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特許7410271撮像回数を調整する距離画像撮像システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】撮像回数を調整する距離画像撮像システム
(51)【国際特許分類】
   G01S 17/894 20200101AFI20231226BHJP
   G01C 3/06 20060101ALI20231226BHJP
   G06T 7/55 20170101ALI20231226BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
G01S17/894
G01C3/06 110B
G01C3/06 120Q
G01C3/06 140
G06T7/55
H04N7/18 K
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022507183
(86)(22)【出願日】2021-03-08
(86)【国際出願番号】 JP2021009022
(87)【国際公開番号】W WO2021182405
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-11-21
(31)【優先権主張番号】P 2020043475
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】中村 稔
(72)【発明者】
【氏名】藁科 文和
(72)【発明者】
【氏名】高橋 祐輝
【審査官】東 治企
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-317935(JP,A)
【文献】特開2010-091377(JP,A)
【文献】特開2008-241435(JP,A)
【文献】特開2013-101045(JP,A)
【文献】特開2020-146773(JP,A)
【文献】国際公開第2015/166712(WO,A1)
【文献】特開2006-349506(JP,A)
【文献】特開2007-155356(JP,A)
【文献】国際公開第2016/208214(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48-7/51
G01S 17/00-17/95
G01C 3/00-3/32
G01B 11/00-11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に対して同じ撮像位置及び同じ撮像姿勢で前記対象物を複数回撮像して複数の第一距離画像と前記複数の第一距離画像にそれぞれ対応する複数の光強度画像とを取得する画像取得部と、前記複数の前記第一距離画像を合成して第二距離画像を生成する画像合成部と、を備えた距離画像撮像システムであって、
光強度と測距バラツキとの間の関係式に基づいて前記光強度画像から前記第二距離画像における測距誤差を推定し、推定した前記測距誤差が予め定めた目標誤差以下になる、前記第一距離画像の撮像回数を、撮像回数と前記第二距離画像における測距誤差との関係式に基づいて決定する撮像回数決定部を備える、距離画像撮像システム。
【請求項2】
前記撮像回数決定部は、前記撮像回数をN、前記第二距離画像における測距誤差をσ /N 0.5 、及び前記目標誤差をσ TG としたときに、
N=(σ /σ TG
なる式に基づいて前記撮像回数を決定する、請求項1に記載の距離画像撮像システム。
【請求項3】
前記撮像回数決定部は、前記光強度画像の画素の単位で又は前記光強度画像内の画素領域の単位で前記測距誤差を推定する、請求項に記載の距離画像撮像システム。
【請求項4】
対象物に対して同じ撮像位置及び同じ撮像姿勢で前記対象物を複数回撮像して複数の第一距離画像を取得する画像取得部と、前記複数の前記第一距離画像を合成して第二距離画像を生成する画像合成部と、を備えた距離画像撮像システムであって、
前記第二距離画像における測距誤差を推定し、推定した前記測距誤差が予め定めた目標誤差以下になる、前記第一距離画像の撮像回数を決定する撮像回数決定部を備え、
前記撮像回数決定部は、前記第一距離画像が撮像される毎に、前記第二距離画像における測距誤差として距離の分散を逐次計算し、前記分散と前記撮像回数との間の関係に基づいて前記第一距離画像の取得終了を判定する、距離画像撮像システム。
【請求項5】
前記撮像回数決定部は、前記複数の前記第一距離画像の間で対応する画素の単位で又は前記複数の前記第一距離画像の間で対応する画素領域の単位で前記分散を逐次計算する、請求項に記載の距離画像撮像システム。
【請求項6】
合成対象の画像領域を指定する画像領域指定部をさらに備え、前記撮像回数決定部は前記画像領域指定部によって指定された前記画像領域における前記測距誤差を推定する、請求項1からのいずれか一項に記載の距離画像撮像システム。
【請求項7】
前記対象物の少なくとも一部を写した画像領域を特定する対象物特定部をさらに備え、前記画像領域指定部は前記対象物特定部によって特定された前記画像領域を前記合成対象の画像領域として指定する、請求項に記載の距離画像撮像システム。
【請求項8】
前記第二距離画像における前記測距誤差の信頼度を指定する信頼度指定部をさらに備える、請求項1からのいずれか一項に記載の距離画像撮像システム。
【請求項9】
前記画像取得部がロボット先端部又は固定点に設置された、請求項1からのいずれか一項に記載の距離画像撮像システム。
【請求項10】
前記画像取得部がTOFセンサである、請求項1からのいずれか一項に記載の距離画像撮像システム。
【請求項11】
ロボットと、前記ロボットを制御するロボット制御装置と、前記画像合成部及び前記撮像回数決定部を備えた上位コンピュータ装置と、をさらに備え、前記ロボット制御装置が前記第二距離画像の要求指令を前記上位コンピュータ装置に対して行う、請求項1から10のいずれか一項に記載の距離画像撮像システム。
【請求項12】
ロボットと、前記ロボットを制御するロボット制御装置と、をさらに備え、前記画像合成部及び前記撮像回数決定部は前記ロボット制御装置に組込まれる、請求項1から10のいずれか一項に記載の距離画像撮像システム。
【請求項13】
前記ロボット制御装置は前記第二距離画像に基づいて前記ロボットの動作を補正する、請求項11又は12に記載の距離画像撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は距離画像撮像システムに関し、特に撮像回数を調整する距離画像撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
物体までの距離を測定する測距センサとして、光の飛行時間に基づき距離を出力するTOF(time of flight)センサが公知である。TOFセンサは、所定周期で強度変調した参照光を対象空間に照射し、参照光と対象空間からの反射光との間の位相差に基づき対象空間の測距値を出力する位相差方式(いわゆる間接法)を採用するものが多い。この位相差は反射光の受光量から求められる。
【0003】
斯かるTOFセンサに代表される測距センサの測距値にはバラツキがある。TOFセンサの場合、測距バラツキの主因はショットノイズであるが、測距バラツキは概ね正規分布的にばらつくことが分かっている。バラツキ低減のためには、TOFセンサのインテグレーションタイムや発光量の増大が有効であるが、この解決策は測距センサの受光素子の受光量の制約や発熱の制約等、測距センサの仕様として限界がある。
【0004】
距離画像から物体の位置や姿勢の検出を行う場合、その検出精度を維持するためには距離画像の誤差が規定値以下であることが望まれる。バラツキを低減する別の解決策としては、複数の距離画像の間で対応する画素毎に距離を平均化する平均化処理や、IIR(infinite impulse response)フィルタ等の時間フィルタ、メディアンフィルタやガウシアンフィルタ等の空間フィルタの適用も考えられる。
【0005】
図8は従来の距離画像の平均化処理を示している。図の左下側には、測距センサから見て一定の高さの面を撮像した距離画像を斜視した様子が示されている。また図の左上側には、この距離画像の面領域における各画素の測距値の平均値μと測距値のバラツキσとが示されている。このような距離画像をN枚取得して平均化処理を行うと、図の右上側に示すように各画素の測距値のバラツキσがσ/N0.5まで低減し、図の右下側に示すように概ね平らな面を撮像した合成距離画像が生成される。このような距離画像の合成処理に関する技術としては、後述の文献が公知である。
【0006】
特許文献1には、露出を段階的に変更しながら撮像した複数の距離画像について、同一の画素位置に対応する各画素の距離情報の重み付き平均値を夫々算出し、算出された重み付き平均値を各画素の距離情報とするように合成した合成距離画像を求め、重み付き平均値の算出では、その画素の受光レベル情報に応じて距離情報の精度に対応するように算出される重み付き係数を用いることが記載されている。
【0007】
特許文献2には、異なる撮像条件で取得した複数の距離画像間において、距離画像内の各画素に対応付けられた受光強度に基づいて、より大きい受光強度を示す画素を抽出し、抽出した画素を複数の距離画像の合成距離画像に用いることが記載されている。
【0008】
特許文献3には、所定の単位領域毎に撮像感度の異なる複数の画像データを取得し、それら複数の画像データを合成することによりダイナミックレンジが拡大された画像データを生成する面内HDR(high dynamic range)処理を実行し、対象物の特徴量がより多く現れる方向がHDR処理方向となるように制御を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2012-225807号公報
【文献】特開2017-181488号公報
【文献】特開2019-57240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述の平均化処理等に使用される距離画像の撮像回数は、予め定めた固定数であることが一般的である。しかしながら、固定数の距離画像の合成処理では、対象物の変化に起因した測距バラツキを低減するのが困難になり、測距精度が安定しなくなってしまう。
【0011】
図9は対象物の変化に起因したバラツキ増大の一例を示している。図の左側に示すように、測距センサ10が予め定めた枚数の距離画像を出力し、対象物Wについて測距バラツキの少ない合成距離画像を取得できたとする。しかしながら、図の中央に示すように測距センサ10から対象物Wまでの距離が遠くなると、測距センサ10の受光量が低減して測距バラツキが増大してしまう。同様に、図の右側に示すように対象物Wの反射率が低くなると(例えば暗色の対象物Wに変わると)、反射光量が低減して測距バラツキが増大してしまう。従って、固定数の合成距離画像では、バラツキ低減の保証が難しい。
【0012】
逆にその為、固定数にマージンを持たせて撮像回数を増やしておくことも考えられる。しかしながら、大抵の場合、画像取得や画像合成に無駄な時間を費やすことになる。従って、対象物の状況に応じて距離画像の撮像回数を可変にすべきである。
【0013】
そこで、対象物が変化しても安定した測距精度と無駄時間の削減を実現した距離画像合成技術が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本開示の一態様は、対象物に対して同じ撮像位置及び同じ撮像姿勢で対象物を複数回撮像して複数の第一距離画像と複数の第一距離画像にそれぞれ対応する複数の光強度画像とを取得する画像取得部と、複数の第一距離画像を合成して第二距離画像を生成する画像合成部と、を備えた距離画像撮像システムであって、光強度と測距バラツキとの間の関係式に基づいて光強度画像から第二距離画像における測距誤差を推定し、推定した測距誤差が予め定めた目標誤差以下になる、第一距離画像の撮像回数を、撮像回数と前記第二距離画像における測距誤差との関係式に基づいて決定する撮像回数決定部を備える、距離画像撮像システムを提供する。
本開示の他の態様は、対象物に対して同じ撮像位置及び同じ撮像姿勢で対象物を複数回撮像して複数の第一距離画像を取得する画像取得部と、複数の第一距離画像を合成して第二距離画像を生成する画像合成部と、を備えた距離画像撮像システムであって、第二距離画像における測距誤差を推定し、推定した測距誤差が予め定めた目標誤差以下になる、第一距離画像の撮像回数を決定する撮像回数決定部を備え、撮像回数決定部は、第一距離画像が撮像される毎に、第二距離画像における測距誤差として距離の分散を逐次計算し、分散と前像回数との間の関係に基づいて第一距離画像の取得終了を判定する、距離画像撮像システムを提供する。
【発明の効果】
【0015】
本開示の一態様によれば、撮像回数が自動的に調整されるため、対象物が変化しても安定した測距精度と無駄時間の削減を実現した画像合成技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一実施形態における距離画像撮像システムの構成を示すブロック図である。
図2】関数方式による撮像回数決定手法を説明するためのグラフである。
図3】関数方式による撮像回数決定処理の流れを示すフローチャートである。
図4】逐次方式による撮像回数決定手法を説明するためのグラフである。
図5】逐次方式による撮像回数決定処理の流れを示すフローチャートである。
図6】撮像回数決定手法の変形例を説明するためのグラフである。
図7】距離画像撮像システムの構成の変形例を示すブロック図である。
図8】従来の距離画像の平均化処理の効果を示す概念図である。
図9】対象物の変化に起因したバラツキ増大の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を詳細に説明する。各図面において、同一又は類似の構成要素には同一又は類似の符号が付与されている。また、以下に記載する実施形態は、特許請求の範囲に記載される発明の技術的範囲及び用語の意義を限定するものではない。なお、本書において用語「距離画像」とは、測距センサから対象空間までの測距値を画素毎に格納した画像のことをいい、用語「光強度画像」とは、対象空間で反射した反射光の光強度値を画素毎に格納した画像のことをいう。
【0018】
図1は本実施形態における距離画像撮像システム1の構成を示している。距離画像撮像システム1は、対象物Wを含む対象空間の距離画像を出力する画像取得部10と、測距センサ10を制御する上位コンピュータ装置20と、を備えている。画像取得部10は、TOFカメラ、レーザスキャナ等のTOFセンサでよいが、ステレオカメラ等の他の測距センサでもよい。上位コンピュータ装置20は、有線又は無線を介して画像取得部10に通信可能に接続する。上位コンピュータ装置20は、CPU(central processing unit)、FPGA(field-programmable gate array)、ASIC(application specific integrated circuit)等のプロセッサを備えている。なお、上位コンピュータ装置20の構成要素は全て、測距センサの一部の機能として実装されてもよい。
【0019】
画像取得部10は、対象物Wに対して同じ撮像位置及び同じ撮像姿勢で対象物Wを複数回撮像して複数の第一距離画像を取得する。画像取得部10は、第一距離画像に加えて、同じ撮像位置及び同じ撮像姿勢で対象物Wを撮像して光強度画像を取得する機能を兼ね備えているとよい。
【0020】
上位コンピュータ装置20は、画像取得部10で取得した複数の第一距離画像を合成して第二距離画像を生成する画像合成部21を備えている。画像合成部21は、複数の第一距離画像を対応する画素毎に平均化して第二距離画像を生成するが、複数の第一距離画像に対してIIRフィルタ等の時間フィルタ、メディアンフィルタ、ガウシアンフィルタ等の空間フィルタ、又はこれらを組み合わせたフィルタ処理を行って第二距離画像を生成してもよい。このような合成距離画像によって測距バラツキが低減する。
【0021】
上位コンピュータ装置20は、合成対象の画像領域を指定する画像領域指定部24をさらに備えているとよい。合成対象の画像領域は、例えば対象物Wの特定の領域(例えば対象物Wの吸着面や対象物Wに対して所定の作業(スポット溶接、シーリング、ねじ締結等)を施す面等)でよい。合成対象の画像領域は、ユーザが手動で指定してもよいが、上位コンピュータ装置20が自動で指定してもよい。手動指定の場合には、例えば取得した距離画像上又は光強度画像上でユーザが画像領域を指定するための入力ツール等を備えているとよい。合成対象の画像領域を制限することにより、距離画像の合成処理を高速化できる。
【0022】
上位コンピュータ装置20は、距離画像又は光強度画像の中から対象物Wの少なくとも一部を写した画像領域を自動的に特定する対象物特定部25をさらに備えていてもよい。対象物Wの特定手法としては、パターンマッチング等のマッチング処理、画像の特徴量を解析するブロブ解析、類似領域を分類するクラスタリング等の公知の手法を利用できる。特定された画像領域は、画像領域指定部24によって合成対象の画像領域として指定される。
【0023】
距離画像撮像システム1は、例えばロボットシステムに適用可能である。距離画像撮像システム1は、ロボット40と、ロボット40を制御するロボット制御装置30と、をさらに備え、ロボット制御装置30は、上位コンピュータ装置20に対して第二距離画像の要求指令を行い、上位コンピュータ装置20から取得した第二距離画像(即ち、対象物Wの位置及び姿勢の少なくとも一方。以下同じ。)に基づいてロボット40の動作を補正することができる。
【0024】
複数台のロボット40と複数台のロボット制御装置30を備えるロボットシステムでは、上位コンピュータ装置20が一対多でロボット制御装置30と通信可能に接続するとよい。このようなサーバ構成によれば、上位コンピュータ装置20側では負荷の大きい画像処理を担い、ロボット制御装置30側ではロボット40の制御処理に性能を集中させることが可能になる。
【0025】
ロボット40は、多関節ロボットであるが、パラレルリンク型ロボット等の他の産業用ロボットでもよい。ロボット40は、対象物Wに対して作業を行うツール41をさらに備えているとよい。ツール41は、対象物Wを把持するハンドであるが、対象物Wに対して所定の作業(スポット溶接、シーリング、ねじ締結等)を行う他のツールでもよい。対象物Wは、搬送装置50によって搬送されてロボット40の作業領域内に到来するが、パレット(図示せず)等にバラ積みされたシステム構成であってもよい。搬送装置50は、コンベヤであるが、無人搬送車(AGV)等の他の搬送装置でもよい。
【0026】
画像取得部10は、ロボット40の先端部に設置されるが、ロボット40とは別の固定点に設置されてもよい。ロボット制御装置30は、教示装置(図示せず)で予め生成された動作プログラムに従ってロボット40及びツール41の動作を制御する動作制御部31を備えている。対象物Wがロボット40の作業領域内に到来すると、動作制御部31は、搬送装置50を一時停止させて第二距離画像の要求指令を上位コンピュータ装置20に対して行うが、ロボット40の先端部を対象物Wの動作に追従させながら第二距離画像の要求指令を上位コンピュータ装置20に対して行ってもよい。
【0027】
搬送装置50を一時停止させる場合、画像取得部10は、静止している対象物Wに対して同じ撮像位置及び同じ撮像姿勢で複数の第一距離画像を取得することになる。一方で、ロボット40が対象物Wの動作に追従している場合、画像取得部10は、移動している対象物Wに対して同じ撮像位置及び同じ撮像姿勢で複数の第一距離画像を取得することになる。動作制御部31は、上位コンピュータ装置20から取得した第二距離画像に基づいてロボット40及びツール41の少なくとも一方の動作を補正する。
【0028】
上位コンピュータ装置20は、第一距離画像の撮像回数を決定する撮像回数決定部22を備えることを特徴としている。撮像回数決定部22は、第二距離画像の要求指令を受けると、撮像指令を画像取得部10に対して行い、複数の第一距離画像を取得する。撮像回数決定部22は、第二距離画像における測距誤差を推定し、推定した測距誤差が予め定めた目標誤差以下になる、第一距離画像の撮像回数を決定する。なお、撮像回数決定部22は、撮像回数の代わりに、画像合成部21が画像取得部10から取得する第一距離画像の取得枚数を決定してもよいし、又は画像合成部21が時間フィルタを適用して第二距離画像を生成する場合には時間フィルタの時定数を決定してもよい。撮像回数決定手法としては、関数方式、逐次方式といった二つの手法があり、以下ではこれら二つの撮像回数決定手法について順に説明する。
【0029】
図2は関数方式による撮像回数決定手法を説明するためのグラフを示している。一般にTOFセンサでは、距離画像と同時に光強度画像を取得でき、光強度画像における光強度値sと距離画像における測距バラツキσとの間にはグラフで示すような一定の相関がある。このグラフは次式で近似される。ここで、fは参照光の発光周波数であり、A及びkは測距センサ10の構成部品の仕様の相違や個体特性バラツキを含む定数である。次式のA及びkは、予め実験的に取得しておくか又は出荷時のキャリブレーションデータとして取得しておくことができる。
【0030】
【数1】
【0031】
従って関数方式では、1回目の撮像で取得した光強度画像から光強度値s1を取得し、取得した光強度値s1を例えば式1に代入することにより、第一距離画像における測距誤差σ1を推定できる。或いは、このような近似式を用いず、予め実験的又は出荷時のキャリブレーション時に取得しておいた光強度値sと測距バラツキσの関係を複数記憶したデータテーブルに対して線形補間や多項式補間等を行って第一距離画像における測距誤差σ1を求めてもよい。さらに、第一距離画像における測距誤差σ1は概ね正規分布的なバラツキを持つため、N回撮像した第一距離画像を対応する画素毎に距離を平均化する平均化処理を行った第二距離画像の測距バラツキは、統計学の中心極限定理により1/N0.5の低減度で低減することが知られている。即ち、この測距バラツキσ1/N0.5を第二距離画像における測距誤差と考えれば、第二距離画像の測距誤差σ1/N0.5を推定できることになる。そして、推定した第二距離画像における測距誤差σ1/N0.5が予め定めた目標誤差σTG以下になる、第一距離画像の撮像回数Nを決定する。つまり、複数の第一距離画像を平均化処理して第二距離画像を生成する場合には、次式に基づいて撮像回数Nを決定することが可能である。なお、例示した平均化処理以外の合成処理を適用する場合の第二距離画像の測距誤差については夫々異なる低減度を適用することになる。
【0032】
【数2】
【0033】
図1を再び参照すると、関数方式で撮像回数を決定する場合、撮像回数決定部22は、画像取得部10から取得した光強度画像に基づいて第一距離画像の撮像回数を決定することになる。つまり撮像回数決定部22は、光強度画像における光強度値sと距離画像における測距バラツキσとの間の関係(式1)に基づいて光強度画像から第二距離画像における測距誤差σ1/N0.5を推定し、推定した第二距離画像における測距誤差σ1/N0.5が目標誤差σTG以下になる撮像回数Nを決定する。
【0034】
また撮像回数決定に際して、撮像回数決定部22は、光強度画像の画素の単位で第二距離画像における測距誤差を推定してもよいし、又は光強度画像内の画素領域の単位で第二距離画像における測距誤差を推定してもよい。つまり撮像回数決定部22は、例えば対象物Wの特定の画素の光強度値に基づいて第二距離画像における測距誤差を推定してもよいし、又は対象物Wの特定の画素領域(例えば3×3の画素領域)の光強度値の平均値又は最低値に基づいて第二距離画像における測距誤差を推定してもよい。
【0035】
さらに撮像回数決定に際して、光強度画像は、少なくとも1枚取得すればよいが、複数枚取得してもよい。複数枚取得する場合、撮像回数決定部22は、複数の光強度画像の間で対応する画素の光強度値の平均値又は最低値に基づいて第二距離画像における測距誤差を推定してもよいし、又は複数の光強度画像の間で対応する画素領域(例えば3×3の画素領域)の光強度値の平均値又は最低値に基づいて第二距離画像における測距誤差を推定してもよい。このようにより多くの画素の光強度値を使用することにより、第二距離画像における測距誤差を(ひいては第一距離画像の撮像回数を)より精度の良い推定又はより確度高く目標誤差以下となる推定が可能になる。
【0036】
加えて撮像回数決定に際して、目標誤差σTGは、予め定めた固定値でもよいが、ユーザによって指定された指定値でもよい。指定値の場合、距離画像撮像システム1は、目標誤差σTGを指定する目標誤差指定部23をさらに備えていてもよい。例えばユーザインタフェース上でユーザが目標誤差σTGを指定するための数値入力欄等を備えているとよい。目標誤差σTGを指定できることにより、ユーザの要望に応じた目標誤差で第二距離画像を生成することが可能になる。
【0037】
図3は関数方式による撮像回数決定処理の流れを示している。先ずステップS10では、1回目の撮像(n=1)で第一距離画像とこれに対応する光強度画像を取得する。なお、複数回(n=2、3等)の撮像を行って複数の第一距離画像とこれらに対応する複数の光強度画像を取得してもよい。ステップS11では、取得した画像に基づき、必要に応じて合成対象の画像領域を手動で指定するか、又は対象物Wの少なくとも一部を写した画像領域を自動で特定する。
【0038】
ステップS12では、光強度画像(の画像領域)に基づいて第二距離画像における測距誤差を推定する。推定には、光強度画像(の画像領域)における光強度値sと第一距離画像における測距バラツキσとの間の関係を表す近似式1や、光強度値sと測距バラツキσのデータテーブルの線形補間や多項式補間等を用いる。このとき、光強度画像(の画像領域)の画素の単位で又は光強度画像(の画像領域)内の画素領域の単位で第二距離画像における測距誤差を推定してもよいし、又は複数の光強度画像(の画像領域)の間で対応する画素の単位で又は複数の光強度画像(の画像領域)の間で対応する画素領域の単位で第二距離画像における測距誤差を推定してもよい。
【0039】
ステップS13では、推定した第一距離画像の測距誤差σ1と、例えば複数の第一距離画像を平均化処理して生成される第二距離画像の測距誤差の低減度1/N0.5と、に基づき、第二距離画像の測距誤差σ1/N0.5を推定し、推定した第二距離画像における測距誤差σ1/N0.5が目標誤差σTG以下になる撮像回数Nを決定する。なお、平均化処理以外のフィルタ処理を適用する場合は、夫々異なる低減度を適用して撮像回数Nを決定することになる。
【0040】
ステップS14では、現在の撮像回数nが決定した撮像回数Nに達したか否かの判定を行う。ステップS14において現在の撮像回数nが決定した撮像回数Nに達していない場合には(ステップS14のNO)、ステップS15に進み、第一距離画像をさらに取得し(n=n+1)、ステップS16で第一距離画像(の画像領域)を合成して(平均化処理等を行って)第二距離画像を生成する処理を繰り返す。ステップS14において現在の撮像回数nが決定した撮像回数Nに達した場合には(ステップS14のYES)、第一距離画像の合成処理が終了し、この時の第二距離画像が最終的な第二距離画像となる。
【0041】
次に逐次方式による撮像回数決定手法について説明する。第一距離画像における測距バラツキは概ね正規分布的なバラツキを持ち、推定される第一距離画像における測距誤差をその標準偏差σで表すとした場合、この第一距離画像をn回撮像し対応する画素毎に距離を平均化する平均化処理を行った第二距離画像の測距誤差はσn/n0.5に低減する。このように低減した第二距離画像における測距誤差σn/n0.5が目標誤差σTG以下と考えると次式が得られる。
【0042】
【数3】
【0043】
この式をさらに変形すると次式が得られる。
【0044】
【数4】
【0045】
σn 2は統計学上分散と呼ばれる値であり、x1~xnまでn個のデータの平均をμnとすると、その分散σn 2は次式の通りである。
【0046】
【数5】
【0047】
ここで平均μn、分散σn 2は夫々、次式の通りデータの逐次計算によって求めることができる。
【0048】
【数6】
【0049】
【数7】
【0050】
従って、撮像によって測距値が得られる毎に、平均μn、分散σn 2の逐次計算を行い、分散σn 2と撮像回数nとの間の関係を表す判定式4で判定することによって、平均μn(即ち第二距離画像)の測距誤差σn/n0.5が目標誤差σTG以下かを推定できることになり、撮像回数nが自動的に決定されることになる。なお、適用する合成方法が異なり、撮像回数nに対する測距誤差の低減度が異なる場合には、低減度の比率を判定式4の右辺に乗じて判定を行うとよい。
【0051】
図4はこの逐次方式による撮像回数決定手法を説明するためのグラフを示している。ここでは第二距離画像の合成方法が第一距離画像の対応する画素毎に距離を平均化する平均化処理とする。図4では、グラフの横軸が撮像回数(特定画素の測距値の個数)を示し、グラフの縦軸が距離(cm)を示している。図4には、実際には100cmの距離にある対象物Wを100回撮像(即ち、測距値を100個取得)した例(黒点)が示されている。逐次方式では、第一距離画像を撮像する度に、測距値の逐次平均(破線)と逐次分散(一点鎖線)を計算していくことになる。
【0052】
図4には、目標誤差σTGが1.5cmのときの判定式4の右辺値σn 2/1.52(太線)の逐次計算値も示されている。符号Aは、現在の撮像回数n(実線)がσn 2/1.52(太線)を超えた時点を示しており、判定式4の条件を満たしたことを示す。つまり第一距離画像の撮像回数nが33回目のときに、ようやく第二距離画像における測距誤差σn 2が所定の信頼度で(後述するが、この例では68.3%の信頼度で)目標誤差1.5cm以下になることを示している。なお、このとき平均値Aveは101.56cmであり、この値が第二距離画像における測距値となる。
【0053】
また撮像回数決定に際して、撮像回数決定部22は、複数の第一距離画像の間で対応する画素の単位で測距値の分散σn 2を逐次計算するが、測距センサ10から見て一定の高さの面を持つ対象物Wの画像領域のみを合成する場合には、複数の第一距離画像の間で対応する画素領域(例えば3×3の画素領域)の単位で分散σn 2を逐次計算してもよい。このようにより多くの画素の測距値を使用することにより、撮像回数をさらに低減でき、無駄時間の削減を実現できることになる。
【0054】
さらに撮像回数決定に際して、目標誤差σTGは、予め定めた固定値でもよいが、ユーザによって指定された指定値でもよい。例えば目標誤差σTGが1cmで指定されたときの判定式3の右辺値σn 2/12は、逐次分散σn 2そのものになるため、図4のグラフには現在の撮像回数n(実線)が逐次分散σn 2(破線)を超えた時点Bも示されている。つまり第一距離画像の撮像回数nが92回目のときに、ようやく第二距離画像における測距誤差σn 2が所定の信頼度で目標誤差1cm以下になることを示している。なお、このとき平均値Aveは100.61cmであり、この値が第二距離画像の測距値となる。
【0055】
図5は逐次方式による撮像回数決定処理の流れを示している。先ずステップS20では、1回目の撮像(n=1)で第一距離画像を取得する。ステップS21では、取得した画像に基づき、必要に応じて合成対象の画像領域を手動で指定するか、又は対象物Wの少なくとも一部を写した画像領域を自動で特定する。
【0056】
ステップS22では、第一距離画像をさらに取得し(n=n+1)、ステップS23で複数の第一距離画像(の画像領域)を合成して(平均化処理等を行って)第二距離画像を生成する。なお、ステップS23における第一距離画像の合成処理が、対応する画素毎に距離を平均化する平均化処理でない場合には、合成処理は撮像回数nを決定した後(即ち、ステップS25の後)に行ってもよい。
【0057】
ステップS24では、第二距離画像における測距誤差の推定に必要な距離の分散σn 2を逐次計算する。このとき、複数の第一距離画像(の画像領域)の間で対応する画素の単位で又は複数の第一距離画像(の画像領域)内で対応する画素領域の単位で分散σn 2を計算してもよい。
【0058】
ステップS25では、逐次計算した分散σn 2と撮像回数nとの間の関係を表す判定式4を満たす撮像回数nであるかを判定する。換言すれば、第一距離画像の取得終了を判定することにより、第一距離画像の撮像回数nが自動的に決定されることになる。
【0059】
ステップS25において撮像回数nが判定式4を満たさない場合には(ステップS25のNO)、ステップS22に戻り、第一距離画像をさらに取得する。
【0060】
ステップS25において撮像回数nが判定式4を満たす場合には(ステップS25のYES)、第一距離画像の取得を終了し、この時の第二距離画像が最終的な第二距離画像となる。
【0061】
なお、測距値の本来のバラツキに反し、最初の数個の測距値が偶発的に同程度の値であった場合には、逐次計算した分散σn 2が小さくなり、第二距離画像の誤差が所望の値以下になっていないにも拘わらず、判定式4を満たしてしまう可能性がある。この可能性を排除するため、ステップS25の判定前にn≧K(Kは、最低撮像回数)の判定ステップを設けてもよい。
【0062】
また、ステップS22~ステップS25までのループは、第一距離画像の全領域又はステップS21で指定された画像領域の全画素で判定式4が成立するまで続けてもよいし、又は画素故障等に配慮して画像領域内の画素数に対して予め定めた割合の画素で判定式4が成立したらループを抜けるようにしてもよく、また最大撮像回数を指定し最大撮像回数を超えた場合にはループを抜けるようにしてもよい。従って、距離画像撮像システム1は最低撮像回数指定部や、判定式4の成立割合を指定する成立割合指定部や、最大撮像回数指定部を備えていてもよい。例えばユーザインタフェース上でユーザがこれらを指定するための数値入力欄等を備えているとよい。
【0063】
次に第二距離画像における測距誤差の信頼度を指定する変形例について説明する。一般に値のバラツキが正規分布的である場合、サンプル数を大きくすることで高い精度で平均値を推定できるが、真の平均値に対して誤差は残存する。そのため、統計学では、信頼区間と、許容誤差ε、サンプル数n、及び偏差σとの間の関係を定義している。図6は標準正規分布N(0,1)において信頼区間95%との関係を示すグラフであるが、-1.96σ~+1.96σの範囲に95%の面積(=確率)が分布することを示している。従って母集団の偏差σが既知で、信頼区間を95%とした場合、許容誤差εとサンプル数nとの間には次式の関係がある。
【0064】
【数8】
【0065】
従って、目標誤差σTGを95%の信頼度で達成するための撮像回数Nは、関数方式の場合、推定した第一距離画像における測距誤差σ1から次式で求めることが可能である。
【0066】
【数9】
【0067】
同様に逐次方式では、目標誤差σTGを95%の信頼度で達成する撮像回数nであるか否かは、次式で判定すればよいことになる。
【0068】
【数10】
【0069】
このように95%信頼区間の場合、信頼係数は1.96であるが、90%信頼区間の場合には信頼係数が1.65になり、99%信頼区間の場合には信頼係数が2.58になる。さらに信頼係数を1とした場合の信頼区間は68.3%になる。従って、前述してきた関数方式や逐次方式で決定される撮像回数は、推定した測距誤差が68.3%の信頼度で目標誤差σTG以下となる撮像回数であることに留意されたい。
【0070】
このように目標誤差に対して信頼度を付加した指定が行えることで、許容誤差に対してより直感的な指定が可能になり、ユーザの要望に応じた信頼度で第二距離画像を生成することが可能になる。図1を再び参照すると、距離画像撮像システム1は、このような信頼度cdを指定する信頼度指定部26をさらに備えていてもよい。信頼度cdは、信頼区間ciでもよいし、又は信頼係数ccでもよい。例えばユーザインタフェース上でユーザが信頼度cdを指定するための数値入力欄等を備えているとよい。
【0071】
図7は距離画像撮像システム1の構成の変形例を示している。距離画像撮像システム1は、前述の距離画像撮像システムとは異なり、上位コンピュータ装置20を備えていない。つまり上位コンピュータ装置20に実装されていた構成要素は全て、ロボット制御装置30に組込まれている。この場合、ロボット制御装置30が撮像指令を画像取得部10に対して行うことになる。一台のロボット40と一台のロボット制御装置30を備えるロボットシステムでは、このようなスタンドアロン構成が好適である。なお、上位コンピュータ装置20に実装されていた構成は全て、測距センサの一部の機能として実装されてもよい。
【0072】
なお、前述のプロセッサで実行されるプログラムや前述のフローチャートを実行するプログラムは、コンピュータ読取り可能な非一時的記録媒体、例えばCD-ROM等に記録して提供してもよいし、或いは有線又は無線を介してWAN(wide area network)又はLAN(local area network)上のサーバ装置から配信して提供してもよい。
【0073】
以上の実施形態によれば、撮像回数が自動的に調整されるため、対象物Wが変化しても安定した測距精度と無駄時間の削減を実現した画像合成技術を提供できる。
【0074】
本明細書において種々の実施形態について説明したが、本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において種々の変更を行えることを認識されたい。
【符号の説明】
【0075】
1 距離画像撮像システム
10 画像取得部(測距センサ)
20 上位コンピュータ装置
21 画像合成部
22 撮像回数決定部
23 目標誤差指定部
24 画像領域指定部
25 対象物特定部
26 信頼度指定部
30 ロボット制御装置
31 動作制御部
40 ロボット
41 ツール
50 搬送装置
W 対象物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9