(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】家電機器
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04817 20220101AFI20231226BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20231226BHJP
G10L 25/51 20130101ALI20231226BHJP
【FI】
G06F3/04817
G06F3/044 120
G10L25/51
(21)【出願番号】P 2022205227
(22)【出願日】2022-12-22
(62)【分割の表示】P 2018226227の分割
【原出願日】2018-12-03
【審査請求日】2022-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】栗原 渉
(72)【発明者】
【氏名】三上 雄大
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-304965(JP,A)
【文献】特開2017-146760(JP,A)
【文献】特開2017-182133(JP,A)
【文献】特開2011-118769(JP,A)
【文献】特開2006-148357(JP,A)
【文献】特開2018-147326(JP,A)
【文献】特開2012-150530(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0011195(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01、3/048-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作を制御する複数の制御コマンドを入力可能な第1のセンサ入力部と、表示部と、前記第1のセンサ入力部の操作が開始されるよりも早い時刻から利用者の行動特徴量を収集する第2のセンサ入力部と、を有し、
前記第1のセンサ入力部はタッチパネルからの操作情報の入力であり、
前記第2のセンサ入力部はマイクからの環境情報の入力であり、
前記第1のセンサ入力部に入力された制御コマンドを取得することにより操作特徴量が構成され、
前記第1のセンサ入力部に入力された前記制御コマンドの制御コマンド種と、前記制御コマンドを入力する際の前記操作特徴量とを、利用者の過去の制御コマンド種の使用履歴とし、利用者ごとの機器使用履歴として蓄積して履歴データベースが構成され、
前記第2のセンサ入力部より得られる前記行動特徴量に基づいて前記利用者を推定し、前記推定された利用者の
前記履歴データベース内の操作特徴量と制御コマンド種とに基づいて、前記推定された利用者が前記第1のセンサ入力部へ前記制御コマンドの入力を開始する前に、前記推定された利用者に対応した前記制御コマンドの制御コマンド種を前記表示部に事前にガイドとして表示する、家電機器。
【請求項2】
請求項
1において、
前記操作特徴量は、前記タッチパネルの操作位置、前記タッチパネルの押圧に対応した静電容量値と継時変化パタンを含む、家電機器。
【請求項3】
請求項
1において、
前記操作特徴量は、前記利用者の接地容量を含む、家電機器。
【請求項4】
請求項
1において、
前記操作特徴量は、前記第1のセンサ入力部を操作した時刻を示す時刻情報を含む、家電機器。
【請求項5】
請求項
1におい
て、
前記行動特徴量は、前記利用者の動作に伴う音である、家電機器。
【請求項6】
請求項1において、
前記第1のセンサ入力部より得られる前記制御コマンド種および前記操作特徴量に基づいて情報テーブルを用意し、
前記情報テーブルに基づいて前記利用者
の行動パタンを推定する、家電機器。
【請求項7】
請求項
6において、
前記情報テーブルは、機械学習により重み付けを考慮して生成される、家電機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、家電機器および居住空間に関する。
【背景技術】
【0002】
顔カメラ、網膜カメラ、アイリス(虹彩)カメラ、静脈カメラ等によりユーザー生体特性情報を取得する技術の一例として、特開2009-23613号公報(特許文献1)が提案されている。
【0003】
また、カメラによる顔画像およびマイクによる声紋などの複数種の生体情報を個人認証に利用する個人認証システムの一例として、特開2000-148985号公報(特許文献2)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-23613号公報
【文献】特開2000-148985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザー個人の認証や推定は非常に有益な情報である。その一方で、カメラや生体センシング(指紋認証、網膜認証など)を使用するシステムは、プライバシーの保護の観点や最終製品への組込コストの観点から敬遠される傾向にある。
【0006】
カメラで認証を行う場合、意識的に顔をカメラへ向けて認証する必要がある。また、カメラでの認証を家電機器や住宅設備へ適用した場合、常に見られているというユーザーの心理的負担は非常に大きい。
【0007】
さらに、家電機器や住宅設備において、操作時に顔認証のためわざわざカメラに顔を向けて認証することは、それほど多くない。また、顔認証のためのカメラを搭載した家電機器や住宅設備は市場投入されていない。
【0008】
また、ユーザーがシステムを利用する際に、初めて個人認証が実施される場合、ユーザーは所望の操作をする前に、まずは「個人認証する」という作業が必要であり、ユーザーは面倒と感じる場合もある。
【0009】
本開示の課題は、ユーザーに意識させることなく個人推定を行うことが可能な技術を提供することにある。
【0010】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0012】
すなわち、家電機器は、動作を制御する複数の制御コマンドを入力可能な第1のセンサ入力部を有し、前記第1のセンサ入力部に入力された制御コマンドの制御コマンド種と、前記制御コマンドを入力する際の操作特徴量とに基づいて、利用者を推定する。
【発明の効果】
【0013】
上記家電機器によれば、ユーザーに意識させることなく、個人推定を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】実施例1に係る静電容量タッチのオン・オフの判定例を示す図である。
【
図3】ユーザーAが静電容量タッチによるボタンを押した場合の波形データの例である。
【
図4】ユーザーBが静電容量タッチによるボタンを押した場合の波形データの例である。
【
図5】ユーザーによる制御コマンド種の違いを説明する図である。
【
図6】静電容量値の変化の分布の一例を示す分布図である。
【
図7】制御コマンドの種類と静電容量値の変化の分類との関係を示す図である。
【
図8】実施例1に係るシステムの全体構成例を示す図である。
【
図9】実施例1に係る個人推定フローを示す図である。
【
図11】
図7に対して、3軸目として環境音情報のFFT解析パタン軸HAFを追加した図である。
【
図12】
図11を環境音情報のFFT解析パタン軸HAFを横軸としてみた場合を示す図である。
【
図13】マイクを追加した場合の構成例1を示す図である。
【
図14】マイクを追加した場合の構成例2を示す図である。
【
図15】マイクを追加した場合の構成例3を示す図である。
【
図16】実施例2に係るシステムの全体構成例を示す図である。
【
図17】実施例2に係る個人推定フローを示す図である。
【
図18】実施例2に係るマイクのみを利用した個人推定フローを示す図である。
【
図19】実施例3に係る居住空間を示す概念図である。
【
図20】実施例3に係る推定フローを示す図である。
【
図21】実施例4に係る静電容量値の変化を機械学習する場合の概念構成を説明する図である。
【
図22】機械学習における素材と結果とを説明する図である。
【
図23】機械学習を行う場合のゲートウェイの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施例について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。なお、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【実施例1】
【0016】
図1は、実施例1に係る家電機器を示す図である。一般的に、家電機器や住宅設備を操作する際は、ユーザーインタフェースとして、リモコンもしくはその機器本体へ搭載されている物理スイッチが用いられる。一方で、既に、一部の家電製品や住宅設備では、物理スイッチの代わりとなるユーザーインタフェースとして、静電容量型のタッチパネルや静電容量型のタッチボタンによる操作パネルCPを搭載した家電製品が発売されている。なお、この明細書では、「静電容量タッチ」と言う用語は、「静電容量型のタッチパネル」や「静電容量型のタッチボタン」を意味するものとする。
【0017】
図1には、家電機器として、冷蔵庫10、洗濯機11、および、炊飯器12に設けられた操作パネルCPが例示的に示されている。操作パネルCPは、表示部DSPと、静電容量型のタッチパネルまたはタッチボタンにより構成された制御コマンドCC1~CC9を選択する複数のボタンBTNと、を有する。たとえば、ユーザーが複数のボタンBTNの中から制御コマンドCC1に対応するボタンBTNを押すと、その選択結果が表示部DSPに、「CC1」として表示される。制御コマンドCC9が決定を意味するコマンドの場合、制御コマンドCC9に対応するボタンBTNを押すと、制御コマンドCC1の内容が実行される。
【0018】
静電容量タッチによる操作パネルCPの利点として、凹凸がないことによる手入れのしやすさ、物理的劣化の少なさによる耐久性の高さ、設計自由度の高さからデザイン性の良さなどが挙げられる。これらの観点から、今後の家電機器、住宅設備では、よりいっそう静電容量タッチによる操作パネルCPの標準搭載が促進されていく。
【0019】
図2は、実施例1に係る静電容量タッチのオン・オフの判定例を示す図である。
図2に示すグラフにおいて、縦軸は静電容量値CVを示し、横軸は時間tを示している。静電容量タッチでは、静電容量値20の情報を用いて、操作パネルCPのボタンBTNを押した(オン)/押していない(オフ)を判定する。
図2では、静電容量値20をサンプリングステート22毎にサンプリングし、静電容量値20が閾値24を超えたか否かを判定している。
図2の例では、閾値24を超えた回数が3回を超えた場合、それ以降、オン期間26(押された)と判定し、その後、閾値24を下回ったときにオフ期間28(押されていない)と判定する。なお、
図2の波形データは、静電容量値20の変化を可視化するためにグラフ状に出力されたものである。通常の静電容量タッチの場合、このような波形ではなく、点として判定を行っている場合が多い。
【0020】
[ユーザーによる静電容量値の違い]
次に、
図3および
図4を用いて、ユーザーによる静電容量値の違いを説明する。
図3は、ユーザーAが静電容量タッチによるボタンを押した場合の波形データの例である。
図4は、ユーザーBが静電容量タッチによるボタンを押した場合の波形データの例である。ユーザーが家電機器や住宅設備を操作する際、ボタンの押し方は人それぞれである。このとき、静電容量タッチで計測される静電容量値20は、
図3、
図4に示すようにユーザー(A、B)によって様々である。
【0021】
図3、
図4では、静電容量値20(20b)の増加方向の傾き30(30b)、静電容量値20(20b)が閾値24を超えている間隔の幅32(32b)、カウント値の最小値から最大値までの高さ34(34b)を例として挙げている。この場合、傾き30は、傾き30bと比較して急峻である(30>30b)。幅32は、幅32bと比較して狭い(32<32b)。高さ34は、高さ34bと比較して高い(34>34b)。この静電容量値20(20b)の変化は、ユーザー(A、B)のボタンの押し方やボタンを押す強さ、ボタンを押した位置(操作位置)などのユーザーの癖、ユーザー(A、B)の体型や身長、年齢、体重など身体的特徴などによって大きく異なる。傾き30(30b)、幅32(32b)、幅32(32b)は、個人の特徴が出る「操作特徴量」と見做すことができる。また、操作特徴量は、家電機器のユーザー(利用者)の接地容量を含む。
【0022】
以上の説明では、傾き30(30b)、幅32(32b)、幅32(32b)を例として説明したが、静電容量値20(20b)を1つの波形データ(継時変化パタン)としてみたときに、波形データの形の変化や傾きの変化なども、個人の特徴が出る「操作特徴量」と見做すこともできる。つまり、操作特徴量は、タッチパネル(静電容量タッチ)の操作位置、タッチパネルの押圧に対応した静電容量値と継時変化パタンを含む。
【0023】
[ユーザーによる制御コマンド種の違い]
次に、ユーザーによる制御コマンド種の違いを説明する。近年の家電機器、住宅設備は機能の拡張、進化によって、その制御コマンド種は多岐にわたっている。この制御コマンド種は、どの制御コマンド種を使用するか、いつ使うかなどの使用条件および使用状況は、ユーザー毎に異なる傾向にある。
図5は、ユーザーによる制御コマンド種の違いを説明する図である。
図5では、炊飯器12の操作パネルCPの操作を例として、ユーザーによる制御コマンド種の違いを説明する。
【0024】
操作パネルCPには、制御コマンドCC1~CC9を選択する複数のボタンBTNが設けられているものとする。制御コマンドCC1~CC7のボタンBTNには、たとえば、メニュー1(menu1)~メニュー7(menu6)、予約(Reserv.)が割り当てられているものとする。ここで、たとえば、メニュー1(menu1)は「炊込み」であり、メニュー2(menu2)は「早炊きモード」であるものとする。
【0025】
この中で、例えば、ユーザーA(たとえば、母親)は、夕食の準備のために、「炊込み」である制御コマンドCC1と、翌日の朝食準備のため前日に「予約」である制御コマンドCC7とを頻繁に使用する傾向がある。一方、ユーザーB(たとえば、長女)は、ユーザーA(母親)が不在の場合、夕食の準備のため、炊飯器12の「早炊きモード」である制御コマンドCC2を頻繁に使う傾向がある。このように、ユーザー(A、B)の違いにより利用される制御コマンドの種類(制御コマンド種)に違いが存在する。
【0026】
[静電容量、制御コマンド種の違いによる個人の推定]
制御コマンド種の使用履歴は、家電機器やネットワークを介したデータベースなどに保存され、テータベース化されていることが多い。その情報を単に記録するだけでは、どの制御コマンドが多く使われているか、時間の情報を加えることでいつの時間帯にどの制御コマンドが多く使われているかということしかわからない。
図5の例では、「予約」や「早炊きモード」が使用されたことは分かるが、ユーザーA(母親)、ユーザーB(長女)のどちらが使用したかは分からない。しかし、
図5で説明した様に、制御コマンド種はユーザーによって異なる傾向が強い。
【0027】
一方、家電機器の操作パネルCPを操作した際の静電容量値20は、
図3、
図4で説明した様に、ユーザー(A、B)によって「操作特徴量」が異なる。
【0028】
図6は、静電容量値の変化の分布の一例を示す分布図である。前述したように、静電容量値20(20b)の変化は、ユーザー(A、B)のボタンの押し方やボタンを押す強さ、ボタンを押した位置などのユーザーの癖、ユーザーの体型、年齢や身長など身体的特徴などによって大きく異なる。
図6では、あらかじめ複数人から静電容量値の変化のサンプルを取得し、静電容量値の変化をFFT(高速フーリエ変換: Fast Fourier Transform)を用いて解析した解析パタンの分布を分布図としてまとめたものである。この分布図では、縦軸は身長(H)×体重(W)の値(H×W)であり、横軸は年齢(age)である。この例では、分布図を、9つの分類(α-1~α-3、β-1~β-3、γ-1~γ-3)に分類している。
図6に示すように、この静電容量値の変化は、あらかじめ複数人のサンプルを使ってテーブル化や分散状況の学習をしておいてもよい。
【0029】
図7は、制御コマンドの種類と静電容量値の変化の分類との関係を示す図である。
図7では、静電容量値の変化をFFTを用いて解析した解析パタンを、制御コマンドの種類と静電容量値の変化の分類(α-1~α-3、β-1~β-3、γ-1~γ-3)とを用いて分類したものである。
図7において、縦軸は制御コマンドの種類(制御コマンド種)であり、制御コマンドCC1、CC2、CC7が例示的に示されている。横軸は、
図6で説明した9つの分類(α-1~α-3、β-1~β-3、γ-1~γ-3)である。ここで、四角(□)はユーザーAの値を示し、三角(△)はユーザーBの値を示し、丸(○)はユーザーCの値を示している。このように、制御コマンド種、静電容量値の2つの特徴量は、FFTなどの手法による解析によって、対象機器を操作した人物の推定/分類が可能である。さらに、人工知能(AI)や機械学習などを利用すれば、より高精度な個人推定も可能となる。
【0030】
[システムの全体構成例]
図8は、実施例1に係るシステムの全体構成例を示す図である。システム100は、居住空間101に配置される家電機器110と、家電機器110との間でデータの集約・配信を行うゲートウェイ130と、ゲートウェイ130や家電機器110に組み込まれているアプリケーションプログラムを管理するソフトウェアを有するサーバ150と、を有する。
【0031】
家電機器110は、静電容量タッチセンサ111を有し、静電容量タッチセンサ111からの静電容量値の変化、入力された制御コマンド種を操作特徴量OFVとして収集するとともに、その情報を解析する。家電機器110はエリアネットワーク120を介してゲートウェイ130に接続され、ゲートウェイ130はエリアネットワーク120で接続される家電機器110から操作特徴量OFVのデータを収集する。また、ゲートウェイ130はアクセスネットワーク(IPネットワーク)140を介して、サーバ150に接続されている。ゲートウェイ130や家電機器110のアプリケーションプログラム130a、110aの更新は、アクセスネットワーク140、エリアネットワーク120経由で行われる。
【0032】
なお、本例では、操作特徴量OFVのデータを、ゲートウェイ130を介して、サーバ150へ送る構成としているが、これに限定されない。操作特徴量OFVのデータは、家電機器110内にのみ操作特徴量OFVのデータベースとして記憶させても良いし、あるいは、家電機器110からエリアネットワーク120を介してゲートウェイ130に操作特徴量OFVのデータベースとして蓄積させても良い。
【0033】
[個人推定フロー]
図9は、実施例1に係る個人推定フローを示す図である。図中のタッチパネル(第1のセンサ入力)は、
図8の家電機器110に搭載されている静電容量型のタッチセンサ111からの入力を示している。タッチパネルは、第1のセンサ入力部と言うこともできる。
【0034】
ユーザーが家電機器110の静電容量型のタッチセンサ111を操作した際、ステップF12にて、静電容量タッチにより静電容量値の変化や制御コマンド種などのセンサ情報と、静電容量タッチがタッチされた時刻を示す時刻情報(タイムスタンプ等)と、を取得する。その取得データ(センサ情報、制御コマンド種、時刻情報)は、操作特徴量OFVのデータとして、家電機器110に搭載された特徴量システムFVS(
図8中のアプリケーションプログラム110a)へ入力される。
【0035】
特徴量システムFVSは、ステップF13において、操作特徴量OFVのデータを特徴量データベースFVDBへ格納する。特徴量システムFVSは、ステップF14において、操作特徴量OFVの特徴量を解析する。特徴量システムFVSは、解析の結果から、ステップF15において、特徴量情報FVIからユーザー個人を推定し、終了する。
【0036】
推定されたユーザーの情報は、家電機器110のアプリケーションプログラム110aとして、何らかのサービスへ使用されても良いし、あるいは、ネットワーク(120、140)を介して、サーバ150へ保管し、その他の用途へ使用されても良い。
【0037】
以上説明した様に、実施例1のシステムでは、今後搭載が標準となってくるであろう静電容量タッチによる操作パネルに着目している。
【0038】
先行技術として挙げた個人認証システムによる個人特定の場合は、ユーザーによる情報の登録や操作時に追加となる操作が必要なる(例えば、指紋認証の場合、装置へユーザーが意識的に指を合わせる、など)。しかし、本開示のシステムでは情報の登録は不要であり、操作時もこれまで通りの操作によって必要なデータはユーザーが意識することなく収集できる。
【0039】
さらに、先行技術では、家電機器へ搭載されている事例はほとんどなく、例えば、同様のシステムを指紋認証にて実施する場合、改めて指紋認証装置を家電機器へ搭載する必要があり、指紋認証装置の搭載にコストがかかってしまう。さらに、いずれの認証方式でも専用装置へユーザーが意識的に行動する必要があり、家電機器への搭載には不自然さが伴ってしまう。しかし、本開示の構成であれば、今後標準的に搭載が進んでいく静電容量タッチによる操作パネルCPを使用するので、操作パネルCPの搭載への障害は極めて少ない。
【0040】
実施例1によれば、以下の効果を得ることができる。
1)今後家電機器への搭載がさらに進むであろう静電容量タッチを用いた操作パネルを使って、個人の推定が可能である。
2)個人の推定に、家電機器に搭載された静電容量タッチを用いた操作パネルを利用するので、コストの増加を抑えることができる。
3)個人の推定に、静電容量タッチを用いた操作パネルを利用するので、家電機器に指紋認証など高コストな機能を搭載する必要がない。
4)ユーザーは、家電機器を操作する際、個人の推定を、特に意識をする必要はない。
ユーザーが無意識のうちに操作特徴量の情報が集められるので、ユーザーは最終的に最適なサービスを受けることが可能である。
5)カメラを使用しないため、プライバシーを配慮したシステムとすることが可能である。
【実施例2】
【0041】
近年の家電機器には、音声認識による機器コントロールのためにマイクを搭載した製品が増えてきている。また、AIスピーカーなどマイクによる音声認識機能を搭載した製品も家庭(居住空間)の中に設置されるようになってきた。実施例2では、実施例1のタッチパネル(第1のセンサ入力)に加え、第2のセンサ入力としてマイクを使用し、マイクから取得した環境音と実施例1の操作特徴量OFV(静電容量値の変化、制御コマンド種)とを利用して、個人の推定を行う。マイクは、第2のセンサ入力部と言うこともできる。マイクからは、個人の特徴を表す行動特徴量BFVとして、足音(音の響き、間隔など)やくしゃみ、咳といった音情報を環境音として取得できる。
【0042】
図10は、環境音(足音)の例を示す図である。
図10に示すように、足音に着目すると、音の振幅301、時間軸302に基づいた歩くスピードや間隔304、そして歩く強さ303がユーザーによって異なる。また、振幅301が大きくなるにつれて、ユーザーがマイクを搭載する家電機器に近づいてきている、ことも分かる。この環境音のFFTなどによる解析結果と、実施例1で挙げた制御コマンド種、静電容量値の2つの特徴量をあわせることで、より正確にユーザーの推定ができる。
【0043】
図11は、
図7に対して、3軸目として環境音情報のFFT解析パタン軸HAFを追加した図である。さらに、
図12は、
図11を環境音情報のFFT解析パタン軸HAFを横軸としてみた場合を示す図である。
図12において、縦軸は、制御コマンド種および静電容量値の変化のFFT解析パタンを示す軸VAFである。このように、この例では、
図12の分布図から、ユーザーの傾向をつかみ、個人推定が可能である。
【0044】
さらに、機器が操作された前後は、歩いて近づく/遠ざかるスピードなど個人推定に有益な情報が入っている可能性が非常に高い。その情報の解析のためFFT解析手法などが行われるが、どの区間を解析するかが非常に重要な要素である。そこで、第1センサの情報と組み合わせることにより、操作パネルの操作時刻の前後5秒間などのように容易に区間の設定が可能となる。マイク単体では、音情報が入ってきてからなくなるまでの全期間を解析が必要であったり、どこからどこまでを解析するかは設定が困難であるが、実施例1と組み合わせる(データ同士を紐づける)ことにより、その課題をクリアし、より精度の高い個人推定が可能である。
【0045】
以上のように、第2のセンサ(マイク)から得られる環境音情報から個人推定が可能である。実施例1と組み合わせた推定を繰り返すこと(AIによるディープラーニングなど)で、足音等の環境音からだけでも、個人推定が可能である。例えば、
図12では、環境音情報のFFT解析パタンを3つのパタンPT1、PT2、PT3に分類している。この環境音情報のFFT解析パタンを見ると、解析パタンPT1では、ユーザーBであることを非常に高い確率で推定できる。また、その際、推定されたユーザーの情報から、そのユーザーの過去の制御コマンド種使用履歴などから、ユーザーがコマンドを入力する前に、適切もしくは推奨されるコマンド種をガイドもしくは提案することが可能となる。
【0046】
[マイクを追加した場合の構成例]
次に、
図13~
図15を用いて、マイクを追加した場合の構成例を説明する。
図13はマイクを追加した場合の構成例1を示す図であり、
図14はマイクを追加した場合の構成例2を示す図であり、
図15はマイクを追加した場合の構成例3を示す図である。
【0047】
図13に示す構成例1では、家電機器110Aが、静電容量タッチ111と、マイク112と、特徴量システムFVSを構成するアプリケーションプログラム110aと、を搭載している。家電機器110Aは、必要に応じて、ゲートウェイ130と通信を行う。
【0048】
図14に示す構成例2では、家電機器110が、静電容量タッチ111と、特徴量システムFVSを構成するアプリケーションプログラム110aと、を搭載し、家電機器110Bがマイク112を搭載している。家電機器110のアプリケーションプログラム110aは、家電機器110Bのマイク112によって取得した環境音情報(行動特徴量BFV)を受信し、受信した環境音情報と静電容量タッチ111の操作特徴量OFVとをタイムスタンプ情報等によって関連付けさせて、個人推定に利用する。家電機器110、110Bは、必要に応じて、ゲートウェイ130と通信を行う。
【0049】
図15に示す構成例3では、静電容量タッチ111を搭載する家電機器110Cと、マイク112を搭載する家電機器110Bと、特徴量システムFVSを構成するアプリケーションプログラム130aを搭載するゲートウェイ130と、により構成される。この構成では、ゲートウェイ130のアプリケーションプログラム130aが、静電容量タッチ111の操作特徴量OFVとマイク112によって取得した環境音情報(行動特徴量BFV)とを受信し、個人推定に利用する。
【0050】
[システムの全体構成]
図16は、実施例2に係るシステムの全体構成例を示す図である。
図16のシステム100bが
図8と異なる部分は、家電機器110以外に、マイク112を有する家電機器110Aが設けられている点と、マイク112を有する家電機器110Bが設けられている点と、である。他の構成は、
図8と同じであるので、説明は省略する。
【0051】
家電機器110Bは、次の様に、利用することができる。たとえば、家電機器110Bのマイク112で収集された環境音情報は、エリアネットワーク120を介してゲートウェイ130へ送信され、家電機器110からの特徴量データと紐づけて、個人推定等に利用する。
【0052】
図16のシステム100bは、これに限定されないものではなく、
図15に示すような構成とされてもよし、
図13~
図15を組み合わせた構成であってよい。
【0053】
[個人推定フロー]
図17は、実施例2に係る個人推定フローを示す図である。
図17に示す個人推定フローは、
図8に示す実施例1の個人推定フローに、第2のセンサ入力としてマイクのフローを追加したものである。
【0054】
ステップF11にて、マイク112により音情報を収集し、環境音情報を行動特徴量BFVのデータとして、家電機器110に搭載された特徴量システム(
図16中のアプリケーション110a)へ入力する。環境音情報には、音情報を収集した時刻を示す時刻情報(タイムスタンプ情報)を含めることもできる。以降は、実施例1と同様である。なお、この例では、特徴量システムFVSは、ステップF13において、行動特徴量BFVのデータと操作特徴量OFVのデータとを特徴量データベースFVDBへ格納することになる。また、ステップF14では、行動特徴量BFVのデータと操作特徴量OFVのデータとを含む特徴量データベースFVDBに対して、
図10~
図12で説明した解析を行う。これによって、ステップF15において、特徴量情報FVIから個人推定が可能である。
【0055】
また、マイク112の音情報は、操作パネルCPのタッチ操作より先に入手できるため、第2のセンサからの音情報のみでユーザーを推定し、推定されたユーザーが普段からよく使用する機能の提案、その行動に纏わる広告の表示等のサービスを提供することも可能である。
【0056】
図18は、実施例2に係るマイクのみを利用した個人推定フローを示す図である。ステップF15のユーザー推定までは、
図17で説明したフローと同様である。なお、この例では、特徴量システムFVSは、ステップF13において、行動特徴量BFVのデータを特徴量データベースFVDBへ格納することになる。また、ステップF14では、行動特徴量BFVのデータを含む特徴量データベースFVDBに対して、
図10で説明した様に、FFTなどを利用し、解析を行う。これによって、ステップF15において、特徴量情報FVIから個人推定が可能である。
【0057】
図18に示すように、家電機器110は、ステップF16において、ステップF15により推定されたユーザー情報を入力され、そのユーザーに合った出力情報を表示部DSPへ表示する。ここで、ユーザーに合った出力情報とは、たとえば、頻繁に使用するモード、頻繁に使用する制御コマンドに対応するボタンの表示またはボタンの点滅、または、そのユーザーが欲しているであろう情報などに対応する。つまり、推定された利用者の操作特徴量と制御コマンド種とに基づいて、推定された利用者が第1のセンサ入力部(タッチパネル)へ制御コマンドの入力を開始する前に、推定された利用者に対応した制御コマンド種を、表示部DSPへ事前にガイド(表示)する。
【0058】
また、その個人のこれまでの機器使用履歴などを履歴データベースに蓄積しておくことにより、履歴データベースから、推定されたユーザー個人に最適なサービス(普段からよく使用する機能の提案、その行動に纏わる広告の表示、など)を提供することも可能である。履歴データベースは、たとえば、サーバ150に蓄積するのがよい。
【0059】
実施例2によれば、実施例1の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
1)第1センサ(静電容量タッチ)の操作時刻を基準とすることで、第2センサ(マイク)で重点的に解析すべき前後の音情報を容易に抽出できる。たとえば、静電容量タッチが操作された操作時刻の前後5秒間には、操作者の特徴量を持った音情報を入手できる。
2)第2のセンサ入力(マイク)による環境音情報は、第1のセンサの操作情報よりも前に入るため、第2センサからの情報で個人推定を行い、その個人のこれまでの機器使用履歴などから、その個人に最適なサービス(普段からよく使用する機能の提案、その行動に纏わる広告の表示、など)を提供することが可能である。
【実施例3】
【0060】
実施例3は、実施例1および実施例2に係る複数の家電機器が具備/使用されているスマートホーム環境(居住空間)にて、複数の家電機器からの「操作特徴量」から住人を分類・推定し、その推定情報を活用するシステムに関している。
【0061】
図19は、実施例3に係る居住空間を示す概念図である。
図19に示すように、今後のスマートホームなどの居住空間では、実施例1、実施例2を実現できるような、静電容量タッチ111による操作パネルCPを搭載した製品110、マイク112および音声認識機能を搭載した製品110、操作パネルCPとマイク112とを搭載した製品110がますます増えていくであろう。ここで、機器110は、家電機器、調理家電や住宅設備などを意味する。
【0062】
各機器110にて計測されたセンサ情報(静電容量値の変化、制御コマンド種、環境音)は、
図8や
図16に示したように、一時的に各機器110へ格納、もしくは、即座に、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)やWifiなどのネットワークを介してゲートウェイ130へ送信され、特徴量をデータベース化、分析/個人分類へ使用される。その際、複数の機器110により得られた個人推定情報の集積、分析(データマイニング、ディープラーニングなど)により、対象の居住空間101内の住人構成やそれぞれの行動パタンの推定が可能となる。
【0063】
例えば、「朝、台所で母親が朝ごはんを作っている」という状況の場合、足音A+調理家電機器110(炊飯器やIH(Induction Heating)調理器など)の操作情報Aとそのタイムスタンプ情報により、そのユーザーをユーザーAと推定する(このとき、ユーザーAがお母さんであるというところまでは分からない)。この推定が積み重なると、前日の夕方に足音Aの情報が得られたら翌朝のおすすめメニューを家電機器110から提供する、などのサービスを提供できる。これは、ユーザーAが毎朝の朝ごはんを作っている、という行動パタンを推定、その情報を活用した情報提供例である。
【0064】
また、調理用家電機器110に限らず、住人構成、各人の行動パタン情報を用いて、居住空間内に具備された他の家電機器の操作制御への利用も可能である。例えば、「夜、父親が会社から帰宅後、冷蔵庫(110)からビールを取り出し、リビングでテレビ(110)を見る」という状況の場合を考える。この場合、冷蔵庫(110)のドアの開閉(取手部分に静電容量タッチ111を搭載)とタイムスタンプ情報からユーザーBを推定し、そのユーザーBの日頃の行動パタンから、検知と同時にリビングのエア・コンディショナー(110)、テレビ(110)を起動する、といったサービスが提供できる。つまり、ユーザーBの行動パタンを推定し、その他の家電機器(110)や住宅設備を操作制御することができる。ここで、エア・コンディショナー(110)、テレビ(110)などの家電機器は、冷蔵庫(110)から見た場合、他の機器に対応する。
【0065】
図20は、実施例3に係る推定フローを示す図である。実施例1、2で述べたように、第1のセンサ入力としてタッチパネル111から静電容量値の変化、制御コマンド種の情報、そのタイムスタンプ情報、および、第2のセンサ入力としてマイク112から環境音の情報とそのタイムスタンプ情報とを特徴量システムFVSへ入力する。
【0066】
ステップF13にて、特徴量データベースFVDBへ格納し、ステップF31にて特徴量を解析する。このステップF11、F12、F13、F31は繰り返し実行され、特徴量データベースFVDBとして分類された情報が蓄積されていく。これらの蓄積情報からステップF32にて、住人構成や行動パタンを推定する。推定された情報は、上述の通り、ステップF33にて、機器110の操作制御やサービス提供などへ活用される。
【0067】
実施例3によれば、以下の効果を得ることができる。
1)実施例1、実施例2の家電製品が複数具備される居住空間であれば、第2のセンサ(マイク)からの利用者の行動特徴量とそのタイムスタンプ情報により人物がどのあたりに居るか推定可能である。
2)複数機器からの各特徴量情報とそのタイムスタンプ情報から、住人構成や各個人の行動パタンを推定し、各家電機器でのサービスへ活用することが可能である。
【実施例4】
【0068】
実施例1で説明した様に、家電機器110の操作パネルCPを操作した際の、静電容量値20(20b)はユーザーによって特徴量が異なる。実施例1では、
図7の分布図に示すように、あらかじめ複数人のサンプルを使ってテーブル化や分散状況の学習する例を示した。実施例4では、その際、
図21および
図22に示す様に、複数人のサンプル(たとえば、3人)を機械学習する。複数人のサンプルで学習を行う際、1名につき複数回の学習を行うのが良い。サンプル毎に数回の学習を行うことで年齢、性別などによる押し方の癖などを重みづけにより吸収することができ、静電容量値の変化(FFT解析パタン)を非常に高い精度でテーブル化することができる。
【0069】
図21は、静電容量値の変化を機械学習する場合の概念構成を説明する図である。
図22は、機械学習における素材RM(Raw Material)と結果REとを説明する図である。
図23は、機械学習を行う場合のゲートウェイの構成例を示す図である。
【0070】
図21に示す様に、学習装置LDEVは、状態観察部STOS(STate Obsavation Section)と、学習部LS(Learning Section)とを、含む。
【0071】
状態観察部STOSは、家電機器110の操作パネルCPを操作した際の静電容量値20(20b)を観察する部分である。学習部LSは、素材RMの入力部と、関数変更部FUPS(Function UPdate Section)と、結果REの出力部と、報酬計算部RCS(Reward Calculation Section)と、を含む。素材RMの入力部は、状態観察部STOSから静電容量値20(20b)を入力される。関数変更部FUPSは、素材RMの解析を行うとともに、報酬計算部RCSによって計算された重み付け(Weighting)に従って、素材RMの計算結果に重み付けを行い、重み付けされた計算結果を結果REへ出力する。
【0072】
図22に示すように、素材RMとして、
図3、
図4に示すような、ユーザー(A、B)による静電容量タッチで計測される静電容量値20,20bが入力された場合を例として説明する。この場合、前述のように、静電容量値20(20b)は、ユーザーの体重、身長、年齢、性別、押し方の癖によって大きく異なる。報酬計算部RCSによる重み付けは、たとえば、押し方の癖が出やすい年齢、性別毎に異なる傾向が出ると考えられる。
図22に示すように、結果REにおいて、「重み付けなし」での学習結果RE1は、ばらつくことが考えられる。一方、重み付けを考えて学習を行うと、「重み付けあり」での学習結果RE2は、バラつきが収束する。なお、
図22において、学習結果RE1および学習結果RE2は、3人のサンプルで学習を繰り返した場合を示している。また、学習結果RE1および学習結果RE2は、
図6で説明された静電容量値の変化(FFT解析パタン)の分布において、縦軸を、「押す強さによる静電容量値の変化」とし、横軸を「押す早さによる静電容量値の変化」として記載したものである。
【0073】
図23に示す様に、機械学習を行う場合、ゲートウェイ130は、プロセッサ部130PとインターファイスIFと、を含む。プロセッサ部130Pは、学習部LSと、状態観察部STOSと、を含む。そして、学習部LSは、報酬計算部RCSと、関数更新部FUPSと、を含む。ゲートウェイ130をこのような構成とすることで、静電容量値の変化の機械学習を行うことが可能となり、静電容量値の変化(FFT解析パタン)を非常に高い精度でテーブル化することができる。
【0074】
なお、
図23のゲートウェイ130の構成は、実施例2および実施例3のゲートウェイ130にも適用可能である。これにより、実施例2および実施例3においても、機械学習を用いて静電容量値の変化を非常に高い精度でテーブル化することができる。利用者を推定する際は、あらかじめ、実施例3に示す様な居住空間101内の住人構成やそれぞれの行動パタンに関する情報テーブルを用意しておけば、家族の人数程度であれば精度良く推定できる。また、情報テーブルを作成する際は、機械学習を使用することにより重み付けなどを考慮した精度の良い情報テーブルを準備できる。
【0075】
以上、本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0076】
CP:操作パネル、 BTN:ボタン、 DSP:表示部、 CC1~CC9:制御コ
マンド、 OFV:操作特徴量、 FVDB:特徴量データベース、 FVS:特徴量シ
ステム、 BFV:行動特徴量、 FVI:特徴量情報、 20:静電容量値、 100
:システム、 101:居住空間、 110、110A、110B、110C:家電機器
、 110a:アプリケーションプログラム、 111:静電容量タッチセンサ、 11
2:マイク、 120:エリアネットワーク、 130:ゲートウェイ、 130a:ア
プリケーションプログラム、 150:サーバ、 130P:プロセッサ、 LS:学習
部、 RCS:報酬計算部、 FUPS:関数更新部、 STOS:状態観察部