(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】メディカルデバイス及びそのアンカー
(51)【国際特許分類】
A61B 17/12 20060101AFI20231226BHJP
【FI】
A61B17/12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022063881
(22)【出願日】2022-04-07
(62)【分割の表示】P 2020521449の分割
【原出願日】2018-10-16
【審査請求日】2022-05-02
(32)【優先日】2017-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】アーロン ディー.フォックス
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス エス.ウェブスター
(72)【発明者】
【氏名】ブレット ジェイ.ワム
(72)【発明者】
【氏名】ローク エヌ.ウォルフェ
(72)【発明者】
【氏名】ピーター ジェイ.ゼラー
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106333725(CN,A)
【文献】特表2015-534881(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0350592(US,A1)
【文献】特表2005-505320(JP,A)
【文献】特表2013-545515(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105054985(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104958087(CN,A)
【文献】国際公開第2017/148102(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デリバリー構成から展開構成に拡張可能でありおよび
近位端、遠位端、長手方向軸を有する、患者の体内にインプラント可能なデバイスであって、前記デバイスは、
複数のストラットから形成された本体と、
1つ以上の接合部にまたは前記1つ以上の接合部に隣接して配置された1つ以上のアンカーと、
を含み、前記本体は、
前記1つ以上の接合部で収束する周方向に拡がるストラット対の列を含む第一の本体部分と、
前記第一の本体部分より遠位に配置されおよび前記長手方向軸に対して角度を付けたウエスト部分と、
を含み、
前記1つ以上のアンカーは根元の曲率を有し、前記デバイスが展開構成にある場合に、前記1つ以上のアンカーが前記ウエスト部分から前記長手方向軸に対して外向きに突出するようなっている、
デバイス。
【請求項2】
前記1つ以上のアンカーは、フレームがデリバリー構成に配置されることに応答して、前記長手方向軸に対してそして前記長手方向軸に向かって回転可能である、請求項1記載のデバイス。
【請求項3】
前記1つ以上のアンカーのそれぞれは根元および先端を有し、さらに前記デバイスがデリバリー構成にある場合に、前記根元の曲率は、-30°~10°の長手方向軸に対する角度を有する前記1つ以上のアンカーの根元を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記デバイスが展開構成にある場合に、前記根元の曲率は、5°~90°の前記長手方向軸に対する角度を有する前記1つ以上のアンカーの根元を含む、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記デバイスがデリバリー構成にある場合に、前記ウエスト部分の本体角は、20°~90°である、請求項1記載のデバイス。
【請求項6】
前記第一の本体部分より遠位に配置されおよび前記ウエスト部分の前記長手方向軸に対する角度より大きい角度で
前記遠位端に向かって前記長手方向軸に対して内向きにテーパ型になっている第二の本体部分をさらに含み、前記ウエスト部分は前記第一の本体部分と前記第二の本体部分との間に配置され、前記1つ以上のアンカーは、前記ウエスト部分においておよび
前記第二の本体部分の近傍において収束する前記本体の隣接するストラットの間で前記ウエスト部分に沿って配置されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記デバイスは、フレームの近位端に配置された面部分をさらに含み、前記第一の本体部分は周方向に拡がるストラット対の列を含み、前記第一の本体部分は前記面部分の隣にある、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第一の本体部分より遠位に配置されおよび前記ウエスト部分の前記長手方向軸に対する角度より大きい角度で
前記遠位端に向かって前記長手方向軸に対して内向きにテーパ型になっている第二の本体部分をさらに含み、前記ウエスト部分は前記第一の本体部分と前記第二の本体部分との間に配置され、前記第一の本体部分または
前記第二の本体部分は周方向に延在するストラット対の列を含み、隣接するストラット対は互いに接合し、さらに前記1つ以上のアンカーのそれぞれは遠位端で先端を含み、前記1つ以上のアンカーはフレームがデリバリー構成にあることに応答して、内向きに移動しそして前記隣接するストラット対の間に前記先端を配置するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記1つ以上のアンカーの前記根元の曲率は、前記デバイスの前記デリバリー構成と前記展開構成との遷移間で一定のままである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
デリバリー構成から展開構成に拡張可能であり、ならびに近位端、遠位端、前記近位端と前記遠位端との間の長さ、およびデバイスの前記長さに沿って延在する長手方向軸を有する、患者の体内にインプラント可能なデバイスであって、前記デバイスは、
複数のストラットから形成された本体と、
根元および先端を有する1つ以上のアンカーと、
を含み、前記本体は、
1つ以上の接合部で収束する周方向に拡がるストラット対の列を含む第一の本体部分と、
前記第一の本体部分より遠位に配置されおよび前記長手方向軸に対して角度を付けたウエスト部分と、
を含み、
前記根元は前記ウエスト部分の遠位端に配置され、前記先端は前記ウエスト部分の近位端に向かって延びおよび
前記1つ以上の接合部にまたは前記1つ以上の接合部に隣接して配置されており、
前記1つ以上のアンカーは根元の曲率を有し、前記デバイスが展開構成にある場合に、前記1つ以上のアンカーが前記ウエスト部分から前記長手方向軸に対して外向きに突出するようになっている、
デバイス。
【請求項11】
前記デバイスがデリバリー構成にある場合に、前記根元の曲率は、-30°~10°の長手方向軸に対する角度を有する前記1つ以上のアンカーの根元を含む、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記デバイスが展開構成にある場合に、前記根元の曲率は、5°~90°の前記長手方向軸に対する角度を有する前記1つ以上のアンカーの根元を含む、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記デバイスは、フレームの前記近位端に配置された面部分をさらに含み、前記第一の本体部分は周方向に拡がるストラット対の列を含み、前記第一の本体部分は前記面部分の隣にある、請求項10に記載のデバイス。
【請求項14】
前記1つ以上のアンカーは
デリバリー構成において複数のセルのうちの1つ以上の中に入れ子になっている。請求項10記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年10月16日に出願された米国仮出願第62/572,763号の優先権を主張する、2018年10月15日に出願された米国出願第16/160,966号の優先権を主張し、すべての目的のためにそれらの両方の全体を参照により本明細書に取り込む。
【0002】
技術分野
本開示は、患者内のアパチャ、導管、空間、器官及び他の構造及び/又は開口部を閉塞し、ろ過し及び/又は支持するために使用することができる、可動固定手段を有するインプラント可能メディカルデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
様々なメディカルデバイスは、標的部位への何らかの形の固定又はアンカリングを必要とする。一般的なアンカリングとしては、棘、フック、縫合糸又はデバイスを周囲の解剖学的構造に取り付けるために使用されるその他の特徴が挙げられる。固定が必要なデバイスの例としては、血管閉塞器/プラグ、血管フィルタ、閉塞器、大静脈フィルタ、ステント、ステントグラフト、胆管/尿路ステント、消化管ステント及びライナー、様々な監視又は診断デバイス、中心静脈カテーテル及びその他のデバイスが挙げられる。経カテーテルデリバリーでは、これらのデバイスは事前装填され、小さなプロファイルに拘束されて、部位への侵襲性の低いデリバリーを可能にする。所望の部位に配置されると、拘束要素は除去され、デバイスが自己拡張するか又はバルーン拡張され、周囲の解剖学的構造に係合することが可能になる。
【0004】
現在のアンカーは、しばしば、デバイスの装填、再装填又は圧縮プロセスを妨害する。例えば、デバイスが小径の拘束要素、例えばカテーテルに装填されると、アンカーは拘束カテーテルを引っ掛けるか又は穴を開けることがある。アンカーは、典型的には、インプラント可能メディカルデバイス本体から離れて突出することにより、組織との十分な係合を必要とする。これは、アンカーがカテーテルの遠位先端及びカテーテルの内側を捉えて、高い負荷力、デバイスの損傷又はカテーテルの損傷を引き起こすため、デバイスをカテーテル内に装填する際に課題が生じる。
【発明の概要】
【0005】
概要
本開示の様々な態様は、心臓内の構造を含む、患者内のアパチャ、導管、空間、器官及び他の構造又は開口部を閉塞、ろ過及び/又は支持するために使用することができるインプラント可能メディカルデバイスを提供する。本開示は、カテーテルの装填及び展開にそれぞれ応答して格納及び展開するアンカーを備えた、患者に経カテーテル技術(様々な展開技術が考えられるが)を使用して展開できるメディカルデバイスを提供する。本開示の様々な実施形態は、カテーテルにデバイスを装填する間又は展開後にデバイスをカテーテルに再装填する間にカテーテルの中心軸に向かって変位されるアンカーを対象とする。アンカーの先端は十分に変位し、装填時にカテーテルとの接触/相互作用を無くす。これは、デバイス本体の設計、ウエスト、及びアンカー基部をウエストの遠位に配置することで実現される。
【0006】
例示の目的で、患者の心耳の閉塞のためのメディカルデバイスについて記載する。心臓は左右の心耳を有する。固定は、デバイスの塞栓を回避するため、そして心臓が拍動するときの心臓の動的運動を考慮して必要である。
【0007】
1つの例(「例1」)によれば、近位端、遠位端及び長手方向軸を有するフレームを含む、体内の導管、付属器官及び開口部に配置するためのデバイスであって、第一の本体部分、前記長手方向軸に対して角度を付けたウエスト部分、前記ウエスト部分に沿って配置されており、前記フレームがデリバリー構成に配置されるのに応答して、前記長手方向軸に対してそして前記長手方向軸に向かって回転して、アンカー先端とデリバリーシースとの間の接触を回避するように構成された1つ以上のアンカーを含む、デバイスである。
【0008】
別の例(「例2」)によると、例1に加えて、デバイスはさらに、遠位端に向かって長手方向軸に対して内向きにテーパ型になっている第二の本体部分を含み、ウエスト部分は第一の本体部分と第二の本体部分との間に配置され、そして1つ以上のアンカーのそれぞれは、ウエスト部分に配置された根元を含み、1つ以上のアンカーは、フレームがデリバリー構成に配置されることに応答して、根元で長手方向軸に向かって回転するように構成されている。
【0009】
別の例(「例3」)によれば、例2に加えて、第一の本体部分又は第二の本体部分は、周方向に延在するストラット対の列を含み、隣接するストラット対は互いに接合し、1つ以上のアンカーのそれぞれは遠位端で先端を含み、1つ以上のアンカーは、フレームがデリバリー構成に配置されることに応答して、内向きに移動しそして隣接するストラット対の間に前記先端を配置するように構成されている。
【0010】
別の例(「例4」)によれば、例2~3のいずれか1つに加えて、根元は、デリバリー構成において、長手方向軸に対して約-10°~0°の角度、及び、展開構成において、長手方向軸に対して約10°~55°の角度の曲率を備える。
【0011】
別の例(「例5」)によれば、例1~4のいずれか1つに加えて、1つ以上のアンカーは、フレームがデリバリー構成に配置されることに応答して、ウエスト部分で長手方向軸に向かって回転するように構成されている。
【0012】
別の例(「例6」)によれば、例5に加えて、ウエスト部分は、第一の本体部分及び第二の本体部分に対する本体角を備え、前記本体角は、フレームがデリバリー構成に配置されることに応答して、1つ以上のアンカーの回転を促進する。
【0013】
別の例(「例7」)によれば、例6に加えて、本体角は、展開構成において、180°未満である。
【0014】
別の例(「例8」)によれば、例7に加えて、1つ以上のアンカーは、展開構成において、本体角以下である半径を備える。
【0015】
別の例によれば(「例9」)、例1~8のいずれか1つに加えて、第二の本体部分をさらに含み、前記第二の本体部分の可撓性はウエスト部分の可撓性よりも低い。
【0016】
さらに別の例(「例10」)によれば、デリバリー構成及び展開構成を有する、体内の導管、付属器官及び開口部に配置するためのデバイスであって、前記デバイスは、近位端、遠位端及び長手方向軸を有するフレームを含み、前記フレームは、複数のセルを含む第一の本体部分、第二の本体部分、前記第一の本体部分と前記第二の本体部分との間に配置され、前記第一の本体部分と前記第二の本体部分との間に約20°~90°の角度を形成するウエスト部分、及び、前記ウエスト部分の遠位端に配置された根元と、近位端に向かって延びる先端とを有する少なくとも1つのアンカーを含み、前記少なくとも1つのアンカーは、展開構成において、ウエスト部分から長手方向軸に対して外向きに突出し、デリバリー構成において、複数のセルのうちの1つ以上の中に入れ子になっている。
【0017】
別の例(「例11」)によれば、例10に加えて、少なくとも1つのアンカーは、フレームが展開構成からデリバリー構成に配置されることに応答して、長手方向軸に向かって回転するように構成されている。
【0018】
別の例(「例12」)によれば、例10~11のいずれか1つに加えて、少なくとも1つのアンカーは、フレームがデリバリー構成から展開構成に配置されることに応答して、長手方向軸に対して回転し、そしてアンカー先端を内向きに移動させるように構成されている。
【0019】
別の例(「例13」)によれば、例10~12のいずれか1つに加えて、少なくとも1つのアンカーのそれぞれの根元は、フレームの遠位端からのデバイスの全長の約40%である。
【0020】
別の例(「例14」)によれば、例10~13のいずれか1つに加えて、前記第一の本体部分の可撓性及び前記第二の本体部分の可撓性のうちの少なくとも1つは前記ウエスト部分の可撓性よりも低い。
【0021】
別の例(「例15」)によれば、例10~14のいずれか1つに加えて、隣接するストラット対の幅は少なくとも1つのアンカーに隣接して減少する。
【0022】
さらに別の例(「例16」)によれば、体内の導管、付属器官及び開口部においてデバイスを展開するためのシステムであって、前記システムは管腔及び実質的に円形の本体部分を有するデリバリーカテーテル、ならびに、近位端、遠位端及び長手方向軸を有するフレームを含み、前記フレームは第一の本体部分、遠位端に向かって長手方向軸に対して内向きにテーパ型になっている第二の本体部分、前記第一の本体部分と前記第二の本体部分との間に配置されたウエスト部分、及び、前記ウエスト部分に沿って配置された1つ以上のアンカーであって、前記フレームがデリバリーカテーテル内に配置されることに応答して、長手方向軸に対して内向きにそして長手方向軸に向かって移動して、アンカー先端と前記デリバリーカテーテルとの接触を回避するように構成されている1つ以上のアンカーを含む。
【0023】
別の例(「例17」)によれば、例16に加えて、1つ以上のアンカーは、デリバリーカテーテル内に配置されることに応答して、実質的に円形の本体部分に接触することなく長手方向軸に向かって回転するように構成される。
【0024】
別の例(「例18」)によれば、例16~17のいずれか1つに加えて、1つ以上のアンカーは、デリバリーカテーテルからのフレームの展開に応答して長手方向軸に対して外向きに移動するように構成されている。
【0025】
別の例(「例19」)によれば、例16~18のいずれか1つに加えて、デリバリーカテーテルは、フレームの近位端の前にフレームの遠位端を展開するように構成され、そして1つ以上のアンカーは、展開構成におけるデリバリーカテーテルからのフレームの展開に応答して、ウエスト部分から外向きに突出し、近位端に向かって上向きに湾曲する。
【0026】
別の例(「例20」)によれば、例16~19のいずれか1つに加えて、デリバリーカテーテルは、フレームをデリバリーカテーテルに引き込むことに応答して、展開構成からフレームを再捕捉し、そして1つ以上のアンカーを長手方向軸に向かって回転させるように構成されている。
【0027】
別の例(「例21」)によれば、デバイスを体内の導管、付属器官及び開口部に展開する方法であって、前記方法は、インプラント可能メディカルデバイスをデリバリーを行うように配置すること、ここで、前記インプラント可能メディカルデバイスは第一の本体部分、遠位端に向かって長手方向軸に対して内向きにテーパ型になっている第二の本体部分、前記第一の本体部分と前記第二の本体部分との間に配置されたウエスト部分、及び、前記ウエスト部分に沿って配置された1つ以上のアンカーを含む、前記フレームが前記デリバリーカテーテル内に配置されることに応答して、デバイスをデリバリーカテーテル中に装填することによってデバイスを折り畳み、それにより、1つ以上のアンカーを長手方向軸に向かって内向きに移動させること、及び、前記デリバリーカテーテルから前記デバイスを展開し、1つ以上のアンカーが長手方向軸から半径方向外向きに移動し、体内の組織に係合するように構成されている展開構成に前記フレームを拡張することにより、体内に前記デバイスをインプラントすることを含む。
【0028】
別の例(「例22」)によると、例21に加えて、本方法はまた、前記デバイスをインプラントした後に、前記1つ以上のアンカーを前記組織から外して、1つ以上のアンカーを長手方向軸に対して回転させるために、前記デバイスを前記デリバリーカテーテル中に再装填することを含む。
【0029】
別の例(「例23」)によれば、例22に加えて、本方法はまた、前記デバイスを前記デリバリーカテーテルに再装填した後に、体内に前記デバイスを再度インプラントすることを含み、1つ以上のアンカーは長手方向軸から半径方向外向きに回転し、体内の組織に係合するように構成されている。
【0030】
複数の実施形態が開示されているが、本開示のさらに他の実施形態は、本開示の例示的な実施形態を示し、説明する、以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に例示と見なされるべきであり、限定と見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図面の簡単な説明
【
図1A】
図1Aは、本開示の様々な態様による、心臓の左心耳(「LAA」)へのインプラント可能メディカルデバイスの展開に備えてカテーテルデリバリーシステムが配置されているヒトの心臓の断面図である。
【0032】
【
図1B】
図1Bは、本開示の様々な態様による、インプラント可能メディカルデバイスがカテーテルデリバリーシステムから展開され、LAA内に配置されている
図1Aの構成を示す。
【0033】
【
図1C】
図1Cは、本開示の様々な態様による、インプラント可能メディカルデバイスがデリバリーシステムから展開され、導管内に配置されている
図1Aの構成を示す。
【0034】
【
図2】
図2は、本開示の様々な態様による、インプラント可能メディカルデバイスのための例示的なフレームを示す。
【0035】
【
図3A】
図3Aは、本開示の様々な態様による、インプラント可能メディカルデバイスのアンカーの正面図である。
【0036】
【
図3B】
図3Bは、本開示の様々な態様による、
図3Aに示されるとおりのアンカーの側面図である。
【0037】
【
図3C】
図3Cは、本開示の様々な態様による、
図3A及び3Bに示されるとおりのアンカーの斜視図である。
【0038】
【
図4】
図4は、本開示の様々な態様による、インプラント可能メディカルデバイスのための別の例示的なフレームを示す。
【0039】
【
図5】
図5は、本開示の様々な態様による、形状セット構成に変形する前の、フレームのストラットカットパターンの側面図である。
【0040】
【
図6A】
図6Aは、本開示の様々な態様による、例示的なフレーム及びアンカーをデリバリーカテーテルとともに第一の構成で示す。
【0041】
【
図6B】
図6Bは、本開示の様々な態様による、
図6Aに示されるとおりのフレーム、アンカー及びデリバリーカテーテルを第二の構成で示す。
【0042】
【
図7】
図7は、本開示の様々な態様による、非可動性又は非格納性アンカーを有するインプラント可能デバイス及び可動性又は格納性アンカーを有するインプラント可能デバイスを拘束するための力の比較を示す。
【0043】
【
図8】
図8は、本開示の様々な態様による、非可動性アンカーの保持力と可動性又は格納性アンカーの保持力との比較を示す。
【0044】
【
図9】
図9は、本開示の様々な態様による、インプラント可能メディカルデバイスのための別の例示的なフレームを示す。
【0045】
【
図10】
図10は、本開示の様々な態様による、インプラント可能メディカルデバイスのための別の例示的なフレームを示す。
【0046】
【
図11】
図11は、本開示の様々な態様による、インプラント可能メディカルデバイスのための別の例示的なフレームを示す。
【0047】
【
図12】
図12は、開示の様々な態様による、
図10~11におけるフレームとともに示される、例示的なアンカーの拡大図を示す。
【0048】
【
図13A】
図13Aは、本開示の様々な態様による、近位に向いている構成のアンカーを備えたインプラント可能メディカルデバイスのための例示的なフレームを示す。
【0049】
【
図13B】
図13Bは、本開示の様々な態様による、遠位に向いている構成のアンカーを備えた、
図13Aに示されるインプラント可能メディカルデバイスのための例示的なフレームを示す。
【0050】
【
図14A】
図14Aは、本開示の様々な態様による、近位に向いている構成のアンカーを備えたインプラント可能メディカルデバイスのための別の例示的なフレームを示す。
【0051】
【
図14B】
図14Bは、本開示の様々な態様による、遠位に向いている構成のアンカーを備えた、
図14Aに示されるインプラント可能メディカルデバイスのためのフレームを示す。
【0052】
【
図15】
図15は、本開示の様々な態様による、2組のアンカーを備えたインプラント可能メディカルデバイスのための例示的なフレームを示す。
【0053】
【
図16】
図16は、本開示の様々な態様による、2組のアンカーを備えたインプラント可能メディカルデバイスのための例示的なフレームを示す。
【0054】
本開示は、様々な修正形態及び代替形態が可能であるが、特定の実施形態を、例として図面に示し、以下で詳細に説明する。しかしながら、その意図は、開示を記載された実施形態に限定することではない。逆に、本開示は、添付の特許請求の範囲によって規定される本開示の範囲内にあるすべての修正形態、等価形態及び代替形態を網羅することを意図している。
【発明を実施するための形態】
【0055】
詳細な説明
本開示の様々な態様は、アンカーを備えたインプラント可能メディカルデバイスを対象とする。アンカーは、デリバリーカテーテル中への装填及び患者におけるデリバリーカテーテルからの展開中のデリバリーカテーテルの損傷を回避するように構成されうる。メディカルデバイスは、装填のために拘束されているときに及びカテーテルなどの拘束要素からの取り出しのために拘束解除されるときに、メディカルデバイスの長手方向軸に対して半径方向に動くアンカーを有する。特定の実施形態において、アンカーは、インプラント可能メディカルデバイスの実施形態の長手方向軸又はインプラント可能メディカルデバイスの外周に向かって又はそれから離れるように変位し、後退し、回転し及び/又は折り畳むことができる。アンカーは、展開中又は展開後に、(例えば、インプラント可能メディカルデバイスの本体から離れるように突出することにより)組織と係合するように構成されている。このようなアンカーの展開/係合と一貫して、アンカーの一部(例えば、アンカーの先端)は、高負荷力、デバイス損傷又はカテーテル損傷の原因となる、デリバリーカテーテルの先端又はカテーテルの内側での捕捉を回避する。アンカーは、デリバリーカテーテルとの接触/相互作用を回避する。幾つかの実施形態は、カテーテル装填中にカテーテルから離れるように変位されるアンカーを有する。アンカーの先端は十分に変位し、装填時にカテーテルとの接触/相互作用を排除する。これは、デバイス本体の設計、ウエスト及びウエストの遠位でのアンカー基部の配置を利用することによって実現される。
【0056】
インプラント可能メディカルデバイスは閉塞デバイスであることができる。本明細書で論じられる閉塞デバイスは、周囲の組織に損傷を引き起こすことなく、再捕捉してデリバリーカテーテルに再装填することがより可能である。例えば、幾つかの実施形態において、閉塞デバイスのアンカー部材は再捕捉及び再装填中に、より撓むことができる。さらに、特定の実施形態において、アンカー部材は、閉塞デバイス及びデリバリーシステムに損傷を与えることはなく、閉塞デバイスをデリバリーシステム中に完全に再装填することを可能にする。その結果、本明細書で提供される閉塞デバイスの様々な実施形態は、本質的に非外傷的に組織から除去されうる。本明細書で提供される閉塞デバイスのアンカーは、再捕捉及び再装填中に非外傷性の撓みが可能であるが、アンカーは、安定した生体内配置を提供する。
【0057】
さらに、本明細書で提供される閉塞デバイスの特定の実施形態は、市販の閉塞デバイスよりも順応性がある(より剛性が低い)ことが観察されうる。そのような高められた順応性は、より良いシーリング(閉塞デバイスと周囲組織との間のより一貫した接触)、改善された疲労耐性、患者への外傷の減少及びより安定した配置を提供して、幾つかの例示的な利点を提供することができる。本明細書で提供される閉塞デバイスの実施形態は、閉塞デバイスと順応させるように組織を「動かす(追いやる)」ように設計されていないと言うこともできる。むしろ、閉塞デバイスは、一般に、周囲組織の生来のトポグラフィにそれ自体を順応させることが意図されている。
【0058】
図1A~Bは、本開示の様々な態様による、心臓の心耳18内へのインプラント可能メディカルデバイス30の展開に備えてデリバリーシステム20が配置されているヒト心臓10の断面図である。
図1A~Bは、心臓10の右心房14、左心房16、右心室32及び左心室34の描写を示す。図示されているように、心耳18は心臓10の左心房16に位置しており、したがって、心耳18は、左心耳18と考えることができる。以下の議論は、左心耳18へのインプラント可能メディカルデバイス30の展開に焦点を当てているが、インプラント可能メディカルデバイス30は、ヒト心臓10内の他の心耳もしくは開口部又は人体の他の場所に展開されうる。
【0059】
左心耳18は、左心房16のリザーバとして機能する、心臓10の左心房16の前側壁36から延在する筋肉パウチと考えることができる。通常の心周期において、左心耳18は、心臓10の収縮中に、残りの左心房16とともにリズミカルに収縮することができる。したがって、通常の心周期において、左心耳18は左心房16とともに収縮し、左心耳18内に集まる又は収集する血液を送り出し、そこから循環する。しかしながら、不整脈(例えば、心房細動)を特徴とする心周期の間に、左心耳18は左心房16とともに十分に収縮し損なうことがあり、左心耳18内で血液が停滞する可能性がある。心耳18内の停滞血液は、凝固して血栓を形成しやすく、これは心耳18から外れ、最終的に塞栓性脳卒中を引き起こす可能性がある。本開示の様々な態様と一貫するインプラント可能メディカルデバイス30は、左心耳18にデリバリーされて、左心耳18内の血液停滞を防止及び緩和するのに役立つことができる。
【0060】
特定の実施形態において、
図1A~Bに示されるように、インプラント可能メディカルデバイス30は、最小侵襲性経カテーテル処置によって左心耳18にデリバリーされうる。より具体的には、デリバリーシステム20は、大静脈12を通って右心房14内へ、心房中隔15を通って、そして心耳18に向けて左心房16へとナビゲートされうる。幾つかの実施態様において、患者の脈管構造への経皮的アクセスは、例えば、患者の大腿静脈であることができる。この例示的な技術は単なる一例であり、本明細書で提供される閉塞デバイスを展開するために、多くの他のアクセス技術を実行できることを理解されたい。展開プロセスのこの時点で、閉塞デバイスは、デリバリーシステム20の管腔内に含まれ、折りたたまれた低プロファイルのデリバリー構成に構成されている。経カテーテルシステムが一般的に示され、記載されているが、他のデリバリーシステム(例えば、胸腔鏡)も考えられる。
【0061】
図1Bは、本開示の様々な態様による、インプラント可能メディカルデバイス30がデリバリーシステム20から展開され、そして左心耳18内に配置されている
図1Aの構成を示す。図示されるように、制御カテーテル22はインプラント可能メディカルデバイス30に解放可能に結合されることができ、デリバリーシステム20の管腔内にスライド可能に配置される。制御カテーテル22は、臨床医操作者が使用して、インプラント可能メディカルデバイス30をデリバリーシステム20から展開させることができる。例えば、インプラント可能メディカルデバイス30を左心耳18の小孔38を通して配置した後に、臨床医操作者は、制御カテーテル22に対してデリバリーシステム20をリトラクトさせて、インプラント可能メディカルデバイスのシースを外して展開することができる。小孔38は左心房16の前側壁36の一部と考えることができ、そこからテーパが始まり、左心耳18のパウチ様構造を形成する。インプラント可能メディカルデバイス30は左心耳18の小孔38の近くに配置される閉塞面40を含むことができる。制御カテーテル22は、インプラント可能メディカルデバイス30の閉塞面40内の中央に配置されたハブ又は中央フレーム部分又は中央フレーム部分に挿入されたプラグ(又は同様のもの)を介してインプラント可能メディカルデバイス30に解放可能に結合することができる。
【0062】
デリバリーシステム20の拘束範囲から出た後に、インプラント可能メディカルデバイス30は拡張構成に再構成することができる。インプラント可能メディカルデバイス30は、左心耳18内に画定された空間の輪郭に一致するように拡張することができる。特定の実施形態において、左心耳18の小孔38に対するインプラント可能メディカルデバイス30の配置を改良し、メディカルデバイス30が左心耳18から血栓が形成するのを確実に防止することができる。より具体的には、閉塞面40は、閉塞面40が前側壁36の部分を小孔38の対向面に接続して、実質的に均一な表面を形成するように左心耳18内に配置されうる。特定の例において、閉塞面が左心耳18の小孔38に対して不均一である(例えば、閉塞面の他の部分を超えて突出するハブを有するデバイス、凹状、部分的に凹状の閉塞面を有するか又はくぼみを含むデバイス、又は、凹状、部分的に凹状の閉塞面を有するデバイス)、又は、閉塞面が隆起部を有する場合には、その中にインプラントされたデバイスの面に沿って血液が集まり又は停滞することがある。これらの例において、不均一な表面が左心房18内の血流を変化/混乱させる可能性があるため、インプラント可能メディカルデバイス30の面に沿って血栓が発生することがある。したがって、インプラント可能メディカルデバイス30がデバイスの不適切な配置又は設計の結果として不均一な表面を含むならば、患者は血液凝固及び血栓形成を起こしやすいままである。
【0063】
インプラント可能メディカルデバイス30の適切な配置及びデリバリーの後に、制御カテーテル22をインプラント可能メディカルデバイス30から分離することができ、デリバリーシステム20及び制御カテーテル22を患者から除去することができる。示されるように展開されたインプラント可能メディカルデバイス30では、左心耳18内に画定された空間は、インプラント可能メディカルデバイス30によって提供される物理的バリアによって、左心房16から本質的に分離される。このようにして、凝固及び血栓形成しやすいLAA18内にある停滞した血液は左心房16に入るのを防止され、それにより、塞栓性脳卒中を引き起こす可能性を防止することができる。さらに、左心耳18の小孔38に対するインプラント可能メディカルデバイス30の閉塞面40の配置は、インプラント可能メディカルデバイス30の面に沿った血液の収集又は停滞を防ぐのに役立つことができる。
【0064】
上述のように、本明細書で提供されるデバイスは、身体の多くの異なる領域で使用することができ、そしてインプラント可能メディカルデバイス30の左心耳18への展開は、単に1つの例示的な実施形態である。より具体的に、
図1Cは、本開示の様々な態様による、インプラント可能メディカルデバイス30がデリバリーシステムから展開され、血管壁42間の血管内に配置されている
図1Aの構成を示す。各インプラント位置で、インプラント可能メディカルデバイス30に作用する力(例えば、血液ポンピング又は筋肉収縮)は、インプラント可能メディカルデバイス30をインプラント位置から追い出そうとする恐れがある。以下でさらに詳細に論じるように、インプラント可能メディカルデバイス30はアンカーを含むことができ、前記アンカーは、インプラント可能メディカルデバイス30に対して変位し、後退し、回転し及び/又は折り畳むことができ、そして、高い負荷力、デバイスの損傷又はカテーテルの損傷を引き起こすことになるデリバリーシステム20及び/又は制御カテーテル22の先端又は内部での捕捉を回避することができる。
【0065】
図2は、本開示の様々な態様による、インプラント可能メディカルデバイスのための例示的なフレーム200を示す。インプラント可能メディカルデバイスは、体内の導管、付属器官及び開口部に配置するためのデバイスであることができる。フレーム200は、複数のストラット202から形成された単一のフレームであることができる(
図2は、理解を容易にするために複数のストラット202のうちの4つを強調している)。特定の実施形態において、フレーム200は単一でかつ自己拡張型であることができる。フレーム200は、異なる形状、角度又は他の特徴(
図4を参照してさらに詳細に説明されるとおり)を有する本体部分を含むことができ、又は、円筒形、円錐形、切頭円錐形、半球形、球形キャップ、ピラミッド形、切頭角錐台形など及びそれらの組み合わせなどの別の形状であることができる。そのような様々な形状及び様々な形状の幾何学的形態のありとあらゆる組み合わせ及び副次的な組み合わせが想定され、これらは本開示の範囲内である。
【0066】
フレーム200は、ストラット202によって形成される任意の数の列及びセルを含むことができる。ストラット202は列として複数のセルを形成することができる。単一のセル204を強調表示している(示されるように、フレーム200は複数の同様のセルを含む)。セル204は、五辺形、六辺形又は他の形状、例えば、限定するわけではないが、多角形、正方形、矩形、平行四辺形、菱形、台形、ダイアモンド形、シェブロン形、八角形、三角形などから形成されてもよい。
図2に示されるように、フレーム200は、セル204の遠位部分で内向きにテーパ型になっている。フレーム200がテーパに移行する点はフレーム200のウエスト部分208である。
【0067】
フレーム200をテーパ部分に移行させることに加えて、1つ以上のアンカー206をウエスト部分208に配置することもできる。1つ以上のアンカー206は、ストラット202が収束する所又はその付近のセル204の部分に配置することができる。ウエスト部分208に沿って配置された1つ以上のアンカー206は、フレーム200がデリバリー構成に配置されることに応答して、長手方向軸に対して内向きにそして長手方向軸に向けて(例えば、回転して)移動するように構成されている。フレーム200がデリバリーカテーテルにデリバリー構成で(例えば、経カテーテルデリバリーのために折り畳まれている)装填されるときに、デリバリーカテーテルの中にフレーム200を装填する間に1つ以上のアンカー206がデリバリーカテーテルに捕捉されないように、1つ以上のアンカー206は内向きに引っ込み、移動し又は回転することができる。特定の例において、アンカー206は、アンカー先端とデリバリーカテーテルとの間の接触を回避するように回転する。特定の実施形態において、ウエスト部分208は、フレーム200のヒンジとして作用することによって1つ以上のアンカーの回転を促進する。デリバリー構成に配置されるときに、フレーム200は内向きに折りたたまれ、ウエスト部分208は1つ以上のアンカー206の回転を促進することができる。アンカー206は、フレーム200の周囲のあたりのフレーム200の一部の内部に配置され、ストラット202の対の周方向に延在している列を共に形成するセル204のそれぞれの内部に配置される。
図2において示されるように、フレーム200の領域は強調表示されており(「A」)、これは
図3A~Cにさらに詳細に示されている。
【0068】
図3Aは、本開示の様々な態様による、インプラント可能メディカルデバイスのアンカー206の正面図である。
図3Aに示すように、隣接するストラットの対202aは、接合部310で、セル204内で一緒に収束する。より具体的には、ストラット202aは一緒に接合し、ストラット202bは、ウエスト部分208に続き、スプリットする。
図2に示すセル204のそれぞれに接合部310は存在し、ストラット202bが互いに接合することによって形成されるとおりである。
図2は複数の接合部310を示しているが、本開示の様々な態様と一貫するインプラント可能メディカルデバイスは、任意の数(1、2、3、4、5、6、12、24又はそれらの間の任意の数)のセル204を含むことができる。
【0069】
アンカー206は接合部310に、又は、接合部310に隣接して配置されうる。
図3に示すように、アンカー206は接合
図310から延びる。より具体的には、アンカー206は、接合部310に(
図3Aに示されるように)又は接合部310に隣接して配置されるアンカー根元312を含む。特定の実施形態において、アンカー根元312は、フレーム200の遠位端から測定して、フレーム200の全長の約25%~約60%である。アンカー206は、ストラット202aの間に延在し、フレーム200がデリバリー構成に配置されていることに応答して、根元312で(例えば、旋回することによって)フレーム200の長手方向軸に向かって内向きに移動する(例えば、回転する)ように構成されうる。アンカー206は、内向きに回転し、したがってフレーム200の長手方向軸に対して引っ込めることができる。特定の例において、アンカー206は、アンカー先端316とデリバリーカテーテルとの間の接触を回避するために回転する。特定の例において、アンカー206の先端316は、デリバリーカテーテル又はシースとの接触を回避する。デリバリー構成に移行したときに回転するアンカー206は、先端316(遠位端から測定して、アンカー206の長さの約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%であることができる)をデリバリーカテーテル又はシースとの接触から離される。他の例において、このように回転するアンカー206は、先端316をフレーム200の内部に持っていく。特定の例において、アンカー206は回転し、アンカー先端316は内向きに移動する。
【0070】
根元312は、フレーム200のウエスト部分208に配置される。上述のように、ウエスト部分208は、フレーム200の角度変化又はテーパで生じる。フレーム200をデリバリー構成(例えば、
図6A~Bに示されるようにデリバリーカテーテル内に適合するためのデバイスの伸長)に折り畳む際に、ウエスト部分208でのフレーム200の角度変化又はテーパは、アンカー206の内向きの移動(例えば、引込/回転)を促進する。したがって、アンカー206は、フレーム200がデリバリー構成に配置されることに応答して、ウエスト部分208で長手方向軸に向かって回転するように構成されている。
【0071】
特定の実施形態において、アンカー206は、根元312に配置された基部314から先端316までテーパ型になる。基部314から先端316までテーパ型になることは、アンカー206が組織を穿刺する能力を促進しうる。
図3Aの「B」線から見たときに、
図3Bは、本開示の様々な態様による、
図3Aに示されるとおりのアンカーの側面図である。側面図に示されるように、アンカー206は、その長さを通して一定の深さを含み、アンカー206の幅は先端316に向かってテーパ型になっている。さらに、
図3Bに示されるように、アンカー206は湾曲部318を含む。湾曲部318は、フレーム200の展開構成において、アンカー206をフレーム200から外向きに延ばす。隣接するストラット202aの曲率が変更されながら、展開構成(
図2に示す)からデリバリー構成にフレーム200を移行しているときに、曲率318は一定のまま維持される。特定の実施形態において、アンカー206の曲率318は、アンカー206がフレーム200に対して内向きにかつストラット202a間で回転するように減少する。
【0072】
特定の実施形態において、根元の曲率318は、
図3Bに示すように、デリバリー構成において、長手方向軸に対して約(プラス又はマイナス1%)-10°~0°の角度を有し、展開構成において、長手方向軸に対して約(プラス又はマイナス1%)10~55°角度を有する。他の例において、根元の曲率318は、
図3Bに示すように、デリバリー構成において、長手方向軸に対して約(プラス又はマイナス1%)-30°~10°の角度を有し、展開構成において、長手方向軸に対して約(プラス又はマイナス1%)5°~65°の角度を有する。アンカーの曲率318は、先端316及び基部314を通した接線から測定することができる。曲率318は、特定の例では、5~90°とすることができる。特定の例では、アンカー206の先端316は、ストラット312に対して約0.2mm~約1mmだけ外向きに突出することができる。
図6A及び6Bを参照して述べるように、アンカー206の先端316は、展開構成からデリバリー構成に移行するときに回転して、デリバリーシースとの接触を回避することができる。アンカー206の突出量は、アンカーの曲率318とアンカー206の長さの組み合わせに関連しうる。その結果、特定の例では、アンカーの曲率318とアンカー206の長さとの組み合わせは、ストラット312から約0.2mm~約0.7mm、又は約0.4mm~約0.6mmだけ外向きに延びるアンカー206をもたらす。
【0073】
図3Cは、本開示の様々な態様による、
図3A~Bに示されるとおりのアンカー206の斜視図である。
図3Cに示されるように、アンカー206は、ストラット202aに対して外向きに延在している。
【0074】
図4は、本開示の様々な態様による、インプラント可能メディカルデバイスの別の例示的なフレーム200を示す。インプラント可能メディカルデバイスは、体内の導管、付属器官及び開口部に配置するためのデバイスであることができる。フレーム200は、近位端420、遠位端422及び長手方向軸424を含むことができる。フレーム200は、フレーム200の近位端420に面部分426を含む。
【0075】
さらに、フレーム200は第一の本体部分428を含み、前記部分は周方向に拡がるストラット対202の列を含み、隣接するストラット対202aはフレームの1つ以上の接合部310で一緒に収束している。フレームは、複数の隣接するストラット対202a及び接合部310を含むが、理解を容易にするために隣接するストラット対202aの単一のセット及び接合部310の単一のセットは
図4において強調されている。フレーム200はまた、第一の本体部分428の遠位に配置された第二の本体部分430を含む。第二の本体部分430は、長手方向軸424に対して遠位端422に向かって内向きにテーパ型になっていることができる。さらに、フレーム200は第一の本体部分428と第二の本体部分430との間に配置されたウエスト部分208を含むことができる。
【0076】
フレーム200はアンカー206も含む(理解を容易にするために、アンカー206の1つが
図4で強調されている)。アンカー206は、接合部310で又はその近くで、ウエスト部分208に沿って又はその内部に配置されている。さらに、アンカー206は、フレーム200がデリバリー構成で配置されることに応答して長手方向軸424に対して内向きに移動する(例えば、回転する)ように構成されている(例えば、
図6A~Bに示されるように)。特定の実施形態において、ウエスト部分208は、第一の本体部分428及び第二の本体部分430に対して本体角432を備えることができる。本体角432は、フレーム200がデリバリー構成に配置されることに応答して、アンカー206の回転を促進することができる。
図4に示されるように、アンカー206は、ウエスト部分208の遠位端434に配置されている。特定の実施形態において、アンカー206の根元(例えば、
図3A~Cに示されるように)は、ウエスト部分208の遠位端422にある。
【0077】
さらに、アンカー206は、フレーム200がデリバリー構成から展開構成に配置されることに応答して、長手方向軸424から外向きに移動するように構成されている。デリバリーカテーテルから展開されたときに長手方向軸424から外向きに移動するように構成されているアンカー206は、アンカー206を身体の組織内にインプラントさせることを可能にする。
【0078】
デリバリー構成において、フレーム200は、長手方向軸424に対して長尺でかつ折り畳まれている。例えば、ウエスト部分208及び前記ウエスト部分208の本体角432は、例えば、フレーム200がデリバリー構成に配置されることに応答して、アンカー206の回転を促進するためのヒンジとして作用する。ウエスト部分208は、フレーム200の残りの部分より前に又はそれよりも速い速度で内向きに圧縮し、アンカー206を内向きに運ぶ。特定の実施形態において、
図4に示されるように、本体角432は展開構成では180°未満である。特定の実施形態において、本体角432は、約(プラス又はマイナス1%)20°~90°である。さらに、第一の本体部分428の可撓性及び/又は第二の本体部分430の可撓性は、ウエスト部分208の可撓性よりも低くてよく、それにより、ウエスト部分208がアンカー206を内向き及び外向きに移動させるヒンジとして作用することをさらに促進する。特定の例において、フレーム200又はフレーム200の一部の可撓性は、長手方向の曲げ可撓性であることができる。例えば、ウエスト部分208は、第一の本体部分428及び第二の本体部分430の一方又は両方よりも可撓性であることができる。ウエスト部分208は、特定の例において、第一の本体部分428及び第二の本体部分430の一方又は両方よりも柔軟であることができる。
【0079】
特定の実施形態において、フレーム200は、角度の単一の変化、すなわち本体角432を有し、アンカー206の内向き及び外向きの移動を促進することができる。上記のように、フレーム200は、展開構成からデリバリー構成に配置されたときに折り畳まれる。この移行中、本体角432は、フレーム200の折り畳みから真っ直ぐになる。本体角432でのフレームの角度変化により、フレーム200は、アンカー206を内向きに引っ込めるヒンジ点を有することができる。複数の角度変化を含まないフレーム200は、アンカーの引っ込め又は回転なしにはフレーム200の不均一な折り畳みをもたらす可能性がある複数の変曲点でフレーム200を内向きに折り畳むことなく、フレーム200の均一な折り畳みを促進する(例えば、
図6A~Bに見られるように)。さらに、
図4に示されるように、開いた遠位端422を有するフレーム200もアンカー206の引っ込め又は回転を促進する。遠位端422が開いている(例えば、ハブ構成要素がない)ことにより、閉端が遠位端422の自由な動きを妨げずに、フレーム200を内向きに折り畳むことができ、フレーム200を拡張し又は展開したままにすることができ、フレーム200を長尺のデリバリー構成に折り畳むのを促進する。このようにして、フレーム200は、遠位端422に圧潰力を加える必要なしに、デリバリーカテーテル内に引っ込めることによって折り畳まれる(例えば、
図6A~Bに見られるように)。デリバリーカテーテルがアンカー206を折り畳まれた位置に保持又は強制することなく、アンカー206は内向きに保持される。アンカー206の外向きの回転は、デリバリーカテーテルの援助なしに起こりうる。
【0080】
図4に示す例示的な構成要素は、開示された主題の実施形態の使用又は機能の範囲に関するいかなる制限も示唆することを意図していない。また、例示的な構成要素は、そこに示される単一の構成要素又は構成要素の組み合わせに関連する依存性又は要件を有するものとして解釈されるべきではない。さらに、
図4に示されている構成要素のいずれか1つ以上は、実施形態において、そこに描かれた他の様々な構成要素(及び/又は図示されていない構成要素)と統合されてもよく、それらはすべて開示された主題の範囲内にあると考えられる。例えば、
図2を参照して記載されたフレーム200は、(
図1A~B及び
図6A~Bに示される)デリバリーシステムと関連して使用されうる。より具体的には、フレーム200は、インプラント可能メディカルデバイス30の一部を形成することができる。さらに、フレーム200は、それに取り付けられた膜を含むことができる(例えば、
図1を参照して示され、論じられるとおり)。
【0081】
図5は、本開示の様々な態様による、(例えば、
図2及び4に示されるような)形状セット構成に変形する前の、フレームのストラットカットパターン500の側面図である。ニチノールシート材料を利用することができる。パターン500は、アンカー206を有するフレームとなる。パターン500はまた、複数のストラット202を形成するために使用されうる。
【0082】
図5に示されるように、ストラット202(理解を容易にするために、隣接する単一の対が強調表示されている)は、一般に、パターン500全体にわたって共通の幅を含む。ストラット202は、しかしながら、アンカー206に隣接して減少した幅の部分を含む。減少した幅の部分532は、各アンカー206に幅方向に隣接し、各接合部310に長さ方向に隣接している。特定の実施形態において、減少した幅の部分532は、(例えば、
図2及び
図4に示すように)フレーム200のウエスト部分208に対応することができる。特定の実施形態において、減少した幅の部分532は、ウエスト部分208にフレーム200の他の部分よりも大きな可撓性を容易に持たせる。他の実施形態において、ウエスト部分208は、(減少した幅の部分532に加えて又はその代わりに)フレーム200の他の部分とは異なる熱処理を行い、可撓性が高められる。
【0083】
500500500。
図6Aは、本開示の様々な態様による、第一の構成の例示的なフレーム200及びアンカー206をシース634(又はデリバリーカテーテルなどのデリバリーデバイス)とともに示す。
図6Aに示される第一の構成は、(例えば、
図2及び4に示されるような)フレーム200の展開構成と考えることができる。アンカー206は、フレーム200に対して外向きに突出する。展開構成は、フレーム200が体内へのインプラントのためにシース634中に装填される前であり、また、フレーム200がシース634から体内に装填又は展開された後である。
【0084】
図6Bは、本開示の様々な態様による、
図6Aに示されるようなフレーム200、アンカー206及びシース634を第二の構成で示す。第二の構成は、フレーム200がシース634中に引き込み、又はシース634から展開されることを示す。フレーム200は、完全にデリバリー構成ではない(例えば、シース634内)。
図6A及び6Bで比較して示されるように、
図6Aに示される展開構成で外向きに突出させていたアンカー206は、フレーム200がシース634内に引き込まれるのに応答して、長手方向軸に対して、それに向かって内向きに(例えば、回転して)移動した。アンカー206は、特定の実施形態において、デリバリー構成において隣接するストラット202と実質的に整列する。
【0085】
シース634は、シース634の遠位端に実質的に円形の本体部分636を含む。実質的に円形の本体部分636は、後続のフレーム200の展開又は再展開のためにフレーム200を引き込むことができる管腔638の入口/出口点である。
図6Bに示されるように、アンカー206は、フレーム200がデリバリー構成に移行するのに応答して、アンカー206が実質的に円形の本体部分636又はシース634(の他の部分)に接触しないように内向きに回転するように構成されている。アンカー206の一部(例えば、アンカー先端)はまた、引き込まれたときに、シース634の管腔638との接触を回避することができる。アンカー206がこのように内向きに回転するように構成されていない場合には、シース634を操作するユーザは、フレーム200をシース634内に引っ張ろうとするときに大きな抵抗に遭遇するであろう。内向きに回転するように構成されたアンカー206は、展開プロセスにおいて、不必要な抵抗を回避する。不必要な抵抗はまた、フレーム200を回復不能にプリーツ形成又は折り畳み形成することにより、フレーム200自体を損傷する可能性がある。したがって、このようにして内向きに回転するように構成されたアンカー206は、シース634を損傷することを回避し、フレーム200を損傷することを回避し、そしてフレーム200を含むインプラント可能メディカルデバイスのデリバリー及び展開を促進する。特定の例において、アンカー206の先端はシース634との接触を回避する。デリバリー構成に移行するときに回転するアンカー206は、先端(遠位端から測定してアンカー206の長さの約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%であることができる)をシース634との接触から離させる。他の例として、このように回転するアンカー206は、先端をフレーム200の内部に持っていく。
【0086】
アンカー206はまた、フレーム200をシース634から展開することに応答して長手方向軸から外向きに移動するように構成されている。フレームが展開構成からデリバリー構成に移行したときにアンカー206の構成又は配置の変化を示すことに加えて、アンカー206の外向きの撓みは、
図6Bの第二の構成を
図6Aの第一の構成と比較して示される。
図6Bに示されるように、フレームの遠位端422は、それがシース634内に引っ込められるときに拡張している。開いた遠位端422は、フレーム全体にわたって圧潰力の伝達を促進し、フレーム200を長尺のデリバリー構成に折り畳むことを可能にする。このようにして、フレーム200は、遠位端422に圧潰力を加える必要なしに、シース634内に引っ込めることによって畳まれる。
【0087】
シース634は、フレーム200の近位端(
図6Aのシース634の実質的に円形の本体部分636に接触して示されている)の前に、フレーム200の遠位端422を展開するように構成されている。さらに、アンカー206は、
図6Aに示される展開構成において、(ウエスト部分208から)外向きに突出し、近位端に向かって上向きに湾曲する。アンカー206は、フレーム200をシース634から展開することに応答して外向きに移動する。
【0088】
特定の実施形態において、シース634のユーザは、フレーム200(及びインプラント可能メディカルデバイス)をシース634内で再捕捉することができる。シース634からフレーム200を展開してフレーム200を展開構成に拡張することによりフレーム200を体内にインプラントした後に、フレーム200の配置は意図された位置又は意図された角度でないことがある。したがって、ユーザは、フレーム200を再捕捉及び再展開することを望むことがある。これらの実施形態において、シース634は、アンカー206が半径方向内向きに回転し、体内の組織から外れるように構成された状態で、フレーム200をシース634内に(デリバリー構成へと)引き込むように構成されている。アンカー206は、引き込み運動のために、非外傷的に組織から外れる。
【0089】
図7は、本開示の様々な態様による、非可動性又は非格納性アンカー700を有するインプラント可能デバイス、及び、可動性又は格納性アンカー702を有するインプラント可能を拘束するための力の比較を示す。
図7は、非可動性又は非格納性アンカー700及び可動性又は格納性アンカー702のそれぞれについて測定された力の範囲を示すデータのプロットを示している。データは、インプラント可能メディカルデバイスとともに配置された非可動性又は非格納性アンカー700、又は、可動性又は格納性アンカー702を有するインプラント可能メディカルデバイスを引き込もうとしたときにユーザが遭遇する力をシミュレートする。
【0090】
図7に示されるように、非可動性又は非格納性アンカー700を拘束するために、可動性又は格納性アンカー702と比較して、より大きい又はより高い範囲の力が必要とされる。本明細書で詳細に論じるように、可動性又は格納性アンカー702は、デリバリー構成内に拘束されるインプラント可能メディカルデバイスの能力を向上させる。
【0091】
図8は、本開示の様々な態様による、非可動性又は非可動性アンカー700及び可動性(例えば、回転可能)又は格納性アンカー702の保持力の比較を示す。
図8は、非可動性又は非格納性アンカー700及び可動性又は格納性アンカー702のそれぞれが提供することができる測定保持力の範囲を示すデータのプロットを示す。データは、インプラント可能メディカルデバイスとともに配置されたときの、非可動性又は非格納性アンカー700又は可動性又は格納性アンカー702の保持力をシミュレートしている。
【0092】
図8に示されるように、非可動性又は非格納性アンカー700は、可動性又は格納性アンカー702と比較して、より低い範囲の保持力を有する。可動性又は格納性又は回転可能アンカー702は、本明細書で詳細に論じるように、インプラント部位にインプラント可能メディカルデバイスを保持するインプラント可能メディカルデバイス能力を向上させる。
【0093】
図9は、本開示の様々な態様による、インプラント可能メディカルデバイスの別の例示的なフレーム900を示す。
図9に示されるように、フレーム900は、
図2のフレーム200及び
図4のフレーム200とは異なる構成を含む。
図2のフレーム200及び
図4のフレーム200と同様に、フレーム900は、ウエスト部分208と、前記ウエスト部分208に配置されたアンカー206とを含む。ウエスト部分208は、フレーム900がその遠位端に向かってテーパ型になり始めるフレーム900上の位置にある。
【0094】
加えて、アンカー206は、フレーム900がデリバリー構成に配置されていることに応答して内向きに回転するように構成されている。ウエスト部分208は、アンカー206が内向きに回転するように構成されることを促進するためにヒンジとして作用することができる。
【0095】
図10は、本開示の様々な態様による、インプラント可能メディカルデバイスの別の例示的なフレーム1000を示す。
図10に示すように、フレーム1000は、
図2のフレーム200及び
図4のフレーム200とは異なる構成を含む。
図2のフレーム200及び
図4のフレーム200と同様に、フレーム1000は、ウエスト部分208と、前記ウエスト部分208に配置されたアンカー206とを含む。ウエスト部分208は、フレーム1000がその遠位端に向かってテーパ型になり始めるフレーム1000上の位置にある。アンカー206はまた、接合部310に隣接して配置される。
図10のアンカー206は、接合部310に対してサイドサドルである。
【0096】
さらに、アンカー206は、フレーム1000がデリバリー構成で配置されることに応答して、内向きに回転するように構成されている。上記でさらに詳細に論じたように、ウエスト部分208は、アンカー206が内向きに回転するように構成されることを促進するためにヒンジとして作用することができる。
【0097】
図11は、本開示の様々な態様による、インプラント可能メディカルデバイスのための別の例示的なフレーム1100を示す。
図11に示されるように、フレーム1100は、
図2のフレーム200及び
図4のフレーム200とは異なる構成を含む。
図2のフレーム200及び
図4のフレーム200と同様に、フレーム1100は、ウエスト部分208と、前記ウエスト部分208に配置されたアンカー206とを含む。ウエスト部分208は、フレーム1100がその遠位端に向かってテーパ型になり始めるフレーム1100上に位置にある。アンカー206はまた、接合部310に隣接して配置される。
図11のアンカー206は、接合部310に対してサイドサドルである。
【0098】
さらに、アンカー206は、フレーム900がデリバリー構成で配置されることに応答して、内向きに回転するように構成されている。ウエスト部分208は、アンカー206が内向きに回転するように構成されることを促進するためにヒンジとして作用することができる。
【0099】
図12は、本開示の様々な態様による、
図9~10のフレームとともに示される、例示的なアンカーの拡大図を示す。
【0100】
図10~12に示される例示的な構成要素は、開示された主題の実施形態の使用又は機能の範囲に関していかなる制限を示唆することを意図していない。また、例示的な構成要素は、そこに示される単一の構成要素又は構成要素の組み合わせに関連する依存性又は要件を有するものとして解釈されるべきではない。さらに、
図10~12に示されている構成要素のいずれか1つ以上は、実施形態において、そこに描かれた他の様々な構成要素(及び/又は図示されていない構成要素)と統合されてもよく、それらはすべて開示された主題の範囲内にあると考えられる。例えば、
図1~
図6を参照して記載されたフレームは、
図10~12に示されるように、サイドサドルアンカーを含むことができる。
【0101】
図13Aは、本開示の様々な態様による、近位に向いている配置でアンカー1302を備えたインプラント可能メディカルデバイスの例示的なフレーム1300を示す。フレーム1300は、ステント又はステントグラフトなどのインプラント可能メディカルデバイスの一部を形成することができる。アンカー1302は、フレーム1300のウエスト部分1304に配置される。ウエスト部分1304は、
図13に示されるようにフレーム1300の角度を変える湾曲部を含むフレーム1300の一部である。また、
図13Aに示されるように、フレーム1300は、ウエスト1304及び部分1306の2つの湾曲部を含む。アンカー1302はまた、部分1306に配置されうる。特定の実施形態において、フレーム1300は、ウエスト1304及び部分1306に配置されたアンカー1302を含む。
【0102】
アンカー1302は、フレーム1300がデリバリー構成に配置されることに応答して内向きに回転するように構成されている。ウエスト部分1304(又は部分1306)は、アンカー1302が内向きに回転するように構成されることを促進するためにヒンジとして作用することができる。フレーム1300は、デリバリー構成に配置されるときに内向きに折り畳まれ、ウエスト部分1304は1つ以上のアンカー1302の回転を促進することができる。
【0103】
図13Aに示すように、アンカー1302の根元1308はウエスト1306の湾曲部の端部に配置されている。アンカー1302は、フレーム1300がデリバリー構成に配置されることに応答して、根元1308で、フレーム1300の長手方向軸に向かって(例えば、回転することにより)内向きに移動する(例えば、回転する)ように構成されうる。フレーム1300をデリバリー構成に折り畳む(例えば、
図6A~Bに示されるようなデリバリーカテーテル内に適合するためのデバイスの伸長)際に、ウエスト部分1304におけるフレーム1300の角度変化又はテーパはアンカーの内向きへの回転を促進する。したがって、アンカー1302は、フレーム1300がデリバリー構成に配置されていることに応答して、ウエスト部分1304で長手方向軸に向かって回転するように構成されている。
【0104】
アンカー1302は、フレーム1300の端部に対して近位に向いている配置にある。
図13Bは、
図13Aに示されるインプラント可能メディカルデバイス1300のための例示的なフレームを示し、ここで、本開示の様々な態様による、アンカー1302は遠位に向いている配置である。いずれの配置においても、アンカー1302は、フレーム1300内で回転するように構成されている。
【0105】
図14Aは、本開示の様々な態様による、近位に向いている配置でアンカー1402を備えたインプラント可能メディカルデバイスの別の例示的なフレーム1400を示す。フレーム1400は、大静脈フィルタなどのインプラント可能メディカルデバイスの一部を形成することができる。アンカー1402は、フレーム1400のウエスト部分1404に配置されている。ウエスト部分1404は、
図14Aに示されるように、フレーム1400の角度を変える湾曲部を含むフレーム1400の一部である。アンカー1402は、フレーム1400がデリバリー構成で配置されることに応答して内向きに回転するように構成されている。ウエスト部分1404は、アンカー1402の回転を促進するようにヒンジとして作用する。フレーム1400は、デリバリー構成に配置されると、内向きに折り畳まれ、ウエスト部分1304は、1つ以上のアンカー1402の回転を促進することができる。
【0106】
図14Aに示されるように、アンカー1402の根元1408は、ウエスト1406の湾曲部の端部に配置される。アンカー1402は、フレーム1400がデリバリー構成に配置されることに応答して、フレーム1400の長手方向軸に向かって(例えば、引っ込み又は回転することにより)根元1408で内向きに移動しそして回転するように構成されうる。フレーム1400をデリバリー構成に折り畳む(例えば、
図6A~Bに示されるようなデリバリーカテーテル内に適合するためのデバイスの伸長)際に、ウエスト部分1404におけるフレーム1400の角度変化又はテーパは、アンカー1402の内向きの回転を促進する。したがって、アンカー1402は、フレーム1400がデリバリー構成に配置されることに応答して、ウエスト部分1404で長手方向軸に向かって回転するように構成されている。
【0107】
アンカー1402は、フレーム1400の端部に対して近位に向いている配置にある。
図14Bは、本開示の様々な態様による、アンカー1402が遠位に向いている配置である、
図14Aに示されるインプラント可能メディカルデバイス1400のための例示的なフレームを示す。いずれの配置においても、アンカー1402は、フレーム1400内で回転するように構成されている。
【0108】
図15は、本開示の様々な態様による、アンカーの2つのセット1502、1504を備えたインプラント可能メディカルデバイスのための例示的なフレーム1500を示す。フレーム1500は、ステント又はステントグラフトなどのインプラント可能メディカルデバイスの一部を形成することができる。2つのセットのアンカー1502、1504は、フレーム1500のウエスト部分1506、1508に配置される。ウエスト部分1506、1508は、
図15に示されるようにフレーム1500の角度を変える湾曲部を含むフレーム1500の部分である。
【0109】
アンカーのセット1502、1504は、フレーム1500がデリバリー構成で配置されることに応答して、内向きに回転するように構成されている。ウエスト部分1506、1508は、アンカー1502、1504が内向きに回転するように構成されることを促進するようにヒンジとして作用することができる。フレーム1500は、デリバリー構成に配置されると内向きに折り畳まれ、ウエスト部分1506、1508は、アンカー1502、1504の回転を促進することができる。
【0110】
図16は、本開示の様々な態様による、アンカーの2つのセットを備えたインプラント可能メディカルデバイスのための例示的なフレーム1600を示す。フレーム1600は、本開示の様々な態様による、2つのセットのアンカー1602、1604を含む。2つのセットのアンカー1602、1604は、フレーム1600の対向する端部に面している。2つのセットのアンカー1602、1604は、フレーム1600のウエスト部分1606に配置されている。ウエスト部分1606は、
図16に示すように、ウエスト部分1606がフレーム1600の角度を変える湾曲部を含むことを特徴とする。
【0111】
2つのセットのアンカー1602、1604は、フレーム1600がデリバリー構成に配置されることに応答して、内向きに回転する(又は引っ込む)ように構成されている。ウエスト部分1606は、2つのセットのアンカー1602、1604が内向きに回転するように構成されるのを促進するためにヒンジとして作用することができる。フレーム1600は、デリバリー構成に配置されるときに内向きに折り畳まれ、ウエスト部分1606は、2つのセットのアンカー1602、1604の回転を促進することができる。
【0112】
ニチノール(NiTi)は、本明細書で論じられるフレームの材料として使用されうる。他の例において、フレームは、ステンレス鋼、L605鋼、ポリマー、MP35N鋼、ポリマー材料、Pyhnox、Elgiloy又は他の適切な生体適合性材料などの他の材料から形成することができ、これらの組み合わせをフレームの材料として使用できる。NiTiの超弾性特性及び柔軟さはフレームの順応性を向上させうる。さらに、NiTiを所望の形状に形状設定できる。すなわち、フレームがデリバリーシステムから展開されるときなど、フレームが拘束されていないときに、フレームが所望の形状に自己拡張する傾向があるようにNiTiを形状設定することができる。より具体的には、フレーム(NiTi製)は、フレームを弾性的に折り畳むか又は「押し潰して」、デリバリーシステム(例えば、
図1A及び
図6A~Bを参照して示されそして論議されるとおり)に装填するための低プロフィールのデリバリー構成を可能にし、次いで、デリバリーシステムからの脱出時に、
図2及び4に示されるように、拡張構成に再構成することを可能にするバネ特性を有することができる。本明細書で論じられるフレームは、一般に、閉塞デバイスが患者に展開されたときにフレームが周囲の組織のトポグラフィに一致することができるように、概して順応性であり、耐疲労性であり、そして弾性であることができる。特定の実施形態において、生体再吸収性又は生体吸収性材料はフレーム又はその一部に使用されてよく、例えば生体再吸収性又は生体吸収性ポリマーを含むことができる。
【0113】
特定の例において、
図1A~Cに示されるように、膜のための生体適合性材料は、本明細書で論じられるフレームを覆うことができる。特定の実施形態において、膜は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ポリマー又は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)ポリマーなどのフルオロポリマーを含むことができる。幾つかの実施形態において、膜は、ポリエステル、シリコーン、ウレタン、ポリエチレンテレフタレートもしくは別の生体適合性ポリマー又はそれらの組み合わせから形成されうる。幾つかの実施形態において、生体再吸収性又は生体吸収性材料、例えば生体再吸収性又は生体吸収性ポリマーを使用することができる。幾つかの実施形態において、膜は、米国特許第7,049,380号、同第7,462,675号及び同第8,048,440号明細書のうちの1つ以上に記載されているようなフルオロポリマーを含むことができ、それらの内容を各々参照により本明細書に取り込む。幾つかの実施形態において、膜は、ダクロン、ポリオレフィン、カルボキシメチルセルロース布帛、ポリウレタン又は他の織布又はフィルムエラストマーを含むことができる。幾つかの実施形態において、膜はニット又は繊維を含むことができる。膜は、例えば、ワイヤーを含む様々な実施形態において、織布又は不織布であることができる。幾つかの実施形態において、膜70は、フルオロポリマーの組み合わせ及び/又はコポリマー又はそれらのブレンドから形成されうる。
【0114】
幾つかの実施形態において、膜は、膜を通る流体及び/又は材料(例えば、血液及び/又は血栓)の通過を阻害し、ろ過し、調節し又は実質的に調節するように構成されている。幾つかの実施形態において、膜は、その中に迅速な組織内方成長を誘導するように構成されている。1つの実施形態において、膜は、膜を通る血液又は体液の流れを閉塞するが、内方成長及び内皮化を促進する、血液又は体液不透過性の膜を提供する。膜は、耐久性のある閉塞のための組織内方成長の足場を提供し、そしてフレームの補足的なアンカー強度を提供する微孔質構造を有することができる。幾つかの実施形態において、膜は多孔質部材であることができる。膜の細孔は、実質的に又は幾つかの例では、完全に、血液、他の体液及び塞栓の通過を防止するのに役立つサイズであることができる。幾つかの実施形態において、膜は、膜を通る血液、他の体液、血栓、塞栓又は他の体材料の通過を防止又は実質的に防止する。
【0115】
用語が測定範囲(すぐ上に開示されたものなど)に関して本明細書で使用されたときに、「約(about)」及び「およそ(approximately)」は交換可能に使用され、記載された測定値を含み、そして記載された測定値に合理的に近いが、測定誤差、測定値の違い及び/又は製造設備の検量、測定値の読み取り及び/又は設定における人的過誤、他の構成要素、特定の実装シナリオ、人又は機械による対象物の不正確な調整及び/又は操作などに関連する測定値の違いを考慮して性能及び/又は構造パラメータを最適化するために行われる調整に起因すると関連技術の当業者によって理解され、容易に確認されるような合理的に小さい量で異なる可能性のある測定値を含む。
【0116】
幾つかのインプラント可能な閉塞デバイス及びフレームの実施形態を本明細書において記載してきた。特定のデバイスとの関係で記載される1つ以上の特徴は、本明細書に記載される任意の他のデバイス又は複数のデバイスの1つ以上の特徴と組み合わせることができることを理解されたい。すなわち、本明細書に記載される閉塞デバイス及びフレームの特徴は組み合わされそして適合されて、ハイブリッド閉塞デバイス及びデバイスフレームの実施形態を提供することができ、そのようなハイブリッド閉塞デバイス及びデバイスフレームの実施形態は本開示の範囲内である。幾つかの例において、特定のデバイス又はフレームに関して記載された1つ以上の特徴は、別のデバイス又はフレームの1つ以上の特徴に取って代わるか、又はそれらと置換されうる。幾つかの例において、特定のデバイス又はフレームに関して記載された1つ以上の特徴は、別のデバイス又はフレームに付加されるか、又は含まれることができる。また、本明細書に記載されているいずれかの特徴の様々な組み合わせ又は副次組み合わせは、一般に、本明細書に記載されているデバイス又はフレームのいずれかとともに使用することができる。本明細書で提供される閉塞デバイス及び閉塞デバイスフレームは、閉塞デバイスが様々な異なる解剖学的構造、インプラント部位及び実装のタイプで使用できるように、広範囲のサイズに大きさを変更することができることを理解されたい。
【0117】
デバイス及び/又は方法の構造及び機能の詳細とともに様々な代替形態を含む、幾つかの特徴及び利点を、上述の記載で示してきた。本開示は例示のみを目的としており、それ
自体が網羅的であることを意図していない。特に、構造、材料、要素、構成要素、形状、サイズ及び本明細書に記載された原理内の組み合わせを含む部品の配置の問題に関して、添付の特許請求の範囲が表現される用語の広く一般的な意味によって示されている範囲全体にわたって様々な変更を加えることができることは当業者に明らかであろう。これらの様々な変更が添付の特許請求の範囲の主旨及び範囲から逸脱する範囲まで、前記変更はその範囲内に含まれることが意図されている。本明細書で参照されるすべての参考文献、刊行物及び特許の全体を、それらに含まれる図及び図面を含めて、参照により本明細書に取り込む。
(態様)
(態様1)
近位端、遠位端及び長手方向軸を有するフレームを含む、体内の導管、付属器官及び開口部に配置するためのデバイスであって、前記デバイスは、
第一の本体部分、
前記長手方向軸に対して角度を付けたウエスト部分、及び、
前記ウエスト部分に沿って配置されており、前記フレームがデリバリー構成に配置されるのに応答して、前記長手方向軸に対してそして前記長手方向軸に向かって回転して、アンカー先端とデリバリーシースとの間の接触を回避するように構成された1つ以上のアンカー、
を含む、デバイス。
(態様2)
前記遠位端に向かって前記長手方向軸に対して内向きにテーパ型になっている第二の本体部分をさらに含み、前記ウエスト部分は前記第一の本体部分と前記第二の本体部分との間に配置され、そして前記1つ以上のアンカーのそれぞれは、前記ウエスト部分に配置された根元を含み、前記1つ以上のアンカーは、前記フレームがデリバリー構成に配置されることに応答して、前記根元で前記長手方向軸に向かって回転するように構成されている、態様1記載のデバイス。
(態様3)
前記第一の本体部分又は前記第二の本体部分は、周方向に延在するストラット対の列を含み、隣接するストラット対は互いに接合し、前記1つ以上のアンカーのそれぞれは遠位端で先端を含み、前記1つ以上のアンカーは、前記フレームがデリバリー構成に配置されることに応答して、内向きに移動しそして前記隣接するストラット対の間に前記先端を配置するように構成されている、態様2記載のデバイス。
(態様4)
前記根元は、デリバリー構成において、前記長手方向軸に対して約-10°~0°の角度、及び、展開構成において、前記長手方向軸に対して約10°~55°の角度の曲率を備える、態様2~3のいずれか1項記載のデバイス。
(態様5)
前記1つ以上のアンカーは、前記フレームがデリバリー構成に配置されることに応答して、前記ウエスト部分で前記長手方向軸に向かって回転するように構成されている、態様1~4のいずれか1項記載のデバイス。
(態様6)
前記ウエスト部分は、前記第一の本体部分及び前記第二の本体部分に対する本体角を備え、前記本体角は、前記フレームがデリバリー構成に配置されることに応答して、前記1つ以上のアンカーの回転を促進する、態様5記載のデバイス。
(態様7)
前記本体角は、展開構成において180°未満である、態様6記載のデバイス。
(態様8)
前記1つ以上のアンカーは、展開構成において、前記本体角以下である半径を備える、態様7記載のデバイス。
(態様9)
第二の本体部分をさらに含み、前記第二の本体部分の可撓性は前記ウエスト部分の可撓性よりも低い、態様1~8のいずれか1項記載のデバイス。
(態様10)
デリバリー構成及び展開構成を有する、体内の導管、付属器官及び開口部に配置するためのデバイスであって、前記デバイスは、
近位端、遠位端及び長手方向軸を有するフレームを含み、前記フレームは、
複数のセルを含む第一の本体部分、
第二の本体部分、
前記第一の本体部分と前記第二の本体部分との間に配置されており、前記第一の本体部分と前記第二の本体部分との間に約20°~90°の角度を形成するウエスト部分、及び、
前記ウエスト部分の遠位端に配置された根元と、近位端に向かって延びる先端とを有する少なくとも1つのアンカーを含み、
前記少なくとも1つのアンカーは、展開構成において、前記ウエスト部分から前記長手方向軸に対して外向きに突出し、そしてデリバリー構成において、複数のセルのうちの1つ以上の中に入れ子になっている、デバイス。
(態様11)
前記少なくとも1つのアンカーは、前記フレームが展開構成からデリバリー構成に配置されることに応答して、前記長手方向軸に向かって回転するように構成されている、態様10記載のデバイス。
(態様12)
前記少なくとも1つのアンカーは、前記フレームがデリバリー構成から展開構成に配置されることに応答して、前記長手方向軸に対して回転し、そしてアンカー先端を内向きに移動させるように構成されている、態様10~11のいずれか1項記載のデバイス。
(態様13)
前記少なくとも1つのアンカーのそれぞれの根元は、前記フレームの遠位端からのデバイスの全長の約40%である、態様10~12のいずれか1項記載のデバイス。
(態様14)
前記第一の本体部分の可撓性及び前記第二の本体部分の可撓性のうちの少なくとも1つは前記ウエスト部分の可撓性よりも低い、態様10~13のいずれか1項記載のデバイス。
(態様15)
隣接するストラット対の幅は少なくとも1つのアンカーに隣接して減少している、態様10~14のいずれか1項記載のデバイス。
(態様16)
体内の導管、付属器官及び開口部においてデバイスを展開するためのシステムであって、前記システムは、
管腔及び実質的に円形の本体部分を有するデリバリーカテーテル、ならびに、近位端、遠位端及び長手方向軸を有するフレームを含み、前記フレームは、
第一の本体部分、
遠位端に向かって長手方向軸に対して内向きにテーパ型になっている第二の本体部分、
前記第一の本体部分と前記第二の本体部分との間に配置されたウエスト部分、及び、
前記ウエスト部分に沿って配置された1つ以上のアンカーであって、前記フレームがデリバリーカテーテル内に配置されることに応答して、前記長手方向軸に対して内向きにそして前記長手方向軸に向かって移動して、アンカー先端と前記デリバリーカテーテルとの接触を回避するように構成されている1つ以上のアンカーを含む、システム。
(態様17)
前記1つ以上のアンカーは、前記デリバリーカテーテル内に配置されることに応答して、前記実質的に円形の本体部分に接触することなく前記長手方向軸に向かって回転するように構成されている、態様16記載のシステム。
(態様18)
前記1つ以上のアンカーは、前記デリバリーカテーテルからの前記フレームの展開に応答して前記長手方向軸に対して外向きに移動するように構成されている、態様16~17のいずれか1項記載のシステム。
(態様19)
前記デリバリーカテーテルは、前記フレームの近位端の前に前記フレームの遠位端を展開するように構成され、そして前記1つ以上のアンカーは、展開構成における前記デリバリーカテーテルからの前記フレームの展開に応答して、前記ウエスト部分から外向きに突
出し、近位端に向かって上向きに湾曲する、態様16~18のいずれか1項記載のシステム。
(態様20)
前記デリバリーカテーテルは、前記フレームを前記デリバリーカテーテルに引き込むことに応答して、展開構成から前記フレームを再捕捉し、そして前記1つ以上のアンカーを前記長手方向軸に向かって回転させるように構成されている、態様16~19のいずれか1項記載のシステム。
(態様21)
デバイスを体内の導管、付属器官及び開口部に展開する方法であって、前記方法は、
インプラント可能メディカルデバイスをデリバリーを行うように配置することであって、前記インプラント可能メディカルデバイスは第一の本体部分、遠位端に向かって長手方向軸に対して内向きにテーパ型になっている第二の本体部分、前記第一の本体部分と前記第二の本体部分との間に配置されたウエスト部分、及び、前記ウエスト部分に沿って配置された1つ以上のアンカーを含む、配置することと、
前記フレームがデリバリーカテーテル内に配置されることに応答して、デバイスをデリバリーカテーテル中に装填することによってデバイスを折り畳み、それにより、1つ以上のアンカーを長手方向軸に向かって内向きに移動させることと、
前記デリバリーカテーテルから前記デバイスを展開し、前記1つ以上のアンカーが前記長手方向軸から半径方向外向きに移動し、体内の組織に係合するように構成されている展開構成に前記フレームを拡張することにより、体内に前記デバイスをインプラントすることと、を含む、方法。
(態様22)
前記デバイスをインプラントした後に、前記1つ以上のアンカーを前記組織から外して、前記1つ以上のアンカーを前記長手方向軸に向かって回転させるために、前記デバイスを前記デリバリーカテーテル中に再装填することをさらに含む、態様21記載の方法。
(態様23)
前記デバイスを前記デリバリーカテーテルに再装填した後に、体内に前記デバイスを再度インプラントすることをさらに含み、前記1つ以上のアンカーは前記長手方向軸から半径方向外向きに回転し、体内の組織に係合するように構成されている、態様22記載の方法。