(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】装置の投薬量を判定するための方法および器具
(51)【国際特許分類】
G16H 20/17 20180101AFI20231226BHJP
A61M 5/315 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
G16H20/17
A61M5/315 550N
A61M5/315 550L
(21)【出願番号】P 2022513653
(86)(22)【出願日】2020-08-25
(86)【国際出願番号】 US2020047742
(87)【国際公開番号】W WO2021041378
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-02-28
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【氏名又は名称】藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュース,ジェフリー スターリング
(72)【発明者】
【氏名】ヒー,シュアンヤオ
(72)【発明者】
【氏名】シュー,チエ
【審査官】吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0012205(US,A1)
【文献】特表2013-521963(JP,A)
【文献】国際公開第2019/057460(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
A61M 5/315
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の薬物送達装置によってユーザに注射された用量を判定するためのコンピュータにより実行される方法であって、前記方法が、
1つ以上の薬物送達装置に関連付けられている1つ以上の注射イベントを含む注射イベントグループを示すデータにアクセスすることであって、前記1つ以上の薬物送達装置の各々が、
ユーザが前記薬物送達装置の注射のための投薬量を調整することを可能にする用量調整メカニズムと、
複数回の投薬のための薬物を保持するのに十分なサイズのリザーバと、
注射毎に分注された投薬の量を検出するための1つ以上のセンサと、
分注された投薬の量および分注された時間を通信する無線通信ユニットと、を備える、アクセスすることと、
前記注射イベントグループが薬物送達装置の変更に関連するかどうかを判定することと、
前記注射イベントグループが前記薬物送達装置の変更に関連しないと判定すると、
前記注射イベントグループのうちどの注射イベントがプライミング注射イベントとして指定されるべきかを決定することにより、第1の用量検出アルゴリズムに基づいて前記注射イベントグループを分析して、ユーザに投与された用量を判定することと、
前記注射イベントグループが前記薬物送達装置の変更に関連すると判定すると、
前記注射イベントグループのうちどの注射イベントがプライミング注射イベントとして指定されるべきかを決定することにより、前記第1の用量検出アルゴリズムと異なる第2の用量検出アルゴリズムに基づいて前記注射イベントグループを分析して、前記ユーザに投与された前記用量を判定することと、
を含む、コンピュータにより実行される方法。
【請求項2】
前記1つ以上の薬物送達装置が、以前の薬物送達装置と新しい薬物送達装置とを含み、
前記注射イベントグループが前記薬物送達装置の変更に関連するかどうかを判定することが、前記注射イベントグループの所定の時間ウィンドウ内に前記以前の薬物送達装置の使用から前記新しい薬物送達装置の使用に
前記ユーザが切り替えたかどうかを判定することを含む、請求項1に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項3】
前記1つ以上の薬物送達装置が、1つの薬物送達装置を含み、
前記注射イベントグループが前記薬物送達装置の変更に関連するかどうかを判定することが、前記注射イベントグループの所定の時間ウィンドウ内に前記1つの薬物送達装置の交換可能な薬物カートリッジの変更があるかどうかを判定することを含む、請求項1に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項4】
前記第1の用量検出アルゴリズムに基づいて前記注射イベントグループを分析することが、
前記注射イベントグループの注射イベントの数が2より大きいと判定することと、
前記用量が前記注射イベントグループの最新の注射イベントに関連付けられている注射された量に等しいと判定することであって、前記最新の注射イベントが、前記注射イベントグループの他のどの注射イベントよりも時間的に遅く発生している、判定することと、を含む、請求項1に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項5】
前記最新の注射イベントが真の注射イベントに指定され、前記注射イベントグループの他のすべての注射イベントが各々、プライミング注射イベントに指定される、請求項4に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項6】
前記第1の用量検出アルゴリズムに基づいて前記注射イベントグループを分析することが、
前記注射イベントグループの注射イベントの数が2に等しいと判定することであって、前記注射イベントグループが、
第1の時間に関連付けられている第1の注射イベントと、
前記第1の時間より遅い第2の時間に関連付けられている第2の注射イベントと、を含む、判定することと、
前記第1の注射イベントに関連付けられている第1の注射量が、前記第2の注射イベントに関連付けられている第2の注射量よりも多いかどうかを判定することと、を含む、請求項1に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項7】
前記第1の注射イベントが前記第2の注射イベントよりも大きいと判定すると、前記第1の注射量および前記第2の注射量の合計に基づいて前記用量を判定することをさらに含む、請求項6に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項8】
前記第1の注射イベントが前記第2の注射イベントよりも大きくないと判定すると、前記用量が前記第2の注射量に等しいと判定することをさらに含む、請求項6に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項9】
前記第1の注射イベントが、プライミング注射イベントに指定される、請求項8に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項10】
前記第2の用量検出アルゴリズムに基づいて前記注射イベントグループを分析することが、前記薬物送達装置の変更に関連付けられている変更時間が(i)前記注射イベントグループの各注射イベントに関連付けられている各時間よりも遅いかもしくは早いか、または(ii)前記注射イベントグループの少なくとも1つの注射イベントに関連付けられている時間より遅い、および前記注射イベントグループの少なくとも1つの他の注射イベントに関連付けられている別の時間よりも早いかどうかを判定することを含む、請求項1に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項11】
前記変更時間が前記注射イベントグループの各注射イベントに関連付けられている各時間よりも遅いかまたは早いと判定すると、前記用量が前記注射イベントグループの最新の注射イベントに関連付けられている注射された量に等しいと判定することであって、前記最新の注射イベントが、前記注射イベントグループの他のどの注射イベントよりも時間的に遅く発生している、判定すること、をさらに含む、請求項10に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項12】
前記注射イベントグループの残りの注射イベントが、プライミング注射イベントに指定される、請求項11に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項13】
前記変更時間が、前記注射イベントグループの少なくとも1つの注射イベントに関連付けられている時間よりも遅く、前記注射イベントグループの少なくとも1つの他の注射イベントに関連付けられている別の時間よりも早いと判定されると、
前記変更時間の前に発生した時間に関連付けられている前記注射イベントグループの各注射イベントを含む第1のサブ注射イベントグループと、
前記変更時間の後に発生した時間に関連付けられている前記注射イベントグループの各注射イベントを含む第2のサブ注射イベントグループと、を判定することをさらに含む、請求項10または11に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項14】
前記用量を判定することであって、
前記第1のサブ注射イベントグループの第1の最新の注射イベントであって、前記第1の最新の注射イベントが、前記第1のサブ注射イベントグループの他のどの注射イベントよりも時間的に遅く発生している、第1の最新の注射イベントと、
前記第2のサブ注射イベントグループの第2の最新の注射イベントであって、前記第2の最新の注射イベントが、前記第2のサブ注射イベントグループの他のどの注射イベントよりも時間的に遅く発生している、第2の最新の注射イベントと、の合計に基づく、判定すること、をさらに含む、請求項13に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項15】
前記第1のサブ注射イベントグループの残りの注射イベントおよび前記第2のサブ注射イベントグループの残りの注射イベントが、プライミング注射イベントに指定される、請求項14に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項16】
前記注射イベントグループを判定すること、をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項17】
前記注射イベントグループを判定することが、複数の注射イベントが所定の基準を満たすことを判定することを含み、
前記複数の注射イベントが所定の基準を満たすことを判定することが、前記複数の注射イベントの各注射イベントについて、前記注射イベントに関連付けられている時間が、前記複数の注射イベントにおける以前の注射イベントの所定の期間内にあることを判定することを含む、請求項16に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項18】
命令を含むコンピュータプログラムであって、前記命令が、コンピューティング装置の1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、前記1つ以上のプロセッサに、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法を実行させるように動作可能である、プログラム。
【請求項19】
命令を格納するメモリと、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法を実施するために前記命令を実行するように構成されたプロセッサと、を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
薬物送達装置には、ある用量の薬物を注射する注射タイプの送達装置が含まれる。多目的注射装置には、多くの場合、薬物を保持するリザーバと、ユーザが各注射に必要な投薬サイズを設定できる用量設定メカニズムが含まれている。インスリンペンは、多目的注射装置の一例である。インスリンペンは、数日または数週間などの長期間にわたる複数回の投薬に十分なインスリンのリザーバを含む。インスリンペンを使用すると、ユーザは各注射で送達する単位の量を具体的にダイヤルすることもできる。
【0002】
インスリンペンなどの薬物送達装置を使用する患者は、毎日の全体的な注射の数、および各注射についての投薬サイズを含み得る、処方された投薬スケジュールに従う必要がある。患者は、各注射および投薬サイズを手動で追跡する必要があり、これは、面倒で退屈で、人為的エラーが発生しやすい場合があり得る。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、注射用量情報を判定するための技術に関する。いくつかの実施形態では、技術は、複数の注射イベントを処理して、非イベント(例えば、プライミングイベント(priming events))を実際の注射された用量から区別することができる。いくつかの実施形態では、技術は、変化イベントを考慮して注射された用量を判定するために、変更情報(例えば、薬物カートリッジの変更および/または薬物送達装置の切り替え)を分析に組み込むことができる。
【0004】
以下の態様を含むがこれらに限定されない様々な態様が、この開示に記載されている。
【0005】
1.1つ以上の薬物送達装置によってユーザに注射された用量を判定するためのコンピュータ化された方法であって、方法が、1つ以上の薬物送達装置に関連付けられている1つ以上の注射イベントを含む注射イベントグループを示すデータにアクセスすることであって、1つ以上の薬物送達装置の各々が、ユーザが薬物送達装置の注射のための投薬量を調整することを可能にする用量調整メカニズムと、複数回の投薬のための薬物を保持するのに十分なサイズのリザーバと、注射毎に分注された投薬の量を検出するための1つ以上のセンサと、分注された投薬の量および分注された時間を通信する無線通信ユニットと、を備える、アクセスすることと、注射イベントグループが薬物送達装置の変更に関連するかどうかを判定することと、注射イベントグループが薬物送達装置の変更に関連しないと判定すると、第1の用量検出アルゴリズムに基づいて注射イベントグループを分析して、ユーザに投与された用量を判定することと、注射イベントグループが薬物送達装置の変更に関連する判定すると、第2の用量検出アルゴリズムに基づいて注射イベントグループを分析して、ユーザに投与された用量を判定することと、を含む、コンピュータ化された方法。
【0006】
2.1つ以上の薬物送達装置が、以前の薬物送達装置と新しい薬物送達装置とを含み、注射イベントグループが薬物送達装置の変更に関連するかどうかを判定することが、ユーザが、注射イベントグループの所定の時間ウィンドウ内に以前の薬物送達装置の使用から新しい薬物送達装置の使用に切り替えたかどうかを判定することを含む、態様1に記載のコンピュータ化された方法。
【0007】
3.1つ以上の薬物送達装置が、1つの薬物送達装置を含み、注射イベントグループが薬物送達装置の変更に関連するかどうかを判定することが、注射イベントグループの所定の時間ウィンドウ内に1つの薬物送達装置の交換可能な薬物カートリッジの変更があるかどうかを判定することを含む、態様1に記載のコンピュータ化された方法。
【0008】
4.第1の用量検出アルゴリズムに基づいて注射イベントグループを分析することが、注射イベントグループの注射イベントの数が2より大きいと判定することと、用量が注射イベントグループの最新の注射イベントに関連付けられている注射された量に等しいと判定することであって、最新の注射イベントが、注射イベントグループの他のどの注射イベントよりも時間的に遅く発生している、判定することと、を含む、態様1に記載のコンピュータ化された方法。
【0009】
5.最新の注射イベントが真の注射イベントに指定され、注射イベントグループの他のすべての注射イベントが各々、プライミング注射イベントに指定される、態様4に記載のコンピュータ化された方法。
【0010】
6.第1の用量検出アルゴリズムに基づいて注射イベントグループを分析することが、注射イベントグループの注射イベントの数が2に等しいと判定することであって、注射イベントグループが、第1の時間に関連付けられている第1の注射イベントと、第1の時間より遅い第2の時間に関連付けられている第2の注射イベントと、を含む、判定することと、第1の注射イベントに関連付けられている第1の注射量が、第2の注射イベントに関連付けられている第2の注射量よりも多いかどうかを判定することと、を含む、態様1に記載のコンピュータ化された方法。
【0011】
7.第1の注射イベントが第2の注射イベントよりも大きいと判定すると、第1の注射量および第2の注射量の合計に基づいて用量を判定することをさらに含む、態様6に記載のコンピュータ化された方法。
【0012】
8.第1の注射イベントが第2の注射イベントよりも大きくないと判定すると、用量が第2の注射量に等しいと判定することをさらに含む、態様6に記載のコンピュータ化された方法。
【0013】
9.第1の注射イベントが、プライミング注射イベントに指定される、態様8に記載のコンピュータ化された方法。
【0014】
10.第2の用量検出アルゴリズムに基づいて注射イベントグループを分析することが、薬物送達装置の変更に関連付けられている変更時間が(i)注射イベントグループの各注射イベントに関連付けられている各時間よりも遅いかもしくは早いか、または(ii)注射イベントグループの少なくとも1つの注射イベントに関連付けられている時間より遅い、および注射イベントグループの少なくとも1つの他の注射イベントに関連付けられている別の時間よりも早いかどうかを判定することを含む、態様1に記載のコンピュータ化された方法。
【0015】
11.変更時間が注射イベントグループの各注射イベントに関連付けられている各時間よりも遅いかまたは早いと判定すると、用量が注射イベントグループの最新の注射イベントに関連付けられている注射された量に等しいと判定することであって、最新の注射イベントが、注射イベントグループの他のどの注射イベントよりも時間的に遅れて発生している、判定すること、をさらに含む、態様10に記載のコンピュータ化された方法。
【0016】
12.残りの注射イベントが、プライミング注射イベントに指定される、態様11に記載のコンピュータ化された方法。
【0017】
13.変更時間が、注射イベントグループの少なくとも1つの注射イベントに関連付けられている時間よりも遅く、注射イベントグループの少なくとも1つの他の注射イベントに関連付けられている別の時間よりも早いと判定されると、変更時間の前に発生した時間に関連付けられている注射イベントグループの各注射イベントを含む第1のサブ注射イベントグループと、変更時間の後に発生した時間に関連付けられている注射イベントグループの各注射イベントを含む第2のサブ注射イベントグループと、を判定することを含む、態様10または11に記載のコンピュータ化された方法。
【0018】
14.用量を判定することであって、第1のサブ注射イベントグループの第1の最新の注射イベントであって、第1の最新の注射イベントが、第1のサブ注射イベントグループの他のどの注射イベントよりも時間的に遅く発生している、第1の最新の注射イベントと、第2のサブ注射イベントグループの第2の最新の注射イベントであって、第2の最新の注射イベントが、第2のサブ注射イベントグループの他のどの注射イベントよりも時間的に遅く発生している、第2の最新の注射イベントと、の合計に基づく、判定すること、さらに含む、態様13に記載のコンピュータ化された方法。
【0019】
15.第1のサブ注射イベントグループの残りの注射イベントおよび第2のサブ注射イベントグループの残りの注射イベントが、プライミング注射イベントに指定される、態様14に記載の方法。
【0020】
16.注射イベントグループを判定すること、をさらに含む、態様1に記載の方法。
【0021】
17.注射イベントグループを判定することが、複数の注射イベントが所定の基準を満たすことを判定することを含み、複数の注射イベントが所定の基準を満たすことを判定することが、複数の注射イベントの各注射イベントについて、注射イベントに関連付けられている時間が、複数の注射イベントにおける以前の注射イベントの所定の期間内にあることを判定することを含む、態様16に記載の方法。
【0022】
18.命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令が、コンピューティング装置の1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、1つ以上のプロセッサに、態様1~17のいずれか一つに記載の方法を実行させるように動作可能である、非一時的コンピュータ可読媒体。
【0023】
19.命令を格納するメモリと、態様1~17のいずれか一つに記載の方法を実施するために命令を実行するように構成されたプロセッサと、を備える、システム。
【0024】
20.1つ以上の薬物送達装置によってユーザに注射された用量を判定するためのコンピュータ化された方法であって、方法が、1つ以上の薬物送達装置に関連付けられている1つ以上の注射イベントを含む注射イベントグループを示すデータにアクセスすることであって、1つ以上の注射イベントの各々が、所定の期間内に発生し、1つ以上の薬物送達装置の各々が、ユーザが薬物送達装置の注射のための投薬量を調整することを可能にする用量調整メカニズムと、複数回の投薬のための薬物を保持するのに十分なサイズのリザーバと、注射毎に分注された投薬の量を検出するための1つ以上のセンサと、分注された投薬の量および分注された時間を通信する無線通信ユニットと、を備える、アクセスすることと、ユーザに投与された用量を判定することであって、判定することが、注射イベントグループが、第1の注射イベントと、第1の注射イベントの後に発生する第2の注射イベントとを含むかどうかを判定することと、注射イベントグループが、第1の注射イベントと、第2の注射イベントとを含むと判定すると、第1の注射イベントが、第1の注射イベントと第2の注射イベントとの間の期間に基づいて、ユーザに投与された用量またはユーザに投与されなかったプライミング用量に関連するかどうかを判定することと、を含む、判定することと、を含む、コンピュータ化された方法。
【0025】
21.所定の期間が、4~6分である、態様20に記載のコンピュータ化された方法。
【0026】
22.ユーザに投与された用量を判定することが、注射イベントグループの注射イベントが、注射イベントの投薬サイズに基づいて、ユーザに投与された用量またはユーザに投与されなかったプライミング用量に関連するどうかを判定することを含む、態様20に記載のコンピュータ化された方法。
【0027】
23.投薬サイズが、第1の所定の閾値よりも大きいかどうかを判定することと、投薬サイズが第1の所定の閾値よりも大きいと判定すると、注射イベントが、ユーザに投与された用量に関連すると判定することと、投薬サイズが第1の所定の閾値よりも大きくないと判定すると、注射イベントグループの注射イベントの後に次の注射イベントが発生するかどうかに基づいて、ユーザに投与された用量を判定することと、をさらに含む、態様22に記載のコンピュータ化された方法。
【0028】
24.第1の所定の閾値は、9~11単位の投薬サイズである、態様23に記載のコンピュータ化された方法。
【0029】
25.投薬サイズが第1の所定の閾値より大きくないと判定すると、注射イベントグループの注射イベントの後に次の注射イベントが発生するかどうかを判定することと、注射イベントグループの次の注射イベントがないと判定すると、注射イベントが、ユーザに投与された用量に関連すると判定することと、注射イベントグループの次の注射イベントがあると判定すると、注射イベントと注射イベントグループの次の注射イベントとの間の期間に基づいて、ユーザに投与された用量を判定することと、をさらに含む、態様23に記載のコンピュータ化された方法。
【0030】
26.第1の注射イベントと第2の注射イベントとの間の期間に基づいてユーザに投与された用量を判定することが、期間が第2の所定の閾値未満であるかどうかを判定することと、期間が第2の所定の閾値未満であると判定すると、第1の注射イベントが、ユーザに投与されなかったプライミング用量に関連すると判定することと、期間が第2の所定の閾値未満でないと判定すると、第1の注射イベントの投薬サイズに基づいてユーザに投与された用量を判定することと、を含む、態様20に記載のコンピュータ化された方法。
【0031】
27.第2の所定の閾値が、75~85秒の期間である、態様26に記載のコンピュータ化された方法。
【0032】
28.第1の注射イベントの投薬サイズに基づいてユーザに投与された用量を判定することが、投薬サイズが第3の所定の閾値よりも大きいかどうかを判定することと、投薬サイズが第3の所定の閾値よりも大きいと判定すると、第1の注射イベントが、ユーザに投与された用量に関連してのものであると判定することと、投薬サイズが第3の所定の閾値よりも大きくないと判定すると、第1の注射イベントが、ユーザに投与されなかったプライミング用量に関連すると判定することと、を含む、態様26に記載のコンピュータ化された方法。
【0033】
29.第3の所定の閾値が、4~5単位の投薬サイズである、態様28に記載のコンピュータ化された方法。
【0034】
30.命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令が、コンピューティング装置の1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、1つ以上のプロセッサに、態様20~29のいずれか一つに記載の方法を実行させるように動作可能である、非一時的コンピュータ可読媒体。
【0035】
31.命令を格納するメモリと、態様20~29のいずれか一つに記載の方法を実施するために命令を実行するように構成されたプロセッサと、を備える、システム。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本開示のさらなる実施形態、ならびにその特徴および利点は、添付の図面と併せて本明細書の説明を参照することによってより明らかになるであろう。図中の構成要素は必ずしも縮尺通りではない。さらに、図面において、同様の参照番号は、異なる図を通して対応する部分を示す。
【0037】
【
図1】いくつかの例による、薬物送達装置の例示的な例を示す図である。
【
図2】いくつかの実施形態による、注射イベントグループを判定するための例示的なコンピュータ化されたプロセスを示すフローチャートである。
【
図3A】いくつかの実施形態による、注射イベントグループの例を示す表である。
【
図3B】いくつかの実施形態による、注射イベントグループの例を示す表である。
【
図4A】いくつかの実施形態による、注射イベントグループに基づいて用量を判定するための例示的なコンピュータ化されたプロセスを示すフローチャートである。
【
図4B】いくつかの実施形態による、注射イベントグループに基づいて用量を判定するための例示的なコンピュータ化されたプロセスを示すフローチャートである。
【
図5A】いくつかの実施形態による、薬物送達装置の変更に関連しない注射イベントグループの用量判定の例を示す表である。
【
図5B】いくつかの実施形態による、薬物送達装置の変更に関連しない注射イベントグループの用量判定の例を示す表である。
【
図5C】いくつかの実施形態による、薬物送達装置の変更に関連しない注射イベントグループの用量判定の例を示す表である。
【
図6A】いくつかの実施形態による、薬物送達装置の変更に関連する注射イベントグループの用量判定の例を示す表である。
【
図6B】いくつかの実施形態による、薬物送達装置の変更に関連する注射イベントグループの用量判定の例を示す表である。
【
図7】いくつかの実施形態による、所定の期間内に発生する1つ以上の注射イベントを含む注射イベントグループに基づいて用量を判定するための例示的なコンピュータ化されたプロセスを示すフローチャートである。
【
図8A】いくつかの実施形態による、注射イベントが5分の所定の期間内に発生する例示的な注射イベントグループの用量判定の例を示す表である。
【
図8B】いくつかの実施形態による、注射イベントが5分の所定の期間内に発生する例示的な注射イベントグループの用量判定の例を示す表である。
【
図8C】いくつかの実施形態による、注射イベントが5分の所定の期間内に発生する例示的な注射イベントグループの用量判定の例を示す表である。
【
図8D】いくつかの実施形態による、注射イベントが5分の所定の期間内に発生する例示的な注射イベントグループの用量判定の例を示す表である。
【
図8E】いくつかの実施形態による、注射イベントが5分の所定の期間内に発生する例示的な注射イベントグループの用量判定の例を示す表である。
【
図9】いくつかの実施形態による、注射イベントグループに基づいて用量を判定するための例示的なコンピュータ化されたプロセスを示すフローチャートである。
【
図10A】いくつかの実施形態による、例示的な注射イベントグループの用量判定の例を示す表である。
【
図10B】いくつかの実施形態による、例示的な注射イベントグループの用量判定の例を示す表である。
【
図10C】いくつかの実施形態による、例示的な注射イベントグループの用量判定の例を示す表である。
【
図11】いくつかの実施形態による、本明細書に記載のコンピュータ化されたプロセスを実施するための例示的なシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本開示の原理の理解を促進するために、次に、図面に例示された実施形態を参照し、特定の言語を使用して、これを説明する。しかしながら、これによって本発明の範囲を限定することを意図しないことが理解されるだろう。
【0039】
本開示は、用量注射情報を正確に判定するための技術に関する。インスリンペンなどの薬物送達装置は、使い捨てまたは再利用可能のいずれかであり得る。ユーザがリザーバ内のインスリンを使い果たすと、使い捨てペンは廃棄され、完全に交換される。再利用可能なペンには、インスリンカートリッジを受容するポートがある。カートリッジが使い果たされると、ユーザは古いカートリッジを廃棄して新しいカートリッジを挿入できる。例えば、2007年3月27日に発行され、MEDICATION INJECTOR APPARATUS WITH DRIVE ASSEMBLY THAT FACILITATES RESETと題され、本明細書全体に参照により組み込まれる米国特許第7,195,616号は、再利用可能なインスリンペンの例を記載している。
【0040】
インスリンペンは通常、使用前に定期的にプライミングしておく必要がある。プライミングには、通常、ユーザが意図的に少量のインスリンを(例えば、空気中に)排出して、針内、またはペンのインスリンリザーバと針先との間の流体経路の他の場所にある過剰な空気を取り除くことが含まれる。使用前にペンが適切にプライミングされていない場合、針および/または流体経路内の空気により、ペンが要求されたインスリンの量より少なく注射する可能性がある。
【0041】
ユーザが注射および用量を手動で追跡するのは面倒でエラーが発生しやすいため、薬物送達装置には、インスリン注射の時間および投薬サイズを含む、注射イベント情報を無線で報告できる無線機能(例えば、WiFi、Bluetooth、NFCなど)を含めることができる。本明細書で使用される場合、「注射イベント」は、特定の時間に送達されるインスリンの個別の用量を指すことができる。注射イベント情報は、スマートフォン(例えば、モバイルアプリケーションの実行)またはクラウドサーバなどのリモート装置に伝達され得る。インスリンが患者の体内に注射される真の注射用量と、患者に注射されないプライミング用量とを区別する必要がある。プライミング用量が実際の用量と間違えられた場合、リモート装置および/またはクラウドサーバは、ユーザが実際に注射したよりも多くのインスリンを注射したと誤って判定する可能性がある。そのような誤った判定は、次に、ユーザのインスリン用量ログの有効性、および内蔵されているインスリンの量(例えば、ユーザの身体を循環する未使用のアクティブなインスリンの量)の計算に影響を与える可能性がある。インスリン内蔵計算が正しくないと、後のボーラス計算の有効性に影響を与える可能性がある。
【0042】
また、ユーザが1回の用量を2つ以上のペン(例えば、使い捨てのインスリンペン)に分割したり、投薬の途中で再利用可能なペンのインスリンカートリッジを交換したりする分割用量を特定する必要もある。
【0043】
次の例は、プライミング用量および分割用量の両方を検出する必要があることを示している。ユーザが15単位のインスリンを投与する必要があるが、ペンには7単位しか残っていないとする。ユーザは、少ない用量の2単位を空中に放出することにより、ペンをプライミングし得る。次に、ユーザは残りの5単位を注射する。次に、ユーザは空のペンを廃棄し、新しいペンを選択する(または、ペンが再利用可能なペンの場合は、使用済みのインスリンカートリッジを交換する)。ユーザは、針に空気が残っていないことを認識するまで、それぞれ2単位の3つの少ない用量を排出することによって新しいペン(または新しいインスリンカートリッジ)をプライミングする。新しいペンまたはカートリッジが適切にプライミングされると、ユーザは残りの10単位を注射する。
【0044】
この例の注射イベントデータを受信する装置は、次の一連の注射用量2、5、2、2、2および10単位のインスリンを示すデータを受信する。装置がこれらの用量のすべてが実際の用量であると想定した場合、ユーザが実際に摂取したインスリンの量を過大評価する(例えば、実際には15単位しか注射しなかったのに、ユーザが23単位のインスリンを注射したと判定する)。したがって、実際に患者に注射された実際の用量とプライミング用量とを区別し、用量が2つの別々のペンまたはカートリッジに分割された時期を特定する必要がある。
【0045】
本明細書に記載の技術は、薬物送達装置によって患者に注射された用量を正確に判定することを提供するコンピュータ実装技術(例えば、携帯電話アプリケーションまたはクラウドベースのアプリケーションなどのコンピュータアプリケーション)を提供する。いくつかの実施形態では、技術は、例えば、注射イベント時間に基づいて(例えば、互いに5分以内に発生する注射イベントをグループ化することによって)、注射イベントのグループを判定するように構成することができる。そのような注射イベントグループは、1つ以上の注射イベントの任意のグループを含み得る。いくつかの実施形態では、技術は、注射イベントグループが装置の変更に関連するかどうかに応じて注射イベントグループを処理するように構成することができる(例えば、ユーザが新しい使い捨て薬物送達装置に切り替える、および/または再利用可能な薬物送達装置の薬物カートリッジを変更する)。注射イベントグループが装置の変更に関連付けられていない場合、技術は、装置の変更に関連付けられていない注射イベントグループの用量情報を判定するように構成された第1のアルゴリズムに従って注射イベントグループを処理することができる。注射イベントグループが装置の変更に関連する場合、技術は、装置の変更に関連する注射イベントグループの用量情報を判定するように構成された第2のアルゴリズムを使用して注射イベントグループを処理することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、技術は、ある期間内に発生する注射イベントのグループを判定するように構成することができる(例えば、5分の期間内に発生する注射イベント)。いくつかの実施形態では、ユーザに投与された用量は、注射イベントの各々がユーザに投与された用量またはユーザに投与されなかったプライミング用量に関連するかどうかを判定することによって判定され得る。この判定は、注射イベントグループが第1の注射イベントおよび第1の注射イベントの後に発生する第2の注射イベントを含むかどうかを判定することを含むことができる。注射イベントグループが第1の注射イベントおよび第2の注射イベントを含むと判定すると、判定は、第1の注射イベントと第2の注射イベントとの間の期間にさらに基づくことができる。
【0047】
様々な実施形態を説明してきたが、さらに多くの実施形態および実装が可能であることが当業者には明らかであろう。したがって、本明細書に記載の実施形態は例であり、唯一の可能な実施形態および実装ではない。さらに、上述の利点は必ずしも唯一の利点ではなく、記載された利点のすべてが各実施形態で達成されるとは必ずしも予想されない。
【0048】
図1は、いくつかの例による、薬物送達装置20の例示的な例である。薬物送達装置20は、再利用可能な薬物注射ペンである。そのタイプの再利用可能な装置で全般的に知られているように、注射ペン20は、概して26で指定される再利用可能なペンベースに接続される、概して24で指定されるカートリッジアセンブリの一部として薬物充填カートリッジまたはリザーバ22を含む。カートリッジまたはリザーバ22は、複数回の投薬のための薬物を保持するのに十分なサイズである。ペンベース26は、好ましくは、ある量の薬物を選択し、次に、それに取り付けられて示される注射針アセンブリ27を介してカートリッジアセンブリ24から排出されることを可能にするように機能する用量設定および注射メカニズムを含む。示されるように、ペンベース26の後端または近位端に回転可能なボタン30を備えた露出ノブ28は、そうでなければペンベース26内に収容される用量設定および注射メカニズムの手動で操作可能な部分である。用量設定プロセス中、ノブ28は、用量を設定するために回転可能であるように設計され、ノブ28がそのように回転されて選択された用量を増加させると、ノブ28およびボタン30は、
図1に示される軸方向位置からペンベース26の外に、または
図1のビューアの観点から右に平行移動する。用量設定プロセスの後に発生する用量注射プロセス中に、ノブ28に対して自由に回転するボタン30にプランジ力が加えられると、ボタン30およびノブ28は、左にシフトされ、
図1に示すように軸方向位置に戻るように設計され、ペンベース内に収容された注射メカニズム構成要素を作動させて、カートリッジ内の薬物を注射させる。
【0049】
いくつかの実施形態では、薬物送達装置は、各注射のために分注された用量を検出するために使用される1つ以上のセンサを含むことができる。例えば、薬物送達装置は、薬物送達装置の構成要素の動きおよび/または変更を検出するように構成された1つ以上のセンサを含むことができる。そのようなセンサの例には、磁場センサ、スイッチ、加速度計、ジャイロスコープなどが含まれ得る。別の例として、薬物送達装置は、用量設定部材の設定を判定するためのセンサを含むことができる。上記の参照によりその全体が組み込まれた米国特許第7,195,616号には、そのようなセンサのいくつかの非限定的な例が含まれている。
【0050】
いくつかの実施形態では、薬物送達装置は、ユーザが薬物カートリッジを変更したとき(例えば、ユーザがリザーバ22を変更したとき)を検出するために使用される1つ以上のセンサを含むことができる。例えば、薬物送達装置は、薬物送達装置へのカートリッジの取り外しおよび/または挿入を検出するための1つ以上のスイッチおよび/または圧力センサを含むことができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、薬物送達装置は、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラユニット(MCU)、特定用途向け集積回路(ASIC)などのような処理ユニット(または複数のユニット)を含むことができる。いくつかの実施形態では、処理ユニットは、センサから生成されたデータを使用して、注射の用量および/またはカートリッジの挿入/取り外しを判定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、処理ユニットは、注射の用量を判定することを含む、本明細書に記載の技術を実行するように構成され得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、薬物送達装置は、通信ユニットを含むことができる。通信ユニットは、有線通信ユニット(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)、FireWire、Serialなど)および/または無線通信ユニット(例えば、Bluetooth、WiFi、近距離無線通信(NFC)など)であり得る。例えば、通信ユニットは、WiFiトランシーバ、Bluetoothトランシーバ、RFIDトランシーバ、USBトランシーバ、近距離無線通信(NFC)トランシーバ、コンビネーションチップなどであり得る。処理ユニットは、通信ユニットを使用して、注射イベント情報(例えば、分注された用量および分注された時間を含む)、カートリッジ変更情報、および/または他の情報を別の装置に送信するように構成され得る。
【0053】
図2は、いくつかの実施形態による、注射イベントグループを判定するための例示的なコンピュータ化されたプロセス200を示すフローチャートである。プロセス200は、例えば、薬物送達装置、スマートフォン、サーバなどによって実行することができる。ステップ202で、装置は、注射イベントを示すデータにアクセスする。例えば、装置は、実質的に同時に(例えば、バッチレポートで)薬物送達装置から注射イベントのセットを受信することができるか、または装置は、各注射イベントが発生するときに、薬物送達装置とは別個に各注射イベントを受信することができる。
【0054】
ステップ204で、装置は、受信した注射イベントを現在開いている注射イベントグループに追加する。現在開いている注射イベントグループがない場合、装置は新しい現在開いている注射イベントグループを作成する。
【0055】
ステップ206で、装置は注射イベントウィンドウを開始する。注射イベントウィンドウは、装置が新しく受信した注射イベントを現在開いている注射イベントグループに追加する期間を含み得る。いくつかの実施形態では、注射イベントウィンドウを開始することは、タイマーを開始することを含み得る。
【0056】
ステップ208で、装置は、例えば、タイマーが切れる前に、注射イベントウィンドウ内の新しい注射イベントを示すデータにアクセスしたかどうかを判定する。その場合、装置は、ステップ204(現在開いている注射グループに新しい注射イベントを追加する)、ステップ206(注射イベントウィンドウを再開する)、およびステップ208(新しく再開された注射イベントウィンドウ内の新しい注射イベントを示すデータにアクセスしたかどうかを判定する)に戻る。注射イベントウィンドウ内に新しい注射イベントが受信されない場合、装置はステップ210に進み、注射イベントグループを閉じる。新たに再開された注射イベントウィンドウ内で追加の新しい注射イベントが受信された場合、装置はステップ204に戻る。このようにして、装置は、その時点で現在の注射イベントウィンドウ内で新しい注射イベントが受信されなくなるまで、ステップ204、206、および208を繰り返す。
【0057】
動作中、例えば、装置は、各注射が以前の注射から5分以内に(例えば、以下に)送達された場合、この例では、注射イベントウィンドウの期間は5分であるが、1つ以上の注射イベントを単一の注射イベントグループにグループ化することができる。したがって、例えば、注射イベントデータが、ペンが1回目の注射の4分後に、2回目の注射を行い、2回目の注射の3分後に3回目の注射を行ったことを示している場合、装置は3つの注射すべてを同じ注射イベントグループにグループ化する(例えば、1回目の注射イベントと3回目の注射イベントとの間の経過時間は7分であるが)。
【0058】
プロセス200は様々な方法で変更され得る。例えば、いくつかの実施形態では、装置は、新しい注射イベントが受信されるたびに注射イベントウィンドウを再開しない場合がある。そのような実施形態では、すべての注射イベントは、同じ注射イベントグループにグループ化されるために、第1の注射イベントの特定の期間内に受信されなければならない。いくつかの実施形態では、装置は、注射イベントを現在開いている注射イベントグループに追加する前に、注射イベントが特定の所定の基準を満たすかどうかを任意選択的に判定することができる。例えば、装置は、特定の最小投薬サイズ(例えば、1単位)よりも大きい、特定の最小期間より長く続く、または特定の最大期間より短く続く注射イベントのみを現在開いている注射イベントグループに追加するように構成できる。この所定の基準を満たさない注射イベントは、現在開いている注射イベントグループに追加されない場合がある。
【0059】
図3A~3Bは、いくつかの実施形態による、注射イベントグループの例を示す表300、350である。表300に示すように、1回の注射イベント302は2単位の用量で午後4時42分03秒に発生し、5分後の午後4時47分03秒に、追加の注射イベントは発生しなかったため、注射イベント302が注射イベントグループの唯一の注射イベントである。この例では、注射イベント302は、注射イベントウィンドウ内の唯一の注射イベントであるため、(例えば、プライミングイベントとは対照的に)注射イベントであると判定される。表350に示されるように、注射イベントグループ(この例ではグループ1)は、5つの異なる注射イベント352~360を含む。示されているように、各注射イベントは、以前の注射イベントから5分以内である。例えば、注射イベント354は、午後4時55分19秒に発生し、これは、午後4時55分14秒に発生した注射イベント352から5分以内である。
【0060】
図4Aは、いくつかの実施形態による、注射イベントグループに基づいて用量を判定するための例示的なコンピュータ化されたプロセス400を示すフローチャートである。ステップ402において、装置(例えば、薬物送達装置、スマートフォン、サーバなど)は、1つ以上の注射イベントを含む注射イベントグループにアクセスする。本明細書に記載されるように、注射イベントグループは、1つ以上の薬物送達装置に関連付けられている(例えば、送達される)注射イベントを含むことができる。
【0061】
ステップ404で、装置は、注射イベントグループが薬物送達装置の変更に関連するかどうかを判定する。いくつかの実施形態では、装置の変更は、1つの使い捨て薬物送達装置から別の使い捨て薬物送達装置への切り替え、および/または再利用可能な薬物送達装置の薬物カートリッジの変更を含むことができる。いくつかの実施形態では、薬物送達装置は、カートリッジが変更されたとき、使い捨て薬物送達装置がリザーバ内の薬物を使い果たしたとき、および/または新しい使い捨て薬物送達装置が以前の使い捨て薬物送達装置に代用されたときを示すデータを格納および/または報告し得る。いくつかの実施形態では、装置の変更は、他の情報から判定することができる。例えば、ユーザが新しい使い捨て薬物送達装置を選択するとき、ユーザは、最初に、薬物送達装置を、取り付け可能なモジュール、スマートフォン上で実行されるアプリケーション、サーバなどのような別の装置とペアリングする必要がある場合がある。装置は、新しい薬物送達装置が装置とペアリングされたとき、および/またはシステム内の別の装置とペアリングされたときに、装置の変更があると判定することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、変更時間が注射イベントグループの所定の時間内、注射イベントグループに基づいて判定された時間ウィンドウなどである場合、注射イベントグループが、装置の変更に関連すると判定され得る。例えば、ユーザが、グループの第1の注射イベントの5分前から始まり、グループの最後の注射イベントの時間で終了する期間の間に、ペンを変更するか、または交換可能カートリッジを変更した場合、装置は、注射イベントグループが装置の変更に関連すると判定することができる。別の例として、ユーザが、グループの第1の注射イベントの5分前から始まり、グループの最後の注射イベントの時間の5分後で終了する期間の間に、ペンを変更するか、または交換可能なカートリッジを変更した場合、装置は、注射イベントグループが装置の変更に関連すると判定することができる。
【0063】
注射イベントグループが変更に関連付けられていない場合、方法は、ステップ406に進み、ステップ406から414に示される第1の用量検出アルゴリズムに基づいて注射イベントグループを分析し、ユーザに投与された用量を判定する。注射イベントグループが薬物送達装置の変更に関連する場合、方法は、以下でさらに説明する
図4Bに示される方法に進み、第2の用量検出アルゴリズムに基づいて注射イベントグループを分析し、ユーザに投与された用量を判定する。
【0064】
ステップ406で、装置は、注射イベントグループに3つ以上の注射イベントがあるかどうかを判定する。3つ以上の注射イベントがある場合、方法はステップ408に進み、装置は、患者に投与された用量が、グループの最後の注射イベント(他のどの注射イベントよりも後に発生した注射イベントである)に関連付けられている用量に等しいと判定する。装置は、残りの注射イベントをプライミング注射イベントとして指定することができる。
【0065】
3つ以上の注射イベントがない場合、方法はステップ410に進む。
図4Aのフローチャートには示されていないが、注射イベントが1つのイベントのみを含む場合、システムは、注射イベントが注射された用量を含むと判定するように構成することができる。ステップ410で、注射イベントグループに2つの注射イベントがある場合、装置は、時間的に第1に発生した注射イベントの用量が、時間的に後に発生した第2の注射イベントの用量よりも大きいかどうかを判定する。第1の注射イベントの用量が第2の注射イベントの用量よりも大きい場合、方法はステップ412に進み、両方の注射イベントの用量の合計に基づいて用量を判定する。第1の注射イベントの用量が第2の注射イベントの用量よりも大きくない場合、方法はステップ414に進み、装置は、患者に投与された用量が第2の注射イベントの用量に等しいと判定する。装置は、第1の注射イベントをプライミング注射イベントとして指定することができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、ステップ410は、第1の注射イベントの用量が第2の注射イベントの用量よりも所定の閾値だけ大きい場合にのみ、方法をステップ412に進めるように修正され得る。第1の注射イベントの用量が第2の注射イベントの用量よりも所定の閾値だけ大きくない場合、方法はステップ414に進み得る。所定の閾値は、インスリンの絶対単位数(例えば、7単位)であり得るか、または第2の注射用量に対する第1の注射用量の必要な最小比(例えば、第2の注射用量に対する第1の注射用量の比が5:1を超える必要がある)を指定し得る。
【0067】
図5A~5Cは、それぞれ、表500、530、および560であり、いくつかの実施形態による、薬物送達装置の変更に関連付けられていない注射イベントグループの用量判定の例を示している。
図5Aの表500を参照すると、注射イベントグループは、2つの注射イベント502および504を含む。注射イベントは2つしかないため、装置は2回の注射の投薬量を比較する。注射2である504(33単位)の用量が注射1である502(2単位)の用量よりも多いので、装置は、注射された用量が33単位であり、ユーザによって注射された量に向かって第1の注射イベントがカウントされないプライミングイベントであると判定する。
【0068】
図5Bの表530を参照すると、注射イベントグループは、3つの注射イベント532、534、および536を含む。3つの注射イベントがあるので、装置は、最後の注射イベント536が注射イベントであり、他の2つの注射イベント532および534がプライミングイベントであると判定する。
【0069】
図5Cの表560を参照すると、注射イベントグループは、2つの注射イベント562および564を含む。注射イベントは2つしかないため、装置は2回の注射の投薬量を比較する。第1の注射イベント562(12単位)の用量は、第2の注射イベント564(2単位)の用量よりも大きいので、装置は、各注射イベントが注射であると判定し、したがって、注射された量は、2つの用量の組み合わせに、すなわち14単位に等しい。
【0070】
図4Bは、いくつかの実施形態による、薬物送達装置の変更に関連する注射イベントグループに基づいて用量を判定するための例示的なコンピュータ化されたプロセス450を示すフローチャートである。ステップ452で、装置は、注射イベントグループの注射イベントの間に薬物送達装置の変更が発生したかどうかを判定する。変更時間が注射イベントグループのすべての注射イベントの前または後に発生した場合、装置はステップ454に進み、最後の注射イベント(グループの他の注射イベントの後に発生するイベント)が注射された用量であり、残りの注射イベントがプライミングイベントであると判定する。例えば、本明細書に記載されるように、変更イベントが注射イベントグループの注射イベント後の特定の期間内に(例えば、最後の注射イベントの時間から5分以内に)発生した場合、注射イベントグループを変更イベントに関連付けることができる。別の例として、本明細書で説明するように、変更イベントが注射イベントグループのすべての注射イベントの前に5分以内に発生した場合、注射イベントグループを変更イベントに関連付けることができる。注射イベントグループのすべての注射イベントが変更の前または後に発生した場合、方法はステップ454に進み、最後の注射イベントが注射された用量であり、残りの注射イベントがプライミングイベントであると判定することができる。そうでなければ、以下で説明するように、方法はステップ456に進むことができる。
【0071】
注射イベントの間に変更時間が発生した場合、装置はステップ456に進み、2つのサブ注射グループを判定する。第1のサブ注射イベントグループには、変更時間より前に発生した注射イベントグループの各注射イベントが含まれる。第2のサブ注射イベントグループには、変更時間より後に発生した注射イベントグループの各注射イベントが含まれる。ステップ458で、装置は、各サブ注射イベントグループにおける最後の注射イベントに基づいて注射された用量を判定する。特に、第1のサブ注射イベントグループの場合、装置は、最新の注射イベント(第1のサブ注射イベントグループの他の注射イベントの後に発生した)が注射された用量であり、残りの注射イベント(存在する場合)がプライミングイベントであると判定する。同様に、第2のサブ注射イベントグループの場合、装置は、最新の注射イベントが注射された用量であり、残りの注射イベント(存在する場合)がプライミングイベントであると判定する。したがって、装置は、各サブ注射イベントグループの最後の注射イベントの用量を追加することにより、合計の注射された用量を判定することができる。
【0072】
図6A~6Bは、いくつかの実施形態による、薬物送達装置の変更に関連する注射イベントグループについての用量判定の例を示す表600、650である。
図6Aの表600を参照すると、表600は、5つの注射イベント602~610を含む。表600の第3の列に示されるように、変更時間(例えば、ユーザがカートリッジを変更した時間および/またはユーザが新しいペンに切り替えた時間)は、午後4時54分56秒である。変更時間は、すべての注射イベント602~610(午後4時55分14秒から午後4時55分34秒の間に発生)の前に発生したため、装置は、最後の注射イベント610が、注射された用量が4単位であるように)、注射された用量を表し、残りの注射イベントがプライミングイベントであると判定する。
【0073】
図6Bの表650を参照すると、表650は、2つの注射イベント652および654を含む。第3の列に示されるように、変更時間は午後7時41分55秒であり、これは、午後7時39分31秒の時間の第1の注射イベント652と午後7時42分10秒の時間の第2の注射イベント654との間に発生する。したがって、システムは2つの異なるサブ注射イベントグループを判定する。この例では、各サブ注射イベントグループには1つの注射イベントのみが含まれ、第1のサブ注射イベントグループには注射イベント652が含まれ、第2のサブ注射イベントグループには注射イベント654が含まれる。各サブ注射イベントグループの最後の(かつ唯一の)注射イベントは、注射された用量を含むものとして特定される。したがって、表650に示す例の注射量は6単位である。
【0074】
いくつかの実施形態では、患者に投与された用量は、注射イベントグループが薬物送達装置の変更に関連付けられているかどうかを判定することを必要としない他の方法を使用して判定することができる。このような方法は、薬物送達装置の変更情報が利用できない場合に使用し得る。そのような方法は、特定の期間内の注射イベント(例えば、特定の分数、秒以内に発生する注射イベントなど)を含む注射イベントグループを使用することによって、患者に投与された用量を判定することができる。技術は、1つ以上の注射イベントの各々が、ユーザに投与された用量またはユーザに投与されなかったプライミング用量に関連するかどうかを判定することによって、ユーザに投与された用量を判定することを含むことができる。この判定は、注射イベントグループが第1の注射イベントおよび第1の注射イベントの後に発生する第2の注射イベントを含むかどうかを判定することを含み得る。注射イベントグループが第1の注射イベントおよび第2の注射イベントを含むと判定すると、判定は、第1の注射イベントと第2の注射イベントとの間の期間に基づき得る(例えば、他の連続注射イベントの期間に対する期間のランク付け、および/または期間が所定の期間よりも長いかどうか)。判定はまた、任意選択的に、注射イベントの投薬サイズ(例えば、投薬サイズが単位数より大きいかどうか)および注射イベントグループにおける注射イベントの位置(例えば、注射イベントが注射イベントグループに残っている唯一の注射イベントであるかどうか、またはさらに注射イベントがあるかどうか)のうちの1つ以上に基づき得る。
【0075】
図7は、いくつかの実施形態による、所定の期間内に発生する1つ以上の注射イベントを含む注射イベントグループに基づいて用量を判定するための例示的なコンピュータ化されたプロセス700を示すフローチャートである。ステップ702で、装置は、注射イベントグループから注射イベントを選択する。注射イベントグループには、1つ以上の注射イベントを含めることができる。いくつかの実施形態では、注射イベントグループは、所定の期間中に発生する1つ以上の注射イベントのセットである。例えば、注射イベントグループには、注射イベントグループの第1の注射イベントから3分、5分、7分、および/または他の期間に発生するすべての注射を含めることができる。いくつかの実施形態では、装置は、注射イベントグループの複数の注射イベントに関連するデータに実質的に同時にアクセスすることができる(例えば、注射イベントグループにおける注射イベントのセットのいくつかまたはすべてについて事前に記録されたデータのバッチダウンロードとして)。いくつかの実施形態では、装置は、時間内に(例えば、各注射イベントの発生時および/または各注射イベントの発生直後に)各注射イベントを示すデータを別個に受信することによってなど、注射イベントグループの1つ以上の注射イベントに別個にアクセスする。したがって、ステップ702は、複数の注射イベントから注射イベントを選択すること、および/または単一の注射イベントを処理することを含むことができる(例えば、薬物送達装置からの受信時および/または注射イベントの発生時)。
【0076】
ステップ704で、装置は、選択された注射イベントの投薬サイズが第1の所定の閾値よりも大きいかどうかを判定する。例えば、所定の閾値は、6単位、7単位、9単位、10単位、11単位などであり得る。投薬サイズが閾値よりも大きい場合、方法はステップ706に進み、そこで装置は、選択された注射イベントがユーザに投与された注射用量に関連すると判定する。投薬サイズが第1の所定の閾値より大きくない場合、方法はステップ708に進み、選択された注射イベントの後に発生する注射イベントグループの次の注射イベントがあるかどうかを判定する。他の注射イベントがない場合、方法はステップ706に進み、そこで装置は、選択された注射イベントがユーザに投与された注射用量に関連すると判定する。ステップ706の後、方法は、以下に記載されるステップ718に進む。ステップ708で次の注射イベントがあると方法が判定した場合、方法はステップ710に進む。
【0077】
本明細書に記載されるように、注射イベントグループの注射イベントは、注射イベントのセットとしてアクセスされ得(例えば、注射イベントを示す事前に記録されたデータのバッチを実質的に同時に受信および/またはアクセスする)、かつ/または別個にアクセスされ得る(例えば、各注射イベントの発生時または発生直後に別個に受信される)。いくつかの実施形態では、注射イベントが別個にアクセスされる場合、ステップ708は、装置が、第1の注射イベント(例えば、ステップ702で選択された注射イベント)の注射イベントウィンドウ(例えば、3分、5分、7分、または他のある期間などの所定の期間内)内で次の注射イベントを受信するかどうかを判定する装置を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の注射イベントがイベントのグループとしてアクセスされる場合、ステップ708は、イベントのグループのデータを分析して、次の注射イベントがあるかどうかを判定することを含むことができる。
【0078】
ステップ710で、装置は、選択された注射イベントと次の注射イベントとの間の時間が第2の所定の閾値よりも大きいかどうかを判定する。例えば、装置は、次の注射イベントが、選択された注射イベントの後に所定の秒数を超えて発生するかどうかを判定することができる(例えば、59.5秒、60秒、60.5秒、79.5秒、80秒など)。イベント間の時間が閾値よりも長くない場合、方法はステップ712に進み、装置は、選択された注射イベント(すなわち、ステップ702で選択された注射イベント)が、ユーザに投与されなかったプライミング用量に関連すると判定する。ステップ712の後、方法はステップ718に進む。
【0079】
注射イベント間の時間が第2の所定の閾値よりも長い場合、方法はステップ714に進み、装置は、選択された注射イベントの投薬サイズが第3の所定の閾値よりも大きいかどうかを判定する。例えば、装置は、投薬サイズが3単位、3.5単位、4単位、4.5単位、5単位、5.5単位などを超えるかどうかを判定することができる。投薬サイズが閾値より大きくない場合、方法はステップ712に進み、そこで装置は、選択された注射イベントがユーザに投与されていないプライミング用量に関連すると判定し、次に方法はステップ718に進む。投薬サイズが第3の所定の閾値よりも大きい場合、方法はステップ706に進み、装置は、選択された注射イベントが、ユーザに投与された注射用量に関連すると判定する。
【0080】
ステップ706および712に続いて、方法はステップ718に進み、装置は、注射用量またはプライミング用量のいずれかとして分類される必要がある注射イベントグループの追加の注射イベントがあるかどうかを判定する。追加のイベントがない場合、方法はステップ720に進み、そこで装置は用量検出のプロセスを終了する。追加の注射イベントがある場合、方法はステップ702に戻り、注射イベントグループの次の注射イベントを選択し、本明細書に記載されるようにプロセスを繰り返す。
【0081】
図8A~8Eは、それぞれ、表800、820、840、860、および880であり、いくつかの実施形態による、5分の所定の期間内に発生する注射イベントを伴う例示的な注射イベントグループの用量判定の例を示す。これらの例では、第1の閾値の投薬サイズは10単位、第2の閾値の注射イベント間の時間は79.5秒、第3の閾値についての投薬サイズは4.5単位である。
【0082】
図8Aの表800を参照して、装置は、第1の注射イベント802を選択し、11単位のそれぞれの投薬サイズが10単位の所定の閾値よりも大きいと判定する。したがって、装置は、第1の注射イベント802がユーザに投与された用量に関連すると判定する。次に、装置は、第2の注射イベント804を選択し、3単位のそれぞれの投薬サイズが、10単位の所定の閾値よりも大きくないと判定する。したがって、装置は、第2の注射イベント804に続く注射イベントグループに他の注射イベントがないと判定し、第2の注射イベント804がユーザに投与された注射用量に関連すると判定する。したがって、表800に示されている注射イベントグループの注射用量は14単位である。
【0083】
図8Bの表820を参照して、装置は、第1の注射イベント824を選択し、3単位のそれぞれの投薬サイズが10単位の所定の閾値より大きくないと判定する。次に、装置は、第1の注射イベント824に続く注射イベントグループに他の注射イベントがないと判定し、したがって、第1の注射がユーザに投与された注射用量に関連すると判定するしたがって、表820に示されている注射イベントグループの注射された用量は3単位である。
【0084】
図8Cの表840を参照して、装置は、第1の注射イベント842を選択し、5単位のそれぞれの投薬サイズが10単位の所定の閾値より大きくないと判定する。次に、装置は、第2の注射イベント844が第1の注射イベント842の後に発生することを判定し、さらに、第1の注射イベント842と第2の注射イベント844との間の60秒の期間が79.5秒の閾値より長くないと判定する。したがって、装置は、第1の注射イベント842が、ユーザに投与されていないプライミング用量に関連すると判定する。第1の注射イベント842の後に発生する第2の注射イベント844があるので、装置は次に、分析のためにそのイベントを選択する。装置は、3単位の投薬サイズが10単位の閾値よりも大きくなく、かつ第2の注射イベント844から5分以内に他の注射イベントが発生しないと判定する。したがって、第2の注射イベント844は、ユーザに投与された注射用量に関連する。したがって、表840に示されている注射イベントグループの注射用量は3単位である。
【0085】
図8Dの表860を参照して、装置は、第1の注射イベント862を選択し、5単位のそれぞれの投薬サイズが10単位の所定の閾値より大きくないと判定する。次に、装置は、第2の注射イベント864が第1の注射イベント862の後に発生すると判定し、さらに、第1の注射イベント862と第2の注射イベント864との間の81秒の期間が79.5秒の閾値よりも長いと判定する。さらに、装置は、5単位の第1の注射イベント862の投薬サイズが4.5単位の所定の閾値よりも大きいと判定する。したがって、装置は、第1の注射イベント862が、ユーザに投与された注射用量に関連すると判定する。次に、装置は、第2の注射イベント864を選択し、3単位のそれぞれの投薬サイズが10単位の閾値より大きくないと判定した後、第2の注射イベント864の後に他の注射イベントがないと判定する。したがって、装置は、第2の注射イベント864もまた、ユーザに投与された注射用量に関連すると判定する。したがって、表860に示されている注射イベントグループの注射された用量は8単位である。
【0086】
図8Eの表880を参照して、装置は、第1の注射イベント882を選択し、2単位のそれぞれの投薬サイズが10単位の所定の閾値より大きくないと判定する。次に、装置は、第2の注射イベント884が第1の注射イベント882の後に発生すると判定し、さらに、第1の注射イベント882と第2の注射イベント884との間の81秒の期間が79.5秒の閾値よりも長いと判定する。さらに、装置は、2単位のそれぞれの投薬サイズが4.5単位の閾値よりも小さいと判定する。したがって、装置は、第1の注射イベント882が、ユーザに投与されていないプライミング用量に関連すると判定する。次に、装置は、第2の注射イベント884を選択し、3単位のそれぞれの投薬サイズが10単位の閾値よりも小さいと判定した後、第2の注射イベント884の後に発生する第3の注射イベント886があると判定する。装置は、第2の注射イベント884と第3の注射イベント886との間の40秒の期間が、79.5秒の閾値より長くないと判定する。したがって、装置は、第2の注射イベント884もまた、ユーザに投与されなかったプライミング用量に関連すると判定する。最後に、装置は、第3の注射イベント886を選択し、3単位のそれぞれの投薬サイズが10単位の閾値よりも大きくないと判定した後、第3の注射イベント886の後に発生する他の注射イベントがないと判定する。したがって、第3の注射イベント886は、ユーザに投与された注射用量に関連する。したがって、表880に示されている注射イベントグループの注射用量は3単位である。
【0087】
用量を判定するためのプロセス700の1つの利点は、常に利用可能であるとは限らない薬物送達装置の変更情報を必要としないことである。プロセス700の別の利点は、任意の所与の注射イベントが、その所与の注射イベントの発生から5分以内にユーザに投与された注射用量またはユーザに投与されなかったプライミング用量に関連すると分類され得ることである。プロセス700は、分類決定を行う前に、注射イベントグループのすべての注射イベントがわかるまでユーザを待つ必要はない。
【0088】
いくつかの実施形態では、プロセス700は、ステップ710および714を単純化することによって修正され得る。例えば、プロセス700が、ステップ708で、選択された注射イベント後の特定の期間内に次の注射イベントがあると判定した場合(例えば、3分、5分、7分、または選択された注射イベントの他の所定の期間内の次の注射イベント)、プロセス700は、ステップ710および/または714を経ることなく、選択された注射イベントをプライミング用量として自動的に分類し得る。そのような実施形態では、プロセス700は、選択された注射イベントが経過した後、所定の期間待機しながら、選択された注射イベントを注射用量として分類し得る。所定の期間が満了する前に次の注射イベントが受信された場合、選択された注射イベントは、注射用量からプライミング用量に再分類され得る。
【0089】
プロセス700のこの修正された実施形態は、
図8A~Cおよび8Eに提示されるのと同じプライミング対注射イベント分類をもたらすが、
図8Dに提示されるものとは異なる分類をもたらし得る。具体的には、
図8Dの表860を参照して、プロセス700の修正された実施形態の下で、装置は、第1の注射イベント862を選択し、5単位のそれぞれの投薬サイズが10単位の所定の閾値より大きくないと判定する。次に、装置は、第1の注射イベント862から5分(所定の期間)以内に第2の注射イベント864が発生すると判定する。注射イベント862と864との間の時間ギャップをさらに調査することなく、かつ注射イベント864の投薬サイズをさらに調査することなく、装置は、注射イベント862をプライミング用量として分類する。次に、装置は、分析のために注射イベント864を選択する。注射イベント864から5分以内にそれ以上の注射イベントが発生しないと判定した後、装置は、注射イベント864を、ユーザに投与された注射用量として分類する。
【0090】
図9は、いくつかの実施形態による、注射イベントグループに基づいて用量を判定するための別の例示的なコンピュータ化されたプロセス900を示すフローチャートである。ステップ902で、装置は、注射イベントグループから注射イベントを選択し、ステップ904に進む。本明細書に記載されるように、注射イベントグループは、1つ以上の薬物送達装置に関連付けられている1つ以上の注射イベントを含むことができる。本明細書に記載されているように、注射イベントは、単一の期間(例えば、合計5分、合計10分など)および/または各注射からの期間(例えば、各注射から5分以内など)などの所定の期間内に発生する注射イベントを含むことができる。
【0091】
ステップ904で、装置は、選択された注射イベントが注射イベントグループの最後の注射イベントであるかどうかを判定する。選択された注射イベントが最後の注射イベントである場合、方法はステップ906に進み、装置は、選択された注射イベントがユーザに投与された注射用量であると判定する。選択された注射イベントが注射イベントグループの最後の注射イベントではない場合、方法はステップ908に進む。
【0092】
ステップ908で、装置は、選択された注射イベントとイベントグループの次の注射イベントとの間の時間が、第1の所定の閾値よりも長いかどうか(例えば、58.5秒、60秒、60.5秒、73.5秒、80秒など)を判定する。注射イベント間の時間が閾値より長くないと判定すると、方法はステップ910に進み、選択された注射イベントは、ユーザに投与されなかったプライミング用量であると判定される。
【0093】
期間が第1の所定の閾値よりも長い場合、方法はステップ912に進み、装置は、選択された注射イベントに関連付けられている時間ギャップランクが第2の所定の閾値以上であるかどうかを判定する。時間ギャップランクは、例えば、本明細書でさらに論じられるように、注射イベントグループの注射イベントの各連続ペア間の時間の量のランクであり得る。第2の所定の閾値は、例えば、2、3、4などであり得る。時間ギャップランクが第2の所定の閾値以上でないと判定すると、方法はステップ912に進み、そこで装置は、選択された注射イベントがユーザに投与されなかったプライミング用量であると判定する。しかしながら、時間ギャップランクが第2の所定の閾値以上である場合、方法はステップ914に進み、そこで、選択された注射イベントは、ユーザに投与された注射用量に関連する注射イベントであると判定される。
【0094】
ステップ910および914に続いて、方法は、ステップ902に戻り、注射イベントグループの次の注射イベントを選択し、本明細書に記載されるようにプロセスを繰り返す。
【0095】
いくつかの実施形態では、選択された注射イベントは、選択された注射イベントに続く所定の期間内に他の注射イベントが発生しない場合、注射イベントグループの最後の注射イベントであると判定することができる(ステップ904)。例えば、装置は、選択された注射イベントに続いて4分、5分、6分以内などに他の注射イベントが発生しない場合、注射イベントが注射イベントグループの最後の注射イベントであると判定することができる。この判定を行うと、装置は注射イベントグループを閉じることができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、時間ギャップランクは、注射イベントグループの連続する注射イベント間の期間を評価および比較することによって判定されることができる。連続する注射イベント間の期間は、例えば、連続する注射イベント間の最短の期間から連続する注射イベント間の最長の期間まで順序付けられ、昇順で対応するランクを割り当てられ得る。第1、第2、第3の注射イベントの例を考慮すると、第1と第2の注射イベントとの間の期間は5秒で、第2と第3の注射イベントとの間の期間は3秒である。注射イベントグループには他の注射イベントがないため、第3の注射イベントに関連付けられている期間をゼロに設定できる。この例の対応する時間ギャップランクは、第1の注射イベントの場合は3(5秒の時間ギャップは3つの時間ギャップすべての中で最大であるため)、第2の注射イベントの場合は2(3秒の時間ギャップが第1の注射イベントについてのタイムギャップよりも小さいが、第3の注射イベントについてのタイプギャップよりも大きいため)になるが、第3の注射イベントの場合は1(0秒の時間ギャップは3つの時間ギャップすべての中で最小であるため)になる。これは、以下でさらに説明する
図10Aの例に示されている。
【0097】
図10A~10Cは、それぞれ、表1000、1030、および1060であり、いくつかの実施形態による、例示的な注射イベントグループの用量判定の例を示している。これらの例では、第1の閾値の注射イベント間の期間は73.5秒で、第2の閾値の時間ギャップランクは3である。
【0098】
図10Aの表1000を参照すると、注射イベントグループは、3つの注射イベント1002~1006を含む。装置は、第1の注射イベント1002を選択し、それが注射イベントグループの最後の注射イベントではないと判定する。したがって、装置は、次に、第1の注射イベント1002と第2の注射イベント1004との間の5秒の期間を、所定の期間の73.5秒と比較する。5秒の期間が所定の期間より長くないと判定すると、装置は、第1の注射イベント1002がユーザに投与されなかったプライミング用量に関連すると判定し、第2の注射イベント1004が選択される。装置は、第2の注射イベント1004が最後の注射イベントではなく、第2の注射イベント1004と第3の注射イベント1006との間の3秒の期間が所定の閾値である73.5秒よりも長くないと判定する。したがって、装置は、第2の注射イベント1004が、ユーザに投与されていないプライミング用量に関連すると判定する。次に、第3の注射イベント1006が選択され、注射イベントグループの最後の注射イベントであると判定される。したがって、装置は、第3の注射イベントがユーザに投与された注射用量であると判定する。したがって、表1000に示されている注射イベントグループの注射された用量は4単位である。
【0099】
図10Bの表1030を参照すると、注射イベントグループは、5つの注射イベント1032~1038を含む。第1の注射イベント1032が選択され、装置はそれが注射イベントグループの最終用量ではないと判定する。したがって、第2の注射イベント1034の前の期間(5秒)は、73.5秒の所定の閾値と比較される。選択された注射イベントの期間は閾値よりも長くないので、装置は、第1の注射イベント1032がユーザに投与されていないプライミング用量であると判定する。次に、第2の注射イベント1034が選択され、装置は、それが注射イベントグループの最後の注射イベントではないと判定する。81秒の第2の注射イベント1034と第3の注射イベント1036との間の期間は、73.5秒の所定の閾値よりも長いと判定される。次に、装置は、第2の注射イベント1034と第3の注射イベント1036との間の期間に関連付けられている時間ギャップランク4が、所定の閾値3以上であると判定する。装置は、第2の注射イベントがユーザに投与された注射用量に関連すると判定する。次に、第3の注射イベント1036が装置によって選択され、装置は、それが注射イベントグループの最後の注射イベントではないと判定する。第3の注射イベント1036と第4の注射イベント1038との間の48秒の期間は73.5秒の閾値よりも長くないので、装置は、第3の注射イベント1036がユーザに投与されなかったプライミング用量であると判定する。最後に、装置は、第4の注射イベント1038が、注射イベントグループの最後の注射イベントであるため、ユーザに投与された注射用量に関連すると判定する。したがって、表1030に示されている注射イベントグループについての注射用量は5単位である。
【0100】
図10Cの表1060を参照すると、注射イベントグループは、2つの注射イベント1062および1064を含む。第1の注射イベント1062は、装置によって選択されて、注射イベントグループの最後の注射イベントではないと判定される。第1の注射イベント1062と第2の注射イベント1064との間の期間(81秒)は、所定の閾値である73.5秒よりも長いので、装置は、時間ギャップランクの評価に進む。前述の期間に関連付けられている時間ギャップランク1は、所定の閾値3以上ではない。したがって、装置は、第1の注射イベント1062が、ユーザに投与されていないプライミング用量であると判定する。次に、第2の注射イベント1064が選択され、注射イベントグループの最後の注射イベントであるため、ユーザに送達される注射用量であると判定される。したがって、表1060に示されている注射イベントグループの注射用量は3単位である。
【0101】
いくつかの実施形態によれば、注射イベントの用量判定は、リアルタイムで行うことができる(例えば、注射イベントグループを生成するのではなく、1つ以上の用量の情報が受信されるとき)。装置は、現在の注射イベントを選択し、投薬サイズを第1の所定の閾値(例えば、8単位、9単位、10単位、11単位などの投薬サイズ)と比較することができる。投薬サイズが第1の所定の閾値以上である場合、装置は、現在の注射イベントがユーザに投与された用量に関連すると判定することができる。しかしながら、投薬サイズが第1の所定の閾値以下である場合、装置は、投薬サイズを第2の所定の閾値と比較することができる。例えば、第2の所定の閾値は、3単位、4単位、5単位などの投薬サイズであり得る。投薬サイズが第2の所定の閾値を超える場合、方法は、最後の用量からの期間を所定の期間(例えば、8秒、9秒、10秒、11秒などの時間)と比較することに進むことができる。最後の投与からの期間が所定の期間よりも長いと判定すると、装置は、現在の注射イベントがユーザに投与された注射投与に関連すると判定することができる。装置は、他のすべての注射イベント(例えば、投薬サイズが第2の所定の閾値を超えない場合、および/または最後の用量からの期間が所定の期間より長くない場合)がユーザに投与されなかったプライミング用量であると判定することができる。
【0102】
図11は、いくつかの実施形態による、本明細書に記載のコンピュータ化されたプロセスを実施するための例示的なシステム1100の図である。本明細書で使用する「ロジック」、「制御ロジック」、「用途」、「プロセス」、「方法」、「アルゴリズム」、および「命令」という用語には、1つ以上のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ハードワイヤードロジック、またはそれらの組み合わせで実行するソフトウェアおよび/またはファームウェアが含まれ得る。したがって、実施形態によれば、様々なロジックは、任意の適切な様式で実装され得、かつ本明細書で開示される実施形態に従っている。システム1100は、ドラッグ送達装置1140と無線通信するコンピューティング装置1110を含む。コンピューティング装置1110はまた、ネットワーク1150を介してサーバ1160と通信していてもよい。
【0103】
コンピューティング装置1110は、例示的に、スマートフォンなどのモバイル装置を含む。代替的に、例えば、ラップトップ、デスクトップ、タブレットまたはサーバコンピュータを含むがこれらに限定されない、任意の好適なコンピューティング装置を使用することができる。コンピューティング装置1110は、プロセッサ1112、メモリ1116、ディスプレイ/ユーザインターフェース(UI)1118および通信装置1119を含む。
【0104】
プロセッサ1112は、コンピューティング装置1110のメモリ1116に格納されたソフトウェアおよび/またはファームウェアを実行する少なくとも1つのプロセッサを含む。ソフトウェア/ファームウェアコードは、プロセッサ1112によって実行されると、プロセッサ1112に本明細書に記載の機能を実施させる命令を含む。そのような命令は、例示的に、本明細書で説明される機能を実装するように動作する制御ロジック/アプリケーション1114を含む。メモリ1114は、プロセッサ1112によってアクセス可能な任意の好適なコンピュータ可読媒体である。メモリ1114は、単一のストレージ装置または複数のストレージ装置であってもよく、プロセッサ1112の内部または外部に位置してもよく、さらに揮発性および不揮発性の両方の媒体を含んでもよい。例示的なメモリ1114には、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気ストレージ装置、光ディスクストレージ、またはデータを格納するように構成され、かつプロセッサ1112によってアクセス可能な任意の他の好適な媒体が含まれる。
【0105】
コンピューティング装置1110は、プロセッサ1112と通信し、システムにユーザ入力データを提供し、システムによって生成されたデータ、情報およびプロンプトを受信し、表示するように動作するディスプレイ/ユーザインターフェース1118を含む。ユーザインターフェース1118は、ユーザ入力を受信し、システムにユーザ入力を提供するための少なくとも1つの入力装置を含む。図示の実施形態では、ユーザインターフェース1118は、データを表示し、ユーザ入力を受信するように動作するタッチスクリーンディスプレイを含むグラフィカルユーザインターフェース(GUI)である。タッチスクリーンディスプレイは、ユーザが提示された情報、メニュー、ボタンおよび他のデータと対話して、システムから情報を受信し、システムへのユーザ入力を提供することを可能にする。代替的に、キーボード、キーパッド、マイクロフォン、マウスポインタまたは他の好適なユーザ入力装置が提供されてもよい。
【0106】
コンピューティング装置1110は、コンピューティング装置1110が他の装置との有線または無線通信リンクを確立することを可能にする通信装置1119をさらに含む。通信装置1119は、無線通信を送信し、受信するための1つ以上の無線アンテナおよび/または信号処理回路および/またはデータを送信し、受信するための物理的ワイヤを受容するための1つ以上のポートを備えてもよい。通信装置1119を使用して、コンピューティング装置1110は、ドラッグ送達装置1140との通信リンク1103を含む、1つ以上の短距離通信リンクを確立し得る。そのような短距離通信リンクは、無線周波数通信(例えば、Wi-Fi、Bluetooth、Bluetooth低エネルギー(BLE)、近距離無線通信(NFC)、RFIDなど)、赤外線送信、マイクロ波送信および光波送信を含むがそれに限定されない任意の既知の有線または無線通信技術またはプロトコルを利用してもよい。そのような短距離通信リンクは、単方向リンク(例えば、データが装置1140からコンピューティング装置1110にのみ流れる)または双方向リンク(例えば、データが双方向に流れる)のいずれかであってもよい。通信装置1119はまた、コンピューティング装置1110が、ネットワーク1150ならびに通信リンク1104および1105を介してサーバ1160と長距離通信リンクを確立することを可能にしてもよい。サーバ1160は、コンピューティング装置1110から離れて、例えば、別の建物、別の都市、または別の国もしくは大陸にさえ位置してもよい。ネットワーク1150は、潜在的に1つ以上の中間ノードまたはスイッチを介して、コンピューティング装置1110から、かつ/またはサーバ1160から情報を中継するように適合された任意のセルラーまたはデータネットワークを含んでもよい。好適なネットワーク1150の例には、セルラーネットワーク、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)およびインターネットが含まれる。
【0107】
ドラッグ送達装置1140は、例示的に、1つ以上の用量の薬物を患者に送達し、各用量の時間および量を測定および/または記録し、この情報をコンピューティング装置1110に伝達するように構成された任意の装置を含む。いくつかの実施形態では、ドラッグ送達装置1140は、1つ以上の用量の薬物を保管および/または人に送達するように構成することができる。本明細書で使用されるとき、「薬物」または「ドラッグ」という用語は、インスリン、インスリンリスプロまたはインスリングラルギンなどのインスリン類似体、および/またはインスリン誘導体に言及され、限定されないが、ダラグルチドまたはリラグルチドなどのGLP-1受容体アゴニスト、グルカゴン、グルカゴン類似体、グルカゴン誘導体、胃抑制ポリペプチド(GIP)、GIP類似体、GIP誘導体、オキシントモジュリン類似体、オキシントモジュリン誘導体、治療用抗体および上記の装置による送達が可能な任意の治療薬を含む、1つ以上の治療薬にも言及され得る。本装置において使用されるような薬物は、1つ以上の賦形剤と共に製剤化されてもよい。装置は、患者、介護者、または医療従事者によって操作されて、人にドラッグを送達する。ドラッグ送達装置1140は、薬物の貯蔵が使い果たされると薬物で再充填され得る再利用可能な装置として構成され得るか、または薬物の貯蔵が使い果たされると一旦廃棄および交換されるように設計されている使い捨て装置として構成されてもよい。ドラッグ送達装置1140は、処理回路1142、用量検出センサ1144、通信装置1146、ドラッグリザーバ1148、および用量調整メカニズム1149を含む。処理回路1142は、前述の可能なタイプの処理回路のうちのいずれかを含み得る。用量検出センサ1144は、送達された投与の時間および量を検出し、かつ/または記録するための任意の好適なセンサを含んでもよい。通信装置1146は、ドラッグ送達装置1140が通信リンク1103を介してコンピューティング装置1110と通信することを可能にする。ドラッグリザーバ1148は、複数回の投薬のための十分な薬物を保持するのに十分なサイズであり得るが、用量調整メカニズム1149は、ユーザがドラッグ送達装置の注射のための投薬量を調整することを可能にする。
【0108】
サーバ1160は、例示的に、ネットワーク1150を介してコンピューティング装置1110から患者に関する情報を受信し、その情報を処理し、任意選択的に、その情報に応じてコンピューティング装置1110に応答、通知、または命令を送信するように構成された任意のコンピューティング装置を含む。サーバ1160は、処理回路1162、メモリ1164および通信装置1166を含む。処理回路1162は、前述の可能なタイプの処理回路のうちのいずれかを含み得る。処理回路1162は、サーバ1160のメモリ1164に格納されたソフトウェアおよび/またはファームウェアを実行してもよい。ソフトウェア/ファームウェアコードは、処理回路1162によって実行されると、本明細書に記載の機能を実施するための命令を含む。メモリ1164はまた、経歴情報および/または医療情報(例えば、薬物投与記録、病歴など)などの、1人以上の患者に関する情報を格納するように構成されてもよい。コンピューティング装置1110から受信されるか、またはコンピューティング装置1110に送信される情報はまた、メモリ1164に格納されてもよい。メモリ1164は、前述の可能なタイプのメモリのうちのいずれかを含み得る。通信装置1166は、サーバ1160が、通信リンク1105、ネットワーク1150および通信リンク1104を介してコンピューティング装置1110と通信することを可能にする。
【0109】
いくつかの実施形態では、コンピューティング装置1110は、ネットワーク1150および/またはサーバ1160に接続されていなくても動作することができる。
【0110】
他の実施形態では、システム1100は、構成要素を追加することによって修正されてもよい。例えば、サーバ1160は、情報を処理するために連携する複数のネットワーク化されたサーバ1160として構成されてもよい。ネットワーク化されたサーバのそのような構成は、本明細書で説明されている機能を実施するサーバの「クラウド」と称されてもよい。サーバ1160は、ネットワーク1150を介して複数のコンピューティング装置1110と通信することができ、各コンピューティング装置1110は、次に、任意選択的に、1つ以上のドラッグ送達装置1140に接続することができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術は、カートリッジ変更イベントを報告する再利用可能なインスリンペンを含む、再利用可能なインスリンペンなどの再利用可能な薬物装置で使用することができる。いくつかの実施形態では、再利用可能な薬物送達装置は、本明細書に記載のカートリッジ変更時間を示すデータを生成することができ、これを使用して、リザーバの変更に基づいて注射データを処理することができる。
【0112】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術のいくつかまたはすべて(例えば、プロセス200、400、450、700、および/または900)は、薬物送達装置によって実行されることができる。例えば、薬物送達装置は、注射イベントグループを判定するように、および/または注射用量を判定するように構成された処理回路を含むことができる(例えば、カートリッジ変更の適切な処理を含む、プライミングおよび注射イベントを区別することによって)。いくつかの実施形態では、薬物送達装置は、判定された情報(例えば、注射イベントグループおよび/または注射用量)を、薬物送達装置に取り付けることができるスマートフォンまたはモジュールなどの別個の装置に送信するように構成することができる。
【0113】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術のいくつかまたはすべて(例えば、プロセス200、400、450、700、および/または900)は、スマートフォンまたは薬物送達装置などに通信可能に結合することができる他の装置(例えば、コンピューティング装置1110)、リモートサーバ(例えば、サーバ1160)などで動作するアプリケーションによるなど、薬物送達装置とは別個の装置によって、実行され得る。薬物送達装置は、注射データおよび/または注射イベントグループおよび/または装置変更情報などの処理されたデータを別個の装置に送信するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、薬物送達装置は、使い捨ての薬物送達装置であり得る。そのような使い捨て薬物送達のいくつかの実例は、2018年8月14日の国際出願日を有し、「MEDICATION DELIVERY DEVICE WITH SENSING SYSTEM」と題された、国際公開第2019/040313号にさらに詳細に記載されており、その内容が全体として本明細書に組み込まれる。
【0114】
いくつかの実施形態では、薬物送達装置は、無線送信機能、用量検出機能、および/または処理機能を含まない場合がある。いくつかの実施形態では、再利用可能な電子モジュールを薬物送達装置に取り付けたり/取り外したりして、1つ以上のそのような機能を薬物送達装置に追加することができる。例えば、再利用可能な電子モジュールは、各注射イベントに関連付けられている投薬の量を検知し、注射イベントデータを処理する第2の装置に情報を報告するように構成することができる。そのような再利用可能な電子モジュールのいくつかの実例は、2018年2月22日の国際出願日を有し、「DOSE DETECTION AND DRUG IDENTIFICATION FOR A MEDICATION DELIVERY DEVICE」と題された、国際公開第2018/160425号にさらに詳細に記載されており、その内容が全体として本明細書に組み込まれる。別の例として、再利用可能な電子モジュールは、装置が薬物送達装置に取り付けられたときおよび/または装置から取り外されたときに情報を報告するように構成することができ、受信装置はこれを使用して変更情報を判定することができる。
【0115】
いくつかの実施形態では、上述のプロセス200、400、450、700、および/または900は、ユーザフィードバックに基づいて改良され得る。上述のように、プロセス200、400、450、700、および/または900は、受信した各注射イベントを、ユーザに投与された用量に関連すると、またはユーザに投与されなかったプライミング用量と分類し得る。いくつかの実施形態では、ユーザは、プロセス200、400、450、700、および/または900によって特定の注射イベントに適用される分類が正しいかどうかを示すフィードバックを手動で提供し得る。例えば、ユーザは、特定の注射イベントが投与用量対プライミング用量として正しく分類されたことを確認し得、またはユーザは、プロセス200、400、450、700、および/または900によって適用されるラベルを修正および/または修正することができる。ユーザがプロセス200、400、450、700、および/または900によって出力された分類を確認または修正するフィードバックを提供すると、このフィードバックを使用して、プロセスを変更し、将来の注射イベントをより正確に分類することができる。例えば、指定された期間(例えば、数日、1週間、数週間、または1か月)にわたって十分なユーザフィードバックが収集されると、ユーザフィードバックを使用して、閾値または、そのプロセスの精度を高めるためのそのプロセスにおけるタイマーを調整する機械学習モデルをトレーニングし得る。機械学習モデルのトレーニングに使用されるユーザフィードバックは、単一のユーザまたはユーザの母集団から得られる場合があり得る。そのような機械学習モデルによって調整され得る非限定的な閾値および/またはタイマーのセットは、(i)ステップ206での注射イベントウィンドウの持続時間、(ii)ステップ704で参照される第1の閾値、(iii)ステップ710で参照される第2の閾値の持続時間、(iv)ステップ714で参照される第3の閾値のサイズ、(v)ステップ908で参照される第1の所定の閾値、および/または(vi)ステップ912で参照される第2の所定の閾値を含み得る。機械学習モデルおよび/または閾値および/またはタイマーの調整は、コンピューティング装置1110に実装され得るが、ドラッグ送達装置1140および/またはサーバ1160にも実装され得る。ユーザのフィードバックから継続的に学習することにより、このような機械学習モデルは、プロセス200、400、450、700、および/または900の精度を継続的に改良および改善できる。
【0116】
上述のプロセスの閾値および/またはタイマーを調整することは、そのようなプロセスの特定のプログラム可能な機能を変更するが、そのようなプロセスのデータフローは本質的に同じままである。しかしながら、いくつかの実施形態では、特定のプロセスステップで閾値および/またはタイマーを調整することに加えて、そのようなユーザフィードバックはまた、上述のプロセスのステップのいずれかを追加、削除、再配置、および/または編集することによってプロセス200、400、450、700、および/または900を変更するために使用され得る。例えば、そのようなユーザフィードバックを使用して、新しいデータ特徴を導き出し(例えば、投薬サイズ、投薬間の時間、投薬の順序、および/または上述の投薬の時間ギャップランクなどのデータ特徴に加えて)、このような新しいデータ機能は、まったく新しいプロセスに組み込まれる。そのようなユーザフィードバックはまた、前述のプロセス200、400、450、700、および/または900のうちの1つから前述のプロセスの別のものへの切り替えを促すために使用され得る。
【0117】
プロセスに対してこれらのより広範な調整を行うことができる機械学習モデルは、閾値やタイマーを単に調整するモデルよりも、大量のトレーニングデータ、計算リソース、および/またはメモリを必要とする場合がある。したがって、いくつかの実施形態は、プロセスを調整するために2レベルのモデルを使用することができる。第1の、より単純な機械学習モデルを使用して、閾値やタイマーを調整できる。このより単純な機械学習モデルは、比較的頻繁に(例えば、毎週)、比較的控えめな計算リソースおよび/またはメモリを有する装置(例えば、コンピューティング装置1110)に実装することができる。このようなモデルのトレーニングに使用されるユーザフィードバックのセットは、1人のユーザから、または少数のユーザの母集団から取得することもできる。第2の、より複雑な機械学習モデルを使用して、プロセス200、400、450、700、および/または900に対する前述のより広範な変更を実装し得る。このより複雑な機械学習モデルは、比較的頻度が低く(例えば、毎月)より大量のトレーニングデータを使用し(例えば、よりユーザの母集団から)、および/またはより大量の計算リソースおよび/またはメモリを有する装置(例えば、サーバ1160)上で実装され得る。この第2の機械学習モデルが改訂されたプロセスを出力すると、この改訂されたプロセスは、1つ以上のコンピューティング装置1110および/またはドラッグ送達装置1140に配布されて、さらなる注射イベントを分類することができる。
【0118】
本明細書で概説される様々な方法またはプロセスは、様々なオペレーティングシステムまたはプラットフォームのうちのいずれか1つを使用する1つ以上のプロセッサ上で実行可能なソフトウェアとして、コード化され得る。さらに、係るソフトウェアは、多数の適切なプログラミング言語および/またはプログラミングツールもしくはスクリプトツールのいずれかを使用して記述され得、また、仮想マシンまたは適切なフレームワーク上で実行される実行可能機械語コードまたは中間コードとしてコンパイルされ得る。
【0119】
この点で、様々な発明概念は、1つ以上のコンピュータまたは他のプロセッサ上で実行されると本発明の様々な実施形態を実施する、1つ以上のプログラムで符号化された、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体(例えば、コンピュータメモリ、1つ以上のフロッピーディスク、コンパクトディスク、光学ディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ、フィールドプログラマブルゲートアレイもしくは他の半導体装置における回路構成、など)として具体化され得る。非一時的コンピュータ可読媒体または複数の媒体は、移動可能であり得、その結果、そこに格納された1つ以上のプログラムは、上記で議論されているような本発明の様々な態様を実装するため任意のコンピュータリソースにロードされ得る。
【0120】
「プログラム」、「ソフトウェア」、および/または「アプリケーション」という用語は、本明細書では、一般的な意味で使用され、上記で議論されているような実施形態の様々な態様を実施するためにコンピュータまたは他のプロセッサをプログラムするために採用される、任意のタイプのコンピュータコードまたはコンピュータ実行可能命令のセットを指す。さらに、一態様によれば、実行されると本発明の方法を実施する1つ以上のコンピュータプログラムは、単一のコンピュータまたはプロセッサ上に存在する必要はないが、本発明の様々な態様を実施するため、異なるコンピュータまたはプロセッサ間でモジュール方式により配布され得ることを理解されたい。
【0121】
コンピュータ実行可能命令は、プログラムモジュールなど、1つ以上のコンピュータまたは他の装置によって実行される多くの形式であり得る。一般に、プログラムモジュールには、特定のタスクを実施したり、特定の抽象データ型を実装したりするルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造などが含まれる。典型的には、プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態において所望されるように組み合わされ、または分散され得る。
【0122】
また、データ構造は、任意の適切な形式で、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に格納され得る。データ構造には、そのデータ構造内の場所によって関連付けられているフィールドが含まれる場合がある。係る関係は、同様に、フィールド間の関係を伝達する非一時的コンピュータ可読媒体内の場所を備えたフィールドに、記憶域を割り当てることによって達成することができる。ただし、任意の適切なメカニズムを使用して、データ要素間の関係を確立するポインタ、タグ、または他のメカニズムの使用を介することを含む、データ構造のフィールド内の情報間の関係を確立することができる。
【0123】
様々な発明概念は、1つ以上の方法として具体化することができ、その例が提供されている。方法の一部として実施される動作は、任意の適切な方法で順序付けられてもよい。したがって、例示的な実施形態では順次動作として示されているが、いくつかの動作を同時に実行することを含み得る、図示されたものと異なる順序で動作が実行される実施形態が構築され得る。
【0124】
本明細書および特許請求の範囲において本明細書で使用される不定冠詞「a」および「an」は、明確に反すると示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。本明細書の明細書および特許請求の範囲において使用される場合、1つ以上の要素のリストに関連する「少なくとも1つ(at least one)」という句は、要素のリスト内の要素のうちの任意の1つ以上から選択された少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであり、要素のリスト内に具体的にリストされている各要素およびすべての要素の少なくとも1つを含む必要はなく、要素のリスト内の要素の任意の組み合わせを除外するものでもない。これにより、「少なくとも1つ」という句が参照する要素のリスト内で具体的に特定される要素以外の要素は、具体的に特定されるこれらの要素に関連するか関連しないかにかかわらず、任意選択的に存在することができる。
【0125】
本明細書および特許請求の範囲において本明細書で使用される「および/または(and/or)」という句は、そのように結合された要素、すなわち、ある場合には結合的に存在し、他の場合には分離的に存在する要素の「いずれか一方または両方(either or both)」を意味すると理解されるべきである。「および/または」を用いてリストされた複数の要素は、同じ形式で解釈する必要があり、すなわち、そのように結合された要素の「1つ以上(one or more)」である。「および/または」節によって具体的に特定される要素以外の他の要素は、具体的に特定されるこれらの要素に関連するかどうかにかかわらず、任意選択的に存在し得る。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への言及は、「含む(comprising)」などの制限のない言語と組み合わせて使用される場合、一実施形態では、Aのみ(任意選択的にB以外の要素を含む)についての言及、別の実施形態では、Bのみ(任意選択的にA以外の要素を含む)についての言及、さらに別の実施形態では、AとBの両方(任意選択的に他の要素を含む)についての言及などであり得る。
【0126】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「または」は、上記で定義された「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を区切る場合、「または」または「および/または」は包括的であると解釈されるものとする。すなわち、複数の要素または要素のリストうちの少なくとも1つだけでなく複数を含むものと解釈され、任意選択的に、追加のリストされていない項目も含むものと解釈されるものとする。「のうちの1つのみ(only one of)」または「のうちの正確に1つ(exactly one of)」、または特許請求の範囲で使用される場合、「からなる(consisting of)」など、反対に明確に示される用語のみが、複数の要素または要素のリストうちの正確に1つの要素を含むことを指す。一般に、本明細書で使用される場合、「または」という用語は、「いずれか(either)」、「のうちの1つ(one of)」、「のうちの1つのみ」、または「のうちの正確に1つ」などの排他的な用語が続く場合、排他的選択(すなわち、「一方または他方であるが両方ではない(one or the other but not both)」)を示すと解釈されるべきである。「本質的にからなる(consisting essentially of)」は、特許請求の範囲で使用される場合、特許法の分野で使用される通常の意味を有するものとする。
【0127】
請求項において請求項の要素を修飾ための「第1」、「第2」、「第3」などの序数用語の使用は、それ自体では、いかなる優先順位、先行順、またはあるクレーム要素の別のクレーム要素に対する順序もしくは(ある方法の動作がこの順番で実施される)時間的順序を意味するものではない。係る用語は、特定の名前を有する1つのクレーム要素を、同じ名前を有する別の要素から区別するためのラベルとしてのみ使用される(ただし、序数用語の使用による)。
【0128】
本明細書で使用される語法および専門用語は、説明目的のためであって、限定と見なされるべきではない。「含む(including)」、「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「含む(involving)」、およびそれらの変形の使用は、その後にリストされる項目および追加の項目を包含することを意味する。
【0129】
本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明してきたが、当業者には、様々な修正および改良が容易に生じるであろう。そのような修正および改良は、本発明の趣旨および範囲内にあることが意図されている。したがって、前述の説明は単なる例示にすぎず、限定を意図するものではない。