(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】逐次的に印刷された印刷用紙を選択的に横折りするための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B65H 45/16 20060101AFI20231226BHJP
B65H 37/06 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
B65H45/16
B65H37/06
(21)【出願番号】P 2019128965
(22)【出願日】2019-07-11
【審査請求日】2022-07-07
(32)【優先日】2018-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】502200092
【氏名又は名称】ミュラー・マルティニ・ホルディング・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・トロクスラー
【審査官】後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-088265(JP,A)
【文献】特開2014-088266(JP,A)
【文献】実開昭63-161262(JP,U)
【文献】特開2007-161413(JP,A)
【文献】特開2018-048028(JP,A)
【文献】特開2005-096990(JP,A)
【文献】特開2014-162637(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 45/12-45/30
B65H 37/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続する逐次的に印刷された印刷用紙(2,3)を選択的に横折りするための装置であって、
・第1の搬送区間(5)を有し、この第1の搬送区間上をガイド平面(9)内で順々に搬送される印刷用紙(2,3)が、それぞれ折り位置(25)に提供可能であり、
・ガイド平面(9)の第1の側(11)に配置され、それぞれ1つの回転軸(13)を備え、その間に横折りすべき第1の印刷用紙(2)用の折りギャップ(14)を構成する少なくとも2つの折りロール(12)を有し、これら折りロールの回転軸(13)が、実質的に互いに平行で、実質的にガイド平面(9)に対して平行に整向されており、
・実質的に折りロール(12)の回転軸(13)に対して平行に整向され、ガイド平面(9)の第1の側(11)に対向するガイド平面(9)の第2の側(16)で折りギャップ(14)の領域内に配置された圧縮空気装置(17)を有し、この圧縮空気装置が、圧縮空気源(21)ならびに制御ユニット(23)と接続され、折りギャップ(14)に向けられた圧縮空気(19)用の少なくとも1つの出口開口(18)を備え、
・横折りされた第1の印刷用紙(2)用の第2の搬送区間(28)と、折られてない第2の印刷用紙(3)用の第3の搬送区間(32)を有し、第1、第2及び第3の搬送区間(5,28,32)が、共通の第1の中間地点(10)を備え、この第1の中間地点において、第1の搬送区間(5)が終了し、第2の搬送区間(28)と第3の搬送区間(32)が開始し、共通の第1の中間地点(10)が、ガイド平面(9)と、折りギャップ(14)ならびに圧縮空気装置(17)の少なくとも1つの出口開口(18)を経て延在する折り平面(35)の交線(34)上に位置する
ものにおいて、
・それぞれ折り位置(25)から出発して、第1の印刷用紙(2)が折りのために第2の搬送区間(28)に導入可能であるか、第2の印刷用紙(3)が折りを迂回するために第3の搬送区間(32)に導入可能であるように、圧縮空気装置(17)が、制御ユニット(23)と接続された、圧縮空気装置(17)の少なくとも1つの出口開口(18)からの圧縮空気ブラスト(19’)を選択的に誘発又は抑制するための第1の制御要素(24)を備え、
・第3の搬送区間(32)が、折りロール(12)の下流で共通の第2の中間地点(29)において第2の搬送区間(28)に合流し、
・共通の第2の中間地点(29)の下流で、第4の搬送区間(36)が接続し、
・第1の搬送区間(5)上で連続する印刷用紙(2,3)の第1のシーケンスが第4の搬送区間(36)上で連続する印刷用紙(2,3)の第2のシーケンスに等しいように、第3の搬送区間(32)が、第2の搬送区間(28)よりも長く形成されているか、第2の搬送区間(28)よりも遅く操作可能である
こと、を特徴とする装置。
【請求項2】
第3の搬送区間(32)が、実質的に横折りすべき第1の印刷用紙(2)の用紙長さ(2’’)の半分だけ第2の搬送区間(28)よりも長く形成されていること、を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第3の搬送区間(32)の領域内に、第3の搬送区間(32)の長さ調整をするための装置(33)が配置されていること、を特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
第1の搬送区間(5)の領域内に、第1の搬送区間(5)上を搬送される印刷用紙(2,3)の前縁を検出するための光バリア(7)及び/又は画像検出装置(8)が配置され、制御ユニット(23)と接続されていること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
第2の搬送区間(28)内に、第1の排出ポイント(30)が配置され、この第1の排出ポイント(30)の下流に、第1の印刷用紙(2)用の第1の収容容器(31)が配置されていること、を特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
折りロール(12)がガイド平面(9)の上に配置され、圧縮空気装置(17)がガイド平面(9)の下に配置されていること、を特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
第4の搬送区間(36)内に、第2の排出ポイント(37)が配置され、この第2の排出ポイント(37)の下流に、印刷用紙(2,3)用の第2の収容容器(38)が配置されていること、を特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
第1、第2、第3及び第4の搬送区間(5,28,32,36)が、制御ユニット(23)と接続された共通の駆動装置(41)を備えること、を特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
第4の搬送区間(36)の下流でかつこの第4の搬送区間に対して離間して、第5の搬送区間(45)が開始し、この第5の搬送区間が、制御ユニット(23)と接続された別個の駆動装置(46)を備え、この駆動装置によって、第5の搬送区間(45)が、第4の搬送区間(36)とは違う速度
で操作可能であること、を特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
第4の搬送区間(36)及び/又は第5の搬送区間(45)が、これら両搬送区間(36,45)の間の間隔(48)を調整するための調整要素(49)を備えること、を特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
装置が、圧縮空気装置(17)の少なくとも1つの出口開口(18)の横断面積を変更するため及び/又はこの出口開口(18)に供給可能な圧縮空気(19)の圧力を変更するための、圧縮空気源(21)及び制御ユニット(23)と接続された少なくとも1つの別の制御要素(26,27)を備えること、を特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
連続する逐次的に印刷された印刷用紙(2,3)を選択的に横折りするための方法であって、
・少なくとも第1の印刷用紙(2)と第2の印刷用紙(3)が、順々に第1の搬送区間(5)のガイド平面(9)内で移送されて折り位置(25)に提供され、
・提供された第1の印刷用紙(2)が、ガイド平面(9)の第1の側(11)で、それぞれが1つの回転軸(13)を備える少なくとも2つの回転中の折りロール(12)の間の折りギャップ(14)内で、折り線(15)沿って横折りされ、
・折りの前に、ガイド平面(9)の第1の側(11)に対向する第2の側(16)から、折りギャップ(14)の領域内で折り位置(25)に提供された第1の印刷用紙(2)に向けられた、圧縮空気源(21)ならびに制御ユニット(23)と接続された圧縮空気装置(17)の少なくとも1つの出口開口(18)からの圧縮空気ブラスト(19’)が誘発され、提供された第1の印刷用紙(2)が、圧縮空気ブラスト(19’)の作用下で、ガイド平面(9)から第2の搬送区間(28)上を回転中の折りロール(12)まで搬送され、折りの後に、この第2の搬送区間(28)上を更に搬送され、
・折り位置(25)に提供された第2の印刷用紙(3)への圧縮空気ブラスト(19’)が抑制され、これにより折られてない第2の印刷用紙(3)が第3の搬送区間(32)に導入される
ものにおいて、
・第3の搬送区間(32)に導入された折られてない第2の印刷用紙(3)が、第2の搬送区間(28)を移送される横折りされた第1の印刷用紙(2)よりも長く第3の搬送区間(32)を移送され、
・第1の搬送区間(5)上で連続する印刷用紙(2,3)のシーケンスが再び形成されるように、横折りされた第1の印刷用紙(2)の後の折られてない第2の印刷用紙(3)が、第2の搬送区間(28)に接続する第4の搬送区間(36)に導入される
こと、を特徴とする方法。
【請求項13】
第3の搬送区間(32)が、先行する作業指示に対して少なくとも異なったサイズを備える印刷用紙(2,3)を用いる後続の作業指示時に相応に変更される長さを備えること、を特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
第1の搬送区間(5)上を搬送される印刷用紙(2,3)の前縁(2’,3’)が自動的に検出され、それに基づいて、相応の情報が制御ユニット(23)に回送され、制御ユニット(23)が、相応のパルスを、その間に折り位置(25)に提供された印刷用紙(2,3)に対する圧縮空気装置(17)の少なくとも1つの出口開口(18)からの圧縮空気ブラスト(19’)の選択的な誘発又は抑制の時点で発生させ、このパルスを、圧縮空気源(21)及び圧縮空気装置(17)と接続された第1の制御要素(24)に回送すること、を特徴とする請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
第1の印刷用紙(2)が、チェックのために第2の搬送区間(28)から排出されること、を特徴とする請求項12~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
瑕疵のある第1及び/又は第2の印刷用紙(2,3)が、第4の搬送区間(36)から排出されること、を特徴とする
請求項12~15
のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
印刷用紙(2,3)が、第4の搬送区間(36)の下流で、この第4の搬送区間とは別個に駆動されかつこの第4の搬送区間に対して離間して配置された第5の搬送区間(45)に引き渡され、この第5の搬送区間上で、印刷用紙(2,3)が、第4の搬送区間(36)とは異なる速度
で移送されること、を特徴とする
請求項12~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つの印刷用紙(2,3)が先行する作業指示に対して異なるサイズを備える後続の作業指示時に、第4の搬送区間(36)と第5の搬送区間(45)の間の間隔(48)がそれに応じて変更されること、を特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
第2の搬送区間(28)内に、折られてない第2の印刷用紙(3)を第3の搬送区間(32)に回送する時に、折られた第1の印刷用紙(2)の上流で、第1の部分ギャップ(39a)が発生され、同じ作業指示に含まれる別の第1の印刷用紙(2)の折り過程時に、この別の第1の印刷用紙(2)の下流で第1の部分ギャップ(39a)に隣接して、第2の部分ギャップ(39b)が発生され、両部分ギャップ(39a,39b)が、共に1つの導入ギャップ(39)を構成し、この導入ギャップ内に、第3の搬送区間(32)上を移送される折られてない第2の印刷用紙(3)が、第4の搬送区間(36)の領域内で、折られた第1の印刷用紙(2)と別の折られた第1の印刷用紙(2)の間に再び導入されること、を特徴とする
請求項12~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
折り位置(25)に、第1の用紙長さ(2’’)を有する第1の印刷用紙(2)と、第2の用紙長さ(3’’)を有する第2の印刷用紙(3)と、第1の用紙長さ(2’’)を有する別の第1の印刷用紙(2)が順々に提供され、同じ作業指示の印刷用紙(2,3)では、第1の用紙長さ(2’’)が、実質的に第2の用紙長さ(3’’)の2倍の大きさであること、を特徴とする請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続する逐次的に印刷された印刷用紙を選択的に横折りするための装置及び方法に関する。この場合、選択的な横折りは、順々に処理すべき印刷用紙が横折りされるか又は横折りされないかのいずれかであることを意味する。装置は、第1の搬送区間を備え、この第1の搬送区間上をガイド平面内で順々に搬送される印刷用紙が、それぞれ折り位置に提供可能である。加えて、装置は、ガイド平面の第1の側に配置され、それぞれ1つの回転軸を備え、その間に横折りすべき第1の印刷用紙用の折りギャップを構成する少なくとも2つの折りロールを備え、これら折りロールの回転軸は、実質的に互いに平行で、実質的にガイド平面に対して平行に整向されている。更に、装置は、実質的に折りロールの回転軸に対して平行に整向され、ガイド平面の第1の側に対向するガイド平面の第2の側で折りギャップの領域内に配置された圧縮空気装置を備える。後者は、圧縮空気源ならびに制御ユニットと接続され、折りギャップに向けられた圧縮空気用の少なくとも1つの出口開口を備える。最後に、装置は、折られた第1の印刷用紙用の第2の搬送区間と、折られてない第2の印刷用紙用の第3の搬送区間を有する。第1、第2及び第3の搬送区間は、共通の第1の中間地点を備え、この第1の中間地点において、第1の搬送区間が終了し、第2の搬送区間と第3の搬送区間が開始する。この場合、共通の第1の中間地点は、ガイド平面と、折りギャップ及び圧縮空気装置の少なくとも1つの出口開口を経て延在する折り平面の交線上に位置する。
【0002】
方法の場合、少なくとも第1の印刷用紙と第2の印刷用紙が、順々に第1の搬送区間のガイド平面内で移送されて折り位置に提供される。提供された第1の印刷用紙は、ガイド平面の第1の側で、それぞれが1つの回転軸を備える少なくとも2つの回転中の折りロールの間の折りギャップ内で、折り線に沿って折られる。横折りの前に、ガイド平面の第1の側に対向する第2の側から、折りギャップの領域内で折り位置に提供された第1の印刷用紙に向けられた、圧縮空気源ならびに制御ユニットと接続された圧縮空気装置の少なくとも1つの出口開口からの圧縮空気ブラストが誘発され、提供された第1の印刷用紙が、圧縮空気ブラストの作用下で、ガイド平面から第2の搬送区間上を回転中の折りロールまで搬送され、横折りの後に、この第2の搬送区間上を更に搬送される。加えて、折り位置に提供された第2の印刷用紙への圧縮空気ブラストが抑制され、これにより折られてない第2の印刷用紙が、第3の搬送区間に導入される。
【背景技術】
【0003】
逐次的に印刷された印刷用紙は、折られてない及び/又は縦折りされた印刷用紙であり得るが、その供給は、インラインで、即ち直接的又は間接的にデジタル印刷機に続くように行なわれる。選択的に、供給は、オフラインでも、即ち、中間貯蔵された逐次的に印刷された材料ウェブ-この材料ウェブから、引き続き印刷用紙が分離され、その後場合によっては縦折りされる-から又は折られてない及び/又は縦折りされた印刷用紙の中間貯蔵物から出発するようにすることも可能である。
【0004】
デジタル印刷の場合、印刷イメージは、静的な版型を使用せずにコンピュータから直接的に印刷機に伝達される。この場合、材料ウェブは、企図された折りパターンに依存して、完成した印刷製品の所定の順序で、即ち逐次的に印刷することができる。このようにして、1つの印刷製品に至るまでの比較的少量を実現することができる。この場合、例えばオフセット印刷のような従来の印刷方法とは違って、非常にしばしば、例えば印刷自身、即ち印刷用紙毎の印刷ページの数及び印刷用紙のそれぞれのサイズのような異なる特性を有する印刷用紙の連続が生じる。
【0005】
最後に、デジタル印刷機は、今日では単位時間当たり常に大量の印刷素材を印刷する。 これが材料ウェブ又は個々の印刷用紙を処理するデジタル印刷機であるかに依存せずに、これら大量の印刷素材は、引き続き次処理をする必要がある。この場合、大きい材料処理量に基づいて、印刷用紙の慎重な次処理を困難にする高い搬送速度が生じる。次処理のために使用される装置に応じて、印刷製品の間に間隙を形成すべきであり、これにより、搬送速度は、付加的に高められる。加えて、印刷製品内の今日の空白ページは、デジタル印刷の技術的な可能性に基づいて常に僅かにしか許容されない。
【0006】
欧州特許出願公開第2727868号明細書及び欧州特許出願公開第2727869号明細書から、それぞれ、デジタル印刷機によって逐次的に印刷された印刷用紙の縦折り又は横折りをするための装置及び方法が公知である。この場合、装置は、それぞれ、圧縮空気源及び制御ユニットと接続された、圧縮空気用の少なくとも1つの出口開口を有する圧縮空気装置を備える。これにより、印刷製品を供給平面から折りロールの間に移送する圧縮空気装置の圧縮空気ブラストは、実際に折るべき印刷製品の特性に応じて簡単かつ迅速に配量されるので、全スペクトルにわたって折るべき印刷製品は、良好な折り品質と高い折り性能が達成可能である。印刷用紙が品質要求に応じない場合、圧縮空気ブラストは、選択的に抑制することができる。その上で、この印刷用紙は、折りロールに供給されず、従って折られずに別の移送路に排出される。
【0007】
このような装置により、その間に材料ウェブから分離された又はデジタル印刷機で個々に印刷された印刷用紙の搬送速度は、1回又は複数回の横折りによって低下させることができる。このため、横折り時に生じる、連続する印刷製品の間のギャップを減少させることができる。加えて、瑕疵のある印刷製品の排出により、ギャップが拡大される。
【0008】
従って、この装置は、折られた印刷用紙の製品流の形成を可能にするに過ぎない。確かに、横折りは、一方で印刷用紙の慎重な次処理を容易化するが、の横方向の折り曲げは、折り目の数が同じ場合、潜在的に不所望の多数の空白ページを生じさせる。これに対して、印刷製品中の空白ページの数を、折られてない印刷用紙の統合によって減少させることが知られている。しかしながら、公知の装置も、公知の方法も、折られてない印刷用紙を製品流に統合する状況にない。加えて、折られてない印刷用紙の使用によってサイクル数が増加し、それが、結果として、使用される次処理装置に応じて、高い搬送速度をもたらし、更にまた慎重な次処理を困難にし、品質問題を生じさせることがある。
【0009】
欧州特許出願公開第2818331号明細書により、デジタル印刷機によって逐次的に印刷された紙ウェブの次処理をするための装置及び方法が知られている。印刷された紙ウェブは、最初に穿孔切断ステーションを通過する。そこで分離された印刷用紙は、横折り及び縦折り装置によって個々に1回又は複数回折られる。折りの後、後に続く積み重ね装置で部分ブックブロックに積み重ねられ、糊付けされる前に、後で形共通の部分ブックブロックを構成する印刷用紙が、丁合装置で鱗状に統合される。その後、部分ブックブロックは、次処理のために搬送される。空白ページの数を減少させるため、折られた印刷用紙は、折られてない用紙と統合することもできる。ただし、この折られてない印刷用紙は、常に構成すべき印刷製品の終端に、即ちおられた印刷用紙の後ろに供給されなければならない。その際に通常使用されるポケット折り具は、折られた印刷用紙と折られてない印刷用紙の間に、必ず機械的なフラップを操作するためのギャップを必要とするが、このフラップは、1つの印刷用紙を、折りポケットで折る代わりに、折らずに折りロールを経て偏向する。このフラップの切り替えは、それぞれ所定の時間が、すなわち搬送速度に応じて相応のギャップを必要とする。このようなギャップは、例えばストップアンドゴー操作によって発生させることができる。このギャップが大きいほど、搬送速度が高くなり、印刷用紙の部分長さが短くなり、その結果サイクル数が多くなる。フラップを切り替えるために必要な時間は、最新の駆動技術を使用することによって確かに最小化することができるが、それを排除することはできない。
【0010】
このような解決策の場合、機械制御部においてそれぞれの製造指示に応じて自動的に行われる使用回数に応じた折りパターンの最適化に基づいて、空白ページの数のある程度の削減を達成することができる。しかしながら、コスト、スペース要量並びに制御調整費用は、加工ステーションの数によって比較的高い。操作モードに応じて、分離後にまず個々に非常に僅かな間隔で相前後して装置によって搬送すべき印刷用紙の搬送速度も比較的高いので、その次処理時に品質問題が生じ得る。加えて、紙ウェブは、横折りのために使用されるクポケット折り器の上流に設置されたクロスカッタ内で一時的に停止され、それが、不連続な操作及び比較的費用のかかる上流に設置された貯蔵区間の使用を生じさせる。最後に、搬送路は、先行する印刷用紙が折りの後に再びポケット折り器外に移送されているときに初めて再び自由になる。
【0011】
選択的に、ギャップの形成は、先行する印刷用紙もしくは後続ユニットの搬送速度の増大によって又は供給すべき材料ウェブの減速によって行なうこともできる。しかしながら、ギャップを形成するための後続プロセスの搬送速度の増大は、ポケット折り具を有する折り機の場合、効率にマイナスに作用する物理的な制限を有するので、そのような折り機は、大量の処理にはかなり不適当である。一般に、加速又は減速は、一定の速度と比して印刷品質において問題を生じさせることがある。
【0012】
独国特許出願公開第1020162013043号明細書から、印刷用紙が効率向上のために鱗状に供給され、これにより、搬送速度の減少もしくは同じ搬送速度での印刷用紙の数の増大が達成され得る、折り畳み機が知られている。これによりまた、柔軟な解決策が得られるが、この解決策は、最終的に、単位時間当たり大量の処理をする場合に著しく制限されている。しかしながら、上述の依存性に基づいて、この方法は、個々の印刷用紙を動的に処理するためにも適していない。加えて、個々の印刷用紙又は鱗流の供給に応じて必要な異なるおリロール間隔は、高動的に変更する必要があり、これが、プロセス制御を更に困難にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】欧州特許出願公開第2727868号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2727869号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2818331号明細書
【文献】独国特許出願公開第1020162013043号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、本発明の課題は、横折りされた第1の印刷用紙と折られてない第2の印刷用紙から成る印刷製品の製造を可能にする柔軟な装置及び相応の方法を提供することである。この装置及び方法は、高い折り品質及び折り効率であっても、連続する印刷用紙の変化した特性への簡単かつ安価な適合を可能にし、従ってデジタル印刷機によって逐次的に印刷された印刷用紙の次処理のためにも適しているべきである。加えて、完成した印刷製品内の空白ページの数の潜在的な提言が達成されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この課題は、連続する逐次的に印刷された印刷用紙を選択的に横折りするための本発明による装置において、それぞれ折り位置から出発して、第1の印刷用紙が横折りのために第2の搬送区間に導入可能であるか、第2の印刷用紙が横折りを迂回するために第3の搬送区間に導入可能であるように、圧縮空気装置が、制御ユニットと接続された、圧縮空気装置の少なくとも1つの出口開口からの圧縮空気ブラストを選択的に誘発又は抑制するための第1の制御要素を備えること、によって解決される。この場合、第3の搬送区間は、折りロールの下流で共通の第2の中間地点において第2の搬送区間に合流する。更に、共通の第2の中間地点の下流で、第4の搬送区間が接続する。加えて、第1の搬送区間上で連続する印刷用紙の第1のシーケンスが第4の搬送区間上で連続する印刷用紙の第2のシーケンスに等しいように、第3の搬送区間が、第2の搬送区間よりも長く形成されているか、第2の搬送区間よりも遅く操作可能である。
【0016】
本発明による方法の場合、この課題は、第3の搬送区間に導入された折られてない第2の印刷用紙が、第2の搬送区間を移送される折られた第1の印刷用紙よりも長く第3の搬送区間を移送され、第1の搬送区間上で連続する印刷用紙のシーケンスが再び形成されるように、折られた第1の印刷用紙の後の折られてない第2の印刷用紙が、第2の搬送区間に接続する第4の搬送区間に導入されること、によって解決される。
【0017】
このような装置及び相応の方法において、デジタル印刷機によって逐次的に印刷された印刷用紙は、選択的に横折りされて又は折られないで次処理されるので、横折りされた第1の印刷用紙と折られてない第2の印刷用紙から成る印刷製品の製造及びこれによる完成した印刷製品内の空白ページの数の低減が可能にされる。折られてない第2の印刷用紙は、当初のシーケンスの維持もしくは復元しつつ、横折りを迂回することによって生じた、横折りされた第1の印刷用紙の後のギャップ内に、この横折りされた第1の印刷用紙から離間されて挿入することができる。第1の制御要素により、圧縮空気ブラストの誘発又は抑制に対して付加的に、折り位置に提供された印刷用紙への圧縮空気の作用の期間を変更することもできる。印刷用紙を装置にほぼギャップなく供給することができるので、有利には搬送速度の増大は全く又はほとんど必要ない。
【0018】
本発明による装置の一つの実施形態によれば、第3の搬送区間は、実質的に横折りすべき第1の印刷用紙の用紙長さの半分だけ第2の搬送区間よりも長く形成されている。これにより、折られてない第2の印刷用紙は、折られた第1の印刷用紙の後の所定の位置に、従って有利には2つの横折りされた第1の印刷用紙の間の中心に導入することもできる。この場合、印刷用紙の急激な又は実質的な速度変化が行なわれないので、プロセス安定性を損なうこと及び/又は品質を低下させる印刷用紙への影響を回避することができる。
【0019】
本発明による装置の別の実施形態によれば、第3の搬送区間の領域内に、第3の搬送区間の長さ調整をするための装置が配置されている。本発明による方法の相応の実施形態によれば、第3の搬送区間が、先行する作業指示に対して少なくとも異なったサイズを備える印刷用紙を用いる後続の作業支持時に相応に変更される長さを備える。これにより、装置と方法の両方が、有利には連続する作業指示の印刷用紙の異なる長さに適合させることができる。
【0020】
本発明による装置の次の実施形態では、第1の搬送区間の領域内に、第1の搬送区間上を搬送される印刷用紙の前縁を検出するための光バリア及び/又は画像検出装置が配置され、制御ユニットと接続されている。本発明による方法の相応の実施形態によれば、第1の搬送区間上を搬送される印刷用紙の前縁が自動的に検出される。それに基づいて、相応の情報が制御ユニットに回送される。制御ユニットは、相応のパルスを、その間に折り位置に提供された印刷用紙への圧縮空気装置の少なくとも1つの出口開口からの圧縮空気ブラストの選択的な誘発又は抑制の時点で発生させ、このパルスを、圧縮空気源及び圧縮空気装置と接続された第1の制御要素に回送する。第1の搬送区間の領域内で、従っては圧縮空気装置の直前で行なわれる光バリア及び/又は画像検出装置の配置に基づいて、圧縮空気ブラストの誘発又は抑制の時点は、有利には非常に正確に制御することができる。このような圧縮空気ブラストが誘発されるか抑制されるかの決定は、制御ユニットに記憶された作業指示に依存する。少なくとも1つの光バリアに対して付加的又は選択的に、画像検出装置が配置されている場合、印刷用紙は、相応の識別マークによって横折り装置の直前でも有利には一義的に識別することができる。
【0021】
本発明による装置の別の実施形態によれば、第2の搬送区間内に、第1の排出ポイントが配置され、この第1の排出ポイントの下流に、第1の印刷用紙用の第1の収容容器が配置されている。本発明による方法の相応の実施形態によれば、第1の印刷用紙が、チェックのために第2の搬送区間から排出される。従って、操作員は、いつでも、第2の搬送区間上に存在する折られた第1の印刷用紙をチェックのために除去することができる。
【0022】
本発明による装置の次の実施形態によれば、折りロールがガイド平面の上に配置され、圧縮空気装置がガイド平面の下に配置されている。従って、機械操作員によってチェックのために行なわれる第2の搬送区間上に存在する第1の印刷用紙の除去は、人間工学的に有利な作業高さで行なうことができる。
【0023】
本発明による装置の別の実施形態によれば、第4の搬送区間内に、第2の排出ポイントが配置され、この第2の排出ポイントの下流に、印刷用紙用の第2の収容容器が配置されている。本発明による方法の相応の実施形態によれば、瑕疵のある第1及び/又は第2の印刷用紙が、第4の搬送区間から排出される。このようにして、作業指示の開始時又は終了時に生じる、印刷されてない印刷用紙を排出することができる。
【0024】
本発明による装置の次の実施形態によれば、第1、第2、第3及び第4の搬送区間が、制御ユニットと接続された共通の駆動装置を備える。これにより、相応のセンサシステム及び監視装置を用いた付加的な調整及び/又は制御費用が生じることはなく、従って、この解決策は安価である。共通の駆動装置に基づいて、印刷用紙の付加的な加速及び減速が生じることはないので、相応の品質低下効果を回避することができる。
【0025】
本発明による装置の別の実施形態によれば、第4の搬送区間の下流でかつこの第4の搬送区間に対して離間して、第5の搬送区間が開始し、この第5の搬送区間が、制御ユニットと接続された別個の駆動装置を備え、この駆動装置によって、第5の搬送区間が、第4の搬送区間とは違う速度で、特に第4の搬送区間よりも遅く操作可能である。本発明による方法の相応の実施形態によれば、印刷用紙が、第4の搬送区間の下流で、この第4の搬送区間とは別個に駆動されかつこの第4の搬送区間に対して離間して配置された第5の搬送区間に引き渡され、この第5の搬送区間上で、印刷用紙が、第4の搬送区間とは異なる速度で、特に第4の搬送区間よりも遅く移送される。第4の搬送区間の速度とは異なる第5の搬送区間の速度に基づいて、後者は、有利には後続の次処理の要求に適合させることができる。第5の搬送区間が第4の搬送区間よりも遅く操作されると、装置内に生じた連続する印刷用紙の間のギャップは、所望のレベルに最小化することができる。
【0026】
本発明による装置の次の実施形態では、第4の搬送区間及び/又は第5の搬送区間が、これら両搬送区間の間の間隔を調整するための調整要素を備える。本発明による方法の相応の実施形態によれば、少なくとも1つの印刷用紙が先行する作業指示の印刷用紙に対して異なるサイズを備える後続の作業指示時に、第4の搬送区間と第5の搬送区間の間の間隔がそれに応じて変更される。このように形成された装置もしくは相応の方法により、異なる長さの印刷用紙を用いる連続する作業指示への適合を行なうことができるので、後続の作業指示時に、第4の搬送区間から第5搬送区間への移行部に存在する大きいサイズを有する印刷用紙は、同時に両方の搬送区間上で挟まれ、その時に圧縮、しわ形成又は破壊されることはない。これに対して、後続の作業指示時でも、第4の搬送区間から第5の搬送区間への移行部に存在する小さいサイズを有する印刷用紙は、第5搬送区間によって確実に引き継ぐことができる。
【0027】
本発明による装置の別の実施形態によれば、装置が、圧縮空気装置の少なくとも1つの出口開口の横断面積を変更するため及び/又はこの出口開口に供給可能な圧縮空気の圧力を変更するための、圧縮空気源及び制御ユニットと接続された少なくとも1つの別の制御要素を備える。別の両制御要素のうちの少なくとも一方に対する相応の作用により、圧縮空気装置の圧縮空気ブラストは、簡単かつ迅速に、折り位置に提供された実際に横折りすべき第1の印刷用紙の特性に応じて配量することができ、横折りすべき第1の印刷用紙の全スペクトルにわたって良好な折り品質及び高い折り効率を達成することができる。
【0028】
本発明による方法の次の実施形態によれば、第2の搬送区間内に、折られてない第2の印刷用紙を第3の搬送区間に回送する時に、折られた第1の印刷用紙の上流で、第1の部分ギャップ)が発生される。同じ作業指示に含まれる別の第1の印刷用紙の折り過程時に、この別の第1の印刷用紙の下流で第1の部分ギャップに隣接して、第2の部分ギャップ(39b)が発生される。両部分ギャップが、共に1つの導入ギャップを構成し、この導入ギャップ内に、第3の搬送区間上を移送される折られてない第2の印刷用紙が、第4の搬送区間の領域内で、折られた第1の印刷用紙と別の折られた第1の印刷用紙の間に再び導入される。これにより、第2の搬送区間内に、簡単に導入ギャップが提供され、この導入ギャップは、第4の搬送区間の領域内で、折りロールを迂回しかつ第3の搬送区間上を移送される折られてない第2の印刷用紙を、同じ作業指示に含まれる折られた両第1の印刷用紙の間に導入するために利用される。
【0029】
本発明による方法の別の実施形態によれば、折り位置に、第1の用紙長さを有する第1の印刷用紙と、第2の用紙長さを有する第2の印刷用紙と、第1の用紙長さを有する別の第1の印刷用紙が順々に提供され、同じ作業指示の印刷用紙では、第1の用紙長さが、実質的に第2の用紙長さの2倍の大きさである。このようにして、折り後の第1の印刷用紙は、実質的に含まれる折られてない第2の印刷用紙と同じ用紙長さを備えることが保証されているので、第2の印刷用紙は、第4の搬送区間の領域内で問題なく連続する2つの第1の印刷用紙の間の導入ギャップ内に導入することができる。
【0030】
以下で、本発明を、実施例により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、第1の実施例の、連続する逐次的に印刷された印刷用紙を選択的に横折りするための本発明による装置の概略側面図
【
図2】
図1よりも若干早い時点で図示した、本発明による装置の横折り装置の概略拡大図
【
図3】横折り装置内に、即ちその折りロールと圧縮空気装置の間に、第1の印刷用紙が折り位置に存在する、
図1及び
図2による横折り装置の概略平面図
【
図4】全ての印刷用紙が折られている又は折られる、
図1による装置の概略側面図
【
図5】次処理のため、即ち例えば部分ブックブロックを後から形成するために設けられた全ての印刷用紙が、折りロールを迂回する、従って折られない、
図1による装置の第1のスナップショット
【
図6】
図1による装置の
図5に対して遅い第2のスナップショット
【
図7】付加的な第5の搬送区間を有する第2の実施例の、
図1に図示した装置の下流領域の概略拡大図
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、第1の実施例で、印刷用紙2,3、ここでは図示した印刷用紙3a,2a’’;3b,2b’’;2c’,3c,2c’’,2d’を選択的に横折りするための本発明による装置1の概略側面図を示すが、これら印刷用紙は、図示してないデジタル印刷機によって事前に逐次的に印刷されており、装置1の下流で、それぞれ、種々の図で中括弧によって示した部分ブックブロック4a,4b,4c,4d等に統合することができる。図によれば、第1の印刷用紙2a’’,2b’,2b’’,2c’は、既に装置1内で折られているが、次の第1の印刷用紙2c’’は、ちょうど折られて、別の第1の印刷用紙2d’は、次の処理ステップで折ることができる。第2の印刷用紙3、ここでは例えば印刷用紙3a,3b,3cは、折られずに装置1を経て搬送される。印刷用紙3a,2a’’並びに先行する図示してない印刷用紙2a’は、第1の部分ブックブロック4aの後からの製造のため、印刷用紙2b',3b,2b’’は、第2の部分ブックブロック4bの後からの製造のため、及び、印刷用紙2c’,3c,2c’’は、
図7及び
図8に同様に中括弧で示した後の第3の部分ブックブロック4cのために設けられている。更に、既に装置1から排出された、チェックのために使用される又は瑕疵のある印刷用紙2,3、ここでは印刷用紙2x,3y及び2zが示されている。この図でそれぞれ3つの印刷用紙が、部分ブックブロックを構成するために企図されているにもかかわらず、そのような部分ブックブロックは、当然違う数の印刷用紙によって構成することもできる。加えて、それぞれ唯一の印刷用紙2,3を排出する代わりに、整数の印刷用紙を順々に排出することもできる。
【0033】
本発明による装置1の上流に、同様に図示してない切断穿孔ユニットが配置されている。この切断穿孔ユニットに、装置1に含まれる第1の搬送区間5が接続し、この第1の搬送区間は、装置1の横折り装置6と接続されている。第1の搬送区間5の領域内で横折り装置6の直前に、少なくとも1つの光バリア7及びまたは画像検出装置8が配置されている。
【0034】
図2は、本発明による装置1の横折り装置6の拡大概略図を示すが、この横折り装置の場合、
図1とは違って、第1の印刷用紙2c’’の折りが開始されたばかりである。第1の搬送区間5は、ガイド平面9を備え、このガイド平面内で、それぞれ次の印刷用紙2,3、ここでは次の横折りすべき第1の印刷用紙2d’が供給され、第1の中間地点10の横折り装置6内で終了するが、この中間地点から、第1の印刷用紙2c’’が実際に横折りのため回送されている。
【0035】
ここでは水平に延在するように図示したガイド平面9は、当然垂直又は空間内の任意の角度で配置することができるが、これは、具体的な使用条件に応じて多数の構造上のオプションを可能にする。しかしながら、以前及び以降で簡素化の理由からそれぞれ唯一の印刷用紙2,3しか説明せず、図に図示しないにも関わらず、これは、それぞれ少なくとも1つの印刷用紙2,3、即ち唯一又は重なった複数の印刷用紙2,3である。
【0036】
横折り装置6のガイド平面9の上に存在する第1の側11に、2つの折りロール12が配置されている。これら折りロールは、それぞれ1つの回転軸13を有し、これら回転軸の間に、第1の印刷されたシート準備された折り線15(
図3)又は準備されてない折り線に沿って横折りすべき第1の印刷用紙2用の折りギャップ14を形成する。折りロール12の回転軸13は、実質的に互いに平行で、実質的にガイド平面9に対して平行に整向されている。既知の指示データまたは実際に検出されたデータに基づいて、折りギャップ14は、材料厚さおよび横折りすべき第1の印刷用紙2の数に応じて、マニュアルで又は有利にはモータによって調整することができる。この場合、両折りロール12の直径は、等しく、しかしながらまた異なって形成してもよい。例えば、下流の折りロール12への印刷用紙の接触及びこれによる印刷用紙の減速を防止するために、下流の折りロール12の直径は、上流の折りロール12の直径よりも小さく形成してもよい。
【0037】
横折り装置6のガイド平面9の第1の側11に対向する第2の側16、従ってガイド平面9の下側で、折りギャップ14の領域内に、横折り装置6の圧縮空気装置17が配置されている。折りロール12の回転軸13に対して実質的に平行に整向された圧縮空気装置17は、折りギャップ14の方に向けた少なくとも1つの、しかしながら好ましくは複数の圧縮空気19用の出口開口18(
図2、
図3)を備え、圧縮空気ライン20を介して圧縮空気源21と接続され、この圧縮空気源自身は、制御ライン22を介して装置1の制御ユニット23と接続されている。加えて、圧縮空気装置17は、例えば電磁弁として形成された第1の制御要素24を、
図3に示した折り位置25(折り位置25で、第1の印刷用紙2は、平らに広げられて折りロール12と圧縮空気装置17の間に位置する)に存在する印刷用紙2、ここでは第1の印刷用紙2c’’に圧縮空気19を作用させるため又は少なくとも1つの出口開口18に圧縮空気19を作用させる期間を変更するために備える。
【0038】
図3には、装置1の下流で製造可能な部分ブックブロック4dに付属する印刷用紙2d’,3d,2d’’も示されており、これら印刷用紙は、横折りの前の他の第1の印刷用紙2のように、それぞれ第1の用紙長さ2’’を備えるか、もしくは他の第2の印刷用紙3のようにそれぞれ第2の用紙長さ3’’を備える。この場合、対をなす印刷用紙2,3の用紙長さ2’’,3’’は、第1の用紙長さ2’’が第2の用紙長さの実質的に2倍の大きさであるように異なっている。
図3以外に
図1,2,7及び8にも、折られてない第2の印刷用紙3が横折りされた2つの第1の印刷用紙2の間に挿入されているか、そこに挿入のために提供されていることが図示されているが、装置1によって、当然原理的に、横折りされた第1の印刷用紙2と折られてない第2の印刷用紙3の任意の順序を発生させることができる。
【0039】
更に、圧縮空気装置17は、少なくとも1つの出口開口18の図示してない横断面積を変更するためのここでは例えばスライドとして形成された第2の制御要素26と、少なくとも1つの出口開口18に供給可能な圧縮空気19の圧力を変更するための例えば減圧弁として形成された、圧縮空気ライン20内に配置された第3の制御要素27を備えることができる(
図2)。この場合、第2の制御要素26は、例えば同様に図示してない、移動可能な、少なくとも1つの切欠きを備えるブラインドと結合されていてもよい。このブラインドの相応の移動により、少なくとも1つの出口開口18は、部分的又は完全に解放又はしかしながら完全に遮蔽される。即ちその横断面積が変更される。当然、この横断面積の変更は、他の適当な手段によって行なうこともできる。制御要素24,26,27は、それぞれ1つの制御ライン22を介して制御ユニット23と接続されている。
【0040】
横折りされた第1の印刷用紙2用の第2の搬送区間28は、第1の中間地点10で開始し、横折り装置6の折りロール12の間を経て第2の中間地点29に到達する。第2の搬送区間28に沿って、第1の排出ポイント30が配置され、この第1の排出ポイントによって、横折りされた第1の印刷用紙2xを、例えばサンプル見本を取り出すために形成された第1の収容容器31に供給することができる(
図1)。
【0041】
同様に第1の中間地点10で開始する折られてない第2の印刷用紙3用の第3の搬送区間32が、第1の搬送区間5に接続する。従って、第1の中間地点10は、そこで第1の搬送区間5が終了し、そこで第2及び第3の搬送区間28及び32が開始する共通の中間地点である。第3の搬送区間32は、第2の中間地点29で第2の搬送区間28と出会い、そこで終了する。第3の搬送区間は、第2の搬送区間28の長さよりも大きい長さを備える。加えて、第3の搬送区間32は、長さ調整をするための装置33を備え、この装置は、
図1に図示したように、例えば、シリンダロッド33bとこのシリンダロッドに固定された第3の搬送区間32と相互作用するローラ33cを備えたスライドシリンダ33aを有する。当然、第3の搬送区間32の長さ調整をするために、他の適当な装置を使用することもできる。第1の中間地点10は、ガイド平面9と、折りギャップ14並びに圧縮空気装置17の出口開口18を経て延在する折り平面35の交線34上に位置する(
図2、
図3)。
【0042】
第4の搬送区間36が、第2の中間地点29で第2及び第3の搬送区間28,32に接続する(
図1)。これにより、第2の中間地点29は、第2、第3及び第4の搬送区間28,32及び36の共通の中間地点である。第4の搬送区間36に沿って配置された第2の排出ポイント37により、横折りされた印刷用紙2及び折られてない第2の印刷用紙3、ここでは印刷用紙2z及び3yを、しかしながら反故紙も取り出し、第2の収容容器38に供給することができる。第1及び第2の排出ポイント30,37の前には、それぞれの排出ポイント30,37を正確に切り替えることができるために、それぞれ1つの別の光バリア7’を配置することができる。
【0043】
図1の図によれば、装置1は、第1の搬送区間5上で数回にわたって順々に、横折りすべき第1の印刷用紙2が、折るべきでない第2の印刷用紙3を従えて供給され、この第2の印刷用紙が、更にまた横折りすべき別の第1の印刷用紙2を従えて供給されている。装置1の第4の搬送区間36の下流領域で、これは、第1の部分ブックブロック4a用の先行する図示してない横折りされた第1の印刷用紙2a’と共に提供された、折られてない第2の印刷用紙3a及び横折りされた第1の印刷用紙2a’’である。このため、印刷用紙2a’,3a,2a’’は、まずこの順序で順々に第1の搬送区間5上をそれぞれ折り位置25まで(
図3)移送されたが、この折り位置で、印刷用紙は、平らに広げられておりロール12と圧縮空気装置17の間に位置していた。この折り位置25から始まり、横折りすべき第1の印刷用紙2a’,2a’’は、
図2で第1の印刷用紙2c’’に関して示したように、それぞれ圧縮空気装置17の少なくとも1つの出口開口18からの圧縮空気ブラスト19’によって作用を受ける。この圧縮空気ブラスト19’に基づいて、横折りすべき第1の印刷用紙2a’,2a’’は、その中心領域がそれぞれ折りロール12の間に押し込まれ、その際、第2の搬送区間28に導かれ、次いで折りロール12によって横折りされている。圧縮空気ブラスト19’は、制御ユニット23から制御ライン22を介して第1の制御要素24に相応の制御信号を引き渡すことによって誘発され、圧縮空気19は、圧縮空気源21から提供されている。それに応じて、このような圧縮空気ブラスト19’は、その間に同様に折り位置25に存在する、折るべきでない第2の印刷用紙3aに対して抑制されるので、この印刷用紙は、折りロール12を迂回して、第3の搬送区間32に回送されている。このような圧縮空気ブラスト19’が誘発されるか、抑制されるかの決定は、制御ユニット23に記憶された作業指示に依存する。制御ユニット23は、これら作業指示によりそれぞれの部分ブックブロック4a,4b,4c,4d等のために提供される横折りすべき第1の印刷用紙2と折るべきでない第2の印刷用紙3の数及び順序も認識するので、横折り装置6の直前に配置された少なくとも1つの光バリア7及び/又は画像検出装置8によって、圧縮空気ブラスト19’の誘発又は抑制をするためのパルスの正確な辞典がそれぞれ決定される。少なくとも1つの光バリア7に対して付加的又は選択的に画像検出装置8が配置されている場合は、印刷用紙2,3は、相応の識別マークにより更に横折り装置6の直前で有利には一義的に識別することができる。
【0044】
折られてない第2の印刷用紙3aの第3の搬送区間32への回送により、第2の搬送区間28内で第1の印刷用紙2a’の上流に第1の部分ギャップ39aが生じているが、この部分ギャップは、
図1では同様に第1の印刷用紙2c’の上流に中括弧で図示されている。この第1の部分ギャップ39aは、第1の印刷用紙2a’’の下流でその折り過程によって生じた第2の部分ギャップ39bを従えており、この第2の部分ギャップは、
図1では同様に大の印刷用紙2c’’の下流に中括弧で図示されている。従って、第2の部分ギャップ39bが生じる。何故なら、横折りすべき第1の印刷用紙2は、最後に用紙中心に対して行なわれる圧縮空気ブラスト19’によって折りロール12内へ偏向され、これによりその当初の用紙長さ2’’が二等分される前に、折りロール12に達する前にまずその前縁2’(
図2、
図3)がほぼ用紙中心まで第3の搬送区間32に侵入するからである。両部分ギャップ39a,39bは、
図1で同様に中括弧によって図示した相応の導入ギャップ39がちょうど第2の搬送区間28内に存在する第1の印刷用紙2c’と、この印刷用紙に続くちょうど折りプロセス中にある第1の印刷用紙2c’’との間に示されているように、連続する両第1の印刷用紙2a’,2a’’の間に共通の導入ギャップ39を構成する。第3の搬送区間32へのその搬送後、折られてない第2の印刷用紙3aは、第2の中間地点29の領域内で、ちょうど横折りされた第1の印刷用紙2a’,2a’’の間のこの導入ギャップ39に、挿入されている。前記の経過は、第2の部分ブックブロック4b用に提供された印刷用紙2b’,3b,3b’’の場合でも同様であり、
図1は、ちょうど、折られてない第2の印刷用紙3bが、横折りされた両第1の印刷用紙2b’と2b’’の間の既存の導入ギャップ39に導入されている状況を示す。後続の作業指示時に印刷用紙2,3が先行する作業指示に対して少なくとも異なるサイズで処理される場合、第3の搬送区間32は、長さ調整をするための装置33によって、それぞれこの搬送区間32上を移送される折られてない第2の印刷用紙3が有利にはまた付属の横折りされた第1の印刷由2の間の導入ギャップ39の中心に導入可能であるように延長又は短縮することができる。
【0045】
印刷用紙2,3の搬送は、全ての搬送区間5,28,32,36上で、
図3に図示した印刷由2,3の両側に配置された例えば搬送ベルトとして形成された移送要素40,40’によって行なわれる。
図3の図で単に水平に延在するように図示した搬送区間5,32に基づいて、移送要素40,40’は、そこで、搬送すべき印刷用紙2,3の下及び上に配置されている。例えば第2の搬送区間28の上流領域及び第3の搬送区間32の下流領域でそうであるように搬送区間が垂直又は斜めに延在する場合、移送要素40,40’は、横に配置することができる。
図3では、下の移送要素40’が、簡素化のために第3の搬送区間32だけに図示された。同様の移送要素40,40’が、
図7及び
図8にも示され、部分的には
図2にも示されている。搬送区間5,28,32,36の移送要素40,40’は、同じ速度v
1-4で駆動され、
図7及び8に図示した共通の駆動装置41を備える。当然、搬送区間5,28,32,36は、固有の駆動装置を有することもできる。
図1及び
図4~6では、第3の搬送区間32に、図に詳細には図示してないその移送要素40,40’用の複数のアイドルローラ及び/又はテンションローラ42が示されている。移送要素用の同様のアイドルローラ及び/又はテンションローラは、第2の搬送区間28にも当然配置することができる。
【0046】
図4によれば、装置1は、横折りすべき第1の印刷用紙2だけが使用されるように操作することもできる。従って、第3の搬送区間32を介する折られてない第2の印刷用紙3の排出は行なわれない。即ち、第3の搬送区間は、静止したままである。2枚、3枚及び1枚の横折りすべき第1の印刷用紙2を有する部分ブックブロックのシーケンスによる模範的な指示から始めて、
図4には、左から右に向かって既に横折りされた第1の印刷用紙2a’,2a’’,2b’,2b’’,2b’’’と、ちょうど圧縮空気ブラスト19’によってその用紙中心において折り位置から折りロール12の方向に持ち上げられた第1の印刷用紙2c’と、後続の支持に応じて横折りすべき別の第1の印刷用紙2d’が図示されている。装置1のこの操作モードの場合、常に、第1の印刷用紙2が折り位置25にある時に、圧縮空気ブラスト19’が誘発される。折り過程に基づいて、横折りされた第1の印刷用紙2の間に、それぞれ同様に中括弧で図示した第1の排出ギャップ43が生じるが、この第1の排出ギャップは、両排出ポイント30,37の問題のないスイッチングを行なうので、必要時に、横折りされた印刷用紙2をサンプルのために排出するか、
図4に図示した横折りされた第1の印刷用紙2x、2zのような瑕疵見本を排出することができる。排出されない第1の印刷用紙2は、装置1の下流で更にまた例えばここに図示してない部分ブックブロックに次処理することができる。
【0047】
図5によれば、次処理のため、例えばここでも図示してない部分ブックブロックを後から構成するために提供される全ての第2の印刷用紙3、即ち示された3a’,3a’’3b’,3b’’,3b’’’3c’,3d’,3d’’,3e’,3e’’が折りロール12を迂回し、従って折られない、装置の別の操作モードが得られる。このため、第2の印刷用紙3が折り位置25に存在する時に、図示した第2の印刷用紙3e’でちょうど行なわれるように、それぞれ圧縮空気ブラスト19’が抑制されるので、従って、第2の印刷用紙3は、第3の搬送区間32を経て移送される。この場合、第2の印刷用紙3の搬送は、装置1全体を通していわば隙間なく行なわれる。しかしながら、必要時には、例えば、第2の収容容器38内に存在する第2の印刷用紙3zで既に行なわれたように、瑕疵のある第2印刷用紙3が排出される。例えば未だ第3の搬送区間32上に存在する別の第2の印刷用紙3zを第2の排出ポイント37を介して除去するために、この第2の印刷用紙3zに先行する折り位置25存在する第1の印刷用紙2xが、圧縮空気ブラスト19’によって折りロール12の方向に、従って第2の搬送区間28に偏向された。このようにして、第3の搬送区間32内で、穿孔する第2の印刷用紙3d’’と後から第2の収容容器38内へ排出すべき別の第2の印刷用紙3zの間に、第2の排出ギャップ44が構成されている。
図5には、この第2の排出ギャップ44が第3の搬送区間32内で既に若干第2の中間地点29の方向に移動した第1のスナップショットが図示されている。これに対して、
図6には、事前に排出すべき第2の用紙が別の光バリア7’によって検出され、第2の排出ポイント37が相応に切り替えられた後の、更に排出すべき第2の印刷用紙3zの排出が開始された後からのスナップショットが図示されている。事前に第2の排出ポイント37を切り替えるために使用される第2の排出ギャップ44は、図示したようなこのスナップショットの間、既に十分第2の排出ポイント37の下流に存在する。上流には、別の第2の印刷用紙3e’,3e’’,3e’’’,3f’,3f’’,3g’及び3g’’が続く。
【0048】
図5により第2の搬送区間28上に存在する、第2の排出ポイント37の切替えを可能にするため、従って別の第2の印刷用紙3zを排出するために使用される第1の印刷用紙2xは、事前に折りロール12の間で横折りされたものである。しかしながら、この第1の印刷用紙2xは、後からの部分ブックブロックの構成要素にならず、これにより第1の収容容器31へ排出するために提供されているので、この第1の印刷用紙は、任意の箇所で横折りすることができる。また、第1の印刷用紙2xに対して別の第1の印刷用紙2がすぐに先行しないので、別の光バリア7’による第1の印刷用紙2xの検出後の第1の排出ポイント30の切替えは問題のないことがわかる。
図6は、既に第1の収容容器31内に存在する、排出された第1印刷用紙2xを示す。第1の印刷用紙2xへの圧縮空気ブラスト19’の相応に早期の、即ち既にその折り位置25に達する前の誘発により、この第1の印刷用紙2xは、この印刷用紙が折りロールを折られずに通過し、後から有利には新たに使用され得るように、折りロール12の方向に偏向され得る。装置1又はインラインでこの装置の上流に配置されたデジタル印刷機の起動又は停止時に、このような第1の印刷用紙2xは、いずれにしても反故紙に属し、これにより第1収容容器31から廃棄される。
【0049】
装置1の第2の実施例(
図7,
図8)では、第4の搬送区間36の下流に、この第4の搬送区間から離間した第5の搬送区間45が続き、この第5の搬送区間上を、印刷用紙2,3が、後続の図示してない次処理をするための装置、例えば部分ブックブロック4a,4b,4c,4d等を構成するための装置に供給される。
図7に図示したように、第5の搬送区間45上を、現在は印刷用紙2a’’及び2b’が移送される。第5の搬送区間45も、移送要素40,40’を備えるが、これら移送要素は、搬送区間5,28,32,36と比して別個の駆動装置46を有する。この別個の駆動装置46に基づいて、第5の搬送区間45は、他の4つの搬送区間5,28,32,36の速度v
1-4とは異なる速度v
5で操作することができる。
【0050】
従って、例えば、速度v
5は、
図7に示した連続する横折りされた両第1の印刷用紙2b’’と2c’の間の部分ギャップ39bを最小化すべき時に、速度v
1-4よりも低く選択される。同様に、これは、前の部分ギャップ39a,39bの残留ギャップの最小化に当て嵌まる。第1の残留ギャップ39a’は、例えば、事前に発生した横折りされた第1の印刷用紙2c’と2c’’の間のギャップ39にちょうど導入された折られてない第2の印刷用紙3cの下流に認められ、生じるこのような第2の残留ギャップ39b’は、横折りされた第1の印刷用紙2c’’の下流に認められる。別の第2の残留ギャップ39b’は、第4の搬送区間36の下流領域に存在する。当然、速度v
5は、装置1の下流で行なわれる次処理に応じて、例えば、装置1内で
図5及び
図6により折られてない第2の印刷用紙3だけが第3の搬送区間32を介して案内される場合、及び、次処理のために相応のギャップが第2の印刷用紙3の間に必要とされる場合は、速度v
1-4よりも高くてもよい。
【0051】
図7の折られてない第2の印刷用紙3bのように第4の搬送区間36から第5の搬送区間45に印刷用紙2,3を引き渡す場合、印刷用紙は、まず、その後縁がもはやこれら移送要素40,40’によって挟まれなくなるまで第4の搬送区間36の移送要素40,40’によって搬送される。
図7は、これに続く、折られてない印刷用紙3bの前縁3’が初めて第5の搬送区間45の移送要素40,40’によって挟まれ、従ってその搬送が第5の搬送区間45に引き継がれた瞬間を示す。従って、印刷用紙2,3が初めて移送パルスを第5の搬送区間45から受ける、第4の搬送区間36から離間した第3の中間地点47で、第5の搬送区間45が開始する。それぞれの印刷用紙2,3が引渡し時に常に両搬送区間36,45の一方の移送要素40,40’の間に挟まれるだけなので、この印刷用紙2,3の圧縮、しわ形成又は破壊は、有効に回避することができる。
【0052】
従って、両搬送区間36,45の間にある間隔48の大きさは、それぞれの印刷用紙2,3の正確な引渡しのために重要であるので、及び、製造指示に応じて異なるサイズが処理され得るので、両搬送区間36,45の少なくとも一方は、しかしながら有利には両方は、この間隔48を変更するための調整要素49を備えている。この又はこれら調整要素は、マニュアル又は有利にはモータで操作することができる。
【0053】
図8は、折られてない第2の印刷用紙3bの後に続く横折りされた第1の印刷用紙2b’’がちょうど第4の搬送区間36の移送要素40,40’から解放され、その前縁が第3の中間地点47で第5の搬送区間45の移送要素40,40’によって挟まれている、
図7に対して若干後のスナップショットを示す。これにより、横折りされた第1の印刷用紙2b’’は、第5の搬送区間45に引き渡され、更なる搬送が、その移送要素40,40’によって行なわれる。
【0054】
搬送区間5,28,32,36の速度v
1-4に対して低い第5の搬送区間45の速度v
5に基づいて、
図7で第4の搬送区間36の下流領域内で印刷用紙3bと2b’’の間に未だ存在する第2の残留ギャップ39b’は、
図8では既に最小化されている。第5の搬送区間上を移送される第1の印刷用紙2b’’の速度v
5が、未だ第4の搬送区間36上を移送される後続の印刷用紙2c’の速度よりも低いので、その間に第4の搬送区間36の下流領域に移送されたこれら第1の印刷用紙2b’’と2c’の間の第2の部分ギャップ39bは、間もなく最小化される。同様に、これは、後から、両残留ギャップ39a’,39b’及び後続の印刷用紙の間の全てのギャップに当て嵌まる。
【0055】
制御装置23によって誘発されて、別個の駆動装置46が異なる速度で操作され得るので、第5の搬送区間45の連続的に異なる速度v5が実現され得る。このようにして、第5の搬送区間45上を移送される印刷用紙2,3の間に残っているギャップは、必要時に均一な長さを得ることができる。
【0056】
当然、ここではそれぞれ1つの制御ライン22を介して有線接続されるように説明及び図示した、横折り装置6の制御要素24,26,27、光バリア7,7’、画像検出装置8、両排出ポイント30,37、並びに搬送区間5,28,32,36,45の駆動装置41,46との装置1の制御ユニット23の接続は、無線で形成することもできる。当然、別のセンサ、駆動装置又は長さ調整をするための装置33のような装置を、
図1に破線で図示したように制御ユニット23と接続することもできる。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
1.連続する逐次的に印刷された印刷用紙(2,3)を選択的に横折りするための装置であって、
・第1の搬送区間(5)を有し、この第1の搬送区間上をガイド平面(9)内で順々に搬送される印刷用紙(2,3)が、それぞれ折り位置(25)に提供可能であり、
・ガイド平面(9)の第1の側(11)に配置され、それぞれ1つの回転軸(13)を備え、その間に横折りすべき第1の印刷用紙(2)用の折りギャップ(14)を構成する少なくとも2つの折りロール(12)を有し、これら折りロールの回転軸(13)が、実質的に互いに平行で、実質的にガイド平面(9)に対して平行に整向されており、
・実質的に折りロール(12)の回転軸(13)に対して平行に整向され、ガイド平面(9)の第1の側(11)に対向するガイド平面(9)の第2の側(16)で折りギャップ(14)の領域内に配置された圧縮空気装置(17)を有し、この圧縮空気装置が、圧縮空気源(21)ならびに制御ユニット(23)と接続され、折りギャップ(14)に向けられた圧縮空気(19)用の少なくとも1つの出口開口(18)を備え、
・横折りされた第1の印刷用紙(2)用の第2の搬送区間(28)と、折られてない第2の印刷用紙(3)用の第3の搬送区間(32)を有し、第1、第2及び第3の搬送区間(5,28,32)が、共通の第1の中間地点(10)を備え、この第1の中間地点において、第1の搬送区間(5)が終了し、第2の搬送区間(28)と第3の搬送区間(32)が開始し、共通の第1の中間地点(10)が、ガイド平面(9)と、折りギャップ(14)ならびに圧縮空気装置(17)の少なくとも1つの出口開口(18)を経て延在する折り平面(35)の交線(34)上に位置する
ものにおいて、
・それぞれ折り位置(25)から出発して、第1の印刷用紙(2)が折りのために第2の搬送区間(28)に導入可能であるか、第2の印刷用紙(3)が折りを迂回するために第3の搬送区間(32)に導入可能であるように、圧縮空気装置(17)が、制御ユニット(23)と接続された、圧縮空気装置(17)の少なくとも1つの出口開口(18)からの圧縮空気ブラスト(19’)を選択的に誘発又は抑制するための第1の制御要素(24)を備え、
・第3の搬送区間(32)が、折りロール(12)の下流で共通の第2の中間地点(29)において第2の搬送区間(28)に合流し、
・共通の第2の中間地点(29)の下流で、第4の搬送区間(36)が接続し、
・第1の搬送区間(5)上で連続する印刷用紙(2,3)の第1のシーケンスが第4の搬送区間(36)上で連続する印刷用紙(2,3)の第2のシーケンスに等しいように、第3の搬送区間(32)が、第2の搬送区間(28)よりも長く形成されているか、第2の搬送区間(28)よりも遅く操作可能である
こと、を特徴とする装置。
2.第3の搬送区間(32)が、実質的に横折りすべき第1の印刷用紙(2)の用紙長さ(2’’)の半分だけ第2の搬送区間(28)よりも長く形成されていること、を特徴とする上記1に記載の装置。
3.第3の搬送区間(32)の領域内に、第3の搬送区間(32)の長さ調整をするための装置(33)が配置されていること、を特徴とする上記1又は2に記載の装置。
4.第1の搬送区間(5)の領域内に、第1の搬送区間(5)上を搬送される印刷用紙(2,3)の前縁を検出するための光バリア(7)及び/又は画像検出装置(8)が配置され、制御ユニット(23)と接続されていること、を特徴とする上記1~3のいずれか1つに記載の装置。
5.第2の搬送区間(28)内に、第1の排出ポイント(30)が配置され、この第1の排出ポイント(30)の下流に、第1の印刷用紙(2)用の第1の収容容器(31)が配置されていること、を特徴とする上記1~4のいずれか1つに記載の装置。
6.折りロール(12)がガイド平面(9)の上に配置され、圧縮空気装置(17)がガイド平面(9)の下に配置されていること、を特徴とする上記1~5のいずれか1つに記載の装置。
7.第4の搬送区間(36)内に、第2の排出ポイント(37)が配置され、この第2の排出ポイント(37)の下流に、印刷用紙(2,3)用の第2の収容容器(38)が配置されていること、を特徴とする上記1~6のいずれか1つに記載の装置。
8.第1、第2、第3及び第4の搬送区間(5,28,32,36)が、制御ユニット(23)と接続された共通の駆動装置(41)を備えること、を特徴とする上記1~7のいずれか1つに記載の装置。
9.第4の搬送区間(36)の下流でかつこの第4の搬送区間に対して離間して、第5の搬送区間(45)が開始し、この第5の搬送区間が、制御ユニット(23)と接続された別個の駆動装置(46)を備え、この駆動装置によって、第5の搬送区間(45)が、第4の搬送区間(36)とは違う速度で、特に第4の搬送区間(36)よりも遅く操作可能であること、を特徴とする上記1~8のいずれか1つに記載の装置。
10.第4の搬送区間(36)及び/又は第5の搬送区間(45)が、これら両搬送区間(36,45)の間の間隔(48)を調整するための調整要素(49)を備えること、を特徴とする上記9に記載の装置。
11.装置が、圧縮空気装置(17)の少なくとも1つの出口開口(18)の横断面積を変更するため及び/又はこの出口開口(18)に供給可能な圧縮空気(19)の圧力を変更するための、圧縮空気源(21)及び制御ユニット(23)と接続された少なくとも1つの別の制御要素(26,27)を備えること、を特徴とする上記1~9のいずれか1つに記載の装置。
12.連続する逐次的に印刷された印刷用紙(2,3)を選択的に横折りするための方法であって、
・少なくとも第1の印刷用紙(2)と第2の印刷用紙(3)が、順々に第1の搬送区間(5)のガイド平面(9)内で移送されて折り位置(25)に提供され、
・提供された第1の印刷用紙(2)が、ガイド平面(9)の第1の側(11)で、それぞれが1つの回転軸(13)を備える少なくとも2つの回転中の折りロール(12)の間の折りギャップ(14)内で、折り線(15)沿って横折りされ、
・折りの前に、ガイド平面(9)の第1の側(11)に対向する第2の側(16)から、折りギャップ(14)の領域内で折り位置(25)に提供された第1の印刷用紙(2)に向けられた、圧縮空気源(21)ならびに制御ユニット(23)と接続された圧縮空気装置(17)の少なくとも1つの出口開口(18)からの圧縮空気ブラスト(19’)が誘発され、提供された第1の印刷用紙(2)が、圧縮空気ブラスト(19’)の作用下で、ガイド平面(9)から第2の搬送区間(28)上を回転中の折りロール(12)まで搬送され、折りの後に、この第2の搬送区間(28)上を更に搬送され、
・折り位置(25)に提供された第2の印刷用紙(3)への圧縮空気ブラスト(19’)が抑制され、これにより折られてない第2の印刷用紙(3)が第3の搬送区間(32)に導入される
ものにおいて、
・第3の搬送区間(32)に導入された折られてない第2の印刷用紙(3)が、第2の搬送区間(28)を移送される横折りされた第1の印刷用紙(2)よりも長く第3の搬送区間(32)を移送され、
・第1の搬送区間(5)上で連続する印刷用紙(2,3)のシーケンスが再び形成されるように、横折りされた第1の印刷用紙(2)の後の折られてない第2の印刷用紙(3)が、第2の搬送区間(28)に接続する第4の搬送区間(36)に導入される
こと、を特徴とする方法。
13.第3の搬送区間(32)が、先行する作業指示に対して少なくとも異なったサイズを備える印刷用紙(2,3)を用いる後続の作業指示時に相応に変更される長さを備えること、を特徴とする上記12に記載の方法。
14.第1の搬送区間(5)上を搬送される印刷用紙(2,3)の前縁(2’,3’)が自動的に検出され、それに基づいて、相応の情報が制御ユニット(23)に回送され、制御ユニット(23)が、相応のパルスを、その間に折り位置(25)に提供された印刷用紙(2,3)に対する圧縮空気装置(17)の少なくとも1つの出口開口(18)からの圧縮空気ブラスト(19’)の選択的な誘発又は抑制の時点で発生させ、このパルスを、圧縮空気源(21)及び圧縮空気装置(17)と接続された第1の制御要素(24)に回送すること、を特徴とする上記12又は13に記載の方法。
15.第1の印刷用紙(2)が、チェックのために第2の搬送区間(28)から排出されること、を特徴とする上記12~14のいずれか1つに記載の方法。
16.瑕疵のある第1及び/又は第2の印刷用紙(2,3)が、第4の搬送区間(36)から排出されること、を特徴とする上記12~15のいずれか1つに記載の方法。
17.印刷用紙(2,3)が、第4の搬送区間(36)の下流で、この第4の搬送区間とは別個に駆動されかつこの第4の搬送区間に対して離間して配置された第5の搬送区間(45)に引き渡され、この第5の搬送区間上で、印刷用紙(2,3)が、第4の搬送区間(36)とは異なる速度で、特に第4の搬送区間(36)よりも遅く移送されること、を特徴とする上記12~16のいずれか1つに記載の方法。
18.少なくとも1つの印刷用紙(2,3)が先行する作業指示に対して異なるサイズを備える後続の作業指示時に、第4の搬送区間(36)と第5の搬送区間(45)の間の間隔(48)がそれに応じて変更されること、を特徴とする上記17に記載の方法。
19.第2の搬送区間(28)内に、折られてない第2の印刷用紙(3)を第3の搬送区間(32)に回送する時に、折られた第1の印刷用紙(2)の上流で、第1の部分ギャップ(39a)が発生され、同じ作業指示に含まれる別の第1の印刷用紙(2)の折り過程時に、この別の第1の印刷用紙(2)の下流で第1の部分ギャップ(39a)に隣接して、第2の部分ギャップ(39b)が発生され、両部分ギャップ(39a,39b)が、共に1つの導入ギャップ(39)を構成し、この導入ギャップ内に、第3の搬送区間(32)上を移送される折られてない第2の印刷用紙(3)が、第4の搬送区間(36)の領域内で、折られた第1の印刷用紙(2)と別の折られた第1の印刷用紙(2)の間に再び導入されること、を特徴とする上記12~18のいずれか1つに記載の方法。
20.折り位置(25)に、第1の用紙長さ(2’’)を有する第1の印刷用紙(2)と、第2の用紙長さ(3’’)を有する第2の印刷用紙(3)と、第1の用紙長さ(2’’)を有する別の第1の印刷用紙(2)が順々に提供され、同じ作業指示の印刷用紙(2,3)では、第1の用紙長さ(2’’)が、実質的に第2の用紙長さ(3’’)の2倍の大きさであること、を特徴とする上記19に記載の方法。