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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】動力電池パック及び電気自動車
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20190101AFI20231226BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20231226BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20231226BHJP
   H01M 50/131 20210101ALI20231226BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20231226BHJP
   H01M 50/35 20210101ALI20231226BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
H01M50/249
H01M50/342 101
H01M50/131
H01M50/209
H01M50/35 201
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021540054
(86)(22)【出願日】2019-06-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-07
(86)【国際出願番号】 CN2019092390
(87)【国際公開番号】W WO2020143174
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2021-08-26
(31)【優先権主張番号】201910021244.0
(32)【優先日】2019-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910020967.9
(32)【優先日】2019-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910021246.X
(32)【優先日】2019-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910021248.9
(32)【優先日】2019-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910021247.4
(32)【優先日】2019-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910020925.5
(32)【優先日】2019-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】何▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼▲華▼▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】江文▲鋒▼
(72)【発明者】
【氏名】▲魯▼志佩
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼▲衛▼▲しん▼
(72)【発明者】
【氏名】唐江▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】朱燕
(72)【発明者】
【氏名】王信月
(72)【発明者】
【氏名】何科峰
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-197093(JP,A)
【文献】特開2016-103491(JP,A)
【文献】特開2018-202946(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0081000(KR,A)
【文献】特開2012-256468(JP,A)
【文献】特開平5-193366(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107394279(CN,A)
【文献】国際公開第2013/161370(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 1/04
B60K 1/00
H01M 50/209
H01M 50/249
H01M 50/342
H01M 50/131
H01M 50/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車に動力を供給する動力電池パックであって、
パック本体と、
前記パック本体内に設けられた複数の単電池と、を含み、
前記単電池は、長さL、幅H、厚さDを有し、L>H≧Dであり、
前記動力電池パックが前記電気自動車に配置される場合、前記単電池は、長手方向が電気自動車の幅方向又は長手方向に沿うように延び、
単電池の長手方向が電気自動車の幅方向に沿うように延びる場合、前記単電池の長さLと前記電気自動車の車体の幅方向での寸法Wは、46%≦L/W≦76%を満たし、或いは、
単電池の長手方向が電気自動車の長手方向に沿うように延びる場合、前記単電池の長さLと前記電気自動車の車体の長手方向での寸法Xは、40%≦L/X≦76%を満たし、
前記複数の単電池の体積の和V1と前記動力電池パックの体積V2は、V1/V2≧55%を満たすことを特徴とする、動力電池パック。
【請求項2】
前記単電池は、長手方向が前記動力電池パックの幅方向に沿うように配置され、前記複数の単電池は、前記動力電池パックの長手方向に沿って配列され、
前記パック本体は、前記動力電池パックの幅方向において、1つの前記単電池のみを収容することを特徴とする、請求項1に記載の動力電池パック。
【請求項3】
前記パック本体内に、前記動力電池パックの幅方向に沿って延びる少なくとも1つのクロスビームが設けられ、前記複数の単電池は、前記動力電池パックの長手方向に沿って配列されて電池アレイを形成し、前記クロスビームは、前記電池アレイを前記動力電池パックの長手方向に沿って少なくとも2つの部分に分割し、前記電池アレイの各部分は、少なくとも1つの単電池を含むことを特徴とする、請求項に記載の動力電池パック。
【請求項4】
前記単電池は、長手方向が前記動力電池パックの幅方向に沿うように配置され、前記複数の単電池は、前記動力電池パックの長手方向に沿って配列されて電池アレイを形成し、前記パック本体内に、前記動力電池パックの幅方向に沿って少なくとも2列の電池アレイが配置され、各列の電池アレイは、前記動力電池パックの長手方向に沿って配列された複数の単電池を含み、前記パック本体内に、前記動力電池パックの長手方向に沿って延びる少なくとも1つの長手方向ビームが設けられ、前記長手方向ビームは、隣接する2列の電池アレイの間に位置することを特徴とする、請求項1に記載の動力電池パック。
【請求項5】
前記パック本体は、前記動力電池パックの幅方向の両側に位置するサイドビームを含み、前記単電池の長手方向の両端は、前記サイドビームに支持され、
前記パック本体は、前記動力電池パックの長手方向の両端に位置するエンドビームを含み、前記エンドビームは、それに隣接する単電池に内向きの押圧力を提供することを特徴とする、請求項又はに記載の動力電池パック。
【請求項6】
前記単電池は、長手方向が前記動力電池パックの長手方向に沿うように配置され、前記複数の単電池は、前記動力電池パックの幅方向に沿って配列され、
前記パック本体は、前記動力電池パックの長手方向において、1つの前記単電池のみを収容することを特徴とする、請求項1に記載の動力電池パック。
【請求項7】
前記パック本体内に、前記動力電池パックの長手方向に沿って延びる少なくとも1つの長手方向ビームが設けられ、前記複数の単電池は、前記動力電池パックの幅方向に沿って配列されて電池アレイを形成し、前記長手方向ビームは、前記電池アレイを前記動力電池パックの幅方向に沿って少なくとも2つの部分に分割し、前記電池アレイの各部分は、少なくとも1つの単電池を含むことを特徴とする、請求項に記載の動力電池パック。
【請求項8】
前記単電池は、長手方向が前記動力電池パックの長手方向に沿うように配置され、前記複数の単電池は、前記動力電池パックの幅方向に沿って配列されて電池アレイを形成し、前記パック本体内に、前記動力電池パックの長手方向に沿って少なくとも2列の電池アレイが配置され、各列の電池アレイは、前記動力電池パックの幅方向に沿って配列された複数の単電池を含み、前記パック本体内に、前記動力電池パックの幅方向に沿って延びる少なくとも1つのクロスビームが設けられ、前記クロスビームは、隣接する2列の電池アレイの間に位置することを特徴とする、請求項1に記載の動力電池パック。
【請求項9】
前記パック本体は、前記動力電池パックの長手方向の両端に位置するエンドビームを含み、前記単電池の長手方向の両端は、前記エンドビームに支持され、
前記パック本体は、前記動力電池パックの幅方向の両側に位置するサイドビームを含み、前記サイドビームは、それに隣接する単電池に対して内向きの押圧力を提供することを特徴とする、請求項又はに記載の動力電池パック。
【請求項10】
前記動力電池パックは、幅方向が前記電気自動車の車体の幅方向に沿うとともに長手方向が前記電気自動車の車体の長手方向に沿うように配置され、或いは、
前記動力電池パックは、幅方向が車体の長手方向に沿うとともに長手方向が車体の幅方向に沿うように配置されることを特徴とする、請求項1、及びのいずれか一項に記載の動力電池パック。
【請求項11】
前記単電池は、電池本体を含み、前記電池本体は、長さL、幅H及び厚さDを有し、前記電池本体の長さLは、幅Hより大きく、前記電池本体の幅Hは、厚さDより大きく、
前記単電池の長さ方向は、前記電池本体の長さ方向と同一であり、前記電池本体の長さLは、前記単電池の長さL以下であり、
前記単電池の幅方向は、前記電池本体の幅方向と同一であり、前記電池本体の幅Hは、前記単電池の幅H以下であり、
前記単電池の厚さ方向は、前記電池本体の厚さ方向と同一であり、前記電池本体の厚さDは、前記単電池の厚さD以下であり、
前記電池本体は、長さL、幅H及び厚さDを有し、前記電池本体の長さLは、幅Hより大きく、前記電池本体の幅Hは、厚さDより大きく、前記電池本体の長さLと幅Hは、L/H=4~21を満たすことを特徴とする、請求項1、及びのいずれか一項に記載の動力電池パック。
【請求項12】
前記単電池は、電池本体を含み、前記電池本体は、長さL、幅H及び厚さDを有し、前記電池本体の長さLは、幅Hより大きく、前記電池本体の幅Hは、厚さDより大きく、
前記単電池の長さ方向は、前記電池本体の長さ方向と同一であり、前記電池本体の長さLは、前記単電池の長さL以下であり、
前記単電池の幅方向は、前記電池本体の幅方向と同一であり、前記電池本体の幅Hは、前記単電池の幅H以下であり、
前記単電池の厚さ方向は、前記電池本体の厚さ方向と同一であり、前記電池本体の厚さDは、前記単電池の厚さD以下であり、
前記電池本体の長さLと前記電池本体の厚さDは、L/D=23~208を満たすことを特徴とする、請求項1、及びのいずれか一項に記載の動力電池パック。
【請求項13】
前記単電池は、電池本体を含み、前記電池本体は、長さL、幅H及び厚さDを有し、前記電池本体の長さLは、幅Hより大きく、前記電池本体の幅Hは、厚さDより大きく、
前記単電池の長さ方向は、前記電池本体の長さ方向と同一であり、前記電池本体の長さLは、前記単電池の長さL以下であり、
前記電池本体の長さLと前記電池本体の体積Vは、L/V=0.00045mm-2~0.0015mm-2を満たすことを特徴とする、請求項1、及びのいずれか一項に記載の動力電池パック。
【請求項14】
前記単電池は、電池本体を含み、前記電池本体は、長さL、幅H及び厚さDを有し、前記電池本体の長さLは、幅Hより大きく、前記電池本体の幅Hは、厚さDより大きく、
前記単電池の長さ方向は、前記電池本体の長さ方向と同一であり、前記電池本体の長さLは、前記単電池の長さL以下であり、
前記電池本体の長さLは、400mm~2500mmであることを特徴とする、請求項1、及びのいずれか一項に記載の動力電池パック。
【請求項15】
前記単電池は、アルミニウムケース角型電池であり、電池本体及び防爆弁を含み、前記防爆弁が前記電池本体の長手方向での少なくとも1端に設けられることを特徴とする、請求項1、及びのいずれか一項に記載の動力電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、ビーワイディー カンパニー リミテッドが2019年1月9日に提出した、発明の名称「電池パック、車両及びエネルギー蓄積装置」の中国特許出願第「201910021244.0」、「201910020967.9」、「201910021246.X」、「201910021248.9」、「201910021247.4」及び「201910020925.5」号の優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本願は、電池の技術分野に関し、具体的には、動力電池パック及び前記動力電池パックを有する電気自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術において、例えば、電気自動車に適用される動力電池パックは、主に、パック本体と、パック本体内に取り付けられ、それぞれが複数の単電池からなる複数の電池モジュールとを含む。
【0004】
電気自動車の航続能力に対するユーザの要求が徐々に高まっているにつれて、車体の底部の空間が限られている場合、従来技術における動力電池パックを採用すれば、内部空間の利用率が低くなり、動力電池パックのエネルギー密度が需要を満たすことができず、これも電気自動車の発展を制限する重要な要因となってきている。
【発明の概要】
【0005】
上記関連する従来技術では、図1に示すように、動力電池パック10′のパック本体200′′は、クロスビーム500′及びサイドビーム600′によって、複数の電池モジュール400′の取付領域に分割されることが多く、電池モジュール400′は、ねじなどにより、クロスビーム500′又はサイドビーム600′に固定される。電池モジュール400′は、順に配列された複数の単電池を含み、複数の単電池は、配列されて電池アレイを形成し、電池アレイの外部に端板及び/又は側板が設けられ、一般的には、端板と側板を同時に含み、端板と側板は、固定されて電池アレイを収容する空間を囲む。同時に、端板と側板は、電池アレイの固定を実現するために、ねじにより接続されるか、又はタイロッドなどの他の接続部材により接続される。
【0006】
出願人は、試験及び分析により、電池モジュール400′がねじなどの構造によりクロスビーム500′又はサイドビーム600′に固定されるため、空間が無駄になり、また、ねじなどの接続部材を増加させるため、重量が高くなり、なお、電池モジュール400′が端板と側板の組み合わせにより設計され、端板と側板がいずれも一定の厚さ及び高さを有するため、パック本体200′′の内部の空間が無駄になり、パック本体200′′の体積利用率が低くなることを見出した。一般的な場合には、上記従来技術における動力電池パック10′は、パック本体200′′内の単電池の体積の和とパック本体200′′の体積との比がいずれも50%程度であり、更に40%まで低い。
【0007】
車体の底部の空間が限られている場合、上記従来技術の実施例に係る動力電池パック10′によれば、電池モジュール400′の端板、側板、及び動力電池パック10′の内部の接続取付形態などは、いずれもパック本体200′′の内部空間の利用率を低減し、その結果、動力電池パック10′では、単電池の体積の和とパック本体200′′の体積との比が低すぎて、動力電池パックのエネルギー密度を低減する。
【0008】
本願は、少なくとも従来技術における技術的課題の1つを解決しようとする。したがって、本願は、空間利用率が高く、エネルギー密度が大きく、航続能力が強いなどの利点を有する動力電池パックを提供することを1つの目的とする。
【0009】
本願は、前記動力電池パックを有する電気自動車をさらに提供する。
【0010】
本願の第1の態様の実施例に係る、前記電気自動車に動力を供給する動力電池パックは、パック本体と、前記パック本体内に設けられた複数の単電池と、を含み、前記単電池は、長さL、幅H、厚さDを有し、L>H≧Dであり、前記動力電池パックが前記電気自動車に配置される場合、前記単電池は、長手方向が電気自動車の幅方向又は長手方向に沿うように延び、前記単電池は、長手方向が電気自動車の幅方向に沿うように延びる場合、前記単電池の長さLと前記電気自動車の車体の幅方向での寸法Wは、46%≦L/W≦76%を満たし、或いは、単電池は、長手方向が電気自動車の長手方向に沿うように延びる場合、単電池の長さLと前記電気自動車の車体の長手方向での寸法Xは、40%≦L/X≦76%を満たす。
【0011】
本願の実施例に係る動力電池において、単電池の長さと車体の幅方向での寸法及び車体の長手方向での寸法との割合を限定することにより、動力電池パックは、車体の空間を十分に利用して、車体の単位空間内に、より多くの単電池を配置し、即ち、単位空間内に、より多くのエネルギー供給構造を配置するため、エネルギー密度を向上させて、占有空間を拡大することなく航続能力を向上させることができる。
【0012】
本願の追加の態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか又は本願の実施により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
以下、本願の上記及び/又は追加の様態及び利点は、図面を参照して実施例を説明することにより、明らかになって理解されやすくなる。
図1】従来技術における動力電池パックの分解図である。
図2】本願の実施例に係る動力電池パックの断面図である。
図3】本願の実施例に係る動力電池パックの斜視図である。
図4】本願の実施例に係る動力電池パックの分解図である。
図5】本願の実施例に係る単電池の概略構成図である。
図6】本願の実施例に係る動力電池パックの電池モジュールの配列方式概略図である。
図7】本願の別の実施例に係る動力電池パックの電池モジュールの配列方式概略図である。
図8】本願の実施例に係る動力電池パックのパック本体が電気自動車に形成された概略構成図である。
図9】本願の実施例に係る電気自動車の概略構成図である。
図10】本願の実施例に係る電気自動車の分解図である。
図11図2におけるG領域の拡大図である。
図12】本願の第1の代替的な実施例に係る動力電池パックの斜視図である。
図13】本願の第2の代替的な実施例に係る動力電池パックの斜視図である。
図14】本願の第3の代替的な実施例に係る動力電池パックの斜視図である。
図15】本願の第4の代替的な実施例に係る動力電池パックの斜視図である。
図16】本願の第5の代替的な実施例に係る動力電池パックの斜視図である。
【符号の説明】
【0014】
従来技術において、動力電池パック10′、パック本体200′′、電池モジュール400′、サイドビーム600′、クロスビーム500′
本願において、電気自動車1、動力電池パック10、単電池100、電池本体110、パック本体200、トレイ210、上部カバー220、第1のサイドビーム201、第2のサイドビーム202、第1のエンドビーム203、第2のエンドビーム204、排気通路222、吸気口221、電池モジュール400、第1のタブ101、第2のタブ102、防爆弁103、サイドビーム600、クロスビーム500、動力電池パック10の長手方向A、動力電池パック10の幅方向B、動力電池パック10の高さ方向C、単電池100の長さL、単電池の幅H、単電池の厚さD、電池本体110の長さL、電池本体110の幅H、電池本体110の厚さD、車体の幅W、パック本体200の幅F。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は図面に示され、全体を通して同一又は類似する符号は、同一又は類似する部品、若しくは同一又は類似する機能を有する部品を示す。以下、図面を参照して説明される実施例は、例示的なものであり、本願を解釈するものに過ぎず、本願を限定するものであると理解すべきではない。
【0016】
なお、本願の説明において、用語「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「内」、「外」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有するとともに、特定の方位で構成されて動作しなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本願を限定するものであると理解すべきではない。
【0017】
また、本願の説明において、「複数」とは、2つ以上を意味する。
【0018】
従来技術における動力電池パックの現状を考慮して、本願は、空間利用率が高く、エネルギー密度が大きく、航続能力が高いなどの利点を有する動力電池パック及びそれを有する電気自動車を提供する。
【0019】
以下、図面を参照して、本願の実施例に係る動力電池パック10を説明する。
【0020】
図2図16に示すように、本願の実施例に係る動力電池パック10は、パック本体200と、複数の単電池100とを含む。動力電池パック10は、電気自動車1に動力を供給し、電気自動車は、電気自動車、電車、電動自転車、ゴルフカートを含むが、これらに限定されなく、本願の具体的な実施例によれば、上記動力電池10は、電気自動車に固定される。
【0021】
複数の単電池100は、パック本体200内に設けられ、パック本体200は、複数の単電池100を収容するケースとして理解することができ、例えば、トレイ210及び上部カバー220を含んでよく、トレイ210及び上部カバー220は、共に複数の単電池100の収容空間を画定し、複数の単電池100は、トレイ210に設けられ、かつ上部カバー220によりカバーされ、即ち、トレイ210及び上部カバー220により形成された収容空間内に設けられる。単電池の長さLと電気自動車の車体の幅方向での寸法Wは、46%≦L/W≦76%を満たし、或いは、上記単電池の長さLと電気自動車の車体の長手方向での寸法Xは、40%≦L/X≦76%を満たす。
【0022】
いくつかの具体的な実施例では、単電池100は、長手方向が電気自動車の車体の幅方向に沿うように延びる場合、単電池の長さLと電気自動車の車体の幅方向での寸法Wは、46%≦L/W≦76%を満たし、別のいくつかの具体的な実施例では、単電池100は、長手方向が電気自動車の車体の長手方向に沿うように延びる場合、単電池の長さLと電気自動車の車体の長手方向での寸法Xは、40%≦L/X≦76%を満たす。
【0023】
当業者であれば理解できるように、車体の幅方向とは、車両の左右方向を指し、車体の幅方向での寸法Wは、車体の幅を指し、車体の長手方向とは、車両の走行方向を指し、車体の長手方向での寸法Xは、車体の長さを指す。
【0024】
本願の実施例に係る動力電池パック10において、単電池100の長さと車体の幅方向での寸法Wとの割合、即ち46%≦L/W≦76%を限定するか、又は単電池100の長さと車体の長手方向での寸法Xとの割合、即ち、40%≦L/X≦76%を限定することにより、動力電池パック10は、車体の空間を十分に利用して、車体の単位空間内に、より多くの単電池100を配置し、即ち、単位空間内に、より多くのエネルギー供給構造を配置するため、エネルギー密度を向上させて、占有空間を拡大することなく航続能力を向上させることができる。
【0025】
本願のいくつかの実施例では、エネルギー密度及び航続能力を向上させるために、複数の単電池100の体積の和V1と動力電池パック10の体積V2は、V1/V2≧55%を満たし、本願のいくつかの実施例では、複数の単電池100の体積の和V1と動力電池パック10の体積V2は、V1/V2≧60%を満たし、本願のいくつかの実施例では、複数の単電池100の体積の和V1と動力電池パック10の体積V2は、V1/V2≧62%を満たし、本願のいくつかの実施例では、複数の単電池100の体積の和V1と動力電池パック10の体積V2は、V1/V2≧65%を満たす。なお、V2は、動力電池パック10の外郭によって画定された立体形状の全体積であり、即ち、動力電池パック10の内部空間を含む体積であり、即ち、動力電池パック10の外郭によって空間上で囲まれた立体領域の体積である。電気自動車において、V1/V2は、空間利用率と理解することができる。
【0026】
当業者であれば理解できるように、いくつかの要因の影響により、例えば、トレイの底部の衝突防止空間及び液冷システム、保温材料、絶縁保護材、熱安全補助部品、火炎排出及び排気通路、高圧配電モジュールなどを含む周辺部品がパック本体200の内部空間を占有するため、V1/V2の最大値は、一般的に80%であり、即ちV1/V2≦80%である。
【0027】
以下、図面を参照して、本願の具体的な実施例に係る動力電池パック10を説明し、動力電池パック10は、長手方向が矢印Aで示され、幅方向が矢印Bで示され、高さ方向が矢印Cで示される。
【0028】
本願のいくつかの具体的な実施例では、図2図4に示すように、単電池100は、長手方向が動力電池パック10の幅方向Bに沿うように配置され、複数の単電池100が動力電池パック10の長手方向Aに沿って配列されることにより、動力電池パック10の空間利用率を55%、60%、62%、65%又はそれ以上に設定することに役立つ。
【0029】
本願のいくつかの具体例では、図3及び図4に示すように、動力電池パック10の幅方向Bにおいて、単電池100とパック本体200の側壁との間の間隔は、単電池100の長さより小さく、具体的には、動力電池パック10の幅方向Bにおいて、単電池100の一端とそれ(上記単電池100の一端)に隣接するパック本体200のサイドビームとの間の最近接距離は、L1であり、単電池100の他端とそれ(上記単電池100の他端)に隣接するパック本体200のサイドビームとの間の最近接距離は、L2であり、単電池100の長さLは、L1+L2<Lを満たす。このように、動力電池パック10の幅方向Bにおいて、追加の別の単電池100を収容することができない。
【0030】
換言すれば、パック本体200は、動力電池パック10の幅方向Bに、1つの単電池100のみを収容する。即ち、動力電池パック10の幅方向Bに、単電池100は、2つ又は2つ以上の数で配置することができない。
【0031】
理解できるように、動力電池パック10の幅方向Bに、パック本体200の両側は、サイドビームであり、動力電池パック10の長手方向Aに、パック本体200の両端は、エンドビームである。
【0032】
本願のいくつかの具体例では、図3及び図4に示すように、単電池100の長さは、動力電池パック10の幅方向B全体にわたって延び、即ち動力電池パック10の幅方向Bに沿って、単電池100は、パック本体200の一側から他側まで延び、単電池100の長さは、動力電池パック10の幅方向Bに充填され、パック本体200は、動力電池パック10の幅方向Bにおいて2つ又は2つ以上の単電池100を配置することができず、単電池100の長手方向の両端は、パック本体200の幅方向Bに対向する両側壁に嵌合し、例えば、パック本体200に固定することができる。これにより、パック本体200の内部にクロスビーム及びサイドビームを必要とせず、直接的に、接続された単電池100により補強リブの役割を担い、パック本体200の構造を大幅に簡略化し、かつ補強リブの占有する空間及び単電池100の取付構造の占有する空間を減少させることにより、空間利用率を向上させて、航続能力を向上させる。
【0033】
当然のことながら、本願の実施例は、クロスビーム及びサイドビームを設けないことに限定されず、本願のいくつかの実施例では、図13に示すように、パック本体200内にクロスビーム500を設けることができ、クロスビーム500は、動力電池パック10の幅方向Bに沿って延び、複数の単電池100は、動力電池パック10の長手方向Aに沿って配列されて電池アレイを形成し、クロスビーム500は、上記電池アレイを動力電池パック10の長手方向Aに沿って少なくとも二分割し、上記電池アレイの各部分は、少なくとも1つの単電池100を含み、かつ1つの電池モジュール400を構成する。
【0034】
当然のことながら、本願の他のいくつかの実施例では、図12に示すように、パック本体200内にサイドビーム600が設けられてもよく、サイドビーム600は、動力電池パック10の長手方向Aに沿って延び、単電池100は、長手方向が動力電池パック10の幅方向Bに沿うように配置され、複数の単電池100は、動力電池パック10の長手方向Aに沿って配列されて電池アレイを形成し、上記パック本体200内に動力電池パック10の幅方向Bに沿って少なくとも2列の電池アレイが配置され、各列の電池アレイは、動力電池パック10の長手方向Aに沿って配列された複数の動力単電池100を含み、サイドビーム600は、隣接する2列の電池アレイの間に位置する。
【0035】
本願のいくつかの具体例では、パック本体200は、動力電池パック10の幅方向Bの両側に位置するサイドビームを含み、単電池100の長手方向の両端は、上記サイドビームに支持され、パック本体200は、動力電池パック10の長手方向Aの両端に位置するエンドビームを含み、上記エンドビームは、それに隣接する単電池100に対して内向きの押圧力を提供する。
【0036】
図3及び図4に示すように、パック本体200は、第1のサイドビーム201、第2のサイドビーム202、第1のエンドビーム203及び第2のエンドビーム204を有し、第1のサイドビーム201、第2のサイドビーム202、第1のエンドビーム203、第2のエンドビーム204は、順に首尾接続され、第1のサイドビーム201と第2のサイドビーム202は、動力電池パック10の幅方向Bに対向し、第1のエンドビーム203と第2のエンドビーム204は、動力電池パック10の長手方向Aに対向する。第1のサイドビーム201及び第2のサイドビーム202は、単電池100の長手方向の両端に支持力を提供し、即ち、単電池100の一端が第1のサイドビーム201に支持され、かつ他端が第2のサイドビーム202に支持される。第1のエンドビーム203及び第2のエンドビーム204は、単電池100の厚さ方向の両側に押圧力を提供し、即ち、第1のエンドビーム203は、第1のエンドビーム203に隣接して設けられた単電池100に第2のエンドビーム204に向かう作用力を印加し、第2のエンドビーム204は、第2のエンドビーム204に隣接して設けられた単電池100に第1のエンドビーム203に向かう作用力を印加し、このように、複数の単電池100は、動力電池パック10の長手方向Aに沿って第1のエンドビーム203と第2のエンドビーム204との間に緊密に配列され、かつ互いに貼り合わせることができる。また、第1のエンドビーム203及び第2のエンドビーム204は、動力電池パック10の長手方向Aにおいて複数の単電池100を位置規制し、特に、単電池100が僅かに膨張すると、単電池100に対して緩衝作用を果たし、内向きの圧力を提供して、単電池100の膨張量及び変形量が大きすぎることを防止することができる。
【0037】
本願のいくつかの具体例では、図7に示すように、単電池100は、長手方向が動力電池パック10の幅方向Bに沿うように配置され、複数の単電池100は、動力電池パック10の長手方向Aに沿って配列されて電池アレイを形成し、パック本体200内に動力電池パック10の高さ方向Cに沿って少なくとも2層の電池アレイを含む。これにより、単電池100の数を最適化することにより、空間利用率を向上させてエネルギー密度を向上させ、かつBIC、低電圧サンプラーの集積化を実現しやすい。
【0038】
本願のいくつかの具体的な実施例では、図15及び図16に示すように、単電池100は、長手方向が動力電池パック10の長手方向Aに沿うように配置され、複数の単電池100は、動力電池パック10の幅方向Bに沿って配列されることにより、動力電池パック10の空間利用率を50%、60%、62%、65%又はそれ以上に設定することに役立つ。
【0039】
本願のいくつかの具体例では、図15及び図16に示すように、動力電池パック10の長手方向Aに、単電池100とパック本体200の端壁との間の距離は、単電池100の長さより小さい。具体的には、動力電池パック10の長手方向Aにおいて、単電池100の一端とそれ(上記単電池100の一端)に隣接するパック本体200のエンドビームとの間の最近接距離は、L3であり、単電池100の他端とそれ(上記単電池100の他端)に隣接するパック本体200のエンドビームとの間の最近接距離は、L4であり、単電池100の長さLは、L3+L4<Lを満たす。このように、動力電池パック10の長手方向Aにおいて、追加の別の単電池100を収容することができない。
【0040】
換言すれば、パック本体200は、動力電池パック10の長手方向Aに、1つの単電池100のみを収容する。即ち、動力電池パック10の長手方向Aに、単電池100は、2つ又は2つ以上の数で配置することができない。
【0041】
理解できるように、動力電池パック10の幅方向Bに、パック本体200の両側は、サイドビームであり、動力電池パック10の長手方向Aに、パック本体200の両端は、エンドビームである。
【0042】
本願のいくつかの具体例では、図15及び図16に示すように、単電池100の長さは、動力電池パック10の長手方向A全体にわたって延び、即ち動力電池パック10の長手方向Aに沿って、単電池100は、パック本体200の一端から他端まで延び、単電池100の長さは、動力電池パック10の長手方向Aに充填され、パック本体200は、動力電池パック10の長手方向Aにおいて2つ又は2つ以上の単電池100を配置することができず、単電池100の長手方向の両端は、パック本体200の長手方向Aに対向する両端壁に嵌合し、例えば、パック本体200に固定することができる。これにより、パック本体200の内部にクロスビーム及びサイドビームを必要とせず、直接的に、接続された単電池100により補強リブの役割を担い、パック本体200の構造を大幅に簡略化し、かつ補強リブの占有する空間及び単電池100の取付構造の占有する空間を減少させることにより、空間利用率を向上させて、航続能力を向上させる。
【0043】
当然のことながら、本願の実施例は、サイドビーム及びクロスビームを設けないことに限定されず、本願のいくつかの実施例では、図15に示すように、パック本体200内にサイドビーム600を設けることができ、サイドビーム600は。動力電池パック10の長手方向Aに沿って延び、複数の単電池100は、動力電池パック10の幅方向Bに沿って配列されて電池アレイを形成し、サイドビーム600は、上記電池アレイを動力電池パック10の幅方向Bに沿って少なくとも2つの部分に分割し、上記電池アレイの各部分は、少なくとも1つの単電池100を含み、かつ1つの電池モジュール400を構成する。
【0044】
当然のことながら、本願の他のいくつかの実施例では、パック本体200内にクロスビーム500が設けられてもよく、クロスビーム500は、動力電池パック10の幅方向Bに沿って延び、単電池100は、長手方向が動力電池パック10の長手方向Aに沿うように配置され、複数の単電池100は、動力電池パック10の幅方向Bに沿って配列されて電池アレイを形成し、パック本体200内に動力電池パック10の長手方向Aに沿って少なくとも2列の電池アレイが配置され、各列の電池アレイは、動力電池パック10の幅方向Bに沿って配列された複数の単電池100を含み、クロスビーム500は、隣接する2列の電池アレイの間に位置する。
【0045】
本願のいくつかの具体例では、パック本体200は、動力電池パック10の長手方向Aの両端に位置するエンドビームを含み、単電池100の長手方向の両端は、上記エンドビームに支持され、パック本体200は、動力電池パック10の幅方向Bの両側に位置するサイドビームを含み、上記サイドビームは、それに隣接する単電池100に対して内向きの押圧力を提供する。
【0046】
図16に示すように、パック本体200は、第1のサイドビーム201、第2のサイドビーム202、第1のエンドビーム203及び第2のエンドビーム204を有し、第1のサイドビーム201、第2のサイドビーム202、第1のエンドビーム203、第2のエンドビーム204は、順に首尾接続され、第1のサイドビーム201と第2のサイドビーム202は、動力電池パック10の幅方向Bに対向し、第1のエンドビーム203と第2のエンドビーム204は、動力電池パック10の長手方向Aに対向する。第1のエンドビーム203及び第2のエンドビーム204は、単電池100の長手方向の両端に支持力を提供し、即ち、単電池100の一端が第1のエンドビーム203に支持され、かつ他端が第2のエンドビーム204に支持される。第1のサイドビーム201及び第2のサイドビーム202は、単電池100の厚さ方向の両側に押圧力を提供し、即ち、第1のサイドビーム201は、第1のサイドビーム201に隣接して設けられた単電池100に第2のサイドビーム202に向かう作用力を印加し、第2のサイドビーム202は、第2のサイドビーム202に隣接して設けられた単電池100に第1のサイドビーム201に向かう作用力を印加し、このように、複数の単電池100は、動力電池パック10の幅方向Bに沿って第1のサイドビーム201と第2のサイドビーム202との間に緊密に配列され、かつ互いに貼り合わせることができる。また、第1のサイドビーム201及び第2のサイドビーム202は、動力電池パック10の幅方向Bにおいて複数の単電池100を位置規制することができ、特に、単電池100が僅かに膨張すると、単電池100に対して緩衝し内向きの圧力を提供するという役割を果たし、単電池100の膨張量及び変形量が大きすぎることを防止することができる。
【0047】
本願のいくつかの具体例では、図15に示すように、単電池100は、長手方向が動力電池パック10の長手方向Aに沿うように配置され、複数の単電池100は、動力電池パック10の幅方向Bに沿って配列されて電池アレイを形成し、パック本体200内に動力電池パック10の高さ方向Cに沿って少なくとも2層の電池アレイを含む。これにより、単電池100の数を最適化することにより、空間利用率を向上させてエネルギー密度を向上させ、かつBIC、低電圧サンプラーの集積化を実現しやすい。
【0048】
本願のいくつかの具体的な実施例では、複数の単電池100は、複数の電池モジュール400に組み立てることができ、複数の電池モジュール400は、動力電池パック10の長手方向Aに沿って配列されてもよく(図6に示す)、動力電池パック10の幅方向Bに沿って配列されてもよく(図15に示す)、動力電池パック10の高さ方向Cに沿って配列されて多層構造を形成してもよく(図7に示す)、換言すれば、単電池100が動力電池パック10の幅方向Bに沿って延びるか又は長手方向Aに沿って延びるかにかかわらず、複数の単電池100は、いずれも動力電池パック10の高さ方向Cに沿って多層に配列することができる。当然のことながら、複数の電池モジュール400は、動力電池パック10の長手方向A及び高さ方向Cに沿って同時に配列されてもよく、動力電池パック10の幅方向B及び高さ方向Cに沿って同時に配列されてもよい。これにより、電池モジュール400の数が最適化されることにより、空間利用率を向上させてエネルギー密度を向上させ、かつBIC、低電圧サンプラーの集積化を実現しやすい。理解すべきことは、本願の実施例における電池モジュール400に端板及び側板等の構造が設けられないことである。
【0049】
従来技術において、単電池の寸法が小さく、長さが短く、単電池の対向する両端が、パック本体200′′内の対向して設けられた2つの側壁に嵌合することができないため、パック本体200′′内にサイドビーム600′及び/又はクロスビーム500′(図1に示す)を設ける必要があり、このように、単電池の組立が容易になる。単電池を電池モジュール400′の形態でパック本体200′′内に取り付けた後、動力電池パック10′の幅方向に沿って複数の単電池が存在し、即ち、単電池は、対向して設けられた2つの側壁の間に延びず、対向して設けられた2つのサイドビーム600′又はクロスビーム500′の間に延び、電池モジュールは、締結具により隣接するサイドビーム600’及び/又はクロスビーム500′に固定される。
【0050】
従来技術におけるパック本体200′′内にサイドビーム600′及び/又はクロスビーム500′が設けられ、サイドビーム600′及び/又はクロスビーム500′が、パック本体200′′内の、単電池を収容するための取付空間を多く占めるため、パック本体200′′の空間利用率が低く、一般的に、単電池の体積の和とパック本体200′′の体積との比が約40%であり、さらにそれ以上低く、即ち、従来技術におけるパック本体200′′内に、単電池を取り付けるための空間が40%程度のみであるため、パック本体200′′に収容可能な単電池の数が限られ、動力電池パック10′全体の容量、電圧が制限され、動力電池パック10′の航続能力が低い。従来技術における、パック本体200′内にサイドビーム600′及び/又はクロスビーム500′が設けられることは、パック本体200′内にサイドビーム600′が設けられること、又はパック本体200′内にクロスビーム500′が設けられること、又はパック本体200′内にサイドビーム600′及びクロスビーム500′が同時に設けられることを意味する。
【0051】
本願の実施例に係る動力電池パック10によれば、パック本体200内のサイドビーム及び/又はクロスビームの使用を低減でき、さらにパック本体200内にサイドビーム及び/又はクロスビームを設けなくてもよく、このように、サイドビーム及び/又はクロスビームがパック本体200内に占める空間を低減し、パック本体200の空間利用率を向上させる一方、電池モジュール400内の端板及び側板の使用を低減し、端板及び側板がパック本体200に占める空間を減少させ、パック本体200の空間利用率を向上させることができる。多くの単電池100をパック本体200内にできるだけ配置することにより、動力電池パック全体の容量、電圧及び航続能力を向上させる。パック本体200内のサイドビーム及び/又はクロスビームの使用を低減することは、パック本体200内のサイドビームの使用を低減すること、又はパック本体200内のクロスビームの使用を低減すること、又はパック本体200内のサイドビーム及びクロスビームの使用を低減することを意味し、パック本体200内にサイドビーム及び/又はクロスビームを設けなくてもよいことは、パック本体200内にサイドビームを設けなくてもよいこと、又はパック本体200内にクロスビームを設けなくてもよいこと、又はパック本体200内にサイドビームもクロスビームも設けないことを意味し、サイドビーム及び/又はクロスビームがパック本体200内に占める空間を低減することは、サイドビームがパック本体200内に占める空間を低減すること、又はクロスビームがパック本体200内に占める空間を低減すること、又はサイドビーム及びクロスビームがパック本体200内に占める空間を低減することを意味する。
【0052】
また、パック本体200内にサイドビーム及び/又はクロスビームを配置する必要がないため、パック本体200の製造プロセスを簡略化し、単電池100の組立の複雑度を低減し、生産コストを低減する一方、パック本体200及び動力電池パック10全体の重量を軽減し、動力電池パック10の軽量化を実現する。特に、動力電池パック10が電気自動車に取り付けられる場合、電気自動車の航続能力を向上させ、電気自動車の軽量化を実現することもできる。パック本体200内にサイドビーム及び/又はクロスビームを配置する必要がないことは、パック本体200内にサイドビームを配置する必要がないこと、又はパック本体200内にクロスビームを配置する必要がないこと、又はパック本体200内にサイドビーム及びクロスビームを配置する必要がないことを意味する。
【0053】
また、単電池100自体は、パック本体200の構造強度を補強するために用いられ、即ち、パック本体200内にその構造強度を補強する補強構造をさらに設ける必要がなく、補強構造に代えて単電池100自体でパック本体200の構造強度を確保し、パック本体200が外力の作用下で変形しにくいことを確保することができる。中国特許文献CN107925028Aに開示された組電池に比べて、パック本体200は、単電池100を収容し保護する作用を果たすだけでなく、単電池100を支持し、動力電池パック10全体の荷重支持能力を向上させることができ、単電池100の長さは、動力電池パック10の強度に補強作用を果たす。また、単一の単電池100の表面積が増加することにより、単電池100の放熱面積を増大させ、単電池100の放熱速度を向上させ、さらに動力電池パック10全体の安全性を向上させ、動力電池パック10をより安全で確実にすることができる。
【0054】
本願のいくつかの具体例では、単電池100は、電池本体110(タブなどの小さな寸法の突出構造を除いた本体部分として理解できる)を含み、電池本体110の体積Vと電池本体110のエネルギーEは、V/E≦2000mm・Wh-を満たす。これにより、十分な放熱面積を保証して放熱効果を保証するだけでなく、単電池100の体積割合を低減することができ、複数の単電池100の動力電池パック10での配置のコンパクト化に役立つ。
【0055】
本願のいくつかの具体的な実施例では、図9及び図10に示すように、上記パック本体200は、中国特許文献CN107925028Aに開示された組電池のケースと異なり、特に寸法及び荷重支持の態様において、パック本体200は、車両本体/車体と係合する、単電池100を収容し担持する構造を形成するように、上記電気自動車の車体と係合して接続された車両用トレイ210を含んでよく、該車両用トレイ210は、独立して製造される、単電池100を収容し取り付けるトレイである。単電池100を車両用トレイ210内に取り付けた後、該車両用トレイ210を締結具により車体に取り付けることができ、例えば、電気自動車のシャーシに吊り下げて、収容及び荷重支持の作用を果たす。
【0056】
動力電池パック10が、車両に使用される、電気エネルギーを供給する動力電池パックとして使用される場合、単電池100の長手方向を上記電気自動車の車体の幅方向又は長手方向、即ち車両の左右方向又は走行方向に沿うように配置してよく、この場合、単電池100の長さが車両の幅方向での寸法又は長手方向での寸法に合わせるように、単電池100の電池本体110の長さLは、400mm~2500mmであってもよい。
【0057】
本願のいくつかの具体例では、図8に示すように、パック本体200は、電気自動車に直接形成されてよく、即ち、パック本体200は、電気自動車の任意の適切な位置に形成され、単電池100を取り付ける装置である。例えば、パック本体200は、電気自動車のシャーシに形成されてよい。
【0058】
本願のいくつかの具体的な実施例では、動力電池パック10が電気自動車に配置される場合、中国特許文献CN107925028Aに開示された組電池と異なり、動力電池パック10は、電池管理システム(BMS)、電池コネクタ、電池サンプラー及び電池熱管理システムのうちの少なくとも1つなどの車両用電池に必要な部材をさらに含み、動力電池パック10は、幅方向Bが上記電気自動車の車体の幅方向、即ち車両の左右方向に沿うとともに長手方向が車体の長手方向、即ち車両の前後方向に沿うように配置される。当然のことながら、本願は、これに限定されず、動力電池パック10の幅方向Bを、上記電気自動車の車体の長手方向に沿うように配置し、長手方向Aを上記電気自動車の車体の幅方向に沿うように配置してもよい。
【0059】
当業者であれば理解できるように、単電池100の動力電池パック10内での方向配置及び動力電池パック10の電気自動車での方向配置は、異なる形式で組み合わせることができ、例えば、単電池100は、長手方向が動力電池パック10の幅方向Bに沿うように配置されてもよく、長手方向が動力電池パック10の長手方向Aに沿うように配置されてもよく、動力電池パック10は、幅方向Bが上記電気自動車の車体の幅方向に沿うように配置されてもよく、幅方向Bが車体の長手方向に沿うように配置されてもよく、さらに、例えば、動力電池パック10は、幅方向Bが上記電気自動車の車体の幅方向に沿うように配置されるか又は車体の長手方向に沿うように配置されるにかかわらず、単電池100は、長手方向が上記電気自動車の車体の幅方向に沿うように配置される。単電池100、動力電池パック10及び車体の相対的な配置方向は、実際の応用に応じて設定することにより、異なる要求を満たすことができる。
【0060】
以下、図面を参照して、本願の実施例に係る単電池100を説明する。
【0061】
以下の具体的な実施例では、長さL、幅H及び厚さDの単位は、いずれもミリメートル(mm)であり、表面積Sの単位は、平方ミリメートル(mm)であり、体積Vの単位は、立方ミリメートル(mm)であり、エネルギーEの単位は、ワット時(Wh)である。
【0062】
図5に示すように、本願の実施例に係る単電池100は、電池本体110を含み、電池本体110は、タブなどの小さな寸法の突出構造を除いた本体部分として理解できる。電池本体110は、長さL、幅H及び厚さDを有する。
【0063】
本願の実施例によれば、電池本体110の長さLは、電池本体110の幅Hより大きく、電池本体110の幅Hは、電池本体110の厚さDより大きく、電池本体110の長さLと電池本体110の幅Hは、L/H=4~21を満たし、本願の別のいくつかの実施例によれば、電池本体110の長さLと電池本体110の幅Hは、L/H=9~13を満たす。
【0064】
本願の実施例に係る単電池100は、電池本体110の長さLと幅Hとの比を設計することにより、一定の体積で電池本体110を合理的に扁平化することができ、動力電池パック内での全体的な配列に役立つ(例えば、本願の上記実施例に係る動力電池パック10の配列を実現する)ことにより、動力電池パックの空間利用率を向上させ、動力電池パックのエネルギー密度を向上させて、動力電池パックの航続能力を向上させる一方、単電池100が十分に大きな放熱面積を有することを保証し、内部の熱量をタイムリーに外部に伝導して、熱量が内部に集まることを防止することにより、高いエネルギー密度に適合し、航続能力の向上をサポートすることができる。
【0065】
本願のいくつかの実施例では、単電池100の動力電池パック内での配列を最適化し、かつ単電池100の放熱能力を向上させるために、電池本体110の長さLと厚さDは、L/D=23~208を満たす。本願のいくつかの具体的な実施例によれば、電池本体110の長さLと厚さDは、L/D=23~200を満たす。本願のいくつかの具体的な実施例によれば、電池本体110の長さLと厚さDは、L/D=50~70を満たす。
【0066】
本願のいくつかの具体的な実施例では、図5に示すように、電池本体110は、一定の構造強度を有するように、外面が平滑な直方体形状に構成され、例えば、電池用電極体を角形電池ケース内に入れ、蓋板で電池ケースの開口部分を密封し、電解液を注入する。アルミプラスチック複合膜の電池と比較して、本願の実施例に係る単電池100は、熱伝導性能が高く、従来の電池熱管理構造と組み合わせて、大きな寸法の構造による放熱問題を効果的に回避することができる。円柱状電池と比較して、空間利用率がより高く、製造組立プロセスがより簡単である。
【0067】
本願の実施例に係る単電池100が動力電池パック10のパック本体200内に配置される場合、電池本体110は、長手方向及び厚さ方向が水平方向に沿って延び、幅方向が垂直方向に沿って延びることができ、即ち、単電池100が縦に立てて配置され、該水平方向及び垂直方向は、いずれも動力電池パック10を使用する場合(例えば、電気自動車に適用する場合)の方向を基準とする。
【0068】
本願のいくつかの具体例では、単電池100の動力電池パック10内での配列を最適化して、エネルギー密度を向上させ、航続能力を向上させ、パック本体200の限られた空間内に、電池本体110の配列をよりコンパクトにし、エネルギーをより集中させるために、単電池100の他のパラメータを設計する。
【0069】
本願のいくつかの実施例によれば、電池本体110の長さLと電池本体110の体積Vは、L/V=0.0005mm-2~0.002mm-2を満たし、本願のいくつかの実施例では、電池本体110の幅Hと電池本体110の体積Vは、H/V=0.0001mm-2~0.00015mm-2を満たし、本願のいくつかの実施例では、電池本体110の厚さDと電池本体110の体積Vは、D/V=0.0000065mm-2~0.00002mm-2を満たす。これにより、一定の体積の電池本体110に対して、長さL、幅H及び厚さDのそれぞれと体積Vとの割合を設計することにより、単位数量のエネルギーの空間での分布を最適化し、このように、パック本体200内での配置に役立つ。
【0070】
本願のいくつかの実施例では、電池本体110の長さLと電池本体110の表面積Sは、L/S=0.002mm-1~0.005mm-1を満たし、本願のいくつかの実施例では、電池本体110の長さLと電池本体110のエネルギーEは、L/E=0.8mm・Wh-1~2.45mm・Wh-1を満たし、本願のいくつかの実施例によれば、電池本体110の長さLと電池本体110のエネルギーEは、L/E=1.65mm・Wh-1~2.45mm・Wh-1を満たす。このように、単電池100がその長手方向にパック本体200の対向する両辺を跨ぐことに役立つことにより、動力電池パック10の航続能力を向上させ、かつ単電池100の構造強度及び放熱効果を両立させる。
【0071】
本願のいくつかの他の例では、電池本体110の表面積Sと電池本体110の体積Vは、S/V=0.1~0.350.1~0.35mm-1を満たす。これにより、十分な放熱面積を保証して放熱効果を保証するだけでなく、単電池100の体積割合を低減することができ、複数の単電池100の動力電池パック10での配置のコンパクト化に役立つ。
【0072】
本願の具体的な実施例によれば、電池本体110の表面積Sと電池本体110のエネルギーEは、S/E≦1000を満たす。例えば、S/E≦1000mm・Wh-1を満たす。このように、単電池100の表面の放熱が十分であり、特に動力電池が三元系又は高ニッケル三元系正極材料を採用する場合、電池内部の熱量をタイムリーに伝導することを保証することができ、電池の安全に役立つ。また、本願の実施例における単電池100は、外面が平滑な角形電池であり、一定の構造強度を有し、金属熱伝導性が良好であり、波形により表面積を増加させる電池と比較して、プロセス及び後期の組立の難度が小さい。
【0073】
本願のいくつかの具体的な実施例では、図5に示すように、単電池100はさらに、第1のタブ101及び第2のタブ102を含む。
【0074】
第1のタブ101は、電池本体110の長手方向の一端に設けられ、第2のタブ102は、電池本体110の長手方向の他端に設けられる。換言すれば、単電池100の長手方向は、単電池100の内部の電流方向であってよく、即ち、単電池100の内部の電流方向は、矢印Bにより示すとおりである。このように、電流方向が単電池100の長手方向と同じであるため、単電池100の有効放熱面積がより大きく、放熱効率がより高い。ここで、第1のタブ101は、単電池100の正極タブであり、第2のタブ102は、単電池100の負極タブであってよく、或いは、第1のタブ101は、単電池100の負極タブであり、第2のタブ102は、単電池100の正極タブである。
【0075】
本願のいくつかの具体例では、図5に示すように、単電池100は、防爆弁103をさらに含む。
【0076】
防爆弁103は、電池本体110の長手方向での少なくとも1端に設けられる。単電池100が故障した場合、単電池100の内部の気圧が増大し、防爆弁103が開いて、単電池100の爆発を防止する。
【0077】
当業者であれば理解できるように、防爆弁103を設けることは、アルミニウムケース電池等のハードケース電池だけでなく、パウチ電池にも適用することができ、また、防爆弁103は、電池本体100の端部以外の他の位置に設けられてよい。
【0078】
本願のいくつかの具体的な実施例では、電池本体110の長手方向での両端にそれぞれ防爆弁103が設けられる。
【0079】
例えば、図2図5及び図11に示すように、単電池100の第1のサイドビーム201に向かう第1の端に防爆弁103が設けられ、第1のサイドビーム201の内部に排気通路222が設けられ、第1のサイドビーム201の各単電池100の防爆弁103に対応する位置のそれぞれに吸気口221が設けられ、吸気口221が排気通路222に連通し、パック本体200に排気通路222に連通する排気孔が設けられ、及び/又は、単電池100の第2のサイドビーム202に向かう第2の端に防爆弁103が設けられ、第2のサイドビーム202の内部に排気通路222が設けられ、第2のサイドビーム202の各単電池100の防爆弁103に対応する位置のそれぞれに吸気口221が設けられ、吸気口221が排気通路222に連通し、パック本体200に排気通路222に連通する排気孔が設けられる。
【0080】
従来技術において、単電池の使用過程において、その内部の気圧がある程度まで上昇すれば、防爆弁が開き、単電池の内部の火炎、煙又はガスが防爆弁を通って排出され、動力電池パックの内部に集まり、タイムリーに排出できなければ、単電池に対して二次的な損傷を与える。本願の実施例では、第1のサイドビーム201及び/又は第2のサイドビーム202に、単電池100の防爆弁103に対応する吸気口221が設けられ、かつ第1のサイドビーム201及び/又は第2のサイドビーム202の内部に排気通路222が設けられるため、単電池100の内部の気圧が上昇すると、その防爆弁103が開き、その内部の火炎、煙又はガスなどが直接的に吸気口221を通って第1のサイドビーム201及び/又は第2のサイドビーム202内の排気通路222に入り、かつ排気孔を通って第1のサイドビーム201及び又は第2のサイドビーム202から排出され、例えば、排気孔を通って大気中に排出され、このように、該火炎、煙又はガスがパック本体200の内部に集まらず、該火炎、煙又はガスが単電池100に対して二次的なダメージを与えることを回避する。
【0081】
また、複数の単電池100における各単電池100は、一端が第1のサイドビーム201内の排気通路222により排気し、他端が第2のサイドビーム202内の排気通路222により排気し、このように、単電池100の両端は、異なる通路により排気し、排気距離を増加させ、交互排気を形成することにより、温度を低下させることができる。
【0082】
以下、図面を参照して、本願の実施例に係る電気自動車1を説明し、該電気自動車は、動力電池パックを使用して電気エネルギーを提供することにより、走行を駆動する必要がある商用車、特種車、電動自転車、電動バイク、電動スクーターなどの電気自動車を含んでよい。
【0083】
図9及び図10に示すように、本願の実施例に係る電気自動車1は、本願の上記実施例に係る動力電池パック10を含み、パック本体200は、電気自動車に一体成形されてもよく、独立して製造される、単電池100を収容し取り付ける車両用トレイであってもよい。
【0084】
本願の実施例に係る電気自動車1は、本願の上記実施例に係る動力電池パック10を利用することにより、電池の占有空間を拡大することなく航続能力を向上させることができる。
【0085】
本願のいくつかの具体的な実施例では、図9及び図10に示すように、動力電池パック10は、電気自動車1の底部に設けられ、パック本体200は、電気自動車1のシャーシに固定接続される。電気自動車1のシャーシでの取付空間が大きいため、動力電池パック10を電気自動車1のシャーシに設けることにより、単電池100の数をできるだけ増加させて、電気自動車1の航続能力を向上させることができる。
【0086】
本願のいくつかの具体例では、図9及び図10に示すように、電気自動車1は、電気自動車1の底部に設けられた1つの動力電池パック10を含み、パック本体200は、電気自動車1のシャーシに固定接続され、動力電池パック10は、幅方向が電気自動車1の車体の幅方向、即ち電気自動車1の左右方向に沿うとともに長手方向が電気自動車1の車体の長手方向、即ち電気自動車1の前後方向に沿うように配置され、単電池100は、長手方向が動力電池パック10の幅方向に沿うように配置され、上記複数の単電池100は、上記動力電池パック10の長手方向に沿って配列されて電池アレイを形成する。他の実施例では、電気自動車1は、電気自動車1の底部に設けられた複数の動力電池パック10を含んでよく、該複数の電池パック10の形状及び寸法は、同じであっても異なってもよく、各動力電池パック10は、電気自動車1のシャーシの形状及び寸法に応じて調整でき、複数の動力電池パック10は、車体の長手方向、即ち前後方向に沿って配列される。
【0087】
本願のいくつかの具体例では、パック本体200の幅Fと車体の幅Wとの比は、50%≦F/W≦80%を満たす。
【0088】
本願のいくつかの具体例では、上記単電池100は、長さLが400mm~1500mmである電池本体110を含む。
【0089】
本願のいくつかの実施例では、上記電気自動車1は、上記電気自動車の底部に設けられた1つの動力電池パック10を含み、上記動力電池パック10は、幅方向が上記電気自動車1の車体の幅方向に沿うとともに長手方向が上記電気自動車1の車体の長手方向に沿うように配置され、上記単電池100は、長手方向が上記動力電池パックの幅方向に沿うように配置され、上記複数の単電池100は、上記動力電池パック10の長手方向に沿って配列されて電池アレイを形成し、上記単電池100は、長さLが400mm~1500mmである電池本体110を含む。
【0090】
本願のいくつかの具体例では、単電池100は、電池本体110を含み、上記動力電池パック10の幅方向での上記電池本体110の長さLと車体の幅Wは、46%≦L/W≦76%を満たす。上記実施例では、車体の幅方向に沿って1つのパック本体200のみを設けることで実現することができ、他の可能な実施形態では、このような寸法要求を満たす場合、いくつかの実施例として、電池本体110の長さLは、2000mm~2500mmである。一般的には、大部分の車両にとって、車体の幅Wが500mm~2000mm、例えば500mm、1600mm、1800mm、2000mmであり、車体の長さが500mm~5200mmであり、乗用車にとって、乗用車の幅が一般的に500mm~1800mmであり、車体の長さが500mm~5200mmであり、例えば2000mm、2500mm、3000mm、3500mm、4000mm、4500mm、4700mm、5000mm、5200mmであり、車体の長さが500mm~5000mmであってもよく、500mm~4700mmであってもよい。
【0091】
本願のいくつかの具体的な実施例によれば、上記電気自動車1は、上記電気自動車1の底部に設けられた1つの動力電池パック10を含み、上記動力電池パック10は、幅方向が上記電気自動車1の車体の幅方向に沿うとともに長手方向が上記電気自動車1の車体の長手方向に沿うように配置され、上記単電池100は、長手方向が上記動力電池パック10の長手方向に沿うように配置され、上記複数の単電池100は、上記動力電池パック10の幅方向に沿って配列されて電池アレイを形成する。
【0092】
本願のいくつかの具体的な実施例によれば、上記電気自動車1は、上記電気自動車1の底部に設けられた1つの動力電池パック10を含み、上記動力電池パック10は、幅方向が上記電気自動車1の車体の幅方向に沿うとともに長手方向が上記電気自動車1の車体の長手方向に沿うように配置され、上記単電池100は、長手方向が上記動力電池パック10の長手方向に沿うように配置され、上記複数の単電池100は、上記動力電池パック10の幅方向に沿って配列されて電池アレイを形成し、上記単電池100は、長さLが1500mm~2500mmである電池本体110を含む。
【0093】
本願のいくつかの具体的な実施例によれば、上記電気自動車1は、上記電気自動車1の底部に設けられた1つの動力電池パック10を含み、上記動力電池パック10は、幅方向が上記電気自動車1の車体の幅方向に沿うとともに長手方向が上記電気自動車1の車体の長手方向に沿うように配置され、上記単電池100は、長手方向が上記動力電池パック10の長手方向に沿うように配置され、上記複数の単電池100は、上記動力電池パック10の幅方向に沿って配列されて電池アレイを形成し、上記単電池100は、長さLが2000mm~2500mmである電池本体110を含む。
【0094】
本願のいくつかの具体例によれば、単電池100は、電池本体110を含み、上記動力電池パック10の長手方向での上記電池本体110の長さLと車体の長さXは、40%≦L/X≦76%を満たす。
【0095】
本願のいくつかの他の実施例では、パック本体200の幅Fは、500mm~1500mmであり、中国特許文献CN107925028Aに開示された組電池のケースよりはるかに大きく、CN107925028Aの組電池のような電池モジュール400を収容し、航続能力を保証し、かつ車体の寸法に合わせることに役立つ。
【0096】
本願のいくつかの具体例では、単電池100は、電池本体110を含み、電池本体110の長さLと車体の幅Wとの比は、46%≦L/W≦76%を満たす。本実施例では、車体の幅方向に沿って1つの単電池100のみを設けることで実現することができる。他の可能な実施形態では、このような寸法要求を満たす場合、長手方向に複数の電池モジュール400又は複数の単電池100を設けることで実現することができる。いくつかの実施例では、電池本体110の長さLは、400mm~1500mmである。
【0097】
本願の実施例に係る単電池100、動力電池パック10及び電気自動車1の他の構成及び操作は、当業者にとって既知であるため、ここで詳細に説明しない。
【0098】
以上より、従来技術に比較して、本願は、単電池の寸法を長く設計し、最大2500mmとすることができ、該単電池を電池パックに適用することにより、以下の技術的効果を達成することができる。
【0099】
1.電池パックの体積利用率の顕著な向上と電池パックの体積エネルギー密度の向上:現在、業界の体積利用率が40%程度であるが、本願の設計により、電池パックの内部全体に電池を配置することができ、体積利用率が60%以上、更に80%まで向上でき、その体積エネルギー密度が20%以上向上する。同様な車両は、本発明に係る電池及び配置方式を採用すると、エネルギーが20%~30%向上し、車両の走行可能な距離も20%~30%向上することができる。
【0100】
2.電池パックのコストの顕著な低減:単電池自体が機械的補強作用を担うことにより、電池トレイの補強リブを省略するか又は減少させることができ、電池パックの製造プロセスが簡単であり、製造コストを低減し、また、本願に係る単電池の寸法が電池パックの寸法に合わせ、単電池を電池パックに直接的に並んで配置することができ、従来技術のように、先に複数の単電池を、2つの端板と2つの側板で囲まれたモジュールフレーム内に並んで配置し、次に電池モジュールを電池パックに組み立てる必要がなく、本願に係る単電池の寸法が十分に長く、複数の単電池を電池パックに直接的に並んで配置することができ、電池モジュールを組み立てる端板、側板、及び電池モジュールを固定して取り付けるねじなどの大量の締結具を省略するか又は減少させ、単電池の組立プロセスがより簡単であり、大量の手間や物資などの製造コストを低減し、電気自動車の普及に一層有利である。
【0101】
3.電池パックの安定性及び信頼性の向上:電池パックの組立プロセスが複雑になるほど、不良品発生の確率が高くなり、電池パックが緩み、取付が強固にならない可能性も大きくなり、電池パックの品質に悪影響を及ぼし、電池パックの安定性及び信頼性を低減する。本願に係る単電池を電池パックに組み立てると、組立プロセスがより簡単になるため、電池パックの安定性及び信頼性を向上させ、電池パックの不良率を低下させる。
【0102】
4.電池パックの放熱安全性の顕著な向上:電池パックの昇温は、発熱と放熱が共に作用する結果であり、同じ容量の前提で、単電池の発熱量が一定であり、本願は、単電池を扁長にするように設計することにより、単電池の放熱効果がより高く、単電池の昇温が低下し、電池パックの作動条件が一定である前提で、該単電池を採用して、電池パックの昇温が低下するため、電池パックの安全性も大幅に向上する。
【0103】
上述した単電池が長いことによってもたらす顕著な技術的効果に基づいて、単電池の自体に対する支持を実現するために、成形プロセス、構造設計などの面の改善により、ケースの支持強度を向上させるとともに、ケースのアスペクト比を所定の範囲内に制御することができる。また、集電経路の最適化などにより、単電池の内部抵抗を低下させることができる。また、注液プロセスの改善により、単電池の寸法が長いことによってもたらす、注液時間が長くなるという問題を解決することもできる。
【0104】
以下、比較例1及び実施例1~2、比較例2及び実施例3~4、比較例3及び実施例5~6により説明し、本願の実施例に係る動力電池パック10は、単電池100の配列及び寸法パラメータなどを設計することにより、エネルギー密度などの態様で向上する。
【0105】
以下の実施例及び比較例では、いずれも電力が73kwhのリン酸鉄リチウム電池を例とする。
【0106】
比較例1、実施例1及び実施例2では、電池パックは、総体積が213Lであり、そのパック本体と内部の電池管理システム及び他の配電モジュールの占める体積の合計が58Lであり、電池パックの実際に残される、単電池、クロスビーム及びサイドビームを収容できる体積が155Lであり、配電ボックスの体積が22.5Lであり、パック本体は、長さが1380mm、幅が1005mm、厚さが137mmである。電池パックの総体積が213L=1380×1005×137×0.000001+22.5である。動力電池パックは、幅方向が車体の幅方向に沿うとともに長手方向が車体の長手方向に沿うように配置される。車体の幅が1880mmである。
【0107】
比較例1
従来技術における動力電池パック10′は、図1に示すように、パック本体200′′内に、2つのクロスビーム500′及び1つのサイドビーム600′が設けられ、2つのクロスビーム500′及び1つのサイドビーム600′が、単電池を6つの組電池400′に仕切っており、各組電池400′が、いずれも側板及び端板を有する。
【0108】
実施例1
本願の実施例に係る動力電池パック10において、図13に示すように、単電池100は、長手方向が動力電池パックの幅方向Bに沿うように配置され、複数の単電池100が動力電池パック10の長手方向Aに沿って配列され、パック本体200は、動力電池パックの幅方向Bにおいて1つの単電池100を収容し、単電池100は、動力電池パック10の幅方向Bにおいてパック本体200の一側から他側まで延びる。パック本体200内に1つのクロスビーム500が設けられ、サイドビーム600が設けられておらず、クロスビーム500は、動力電池パック10の幅方向Bに沿って延び、複数の単電池100は、動力電池パック10の長手方向Aに沿って配列されて電池アレイを形成し、クロスビーム500は、電池アレイを動力電池パック10の長手方向Aに沿って2つの部分に分割する。動力電池パック10の幅方向Bの両側に位置するパック本体200の第1のサイドビーム201及び第2のサイドビーム202は、単電池100に支持力を提供し、動力電池パック10の長手方向Aの両端に位置するパック本体200の第1のエンドビーム203及び第2のエンドビーム204は、隣接する単電池100に内向きの押圧力を提供する。パック本体200内には、動力電池パック10の高さ方向Cに沿って1層の電池アレイが含まれる。該動力電池パック10の電池アレイ(電池モジュールとも理解される)に端板及び側板が設けられていない。
【0109】
実施例2
本願の実施例に係る動力電池パック10において、図14に示すように、単電池100は、長手方向が動力電池パックの幅方向Bに沿うように配置され、複数の単電池100が動力電池パック10の長手方向Aに沿って配列され、パック本体200は、動力電池パックの幅方向Bにおいて1つの単電池100を収容し、単電池100は、動力電池パック10の幅方向Bにおいてパック本体200の一側から他側まで延びる。パック本体200内にクロスビーム500及びサイドビーム600が設けられていない。動力電池パック10の幅方向Bの両側に位置するパック本体200の第1のサイドビーム201及び第2のサイドビーム202は、単電池100に支持力を提供し、動力電池パック10の長手方向Aの両端に位置するパック本体200の第1のエンドビーム203及び第2のエンドビーム204は、隣接する単電池100に内向きの押圧力を提供する。パック本体200内には、動力電池パック10の高さ方向Cに沿って1層の電池アレイが含まれる。該動力電池パック10の電池アレイ(電池モジュールとも理解される)に端板及び側板が設けられていない。
【0110】
当業者であれば、上記比較例1と実施例1~3を比較して分かるように、従来技術における動力電池パック10′と比較して、本願の実施例に係る動力電池パック10は、単電池100の配列、寸法パラメータ及び他の要因の設計により、空間利用率が従来の動力電池パックの制限を打破できることにより、より高いエネルギー密度を実現する。
【0111】
比較例2、実施例3及び実施例4では、電池パックは、総体積が283Lであり、そのパック本体と内部の電池管理システム及び他の配電モジュールの占める体積の合計が89Lであり、電池パックの実際に残される、単電池及び/又はクロスビーム、サイドビームを収容できる体積が221Lであり、パック本体は、長さが1380mm、幅が1380mm、厚さが137mmであり、配電ボックスの体積が11Lであり、電池パックの総体積が310L=1580×1380×137×0.000001+11である。動力電池パックは、幅方向が車体の幅方向に沿うとともに長手方向が車体の長手方向に沿うように配置される。車体の幅が1950mmである。
【0112】
比較例2
従来技術における動力電池パック10′は、図1に示すように、パック本体200′′内に、2つのクロスビーム500′及び1つのサイドビーム600′が設けられ、2つのクロスビーム500′及び1つのサイドビーム600′が、単電池を6つの電池モジュール400′に仕切っており、各電池モジュール400′が、いずれも側板及び端板を有する。
【0113】
実施例3
本願の実施例に係る動力電池パック10において、図15に示すように、単電池100は、長手方向が動力電池パックの長手方向Aに沿うように配置され、複数の単電池100が動力電池パック10の幅方向Bに沿って配列され、パック本体200は、動力電池パックの長手方向Aにおいて1つの単電池100を収容し、単電池100は、動力電池パック10の長手方向Aにおいてパック本体200の一側から他側まで延びる。パック本体200内に1つのサイドビーム600が設けられ、クロスビーム500が設けられておらず、サイドビーム600は、動力電池パック10の長手方向Aに沿って延び、複数の単電池100は、動力電池パック10の幅方向Bに沿って配列されて電池アレイを形成し、サイドビーム600は、電池アレイを動力電池パック10の幅方向Bに沿って2つの部分に分割する。動力電池パック10の長手方向Aの両端に位置するパック本体200の第1のエンドビーム203及び第2のエンドビーム204は、単電池100に支持力を提供し、動力電池パック10の幅方向Bの両側に位置するパック本体200の第1のサイドビーム201及び第2のサイドビーム202は、隣接する単電池100に内向きの押圧力を提供する。パック本体200内には、動力電池パック10の高さ方向Cに沿って1層の電池アレイが含まれる。該動力電池パック10の電池アレイ(電池モジュールとも理解される)に端板及び側板が設けられていない。
【0114】
実施例4
本願の実施例に係る動力電池パック10において、図16に示すように、単電池100は、長手方向が動力電池パックの長手方向Aに沿うように配置され、複数の単電池100が動力電池パック10の幅方向Bに沿って配列され、パック本体200は、動力電池パックの長手方向Aにおいて1つの単電池100を収容し、単電池100は、動力電池パック10の長手方向Aにおいてパック本体200の一側から他側まで延びる。パック本体200内にクロスビーム500及びサイドビーム600が設けられていない。動力電池パック10の長手方向Aの両端に位置するパック本体200の第1のエンドビーム203及び第2のエンドビーム204は、単電池100に支持力を提供し、動力電池パック10の幅方向Bの両側に位置するパック本体200の第1のサイドビーム201及び第2のサイドビーム202は、隣接する単電池100に内向きの押圧力を提供する。パック本体200内には、動力電池パック10の高さ方向Cに沿って1層の電池アレイが含まれる。該動力電池パック10の電池アレイ(電池モジュールとも理解される)に端板及び側板が設けられていない。
【0115】
比較例3、実施例5及び実施例6における電池パックは、総体積が414Lであり、そのパック本体と内部の電池管理システム及び他の配電モジュールの占める体積の合計が58Lであり、電池パックの実際に残される、単電池及び/又はクロスビーム、サイドビームを収容できる体積が356Lであり、パック本体は、長さが2130mm、幅が1380mm、厚さが137mmであり、配電ボックスの体積が11Lであり、電池パックの総体積が414L=2130×1380×137×0.000001+11である。動力電池パックは、幅方向が車体の幅方向に沿うとともに長手方向が車体の長手方向に沿うように配置される。車体の長さが4700mmである。
【0116】
比較例3
該実施例では、単電池100の電池パック10での配列方式は、比較例1における配列方式と同じである。
【0117】
実施例5
該実施例では、単電池100の電池パック10での配列方式は、実施例における配列方式と同じである。
【0118】
実施例6
該実施例では、動力電池パック10は、総体積が508Lであり、そのパック本体200と内部の電池管理システム及び他の配電モジュールの占める体積の合計が119Lであり、動力電池パック10の実際に残される、単電池及び/又はクロスビーム及びサイドビームを収容できる体積が389Lであり、車体の長さが5200mmであり、パック本体200′′は、長さが2630mm、幅が1380mm、厚さが137mmであり、単電池は、長さが2500mm、幅が118mm、高さが13.5mmである。動力電池パックは、幅方向が車体の幅方向に沿うとともに長手方向が車体の長手方向に沿うように配置される。車体の長さは5200mmである。本実施例では、単電池の電池パックでの配列方式は、実施例5における配列方式と同じである。
【0119】
実施例1~7と比較例1~3の具体的なパラメータを表1に示す。
【0120】
【表1】
【0121】
当業者であれば、上記比較例1と実施例1~2を比較して分かるように、従来技術における動力電池パック10′と比較して、本願の実施例に係る動力電池パック10は、単電池100の配列、寸法パラメータ及び他の要因、例えば、単電池の長さと車体の幅方向での寸法との比又は単電池の長さと車体の長手方向での寸法との比などの設計により、単電池の延び方向での車体の空間を十分に利用できて、より高いエネルギー密度を実現する。
【0122】
当業者であれば、上記比較例2と実施例3~4を比較して分かるように、本願の実施例に係る動力電池パック10は、単電池100の配列、寸法パラメータ及び他の要因、例えば、単電池の長さと車体の幅方向での寸法との比又は単電池の長さと車体の長手方向での寸法との比などの設計により、より高いエネルギー密度を実現する。また、このようなエネルギー密度の向上は、動力電池パックの全体積の上昇に伴って拡大され、即ち、動力電池パックの体積が大きいほど、本願の実施例の技術手段によるエネルギー密度の向上効果が顕著となる。
【0123】
当業者であれば、上記比較例3と実施例5~6を比較して分かるように、本願の実施例に係る動力電池パック10は、単電池100の配列、寸法パラメータ及び他の要因、例えば、単電池の長さと車体の幅方向での寸法との比又は単電池の長さと車体の長手方向での寸法との比などの設計により、単電池の延び方向での車体の空間を十分に利用でき、車体の寸法が一定である場合、本願においてより高いエネルギー密度を実現できる。
【0124】
本明細書の説明において、用語「具体的な実施例」、「具体例」などを参照する説明は、該実施例又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同一の実施例又は例に限定されるものではない。
【0125】
本願の実施例を例示し説明したが、当業者であれば理解できるように、本願の原則及び主旨から逸脱しない場合、これらの実施例に対して、様々な変更、修正、置換及び変形を行うことができ、本願の範囲は、特許請求の範囲及びその等価範囲で限定される。
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