(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】発行サーバ、配信サーバおよび解析サーバ
(51)【国際特許分類】
H04N 21/258 20110101AFI20231226BHJP
【FI】
H04N21/258
(21)【出願番号】P 2019111333
(22)【出願日】2019-06-14
【審査請求日】2022-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000155469
【氏名又は名称】株式会社野村総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100199277
【氏名又は名称】西守 有人
(72)【発明者】
【氏名】寺田 知太
(72)【発明者】
【氏名】松村 和機
(72)【発明者】
【氏名】重住 周
(72)【発明者】
【氏名】白井 雄志
【審査官】鈴木 順三
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-032920(JP,A)
【文献】特開2005-284340(JP,A)
【文献】特開2013-152517(JP,A)
【文献】特開2017-076297(JP,A)
【文献】特開2006-203917(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 - 21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビジョン装置を特定するテレビジョンIDと該テレビジョン装置で視聴可能なコンテンツに関するコンテンツ情報とを、ネットワークを介して該テレビジョン装置から受信する手段と、
受信したテレビジョンIDおよびコンテンツ情報に基づいて、所定の基準にしたがって、前記テレビジョン装置からリソース特定情報を出力するか否かを判定する手段と、
出力すると判定された場合、前記ネットワークを介して前記テレビジョン装置にリソース特定情報を送信する手段と、を備え、
リソース特定情報は、ユーザから情報を取得するためのリソースを特定
し、且つ該リソース特定情報が送信される前記テレビジョン装置を特定するテレビジョンIDを含む発行サーバ。
【請求項2】
リソース特定情報の出力の対象となるコンテンツおよびテレビジョン装置を絞り込むための条件を取得する手段をさらに備え、
前記判定する手段は、前記受信する手段によって受信したテレビジョンIDおよびコンテンツ情報が、前記取得する手段によって取得した条件を充たす場合、該条件に対応するリソース特定情報を出力すると判定する請求項1に記載の発行サーバ。
【請求項3】
テレビジョン装置を絞り込むための条件はテレビジョン装置の視聴者の属性の指定を含み、
前記発行サーバは、受信したテレビジョンIDで特定されるテレビジョン装置の視聴者の属性を取得する手段をさらに備え、
前記判定する手段は、取得された視聴者の属性が指定された属性であるかまたはそれに含まれる場合、対応するリソース特定情報を出力すると判定する請求項2に記載の発行サーバ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の発行サーバによって送信されたリソース特定情報を、テレビジョン装置およびユーザの端末を介して受信する手段と、
受信されたリソース特定情報によって特定されるリソースの提供の対象となるユーザを絞り込むための条件を取得する手段と、
前記端末のユーザが、前記取得する手段によって取得された条件を充たす場合、受信されたリソース特定情報によって特定されるリソースを前記端末に提供する手段と、を備える配信サーバ。
【請求項5】
前記端末に提供されたリソースを介して前記ユーザから取得した情報と、該リソースを特定するリソース特定情報が出力されたテレビジョン装置のテレビジョンIDと、を、請求項4に記載の配信サーバから受信する手段と、
テレビジョンIDと、該テレビジョンIDで特定されるテレビジョン装置で視聴されたコンテンツの履歴と、を対応付けて取得する手段と、
前記ユーザから取得した情報とテレビジョンIDとの組と、テレビジョンIDと履歴との組と、を突合することにより、前記ユーザから取得した情報と過去に放送されたコンテンツとを対応付ける手段と、を備える解析サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発行サーバ、配信サーバおよび解析サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
アナログ放送の時代、情報の伝達は基本的に一方向であった。2011年に地上波デジタル放送に完全移行し、各家庭へのネットワークの導入が進んだこともあり、現在では視聴者が参加できるタイプの番組が提供されるようになっている。例えば、特許文献1には、テレビジョンを媒介物としたインタラクティブ機能により、クイズ、アンケート等の主放送(表番組)に対しその応答内容をテレビ・リモコンの簡単な操作で自動送信でき、視聴者が主放送番組に容易に参加できるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるシステムでは、基本的にどのテレビジョンにも同様にインタラクティブ機能が提供される。したがって、特定のセグメントに属する視聴者に意見を求める場面などの適応的な制御が求められる場面には適さない。
【0005】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、テレビジョン装置を介した視聴者への適応的なリサーチを実現する技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、発行サーバに関する。この発行サーバは、テレビジョン装置を特定するテレビジョンIDと該テレビジョン装置で視聴可能なコンテンツに関するコンテンツ情報とを、ネットワークを介して該テレビジョン装置から受信する手段と、受信したテレビジョンIDおよびコンテンツ情報に基づいて、所定の基準にしたがって、テレビジョン装置からリソース特定情報を出力するか否かを判定する手段と、出力すると判定された場合、ネットワークを介してテレビジョン装置にリソース特定情報を送信する手段と、を備える。リソース特定情報は、ユーザから情報を取得するためのリソースを特定し、且つ該リソース特定情報が送信される前記テレビジョン装置を特定するテレビジョンIDを含む。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を装置、方法、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、テレビジョン装置を介した視聴者への適応的なリサーチを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態に係るリサーチシステムを示す模式図である。
【
図2】
図1のQR発行サーバのハードウエア構成図である。
【
図3】
図1のTV装置情報保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図4】
図1のアンケート情報保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図5】
図1の解析情報保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図6】テレビジョン装置に表示されるテレビ画面の代表画面図である。
【
図7】携帯端末のディスプレイに表示されるアンケートサイトの画面遷移図である。
【
図8】アンケートの依頼主の端末のディスプレイに表示される解析画面の代表画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面において説明上重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0011】
図1は、実施の形態に係るリサーチシステム2を示す模式図である。リサーチシステム2では、テレビジョン装置20を通して視聴者にアンケートを実施し、SaaS(Software as a Service)で素早く分析結果を提供する。リサーチシステム2は、QR発行サーバ10と、テレビジョン装置20と、ユーザ32の携帯端末30と、複数の放送局40A、40B、40Cと、視聴データ管理サーバ50と、配信サーバ60と、解析サーバ70と、を備える。リサーチシステム2において、複数の放送局40A、40B、40Cのそれぞれはテレビジョン装置20に地上波デジタル放送を提供し、また例えばBML(Broadcast Markup Language)などの言語を用いた制御を行う。放送局の数は任意であり、
図1では3以上ある放送局のうちの3つを例として記載している。複数の放送局40A、40B、40Cは、民放、公共放送等複数の種類の放送局を含んでもよい。本実施の形態では地上波デジタル放送を例として説明するが、これに限られず、衛星放送やケーブルテレビやアナログ放送など他のタイプの放送に本実施の形態の技術的思想を適用してもよい。
図1では複数の放送局を記載しているが、他の実施の形態では放送局は1つであってもよい。
【0012】
複数の放送局40A、40B、40Cのそれぞれと視聴データ管理サーバ50、視聴データ管理サーバ50とQR発行サーバ10、視聴データ管理サーバ50と解析サーバ70、QR発行サーバ10とテレビジョン装置20、QR発行サーバ10と解析サーバ70、携帯端末30と配信サーバ60、配信サーバ60と解析サーバ70、解析サーバ70と広告主端末80、はそれぞれインターネットなどのネットワーク(不図示)を介して通信可能に接続される。
【0013】
テレビジョン装置20は、ユーザ32の家の中や街頭や事業所、事務所、病院に設置される一般的な地上波デジタル放送対応のテレビジョン受像機である。テレビジョン装置20はBMLを表示、実行するBMLブラウザを備える。BML自体は公知であるから本明細書では詳述しない。
図1では便宜上1台のテレビジョン装置20を記載しているが、テレビジョン装置20の数に制限はない。
【0014】
ユーザ32の携帯端末30は撮像機能、表示機能および通信機能を備える携帯端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップPCなどであってもよい。
図1では便宜上1台の携帯端末30を記載しているが、携帯端末30の数に制限はない。
【0015】
視聴データ管理サーバ50は、複数の放送局40A、40B、40Cから視聴データを収集し、収集した視聴データからテレビジョン装置20ごとの視聴履歴を作成し、管理する。視聴データは、テレビジョン装置20を特定する情報であるTVIDと、該テレビジョン装置20で視聴された番組およびCMと、を対応付けたデータである。TVIDは放送局に依らない共通のIDである。すなわち放送局A40Aも放送局B40Bも放送局C40Cもテレビジョン装置20を特定するために同じTVIDを使用する。このように放送局共通のIDでテレビジョン装置20を管理することにより、視聴データ管理サーバ50においてテレビジョン装置20について放送局をまたいだ視聴履歴を作成することができる。視聴履歴は、各テレビジョン装置で視聴されたTVコンテンツの履歴である。例えば、視聴履歴は、あるTVIDで特定されるテレビジョン装置で視聴されていたチャンネル(=放送局)を時系列で示す。この情報と番組表とを組み合わせることで、当該テレビジョン装置でいつどの番組/CMが視聴されていたかが分かる。
本実施の形態ではTVIDは共通のIDである場合を説明するが、これに限られず、テレビジョン装置を特定するIDであれば任意のIDが用いられてもよく、例えばBCAS番号、放送局独自のIDなどであってもよい。あるいはまた、テレビジョン装置を特定することに加えてまたは代えてテレビジョン装置の視聴者を特定するIDが用いられてもよい。
また、視聴データはさらに、視聴されていた時間の長さを含んでもよい。この場合、番組やCMの視聴有無の閾値を視聴時間の長さによって設定したり、特定の番組・CMにフォーカスせず「1週間にXX時間以上テレビを見ている人」といった形で視聴者を抽出したりすることができる。
【0016】
図1に示されるリサーチシステム2における一連の動作の流れを説明する。放送局、例えば放送局A40AはTVコンテンツ(TV放送に関連する要素であり、例えば、番組やCM)をテレビジョン装置20に提供する。テレビジョン装置20のBMLブラウザは、テレビジョン装置20のTVIDと、視聴されている(視聴中の)/されようとしているTVコンテンツを特定する情報であるコンテンツIDと、を含むQRコード要求を生成し、QR発行サーバ10に送信する。
なお、以下では視聴者がテレビジョン装置20で現在視聴しているか、視聴しようとしているTVコンテンツに基づいてQRコードを発行するか否かを判定する場合を説明するが、他の実施の形態では、現在の視聴状況にかかわらず、過去の視聴履歴や視聴データから、既に放送が終了した番組・CMの視聴状況を元にQRコードを発行するか否かを判定してもよい。
【0017】
QR発行サーバ10は、QRコード要求を受けると、QRコード要求に含まれるTVIDおよびコンテンツIDを用いて、テレビジョン装置20で視聴されるTVコンテンツにQRコード22を表示するか否かを判定する。QRコード22は、ユーザ32から情報を取得するためのリソースを特定するリソース特定情報を含み、特にユーザ32にアンケートを実施するアンケートサイトのURL(Uniform Resouce Locator)を符号化された形で含む。QRコード22はさらに、QRコード22を表示するテレビジョン装置20のTVIDを符号化された形で含む。特に、QRコード22に含まれるURLは、TVIDを引数として含む。
【0018】
ユーザ32に実施されるアンケートは広告主82によって登録される。広告主82は例えば自己が出稿したCMについてのアンケートを作成する。広告主82は広告主端末80から解析サーバ70にアクセスし、作成したアンケートを登録する。併せて広告主82は、当該アンケートを実施する条件(対象の属性、対象の番組/CMなど)を設定する。
なお、広告主82が直接アンケートおよび条件を登録する代わりに、広告主82の作成したアンケートを、サービスの提供主体がサーバに登録してもよい。
【0019】
QR発行サーバ10は、QRコード22を表示すると判定された場合はQRコード22を含み、表示しないと判定された場合は何も含まないかNGメッセージを含む応答を生成し、テレビジョン装置20に送信する。
【0020】
テレビジョン装置20は、応答にQRコード22が含まれていれば、視聴されているまたは視聴予定のTVコンテンツに併せてQRコード22をテレビジョン装置20の画面に表示する。ユーザ32はテレビジョン装置20の画面に表示されるQRコード22を携帯端末30の撮像機能を用いて撮像する。携帯端末30は撮像されたQRコード22が示すURLをブラウザに入力することで、アンケートサイトへのアクセスを配信サーバ60に要求する。
【0021】
配信サーバ60は、URLを指定したアクセスを受けると、ユーザ32に問い合わせることによって、または既に登録されているユーザ32の情報から、ユーザ32の属性を取得する。配信サーバ60は、取得した属性を用いて、アクセス要求されているアンケートサイトをユーザ32に提供するか否かを判定する。配信サーバ60は、提供しないと判定された場合、携帯端末30にエラーを返すか、または代替のアンケートサイトが用意してあればその代替のアンケートサイトを提供する。配信サーバ60は、提供すると判定された場合、要求されているアンケートサイトを携帯端末30に提供する。
なお、配信サーバ60がユーザ属性判定用に保持している情報をQR発行サーバ10に事前に連携しておくことで、QR発行サーバ10において当該情報をQRコードを表示するか否かの判定に用いてもよい。
【0022】
配信サーバ60は、提供されたアンケートサイトを介してアンケートの結果を収集する。配信サーバ60は、QRコード22に含まれていたTVIDと、収集されたアンケートの結果と、を解析サーバ70に送信する。アンケートに協力したユーザ32には即座にまたは後日、ポイントなどの報酬が提供される。
【0023】
解析サーバ70は、別途視聴データ管理サーバ50から、TVIDと、該TVIDに対応付けられた視聴履歴と、を受信しておく。解析サーバ70は、配信サーバ60から受信したTVIDとアンケートの結果との組と、視聴データ管理サーバ50から受信したTVIDと視聴履歴との組と、を突合する。解析サーバ70は、突合の結果得られる、過去に放送されたTVコンテンツに対応するアンケートの結果を維持、管理する。
【0024】
広告主82は広告主端末80を介して解析サーバ70にアクセスする。解析サーバ70は、過去に放送された広告主82のCMに対応するアンケートの結果を集計、解析し、解析結果をグラフ等の形式で広告主端末80に提供する。広告主82はこの解析結果を見ることで、出稿したCMの効果を測定することができる。
【0025】
このように、リサーチシステム2では、特定の番組・CMの視聴者に直接アンケートを取ることができる。また、視聴履歴にアンケート回答を確実に対応付けることができる。また、放送局側で個人情報を持たずに運用することができる。
【0026】
QR発行サーバ10は、要求受信部120と、出力基準取得部122と、視聴者属性取得部124と、出力判定部126と、QRコード送信部128と、TV装置情報保持部130と、を含む。配信サーバ60は、ユーザ認証部602と、提供条件取得部604と、該当判定部606と、アンケート提供部608と、結果送信部610と、を含む。解析サーバ70は、アンケート登録部702と、出力基準登録部704と、提供条件登録部706と、アンケート結果受信部708と、視聴履歴受信部710と、突合部712と、表示制御部714と、アンケート情報保持部716と、解析情報保持部718と、を含む。
【0027】
図1に示される各ブロックは、ハードウエア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0028】
図2は、
図1のQR発行サーバ10のハードウエア構成図である。視聴データ管理サーバ50、配信サーバ60および解析サーバ70はそれぞれ
図2に示されるハードウエア構成と同様のハードウエア構成を有してもよい。QR発行サーバ10は、メモリ102と、プロセッサ104と、通信インタフェース106と、ディスプレイ108と、入力インタフェース110と、を備える。これらの要素はそれぞれバス112に接続され、バス112を介して互いに通信する。
【0029】
メモリ102は、データやプログラムを記憶するための記憶領域である。データやプログラムは、メモリ102に恒久的に記憶されてもよいし、一時的に記憶されてもよい。プロセッサ104は、メモリ102に記憶されているプログラムを実行することにより、QR発行サーバ10の各種機能を実現する。通信インタフェース106は、QR発行サーバ10の外部との間でデータの送受信を行うためのインタフェースである。通信インタフェース106はネットワークと接続され、ネットワークを介して視聴データ管理サーバ50やテレビジョン装置20や解析サーバ70とデータをやりとりする。ディスプレイ108は、各種情報を表示するためのデバイスである。入力インタフェース110は、リサーチシステム2の管理者からの入力を受け付けるためのデバイスである。なお、画面出力が通信インタフェース106(ネットワーク)を介して、外部にあるPCなどの端末で実現される場合、ディスプレイ108はなくてもよい。
【0030】
図3は、
図1のTV装置情報保持部130の一例を示すデータ構造図である。TV装置情報保持部130は、テレビジョン装置20ごとにそのテレビジョン装置20の視聴者の属性を保持する。視聴者の属性はテレビジョン装置20ごとの視聴履歴から推定される。視聴データ管理サーバ50が視聴履歴から視聴者の属性を推定し、QR発行サーバ10に送信し、QR発行サーバ10がTV装置情報保持部130にその属性を登録してもよいし、QR発行サーバ10が視聴データ管理サーバ50から取得した視聴履歴から視聴者の属性を推定し、TV装置情報保持部130に登録してもよい。
【0031】
TV装置情報保持部130は、TVIDと、該TVIDで特定されるテレビジョン装置20の視聴者の性別と、年代と、視聴者の人数と、好まれる番組のジャンルと、好まれるチャンネルと、1日のうちテレビジョン装置20がONとなっている可能性が最も高い時間帯と、を対応付けて保持する。なお、視聴者の人数が複数の場合、視聴者の性別および年代は視聴者ごとに保持されてもよい。この場合、ひとつのTVIDに複数の(性別、年代)の組が対応付けられる。
【0032】
図4は、
図1のアンケート情報保持部716の一例を示すデータ構造図である。アンケート情報保持部716は、アンケートサイトのURLと、アンケートの依頼主(例えば、広告主82)を特定する情報である依頼主IDと、アンケートの内容と、アンケートサイトに対応するQRコード22の出力基準と、アンケートの提供条件と、アンケートを実施する最大の人数と、を対応付けて保持する。
【0033】
アンケートの内容は依頼主により任意に設定可能である。アンケートの内容は、例えば番組への評価や、スポンサーの商品の購入意向・購入有無を聴取するためのものであってもよい。アンケートの内容は例えば質問文などのテキストや、イラストや、写真や、動画などを含む。出力基準は、QRコード22の出力の対象となるTVコンテンツおよびテレビジョン装置20を絞り込むための条件である。出力基準は、QRコード22を出力する対象となるTVコンテンツのコンテンツIDを指定する対象コンテンツIDと、QRコード22を出力する対象となる視聴者の属性を指定する対象視聴者属性と、を含む。対象コンテンツIDはTVコンテンツの絞り込み条件に対応し、対象視聴者属性はテレビジョン装置20(の視聴者)の絞り込み条件に対応する。提供条件は、アンケートサイトの提供の対象となるユーザ32を絞り込むための条件である。提供条件は、アンケートを提供する対象となるユーザ32の属性を指定する。最大の人数は依頼主により任意に設定されてもよく、または報酬ベースでの制限であってもよく、この場合例えば報酬の原資に応じて決定されてもよい。あるいはまた、最大の人数は最大報酬額などの制限事項を設定してもよいし、しなくともよい。
【0034】
図5は、
図1の解析情報保持部718の一例を示すデータ構造図である。解析情報保持部718は、コンテンツIDと、当該コンテンツIDで特定されるTVコンテンツに対するアンケートの結果と、を対応付けて保持する。
図5はアンケートの結果が集約された形で保持される場合に対応するが、これに限られず、アンケートの結果は集約しない状態で保持されてもよい。例えば、アンケートの結果が集約されない元データの形で保持される。この場合、アンケートの結果に対して様々な観点から様々な分析を行うことがより容易となる。
【0035】
図1に戻り、QR発行サーバ10の要求受信部120は、テレビジョン装置20のTVIDとテレビジョン装置20で視聴可能なTVコンテンツのコンテンツIDとを含むQRコード要求を、ネットワークを介してテレビジョン装置20から受信する。
【0036】
出力基準取得部122は、ネットワークを介して解析サーバ70のアンケート情報保持部716から、出力基準を取得する。
【0037】
視聴者属性取得部124は、要求受信部120によって受信されたQRコード要求に含まれるTVIDに対応する視聴者の属性を、TV装置情報保持部130から取得する。
【0038】
出力判定部126は、要求受信部120によって受信されたQRコード要求に含まれるTVIDおよびコンテンツIDに基づいて、出力基準取得部122によって取得された出力基準にしたがって、テレビジョン装置20からQRコード22を出力するか否かを判定する。出力判定部126は、QRコード要求に含まれるTVIDおよびコンテンツIDが、出力基準取得部122によって取得された出力基準を充たす場合、充たされた出力基準に対応するQRコード22を出力すると判定する。出力判定部126は、いずれの出力基準も充されない場合、出力しないと判定する。
【0039】
より具体的には、出力判定部126は、出力基準の対象コンテンツIDのうち、QRコード要求に含まれるコンテンツIDと一致する対象コンテンツIDを特定する。出力判定部126は、特定された対象コンテンツIDに対応する対象視聴者属性と、視聴者属性取得部124によって取得された視聴者の属性と、を比較する。出力判定部126は、取得された視聴者の属性が対象視聴者属性であるかまたはそれに含まれる場合、その対象視聴者属性に対応するQRコード22を出力すると判定する。それ以外の場合、出力判定部126は出力しないと判定する。
【0040】
図3、
図4の例では、QRコード要求にTVID「TA1」およびコンテンツID「KODOMO_1」が含まれていた場合、まず出力判定部126は対象コンテンツIDとの比較によりURL「http://xyz/an003」のエントリを特定する。次に出力判定部126は、該エントリの対象視聴者属性「人数=2以上」と、TV装置情報保持部130のTVID「TA1」のエントリの属性「人数=2~3」と、を比較し、後者が前者に含まれていると判定する。その結果、出力判定部126は、URL「http://xyz/an003」を含むQRコードを出力すると判定する。
なお、複数のエントリが合致した場合、そのいずれかをサービス提供者が選択して提示する方式や、合致した全てのエントリを含むアンケートを生成し、該アンケートに対応するURLを返却する方式などのなかから所望の方式を、サービス提供者は選択、採用してもよい。
【0041】
なお、出力判定部126は、アンケート情報保持部716の最大人数を参照し、アンケートに回答した人数が既に最大人数に達していれば、出力基準が充たされていても出力しないと判定してもよい。
【0042】
QRコード送信部128は、出力判定部126において出力すると判定された場合、出力対象のQRコードを生成する。QRコード送信部128は、QRコード要求に含まれるTVIDおよびコンテンツIDにより充たされる出力基準に対応するアンケートサイトのURLを、アンケート情報保持部716から取得する。QRコード送信部128は、取得したURLとQRコード要求に含まれるTVIDとを含むQRコードを生成する。特にQRコード送信部128は、取得したURLにTVIDを引数として含めてQRコードに変換する。QRコード送信部128は、ネットワークを介してテレビジョン装置20に、生成されたQRコードを含む応答を送信する。
【0043】
QRコード送信部128は、出力判定部126において出力しないと判定された場合、何も含まないかNGメッセージを含む応答を生成し、テレビジョン装置20に送信する。なお、他の実施の形態では、出力すると判定された場合、QRコード送信部128はアンケートサイトのURLをテレビジョン装置20に送信し、テレビジョン装置20が受信したURLと自己のTVIDとに基づいてQRコードを生成してもよい。
【0044】
テレビジョン装置20の画面に表示されたQRコードが携帯端末30によって読み取られると、携帯端末30は、QRコードに含まれるURL(+TVIDの引数)をブラウザに入力することで、アンケートサイトへのアクセスを配信サーバ60に要求する。QRコードに含まれるURL(+TVIDの引数)は、例えば「http://xyz/an003?tvid=TA1」などのフォーマットで記述される。
なお、複数の視聴者の属性に対してそれぞれ別のアンケート内容を表示すべく、視聴者の属性毎のQRコードを出力することができ、例えば、20代女性のQRコード(「http://xyz/an003?tvid=TA1?gender=f?gene=20」)、30代女性のQRコード(「http://xyz/an003?tvid=TA1?gender=f?gene=30」)、20代男性のQRコード(「http://xyz/an003?tvid=TA1?gender=m?gene=20」)、30代男性のQRコード(「http://xyz/an003?tvid=TA1?gender=f?gene=30」)を生成することができる。
【0045】
配信サーバ60のユーザ認証部602は、QR発行サーバ10によって送信されたQRコードに含まれるURLとその引数で指定されるTVIDとを含むアクセス要求を携帯端末30から受信する。ユーザ認証部602は、アクセス要求を受けると、ユーザ32のユーザ認証を行う。ユーザ認証部602は、ユーザ認証に失敗すると携帯端末30にエラーを返す。ユーザ認証部602は、ユーザ認証に成功すると、登録されていて利用可能であれば認証されたユーザ32の属性(例えば、性別、年代など)を取得する。
【0046】
提供条件取得部604は、ネットワークを介して解析サーバ70のアンケート情報保持部716から、アクセス要求に含まれるURLに対応する提供条件を取得する。
【0047】
該当判定部606は、携帯端末30のユーザ32が、提供条件取得部604によって取得された提供条件を充たすか否かを判定する。該当判定部606は、ユーザ認証部602で認証されたユーザ32の属性が取得されていない場合、携帯端末30にユーザ32の属性を問い合わせる画面を提供する。該当判定部606はその画面への入力を通じてユーザ32の属性を取得する。該当判定部606は、提供条件で指定される提供対象ユーザの属性と、取得されたユーザ32の属性と、を比較する。該当判定部606は、取得されたユーザ32の属性が提供対象ユーザの属性であるかまたはそれに含まれる場合、ユーザ32が提供条件を充たすと判定する。それ以外の場合、該当判定部606は、ユーザ32が提供条件を充たさないと判定する。
【0048】
図4の例では、アクセス要求にURL「http://xyz/an001」が含まれていた場合、提供条件取得部604は提供条件「提供対象ユーザ=女性かつ20代~50代」を取得する。認証されたユーザ32の属性が「女性」、「30代」である場合、該当判定部606は、ユーザ32の属性「女性」、「30代」が提供条件「提供対象ユーザ=女性かつ20代~50代」に含まれると判定する。その結果、該当判定部606はユーザ32が提供条件を充たすと判定する。
【0049】
アンケート提供部608は、該当判定部606において提供条件を充たすと判定された場合、アクセス要求に含まれるURLによって特定されるアンケートサイトを携帯端末30に提供する。アンケート提供部608は、該当判定部606において提供条件を充たさないと判定された場合、携帯端末30にエラーを返すか、または代替のアンケートサイトが用意してあればその代替のアンケートサイトを提供する。
【0050】
結果送信部610は、アンケート提供部608によって提供されたアンケートサイトを介してアンケートの結果を収集する。結果送信部610は、アクセス要求に含まれるURLの引数で指定されるTVIDと、収集されたアンケートの結果と、を解析サーバ70に送信する。結果送信部610によって送信される情報は例えば、「TVID=TA1, Q1=YES, Q2=NO」などのフォーマットを有する。
【0051】
解析サーバ70のアンケート登録部702は、アンケートの依頼主の端末(例えば、広告主82の広告主端末80)から、アンケートの登録を受け付ける。アンケート登録部702は所定のアンケート登録インタフェース(不図示)を広告主端末80に提供し、該インタフェースを介してアンケートの内容を取得し、取得したアンケートの内容を依頼主IDおよび新規生成したURLと対応付けてアンケート情報保持部716に登録する。
【0052】
出力基準登録部704は、アンケートの依頼主の端末から、アンケート登録部702で登録されたアンケートの出力基準の登録を受け付ける。出力基準登録部704は、依頼主によって指定された出力基準をアンケート情報保持部716に登録する。
【0053】
提供条件登録部706は、アンケートの依頼主の端末から、アンケート登録部702で登録されたアンケートの提供条件の登録を受け付ける。提供条件登録部706は、依頼主によって指定された提供条件をアンケート情報保持部716に登録する。
【0054】
視聴履歴受信部710は、ネットワークを介して視聴データ管理サーバ50から、TVIDごとに視聴履歴を受信する。
【0055】
アンケート結果受信部708は、携帯端末30に提供されたアンケートサイトを介してユーザ32から収集されたアンケートの結果と、該アンケートサイトのURLを含むQRコードが表示されたテレビジョン装置20のTVIDと、を、結果送信部610から受信する。
【0056】
突合部712は、アンケート結果受信部708によって受信されたアンケートの結果とTVIDとの組と、視聴履歴受信部710によって受信されたTVIDと視聴履歴との組と、を突合することにより、アンケートの結果と過去に放送されたTVコンテンツとを対応付ける。突合部712は、TVコンテンツに対応付けられたアンケートの結果を、解析情報保持部718に登録する。突合部712は、アンケート結果受信部708がアンケートの結果を受信した時刻をキーとして、アンケート結果受信部708が受信したTVIDの視聴履歴を検索し、その時刻に視聴されていたTVコンテンツを特定する。突合部712は、特定されたTVコンテンツのコンテンツIDと、アンケート結果受信部708が受信したアンケートの結果と、を対応付けて解析情報保持部718に登録する。あるいはまた、アンケート結果受信部708がアンケートの結果を受信した時刻の代わりに、QRコードが生成された時刻やテレビジョン装置20に表示された時刻、携帯端末30がURLをブラウザに入力した時刻などが用いられてもよい。
なお、アンケートが特定のTVコンテンツに対して配信される場合、どのアンケートに回答したかの情報がわかれば、視聴対象を決定することができる。したがって、この場合、上記の時刻による視聴対象の推定は行われなくてもよい。
【0057】
表示制御部714は、アンケートの依頼主の端末(例えば、広告主端末80)からの表示要求に応答して、解析情報保持部718を参照することで解析画面を生成し、要求元の端末に提供する。
【0058】
図6は、テレビジョン装置20に表示されるテレビ画面の代表画面図である。テレビ画面は、地上波デジタル放送により受信したTVコンテンツが表示されるTVコンテンツ領域202と、制御情報が表示される制御情報領域204と、を有する。QRコード22は制御情報領域204に表示される。別の例では、QRコード22はTVコンテンツ領域202に表示されてもよく、その場合には制御情報領域204は表示されなくてもよい。
【0059】
図7は、携帯端末30のディスプレイに表示されるアンケートサイトの画面遷移図である。
図7の例ではアンケートサイトは段階的に構成される。ユーザ32のユーザ認証が成功し、ユーザ32が提供条件を充たすと判定された場合、携帯端末30のディスプレイに第1段階アンケート302が表示される。第1段階アンケート302は、所定の番組についてのいくつかの質問を含む。この場合、第1段階アンケート302の出力基準は、当該番組のコンテンツIDを対象コンテンツIDとして含む。したがって、当該番組を放映しているテレビジョン装置の画面に、第1段階アンケート302のサイトを特定するURLを含むQRコードが表示される。
【0060】
第1段階アンケート302においてユーザが進むボタン306をタップすると、携帯端末30のディスプレイに第2段階アンケート304が表示される。第2段階アンケート304は、上記番組の途中で放映されるCMで宣伝されるXX社の商品Aについてのいくつかの質問を含む。
【0061】
別の例では、第2段階アンケート304は第1段階アンケート302からの遷移ではなく、対応するQRコードを携帯端末30が読み取ることによって携帯端末30のディスプレイに表示されてもよい。この場合、第2段階アンケート304の出力基準は、XX社の商品AのCMのコンテンツIDを対象コンテンツIDとして含む。したがって、当該CMを放映するテレビジョン装置の画面に、第2段階アンケート304のサイトを特定するURLを含むQRコードが表示される。
【0062】
アンケートの設計について様々な変形例が可能である。例えば、オプトイン/オプトアウトなどの利用規約画面を付随させてもよい。あるいはまた、提供条件に代えてアンケート選択条件を用いてもよい。すなわち、ユーザの属性に応じて異なるアンケートサイトを選択して提供してもよい。例えば、男性にはAアンケートを、女性にはBアンケートを提供してもよい。あるいはまた、ユーザが提供条件を充たさない場合に、より報酬の低い別のアンケートサイトを提供してもよい。すなわち、提供条件によりターゲット層を指定し、ターゲット層でないユーザからも回答を得たい場合はより報酬の低い別のアンケートサイトを用意して、非ターゲット層のユーザに提供してもよい。
【0063】
図8は、アンケートの依頼主の端末のディスプレイに表示される解析画面310の代表画面図である。解析画面310は、アンケートの回答結果をテレビ視聴実態に基づくセグメントで集計した結果を示す。依頼主は、この解析画面310を視ることで、番組提供やCM出稿に対する効果測定をスピーディに実施することができる。解析画面310は、セグメント別購入意向表示領域312と、セグメント別購入経験表示領域314と、セグメント別NPS(Net Promoter Score)表示領域316と、を含む。
【0064】
解析画面310における番組・CM視聴実態に基づくセグメントは、視聴データを元に生成される。別の例では、番組の総視聴時間(「放送時間の3分の1以上」等)やCMへの接触回数(フリークエンシー)などのセグメントで集計を行ってもよい。また、アンケートの定型設問については集計・グラフ生成・依頼主(スポンサー)への結果共有までを自動化してもよい。この場合、依頼主の側では、広告の効果測定結果を踏まえてスピード感ある施策を実現することができる。
【0065】
上述の実施の形態において、保持部の例は、主記憶装置(例えば、メモリ系)や補助記憶装置/ストレージ(例えば、HDD/SSD)である。また、本明細書の記載に基づき、各部を、図示しないCPUや、インストールされたアプリケーションプログラムのモジュールや、システムプログラムのモジュールや、補助記憶装置から読み出したデータの内容を一時的に記憶する主記憶装置などにより実現できることは本明細書に触れた当業者には理解される。
【0066】
本実施の形態に係るリサーチシステム2によると、データ規模・スピード・正確性の三点を備えた分析手法により、新たな価値の創出が可能となる。すなわち、本実施の形態に係るリサーチシステム2では、実質的にテレビジョン装置を視聴している任意の視聴者にリーチでき、その場でQRコードを介してアンケートを実施できる。したがって、分析対象のサンプル数が多く、分析のスピードが速く、かつ視聴者理解の正確性の高い視聴者へのOn TVリサーチを実現することができる。
【0067】
さらに、本実施の形態に係るリサーチシステム2では、QR発行サーバ10においてQRコード22の出し分けが可能となっている。アンケートの依頼主は出力基準および/または提供条件を適宜設定することで、所望のターゲットセグメントに属する視聴者に絞ってアンケートを提供することができる。
【0068】
以上、実施の形態に係るリサーチシステム2の構成と動作について説明した。この実施の形態は例示であり、各構成要素や各処理の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解される。
【0069】
実施の形態では、TVIDを引数としてもつアンケートサイトのURLをQRコードに含める場合について説明したが、これに限られない。例えば、QRコードという画像で提示する代わりに、数値や文字情報(どの座標に黒いセルを表示するかなど)として提示してもよい。あるいはまた、例えば、テレビジョン装置20の画面にTVIDを引数としてもつアンケートサイトのURLを平文(テキスト)で表示してもよい。この場合、短縮URLが用いられてもよく、該短縮URLをテロップで表示してもよい。ユーザ32は画面に表示される(短縮)URLを手で携帯端末30のブラウザに入力する。
【0070】
あるいはまた、WiFiやブルートゥース(登録商標)や赤外線通信などの無線通信技術や音声コードなどの音声通信技術を用いて、TVIDを引数としてもつアンケートサイトのURLをテレビジョン装置20から携帯端末30に送信してもよい。
【0071】
実施の形態では、QRコード22をテレビジョン装置20の画面に表示する場合を説明したが、これに限られない。例えばQR発行サーバ10においてTVIDとユーザIDとが対応付けられている場合は、QR発行サーバ10が、アンケートサイトのURLを携帯端末30にネットワークを介して送信してもよい。この場合、アンケートサイトのURLは携帯端末30へのプッシュ通知の形で提供されてもよい。
【0072】
実施の形態では、視聴履歴から視聴者の属性を推定し、この属性に基づいてQRコードを出力するか否かを判定する場合を説明したが、これに限られず、例えば視聴履歴そのものに基づいてQRコードを出力するか否かを判定してもよい。例えば、視聴履歴に特定の番組があればQRコードを出力すると判定してもよい。
【0073】
実施の形態では、テレビジョン装置20がTVIDおよびコンテンツIDを含むQRコード要求を生成し、QR発行サーバ10に送信する場合を説明したが、これに限られない。要求はテレビジョン装置20で視聴可能なTVコンテンツに関するコンテンツ情報を含んでいればよく、例えばQR発行サーバ10が番組表を有している場合は、テレビジョン装置20からの要求は視聴されるチャネルおよびその時間帯を含んでもよい。
【0074】
実施の形態では、リソース特定情報がURLである場合を説明したが、これに限られず、例えば携帯端末30にアンケート用のネイティブアプリケーションがインストールされている場合は、リソース特定情報として該ネイティブアプリケーションを起動するためのコードが採用されてもよい。
【0075】
実施の形態では、ユーザから情報を取得する方法としてアンケートを採用する場合を説明したが、これに限られず、任意の情報取得手段が用いられてもよい。
【0076】
実施の形態では、広告主82がアンケートにより広告の効果を測定する場合を説明したが、これに限られず、例えば番組制作者が自分の番組についての意見を集めるためにアンケートを実施してもよいし、放送局やその関係者が番組ごとに評判を集めるためにアンケートを実施してもよい。
【0077】
実施の形態では、QR発行サーバ10、視聴データ管理サーバ50、配信サーバ60、解析サーバ70をそれぞれ別体の装置であるとして説明したが、これに限られず、例えばそれら4つのサーバのうちの任意の2つ以上の機能を1つのサーバで実現してもよい。例えば、QR発行サーバ10、配信サーバ60および解析サーバ70の全ての機能を1つのサーバで実現してもよい。あるいはまた、逆に、4つのサーバのそれぞれの機能をさらに細分化したサーバ構成を採用してもよい。
【符号の説明】
【0078】
2 リサーチシステム、 10 QR発行サーバ、 20 テレビジョン装置、 30 携帯端末、 50 視聴データ管理サーバ、 60 配信サーバ、 70 解析サーバ。