(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】物品搬送システム
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20231226BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
(21)【出願番号】P 2021571097
(86)(22)【出願日】2020-01-14
(86)【国際出願番号】 JP2020000933
(87)【国際公開番号】W WO2021144866
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2022-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野沢 瑞穂
(72)【発明者】
【氏名】藤井 真一
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特許第5963863(JP,B2)
【文献】特開平08-234839(JP,A)
【文献】特開2009-012948(JP,A)
【文献】特開平10-100029(JP,A)
【文献】特開2008-184329(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00 - 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に所定の対基板作業を行う対基板作業機に使用される物品を受け渡し可能な複数のステーションが並んで設けられているステーション群と、
前記複数のステーションのうちの所定の前記ステーションとの間で前記物品を受け渡し可能な搬送車に設けられる第一通信部および前記複数のステーションの各々に設けられる第二通信部を有し、前記複数のステーションのうちの一の前記ステーションに前記搬送車が到着した際に、前記一のステーションに設けられる前記第二通信部と前記第一通信部との間の第一無線通信は許容され、他の前記ステーションに設けられる前記第二通信部と前記第一通信部との間の前記第一無線通信は規制される第一通信装置と、
前記第一通信装置を利用することにより
前記ステーションを識別し、前記搬送車が前記物品を送出または受領すべき前記ステーションである目標ステーションに前記搬送車が到着しているか否かを判断する判断部と、
を備える物品搬送システム。
【請求項2】
前記判断部は、前記第一通信装置を利用することにより前記一のステーションに前記搬送車が到着したことを検出し、到着が検出された前記一のステーションが前記目標ステーションであるか否かを判断する請求項1に記載の物品搬送システム。
【請求項3】
前記判断部は、前記第一通信装置を利用することにより前記一のステーションの識別情報を取得して、取得した前記一のステーションの識別情報が前記目標ステーションの識別情報と一致するか否かに基づいて、前記一のステーションが前記目標ステーションであるか否かを判断する請求項1または請求項2に記載の物品搬送システム。
【請求項4】
前記第一無線通信は、前記一のステーションに設けられる前記第二通信部と前記第一通信部との間の無線通信の通信可能範囲と、当該ステーションに隣接する前記ステーションに設けられる前記第二通信部と前記第一通信部との間の無線通信の通信可能範囲とが重ならない請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の物品搬送システム。
【請求項5】
前記第一無線通信は、光通信である請求項4に記載の物品搬送システム。
【請求項6】
前記搬送車は、無人搬送車であり、
前記搬送車を管理する管理装置と、
前記第一無線通信と比べて広範囲の無線通信が可能な第二無線通信を用いて、前記管理装置と前記搬送車との間の通信を行う第二通信装置と、
を備える請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の物品搬送システム。
【請求項7】
前記搬送車は、前記物品若しくは前記物品を収容している収容ケースを前記目標ステーションに送出し前記目標ステーションから前記物品若しくは前記収容ケースを受領する第一移載装置を備え、
前記第一移載装置は、前記判断部によって前記搬送車が前記目標ステーションに到着していると判断され、且つ、前記第一無線通信によって前記目標ステーションが前記物品若しくは前記収容ケースを受領可能であることを確認したときに、前記物品若しくは前記収容ケースを前記目標ステーションに送出する請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の物品搬送システム。
【請求項8】
前記第一移載装置は、
前記物品若しくは前記収容ケースの有無を検出する第一搬送車側検出器と、
前記収容ケースに収容されていない前記物品、または、前記収容ケースに収容されている前記物品および前記収容ケースのうちの少なくとも一方が所定の搭載範囲を超えて移動したか否かを検出する第二搬送車側検出器と、
を備える請求項7に記載の物品搬送システム。
【請求項9】
前記目標ステーションは、前記物品若しくは前記物品を収容している収容ケースを前記搬送車に送出し前記搬送車から前記物品若しくは前記収容ケースを受領する第二移載装置を備え、
前記第二移載装置は、前記判断部によって前記搬送車が前記目標ステーションに到着していると判断され、且つ、前記第一無線通信によって前記搬送車が前記物品若しくは前記収容ケースを受領可能であることを確認したときに、前記物品若しくは前記収容ケースを前記搬送車に送出する請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の物品搬送システム。
【請求項10】
基板に所定の対基板作業を行う対基板作業機に使用される物品を受け渡し可能な複数のステーションが並んで設けられているステーション群と、
前記複数のステーションのうちの所定の前記ステーションとの間で前記物品を受け渡し可能な搬送車に設けられる第一通信部および前記複数のステーションの各々に設けられる第二通信部を有し、前記複数のステーションのうちの一の前記ステーションに前記搬送車が到着した際に、前記一のステーションに設けられる前記第二通信部と前記第一通信部との間の第一無線通信は許容され、他の前記ステーションに設けられる前記第二通信部と前記第一通信部との間の前記第一無線通信は規制される第一通信装置と、
前記第一通信装置を利用することにより前記搬送車が前記物品を送出または受領すべき前記ステーションである目標ステーションに前記搬送車が到着しているか否かを判断する判断部と、
を備え、
前記目標ステーションは、前記物品若しくは前記物品を収容している収容ケースを前記搬送車に送出し前記搬送車から前記物品若しくは前記収容ケースを受領する第二移載装置を備え、
前記第二移載装置は、前記判断部によって前記搬送車が前記目標ステーションに到着していると判断され、且つ、前記第一無線通信によって前記搬送車が前記物品若しくは前記収容ケースを受領可能であることを確認したときに、前記物品若しくは前記収容ケースを前記搬送車に送出し、
前記物品若しくは前記収容ケースは、前記第二移載装置とクランプされる被クランプ部材を備え、
前記第二移載装置は、
前記物品若しくは前記収容ケースの前記被クランプ部材をクランプするクランプ部材と、
前記クランプ部材が前記被クランプ部材をクランプしているクランプ状態を検出する第一ステーション側検出器と、
前記クランプ部材が前記被クランプ部材をクランプしていないアンクランプ状態を検出する第二ステーション側検出器と、
を備え
る物品搬送システム。
【請求項11】
前記物品若しくは前記収容ケースは、前記第二移載装置の所定位置に前記物品若しくは前記収容ケースが位置しているか否かを検出する際に用いられる被検出部材を備え、
前記第二移載装置は、前記被検出部材の検出の有無に基づいて、前記クランプ状態または前記アンクランプ状態を検出する第三ステーション側検出器を備える請求項10に記載の物品搬送システム。
【請求項12】
前記第二移載装置は、
前記クランプ状態のときに前記物品若しくは前記収容ケースと接する支持部材と、
前記物品若しくは前記収容ケースと前記支持部材との間の密着状態を検出する第四ステーション側検出器と、
前記収容ケースに収容されていない前記物品、または、前記収容ケースに収容されている前記物品および前記収容ケースのうちの少なくとも一方が所定の搭載範囲を超えて移動したか否かを検出する第五ステーション側検出器と、
を備える請求項10または請求項11に記載の物品搬送システム。
【請求項13】
前記判断部によって前記搬送車が前記目標ステーションに到着していないと判断されたときに、前記搬送車の前記目標ステーションへの移動を再試行させる搬送車制御部を備える請求項1~請求項12のいずれか一項に記載の物品搬送システム。
【請求項14】
作業者によって設定された前記目標ステーションに前記搬送車が到着していることが前記判断部によって判断され、且つ、前記搬送車および前記目標ステーションの両方に前記物品若しくは前記物品を収容している収容ケースが搭載されている状態を第一状態とし、前記作業者によって設定された前記目標ステーションに前記搬送車が到着していることが前記判断部によって判断され、且つ、前記搬送車および前記目標ステーションの両方に前記物品若しくは前記物品を収容している収容ケースが搭載されていない状態を第二状態とするとき、
前記第一状態または前記第二状態を前記第一無線通信によって確認したときに、前記目標ステーションの誤設定と判断して前記搬送車を所定位置に移動させる搬送車制御部を備える請求項1~請求項12のいずれか一項に記載の物品搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、物品搬送システムに関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の部品実装システムは、補給装置と、搬送手段と、非接触伝送装置と、照合部とを備えている。補給装置は、部品保管庫と複数の実装機モジュールとの間で走行可能であり、部品供給要素を支持して部品供給要素を複数の実装機モジュールに補給し、かつ、部品供給要素を複数の実装機モジュールより回収する。搬送手段は、補給装置を部品保管庫と複数の実装機モジュールとの間で搬送する。非接触伝送装置は、複数の実装機モジュールと補給装置との間で信号を非接触で伝送する。照合部は、実装機モジュールと補給装置との間で補給される部品供給要素のIDを読取って照合する。
【0003】
特許文献2に記載の部品実装ラインは、部品実装ラインに設けられているユニット保管庫と、ユニット保管庫に対して部材の搬送を行うAGVとを備えている。また、特許文献2に記載の部品実装ラインは、AGVがフィーダ保管庫にのみフィーダを搬入出することで、AGVの移動と交換ロボットの移動との干渉を抑制し、ガイド設置範囲を限定しようとしている。
【0004】
特許文献3に記載の搬送システムの搬送車および装置の一方は、移載機構部と、通信手段と、制御手段とを備えている。移載機構部は、搭載している荷物を搬送車および装置の他方である相手側に差し出す、または、相手側から荷物を取り出すことによって荷物を移載する。通信手段は、相手側に対して移載許可を要求する移載要求信号を発し、当該要求に対する許可を示す移載許可信号を取得する。制御手段は、通信手段が移載許可信号を取得する前に、移載機構部が相手側に侵入しない範囲で移載動作を行うように移載機構部を制御する。
【0005】
また、特許文献3に記載の無人搬送車は、搬送車コントローラよりウェハカセットの移載指示を受けて処理装置ステーションの前で停止し、光通信を介して処理装置とインターロック通信をしながらウェハカセットの移載動作を開始する。インターロック通信は、移載相手を特定し、相手の状態を打診し相手からの返信を確認した上で移載作業を進める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第2014/010083号
【文献】国際公開第2017/033268号
【文献】特開2009-012948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のいずれの文献においても、搬送車が物品を送出または受領すべきステーションである目標ステーションに搬送車が到着しているか否かを判断することについて、具体的に記載されていない。
【0008】
このような事情に鑑みて、本明細書は、搬送車が物品を送出または受領すべきステーションである目標ステーションに搬送車が到着しているか否かを判断することが可能な物品搬送システムを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書は、ステーション群と、第一通信装置と、判断部とを備える物品搬送システムを開示する。前記ステーション群は、基板に所定の対基板作業を行う対基板作業機に使用される物品を受け渡し可能な複数のステーションが並んで設けられている。前記第一通信装置は、前記複数のステーションのうちの所定の前記ステーションとの間で前記物品を受け渡し可能な搬送車に設けられる第一通信部および前記複数のステーションの各々に設けられる第二通信部を有する。前記第一通信装置では、前記複数のステーションのうちの一の前記ステーションに前記搬送車が到着した際に、前記一のステーションに設けられる前記第二通信部と前記第一通信部との間の第一無線通信は許容され、他の前記ステーションに設けられる前記第二通信部と前記第一通信部との間の前記第一無線通信は規制される。前記判断部は、前記第一通信装置を利用することにより前記搬送車が前記物品を送出または受領すべき前記ステーションである目標ステーションに前記搬送車が到着しているか否かを判断する。
【発明の効果】
【0010】
上記の物品搬送システムは、ステーション群と、第一通信装置と、判断部とを備える。よって、上記の物品搬送システムは、第一通信装置を利用することにより搬送車が物品を送出または受領すべきステーションである目標ステーションに搬送車が到着しているか否かを判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】基板生産ラインの構成例を示す平面図である。
【
図2】ステーション群および搬送車の構成例を示す斜視図である。
【
図3】物品搬送システムの制御ブロックの一例を示すブロック図である。
【
図4】第一通信装置の構成例を示すステーション群および搬送車の斜視図である。
【
図5】第一無線通信の通信可能範囲の一例を示す模式図である。
【
図6】物品搬送システムによる物品等の搬送手順の一例を示すフローチャートである。
【
図7】収容ケースを具備していないステーション群の拡大図である。
【
図8】アンクランプ状態のときのクランプ部材を示す斜視図である。
【
図10】クランプ状態のときのクランプ部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.実施形態
1-1.基板生産ライン1の構成例
図1に示すように、基板生産ライン1は、少なくとも一つ(同図では、4つ)の部品装着機10と、交換システム30と、物品移動装置40と、ステーション群50と、搬送車60と、通信装置70と、ライン制御装置LC0と、管理装置WC0とを備えている。以下の説明において、部品装着機10の水平幅方向であり基板の搬送方向をX方向とし、部品装着機10の水平奥行き方向をY方向とし、X方向およびY方向に垂直な鉛直方向をZ方向とする。
【0013】
4つの部品装着機10は、基板の搬送方向(X方向)に沿って設置されている。部品装着機10は、基板に所定の対基板作業を行う対基板作業機WM0に含まれる。部品装着機10は、基板を搬入し所定位置に位置決めして、位置決めされた基板に複数の部品を装着して、部品が装着された基板を搬出する。つまり、部品装着機10による対基板作業には、基板の搬入作業、位置決め作業および搬出作業が含まれる。また、部品装着機10による対基板作業には、部品の供給作業、採取作業および装着作業が含まれる。
【0014】
例えば、部品装着機10は、基板に装着される部品を供給する部品供給装置を備えている。部品供給装置には、複数のフィーダ20が着脱可能に設けられる。フィーダ20は、部品装着機10による部品の供給作業に使用される物品AR0に含まれる。また、部品供給装置は、複数のフィーダ20を装備可能な少なくとも一つのスロットを備えている。本実施形態の部品供給装置は、第一スロットおよび第二スロットの2つのスロットを備えている。
【0015】
第一スロットは、装備されたフィーダ20を動作可能に保持する。第一スロットに装備されたフィーダ20は、部品装着機10による対基板作業において動作が制御され、フィーダ20の所定位置に設けられている取り出し部において、部品が順に供給される。第二スロットは、第一スロットの下方に配置され、装備されたフィーダ20をストックする。つまり、第二スロットは、生産に用いられるフィーダ20を予備的に保持し、または、生産に用いられた使用済みのフィーダ20を一時的に保持する。
【0016】
第一スロットと第二スロットとの間におけるフィーダ20の交換作業、フィーダ20の補給作業および回収作業は、交換システム30および物品移動装置40を用いて行われる。具体的には、
図1に示すように、交換システム30は、第一レール31と、第二レール32とを備えている。第一レール31および第二レール32は、物品移動装置40の走行路を形成する。第一レール31および第二レール32は、4つの部品装着機10の配置方向(基板の搬送方向(X方向))に沿って設けられている。第一レール31および第二レール32は、基板生産ライン1において、基板の搬送方向(X方向)の概ね全域に亘って延伸されている。
【0017】
物品移動装置40は、第一レール31および第二レール32によって形成される走行路に沿って走行可能に設けられている。物品移動装置40は、例えば、第一レール31に設けられる送電部と対向して設けられる受電部を介して、非接触給電によって送電部から電力の供給を受ける。受電部が受け取った電力は、受電回路を介して物品移動装置40の走行、所定作業などに用いられる。なお、物品移動装置40は、例えば、位置検出装置によって走行路上の位置(現在位置)を検出する。位置検出装置は、例えば、光学的な位置検出、電磁誘導を用いた位置検出などによって、物品移動装置40の走行路上の位置(現在位置)を検出することができる。
【0018】
また、上記の所定作業には、部品装着機10などの対基板作業機WM0に着脱可能に設けられる機器を、対基板作業機WM0との間で交換する交換作業などが含まれる。本実施形態では、物品移動装置40は、基板に装着される部品を供給するフィーダ20を機器として、対基板作業機WM0である部品装着機10との間でフィーダ20の交換作業などを行う。また、物品移動装置40は、ステーション群50との間でフィーダ20の交換作業などを行うこともできる。
【0019】
具体的には、物品移動装置40は、部品装着機10の部品供給装置の第一スロットと第二スロットとの間で、フィーダ20の交換作業を行う。また、物品移動装置40は、ステーション群50から部品供給装置の第一スロットまたは第二スロットにフィーダ20を搬送して、フィーダ20の補給作業を行う。さらに、物品移動装置40は、部品装着機10で不要になったフィーダ20を部品供給装置からステーション群50に搬送して、フィーダ20の回収作業を行う。
【0020】
ステーション群50は、基板生産ライン1の基板搬入側(
図1の紙面左側)に設けられている。
図2に示すように、ステーション群50には、フィーダ20などの対基板作業機WM0に使用される物品AR0を受け渡し可能な複数(同図では、2つ)のステーション50s,50sが並んで設けられている。また、複数(2つ)のステーション50s,50sの各々は、物品AR0を収容している収容ケース90を具備することもできる。
【0021】
収容ケース90は、例えば、複数(同図では、30個)のスロットSLT1~スロットSLT30を備えており、各スロットにフィーダ20を装備することができる。収容ケース90のスロットに装備されたフィーダ20は、収容ケース90を介して収容ケース90を具備するステーション50sから電力が供給され、ライン制御装置LC0と通信可能な状態になる。これにより、収容ケース90のスロットと当該スロットに装備されたフィーダ20の識別符号が関連付けられて、ライン制御装置LC0に記録される。
【0022】
搬送車60は、複数(2つ)のステーション50s,50sのうちの所定のステーション50sとの間で、フィーダ20などの物品AR0を受け渡しすることができる。また、搬送車60は、複数(2つ)のステーション50s,50sのうちの所定のステーション50sとの間で、物品AR0を収容している収容ケース90を受け渡しすることもできる。搬送車60は、作業者によって牽引される有人搬送車であっても良く、作業者による牽引が不要な自動走行可能な無人搬送車(AGV:Automatic Guided Vehicle)であっても良い。本実施形態の搬送車60は、無人搬送車である。
【0023】
ライン制御装置LC0は、ネットワークを介して、基板生産ライン1を構成する各装置と種々のデータを入出力可能に構成されている。ライン制御装置LC0は、基板生産ライン1の動作状況を監視し、部品装着機10などの対基板作業機WM0、交換システム30、物品移動装置40およびステーション群50を統括制御する。ライン制御装置LC0には、対基板作業機WM0、交換システム30、物品移動装置40およびステーション群50を制御するための各種データが記憶されている。
【0024】
管理装置WC0は、複数の基板生産ライン1の各々のライン制御装置LC0と通信可能に設けられており、複数の基板生産ライン1による基板製品の生産を管理することができる。また、管理装置WC0は、搬送車60と通信可能に設けられており、搬送車60を管理することもできる。
【0025】
通信装置70は、第一通信装置70aを備えている。通信装置70は、第二通信装置70bを備えることもできる。本実施形態の通信装置70は、第一通信装置70aと、第二通信装置70bとを備えている。第一通信装置70aは、複数(2つ)のステーション50s,50sのうちの一のステーション50sと搬送車60との間で、第一無線通信を行う。第二通信装置70bは、管理装置WC0と搬送車60との間で、第二無線通信を行う。ステーション群50、搬送車60および通信装置70については、次節以降において詳細に説明されている。
【0026】
1-2.物品搬送システム100の構成例
物品搬送システム100は、ステーション群50と、第一通信装置70aと、判断部81とを備えている。また、物品搬送システム100は、管理装置WC0と、第二通信装置70bとを備えることもできる。さらに、物品搬送システム100は、搬送車制御部82を備えることもできる。また、物品搬送システム100は、搬送車60を備えることができる。搬送車60は、物品AR0若しくは物品AR0を収容している収容ケース90(以下、単に「物品AR0若しくは収容ケース90」ともいう。)をステーション群50との間で受け渡しすることができる。
図1および
図3に示すように、本実施形態の物品搬送システム100は、上記の装置および制御部をすべて備えている。
【0027】
1-2-1.物品AR0若しくは収容ケース90の搬送
ステーション群50には、基板に所定の対基板作業を行う対基板作業機WM0に使用される物品AR0を受け渡し可能な複数(
図1および
図2では、2つ)のステーション50s,50sが並んで設けられている。複数(2つ)のステーション50s,50sの各々は、物品AR0を収容している収容ケース90を受け渡しすることもできる。また、
図3に示すように、複数(2つ)のステーション50s,50sの各々は、第二移載装置51を備えている。第二移載装置51は、物品AR0若しくは収容ケース90を搬送車60に送出する。また、第二移載装置51は、搬送車60から物品AR0若しくは収容ケース90を受領する。
【0028】
なお、ステーション群50は、物品AR0若しくは収容ケース90を受け渡し可能な複数のステーション50sが並んで設けられていれば良く、ステーション50sの数は、2つに限定されない。また、対基板作業機WM0は、部品装着機10に限定されない。基板生産ライン1は、種々の対基板作業機WM0を備えることができる。例えば、基板生産ライン1は、はんだ印刷機、はんだ検査機、リフロー炉、外観検査機などの対基板作業機WM0を備えることができる。
【0029】
同様に、物品AR0は、フィーダ20に限定されない。基板に装着される部品を収容する部品テープが巻回されているリールは、物品AR0に含まれる。また、基板に装着される部品が配列されている部品トレイは、物品AR0に含まれる。さらに、基板に装着される部品が不規則に収容されている部品容器は、物品AR0に含まれる。また、複数のフィーダ20を一括交換可能な台車は、物品AR0に含まれる。
【0030】
さらに、部品を採取し保持する保持部材(例えば、吸着ノズル、チャックなど)は、物品AR0に含まれる。また、保持部材を用いて部品を基板に装着する装着ヘッドは、物品AR0に含まれる。さらに、保持部材を収容可能な保持部材収容装置は、物品AR0に含まれる。また、はんだを収容するはんだ容器は、物品AR0に含まれる。さらに、スキージによって、はんだをマスクに沿って移動させて基板にはんだを印刷する印刷機の場合、スキージおよびマスクは、物品AR0に含まれる。また、印刷ヘッドによって、基板の複数の印刷位置の各々に、はんだを塗布する印刷機の場合、印刷ヘッドおよびディスペンスヘッドは、物品AR0に含まれる。
【0031】
搬送車60は、複数(2つ)のステーション50s,50sのうちの所定のステーション50sとの間で物品AR0若しくは収容ケース90を受け渡しする。具体的には、
図2および
図3に示すように、搬送車60は、第一移載装置61と、走行装置65とを備えている。第一移載装置61は、物品AR0若しくは収容ケース90を目標ステーション50gに送出する。また、第一移載装置61は、目標ステーション50gから物品AR0若しくは収容ケース90を受領する。目標ステーション50gは、搬送車60が物品AR0若しくは収容ケース90を送出または受領すべきステーション50sをいう。
【0032】
走行装置65は、搬送車60を走行させる。搬送車60は、走行装置65によって目標ステーション50gに移動して、第一移載装置61によって目標ステーション50gに物品AR0若しくは収容ケース90を送出する。搬送車60は、第一移載装置61によって目標ステーション50gから物品AR0若しくは収容ケース90を受領することもできる。本実施形態の搬送車60は、無人搬送車であり、自動走行が可能である。また、
図1に示すように、基板生産ライン1には、搬送車60の走行路を示す案内部材M0と、搬送車60が走行する際の指標となる指標部材S0とが形成されている。案内部材M0および指標部材S0は、搬送車60の走行精度を向上させる。
【0033】
案内部材M0および指標部材S0は、種々の形態をとり得る。本実施形態では、案内部材M0および指標部材S0は、マグネットテープで形成されている。搬送車60の走行装置65は、案内部材M0を検知しつつ搬送車60を走行させることにより、搬送車60が走行すべき走行路から離脱することを抑制することができる。また、搬送車60の走行装置65は、指標部材S0を検知することにより、搬送車60の走行位置を確認することができる。
【0034】
例えば、指標部材S0は、基準位置を示す基準部材S1と、第一の経由位置を示す第一経由部材S21と、第二の経由位置を示す第二経由部材S22と、第一の目標位置を示す第一目標部材S31と、第二の目標位置を示す第二目標部材S32とを備えている。例えば、搬送車60の走行装置65は、基準部材S1を検知することにより、搬送車60が基準位置を走行していることを確認する。
【0035】
走行装置65は、予めプログラムされている走行経路または管理装置WC0から指示される走行経路で、目標ステーション50gに向かって搬送車60を走行させる。このとき、走行装置65は、搬送車60の位置情報、搬送車60の周辺の障害物の検出情報などを知得しつつ、搬送車60を走行させる。具体的には、走行装置65は、例えば、イメージセンサなどを用いて、搬送車60の周辺の景色の三次元形状を生成し、生成した景色の三次元形状と予め作成されている三次元地図とを比較して、搬送車60の位置情報を知得する。また、走行装置65は、例えば、イメージセンサなどによって取得された取得画像に基づいて、搬送車60の周辺の障害物の検出情報を知得する。
【0036】
例えば、
図1に示す紙面左側のステーション50s(以下、第一ステーションという。)が目標ステーション50gであり、搬送車60が基準位置から第一の目標位置に移動する場合を想定する。この場合、走行装置65は、第一経由部材S21を検知すると、搬送車60を右方に90度、回転させて、搬送車60を直進させる。そして、走行装置65は、第一目標部材S31を検知すると、搬送車60を停車させる。
【0037】
図1に示す紙面右側のステーション50s(以下、第二ステーションという。)が目標ステーション50gであり、搬送車60が基準位置から第二の目標位置に移動する場合も同様である。この場合、走行装置65は、第二経由部材S22を検知すると、搬送車60を右方に90度、回転させて、搬送車60を直進させる。そして、走行装置65は、第二目標部材S32を検知すると、搬送車60を停車させる。なお、走行装置65は、搬送車60とステーション群50との間の距離が所定距離以下になると、ステーション群50(搬送車60の周辺の障害物)を検知して、第一目標部材S31または第二目標部材S32を検知していない場合であっても、搬送車60を停車させることができる。
【0038】
搬送車60が目標ステーション50gに到着すると、搬送車60の第一移載装置61は、目標ステーション50gに物品AR0若しくは収容ケース90を送出し、目標ステーション50gの第二移載装置51は、搬送車60から物品AR0若しくは収容ケース90を受領する。また、目標ステーション50gの第二移載装置51は、搬送車60に物品AR0若しくは収容ケース90を送出し、搬送車60の第一移載装置61は、目標ステーション50gから物品AR0若しくは収容ケース90を受領することもできる。
【0039】
さらに、搬送車60は、第一の目標ステーション50gに物品AR0若しくは収容ケース90を送出し、第二の目標ステーション50gに移動して、第二の目標ステーション50gから物品AR0若しくは収容ケース90を受領することもできる。また、搬送車60は、第一の目標ステーション50gから物品AR0若しくは収容ケース90を受領し、第二の目標ステーション50gに移動して、第一の目標ステーション50gから受領した物品AR0若しくは収容ケース90を第二の目標ステーション50gに送出することもできる。
【0040】
例えば、第二ステーションが目標ステーション50gの場合に、走行装置65は、第二経由部材S22を検知できずに、第一経由部材S21を第二経由部材S22として誤検知する可能性がある。この場合、搬送車60は、目標ステーション50gである第二ステーションと異なる第一ステーションに到着する可能性がある。そのため、目標ステーション50gに搬送車60が到着しているか否かを無線通信によって判断することが想定される。しかしながら、隣接する複数(2つ)のステーション50s,50sの離間距離が短くなるほど、搬送車60は、到着したステーション50sに隣接するステーション50sとの間で無線通信を行う可能性が高くなる。そこで、物品搬送システム100は、第一通信装置70aおよび判断部81を備えている。
【0041】
第一通信装置70aは、搬送車60に設けられる第一通信部71および複数(2つ)のステーション50s,50sの各々に設けられる第二通信部72を有する。具体的には、
図4および
図5に示すように、搬送車60は、複数(2つ)のステーション50s,50sのうちの一のステーション50sと対向する部位に第一通信部71が設けられている。また、複数(2つ)のステーション50s,50sの各々は、搬送車60が到着した際に搬送車60と対向する部位に第二通信部72が設けられている。
【0042】
また、複数(2つ)のステーション50s,50sのうちの一のステーション50sに搬送車60が到着した際に、一のステーション50sに設けられる第二通信部72と第一通信部71との間の第一無線通信は許容され、他のステーション50sに設けられる第二通信部72と第一通信部71との間の第一無線通信は規制される。
【0043】
図5の破線で示す紙面左側の搬送車60は、第一ステーションに到着した搬送車60を示している。通信可能範囲R1は、第一ステーションに設けられる第二通信部72と、搬送車60に設けられる第一通信部71との間の無線通信の通信可能範囲を示している。破線で示される帯状部R11は、第一無線通信が指向性をもつ場合の通信可能範囲R1を示し、破線で示される円弧部R12は、第一無線通信が指向性をもたない場合の通信可能範囲R1を示している。
【0044】
図5の破線で示す紙面右側の搬送車60は、第一ステーションに隣接する第二ステーションに到着した搬送車60を示している。通信可能範囲R2は、第二ステーションに設けられる第二通信部72と、搬送車60に設けられる第一通信部71との間の無線通信の通信可能範囲を示している。破線で示される帯状部R21は、第一無線通信が指向性をもつ場合の通信可能範囲R2を示し、破線で示される円弧部R22は、第一無線通信が指向性をもたない場合の通信可能範囲R2を示している。
【0045】
このように、第一無線通信の通信可能範囲は、隣接するステーション50sの通信可能範囲R1および通信可能範囲R2が重ならないように設定されている。そのため、第一無線通信は、一のステーション50sに設けられる第二通信部72と第一通信部71との間の無線通信の通信可能範囲R1と、当該ステーション50sに隣接するステーション50sに設けられる第二通信部72と第一通信部71との間の無線通信の通信可能範囲R2とが重ならない。よって、搬送車60は、到着した一のステーション50sとの間で第一無線通信を行うことができ、搬送車60と他のステーション50sとの間の第一無線通信が容易に規制される。
【0046】
また、本実施形態の第一無線通信は、光通信である。光通信は、指向性をもつ無線通信であり、指向性をもたない無線通信と比べて送信効率が向上し、受信時に雑音の影響を受け難く受信感度が向上する。また、光通信は、搬送車60が一のステーション50sに到着する前から当該ステーション50sとの間で第一無線通信を開始することもできる。なお、第一無線通信は、例えば、赤外線通信、RFID(Radio Frequency IDentifier)に用いられる無線通信などの指向性をもたない無線通信であっても良い。
【0047】
判断部81は、第一通信装置70aを利用することにより目標ステーション50gに搬送車60が到着しているか否かを判断する。判断部81は、例えば、搬送車60またはステーション群50に設けることができる。また、判断部81は、ライン制御装置LC0または管理装置WC0に設けることもできる。さらに、判断部81は、クラウド上に形成することもできる。本実施形態では、判断部81は、搬送車60の走行装置65に設けられている。
【0048】
例えば、目標ステーション50gは、搬送車60との間で物品AR0若しくは収容ケース90の受け渡しを行う準備が完了すると、第二通信部72が準備完了信号を搬送車60に送信する。これに対して、目標ステーション50g以外のステーション50sでは、搬送車60との間で物品AR0若しくは収容ケース90の受け渡しが行われないので、目標ステーション50g以外のステーション50sの第二通信部72は、準備完了信号を搬送車60に送信しない。よって、判断部81は、準備完了信号などの所定の制御信号の受信の有無に基づいて、目標ステーション50gに搬送車60が到着しているか否かを判断することができる。
【0049】
判断部81は、第一通信装置70aを利用することにより一のステーション50sに搬送車60が到着したことを検出し、到着が検出された一のステーション50sが目標ステーション50gであるか否かを判断することができる。具体的には、判断部81は、第一無線通信により一のステーション50sに設けられる第二通信部72と搬送車60の第一通信部71との間で所定の制御信号を受信できたときに、一のステーション50sに搬送車60が到着したことを検出する。そして、判断部81は、到着が検出された一のステーション50sが目標ステーション50gであると判断する。
【0050】
なお、複数の搬送車60が同時にステーション群50において、物品AR0若しくは収容ケース90の受け渡しを行う場合、複数のステーション50sの複数の第二通信部72が準備完了信号などの所定の制御信号を搬送車60に送信する可能性がある。この場合、搬送車60ごとに目標ステーション50gが設定され、判断部81は、目標ステーション50gを識別して、到着が検出された一のステーション50sが目標ステーション50gであるか否かを判断する必要がある。
【0051】
そこで、判断部81は、第一通信装置70aを利用することにより一のステーション50sの識別情報を取得して、取得した一のステーション50sの識別情報が目標ステーション50gの識別情報と一致するか否かに基づいて、一のステーション50sが目標ステーション50gであるか否かを判断することができる。具体的には、判断部81は、取得した一のステーション50sの識別情報が目標ステーション50gの識別情報と一致するときに、一のステーション50sが目標ステーション50gであると判断する。逆に、判断部81は、取得した一のステーション50sの識別情報が目標ステーション50gの識別情報と一致しないときに、一のステーション50sが目標ステーション50gでないと判断する。
【0052】
なお、一つの搬送車60がステーション群50において、物品AR0若しくは収容ケース90の受け渡しを行う場合であっても、判断部81は、ステーション50sの識別情報に基づいて、一のステーション50sが目標ステーション50gであるか否かを判断することができる。また、目標ステーション50gは、準備完了信号などの所定の制御信号ともにステーション50sの識別情報を搬送車60に送信することができる。この場合、判断部81は、所定の制御信号の受信の有無およびステーション50sの識別情報に基づいて、一のステーション50sが目標ステーション50gであるか否かを判断することもできる。
【0053】
搬送車制御部82は、判断部81によって搬送車60が目標ステーション50gに到着していないと判断されたときに、搬送車60の目標ステーション50gへの移動を再試行させる。搬送車制御部82は、例えば、搬送車60に設けることができる。また、搬送車制御部82は、管理装置WC0に設けることもできる。さらに、搬送車制御部82は、クラウド上に形成することもできる。本実施形態では、搬送車制御部82は、搬送車60の走行装置65に設けられている。
【0054】
例えば、第一ステーションが目標ステーション50gのときに、搬送車60が第二ステーションに到着した場合を想定する。この場合、判断部81は、搬送車60が目標ステーション50gに到着していないと判断する。よって、搬送車制御部82は、走行装置65に対して、搬送車60の目標ステーション50gへの移動を再試行させる。具体的には、搬送車制御部82は、走行装置65に対して、例えば、
図1に示す基準部材S1が設けられている基準位置まで搬送車60を走行させる。そして、搬送車制御部82は、走行装置65に対して、基準位置から第一ステーションに搬送車60を走行させる。また、搬送車制御部82は、走行装置65に対して、第二ステーションから第一ステーションに直接、搬送車60を走行させることもできる。
【0055】
なお、搬送車制御部82は、再試行の回数に応じて、搬送車60の走行状態(例えば、走行速度など)を変更させても良い。例えば、搬送車制御部82は、再試行の回数が増加するほど、搬送車60の走行速度を低下させることができる。また、搬送車60の走行経路が複数存在する場合、搬送車制御部82は、再試行時に搬送車60の走行経路を変更することもできる。さらに、搬送車制御部82は、再試行の回数が所定回数に達したときに、再試行を中止して、搬送車60を所定位置(例えば、搬送車60の待機位置など)に移動させることもできる。
【0056】
本実施形態の物品搬送システム100は、例えば、
図6に示すフローチャートに従って、物品AR0若しくは収容ケース90を搬送する。同図に示す搬送手順では、搬送車60は、まず、第一の目標ステーション50gである第一ステーションに移動して、第一ステーションに物品AR0若しくは収容ケース90を送出する。そして、搬送車60は、第二の目標ステーション50gである第二ステーションに移動して、第二ステーションから物品AR0若しくは収容ケース90を受領する。
【0057】
具体的には、まず、搬送車制御部82は、物品移動装置40が退避位置に退避したか否かを判断する(ステップSP11)。退避位置は、
図1に示す物品移動装置40と搬送車60とが干渉しない位置に設定される。物品移動装置40が退避位置に退避した場合(ステップSP11でYesの場合)、搬送車制御部82は、搬送車60を第一ステーションへ移動させる(ステップSP12)。物品移動装置40が退避位置に退避していない場合(ステップSP11でNoの場合)、搬送車制御部82は、物品移動装置40が退避位置に退避するまで待機する。
【0058】
次に、判断部81は、既述したように、第一ステーションに搬送車60が到着しているか否かを判断する(ステップSP13)。第一ステーションに搬送車60が到着している場合(ステップSP13でYesの場合)、後述する第一移載制御部63は、第一ステーションが物品AR0若しくは収容ケース90を受領可能であるか否かを確認する(ステップSP14)。第一ステーションに搬送車60が到着していない場合(ステップSP13でNoの場合)、搬送車制御部82は、既述したように、搬送車60の第一ステーションへの移動を再試行させる(ステップSP15)。そして、制御は、ステップSP13に戻る。
【0059】
第一ステーションが物品AR0若しくは収容ケース90を受領可能である場合(ステップSP14でYesの場合)、第一移載装置61は、既述したように、第一ステーションに物品AR0若しくは収容ケース90を送出する(ステップSP16)。第一ステーションが物品AR0若しくは収容ケース90を受領可能でない場合(ステップSP14でNoの場合)、第一移載装置61は、第一ステーションが物品AR0若しくは収容ケース90を受領可能になるまで待機する。
【0060】
第一移載装置61が物品AR0若しくは収容ケース90の送出を確認し、第二移載装置51が物品AR0若しくは収容ケース90の受領を確認すると、搬送車制御部82は、搬送車60を第二ステーションへ移動させる(ステップSP17)。そして、判断部81は、同様にして、第二ステーションに搬送車60が到着しているか否かを判断する(ステップSP18)。第二ステーションに搬送車60が到着している場合(ステップSP18でYesの場合)、後述する第二移載制御部53は、搬送車60が物品AR0若しくは収容ケース90を受領可能であるか否かを確認する(ステップSP19)。第二ステーションに搬送車60が到着していない場合(ステップSP18でNoの場合)、搬送車制御部82は、既述したように、搬送車60の第二ステーションへの移動を再試行させる(ステップSP20)。そして、制御は、ステップSP18に戻る。
【0061】
搬送車60が物品AR0若しくは収容ケース90を受領可能である場合(ステップSP19でYesの場合)、第二移載装置51は、既述したように、搬送車60に物品AR0若しくは収容ケース90を送出する(ステップSP21)。搬送車60が物品AR0若しくは収容ケース90を受領可能でない場合(ステップSP19でNoの場合)、第二移載装置51は、搬送車60が物品AR0若しくは収容ケース90を受領可能になるまで待機する。第二移載装置51が物品AR0若しくは収容ケース90の送出を確認し、第一移載装置61が物品AR0若しくは収容ケース90の受領を確認すると、搬送車制御部82は、搬送車60を所定位置に移動させて、制御は、一旦、終了する。
【0062】
ここで、作業者によって設定された目標ステーション50gに搬送車60が到着していることが判断部81によって判断され、且つ、搬送車60および目標ステーション50gの両方に物品AR0若しくは物品AR0を収容している収容ケース90が搭載されている状態を第一状態とする。また、作業者によって設定された目標ステーション50gに搬送車60が到着していることが判断部81によって判断され、且つ、搬送車60および目標ステーション50gの両方に物品AR0若しくは物品AR0を収容している収容ケース90が搭載されていない状態を第二状態とする。
【0063】
第一状態または第二状態は、搬送車60が目標ステーション50gに到着しているが、搬送車60と目標ステーション50gとの間で、物品AR0若しくは収容ケース90の受け渡しを行うことができない状態である。これは、例えば、作業者によって目標ステーション50gが設定される形態において、作業者が目標ステーション50gを誤って設定したことに起因する。
【0064】
そこで、搬送車制御部82は、第一状態または第二状態を第一無線通信によって確認したときに、目標ステーション50gの誤設定と判断して搬送車60を所定位置に移動させることができる。所定位置は限定されないが、搬送車制御部82は、例えば、搬送車60の待機位置などに搬送車60を移動させることができる。なお、後述するように、搬送車60において物品AR0若しくは収容ケース90が搭載されているか否かは、第一移載装置61によって検出することができる。目標ステーション50gにおいて物品AR0若しくは収容ケース90が搭載されているか否かは、第二移載装置51によって検出することができる。
【0065】
また、目標ステーション50gは、管理装置WC0によって設定することもできる。管理装置WC0は、搬送車60が無人搬送車のときに、搬送車60を管理する。例えば、管理装置WC0は、搬送車60の走行を管理することができる。具体的には、管理装置WC0は、目標ステーション50gの設定、搬送車60の走行経路の設定、搬送車60への走行指令などを行うことができる。
【0066】
管理装置WC0が搬送車60と無線通信を行うためには、第一無線通信と比べて広範囲の無線通信が必要になる。そこで、物品搬送システム100は、第二通信装置70bを備えている。第二通信装置70bは、第一無線通信と比べて広範囲の無線通信が可能な第二無線通信を用いて、管理装置WC0と搬送車60との間の通信を行う。
【0067】
図1に示すように、第二通信装置70bは、搬送車60に設けられる第三通信部73と、管理装置WC0に設けられる第四通信部74とを有する。第三通信部73と第四通信部74との間で第二無線通信が可能であれば良く、第三通信部73および第四通信部74の設置部位は、限定されない。また、第三通信部73と第四通信部74との間の第二無線通信の通信可能範囲は、搬送車60が走行する可能性がある走行可能範囲を含むように設定される。例えば、第二無線通信は、無線LANなどの指向性をもたない無線通信を用いることができる。
【0068】
1-2-2.搬送車60および目標ステーション50gの構成例
図2~
図4に示すように、搬送車60は、第一移載装置61と、走行装置65とを備えている。第一移載装置61は、第一駆動装置62と、第一移載制御部63と、第一検出装置64とを備えている。第一検出装置64は、第一搬送車側検出器64aと、第二搬送車側検出器64bとを備えている。既述したように、走行装置65は、判断部81と、搬送車制御部82とを備えている。
【0069】
第一移載装置61は、物品AR0若しくは物品AR0を収容している収容ケース90を目標ステーション50gに送出し、目標ステーション50gから物品AR0若しくは収容ケース90を受領する。具体的には、第一移載装置61は、第一駆動装置62および第一移載制御部63によって、物品AR0若しくは物品AR0を収容している収容ケース90の送出および受領を行う。
【0070】
第一駆動装置62は、例えば、ローラコンベア、ベルトコンベア、ロボットアーム、クレーンなどの公知の移載装置を用いることができる。
図2および
図4に示すように、本実施形態の第一駆動装置62は、ローラコンベアで構成されている。第一移載制御部63は、第一移載装置61の制御装置に設けられている。第一移載制御部63は、第一駆動装置62に対して、物品AR0若しくは収容ケース90を目標ステーション50gに送出させ、目標ステーション50gから物品AR0若しくは収容ケース90を受領させる。
【0071】
また、第一移載装置61は、判断部81によって搬送車60が目標ステーション50gに到着していると判断され、且つ、第一無線通信によって目標ステーション50gが物品AR0若しくは収容ケース90を受領可能であることを確認したときに、物品AR0若しくは収容ケース90を目標ステーション50gに送出する。具体的には、第一移載制御部63は、目標ステーション50gに搬送車60が到着しているか否かの判断結果を判断部81から取得する。また、第一移載制御部63は、物品AR0若しくは収容ケース90の受け渡しを行う準備が完了した準備完了信号を、目標ステーション50gから受信しているか否かを確認する。
【0072】
第一移載制御部63は、判断部81によって搬送車60が目標ステーション50gに到着していると判断されており、且つ、目標ステーション50gから準備完了信号を受信していることを確認したときに、第一駆動装置62に対して、物品AR0若しくは収容ケース90を目標ステーション50gに送出させる。これにより、第一駆動装置62は、物品AR0若しくは収容ケース90を目標ステーション50gに送出する。
【0073】
また、第一移載装置61は、第一検出装置64を備えている。第一検出装置64は、第一搬送車側検出器64aと、第二搬送車側検出器64bとを備えている。第一搬送車側検出器64aは、物品AR0若しくは収容ケース90の有無を検出する。第二搬送車側検出器64bは、収容ケース90に収容されていない物品AR0が所定の搭載範囲を超えて移動したか否かを検出する。また、第二搬送車側検出器64bは、収容ケース90に収容されている物品AR0および収容ケース90のうちの少なくとも一方が所定の搭載範囲を超えて移動したか否かを検出することもできる。
【0074】
図2および
図4に示すように、本実施形態では、第一搬送車側検出器64aは、物品AR0若しくは収容ケース90の搭載範囲の基端側に設けられている。第二搬送車側検出器64bは、物品AR0若しくは収容ケース90の搭載範囲の先端側に設けられている。第一搬送車側検出器64aおよび第二搬送車側検出器64bは、公知の検出器を用いることができる。本実施形態では、第一搬送車側検出器64aおよび第二搬送車側検出器64bは、遮光センサが用いられている。
【0075】
第一搬送車側検出器64aは、物品AR0若しくは収容ケース90が第一移載装置61に搭載されているときに遮光されて、物品AR0若しくは収容ケース90が第一移載装置61に搭載されていることを検出する。第二搬送車側検出器64bは、収容ケース90に収容されていない物品AR0が所定の搭載範囲を超えて移動したときに遮光されて、当該物品AR0が所定の搭載範囲を超えて移動したことを検出する。また、第二搬送車側検出器64bは、収容ケース90に収容されている物品AR0および収容ケース90のうちの少なくとも一方が所定の搭載範囲を超えて移動したときに遮光されて、収容ケース90に収容されている物品AR0および収容ケース90のうちの少なくとも一方が所定の搭載範囲を超えて移動したことを検出することもできる。
【0076】
図3、
図4、
図7および
図8に示すように、目標ステーション50gは、第二移載装置51を備えている。第二移載装置51は、第二駆動装置52と、第二移載制御部53と、クランプ部材54と、第二検出装置55とを備えている。第二検出装置55は、第一ステーション側検出器55aと、第二ステーション側検出器55bと、第三ステーション側検出器55cと、第四ステーション側検出器55dと、第五ステーション側検出器55eとを備えている。
【0077】
第二移載装置51は、物品AR0若しくは物品AR0を収容している収容ケース90を搬送車60に送出し、搬送車60から物品AR0若しくは収容ケース90を受領する。具体的には、第二移載装置51は、第二駆動装置52および第二移載制御部53によって、物品AR0若しくは物品AR0を収容している収容ケース90の送出および受領を行う。
【0078】
第二駆動装置52は、例えば、ローラコンベア、ベルトコンベア、ロボットアーム、クレーンなどの公知の移載装置を用いることができる。
図4および
図7に示すように、本実施形態の第二駆動装置52は、ローラコンベアで構成されている。第二移載制御部53は、第二移載装置51の制御装置に設けられている。第二移載制御部53は、第二駆動装置52に対して、物品AR0若しくは収容ケース90を搬送車60に送出させ、搬送車60から物品AR0若しくは収容ケース90を受領させる。
【0079】
また、第二移載装置51は、判断部81によって搬送車60が目標ステーション50gに到着していると判断され、且つ、第一無線通信によって搬送車60が物品AR0若しくは収容ケース90を受領可能であることを確認したときに、物品AR0若しくは収容ケース90を搬送車60に送出する。具体的には、第二移載制御部53は、目標ステーション50gに搬送車60が到着しているか否かの判断結果を判断部81から取得する。また、第二移載制御部53は、物品AR0若しくは収容ケース90の受け渡しを行う準備が完了した準備完了信号を、搬送車60から受信しているか否かを確認する。
【0080】
第二移載制御部53は、判断部81によって搬送車60が目標ステーション50gに到着していると判断されており、且つ、搬送車60から準備完了信号を受信していることを確認したときに、第二駆動装置52に対して、物品AR0若しくは収容ケース90を搬送車60に送出させる。これにより、第二駆動装置52は、物品AR0若しくは収容ケース90を搬送車60に送出する。
【0081】
図9に示すように、収容ケース90は、第二移載装置51とクランプされる被クランプ部材91を備えている。被クランプ部材91は、収容ケース90が第二駆動装置52に搭載されたときに第二駆動装置52と接する底面に設けられている。被クランプ部材91は、例えば、直方体形状に形成されており、収容ケース90の底面より突出している。なお、
図9は、被クランプ部材91および後述する被検出部材92を示すために、図示の便宜上、収容ケース90の側面および底面が透視されて図示されている。
【0082】
図7、
図8および
図10に示すように、第二移載装置51は、収容ケース90の被クランプ部材91をクランプするクランプ部材54を備えている。
図8は、クランプ部材54が被クランプ部材91をクランプしていないアンクランプ状態を示している。
図10は、クランプ部材54が被クランプ部材91をクランプしているクランプ状態を示している。
【0083】
クランプ部材54は、爪部54aと、軸部54bと、案内部54cと、移動装置54dとを備えている。軸部54bは、爪部54aを貫通しており、爪部54aは、軸部54bを軸心に回転可能になっている。案内部54cは、収容ケース90の搭載範囲の先端側の位置PX1から基端側の位置PX2まで一対の溝状に形成されており、爪部54aおよび軸部54bは、軸部54bの両端部が案内部54cと嵌合した状態で、位置PX1と位置PX2との間で移動することができる。また、案内部54cは、軸部54bが位置PX1から位置PX3に移動するときに、爪部54aが徐々に被クランプ部材91に近づくように傾斜し、位置PX3から位置PX2までの区間は水平方向に延伸している。
【0084】
移動装置54dは、被クランプ部材91をクランプするときに、爪部54aとの間で被クランプ部材91を保持して、収容ケース90の搭載範囲の先端側から基端側に向かって移動することができる。また、移動装置54dは、被クランプ部材91をアンクランプするときに、爪部54aとの間で被クランプ部材91を保持して、収容ケース90の搭載範囲の基端側から先端側に向かって移動することもできる。移動装置54dは、例えば、公知のシリンダを用いることができる。
【0085】
搬送車60から収容ケース90が送出されると、
図8に示す状態で収容ケース90の被クランプ部材91が、移動装置54dに当接する。案内部54cの上記形状により、爪部54aは、軸部54bを軸心に回転しながら、被クランプ部材91を引き込むように被クランプ部材91に当接する。このとき、移動装置54dは、爪部54aとの間で被クランプ部材91を保持して、収容ケース90の搭載範囲の先端側から基端側に向かって移動して、
図10に示すクランプ状態になる。
【0086】
逆に、第二移載装置51から収容ケース90を送出する場合、
図10に示す移動装置54dは、収容ケース90の搭載範囲の基端側から先端側に移動する。軸部54bが位置PX2から位置PX3に移動するときには、移動装置54dは、爪部54aとの間で被クランプ部材91を保持している。軸部54bが位置PX3から位置PX1に移動するときには、案内部54cの上記形状により、爪部54aは、被クランプ部材91を押し出すように、軸部54bを軸心に回転して、
図8に示すアンクランプ状態になる。
【0087】
また、第二移載装置51は、第二検出装置55を備えている。第二検出装置55は、第一ステーション側検出器55aと、第二ステーション側検出器55bと、第三ステーション側検出器55cと、第四ステーション側検出器55dと、第五ステーション側検出器55eとを備えている。
【0088】
第一ステーション側検出器55aは、クランプ部材54が被クランプ部材91をクランプしているクランプ状態を検出する。第二ステーション側検出器55bは、クランプ部材54が被クランプ部材91をクランプしていないアンクランプ状態を検出する。
図10に示すように、移動装置54dは、クランプ状態のときに、収容ケース90の搭載範囲の基端側に移動している。逆に、
図8に示すように、移動装置54dは、アンクランプ状態のときに、収容ケース90の搭載範囲の先端側に移動している。よって、第一ステーション側検出器55aおよび第二ステーション側検出器55bは、移動装置54dの位置(例えば、シリンダ位置)を検出することにより、クランプ状態およびアンクランプ状態を検出することができる。
【0089】
また、
図9に示すように、収容ケース90は、第二移載装置51の所定位置に物品AR0若しくは収容ケース90が位置しているか否かを検出する際に用いられる被検出部材92を備えている。被検出部材92は、収容ケース90が第二駆動装置52に搭載されたときに第二駆動装置52と接する底面に設けられている。被検出部材92は、例えば、L字形状に形成されており、収容ケース90の底面より突出している。
【0090】
第三ステーション側検出器55cは、被検出部材92の検出の有無に基づいて、クランプ状態またはアンクランプ状態を検出する。
図8および
図10に示すように、第三ステーション側検出器55cは、クランプ部材54の近傍に設けられており、遮光センサが用いられている。第三ステーション側検出器55cは、被検出部材92が遮光することにより被検出部材92を検出して、クランプ状態を検出することができる。換言すれば、第三ステーション側検出器55cは、遮光されていないことにより被検出部材92を検出しないで、アンクランプ状態を検出することができる。
【0091】
なお、被クランプ部材91および被検出部材92は、収容ケース90に収容されていない物品AR0に設けることもできる。例えば、被クランプ部材91および被検出部材92は、複数のフィーダ20を一括交換可能な台車などに設けることもできる。既述されていることは、収容ケース90に収容されていない物品AR0に、被クランプ部材91および被検出部材92が設けられる場合についても、同様に言える。
【0092】
図7に示すように、第二移載装置51は、クランプ状態のときに物品AR0若しくは収容ケース90と接する支持部材51aを備えている。第四ステーション側検出器55dは、物品AR0若しくは収容ケース90と支持部材51aとの間の密着状態を検出する。第五ステーション側検出器55eは、収容ケース90に収容されていない物品AR0が所定の搭載範囲を超えて移動したか否かを検出する。また、第五ステーション側検出器55eは、収容ケース90に収容されている物品AR0および収容ケース90のうちの少なくとも一方が所定の搭載範囲を超えて移動したか否かを検出することもできる。
【0093】
図4および
図7に示すように、本実施形態では、第四ステーション側検出器55dは、物品AR0若しくは収容ケース90の搭載範囲の基端側に設けられている。第五ステーション側検出器55eは、物品AR0若しくは収容ケース90の搭載範囲の先端側に設けられている。第四ステーション側検出器55dおよび第五ステーション側検出器55eは、公知の検出器を用いることができる。本実施形態では、第四ステーション側検出器55dは、近接センサが用いられている。第五ステーション側検出器55eは、遮光センサが用いられている。
【0094】
第四ステーション側検出器55dは、物品AR0若しくは収容ケース90と支持部材51aとの間が所定距離以下になると、物品AR0若しくは収容ケース90を検出して、物品AR0若しくは収容ケース90と支持部材51aとの間が密着状態にあることを検出する。第五ステーション側検出器55eは、収容ケース90に収容されていない物品AR0が所定の搭載範囲を超えて移動したときに遮光されて、当該物品AR0が所定の搭載範囲を超えて移動したことを検出する。また、第五ステーション側検出器55eは、収容ケース90に収容されている物品AR0および収容ケース90のうちの少なくとも一方が所定の搭載範囲を超えて移動したときに遮光されて、収容ケース90に収容されている物品AR0および収容ケース90のうちの少なくとも一方が所定の搭載範囲を超えて移動したことを検出することもできる。
【0095】
2.その他
本実施形態では、ステーション群50は、基板生産ライン1に設けられているが、ステーション群50は、種々の基板生産設備に設けることができる。例えば、ステーション群50は、対基板作業機WM0に使用される物品AR0を保管する保管庫に設けることができる。
【0096】
3.実施形態の効果の一例
物品搬送システム100は、ステーション群50と、第一通信装置70aと、判断部81とを備える。よって、物品搬送システム100は、第一通信装置70aを利用することにより搬送車60が物品AR0を送出または受領すべきステーション50sである目標ステーション50gに搬送車60が到着しているか否かを判断することができる。
【符号の説明】
【0097】
50:ステーション群、50s:ステーション、
50g:目標ステーション、51:第二移載装置、51a:支持部材、
54:クランプ部材、55a:第一ステーション側検出器、
55b:第二ステーション側検出器、55c:第三ステーション側検出器、
55d:第四ステーション側検出器、55e:第五ステーション側検出器、
60:搬送車、61:第一移載装置、64a:第一搬送車側検出器、
64b:第二搬送車側検出器、70a:第一通信装置、
70b:第二通信装置、71:第一通信部、72:第二通信部、
81:判断部、82:搬送車制御部、90:収容ケース、
91:被クランプ部材、92:被検出部材、100:物品搬送システム、
AR0:物品、R1,R2:通信可能範囲、WC0:管理装置、
WM0:対基板作業機。