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特許7409825ホームドア装置の開閉制御装置及び制御方法
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  • 特許-ホームドア装置の開閉制御装置及び制御方法 図1
  • 特許-ホームドア装置の開閉制御装置及び制御方法 図2
  • 特許-ホームドア装置の開閉制御装置及び制御方法 図3
  • 特許-ホームドア装置の開閉制御装置及び制御方法 図4
  • 特許-ホームドア装置の開閉制御装置及び制御方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】ホームドア装置の開閉制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   B61B 1/02 20060101AFI20231226BHJP
【FI】
B61B1/02
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019195641
(22)【出願日】2019-10-28
(65)【公開番号】P2021066410
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000196587
【氏名又は名称】西日本旅客鉄道株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】509335144
【氏名又は名称】株式会社JR西日本テクシア
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 恭介
(72)【発明者】
【氏名】阿久津 昌兵
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-166607(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61B 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホームに対する列車の停止位置を検出する停止位置検出部と、
前記ホームが延びる方向の異なる位置にそれぞれ配置され、前記ホーム上の所定エリア内の動作を検知する複数の光学センサと、
前記停止位置検出部の検出結果に基づいて前記複数の光学センサのオン/オフを切り替える光学センサスイッチ部と、
オン状態の光学センサによって所定エリア内の動作が検知されたときにホームドア装置の開閉を制御する開閉制御部と、を備え
前記停止位置検出部が検出するホームに対する列車の停止位置は、乗務員の位置を推定可能な情報であり、
前記光学センサスイッチ部は、前記複数の光学センサのうち、前記停止位置検出部による検出結果に応じて乗務員に最も近い位置にあると推定される光学センサをオンにし、他の光学センサをオフのままにする、ホームドア装置の開閉制御装置。
【請求項2】
前記開閉制御部は、前記光学センサがオンにされた後、前記所定エリア内で動作を検知したときに前記ホームドア装置を開き、次いで前記所定エリア内で動作を検知したときに前記ホームドア装置を閉じる、請求項1に記載のホームドア装置の開閉制御装置。
【請求項3】
前記光学センサスイッチ部は、列車が停止した後、前記光学センサをオンにする、請求項1又は2に記載のホームドア装置の開閉制御装置。
【請求項4】
前記光学センサスイッチ部は、列車が始動した後、前記光学センサをオフにする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のホームドア装置の開閉制御装置。
【請求項5】
前記ホームドア装置はフルスクリーン型のホームドア装置であり、前記複数の光学センサはホームドア装置の開口を形成するヘッダーボックスに配列される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のホームドア装置の開閉制御装置。
【請求項6】
前記光学センサの位置を示す位置表示部を備える、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のホームドア装置の開閉制御装置。
【請求項7】
ホームに対する列車の停止位置を検出するステップであって、前記停止位置は乗務員の位置を推定可能な情報である、ステップと
前記停止位置の検出結果に基づいて、前記ホーム上の所定エリア内の動作を検知する複数の光学センサのオン/オフを切り替えるステップであって、前記複数の光学センサは前記ホームが延びる方向の異なる位置にそれぞれ配置される、ステップと
オン状態の光学センサによって所定エリア内の動作が検知されたときにホームドア装置の開閉を制御するステップとを含み、
前記複数の光学センサのオン/オフを切り替えるステップは、前記複数の光学センサのうち、前記停止位置の検出結果に応じて乗務員に最も近い位置にあると推定される光学センサをオンにし、他の光学センサをオフのままにするステップを含む、ホームドア装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホームドア装置の開閉制御装置及びホームドア装置の開閉制御方法に関する。
【0002】
近年、列車のプラットホーム上で安全性をより向上させるためにホームドア装置の設置が進められている。ホームドア装置は列車がホームに進入するまで閉状態を保ち、ホームドア装置のホーム側から軌道側への乗客の移動を規制する。列車がホームの所定位置に停止するとホームドア装置は開状態となり、乗客が列車に乗降するのを可能にする。
【0003】
ホームドア装置は、乗務員がホームドア装置の軌道側の定位置に設けられた操作盤を操作することで開閉が行われている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許5764250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、ホーム上では、軌道中心からの距離に基づく建築限界の範囲外に各種設備を設置する必要がある。したがってホーム上に特許文献1に記載されたような操作盤を設置する場合、ホームドア装置の設置位置を軌道中心から離す必要がある。しかしながら、ホームドア装置の設置位置をセットバックするとホーム側の面積が狭くなる。
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、ホームの幅を狭めることなく設置可能なホームドア装置の開閉制御装置及びホームドア装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、ホームに対する列車の停止位置を検出する停止位置検出部と、ホーム上の所定エリア内の動作を検知する複数の光学センサと、停止位置検出部の検出結果に基づいて複数の光学センサのオン/オフを切り替える光学センサスイッチ部と、オン状態の光学センサによって所定エリア内の動作が検知されたときにホームドア装置の開閉を制御する開閉制御部と、を備える。
【0008】
この構成によれば、ホームの幅を狭めることなく開閉制御装置を設置できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態によるホームドア装置の開閉制御装置を適用したホームの正面図である。
図2】同ホームドア装置の開閉制御装置の概略構成図である。
図3】同ホームドア装置の開閉制御装置の概略斜視図である。
図4】同ホームドア装置の開閉制御装置の動作を示すタイミングチャートである。
図5】同ホームドア装置の開閉制御装置の動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下の説明では、ホームドア装置をフルスクリーン型のホームドア装置が備えられたホームに適用した例を例示する。なおホームドア装置の開閉制御装置は、ホームドア装置の種類を問わず例えば腰高のいわゆるハーフハイト型のホームドア装置にも適用可能である。
【0011】
図1はホームドア装置の開閉制御装置を適用したホームの正面図であり、ホームに到着する列車の進行方向側から見た図である。図2は同ホームドア装置の開閉制御装置を適用したホームの概略図であり、同装置の構成図及びホーム上面図を組み合わせて示す。図1に示すようにホーム10上には、ホーム10の床面から天井付近前での高さを有するフルスクリーン型のホームドア装置12が配置されている。ホームドア装置12は、ホームドア装置12を基準にホーム10上を軌道側と、ホーム側とに分ける。軌道側は列車が到着するレール14に近接する側であり、列車の停車中に列車の乗務員が一時的に降り立つ場所でもある。また、ホームドア装置12の軌道側においてホームドア装置12とホーム10の縁との間には一定の幅が確保されている。これは、例えばホームドア装置12が開いているときにホームドア装置10付近で立ち止まっている人がいたとしても、車いすが通行したり車いすの方向転換をしたりするために使用される空間である。また、ホームドア装置12のホーム側は乗客が列車の到着まで待機する側である。
【0012】
乗客は列車が到着して列車のドアが開くまでホームドア装置12のホーム側で待機する。列車が到着し乗務員が列車のドア及びホームドア装置12を開くと、ホーム側から列車のドアにアクセス可能となる。このとき乗務員は列車から一旦降りホームドア装置12の軌道側で列車のドア及びホームドア装置12の開閉を制御する。
【0013】
図2に示すように開閉制御装置16は、列車の停止位置を検出する停止位置検出部18と、ホーム10の軌道側に設けられた光学センサ20と、光学センサ20のオン/オフを切り替える光学センサスイッチ部としてのスイッチ部22とを備える。また開閉制御装置16は、停止位置検出部18、及び光学センサ20の検出結果に基づいてホームドア装置12の開閉を制御する開閉制御部24を備える。
【0014】
停止位置検出部18は、ホーム10に到着した列車の停止位置を検出する。より具体的には停止位置検出部18は、ホーム10が延びる方向に沿って配置された複数の停止位置センサである。停止位置検出部18は、列車のホーム10に対する停止位置を検出する。具体的には停止位置検出部18は、先頭列車の停止位置、最後尾列車の停止位置、扉の停止位置等、列車の特定の箇所の停止位置を検出する。乗務員が列車の最後尾に乗っている場合には、列車の最後尾列車の停止位置を検出することが好ましい。なお停止位置検出部18は、そこから出力される情報に基づいて乗務員の位置を推定できるものであればどのようなものであってもよい。
【0015】
光学センサ20は、ホームドア装置12よりも軌道側において乗務員の動作を妨げないような高い位置に配置されている。図示の例では光学センサ20はホームドア装置12の駆動部が収容されるヘッダーボックス26から延びるアーム28によって支持されており、乗務員の頭上で保持される。開閉制御装置16は複数の光学センサ20を備え、各光学センサ20はホーム10に到着することが予想される列車の乗務員の乗車位置を考慮して、ホーム10が延びる方向に複数箇所設置される。例えば図2に示すように、10両編成の列車の乗務員の乗車位置A1は、8両編成の列車の乗務員の乗車位置A2よりも進行方向後ろ側に位置する場合がある。ホーム10に10両編成及び8両編成の2種類の列車の到着が予定されている場合には、10両編成の列車の乗務員の乗車位置A1と、8両編成の列車の乗務員の乗車位置A2との各々の位置に対応させて光学センサ20が配置される。これにより乗務員がアクセスし易い位置に開閉制御を行うための操作手段を配置でき、開閉制御のために乗務員が移動する距離を短くできる。また光学センサ20を配置する位置としては乗客がホームドア装置12のホーム側から軌道側に移動して列車に乗り込む動線から少なくともずれており又は離れていることが好ましい。光学センサ20の数は到着が予定されている列車の乗務員の乗車位置に応じて幾つ設けてもよい。当然のことながら、1種類の長さの列車しか到着しないホームに対して本発明を適用してもよい。この場合、光学センサ20はホーム上に1つだけ設置される。
【0016】
光学センサ20は、例えば特定波長の光をホーム10の床面に向けて鉛直方向下向き直線状に照射し、反射光を受光可能な反射型のセンサである。光学センサ20は、反射光の帰還時間に応じて反射面までの距離の変化を検知し光軸を横切る対象の有無を検出する。光学センサ20はホームドア装置12よりも軌道側に設けられている。従って、光軸上に唯一アクセス可能な乗務員が意図的に光軸を横切る対象を置いた場合に限り、光学センサ20の検出結果が変化する。通常、ホームドア装置12の軌道側には鉛直方向に延びる光軸を横切る対象は、乗客を除いて殆ど存在しない。したがって、光学センサ20の光軸を鉛直方向に向けることで光学センサ20の検知精度を高められる。
【0017】
実施形態では光学センサ20は乗務員の所定の動作を検知する。一例として光学センサ20は、乗務員が光線を横切るように手を移動させる動作を検知する。乗務員の手が光線を横切ると光の反射面がホーム10の床面から手に変わり、手が光線を完全に横切った後に反射面はホーム10の床面に戻る。光学センサ20は、この反射面の変化を検知する。なお、光学センサ20によって検知する動作は光線を横切るあらゆる動作が想定される。
【0018】
光学センサ20による光の照射のオン/オフはスイッチ部22により制御される。スイッチ部22は、所定条件に応じて複数の光学センサ20のうちどの光学センサ20をオンにするかの制御、及びオンにした光学センサ20を所定条件に応じてオフにする制御を行う。スイッチ部22は、停止位置検出部18による検出結果に応じて乗務員に最も近い位置にあると推定される光学センサ20のみをオンにし、他の光学センサ20はオフのままにする。
【0019】
なお、図示の例では光を直線状に照射し光軸を横切る動作を検知することとしたが、照射エリアが光軸よりも広くなるスポット状の光を照射する光学センサを用いてもよい。
【0020】
図示のように光学センサ20と停止位置検出部18とをホームの延びる方向に対して組にして配置してもよい。この場合、例えば10両編成の列車の最後尾を検出する停止位置検出部18が信号を発した場合には、スイッチ部22は列車の幅方向に停止位置検出部18と同一直線上にある光学センサ20をオンにする。
【0021】
開閉制御部24は、光学センサ20の検出結果に基づいてホームドア装置12の開閉を制御する。一例として開閉制御部24は、光学センサ20が光軸を横切る対象を検出する度に、ホームドア装置12の開閉状態を変化させることができる。また一例として光学センサ20がホームドア装置12を開くための光線と、ホームドア装置12を閉じるための光線との2本の光線を照射するようにしてもよい。この場合開閉制御部24は、ホームドア装置12を開くための光線側で変化を検知したときにホームドア装置12の全てのドアを同時に開き、ホームドア装置12を閉じるための光線側で変化を検知したときにホームドア装置12の全てのドアを同時に閉じる。
【0022】
図3は開閉制御装置の概略斜視図である。図3に示すように開閉制御装置16は、光学センサ20の位置を示す位置表示部30と、光学センサ20のオン/オフ状態を示す状態表示部32を備えてもよい。
【0023】
位置表示部30は、例えばホーム10の床面に設けられた文字等によるサインであり、光学センサ20からの光線が照射されている位置を乗務員に知らせる。位置表示部30は光学センサ20の鉛直方向直下に設置される。乗務員は位置表示部30上で例えば手を水平に動かすことで光学センサ20の光線を横切れる。位置表示部30は、印刷物をホーム10の床面に貼り付けたものであってもよいし、ホーム10の床面に光学パネル等を埋め込んだものであってもよい。
【0024】
状態表示部32は、光学センサ20のオン/オフの状態を表示する。状態表示部32は、例えば光学センサ20がオン状態にあることを示す第1ライト34と、光学センサがオフ状態にあることを示す第2ライト36とを備える。2つのライト34,36は光学センサ20のオン/オフ状態と連動して点灯し、乗務員に対して光学センサ20の状態を知らせる。状態表示部32は複数の光学センサ20及び位置表示部30のセットの各々に対応して当該セットの近くに配置される。図示の例では状態表示部32はホームドア装置12の軌道側の壁面に配置される。状態表示部32の第1ライト34が点灯している場合、乗務員は当該状態表示部32に対応する光学センサ20がオン状態にあることを認識できる。なお、状態表示部32に二種類の色の光を発するライトを設け、ライトの色によって光学センサ20の状態を示してもよい。また、状態表示部32を位置表示部30と並べてホーム10の床面に配置してもよい。また、ホーム10上に1つの状態表示部32を設け各光学センサに予め番号を付与して、状態表示部32にオン状態になっている光学センサ20の番号を表示してもよい。
【0025】
図4は、ホームドア装置の開閉制御装置の動作を示すタイミングチャートである。時刻t1において列車がホーム10に進入し停車すると、ホーム10に設けられたセンサがこれを検知し停車信号をオンにする。またこれと同時に停止位置検出部18は、列車の停止位置を検出する。またこれとほぼ同時にスイッチ部22は停止位置検出部18の検出結果に基づいて、停止位置に対応する光学センサ20をオンにする。これにより乗務員が最もアクセスし易い位置の光学センサ20がオンになる。状態表示部32が設けられている場合には、光学センサ20をオンにすると同時に、光学センサ20に対応する状態表示部32を用いて乗務員に光学センサ20の状態を知らせる。時刻t2において乗務員がオンになっている光学センサ20に対応する位置表示部30の上で例えば手を水平に動かして光学センサ20の光線を横切る動作を行うと、光学センサ20の検知信号がパルス状に立ち上がる。光学センサ20の検知信号が立ち上がると、開閉制御部24はホームドア装置12を開状態にする。乗客の乗降が終了した後、乗務員が再度光学センサ20に対応する位置表示部30の上で例えば手を水平に動かして光学センサ20の光線を横切る動作を行うと、時刻t3において検知信号がパルス状に立ち上がる。開閉制御部24は検知信号が立ち上がったことに応じて時刻t4においてホームドア装置12を閉状態にする。時刻t5において列車が発車し停車信号がオフになると、スイッチ部22は光学センサ20をオフにする。
【0026】
図5は、ホームドア装置の開閉制御装置による一連のプロセスを示すフロー図である。一連の処理が開始すると、ステップS1において開閉制御装置16は、列車がホーム10に停車したか否かを判断する。列車が停車したと判断された場合、ステップS2において開閉制御装置16は、列車の停止位置を検出する。ステップS2の処理は、停止位置検出部18を用いて行われる。次いで、ステップS3においてスイッチ部22は、停止位置に対応する光学センサ20をオンにする。次いでステップS4において光学センサ20が動作を検知したか否かを判断する。乗務員が位置表示部30上で所定動作を行って光学センサ20が動作を検知すると、ステップS5において開閉制御部24はホームドア装置12を開く。ホームドア装置12の開状態は、ステップS6において再び光学センサ20が動作を検知するまで維持される。ステップS6において光学センサ20が動作を検知すると、ステップS7において開閉制御部24はホームドア装置12を閉じる。次いでステップS8において開閉制御装置16は列車が発車したか否かを判断する。列車が発車した後、ステップS9においてスイッチ部22は光学センサ20をオフにし、一連の処理を終了する。
【0027】
以上のように実施形態による開閉制御装置16及び開閉制御方法によれば、ホーム10上に操作盤等の物理的な操作手段を設けることなくホームドア装置12を開閉できる。また光学センサ20を用いることにより、ホームドア装置12よりも軌道側の空間が狭くなり、又はホーム側の空間が狭くなるのを防止できる。また1つの光学センサ20の制御により、ホームドア装置の全てのドアを同時に開閉できる。さらに複数の光学センサ20をホーム10に沿って配置することで、乗務員がホームドア装置12の開閉制御を行うために移動する距離を短くできる。
【0028】
上述の実施形態は例示に過ぎず、実施形態の各構成は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0029】
例えば、光学センサ20の光軸を可動にしてもよい。この場合、例えばアーム28により光学センサ20自体を水平面内で可動にし、又は光学センサ20内で光学系を移動させることで検出エリアを可動にできる。光学センサ20の光軸の位置は、列車の実際の停止位置に対応して調整される。例えば、列車が本来停止すべき位置よりも前方に停止した場合、光軸の位置を乗務員の乗車位置に近づける。これにより、乗務員の移動距離を減らせる。
【0030】
上述の実施形態を一般化すると以下の態様が導き出せる。
【0031】
〔態様1〕
ホームに対する列車の停止位置を検出する停止位置検出部と、
前記ホーム上の所定エリア内の動作を検知する複数の光学センサと、
前記停止位置検出部の検出結果に基づいて前記複数の光学センサのオン/オフを切り替える光学センサスイッチ部と、
オン状態の光学センサによって所定エリア内の動作が検知されたときにホームドア装置の開閉を制御する開閉制御部と、を備えるホームドア装置の開閉制御装置。
【0032】
この構成によれば、ホームの幅を狭めることなく開閉制御装置を設置できる。
【0033】
〔態様2〕
前記開閉制御部は、前記光学センサがオンにされた後、前記所定エリア内で動作を検知したときに前記ホームドア装置を開き、次いで前記所定エリア内で動作を検知したときに前記ホームドア装置を閉じる。
【0034】
この構成によれば1回目の動作でホームドア装置を開き、2回目の動作でホームドア装置を閉じられる。
【0035】
〔態様3〕
前記光学センサスイッチ部は、列車が停止した後、前記光学センサをオンにする。
【0036】
この構成によれば列車の停止前や列車がホームに接近していないときに光学センサの誤作動を抑制できる。
【0037】
〔態様4〕
前記光学センサスイッチ部は、列車が始動した後、前記光学センサをオフにする。
【0038】
この構成によれば列車がホームから離れるときに光学センサの誤作動を抑制できる。
【0039】
〔態様5〕
前記ホームドア装置はフルスクリーン型のホームドア装置であり、前記複数の光学センサはホームドア装置の開口を形成するヘッダーボックスに配列される。
【0040】
この構成によればフルスクリーン型のホームドア装置と一体で光学センサを設置できる。
【0041】
〔態様6〕
前記光学センサの位置を示す位置表示部を備える。
【0042】
この構成により乗務員が光学センサの位置を視認できる。
【0043】
〔態様7〕
ホームに対する列車の停止位置を検出し、
停止位置の検出結果に基づいて、前記ホーム上の所定エリア内の動作を検知する複数の光学センサのオン/オフを切り替え、
オン状態の光学センサによって所定エリア内の動作が検知されたときにホームドア装置の開閉を制御する、ホームドア装置の制御方法。
【0044】
この構成によれば、ホームの幅を狭めることなくホームドア装置の開閉制御を行える。
【符号の説明】
【0045】
10 ホーム、 12 ホームドア装置、 16 開閉制御装置、 18 停止位置検出部、 20 光学センサ、 22 スイッチ部、 24 開閉制御部、 30 位置表示部。
図1
図2
図3
図4
図5