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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】吸振式水晶振動子パッケージ構造
(51)【国際特許分類】
   H03H 9/09 20060101AFI20231226BHJP
   H03H 9/02 20060101ALI20231226BHJP
   H03H 9/19 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
H03H9/09
H03H9/02 A
H03H9/19 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021128378
(22)【出願日】2021-08-04
(65)【公開番号】P2022155430
(43)【公開日】2022-10-13
【審査請求日】2021-08-04
(31)【優先権主張番号】110111483
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】506413591
【氏名又は名称】台灣晶技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】彭 子修
(72)【発明者】
【氏名】羅 韋晨
(72)【発明者】
【氏名】林 宗徳
【審査官】工藤 一光
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-151651(JP,A)
【文献】特開2000-223995(JP,A)
【文献】実公昭61-30334(JP,Y2)
【文献】特開2008-17408(JP,A)
【文献】特開昭58-159014(JP,A)
【文献】国際公開第2013/161598(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03H9/02-9/135
H03H9/15-9/215
H03H9/54-9/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頂部に凹部を有し、側壁が前記凹部を取り囲むパッケージベースと、
フレーム部、第1蛇行(serpentine)型接続部、第2蛇行型接続部及び共振部を備え、前記共振部は長方形であり、前記第1蛇行型接続部の一端は前記共振部の長辺又は短辺の一端に接続し、前記第1蛇行型接続部の他端は前記フレーム部に接続し、前記第2蛇行型接続部の一端は前記共振部の他の長辺又は他の短辺の一端に接続し、前記第2蛇行型接続部の他端は前記フレーム部に接続し、前記フレーム部は前記側壁上に設けられる共振水晶片と、
前記フレーム部上に設けられ、前記凹部、前記第1蛇行型接続部及び前記第2蛇行型接続部のうち、少なくとも1つの蛇行型接続部及び前記共振部を遮蔽するカバーと、
を含み、
前記第1蛇行型接続部と前記第2蛇行型接続部のそれぞれは、
第1端部及び第2端部を有し、前記第1端部は前記共振部の長辺又は短辺の一端に接続する第1接続腕と、
第3端部及び第4端部を有するとともに前記第1接続腕に垂直に接続し、前記第3端部は前記第2端部に接続する第2接続腕と、
第5端部及び第6端部を有するとともに前記第2接続腕に垂直に接続し、前記第5端部は前記第4端部に接続する第3接続腕と、
第7端部及び第8端部を有するとともに前記第3接続腕に垂直に接続し、前記第7端部は前記第6端部に接続する第4接続腕であって、前記第4接続腕及び前記第2接続腕は互いに対向して配置され平行に配置される第4接続腕と、
第9端部及び第10端部を有するとともに前記第4接続腕に垂直に接続し、前記第9端部は前記第8端部に接続る第5接続腕と、
第11端部及び第12端部を有するとともに前記第5接続腕に垂直に接続し、前記第11端部は前記第10端部に接続する第6接続腕であって、前記第6接続腕及び前記第4接続腕は互いに対向して配置され平行に配置される第6接続腕と、
第13端部及び第14端部を有するとともに前記第6接続腕に垂直に接続し、前記第13端部は前記第12端部に接続し、前記第14端部は前記フレーム部に接続する第7接続腕と、を含み、
前記第1接続腕の第1端部が前記共振部の短辺の一端に接続される場合、前記第2接続腕、前記第4接続腕、及び前記第6接続腕の各長さは、前記共振部の短辺の長さと等しく、前記第1接続腕の第1端部が前記共振部の長辺の一端に接続される場合、前記第2接続腕、前記第4接続腕、及び前記第6接続腕の各長さは、前記共振部の長辺の長さと等しい、吸振式水晶振動子パッケージ構造。
【請求項2】
前記カバーは、前記パッケージベースに対向する面の外周に突起が形成されており、
前記第1蛇行型接続部及び前記共振部の底面に設けられ、前記共振部に電気的に接続する第1電極層と、
前記第2蛇行型接続部及び前記共振部の頂面に設けられ、前記共振部に電気的に接続する第2電極層と
前記パッケージベースの前記側壁と前記フレーム部の間に設けられる第1シールリングと、
前記フレーム部と前記カバーの前記突起との間に設けられる第2シールリングと、
前記パッケージベースの底面に設けられる複数の導電パッドと、
をさらに含む、請求項1に記載の吸振式水晶振動子パッケージ構造。
【請求項3】
前記共振水晶片は第3蛇行型接続部及び第4蛇行型接続部をさらに含み、前記第3蛇行型接続部は、前記第1蛇行型接続部の接続する前記共振部の前記長辺又は前記短辺に隣接する短辺又は長辺と前記フレーム部の間に接続し、前記第4蛇行型接続部は、前記第3蛇行型接続部の接続する前記共振部の前記短辺又は長辺に隣接する短辺又は長辺と前記フレーム部の間に接続し、かつ前記第1蛇行型接続部、第2蛇行型接続部、第3蛇行型接続部及び第4蛇行型接続部はいずれも前記共振部の周囲を接続する、請求項1に記載の吸振式水晶振動子パッケージ構造。
【請求項4】
前記第1蛇行型接続部と前記第2蛇行型接続部のいずれか1つの対応接続部が前記長方形の長辺に接続するとき、前記対応接続部と前記フレーム部の接続位置と、前記対応接続部と前記共振部の接続位置の間の距離はD1となり、前記長方形の幅はWとなり、D1=C1×W、C1=0.8~1.2となる、請求項1に記載の吸振式水晶振動子パッケージ構造。
【請求項5】
前記第1蛇行型接続部と前記第2蛇行型接続部のいずれか1つの対応接続部が前記長方形の短辺に接続するとき、前記対応接続部と前記フレーム部の接続位置と、前記対応接続部と前記共振部の接続位置の間の距離はD2となり、前記長方形の長さはLとなり、D2=C2×L、C2=0.8~1.2となる、請求項1に記載の吸振式水晶振動子パッケージ構造。
【請求項6】
前記フレーム部、前記第1蛇行型接続部、前記第2蛇行型接続部及び前記共振部は一体成形である請求項1に記載の吸振式水晶振動子パッケージ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパッケージ構造に関し、特に、吸振式水晶振動子のパッケージ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
水晶素子は、安定した圧電特性を有し、精確かつ幅広い基準周波数、クロック制御、時間設定及びノイズのフィルタリング等の機能を提供でき、また、振動及び圧力等のセンサーにもなり、重要な光学素子にもなる。したがって、電子製品にとって、水晶素子は一挙手一投足が全体に影響を及ぼすような存在になっている。
【0003】
水晶振動子1は水晶振動子素子10並びに水晶振動子素子10を覆う第1ケース11及び第2ケース12により構成される。水晶振動子素子10は水晶基板により構成される。水晶振動子素子10の上下表面には激振電極13、14が形成され、かつ水晶振動子素子10は主振動部及び主振動部を包囲する支持部を有する。第1ケース11及び第2ケース12は青板ガラスのような汎用ガラスでできている。第1ケース11及び第2ケース12の外周にはそれぞれ突起が形成される。第1ケース11及び第2ケース12は突出する部分が支持部に結合しており、水晶振動子素子10はその間に挟まれている。支持部の水晶振動子素子10に占める面積は大きいため、外界の機械的な振動又は瞬間的な衝撃が主振動部に伝わってしまい、水晶振動子1の振動周波数が不安定になる。
【0004】
本発明は、上述の欠点に対し、従来技術の問題を解決する吸振式水晶振動子パッケージ構造を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、外界の機械的な振動又は瞬間的な衝撃が共振水晶片に伝わるのを回避するとともに、共振周波数を安定させる吸振式水晶振動子パッケージ構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態において提供される吸振式水晶振動子パッケージ構造はパッケージベース、共振水晶片及びカバーを含む。パッケージベースは頂部に凹部を有し、パッケージベースの側壁が凹部を取り囲む。共振水晶片はフレーム部、少なくとも1つの蛇行(serpentine)型接続部及び共振部を備え、蛇行型接続部は共振部の辺縁とフレーム部の間を接続し、フレーム部は側壁上に設けられる。カバーはフレーム部上に設けられ、凹部、蛇行型接続部及び共振部を遮蔽する。
【0007】
本発明の一実施形態において、吸振式水晶振動子パッケージ構造は第1電極層、第2電極層、第1シールリング、第2シールリング及び複数の導電パッドをさらに含む。第1電極層は蛇行型接続部及び共振部の底面に設けられ、共振部に電気的に接続する。第2電極層は蛇行型接続部及び共振部の頂面に設けられ、共振部に電気的に接続する。第1シールリングはパッケージベースの側壁とフレーム部の間に設けられ、第2シールリングはフレーム部とカバーの間に設けられる。全ての導電パッドはパッケージベースの底面に設けられる。
【0008】
本発明の一実施形態において、蛇行型接続部は第1接続腕、第2接続腕及び第3接続腕を含む。第1接続腕は第1端部及び第2端部を有し、第1端部は共振部の辺縁に接続する。第2接続腕は、第3端部及び第4端部を有するとともに第1接続腕に垂直に接続し、第3端部は第2端部に接続する。第3接続腕は、第5端部及び第6端部を有するとともに第2接続腕に垂直に接続し、第5端部は第4端部に接続し、第6端部はフレーム部に接続する。
【0009】
本発明の一実施形態において、蛇行型接続部は第4接続腕及び第5接続腕をさらに含む。第4接続腕は、第7端部及び第8端部を有するとともに第3接続腕に垂直に接続し、第7端部は第6端部に接続する。第5接続腕は、第9端部及び第10端部を有するとともに第4接続腕に垂直に接続し、第9端部は第8端部に接続し、第10端部はフレーム部に接続する。
【0010】
本発明の一実施形態において、蛇行型接続部は第6接続腕及び第7接続腕をさらに含む。第6接続腕は、第11端部及び第12端部を有するとともに第5接続腕に垂直に接続し、第11端部は第10端部に接続する。第7接続腕は、第13端部及び第14端部を有するとともに第6接続腕に垂直に接続し、第13端部は第12端部に接続し、第14端部はフレーム部に接続する。
【0011】
本発明の一実施形態において、蛇行型接続部は複数の蛇行型接続部を含み、全ての蛇行型接続部はいずれも共振部の辺縁とフレーム部の間を接続する。
【0012】
本発明の一実施形態において、共振部は長方形である。
【0013】
本発明の一実施形態において、蛇行型接続部が長方形の長辺に接続するとき、蛇行型接続部とフレーム部の接続位置と、蛇行型接続部と共振部の辺縁の接続位置の間の距離はD1となり、長方形の幅はWとなり、D1=C1×W、C1=0.8~1.2となる。
【0014】
本発明の一実施形態において、蛇行型接続部が長方形の短辺に接続するとき、蛇行型接続部とフレーム部の接続位置と、蛇行型接続部と共振部の辺縁の接続位置の間の距離はD2となり、長方形の長さはLとなり、D2=C2×L、C2=0.8~1.2となる。
【0015】
本発明の一実施形態において、フレーム部、少なくとも1つの蛇行型接続部及び共振部は一体成形である。
【発明の効果】
【0016】
上述によれば、吸振式水晶振動子パッケージ構造は、蛇行型接続部がフレーム部と共振部の間に形成されることにより、外界の機械的な振動又は瞬間的な衝撃が共振水晶片に伝わるのを回避するとともに、共振周波数を安定させることができる。
【0017】
本発明の構造的特徴および達成される効果のさらなる理解と認識のため、添付の図面と併せて好ましい実施例について以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】先行技術の水晶振動子を示す図である。
図2】本発明の吸振式水晶振動子パッケージ構造の一実施形態における構造分解図である。
図3】本発明の吸振式水晶振動子パッケージ構造の一実施形態における構造断面図である。
図4】本発明の共振水晶片及び第1電極層の各種実施形態における構造の平面図である。
図5】本発明の共振水晶片及び第1電極層の各種実施形態における構造の平面図である。
図6】本発明の共振水晶片及び第1電極層の各種実施形態における構造の平面図である。
図7】本発明の共振水晶片及び第1電極層の各種実施形態における構造の平面図である。
図8】本発明の共振水晶片及び第1電極層の各種実施形態における構造の平面図である。
図9】本発明の共振水晶片及び第1電極層の各種実施形態における構造の平面図である。
図10】本発明の共振水晶片及び第1電極層の各種実施形態における構造の平面図である。
図11】本発明の共振水晶片及び第1電極層の各種実施形態における構造の平面図である。
図12】本発明の共振水晶片及び第1電極層の各種実施形態における構造の平面図である。
図13】本発明の共振水晶片及び第1電極層の各種実施形態における構造の平面図である。
図14】本発明の共振水晶片及び第1電極層の各種実施形態における構造の平面図である。
図15】本発明の共振水晶片及び第1電極層の各種実施形態における構造の平面図である。
図16】本発明の共振水晶片及び第1電極層の各種実施形態における構造の平面図である。
図17】本発明の共振水晶片及び第1電極層の各種実施形態における構造の平面図である。
図18】本発明の共振水晶片及び第1電極層の各種実施形態における構造の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態について、関連する図を合わせて以下にさらなる説明を加える。図面及び明細書においては、可能な限り、同じ符号で同一又は同様の部材を示す。図面においては、簡潔性及び利便性のため、形状及び厚さが拡大表示されることがある。特に図中で表示されていない、或いは明細書に記載されていない素子は、当業者が知る形態であると解釈できる。当業者は本発明の内容に基づいて様々な変更や修正を行うことができる。
【0020】
1つの素子が「・・・上にある」と記述されている場合、一般的には当該素子が直接その他の素子上にあることを指し、その他の素子が両者の中間に存在するという場合もある。それに反し、1つの素子が「直接」別の素子にあるという記述の場合、その他の素子は両者の中間に存在することはできない。本文で用いられる「及び/又は」は、列挙された関連項目中の1つ又は複数のいかなる組み合わせをも含むことを意味する。
【0021】
以下の文中における「一つの実施形態」又は「一実施形態」という記述は少なくとも1つの実施形態内において関連する特定の素子、構造又は特徴のことを指す。したがって、以下の文中において多くの箇所にある「一つの実施形態」又は「一実施形態」といった複数の記述は同一実施形態に対するものではない。さらに、1つ又は複数の実施形態における特定の部材、構造及び特徴は適切な方式に基づいて組み合わせることができる。
【0022】
以下に具体例を挙げて説明を加えるが、これらの例は説明のために用いられるに過ぎない。当業者であれば、本開示内容の精神と領域を逸脱しない範囲内で各種の変更や潤色を加えることができる。本開示内容の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。本明細書及び特許請求の範囲において、明確な指定がない限り、「1つ」及び「前記」という用語は、「1つまたは少なくとも1つ」の意味を含む。また、本開示にもあるように、特定の文脈から複数であることが明らかである以外に、単数表記は複数の意味も含む。さらに、本明細書及び特許請求の範囲における内容に明確な指定がない限り、「その中」という用語は、「その中」及び「その上」という意味を含むことがある。本明細書及び特許請求の範囲で使用される用語(terms)は、明確な説明がない限り、その用語が当該分野、本開示の内容及び特殊な内容において通常用いられるのと同じ意味を有する。本開示を説明するための用語については、以下の段落または明細書で別途説明し、当業者(practitioner)が本開示の説明をより明確に理解できるようにする。本明細書のいかなる部分の例示も、ここに述べる用語の例示の使用に含まれ、これらの例示は説明のために用いられるに過ぎず、本開示又は例示されるいかなる用語の範囲及び意味を限定するものではない。同様に、本開示は本明細書で提案される各種実施形態に限定されない。
【0023】
また、「電気的に結合(電気結合)」又は「電気的に接続(電気接続)」という語句を使用する場合は、いかなる直接的及び間接的な電気接続手段も含まれる。例えば、文中で第1装置が第2装置に電気的に結合するという記載がある場合、当該第1装置は当該第2装置に直接的に接続できる、或いはその他の装置又は接続手段により当該第2装置に間接的に接続できることを示す。さらに、電気信号の伝送、提供についての記載がある場合は、電気信号の伝送過程において減衰又はその他非理想的な変化が伴う可能性はあるが、電気信号の伝送又は提供の供給源及び受信端について特に説明がない場合は、実質上同一信号であると見なされることを、当業者は理解できるはずである。例えば、電子回路の端点Aから電気信号Sを電子回路の端点Bに伝送(又は提供)する場合、トランジスタースイッチのソース、ドレイン両端及び/又は可能な寄生容量により電圧を低下させる可能性があるが、この設計の目的によれば、意図せずに伝送(又は提供)時に生じる減衰又はその他の非理想的な変化を利用してある特定の技術効果を達成する場合、電気信号Sは電子回路の端点Aと端点Bにおいて実質的な同一信号と見なすことができるはずである。
【0024】
本明細書で使用する「含む、備える(comprising、including、involving)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」などの用語は、オープンエンド形式(open-ended)であり、つまり、挙げられたものに限定されないことを意図している。また、本発明のいずれの実施形態或いは特許請求の範囲は、本発明が開示した目的、長所或いは特徴の全てを達成する必要はない。また、要約と発明の名称は、特許文献を検索するのに用いられるものであり、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。
【0025】
図2は本発明の吸振式水晶振動子パッケージ構造の一実施形態における構造分解図である。図3は本発明の吸振式水晶振動子パッケージ構造の一実施形態における構造断面図である。以下に本発明の吸振式水晶振動子パッケージ構造2を紹介するので、図2及び図3を参照されたい。吸振式水晶振動子パッケージ構造2はパッケージベース20、共振水晶片21及びカバー22を含む。パッケージベース20の頂部には凹部200を有し、パッケージベース20の側壁は凹部200を取り囲む。共振水晶片21はフレーム部210、少なくとも1つの蛇行(serpentine)型接続部211及び共振部212を備える水晶板であってよく、蛇行型接続部211は湾曲形状及び振動吸収機能を有する。蛇行型接続部211は共振部212の辺縁とフレーム部210の間を接続し、フレーム部210はパッケージベース20の側壁上に設けられる。フレーム部210、蛇行型接続部211及び共振部212は一体成型であってよい。カバー22はフレーム部210上に設けられ、凹部200、蛇行型接続部211及び共振部212を遮蔽する。蛇行型接続部211がフレーム部210と共振部212の間に形成されることにより、外界の機械的な振動又は瞬間的な衝撃が共振部212に伝わるのが回避され、共振周波数が安定する。
【0026】
本発明の実施形態の中には、吸振式水晶振動子パッケージ構造2が第1電極層23、第2電極層24、第1シールリング25、第2シールリング26及び複数の導電パッド27をさらに含むものがある。第1電極層23は蛇行型接続部211及び共振部212の底面に設けられ、第1電極層23は共振部212に電気的に接続する。第2電極層24は蛇行型接続部211及び共振部212の頂面に設けられ、第2電極層24は共振部212に電気的に接続する。第1シールリング25はパッケージベース20の側壁とフレーム部210の間に設けられ、第2シールリング26はフレーム部210とカバー22の間に設けられる。全ての導電パッド27はパッケージベース20の底面に設けられる。
【0027】
図4から図18は本発明の共振水晶片及び第1電極層の各種実施形態における構造の平面図である。図2及び図4が示すように蛇行型接続部211の数量は1つであり、蛇行型接続部211は第1接続腕2111、第2接続腕2112及び第3接続腕2113を含む。第1接続腕2111は第1端部及び第2端部を有し、第1端部は共振部212の辺縁に接続する。第2接続腕2112は、第3端部及び第4端部を有し、第1接続腕2111に垂直に接続し、第3端部は第2端部に接続する。第3接続腕2113は、第5端部及び第6端部を有するとともに第2接続腕2112に垂直に接続し、第5端部は第4端部に接続し、第6端部はフレーム部210に接続する。共振部212は長方形を例とする。蛇行型接続部211が長方形の長辺に接続するとき、蛇行型接続部211とフレーム部210の接続位置と、蛇行型接続部211と共振部212の辺縁の接続位置の間の距離はD1となり、かつ長方形の幅はWとなり、D1=C1×W、C1=0.8~1.2となる。
【0028】
図2及び図5が示すように、図4の実施形態と比較すると、蛇行型接続部211は第4接続腕2114及び第5接続腕2115をさらに含む。第4接続腕2114は、第7端部及び第8端部を有するとともに第3接続腕2113に垂直に接続し、第7端部は第6端部に接続する。第5接続腕2115は、第9端部及び第10端部を有するとともに第4接続腕2114に垂直に接続し、第9端部は第8端部に接続し、第10端部はフレーム部210に接続し、D1=C1×W、C1=0.8~1.2となる。
【0029】
図2及び図6が示すように、図5の実施形態と比較すると、蛇行型接続部211が長方形の短辺に接続するとき、蛇行型接続部211とフレーム部210の接続位置と、蛇行型接続部211と共振部212の辺縁の接続位置の間の距離はD2となり、長方形の長さはLとなり、D2=C2×L、C2=0.8~1.2となる。
【0030】
図2及び図7が示すように、図6の実施形態と比較すると、蛇行型接続部211の数量は2つであり、かつこの2つの蛇行型接続部211は対称的に位置し、D2=C2×L、C2=0.8~1.2となる。
【0031】
図2及び図8が示すように、図5の実施形態と比較すると、蛇行型接続部211の数量は2つであり、かつこの2つの蛇行型接続部211は対称的に位置し、D1=C1×W、C1=0.8~1.2となる。
【0032】
図2及び図9が示すように、図5の実施形態と比較すると、蛇行型接続部211の数量は3つであり、かつ2つの蛇行型接続部211は対称的に位置する。蛇行型接続部211が長方形の短辺に接続するとき、蛇行型接続部211とフレーム部210の接続位置と、蛇行型接続部211と共振部212の辺縁の接続位置の間の距離はD2となり、長方形の長さはLとなり、D2=C2×L、C2=0.8~1.2、かつD1=C1×W、C1=0.8~1.2となる。
【0033】
図2及び図10が示すように、図5の実施形態と比較すると、蛇行型接続部211の数量は2つであり、長方形の短辺及び長辺にそれぞれ接続する。蛇行型接続部211が長方形の短辺に接続するとき、蛇行型接続部211とフレーム部210の接続位置と、蛇行型接続部211と共振部212の辺縁の接続位置の間の距離はD2となり、長方形の長さはLとなり、D2=C2×L、C2=0.8~1.2、D1=C1×W、C1=0.8~1.2となる。
【0034】
図2及び図11が示すように、図9の実施形態と比較すると、蛇行型接続部211の数量は複数であり、4つを例とした場合、全ての蛇行型接続部211はいずれも共振部212の辺縁とフレーム部210の間を接続し、D2=C2×L、C2=0.8~1.2、D1=C1×W、C1=0.8~1.2となる。
【0035】
図2及び図12が示すように、図5の実施形態と比較すると、蛇行型接続部211は第6接続腕2116及び第7接続腕2117をさらに含む。第6接続腕2116は、第11端部及び第12端部を有するとともに第5接続腕2115に垂直に接続し、第11端部は第10端部に接続する。第7接続腕2117は、第13端部及び第14端部を有するとともに第6接続腕2116に垂直に接続し、第13端部は第12端部に接続し、第14端部はフレーム部210に接続し、D1=C1×W、C1=0.8~1.2となる。
【0036】
図2及び図13が示すように、図12の実施形態と比較すると、蛇行型接続部211が長方形の短辺に接続するとき、蛇行型接続部211とフレーム部210の接続位置と、蛇行型接続部211と共振部212の辺縁の接続位置の間の距離はD2となり、長方形の長さはLとなり、D2=C2×L、C2=0.8~1.2となる。
【0037】
図2及び図14が示すように、図13の実施形態と比較すると、蛇行型接続部211の数量は2つであり、かつこの2つの蛇行型接続部211は対称的に位置し、D2=C2×L、C2=0.8~1.2となる。
【0038】
図2及び図15が示すように、図12の実施形態と比較すると、蛇行型接続部211の数量は2つであり、かつこの2つの蛇行型接続部211は対称的に位置し、D1=C1×W、C2=0.8~1.2となる。
【0039】
図2及び図16が示すように、図12の実施形態と比較すると、蛇行型接続部211の数量は3つであり、かつ2つの蛇行型接続部211は対称的に位置する。蛇行型接続部211が長方形の短辺に接続するとき、蛇行型接続部211とフレーム部210の接続位置と、蛇行型接続部211と共振部212の辺縁の接続位置の間の距離はD2となり、長方形の長さはLとなり、D2=C2×L、C2=0.8~1.2となり、D1=C1×W、C1=0.8~1.2となる。
【0040】
図2及び図17が示すように、図12の実施形態と比較すると、蛇行型接続部211の数量は2つであり、かつ長方形の短辺及び長辺にそれぞれ接続する。蛇行型接続部211が長方形の短辺に接続するとき、蛇行型接続部211とフレーム部210の接続位置と、蛇行型接続部211と共振部212の辺縁の接続位置の間の距離はD2となり、長方形の長さはLとなり、D2=C2×L、C2=0.8~1.2となり、かつD1=C1×W、C1=0.8~1.2となる。
【0041】
図2及び図18が示すように、図16の実施形態と比較すると、蛇行型接続部211の数量は複数であり、4つを例とした場合、全ての蛇行型接続部211はいずれも共振部212の辺縁とフレーム部210の間を接続し、D2=C2×L、C2=0.8~1.2、かつD1=C1×W、C1=0.8~1.2となる。
【0042】
上述の実施形態によれば、吸振式水晶振動子パッケージ構造は、蛇行型接続部がフレーム部と共振部の間に形成されることにより、外界の機械的な振動又は瞬間的な衝撃が共振部に伝わるのが回避され、共振周波数が安定する。
【0043】
上述の記載は本発明の好ましい実施例の説明に過ぎず、本発明の実施範囲を限定するものではない。したがって、本発明の特許請求の範囲に記載された形状、構造、特徴及び精神に基づく均等な変更や潤色は全て、本発明の特許請求の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0044】
1 水晶振動子
10 水晶振動子素子
11 第1ケース
12 第2ケース
13 激振電極
14 激振電極
2 吸振式水晶振動子パッケージ構造
20 パッケージベース
200 凹部
21 共振水晶片
210 フレーム部
211 蛇行型接続部
2111 第1接続腕
2112 第2接続腕
2113 第3接続腕
2114 第4接続腕
2115 第5接続腕
2116 第6接続腕
2117 第7接続腕
212 共振部
22 カバー
23 第1電極層
24 第2電極層
25 第1シールリング
26 第2シールリング
27 導電パッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18