(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】前側部材、中間部材及び後側部材を備えるパターヘッド
(51)【国際特許分類】
A63B 53/06 20150101AFI20231226BHJP
A63B 53/04 20150101ALI20231226BHJP
A63B 102/32 20150101ALN20231226BHJP
【FI】
A63B53/06 D
A63B53/06 E
A63B53/04 H
A63B102:32
(21)【出願番号】P 2020172835
(22)【出願日】2020-10-13
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】笠井 丈司
(72)【発明者】
【氏名】辻浦 一輝
(72)【発明者】
【氏名】二村 良平
(72)【発明者】
【氏名】兼村 高敏
【審査官】井上 香緒梨
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0038746(US,A1)
【文献】特開平11-276648(JP,A)
【文献】特開2006-333876(JP,A)
【文献】特表2020-529277(JP,A)
【文献】特開2009-297210(JP,A)
【文献】特開2011-250887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B53/00-53/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフト取付部材を有し、前面がフェース面を形成する前側部材と、該前側部材の後方に設けられる後側部材と、該前側部材と該後側部材との間に設けられる中間部材と、を備えるパターヘッドであって、
該前側部材と、該中間部材と、該後側部材と、該シャフト取付部材とは、いずれも、それぞれ異なるサイズ、形状又は材料で形成された対応部材と交換可能にされるものであり、
該前側部材と、該中間部材と、該後側部材とは、いずれも、それぞれ該前側部材から該後側部材へ向かう方向における厚みが異なる対応部材に交換可能にさ
れ、
前記中間部材と前記後側部材とは、いずれも前記前側部材の、前記フェース面を形成する前記前面の側とは反対側に設けられることを特徴とするパターヘッド。
【請求項2】
前記前側部材と、前記中間部材と、前記後側部材とは、いずれも、それぞれ比重が異なる材料で形成された対応部材に交換可能にされる、請求項1に記載のパターヘッド。
【請求項3】
前記前側部材と、前記中間部材と、前記後側部材とは、いずれも、それぞれ重量が異なる対応部材に交換可能にされる、請求項1に記載のパターヘッド。
【請求項4】
前記シャフト取付部材は、クランクネック、スラントネック又はスワンネックの少なくともいずれかに交換可能にされる、請求項1から3までのいずれか1項に記載のパターヘッド。
【請求項5】
前記シャフト取付部材は、シャフトの装着位置が異なるシャフト取付部材に交換可能にされる、請求項1から4までのいずれか1項に記載のパターヘッド。
【請求項6】
前記前側部材は、前記フェース面が、異なるフェース溝、フェースインサート、材質又は仕上げを有する前側部材と交換可能にされる、請求項1から5までのいずれか1項に記載のパターヘッド。
【請求項7】
前記前側部材は、前記フェース面が異なる角度を有する前側部材と交換可能にされる、請求項1から6までのいずれか1項に記載のパターヘッド。
【請求項8】
前記後側部材は、ウェイト部材が取付け可能にされ、異なる重量のウェイト部材が取付けられた後側部材に交換可能にされる、請求項1から7までのいずれか1項に記載のパターヘッド。
【請求項9】
前記前側部材と、前記中間部材と、前記後側部材とは、いずれも、1又は複数の構成部材により形成される、請求項1から8までのいずれか1項に記載のパターヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフのパターを構成するためのパターヘッドに関するものであり、特に、前側部材、中間部材及び後側部材を備えたパターヘッドに関し、前側部材、中間部材、後側部材、シャフト取付部がカスタマイズ可能とされるものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、パターヘッドでボールを打球する際の衝撃を吸収しかつ打感を高めるため、パターヘッドの前部材と後部材との間にウレタン樹脂などよりなるインサートを設ける技術が提案されている。例えば、日本国特開平11-114112号公報には、ボールをヒットするフェース面を備えシャフト装着部を含む前部分とフェース面背後の後部分とを合着してヘッド本体を構成し、前部分をインゴットを切削加工して形成し、後部分を鋳造加工して形成したパターヘッドが開示されている。
【0003】
また、前半体や後半体を交換可能にすることにより、プレーする日の体調やパッティンググリーンの芝の種類、状況等に応じてパター特性を調節することができる技術も提案されている。例えば、日本国特開2009-297210号公報には、シャフト取付部を有し、前面がフェース面となっている前半体と、該前半体の後側に着脱可能に取り付けられた後半体と、該前半体と後半体との間に配置されたゴム又は合成樹脂よりなるインサートと、を備え、該インサートは、平板状の第1インサートと、該第1インサートと一体又は別体であり、該第1のインサートよりも小面積であり、第1インサートの前面側に配置された第2インサートとを備えて、該前半体の背面には、該第2インサートが嵌合した凹部が設けられているパターヘッドが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-114112号公報
【文献】特開2009-297210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示すパターヘッドでは、前部材と後部材との間にインサートを隙間なく密着させることを意図しており、求める性能に応じたカスタマイズを行うことがそもそも難しいという問題があった。他方、特許文献2に示すパターヘッドでは、パター特性を調節するため、ヘッドの前半体及び後半体を交換することができるとするものの、パターヘッド全体の性能をカスタマイズできるというには不十分であるという問題があった。
【0006】
本発明の実施形態は、ユーザの好みに応じたサイズや形状、性能等にカスタマイズすることができる交換可能な前側部材、中間部材、後側部材及びシャフト取付部を備えたパターヘッドを提供することを目的の一つとする。本発明の実施形態の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係るパターヘッドは、シャフト取付部材を有し、前面がフェース面を形成する前側部材と、該前側部材の後方に設けられる後側部材と、該前側部材と該後側部材との間に設けられる中間部材と、を備え、該前側部材と、該中間部材と、該後側部材と、該シャフト取付部材とは、いずれも、それぞれ異なるサイズ、形状又は材料で形成
された対応部材と交換可能にされる。
【0008】
本発明の一実施形態に係るパターヘッドにおいて、前記前側部材と、前記中間部材と、前記後側部材とは、いずれも、それぞれ比重が異なる材料で形成された対応部材に交換可能にされる。
【0009】
本発明の一実施形態に係るパターヘッドにおいて、前記前側部材と、前記中間部材と、前記後側部材とは、いずれも、それぞれ重量が異なる対応部材に交換可能にされる。
【0010】
本発明の一実施形態に係るパターヘッドにおいて、前記前側部材と、前記中間部材と、前記後側部材とは、いずれも、それぞれ厚みが異なる対応部材に交換可能にされる。ここで、厚みとは、当該前側部材から当該後側部材へ向かう方向における長さをいうものとする(以下、同様)。
【0011】
本発明の一実施形態に係るパターヘッドにおいて、前記シャフト取付部材は、クランクネック、スラントネック又はスワンネックの少なくともいずれかに交換可能にされる。
【0012】
本発明の一実施形態に係るパターヘッドにおいて、前記シャフト取付部材は、シャフトの装着位置が異なるシャフト取付部材に交換可能にされる。
【0013】
本発明の一実施形態に係るパターヘッドにおいて、前記前側部材は、前記フェース面が、異なるフェース溝、フェースインサート、材質又は仕上げを有する前側部材と交換可能にされる。
【0014】
本発明の一実施形態に係るパターヘッドにおいて、前記前側部材は、前記フェース面が異なる角度を有する前側部材と交換可能にされる。
【0015】
本発明の一実施形態に係るパターヘッドにおいて、前記後側部材は、ウェイト部材が取付け可能にされ、異なる重量のウェイト部材が取付けられた後側部材に交換可能にされる。
【0016】
本発明の一実施形態に係るパターヘッドにおいて、前記前側部材と、前記中間部材と、前記後側部材とは、いずれも、1又は複数の構成部材により形成される。
【発明の効果】
【0017】
本発明の様々な実施形態によって、ユーザの好みに応じたサイズや形状、性能等にカスタマイズすることができる交換可能な前側部材、中間部材、後側部材及びシャフト取付部を備えたパターヘッドを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】一実施形態に係るパターヘッド1の斜視図を示すものである。
【
図2】一実施形態に係るパターヘッド1の分解斜視図を示すものである。
【
図3】一実施形態に係るパターヘッド1のシャフト取付部材14を示すものである。
【
図4】一実施形態に係るパターヘッド11の分解斜視図を示すものである。
【
図5】一実施形態に係るパターヘッド11の分解斜視図を示すものである。
【
図6】一実施形態に係るパターヘッド11の分解斜視図を示すものである。
【
図7】一実施形態に係るパターヘッド11の分解斜視図を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の様々な実施形態について適宜図面を参照して説明する。なお、図面における共通する構成要素には同一の参照符号が付されている。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係るパターヘッド1の構成を概略的に示す斜視図である。また、
図2は、本発明の一実施形態に係るパターヘッド1の構成を概略的に示す分解斜視図である。本発明の一実施形態に係るパターヘッド1は、前側部材10と、後側部材20と、これらの間に介在された中間部材30とを備える。ここで、本発明の一実施形態に係るパターヘッド1において、当該前側部材10と、当該後側部材20と、当該中間部材30とは、それぞれ1又は複数の構成部材により形成することができる。
【0021】
図2に示すように、本発明の一実施形態に係るパターヘッド1は、前側部材10と、中間部材30との間に防振部材40を備えるようにしてもよいが、これに限定されるものではない。
【0022】
前側部材10のフェース面11のトウ側及びヒール側には、それぞれ円形穴12が設けられ、当該円形穴12の奥底面から背面に向ってボルト13の挿通孔12aが貫設されている。前側部材10のヒール側の上面からは、シャフト取付部(ホゼル)14が突設されている。当該ホゼル14は、縦棒部14aと、該縦棒部14aの上端から前方(フェース面11から見て前方)へ延出した前方延出部14bと、該前方延出部14bから上方に立ち上がるホゼル穴部14cとを有する。このホゼル穴部14cにシャフト(図示しない)の先端が挿入され、接着剤などで固着される。当該シャフトの基端側にはグリップ(図示しない)が装着される。
【0023】
本発明の一実施形態に係るパターヘッド1は、シャフト取付部材(ホゼル)14を有し、前面がフェース面11を形成する前側部材10と、該前側部材10の後方に設けられる後側部材20と、該前側部材と該後側部材との間に設けられる中間部材30と、を備え、該前側部材10と、該中間部材30と、該後側部材20と、該シャフト取付部材14とは、いずれも、それぞれ異なるサイズ、形状又は材料で形成された対応部材と交換可能にされる。
【0024】
本発明の一実施形態に係るパターヘッド1により、ユーザの好みに応じたサイズや形状、性能等にカスタマイズすることができる交換可能な前側部材、中間部材、後側部材及びシャフト取付部を備えたパターヘッドを提供することが可能となる。天候や芝の生育によりグリーン上のゴルフボールの転がり速さは異なるが、このようにして、本発明の一実施形態に係るパターヘッド1によれば、パター打球時のタッチ(距離感)の調整を的確かつ確実に行うことが可能となる。
【0025】
該前側部材、該中間部材、該後側部材は、例えば、コルク、発砲樹脂、樹脂、アルミ、チタン、鉄、ステンレス、タングステン等を含むが、これらに限られない。なお、中間部材30は、該前側部材10と該後側部材20との間に配置されているが、中間部材30の一部は、前側部材10及び後側部材20の少なくともいずれかの位置(前後方向で前側部材の位置若しくは後側部材の位置)まで若しくは当該位置を越えて延びるようにしてもよい。これは、該前側部材10又は該後側部材20についても同様である。また、中間部材30の一部は、その幅方向で、前側部材10及び後側部材20の少なくともいずれかの幅よりも大きく構成されていてもよい。これは、該前側部材10又は該後側部材20についても同様である。
【0026】
また、本発明の一実施形態に係るパターヘッド1において、該前側部材10と、該中間部材30と、該後側部材20とは、いずれも、それぞれ比重が異なる材料で形成された対応部材に交換可能にされる。該前側部材10と、該中間部材30と、該後側部材20の比
重は、例えば、0.1から18であるよう構成される。例えば、発砲樹脂、コルクは凡そ0.1程度であり、また、タングステン合金、鉛合金、銅合金は、凡そ18程度であり、その中間の比重の材料も考えられる。例えば、前側部材10は、比重の異なる複数の前側部材の間で交換可能とされる。これは、中間部材30、後側部材20についても同様である。
【0027】
このように、本発明の一実施形態に係るパターヘッド1により、例えば、中間部材に軽比重の部材を使用する場合、サイズを大きくしてもヘッド全体の重量増加を抑制できるため、ヘッド全体としてのバランスを維持しつつ、ユーザの好みに応じたカスタマイズを行うことができるだけでなく、比重が大きい部材を前後に配置することで慣性モーメントを大きくすることが可能となる。また、本発明の一実施形態に係るパターヘッド1により、重心深さを調整できるため、タッチ(距離感)の調整が可能となる。
【0028】
本発明の一実施形態に係るパターヘッド1において、該前側部材10と、該中間部材30と、該後側部材20は、材料、比重、形状、サイズ、色、仕上げ、製法の少なくともいずれかが異なるように形成される。
【0029】
本発明の一実施形態に係るパターヘッド1において、該前側部材10と、該中間部材30と、該後側部材20の材料は、樹脂、金属、複合材料(例えば、カーボンやFRP等)又は木材であるが、これらに限られない。本発明の一実施形態に係るパターヘッド1において、該前側部材10と、該中間部材30と、該後側部材20の材料は、例えば、コルク、発砲樹脂、プラスチック、アルミ、チタン、鉄、ステンレス、又はタングステンであるが、これら以外にも適宜採用可能である。
【0030】
また、本発明の一実施形態に係るパターヘッド1において、該前側部材10と、該中間部材30と、該後側部材20とは、いずれも、それぞれ重量が異なる対応部材に交換可能にされる。例えば、該前側部材10と、該中間部材30と、該後側部材20の重量は、それぞれ、20gから400g、5gから400g、20gから400gであるよう構成される。
【0031】
本発明の一実施形態に係るパターヘッド1において、該前側部材10と、該中間部材30と、該後側部材20とは、いずれも、それぞれ厚みが異なる対応部材に交換可能にされる。例えば、該前側部材10と、該中間部材30と、該後側部材20の厚みは、それぞれ、5mmから100mm、5mmから140mm、5mmから140mmであるよう構成される。
【0032】
図3a‐cに示すように、本発明の一実施形態に係るパターヘッド1において、該シャフト取付部材14は、クランクネック(
図3a)、スラントネック(
図3b)又はスワンネック(
図3c)の少なくともいずれかに交換可能にされる。より具体的には、該シャフト取付部材14は、クランクネック、ロングクランクネック、ショートクランクネック、スラントネック、ロングスラントネック、ショートスラントネック、スワンネック等が考えられるが、これらに限られない。
【0033】
また、本発明の一実施形態に係るパターヘッド1において、該シャフト取付部材14は、シャフトの装着位置が異なるシャフト取付部材に交換可能にされる。例えば、シャフトの装着位置として、センターシャフトの位置、ヒールの位置、又はセンターバックサイドの位置が考えられるが、これらに限られない。
【0034】
次に、本発明の一実施形態に係るパターヘッド1において、該前側部材10は、該フェース面11が、異なるフェース溝(例えば、ミーリング、ディンプル状、スコアライン等
)、フェースインサート、材質又は仕上げを有する前側部材と交換可能にされる。
【0035】
本発明の一実施形態に係るパターヘッド1において、該前側部材10は、該フェース面11が異なる角度を有する前側部材と交換可能にされる。当該角度は、例えば、1度から6度の角度範囲を有する前側部材とすることができる。
【0036】
本発明の一実施形態に係るパターヘッド1において、該後側部材20は、ウェイト部材21が取付け可能にされ、異なる重量のウェイト部材21が取付けられた後側部材に交換可能にされる。当該ウェイト部材は、例えば、1gから50gの範囲の重量を有する後側部材とすることができる。このようにして、ヘッドウェイトの調整、重心深さの調整又は慣性モーメントの調整が可能となる。
【0037】
本発明の一実施形態に係るパターヘッド1において、該前側部材10と、該中間部材30と、該後側部材20とは、いずれも、仕上げが、例えば、メッキ、金属蒸着、塗装、研磨、ショットブラストなどにより行うことができるが、これらに限られない。また、本発明の一実施形態に係るパターヘッド1において、該前側部材10と、該中間部材30と、該後側部材20とは、いずれも、その製法は、例えば、切削、射出成型、鋳造、ダイキャスト、鍛造などにより可能であるが、これらに限られない。
【0038】
本発明の一実施形態に係るパターヘッド1は、該中間部材30と該前側部材10との間又は該中間部材30と該後側部材20との間の少なくともいずれかに衝撃吸収のための挿入部材40を設けるようにしてもよい。本発明の一実施形態に係るパターヘッド1は、前記挿入部材40は、ゴム又は合成樹脂からなるように構成される。
図2の例では、パターヘッド1は、前側部材10と、中間部材30との間に防振部材40を備えるように構成され、当該防振部材40はEPDMゴム等により形成されている。
【0039】
次に、異なる前側部材10として
図2の態様の他にどのような態様が考えられるかを、
図4を参照してより具体的に説明する。
図4は、本発明の一実施形態に係るパターヘッド1の構成を概略的に示す分解斜視図である。本発明の一実施形態に係るパターヘッド1は、前側部材10と、後側部材20と、これらの間に介在された中間部材30とを備える。
図2に示す前側部材10と比較すると、
図4に示す前側部材10は、幅が大きくなっている。なお、本発明の一実施形態に係るパターヘッド1は、前側部材10と、中間部材30との間に防振部材40を備えるようにしてもよい。
図4の態様は、
図2の態様に比べて、前側部材の幅が大きくなりかつ前側部材が重くなると重心が浅くなるため、打球の転がり過ぎを抑制することができるという利点があるため、より強く打球するユーザは
図4に示す前側部材10を選択することができる。他方、
図2の態様では、前側部材が軽くなりかつ重心が浅くなり、打球を転がり易くできるという利点があるため、より繊細な打球をするユーザは
図2に示す前側部材10を選択することができる。
【0040】
図2と同様、
図4に示すパターヘッド1は、前側部材10のフェース面11のトウ側及びヒール側には、それぞれ円形穴12が設けられ、当該円形穴12の奥底面から背面に向ってボルト13の挿通孔12aが貫設されている。前側部材10のヒール側の上面からは、ホゼル14が突設されている。当該ホゼル14は、縦棒部14aと、該縦棒部14aの上端から前方(フェース面11から見て前方)へ延出した前方延出部14bと、該前方延出部14bから上方に立ち上がるホゼル穴部14cとを有する。このホゼル穴部14cにシャフト(図示しない)の先端が挿入され、接着剤などで固着される。当該シャフトの基端側にはグリップ(図示しない)が装着される。
【0041】
このように、前側部材として種々のものを選択することで、ユーザの好みに応じたカスタマイズを行うことができる。上述に加え、センターシャフト、シャフト軸やフェース面
の自由度を確保したいユーザは、より幅の大きい前側部材を採用することで、シャフトの取付自由度を高めることができる。また、より幅の大きい前側部材を採用すると、フェース側のアライメントラインの長さを長くできるため、ユーザにより安心感を与えることに繋がる。
【0042】
次に、異なる後側部材20として
図2の態様の他にどのような態様が考えられるかを、
図5を参照してより具体的に説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係るパターヘッド1の構成を概略的に示す分解斜視図である。本発明の一実施形態に係るパターヘッド1は、前側部材10と、後側部材20と、これらの間に介在された中間部材30とを備える。
図2に示す後側部材20と比較すると、
図5に示す後側部材20は、後部にウェイトビスが装着されている。なお、本発明の一実施形態に係るパターヘッド1は、前側部材10と、中間部材30との間に防振部材40を備えるようにしてもよい。
図5の例は、
図2の態様に比べて、前側部材の幅が大きくなりかつ前側部材が重くなると重心が浅くなるため、打球の転がりを抑えることに繋がるという利点があるため、余り転がしたくないユーザや強く打球したいユーザは
図5に示す後側部材20を選択することができる。他方、
図2の態様では、後側部材が軽くなりかつ重心が浅くなることで、打球の転がりをより良好なものとすることに繋がるため、より転がしたいユーザは
図2に示す後側部材20を選択することができる。
【0043】
図2と同様、
図5に示すパターヘッド1は、前側部材10のフェース面11のトウ側及びヒール側には、それぞれ円形穴12が設けられ、当該円形穴12の奥底面から背面に向ってボルト13の挿通孔12aが貫設されている。前側部材10のヒール側の上面からは、ホゼル14が突設されている。当該ホゼル14は、縦棒部14aと、該縦棒部14aの上端から前方(フェース面11から見て前方)へ延出した前方延出部14bと、該前方延出部14bから上方に立ち上がるホゼル穴部14cとを有する。このホゼル穴部14cにシャフト(図示しない)の先端が挿入され、接着剤などで固着される。当該シャフトの基端側にはグリップ(図示しない)が装着される。
【0044】
このように、後側部材として種々のものを選択することで、ユーザの好みに応じたカスタマイズを行うことができる。上述に加えて、後部部材の複数のウェイトビスの各ウェイトビスの重量バランスを変更することで、ユーザの好みに応じたヘッドの微調整が可能となる
【0045】
次に、異なる中間部材30としてどのような態様が考えられるかを、
図6、7を参照してより具体的に説明する。
図6は、本発明の一実施形態に係るパターヘッド1の構成を概略的に示す分解斜視図である。本発明の一実施形態に係るパターヘッド1は、前側部材10と、後側部材20と、これらの間に介在された中間部材30とを備える。
図2に示す中間部材30と比較すると、
図6に示す中間部材30は、前後方向の幅が大きくなっており、30mmとなっている。
図6に示すように、本発明の一実施形態に係るパターヘッド1は、前側部材10と、中間部材30との間に防振部材40を備えるようにしてもよい。
図2の例は、
図6の態様に比べて、重心深さが浅く、慣性モーメント(MOI)が小さくなる。スイングストロークが小さく、テンポや打感で距離感を合わせるプレイヤにとり、感覚に合わせて自身で方向性や距離をコントロールするのに適している。他方、スイングストロークが大きく、テンポや振り幅で距離感を合わせるプレイヤにとり、より安定してスイングするのに適している。ここで、上述した
図4、5に示した本発明の一実施形態に係るパターヘッド1において、中間部材30を
図2に示す中間部材30の代わりに
図6に示す中間部材30と組み合わせてもよく、様々な中間部材と組み合わせることができる。
【0046】
図2と同様、
図6に示すパターヘッド1は、前側部材10のフェース面11のトウ側及びヒール側には、それぞれ円形穴12が設けられ、当該円形穴12の奥底面から背面に向
ってボルト13の挿通孔12aが貫設されている。前側部材10のヒール側の上面からは、ホゼル14が突設されている。当該ホゼル14は、縦棒部14aと、該縦棒部14aの上端から前方(フェース面11から見て前方)へ延出した前方延出部14bと、該前方延出部14bから上方に立ち上がるホゼル穴部14cとを有する。このホゼル穴部14cにシャフト(図示しない)の先端が挿入され、接着剤などで固着される。当該シャフトの基端側にはグリップ(図示しない)が装着される。
【0047】
次に、
図7は、本発明の一実施形態に係るパターヘッド1の構成を概略的に示す分解斜視図である。本発明の一実施形態に係るパターヘッド1は、前側部材10と、後側部材20と、これらの間に介在された中間部材30とを備える。
図2、6に示す中間部材30と比較すると、
図7に示す中間部材30は、前後方向の幅がより大きくなっており、50mmとなっている。図示のように、本発明の一実施形態に係るパターヘッド1は、前側部材10と、中間部材30との間に防振部材40を備えるようにしてもよい。その他の構成としては、
図2、6と基本的に同様であるため、詳細を省略する。
図7の例は、
図6の態様に比べて、重心深さがより深く、慣性モーメント(MOI)がより大きくなる。スイングストロークが大きく、テンポや振り幅で距離感を合わせるプレイヤにとり、さらに安定してスイングするのに適している。これは、慣性モーメント(MOI)の値が大きいほど、方向性や距離感をプレイヤ側で調節しにくくなるものの、よりストロークやインパクトの安定性の向上に繋がる。ここで、上述した
図4、5に示した本発明の一実施形態に係るパターヘッド1において、中間部材30を
図2に示す中間部材30の代わりに
図7に示す中間部材30と組み合わせてもよく、様々な中間部材と組み合わせることができる。
【0048】
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
【符号の説明】
【0049】
1 パターヘッド
10 前側部材
11 フェース面
12 円形穴
12a 挿通孔
13 ボルト
14 ホゼル
14a 縦棒部
14b 前方延出部
14c ホゼル穴部
20 後側部材
21 ウェイト部材
30 中間部材
40 防振部材