(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】高密度ヘッダシステム用の電気コネクタを形成する方法
(51)【国際特許分類】
H01R 13/41 20060101AFI20231226BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20231226BHJP
H01R 43/20 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
H01R13/41
H01R13/52 301E
H01R43/20 Z
(21)【出願番号】P 2020568512
(86)(22)【出願日】2019-06-10
(86)【国際出願番号】 EP2019065087
(87)【国際公開番号】W WO2019238614
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】102018113980.2
(32)【優先日】2018-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ヘラー,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ブライヒャー,マルティン
(72)【発明者】
【氏名】フーバー,マルティン
(72)【発明者】
【氏名】シュペーゲル,シュテファン
【審査官】長清 吉範
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-210937(JP,A)
【文献】特表2008-505465(JP,A)
【文献】特開2002-195413(JP,A)
【文献】特開2000-348817(JP,A)
【文献】特開2009-181798(JP,A)
【文献】特開平1-272061(JP,A)
【文献】特開平9-245880(JP,A)
【文献】特開2015-22922(JP,A)
【文献】特表2009-543299(JP,A)
【文献】特開平4-294074(JP,A)
【文献】特開昭60-7084(JP,A)
【文献】特開昭64-63282(JP,A)
【文献】特開2014-32785(JP,A)
【文献】特開2007-103045(JP,A)
【文献】特開2002-134218(JP,A)
【文献】特開2016-189277(JP,A)
【文献】特表2015-513203(JP,A)
【文献】特開2009-117064(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/41
H01R 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高密度ヘッダシステム用の電気コネクタ(100)を形成する方法であって、
ベース体(110)を設けるステップS1と、
前記ベース体(110)の第1の表面(112)に当接する第3の表面と、前記第3の表面の反対側の第4の表面を備える少なくとも1つの封止マット(130)を設けるステップS2と、
第1のコンタクト領域(142)、保持領域(144)、および前記保持領域(144)に隣接する第2のコンタクト領域(146)を有する少なくとも1つのコンタクト素子(140)を設けるステップS3と、
前記少なくとも1つのコンタクト素子(140)によって前記封止マット(130)を穿孔するステップS4とを含み、前記第2のコンタクト領域(146)を有する前記少なくとも1つのコンタクト素子(140)は、前記封止マット(130)を前記第4の表面から穿孔し、次いで、前記封止マット(130)を通って前記ベース体(110)の少なくとも1つの対応する受取り開口(150)に挿入された後、前記保持領域(144)は、所望の最終位置で前記ベース体(110)の前記受取り開口(150)内に固定され、前記穿孔は、前記封止マット(130)が前記コンタクト素子(140)の前記保持領域(144)を少なくとも局所的に密閉するように行われ、前記少なくとも1つのコンタクト素子(140)は、前記封止マット(130)に密閉された前記保持領域(144)の少なくとも一部において、前記第1のコンタクト領域(142)における最大直径および前記第2のコンタクト領域(146)における最大直径それぞれよりも大きい第1の直径を有して
おり、
前記封止マット(130)は、前記少なくとも1つのコンタクト素子(140)によって穿孔される前に、前記少なくとも1つの受取り開口(150)と境界を接する前記封止マット(130)の前記第3の表面の領域内に連続面を有している、方法。
【請求項2】
前記穿孔は、前記第1の直径を有する前記コンタクト素子(140)の前記保持領域(144)の前記一部が、前記封止マット(130)の前記第4の表面の近傍に位置するように行われることを特徴とする、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記穿孔は、前記封止マット(130)が前記コンタクト素子(140)の前記保持領域(144)に沿って前記受取り開口(150)に局所的に突出するように行われることを特徴とする、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの封止マット(130)への前記コンタクト素子(140)の前記挿入によって、前記封止マット(130)と前記ベース体(110)との間で圧縮が生じ、その結果、前記ベース体(110)と前記コンタクト素子(140)との間で封止が得られることを特徴とする、請求項1から
3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの封止マット(130)への前記コンタクト素子(140)の前記挿入の結果、前記ベース体(110)の前記受取り開口(150)の領域内で前記封止マット(130)の局所的な塑性変形が得られることを特徴とする、請求項1から
4のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタ、特に高密度ヘッダシステム用の電気コネクタを形成する方法に関する。本発明はさらに、電気コネクタ、特に自動車産業用の電気コネクタ、ならびに高密度ヘッダシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気産業(電子機器、電気工学、電気機器、電力工学など)では、広範囲の電流、電圧、周波数、および/またはデータ率で電流、電圧、信号、および/またはデータを伝送する働きをする多数の電気コネクタ、ソケット、ピン、および/またはハイブリッドコネクタなど(以下、(電気)コネクタ(同様に嵌合コネクタ)と呼ぶ)が知られている。
【0003】
低、中、または高電圧および/または電流範囲内で、特に自動車産業において、そのようなコネクタは、温暖な、おそらくは高温の、汚染された、湿気の多い、かつ/または化学的に腐食性の環境で、恒久的に、繰返し、かつ/または比較的長い非活動期間後に、電力、信号、および/またはデータの伝送をすぐに保証しなければならない。適用範囲が広いため、多数の特別に構成されたコネクタが知られている。
【0004】
そのようなコネクタ、およびおそらくはその関連または親ハウジングは、電気ケーブル、ワイヤ、ケーブルハーネスなどに、あるいは(電力)電気、電気光学、もしくは電子構成要素または対応するアセンブリなどの、たとえばハウジング、リードフレーム、プリント回路基板などの電気デバイスまたは装置に設置することができる。
【0005】
コネクタ(ハウジングの有無にかかわらない)がケーブル、ワイヤ、またはケーブルハーネスに位置する場合、これは、(フライング(flying))(プラグ)コネクタまたはプラグまたは継手としても知られており、コネクタが電気、電気光学、または電子構成要素、アセンブリなどに位置する場合、これは、たとえば(内蔵)コネクタ、(内蔵)プラグ、または(内蔵)ソケットなどの(嵌合)コネクタデバイスとしても知られている。さらに、そのようなデバイスのコネクタは、多くの場合、(プラグ)レセプタクル、ピントレイ、ピンストリップ、またはヘッダとも呼ばれる。
【0006】
そのようなコネクタは、障害のない電気の伝送を保証しなければならず、互いに対応して互いに部分的に相補的なコネクタ(コネクタおよび嵌合コネクタ)は通常、コネクタを嵌合コネクタにまたはその逆に、恒久的に、しかし概して解放可能に固定および/またはロックするための固定および/またはロックデバイスを有する。
【0007】
電気コネクタデバイスまたはコネクタを改善するために、特に電気コネクタデバイスまたはコネクタをより頑強なものにし、電気コネクタデバイスまたはコネクタをより安価に形成および/または作製できるように、絶え間のない取り組みがなされている。
【0008】
したがって、コンタクト素子を有する電気コネクタが、従来技術から知られており、電気コネクタは、コンタクトチャンバ内に、たとえばシリンダヘッド壁内に、電気的に絶縁されて配置される。コンタクトチャンバとコンタクト素子との間の対応する台座内に取り付けられたOリングによって、コンタクトチャンバは、流体が逃れられないように封止される。隔壁の両側では、いずれの場合も電気導体がコンタクトピンのコンタクト部に接合されており、したがってコンタクトピンを介して電気信号を伝送することができる。
【0009】
このようにして、たとえば内燃機関または歯車機構などの現代のアセンブリでは、コンタクトチャンバを介した油または他の流体の流出が事実上防止されているが、伝送すべき信号の数はますます増大している。したがって、ますます増大する数のセンサがアセンブリ内で使用され、または機械式の弁装置が電磁式の弁装置に置き換えられている。伝送すべき各信号に対してコンタクトピンが必要とされ、多くの場合、プラグコネクタを取り付けるためにわずかな面積しか利用可能でないため、コンタクトチャンバの間隔のサイズをさらに低減させなければならない。現在まで、従来技術において、この問題は、コンタクトピン間に可能な限り小さい格子を形成することによって解決されてきたが、それによりコンタクトチャンバ間の間隔およびコンタクト素子の直径の両方のサイズが低減されてきた。その結果、電気コネクタ上でコンタクト素子を封止するために、多くの非常に小さいOリングを使用しなければならず、その取付けは困難で時間がかかる。
【0010】
さらに、本質的に誘電体のベース体からなる電気コネクタが知られており、これには通常、導電性コンタクト素子を受け取るのに好適な多数の受取り開口が設けられる。導電性コンタクト素子は、電子構造部分を接続するために設けられる。ベース体は、たとえば、有利な機械的特性ならびに良好な耐薬品性および耐熱性を有するため、ポリマー材料またはエポキシ樹脂から形成される。さらに、ベース体は実質上、コンタクト素子を保持および位置合わせする働きをし、他の電気構成要素に機械的に結合するための手段を提供する。
【0011】
電気コンタクト素子は、たとえば単線コードからなり、その一端は、たとえばプリント回路基板または嵌合ピースコネクタに接続され、その他端は、たとえば電子機器に接続される。この場合、コンタクト素子は、設けられたベース体の受取り開口に挿入され、たとえばプレス嵌めによって、確実な機械的接続が形成されるように、受取り開口で保持および位置合わせされる。
【0012】
電気コネクタの応用例に応じて、たとえば液密接続を保証するために、ベース体においてコンタクト素子の構成をカプセル封じすることが必要になることがある。これは特に、車両内の様々な電子機器を接続するために電気コネクタがエンジン室内で頻繁に使用されるモータ車両の応用例に当てはまる。当技術分野では、これは通常、「注封」として知られている方法によって実現される。注封とは、組み立てられた電気コネクタを充填する操作を意味する。この場合、コンタクト素子がベース体のそれぞれの受取り開口に挿入された後、液体封止剤がコンタクト素子に供給される。この場合、液体封止剤は様々な間隙または開口に流れ込み、コンタクト素子およびベース体を封止する。この場合、「注封」法は、一方では高価であり、他方では非常に時間もかかることが不都合であることが判明している。
多くの場合、樹脂の硬化には時間がかかり、さらにベース体の外面の望ましくない変化が生じ、その結果、手作業による修正が必要となり、これも同様に時間がかかり高価である。さらに、いくつかの封止用の注封化合物は、特定のベース体材料に対して他の材料の場合より良好に機能するため、注封によって形成される封止の品質は、鋳造部分の形状および使用される材料に依存する。さらに、注封には作業場の安全に関して厳しい要件があり、環境上の問題を招く可能性がある。さらに、注封は、接着材料の供給および取扱いのために必要とされる機器に対する相当の投資を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の問題は、上述した欠点を改善し、コンタクト素子の数に依存することなく簡単に形成することができ、処理中により迅速かつ安価に取り付けることができる、電気コネクタを形成する方法ならびに電気コネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の問題は、独立請求項に記載の電気コネクタを形成する方法、ならびに対応する嵌合コネクタへのプラグ接続を形成する電気コネクタ、特に自動車産業用の電気コネクタによって解決される。
【0015】
本発明の有利なさらなる発展形態、追加の特徴、および/または利点は、従属請求項および以下の説明から得られる。
【0016】
電気コネクタを形成する本発明の方法は、第1のステップS1で、ベース体を設ける。第2のステップS2および第3のステップS3で、ベース体の第1の表面に当接する少なくとも1つの封止マットと、第1のコンタクト領域、保持領域、および保持領域に隣接する第2のコンタクト領域を有する少なくとも1つのコンタクト素子とが設けられる。ステップS4で、封止マットは、少なくとも1つのコンタクト素子によって穿孔され、第2のコンタクト領域を有する少なくとも1つのコンタクト素子が、ベース体とは反対側から封止マットを通ってベース体の少なくとも1つの対応する受取り開口に挿入された後、第2のコンタクト領域は、所望の最終位置でベース体の受取り開口に固定される。
【0017】
この点に関して、封止マットは、少なくとも1つのコンタクト素子によって穿孔される前に、受取り開口と境界を接する封止マットの領域内に連続面を有することができる。
【0018】
代替として、封止マットは、少なくとも1つのコンタクト素子によって穿孔される前に、受取り開口と境界を接する封止マットの領域内で事前穿孔することができ、事前穿孔された孔の直径は、少なくとも1つのコンタクト素子の直径より小さい。
【0019】
封止マットを通る少なくとも1つのコンタクト素子の穿孔は、封止マットがコンタクト素子の保持領域を少なくとも局所的に密閉するように行うことができることが有利である。
【0020】
さらに、封止マットを通る少なくとも1つのコンタクト素子の穿孔は、封止マットが少なくとも1つのコンタクト素子の保持領域に沿った領域内で受取り開口に突出するように行うことができる。
【0021】
有利な実施形態では、少なくとも1つのコンタクト素子は、少なくとも1つのコンタクト素子が封止マットとベース体との間で圧縮を生じ、その結果、ベース体と少なくとも1つのコンタクト素子との間で封止を得ることができるように形成することができる。
【0022】
この場合、少なくとも1つの封止マットへの少なくとも1つのコンタクト素子の挿入の結果、ベース体の受取り開口の領域内で封止マットの局所的な塑性変形を得ることができることが有利であることが判明している。
【0023】
本発明のさらなる主題は、対応する嵌合コネクタとのプラグ接続を形成する特に自動車産業用の本発明の電気コネクタ、特に高密度ヘッダシステム用の電気コネクタによって形成され、そのような電気コネクタは、ベース体と、ベース体の第1の表面に配置された封止マットとを有する。さらに、電気コネクタは、第1のコンタクト領域、保持領域、および保持領域に隣接する第2のコンタクト領域を有する少なくとも1つのコンタクト素子を有し、第2のコンタクト領域を有する少なくとも1つのコンタクト素子は、封止マットを通ってベース体の対応する受取り開口に挿入される。
【0024】
特に好ましい実施形態の変形例では、封止マットは、受取り開口へ少なくとも局所的に突出することができる。
【0025】
さらに、受取り開口は、ベース体内に事前成形された止まり穴であることが有利である。
【0026】
基本的に、封止マットはエラストマーから形成されることが有利であることが分かっている。
【0027】
好ましくは、電気コネクタは、複数のコンタクト素子を有することができる。
【0028】
この場合、電気コネクタが複数の封止マットを有すると有利である。
【0029】
好ましい実施形態では、電気コネクタは、ケーブルのためのプラグコネクタ、内蔵コネクタ、ハウジングコネクタ、またはフライングプラグコネクタ(flying plug connector)として形成することができる。本発明のコネクタは、たとえば、シリアル通信システム、センサ、アクチュエータなどのネットワーキングまたは相互接続、自動車のドア、座席など中の周囲照明(室内照明、乗室照明)などに適用可能である。
【0030】
本発明の一実施形態では、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法によってコネクタが形成されることが提供される。
【0031】
本発明のさらなる主題は、本発明の高密度ヘッダシステムによって形成され、そのようなヘッダシステムは、請求項8から15のいずれか一項に記載の電気コネクタを備える。
【0032】
本発明について、添付の概略的な図面を参照する例示的な実施形態を使用して、以下により詳細に説明する。添付の図面は、原寸に比例しない。図の説明(以下参照)、参照記号の一覧、特許請求の範囲、および図面の各図では、同一、一義、または類似の設計および/または機能を有する部分、要素、構造部分、ユニット、図、および/または構成要素は、同じ参照記号によって識別される。本発明の説明(上記参照)で説明しない可能な代替手段、定常状態および/もしくは運動状態の逆転、組合せなどは、本発明の例示的な実施形態に関して図面に示されておらず、かつ/もしくは排他的でなく、またはその構成要素、方式、ユニット、構造部分、要素、もしくは部分は、参照記号の一覧および/もしくは図の説明からさらに導出することができる。
【0033】
本発明の場合、特徴(部分、要素、構造部分、ユニット、構成要素、機能、サイズなど)は、正、すなわち存在として、または負、すなわち不在として構成することができ、負の特徴は、本発明によってそれが不在であることが重要視されない場合、特徴として明示的に説明されず、したがって実際になされた発明は、その特徴を省略することを含む。本明細書(説明、参照記号の一覧、特許請求の範囲、図面)の特徴は、指定された形で適用することができるだけでなく、別の形(分離、要約、置換え、追加、独自、省略など)で適用することもできる。特に、説明、参照記号の一覧、特許請求の範囲、および/または図面において、これに付随する参照記号および特徴またはその逆を使用することによって、特許請求の範囲および/または説明において特徴の置換え、追加、または省略を行うことが可能である。さらにその結果、特徴について特許請求の範囲でより詳細に説明および/または指定することができる。
【0034】
本説明の特徴はまた、任意選択の特徴であると解釈することができ((広く知られていない)従来技術を考慮する)、すなわちすべての特徴が、任意選択の、任意の、または好ましい特徴、すなわち非制限的な特徴であると理解することができる。したがって、おそらくはその周辺部を含む特徴を例示的な実施形態から切り離すことが可能であり、次いでこの特徴は、概略化された本発明の概念に変換可能である。例示的な実施形態における特徴の不在(負の特徴)は、その特徴が本発明に対して任意選択であることを示す。さらに、特徴に対する種類を表す用語の場合、これに沿って特徴に対する総称を読み取ることもでき(おそらくは、亜属へのさらなる階層的な分類など)、その結果、たとえば均等の作用および/または等価性を考慮して、ある特徴またはこの特徴の概略化が可能になる。
【0035】
本発明について、好ましい例示的な実施形態を使用して以下により詳細に説明する。図面は概略図である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明について、電気コネクタ100の例示的な実施形態を使用して以下により詳細に説明する。本発明について好ましい例示的な実施形態によってより綿密かつ詳細に説明および図示するが、本発明はこのようにしてこの開示の例示的な実施形態に限定されるものではなく、開示の例示的な実施形態は基本的性質である。本発明の保護範囲から逸脱することなく、本章および/または上記(本発明の説明)から他の変形例を導出することができる。したがって、本発明は、自動車産業において、または流体工学または電気工学産業などの非自動車産業、非常に概略的には工学において、他の電気コネクタにも適用可能である。
【0038】
図面では、本発明の理解に必要な本発明の主題の空間的部分のみを示す。コネクタおよび嵌合コネクタ、接続デバイスおよび嵌合接続デバイスなどの名称は、同義語であり、すなわちいずれの場合も任意選択で相互に交換可能であると解釈されたい。
【0039】
図1に、例示的な電気コネクタ100の概略図、部分的には断面図が示されており、この場合はヘッダ100として形成されている。電気コネクタ100はベース体110を有し、ベース体110には、ベース体110の第1の表面112からベース体110の第2の表面114の方向に延びる複数の受取り開口150が設けられている。さらに、電気コネクタ100は、ベース体の受取り開口150に挿入された複数の異なるタイプのコンタクト素子140を有する。
【0040】
受取り開口150と境界を接する領域には、ベース体110の第1の表面112に当接する封止マット130が配置される。基本的に、封止マット130は、コンタクト素子140によって穿孔される前に、ベース体110の受取り開口150と境界を接する領域内に連続面を有することが有利である。この結果、少なくとも1つのコンタクト素子140による穿孔中に、特に密接な封止接続が得られる。さらに、この手順には最小限の時間だけがかかり、従来技術で必要とされる注封化合物の処理が不要になる。
【0041】
別法として、コンタクト素子140の挿入前、封止マット130は、ベース体110の受取り開口150と境界を接する領域内で事前穿孔することができ、事前穿孔された孔のそれぞれの直径は、この領域内で穿孔されるべきコンタクト素子140のそれぞれの直径より小さい。これについて、例示的な図では詳細に示されていない。
【0042】
図2に示す
図1からの切抜きAの詳細図は、コンタクト素子140がそれぞれ、第1のコンタクト領域142、保持領域144、および保持領域144に隣接する第2のコンタクト領域146を有することを示す。図示の例示的な実施形態では、例として、コンタクト素子140にハーモニカ状の保持領域144が設けられている。
【0043】
このようにして、第2のコンタクト領域146を有するベース体110の第1の表面112から開始し、封止マット130を通ってベース体110のそれぞれの対応する受取り開口150にコンタクト素子140を挿入することができ、封止マット130は、図示の挿入状態で少なくとも局所的にコンタクト素子140の保持領域144を密閉し、ベース体110の受取り開口150に突出する。
【0044】
この場合、コンタクト素子140の挿入によって、封止マット130とベース体110との間で圧縮が生じ、ベース体110とコンタクト素子140との間に封止が得られることが有利である。
【0045】
さらに、コンタクト素子140の挿入によって、ベース体110の受取り開口150の領域において、封止マット130とベース体110との間で封止マット130の局所的な塑性変形を得ることができ、それによってベース体110とコンタクト素子140との間の封止が改善される。
【0046】
したがって、コンタクト素子140が受取り開口150に挿入されるにもかかわらず、封止マット130によって、ベース体110の第1の表面112は、ベース体110の第2の表面114に対して様々なタイプの漏れから事実上封止される。この方法は複雑ではなく迅速であり、注封化合物の処理が不要になり、ベース体110内でコンタクト素子140の確実な設置が得られる。
【0047】
記載および図示した例示的な実施形態に加えて、特徴のさらなる変形例および組合せを含むことができるさらなる実施形態も考えられる。
【符号の説明】
【0048】
100 電気コネクタ
110 ベース体
112 第1の表面
114 第2の表面
130 封止マット
140 コンタクト素子
142 第1のコンタクト領域
144 保持領域
146 第2のコンタクト領域
150 受取り開口