(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】数値制御装置
(51)【国際特許分類】
G05B 19/409 20060101AFI20231226BHJP
【FI】
G05B19/409 C
(21)【出願番号】P 2019204016
(22)【出願日】2019-11-11
【審査請求日】2022-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】志村 和也
【審査官】増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-302107(JP,A)
【文献】特開2015-207147(JP,A)
【文献】特開平11-338857(JP,A)
【文献】特開平10-320027(JP,A)
【文献】特開昭62-252904(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/409
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械の数値制御装置であって、
制御部と記憶部とを備え、
前記記憶部は、
機能略称を構成する文字としてキー入力された文字を格納するキーインバッファ記憶部と、
機能略称、及び該機能略称とプログラム用コードとの対応関係を記憶する機能略称記憶部とを備え、
前記制御部は、
前記キー入力された文字を前記キーインバッファ記憶部に格納する入力処理部と、
前記キーインバッファ記憶部に格納された文字と、前記機能略称記憶部に記憶される機能略称とで一致する文字数から、機能略称候補を探索する機能略称候補表示部と、
前記キー入力された文字が、前記機能略称候補の一部であると共に、前記機能略称候補が1つである場合に、前記機能略称候補のうち未だキー入力されていない文字を補完し、前記キーインバッファ記憶部に戻す機能略称文字列補完部と、
前記キーインバッファ記憶部に格納された機能略称ワードを示す文字列、又は前記補完がされた上で、前記キーインバッファ記憶部に戻された前記機能略称候補を示す文字列を、前記対応関係に基づいて、プログラム用コードに変換する機能略称コード変換部と、を備える、数値制御装置。
【請求項2】
前記機能略称記憶部は、他社の機能
略称と機能略称との対応関係を記憶する、請求項1に記載の数値制御装置。
【請求項3】
工作機械の数値制御装置であって、
制御部と記憶部とを備え、
前記記憶部は、
プログラム用コードで記載されたプログラムを記憶するプログラム記憶部と、
機能略称、及び該機能略称とプログラム用コードとの対応関係を記憶する機能略称記憶部とを備え、
前記制御部は、
前記
プログラム用コードで記載されたプログラムを、前記プログラム用コードと前記機能略称のいずれを用いて表示するかを選択し、前記機能略称を用いて表示する場合には、前記対応関係に基づいて、前記プログラム中の前記プログラム用コードを前記機能略称に変換するコード機能略称変換部と、
前記プログラム中、前記プログラム用コード以外の箇所はそのまま表示装置に表示するワードとして選択し、前記プログラム用コードを変換しない場合には、前記プログラム用コードを
前記表示装置に表示するワードとして選択し、前記コード機能略称変換部により前記プログラム用コードを前記機能略称に変換する場合には、変換後の機能略称を、前記表示装置に表示するワードとして選択する表示前処理表示部と、
前記表示前処理表示部によって選択されたワードを前記表示装置に表示するプログラム表示部と、を備える数値制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、数値制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
数値制御装置で用いられるGコードは、アドレス+数値という同じ形式で表現されるため、数値制御装置のエンドユーザにとって覚えづらく、暗記することが負担であった。また、所望のGコードが分からない場合には、プログラム作成時間が増大するため、直感的な指令方法に対するニーズが高まっている。
【0003】
この点、工作機械のプログラム編集に係る技術であって、作業者の手間を軽減することを目的としており、指令コードの最初の文字を入力すると、その文字に一致する指令コードの候補一覧と説明を表示し、そこから選択することで、指令コードをプログラムに挿入する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
また、異なる種類のデバイスの出力情報に互換性を持たせると共に、異なる種類のソフトウェア設計ツールの入出力情報に互換性を持たせることにより、効率的な開発を可能にする技術が知られている(例えば特許文献2参照)。
【0005】
更に、各メーカで指令コードの仕様が異なる場合でも、変換テーブルを用い、自己の指令コードに変換することで単一の加工プログラムから仕様の異なる複数のCNCをそれぞれ制御する各加工プログラムを生成することを可能とする技術が知られている(例えば特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2015-207147号公報
【文献】特開2015-179481号公報
【文献】特開平10-320027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
数値制御装置の分野においては、従来の指令方法では機能略称を手掛かりなしで入力することが必要であると共に、Gコードと比べ機能略称のほうが長い場合に、入力するのが手間という課題があった。
このため、Gコード等からなる加工プログラムを編集する際に、Gコードに対応する機能略称を効率よく容易に入力することが可能な指令方法を実行する数値制御装置が望まれている。
【0008】
本発明は、機能略称を効率よく容易に入力することが可能な数値制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様は、工作機械の数値制御装置であって、制御部と記憶部とを備え、前記記憶部は、キー入力された文字を格納するキーインバッファ記憶部と、機能略称、及び該機能略称とプログラム用コードとの対応関係を記憶する機能略称記憶部とを備え、前記制御部は、キー入力された文字を前記キーインバッファ記憶部に格納する入力処理部と、前記キーインバッファ記憶部に格納された文字と、前記機能略称記憶部に記憶される機能略称とで一致する文字数から、機能略称候補を探索する機能略称候補表示部と、前記キー入力された文字が、前記機能略称候補の一部であると共に、前記機能略称候補が1つである場合に、前記機能略称候補のうち未だキー入力されていない文字を補完し、前記キーインバッファ記憶部に戻す機能略称文字列補完部と、前記補完がされた上で、前記キーインバッファ記憶部に戻された前記機能略称候補を示す文字列を、前記対応関係に基づいて、プログラム用コードに変換する機能略称コード変換部とを備える、数値制御装置である。
【発明の効果】
【0010】
一態様によれば、機能略称を効率よく容易に入力することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態の数値制御システムの全体構成図である。
【
図2】一実施形態の数値制御装置の機能ブロック図である。
【
図3】一実施形態の数値制御装置に備わる機能略称記憶部が記憶する、プログラム用コードと機能略称との対応関係の例を示す表である。
【
図4A】一実施形態の数値制御装置の表示部に表示されるキーインバッファと予測部の表示例である。
【
図4B】一実施形態の数値制御装置の表示部に表示されるキーインバッファの文字列の補完例である。
【
図4C】一実施形態の数値制御装置の機能略称がプログラム記憶部に登録される際の変換例である。
【
図4D】一実施形態の数値制御装置の表示部に表示されるプログラムの表示例である。
【
図5】一実施形態の数値制御装置の動作を示すフローチャートである。
【
図6】一実施形態の数値制御装置の動作を示すフローチャートである。
【
図7】一実施形態の数値制御装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、
図1~
図7を参照することにより説明する。
【0013】
〔1 実施形態の構成〕
図1は、本実施形態に係る数値制御システム1の全体構成図である。数値制御システム1は、数値制御装置10と工作機械20とを備える。数値制御装置10と、工作機械20とは、1対1の組とされて、通信可能に接続されている。なお、数値制御装置10と、工作機械20とは、接続インタフェースを介して直接接続されても、また、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続されてもよい。
【0014】
数値制御装置10は、工作機械20を制御することにより、工作機械20に所定の動作を行わせるための装置である。例えば、数値制御装置10は、加工プログラムに従って、工作機械20の主軸及び駆動軸を制御する。
【0015】
工作機械20は、数値制御装置10が出力する動作指令に基づいて、部品等のワークに対して切削加工等の所定の加工を行う工作機械である。
【0016】
図2は、数値制御装置10の機能ブロック図である。数値制御装置10は、記憶部100、制御部150、及び表示部170とを備える。
【0017】
記憶部100は、キーインバッファ記憶部101、機能略称記憶部102、及びプログラム記憶部103を備える。
【0018】
キーインバッファ記憶部101は、後述の表示部170に表示されるキーインバッファに入力された文字を記憶する。
【0019】
機能略称記憶部102は、機能略称、及び機能略称とプログラム用コードとの対応関係を記憶する。
図3は、機能略称記憶部102が記憶するプログラム用コードと機能略称の対応関係の一例である。
図3に示されるように、プログラム用コードと機能略称とが互いに対応付けられるが、この対応関係は1対1対応に限られない。例えば、機能略称としてキーインバッファに“POS”と入力した場合も、“RAPID”と入力した場合も、各々がGコード“G00”に変換される。
【0020】
なお、
図3の例においては、プログラム用コードとしてGコードが示されているが、これには限定されず、例えばMコード等の他のコードであってもよい。また、
図3の表中に、各Gコード及び各機能略称に対応する機能及び英語表記された機能が記載されているが、これらの項目は必須ではない。
【0021】
また、機能略称記憶部102は、
図3に示されるようなGコードと機能略称との対応関係に加えて、他社指令と機能略称との対応関係も記憶してもよい。
【0022】
プログラム記憶部103は、後述の機能略称コード変換部154により、機能略称がコードに変換された後のプログラムを記憶する。
【0023】
制御部150は、CPU、ROM、RAM、CMOSメモリ等を有し、これらはバスを介して相互に通信可能に構成される、当業者にとって公知のものである。
【0024】
CPUは数値制御装置10を全体的に制御するプロセッサである。該CPUは、ROMに格納されたシステムプログラム及びアプリケーションプログラムを、バスを介して読み出し、該システムプログラム及びアプリケーションプログラムに従って数値制御装置10全体を制御することで、
図2に示すように制御部150を、入力処理部151、機能略称候補表示部152、機能略称文字列補完部153、機能略称コード変換部154、コード機能略称変換部155、プログラム登録部156、表示前処理表示部157、及びプログラム表示部158の機能を実現するように構成される。
【0025】
入力処理部151は、後述の表示部170に表示されるキーインバッファにキー入力された文字を、キーインバッファ記憶部101に格納する。
【0026】
機能略称候補表示部152は、キーインバッファ記憶部101に格納された文字と、機能略称記憶部102に記憶される機能略称とで一致する文字数に基づいて、機能略称記憶部102に記憶されるデータから機能略称候補を探索し、後述の表示部170に表示する。
【0027】
図4Aは、機能略称候補表示部152による表示例を示す。
図4Aに示されるように、キーインバッファに“¥C”と入力されると、“C”に一致する文字数に基づいて、機能略称記憶部102に記憶される機能略称候補が探索され、表示部170中において、キーインバッファ近傍に位置する予測部に表示される。
図4Aに示す例においては、“¥CUT¥”と、“¥CIRCLE¥”と、“¥CCIRCLE¥”の3つの機能略称候補が、予測部に表示される。
【0028】
機能略称文字列補完部153は、キーインバッファにキー入力された文字が、機能略称候補の一部であると共に、機能略称候補表示部152によって探索された機能略称候補が1つである場合に、機能略称候補のうち未だキー入力されていない文字列を補完し、キーインバッファ記憶部101に戻す。より詳細には、機能略称文字列補完部153に対して、機能略称候補表示部152から機能略称候補ワードが渡され、このワードに対して文字列の補完をするかどうかを判定する。機能略称候補が1つである場合に、数値制御装置10のエンドユーザによって補完キーが押下され、更に機能略称が未完である場合に、文字列が補完される。
【0029】
図4Bは、機能略称文字列補完部153による補完例を示す。
図4Bに示されるように、キーインバッファに“¥CI”と入力されると、“CI”に一致する文字数に基づいて、唯一の機能略称候補である“CIRCLE”が表示される。そうすると、機能略称のうち未だキー入力されていない文字は、“RCLE¥”であることから、補完キーが押下されることにより、キーインバッファ及びキーインバッファ記憶部101に“RCLE¥”が自動的に追加入力されることで、補完処理を行う。
【0030】
なお、以降では、機能略称候補表示部152と機能略称文字列補完部153とをまとめて、「機能略称候補探索部」とも呼称する。
【0031】
機能略称コード変換部154は、機能略称文字列補完部153によって文字列が補完された上で、キーインバッファ記憶部101に戻された機能略称候補を示す文字列を、機能略称記憶部102に記憶されるプログラム用コードと機能略称候補との対応関係を用いて、プログラム用コードに変換する。本実施形態においては、例として、INPUTキーが押下されると、機能略称コード変換部154は、キーインバッファ記憶部101に入力されている文字列が、機能略称ワードであるかどうかを判定し、機能略称ワードであれば、機能略称をプログラム用コードに変換する。
【0032】
図4Cは、機能略称コード変換部154による変換例を示す。キーインバッファの表示が“¥CIRCLE¥”となった状態で、INPUTキーを押下することにより、Gコードの“G02”に変換される。
【0033】
コード機能略称変換部155は、プログラムをプログラム用コードと機能略称のいずれを用いて表示するかを選択し、機能略称を用いて表示する場合には、機能略称記憶部102に記憶される、プログラム用コードと機能略称との対応関係を用いて、プログラム用コードを機能略称に変換する。
【0034】
プログラム登録部156は、機能略称コード変換部154によって機能略称がコードに変換されたプログラムを、プログラム記憶部103に登録する。
【0035】
表示前処理表示部157は、プログラム記憶部103に登録されたプログラムに含まれるワード、又は入力されるワードから、表示部170に表示するワードを選択する。
より詳細には、表示前処理表示部157は、プログラム中、プログラム用コード以外の箇所は、そのまま表示部170に表示するワードとして選択し、プログラム用コードが機能略称に変換されない場合には、プログラムコードを、コード機能略称変換部155によって、プログラム用コードが機能略称に変換された場合には、変換後の機能略称を、表示部170に表示するワードとして選択する。
【0036】
プログラム表示部158は、表示前処理表示部157によって選択されるワードに基づいて、プログラムを後述の表示部170に表示する。
【0037】
図4Dは、表示前処理表示部157及びプログラム表示部158による、プログラムの表示の切り替えの例を示す。表示部170において、プログラムは、「略称ON」キーを押下することにより、プログラム用コードが機能略称に変換された状態で表示され、「略称OFF」キーを押下することにより、機能略称がプログラム用コードに変換された状態で表示される。
【0038】
図4Dに示す例においては、「略称ON」キーを押下することにより、Gコードを用いて表示されていたプログラム中の、Gコードの箇所のみが、機能略称に変換された状態で表示され、それ以外の文字列の表示は変わることがない。また、「略称OFF」キーを押下することにより、機能略称を用いて表示されていたプログラム中の、機能略称の箇所のみが、Gコードに変換された状態で表示され、それ以外の文字列の表示は変わることがない。
【0039】
表示部170は、キーインバッファ、機能略称候補、プログラム等を表示する装置であり、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等により構成されたものであってもよい。その場合には、表示部170の表示位置に対して操作が可能な、例えば、キーボード、マウス、コントローラ、スイッチボタン等の各種ボタン等の入力装置を、表示部170とは別に備えてもよい。
【0040】
〔2 実施形態の動作〕
図5~
図7は、数値制御装置10の動作を示すフローチャートである。より詳細には、
図5は、機能略称を表示・補完する際のフローチャートである。
図6は、プログラムを登録する際のフローチャートである。
図7は、プログラムの表示を切り替える際のフローチャートである。
【0041】
図5を参照すると、機能略称を表示・補完する際、ステップS1において、数値制御装置10のエンドユーザが、キーインバッファに文字列をキー入力する。
【0042】
ステップS2において、キーインバッファにキー入力された文字列に、“¥”の記号が付いている場合(S2:YES)には、処理はステップS3に移行する。“¥”の記号が付いていない場合(S2:NO)には、処理はステップS8に移行する。
【0043】
ステップS3において、機能略称候補探索部が、機能略称と、キーインバッファにキー入力された対象ワードの文字一致数から、機能略称候補を探索する。
【0044】
ステップS4において、機能略称候補表示部152が、予測部に機能略称候補を表示する。
【0045】
ステップS5において、予測部に表示された機能略称候補が1つの場合(S5:YES)には、処理はステップS6に移行する。それ以外の場合(S5:NO)には、処理はステップS8に移行する。
【0046】
ステップS6において、数値制御装置10のエンドユーザが補完キーを押下した場合(S6:YES)には、処理はステップS7に移行する。エンドユーザが補完キーを押下していない場合(S6:NO)には、処理はステップS8に移行する。
【0047】
ステップS7において、機能略称文字列補完部153は、キーインバッファに機能略称の全文字を補完する。
【0048】
ステップS8において、入力処理部151は、入力処理として、キーインバッファに表示された文字を、キーインバッファ記憶部101に格納する。
【0049】
図6を参照すると、プログラムを登録する際、ステップS11において、数値制御装置10のエンドユーザが、INPUTキーを押下した場合(S11:YES)には、処理はステップS12に移行する。数値制御装置10のエンドユーザが、INPUTキーを押下していない場合(S11:NO)には、処理はステップS14に移行する。
【0050】
ステップS12において、制御部150は、キーインバッファの文字列を取得する。
【0051】
ステップS13において、機能略称コード変換部154は、機能略称又は他社指令を、プログラム用コードに変換する。
【0052】
ステップS14において、プログラム登録部156が、機能略称又は他社指令がプログラム用コードに変換された後のプログラムを、プログラム記憶部103に登録する。
【0053】
図7を参照すると、プログラムの表示を切り替える際、ステップS21において、コード機能略称変換部155が、プログラム記憶部103からプログラム用コードを取得する。
【0054】
ステップS22において、機能略称又は他社指令を表示する場合(S22:YES)には、処理はステップS23に移行する。それ以外の場合(S22:NO)には、処理はステップS24に移行する。
【0055】
ステップS23において、コード機能略称変換部155は、プログラム用コードを機能略称又は他社指令に変換する。
【0056】
ステップS24において、プログラム表示部158は、プログラム用コードが機能略称又は他社指令に変換された後のプログラムを、表示部170に表示する。
【0057】
〔3 実施形態が奏する効果〕
本実施形態の数値制御装置10によれば、機能略称の予測候補を確認することで、所望する機能か確認した上で、プログラム編集が可能となる。
【0058】
また、本実施形態の数値制御装置10によれば、長い機能略称の場合でも、手間なく入力することが可能となる。
【0059】
また、本実施形態の数値制御装置10によれば、GコードやMコード等のプログラム用コードを機能略称で表示することで、機能を直感的に把握することが可能となる。
【0060】
また、本実施形態の数値制御装置10によれば、機能略称からGコードやMコード等のプログラム用コードに逆変換することも可能であるため、GコードやMコードの表記に慣れたエンドユーザの支障にはならない。
【0061】
また、本実施形態の数値制御装置10によれば、他社の機能略称もGコードやMコード等のプログラム用コードに変換して、プログラムを登録することが可能となる。
【0062】
これらの作用効果により、数値制御装置10のエンドユーザにとって、加工プログラムの作成が容易になる。
【0063】
上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記実施形態に本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0064】
上記の実施形態においては、機能略称文字列補完部153が、機能略称候補のうち未だキー入力されていない文字をキーインバッファ記憶部101に補完し、当該補完後に、機能略称コード変換部154が、機能略称を示す文字列を、機能略称記憶部102に記憶されるプログラム用コードと機能略称候補との対応関係を用いて、プログラム用コードに変換していたが、これには限定されない。
【0065】
例えば、機能略称コード変換部154は、キーインバッファ記憶部101に格納される文字の文字数の増加に伴い、機能略称候補が1つに絞られた場合に、機能略称候補のうち未だキー入力されていない文字列を自動的に補完し、当該機能略称候補を示す文字列をプログラム用コードに変換してもよい。
【符号の説明】
【0066】
1 数値制御システム
10 数値制御装置
20 工作機械
100 記憶部
101 キーインバッファ記憶部
102 機能略称記憶部
103 プログラム記憶部
150 制御部
151 入力処理部
152 機能略称候補表示部
153 機能略称文字列補完部
154 機能略称コード変換部
155 コード機能略称変換部
156 プログラム登録部
157 表示前処理表示部
158 プログラム表示部
170 表示部