する情報における前記サブ・イベントそれぞれにおける前記基地局を制御する
請求項2ないし4のいずれか1項に記載の基地局制御装置。
【請求項6】
前記基地局から前記通信負荷を収集する負荷収集手段
をさらに含む請求項1ないし5のいずれか1項に記載の基地局制御装置。
【請求項7】
所定の通信網に接続された基地局と、
学習対象のイベントに関する情報と、前記学習対象のイベントに関する情報と同じ又は少なくとも一つのパラメータが前記学習対象のイベントに関する情報と同じである実施対象のイベントに関する情報とを送信する送信装置と、
前記基地局から通信負荷を収集する負荷収集手段と、
前記学習対象のイベントに関する情報及び前記実施対象のイベントに関する情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が前記学習対象のイベントに関する情報を取得した場合、前記基地局の前記通信負荷を、前記学習対象のイベントに関する情報に関連付けて学習する学習手段と、
前記取得手段が前記実施対象のイベントに関する情報を取得した場合、前記実施対象のイベントに関する情報と、前記学習対象のイベントに関する情報に関連付けて学習された前記通信負荷とを用いて前記基地局を制御する基地局制御手段と
を含む基地局制御装置と
を含み、
前記取得手段は、前記学習手段が前記学習を実行した後に、前記実施対象のイベントに関する情報を取得する、
基地局制御システム。
【請求項8】
学習対象のイベントに関する情報を、送信装置から取得し、
前記学習対象のイベントに関する情報を取得した場合、基地局における通信負荷を、前記学習対象のイベントに関する情報に関連付けて学習し、
前記学習を実行した後に、前記学習対象のイベントに関する情報と同じ又は少なくとも一つのパラメータが前記学習対象のイベントに関する情報と同じである実施対象のイベントに関する情報を、前記送信装置から取得し、
前記実施対象のイベントに関する情報を取得した場合、前記実施対象のイベントに関する情報と、前記学習対象のイベントに関する情報に関連付けて学習された前記通信負荷とを用いて前記基地局を制御する
基地局制御方法。
【請求項9】
学習対象のイベントに関する情報を、送信装置から取得する処理と、
前記学習対象のイベントに関する情報を取得した場合、基地局における通信負荷を、前記学習対象のイベントに関する情報に関連付けて学習する処理と、
前記学習を実行した後に、前記学習対象のイベントに関する情報と同じ又は少なくとも一つのパラメータが前記学習対象のイベントに関する情報と同じである実施対象のイベントに関する情報を、前記送信装置から取得する処理と、
前記実施対象のイベントに関する情報を取得した場合、前記実施対象のイベントに関する情報と、前記学習対象のイベントに関する情報に関連付けて学習された前記通信負荷とを用いて前記基地局を制御する処理と
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線端末の通信を中継する基地局に関し、特に、基地局を管理する基地局管理装置などに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの無線端末間の通信は、無線端末と、その無線端末と通信する基地局と、基地局を接続する交換局とで構成されている。
【0003】
基地局は、動的に、複数の無線端末との接続を切り替えて、無線端末と交換局との接続を確保している。
【0004】
交換局は、他の交換局と協働して、送信元の無線端末と接続している基地局と、通信先の無線端末と接続している基地局との接続経路を実現する。
【0005】
基地局に接続している無線端末の数、つまり通信負荷は、変化する。そこで、基地局の通信負荷に対応して、通信を適切に実行するための技術が提案されている(例えば、特許文献1ないし3を参照)。
【0006】
特許文献1に記載の伝播状況管理装置(サーバ)は、端末の位置送信機からの位置情報と通信品質とを基に、基地局の電波強度を変更する。
【0007】
特許文献2に記載の無線基地局は、サブ基地局を備える。そして、無線基地局の通信量が増大(エリア内の端末数が増加)すると、無線基地局は、通信範囲を狭くして、その無線基地局の担当する端末数を減らす。そして、各サブ基地局が、無線基地局と通信できなくなったエリアの端末の通信を担当する。
【0008】
特許文献3に記載の無線通信システムは、2種類の基地局(第1の基地局と第2の基地局)を備え、所定のスケジュールに沿って第2の基地局のトラフィック量を変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2015-073235号公報
【文献】特開2005-033389号公報
【文献】特開2011-124844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に記載の伝播状況管理装置は、通信状態を検出してから基地局を設定する。そのため、特許文献1に記載の伝播状況管理装置は、通信状態の変化に対する基地局の設定までの時間遅れが発生するという問題点があった。
【0011】
特許文献2に記載の無線基地局は、通常時は使用しないサブ基地局を必要とするという問題点があった。
【0012】
特許文献3に記載の無線通信システムでは、利用者が、第2の基地局におけるトラフィック量を変更するスケジュールを設定する必要がある。つまり、特許文献3に記載の無線通信システムを用いる場合、無線通信システムの利用者は、トラフィック量を予測する必要があった。このように、特許文献3に記載の無線通信システムは、システムの管理者などにおける工数(トラフィック量の予測工数)が必要であるという問題点があった。
【0013】
本発明の目的は、上記問題点を解決し、サブ基地局のような追加の基地局を必要とせず、かつ、管理者などにおける予測などの工数を必要とせずに、時間遅れを削減して基地局を適切に制御する基地局管理装置などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一形態における情報処理装置は、第1のイベントが実施された施設に設けられた基地局における通信負荷を、第1のイベントに関連付けて学習する負荷学習手段と、第1のイベントと同じ又は少なくとも一つのパラメータが第1のイベントと同じである第2のイベントにおいて、第1のイベントに関連付けて学習された通信負荷を用いて基地局を制御する基地局制御手段とを含む。
【0015】
本発明の一形態における基地局管理システムは、第1のイベント、及び、第1のイベントと同じ又は少なくとも一つのパラメータが第1のイベントと同じである第2のイベントが行われる施設に設けられ、所定の通信網に接続された基地局と、第1のイベント及び第2のイベントに関連する情報を送信するイベント送信装置と、基地局から通信負荷を収集する負荷収集手段と、第1のイベント及び第2のイベントに関連する情報を取得するイベント取得手段と、第1のイベントにおける基地局の通信負荷を、第1のイベントに関連付けて学習する負荷学習手段と、第2のイベントにおいて、第1のイベントに関連付けて学習された通信負荷を用いて基地局を制御する基地局制御手段とを含む基地局管理装置とを含む。
【0016】
本発明の一形態における情報処理方法は、第1のイベントが実施された施設に設けられた基地局における通信負荷を、第1のイベントに関連付けて学習し、第1のイベントと同じ、又は、少なくとも一つのパラメータが第1のイベントと同じである、第2のイベントにおいて、第1のイベントに関連付けて学習された通信負荷を用いて基地局を制御する。
【0017】
本発明の一形態におけるプログラムは、第1のイベントが実施された施設に設けられた基地局における通信負荷を、第1のイベントに関連付けて学習する処理と、第1のイベントと同じ、又は、少なくとも一つのパラメータが第1のイベントと同じである第2のイベントにおいて、第1のイベントに関連付けて学習された通信負荷を用いて基地局を制御する処理とをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に基づけば、追加の基地局を必要とせず、かつ、管理者などにおける予測工数を必要とせずに、時間遅れを削減して基地局を適切に制御するとの効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、第1の実施形態に係る基地局管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る基地局管理装置を含む基地局管理システムの構成の一例を示す図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る基地局管理装置における基地局の通信負荷を学習する動作の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、第1の実施形態に係る基地局管理装置における基地局を制御する動作の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、説明の用いる施設の構成を示す概略図である。
図6図6は、施設における基地局の配置例を示す図である。
図7図7は、サッカーの試合における基地局の通信負荷の一例を示す図である。
図8図8は、陸上競技の試合中における基地局の通信負荷の一例を示す図である。
図9図9は、コンサートにおける基地局の通信負荷の一例を示す図である。
図10図10は、コンサートの開場時における基地局の通信負荷の一例を示す図である。
図11図11は、コンサートの開場から開演までの間の入場途中における基地局の通信負荷の一例を示す図である。
図12図12は、サッカー開場時における基地局の通信負荷の一例を示す図である。
図13図13は、第1の実施形態に係る基地局管理装置の概要の一例の構成を示すブロック図である
図14図14は、基地局管理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0021】
各図面は、本発明の実施形態を説明するためのものである。ただし、本発明は、各図面の記載に限られるわけではない。また、各図面の同様の構成には、同じ番号を付し、その繰り返しの説明を、省略する場合がある。また、以下の説明に用いる図面において、本発明の説明に関係しない部分の構成については、記載を省略し、図示しない場合もある。
【0022】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明における第1の実施形態について説明する。
【0023】
本発明における第1の実施形態に係る基地局管理装置10は、所定の基地局20を管理する。
【0024】
図2は、第1の実施形態に係る基地局管理装置10を含む基地局管理システム50の構成の一例を示す図である。
【0025】
基地局管理システム50は、基地局管理装置10と、基地局20と、通信網30と、イベント送信装置40とを含む。
【0026】
基地局20は、所定の施設に設けられ、その施設内及び/又は施設の近傍における図示しない携帯電話のような無線端末と通信網30との間の通信を中継する。基地局20は、それぞれ、通信負荷の状態(以下、単に「通信負荷」と呼ぶ場合もある)を基地局管理装置10に送信する。さらに、基地局20は、それぞれ、無線端末との通信を基地局管理装置10に制御されている。例えば、基地局20は、基地局管理装置10に制御されて、無線端末との通信に用いる通信帯域、及び/又は、通信方法(例えば、直行周波数分割多重方法など)を変更する。ただし、基地局20における通信の制御は、上記に限定されない。
【0027】
また、施設は、例えば、スポーツ施設(陸上競技場、サーカー場、又は、競馬場など)、又は、イベント会場(展示会場、コンサートホール、劇場、又は遊園地)である。ただし、施設は、上記に限定されない。
【0028】
通信網30は、図示しない交換局を含み、基地局20間の通信を実現する。なお、通信網30は、施設に設けられた基地局20間の通信に限られず、施設とは異なる場所に設けられた基地局20と、施設に設けられた基地局20と間の通信を実現してもよい。
【0029】
イベント送信装置40は、施設において実行されるイベントに関連する情報(以下、イベントに関連する情報を単に「イベント」と呼ぶ場合もある)を基地局管理装置10に送信する。
【0030】
基地局管理装置10は、イベント送信装置40から受信したイベントと、基地局20から受信した通信負荷とを基に、イベントに関連する通信負荷を学習し、保存する。そして、基地局管理装置10は、学習した通信負荷を用いて、それ以降における学習したイベントと同じイベント、又は、少なくとも一つのパラメータが学習したイベントのパラメータと同じであるイベントにおいて、基地局20における通信設定などを制御する。以下、少なくとも一つのパラメータが学習したイベントと同じであるイベントを「類似するイベント」と呼ぶ。
【0031】
類似するイベントとは、学習したイベントと同様に観客を動員するイベントである。ここで、基地局20の通信負荷は、観客に対応している。すなわち、類似するイベントとは、基地局20における通信負荷が同様となるイベントである。言い換えると、あるイベント(以下、「イベントA」)に類似するイベント(以下、「イベントB」)とは、基地局管理装置10がイベントBにおいて、イベントAに関連して学習された通信負荷を用いて基地局20を制御できるイベントである。
【0032】
基地局管理装置10は、予め、イベントの類似に関する情報(例えば、類似するイベント及び/又はパラメータの対応表)を保持しておけばよい。
【0033】
なお、第1の実施形態において、パラメータは、限定されない。パラメータの一例は、イベントの種類である。
【0034】
イベントの種類とは、例えば、スポーツ、展示会、又は、コンサートなど、イベントの観客の分布などの違いに基づく分類である。
【0035】
例えば、ピッチを用いて2つのチームが対戦する競技(例えば、サッカー、ラグビー、及びホッケー)は、観客の位置は概ね同じとなるため、互いに類似するイベントである。
【0036】
イベントの種類は、複数の階層を備えていてもよい。イベントの種類が複数の階層を備える場合、基地局管理装置10は、イベントに合わせて使用する階層を選択してもよい。
【0037】
一例として、2階層の場合を説明する。イベントの種類の最上位層は、「展示会、スポーツ」とする。「展示会」の下位層は、「商談会、フリーマーケット」とする。「スポーツ」の階層は、「サッカー、陸上競技」とする。この場合、展示会は、会場全体に観客が広がるため、下位層での通信負荷の違いは少ない。一方、スポーツは、種目ごとに観客の位置が異なるため、下位層での通信負荷が異なる。そこで、基地局管理装置10は、展示会の場合のイベントの種類としては最上位層である「展示会」を用い、スポーツの場合のイベントの種類としては下位層の「サッカー」又は「陸上競技」を用いてもよい。
【0038】
ただし、第1の実施形態におけるパラメータは、イベントの種類に限定されない。
【0039】
パラメータは、イベントの開始時間及び/又は終了時間、イベントの開始から終了までの時間(以下、「イベント期間」と呼ぶ)、又はイベントの開催時期など、イベントの時間に関連する情報でもよい。
【0040】
あるいは、パラメータは、イベントの観客の数、イベントにおける観客の分布、観客席の分布、又は、基地局20と通信する無線端末の分布など、観客及び/又は通信端末に関連する情報でもよい。
【0041】
基地局管理装置10は、イベントに関する情報として、少なくとも一つのパラメータを受信する。
【0042】
なお、基地局管理装置10が、観客の分布、又は、無線端末の分布を用いる場合、その分布の取得手段を、限定されない。例えば、基地局管理装置10は、基地局20からその基地局20に接続している無線端末の数を取得してもよい。あるいは、基地局管理装置10は、所定のカメラの画像を基に、観客の位置及び移動状況などを基に、観客の分布、及び、分布の時間経過に伴う変化を算出してもよい。
【0043】
以下、図面を参照して、基地局管理装置10について、詳細を説明する。
【0044】
[構成の説明]
まず、図面を参照して、本発明における第1の実施形態に係る基地局管理装置10の構成について説明する。
【0045】
図1は、第1の実施形態に係る基地局管理装置10の構成の一例を示すブロック図である。
【0046】
基地局管理装置10は、負荷収集部110と、イベント取得部120と、負荷学習部130と、基地局制御部140とを含む。
【0047】
負荷収集部110は、基地局20における通信負荷を収集する。負荷収集部110は、収集した通信負荷を負荷学習部130に送信する。
【0048】
イベント取得部120は、所定の装置(例えば、イベントに関する情報を送信するイベント送信装置40)からイベントを取得する。イベント取得部120は、イベントを、負荷学習部130及び基地局制御部140に送信する。
【0049】
負荷学習部130は、負荷収集部110から通信負荷を受信し、イベント取得部120からイベントを受信する。
【0050】
そして、負荷学習部130は、イベントと通信負荷とを用いて、イベントに関連する基地局20における通信負荷を学習する。なお、負荷学習部130が用いる学習は、限定されない。例えば、学習は、サポートベクターマシンのような一般的な機械学習に限られず、ディープラーニングなどのような人工知能を用いたより高度な機械学習でもよい。
【0051】
ここで、負荷学習部130が、イベントと通信負荷とを用いる理由を説明する。
【0052】
図5は、以下の説明の用いる施設60の構成を示す概略図である。施設60は、陸上競技用のトラックと、サッカー用のピッチとを備える。そして、施設60は、トラックなど取り囲むように固定的な席(観客席)が設けられている。さらに、施設60は、4箇所の出入口を備える。
【0053】
図6は、施設60における基地局20の配置例を示す図である。基地局20は、施設60の固定的な観客席に適宜配置されている。基地局20は、施設60において行われるイベントに対応して、利用状況(つまり、通信負荷の軽重)が異なる。
【0054】
以下、具体的な例を用いて説明する。なお、以下の説明に用いる図において、通信負荷が重い基地局20は、黒塗りで示されている。また、通信負荷が軽い基地局20は、破線を用いて示されている。
【0055】
例えば、サッカーの試合が実施される場合、観客(サポーター)は、ピッチを挟んで応援するチームのサイドに集まる。そのため、基地局20の通信負荷は、ピッチを挟んだサポーターの応援位置で重くなる。
【0056】
図7は、サッカーの試合における基地局20の通信負荷の一例を示す図である。図7において、サポーター席における基地局20の通信負荷が重くなっている。
【0057】
一方、陸上競技の場合、観客は、必ずしもトラックの直線部分に集まるとは限らない。
【0058】
図8は、陸上競技の試合中における基地局20の通信負荷の一例を示す図である。陸上競技は、競技場全体において行われるため、図8において、全ての観客席における基地局20の通信負荷が、同程度に重くなっている。
【0059】
さらに、施設60は、スポーツ以外のイベントに利用される場合がある。
【0060】
例えば、施設60は、コンサートの会場となる場合がある。この場合、ステージは、例えば、トラック及びピッチと一部に設けられる。そして、観客席は、固定的な観客席の一部と、トラック及びピッチの一部に設けられる。
【0061】
図9は、コンサートにおける基地局20の通信負荷の一例を示す図である。図9において、コンサート用の観客席は、固定的な観客席、トラック、及びピッチの一部を用いて設けられている。そして、その観客席に近い基地局20の通信負荷が、重くなっている。
【0062】
このように、基地局20の通信負荷は、施設60において行われるイベントに関連して異なる。
【0063】
そこで、負荷学習部130は、イベントと通信負荷とを所定の機械学習に適用して、イベントに関連した通信負荷を学習する。
【0064】
そして、負荷学習部130は、学習した通信負荷を、イベントに関連させて保存する。
【0065】
なお、負荷学習部130は、一つのイベントに限られず、複数のイベントに対して通信負荷を学習して保存してもよい。さらに、負荷学習部130は、一回のイベントではなく、複数回のイベントにおける履歴を用いて学習してもよい。
【0066】
以下の説明において、負荷学習部130が学習に用いたイベントを、「第1のイベント」と呼ぶ場合もある。
【0067】
基地局制御部140は、イベント取得部120から新たに開始するイベントを取得する。このイベントは、負荷学習部130が学習に用いたイベントと同じイベント、又は、学習に用いたイベントにおける少なくとも一つのパラメータが同じであるイベント(類似するイベント)である。
【0068】
そして、基地局制御部140は、負荷学習部130が保存した学習結果の通信負荷から、受信したイベントの同じ又は類似するイベントと関連する通信負荷を用いて、基地局20を制御する。
【0069】
以下の説明において、基地局制御部140が基地局20を制御するイベントを、「第2のイベント」と呼ぶ場合もある。
【0070】
基地局制御部140が基地局20を制御するやり方は、限定されない。例えば、基地局制御部140は、保存されている通信負荷に対応するプロファイルを用いて、基地局20における稼働状態に対するパラメータを設定してもよい。
【0071】
あるいは、基地局制御部140は、保存されている通信負荷に沿って、基地局20におけるハンドオーバーを制御してもよい。
【0072】
あるいは、基地局制御部140は、一部の基地局20を待機状態又は電源断としてもよい。
【0073】
基地局制御部140は、基地局20を制御するための情報(例えば、上記のプロファイル)を保存するデータベースを備えていてもよい。
【0074】
なお、基地局制御部140が基地局20を制御するイベント(第2のイベント)の発生前であれば、負荷学習部130が学習する時機は、限定されない。
【0075】
例えば、負荷学習部130は、学習対象となるイベント(第1のイベント)が実行されたときに、学習してもよい。
【0076】
あるいは、基地局管理装置10が図示しない記憶部を備え、負荷収集部110及びイベント取得部120が、その記憶部に、予め、基地局20の通信負荷及びイベント(第1のイベント)を保存してもよい。そして、基地局制御部140が基地局20を制御するイベント(第2のイベント)の実施前の所定の時機に、負荷学習部130が、保存されている通信負荷とイベント(第1のイベント)とを用いて学習してもよい。この場合、負荷収集部110とイベント取得部120と記憶部とのいずれか一部又は全てが、基地局管理装置10の外部に設けられていてもよい。
【0077】
なお、基地局制御部140は、実際に発生している基地局20に通信負荷の状態を参照して、基地局20に対する制御内容を修正してもよい。この場合、基地局制御部140は、負荷収集部110から通信負荷を取得すればよい。図1は、破線を用いてこの場合の通信負荷の取得を示している。
【0078】
なお、基地局20の通信負荷は、イベントの進捗に沿って変化する。
【0079】
例えば、施設60でコンサートが行われる場合、観客の分布は、開場時と、開場から開演までの間と、開演中(コンサート中)とでは異なる。
【0080】
例えば、開場時は、観客は出入口の周辺に分布している。
【0081】
図10は、コンサートの開場時における基地局20の通信負荷の一例を示す図である。なお、このコンサートの場合、観客が利用する出入口は、コンサートにおける観客席に接続する左側の2つの出入口となっている。図10において、2つの出入口の周辺の基地局20の通信負荷が、重くなっている。
【0082】
図11は、コンサートの開場から開演までの間の入場途中における基地局20の通信負荷の一例を示す図である。開場からある程度の時間が経過すると、観客は、施設60の出入口から内部に広がる。そのため、図11において、通信負荷が重い基地局20の範囲が、出入口の近傍から広がっている。
【0083】
このように、基地局20それぞれにおける通信負荷は、時間に沿って変化する場合がある。
【0084】
そこで、負荷学習部130は、第1のイベントにおける時間経過に沿った通信負荷の変化を学習してもよい。
【0085】
この場合、基地局制御部140は、学習された通信負荷の変化を用いて、第2のイベントにおける時間経過に沿って基地局20における通信を制御すればよい。
【0086】
なお、第2のイベントの開始から終了までの時間(以下、「第2のイベント期間」と呼ぶ)が、第1のイベントの開始から終了までの時間(以下、「第1のイベント期間」と呼ぶ)と異なる場合がある。
【0087】
その場合、基地局制御部140は、第1のイベント期間と第2のイベント期間とに時間比率を用いて、基地局20を制御してもよい。例えば、第2のイベント期間が、第1のイベント期間の二倍の場合、基地局制御部140は、第2のイベントにおける経過時間の半分の時間に対応する第1のイベントにおける通信負荷を用いて基地局20を制御すればよい。
【0088】
あるいは、基地局管理装置10は、各イベントを複数の部分(以下、「サブ・イベント」と呼ぶ)に分けて動作してもよい。具体的には、負荷学習部130は、サブ・イベントごとに基地局20の通信負荷を学習する。そして、基地局制御部140は、サブ・イベントごとに基地局20を制御する。
【0089】
サブ・イベントとは、イベントを複数のイベントに分割したものである。例えば、「3幕の演劇」におけるサブ・イベントは、「開場から第1幕開演まで」、「第1幕」、「幕間」、「第2幕」、「幕間」、「第3幕」、及び「第3幕終演から閉場まで」である。あるいは、例えば、「サッカーの試合」におけるサブ・イベントは、「試合前」、「前半」、「ハーフタイム」、「後半」、(「延長」)及び「試合後」である。ただし、サブ・イベントは、上記に限定されない。
【0090】
なお、基地局20の設定を変化させる時間単位は、限定されない。基地局管理装置10は、所定の時間単位(例えば、ミリ秒単位、秒単位、又は、分単位)で基地局20の設定を制御すればよい。
【0091】
ただし、時間に沿った基地局20の通信負荷は、イベントに対応して変化する。
【0092】
例えば、イベントが異なると、開場時の観客の流れは異なる。
【0093】
図12は、サッカー開場時における基地局20の通信負荷の一例を示す図である。図12に示されているサッカー開場時において、施設60は、4箇所の出入口を開放する。そのため、図10の場合と異なり、図12において4箇所の出入口近傍の基地局20の通信負荷が、重くなっている。
【0094】
そこで、負荷学習部130は、時間の経過に沿って学習する場合でも、イベントに関連するように基地局20の通信負荷の変化を学習する。
【0095】
なお、時間経過に伴う学習に用いる情報は、限定されない。例えば、負荷収集部110は、基地局20の通信負荷に加え、所定にカメラから画像を基に、時間経過に伴う施設60における観客の位置及び移動状況を取得してもよい。
【0096】
この場合、負荷収集部110又は負荷学習部130は、観客の位置及び移動状況から、イベントの時間結果に対応した観客又は無線端末の分布及び分布の時間経過に伴う変化を算出する。そして、負荷学習部130は、第1のイベントおける観客又は無線端末の分布、及び、分布の変化を用いて通信負荷の変化を学習すればよい。
【0097】
そして、基地局制御部140は、第2のイベントにおける観客又は無線端末の分布、及び、分布の変化に対応して基地局20を制御すればよい。
【0098】
[動作の説明]
次に、図面を参照して、第1の実施形態に係る基地局管理装置10の動作について説明する。
【0099】
まず、基地局管理装置10における基地局20の通信負荷を学習する動作について説明する。
【0100】
図3は、第1の実施形態に係る基地局管理装置10における基地局20の通信負荷を学習する動作の一例を示すフローチャートである。
【0101】
負荷学習部130は、施設60において実施されたイベント(第1のイベント)を取得する(ステップS101)。例えば、負荷学習部130は、イベント取得部120を介してイベント送信装置40からイベントを取得する。あるいは、負荷学習部130は、イベント取得部120が予め取得し、所定の構成又は装置に保持されたイベントを取得してもよい。
【0102】
負荷学習部130は、イベントに対応した基地局20の通信負荷を取得する(ステップS103)。例えば、負荷学習部130は、負荷収集部110から通信負荷を取得してもよい。あるいは、負荷学習部130は、予め負荷収集部110が取得し、所定の構成又は装置に保持された通信負荷を取得してもよい。
【0103】
なお、ステップS101とS103との動作順は、上記に限定されない。基地局管理装置10は、ステップS103を先に実行してもよい。あるいは、基地局管理装置10は、ステップS101とS103との少なくとも一部を並行に実行してもよい。
【0104】
そして、負荷学習部130は、イベントに関連付けて基地局20における通信負荷の学習する(ステップS105)。
【0105】
なお、負荷学習部130は、学習結果である通信負荷を基地局制御部140に送信してもよく、所定の記憶部に保存してもよい。
【0106】
次に、基地局管理装置10における基地局20を制御する動作について説明する。
【0107】
図4は、第1の実施形態に係る基地局管理装置10における基地局20を制御する動作の一例を示すフローチャートである。
【0108】
基地局制御部140は、実施されるイベント(第2のイベント)を取得する(ステップS201)。例えば、基地局制御部140は、イベント取得部120を介してイベント送信装置40からイベントを取得する。
【0109】
基地局制御部140は、実施されるイベント(第2のイベント)と同じ又は類似するイベント(第1のイベント)に関連付けて学習された通信負荷を取得する(ステップS203)。例えば、基地局制御部140は、負荷学習部130から学習された通信負荷を受信してよい。あるいは、基地局制御部140は、所定の記憶部又は記憶装置に保存されている学習された通信負荷を取得してもよい。
【0110】
そして、基地局制御部140は、実施されるイベント(第2のイベント)の開始を待つ(ステップS205)。
【0111】
イベント(第2のイベント)が開始すると、基地局制御部140は、取得した通信負荷を用いて、基地局20を制御する(ステップS207)。
【0112】
[その他の実施形態]
なお、基地局管理装置10は、所定の施設60に備えられた基地局20に限られず、施設60の周辺の基地局20を含めて管理してもよい。
【0113】
また、基地局管理装置10は、屋内用の基地局20に限らず、屋外用の基地局20を管理してもよい。
【0114】
さらに、基地局管理装置10は、イベントに応じて、管理する基地局20の範囲を変更してもよい。
【0115】
例えば、施設60内で実施されるイベント(例えば、所定業界の見本市)の場合、基地局管理装置10は、施設60内の基地局20を管理する。一方、最寄り駅から施設60までの商店街を含めたイベント(例えば、祭り)の場合、基地局管理装置10は、施設60及び商店街の基地局20を管理してもよい。あるいは、マラソン競技の場合、基地局管理装置10は、マラソンの進捗(例えば、先頭集団の位置)に合わせて、競技場及びマラソン・コースに配置された基地局20において、管理対象となる基地局20を変更してもよい。
【0116】
[効果の説明]
次に第1の実施形態に係る基地局管理装置10の効果について説明する。
【0117】
第1の実施形態に係る基地局管理装置10は、追加の基地局20を必要とせず、かつ、管理者などにおける予測工数を必要とせずに、時間遅れを削減して基地局20を適切に制御するとの効果を得ることができる。
【0118】
その理由は、次のとおりである。
【0119】
基地局管理装置10は、負荷学習部130と、基地局制御部140とを含む。負荷学習部130は、第1のイベントが実施された施設60に設けられた基地局20における通信負荷を、第1のイベントに関連付けて学習する。基地局制御部140は、第1のイベントと同じ又は少なくとも一つのパラメータが第1のイベントと同じである第2のイベントにおいて、第1のイベントに関連付けて学習された通信負荷を用いて基地局20を制御する。
【0120】
基地局管理装置10の負荷学習部130は、予め、イベントに関連付けて基地局20の通信負荷を学習する。そして、基地局管理装置10の基地局制御部140は、新たなイベントが行われるときに、学習したイベントに関連付けられた通信負荷(学習の結果である通信負荷)を用いて、基地局20を制御する。
【0121】
基地局管理装置10は、設置されている基地局20の通信負荷を用いた学習結果を利用して、基地局20を制御する。つまり、基地局管理装置10は、追加の基地局20を利用しない管理を実行する。
【0122】
また、基地局管理装置10が基地局20の制御に用いる通信負荷は、基地局管理装置10が、予め、通信負荷を学習し、その学習の結果として保存されている。そのため、基地局管理装置10の管理者などは、トラフィック量などを予測する工数を必要とされない。
【0123】
さらに、基地局管理装置10は、予め基地局20の通信負荷を学習しているため、基地局管理装置10は、イベントの進行などに対して時間遅れなく基地局20を制御することができる。
【0124】
さらに、基地局管理装置10は、負荷収集部110と、イベント取得部120とを含む。負荷収集部110は、処理に用いる基地局20の通信負荷を収集する。イベント取得部120は、対象となるイベントを取得する。
【0125】
そのため、基地局管理装置10の管理者などは、基地局20の通信負荷と、イベントとを取得する必要がない。つまり、基地局管理装置10は、管理者などにおける上記の情報の取得工数を削減する。
【0126】
[実施形態の概要]
図面を参照して、第1の実施形態に係る基地局管理装置10の概要を説明する。
【0127】
図13は、第1の実施形態に係る基地局管理装置10の概要の一例である基地局管理装置11の構成を示すブロック図である。
【0128】
基地局管理装置11は、負荷学習部130と、基地局制御部140とを含む。負荷学習部130は、第1のイベントが実施された施設60に設けられた基地局20における通信負荷を、第1のイベントに関連付けて学習する。基地局制御部140は、第1のイベントと同じ又は少なくとも一つのパラメータが第1のイベントと同じである第2のイベントにおいて、第1のイベントに関連付けて学習された通信負荷を用いて基地局20を制御する。
【0129】
負荷学習部130は、負荷収集部110及びイベント取得部120と同様の機能を備える装置又は構成から、イベントと通信負荷を取得する。基地局制御部140は、イベント取得部120と同様の機能を備える装置又は構成からイベントを取得し、負荷学習部130から学習後の通信負荷を取得し、基地局20を制御する。
【0130】
このように構成された基地局管理装置11は、基地局管理装置10と同様の効果を得ることができる。
【0131】
その理由は、基地局管理装置11の負荷学習部130及び基地局制御部140が、基地局管理装置10における同様の構成と同様に動作するためである。
【0132】
なお、基地局管理装置11は、第1の実施形態における最小構成である。
【0133】
[ハードウェア構成]
次に、基地局管理装置10及び基地局管理装置11のハードウェア構成について、基地局管理装置10を用いて説明する。
【0134】
基地局管理装置10において、各構成部は、ハードウェア回路で構成されてもよい。
【0135】
あるいは、基地局管理装置10において、各構成部は、ネットワークを介して接続した複数の装置を用いて、構成されてもよい。
【0136】
あるいは、基地局管理装置10において、複数の構成部は、1つのハードウェアで構成されてもよい。
【0137】
あるいは、基地局管理装置10は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Acess Memory)とを含むコンピュータ装置として実現されてもよい。基地局管理装置10は、上記構成に加え、さらに、入出力接続回路(IOC:Inpute and Output Circuit)を含むコンピュータ装置として実現されてもよい。基地局管理装置10は、上記構成に加え、さらに、ネットワークインターフェース回路(NIC:Network Interface Circuit)を含むコンピュータ装置として実現されてもよい。
【0138】
図14は、基地局管理装置10のハードウェア構成の一例である情報処理装置600の構成を示すブロック図である。
【0139】
情報処理装置600は、CPU610と、ROM620と、RAM630と、内部記憶装置640と、IOC650と、NIC680と、NIC690とを含み、コンピュータ装置を構成している。
【0140】
CPU610は、ROM620からプログラムを読み込む。そして、CPU610は、読み込んだプログラムに基づいて、RAM630と、内部記憶装置640と、IOC650と、NIC680と、NIC690とを制御する。そして、CPU610を含むコンピュータは、これらの構成を制御し、図1に示されている、負荷収集部110と、イベント取得部120と、負荷学習部130と、基地局制御部140としての各機能を実現する。
【0141】
CPU610は、各機能を実現する際に、RAM630又は内部記憶装置640を、プログラムの一時記憶媒体として使用してもよい。
【0142】
また、CPU610は、コンピュータで読み取り可能にプログラムを記憶した記憶媒体700が含むプログラムを、図示しない記憶媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。あるいは、CPU610は、NIC680又はNIC690を介して、図示しない外部の装置からプログラムを受け取り、RAM630又は内部記憶装置640に保存して、保存したプログラムを基に動作してもよい。
【0143】
ROM620は、CPU610が実行するプログラム及び固定的なデータを記憶する。ROM620は、例えば、P-ROM(Programmable-ROM)又はフラッシュROMである。
【0144】
RAM630は、CPU610が実行するプログラム及びデータを一時的に記憶する。RAM630は、例えば、D-RAM(Dynamic-RAM)である。
【0145】
内部記憶装置640は、情報処理装置600が長期的に保存するデータ及びプログラムを記憶する。また、内部記憶装置640は、CPU610の一時記憶装置として動作してもよい。内部記憶装置640は、例えば、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)又はディスクアレイ装置である。
【0146】
ROM620と内部記憶装置640とは、不揮発性(non-transitory)の記憶媒体である。一方、RAM630は、揮発性(transitory)の記憶媒体である。そして、CPU610は、ROM620、内部記憶装置640、又は、RAM630に記憶されているプログラムを基に動作可能である。つまり、CPU610は、不揮発性記憶媒体又は揮発性記憶媒体を用いて動作可能である。
【0147】
IOC650は、CPU610と、入力機器660及び表示機器670とのデータを仲介する。IOC650は、例えば、IOインターフェースカード又はUSB(Universal Serial Bus)カードである。さらに、IOC650は、USBのような有線に限らず、無線を用いてもよい。
【0148】
入力機器660は、情報処理装置600の操作者からの入力指示を受け取る機器である。入力機器660は、例えば、キーボード、マウス又はタッチパネルである。
【0149】
表示機器670は、情報処理装置600の操作者に情報を表示する機器である。表示機器670は、例えば、液晶ディスプレイである。
【0150】
NIC680は、基地局20とのデータ(例えば、通信負荷、及び、制御における指示)のやり取りを中継する。NIC680は、例えば、所定の固定回線、又は、LAN(Local Area Network)カードである。さらに、NIC680は、有線に限らず、無線を用いてもよい。
【0151】
NIC690は、イベント送信装置40とのデータ(例えば、イベントに関する情報)のやり取りを中継する。NIC690は、例えば、LANカードである。さらに、NIC690は、有線に限らず、無線を用いてもよい。
【0152】
なお、NIC680及び690は、一つの構成(例えば、LANカード)を用いて実現されてもよい。
【0153】
このように構成された情報処理装置600は、基地局管理装置10と同様の効果を得ることができる。
【0154】
その理由は、情報処理装置600のCPU610が、プログラムに基づいて基地局管理装置10と同様の機能を実現できるためである。
【0155】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0156】
本発明は、スタジアムのような管理対象となる基地局の範囲を限定できる施設、及び、時間遷移で動線変化に傾向が観測できる場所などにおいて利用可能である。例えば、本発明は、展示会場、ショッピングモール、商店街、大学、博物館、空港、及び駅等で利用可能である。
【符号の説明】
【0157】
10 基地局管理装置
11 基地局管理装置
20 基地局
30 通信網
40 イベント送信装置
50 基地局管理システム
60 施設
110 負荷収集部
120 イベント取得部
130 負荷学習部
140 基地局制御部
610 CPU
620 ROM
630 RAM
640 内部記憶装置
650 IOC
660 入力機器
670 表示機器
680 NIC
690 NIC
700 記憶媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14