(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】作業車
(51)【国際特許分類】
B60G 3/20 20060101AFI20231226BHJP
【FI】
B60G3/20
(21)【出願番号】P 2022125663
(22)【出願日】2022-08-05
(62)【分割の表示】P 2019037413の分割
【原出願日】2019-03-01
【審査請求日】2022-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】東 将広
(72)【発明者】
【氏名】永冨 達也
【審査官】菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-156551(JP,A)
【文献】実開昭64-040708(JP,U)
【文献】特開平08-268019(JP,A)
【文献】特開平05-085119(JP,A)
【文献】特開平07-101216(JP,A)
【文献】特開2001-219725(JP,A)
【文献】特開2011-189928(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0306413(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60G 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対の走行車輪を支持する車輪支持部材と、
車体と前記車輪支持部材とに亘って設けられ、前記車輪支持部材を昇降可能に支持するリンク機構と、
前記車体に形成されたサス支持部と前記車輪支持部材とに亘って設けられ、前記車輪支持部材を弾性支持するサスペンション機構と、
前記車体に形成された車体側支持部と前記車輪支持部材に形成された車輪側支持部とに連結され、前記車輪支持部材の左右移動を規制するラテラルリンクと、が備えられ、
前記リンク機構は、前記車体に形成されたリンク支持部に前端部がアッパー枢支軸芯まわりに上下揺動可能に支持され、後端部が前記車輪支持部材にアッパー連結軸芯まわりに相対揺動可能に連結されたアッパーリンクと、前記リンク支持部に前端部がロワー枢支軸芯まわりに上下揺動可能に支持され、後端部が前記車輪支持部材にロワー連結軸芯まわりに相対揺動可能に連結されたロワーリンクと、を有し、
前記アッパーリンクは、中間部が前部及び後部よりも下方に位置する湾曲形状に形成され、
前記ロワーリンクは、前記アッパーリンクの前記中間部を横外側に回避するように前記ロワーリンクの中間部が横外側方に張り出た湾曲形状に形成されて
おり、
前記アッパーリンクは、エンジンの横側方を車体前後方向に通っており、
前記アッパーリンクの前記中間部は、前記エンジンの横側部に設けられたエンジン付属装置を下方に回避している作業車。
【請求項2】
前記エンジン付属装置は、オルタネータカバーである請求項
1に記載の作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
作業車において、左右一対の走行車輪を支持する車輪支持部材と、車体と車輪支持部材とに亘って設けられ、車輪支持部材を昇降可能に支持するリンク機構と、車体に形成されたサス支持部と車輪支持部材とに亘って設けられ、車輪支持部材を弾性支持するサスペンション機構と、車体に形成された車体側支持部と車輪支持部材に形成された車輪側支持部とに連結され、車輪支持部材の左右移動を規制するラテラルリンクと、が備えられたものがある。
【0003】
この種の作業車として、例えば特許文献1に示される作業車がある。この作業車では、車輪支持部材としての左右一対の補助フレーム及び後車軸ケースが備えられ、リンク機構としてのアッパーアーム及びロアアームが備えられ、サスペンション機構としてのサスペンションユニットが備えられ、ラテラルリンクとしてのラテラルロッドが備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した作業車では、リンク機構に、車体に形成されたリンク支持部に前端部がアッパー枢支軸芯まわりに上下揺動可能に支持され、後端部が車輪支持部材にアッパー連結軸芯まわりに相対揺動可能に連結されたアッパーリンクと、リンク支持部に前端部がロワー枢支軸芯まわりに上下揺動可能に支持され、後端部が車輪支持部材にロワー連結軸芯まわりに相対揺動可能に連結されたロワーリンクと、が備えられる。
【0006】
この種の作業車おいて、リンク機構が合理的に備えられたものが要望されている。
【0007】
本発明は、リンク機構を合理的に備えることができる作業車を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による作業車は、
左右一対の走行車輪を支持する車輪支持部材と、車体と前記車輪支持部材とに亘って設けられ、前記車輪支持部材を昇降可能に支持するリンク機構と、前記車体に形成されたサス支持部と前記車輪支持部材とに亘って設けられ、前記車輪支持部材を弾性支持するサスペンション機構と、前記車体に形成された車体側支持部と前記車輪支持部材に形成された車輪側支持部とに連結され、前記車輪支持部材の左右移動を規制するラテラルリンクと、が備えられ、前記リンク機構は、前記車体に形成されたリンク支持部に前端部がアッパー枢支軸芯まわりに上下揺動可能に支持され、後端部が前記車輪支持部材にアッパー連結軸芯まわりに相対揺動可能に連結されたアッパーリンクと、前記リンク支持部に前端部がロワー枢支軸芯まわりに上下揺動可能に支持され、後端部が前記車輪支持部材にロワー連結軸芯まわりに相対揺動可能に連結されたロワーリンクと、を有し、前記アッパーリンクは、中間部が前部及び後部よりも下方に位置する湾曲形状に形成され、前記ロワーリンクは、前記アッパーリンクの前記中間部を横外側に回避するように前記ロワーリンクの中間部が横外側方に張り出た湾曲形状に形成されており、前記アッパーリンクは、エンジンの横側方を車体前後方向に通っており、前記アッパーリンクの前記中間部は、前記エンジンの横側部に設けられたエンジン付属装置を下方に回避している。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
本発明において、前記エンジン付属装置は、オルタネータカバーであると好適である。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図8】左のアッパーリンクの支持構造を示す断面図である。
【
図9】左のロワーリンクの支持構造を示す断面図である。
【
図10】車輪側支持部及びストッパー部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一例である実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、多目的作業車の走行車体に関し、
図1に示される矢印Fの方向を「車体前方」、矢印Bの方向を「車体後方」、矢印Uの方向を「車体上方」、矢印Dの方向を「車体下方」、紙面表側の方向を「車体左方」、紙面裏側の方向を「車体右方」とする。
【0020】
〔多目的作業車の全体の構成〕
図1に示されるように、多目的作業車は、左右一対の前車輪1が操向可能かつ駆動可能に装備され、左右一対の後車輪2が駆動可能に装備された走行車体を備えている。走行車体の前部に、運転座席3、前車輪1を操向操作するステアリングホィール4を有する運転部5が形成されている。運転部5に、搭乗空間を覆うロプス6が備えられている。走行車体の後部に荷台7が設けられている。荷台7の下方に、エンジン8を有する原動部9が形成されている。
【0021】
〔後車輪の懸架装置の構成について〕
図2は、後車輪2の懸架装置10を示す左側面図である。
図3は、後車輪2の懸架装置10を示す右側面図である。
図4は、後車輪2の懸架装置10を示す平面図である。
図5は、後車輪2の懸架装置10を示す後面図である。
【0022】
後車輪2の懸架装置10は、
図2乃至
図5に示されるように、左右一対の後車輪2を支持する車輪支持部材11と、車輪支持部材11を車体フレーム12に昇降可能に支持させて左右の後車輪2の車体フレーム12に対する昇降を可能にする左右一対のリンク機構20と、車輪支持部材11を弾性支持することによって左右の後車輪2の弾性支持を可能にするサスペンション機構30と、車輪支持部材11の左右移動を規制するラテラルリンク40と、を備えている。
【0023】
図2,4,6に示されるように、車輪支持部材11は、支持枠部11aと、支持枠部11aの上部に設けられた載置台部11bと、を有している。エンジン8の動力が入力されるミッション13が車輪支持部材11の横方向での中央部に支持されている。エンジン8は、ミッション13に連結され、ミッション13を介して車輪支持部材11に支持されている。
【0024】
図2,3,4に示されるように、左の後車軸14がミッション13から左横向きに延ばされている。右の後車軸14がミッション13から右横向きに延ばされている。左の後車軸14を回転可能に支持する左の後車軸ケース15と、右の後車軸14を回転可能に支持する右の後車軸ケース15とが載置台部11bの左側部分と右側部分とに振り分けて載置されている。左右の後車軸ケース15は、後車軸ケース15の外周部に巻き付けられた状態で載置台部11bに連結ボルトによって固定されたケースホルダー16によって載置台部11bに固定されている。左右の後車輪2は、後車軸14及びミッション13を介して車輪支持部材11に支持されている。すなわち、左右の後車輪2は、左右の後車輪2の間に相対的な位置ずれが生じない状態で車輪支持部材11に支持されている。本実施形態では、エンジン8及びミッション13が後車輪2と共に車輪支持部材11に支持されているが、これに限らない。たとえば、ミッション13が左右の後車輪2と共に車輪支持部材11に支持され、エンジン8が車輪支持部材11に支持されないものであってもよい。また、左右の後車輪2のみが車輪支持部材11に支持され、エンジン8及びミッション13が車輪支持部材11に支持されないものであってもよい。
【0025】
左右のリンク機構20は、
図2,3,4に示されるように、車体前後方向に延びるアッパーリンク21、及び、車体前後方向に延びるロワーリンク22を有している。
【0026】
アッパーリンク21の前端部は、車体フレーム12に形成された車体側のリンク支持部23に車体横幅方向に延びるアッパー枢支軸芯P1まわりに揺動可能に支持されている。
具体的には、アッパーリンク21の前端部に形成されたアッパー前ボス部21aと、リンク支持部23とがアッパー前ボス部21aに内嵌されたアッパー枢支軸24を介して連結されている。アッパー枢支軸24は、アッパー枢支軸芯P1を有している。アッパーリンク21の後端部は、車輪支持部材11の横端部に形成された車輪側のリンク連結部25に車体横幅方向に延びるアッパー連結軸芯P2まわりに揺動可能に支持されている。具体的には、アッパーリンク21の後端部に形成されたアッパー後ボス部21bと、リンク連結部25とがアッパー後ボス部21bに内嵌されたアッパー連結軸26を介して連結されている。アッパー連結軸26は、アッパー連結軸芯P2を有している。
【0027】
ロワーリンク22の前端部は、リンク支持部23のうち、アッパーリンク21が連結する部位よりも下方の部位に車体横幅方向に延びるロワー枢支軸芯P3まわりに揺動可能に支持されている。具体的には、ロワーリンク22の前端部に形成されたロワー前ボス部22aと、リンク支持部23とがロワー前ボス部22aに内嵌されたロワー枢支軸27を介して連結されている。ロワー枢支軸27は、ロワー枢支軸芯P3を有している。ロワーリンク22の後端部は、リンク連結部25のうち、アッパーリンク21が連結する部位よりも下方の部位に車体横幅方向に延びるロワー連結軸芯P4まわりに揺動可能に支持されている。具体的には、ロワーリンク22の後端部に形成されたロワー後ボス部22bと、リンク連結部25とが、ロワー後ボス部22bに内嵌されたロワー連結軸28を介して連結されている。ロワー連結軸28は、ロワー連結軸芯P4を有している。
【0028】
左のリンク機構20において、
図8,9に示されるように、アッパーリンク21とリンク支持部23との間、ロワーリンク22とリンク支持部23との間、アッパーリンク21とリンク連結部25との間、ロワーリンク22とリンク連結部25との間のそれぞれに弾性部材29が介装されている。アッパーリンク21とリンク支持部23との間、ロワーリンク22とリンク支持部23との間、アッパーリンク21とリンク連結部25との間、ロワーリンク22とリンク連結部25との間のそれぞれにおいて、こじれが発生しようとすると、弾性部材29が弾性変形し、この弾性変形によってこじれが解消される。右のリンク機構20においても、左のリンク機構20と同様に、弾性部材29が介装されている。
本実施形態では、弾性部材29は、アッパー前ボス部21aに内嵌し、アッパー枢支軸24に外嵌する筒状、ロワー前ボス部22aに内嵌し、ロワー枢支軸27に外嵌する筒状、アッパー後ボス部21bに内嵌し、アッパー連結軸26に外嵌する筒状、ロワー後ボス部22bに内嵌し、ロワー連結軸28に外嵌する筒状に構成されているが、これに限らない。たとえば、弾性部材は、アッパー枢支軸24とリンク支持部23との間、ロワー枢支軸27とリンク支持部23との間、アッパー連結軸26とリンク連結部25との間、ロワー連結軸28とリンク連結部25との間に介装されるものであってもよい。
【0029】
左右のリンク機構20において、
図6,7に示されるように、アッパー枢支軸芯P1とアッパー連結軸芯P2との間の距離をULとし、ロワー枢支軸芯P3とロワー連結軸芯P4との間の距離をDLとし、アッパー枢支軸芯P1とロワー枢支軸芯P3との間隔の広さをFDとし、アッパー連結軸芯P2とロワー連結軸芯P4との間隔の広さをRDとする。
【0030】
距離ULが距離DLよりも短く設定されている。間隔の広さRDが間隔の広さFDよりも広く設定されている。車体の空車状態、すなわち、運転部5における搭乗者がなく、荷台7における積載物がない状態において、
図2,3に示されるように、ロワー連結軸芯P4がロワー枢支軸芯P3よりも下方に位置するようにリンク機構20が構成されている。
【0031】
左右の後車輪2のうちの一方の後車輪2が空車状態での位置よりも下降し、他方の後車輪2が空車状態での位置よりも上昇した際、アッパーリンク21とリンク支持部23との間、ロワーリンク22とリンク支持部23との間、アッパーリンク21とリンク連結部25との間、ロワーリンク22とリンク連結部25との間のそれぞれにこじれが発生しようとしても、弾性部材29の弾性変形によって解消されて、左右のアッパーリンク21及びロワーリンク22がスムーズに昇降する。この場合、下降した後車輪2が下降前よりも前方に変位し、上昇した後車輪2が上昇前よりも後方に変位して、車輪支持部材11が左右にかつ前後に傾動し、下降した後車輪2が上昇した後車輪2よりも前方に位置する位置ずれが左右の後車輪2の間に生じる。しかし、距離ULが距離DLより短いこと、間隔の広さRDが間隔の広さFDよりも広いこと、空車状態でのロワー連結軸芯P4がロワー枢支軸芯P3よりも下方に位置することにより、下降した後車輪2と上昇した後車輪2との前後方向での位置ずれが少なく済む。
【0032】
図3,4,7に示されるように、右のリンク機構20におけるアッパーリンク21及びロワーリンク22は、直線状に形成されている。
図2,4,6に示されるように、左のリンク機構20におけるアッパーリンク21は、エンジン8の横側部に設けられたオルタネータカバー8aを下方に回避するように、中間部が前部及び後部よりも下方に位置する湾曲形状に形成されている。左のリンク機構20におけるロワーリンク22は、アッパーリンク21の中間部を横外側に回避して昇降するように中間部が横外側方に張り出た湾曲形状に形成されている。
【0033】
サスペンション機構30は、
図2,3,5に示されるように、左右一対のサスペンションバネ31、及び、左右一対のダンパ32を有している。
【0034】
図2,3に示されるように、左右のダンパ32は、車体フレーム12に形成された車体側のサス支持部33と、ケースホルダー16に形成されることによって車輪支持部材11に備えられた車輪側のサス支持部34とに連結され、車輪支持部材11の昇降に伴って伸縮する。左右のサスペンションバネ31は、左右のダンパ32に振り分けてダンパ32に外嵌されている。サスペンションバネ31の上端部は、ダンパ32の上側部分に形成されたバネ係止部に受け止め支持され、ダンパ32の上側部分を介して車体側のサス支持部33に支持される。サスペンションバネ31の下端部は、ダンパ32の下側部分に形成されたバネ係止部に受け止め支持され、ダンパ32の下側部分を介して車輪支持部材11に支持される。左右のサスペンションバネ31は、ダンパ32の伸縮にともなって伸縮する。
【0035】
ラテラルリンク40は、
図5に示されるように、車体フレーム12の後端部から下向きに延ばされた車体側支持部41と、車輪支持部材11の横端部から上向き突設された車輪側支持部42とに連結されている。
【0036】
車輪側支持部42は、
図10,11に示されるように、ラテラルリンク40の端部40aに対して前後側に振り分けて配置された一対の縦板部42aと、一対の縦板部42aの横端部を連結する連結板部42bと、一対の縦板部42aの上端に上方から当て付けられ、ストッパー部材50のクッション材51を受け止める上板部42cと、を有している。
一対の縦板部42aは、載置台部11bとの溶接によって車輪支持部材11に固定されている。上板部42cは、連結板部42bの上端部から延ばされ、連結板部42bによって支持されている。具体的には、上板部42cは、連結板部42bの上部に備えられた折り曲げ端部によって構成されている。上板部42cと一対の縦板部42aとは、溶接されていない。上板部42cは、一対の縦板部42aに対して付着されていない。一対の縦板部42aと連結板部42bとは、一体成形によって連結されている。端部40aを一対の縦板部42aに枢支させるネジ軸部材43が端部40aと一対の縦板部42aとにわたって挿通されている。一対の縦板部42aは、端部40aに沿うように端部40aに向けてネジ軸部材43によって締め込まれている。
【0037】
車輪側支持部42においては、端部40aがネジ軸部材43によって一対の縦板部42aに枢支され、一対の縦板部42aが端部40aに沿っていることにより、ラテラルリンク40が車輪側支持部42に対してガタ付かないで上下揺動するように、ラテラルリンク40の支持が行われている。
【0038】
ラテラルリンク40と車体側支持部41との間に、弾性部材44が介装されている。ラテラルリンク40と車体側支持部41との間にこじれが発生しようとすると、弾性部材44が弾性変形し、この弾性変形によってこじれが解消される。ラテラルリンク40と車輪側支持部42と間に、ラテラルリンク40と車体側支持部41との間と同様に、弾性部材が介装されている。
【0039】
図10に示すように、車体フレーム12からストッパー部材50が車輪側支持部42に向けて延ばされている。ストッパー部材50の下端部にクッション材51が設けられている。車輪支持部材11が上昇したとき、クッション材51が車輪側支持部42の上端部に当接し、クッション材51によって車輪支持部材11の上昇限界が設定される。車体に対する後車輪2の上昇限界を設定する限界設定部材に車輪側支持部42がなっている。
【0040】
〔別実施形態〕
(1)上記した実施形態では、後車輪2の支持に採用された懸架装置10を示したが、前車輪の支持に採用されたものであってもよい。
【0041】
(2)上記した実施形態では、エンジン8及びミッション13が車輪支持部材11に支持された例を示したが、これに限らない。たとえば、ミッション13が支持されるがエンジン8が支持されないもの、あるいは、エンジン8及びミッション13のいずれもが支持されないものであってもよい。
【0042】
(3)上記した実施形態では、左のアッパーリンク21及びロワーリンク22が湾曲形状に形成された例を示したが、装置部分に対する当りを回避するなどの必要がない場合、直線状に形成するとよい。
【0043】
(4)上記した実施形態では、リンク機構20が左右に備えられた例を示したが、これに限らない。たとえば、左右一対のロワーリンクと、ロワーリンクの上方に設けられた一つアッパーリンクとを有する一つだけのリンク機構で車輪を支持するものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、多目的作業車に限らず、田植機、トラクタなど各種の作業車に適用できる。
【符号の説明】
【0045】
1 走行車輪(後車輪)
11 車輪支持部材
20 リンク機構
21 アッパーリンク
22 ロワーリンク
23 リンク支持部
29 弾性部材
30 サスペンション機構
33 サス支持部
40 ラテラルリンク
40a 端部
41 車体側支持部
42 車輪側支持B
42a 縦板部
42b 連結板部
42c 上板部
43 ネジ軸部材
P1 アッパー枢支軸芯
P2 アッパー連結軸芯
P3 ロワー枢支軸芯
P4 ロワー連結軸芯
DL 距離(ロワー枢支軸芯とロワー連結軸芯との間)
FD 間隔の広さ(アッパー枢支軸芯とロワー枢支軸芯との間隔の広さ)
RD 間隔の広さ(アッパー連結軸芯とロワー連結軸芯との間隔の広さ)
UL 距離(アッパー枢支軸芯とアッパー連結軸芯との間)