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特許7410005モータと一緒に共有した冷却システムを有した高密度一体型電源制御アセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】モータと一緒に共有した冷却システムを有した高密度一体型電源制御アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20231226BHJP
   H02K 11/33 20160101ALI20231226BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
H02K11/33
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020170101
(22)【出願日】2020-10-07
(65)【公開番号】P2021061745
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2023-10-06
(31)【優先権主張番号】62/911,719
(32)【優先日】2019-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/906,523
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】末永 翔平
(72)【発明者】
【氏名】セーレッシュ エヌ.ジョシ
(72)【発明者】
【氏名】ダニー ジェイ.ローハン
(72)【発明者】
【氏名】リウ ヤンホー
【審査官】麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-197781(JP,A)
【文献】米国特許第06002183(US,A)
【文献】特開2017-172509(JP,A)
【文献】特開2016-098678(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
H02K 11/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三相を有したモータの軸端上に直接的に取り付けられるインバータとして構成された一体型電力制御アセンブリであって、
前記一体型電力制御アセンブリは、
基板と、
前記基板上において横方向に離間して配置された4つの入力バスバーであり、負極性の2つの入力バスバーに対して交互に配置された正極性の2つの入力バスバーを含み、ここで、逆極性の内側入力バスバーは、逆極性の外側入力バスバー同士の間に配置され、前記内側入力バスバーは、逆極性の内側入力バスバーに対して隣接したエッジと、逆極性の外側入力バスバーに対して隣接したエッジと、を有し、前記内側入力バスバーは、前記外側入力バスバーと比較して、少なくとも2倍の数のデバイスが上面上に配置されているように構成されている、4つの入力バスバーと、
前記外側入力バスバー上において軸線方向に配置された一組の又は複数組のペアデバイスであり、各組をなす前記ペアデバイスは、スイッチング半導体デバイスと、ダイオードと、を含む、一組の又は複数組のペアデバイスと、
前記内側入力バスバー上において、逆極性の前記内側入力バスバーに対して隣接したエッジに沿って軸線方向に配置された一組の又は複数組のペアデバイスと、
前記内側入力バスバー上において、逆極性の前記外側入力バスバーに対して隣接したエッジに沿って軸線方向に配置された一組の又は複数組のペアデバイスと、
前記モータの前記三相に対応した3つの出力バスバーであり、個々の前記出力バスバーは、逆極性の互いに隣接した前記入力バスバー上に配置された前記一組の又は複数組のペアデバイスの上側に配置されかつそれらペアデバイスに対して電気的に結合されている、3つの出力バスバーと、を含む、一体型電力制御アセンブリ。
【請求項2】
前記3つの出力バスバーの上側においてそれら出力バスバーを横切って配置された回路基板をさらに含み、前記回路基板は、前記一体型電力制御アセンブリ内のすべての前記スイッチング半導体デバイスを動作可能に制御するために、上面上に配置されたゲート駆動デバイスを、さらに含む、請求項1に記載の一体型電力制御アセンブリ。
【請求項3】
前記4つの入力バスバーの上側においてそれら入力バスバーを横切って配置された1つ又は複数のキャパシタをさらに含み、個々の前記キャパシタは、バッテリに対して電気的に結合されている、請求項1に記載の一体型電力制御アセンブリ。
【請求項4】
第1組のペアデバイス内の第1スイッチング半導体デバイスと第1ダイオードとは、第2組のペアデバイス内のそれぞれ第2ダイオードと第2スイッチング半導体デバイスとに対して横方向に隣接し、ここで、前記第1組のペアデバイスと前記第2組のペアデバイスとは、互いに横方向に隣接した組をなすペアデバイスである、請求項1に記載の一体型電力制御アセンブリ。
【請求項5】
第1組のペアデバイス内の第1スイッチング半導体デバイスと第1ダイオードとは、第2組のペアデバイス内のそれぞれ第2スイッチング半導体デバイスと第2ダイオードとに対して横方向に隣接し、前記第1組のペアデバイスと前記第2組のペアデバイスとは、互いに横方向に隣接した組をなすペアデバイスである、請求項1に記載の一体型電力制御アセンブリ。
【請求項6】
逆極性の互いに隣接した前記入力バスバー上の前記スイッチング半導体デバイス同士は、それらスイッチング半導体デバイスのゲートが、各スイッチング半導体デバイスの反対側の面上に位置するように、鉛直方向において逆向きに整列されている、請求項1に記載の一体型電力制御アセンブリ。
【請求項7】
逆極性の互いに隣接した前記入力バスバー上の前記ダイオード同士は、鉛直方向において逆向きに整列されている、請求項1に記載の一体型電力制御アセンブリ。
【請求項8】
前記基板は、
熱界面層と、
前記熱界面層の上側に配置された熱拡散層であり、導電性材料から形成された熱拡散層と、
電気絶縁層と、
を含む、請求項1に記載の一体型電力制御アセンブリ。
【請求項9】
正極性の前記入力バスバー上に配置された前記スイッチング半導体デバイスに対応したゲート駆動デバイスが、回路基板を貫通して配置された導電性ビアを介して、前記スイッチング半導体デバイスのゲートに対して電気的に接続されているとともに、前記スイッチング半導体デバイスに対して電気的に結合された対応する前記出力バスバーに対して接地されている、請求項1に記載の一体型電力制御アセンブリ。
【請求項10】
負極性の前記入力バスバー上に配置された前記スイッチング半導体デバイスに対応したゲート駆動デバイスが、回路基板を貫通して配置されたL字形状の導電性ビアを介して、及び、負極性の前記入力バスバー内の開口を介して、前記スイッチング半導体デバイスのゲートに対して電気的に接続され、
前記ゲート駆動デバイスは、前記回路基板を貫通して配置された導電性ビアを介して、負極性の前記入力バスバーに対して接地されている、請求項1に記載の一体型電力制御アセンブリ。
【請求項11】
モータアセンブリであって、
三相モータと、
前記三相モータの軸端上に直接的に取り付けられるインバータとして構成された一体型電力制御アセンブリと、を含み、
前記一体型電力制御アセンブリは、
基板と、
前記基板上において横方向に離間して配置された4つの入力バスバーであり、負極性の2つの入力バスバーに対して交互に配置された正極性の2つの入力バスバーを含み、ここで、逆極性の内側入力バスバーは、逆極性の外側入力バスバー同士の間に配置され、前記内側入力バスバーは、逆極性の内側入力バスバーに対して隣接したエッジと、逆極性の外側入力バスバーに対して隣接したエッジと、を有し、前記内側入力バスバーは、前記外側入力バスバーと比較して、少なくとも2倍の数のデバイスが上面上に配置されているように構成されている、4つの入力バスバーと、
前記外側入力バスバー上において軸線方向に配置された一組の又は複数組のペアデバイスであり、各組をなす前記ペアデバイスは、スイッチング半導体デバイスと、ダイオードと、を含む、一組の又は複数組のペアデバイスと、
前記内側入力バスバー上において、逆極性の前記内側入力バスバーに対して隣接したエッジに沿って軸線方向に配置された一組の又は複数組のペアデバイスと、
前記内側入力バスバー上において、逆極性の前記外側入力バスバーに対して隣接したエッジに沿って軸線方向に配置された一組の又は複数組のペアデバイスと、
前記三相モータの三相に対応した3つの出力バスバーであり、個々の前記出力バスバーは、逆極性の互いに隣接した前記入力バスバー上に配置された前記一組の又は複数組のペアデバイスの上側に配置されかつそれらペアデバイスに対して電気的に結合されている、3つの出力バスバーと、
前記三相モータと前記一体型電力制御アセンブリとを熱的に接続する共有の冷却システムと、を含む、モータアセンブリ。
【請求項12】
前記一体型電力制御アセンブリは、前記3つの出力バスバーの上側においてそれら出力バスバーを横切って配置された回路基板をさらに含み、前記回路基板は、前記一体型電力制御アセンブリ内のすべての前記スイッチング半導体デバイスを動作可能に制御するために、上面上に配置されたゲート駆動デバイスを、さらに含む、請求項11に記載のモータアセンブリ。
【請求項13】
前記一体型電力制御アセンブリは、前記4つの入力バスバーの上側においてそれら入力バスバーを横切って配置された1つ又は複数のキャパシタをさらに含み、個々の前記キャパシタは、バッテリに対して電気的に結合されている、請求項11に記載のモータアセンブリ。
【請求項14】
第1組のペアデバイス内の第1スイッチング半導体デバイスと第1ダイオードとは、第2組のペアデバイス内のそれぞれ第2ダイオードと第2スイッチング半導体デバイスとに対して横方向に隣接し、ここで、前記第1組のペアデバイスと前記第2組のペアデバイスとは、互いに横方向に隣接した組をなすペアデバイスである、請求項11に記載のモータアセンブリ。
【請求項15】
第1組のペアデバイス内の第1スイッチング半導体デバイスと第1ダイオードとは、第2組のペアデバイス内のそれぞれ第2スイッチング半導体デバイスと第2ダイオードとに対して横方向に隣接し、前記第1組のペアデバイスと前記第2組のペアデバイスとは、互いに横方向に隣接した組をなすペアデバイスである、請求項11に記載のモータアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2019年10月7日付けで出願された「High Density Integrated Power Modules With Cooling」と題する米国仮特許出願第62/911,719号明細書の優先権を主張するものであり、この仮出願は、その内容が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本明細書は、一般に、車両内のモータのための電力制御アセンブリに関し、より詳細には、電動化車両内のモータと一緒に共有した冷却システムを有した高密度一体型電力制御アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
電動化車両(例えば、ハイブリッド式電気自動車、プラグインハイブリッド式電気自動車、燃料電池式自動車、電気自動車)における従来のモータ駆動システムは、3つの構成要素から構成されている、すなわち、モータと、電力制御ユニット(PCU)と、高電圧ケーブルと、から構成されている。このタイプのシステムにおいては、モータと、このモータに対応したPCUとは、別々に設計して設置される。しかしながら、ケーブルの存在のために、また、別部材をなす筐体の存在のために、電力密度が制限される。相互接続ケーブルは、余分な電力損失と、余分な重量と、余分な体積と、を生み出し、システム効率を低下させる。冷却システムは、モータ及びPCUとは、別々に設計され、このため、冷却システムの複雑さを増大させる。
【0004】
これに加えて、電力制御アセンブリ(例えば、インバータ回路)が、増大した電力レベル及び電流密度で動作するように設計されるため、大きな熱流束を発生する。このことは、プリント回路基板(PCB)が、及び、電力制御アセンブリ内においてPCB上に配置された能動部品及び受動部品が、より高温に対して、及び、熱的に誘起された応力に対して、耐え得るべきであることを意味する。従来のヒートシンクは、電力制御アセンブリの動作温度を効果的に許容温度レベルにまで低下させるほどには、充分に熱を除去し得ないものであり得る。さらに、従来のヒートシンク及び冷却構造は、追加的な接合層及び熱整合材料(例えば、接合層、基板、熱界面材料)を必要とする場合がある。これらの追加的な層及び他の要因は、電力制御アセンブリに対して、パッケージングサイズを追加するとともに、実質的な熱抵抗を追加し、その熱管理を困難なものとする。
【0005】
したがって、高密度一体型電力制御アセンブリを、このアセンブリから大きな熱流束を効率的に除去するように構成することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本明細書は、電動化車両内のモータと一緒に共有した冷却システムを有した高密度一体型電力制御アセンブリに関する。一実施形態では、三相を有したモータのためのインバータとして構成された一体型電力制御アセンブリが開示される。一体型電力制御アセンブリは、モータの軸端上に直接的に取り付けられる。一体型電力制御アセンブリは、基板と、この基板上において横方向に離間して配置された4つの入力バスバーと、複数組のペアデバイスと、モータの三相に対応した3つの出力バスバーと、を含み、各組をなすペアデバイスは、スイッチング半導体と、ダイオードと、を含む。4つの入力バスバーは、負極性の2つの入力バスバーに対して交互に配置された正極性の2つの入力バスバーを含む。逆極性の内側入力バスバーは、逆極性の外側入力バスバー同士の間に配置されている。逆極性の内側入力バスバーは、逆極性の内側入力バスバーに対して隣接したエッジと、逆極性の外側入力バスバーに対して隣接したエッジと、を有している。内側入力バスバーは、外側入力バスバーと比較して、少なくとも2倍の数のデバイスが上面上に配置されているように構成されている。一組の又は複数組のペアデバイスが、個々の外側入力バスバー上において及び個々の内側入力バスバー上において、逆極性の外側入力バスバーに対して隣接したエッジに沿って及び逆極性の外側入力バスバーに対して隣接したエッジに沿って、軸線方向に配置されている。個々の出力バスバーは、逆極性の互いに隣接した入力バスバー上に配置された一組の又は複数組のペアデバイスの上側に配置されかつそれらペアデバイスに対して電気的に結合されている。
【0007】
他の実施形態では、三相モータと、この三相モータのためのインバータとして構成された一体型電力制御アセンブリと、三相モータと一体型電力制御アセンブリとを熱的に接続する共有の冷却システムと、を含むモータアセンブリが開示される。一体型電力制御アセンブリは、モータの軸端上に直接的に取り付けられる。一体型電力制御アセンブリは、基板と、この基板上において横方向に離間して配置された4つの入力バスバーと、複数組のペアデバイスと、モータの三相に対応した3つの出力バスバーと、を含み、各組をなすペアデバイスは、スイッチング半導体と、ダイオードと、を含む。4つの入力バスバーは、負極性の2つの入力バスバーに対して交互に配置された正極性の2つの入力バスバーを含む。逆極性の内側入力バスバーは、逆極性の外側入力バスバー同士の間に配置されている。逆極性の内側入力バスバーは、逆極性の内側入力バスバーに対して隣接したエッジと、逆極性の外側入力バスバーに対して隣接したエッジと、を有している。内側入力バスバーは、外側入力バスバーと比較して、少なくとも2倍の数のデバイスが上面上に配置されているように構成されている。一組の又は複数組のペアデバイスが、個々の外側入力バスバー上において及び個々の内側入力バスバー上において、逆極性の外側入力バスバーに対して隣接したエッジに沿って及び逆極性の外側入力バスバーに対して隣接したエッジに沿って、軸線方向に配置されている。個々の出力バスバーは、逆極性の互いに隣接した入力バスバー上に配置された一組の又は複数組のペアデバイスの上側に配置されかつそれらペアデバイスに対して電気的に結合されている。
【0008】
本明細書において説明する実施形態によって提供されるこれらの特徴点及び追加的な特徴は、図面と併せて、以下の詳細な説明の観点から、より完全に理解されるであろう。
【0009】
図面に示す実施形態は、実例であって本質的に例示的なものであり、特許請求の範囲によって規定される主題を限定することを意図したものではない。例示的な実施形態に関する以下の詳細な説明は、以下の図面と組み合わせて読むことにより理解することができ、図面においては、同様の構造は、同様の参照符号によって示されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本明細書において図示して説明する1つ又は複数の実施形態による、例示的な一体型電力制御アセンブリの上方からの斜視図を示す。
図2図2は、本明細書において図示して説明する1つ又は複数の実施形態による、図1の例示的な一体型電力制御アセンブリの底面側からの斜視図を示す。
図3図3は、本明細書において図示して説明する1つ又は複数の実施形態による、図1の例示的な一体型電力制御アセンブリの第1実施形態を有したモータアセンブリの回路図を示す。
図4図4は、本明細書において図示して説明する1つ又は複数の実施形態による、図1の例示的な一体型電力制御アセンブリの第2実施形態を有したモータアセンブリの回路図を示す。
図5A図5Aは、本明細書において図示して説明する1つ又は複数の実施形態による、図1の例示的な一体型電力制御アセンブリの第1実施形態に関しての、出力接続なしの状態での平面図を概略的に示す。
図5B図5Bは、本明細書において図示して説明する1つ又は複数の実施形態による、図1の例示的な一体型電力制御アセンブリの第1実施形態に関しての、出力接続ありの状態での平面図を概略的に示す。
図6A図6Aは、本明細書において図示して説明する1つ又は複数の実施形態による、図1の例示的な一体型電力制御アセンブリの第2実施形態に関しての、出力接続なしの状態での平面図を概略的に示す。
図6B図6Bは、本明細書において図示して説明する1つ又は複数の実施形態による、図1の例示的な一体型電力制御アセンブリの第2実施形態に関しての、出力接続ありの状態での平面図を概略的に示す。
図7A図7Aは、本明細書において図示して説明する1つ又は複数の実施形態による、図5Bの例示的な一体型電力制御アセンブリの第1実施形態に関する切断軸線A-Aに沿った側断面図を示す。
図7B図7Bは、本明細書において図示して説明する1つ又は複数の実施形態による、図5Bの例示的な一体型電力制御アセンブリの第1実施形態に関する切断軸線B-Bに沿った側断面図を示す。
図8A図8Aは、本明細書において図示して説明する1つ又は複数の実施形態による、図6Bの例示的な一体型電力制御アセンブリの第2実施形態に関する切断軸線A’-A’に沿った側断面図を示す。
図8B図8Bは、本明細書において図示して説明する1つ又は複数の実施形態による、図6Bの例示的な一体型電力制御アセンブリの第2実施形態に関する切断軸線B’-B’に沿った側断面図を示す。
図9A図9Aは、本明細書において図示して説明する1つ又は複数の実施形態による、図1の例示的な一体型電力制御アセンブリと、内部のモータと、を熱的に接続する共有の液体冷却式冷却システムを有したモータアセンブリを概略的に示す。
図9B図9Bは、本明細書において図示して説明する1つ又は複数の実施形態による、図1の例示的な一体型電力制御アセンブリと、内部のモータと、を熱的に接続する共有の空冷式冷却システムを有したモータアセンブリを概略的に示す。
図10図10は、本明細書において図示して説明する1つ又は複数の実施形態による、図1の例示的な一体型電力制御アセンブリを有した例示的な電気自動車を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書において説明する様々な実施形態は、電動化車両のモータと一緒に共有した冷却システムを有した高密度一体型電力制御アセンブリに関する。一体型電力制御アセンブリは、電気モータの軸端上に直接的に取り付けられたインバータとして機能するように構成されているとともに、電気モータと一緒に冷却システムを共有するように構成されている。一体型電力制御アセンブリは、基板上において交互に離間して配置された、正極性の2つの入力バスバー及び負極性の2つの入力バスバーを含み、個々の入力バスバーは、上面上に配置された複数組のペアデバイスを有している。各組をなすペアデバイスは、スイッチング半導体デバイスと、ダイオードと、を含む。電気モータの三相に対応した3つの出力バスバーは、複数組のペアデバイスの上側に配置されているとともに、それらペアデバイスに対して電気的に結合されている。入力バスバーを介して受信した直流(DC)信号は、複数組のペアデバイスによって交流(AC)信号へと変換され、出力バスバーを介して出力される。一体型電力制御アセンブリにおける入力バスバー及び出力バスバーの使用及び構成は、電力損失と電圧スパイクとゲートループインダクタンスとを低減しつつ、デバイスの動作中に発生する熱の放散を補助する、コンパクトなワイヤボンドレスパッケージを作製する。いくつかの実施形態では、逆極性の互いに隣接した入力バスバー上におけるスイッチング半導体デバイス及びダイオードは、鉛直方向において逆向きに整列され(すなわち、物理的に向きを反転させる)、これにより、パッケージング密度がさらに向上するとともに、パッケージングサイズが低減される。さらに、一体型電力制御アセンブリと電気モータとの間において共有の冷却システムを使用することにより、一体型電力制御アセンブリのために別個の冷却システムを設ける必要がない。本開示の様々な他の態様及びその変形例は、以下の実施形態に関する説明を通して説明される又は暗示される。
【0012】
図面を参照すると、図1図2は、三相モータ320(図3図4並びに図9A図9Bに示されている)のためのインバータとして構成された例示的な一体型電力制御アセンブリ100に関しての、上方からの及び底面側からの斜視図を示している。しかしながら、異なる実施形態では、例示的な一体型電力制御アセンブリ100は、本開示の原理及び範囲から逸脱することなく、二相モータのためのあるいは四相以上のモータのためのインバータとして構成することができる。図1図2に示す非限定的な例では、一体型電力制御アセンブリ100は、三相(U、V、W)インバータとして構成されており、モータ320のためにパルス幅変調(PWM)を使用して、DC電圧を、それぞれ異なる3つの相U、V、Wにおける等振幅の3つの正弦AC波へと、変換する。いくつかの実施形態では、モータ320が4つ以上の相を有する場合、一体型電力制御アセンブリ100は、冗長性のために、追加的な又は代替的な1つ又は複数のAC出力を生成するように構成される。
【0013】
一体型電力制御アセンブリ100は、底面112と側壁116とを有した円筒状リング形状の金属製ハウジング110を含む。上面上に横方向に離間して配置された4つの入力バスバー140a、140b、140c、140dを有した基板120が、側壁116に沿った円弧形状開口114を挿通しつつ、ハウジング110内に収容されている。4つの入力バスバー140a、140b、140c、140dは、3つのキャパシタ160a、160b、160cと、それら入力バスバーを横切って配置された多数のデバイスと、を有するように構成されている。3つのキャパシタ160a、160b、160cが、図1の非限定的な実施形態では使用されているけれども、他の実施形態では、同等キャパシタンスの、1つ、2つ、又は、4つ以上のキャパシタが存在してもよい。3つの出力バスバー150a、150b、150cが、4つの入力バスバー140a、140b、140c、140dに対して、及び、それら入力バスバー上に配置されたデバイスに対して、電気的に結合されている。3つの出力バスバー150a、150b、150cは、3つの矩形開口115a、115b、115cのそれぞれ対応するものを挿通してハウジング110の外部へと適応されている。3つの矩形開口115a、115b、115cは、側壁116の反対側の端部に配置されている。プリント回路基板(PCB)170が、ハウジング110内の3つの出力バスバー150a、150b、150c及び3つのキャパシタ160a、160b、160cの上側において及びそれらを横切って(例えば、半田ボールを使用して)接合されている。
【0014】
基板120は、図7A図7B並びに図8A図8Bに示すように、熱界面層730と、この熱界面層730の上側に配置された熱拡散層720と、電気絶縁層710と、を含む。熱界面層730は、強化された熱的接続のために、限定するものではないがシリコンなどの熱界面材料(TIM)から形成される。熱拡散層720は、限定するものではないが、銅、アルミニウム、ニッケル、及び同種のもの、などの導電性材料から形成される。電気絶縁層710は、限定するものではないが窒化アルミニウムなどの電気絶縁性材料から形成される。
【0015】
4つの入力バスバー140a、140b、140c、140dと、3つの出力バスバー150a、150b、150cとは、限定するものではないが、銅、アルミニウム、ニッケル、及び同種のもの、などの導電性材料から形成される。いくつかの実施形態では、PCB170は、限定するものではないがFR-4などのガラス繊維強化エポキシ樹脂から形成された難燃性複合材料から構成されてもよい。他の実施形態では、PCB170は、限定するものではないが低温共焼セラミック(LTCC)材料又は酸化アルミニウムなどの、250℃を超える温度に耐え得るセラミック材料で構成されてもよい。
【0016】
図3は、例示的な一体型電力制御アセンブリ310の第1実施形態を有したモータアセンブリ300の回路図を示しており、図5A図5Bは、出力接続なしの状態と出力接続ありの状態とのそれぞれに関して、対応する平面図を概略的に示している。よって、図5Aは、3つの出力バスバー150a、150b、150cと、PCB170と、が設けられていない状態で、一体型電力制御アセンブリ310の平面図を示している。図5Bは、上面上に3つの出力バスバー150a、150b、150cが配置されているものの、PCB170がなおも設けられていない状態で、一体型電力制御アセンブリ310を示している。図7A図7Bは、例示的な一体型電力制御アセンブリ310の第1実施形態に関する図5Bにおいて、切断軸線A-A及びB-Bのそれぞれに沿った側断面図を示している。図7A図7Bは、さらに、一体型電力制御アセンブリ310において、3つの出力バスバー150a、150b、150cの上側に、PCB170を配置する方法を示している。
【0017】
図3に示すように、一体型電力制御アセンブリ310は、バッテリ350と、U相AC入力322とV相AC入力324とW相AC入力326とを有したモータ320と、の間において電気的に接続されている。この第1実施形態では、一体型電力制御アセンブリ310は、複数組のペアデバイス330a、330b、...、330nを含み、各組をなすペアデバイスは、ダイオード(例えば、D1、D2、等)に対して電気的に接続されたスイッチング半導体デバイス(例えば、Q1、Q2、等)を有し、バッテリ350からのDC入力を受領するとともに、モータ320に対してAC出力を提供し、ここで、第1組のペアデバイス内のスイッチング半導体デバイスとダイオードとは、第1組のペアデバイスに対して横方向に隣接した第2組のペアデバイス内のそれぞれダイオードとスイッチング半導体デバイスとに対して横方向に隣接している。例えば、第1組330aのダイオードD1は、第2組330bのスイッチング半導体デバイスQ2に対して横方向に隣接し、第1組330aのスイッチング半導体デバイスQ1は、第2組330bのダイオードD2に対して横方向に隣接し、ここで、330a、330bは、互いに横方向に隣接したペアデバイスである。
【0018】
さらに、個々の組をなすペアデバイス330a、330b、...、330n内へと流入するDC入力電流は、バッテリ350の正極端子352に対して電気的に接続された2つの正極端子340b、340dのいずれかを介して、あるいは、バッテリ350の負極端子354に対して電気的に接続された2つの負極端子340a、340cのいずれかを介して、流れる。例えば、第1組330aは、負極端子340aを介してバッテリからのDC入力電流を受領し、第2組330bは、正極端子340bを介してバッテリからのDC入力電流を受領する。その後、隣接した組をなすペアデバイス330a、330b、...、330nから流出するAC出力電流は、U相AC入力322、V相AC入力324、又はW相AC入力326へと、合流した上で送出される。例えば、第1組330a及び第2組330bからのAC出力電流は、U相AC入力322へと、合流した上で送出される。
【0019】
図3は、また、バッテリ350と、個々の組をなすペアデバイス330a、330b、...、330n内へと流入するDC入力電流と、の間において電気的に結合されたキャパシタ160a、160b、160cを示している。例えば、キャパシタ160aは、バッテリ350と、第1組330a及び第2組330b内へと流入するDC入力電流と、の間において電気的に結合されている。キャパシタ160a、160b、160cは、各組をなすペアデバイス330a、330b、...、330n内の1つ又は複数のスイッチング半導体デバイスQ1、Q2、等が、AC出力を生成するために最適に動作し得るよう、バッテリ350からのDC入力電流のあらゆる電圧振動を平滑化して平衡化するように動作可能である。上述したように、異なる実施形態では、3つのキャパシタ160a、160b、160cと同じ機能を実行する同等キャパシタンスの、1つ、2つ、又は4つ以上のキャパシタが存在してもよい。
【0020】
図5A図5Bに示すように、複数組のペアデバイス330a、330b、...、330nは、4つの入力バスバー140a、140b、140c、140d上に配置されている。4つの入力バスバー140a、140b、140c、140dは、基板120上において、負極性の2つの入力バスバー140a、140cに対して交互に配置された正極性の2つの入力バスバー140b、140dを含む。正極性の2つの入力バスバー140b、140dは、2つの正極端子340b、340dを介してバッテリ350(図5A図5Bには示されていない)に対するDC接続を提供し、他方、負極性の2つの入力バスバー140a、140cは、2つの負極端子340a、340cを介してバッテリ350(図5A図5Bには示されていない)に対するDC接続を提供する。よって、正極端子340bを有した内側入力バスバー140bと、負極端子340cを有した内側入力バスバー140cとは、負極端子340aを有した外側入力バスバー140aと、正極端子340dを有した外側入力バスバー140dと、の間に配置されている。
【0021】
正極性の内側入力バスバー140bは、負極性の外側入力バスバー140aに対して隣接したエッジ342bと、負極性の内側入力バスバー140cに対して隣接したエッジ344bと、を有している。同様に、負極性の内側入力バスバー140cは、正極性の内側入力バスバー140bに対して隣接したエッジ342cと、正極性の外側入力バスバー140dに対して隣接したエッジ344cと、を有している。よって、正極性及び負極性の個々の内側入力バスバー140b、140cは、それぞれ、負極性及び正極性の内側入力バスバー140c、140bに対して隣接したエッジ344b、342cを有している。さらに、正極性及び負極性の個々の内側入力バスバー140b、140cは、それぞれ、負極性及び正極性の外側入力バスバー140a、140dに対して隣接したエッジ342b、344cを有している。
【0022】
図5A図5Bに示す非限定的な例では、一組の又は複数組のペアデバイス330a、330b、...、330nは、個々の外側入力バスバー140a、140d上において軸線方向に配置されている。一組の又は複数組のペアデバイス330a、330b、...、330nは、正極性及び負極性の個々の内側入力バスバー140b、140c上において、それぞれ負極性及び正極性の内側入力バスバー140c、140bに対して隣接したエッジ344b、342cに沿って、軸線方向に配置されている。さらに、一組の又は複数組のペアデバイス330a、330b、...、330nは、正極性及び負極性の個々の内側入力バスバー140b、140c上において、それぞれ負極性及び正極性の外側入力バスバー140a、140dに対して隣接したエッジ342b、344cに沿って、軸線方向に配置されている。よって、内側入力バスバー140b、140cは、外側入力バスバー140a、140dと比較して、少なくとも2倍の数のデバイスが上面上に配置されているように構成されている。図5A図5Bの非限定的な実施形態に示すように、6組のペアデバイス330a、330b、...、330nが、すなわち12個のデバイスが、各内側入力バスバー140b、140c上に配置されているのに対し、3組のペアデバイス330a、330b、...、330nのみが、すなわち6個のデバイスのみが、各外側入力バスバー140a、140d上に配置されている。図5A図5Bに示す実施形態では、36個のデバイスが、すなわち、18個のスイッチング半導体デバイスと18個のダイオードとが、入力バスバー140a、140b、140c、140dの上側においてそれら入力バスバーを横切って配置されているが、異なる実施形態では、より多数のあるいはより少数のデバイスが配置されてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、パッケージングサイズを小さくしてパッケージング密度を高めるために、逆極性の互いに隣接した入力バスバー140a、140b/140b、140c/140c、140d上におけるスイッチング半導体デバイスQ1、Q2、等を、鉛直方向において逆向きに整列させることができる(すなわち、それぞれのスイッチング半導体デバイスQ1、Q2、等のゲートG(Q1)、G(Q2)、等が、それぞれのスイッチング半導体デバイスQ1、Q2、等の反対側の面上に位置するように、物理的に向きを反転させる)。他の実施形態では、パッケージングサイズを小さくしてパッケージング密度を高めるために、逆極性の互いに隣接した入力バスバー140a、140b/140b、140c/140c、140d上におけるダイオードD1、D2、等を、追加的に又は代替的に、鉛直方向において逆向きに整列させることができる(すなわち、物理的に向きを反転させる)。
【0024】
図5Bに示すように、3つの出力バスバー150a、150b、150cは、一組の又は複数組のペアデバイス330a、330b、...、330nの上側において、4つの入力バスバー140a、140b、140c、140dを横切って、配置されている。個々の出力バスバー150a/150b/150cは、逆極性の互いに隣接した入力バスバー140a、140b/140b、140c/140c、140dを横切って配置された一組の又は複数組のペアデバイス330a、330b、...、330nに対して電気的に結合されている。個々の出力バスバー150a/150b/150cは、モータ320(図5A図5Bには示されていない)の三相U、V、Wをなす個々の相に対応したAC出力接続を提供する。そして、図5A図5Bに示すように、キャパシタ160a、160b、160cは、個々のキャパシタ160a/160b/160cが、逆極性の互いに隣接した入力バスバー140a、140b/140b、140c/140c、140dを横切って配置されるように、4つの入力バスバー140a、140b、140c、140dを横切って配置されている。
【0025】
スイッチング半導体デバイスQ1、Q2、等は、モータ320が起動された時には、出力バスバー150a、150b、150cを通して、モータ320内へと出力されるAC電流が流れることを可能とする。スイッチング半導体デバイスQ1、Q2、等は、限定するものではないが、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、逆導電型IGBT(RC-IGBT)、金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、パワーMOSFET、ダイオード、トランジスタ、及び/又は、これらの組合せ(例えば、パワーカード)、などの1つ又は複数の半導体デバイスとすることができる。いくつかの実施形態では、スイッチング半導体デバイスQ1、Q2、等は、ワイドバンドギャップ半導体を含むことができ、限定するものではないが、炭化ケイ素(SiC)、二酸化ケイ素(SiO2)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化ホウ素(BN)、及び同種のもの、などの任意の適切な材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、スイッチング半導体デバイスQ1、Q2、等は、大電流において、及び、例えば250℃を超えるような高温下において、動作するものであり、例示的な一体型電力制御アセンブリ100の継続的な動作のためには除去されなければならない多量の熱を発生する。ダイオードD1、D2、等は、モータ320が停止された時には、入力バスバー140a、140b、140c、140dを通して、バッテリ350へと戻るようにDC電流が流れることを可能とする。
【0026】
図7Aは、図5Bの切断軸線A-Aに沿った一体型電力制御アセンブリ310の断面図を示している。切断軸線A-Aは、基板120上に配置された4つの入力バスバー140a、140b、140c、140d上に実装されたスイッチング半導体デバイスQ4、Q10、Q16及びダイオードD3、D9、D15を横断している。スイッチング半導体デバイスQ4は、外側入力バスバー140a上に配置され、ダイオードD3及びスイッチング半導体デバイスQ10は、内側入力バスバー140b上に配置され、ダイオードD9及びスイッチング半導体デバイスQ16は、内側入力バスバー140c上に配置され、ダイオードD15は、外側入力バスバー140d上に配置されている。スイッチング半導体デバイスQ4及びダイオードD3は、上面上に配置された出力バスバー150aに対して出力を提供する。スイッチング半導体デバイスQ10及びダイオードD9は、上面上に配置された出力バスバー150bに対して出力を提供する。スイッチング半導体デバイスQ16及びダイオードD15は、上面上に配置された出力バスバー150cに対して出力を提供する。いくつかの実施形態では、スイッチング半導体デバイスQ4、Q10、Q16を、対応する入力バスバー140a、140b、140c、140dに対して、及び、対応する出力バスバー150a、150b、150cに対して、接合するために、限定するものではないが銅ボンディングペースト又は半田などの接合剤を使用してもよい。PCB170は、3つの出力バスバー150a、150b、150cの上側においてこれら出力バスバーを横切って配置されている。PCB170は、一体型電力制御アセンブリ310上のすべてのスイッチング半導体デバイスQ1、Q2、等を動作可能に制御するために、上面上に配置された複数のゲート駆動デバイス770を有している。図7Aに示すように、3つのゲート駆動デバイス770(Q4)、770(Q10)、770(Q16)が、それぞれ対応するスイッチング半導体デバイスQ4、Q10、Q16を動作可能に制御するために、PCB170上に配置されている。
【0027】
正極性の内側入力バスバー140b上に配置されたスイッチング半導体デバイスQ10に対応したゲート駆動デバイス770(Q10)は、ゲート駆動信号を駆動するために、PCB170を貫通して配置された第1導電性ビア790aを介して、スイッチング半導体デバイスQ10のうちの、スイッチング半導体デバイスQ10と出力バスバー150bとの間に配置されたゲートG(Q10)に対して、電気的に接続されている。ゲート駆動デバイス770(Q10)は、PCB170を貫通して配置された第2導電性ビア790bを介して、出力バスバー150bに対して電気的に接地されている。いくつかの実施形態では、第1導電性ビア790aは、PCB170と、スイッチング半導体デバイスQ10のゲートG(Q10)と、の間に配置された導電性ポストであってもよい。
【0028】
負極性の入力バスバー140a、140c上に配置されたスイッチング半導体デバイスQ4、Q16に対応したゲート駆動デバイス770(Q4)、770(Q16)は、それぞれ、L字形状の導電性ビア780aを介して、スイッチング半導体デバイスQ4、Q16のうちの、スイッチング半導体デバイスQ4、Q16と入力バスバー140a、140cとの間に配置されたゲートG(Q4)、G(Q16)に対して、電気的に接続されている。PCB170と開口760(Q4)、760(Q16)とを貫通して配置された個々のL字形状の導電性ビア780aのそれぞれは、接合ワイヤの代わりにゲート駆動信号を駆動するために使用される。開口760(Q4)、760(Q16)は、L字形状の導電性ビア780aを収容する形状とされ、スイッチング半導体デバイスQ4、Q16のゲート端子を露出させるために、負極性の入力バスバー140a、140c内にそれぞれ穴を開けて形成されている。さらに、ゲート駆動デバイス770(Q4)、770(Q16)は、PCB170を貫通して配置された第3導電性ビア780bを介して、負極性の入力バスバー140a、140cに対して電気的に接地されている。
【0029】
図7Bは、図5Bの切断軸線B-Bに沿った一体型電力制御アセンブリ310の断面図を示している。切断軸線B-Bは、基板120上に配置された4つの入力バスバー140a、140b、140c、140d上に実装されたスイッチング半導体デバイスQ5、Q11、Q17及びダイオードD6、D12、D18を横断している。ダイオードD6は、外側入力バスバー140a上に配置され、スイッチング半導体デバイスQ5及びダイオードD12は、内側入力バスバー140b上に配置され、スイッチング半導体デバイスQ11及びダイオードD18は、内側入力バスバー140c上に配置され、スイッチング半導体デバイスQ17は、外側入力バスバー140d上に配置されている。ダイオードD6及びスイッチング半導体デバイスQ5は、上面上に配置された出力バスバー150aに対して出力を提供する。ダイオードD12及びスイッチング半導体デバイスQ11は、上面上に配置された出力バスバー150bに対して出力を提供する。ダイオードD18及びスイッチング半導体デバイスQ17は、上面上に配置された出力バスバー150cに対して出力を提供する。図7Aに示すように、3つのゲート駆動デバイス770(Q5)、770(Q11)、770(Q17)が、それぞれ対応するスイッチング半導体デバイスQ5、Q11、Q17を動作可能に制御するために、PCB170上に配置されている。
【0030】
正極性の入力バスバー140b、140d上に配置されたスイッチング半導体デバイスQ5、Q17に対応したゲート駆動デバイス770(Q5)、770(Q17)は、ゲート駆動信号を駆動するために、PCB170を貫通して配置された第1導電性ビア790aを介して、スイッチング半導体デバイスQ5、Q17のうちの、スイッチング半導体デバイスQ5、Q17と出力バスバー150b、150dとの間に配置されたゲートG(Q5)、G(Q17)に対して、電気的に接続されている。ゲート駆動デバイス770(Q5)、770(Q17)は、PCB170を貫通して配置された第2導電性ビア790bを介して、出力バスバー150b、150dに対して電気的に接地されている。いくつかの実施形態では、第1導電性ビア790aは、PCB170と、スイッチング半導体デバイスQ5、Q17のゲートG(Q5)、G(Q17)と、の間に配置された導電性ポストであってもよい。
【0031】
負極性の内側入力バスバー140c上に配置されたスイッチング半導体デバイスQ11に対応したゲート駆動デバイス770(Q11)は、L字形状の導電性ビア780aを介して、スイッチング半導体デバイスQ11のうちの、スイッチング半導体デバイスQ11と内側入力バスバー140cとの間に配置されたゲートG(Q11)に対して、電気的に接続されている。PCB170と開口760(Q11)とを貫通して配置された個別のL字型導電性ビア780aは、接合ワイヤの代わりにゲート駆動信号を駆動するために使用される。開口760(Q11)は、L字形状の導電性ビア780aを収容する形状とされ、スイッチング半導体デバイスQ11のゲート端子を露出させるために、負極性の内側入力バスバー140c内に穴を開けて形成されている。さらに、ゲート駆動デバイス770(Q11)は、PCB170を貫通して配置された第3導電性ビア780bを介して、負極性の内側入力バスバー140cに対して電気的に接地されている。
【0032】
図7A図7Bの非限定的な例では、基板120は、複数のマイクロチャネル755を有した冷却デバイス750の上側に配置することができる。異なる実施形態では、基板120は、また、共有の液体冷却式冷却システム950(図9Aに示す)に対して、あるいは、共有の空冷式冷却システム960(図9Bに示す)に対して、熱的に接続することもできる。
【0033】
図4は、例示的な一体型電力制御アセンブリ410の第2実施形態を有したモータアセンブリ400の回路図を示しており、図6A図6Bは、出力接続なしの状態で及び出力接続ありの状態で、対応する平面図を概略的に示している。よって、図6Aは、3つの出力バスバー150a、150b、150cもPCB170もない状態で、一体型電力制御アセンブリ410の平面図を示している。図6Bは、3つの出力バスバー150a、150b、150cが上面上に配置されているものの、なおもPCB170がない状態で、一体型電力制御アセンブリ410を示している。図8A図8Bは、例示的な一体型電力制御アセンブリ410の第2実施形態に関する図6Bにおいて、それぞれ切断軸線A’-A’及びB’-B’に沿った側断面図を示している。図8A図8Bは、さらに、一体型電力制御アセンブリ410において、3つの出力バスバー150a、150b、150cの上側に、PCB170を配置する方法を示している。
【0034】
図4に示すように、一体型電力制御アセンブリ410は、バッテリ350と、U相AC入力322とV相AC入力324とW相AC入力326とを有したモータ320と、の間において電気的に接続されている。この第2実施形態では、一体型電力制御アセンブリ410は、複数組のペアデバイス430a、430b、...、430nを含み、各組をなすペアデバイスは、ダイオード(例えば、D1、D2、等)に対して電気的に接続されたスイッチング半導体デバイス(例えば、Q1、Q2、等)を有し、バッテリ350からのDC入力を受領するとともに、モータ320に対してAC出力を提供し、ここで、第1組のペアデバイス内のスイッチング半導体デバイスとダイオードとは、第1組のペアデバイスに対して横方向に隣接した第2組のペアデバイス内のそれぞれスイッチング半導体デバイスとダイオードとに対して横方向に隣接している。例えば、第1組430aのダイオードD1は、第2組430bのダイオードD2に対して横方向に隣接し、第1組430aのスイッチング半導体デバイスQ1は、第2組430bのスイッチング半導体デバイスQ2に対して横方向に隣接し、ここで、430a、430bは、互いに横方向に隣接したペアデバイスである。
【0035】
さらに、個々の組をなすペアデバイス430a、430b、...、430n内へと流入するDC入力電流は、バッテリ350の正極端子352に対して電気的に接続された2つの正極端子440b、440dのいずれかを介して、あるいは、バッテリ350の負極端子354に対して電気的に接続された2つの負極端子440a、440cのいずれかを介して、流れる。例えば、第1組430aは、負極端子440aを介してバッテリ350からのDC入力電流を受領し、第2組430bは、正極端子440bを介してバッテリ350からのDC入力電流を受領する。その後、隣接した組をなすペアデバイス430a、430b、...、430nから流出するAC出力電流は、U相AC入力322、V相AC入力324、又はW相AC入力326へと、合流した上で送出される。例えば、第1組430a及び第2組430bからのAC出力電流は、U相AC入力322へと、合流した上で送出される。
【0036】
図4は、また、バッテリ350と、個々の組をなすペアデバイス430a、430b、...、430n内へと流入するDC入力電流と、の間において電気的に結合されたキャパシタ160a、160b、160cを示している。例えば、キャパシタ160aは、バッテリ350と、第1組430a及び第2組430b内へと流入するDC入力電流と、の間において電気的に結合されている。キャパシタ160a、160b、160cは、各組をなすペアデバイス430a、430b、...、430n内の1つ又は複数のスイッチング半導体デバイスQ1、Q2、等が、AC出力を生成するために最適に動作し得るよう、バッテリ350からのDC入力電流のあらゆる電圧振動を平滑化して平衡化するように動作可能である。上述したように、異なる実施形態では、3つのキャパシタ160a、160b、160cと同じ機能を実行する同等キャパシタンスの、1つ、2つ、又は4つ以上のキャパシタが存在してもよい。
【0037】
図6A図6Bに示すように、複数組のペアデバイス430a、430b、...、330nは、4つの入力バスバー上に配置されている、すなわち、負極端子440aを有した外側入力バスバー140aと、正極端子440bを有した内側入力バスバー140bと、負極端子440cを有した内側入力バスバー140cと、正極端子440aを有した外側入力バスバー140dと、の上に配置されている。4つの入力バスバー140a、140b、140c、140dは、図5A図5Bに図示して上述したのと実質的に同様の態様で、基板120上に配置されている。
【0038】
正極性の内側入力バスバー140bは、負極性の外側入力バスバー140aに対して隣接したエッジ442bと、負極性の内側入力バスバー140cに対して隣接したエッジ444bと、を有している。同様に、負極性の内側入力バスバー140cは、正極性の内側入力バスバー140bに対して隣接したエッジ442cと、正極性の外側入力バスバー140dに対して隣接したエッジ444cと、を有している。よって、正極性及び負極性の個々の内側入力バスバー140b、140cは、それぞれ、負極性及び正極性の内側入力バスバー140c、140bに対して隣接したエッジ444b、442cを有している。さらに、正極性及び負極性の個々の内側入力バスバー140b、140cは、それぞれ、負極性及び正極性の外側入力バスバー140a、140dに対して隣接したエッジ442b、444cを有している。
【0039】
図6A図6Bに示す非限定的な例では、一組の又は複数組のペアデバイス430a、430b、...、430nは、個々の外側入力バスバー140a、140d上において軸線方向に配置されている。一組の又は複数組のペアデバイス430a、430b、...、430nは、正極性及び負極性の個々の内側入力バスバー140b、140c上において、それぞれ負極性及び正極性の内側入力バスバー140c、140bに対して隣接したエッジ444b、442cに沿って、軸線方向に配置されている。さらに、一組の又は複数組のペアデバイス430a、430b、...、430nは、正極性及び負極性の個々の内側入力バスバー140b、140c上において、それぞれ負極性及び正極性の外側入力バスバー140a、140dに対して隣接したエッジ442b、444cに沿って、軸線方向に配置されている。よって、内側入力バスバー140b、140cは、外側入力バスバー140a、140dと比較して、少なくとも2倍の数のデバイス少なくとも2倍の数のデバイスが上面上に配置されているように構成されている。図6A図6Bの非限定的な実施形態に示すように、6組のペアデバイス430a、430b、...、430nが、すなわち12個のデバイスが、各内側入力バスバー140b、140c上に配置されているのに対し、3組のペアデバイス430a、430b、...、430nのみが、すなわち6個のデバイスのみが、各外側入力バスバー140a、140d上に配置されている。図6A図6Bに示す実施形態では、36個のデバイスが、すなわち、18個のスイッチング半導体デバイスと18個のダイオードとが、入力バスバー140a、140b、140c、140dの上側においてそれら入力バスバーを横切って配置されているが、異なる実施形態では、より多数のあるいはより少数のデバイスが配置されてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、パッケージングサイズを小さくしてパッケージング密度を高めるために、逆極性の互いに隣接した入力バスバー140a、140b/140b、140c/140c、140d上におけるスイッチング半導体デバイスQ1、Q2、等を、鉛直方向において逆向きに整列させることができる(すなわち、それぞれのスイッチング半導体デバイスQ1、Q2、等のゲートG(Q1)、G(Q2)、等が、それぞれのスイッチング半導体デバイスQ1、Q2、等の反対側の面上に位置するように、物理的に向きを反転させる)。他の実施形態では、パッケージングサイズを小さくしてパッケージング密度を高めるために、逆極性の互いに隣接した入力バスバー140a、140b/140b、140c/140c、140d上におけるダイオードD1、D2、等を、追加的に又は代替的に、鉛直方向において逆向きに整列させることができる(すなわち、物理的に向きを反転させる)。その後、図6Bに示すように、3つの出力バスバー150a、150b、150cが、図5A図5Bに図示して上述したのと実質的に同様の態様で、4つの入力バスバー140a、140b、140c、140dを横切って、一組の又は複数組のペアデバイス430a、430b、...、430nの上側に配置される。
【0041】
図8Aは、図6Bの切断軸線A’-A’に沿った一体型電力制御アセンブリ410の断面図を示している。切断軸線A’-A’は、基板120上に配置された4つの入力バスバー140a、140b、140c、140d上に実装されたスイッチング半導体デバイスQ4、Q3、Q10、Q9、Q16、Q15を横断している。スイッチング半導体デバイスQ4は、外側入力バスバー140a上に配置され、スイッチング半導体デバイスQ3、Q10は、内側入力バスバー140b上に配置され、スイッチング半導体デバイスQ9、Q16は、内側入力バスバー140c上に配置され、スイッチング半導体デバイスQ15は、外側入力バスバー140d上に配置されている。スイッチング半導体デバイスQ4、Q3は、上面上に配置された出力バスバー150aに対して出力を提供する。スイッチング半導体デバイスQ10、Q9は、上面上に配置された出力バスバー150bに対して出力を提供する。スイッチング半導体デバイスQ16、Q15は、上面上に配置された出力バスバー150cに対して出力を提供する。いくつかの実施形態では、スイッチング半導体デバイスQ4、Q3、Q10、Q9、Q16、Q15を、対応する入力バスバー140a、140b、140c、140dに対して、及び、対応する出力バスバー150a、150b、150cに対して、接合するために、限定するものではないが銅ボンディングペースト又は半田などの接合剤を使用してもよい。PCB170は、3つの出力バスバー150a、150b、150cの上側においてこれら出力バスバーを横切って配置されている。PCB170は、一体型電力制御アセンブリ310上のすべてのスイッチング半導体デバイスQ1、Q2、等を動作可能に制御するために、上面上に配置された複数のゲート駆動デバイス770を有している。ゲート駆動デバイス770は、1つ又は複数の能動的な構成要素を含むことができ、PCB170上に配置された、限定するものではないが、1つ又は複数のキャパシタ、1つ又は複数の抵抗器、1つ又は複数の変圧器、及び、1つ又は複数のインダクタ、などの1つ又は複数の受動的な構成要素に対して結合することができる。図8Aに示すように、ゲート駆動デバイス770(Q4)、770(Q3)、770(Q10)、770(Q9)、770(Q16)、770(Q15)は、それぞれ対応するスイッチング半導体デバイスQ4、Q3、Q10、Q9、Q16、Q15を動作可能に制御するために、PCB170上に配置されている。
【0042】
正極性の入力バスバー140b、140b、140d上に配置されたスイッチング半導体デバイスQ3、Q10、Q15に対応したゲート駆動デバイス770(Q3)、770(Q10)、770(Q15)は、ゲート駆動信号を駆動するために、それぞれ、PCB170を貫通して配置された第1導電性ビア790aを介して、スイッチング半導体デバイスQ3、Q10、Q15のうちの、スイッチング半導体デバイスQ3、Q10、Q15と出力バスバー150a、150b、150cとの間にそれぞれ配置されたゲートG(Q3)、G(Q10)、G(Q15)に対して、電気的に接続されている。ゲート駆動デバイス770(Q3)、770(Q10)、770(Q15)は、PCB170を貫通して配置された第2導電性ビア790bを介して、出力バスバー150a、150b、150cに対して電気的に接地されている。いくつかの実施形態では、第1導電性ビア790aは、PCB170と、スイッチング半導体デバイスQ3、Q10、Q15のゲートG(Q3)、G(Q10)、G(Q15)のそれぞれと、の間に配置された導電性ポストであってもよい。
【0043】
負極性の入力バスバー140a、140c、140c上に配置されたスイッチング半導体デバイスQ4、Q9、Q16に対応したゲート駆動デバイス770(Q4)、770(Q9)、770(Q16)は、それぞれ、L字形状の導電性ビア780aを介して、スイッチング半導体デバイスQ4、Q9、Q16のうちの、スイッチング半導体デバイスQ4、Q9、Q16と入力バスバー140a、140c、140cとの間に配置されたゲートG(Q4)、G(Q9)、G(Q16)に対して、電気的に接続されている。PCB170と開口760(Q4)、760(Q9)、760(Q16)のそれぞれとを貫通して配置された個々のL字型導電性ビア780aは、接合ワイヤの代わりにゲート駆動信号を駆動するために使用される。開口760(Q4)、760(Q9)、760(Q16)は、L字形状の導電性ビア780aを収容する形状とされ、それぞれスイッチング半導体デバイスQ4、Q9、Q16のゲート端子を露出させるために、それぞれ負極性の入力バスバー140a、140c、140c内に穴を開けて形成されている。さらに、ゲート駆動デバイス770(Q4)、770(Q9)、770(Q16)は、PCB170を貫通して配置された第3導電性ビア780bを介して、負極性の入力バスバー140a、140c、140cに対して電気的に接地されている。
【0044】
図8Bは、図6Bの切断軸線B’-B’に沿った一体型電力制御アセンブリ410の断面図を示している。切断軸線B’-B’は、基板120上に配置された4つの入力バスバー140a、140b、140c、140d上に実装されたダイオードD6、D5、D12、D11、D18、D17を横断している。ダイオードD6は、外側入力バスバー140a上に配置され、ダイオードD5、D12は、内側入力バスバー140b上に配置され、ダイオードD11、D18は、内側入力バスバー140c上に配置され、ダイオードD17は、外側入力バスバー140d上に配置されている。ダイオードD6、D5は、上面上に配置された出力バスバー150aに対して電気的に接続されている。ダイオードD12、D11は、上面上に配置された出力バスバー150bに対して電気的に接続されている。ダイオードD18、D17は、上面上に配置された出力バスバー150cに対して電気的に接続されている。
【0045】
図9Aは、モータ320とこのモータに対して結合された例示的な一体型電力制御アセンブリ100とを熱的に接続している共有の液体冷却式冷却システム950を有したモータアセンブリ900aを、概略的に示している。モータ320は、モータアセンブリ900aの壁910内に格納されたロータ920及びステータ930を含む。モータアセンブリ900aは、第1軸端942と、この第1軸端942とは反対側の第2軸端944と、第1軸端942と第2軸端944との間のモータシャフト940と、を有している。モータシャフト940は、第2軸端944に向かって、開口945内において開口している。第1軸端942は、車両1000(図10に示す)の駆動シャフト及び動力伝達ギア(図示せず)に対して連結されるように構成されている。一体型電力制御アセンブリ100は、モータ320の第2軸端944に対して直接的に取り付けられる。
【0046】
共有の液体冷却式冷却システム950は、流体入口952と流体出口954との間に配置された流体チャネル955を含む。流体チャネル955は、一体型電力制御アセンブリ100及びモータシャフト940の周囲において開口945内に配置されている。冷却流体は、流体入口952と流体出口954との間にわたって、ポンプ(図示せず)によって案内されて、流体チャネル955を通して流れる。冷却流体は、モータ320及び一体型電力制御アセンブリ100の動作に基づいて発生した熱を、吸収して伝達するように構成されている。冷却流体は、エチレングリコール混合物、水、等の導電性流体であってもよいし、単相冷却を受ける誘電体冷却流体であってもよい。いくつかの実施形態では、冷却流体は、液相から気相への変換によって二相冷却を受けることができる。
【0047】
図9Bは、モータ320とこのモータに対して結合された例示的な一体型電力制御アセンブリ100とを熱的に接続している共有の空冷式冷却システム960を有したモータアセンブリ900bを、概略的に示している。モータ320は、モータアセンブリ900bの壁910内に格納されたロータ920及びステータ930を含む。モータアセンブリ900bは、第1軸端942と第2軸端944との間に配置されたモータシャフト940を有している。モータシャフト940は、第2軸端944に向かって、開口945内において開口している。第1軸端942は、車両1000(図10に示す)の駆動シャフト及び動力伝達ギア(図示せず)に対して連結されるように構成されている。一体型電力制御アセンブリ100は、モータ320の第2軸端944に対して直接的に取り付けられる。
【0048】
共有の空冷式冷却システム960は、開口945内において一体型電力制御アセンブリ100に対して結合された複数のフィン970と、第1軸端942に設けられたエア入口982と、第2軸端944に設けられたエア出口984と、を含む。冷却エアは、エア入口982から複数のフィン970内へと流入し、エア出口984から流出する。冷却エアは、モータ320及び一体型電力制御アセンブリ100の動作に基づいて発生した熱を、吸収して伝達するように構成されている。
【0049】
上述したように、本明細書において説明する一体型電力制御アセンブリ100は、車両1000のモータアセンブリ900a、900b内に組み込むことができる。車両1000は、ハイブリッド車両、プラグイン電気ハイブリッド車両、電気自動車、あるいは、電気モータを利用した任意の車両、とすることができる。図10は、例示的な一体型電力制御アセンブリ100に対して電気的に結合されたモータ320を有した車両1000を概略的に示している。車両1000は、一般に、ガソリンエンジン1070と、上述した電気モータ320と、を含み、これらの双方は、道路上で車両1000を推進し得るよう、車両1000の車輪1080に対して回転運動を提供するように構成されている。例示的な一体型電力制御アセンブリ100は、電気モータ320の軸端上に取り付けられるとともに、電気モータ320のためのインバータとして構成される。例示的な一体型電力制御アセンブリ100は、さらに、電気コネクタ1075を介して、上述したようにバッテリパック350に対して電気的に結合される。
【0050】
本明細書において説明する一体型電力制御アセンブリ100は、有利には、電気モータのためのインバータとして機能するように構成することができる。バスバーの使用は、電気的接続を短縮するとともに、高電圧ケーブルの相互接続を不要として、コンパクトにパッケージ化されたインバータを作製する。ワイヤボンドの除去によるパッケージサイズの低減化に加えて、ワイヤボンドレスパッケージングは、ループインダクタンス、電圧スパイク、及び、スイッチング電力損失、を低減する。逆極性の互いに隣接した入力バスバー上においてスイッチング半導体デバイス及びダイオードが鉛直方向において逆向きに整列させる(すなわち、物理的に向きを反転させる)実施形態では、パッキング密度がさらに向上する。さらに、一体型電力制御アセンブリと電気モータとの間で共有された冷却システムを使用することにより、一体型電力制御アセンブリのための別個の冷却システムが不要となる。バスバーの使用は、スイッチング半導体デバイスからの追加的な放熱ルートを追加することにより、一体型電力制御アセンブリの熱性能を改良する。全体的に、一体型電力制御アセンブリの設計は、電動化車両で使用されるパワートレインの重量、体積、及びコストの低減によって、簡素化される。
【0051】
「実質的に」及び「約」という用語が、本明細書においては、任意の定量的比較、値、測定、又は他の表現に起因し得る固有の不確実性の程度を含むように使用され得ることに、留意されたい。これらの用語は、また、本明細書においては、定量的表現が、対象をなす主題の基本的な機能及び意図された範囲の変化をもたらすことなく、言及された参照から変化し得る程度を表すためにも、利用される。
【0052】
特定の実施形態について、本明細書において図示して説明したけれども、請求される主題の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な他の変更及び修正が行われ得ることは、理解されよう。その上、請求される主題に関する様々な態様について本明細書において説明したけれども、それらの態様は、組み合わせて使用される必要はない。したがって、添付の特許請求の範囲が、請求される主題の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を網羅することが、意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10