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  • 特許-衛星送信情報の補正装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】衛星送信情報の補正装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 19/07 20100101AFI20231226BHJP
   G01S 19/21 20100101ALI20231226BHJP
   G01S 19/45 20100101ALI20231226BHJP
   G01S 7/03 20060101ALI20231226BHJP
   G01S 19/43 20100101ALN20231226BHJP
   G01S 13/90 20060101ALN20231226BHJP
【FI】
G01S19/07
G01S19/21
G01S19/45
G01S7/03 200
G01S19/43
G01S13/90
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020059403
(22)【出願日】2020-03-30
(65)【公開番号】P2021156805
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-02-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】鳴海 智博
(72)【発明者】
【氏名】山口 範洋
【審査官】藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/010230(WO,A1)
【文献】特開2019-203710(JP,A)
【文献】特開2007-093483(JP,A)
【文献】特開2001-091650(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0960337(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00- 7/42
G01S 13/00-13/95
G01S 19/00-19/55
G01C 21/26-21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の人工衛星から送信された送信信号を受信可能に構成された受信部と、
前記受信部の全方位の周囲の様子を周囲画像として撮影する撮影部と、
前記撮影部で撮影された周囲画像に基づいて前記受信部で受信した受信信号に発生するノイズやオフセットの要因を特定する特定部と、
前記1つ以上の人工衛星に関する基準点の位置に基づいて測位計算を行う計算部と、
前記送信信号に基づいて設置場所を確認する確認部と、
前記特定部によって特定された前記要因と、前記計算部による測位計算の結果と、前記確認部によって特定された前記設置場所と、に基づいて前記受信信号を含む衛星送信情報を補正する補正部と、
を備えた、
衛星送信情報の補正装置。
【請求項2】
前記撮影部は魚眼カメラを備える、
請求項1に記載の衛星送信情報の補正装置。
【請求項3】
少なくとも植生、建物、積雪、降雨、地下水の環境要素と前記環境要素に対する前記受信信号のノイズやオフセットの要因との学習済みデータが記憶された学習データベースを備える、
請求項1又は2に記載の衛星送信情報の補正装置。
【請求項4】
前記人工衛星から送信された前記送信信号を入射方向と同じ方向且つ逆向きに反射させるコーナーリフレクタ又はトランスポンダを備える、
請求項1から3の何れか一項に記載の衛星送信情報の補正装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛星送信情報の補正装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球観測をはじめとする多くの目的で、人工衛星が活用されている。例えば、測位衛星(人工衛星)を用いた全地球測位衛星システム(Global Navigation Satellite System:GNSS)が活用されている。また、広範囲を一度に観測する手段として、合成開口レーダ(Synthetic Aperture Radar:SAR)解析を行うSAR測地システムがある。
【0003】
SAR衛星等の人工衛星から送信される衛星画像(衛星送信情報)には、大気や電離層等の影響を受けることによって生じる位置ずれや歪み、及び地球が楕円体であるために生じるゆがみが生じる。衛星の軌道や姿勢が高精度に設定される場合であっても、衛星画像の補正は必要となる。
【0004】
例えば、特許文献1から特許文献3には、SAR衛星から送信された電波等の送信信号(衛星送信情報)に生じる位置ずれや歪み、ゆがみを補正するために、SAR測地システムに適用可能な地上基準点装置が開示されている。特許文献1に開示された地上基準点装置は、SAR波を入射方向に向かって反射するSAR反射器と、受信したGNSS波に基づいて基準点の位置を示す位置情報を生成するGNSS受信機と、基準点下の地盤の状態を検出する地盤状態検出部と、位置情報と基準点データとを外部に送信する基準点データ送信部とを備える。
【0005】
特許文献2及び特許文献3に開示された地上基準点装置は、SAR衛星の撮影視野内に設けられ、アクティブリフレクタ等の能動型反射手段を備える。このような構成を備える地上基準点装置によれば、能動型反射手段からの強い反射によりできる合成開口レーダ画像上の輝点を地上基準点として位置情報が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2018-179604号公報
【文献】特開2001-91650号公報
【文献】特開2001-91649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の特許文献1から特許文献3に開示されている地上基準点装置では、GNSS受信機の周囲近辺の様々な環境の変化により、GNSS受信機が受信する受信信号にノイズやオフセットが発生するため、基準点の位置を正確に把握できないという問題があった。前述の環境の変化には、例えば植生・建物・積雪・地下水の有無や各々の状態の変化が含まれる。
【0008】
本発明は、環境の変化があっても人工衛星からの衛星情報を従来の装置よりも正確に補正することができる衛星送信情報の補正装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の衛星送信情報の補正装置は、1つ以上の人工衛星から送信された送信信号を受信可能に構成された受信部と、前記受信部の全方位の周囲の様子を周囲画像として撮影する撮影部と、前記撮影部で撮影された周囲画像に基づいて前記受信部で受信した受信信号に発生するノイズやオフセットの要因を特定する特定部と、前記複数の人工衛星に関する基準点の位置に基づいて測位計算を行う計算部と、前記送信信号に基づいて設置場所を確認する確認部と、前記特定部によって特定された前記要因と、前記計算部による測位計算の結果と、前記確認部によって特定された前記設置場所と、に基づいて前記受信信号を含む衛星送信情報を補正する補正部と、を備える。
【0010】
上述の衛星送信情報の補正装置によれば、受信部の周囲の状況を把握する撮影部及び処理部を備え、特定部でノイズやオフセット等による衛星送信情報に生じ得るノイズやオフセットの原因を特定し、計算部で他地点の基準点情報を取得し適宜処理を施すことによって測位計算の精度を向上させ、さらに人工衛星から設置場所を確認できるため、補正部で測位データ等の衛星送信情報を従来の装置より正確に補正できる。
【0011】
本発明の衛星送信情報の補正装置では、前記撮影部は魚眼カメラを備えてもよい。
【0012】
上述の衛星送信情報の補正装置によれば、魚眼カメラを用いて、受信部の周囲の状況を容易に把握できる。
【0013】
本発明の衛星送信情報の補正装置は、少なくとも植生、建物、積雪、降雨、地下水の環境要素と前記環境要素に対する前記受信信号のノイズやオフセットの要因との学習済みデータが記憶された学習データベースを備えてもよい。
【0014】
上述の衛星送信情報の補正装置によれば、多種の環境要素の各々について予め学習済みデータを用意し、これらの学習済みデータをふまえて、衛星送信情報のノイズやオフセットの要因を迅速に特定できる。
【0015】
本発明の衛星送信情報の補正装置は、前記人工衛星から送信された前記送信信号を入射方向と同じ方向且つ逆向きに反射させるコーナーリフレクタ又はトランスポンダを備えてもよい。
【0016】
上述の衛星送信情報の補正装置によれば、SAR衛星から送信された送信信号をコーナーリフレクタ又はトランスポンダによってSAR衛星に高い反射率で反射できるため、確認部での設置場所確認の精度を高めることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の衛星送信情報の補正装置によれば、環境の変化があっても衛星送信情報を従来の装置よりも正確に補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態の衛星送信情報の補正装置を含む衛星システムの概略構成図である。
図2】本発明の一実施形態の衛星送信情報の補正装置の側面図である。
図3】本発明の一実施形態の衛星送信情報の補正装置の処理部のブロック図である。
図4】本発明の一実施形態の変形例の衛星送信情報の補正装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、衛星送信情報の補正装置について、図面を参照して説明する。
【0020】
図1に示すように、本発明の一実施形態の衛星送信情報の補正装置50(以下、単に「補正装置50」という)は、周囲の環境に関する情報に基づいて、GNSSの複数の測位衛星(人工衛星)300及びSAR衛星(人工衛星)400から送られる衛星送信情報を補正する。なお、図1には、複数の測位衛星300のうち、1つの測位衛星300のみを図示している。
【0021】
図1及び図2に示すように、補正装置50は、筐体80と、受信部100と、SAR反射部120と、撮影部140と、通信機160と、処理部170とを備える。
【0022】
筐体80は、不図示の地面から地面に略垂直な方向に沿って立ちあがる支持体81と、支持体81の先端(即ち、鉛直方向において地面とは反対側の端)に設けられた収容ケース82とを備える。収容ケース82は、載置台105と、載置台105を覆うレドーム119とを備える。レドーム119は、複数の測位衛星300の各々から送信される送信信号(衛星送信情報)GS(以下、「複数の送信信号GS」と記載する)とSAR衛星400から送信される電波等の送信信号SES及び衛星画像に関する送信信号SISとを透過可能な材料で形成されている。
【0023】
受信部100は、GNSSアンテナ109と、グランドプレーン104と、GNSS受信機102と、SAR受信機110とを備える。GNSSアンテナ109、グランドプレーン104と、GNSS受信機102及びSAR受信機110は、支持体81の軸線上又は軸線近傍に配置されている。
【0024】
GNSSアンテナ109は、円盤状に形成されたグランドプレーン104の上方、即ちグランドプレーン104の先端面104tに設けられている。GNSSアンテナ109は、送信信号GSを取得し、GNSS受信機102に送信する。GNSSアンテナ109は、防水・防塵・防雪の各仕様が施されている。グランドプレーン104は、送信信号GSの電波を遮断する材料で形成され、支持体81の軸線に沿う方向から見たときにGNSSアンテナ109より大きい面積を有する。例えば、グランドプレーン104の材料は、測位衛星300から送信される送信信号GSの電波の周波数帯と略同じである1.2GHz帯や1.5GHz帯の電波を遮断する。つまり、グランドプレーン104は、周囲を飛び交う電波のフィルター機能を有する。そのため、測位衛星300から送信されて地面に直接当たり反射して下方からグランドプレーン104に向かう送信信号GSは、グランドプレーン104によって遮断され、GNSSアンテナ109には受信されない。つまり、GNSSアンテナ109には、測位衛星300から送信された送信信号GSが直接届く。
【0025】
GNSS受信機102は、複数の送信信号GSを受信し、GNSS受信信号(受信信号)RSとして処理部170に出力する。複数の送信信号GS及びGNSS受信信号RSの各々には、少なくとも各々の送信信号GSが各々の測位衛星300から発信された時刻の情報が含まれている。即ち、GNSS受信信号RSには、測位データが含まれている。GNSSアンテナ109は、複数の送信信号GSを受信可能な任意の構成を備え、公知の構成を備えてもよい。SAR受信機110は、SAR衛星400から送信された送信信号SISを受信し、処理部170に出力する。
【0026】
SAR反射部120は、SAR衛星400から送信された送信信号SESの電波を入射方向と同じ方向且つ逆向きに反射させ、所謂、再帰反射機能を有する。図2に示すように、SAR反射部120は、コーナーリフレクタ106で構成されている。コーナーリフレクタ106は、載置台105の載置面105aに平行に配置された反射材107と、反射材107に対して略垂直に配置された4枚の反射材108-1、108-2、108-3、108-4とを有する。反射材108-1、108-2、108-3、108-4は、支持体81の軸線に沿う方向から見て、軸線を中心として互いに90°の角度をあけて配置されている。反射材107、108-1、108-2、108-3、108-4の表面積が大きい程、送信信号SESの反射強度が強くなるので、好ましい。なお、反射材107、108-1、108-2、108-3、108-4の表面積は、送信信号SESの電波の帯域を考慮して設定される。少なくともコーナーリフレクタ106は、略水平方向でレドーム119に囲まれている。
【0027】
撮影部140は、受信部100の全方位の周囲の様子を周囲画像として撮影し、撮影した周囲画像を処理部170に送信する。「全方位の周囲の様子」とは、GNSS受信信号RSのノイズやオフセットを発生させる要因となり得る物体や環境要素が存在する範囲内として、支持体81の軸線を中心として受信部100の略水平な領域での周方向全体の様子を意味する。また、「全方位の周囲の様子」とは、例えば支持体81の軸線を中心として径方向に20mの範囲内の様子を意味する。
【0028】
撮影部140は、魚眼カメラ142を備える。魚眼カメラ142は、コーナーリフレクタ106の反射材108-1、108-2、108-3、108-4の各々における上端且つ支持体81の軸線に近い径方向の中央部分に設けられている。なお、魚眼カメラ142は、受信部100の全方位の周囲の様子を周囲画像として撮影できれば、任意の位置に設けられてよい。
【0029】
通信機160は、補正装置50とは異なる他地点に設けられて補正装置50-2を備えた基準点装置と無線ネットワーク等を介して通信し、補正装置50-2を備えた基準点装置の位置情報を取得する。通信機160は、取得した位置情報を処理部170に出力する。
【0030】
処理部170は、例えばコンピュータ等の計算機に内蔵されたプログラム等で構成され、特定部172と、学習データベース174と、計算部176と、確認部178と、補正部180とを備える。特定部172は、撮影部140から送信された周囲画像を受信し、周囲画像に基づいてGNSS受信信号RSのノイズやオフセット等の要因を特定する。
【0031】
詳しく説明すると、学習データベース174には、軸線を中心とする方位角と周囲の様子の画像データとGNSS受信信号RSのノイズやオフセットのパターンデータとの関係性を示す複数の学習済みパターン及び学習済みパターンに関する情報が記憶されている。周囲の様子の画像データには、例えば植生・建物・積雪・地下水に関する環境要素が魚眼カメラ142で撮影された状態の画像データが含まれる。学習データベース174には、サンプルとなる環境要素の画像データとこの環境要素によって生じるGNSS受信信号RSのノイズやオフセットとの複数の対応パターンを教師データとして学習した結果が前述の複数の学習済みパターンとして記憶されている。特定部172は、周囲画像に基づいて、複数の学習済みパターンから、周方向の任意の範囲内の画像情報に対応する環境要素を読み出し、GNSS受信信号RSにノイズやオフセットを発生させる要因を特定する。特定部172は、特定した要因に関する情報を補正部180に出力する。
【0032】
計算部176は、複数の測位衛星300に関する基準点の位置に基づいて測位計算を行う。例えば、計算部176は、通信機160から送信された位置情報に対してリアルタイムで公知のキネマティック処理や平均化処理を行い、高精度な相対測位を行う。計算部176は、測位計算の計算結果を補正部180に出力する。
【0033】
確認部178は、SAR衛星400からの送信信号SES又は不図示の光学衛星(人工衛星)からの送信信号に基づいて補正装置50の設置場所を確認する。確認部178は、確認した補正装置50の設置場所を補正部180に出力する。
【0034】
補正部180は、特定部172から出力されたGNSS受信信号RSのノイズやオフセット生じさせる要因の情報、計算部176から出力された測位計算の結果、及び確認部178から出力された補正装置50の位置情報に基づいて、GNSS受信信号RSを含む衛星送信情報を補正し、衛星画像の位置合わせを行う。補正した情報及び衛星画像の位置合わせの結果から、補正装置50及び補正装置50と相対的な関係を有する地点の正確な情報を取得する。
【0035】
以上説明した本実施形態の補正装置50は、上述の受信部100と、撮影部140とを備えるため、受信部100の周囲の状況を全方位的に把握できる。また、本実施形態の補正装置50では、特定部172によってノイズやオフセットの要因を特定し、計算部176によって他地点の基準点情報を取得し適宜処理を施すことで測位計算の精度を向上させ、確認部178によってSAR衛星400から設置場所を確認できる。このことによって、補正部180では、特定部172で特定された要因、計算部176で測位計算された結果及び確認部178で確認された補正装置50の設置場所等の情報に基づいて、測位データ等の衛星送信情報を従来の装置より正確に補正できる。
【0036】
本実施形態の補正装置50では、撮影部140は魚眼カメラ142を備えるため、受信部100の周囲の状況を容易に把握できる。
【0037】
本実施形態の補正装置50は、学習データベース174を備えるため、植生、建物、積雪、降雨、地下水等の多種の環境要素の各々について予め学習済みデータを用意し、これらの学習済みデータをふまえて、GNSS受信信号RSのノイズやオフセットの要因を迅速に特定できる。
【0038】
本実施形態の補正装置50は、コーナーリフレクタ106を備えるため、SAR衛星400から送信された送信信号SESをSAR衛星400に高い反射率で反射できるため、計算部176での測位計算の精度を高めることができる。
【0039】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は特定の実施形態に限定されない。本発明は、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、変更可能である。
【0040】
例えば、上述の実施形態では、SAR反射部120は、コーナーリフレクタ106で構成されているが、SAR衛星400から送信された送信信号SESの電波を入射方向と同じ方向且つ逆向きに反射させることができれば任意の構成を備えることができ、例えば図4に示すように載置面105aに設けられた複数のトランスポンダ112を備えてもよい。トランスポンダ112は、SAR衛星400から送信された送信信号SESを受信し、低遅延で増幅して入射方向と同じ方向且つ逆向きに送信する装置である。また、1つのトランスポンダ112の仰角及び方位角を遠隔操作で制御することによって、SAR反射部120が構成されてもよい。
【0041】
また、GNSSアンテナ109への積雪による測位精度の低下を抑えるために、GNSSアンテナ109の基端側の位置、即ちGNSSアンテナ109の下方に、融雪装置が設けられてもよい。レドーム119の形状は、図2図4に例示した円柱型に限定されず、防雪に効果を発揮する半球型や円錐型であってもよい。
【0042】
また、撮影部140は、魚眼カメラ142を備えるものに限定されず、受信部100の全方位の周囲の様子を周囲画像として撮影できれば任意の構成を備えることができ、例えば全方位カメラや、図4に例示した複数のトランスポンダ112と同様に載置面105aの周方向に配置され且つ各々が所定の方位で撮影可能な複数のカメラを備えてもよい。
【0043】
また、補正装置50の付近に太陽電池パネルが設けられていてもよい。補正装置50の付近に太陽電池パネルが設けられることによって、給電を不要にし、補正装置50の低コスト化を図ることができる。また、SAR衛星400に対してSAR反射部120から反射又は送信した送信信号SESを良好に到達させるため、補正装置50の周辺又は基端側下部に、電波吸収シートが設けられてもよい。電波吸収シートが設けられることによって、補正装置50の周辺の設備、装置等に人工衛星からの電波が複数回反射しても、補正装置50から反射した送信信号SESをSAR衛星400が明確に捉えることができる。
【0044】
また、人工衛星は、測位衛星300やSAR衛星400に限定されず、例えば光学衛星でもよい。衛星送信情報には、衛星画像、衛星測位の結果をはじめ、人工衛星から送信される情報、信号が広く含まれる。
【符号の説明】
【0045】
50 補正装置(衛星送信情報の補正装置)
100 受信部
140 撮影部
172 特定部
176 計算部
178 確認部
180 補正部
図1
図2
図3
図4