(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】データ中継装置および表示装置
(51)【国際特許分類】
G05B 19/05 20060101AFI20231226BHJP
【FI】
G05B19/05 S
(21)【出願番号】P 2020008986
(22)【出願日】2020-01-23
【審査請求日】2022-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000129253
【氏名又は名称】株式会社キーエンス
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100131886
【氏名又は名称】坂本 隆志
(72)【発明者】
【氏名】小山 貴正
(72)【発明者】
【氏名】橋本 洋平
【審査官】藤崎 詔夫
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-336208(JP,A)
【文献】特開2014-002430(JP,A)
【文献】特開2015-032152(JP,A)
【文献】特開2016-126487(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0308050(US,A1)
【文献】特開2017-187890(JP,A)
【文献】国際公開第2007/080665(WO,A1)
【文献】特開2005-339051(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ以上のセンサが接続される第一接続部と、
制御装置と通信するための産業用ネットワークが接続される第二接続部と、
前記第一接続部に接続された前記一つ以上のセンサから受信される受信情報
に含まれる前記一つ以上のセンサにより取得された一つ以上の測定結果を、前記第二接続部を介して前記制御装置に中継するために、一時的に格納する中継メモリと、
外部コンピュータと通信するためのコンピュータネットワークが接続される第三接続部と、
センサの識別情報と、表示形態との関連付けを記憶する表示形態テーブルを記憶する記憶装置と、
前記第一接続部に接続された前記一つ以上のセンサから受信される前記センサの識別情報に基づいて前記表示形態テーブルを参照することにより、前記センサの識別情報に対応して特定される表示形態で、前記中継メモリに格納されている前記受信情報
に含まれる前記センサの識別情報に対応するセンサにより取得された測定結果を表示するための表示画面情報を作成する作成手段と、
前記第三接続部を介して前記表示画面情報を前記外部コンピュータに提供する提供手段と
を有することを特徴とするデータ中継装置。
【請求項2】
前記表示形態テーブルは、前
記センサの識別情報と、前記表示形態と、出力形式とを関連付けて記憶しており、
前記作成手段は、
前記第一接続部に接続された前記一つ以上のセンサから受信
される出力形式および前
記センサの識別情報に対応
して特定される表示形態
で、前記センサの識別情報に対応するセンサにより取得された測定結果を表示するための表示画面情報を作成する
ことを特徴とする請求項
1に記載のデータ中継装置。
【請求項3】
前記作成手段は、前
記センサの識別情報に基づき前記受信情報のデータフォーマットを特定し、当該特定された前記データフォーマットにしたがって前記受信情報から前記一つ以上の測定結果を抽出して前記表示画面情報を作成することを特徴とする請求項
1または
2に記載のデータ中継装置。
【請求項4】
前記データフォーマットは、前記受信情報において前記一つ以上の測定結果のそれぞれが格納されているビット位置を示すビットアドレスを含み、
前記表示形態テーブルは、前
記センサの識別情報と、前記ビットアドレスとの関連付けを記憶しており、
前記作成手段は、前
記センサの識別情報に基づき前記表示形態テーブルを参照することで、前
記センサの識別情報に対応する前記ビットアドレスを特定し、当該特定されたビットアドレスに基づき前記受信情報から前記一つ以上の測定結果を抽出することを特徴とする請求項
3に記載のデータ中継装置。
【請求項5】
前記記憶装置は、前記センサの識別情報と、エラー識別情報と、エラーの名称と、エラーの解説情報とを関連付けて記憶したエラーテーブルを記憶し、
前記作成手段は、前記一つ以上のセンサから受信された前記センサの識別情報および前記エラー識別情報に関連付けられている前記エラーの名称および前記エラーの解説情報を、前記エラーテーブルを参照することで特定し、前記エラーの名称および前記エラーの解説情報を含む表示画面情報を作成し、
前記提供手段は、前記エラーの名称および前記エラーの解説情報を含む表示画面情報を前記第三接続部を介して前記外部コンピュータに提供する
ことを特徴とする請求項
1に記載のデータ中継装置。
【請求項6】
前記一つ以上のセンサにより取得された一つ以上の測定結果を格納することになる所定のデバイスメモリと、前記中継メモリにおいて当該一つ以上の測定結果を格納することになる記憶領域のアドレスとがあらかじめ関連付けられていることを特徴とする請求項1ないし
5のいずれか一項に記載のデータ中継装置。
【請求項7】
前記作成手段は、ユーザ操作に応じて選択された表示形態に基づき前記表示画面情報を変更し、
前記提供手段は、前記変更された前記表示画面情報を提供するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし
6のいずれか一項に記載のデータ中継装置。
【請求項8】
センサを識別するためのセンサ識別情報と、前記センサのセンサ識別情報、当該センサから受信される受信情報の出力形式に対応したビットアドレスの割り当て、および、前記センサから受信される受信情報の出力形式に対応したフォーマット情報と、前記受信情報に含まれる測定結果の表示形態との関連付けを記憶した表示形態テーブル
を記憶するための記憶装置と、前記センサ識別情報および前記受信情報の出力形式に基づき、前記表示形態テーブルを参照することで、前記センサ識別情報に対応した表示形態の特定、および、前記受信情報に含まれる測定結果に対応するビットアドレスの特定を行い、当該特定の結果に基づいて算出した前記測定結果の表示画面を作成する作成手段と、前記作成手段により作成された表示画面を表示する表示部と、を有する表示装置に対して接続されるデータ中継装置であって、
前記表示装置が接続される表示装置接続部と、
一つ以上のセンサが接続されるセンサ接続部と、
制御装置と通信するための産業用ネットワークが接続される制御装置接続部と、
前記センサ接続部を介して、前記一つ以上のセンサのセンサ識別情報を取得する第一取得手段と、
前記第一取得手段により取得した前記センサ識別情報を記憶する記憶手段と、
前記センサ接続部を介して、前記一つ以上のセンサから予め定められた第一の周期ごとに受信される当該センサの測定結果を含む受信情報を取得する第二取得手段と、
前記第二取得手段により取得された前記受信情報を、前記制御装置接続部を介して前記制御装置に中継するために、一時的に格納する中継メモリと、
前記中継メモリに格納された前記受信情報を、予め定められた第二の周期ごとに、前記制御装置接続部を介して前記制御装置に送信する第一の送信手段と、
前記表示装置により送信された前記センサ識別情報の送信命令を受信すると、前記記憶手段に記憶された前記センサ識別情報を、前記表示装置接続部を介して、前記表示装置に送信する第二の送信手段と、を有することを特徴とするデータ中継装置。
【請求項9】
前記第二の送信手段は、さらに、前記表示装置において生成される前記受信情報の送信命令に従って、前記受信情報を前記表示装置に送信することを特徴とする請求項
8に記載のデータ中継装置。
【請求項10】
前記データ中継装置は、前記予め定められた第一の周期ごとに、前記一つ以上のセンサに対して、データ送信命令を送信することを特徴とする請求項
8または
9に記載のデータ中継装置。
【請求項11】
前記予め定められた第一の周期は、前記予め定められた第二の周期よりも短いことを特徴とする請求項
8ないし
10のいずれか一項に記載のデータ中継装置。
【請求項12】
前記第一の送信手段は、前記制御装置の制御周期である前記第二の周期で、前記受信情報を前記制御装置へ送信し、
前記第二の送信手段は、第三の周期で、前記一つ以上のセンサからの受信情報を前記表示装置に送信するように構成されていることを特徴とする請求項
8ないし
11のいずれか一項に記載のデータ中継装置。
【請求項13】
一つ以上のセンサが接続されるセンサ接続部と、制御装置と通信するための産業用ネットワークが接続される制御装置接続部と、前記センサ接続部に接続された前記一つ以上のセンサから受信される測定結果を含む受信情報を、前記制御装置接続部を介して前記制御装置に中継するために、一時的に格納する中継メモリと、コンピュータネットワークが接続される表示装置接続部と、を有するデータ中継装置に対し、前記表示装置接続部を介して接続される表示装置であって、
前記センサ接続部を介して前記データ中継装置に接続された前記一つ以上のセンサの有するセンサ識別情報を、前記表示装置接続部を介して前記データ中継装置から受信する第一受信手段と、
前記センサ接続部を介して前記データ中継装置により受信される前記測定結果を含む受信情報を、前記表示装置接続部を介して前記データ中継装置から受信する第二受信手段と、
前記第一受信手段により受信されたセンサ識別情報、前記一つ以上のセンサから受信される前記受信情報の出力形式に対応したビットアドレスの割り当て、および、前記一つ以上のセンサから受信される受信情報の出力形式に対応したフォーマット情報と、前記受信情報に含まれる測定結果の表示形態との関連付けを記憶した表示形態テーブル
を記憶するための記憶装置と、
前記第一受信手段により受信された前記センサ識別情報に基づき、前記表示形態テーブルを参照することで、前記センサ識別情報に対応した表示形態の特定、および、前記受信情報に含まれる測定結果に対応するビットアドレスの特定を行い、当該特定の結果に基づいて算出した前記測定結果の表示画面を作成する作成手段と、
前記作成手段により作成された表示画面を表示する表示部と、を有することを特徴とする表示装置。
【請求項14】
前記作成手段は、前記センサ識別情報に基づき前記受信情報のデータフォーマットを特定し、当該特定された前記データフォーマットにしたがって前記受信情報から前記測定結果を算出して前記表示画面を作成することを特徴とする請求項
13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記表示装置は、さらに、前記表示形態テーブルを参照することによって特定された前記表示形態を変更する表示形態変更手段を有することを特徴とする請求項
13または
14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記第一受信手段は、前記データ中継装置で取得され、当該データ中継装置に記憶されている前記センサ識別情報を受信することを特徴とする請求項
13ないし
15のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項17】
前記一つ以上のセンサにより生成されるエラー識別情報を受信する第三受信手段
をさらに有し、
前記記憶装置は、前記第一受信手段により受信された前記センサ識別情報と、前記第三受信手段により受信したエラー識別情報と、エラーの名称と、前記エラーの解説情報を関連付けて記憶したエラーテーブル
を記憶することを特徴とする請求項
13ないし
16のいずれか一項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータ中継装置および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プログラマブルロジックコントローラ(PLC)は製品を生産する製品工場においては多数の産業機械を制御する。ここで、PLCから離れた位置に配置されるセンサやアクチュエータを、PLCが接続されたネットワークに接続して、センサの測定結果をPLCに中継するデータ中継装置、たとえば、IO-Link(登録商標)マスタが採用される(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
センサからの測定結果はPLCのデバイス等に紐づけられている。したがって、PLC設定ツールやHMI(タッチパネルディスプレイなどのヒューマンインタフェース)が、PLCに接続して、これらのデバイス値を取得して表示すれば、ユーザは、測定結果を確認することができる。ところが、たとえば、産業機械を制御するPLCシステムの立ち上げ時や当該システムに異常発生したときなどでは、PLCやPLCが接続されるネットワークが使用できない場合が存在する。この場合、ユーザはセンサの測定結果を確認することができないだろう。
【0005】
そこで、PLCを介すことなくセンサからの測定結果をユーザがグラフィカルに確認できれば、ユーザにとって便利であろう。
【0006】
先述のデータ中継装置は、二つの通信プロトコルを実装している。一つ目の通信プロトコルは、データ中継装置がセンサと通信して、センサから測定結果などの情報を取得する際に使用される。二つ目の通信プロトコルは、データ中継装置がPLCと通信するために使用される通信プロトコルである。つまり、データ中継装置は第一の通信プロトコルを使用してセンサから測定結果を取得し、第二の通信プロトコルを使用して測定結果をPLCに送信する。センサからの測定結果は、様々なデータフォーマットのデータ列として取得される。つまり、測定結果のデータフォーマットはセンサごとに異なることが一般的である。PLCは、ユーザプログラムにおいてデータ列のデータフォーマットを考慮して通信データを解釈することで、センサの測定結果を制御に利用できる。なお、先述のデータ中継装置はデータフォーマットを知らなくても、データ列をPLCに中継することができるため、先述のデータ中継装置はデータフォーマットを考慮したデータ列の解釈を実行しない。しかし、PLCを介すことなくセンサの測定結果を確認するためにはデータフォーマットを考慮したデータ列の解釈が必要となる。したがって、データ中継装置(リモートIO装置など)がセンサごとのデータフォーマットを正しく解釈して、測定結果を抽出し、外部コンピュータ(PLC設定ツールやHMI)に測定結果を送信することが必要となる。また、測定結果の種類に応じて適切な表示形態(例:棒グラフや折れ線グラフなど)は異なる。したがって、センサや測定結果の種類に応じて適切な表示形態は異なる。
【0007】
そこで、本発明は、PLCを介さずに、または、PLCが接続されるネットワークが使用できない場合であってもセンサの測定結果を外部コンピュータで閲覧する際のユーザビリティを改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、たとえば、
一つ以上のセンサが接続される第一接続部と、
制御装置と通信するための産業用ネットワークが接続される第二接続部と、
前記第一接続部に接続された前記一つ以上のセンサから受信される受信情報に含まれる前記一つ以上のセンサにより取得された一つ以上の測定結果を、前記第二接続部を介して前記制御装置に中継するために、一時的に格納する中継メモリと、
外部コンピュータと通信するためのコンピュータネットワークが接続される第三接続部と、
センサの識別情報と、表示形態との関連付けを記憶する表示形態テーブルを記憶する記憶装置と、
前記第一接続部に接続された前記一つ以上のセンサから受信される前記センサの識別情報に基づいて前記表示形態テーブルを参照することにより、前記センサの識別情報に対応して特定される表示形態で、前記中継メモリに格納されている前記受信情報に含まれる前記センサの識別情報に対応するセンサにより取得された測定結果を表示するための表示画面情報を作成する作成手段と、
前記第三接続部を介して前記表示画面情報を前記外部コンピュータに提供する提供手段と
を有することを特徴とするデータ中継装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、センサの測定結果を外部コンピュータで閲覧する際のユーザビリティが改善する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図8】表示画面情報の提供方法を示すフローチャート
【
図9】表示画面の表示と設定とを示すフローチャート
【
図11】リモートIO装置で実行される処理を示すフローチャート
【
図12】アプリケーションプログラムに従った処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して実施形態が詳しく説明される。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一または同様の構成には同一の参照番号が付され、重複した説明は省略される。
【0012】
(PLCシステム)
図1はPLCシステム100を示している。PLC5は、PLC5に接続された入力機器(例:センサ)から入力されたデータに基づき、PLC5に接続された出力機器(例:アクチュエータなど)を制御する制御装置である。PLC5は、入力機器および出力機器をPLC5に直接的に接続するためのI/O端子を有している。その一方で、入力機器および出力機器は、リモートIO装置1を介して、PLC5に間接的に接続されてもよい。リモートIO装置1は、第一コネクタ2、第二コネクタ3および第三コネクタ4を有している。第一コネクタ2は、センサ10を接続するための複数のIO端子を有する。第一コネクタ2は、たとえば、センサ10に対応して複数の端子を有する複数の丸形コネクタを有してもよい。各丸形コネクタは、3~5本の端子を有し、たとえば、センサ10にDC(直流)電源を供給するための2本の電源端子と、通信のための端子を有する。第二コネクタ3は、産業用ネットワーク11に接続されている。リモートIO装置1は、センサ10から取得した測定結果などを、産業用ネットワーク11を介してPLC5に中継する。なお、リモートIO装置1は、センサ10からサイクリックに測定結果を取得して、PLC5に転送する。第三コネクタ4は、コンピュータネットワーク12に接続されている。リモートIO装置1は、センサ10からPLC5に転送される測定結果などの受信情報を抽出して表示画面情報を作成し、コンピュータネットワーク12を介してPC15に転送する。PC15は、表示画面情報を受信すると、表示画面情報に基づく表示画面を作成し、表示部6に表示画面を表示する。PC15はキーボードやポインティングデバイスなどの操作部7を有している。
【0013】
リモートIO装置1は、第一コネクタ2に接続されているセンサ10から識別情報を受信することで、センサ10を認識する。リモートIO装置1は、識別情報に基づき、センサ10から送信される測定結果を含む受信情報のデータフォーマットを特定するとともに、測定結果を表示するのに適した表示形態を特定する。リモートIO装置1は、特定されたデータフォーマットにしたがって受信情報から測定結果を抽出する。リモートIO装置1は、特定された表示形態に則して測定結果を表示するための表示画面情報(例:htmlファイル、css(カスケーディングスタイルシート)データ、javascript(R)データ)を作成し、PC15に提供する。
【0014】
(リモートIO装置)
図2はPLCシステム100の内部構成を示している。リモートIO装置1は、CPU20a、記憶装置30a、中継メモリ22および通信回路21a、21b、21cを有している。リモートIO装置1は、いわゆるIO-Link(登録商標)マスタであってもよい。通信回路21aは、所定の通信プロトコル(例:IEC61131-9)にしたがってセンサ10と通信して識別情報や測定結果を受信し、中継メモリ22に格納する。なお、測定結果はサイクリック(周期的)に受信され、中継メモリ22を介して、PLC5へ転送される。通信回路21bは、産業用ネットワーク11を介してPLC5と通信する回路である。産業用ネットワーク11は、たとえば、イーサネット(登録商標)をベースとしたEtherNet/IP、PROFINETまたはEtherCATといったネットワークであってもよい。PLC5が入出力リフレッシュを実行すると、通信回路21bは中継メモリ22に保持されている測定結果をPLC5に転送(送信)する。
【0015】
リモートIO装置1がセンサ10から情報を取得する第一の周期(収集周期)と、リモートIO装置1がPLC5に対して情報を送信する第二の周期(制御周期[リフレッシュ周期])とは同一でも、異なっていてもよい。第一の周期が第二の周期よりも長い場合、PLC5が取得するデータ数が相対的に少なくなり、PLC5のデータ処理負荷が小さくなる。第一の周期が第二の周期よりも短い場合、PLC5はセンサ10の値を取りこぼしなく取得できるが、同一の値を複数回取得することになり、PLCの負荷が大きくなる。
【0016】
通信回路21cは、外部コンピュータであるPC15と通信するための通信回路である。コンピュータネットワーク12は有線LAN、無線LANおよびインターネットなどであってもよい。CPU20aは記憶装置30aに記憶されている制御プログラムにしたがって様々な機能を実現する。情報収集部23は、センサ10から受信され、中継メモリ22に格納された測定結果を繰り返し収集し、記憶装置30aに確保されたバッファ領域に測定結果を保存する。ID取得部24は、通信回路21aを介してセンサ10と通信することで、センサ10の識別情報(例:機器ID)などを取得する。作成部25は、テーブル群31に含まれる表示形態テーブル32を参照し、機器IDに対応するデータフォーマットや表示形態を特定する。作成部25は、特定されたデータフォーマットにしたがって受信情報から測定結果を抽出し、特定された表示形態で測定結果を表示するための表示画面情報を作成する。Webサーバ26は、表示画面情報をPC15に提供する。テーブル群31は、エラーテーブル33を有していてもよい。エラーテーブル33は、機器ID、エラーID、エラー名称、および対応ドキュメントの関連付けを保持している。CPU20aは、センサ10から受信された機器IDおよびエラーIDに対応するエラー名称および対応ドキュメントをエラーテーブル33に基づき取得して、PC15に提供してもよい。
【0017】
(センサ)
上述されたようにセンサ10は、第一コネクタ2(例:丸形コネクタ等のIO端子)に接続され、DC電源の供給を受けて動作する。センサ10は、さらに超音波素子や光電変換素子等のセンシング素子を有し、センシング素子を用いて測定対象の状態量または物理量を測定する。センサ10は、たとえば、超音波流量センサ、圧力センサ、レーザ距離センサ等を含む。
【0018】
超音波流量センサは、たとえば、流体が流れる配管の上流側と下流側に配置される一対の超音波素子を有し、送信側となる一方の超音波素子から配管内の流体に向けて超音波信号を送信する。超音波素子は送受信兼用とされてもよい。超音波流量センサは、上流側から下流側に向けて送受された超音波信号と、下流側から上流側に向けての送受された超音波信号との伝搬時間差を測定し、伝搬時間差に基づいて流量を算出する。また、超音波流量センサは、算出された流量とあらかじめ設定されたしきい値とを比較して、比較結果を示す判定出力(ON/OFF信号)を生成する。
【0019】
圧力センサは、たとえば、ダイヤフラムに配置されたひずみゲージを有し、ひずみゲージの抵抗値から圧力を算出するセンサである。また、圧力センサは、算出された圧力とあらかじめ設定されたしきい値とを比較して、比較結果を示す判定出力(ON/OFF信号)を生成する。
【0020】
レーザ距離センサは、たとえば、レーザ光を出力するレーザ光源と、レーザ光源から出力されたレーザ光をスポット光に変換するコリメータレンズと、測定対象物上で反射されたスポット光を受光する光電変換素子とを有する。レーザ距離センサは、レーザ光を投光してから受光するまでの時間を計測し、計測された時間に基づいて測定対象物までの距離を算出する。また、レーザ距離センサは、算出された距離とあらかじめ設定されたしきい値とを比較して、比較結果を示す判定出力(ON/OFF信号)を生成する。
【0021】
センサ10の通信回路21dは、所定の通信プロトコル(例:IEC61131-9)にしたがってリモートIO装置1に識別情報や測定結果を送信する。記憶装置30cはセンサ10の機器ID27とプロセスデータ28とを記憶している。プロセスデータ28は測定結果を含む通信データである。測定部29は、流量、圧力、距離、判定出力(ON/OFF信号)などのセンサ10の測定結果を取得して、測定結果を表すプロセスデータ28を作成して、記憶装置30cに格納する。通信回路21dは、一定の通信周期で、または送信要求を受信したことに応じて、プロセスデータ28を記憶装置30cから読み出してリモートIO装置1に送信する。
【0022】
(PLC)
PLC5の通信回路21eは産業用ネットワーク11を介してリモートIO装置1と通信する。通信回路21eは、リモートIO装置1を経由して受信したセンサ10の測定結果をデバイスメモリ52における所定の記憶領域(例:データメモリ、リレーデバイス、ワードデバイス)に格納する。通信回路21eは、所定の通信周期ごとにデータをリモートIO装置1から取得するサイクリック通信と、コマンドを送信することでレスポンスとしてデータを取得するメッセージ通信とのいずれかを実行してもよい。また、受信したデータを構成する複数のバイトのうちどのバイトをどのデバイス(デバイスメモリ52の記憶領域)に割り当てるかは事前に定義されている。通信回路21eは、この定義にしたがって、受信したデータに含まれる様々な情報を対応するデバイスに格納してゆく。実行エンジン51はユーザにより作成されたユーザプログラム(例:ラダープログラムなど)を実行する。I/O端子53は、センサやアクチュエータなどが接続される端子である。リモートIO装置1はI/O端子53を拡張した機能である。
【0023】
(PC(外部コンピュータ))
PC15は、デスクトップPC、ノートPC、タブレットPC、スマートフォンなどである。通信回路21fはコンピュータネットワーク12を介してリモートIO装置1と通信する回路である。通信回路21fは有線通信回路であってもよいし、無線通信回路であってもよい。CPU20bは、通信回路21fを介してリモートIO装置1から受信した表示画面情報に従って表示画面を表示部6に表示する。たとえば、CPU20bは、記憶装置30bに記憶されてプログラムを実行することでWebブラウザとして機能してもよい。WebブラウザはWebサーバ26にアクセスして表示画面情報を取得して、表示画面情報に基づく表示画面を表示部6に表示する。
【0024】
(プロセスデータ)
図3は、センサ10が距離センサである場合を例に、それぞれ出力形式が異なる四つのプロセスデータ28a~28dを示している。センサ10は、予め選択された出力形式にしたがったプロセスデータ28を所定の測定周期ごとに作成してリモートIO装置1に送信する。出力形式は、たとえば、各センサ10の設定時に選択される。説明の便宜上、プロセスデータ28a~28dはそれぞれ2バイトのデータである。Bit0からBit15はビットアドレスと呼ばれてもよい。
・出力形式"0"のプロセスデータ28aでは、Bit4からBit15にセンサ表示値が格納される。Bit0には判定出力(ON/OFF信号)が格納される。Bit1からBit3には他のデータが格納される。センサ表示値とは、センサ10の表示装置に表示されているデータである。
・出力形式"1"のプロセスデータ28bでは、Bit0からBit15にセンサ表示値が格納される。
・出力形式"2"のプロセスデータ28cでは、Bit4からBit15にセンサ10からワークまでの距離が格納される。Bit0からBit4には他のデータが格納される。
・出力形式"3"のプロセスデータ28dでは、Bit0からBit15にセンサ10からワークまでの距離が格納される。
このように出力形式ごとに各ビットの意味が異なるため、センサ10ごとに出力形式が特定されなければならない。また、センサ10ごとに、ユーザにより選択可能な出力形式の数が異なってもよい。
【0025】
センサ10が距離センサである場合、出力形式を選択することで、プロセスデータ28にセンサ受光量が格納されてもよい。検出の余裕度に関するON/OFF信号がプロセスデータ28に格納されてもよい。光量不足や光量過多を示す信号がプロセスデータ28に格納されてもよい。また、最大値、最小値、平均値等の統計量がプロセスデータ28に格納されてもよい。
【0026】
センサ10が圧力センサである場合、出力形式を選択することで、プロセスデータ28に温度が格納されてもよい。また、検出の余裕度に関するON/OFF信号がプロセスデータ28に格納されてもよい。最大値、最小値、平均値等の統計量がプロセスデータ28に格納されてもよい。
【0027】
センサ10が流量センサである場合、出力形式を選択することで、プロセスデータ28に積算流量が格納されてもよい。また、検出の余裕度に関するON/OFF信号がプロセスデータ28に格納されてもよい。信号不足や流れの方向を示す信号がプロセスデータ28に格納されてもよい。また、最大値、最小値、平均値等の統計量がプロセスデータ28に格納されてもよい。
【0028】
(表示形態テーブル)
図4は表示形態テーブル32を示している。表示形態テーブル32は、センサ10の機器IDと、プロセスデータ28の出力形式と、プロセスデータ28のデータフォーマット(ビットアドレス、データ型)と、グラフ種別(表示形態)との関連付けを記憶している。この例では、プロセスデータが2バイトであるため、16個のビット(Bit0~Bit15)が存在する。ビットアドレスはBit0~Bit15のいずれかを指示している。リモートIO装置1のCPU20aは、通信回路21aを介して各センサ10の機器IDと出力形式とを取得する。作成部25は、センサ10から取得した機器IDと出力形式との組に対応するデータフォーマットおよびグラフ種別を、表示形態テーブル32を参照することで特定する。たとえば、機器IDが"1"で出力形式が"0"であれば、CPU20aは、プロセスデータ28のうちBit0~Bit9に10ビットの整数が格納されており、これを折れ線グラフで表示すべきであると認識する。CPU20a(作成部25)は、Bit0~Bit9に格納されたデータをプロットした折れ線グラフの表示画面情報を作成する。さらに、CPU20aは、プロセスデータ28のうちBit10~Bit15に符号付5ビットの整数が格納されており、これを棒グラフで表示すべきであると認識する。CPU20a(作成部25)は、Bit10~Bit15に格納されたデータを棒グラフで表示するための表示画面情報を作成する。
図4においてランプA、ランプBは表示画面に配置されたランプインジケータ(表示オブジェクト)であり、Bitアドレスにより指定された1ビットに基づき点灯消灯する。
【0029】
(表示画面)
図5は表示画面60を示している。表示画面60はセンサ10の測定結果を表示する一つ以上のグラフを有している。折れ線グラフ61aはセンサ10aにより取得された測定結果(例:流量)のトレンドを示すグラフである。折れ線グラフ61bはセンサ10bにより取得された測定結果(例:流量)のトレンドを示すグラフである。メータグラフ62は、センサ10bにより取得された測定結果(例:圧力)を表示するグラフ(円グラフ)である。棒グラフ63aはセンサ10aにより取得された測定結果(例:流量)のトレンドを示すグラフである。棒グラフ63bはセンサ10c(例:距離センサ)により取得された距離を表示するバーグラフである。棒グラフ63cはセンサ10d(例:レベルセンサ)により取得された測定結果(例:内容物の量に相関した高さ)を表示するバーグラフである。
【0030】
ここで、作成部25は、センサ10から取得した機器IDと出力形式との組に対応するデータフォーマットおよびグラフ種別を、表示形態テーブル32を参照することで特定し、特定されたデータフォーマットおよびグラフ種別に従って表示画面60を作成す。作成部25によって作成された表示画面60は、ユーザによる設定を受け付けて、変更されてもよい。たとえば、表示画面60に表示されている設定ボタン64がクリックまたはタッチされたことを検知すると、作成部25は、グラフ種別の選択やセンサの種類の選択、プロセスデータの選択、パラメータの設定などを受け付ける設定画面を表示し、当該設定画面を通じて、これらのユーザ設定を受け付けてもよい。プロセスデータの選択とは、たとえば、センサ10の制御信号のON/OFFに係るビットを選択し、選択されたビットに対応するON/OFFを画面に表示するようなものであってもよい。パラメータの設定では、リモートIO装置1に接続されたセンサ10のしきい値や応答時間などのパラメータが設定可能であってもよい。ユーザによる変更が完了すると、ユーザはモニタボタン65(測定結果を示すグラフを表示する画面へ戻ることを指示するボタン)をクリックまたはタッチする。作成部25は、モニタボタン65の操作を検知すると、ユーザにより変更されたグラフ種別等に関する設定情報を反映した表示画面60を作成し、設定画面に代えて表示画面60を表示する。作成部25は、ユーザにより変更された設定データを記憶装置30aの不揮発性の記憶領域に保存してもよい。リモートIO機器1が再起動等された場合、作成部25は、ユーザにより変更された設定データに基づいて表示画面60を作成してもよい。
【0031】
(エラー情報の表示)
センサ10にエラーが発生すると、センサ10は、エラーが発生したことを示すエラー情報をリモートIO装置1に送信する。エラーの内容はセンサ10の種類ごとに異なる。たとえば、センサ10が距離センサである場合、検出体が検出可能範囲より近くにあることを示す情報や、検出体からの反射光を受光できていないことを示す情報、過電流が流れていることを示す情報などが、エラー情報としてリモートIO装置に送信可能であってもよい。センサ10が圧力センサである場合、過電流が流れていることを示す情報や表示可能範囲を上回っていることを示す情報、表示可能範囲を下回っていることを示す情報などが、エラー情報としてリモートIO装置に送信可能であってもよい。センサ10が流量計である場合、センサ本体で設定変更があったことを示す情報や、設定した流れ方向とは逆向きに流れていることを示す情報、センサ本体でエラーが発生していることを示す情報、過電流エラーを示す情報などが、エラー情報としてリモートIO装置に送信可能であってもよい。これらに示すようなセンサ10のエラー情報には予めエラーIDが紐づけてあり、リモートIO装置は、エラーIDを取得し、後述するエラーテーブルと対応付けることによって、センサ10で発生しているエラーを検知できるようになっていてもよい。このように、エラーの内容はセンサ10の種類によって異なるため、エラーが発生したセンサ10について、ユーザがトラブルシューティングを実行する際に必要となる情報もセンサ10の種類およびエラーの種類に応じて異なる。そこで、リモートIO装置1は、センサ10の機器IDとエラーIDとを取得し、機器IDとエラーIDとの組に対応したエラー名称やエラーの解説情報を記載した対応ドキュメントを表示する表示画面(エラーUI)をPC15に提供してもよい。UIはユーザーインターフェースの略称である。
【0032】
図6はエラーテーブル33を示している。機器IDはセンサ10の識別情報である。エラーIDは、センサ10に発生したエラーを特定するための識別情報である。エラー名称は、エラーの内容を簡潔に示す情報である。対応ドキュメントは、エラーの解説情報(原因や解決方法など)を記載したドキュメント(例:PDFファイル、Webページ)のそのものまたはリンクデータなどである。CPU20aは、エラーが発生したセンサ10から機器IDとエラーIDとを取得し、エラーテーブル33を参照することで、機器IDとエラーIDとの組に対応したエラー名称や対応ドキュメントを取得する。さらに、CPU20aは、エラー名称および対応ドキュメントを含む表示画面を作成し、PC15に提供する。PC15は、表示画面を表示部6に表示する。対応ドキュメントがリンクデータである場合、操作部7によって表示画面におけるリンクデータがクリックされると、CPU20bはリンクデータにしたがってPDFファイルまたはWebページにアクセスしてこれらを表示部6に表示してもよい。
【0033】
図7はエラーUI70を示している。エラーUI70は、エラー内容の表示領域71と、エラー詳細の表示領域72とを有している。エラー内容の表示領域71は、エラーアイコン、センサ名、ポート番号、エラー内容を表示する。エラーアイコンは、エラーの深刻度を視覚的に示した画像である。センサ名は、エラーの発生しているセンサ10のセンサ名であり、機器IDに基づき特定される。ポート番号は、第一コネクタ2に含まれる複数のコネクタ(ポート)のうち、エラーの発生しているセンサ10が接続されているポートの識別情報である。エラー内容は、エラーIDに基づき特定される簡易な解説情報である。エラー内容は、リンク付きのエラーコードを含んでいてもよい。操作部7の操作と連動して移動するポインタ75がリンク付きのエラーコードをクリックすると、CPU20bは、エラーコードにリンクされている詳細情報(例:PDFファイルやWebページなどのドキュメント)73を表示領域72に表示する。これによりユーザは容易にエラーの解決方法を理解することができるようになろう。
【0034】
(フローチャート)
図8はCPU20aにより実行される表示画面情報の提供処理を示している。各ステップは、基本的には、第一コネクタ2に接続されている各センサ10について実行される。また、センサ10の測定結果はサイクリックに取得されて中継メモリ22に格納されており、PLC5へ転送(中継)されるものとする。この中継処理は、表示画面情報の提供処理と並列に実行されている。また、提供処理は、PC15からリモートIO装置1のWebサーバ26にアクセスがあると、開始されてもよい。
【0035】
S1でCPU20a(ID取得部24)は、第一コネクタ2にセンサ10が接続されているかどうかを判定する。第一コネクタ2に少なくとも一つのセンサ10が接続されると、CPU20aはステップS2に進む。ここで、リモートIO装置1は、第一コネクタ2にセンサ10が接続されているかどうかを判別または検知する機能を有していてもよい。この接続検知機能は、提供処理を行うかどうかに関係なく、動作している。
【0036】
接続検知機能は、リモートIO装置1に電力が供給されると、第一コネクタ2からセンサ10に向けて確認信号を出力する。センサ10は、リモートIO装置1から確認信号を受信すると、応答信号を送信する。接続検知機能は、確認信号に対する応答信号を受信できなければ、第一コネクタ2にはセンサ10が接続されていないと判定する。一方、接続検知機能は、応答信号を受信すると、第一コネクタ2にセンサ10が接続されている判定する。この場合、接続検知機能は、センサ10の機器種別を送信するよう、センサ10に対して命令を送信してもよい。この詳細は、ステップS2で説明される。センサ10が第一コネクタ10から取り外されると、接続検知機能は、センサ10から応答信号を受信できなる。そこで、接続検知機能は、センサ10から応答信号を受信できなると、センサ10が第一コネクタ10から取り外されたと判定する。
【0037】
S2で、CPU20a(ID取得部24)は、センサ10に対してセンサ10の記憶装置に保持されている機器IDとプロセスデータの出力形式を送信する要求を通信回路21a,21dを介して送信し、センサ10から機器IDとプロセスデータの出力形式を取得する。
【0038】
S3でCPU20a(ID取得部24)が、センサ10から取得された機器IDとプロセスデータの出力形式をリモートIO装置1の記憶装置30aに保存する。
【0039】
S4でCPU20aは、ユーザ選択に基づき自動モニタを開始するかどうかを判定する。自動モニタとは、センサ10の種別と表示形態をCPU20aが自動的に判断して表示画面60を生成するモードである。ユーザが自動モニタを選択した場合、CPU20aはステップS5に進む。一方で、ユーザが自動モニタを選択しなかった場合、CPU20aはステップS12に進む。
【0040】
S12でCPU20aは、記憶装置30aに保存されている設定データを読み込むかどうかをユーザ選択に応じて判定する。設定データは、一種のユーザカスタマイズデータであり、あらかじめ設定ボタン64を操作することで作成されたデータであってもよい。ユーザは、読み込み対象となる設定データ(設定ファイル)を指定してもよい。設定データを読み込むことをユーザが選択した場合、CPU20aは設定データを読み込み、ステップS13に進む。設定データを読み込むことをユーザが選択しなかった場合、CPU20aはステップS4に戻る。
【0041】
S13でCPU20aは、記憶装置30aに保存されている、センサ10から取得されたセンサ10の識別情報とプロセスデータの出力形式を読み出す。
【0042】
S14でCPU20aは、読み出された識別情報および出力形式が、設定データに含まれている識別情報および出力形式に一致するかどうかを判定する。一致しない場合、CPU20aは、S5に進む。一方、一致した場合、CPU20aは、S15に進む。
【0043】
S15でCPU20aは、設定データにしたがって表示画面60の表示形態を決定する。その後、CPU20aは、S7に進む。
【0044】
S5でCPU20aは、センサ10から取得された識別情報に基づきセンサ10の種別を判別(特定)できたかどうかを判定する。種別が判別できた場合、CPU20aはS6に進む。一方で、種別が判別できなかった場合、CPU20aは、S16に進む。S16でCPU20aは記憶装置30aにあらかじめ保存されている既定データに含まれている識別情報および出力形式にしたがって表示形態を決定する。既定データは、たとえば、折れ線グラフなどで強制的に測定結果を表示するためのデータであってもよい。その後、CPU20aは、S7に進む。
【0045】
S6でCPU20a(作成部25)は、センサ10から取得され、リモートIO装置1の記憶装置30aに記憶された識別情報と出力形式とに対応する表示形態を決定する。たとえば、作成部25は、表示形態テーブル32を参照することで、識別情報と出力形式との組に対応する表示形態(例:グラフ種別)を決定する。表示形態テーブル32を参照できない場合(例:機器IDに対応するテーブルが存在しない)、CPU20aは、予め定められた種別のグラフ(例:折れ線グラフ)で表示画面60を表示してもよい。
【0046】
S7でCPU20a(情報収集部23)は、センサ10からPLCあてのサイクリックなプロセスデータ(受信情報)を収集する。センサ10からPLCあての情報は中継メモリ22に一時的に格納される。そこで、情報収集部23に格納されている受信情報を抽出(コピー)して収集する。情報収集部23がPLCへ送信されるデータをすべて収集し、CPU20aは収集されたデータに基づき表示画面60を更新してもよい。PLCへデータが送信される周期と、情報収集部23がプロセスデータを収集する周期は異なっていてもよい。たとえば、PLCへのデータ転送の周期が数ミリ秒(ms)であり、表示画面を生成するためのプロセスデータの収集周期が数百ミリ秒(ms)である場合、リモートIO装置1における表示画面の提供処理に関連した負荷が軽減されよう。
【0047】
S8でCPU20a(作成部25または情報収集部23)は、収集された受信情報から測定結果を算出する。作成部25は、出力形式に基づき測定結果が格納されているビットアドレスの特定および、表示形態テーブルに含まれるプロセスデータのデータフォーマットの解釈を行い、特定されたビットアドレスに基づきプロセスデータから測定結果を算出する。
【0048】
S9でCPU20a(作成部25)は、決定された表示形態で測定結果を表示するための表示画面情報を作成する。たとえば、作成部25は、S2で特定された表示形態(グラフ種別)に基づき、表示形態のテンプレートデータ(ひな型データ)を記憶装置30aから取得し、テンプレートデータに測定結果を代入することで、表示画面情報を作成してもよい。表示画面情報は、たとえば、グラフを表示するためのhtmlデータ、cssデータおよびスクリプトデータなどである。
【0049】
S10でCPU20a(Webサーバ26)は、表示画面情報を外部コンピュータであるPC15に提供する。Webサーバ26は、表示画面情報(例:htmlデータ、cssデータおよびスクリプトデータなどのWebアプリケーション)をPC15のWebブラウザに送信する。PC15のCPU20bは表示画面情報を受信すると、表示画面情報に基づき表示画面60を表示部6に表示する。なお、グラフに表示される測定結果はリアルタイムで更新されてもよい。この場合、CPU20bは定期的にWebサーバ26にアクセスして更新された表示画面情報を取得し、更新された表示画面情報に基づき表示画面60も更新する。
【0050】
図9は表示画面60の表示と設定変更とを示すフローチャートである。
【0051】
S21でCPU20aは保存されている設定データにしたがって通常動作を実行する。ここで、通常動作とは、
図8に示された一連の処理のうち、S6(S15またはS16であってもよい)からS10までの処理を含む。
【0052】
S21でCPU20aは設定ボタン64が操作(例:クリック、タッチなど)されたかどうかを判定する。設定ボタン64が操作されていなければ、CPU20aはS21に戻る。一方、設定ボタン64が操作されたならば、CPU20aはS23に進む。
【0053】
S23でCPU20aは、(Webサーバ26)は、設定画面を表示するための設定画面情報を外部コンピュータであるPC15に提供する。Webサーバ26は、設定画面情報(例:htmlデータ、cssデータおよびスクリプトデータなどのWebアプリケーション)をPC15のWebブラウザに送信する。PC15のCPU20bは設定画面情報を受信すると、設定画面情報に基づき設定画面を表示部6に表示する。
【0054】
S24でCPU20aは、PC15に表示された設定画面を通じて、グラフ種別の選択を受け付ける。
【0055】
S25でCPU20aは、PC15に表示された設定画面を通じて、センサの種類とプロセスデータの出力形式の選択を受け付ける。
【0056】
S26でCPU20aは、モニタボタン65が操作(例:クリック、タッチなど)されたかどうかを判定する。モニタボタン65が操作されていなければ、CPU20aはS25に戻る。一方、モニタボタン65が操作されたならば、CPU20aはS27に進む。
【0057】
S27でCPU20aは、グラフ種別、センサの種類およびプロセスデータの出力形式を含む設定データを作成して、記憶装置30aに保存する。
【0058】
S28でCPU20aは、表示終了がユーザにより選択されたかどうかを判定する。表示終了が選択された場合、CPU20aは、表示画面情報の提供処理を終了する。一方、表示終了が選択されていない場合、CPU20aは、S21に戻る。これにより、表示画面60は、ユーザ設定を反映した表示画面に更新される。
【0059】
(その他)
上述した実施例では表示画面情報がリモートIO装置1において作成されている。しかし、リモートIO装置1が、測定結果やエラー情報の収集を担当し、PC15が表示画面情報の作成処理と表示処理とを担当してもよい。たとえば、PC15の記憶装置30bの記憶容量をリモートIO装置1の記憶装置30aよりも大きくすることによって、リモートIO装置のみでは容量が不足するような情報であってもユーザに提供できるような構成が採用されてもよい。
【0060】
この場合、
図10が示すように、ID取得部24および作成部25はPC15のCPU20bによって実現されてもよい。つまり、記憶装置30bには、ID取得部24および作成部25などとしてPC15を機能させるアプリケーションプログラムが記憶されていてもよい。CPU20bはアプリケーションプログラムを実行することで、ID取得部24および作成部25などを実現する。またテーブル群31やグラフのテンプレートデータはアプリケーションプログラムの一部としてPC15の記憶装置30bに記憶されてもよい。
【0061】
CPU20b(ID取得部24)はセンサ10の機器IDと出力形式を、リモートIO装置1を介して各センサ10から取得する。CPU20b(作成部25)は、表示形態テーブル32を参照して、機器IDと出力形式に対応するグラフ種別を特定する。CPU20bは、情報収集部23により取得されて転送されてきたプロセスデータから測定結果を取得する。CPU20bは、機器IDと出力形式に対応する測定結果のビットアドレスを特定し、特定したビットアドレスから測定結果を抽出する。CPU20b(作成部25)は、決定されたグラフ種別で測定結果を表示するための表示画面情報を作成する。さらに、CPU20bは、表示画面情報に基づき表示画面60を表示部6に表示する。CPU20bは、繰り返しリモートIO装置1にアクセスして測定結果を取得して、表示画面60を更新してもよい。さらに、表示画面60は後からユーザ設定により変更されてもよい。
【0062】
(PCアプリの場合のフローチャート)
図11はリモートIO装置1のCPU20aにより実行される識別情報、出力形式およびプロセスデータの提供処理を示している。
図12はPC15のCPU20bにより実行される表示画面情報の提供処理を示している。基本的に、
図11および
図12においても、
図8および
図9に関連した用語が踏襲され、その説明が援用される。各ステップは、基本的には、第一コネクタ2に接続されている各センサ10について実行される。また、センサ10の測定結果はサイクリックに取得されて中継メモリ22に格納されており、PLC5へ転送(中継)されるものとする。また、提供処理は、PC15のアプリケーションプログラムが実行されると、開始されてもよい。
【0063】
図11が示すように、リモートIO装置1のCPU20aは上述されたS1ないしS3をあらかじめ実行する。これにより、記憶装置30aには、センサ10の識別情報とプロセスデータの出力形式が保存される。
【0064】
S31でCPU20a(情報収取部23)はセンサ10の識別情報とプロセスデータの出力形式についての取得要求をPC15から受信したかどうかを判定する。取得要求を受信すると、CPU20aは、S32に進む。
【0065】
S32でCPU20a(情報収取部23)は、記憶装置30aから識別情報と出力形式を読み出してPC15へ送信する。
【0066】
S33でCPU20a(情報収取部23)は、PC15からプロセスデータの収集要求を受信したかどうかを判定する。収集要求を受信すると、CPU20aは、S34に進む。なお、収集要求は、周期的にPC15から送信されてもよい。あるいは、収集開始要求と収集終了要求とがPC15から送信されてもよい。情報収取部23は、収集開始要求を受信すると、プロセスデータの周期的な収集を開始し、収集終了要求を受信すると、収集を終了する。
【0067】
S34でCPU20a(情報収取部23)は、センサ10からPLC5あてのプロセスデータを取得してPC15へ送信する。たとえば、CPU20a(情報収集部23)は、通信回路21a、21dを介してセンサ10の記憶装置30cに記憶されているプロセスデータの送信を要求する。プロセスデータの送信要求(送信命令)は、予め定められた周期ごとに実行されてもよい。この場合、CPU20aは、予め定められた周期を経過したかを判断し、経過したと判断した場合に、プロセスデータの送信要求を行ってもよい。また、センサ10は、プロセスデータの送信要求をリモートIO装置1から受信すると、記憶装置30cに記憶されているプロセスデータ28をリモートIO装置1の中継メモリ22へと送信する。情報収集部23は、センサ10からPLC5あての中継メモリ22に一時的に格納されている受信情報を抽出(コピー)して収集する。
【0068】
S35でCPU20a(情報収取部23)は、収集終了条件が満たされたかどうかを判定する。収集終了条件は、たとえば、PC15から収集終了命令を受信したことであってもよい。収集終了条件が満たされていなければ、CPU20aは、S33に戻る。収集終了条件が満たされていれば、CPU20aは、
図11に示された提供処理を終了する。
【0069】
図12が示すように、PC15のCPU20bは記憶装置30bに記憶されているPCアプリ(アプリケーションプログラム)にしたがって、以下の処理を実行する。
【0070】
S41でCPU20bは、ユーザ選択に基づき自動モニタを開始するかどうかを判定する。自動モニタとは、センサ10の種別と表示形態をCPU20bが自動的に判断して表示画面60を生成するモードである。ユーザが自動モニタを選択した場合、CPU20bはステップS42に進む。一方で、ユーザが自動モニタを選択しなかった場合、CPU20bはステップS51に進む。
【0071】
S51でCPU20bは、ユーザカスタマイズを反映するための設定データを読み込むかどうかをユーザ選択に基づいて判定する。設定データを読み込まない場合、CPU20bはS41に戻る。一方で、設定データを読み込む場合、CPU20bは記憶装置30bから設定データを読み込んで、S52に進む。
【0072】
S52でCPU20bは、リモートIO装置1からセンサ10の識別情報とプロセスデータの出力形式を取得する。たとえば、CPU20b(取得部24)は、PC15に対して、センサ10の識別情報とプロセスデータの出力形式の取得要求を送信し、PC15から識別情報と出力形式を受信する。
【0073】
S53でCPU20bは、取得された識別情報および出力形式が、記憶装置30bに保存されている設定データに含まれている識別情報および出力形式に一致するかどうかを判定する。一致しない場合、CPU20bは、S43に進む。一方、一致した場合、CPU20bは、S54に進む。
【0074】
S54でCPU20bは、設定データにしたがって表示画面60の表示形態を決定する。その後、CPU20bは、S45に進む。
【0075】
さて、自動モニタが選択された場合、CPU20bはS42を実行する。S42でCPU20bは、リモートIO装置1からセンサ10の識別情報とプロセスデータの出力形式を取得する。たとえば、CPU20b(取得部24)は、PC15に対して、センサ10の識別情報とプロセスデータの出力形式の取得要求を送信し、PC15から識別情報と出力形式を受信する。
【0076】
S43でCPU20bは、センサ10から取得された識別情報に基づきセンサ10の種別を判別(特定)できたかどうかを判定する。種別が判別できた場合、CPU20bはS44に進む。一方で、種別が判別できなかった場合、CPU20bは、S55に進む。S55でCPU20bは記憶装置30bにあらかじめ保存されている設定データに含まれている識別情報および出力形式にしたがって表示形態を決定する。その後、CPU20bは、S45に進む。
【0077】
S44でCPU20b(作成部25)は、センサ10からリモートIO装置1を介して取得され、記憶装置30bに記憶された識別情報と出力形式とに対応する表示形態を決定する。たとえば、作成部25は、表示形態テーブル32を参照することで、識別情報と出力形式との組に対応する表示形態(例:グラフ種別)を決定する。表示形態テーブル32を参照できない場合(例:機器IDに対応するテーブルが存在しない)、CPU20bは、予め定められた種別のグラフ(例:折れ線グラフ)で表示画面60を表示してもよい。
【0078】
S45で、CPU20b(作成部25)は、リモートIO装置1のCPU20aからプロセスデータを収集する。たとえば、CPU20bは、プロセスデータの収容要求をリモートIO装置1に送信することで、リモートIO装置1にプロセスデータをPC15へ送信させてもよい。
【0079】
S46でCPU20b(作成部25)は、CPU20a(情報収集部23)から送信されたプロセスデータから測定結果を抽出する。作成部25は、出力形式に基づき測定結果が格納されているビットアドレスの特定および、表示形態テーブルに含まれるプロセスデータのデータフォーマットの解釈を行い、特定されたビットアドレスに基づきプロセスデータから測定結果を算出する。
【0080】
S47でCPU20b(作成部25)は、決定された表示形態で測定結果を表示するための表示画面情報を作成する。たとえば、作成部25は、S44、S54またはS55で特定された表示形態(グラフ種別)に基づき、表示形態のテンプレートデータ(ひな型データ)を記憶装置30bから取得し、テンプレートデータに測定結果を代入することで、表示画面情報を作成してもよい。表示画面情報は、たとえば、グラフを表示するためのhtmlデータ、cssデータおよびスクリプトデータなどである。
【0081】
S48でCPU20b(アプリケーションプログラム)は、表示画面情報を生成し、当該表示画面情報に基づき表示画面60を表示部6に表示する。なお、グラフに表示される測定結果はリアルタイムで更新されてもよい。この場合、CPU20bは定期的に情報収集部23にアクセスして更新された表示画面情報を取得し、更新された表示画面情報に基づき表示画面60も更新する。
【0082】
なお、CPU20bは、
図9に示された処理を実行することで、表示画面60の設定を変更してもよい。これにより、ユーザは、PC15で実行されるアプリケーションプログラムを通じて表示形態を自分の好みに変更することが可能となる。この場合、表示形態等を示す設定ファイルは記憶装置30bに保存されることになる。CPU20bは、保存された設定ファイルに基づき、測定結果のモニタリング(表示画面60の表示)を実行してもよい。
【0083】
<まとめ>
図1などが示すように、第一コネクタ2は一つ以上のセンサ10が接続される第一接続部の一例である。第二コネクタ3は、制御装置(例:PLC5)と通信するための産業用ネットワーク11が接続される第二接続部の一例である。
図2などが示すように、中継メモリ22は、第一接続部に接続された一つ以上のセンサから受信される受信情報(例:プロセスデータ)を、第二接続部を介して制御装置に中継するために、一時的に格納する中継メモリの一例である。第三コネクタ4は、外部コンピュータ(例:PC15)と通信するためのコンピュータネットワークが接続される第三接続部の一例である。第三コネクタ4は無線通信用のアンテナや無線通信回路であってもよい。つまり、接続とは、有線接続と無線接続との両方を意味しうる。作成部25は、中継メモリに格納されている受信情報を所定の表示形態で表示するための表示画面情報を作成する作成手段の一例である。Webサーバ26は、第三接続部を介して表示画面情報を外部コンピュータに提供する提供手段の一例である。このように本実施例によれば、ユーザはPLC5を介すことなく、センサ10の測定結果を外部コンピュータで閲覧することができるようになる。よって、センサ10の測定結果を外部コンピュータで閲覧する際のユーザビリティが改善する。
【0084】
受信情報には、一つ以上のセンサ10により取得された一つ以上の測定結果を含む受信情報と、一つ以上のセンサの識別情報を含む受信情報とが存在してもよい。測定結果を含む受信情報と識別情報を含む受信情報とは同時に受信されてもよいし、それぞれ個別に受信されてもよい。作成部25は、一つ以上のセンサ10の識別情報に対応した表示形態に基づき一つ以上の測定結果を表示するための表示画面情報を作成してもよい。このように、センサ10の識別情報に基づいて表示形態が特定されるため、ユーザが表示形態を特定する手間が軽減される。
【0085】
図5などが示すように、表示形態は、一つ以上の測定結果のそれぞれを表示するためのグラフであってもよい。グラフは、測定結果を視覚的にユーザが理解するうえで役に立つであろう。また、センサ10に適したグラフが選択される利点もある。
【0086】
表示形態テーブル32は、一つ以上のセンサ10の識別情報と、表示形態との関連付けを記憶した表示形態テーブルの一例である。作成部25は、一つ以上のセンサ10の識別情報に基づき表示形態テーブルを参照することで一つ以上のセンサ10の識別情報に対応した表示形態を特定してもよい。表示形態テーブル32を採用することで、容易に表示形態が特定可能となろう。
【0087】
図4が示すように、表示形態テーブル32は、たとえば、一つ以上のセンサの識別情報と、表示形態と、出力形式とを関連付けて記憶していてもよい。作成部25は、一つ以上のセンサ10から受信された出力形式および当該一つ以上のセンサの識別情報に対応する、表示形態を、表示形態テーブルを参照することで特定してもよい。これにより、プロセスデータなどの受信情報から測定結果が正確に抽出されるようになろう。
【0088】
作成部25は、一つ以上のセンサの識別情報に基づき受信情報のデータフォーマットを特定してもよい。作成部25は、当該特定されたデータフォーマットにしたがって受信情報から一つ以上の測定結果を抽出して表示画面情報を作成してもよい。
図4が示すように、データフォーマットは、受信情報において一つ以上の測定結果のそれぞれが格納されているビット位置を示すビットアドレスを含んでもよい。これにより、プロセスデータなどの受信情報から測定結果が正確に抽出されるようになろう。
【0089】
図4が示すように、表示形態テーブルは、一つ以上のセンサの識別情報と、ビットアドレスとの関連付けを記憶していてもよい。作成部25は、一つ以上のセンサの識別情報に基づき表示形態テーブルを参照することで、一つ以上のセンサの識別情報に対応するビットアドレスを特定し、当該特定されたビットアドレスに基づき受信情報から一つ以上の測定結果を抽出してもよい。これにより、プロセスデータなどの受信情報から測定結果が正確に抽出されるようになろう。
【0090】
図4が示すように、データフォーマットは、受信情報において一つ以上の測定結果のそれぞれのデータ型を示す型情報を含んでもよい。測定結果のデータ型はグラフに反映されてもよい。
【0091】
図4が示すように、表示形態は、折れ線グラフ、棒グラフ、メータグラフ、および、ランプの点灯消灯のうちの少なくとも一つを含んでもよい。これらの表示形態は、測定結果などをユーザに把握させやすくするであろう。
【0092】
図6が示すように、受信情報は、一つ以上のセンサ10に発生したエラーを示すエラー識別情報(例:エラーID)を有してもよい。
図7が示すように、作成部25は、エラー識別情報に対応した表示形態に基づき一つ以上のセンサに発生したエラーを表示するための表示画面情報を作成してもよい。表示画面情報により表示される表示画面(例:エラーUI70)は、エラーの名称と、当該エラーの解説情報とを含んでもよい。これにより、ユーザはセンサ10に発生したエラーを容易に理解できるようになるであろう。
【0093】
一つ以上のセンサ10の識別情報と、エラー識別情報と、エラーの名称と、エラーの解説情報とを関連付けて記憶したエラーテーブル33をさらに有してもよい。作成部25は、一つ以上のセンサ10から受信された一つ以上のセンサの識別情報およびエラー識別情報に関連付けられているエラーの名称およびエラーの解説情報を、エラーテーブルを参照することで特定し、エラーの名称およびエラーの解説情報を含む表示画面情報を作成してもよい。エラーテーブル33を採用することでエラーに関する情報が容易に取得可能となろう。
【0094】
提供手段はWebサーバ26であってもよい。Webサーバ26は外部コンピュータにおいて動作しているWebブラウザに対して表示画面情報を提供する。これにより、PC15には特別な表示アプリケーションプログラムを導入する手間を省けるようになろう。
【0095】
一つ以上のセンサ10により取得された一つ以上の測定結果を格納することになる所定のデバイスメモリ52と、中継メモリ22において当該一つ以上の測定結果を格納することになる記憶領域のアドレスとがあらかじめ関連付けられていてもよい。
【0096】
センサ10により取得された測定結果を制御装置に中継するデータ中継装置と、データ中継装置において抽出された測定結果を表示する外部コンピュータとを含む表示システムが提供されてもよい。
【0097】
データ中継装置(例:リモートIO装置1)は、中継メモリに格納されている受信情報を収集して外部コンピュータに送信する送信手段(例:通信回路21c)を有してもよい。外部コンピュータ(例:PC15)は、データ中継装置から受信情報を受信する受信手段(例:通信回路21f)と、受信情報を所定の表示形態で表示するための表示画面情報を作成する作成手段(例:CPU20b、作成部25)と、表示画面情報に基づく、センサの測定結果を含む表示画面を表示する表示手段(例:表示部6)とを有してもよい。
【0098】
CPU20a、20bおよび作成部25は、ユーザ操作に応じて選択された表示形態に基づき表示画面情報を変更してもよい。CPU20a、20bは、変更された表示画面情報をPC15または表示部6に提供するように構成されていてもよい。
【0099】
リモートIO装置1は、表示装置(例:PC15)に対して接続されるデータ中継装置の一例である。表示装置(例:PC15)は、表示形態テーブル32、作成手段(例:CPU20b)および表示部6を有してもよい。表示形態テーブル32は、センサを識別するためのセンサ識別情報と、センサのセンサ識別情報、当該センサから受信される受信情報の出力形式に対応したビットアドレスの割り当て、および、センサから受信される受信情報の出力形式に対応したフォーマット情報と、受信情報に含まれる測定結果の表示形態との関連付けを記憶したテーブルであってもよい。作成手段(例:CPU20b)は、センサ識別情報および受信情報の出力形式に基づき、表示形態テーブル32を参照することで、センサ識別情報に対応した表示形態の特定、および、受信情報に含まれる測定結果に対応するビットアドレスの特定を行い、当該特定の結果に基づいて算出した測定結果の表示画面を作成してもよい。表示部6は、作成手段により作成された表示画面を表示するディスプレイ装置またはタッチパネルディスプレイなどであってもよい。データ中継装置はさらに次の構成要素を有してもよい。
【0100】
コネクタ4は、表示装置が接続される表示装置接続部の一例である。コネクタ2は、一つ以上のセンサが接続されるセンサ接続部の一例である。コネクタ3は、制御装置(例:PLC5)と通信するための産業用ネットワーク11が接続される制御装置接続部の一例である。ID取得部24は、センサ接続部を介して、一つ以上のセンサのセンサ識別情報を取得する第一取得手段の一例である。記憶装置30aは、第一取得手段により取得したセンサ識別情報を記憶する記憶手段の一例である。情報収集部23は、センサ接続部を介して、一つ以上のセンサから予め定められた第一の周期ごとに受信される当該センサの測定結果を含む受信情報を取得する第二取得手段の一例である。中継メモリ22は、第二取得手段により取得された受信情報を、制御装置接続部を介して制御装置に中継するために、一時的に格納する中継メモリの一例である。CPU20aおよび通信回路21bは、中継メモリに格納された受信情報を、予め定められた第二の周期ごとに、制御装置接続部を介して制御装置に送信する第一の送信手段として機能してもよい。CPU20aおよび通信回路21cは、表示装置により送信されたセンサ識別情報の送信命令を受信すると、記憶手段に記憶されたセンサ識別情報を、表示装置接続部を介して、表示装置に送信する第二の送信手段として機能してもよい。
【0101】
第二の送信手段(例:CPU20aおよび通信回路21c)は、さらに、表示装置において生成される受信情報の送信命令に従って、受信情報を表示装置に送信してもよい。
【0102】
データ中継装置(CPU20a、通信回路21a)は、予め定められた第一の周期ごとに、一つ以上のセンサに対して、データ送信命令を送信してもよい。たとえば、予め定められた第一の周期は、予め定められた第二の周期よりも短くてもよい。この場合、表示装置に対して受信情報を転送する負荷が軽減されよう。このように、リモートIO装置1がセンサ10から情報を取得する第一の周期と、リモートIO装置1がPLC5に対して情報を送信する第二の周期とは同一でも、異なっていてもよい。第一の周期が第二の周期よりも長い場合、PLC5が取得するデータ数が少なくなり、PLC5のデータ処理負荷が小さくなる。第一の周期が第二の周期よりも短い場合、PLC5はセンサ10の値を取りこぼしなく取得できる。
【0103】
第一の送信手段(CPU20a、通信回路21b)は、制御装置の制御周期である第二の周期で、受信情報を送信してもよい。第二の送信手段は、(第一の周期や第二の周期と異なってもよい)第三の周期で、一つ以上のセンサからの受信情報を表示装置に送信してもよい。
【0104】
PC15は、データ中継装置(例:リモートIO装置1)に対し、表示装置接続部(例:コネクタ4)を介して接続される表示装置の一例である。データ中継装置は、一つ以上のセンサが接続されるセンサ接続部(例:コネクタ2)と、制御装置と通信するための産業用ネットワークが接続される制御装置接続部(例:コネクタ3)と、センサ接続部に接続された一つ以上のセンサから受信される測定結果を含む受信情報を、制御装置接続部を介して制御装置に中継するために、一時的に格納する中継メモリ22と、コンピュータネットワークが接続される表示装置接続部(例:コネクタ4)と、を有してもよい。
【0105】
CPU20b、通信回路21fおよびID取得部24は、センサ接続部を介してデータ中継装置に接続された一つ以上のセンサの有するセンサ識別情報を、表示装置接続部を介してデータ中継装置から受信する第一受信手段として機能する。
【0106】
CPU20b、通信回路21fおよび作成部25は、センサ接続部を介してデータ中継装置により受信される測定結果を含む受信情報を、表示装置接続部を介してデータ中継装置から受信する第二受信手段として機能する。
【0107】
記憶装置30bに記憶される表示形態テーブル32は、第一受信手段により受信されたセンサ識別情報、一つ以上のセンサから受信される受信情報の出力形式に対応したビットアドレスの割り当て、および、一つ以上のセンサから受信される受信情報の出力形式に対応したフォーマット情報と、受信情報に含まれる測定結果の表示形態との関連付けを記憶した表示形態テーブルとして機能する。
【0108】
CPU20bおよび作成部25は、第一受信手段により受信されたセンサ識別情報に基づき、表示形態テーブルを参照することで、センサ識別情報に対応した表示形態の特定、および、受信情報に含まれる測定結果に対応するビットアドレスの特定を行い、当該特定の結果に基づいて算出した測定結果の表示画面を作成する作成手段として機能する。
【0109】
表示部6は、作成手段により作成された表示画面を表示する表示部として機能する。
【0110】
CPU20bおよび作成部25は、センサ識別情報に基づき受信情報のデータフォーマットを特定し、当該特定されたデータフォーマットにしたがって受信情報から測定結果を算出して表示画面を作成してもよい。
【0111】
CPU20bおよび作成部25は、表示形態テーブルを参照することによって特定された表示形態を変更する表示形態変更手段として機能してもよい。
【0112】
第一受信手段(例:CPU20b、ID取得部24)は、データ中継装置で取得され、当該データ中継装置に記憶されているセンサ識別情報を受信してもよい。
【0113】
CPU20bおよび通信回路21fは、一つ以上のセンサにより生成されるエラー識別情報を受信するエラー識別情報受信手段として機能してもよい。エラーテーブル33は、第一受信手段により受信されたセンサ識別情報と、エラー識別情報受信手段により受信したエラー識別情報と、エラーの名称と、エラーの解説情報を関連付けて記憶したエラーテーブルとして機能してもよい。