IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社マキタの特許一覧

<>
  • 特許-ロボット集塵機 図1
  • 特許-ロボット集塵機 図2
  • 特許-ロボット集塵機 図3
  • 特許-ロボット集塵機 図4
  • 特許-ロボット集塵機 図5
  • 特許-ロボット集塵機 図6
  • 特許-ロボット集塵機 図7
  • 特許-ロボット集塵機 図8
  • 特許-ロボット集塵機 図9
  • 特許-ロボット集塵機 図10
  • 特許-ロボット集塵機 図11
  • 特許-ロボット集塵機 図12
  • 特許-ロボット集塵機 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】ロボット集塵機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/00 20060101AFI20231226BHJP
   A47L 9/28 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
A47L9/00 D
A47L9/28 E
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018210010
(22)【出願日】2018-11-07
(65)【公開番号】P2020074919
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2021-08-19
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小浦 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】住吉 宏太伽
【合議体】
【審判長】窪田 治彦
【審判官】長馬 望
【審判官】西 秀隆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第8874268(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/00
A47L 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングの開口を塞ぐカバー板と、
前記カバー板に接続され挿入空間を有する第1ヒンジ部材と、
前記挿入空間に配置される弾性部材と、
前記挿入空間に挿入され前記弾性部材を支持するシャフト部及び前記ハウジングの少なくとも一部に固定される固定部を有し、回転軸を中心に前記第1ヒンジ部材を回転可能に支持する第2ヒンジ部材と、を備え
前記第1ヒンジ部材は、前記回転軸を中心とする回転方向における前記第1ヒンジ部材と前記弾性部材の少なくとも一部との相対位置を固定する第1位置決め部を有し、
前記第2ヒンジ部材は、前記回転方向における前記第2ヒンジ部材と前記弾性部材の少なくとも一部との相対位置を固定する第2位置決め部を有する、
ロボット集塵機。
【請求項2】
前記第1ヒンジ部材は、前記回転軸の放射方向における前記第1ヒンジ部材と前記弾性部材の少なくとも一部との相対位置を固定する第3位置決め部を有する、
請求項に記載のロボット集塵機。
【請求項3】
前記シャフト部は、前記弾性部材の少なくとも一部が配置されるスリットを有し、
前記第2位置決め部は、前記スリットを含む、
請求項又は請求項に記載のロボット集塵機。
【請求項4】
前記固定部は、前記シャフト部に接続される基部と、前記基部に間隙を介して対向するアーム部と、前記アーム部の一端部と前記基部とを接続する接続部と、を有する、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載のロボット集塵機。
【請求項5】
前記基部と前記アーム部との間に前記カバー板に接続されるケーブルが配置される、
請求項に記載のロボット集塵機。
【請求項6】
前記固定部は、前記シャフト部に接続されるフランジ部と、フランジ部を支持する基部とを有し、
前記フランジ部は、前記シャフト部の周囲に配置される第1シール面を有し、
前記第1シール面は、前記ハウジングに設けられている第2シール面に接触する、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載のロボット集塵機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット集塵機に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボット集塵機に係る技術分野において、第1カバーと、ヒンジ部を介して第1カバーに連結される第2カバーと、第2カバーを開くための弾性力を発生する弾性部材とを備えるロボット集塵機が知られている。ロボット集塵機の使用者は、第2カバーを開いて、第1カバーの内部からダストボックスを取り出したり、第1カバーの内部にダストボックスを収容したりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第8874268号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
弾性部材がヒンジ部に配置される場合、ヒンジ部が大型化する可能性がある。また、ヒンジ部の構造によっては、第1カバーと第2カバーとを連結するときの組立作業性が悪化する可能性がある。
【0005】
本発明の態様は、ヒンジ部に弾性部材を配置する場合において、ヒンジ部の大型化を抑制し、組立作業性を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に従えば、ハウジングの開口を塞ぐカバー板と、前記カバー板に接続され挿入空間を有する第1ヒンジ部材と、前記挿入空間に配置される弾性部材と、前記挿入空間に挿入され前記弾性部材を支持するシャフト部及び前記ハウジングの少なくとも一部に固定される固定部を有し、回転軸を中心に前記第1ヒンジ部材を回転可能に支持する第2ヒンジ部材と、を備えるロボット集塵機が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の態様によれば、ヒンジ部の大型化を抑制し、組立作業性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係るロボット集塵機を示す斜視図である。
図2図2は、第1実施形態に係るロボット集塵機を示す上面図である。
図3図3は、第1実施形態に係るロボット集塵機を示す底面図である。
図4図4は、第1実施形態に係るロボット集塵機を示す側面図である。
図5図5は、第1実施形態に係るロボット集塵機を示す断面図である。
図6図6は、第1実施形態に係る連結機構を模式的に示す上面図である。
図7図7は、第1実施形態に係る連結機構を模式的に示す側面図である。
図8図8は、第1実施形態に係る連結機構を示す分解斜視図である。
図9図9は、第1実施形態に係る連結機構を示す側面図である。
図10図10は、第1実施形態に係る連結機構を示す斜視図である。
図11図11は、第2実施形態に係る第2ヒンジ部材を示す斜視図である。
図12図12は、第2実施形態に係る連結機構を示す斜視図である。
図13図13は、第3実施形態に係る第2ヒンジ部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
[ロボット集塵機]
図1は、本実施形態に係るロボット集塵機1を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係るロボット集塵機1を示す上面図である。図3は、本実施形態に係るロボット集塵機1を示す底面図である。図4は、本実施形態に係るロボット集塵機1を示す側断図である。図5は、本実施形態に係るロボット集塵機1を示す断面図である。
【0010】
本実施形態においては、「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、及び「下」の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は、ロボット集塵機1の中心を基準とした相対位置又は方向を示す。
【0011】
ロボット集塵機1は、清掃対象面FLを自律走行しながら集塵する。図1図2図3図4、及び図5に示すように、ロボット集塵機1は、本体2と、バンパ3と、バッテリ装着部4と、ファンユニット5と、ダストボックス6と、キャスタ7と、ローラ8と、走行装置12と、メインブラシ16と、メインブラシモータ17と、ガイド部材14と、サイドブラシ18と、サイドブラシモータ19と、ハンドル20と、光学センサ40と、物体センサ41と、落下防止センサ42と、部材センサ43と、インタフェース装置50とを備える。
【0012】
本体2は、上面2Aと、清掃対象面FLに対向する底面2Bと、上面2Aの周縁部と底面2Bの周縁部とを結ぶ側面2Cとを有する。上面2Aに平行な面内において、本体2の外形は、実質的に円形状である。
【0013】
本体2は、内部空間を有するハウジング11を含む。ハウジング11は、上ハウジング11Aと、上ハウジング11Aよりも下方に配置され、上ハウジング11Aに接続される下ハウジング11Bと、上ハウジング11Aに着脱可能に装着されるカバー板11Cと、下ハウジング11Bに装着されるボトムプレート11Dとを含む。上面2Aは、上ハウジング11A及びカバー板11Cに配置される。底面2Bは、下ハウジング11B及びボトムプレート11Dに配置される。
【0014】
本体2は、底面2Bに吸込口15を有する。吸込口15は、ボトムプレート11Dに設けられる。吸込口15は、清掃対象面FLの塵埃を吸い込む。吸込口15は、清掃対象面FLに対向する。吸込口15は、底面2Bの前部に設けられる。吸込口15は、左右方向に長い矩形状である。左右方向において、吸込口15の中心と本体2の中心とは一致する。なお、吸込口15の中心と本体2の中心とは一致しなくてもよい。
【0015】
バンパ3は、側面2Cの少なくとも一部に対向した状態で移動可能である。バンパ3は、本体2に移動可能に支持される。バンパ3は、側面2Cの前部に対向する。バンパ3は、ロボット集塵機1の周囲に存在する物体に衝突したとき、本体2に対して移動することにより、本体2に作用する衝撃を緩和する。
【0016】
バッテリ装着部4は、バッテリBTを支持する。バッテリBTは、バッテリ装着部4に装着される。バッテリ装着部4は、本体2の外面の少なくとも一部に設けられる。上ハウジング11Aの後部に凹部が設けられる。バッテリ装着部4は、上ハウジング11Aの凹部の内側に設けられる。バッテリ装着部4は、2つ設けられる。
【0017】
バッテリBTは、バッテリ装着部4に装着された状態で、ロボット集塵機1に搭載されている電気機器又は電子機器に電力を供給する。バッテリBTは、電動工具用のバッテリである。バッテリBTは、電動工具の電源として使用されるリチウムイオンバッテリを含む。バッテリBTは、充電可能な充電式電池を含む。バッテリ装着部4は、電動工具のバッテリ装着部と同等の構造を有する。
【0018】
ロボット集塵機1の使用者は、ハウジング11の外部空間において、バッテリ装着部4にバッテリBTを装着する作業及びバッテリ装着部4からバッテリBTを外す作業を実施することができる。バッテリ装着部4は、装着されるバッテリBTをガイドするガイド部材と、バッテリBTに設けられているバッテリ端子に接続される本体端子とを有する。使用者は、バッテリBTを上方からバッテリ装着部4に挿入することにより、バッテリBTをバッテリ装着部4に装着することができる。バッテリBTは、ガイド部材にガイドされながらバッテリ装着部4に挿入される。バッテリBTがバッテリ装着部4に装着されることにより、バッテリBTのバッテリ端子とバッテリ装着部4の本体端子とが電気的に接続される。ロボット集塵機1の使用者は、バッテリBTを上方に移動することにより、バッテリ装着部4からバッテリBTを外すことができる。
【0019】
ファンユニット5は、本体2に収容される。ファンユニット5は、塵埃を吸引するための吸引力を吸込口15に発生させる。ファンユニット5は、ハウジング11の内部空間に配置される。ファンユニット5は、本体2の後部において2つのバッテリ装着部4の間に配置される。ファンユニット5は、ダストボックス6を介して吸込口15に接続される。ファンユニット5は、ダストボックス6を介して吸込口15に吸引力を発生させる。
【0020】
図5に示すように、ファンユニット5は、ハウジング11の内部空間に配置されたケーシング5Aと、ケーシング5Aの内側に設けられた吸引ファン5Bと、吸引ファン5Bを回転させる動力を発生する吸引モータ5Cとを有する。ケーシング5Aは、ダストボックス6に接続される吸気口5Dと、排気口5Eとを有する。
【0021】
吸引モータ5Cは、バッテリBTから供給される電力により駆動する。吸引モータ5Cが駆動し、吸引ファン5Bが回転すると、吸気口5Dから排気口5Eに向かって気流が生成される。吸気口5Dは、ダストボックス6を介して吸込口15に接続される。吸引ファン5Bが回転すると、吸込口15から排気口5Eに向かって気流が生成される。これにより、吸込口15に吸引力が発生する。
【0022】
ダストボックス6は、本体2に収容される。ダストボックス6は、吸込口15から吸い込まれた塵埃を貯蔵する。ダストボックス6は、ハウジング11の内部空間に配置される。ダストボックス6は、吸込口15とファンユニット5との間に配置される。ダストボックス6は、吸込口15から吸い込まれた塵埃を回収して貯蔵する。
【0023】
図5に示すように、ダストボックス6は、本体部材6Aと、本体部材6Aの上端部に配置されるトレイ部材6Bと、トレイ部材6Bの上端部に配置される上板部材6Cとを有する。本体部材6Aの上端部に開口が設けられる。トレイ部材6Bは、本体部材6Aの上端部の開口を塞ぐように配置される。トレイ部材6Bの上端部に開口が設けられる。上板部材6Cは、トレイ部材6Bの上端部の開口を塞ぐように配置される。
【0024】
ダストボックス6は、内部に貯蔵空間Sを有する。吸込口15からの塵埃は、ダストボックス6の貯蔵空間Sに貯蔵される。貯蔵空間Sは、本体部材6Aとトレイ部材6Bとの間に規定される下側貯蔵空間S1と、トレイ部材6Bと上板部材6Cとの間に規定される上側貯蔵空間S2とを含む。
【0025】
ダストボックス6は、下側貯蔵空間S1に接続され、吸込口15からの塵埃を回収する下側回収口6Dと、上側貯蔵空間S2に接続され、吸込口15からの塵埃を回収する上側回収口6Eと、上側貯蔵空間S2に接続され、上側貯蔵空間S2からの空気が排出される排気口6Fとを有する。
【0026】
下側回収口6Dは、本体部材6Aの前部に設けられる。上側回収口6Eは、下側回収口6Dよりも上方に配置される。上側回収口6Eは、トレイ部材6Bの前部に設けられる。排気口6Fは、下側回収口6D及び上側回収口6Eよりも後方に配置される。排気口6Fは、トレイ部材6Bの後部に設けられる。下側貯蔵空間S1は、下側回収口6Dを介して吸込口15に接続される。上側貯蔵空間S2は、上側回収口6Eを介して吸込口15に接続される。排気口6Fは、ファンユニット5の吸気口5Dに接続される。ファンユニット5は、排気口6F及び上側貯蔵空間S2を介して吸込口15に接続される。排気口6Fと上側貯蔵空間S2との間に塵埃を捕集するフィルタ6Gが配置される。
【0027】
カバー板11Cは、上ハウジング11Aに着脱可能に装着される。カバー板11Cは、上ハウジング11Aに設けられている開口を塞ぐように配置される。ロボット集塵機1の使用者は、上ハウジング11Aの開口を介して、ハウジング11の内部空間からダストボックス6を取り出すことができる。ロボット集塵機1の使用者は、上ハウジング11Aの開口を介して、ハウジング11の内部空間にダストボックス6を収容することができる。
【0028】
キャスタ7及びローラ8のそれぞれは、本体2を移動可能に支持する。キャスタ7及びローラ8のそれぞれは、本体2に回転可能に支持される。キャスタ7は、底面2Bの後部に2つ設けられる。一方のキャスタ7は、本体2の左部に設けられる。他方のキャスタ7は、本体2の右部に設けられる。ローラ8は、底面2Bの前部に1つ設けられる。
【0029】
走行装置12は、本体2を前方及び後方の少なくとも一方に移動させる。走行装置12は、車輪9及び車輪モータ10を含む。
【0030】
車輪9は、本体2を移動可能に支持する。車輪9は、回転軸AXを中心に回転する。回転軸AXは、左右方向に延在する。車輪9は、2つ設けられる。一方の車輪9は、本体2の左部に設けられる。他方の車輪9は、本体2の右部に設けられる。
【0031】
車輪モータ10は、車輪9を回転させる動力を発生する。車輪モータ10は、バッテリBTから供給される電力により駆動する。車輪モータ10は、ハウジング11の内部空間に配置される。車輪モータ10は、2つ設けられる。一方の車輪モータ10は、本体2の左部に設けられている車輪9を回転させる動力を発生する。他方の車輪モータ10は、本体2の右部に設けられている車輪9を回転させる動力を発生する。車輪9は、車輪モータ10の駆動により回転する。車輪9が回転することにより、ロボット集塵機1は自律走行する。
【0032】
車輪モータ10は、車輪9の回転方向を変更可能である。車輪9が一方向に回転することにより、ロボット集塵機1は前進する。車輪9が他方向に回転することにより、ロボット集塵機1は後進する。2つの車輪モータ10は、異なる駆動量で駆動可能である。2つの車輪モータ10が異なる駆動量で駆動することにより、ロボット集塵機1は旋回する。
【0033】
走行装置12は、車輪9を支持する懸架装置を有する。懸架装置は、本体2に連結される。懸架装置の少なくとも一部は、ハウジング11の内部空間に配置される。車輪9は、懸架装置を介して本体2に支持される。懸架装置は、車輪9を上下方向に移動可能に支持する。懸架装置は、回転軸AXを中心に車輪9を回転可能に支持する。懸架装置は、車輪9の少なくとも一部が底面2Bから下方に突出するように、車輪9を支持する。車輪9の少なくとも一部は、底面2Bから下方に突出する。車輪9が清掃対象面FLに設置された状態において、本体2の底面2Bと清掃対象面FLとは、間隙を介して対向する。
【0034】
メインブラシ16は、吸込口15に配置される。メインブラシ16は、清掃対象面FLに対向する。メインブラシ16は、左右方向に長い。メインブラシ16は、回転軸MXを中心に回転する。回転軸MXは、左右方向に延在する。メインブラシ16は、左右方向に延在するロッド部材16Rと、ロッド部材16Rの外面に接続された複数のブラシ16Bとを有する。ロッド部材16Rの左端部及び右端部のそれぞれは、本体2に回転可能に支持される。ロッド部材16Rは、ブラシ16Bの少なくとも一部が底面2Bから下方に突出するように、本体2に支持される。車輪9が清掃対象面FLに設置された状態において、メインブラシ16の少なくとも一部は、清掃対象面FLに接触する。メインブラシ16が回転することにより、清掃対象面FLに存在する塵埃が掻き上げられ、吸込口15から吸い込まれる。
【0035】
メインブラシモータ17は、メインブラシ16を回転させる動力を発生する。メインブラシモータ17は、バッテリBTから供給される電力により駆動する。メインブラシモータ17は、ハウジング11の内部空間に配置される。メインブラシモータ17の駆動により、メインブラシ16が回転する。
【0036】
ガイド部材14は、清掃対象面FLに存在する塵埃を吸込口15にガイドする。ガイド部材14は、吸込口15の後端部に配置される。ガイド部材14は、メインブラシ16の回転軸MXよりも後方に配置される。ガイド部材14の下端部は、清掃対象面FLに接触する。ガイド部材14は、メインブラシ16により掻き上げられた塵埃の少なくとも一部を捕集する。ガイド部材14は、メインブラシ16により掻き上げられた塵埃が吸込口15よりも後方に移動することを抑制する。メインブラシ16により掻き上げられた塵埃の少なくとも一部は、ガイド部材14により捕集され、吸込口15から吸い込まれる。
【0037】
サイドブラシ18は、底面2Bの前部に配置される。サイドブラシ18は、清掃対象面FLに対向する。サイドブラシ18の少なくとも一部は、本体2よりも前方に配置される。サイドブラシ18は、2つ設けられる。一方のサイドブラシ18は、吸込口15よりも左方に設けられる。他方のサイドブラシ18は、吸込口15よりも右方に設けられる。サイドブラシ18は、円板部材18Dと、円板部材18Dに放射状に接続された複数のブラシ18Bとを有する。円板部材18Dは、本体2に回転可能に支持される。円板部材18Dは、ブラシ18Bの少なくとも一部が側面2Cよりも外側に突出するように、本体2に支持される。車輪9が清掃対象面FLに設置された状態において、サイドブラシ18の少なくとも一部は、清掃対象面FLに接触する。
【0038】
サイドブラシモータ19は、サイドブラシ18を回転させる動力を発生する。サイドブラシモータ19は、バッテリBTから供給される電力により駆動する。サイドブラシモータ19は、ハウジング11の内部空間に配置される。サイドブラシモータ19の駆動により、サイドブラシ18が回転する。サイドブラシ18が回転することによって、本体2の周囲の清掃対象面FLに存在する塵埃が吸込口15に移動する。
【0039】
ハンドル20は、上ハウジング11Aの前部に設けられる。ハンドル20の一端部及び他端部のそれぞれは、上ハウジング11Aに回動可能に連結される。ロボット集塵機1の使用者は、ハンドル20を保持してロボット集塵機1を持ち上げることができる。ロボット集塵機1の使用者は、ロボット集塵機1を持ち運びすることができる。
【0040】
インタフェース装置50は、カバー板11Cの後部に配置される。インタフェース装置50は、ロボット集塵機1の使用者に操作される複数の操作部及び複数の表示部を有する。インタフェース装置50の操作部として、電源ボタン50Aが例示される。インタフェース装置50の表示部として、バッテリBTの残量表示部50Bが例示される。また、上ハウジング11Aの前部には、例えば発光ダイオードを含む発光部51が設けられる。
【0041】
光学センサ40は、ロボット集塵機1の周囲の少なくとも一部に存在する物体を検出する。物体は、障害物を含む。光学センサ40は、本体2の前部に配置される。光学センサ40は、1つ設けられる。光学センサ40は、ロボット集塵機1よりも前方の物体を非接触で検出する。本実施形態において、光学センサ40は、物体の画像データを取得することにより物体を検出するカメラを含む。
【0042】
光学センサ40は、ハウジング11の内部空間に配置される。本体2の少なくとも一部に本体開口61が設けられる。バンパ3の少なくとも一部にバンパ開口62が設けられる。光学センサ40は、本体開口61及びバンパ開口62を介して、ロボット集塵機1よりも前方の物体を検出する。
【0043】
物体センサ41は、ロボット集塵機1の周囲の少なくとも一部に存在する物体を検出する。物体センサ41は、本体2の前部に配置される。物体センサ41は、間隔をあけて複数設けられる。物体センサ41は、ロボット集塵機1の周囲の少なくとも一部の物体を非接触で検出する。本実施形態において、物体センサ41は、エネルギー波を射出することにより物体を検出する。物体センサ41として、レーザ光を射出することにより物体を検出するレーザセンサ(LIDAR:Light Detection and Ranging)、電波を射出することにより物体を検出するレーダセンサ(RADAR:Radio Detection and Ranging)、及び超音波を射出することにより物体を検出する超音波センサ(Ultrasonic Sensor)の少なくとも一方が例示される。
【0044】
ロボット集塵機1は、光学センサ40及び物体センサ41の少なくとも一方の検出データに基づいて、ロボット集塵機1の周囲の少なくとも一部に物体が存在すると判定した場合、物体に接触しないように走行する。ロボット集塵機1は、物体に接触しないように、例えば進行方向を変更する。なお、ロボット集塵機1は、物体に接触しないように、走行を停止してもよい。なお、ロボット集塵機1は、物体に接触してもよい。ロボット集塵機1は、物体に接触した後、進行方向を変更したり、走行を停止したりしてもよい。
【0045】
落下防止センサ42は、清掃対象面FLの有無を検出する。落下防止センサ42は、底面2Bに配置される。図3に示すように、落下防止センサ42は、底面2Bの周縁部に間隔をあけて複数配置される。落下防止センサ42は、底面2Bの前部に設けられた落下防止センサ42Fと、底面2Bの後部に設けられた落下防止センサ42Bと、底面2Bの左部に設けられた落下防止センサ42Lと、底面2Bの右部に設けられた落下防止センサ42Rとを含む。
【0046】
落下防止センサ42は、底面2Bに対向する位置に清掃対象面FLが存在するか否かを非接触で検出する。落下防止センサ42は、底面2Bと清掃対象面FLとの距離を検出する。落下防止センサ42は、下方に向かってエネルギー波を射出することにより清掃対象面FLとの距離を検出する。落下防止センサ42として、レーザ光を射出することにより物体を検出するレーザセンサ、及び電波を射出することにより物体を検出するレーダセンサの少なくとも一方が例示される。底面2Bと清掃対象面FLとが規定距離以上離れている場合、ロボット集塵機1は、落下防止センサ42の検出データに基づいて、底面2Bに対向する位置に清掃対象面FLが存在しないと判定する。底面2Bに対向する位置に清掃対象面FLが存在しないと判定した場合、ロボット集塵機1は、走行を停止する。例えば清掃対象面FLの境界が下方に落ち込む段差に接続されている場合、落下防止センサ42は、段差を検出する。ロボット集塵機1は、落下防止センサ42の検出データに基づいて、段差が存在すると判定した場合、走行を停止する。これにより、ロボット集塵機1が段差の下に落下することが抑制される。
【0047】
部材センサ43は、清掃対象面FLに設けられた区画部材を検出する。部材センサ43は、底面2Bに配置される。図3に示すように、部材センサ43は、底面2Bの前部に間隔をあけて複数配置される。
【0048】
部材センサ43は、ローラ8よりも左方及び右方のそれぞれに配置される。2つの部材センサ43は、左右方向に配置される。左側の部材センサ43は、左側のサイドブラシ18の回転軸に対する放射方向において、左側のサイドブラシ18よりも外側に配置される。左側の部材センサ43は、左右方向において、左側のサイドブラシ18とローラ8との間に配置される。右側の部材センサ43は、右側のサイドブラシ18の回転軸に対する放射方向において、右側のサイドブラシ18よりも外側に配置される。右側の部材センサ43は、左右方向において、右側のサイドブラシ18とローラ8との間に配置される。
【0049】
区画部材は、ロボット集塵機1の使用者によって清掃対象面FLの任意の位置に配置される。区画部材として、磁性材料を含む磁気テープが例示される。部材センサ43として、磁気テープを検出可能な磁気センサが例示される。区画部材によって清掃対象範囲が規定される。ロボット集塵機1は、部材センサ43の検出データに基づいて、区画部材を超えないように走行する。これにより、ロボット集塵機1が清掃対象範囲の外側に移動することが抑制され、ロボット集塵機1は、清掃対象範囲を清掃することができる。
【0050】
なお、区画部材が、反射材料を含む反射テープでもよい。部材センサ43は、反射テープを検出する赤外線センサでもよい。
【0051】
[連結機構]
図6は、本実施形態に係る連結機構100を模式的に示す上面図である。図7は、本実施形態に係る連結機構100を模式的に示す側面図である。図8は、本実施形態に係る連結機構100を示す分解斜視図である。図9は、本実施形態に係る連結機構100を示す側面図である。図10は、本実施形態に係る連結機構100を示す斜視図である。
【0052】
連結機構100は、上ハウジング11Aとカバー板11Cとを連結する。連結機構100は、回転軸HXを中心にカバー板11Cを回転可能に支持するヒンジ部を含む。回転軸HXは、左右方向に延在する。
【0053】
連結機構100は、カバー板11Cに接続され、挿入空間60を有する第1ヒンジ部材61と、挿入空間60に配置される弾性部材62と、回転軸HXを中心に第1ヒンジ部材61を回転可能に支持する第2ヒンジ部材65とを有する。
【0054】
第1ヒンジ部材61は、挿入空間60が設けられる挿入部61Aと、挿入部61Aとカバー板11Cとを連結するレバー部61Bとを有する。
【0055】
挿入部61Aは、外筒部69と、外筒部69の内側に配置される内筒部68と、回転軸HXの放射方向において外筒部69から外側に突出する突出部70とを有する。
【0056】
弾性部材62は、挿入空間60に配置される。弾性部材62の全部が挿入空間60に配置される。弾性部材62は、挿入空間60に配置されている状態で、カバー板11Cを開くための弾性力を発生する。弾性部材62は、トーションスプリングを含む。弾性部材62は、コイル部62Cと、コイル部62Cの外側に突出する外側突出部62Aと、コイル部62Cの内側に突出する内側突出部62Bとを有する。外側突出部62Aは、直線状である。内側突出部62Bは、直線状である。
【0057】
挿入空間60は、コイル部62Cが配置される円筒空間60Cと、外側突出部62Aが配置される突出空間60Aと、内側空間60Bとを含む。円筒空間60Cは、外筒部69と内筒部68との間に設けられる。突出空間60Aは、突出部70に設けられる。内側空間60Bは、内筒部68の内側に設けられる。
【0058】
コイル部62Cが円筒空間60Cに挿入され、外側突出部62Aが突出空間60Aに挿入された状態で、外側突出部62Aの表面の少なくとも一部は、突出空間60Aの内面66に接触する。外側突出部62Aの表面の少なくとも一部が突出空間60Aの内面66に接触することにより、回転軸HXを中心とする回転方向における第1ヒンジ部材61と弾性部材62の少なくとも一部との相対位置が固定される。本実施形態において、突出空間60Aの内面66は、回転軸HXを中心とする回転方向における第1ヒンジ部材61と弾性部材62の少なくとも一部との相対位置を固定する第1位置決め部として機能する。
【0059】
コイル部62Cが円筒空間60Cに挿入され、外側突出部62Aが突出空間60Aに挿入された状態で、コイル部62Cの表面の少なくとも一部は、内筒部68の外周面及び外筒部69の内周面の少なくとも一方に接触する。コイル部62Cの表面の少なくとも一部が内筒部68の外周面及び外筒部69の内周面の少なくとも一方に接触することにより、回転軸HXの放射方向における第1ヒンジ部材61と弾性部材62の少なくとも一部との相対位置が固定される。本実施形態において、内筒部68及び外筒部69の少なくとも一方は、回転軸HXの放射方向における第1ヒンジ部材61と弾性部材62の少なくとも一部との相対位置を固定する第3位置決め部として機能する。
【0060】
コイル部62Cが円筒空間60Cに挿入され、外側突出部62Aが突出空間60Aに挿入された状態で、内側突出部62Bの少なくとも一部は、内側空間60Bに面する。すなわち、回転軸HXに直交する断面において、内側空間60Bと内側突出部62Bの少なくとも一部とは重複する。
【0061】
第2ヒンジ部材65の少なくとも一部は、上ハウジング11Aに固定される。第2ヒンジ部材65は、弾性部材62を支持した状態で、第1ヒンジ部材61を回転可能に支持する。第2ヒンジ部材65は、回転軸HXを中心に第1ヒンジ部材61を回転可能に支持する。
【0062】
第2ヒンジ部材65は、挿入空間60に挿入され、弾性部材62を支持するシャフト部63と、上ハウジング11Aの少なくとも一部に固定される固定部64とを有する。
【0063】
シャフト部63は、内側空間60Bに挿入される。シャフト部63は、弾性部材62の少なくとも一部が配置されるスリット67を有する。スリット67は、回転軸HXに平行な方向に形成される。シャフト部63は、スリット67に内側突出部62Bが配置されるように、内側空間60Bに挿入される。弾性部材62が挿入空間60に挿入された状態で、スリット67に内側突出部62Bが配置されるように、シャフト部63が内側空間60Bに挿入されることにより、内側突出部62Bの表面の少なくとも一部は、スリット67の内面に接触する。内側突出部62Bの表面の少なくとも一部がスリット67の内面に接触することにより、回転軸HXを中心とする回転方向における第2ヒンジ部材65と弾性部材62の少なくとも一部との相対位置が固定される。本実施形態において、シャフト部63に設けられているスリット67は、回転軸HXを中心とする回転方向における第2ヒンジ部材65と弾性部材62の少なくとも一部との相対位置を固定する第2位置決め部として機能する。
【0064】
[上ハウジングとカバー板との連結]
次に、上ハウジング11Aとカバー板11Cとを連結する作業について説明する。例えば図7に示したように、コイル部62Cが円筒空間60Cに配置され、外側突出部62Aが突出空間60Aに配置されるように、弾性部材62が挿入空間60に挿入される。コイル部62Cが円筒空間60Cに配置され、外側突出部62Aが突出空間60Aに配置された状態で、内側突出部62Bは、内側空間60Bに面する。回転軸HXと平行な方向において、挿入部61Aの寸法は、弾性部材62の寸法よりも大きい。弾性部材62は挿入空間60からはみ出すことなく、弾性部材62の全部が挿入空間60に配置される。弾性部材62が挿入空間60からはみ出さないので、連結機構100の大型化が抑制される。
【0065】
弾性部材62が挿入空間60に配置された後、第2ヒンジ部材65のシャフト部63が挿入空間60の内側空間60Bに挿入される。内側空間60Bの入口には、内側突出部62Bが配置されている。シャフト部63は、スリット67に内側突出部62Bが配置されるように、内側空間60Bに挿入される。スリット67に内側突出部62Bが配置された状態で、シャフト部63が内側空間60Bに挿入されることにより、第1ヒンジ部材61と第2ヒンジ部材65とが連結される。
【0066】
シャフト部63が内側空間60Bに挿入された状態で、第2ヒンジ部材65の固定部64は、挿入空間60の外側に配置される。固定部64は、上ハウジング11Aの少なくとも一部に固定される。これにより、上ハウジング11Aとカバー板11Cとが連結される。カバー板11Cは、回転軸HXを中心に回転可能に上ハウジング11Aに支持される。
【0067】
例えば上ハウジング11Aに設けられているバッテリ装着部4と、カバー板11Cに設けられているインタフェース装置50とをケーブルで接続する場合、ケーブルの少なくとも一部は、連結機構100の周辺に配設される。本実施形態においては、弾性部材62の全部が挿入空間60に配置されている。したがって、弾性部材62にケーブルが引っ掛かることなく、ケーブルは作業性良く配設される。ケーブルは、弾性部材62に接触することなく配設される。インタフェース装置50は、ケーブルを介してバッテリBTから供給される電力により駆動する。
【0068】
第1ヒンジ部材61は、回転軸HXを中心とする回転方向における第1ヒンジ部材61と弾性部材62の少なくとも一部との相対位置を固定する第1位置決め部として機能する内面66を有する。第2ヒンジ部材65は、回転軸HXを中心とする回転方向における第2ヒンジ部材65と弾性部材62の少なくとも一部との相対位置を固定する第2位置決め部として機能するスリット67を有する。第1ヒンジ部材61は、回転軸HXの放射方向における第1ヒンジ部材61と弾性部材62の少なくとも一部との相対位置を固定する第3位置決め部として機能する内筒部68及び外筒部69を有する。これにより、弾性部材62は、挿入空間60の内側で空回りすることなく、弾性力を十分に発生することができる。
【0069】
[動作]
次に、ロボット集塵機1の動作について説明する。車輪9が清掃対象面FLに接触した状態で、メインブラシ16及びサイドブラシ18は、清掃対象面FLに接触する。バッテリBTから出力された電力は、車輪モータ10、吸引モータ5C、メインブラシモータ17、及びサイドブラシモータ19のそれぞれに供給される。
【0070】
車輪9が清掃対象面FLに接触した状態で、バッテリBTから車輪モータ10に電力が供給され、車輪9が回転すると、ロボット集塵機1は、清掃対象面FLを自律走行する。
【0071】
バッテリBTから吸引モータ5Cに電力が供給され、吸引ファン5Bが回転すると、吸気口5Dから排気口5Eに向かって気流が生成される。吸気口5Dは、ダストボックス6の上側貯蔵空間S2を介して吸込口15に接続されている。そのため、吸引ファン5Bが回転すると、吸込口15から上側貯蔵空間S2を介して排気口5Eに向かって気流が生成される。これにより、塵埃を吸引するための吸引力が吸込口15に発生する。
【0072】
バッテリBTからメインブラシモータ17に電力が供給され、メインブラシ16が回転すると、清掃対象面FLの塵埃がメインブラシ16によって掻き上げられる。吸込口15は、メインブラシ16によって掻き上げられた塵埃の少なくとも一部を吸引する。
【0073】
バッテリBTからサイドブラシモータ19に電力が供給され、サイドブラシ18が回転すると、本体2の周囲の清掃対象面FLに存在する塵埃は、サイドブラシ18によって吸込口15に移動する。吸込口15は、サイドブラシ18によって吸込口15に移動し、メインブラシ16によって掻き上げられた塵埃の少なくとも一部を吸引する。
【0074】
清掃対象面FLに存在する小さい塵埃又は軽い塵埃は、吸込口15から吸い込まれた後、上側回収口6Eを介して、上側貯蔵空間S2に送られる。塵埃は、上側貯蔵空間S2に貯蔵される。上側貯蔵空間S2と排気口6Fとの間にフィルタ6Gが設けられている。そのため、上側回収口6Eを介して上側貯蔵空間S2に送られた塵埃は、フィルタ6Gに捕集され、上側貯蔵空間S2に留まる。吸込口15から吸い込まれた空気は、フィルタ6Gを通過した後、排気口6Fを介してファンユニット5に送られる。ファンユニット5に送られた空気は、排気口5Eから排出される。
【0075】
清掃対象面FLに存在する大きい塵埃又は重い塵埃は、メインブラシ16によって掻き上げられ、下側回収口6Dを介して、下側貯蔵空間S1に送られる。塵埃は、下側貯蔵空間S1に貯蔵される。
【0076】
ダストボックス6に塵埃が溜まった場合、ロボット集塵機1の使用者は、カバー板11Cと上ハウジング11Aとをロックしているロック機構を操作して、ロックを解除する。弾性部材62は、カバー板11Cを開くように弾性力を発生するので、ロボット集塵機1の使用者は、ロック機構のロックが解除されるだけで、カバー板11Cを簡単に開くことができる。カバー板11Cが開き、上ハウジング11Aの開口が開放された後、ロボット集塵機1の使用者は、上ハウジング11Aの開口を介して、ハウジング11の内部空間からダストボックス6を取り出すことができる。ロボット集塵機1の使用者は、ダストボックス6をクリーニングした後、上ハウジング11Aの開口を介して、ハウジング11の内部空間にダストボックス6を収容することができる。ハウジング11の内部空間にダストボックス6を収容した後、ロボット集塵機1の使用者は、カバー板11Cを操作して、上ハウジング11Aの開口を塞ぐ。
【0077】
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、連結機構100は、上ハウジング11Aの開口を開閉可能なカバー板11Cに接続され、挿入空間60を有する第1ヒンジ部材61と、挿入空間60に配置される弾性部材62と、挿入空間60に挿入され弾性部材62を支持するシャフト部63及び上ハウジング11Aの少なくとも一部に固定される固定部64を有し、回転軸HXを中心に第1ヒンジ部材61を回転可能に支持する第2ヒンジ部材65とを備える。弾性部材62の全部が第1ヒンジ部材61の挿入空間60に配置され、第2ヒンジ部材65により弾性部材62が支持されるので、連結機構100の大型化が抑制される。また、上ハウジング11Aとカバー板11Cとを連結するときの組立作業性が改善される。
【0078】
第1ヒンジ部材61は、回転軸HXを中心とする回転方向における第1ヒンジ部材61と弾性部材62の少なくとも一部との相対位置を固定する第1位置決め部として機能する内面66を有する。第2ヒンジ部材65は、回転軸HXを中心とする回転方向における第2ヒンジ部材65と弾性部材62の少なくとも一部との相対位置を固定する第2位置決め部として機能するスリット67を有する。第1ヒンジ部材61は、回転軸HXの放射方向における第1ヒンジ部材61と弾性部材62の少なくとも一部との相対位置を固定する第3位置決め部として機能する内筒部68及び外筒部69を有する。これにより、弾性部材62は、挿入空間60の内側で空回りすることなく、弾性力を十分に発生することができる。
【0079】
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0080】
図11は、本実施形態に係る第2ヒンジ部材65を示す斜視図である。図12は、本実施形態に係る連結機構100を示す斜視図である。上述の実施形態と同様、第2ヒンジ部材65は、挿入空間60に挿入され、弾性部材62を支持するシャフト部63と、上ハウジング11Aの少なくとも一部に固定される固定部64とを有する。シャフト部63は、スリット67を有する。
【0081】
本実施形態において、固定部64は、シャフト部63に接続される基部64Aと、基部64Aに間隙を介して対向するアーム部64Bと、前記アーム部64Bの一端部と基部64Aとを接続する接続部64Cとを有する。
【0082】
基部64Aは、ブロック状の部材である。基部64Aの側面64ASにシャフト部63が接続される。
【0083】
アーム部64Bは、円弧状の部材である。アーム部64Bは、基部64Aの下面に間隙を介して対向するように配置される。アーム部64Bの一端部は、接続部64Cを介して基部64Aの下面に接続される。アーム部64Bの他端部64BTは、基部64Aから離れている。アーム部64Bは、基部64Aの下面に間隙を介して対向する上面64BSを有する。
【0084】
アーム部64Bは、ケーブルKBを保持することができる。基部64Aの下面とアーム部64Bの上面64BSとの間の空間にケーブルKBが配置される。ケーブルKBは、アーム部64Bの他端部64BTと基部64Aとの間の開口を介して、基部64Aとアーム部64Bとの間の空間に挿入される。アーム部64Bの上面64BSは、ケーブルKBを支持することができる。アーム部64Bは、ケーブルKBを保持するケーブルホルダとして機能することができる。
【0085】
ケーブルKBは、カバー板11Cに接続される。ケーブルKBは、例えばバッテリ装着部4とカバー板11Cに設けられているインタフェース装置50とを接続する。バッテリBTからの電力は、ケーブルKBを介して、インタフェース装置50に供給される。
【0086】
以上説明したように、本実施形態によれば、ケーブルホルダとして機能するアーム部64Bが固定部64に設けられる。したがって、ケーブルKBの配設作業性が改善される。
【0087】
<第3実施形態>
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0088】
図13は、本実施形態に係る第2ヒンジ部材65を示す斜視図である。上述の実施形態と同様、第2ヒンジ部材65は、シャフト部63と、上ハウジング11Aの少なくとも一部に固定される固定部64とを有する。シャフト部63は、スリット67を有する。
【0089】
本実施形態において、固定部64は、シャフト部63に接続されるフランジ部64Fと、フランジ部64Fを支持する基部64Aとを有する。フランジ部64Fは、シャフト部63の周囲に配置される第1シール面64FCを有する。第1シール面64FCは、回転軸HXに直交する平面である。
【0090】
カバー板11Cが上ハウジング11Aの開口を閉じた状態において、第1シール面64FCは、上ハウジング11Aに設けられているシールプレート11Fの第2シール面11FCに接触する。なお、シールプレート11Fの一例が、図10に図示されている。
【0091】
カバー板11Cが上ハウジング11Aの開口を閉じた状態において、第1シール面64FCと第2シール面11FCとが接触することにより、上ハウジング11Aとカバー板11Cとの間に隙間が形成されていた場合でも、ハウジング11の外部空間の塵埃又は異物が、第1ヒンジ部材61と第2ヒンジ部材65との間を介して、ハウジング11の内部空間に侵入することが抑制される。
【0092】
<その他の実施形態>
上述の実施形態においては、シャフト部63がスリット67を有することとした。シャフト部63にスリット67が設けられなくてもよい。挿入空間60に配置されている弾性部材62にシャフト部63の少なくとも一部が接触することにより、回転軸HXを中心とする回転方向における第2ヒンジ部材65と弾性部材62の少なくとも一部との相対位置は固定される。
【符号の説明】
【0093】
1…ロボット集塵機、2…本体、2A…上面、2B…底面、2C…側面、3…バンパ、4…バッテリ装着部、5…ファンユニット、5A…ケーシング、5B…吸引ファン、5C…吸引モータ、5D…吸気口、5E…排気口、6…ダストボックス、6A…本体部材、6B…トレイ部材、6C…上板部材、6D…下側回収口、6E…上側回収口、6F…排気口、6G…フィルタ、7…キャスタ、8…ローラ、9…車輪、10…車輪モータ、11…ハウジング、11A…上ハウジング、11B…下ハウジング、11C…カバー板、11D…ボトムプレート、11F…シールプレート、11FC…第2シール面、12…走行装置、14…ガイド部材、15…吸込口、16…メインブラシ、16B…ブラシ、16R…ロッド部材、17…メインブラシモータ、18…サイドブラシ、18B…ブラシ、18D…円板部材、19…サイドブラシモータ、20…ハンドル、40…光学センサ、41…物体センサ、42…落下防止センサ、42F…落下防止センサ、42B…落下防止センサ、42L…落下防止センサ、42R…落下防止センサ、43…部材センサ、50…インタフェース装置、50A…電源ボタン、50B…残量表示部、51…発光部、60…挿入空間、60A…突出空間、60B…内側空間、60C…円筒空間、61…第1ヒンジ部材、61A…挿入部、61B…レバー部、62…弾性部材、62A…外側突出部、62B…内側突出部、62C…コイル部、63…シャフト部、64…固定部、64A…基部、64AS…側面、64B…アーム部、64BS…上面、64BT…他端部、64C…接続部、64F…フランジ部、64FC…第1シール面、65…第2ヒンジ部材、66…内面(第1位置決め部)、67…スリット(第2位置決め部)、68…内筒部(第3位置決め部)、69…外筒部(第3位置決め部)、70…突出部、100…連結機構、AX…回転軸、BT…バッテリ、HX…回転軸、KB…ケーブル、S…貯蔵空間、S1…下側貯蔵空間、S2…上側貯蔵空間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13