(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】合成樹脂製キャップ
(51)【国際特許分類】
B65D 41/34 20060101AFI20231226BHJP
【FI】
B65D41/34 116
(21)【出願番号】P 2019172519
(22)【出願日】2019-09-24
【審査請求日】2022-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000178826
【氏名又は名称】日本山村硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074273
【氏名又は名称】藤本 英夫
(74)【代理人】
【識別番号】100173222
【氏名又は名称】藤本 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100151149
【氏名又は名称】西村 幸城
(72)【発明者】
【氏名】城田 章義
(72)【発明者】
【氏名】川村 伸生
(72)【発明者】
【氏名】小野 淳史
(72)【発明者】
【氏名】梅木 慎吾
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-202862(JP,A)
【文献】特開2009-107704(JP,A)
【文献】特開2014-061929(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 41/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器口部の外周に形成された雄ねじに螺合する雌ねじが設けられたスカート壁と、該スカート壁の下側に弱化部を介して連結されたタンパーエビデンスバンドとを具備した合成樹脂製キャップであって、
前記タンパーエビデンスバンドの内側に、周方向に間隔をおいて複数のフックを有し、
前記フックは、前記容器口部に対する当該キャップの装着に伴い、前記容器口部の外周に設けられた環状突起を乗り越えてその下方に至り、この乗り越え後、開栓の際に該環状突起に係止するように構成され、かつ、上下方向に延びる溝を有し、
前記溝は、前記タンパーエビデンスバンドの内側において隣り合う二つの前記フックの間に形成される部位とは異なる形状を有し、
前記タンパーエビデンスバンドの内周側において前記フックの上方に、前記タンパーエビデンスバンドの内側に突出し、その突出量は前記フックよりも小さい嵌合部が設けられ、前記溝は前記嵌合部にまで延びている合成樹脂製キャップ。
【請求項2】
前記溝は、前記フックにおいて前記タンパーエビデンスバンドの内方に最も突出する部位を上下に跨いで延びる請求項1に記載の合成樹脂製キャップ。
【請求項3】
前記フックの左右両端部は、左右両端に向かって前記タンパーエビデンスバンドの内方への突出量が漸次小さくなるように構成され、
前記溝は、前記フックにおける前記左右両端部に挟まれた中央部に位置する請求項1または2に記載の合成樹脂製キャップ。
【請求項4】
前記フックと前記嵌合部の間に、上側ほど内径が大きくなる傾斜部が設けられ、前記溝は前記嵌合部から前記傾斜部を経て前記フックにまで延びている請求項1~3の何れか一項に記載の合成樹脂製キャップ。
【請求項5】
前記嵌合部の上方に、上側ほど内径が大きくなる傾斜ガイドが連なり、前記溝は前記傾斜ガイドにまで延びている請求項1~4の何れか一項に記載の合成樹脂製キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、飲料物等の内容物を収容する容器の口部に装着される合成樹脂製キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
飲料物等の内容物を収容する容器の口部に装着され、一目で開封の有無を確認可能に構成されたキャップは広く知られている。例えば特許文献1に開示されたキャップは、
図2(A)及び(B)に示すように、容器口部Mの雄ねじM1に螺合する雌ねじ51が設けられたスカート壁52を有するキャップ本体53と、スカート壁52の下方に弱化部54を介して連結されたタンパーエビデンスバンド55とを具備する。
【0003】
上記キャップでは、容器口部Mに装着された状態からの開封操作(最初の開栓操作)に伴い、タンパーエビデンスバンド55の内周に設けられたフック(係合部)56が容器口部Mの外周に設けられた環状突起(被係合部)M2に係止した後、タンパーエビデンスバンド55とスカート壁52とを画する弱化部54が破断され、キャップ本体53とタンパーエビデンスバンド55とが互いに分離される。従って、弱化部54を構成するミシン目状のスリット間に形成されたブリッジ(橋絡部)の破断の有無を視認することにより、開封操作が行われたか否かを容易に確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来のキャップでは、開封操作の際にフック56が容器口部Mの環状突起M2に係合せず、弱化部54が破断されないままキャップが容器口部Mから外れる所謂すっぽ抜けが生じないようにするために、フック56の突出量をある程度確保する必要があるが、フック56の突出量を大きくするほど、上記すっぽ抜けは生じ難くなる反面、容器口部Mにキャップを装着する際に、フック56が環状突起M2を乗り越える際の抵抗が大きくなり、ひいては閉栓トルクが増大してしまう。閉栓トルクの増大は、キャッピング不良等の問題を引き起こす恐れがある。
【0006】
本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、閉栓トルクの低減を図ることができ、さらには使用樹脂量の低減をも図ることも可能な合成樹脂製キャップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る合成樹脂製キャップは、容器口部の外周に形成された雄ねじに螺合する雌ねじが設けられたスカート壁と、該スカート壁の下側に弱化部を介して連結されたタンパーエビデンスバンドとを具備した合成樹脂製キャップであって、前記タンパーエビデンスバンドの内側に、周方向に間隔をおいて複数のフックを有し、前記フックは、前記容器口部に対する当該キャップの装着に伴い、前記容器口部の外周に設けられた環状突起を乗り越えてその下方に至り、この乗り越え後、開栓の際に該環状突起に係止するように構成され、かつ、上下方向に延びる溝を有し、前記溝は、前記タンパーエビデンスバンドの内側において隣り合う二つの前記フックの間に形成される部位とは異なる形状を有し、前記タンパーエビデンスバンドの内周側において前記フックの上方に、前記タンパーエビデンスバンドの内側に突出し、その突出量は前記フックよりも小さい嵌合部が設けられ、前記溝は前記嵌合部にまで延びている(請求項1)。
【0008】
上記合成樹脂製キャップにおいて、前記溝は、前記フックにおいて前記タンパーエビデンスバンドの内方に最も突出する部位を上下に跨いで延びていてもよい(請求項2)。
【0009】
上記合成樹脂製キャップにおいて、前記フックの左右両端部は、左右両端に向かって前記タンパーエビデンスバンドの内方への突出量が漸次小さくなるように構成され、前記溝は、前記フックにおける前記左右両端部に挟まれた中央部に位置するようにしてもよい(請求項3)。
上記合成樹脂製キャップにおいて、前記フックと前記嵌合部の間に、上側ほど内径が大きくなる傾斜部が設けられ、前記溝は前記嵌合部から前記傾斜部を経て前記フックにまで延びていてもよく(請求項4)、前記嵌合部の上方に、上側ほど内径が大きくなる傾斜ガイドが連なり、前記溝は前記傾斜ガイドにまで延びていてもよい(請求項5)。
【発明の効果】
【0010】
本願発明では、閉栓トルクの低減を図ることができ、さらには使用樹脂量の低減をも図ることも可能な合成樹脂製キャップが得られる。
【0011】
すなわち、本願の各請求項に係る発明の合成樹脂製キャップでは、フックに溝を設けることにより、フックは、容器口部に対するキャップの装着(閉栓)時に環状突起を乗り越える際に弾性変形し易くなるので、閉栓トルクの低減を図ることができる。しかも、溝の形成に伴うフックの薄肉化によって使用樹脂量の低減を図ることも可能となる。
【0012】
請求項2に係る発明の合成樹脂製キャップでは、溝がフックにおいてタンパーエビデンスバンドの内方に最も突出する部位を上下に跨いで延びるようにすることにより、閉栓トルクの低減効果はより確実なものとなる。
【0013】
請求項3に係る発明の合成樹脂製キャップでは、溝を、フックにおける左右両端部よりも内方への突出量の大きい中央部に位置させることによって、閉栓トルクの低減の確実化を図ることができる。しかも、溝をフックの左右両端部に設けると、開栓の際に弱化部の一部が破断しないヒンジングが生じやすくなるが、溝を中央部のみに設けることにより、こうした不都合を回避することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】(A)は本発明の一実施の形態に係る合成樹脂製キャップの構成を示す縦断面図、(B)は前記合成樹脂製キャップの要部の構成を示す部分拡大縦断面図、(C)及び(D)は前記合成樹脂製キャップに設ける溝の一例及び他の例の構成を示す横断面図、(E)は前記合成樹脂製キャップの要部の構成を示す部分拡大底面図である。
【
図2】(A)は従来の合成樹脂製キャップ、(B)はその容器口部への装着状態をそれぞれ示す説明図(左半分は縦断面図、右半分は正面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら以下に説明する。
【0016】
図1(A)に示す合成樹脂製キャップ(以下、キャップという)1は、
図2(B)に示すような雄ねじM1及び環状突起(被係合部)M2を有する容器口部M(例えばペットボトル等の容器の口部)に装着されて使用されるものであり、コンプレッション成形又はインジェクション成形によって、ポリエチレンで一体的に成形されている。なお、キャップ1を形成する素材は、特に限定されるものではなく、本実施形態で用いたポリエチレンの他、ポリプロピレン等が好適に用いられる。
【0017】
キャップ1は、平面視において略円形状の天壁2と、この天壁2の外周部から下向きに延びる略円筒状のスカート壁3を有する(
図1(A)参照)。ここで、スカート壁3の外周面にはローレット溝4を、内周面には雌ねじ5を設けてあり、この雌ねじ5は容器口部Mの外周に形成された雄ねじM1に結合可能である。
【0018】
そして、容器口部Mの雄ねじM1にスカート壁3の雌ねじ5が結合するようにキャップ1を回転させて容器口部Mに装着すると、天壁2の内面(下面)に連設された環状の中足(インナーリング)6、環状リブ7及び環状の外足(アウターリング)8が容器口部Mに密着し、これにより、容器口部Mが密封された状態となる。すなわち、キャップ1が容器口部Mに装着された状態では、中足6は容器口部M内に差し込まれて容器口部Mの内周面に密着し、環状リブ7は容器口部Mの環状の上端面に密着し、外足8は容器口部Mの外周面に密着するように構成されている。
【0019】
また、キャップ1は、未開封(開栓が一度もされていないこと)を証明する機能を有するピルファープルーフキャップであり、容器口部Mに装着された未開封のキャップ1の開封時(最初の開栓時)に、雄ねじM1と雌ねじ5の結合が解除されるようにキャップ1を回転させると、キャップ1は容器口部Mから離脱するが、スカート壁3の下部に連結されたタンパーエビデンスバンド(以下、単に「バンド」という)9は容器口部Mに残留するように構成されている。
【0020】
すなわち、スカート壁3の下方には、スカート壁3の全周にわたって延びる環状弱化部(弱化部の一例)10を介してバンド9を連結してあり(
図1(A)参照)、環状弱化部10は、スカート壁3とバンド9とを上下に画するように、スカート壁3及びバンド9の周方向に断続して延びる(ミシン目状の)スリットと、隣り合うスリットの間に存在するブリッジとで構成され、ブリッジは所定の力で引っ張られると破断する。
【0021】
ここで、本例では、バンド9の外径を上下にわたって均一にしてある一方、バンド9の内周側には、内向きに突出し、内側への突出量が上側ほど増大するように構成されたフック11を、周方向に間隔をおいて5個(複数の一例)設けてある。各フック11は、キャップ1が容器口部Mに装着された状態で、容器口部Mの外周において雄ねじM1よりも下方に形成された環状突起M2(
図2(B)参照)の略下側へ位置し、開封操作によって環状突起M2に係止する。すなわち、フック11は、環状突起M2に下方から係止可能に構成されている。なお、
図1(B)の2点鎖線は、フック11が設けられていない部分の断面形状を示している。
【0022】
また、
図1(B)に示すように、バンド9の内周側において、フック11の上方には、バンド9の内側に突出し、その突出量はフック11よりも小さい(内径がフック11の内径よりも大きい)嵌合部12が設けられ、さらに、嵌合部12の上方には上側ほど内径が大きくなる傾斜ガイド13が連なっている。加えて、フック11と嵌合部12の間には、上側ほど内径が大きくなり、その大きくなる度合いが傾斜ガイド13より緩やかな傾斜部14が設けられている。
【0023】
嵌合部12は、内周面が略円筒状になるように構成され、バンド9における嵌合部12及び傾斜ガイド13よりも上方の部位の内径よりも小さい内径を有し、環状突起M2の最大外径は、嵌合部12の内径より大きく、バンド9における傾斜ガイド13よりも上方の部位の内径より小さい。
【0024】
而して、容器口部Mに装着され未開封の状態では、環状突起M2が傾斜ガイド13の内側またはそれより上方に位置し、この状態からキャップ1を開封方向に回転させると、容器口部Mに対してキャップ1が相対的に上昇し、嵌合部12が環状突起M2に嵌合し、フック11が環状突起M2に下方から係止する状態となる。さらにキャップ1を開封方向に回転させ続けると、やがて環状弱化部10は破断し、バンド9は容器口部Mに残留する一方、それより上側の天壁2及びスカート壁3からなるキャップ本体は容器口部Mから離脱することになる。
【0025】
従って、フック11が環状突起M2に下方から係止する状態になるまでの間に、傾斜ガイド13によってガイドされた環状突起M2が嵌合部12に嵌合し、これにより、バンド9が斜めに持ち上がることが防止され、環状弱化部10が偏らずに略均一に破断するので、タンパーエビデンス性は良好となる。
【0026】
また、本例では、
図1(E)に示すように、嵌合部12を、各フック11の上方に位置する部分のみに設けるのではなく、バンド9の全周にわたって設けてある。これにより、脱型時等にバンド9に加わる圧力がより分散されるので、バンド9の白化防止や割れ防止を図ることができる。
【0027】
ところで、各フック11は、容器口部Mに対するキャップ1の装着(閉栓)に伴い、容器口部Mの外周に設けられた環状突起M2を乗り越えてその下方に至るものであり、この乗り越えの際に環状突起M2によって拡径案内され、バンド9は弾性的に拡径変形し、乗り越えた後は元の形状に弾性復帰して開栓の際に環状突起M2に係止してその上方に乗り越え不可能となるように構成されている。そして、上述のように、各フック11が環状突起M2を乗り越える際の抵抗が大きいと閉栓トルクが増大することになる。
【0028】
そこで、本実施形態のキャップ1では、各フック11に、上下方向(バンド9の軸線方向)に延びる溝(肉抜き)15を設けてある(
図1(A)及び(B)のグレー部分参照)。図示例の溝15は、傾斜ガイド13の上端から嵌合部12及び傾斜部14を経てフック11の下部にまで延びている。なお、「上下方向に延びる溝15」とは、溝15の両端の一方が他方よりも上方に位置することを意味し、上下方向に平行に延びているものに限らず、斜めに延びるものも含む。但し、図示例の溝15は、上下方向に平行に延びている。
【0029】
ここで、溝15においてフック11に位置する部分の最大深さは、フック11の最大厚みt(
図1(B)参照。バンド9におけるフック11の下側に連なる部分の内周面を基準にした内方への突出量を指す。)の5分の1~5分の4(好ましくは4分の1~3分の2)であり、例えばフック11の最大厚みtが0.85mmの場合には、フック11に設ける溝15の最大深さを0.3~0.55mmとすることが考えられる。なお、溝15において傾斜ガイド13及び嵌合部12に位置する部分の最大深さは、それぞれ傾斜ガイド13及び嵌合部12の最大厚みと同一であり、傾斜部14に設けた溝15は、下側ほど浅くなっている。
【0030】
また、傾斜ガイド13からフック11に設ける溝15の最大幅(バンド9の周方向の幅)は、キャップ1全周360°に対して3°~20°の中心角度を持つようにするのが好ましく、例えば0.5~5.0mmとすることが考えられ、
図1(A)及び(B)の例では、溝15の大部分は幅が均一であり、上端部及び下端部のみそれぞれ上側及び下側に向かって幅が狭くなっている。
【0031】
さらに、溝15の横断面形状は、
図1(C)に示すように略三角形か、同図(D)に示すように略台形とすることが考えられ、例えば溝15の開き角θを一定(図示例は90度)に固定する場合、設ける溝15の幅の大きさと深さに応じてその横断面形状を変えればよい。
【0032】
このように、フック11に溝15を設けることにより、フック11は、容器口部Mに対するキャップ1の装着(閉栓)時に環状突起M2を乗り越える際に弾性変形し易くなるので、閉栓トルクの低減を図ることができる。しかも、溝15の形成に伴うフック11の薄肉化によって使用樹脂量の低減を図ることも可能となる。
【0033】
特に、
図1(B)に示すように、溝15が、フック11においてバンド9の内方に最も突出する部位を上下に跨いで延びるようにすれば、閉栓トルクの低減効果はより確実なものとなる。
【0034】
また、本例のフック11の左右両端部11a、11bは、左右両端に向かってバンド9の内方への突出量及び上下幅が漸次小さくなるように構成され、左右両端部11a、11bに挟まれた中央部11cは左右両端部11a、11bよりも内方への突出量が大きくなっているのであり、溝15を、この中央部11cに位置させることによっても、閉栓トルクの低減の確実化を図ることができる。しかも、溝15を左右両端部11a、11bに設けると、開栓の際に環状弱化部10(ブリッジ)の一部が破断しないヒンジングが生じやすくなるが、溝15を中央部11cのみに設けることにより、こうした不都合を回避することも可能となる。
【0035】
なお、本発明は、上記の実施の形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論である。例えば、以下のような変形例を挙げることができる。
【0036】
一つのフック11に二以上の溝15を設けてもよい。また、全てのフック11に溝15を一様に設けるのが好ましいが、一部のフック11のみに溝15を設けるなど、フック11によって設ける溝15の数、位置、形状や大きさを異ならせてもよい。
【0037】
図1(A)及び(B)の例では、傾斜ガイド13、嵌合部12及び傾斜部14にも溝15を設けているが、これに限らず、傾斜ガイド13、嵌合部12及び傾斜部14の何れかに部分的に溝15を設けるようにしてもよいし、何れにも溝15を設けないようにしてもよい。
【0038】
図1(A)及び(B)の例では、溝15はフック11の下端にまでは達していないが、下端に達するまで延ばしてもよく、さらにはフック11の下方にまで延ばしてもよい。また、
図1(A)及び(B)の例では、溝15はフック11の上方にまで延びているが、溝15の上端がフック11の上端より下方の位置にあってもよい。
【0039】
図1(A)及び(B)の例では、溝15はフック11においてバンド9の内方に最も突出する部位を上下に跨いで延びているが、これに限らず、例えば、溝15が、フック11においてバンド9の内方に最も突出する部位の上方のみ又は下方のみにあってもよい。
【0040】
図1(B)の例では、バンド9においてフック11の下側にある部位がフック11(あるいは傾斜ガイド13)の上側にある部位より肉薄となっており、これによっても閉栓トルクの低減に資するものとなっているが、これに限らず、例えば上記両部位を同一の肉厚としてもよい。
【0041】
なお、本明細書で挙げた変形例どうしを適宜組み合わせてもよいことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0042】
1 キャップ
2 天壁
3 スカート壁
4 ローレット溝
5 雌ねじ
6 中足
7 環状リブ
8 外足
9 タンパーエビデンスバンド
10 環状弱化部
11 フック
12 嵌合部
13 傾斜ガイド
14 傾斜部
15 溝
51 雌ねじ
52 スカート壁
53 キャップ本体
54 弱化部
55 タンパーエビデンスバンド
56 フック
M 容器口部
M1 雄ねじ
M2 環状突起
t フックの最大厚み
θ 溝の開き角