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特許74101212つのオフセットレーザビームを提供するための光学装置及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】2つのオフセットレーザビームを提供するための光学装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 26/10 20060101AFI20231226BHJP
   B23K 26/067 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
G02B26/10 C
B23K26/067
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2021503085
(86)(22)【出願日】2019-07-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 EP2019069889
(87)【国際公開番号】W WO2020020931
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-06-10
(31)【優先権主張番号】BE2018/5535
(32)【優先日】2018-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】518047322
【氏名又は名称】レーザー エンジニアリング アプリケーションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マルタン,ポール-エティエンヌ
(72)【発明者】
【氏名】エスティバル,セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】クピシエウィックズ,アクセル
(72)【発明者】
【氏名】ラモス デ カンポス,ホセ-アントニオ
【審査官】磯崎 忠昭
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-504483(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105005149(CN,A)
【文献】国際公開第2016/206943(WO,A1)
【文献】特開2016-103007(JP,A)
【文献】国際公開第2017/029210(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 26/10
G02B 26/08
B23K 26/067
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのワークピースまたは基板を同時に同一の歳差運動機械加工を行うために、入力レーザビーム(301)に対して空間的にオフセットされた少なくとも第1のレーザビーム(10)と第2のレーザビーム(20)とを提供するための方法であって、
a.時間的に固定された偏光を有するように、前記入力レーザビーム(301)を生成するためのレーザ源(300)を設ける工程と、
b.前記入力レーザビーム(301)に対してオフセットレーザビーム(7)を生成するための空間オフセット部(1)を設ける工程であって、
前記オフセットレーザビーム(7)が、主伝搬軸Aを有し、
前記主伝搬軸Aに垂直な平面に円を描くのに適し、
前記空間オフセット部(1)が、前記入力レーザビーム(301)と前記オフセットレーザビーム(7)との間で同じ偏光を維持することができる、工程と、
c.前記オフセットレーザビーム(7)から
透過により、第1の主伝搬軸(11)を有する前記第1の空間オフセットレーザビーム(10)と、
反射により、第2の主伝搬軸(21)を有する前記第2の空間オフセットレーザビーム(20)と、
を得るための第1の偏光分離手段(51)を含む分離部(2)を設ける工程と、を備え、
前記分離部(2)が、前記第1の空間オフセットレーザビーム(10)及び前記第2の空間オフセットレーザビーム(20)が、それぞれ前記第1の主伝搬軸(11)及び第2の主伝搬軸(21)に垂直な平面に円を描くのに適するように構成されている、方法。
【請求項2】
前記空間オフセット部(1)が、前記入力レーザビーム(301)と前記オフセットレーザビーム(7)との間の空間オフセットを変更するのに適している、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の主伝搬軸(11)が、前記第2の主伝搬軸(21)に垂直である、請求項1及び2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記分離部(2)が第1の分離モジュール(50)を備え、前記第1の分離モジュール(50)が、前記第1の偏光分離手段(51)と、前記第1の偏光分離手段(51)の上流に偏光管理手段を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記偏光管理手段が、遅延板(55)を含み、前記遅延板(55)の回転により、前記第1の偏光分離手段(51)による透過パワーと反射パワーを調節する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記偏光管理手段が、2つの遅延板(55、56)を含み、前記2つの4分の1波長板(55、56)のうちの少なくとも1つの回転により、前記第1の偏光分離手段(51)による透過パワーと反射パワーを調節する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
d.前記第1の空間オフセットレーザビーム(10)及び第2の空間オフセットレーザビーム(20)を少なくとも1つのワークピース(201、211)に向けるために、前記分離部(2)の下流に位置決めされた第1の偏向手段(15)及び第2の偏向手段(25)を設ける工程と、
e.前記第1の空間オフセットレーザビーム(10)及び第2の空間オフセットレーザビーム(20)を前記少なくとも1つのワークピース(201、211)に集束させるように、前記第1の偏向手段(15)及び前記第2の偏向手段(25)の下流にそれぞれ位置決めされた第1の集束手段(17)及び第2の集束手段(27)を設ける工程と、を更に備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
レーザ機械加工用の光学装置であって、
入力レーザビーム(301)から、主伝搬軸Aを有し、前記主伝搬軸Aに垂直な平面に円を描くのに適したオフセットレーザビーム(7)を得るための空間オフセット部(1)と、
前記オフセットレーザビーム(7)から
透過により、第1の主伝搬軸(11)を有する第1の空間オフセットレーザビーム(10)と、
反射により、第2の主伝搬軸(21)を有する第2の空間オフセットレーザビーム(20)と、
を得るための第1の偏光分離手段(51)を含む第1の分離モジュール(50)を含む分離部(2)と、を備え、
前記空間オフセット部(1)が、前記入力レーザビーム(301)と前記オフセットレーザビーム(7)との間で同じ偏光を維持することができ、
前記分離部(2)が、前記第1の空間オフセットレーザビーム(10)及び第2の空間オフセットレーザビーム(20)がそれぞれ前記第1の主伝搬軸(11)及び第2(21)の主伝搬軸に垂直な平面に円を描くのに適するように構成され、
前記光学装置は、少なくとも2つのワークピースまたは基板への同時に同一の歳差運動機械加工を可能とする、装置。
【請求項9】
前記第1の空間オフセットレーザビーム(10)又は第2の空間オフセットレーザビーム(20)を反射するためのミラー(4)を更に備える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の偏光分離手段(51)が、
偏光立方体と、
56度ブルースタープレートと、
45度偏光ミラーと、の偏光手段のうちの1つから選択される、請求項9または8に記載の装置。
【請求項11】
第1の分離モジュール(50)が、前記第1の偏光分離手段(51)の上流に偏光管理手段を備える、請求項8から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記偏光管理手段が、遅延板(55)を含み、前記遅延板(55)の回転により、前記第1の偏光分離手段(51)による透過パワーと反射パワーを調節する、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記偏光管理手段が、2つの遅延板(55、56)を含み、前記2つの遅延板(55、56)のうちの少なくとも1つの回転により、前記第1の偏光分離手段(51)による透過パワーと反射パワーを調節する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記空間オフセット部(1)が、
前記主伝搬軸Aに垂直な平面に方向Xに沿ってオフセットレーザビームを得るための第1の横方向オフセット部(1X)と、
前記主伝搬軸Aに垂直な平面に方向Yに沿ってオフセットレーザビームを得るための第2の横方向オフセット部(1Y)と、を備え、
前記方向X及びYが互いに直交しており、
入力レーザビーム(301)をオフセットするのに適するように、前記第1の横方向オフセット部(1X)及び前記第2の横方向オフセット部(1Y)が光学的に結合されて、前記主伝搬軸Aに垂直な平面に円を描くのに適したオフセットレーザビーム(7)を得る、請求項8~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記第1の横方向オフセット部(1X)及び/又は前記第2の横方向オフセット部(1Y)が、レーザビームをオフセットして、前記主伝搬軸Aに垂直な平面に方向X及び/又はYに沿ってオフセットレーザビームを得るように回転させるのに適したプレート(410)を備える、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の横方向オフセット部(1X)及び/又は第2の横方向オフセット部(1Y)が、
法線が2次元空間の軌道を描くのに適した可動ミラー(401)と、
前記可動ミラー(401)のすべての可能な位置及び配向に関して、方向X及び/又はYに沿ってオフセットビームを得るように、前記可動ミラー(401)からのレーザビームの第1の入力反射を前記可動ミラー(401)に向け直すように構成された光学反射システム(402、403)と、を備える、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記光学反射システム(402、403)が、第1の固定ミラー(402)及び第2の固定ミラー(403)を備え、
前記第1の固定ミラー(402)及び前記第2の固定ミラー(403)は、
前記可動ミラー(401)上での前記レーザビームの第1の入力反射が前記第1の固定ミラー(402)に向けられ、
前記第1の固定ミラー(402)上での第2の反射が前記第2の固定ミラー(403)に向けられ、
前記第2の固定ミラー(402)上での第3の反射が前記可動ミラー(401)に向けられ、
前記可動ミラー(401)上での第4の出力反射により、前記可動ミラー(401)のすべての可能な位置及び配向に関して、方向X及び/又はYのそれぞれに沿ったオフセットビームを得ることができるように構成されている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記第1の横方向オフセット部(1X)及び前記第2の横方向オフセット部(1Y)が、
法線が二次元空間内で軌道を描くのに適した第1の可動ミラー(421X、421Y)と、
法線が前記二次元空間内で軌道を描くのに適した第2の可動ミラー(422X、422Y)と、を備え、
前記第1の可動ミラー(421X、421Y)及び第2の可動ミラー(422X、422Y)の前記法線が、前記第1の可動ミラー(421X、421Y)及び第2の可動ミラー(422X、422Y)のすべての可能な位置及び配向に関して平行であり、前記第1の可動ミラー(421X、421Y)及び第2の可動ミラー(422X、422Y)が、
前記第1の可動ミラー(421X)上での前記入力レーザビーム(301)の第1の入力反射が、前記第2の可動ミラー(422X)に向けられ、
前記第2の可動ミラー(422X)での第2の反射により、前記第1の可動ミラー(421X)及び第2の可動ミラー(422X)のすべての可能な位置及び配向に関して、方向Xに沿って横方向オフセットビーム(302)を得ることができ、
前記第1の可動ミラー(421Y)上での横方向オフセットビーム(302)の第3の反射が、前記第2の可動ミラー(422Y)に向けられ、
前記第2の可動ミラー(422Y)での第4の反射により、前記第1の横方向オフセット部(1X)及び第2の横方向オフセット部(1Y)の前記第1の可動ミラー(421X、421Y)及び第2の可動ミラー(422Y、422Y)のすべての可能な位置及び配向に関して、前記主伝搬軸Aに垂直な平面に円を描くのに適したオフセットレーザビーム(7)を得ることができるように構成されている、請求項14に記載の装置。
【請求項19】
前記第1の横方向オフセット部(1X)及び第2の横方向オフセット部(1Y)が、請求項15により定義される、請求項14に記載の装置。
【請求項20】
前記第1の横方向オフセット部(1X)及び第2の横方向オフセット部(1Y)が、請求項16又は17により定義される、請求項14に記載の装置。
【請求項21】
前記第1の横方向オフセット部(1X)及び第2の横方向オフセット部(1Y)が、請求項18により定義される、請求項14に記載の装置。
【請求項22】
前記第1の横方向オフセット部(1X)が請求項18により定義され、前記第2の横方向オフセット部(1Y)が請求項15により定義され、前記プレート(410)が前記第1の可動ミラー(421)と第2の可動ミラー(422)との間に位置決めされて、前記第1の可動ミラー(421)上での第1の反射が、前記プレート(410)を通過することによって前記第2の可動ミラー(422)に向けられる、請求項15および18に記載の装置。
【請求項23】
前記空間オフセット部(1)が、
法線が3次元空間内の軌道を描くのに適した第1の可動ミラー(431)と、
法線が前記3次元空間内の軌道を描くのに適した第2の可動ミラー(432)と、
を備え、
前記第1の可動ミラー(431)及び前記第2の可動ミラー(432)の前記法線が、前記第1の可動ミラー(431)及び第2の可動ミラー(432)のすべての可能な位置及び配向に関して平行であり、前記第1の可動ミラー(431)及び前記第2の可動ミラー(432)が、
前記第1の可動ミラー(431)からのレーザビームの第1の入力反射が、前記第2の可動ミラー(432)に向けられ、
前記第2の可動ミラー(432)上での第2の反射により、前記第1の可動ミラー(431)及び前記第2の可動ミラー(432)のすべての可能な位置及び配向に関して、前記主伝搬軸Aに垂直な平面に円を描くのに適したオフセットレーザビーム(7)を得ることができるように構成されている、請求項8~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記空間オフセット部(1)が、
法線が三次元空間内の軌道を描くのに適した可動ミラー(119)と、
前記可動ミラー(119)の可能なすべての位置及び配向に関して、前記主伝搬軸Aに垂直な平面に円を描くのに適したオフセットレーザビーム(7)を得るように前記可動ミラー(119)上でのレーザビームの第1の入力反射を前記可動ミラー(119)に向け直すように構成された光学反射システム(121)と、
を備える、請求項8~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記光学反射システム(121)が、再帰反射システムである、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記空間オフセット部(1)が、
ミラー(119)であって、
法線(126)によって画定される略平面状の反射面を有して、前記入力レーザビーム(301)から第1の反射レーザビーム(123)を得て、
前記法線(126)が3次元空間内の軌道を描くのに適するように移動可能であり、
前記空間オフセット部(1)が、前記ミラー(119)のすべての可能な位置及び配向に関して、前記入力レーザビーム(301)及び前記ミラー(119)の前記法線(126)が、0度~15度角度(115)で分離されるように構成されている、ミラーと、
前記ミラー(119)を変位させるための駆動手段(16)と、
再帰反射システム(121)であって、
前記ミラー(119)に対して位置決めされて、前記ミラー(119)のすべての可能な位置及び配向に関して、前記第1の反射レーザビーム(123)から前記ミラー(119)上に第2の入射レーザビーム(18)を得て、前記ミラー(119)上での前記第2の入射レーザビーム(18)の反射から前記オフセットレーザビーム(7)を得て、
前記ミラー(119)のすべての可能な位置及び配向に関して、前記第1の反射レーザビーム(123)に平行な前記ミラー(119)上の前記第2の入射レーザビーム(18)を提供するのに適している、再帰反射システムと、
を備える、請求項8~13、24、25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
多重機械加工システムであって、
入力レーザビーム(301)を生成するためのレーザ源(300)と、
請求項8~26のいずれか一項に記載の光学装置と、
前記第1の空間オフセットレーザビーム(10)及び前記第2の空間オフセットレーザビーム(20)に角度オフセットを課すように、前記分離部(2)の下流に位置決めされた第1の偏向手段(15)及び第2の偏向手段(25)と、
前記第1の空間オフセットレーザビーム(10)及び前記第2の空間オフセットレーザビーム(20)を少なくとも1つのワークピース(201、211)に集束させるように、前記第1の偏向手段(15)及び前記第2の偏向手段(25)の下流にそれぞれ位置決めされた第1の集束手段(17)及び第2の集束手段(27)と、
を備えるシステム。
【請求項28】
偏向手段に信号を発するのに適した、偏向手段(15、25)を制御するための制御部を更に備え、前記制御部が、前記偏向手段(15、25)のそれぞれに共通の制御信号を発するように構成されている、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記第1の偏向手段(15)及び前記第2の偏向手段(25)に異なる制御信号を発するのに適した、偏向手段(15、25)を制御するための制御部を更に備える、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
前記集束手段(17、27)がFシータレンズである、請求項27から29のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
第1の態様によれば、本発明は、入力レーザビームから少なくとも2つの空間的にオフセットされたレーザビームを提供するための方法に関する。第2の態様によれば、本発明は、第1の態様による方法を実施するための光学装置に関する。第3の態様によれば、本発明は機械加工システムに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ穿孔及び切断プロセスは既知である。レーザビームで機械加工される表面を横断するために、これらのプロセスは現在、ターゲットの変位手段よりも走査ヘッド(例えば、偏向手段、スキャナ)を使用している。この選択は、主に使いやすさと機械加工速度の理由による。レーザビームのガウス分布により、スキャナを使用すると、円錐形切断面、つまり直線状ではない機械加工動作が生じる。用途によっては、これは許容不能である。
【0003】
切断面の円錐度を制御又は排除するために、歳差運動ヘッドが開発されてきた。これらの歳差運動ヘッドは、機械加工されるターゲットへのレーザビームの迎え角を制御する。この迎え角の制御により、切断面の円錐度をより適切に制御することができる。
【0004】
平均出力が100ワット超の(及びパルスエネルギーが100μJ超の)超短パルス源が現在市販されており、機械加工速度を上げることで生産性を向上させることができる。しかしながら、レーザ源の平均出力を低下させることなく、ワークピースの機械加工にそのようなレーザ源を使用することは、ターゲットへの熱影響がワークピースの変形(又は更には破壊)、酸化、又は構造上の変化をもたらす可能性があるため、一般的に不可能である。このような熱影響を制限するために、局所的に温度を下げる目的で、機械加工されるターゲットにエアブラストを吹き付けることができるガスノズルがある。ただし、ガスノズルはかさばり、有効性が限定される可能性がある。また、ガスノズルはターゲットへの圧力を発生させて、ターゲットを移動させたり、更には劣化させたりする可能性がある。
【0005】
現在の解決策では、熱影響により、歳差運動で100ワットを超え得るレーザ源を使用できない。
【発明の概要】
【0006】
第1の態様によれば、本発明の目的の1つは、有害な熱影響を生成せずに、又は有害な熱影響を低減することによって、歳差運動機械加工用の強力なレーザ源を利用するための方法を提供することである。
【0007】
この目的のために、本発明者らは、入力レーザビームに対して空間的にオフセットされた(例えば、横方向にオフセットされた)少なくとも第1及び第2のレーザビームを提供するための方法を提案しており、方法は、
a.時間的に固定された偏光を有するように、上記入力レーザビームを生成するためのレーザ源を設ける工程と、
b.上記入力レーザビームに対してオフセットレーザビーム(例えば横方向オフセット)を提供するための空間オフセット部を設ける工程であって、
上記オフセットレーザビームが、主伝搬軸Aを有し、主伝搬軸Aに垂直な平面内に円を描くのに適し、上記空間オフセット部が、上記入力レーザビームと上記オフセットレーザビームとの間で同じ偏光を維持することができる、工程と、
c.上記オフセットレーザビームから
透過により、第1の主伝搬軸を有する第1の空間オフセットレーザビーム(例えば、横方向オフセット)と、
反射により、第2の主伝搬軸を有する第2の空間オフセットレーザビーム(例えば、横方向オフセット)と、
を得るための第1の偏光分離手段を含む分離部を設ける工程と、
を備え、
上記分離部が、上記第1及び第2の空間オフセットレーザビームが、それぞれ上記第1及び第2の主伝搬軸に垂直な平面に円を描くのに適するように構成されている。
好ましくは、本発明による方法は、(例えば、工程aの後に)コリメーション調整システムを設けることを更に含む(これにより、様々な厚さのターゲットサンプルに適合しやすくなる)。本発明による方法は、好ましくは、ワークピースのレーザ機械加工、より好ましくは、ワークピースのレーザ微細機械加工を目的とする。
【0008】
本発明の方法により、レーザ源、横方向オフセット部、及び2つの横方向オフセットレーザビームを取得することで、単一の横方向オフセット部によって横方向にオフセットされた単一源からの2つの別個のレーザビームを用いて2つの機械加工動作を実行することができる。本発明によると、ソースレーザビームがいくつかの下流のレーザビームに細分されるので、有害な熱影響を生成せずに、又は有害な熱影響を低減することによって、強力なレーザ源を動作させることができる。第1及び第2の横方向オフセットレーザビームに対して、空間オフセット部によって与えられる横方向オフセットを維持することができる。このオフセットの維持は、入力レーザビームとオフセットレーザビーム間で同じ偏光を維持することができる横方向オフセット部と、偏光による分離部との組み合わせのおかげで可能となる。
【0009】
好ましくは、本発明の光学装置は、1次元の横方向オフセットを生成するのに適している、即ち、オフセット光ビームは、オフセットレーザビームの主伝搬方向に垂直な平面に線を描く。より好ましくは、横方向オフセット部は、2次元でオフセットを生成するのに適している、即ち、オフセット光ビームは、オフセットレーザビームの主伝搬方向に垂直な平面に円や楕円などを描く。本発明の光学装置を用いて、主伝搬方向に垂直な平面にレーザビームを用いて任意の軌道を生成することもできる。横方向オフセットとは、レーザビームがオフセットレーザビームの主伝搬方向に対して、常に横方向にオフセットされることを意味する。よって、オフセットレーザビームは、主伝搬方向に平行に伝搬する。例えば、オフセットレーザビームは、主伝搬軸Aに平行に伝搬する。したがって、横方向オフセット部が、オフセットレーザビームが上記主伝搬軸Aに垂直な平面に円を描くことができるようなオフセットを生成する場合、オフセットレーザビームは、主伝搬軸Aを中心に回転することによって伝搬する。
【0010】
本発明の利点は、分離部が、主伝搬方向Aを中心とした横方向オフセットを維持できることである。実際、分離部は、第1及び第2の主伝搬軸に沿ってそれぞれ横方向にオフセットされた第1及び第2のレーザビームを分離して、横方向オフセットレーザビーム及び主伝搬軸がそれぞれの横方向オフセットを保持することができる。よって、単一の横方向オフセット部を使用して、同一又は異なる少なくとも2つの機械加工動作を同時に実行することが可能である。これは、入力レーザビームとオフセットレーザビームの間で同じ偏光を維持することができ、オフセットレーザビームのいかなる角度オフセットも誘発しない横方向オフセット部を使用することによって達成される。このことは、横方向のオフセットを高い忠実度で保ちながらビームを分離できるようにするために不可欠である。また、分離部は比較的シンプルかつコンパクトである。分離部はまた、分離されたビームのパワー分布を良好に制御する。
【0011】
本発明の方法によってオフセットレーザビームを分離できることのもう1つの利点は、同じ歳差運動モジュール(空間オフセット部)を使用し、各空間オフセットレーザビームの放射量(強度)を調節して、複数の歳差運動機械加工を実行できる能力である。本発明の解決策では、いくつかの分離部を積み重ねて、2、3、4、又はそれ以上のオフセットレーザビームを生成することも容易である。
【0012】
好ましくは、オフセットレーザビームによって描かれる円は、主軸Aと主軸Aに垂直な平面との交点を中心とする。
【0013】
好ましくは、空間オフセット部は、レーザ源の下流にある。好ましくは、分離部は、空間オフセット部の下流に位置決めされる。
【0014】
本発明の方法の利点は、オフセットレーザビームの偏光を変化させないオフセット部を提供することである。したがって、偏光手段、例えば、偏光立方体、偏光板、ブルースタープレートなどを使用して、オフセットレーザビームを少なくとも2つのオフセットレーザビームに分離することが可能である。実際、本発明の空間オフセット部の利点は、空間オフセット部がレーザビームの偏光を回転させないことである。実際には、偏光を回転させる空間オフセット部が存在するが、ビームと同期して回転する偏光を分離する手段がない限り、偏光光学部品によるビームの分離が特に複雑になる。したがって、本発明に含まれる空間オフセット部では、ビームをそれ自体回転させることなく空間的に(例えば、横方向に)オフセットすることが可能であり、その結果、偏光は時間が経過しても一定である。
【0015】
好ましくは、空間オフセット部は、入力レーザビームとオフセットレーザビームとの間の空間オフセットを変更するのに適している。
【0016】
好ましくは、上記第1の主伝搬軸は、上記第2の伝搬軸に垂直である。
【0017】
偏光立方体又は偏光板は、好ましくはオフセットレーザビームが偏光要素の表面に対して45度の入射を有する場合に、90度の角度で光ビームを透過及び反射することができる。
【0018】
好ましくは、第1の分離モジュールは、第1の偏光分離手段の上流に偏光管理手段を備える。
【0019】
オフセットレーザビームの分離に偏光管理手段を使用することの利点は、反射されるオフセットレーザビームのパワー及び少なくとも1つの遅延板によって透過されるパワーを調整/制御できることである。好ましくは、偏光管理手段(例えば、遅延板)は、オフセットレーザビームを分離させる偏光分離手段の上流に位置決めされる。よって、この少なくとも1つの遅延板を光軸を中心に回転させることによって透過部分及び反射部分を変更するように、オフセットレーザビームの偏光を変更することができる。少なくとも1つの遅延板に関連する偏光手段を含むそのような分離手段がカスケードされて、2つ超の横方向オフセットビームを得ることができる。
【0020】
好ましくは、偏光管理手段は、遅延板、好ましくは半波長板を含み、遅延板の回転により、第1の偏光分離手段による透過パワー及び反射パワーを調節する。
好ましくは、上記偏光管理手段は、2つの遅延板、好ましくは2つの4分の1波長板を含み、2つの4分の1波長板のうちの少なくとも1つの回転により、上記第1の偏光分離手段による透過パワー及び反射パワーを調節する。
【0021】
例えば、偏光管理手段は、2つの4分の1波長板を含む。例えば、2つの4分の1波長板を使用することで、オフセットレーザビームの100%が透過及び反射されると推定することによって、透過ビームにオフセットレーザビームのパワーの50%を、反射ビームに50%を得るように、円形偏光のオフセットレーザビームを偏光手段で分離することができる。同様に、一方及び/又は他方の4分の1波長板を回転させることにより、反射ビームに向けて75%又は2/3を分配し、透過ビームに向けて25%又は1/3を分配することができ、逆の場合も同様である。このような分布により、カスケードされたビーム分離を実行することが可能になり、等しいパワーを有する3つ又は4つの別々のレーザビームをレーザ源とオフセット部から得て、等しいレーザパワーで同時に機械加工を行うことができる。これは、生産性と品質の点で特に有益である。2つの4分の1波長板の利点は、楕円形偏光のオフセットレーザビームを制御下で分配できることである。
【0022】
例えば、少なくとも1つの遅延板は半波長板である。例えば、半波長板を使用することで、オフセットレーザビームの100%が透過及び反射されると推定することによって、透過ビームにオフセットレーザビームのパワーの50%及び反射ビームに50%を得るように、直線偏光のオフセットレーザビームを偏光手段で分離することができる。わずかな変更を加えるだけで、厳密に等しくなる、又は所定値に相当するように、透過パワーと反射パワーを微調整することができる。半波長板を回転させることにより、反射ビームに75%又は2/3を、透過ビームに25%又は1/3を分配することができ、逆の場合も同様である。このような分布により、カスケードされたビーム分離を実行することが可能になり、等しいパワーを有する3つ又は4つの別々のレーザビームをレーザ源とオフセット部から得て、等しいレーザパワーで同時に機械加工を行うことができる。これは、本装置を備える機械加工システムの生産性及び品質の観点から特に有益である。
【0023】
好ましくは、本発明による方法は、
d.上記第1及び第2の空間オフセットレーザビームを少なくとも1つのワークピースに向けるために、上記分離部下流に位置決めされた第1及び第2の偏向手段を設ける工程と、
e.上記第1及び第2の空間オフセットレーザビームを上記少なくとも1つのワークピースに集束させるように、それぞれに集束するように、上記第1及び上記第2の偏向手段の下流にそれぞれ位置決めされた第1及び第2の集束手段を設ける工程と、
を更に含む。
【0024】
例えば、分離から発生するオフセットレーザビームを偏向させるガルバノメトリックヘッド、スキャナ、電動ミラーなどの偏向手段の追加が、横方向オフセット部と分離部の組み合わせと共に可能である。これが可能になるのは、横方向オフセット部も分離部も、レーザビームがオフセットされる主伝搬軸に対して角度オフセットを誘発せず、これらの主伝搬軸に平行な円形経路を描くためである。よって、スキャナヘッドの使用が特に適している。主伝搬軸に対するレーザビームの角度オフセットの例を示すために、レンズの光軸に平行であるが光軸と一致しない入射ビームに誘導する収束レンズを考えてみると、ビームはレンズの焦点に集束し、焦点において光軸と交差する。このケースは、参照、即ち、光軸/主伝搬軸を変更せずに光ビームの経路を変更することによって要約することができる光ビームの角度オフセットを示す。
【0025】
上記と同じ原理に基づいて、集束手段、例えばFシータ光学部品上に円を描く横方向オフセットレーザビームに対して、集束手段によって誘発される角度オフセットを使用した歳差運動機械加工を可能にする。
【0026】
第2の態様によれば、本発明の目的の1つは、制御された円錐度での機械加工を保証しながら、レーザシステムの生産性を高める光学装置を提案することである。本発明の別の目的は、単一の横方向オフセットレーザビームから複数の機械加工動作を同時に実行できるようにするために、1つの横方向オフセットレーザビームからいくつかの横方向オフセットレーザビームを提供するための装置を提案することである。
【0027】
この目的のために、本発明者らは、レーザ機械加工用の光学装置であって、
入力レーザビームから、主伝搬軸Aを有し、上記主伝搬軸Aに垂直な平面に円を描くのに適したオフセットレーザビームを得るための空間オフセット部と、
上記オフセットレーザビームから
透過により、第1の主伝搬軸を有する第1の空間オフセットレーザビームと、
反射により、第2の主伝搬軸を有する第2の空間オフセットレーザビームと、
を得るための第1の偏光分離手段を含む第1の分離モジュールを含む分離部と、
を備え、
上記空間オフセット部が、上記入力レーザビームと上記オフセットレーザビームとの間で同じ偏光を維持することができ、
上記分離部が、上記第1及び第2の空間オフセットレーザビームがそれぞれ上記第1及び第2の主伝搬軸に垂直な平面に円を描くのに適するように構成されている、装置を提案する。
【0028】
本発明の第1の態様による方法について説明された様々な変形及び利点は、必要な変更を加えて、第2の態様による光学装置に適用される。好ましくは、本発明の光学装置は、様々な厚さのターゲットサンプルにより容易に適応できるコリメーション調整システムを更に含む。
【0029】
本発明の光学装置は、集束手段と組み合わせて、穿孔及び切断に非常に適した空間オフセット部(例えば、横方向)を使用する。本発明の装置の空間変位部の利点は、ワークピースの機械的変位手段だけでなく偏向手段、即ち、スキャナ、ガルバノメトリックヘッドと共に従来の偏向手段と同じ使いやすさで使用され得ることである。本発明に含まれる空間変位部(例えば、横方向)の利点は、スキャナ及びFシータレンズの使用と共存できることである。したがって、本発明の装置では、偏向装置のみで制御された円錐度(正、ゼロ、又は負)で、最大30×30mmの機械加工範囲で機械加工動作を実行することができる。
【0030】
本発明の装置は、横方向オフセット部の後ろに配置された分離部を含むため、単一のレーザ源及び単一の横方向オフセット部を備えたスキャナを使用して、レーザの歳差運動により複数の機械加工動作を同時に実行することができる。本発明の光学装置は、単一のレーザ源と、少なくとも1つのワークピース上に少なくとも2つのレーザビームの歳差運動を生成する単一の横方向オフセット部とを用いて、少なくとも2つのワークピースを機械加工することができる。本発明の光学装置の利点は、同時に機械加工されるワークピース毎に1つの横方向変位部を必要とせずに、少なくとも2つのワークピース又は基板を同時に機械加工することによって、より低いコストで同一又は異なる機械加工動作を行うことができる。
【0031】
本発明の機械加工装置の利点は、空間オフセット部(例えば、横方向)がオフセットレーザビームの偏光を変化させないことである。したがって、偏光手段、例えば、偏光立方体、偏光板、ブルースタープレートなどを使用して、オフセットレーザビームを少なくとも2つのオフセットレーザビームに分離することが可能である。実際、本発明の装置の空間オフセット部の利点は、空間オフセット部がレーザビームの偏光を回転させないことである。これは、偏光の回転を誘発するために、ビームと完全に同期して回転する利用可能な偏光分離手段がない限り、偏光光学システムでビームを分離することができない(非常に実行が困難である)他の既存の空間オフセット装置よりも特に有益である。
したがって、本発明に含まれる空間オフセット部のため、ビームをそれ自体回転させることなく、空間的に(例えば、横方向に)オフセットすることが可能であり、その結果、偏光は時間が経過しても一定である。
【0032】
好ましくは、上記第1の分離モジュールは、
透過により、上記第1の空間オフセットレーザビームと、
反射により、上記第2の空間オフセットレーザビームと、
を得るための第1の偏光分離手段を備える。
【0033】
半反射ミラーに基づくオフセットレーザビームの分離は可能であるが、そのような分離は、個別のレーザビームのパワーを微調整することができない。
【0034】
好ましくは、本発明の光学装置は、上記第1又は第2の空間オフセットレーザビームを反射するためのミラーを更に含む。
【0035】
そのようなミラーは、第1及び第2の空間オフセットレーザビームを同じ方向に、好ましくは並列に位置決めされた2つの偏向手段まで送ることができるように精密に平行にすることができる。
【0036】
好ましくは、上記第1の偏光分離手段は、
偏光立方体と、
56度ブルースタープレートと、
45度偏光ミラーと、
の偏光手段のうちの1つから選択される。
【0037】
好ましくは、第1の分離モジュールは、上記第1の偏光分離手段の上流に偏光管理手段を備える。
【0038】
好ましくは、上記偏光管理手段は、遅延板、好ましくは半波長板を含み、遅延板の回転により、上記第1の偏光分離手段による透過パワー及び反射パワーを調節する。好ましくは、遅延板の回転は、プレートをそれ自体回転させる、即ち、光軸を中心に回転させることによって達成される。
【0039】
好ましくは、上記偏光管理手段は、2つの遅延板、好ましくは2つの4分の1波長板を含み、2つの4分の1波長板のうちの少なくとも1つの回転が、上記第1の偏光分離手段による透過パワー及び反射パワーを調節する。
【0040】
好ましくは、上記空間オフセット部は、
上記主伝搬軸Aに垂直な平面に方向Xに沿ってオフセットレーザビームを得るための第1の横方向オフセット部と、
上記主伝搬軸Aに垂直な平面に方向Yに沿ってオフセットレーザビームを得るための第2の横方向オフセット部と、
を備え、
上記方向X及びYが互いに直交しており、
入力レーザビームをオフセットするのに適するように、上記第1及び上記第2の横方向オフセット部が光学的に結合されて、上記主伝搬軸Aに垂直な平面に円を描くのに適したオフセットレーザビームを得る。
【0041】
好ましくは、上記第1及び第2の横方向オフセット部は、レーザビームをオフセットして、上記主伝搬軸Aに垂直な平面に方向X及びYに沿ってオフセットレーザビームを得るように回転させるのに適したプレートを備える。好ましくは、上記第1又は上記第2の横方向オフセット部は、レーザビームをオフセットして、上記主伝搬軸Aに垂直な平面に方向X又はYに沿ってオフセットレーザビームを得るように回転させるのに適したプレートを備える。
【0042】
好ましくは、上記第1及び第2の横方向オフセット部は、
法線が2次元空間の軌道を描くのに適した可動ミラーと、
上記可動ミラーのすべての可能な位置及び配向に関して、方向X及びYに沿ってオフセットビームを得るように、上記可動ミラーからの上記レーザビームの第1の入力反射を上記可動ミラーに向け直すように構成された光学反射システムと、
を備える。
【0043】
好ましくは、上記第1又は第2の横方向オフセット部は、
法線が2次元空間の軌道を描くのに適した可動ミラーと、
上記可動ミラーのすべての可能な位置及び配向に関して、方向X又はYに沿ってオフセットビームを得るように、上記可動ミラーからの上記レーザビームの第1の入力反射を上記可動ミラーに向け直すように構成された光学反射システムと、
を備える。
【0044】
好ましくは、第1及び/又は第2の横方向オフセット部は、
法線が二次元空間内に軌道を描くのに適した可動ミラーと、
第1及び第2の固定ミラーであって、
レーザビームの可動ミラー上での第1の入力反射が第1の固定ミラーに向けられ、
第1の固定ミラー上での第2の反射が第2の固定ミラーに向けられ、
第2の固定ミラー上での第3の反射が可動ミラーに向けられ、
可動ミラー上での第4の出力反射により、可動ミラーのすべての可能な位置及び配向に関して、方向X及び/又はYに沿ったオフセットビームを得ることができる、
ように構成されている第1及び第2の固定ミラーと、
を備える。
【0045】
好ましくは、光学反射システムは、
第1及び第2の固定ミラーであって、
レーザビームの可動ミラーからの第1の入力反射が第1の固定ミラーに向けられ、
第1の固定ミラー上での第2の反射が第2の固定ミラーに向けられ、
第2の固定ミラー上での第3の反射が可動ミラーに向けられ、
可動ミラー上での第4の出力反射により、可動ミラーのすべての可能な位置及び配向に関して、方向X及び/又はYに沿ったオフセットビームを得ることができる、
ように構成されている第1及び第2の固定ミラーを備える。
【0046】
好ましくは、第1及び/又は第2の横方向オフセット部は、
法線が2次元空間内の軌道を描くのに適した第1の可動ミラーと、
法線が上記2次元空間内の軌道を描くのに適した第2の可動ミラーと、
を備え、
上記第1及び上記第2の可動ミラーの上記法線が、上記第1及び第2の可動ミラーのすべての可能な位置及び配向に関して平行であり、上記第1及び上記第2の可動ミラーが、
上記第1の可動ミラーからの上記レーザビームの第1の入力反射が、上記第2の可動ミラーに向けられ、
上記第2の可動ミラー上での第2の反射により、上記第1及び上記第2の可動ミラーのすべての可能な位置及び配向に関して、方向X及び/又はYに沿ったオフセットビームを得ることができるように構成されている。
【0047】
好ましくは、上記第1及び第2の横方向オフセット部は、
法線が二次元空間内で軌道を描くのに適した第1の可動ミラーと、
法線が上記二次元空間内で軌道を描くのに適した第2の可動ミラーと、
を備え、
上記第1及び第2の可動ミラーの上記法線が、上記第1及び第2の可動ミラーのすべての可能な位置及び配向に関して平行であり、上記第1及び第2の可動ミラーが、
上記第1の可動ミラー上での上記入力レーザビームの第1の入力反射が、上記第2の可動ミラーに向けられ、
上記第2の可動ミラーでの第2の反射により、上記第1及び第2の可動ミラーのすべての可能な位置及び配向に関して、方向Xに沿って横方向オフセットビームを得ることができ、
上記第1の可動ミラー上での横方向オフセットビームの第3の反射が、上記第2の可動ミラーに向けられ、
上記第2の可動ミラーでの第4の反射により、上記第1及び第2の横方向オフセット部の上記第1及び第2の可動ミラーのすべての可能な位置及び配向に関して、上記主伝搬軸Aに垂直な平面に円を描くのに適したオフセットレーザビームを得ることができるように構成されている。
【0048】
好ましくは、空間オフセット部は、
第1の横方向オフセット部であって、
法線が二次元空間内で軌道を描くのに適した第1の可動ミラーと、
法線が上記二次元空間内で軌道を描くのに適した第2の可動ミラーと、
を備え、
上記第1及び第2の可動ミラーの上記法線が、上記第1及び第2の可動ミラーのすべての可能な位置及び配向に関して平行であり、上記第1及び第2の可動ミラーが、
上記第1の可動ミラー上での上記入力レーザビームの第1の入力反射が、上記第2の可動ミラーに向けられ、
上記第2の可動ミラーでの第2の反射により、上記第1及び第2の可動ミラーのすべての可能な位置及び配向に関して、方向X又はYに沿って横方向オフセットビームを得ることができるように構成されている第1の横方向オフセット部と、
第2の横方向オフセット部であって、
レーザビームをオフセットして、主伝搬軸Aに垂直な平面内でそれぞれ方向X又はYに沿ってオフセットレーザビームを得るように回転させるのに適したプレートを備える第2の横方向オフセット部と、
を備え、
第1及び第2の横方向オフセット部は、プレートが第1及び第2の可動ミラーの間に配置され、第1の可動ミラー上での第1の反射がプレートを通過することによって第2の可動ミラーに向けられるように構成されている。
【0049】
好ましくは、空間オフセット部は、
法線が3次元空間内の軌道を描くのに適した第1の可動ミラーと、
法線が3次元空間内の軌道を描くのに適した第2の可動ミラーと、
を備え、
第1及び上記第2の可動ミラーの法線が、第1及び第2の可動ミラーのすべての可能な位置及び配向に関して平行であり、第1及び上記第2の可動ミラーが、
第1の可動ミラーからのレーザビームの第1の入力反射が、第2の可動ミラーに向けられ、
第2の可動ミラー上での第2の反射により、第1及び上記第2の可動ミラーのすべての可能な位置及び配向に関して、主伝搬軸Aに垂直な平面に円を描くのに適したオフセットレーザビームを得ることができるように構成されている。
【0050】
好ましくは、空間オフセット部は、
法線が3次元空間内の軌道を描くのに適した可動ミラーと、
可動ミラーの可能なすべての位置及び配向に関して、主伝搬軸Aに垂直な平面に円を描くのに適したオフセットレーザビームを得るように可動ミラー上でのレーザビームの第1の入力反射を可動ミラーに向け直すように構成された光学反射システムと、
を備える。
【0051】
好ましくは、光学反射システムは、再帰反射システム、好ましくは再帰反射器である。
【0052】
好ましくは、上記空間オフセット部は、
ミラーであって、
法線によって画定される略平面状の反射面を有して、上記入力レーザビームから第1の反射レーザビームを得、
上記法線が3次元空間内の軌道を描くのに適するように移動可能であり、
上記空間オフセット部が、上記可動ミラーのすべての可能な位置及び配向に関して、上記入力レーザビームと上記ミラーの上記法線とが、0度~15度、好ましくは0.01度~10度、より好ましくは0.1度~8度、更により好ましくは0.1度~3度の角度で分離されるように構成されている、ミラーと、
上記可動ミラーを変位させるための駆動手段と、
再帰反射システムであって、
上記ミラーに対して位置決めされて、上記ミラーのすべての可能な位置及び配向に関して、上記第1の反射レーザビームから上記ミラー上に第2の入射レーザビームを得て、上記可動ミラー上での上記第2の入射レーザビームの反射から上記オフセットレーザビームを得て、
上記可動ミラーのすべての可能な位置及び配向に関して、上記第1の反射レーザビームに平行な上記ミラー上の上記第2の入射レーザビームを提供するのに適している、再帰反射システムと、
を備える。
本実施形態の利点は、各チャネル上の放射量(又は強度)を、即ち、第1、第2、第3等の空間オフセットレーザビームに向けて調節する偏光の使用に特によく適合することである。次に、異なるビーム分離システムを積み重ねて、2、3、4の空間オフセットレーザビームを生成することができ、容易に実行可能である。よって、非常にモジュール化されている。本実施形態の空間オフセット部は、出力偏光を維持する。したがって、偏光分離原理を利用して、様々な空間オフセットレーザビームを得ることが可能である。これは、他の既知のシステムには当てはまらない。
【0053】
好ましくは、再帰反射システムは、ミラーに対して並進運動可能である。再帰反射システムに対して平行移動する可動ミラーを提供することも可能である。
【0054】
本発明に含まれるオフセット部の利点は、比較的軽量かつコンパクトなことである。また、分離部、偏向手段、及び集束手段の上流のオフセット、よって、基板上への迎え角は、再帰反射システムとミラーとの相対的な配置によって容易に制御することができる。
【0055】
本発明のオフセット部は、2次元(2D)オフセット部と呼ぶことができる。オフセットレーザビームは、分離部の上流の3次元空間での軌道(又は運動)を表すことができる。換言すれば、本発明の横方向オフセット部は、オフセットレーザビームとレーザビームの主伝搬方向(一方向だけでない)との間に2Dオフセット(少なくとも2つの非平行方向)を課すのに適する。ミラーの法線は3次元空間における軌道を表すのに適しており、また再帰反射器(又は再帰反射体)を使用することによって、このオフセットの2D特性は、本発明のオフセット部で可能である。換言すれば、ミラーは可動であるため、法線が3次元空間での運動を表すのに適すると言える。再帰反射システムは、可動ミラーのすべての可能な位置及び配向に関して、第1の反射レーザビームと平行である第2の入射レーザビームを可動ミラーに提供するのに適している。本発明のオフセット部を用いて、第1の入射レーザビームと可動ミラーの法線とによって画定される平面に関係なく、第1の反射レーザビームに平行な第2の入射レーザビームを可動ミラー上に有することができる。これは、再帰反射システムの使用によって可能になる。第1の反射レーザビームと第2の入射レーザビームは同じ線に沿って反対方向を有するため、第1の反射レーザビームと第2の入射レーザビームは逆平行であると言える。第1の入射レーザビームと可動ミラーの法線とによって画定される平面に関係なく、第1の反射レーザビームに平行な2番目の入射レーザビームを可動ミラーに提供できないため、2面ミラーは再帰反射システムを構成しない。
【0056】
好ましくは、装置は、上記第1の横方向オフセットレーザビーム又は上記第2の横方向オフセットレーザビームから第3の横方向オフセットレーザビームを得るための第2の分離モジュールを更に備える。
【0057】
好ましくは、第2の分離モジュールは、
透過により、上記第1の横方向オフセットレーザビーム又は上記第2の横方向オフセットレーザビームと、
反射により、上記第3の横方向オフセットレーザビームと、
を得るための第2の偏光板を備える。
【0058】
好ましくは、第2の分離モジュールは、上記第1の分離モジュールと上記第2の偏光板との間に配置された少なくとも1つの遅延板を含み、遅延板の回転が、上記第1又は第2の横方向オフセットレーザビーム又は上記第2及び第3の横方向オフセットレーザビームへの光学パワーの分配を調節する。
【0059】
好ましくは、本発明の装置は、
第1の横方向オフセットレーザビームと、
第2の横方向オフセットレーザビームと、
第3の横方向オフセットレーザビームと、
第4の横方向オフセットレーザビームと、
のうちの1つを得るための第3の分離モジュールを更に備える。
【0060】
好ましくは、第3の分離モジュールは、
透過により、上記第1、第2、又は第3の横方向オフセットレーザビームと、
反射により、上記第4の横方向オフセットレーザビームと、
を得るための第3の偏光板を備える。
【0061】
好ましくは、第3の分離モジュールは、上記第1の分離モジュールと上記第3の偏光板との間、又は上記第2の分離モジュールと上記第3の偏光板との間に位置決めされる第3の半波長板を備え、この半波長板の回転により、上記第2又は第3の横方向オフセットレーザビームと上記第3及び第4の横方向オフセットレーザビームへの光パワー分布を調節する。
【0062】
第3の態様によれば、本発明の目的の1つは、単一の空間オフセット部によって空間的に(例えば横方向に)分離された単一レーザ源からの少なくとも2つのレーザビームで歳差運動を行うことで、単一のオフセットレーザビームから複数の機械加工操作を同時に実行できる光学機械加工システムを提供することである。
【0063】
この目的のために、本発明者らは、多重機械加工システムであって、
入力レーザビームを生成するためのレーザ源と、
上述の光学装置と、
上記第1及び第2の空間オフセットレーザビームに角度オフセットを課すように、上記分離部の下流に位置決めされた第1及び第2の偏向手段と、
上記第1及び第2の空間オフセットレーザビームを少なくとも1つのワークピース、好ましくは2つのワークピースに集束させるように、上記第1及び第2の偏向手段の下流にそれぞれ位置決めされた第1及び第2の集束手段と、
を備えるシステムを提案する。
【0064】
好ましくは、本発明の機械加工システムは、偏向手段に信号を発するのに適した、偏向手段を制御するための制御部を更に備え、上記制御部が、上記偏向手段のそれぞれに共通の制御信号を発するように構成されている。
【0065】
本発明の光学システムの利点は、同じワークピース又は少なくとも2つの異なるワークピースに対して同一の機械加工を実行できるようにするために、少なくとも2つのスキャナを同じコントローラで制御できることである。本発明者らは、単一のコントローラが同じ信号で少なくとも2つのスキャナを制御できることを実証しているので有益である。よって、レーザ源の数及び横方向オフセット部の数の点でシステムを簡略化することに加えて、本システムは、組み込むスキャナコントローラの数を低減することができる。又は、別々のコントローラでスキャナを制御することもできる。
【0066】
別の好適な変形例では、本発明の機械加工システムは、上記第1の偏向手段及び上記第2の偏向手段に異なる制御信号を放出するのに適した偏向手段を制御するための制御部を備える。
好ましくは、本好適な実施形態の機械加工システムは、様々な発射信号を有することができるように、分離部の後方にパワー調整器を更に備える。
【0067】
好ましくは、上記集束手段はFシータレンズである。
【0068】
Fシータ集束手段は、当業者にとって既知であり、スキャナによって課せられる配向に関係なく、光ビームを、制御された入射角でワークピースに集束させることができる。
【0069】
本発明の第1の態様による方法及び第2の態様による装置について説明された様々な変形及び利点は、必要な変更を加えて、第2の態様による光学装置に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0070】
本発明のこれら及び他の態様は、以下の図面を参照する本発明の特定の実施形態の詳細な説明において明らかにされる。
図1】本発明による光学装置の実施形態を示す図である。
図2】本発明による光学システムの一実施形態を示す図である。
図3a】本発明による装置及び光学システムの好適な実施形態を示す図である。
図3b】本発明による装置及び光学システムの好適な実施形態を示す図である。
図4a】本発明による装置及び光学システムの好適な実施形態を示す図である。
図4b】本発明による装置及び光学システムの好適な実施形態を示す図である。
図4c】本発明による装置及び光学システムの好適な実施形態を示す図である。
図5】本発明による装置及び光学システムの実施形態を示す図である。
図6a】本発明による装置及び光学システムの実施形態を示す図である。
図6b】本発明による装置及び光学システムの実施形態を示す図である。
図7a】空間オフセット部の実施形態を示す図である。
図8a】空間オフセット部の実施形態を示す図である。
図8b】空間オフセット部の実施形態を示す図である。
図8c】空間オフセット部の実施形態を示す図である。
図8d】空間オフセット部の実施形態を示す図である。
図8e】空間オフセット部の実施形態を示す図である。
図7b】横方向オフセット部の実施形態を示す図である。
図7c】横方向オフセット部の実施形態を示す図である。
図7d】横方向オフセット部の実施形態を示す図である。 図面は原寸に比例していない。一般に、同様の要素は、図中の同様の参照符号によって示される。図中の参照符号の存在は、これらの符号が特許請求の範囲に示されている場合でも、限定的であるとみなすことはできない。
【発明を実施するための形態】
【0071】
図1は、本発明による光学装置の一実施形態の例を示す。本発明による光学装置は、主軸Aに対してレーザビームを横方向にオフセットさせる横方向オフセット部1を備える。レーザ機械加工用途に特に有用なオフセットの例は、主軸Aに対して、一定の半径で、主軸Aを遮ることなく主軸Aを中心に1回転するオフセットである。次に、オフセットレーザビーム7は、主軸Aを中心としたオフセットレーザビーム7のどの位置においても主軸Aに平行である。よって、主軸Aに垂直な平面におけるオフセットレーザビーム7の投影は、円を描く。このような投影は、楕円又は線を描くこともできる。横方向変位部の下流で、オフセットレーザビーム7は、ビーム7の分離部2に向けられ、その結果、オフセットビーム7から、2つの横方向オフセットビーム、即ち、第1の横方向オフセットビーム10及び第2の横方向オフセットビーム20を得ることができる。分離部2によって分離された2つのビーム10及び20は、例えば、偏向手段及び/又は集束手段に送られる。
【0072】
分離部は、少なくとも1つの遅延板55と偏光立方体51とを含む第1の分離モジュール50を含み、オフセットレーザビーム7は少なくとも1つの遅延板55を通過し、次に偏光立方体に入る結果、反射ビーム部分20と透過ビーム部分20とに分けられる。透過部分に対応する第1の横方向オフセットビーム10は、第1の主伝搬軸11に対して常に横方向にオフセットされるように送信される。第2の横方向オフセットレーザビーム20は反射部分に対応するので、第2の主伝搬軸21に対して常に横方向にオフセットされる。第1の横方向分離レーザビーム10及び第2の横方向分離レーザビーム20の横方向のオフセットは、対応する第1の伝搬軸11及び第2の伝搬軸21に対して維持される。オフセットレーザビーム7の分離立方体51に入る前の主伝搬軸は、透過オフセットレーザビームの第1の主伝搬軸に対応する。主伝搬軸は、偏光立方体51によってオフセットされるレーザビームと同じように透過及び反射される。
【0073】
図2は、本発明による機械加工光学システムの一実施形態を示す図である。本発明による光学システムは、レーザビームの伝搬方向に、任意選択であるコリメータ6の上流にあるレーザ源3と、横方向オフセット部1と、分離部2と、を含む。図1を参照して説明したように、第1のオフセットレーザビーム10は、分離部2から出て、ワークピース201、211に向けられるように第1の偏向手段15に向けられ、第1の集束手段17を通過する。分離部2を出る第2のオフセットレーザビーム20は、第1の集束手段24を通過することにより、ワークピース201、211に向けられるように第2の偏向手段25に向けられる。そのような構成により、少なくとも1つのワークピース201、211に対して歳差運動機械加工を実行することができる。好適な実施形態は、第1のオフセットレーザビーム10及び第2のオフセットレーザビーム20を平行にするために、その法線とオフセットレーザビーム20の第2の主伝搬軸との間に45度の角度で位置決めされたミラー4を含む。
【0074】
図3a及び図3bは、本発明による光学装置及びシステムの2つの好適な実施形態を示す。図3a及び図3bでは、分離部2は、第2の分離モジュール60を含む。第2の分離モジュール60は、第1の分離モジュール50と同一であり、実際には、少なくとも1つの遅延板65と偏光分離手段61とを備える。図3aでは、第2の分離モジュール60は、第2のオフセットレーザビーム20を、第2のオフセットレーザビーム20と主伝搬軸31を中心とした第3のオフセットレーザビーム30とに分離するように位置決めされている。図3bでは、第2の分離モジュール60は、第1のオフセットレーザビーム10を、主伝搬軸31を中心とした第3のオフセットレーザビーム30に分離するように位置決めされている。したがって、図3a及び図3bに記載された実施形態は、最初のオフセットレーザビームを3つのオフセットレーザビーム10、20、及び30に分離することができる分離部2の2つの実施形態について説明している。3つのオフセットレーザビームは、3つの機械加工操作を同時に実行するために使用されることを目的とする。
【0075】
図4a、図4b、及び図4cの実施形態は、図3a及び図3bの実施形態に基づいているため、分離部2は、入射オフセットレーザビーム7を4つのオフセットレーザビーム10、20、30、及び40に分離するための第3の分離手段70を備える。よって、第3の分離モジュール70は、第1の分離モジュール50と同一であり、実際には、少なくとも1つの遅延板75及び1つの偏光手段71を備える。
【0076】
図4aでは、第2の分離モジュール60は、第2のオフセットレーザビーム20を、第2のオフセットレーザビーム20と主伝搬軸31を中心とした第3のオフセットレーザビーム30とに分離するように位置決めされている。また、第3の分離モジュール70は、第3のオフセットレーザビーム30を、主伝搬軸41を中心とした第4のオフセットレーザビーム40に分離するように位置決めされている。
【0077】
図4bでは、第2の分離モジュール60は、第1のオフセットレーザビーム10を、主伝搬軸31を中心とした第3のオフセットレーザビーム30に分離するように位置決めされている。さらに、第3の分離モジュール70は、第2のオフセットレーザビーム20を、主伝搬軸41を中心とした第4のオフセットレーザビーム40に分離するように位置決めされている。
【0078】
図4cでは、第2の分離モジュール60は、第1のオフセットレーザビーム10を、主伝搬軸31を中心とした第3のオフセットレーザビーム30に分離するように位置決めされている。また、第3の分離モジュール70は、第1のオフセットレーザビーム10を主伝搬軸41を中心とした第4のオフセットレーザビーム40に分離するように位置決めされている。
【0079】
よって、図4a、図4b、及び図4cに示される実施形態は、最初のオフセットレーザビームを4つのオフセットレーザビーム10、20、30、及び40に分離することができる分離部2の3つの実施形態について説明する。4つのオフセットレーザビームは、4つの機械加工操作を同時に実行するために使用されることを目的とする。
【0080】
図5は、光学装置、特に光学機械加工システムの一実施形態の例を示す。光学機械加工装置は、入射光ビーム301を空間的にオフセットするのに適した空間オフセット部1(横方向)を備え、この主伝搬軸Aに垂直な平面に円を描く。この空間オフセット部1(横方向)の独自性は、入力レーザビーム301とオフセットレーザビーム7との間で同じ偏光を維持することである、即ち、レーザビームの空間オフセット(横方向)は、レーザビーム自体を回転させない。次に、オフセットレーザビーム7は、前の図の1つに示されるように、分離部2によって分離される。光学機械加工装置は、分離部2によってパーツ又はワークピース201、211上に分離された後の出射光ビーム7を集束させるための1つ又はそれ以上の集束手段17、27を備える。集束手段17、27の上流でのミラー119の回転によって生成された出射光ビーム7の回転運動は、集束手段17、27の下流での出射光ビーム7の歳差運動を生成する。出射光ビーム7の歳差運動は、好ましくは、構造化又は機械加工される基板201、211上の点、スポット、又は小さな領域で生成される。歳差運動は、図2図3a、図3b、図4a、図4b、図4c、図5図6a、及び図6bでは、円の一部を描く矢印で示される。最後に、装置は、出射光ビーム7に対して少なくともパーツ又はワークピース201、211を変位させることができる変位手段160を備える。変位手段160は、例えば、方向101、102、及び103に沿って基板を変位させることができる。方向101、102、及び103は、好ましくは、3次元デカルト座標系を画定する。例えば、方向101と102は方向Xと方向Yを画定し、方向Zは主軸Aの方向を画定する。
【0081】
図6a及び図6bは、図5の光学装置、特に光学機械加工システムの実施形態を示す。これらの2つの実施形態では、横方向オフセット部1に入る入射光ビーム14は、レーザ源3によって生成され、好ましくは横方向オフセット部1に入る前に横方向オフセット部の外側を進む光ビームである。横方向変位部1は、入射光ビーム14を反射することによって第1の反射光ビーム123を提供するミラー119を備える。横方向オフセット部1は、ミラー119上の第1の反射光ビーム123の方向を変えることができる再帰反射システム121を更に備える。換言すれば、ミラー119の方向への第2の入射光ビーム18は、第1の反射光ビーム123が再帰反射システム121を通過することによって得られる。次に、第2の入射光ビーム18は、ミラー119によって反射され、出射光ビーム7を形成する。例えば、横方向オフセット部1は、出射光ビーム7が、集束手段17、27の上流の入射光ビーム14の方向に平行なまま、入射光ビーム14に対して空間的にオフセットされ得るように構成される。これらの2つの実施形態によって示される実施例では、入射光ビーム14及び出射光ビーム7は、横方向にオフセットされている。好ましくは、ミラー119は、回転軸150を中心に一回転することができ、駆動手段16は、回転軸150を中心にミラー119を回転させることができる。横方向オフセット部1は、第1の入射光ビーム14とミラー19の法線126とが、可動ミラー119のすべての可能な位置及び配向に関して0度~15度の間の角度115で分離されるように構成される。この角度115は、図を明確にするために、図6a及び6bでは原寸に比例していない。横方向オフセット部1は、ミラー119と再帰反射システム121との間の位置の変化が、入射光ビーム14と出射光ビーム7との間のオフセットの変化を誘発することができるように構成される。光学システムは、例えば、両方向101及び102に移動することができる変位ステージ160に装着されている。図6a及び6bに示される実施形態では、可動ミラー119の角度位置に応じて、出射光ビーム7は異なる経路をたどる。好ましくは、可動ミラー119の角度位置のそれぞれについて得られた出射光ビーム7の各軌道は平行である。光学機械加工装置は、分離部2によってパーツ又はワークピース201、211上で分離された後の出射光ビーム7を集束させるための1つ又はそれ以上の集束手段17、27を更に含む。集束手段17、27の上流でのミラー119の回転によって生成された出射光ビーム7の回転運動は、集束手段17、27の下流での出射光ビーム7の歳差運動を生成する。出射光ビーム7の歳差運動は、好ましくは、構造化又は機械加工される基板201、211上の点、スポット、又は小さな領域で生成される。歳差運動は、図2図3a、図3b、図4a、図4b、図4c、図5図6a、及び図6bでは、円の一部を描く矢印で示される。最後に、装置は、出射光ビーム7に対して少なくともパーツ又はワークピース201、211を変位させることを可能にする変位手段160を備える。変位手段160は、例えば、方向101、102、及び103に沿って基板を変位させることができる。方向101、102、及び103は、好ましくは、3次元デカルト座標系を画定する。
【0082】
可動ミラー119を回転させることができる駆動手段16に加えて、可動ミラー119の並進運動を課すための手段及び/又は可動ミラー119の傾斜を変更するための手段が存在し得る(2つ以上の非平行方向に傾斜可能なミラー119と、ミラー119の傾斜を変更するのに適した駆動手段。これらの駆動手段は、例えば、圧電システムである)。ミラー19の並進運動と回転運動を組み合わせる重要性は、ミラー119と再帰反射システム121との間の相対的な回転運動によって、集束手段17、27の下流で出射光ビーム7の歳差運動を生成し、ミラー119と再帰反射システム121との間の相対的な並進運動によって、ワークピース201、211の表面202、212との迎え角107、20、7を修正することである。駆動手段の例は、電気モーター、ブラシレスモーターである。
【0083】
オフセット部1に含まれる再帰反射システム121は、例えば、ドーヴェプリズムと直角二等辺プリズムとを備える。再帰反射システムの別の実施形態は、例えば、ドーヴェプリズム、直角二等辺プリズム、半波長板、屋根形プリズム、及び偏光半反射鏡を含む。
【0084】
図5図6a、及び図6bの実施形態は、ビームを第1のオフセットレーザビーム10及び第2のオフセットレーザビーム20に分離し、次いで、第1のオフセットレーザビーム10及び第2のオフセットレーザビーム20を1つ又はそれ以上のワークピース201、211に向けるように第1の偏向手段15及び第2の偏向手段25に方向付ける分離部を更に備える。よって、集束手段17、27は、第1のオフセットレーザビーム10及び第2のオフセットレーザビーム20を、ワークピース201、211のそれぞれの表面202、212の法線106、206に対する迎え角107、207で、パーツ201、211の表面202、212に集束させることができる。
【0085】
図7aは、主伝搬軸Aを有し、この主伝搬軸Aに垂直な面に円を描くのに適したオフセット光ビーム(レーザ)7に入射光ビーム(レーザ)301を空間的に(横方向に)オフセットする空間オフセット部1(横方向)を示す。この空間オフセット部1(横方向)は、以下のように構成された第1の横方向オフセット部1Xと第2の横方向オフセット部1Yとを備える。
第1の横方向オフセット部1Xは、主伝搬軸Aに垂直な平面に方向X又はYに沿って、入射ビーム301を横方向オフセットビーム302にオフセットすることができ、
第2の横方向オフセット部1Yは、第1の横方向オフセット部1Xによってオフセットされない方向X又はYに沿った横方向オフセットビーム302を、主伝搬軸Aを有し、主伝搬軸Aに垂直な平面に円を描くのに適したオフセットビーム7にオフセットすることができる。
横方向オフセットビーム302は、主伝搬軸Aに垂直な平面に線を描く。
【0086】
図7bは、空気又は真空よりも大きい屈折率を有するプレート410を含む第1又は第2の横方向オフセット部1X、1Yを示す。プレート410は、そのすべての配向に関して、入射光ビーム301又は横方向オフセット光ビーム302がプレート410を透過するように傾斜している。プレートが第1の位置から第2の位置に傾けられると、光ビーム301、302は、線に従う、又はビーム302がプレート7を通過したときに線に沿ってすでにオフセットされている場合は円に従う、横方向オフセット光ビーム302、7である。傾斜は、ビーム301、302のプレート410への入射角が変化するようにプレートを傾斜させることに一致する。曲線の矢印は、プレート410の傾斜を表す。実線のプレートは第1のプレート位置を表し、破線のプレートはプレート410の第2の位置を表す。プレート410によって第1の位置にオフセットされたときのオフセット光ビーム302、7は実線で示され、プレート410によって破線でオフセットされたときは破線で示される。
【0087】
図7cは、以下のように構成された可動ミラー401(可動ミラーは好ましくは傾斜可能である、即ち、軸を中心に回転可能である)、第1の固定ミラー402、及び第2の固定ミラー403を備える第1の横方向オフセット部1X又は横方向オフセット部1Yを示す。
レーザビーム301、302の可動ミラー401上での第1の入力反射が第1の固定ミラー402に向けられ、
第1の固定ミラー402上での第2の反射が第2の固定ミラー403に向けられ、
第2の固定ミラー403上での第3の反射が可動ミラー401に向けられ、
可動ミラー401上での第4の出力反射により、可動ミラーのすべての可能な位置及び配向に関して、方向X及び/又はYにそれぞれ沿ったオフセットレーザビーム302、7を得ることができる。本実施形態では、レーザビームは、例えば、同じ平面内にある。本実施形態では、ミラーの配向は、入射ビーム301、302及び出射ビーム302、7の軌道を変更するように調整することができる。
【0088】
図7dは、第1の可動ミラー421及び第2の可動ミラー422を含み、それらの法線が2次元空間における軌道を描く、第1又は第2の横方向オフセット部1X、1Yを示す。第1の可動ミラー421及び第2の可動ミラー422は、それらの表面又は法線が常に平行になるように可動である。ミラー421、422の変位は、ミラー421、422の任意の変位に関して、出射ビーム302、7が常に平行であるように同期されている。第1の可動ミラー421に向けられた入射ビーム301、302は、第1の可動ミラー421上で第1の反射を受け、この反射は第2の可動ミラー422に向けられて、第2の可動ミラー上での第2の反射422がオフセットレーザビーム302、7をもたらす。オフセットレーザビーム302、7は、第1の可動ミラー421及び第2の可動ミラー422のすべての可能な位置及び配向に対して得られる。得られたオフセットビームは、好ましくは1本の線によるものであり、即ち、オフセットレーザビーム302、7の走査は直線に沿って行われる。
【0089】
図8aは、図7dに示されるように、2つの横方向オフセット部1X、1Yを含む空間オフセット部1の実施形態を示す。入射ビーム301は、第1の横方向オフセット部1Xによって、横方向オフセットビーム302に横方向にオフセットされる。横方向オフセットビーム302は、すべてのミラー位置421X、422Xに関して、横方向オフセットビーム302が直線を走査するようにオフセットされる。この直線は、オフセットビーム302の伝搬に垂直な平面内で軸Xをたどる。次に、横方向オフセットビーム302は、第2の横方向オフセット部1Yに入り、第1の横方向オフセット部1Xによってオフセットされなかった方向Yに沿ってオフセットされ得る。オフセットビーム302は、第1の可動ミラー421Y及び第2の可動ミラー422Y上での横方向オフセットビーム302の反射の結果として、第2の横方向オフセット部1Yによってオフセットビーム7に横方向にオフセットされる。次に、空間オフセットビームが取得されて、主伝搬軸Aに垂直な平面に円を描くことができる。本実施形態は、入力レーザビーム301とオフセットレーザビーム7との間で同じ偏光を維持することを可能にする。
【0090】
図8bは、第1の可動ミラー431及び第2の可動ミラーを含み、それらの法線が3次元空間における軌道を描くのに適した空間オフセット部1の実施形態を示す。第1の可動ミラー431及び第2の可動ミラー432は、それらの表面又は法線が常に平行になるように可動である。第1の可動ミラー431に向けられた入射ビーム301は、第1の可動ミラー431上で第1の入射反射を受け、この反射は第2の可動ミラー432に向けられて、第2の可動ミラー432上での第2の反射が、主伝搬軸Aを有し、この主伝搬軸Aに垂直な平面に円を描くのに適したオフセットレーザビーム7をもたらす。オフセットレーザビーム7は、第1の可動ミラー421及び第2の可動ミラー422のすべての可能な位置及び配向に関して得られる。オフセットビームは、好ましくは円に沿って得られる、即ち、オフセットレーザビーム7の走査は円の周囲で行われる。好ましくは、第1の可動ミラー431及び第2の可動ミラー432の法線はそれぞれ、ミラー431、432の変位中、円を描く。本実施形態は、上記入力レーザビーム301とオフセットレーザビーム7との間で同じ偏光を維持することを可能にする。
【0091】
図8cは、傾斜可能なプレート410が第1の可動ミラー421と第2の可動ミラー422(傾斜可能)の間に挿入されている図7dの横方向変位部1X、1Yを含む空間オフセット部1の実施形態を示す。よって、第1の傾斜可能ミラー421及び第2の傾斜可能ミラー422により、光ビームは方向X(Y)に沿って変位することができ、次に傾斜可能なプレートにより、同じ光ビームが方向Y(X)に沿って変位することができる。この構成は、プレート410を第1の可動ミラー421の上流又は第2の可動ミラー422の下流に配置することによって想定することができる。にもかかわらず、図8cに示される構成は非常にコンパクトである。2つの可動ミラー(傾斜可能)421、422及び可動プレート(410)(傾斜可能)の組み合わせにより、可動ミラー421、422及び可動プレート410の変位の同期のおかげで、主伝搬軸Aを有し、この主伝搬軸Aに垂直な平面内に円を描くのに適したオフセットレーザビーム7を得ることができる。本実施形態は、上記入力レーザビーム301とオフセットレーザビーム7との間で同じ偏光を維持することを可能にする。好ましくは、図8cの実施形態は、図7b及び7dの実施形態の組み合わせである。
【0092】
図8dは、図7bに示される横方向オフセット部1X、1Yの改良を含む空間オフセット部1の実施形態を示す。その改良は、プレート410の運動に関する。図8dに示される実施形態では、プレート410は、その法線が3次元空間における軌道を描くように、例えば、法線が円を描くように運動を設定される。例えば、その法線は、プレート410への入射ビーム301の入射点を通過する軸を中心とした円を描き、この軸は入射ビーム301に平行ではない、即ち、入射ビーム301と合流しない。このような軸は破線で表される。本実施形態の空間オフセット部1により、主伝搬軸Aを有し、特にプレート410の法線が軸を中心とした円形の軌道を描く場合に、主伝搬軸Aに垂直な平面に円を描くことができるオフセットレーザ7を得ることができる。本実施形態では、入力レーザビーム301とオフセットレーザビーム7との間で同じ偏光を保つことができる。
【0093】
図8eは、第1のウェッジプリズム441及び第2のウェッジプリズム442を備える空間オフセット部1の一実施形態を示し、2つのウェッジプリズム441、442はそれぞれ、図8eに示されるように軸を中心に回転するのに適する。2つのウェッジプリズム441、442は同期して回転させられる。好ましくは、それらのプリズムは、それらの回転軸に平行な方向のいかなる点でも厚さの合計が等しくなるように回転させられる。好ましくは、両ウェッジプリズム441、442は、同一のウェッジプリズム角度を有する。よって、同期回転中に光ビームが2つのウェッジプリズム441、442を通過することにより、主伝搬軸Aを有し、この主伝搬軸Aに垂直な平面に円を描くことができるオフセットレーザ7を得ることが可能になる。本実施形態は、入力レーザビーム301とオフセットレーザビーム7との間で同じ偏光を維持することを可能にする。
【0094】
本発明は、純粋に例示的な値を有する特定の実施形態に関連して説明しており、限定としてみなすべきではない。概して言えば、本発明は、上に例示及び/又は記載された例に限定されない。動詞「comprise」、「include」、又はその他の変形、及びそれらの活用の使用は、言及されたもの以外の要素の存在を排除するものではない。要素を導入するための不定冠詞「a」、「an」、又は定冠詞「the」の使用は、複数の要素の存在を排除するものではない。請求項の参照符号は、その範囲を限定するものではない。
【0095】
要約すると、本発明は以下のように記載することもできる。
入力レーザビーム301から空間的にオフセットされた第1のレーザビーム10及び第2のレーザビーム20を提供するための方法は、
a.上記入力レーザビーム301を生成するためのレーザ源300を設ける工程と、
b.上記入力レーザビーム301との間で共通の偏光を維持するのに適したオフセットレーザビーム7を提供するための空間オフセット部1を設ける工程と、
c.偏光毎に第1の偏光分離モジュール50を含む分離部2を設ける工程であって、
オフセットレーザビーム7から、
透過により、第1の空間オフセットレーザビーム10と、
反射により、第2の空間オフセットレーザビーム20と、
を得て、上記第1の空間オフセットレーザビーム10と第2の空間オフセットレーザビーム20がそれぞれ円を描くことができる、工程と、
を備える。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図5
図6a
図6b
図7a
図7b
図7c
図7d
図8a
図8b
図8c
図8d
図8e