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特許7410287ソフトパック電池モジュール、電池パック、およびソフトパック電池モジュールを用いたデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】ソフトパック電池モジュール、電池パック、およびソフトパック電池モジュールを用いたデバイス
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/211 20210101AFI20231226BHJP
   H01M 50/227 20210101ALI20231226BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20231226BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20231226BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20231226BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20231226BHJP
   H01M 50/553 20210101ALI20231226BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20231226BHJP
   H01M 50/591 20210101ALI20231226BHJP
【FI】
H01M50/211
H01M50/227
H01M50/249
H01M50/284
H01M50/503
H01M50/55 301
H01M50/553
H01M50/588
H01M50/591
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022524991
(86)(22)【出願日】2020-11-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(86)【国際出願番号】 CN2020128467
(87)【国際公開番号】W WO2021098586
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2023-05-16
(31)【優先権主張番号】201922002614.4
(32)【優先日】2019-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】汪 用▲広▼
(72)【発明者】
【氏名】遊 ▲凱▼杰
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲興▼地
(72)【発明者】
【氏名】唐 ▲ゆ▼
(72)【発明者】
【氏名】王 志超
【審査官】守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-108794(JP,A)
【文献】特開2013-140707(JP,A)
【文献】特表2003-530658(JP,A)
【文献】国際公開第2015/140952(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20
H01M 50/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルの厚さ方向に積層された少なくとも2つの電池スタック層を備えたソフトパック電池モジュールであって、各電池スタック層は、複数の電池セルと、前記電池セルのタブに接続された接続片とを備え、各前記接続片は、第1の区画と第2の区画とを備え、前記第1の区画は前記タブに接続され、前記第2の区画は前記第1の区画に接続され、前記第2の区画は前記電池セル大きな面の少なくとも一部を覆い、前記第2の区画の前記電池セルの前記大きな面から離れた側に絶縁材料が設けられる、ソフトパック電池モジュール。
【請求項2】
前記第1の区画は、2つの離間した接続アームを備え、前記2つの接続アームのうちの一方は正極タブに接続され、他方の接続アームは負極タブに接続される、請求項1に記載のソフトパック電池モジュール。
【請求項3】
前記電池セルに対する前記タブの延在方向において、前記第2の区画の長さは、前記第2の区画が前記延在方向において前記電池セルの前記大きな面を覆うように、前記電池セルの前記大きな面の長さよりも大きい、請求項1または2に記載のソフトパック電池モジュール。
【請求項4】
前記接続片は、層間接続片と層内接続片とを備え、前記層間接続片は、2つの隣接する電池スタック層において前記電池セルを接続するための屈曲構造であり、前記層内接続片は、同じ電池スタック層において前記電池セルを接続する、請求項1から3のいずれか一項に記載のソフトパック電池モジュール。
【請求項5】
前記ソフトパック電池モジュールは、前記電池スタック層の前記第2の区画が設けられた側に貼り付けられた第1の絶縁フィルムをさらに備え、前記第1の絶縁フィルムは、前記層間接続片に貼り付けられた屈曲絶縁フィルム部分と、前記層内接続片に貼り付けられた平面絶縁フィルム部分とを備え、前記屈曲絶縁フィルム部分は、前記平面絶縁フィルム部分に接続される、請求項4に記載のソフトパック電池モジュール。
【請求項6】
前記ソフトパック電池モジュールは、前記電池スタック層の両側にそれぞれ貼り付けられた前記第1の絶縁フィルムを備える、請求項5に記載のソフトパック電池モジュール。
【請求項7】
前記ソフトパック電池モジュールは、前記第1の絶縁フィルムに貼り付けられた加熱フィルムをさらに備え、前記加熱フィルムは、前記屈曲絶縁フィルム部分に貼り付けられた屈曲加熱フィルム部分と、前記平面絶縁フィルム部分に貼り付けられた平面加熱フィルム部分とを備える、請求項5または6に記載のソフトパック電池モジュール。
【請求項8】
前記ソフトパック電池モジュールは、前記加熱フィルムに貼り付けられた第2の絶縁フィルムをさらに備え、前記第2の絶縁フィルムは、前記屈曲加熱フィルム部分に貼り付けられた屈曲絶縁フィルム部分と、前記平面加熱フィルム部分に貼り付けられた平面絶縁フィルム部分とを備える、請求項7に記載のソフトパック電池モジュール。
【請求項9】
前記ソフトパック電池モジュールは、回路基板をさらに備え、前記回路基板は、前記層間接続片に接続された回路基板屈曲部分と、前記電池スタック層に沿って延在し、前記層内接続片に接続された回路基板平面部分とを備える、請求項5から8のいずれか一項に記載のソフトパック電池モジュール。
【請求項10】
各前記接続片は2つの隣接する電池セルに接続され、各前記接続片の前記第2の区画は前記2つの隣接する電池セルの前記大きな面の一部を覆う、請求項1に記載のソフトパック電池モジュール。
【請求項11】
箱体と、請求項1から10のいずれか一項に記載のソフトパック電池モジュールとを備え、前記ソフトパック電池モジュールが前記箱体に収容される、電池パック。
【請求項12】
ソフトパック電池モジュールを電源として使用するデバイスであって、駆動装置と、請求項1~10のいずれか一項に記載のソフトパック電池モジュールとを備え、前記駆動装置は前記デバイスに駆動電力を提供するように構成され、前記ソフトパック電池モジュールは前記駆動装置に電気エネルギーを提供するように構成される、デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2019年11月19日に中国国家知識産権局に出願された「SOFT-PACK BATTERY MODULE, BATTERY PACK, AND DEVICE USING SOFT-PACK BATTERY MODULE AS POWER SOURCE」と題する中国特許出願第201922002614.4号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[技術分野]
本出願の実施形態は、電池技術の分野に関し、特に、ソフトパック電池モジュール、電池パック、およびソフトパック電池モジュールを使用するデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ソフトパック電池セルのタブは機械的強度が弱い。モジュールを組み立てるために接合されるとき、ソフトパック電池セルは、通常、ワイヤハーネス絶縁板に固定された銅バーによって支持される必要がある。一般に、ソフトパック電池セルのタブは、最初にワイヤハーネス絶縁板を通過し、次に溶接のために銅バー上に乗る。
【発明の概要】
【0003】
本出願の目的は、ソフトパック電池モジュールの強度を高めるために、ソフトパック電池モジュール、電池パック、およびソフトパック電池モジュールを使用するデバイスを提供することである。
【0004】
本出願の第1の態様は、電池セルの厚さ方向に積層された少なくとも2つの電池スタック層を含むソフトパック電池モジュールを提供し、各電池スタック層は、電池セルと、電池セルのタブに接続された接続片とを含み、接続片は、第1の区画と第2の区画とを含み、第1の区画はタブに接続され、第2の区画は第1の区画に接続され、第2の区画は第1の区画の側方に配置され、第2の区画は電池セルの大きな面に向かって延在し、電池セルの大きな面の少なくとも一部を覆い、第2の区画の電池セルの大きな面から離れた側に絶縁材料が設けられる。
【0005】
ソフトパック電池モジュールの第2の区画は、ソフトパック電池モジュールの全体的な強度を高めることができるように、電池セルの大きな面の少なくとも一部を覆う。加えて、第2の区画の電池セルの大きな面から離れた側に絶縁材料が配置されているので、隣接する電池スタック層同士の接触による短絡を回避することができる。
【0006】
いくつかの実施形態では、第1の区画は、2つの離間した接続アームを含み、接続アームの一方は正極タブに接続され、他方の接続アームは負極タブに接続される。
【0007】
2つの接続アームの間に溝が設けられ、これは接続片を折り畳むのに役立つことができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、電池セルに対するタブの延在方向において、第2の区画の長さは、第2の区画が延在方向において電池セルの大きな面を覆うように、電池セルの大きな面の長さよりも大きい。
【0009】
第2の区画の長さは、第2の区画が延在方向において電池セルの大きな面を覆うように、電池セルの大きな面の長さよりも大きいため、電池セルの延在方向におけるソフトパック電池モジュールの全体的な強度を高めるのに役立つ。
【0010】
いくつかの実施形態では、各電池スタック層は1つまたは複数の電池セルを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、接続片は、層間接続片と層内接続片とを含む。層間接続片は、2つの隣接する電池スタック層に位置する電池セルを接続するための屈曲構造であり、層内接続片は、同じ電池スタック層において電池セルを接続する。
【0012】
いくつかの実施形態では、ソフトパック電池モジュールは、電池スタック層の第2の区画が設けられた側に貼り付けられた第1の絶縁フィルムをさらに含み、第1の絶縁フィルムは、層間接続片に貼り付けられた屈曲絶縁フィルム部分と、層内接続片に貼り付けられた平面絶縁フィルム部分とを含み、屈曲絶縁フィルム部分は平面絶縁フィルム部分に接続される。
【0013】
いくつかの実施形態では、ソフトパック電池モジュールは、電池スタック層の両側にそれぞれ貼り付けられた第1の絶縁フィルムを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、ソフトパック電池モジュールは、第1の絶縁フィルムに貼り付けられた加熱フィルムをさらに含み、加熱フィルムは、屈曲絶縁フィルム部分に貼り付けられた屈曲加熱フィルム部分と、平面絶縁フィルム部分に貼り付けられた平面加熱フィルム部分とを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、ソフトパック電池モジュールは、加熱フィルムに貼り付けられた第2の絶縁フィルムをさらに含み、第2の絶縁フィルムは、屈曲加熱フィルム部分に貼り付けられた屈曲絶縁フィルム部分と、平面加熱フィルム部分に貼り付けられた平面絶縁フィルム部分とを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、ソフトパック電池モジュールは、回路基板をさらに含む。回路基板は、層間接続片に接続された屈曲回路基板部分と、電池スタック層に沿って延び、層内接続片に接続された回路基板平面部分とを含む。
【0017】
回路基板は可撓性があってかつサイズが小さいため、組み立てられた電池モジュールの内部空間を節約するのに役立つ。
【0018】
本出願の第2の態様は、箱体と、本出願の第1の態様によるソフトパック電池モジュールとを含む電池パックを提供し、ソフトパック電池モジュールは、箱体に収容される。
【0019】
本出願の第3の態様は、ソフトパック電池モジュールを電源として使用するデバイスを提供し、デバイスは、駆動装置と、本出願の第1の態様によるソフトパック電池モジュールとを含み、駆動装置はデバイスに駆動電力を提供するように構成され、ソフトパック電池モジュールは駆動装置に電気エネルギーを提供するように構成される。
【0020】
本出願において提供される技術的解決策に基づいて、ソフトパック電池モジュールは、電池セルの厚さ方向に積層された少なくとも2つの電池スタック層を含み、各電池スタック層は、電池セルと、電池セルのタブに接続された接続片とを含み、接続片は、第1の区画と第2の区画とを含み、第1の区画および第2の区画は、第1の区画と第2の区画との間にタブを挟むようにタブの両側にそれぞれ位置付けられ、第1の区画はタブに接続され、第2の区画は電池セルの大きな面に向かって延在し、電池セルの大きな面の少なくとも一部を覆う。本出願におけるソフトパック電池モジュールの第2の区画は、ソフトパック電池モジュールの全体的な強度を高めるために、電池セルの大きな面の少なくとも一部を覆う。
【0021】
本出願の他の特徴および利点は、添付図面を参照した本出願の例示的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本出願の実施形態または従来技術における技術的解決策をより明確に説明するために、以下で、実施形態または従来技術を説明するための添付図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明における添付図面は、本出願の一部の実施形態を示すものであり、当業者は、創造的な努力なしにこれらの添付図面から他の図面をさらに導出することができる。
【0023】
本明細書で説明される図面は、本出願のさらなる理解のためのものであり、本出願の一部を構成する。本出願の例示的な実施形態およびその説明は、本出願を説明することを意図しており、本出願を不適切に制限するものではない。
図1図1は、本出願の一実施形態による車両の概略構造図である。
図2図2は、図1の電池パックの概略構造図である。
図3図3は、本出願の一実施形態による電池セルの概略構造図である。
図4図4は、2つの電池セルが接続片に接続された構造の概略図である。
図5図5は、複数の電池セルが複数の接続片に接続された構造の概略図である。
図6図6は、図5における複数の接続片の折畳みプロセスの概略図である。
図7図7は、本出願の一実施形態による複数の接続片を折り畳むことによって得られる電池セル接続群の概略構造図である。
図8図8は、本出願の一実施形態によるソフトパック電池モジュールの概略分解構造である。
図9図9は、本出願の一実施形態による電池セル接続群を折り畳むプロセスの概略図である。
図10図10は、本出願の一実施形態によるソフトパック電池モジュールの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、本出願の実施形態における添付図面を参照して、本出願の実施形態における技術的解決策を明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施形態は、本出願の実施形態のすべてではなく、一部すぎない。少なくとも1つの例示的な実施形態の以下の説明は、例示にすぎず、本出願または本出願の使用を制限するものとして解釈されないことは明らかである。創造的な努力なしに本出願の実施形態に基づいて当業者によって得られるすべての他の実施形態は、本出願の保護範囲に含まれるものとする。
【0025】
別段の指定がない限り、これらの実施形態に記載される構成要素およびステップの相対的な配置、数式、ならびに数値は、本出願の範囲を制限するものではない。さらに、説明を容易にするために、添付図面に示される様々な部分のサイズは、縮尺通りに描かれていないことを理解されたい。当業者に周知の技術、方法、およびデバイスは、詳細に議論されない場合があるが、適切な場合、技術、方法、およびデバイスは、本明細書の一部分として認可されていると見なされるべきである。本明細書で示され議論されるすべての例において、任意の指定された値は、限定的なものではなく、単に例示的なものとして解釈されるべきである。したがって、例示的な実施形態の他の例は、異なる値を有していてもよい。以下の図面において同様の参照符号および文字は同様の項目を示し、したがって、ある項目が1つの図面において定義されると、それについて、後続の図面においてこれ以上議論する必要がないことに留意されたい。
【0026】
説明を容易にするために、本明細書では、図面に示される1つの手段または特徴と別の手段または特徴との間の空間的位置関係を説明するために、「より上に」、「の上部に」、「の表面に」、および「の上に」などの空間的に相対的な用語が使用され得る。空間的に相対的な用語は、図面に記載された手段の向き以外の使用または操作の際の異なる向きを包含することを意図していることを理解されるべきである。例えば、図面における手段が反転されと、「他の手段または構造より上に」または「他の手段または構造の上に」と記載された手段は、「他の手段または構造より下に」または「他の手段または構造の下に」位置する。したがって、例示的な用語「より上に」は、「より上に」および「より下に」の両方の向きを含み得る。手段はまた、他の異なる方法で配置されてもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な説明は、それに応じて説明される。
【0027】
以下では、図1図10を参照して、本出願の実施形態によるソフトパック電池モジュールの構造および組立て方法を詳細に説明する。
【0028】
本出願の実施形態は、ソフトパック電池モジュール1を電源として使用するデバイス、電池パック10、ソフトパック電池モジュール1、およびソフトパック電池モジュール1の組立て方法を提供する。ソフトパック電池モジュール1を電源として使用するデバイスは、ソフトパック電池モジュール1と、デバイスに駆動電力を提供するように構成された駆動装置とを含み、ソフトパック電池モジュール1は駆動装置に電気エネルギーを提供する。デバイスの駆動電力はすべて電気エネルギーであってもよいし、一部が電気エネルギーで一部が他のエネルギーであってもよい。例えば、デバイスは、エンジンなどの力学的エネルギーを提供する電源をさらに含み得る。ソフトパック電池モジュール1を電源として使用する任意のデバイスは、本出願の保護範囲に含まれる。
【0029】
本出願のこの実施形態におけるデバイスは、車両、船舶、および小型航空機などのモバイルデバイスであり得る。一例として車両を使用する。本出願のこの実施形態における車両は、新エネルギー車であり得る。新エネルギー車は、バッテリ電気自動車であってもよく、またはハイブリッド電気自動車もしくはエクステンデッドレンジ電気自動車であってもよい。図1に示すように、車両は、電池パック10と車体20とを備える。電池パック10は、車体20の内部に配置され、少なくとも1つのソフトパック電池モジュール1を含む。車体20には、駆動モータが設けられている。駆動モータは電池パック10に電気的に接続され、電池パック10は駆動モータに電気エネルギーを提供する。駆動モータは、車両を駆動するために、変速機構を通して車体20の車輪に接続される。具体的には、電池パック10は、車体20の底部に水平に配置され得る。
【0030】
本出願のこの実施形態における電池パック10は、少なくとも1つのソフトパック電池モジュール1を含む。具体的には、本実施形態では、図2に示すように、本実施形態における電池パック10は、複数のソフトパック電池モジュール1と、複数のソフトパック電池モジュール1を収容するように構成された箱体とを含む。箱体は収容キャビティを有し、複数のソフトパック電池モジュール1は、収容キャビティ内に順に配置される。具体的には、本実施形態における箱体は箱形の箱であり、ソフトパック電池モジュール1を収容するように構成された下側箱体3と、下側箱3に係合される上側箱体2とを含む。添付図面に図示されない他の実施形態では、箱体は、代替的に、枠状の箱体、円盤状の箱体などであってもよい。
【0031】
図3に示すように、本実施形態における電池セル11は、負極タブ111と正極タブ112とを含み、負極タブ111および正極タブ112は両方とも、電池セル11の同じ端部に位置する。タブは、電池セル11に対して第1の方向Xに延在し、第2の方向Yは第1の方向Xに垂直である。図4に示すように、本実施形態の接続片12は、第1の区画121と第2の区画122とを含む。第1の区画121は、2つの離間した接続アーム121aを含み、2つの接続アーム121aは、正極タブおよび負極タブにそれぞれ接続される。例えば、接続アーム121aはタブに溶接され得る。
【0032】
複数の電池セル11を接合してソフトパック電池モジュール1を組み立てる方法を、図5図9に示す。具体的には、図5に示すように、複数の電池セル11の大きな面を平らにして順に一列に並べ、複数の接続片12を使用して複数の電池セル11のタブ同士を接続する。図6に示すように、複数の接続片12を第2の方向Yの折り線に沿って折り曲げ、第2の区画122が電池セル11の大きな面に向かって折り曲げられて電池セル11の大きな面の少なくとも一部を覆い、図7に示すように、本実施形態における電池セル11および接続片12は一緒に電池セル接続群Pを形成する。図9に示すように、電池セル接続群Pを第1の方向Xの折り線に沿って折り曲げ、複数の電池セル11が積層されて、図10に示すソフトパック電池モジュールを形成する。
【0033】
図10に示すように、本出願のこの実施形態におけるソフトパック電池モジュールは、電池セル11の厚さ方向Zに積層された少なくとも2つの電池スタック層Qを含み、各電池スタック層Qは、電池セル11と、電池セル11のタブに接続された接続片12とを含み、接続片12は第1の区画121と第2の区画122とを含み、第1の区画121および第2の区画122は接続され、第1の区画121と第2の区画122との間にタブを挟むようにタブの両側にそれぞれ配置され、第1の区画121はタブに接続され、第2の区画122は電池セル11の大きな面に向かって延在し、電池セル11の大きな面の少なくとも一部を覆い、第2の区画122の電池セル11の大きな面から離れた側に絶縁材料が設けられる。本出願のこの実施形態におけるソフトパック電池モジュール1の第2の区画122は、ソフトパック電池モジュール1の全体的な強度を高めるために、電池セル11の大きな面の少なくとも一部を覆う。加えて、本出願のこの実施形態では、第2の区画122の電池セル11の大きな面から離れた側に絶縁材料が配置されているので、隣接する電池スタック層Q同士の接触による短絡を回避することができる。
【0034】
他の実施形態では、第1の区画121および第2の区画122は、代替的に、タブの同じ側に並んで配置されてもよい。
【0035】
図4に示すように、第1の区画121は、2つの離間した接続アーム121aを含み、2つの接続アーム121aの一方は正極タブに接続され、他方の接続アーム121aは負極タブに接続される。2つの接続アーム121aの間に溝が設けられ、これは、接続片12を折り畳むのに役立つことができる。いくつかの実施形態では、第1の方向Xにおいて、溝の深さは、接続アーム121aの長さより大きく、すなわち、溝が第2の区画122まで延在することを意味する。
【0036】
本実施形態では、図7に示すように、第1の方向Xにおいて、第2の区画122の長さは、第2の区画122が第1の方向Xにおいて電池セル11の大きな面を覆うように、電池セル11の大きな面の長さよりも大きい。このような配置は、電池セル11の第1の方向Xにおけるソフトパック電池モジュール1の全体的な強度を高めるのに役立つ。
【0037】
具体的には、本実施形態におけるソフトパック電池モジュール1は、電池スタック層Qの第2の区画122が設けられた側に貼り付けられる第1の絶縁フィルム13をさらに含む。具体的には、図8を参照して、電池セル接続群Pが折り畳まれる前に、電池セル11の厚さ方向Zにおいて電池セル接続群Pの下側に第1の絶縁フィルム13が貼り付けられ、第1の絶縁フィルム13および電池セル接続群Pが一緒に折り畳まれる。いくつかの実施形態では、図8を参照して、電池セル接続群Pが折り畳まれる前に、第1の絶縁フィルム13が、電池セル11の厚さ方向Zにおいて電池セル接続群Pの両側に貼り付けられ、第1の絶縁フィルム13および電池セル接続群Pが一緒に折り畳まれる。具体的には、第1の絶縁フィルム13は、ホットプレス技術を使用することによって電池セル接続群Pの周りに巻き付けられる。このように形成されたソフトパック電池モジュール1は、厚さ方向において電池スタック層Qの両側に第1の絶縁フィルム13が貼り付けられている。
【0038】
一体化加熱フィルム機能を実現するために、本実施形態における組立て方法は、加熱フィルム14および第2の絶縁フィルム16を順に第1の絶縁フィルム13上に置くことと、電池セル接続群P、第1の絶縁フィルム13、加熱フィルム14、および第2の絶縁フィルム16を一緒に折り畳むこととをさらに含む。加熱フィルム14は、熱伝導性のアルミニウム板であり得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、本実施形態における組立て方法は、回路基板15を電池セル接続群Pに接続することをさらに含み、回路基板15は複数の接続片12に接続される。次いで、第1の絶縁フィルム13が電池セル接続群Pおよび回路基板15に貼り付けられ、電池セル接続群P、第1の絶縁フィルム13および回路基板15が一緒に折り畳まれる。具体的には、本実施形態では、回路基板15は、フレキシブルプリント回路基板(Flexible Printed Circuit Board,FPC)、プリント回路基板(Printed circuit board,PCB)、フレキシブルフラットケーブル(Flexible Flat Cable,FFC)などであり得る。回路基板15は、電池セル11の情報を収集するように構成される。いくつかの実施形態では、回路基板15は、FPCなどのフレキシブルプリント回路基板であり、フレキシブルプリント回路基板は、可撓性があってかつサイズが小さいため、組み立てられた電池モジュールの内部空間を節約するのに役立つ。
【0040】
図9および図10に示すように、本実施形態における接続片12は、層間接続片12Aと層内接続片12Bとを含む。層間接続片12Aは、2つの隣接する電池スタック層Qに位置する電池セル11を接続するための屈曲構造であり、層内接続片12Bは、同じ電池スタック層Qにおいて電池セル11を接続する。
【0041】
本実施形態では、ソフトパック電池モジュール1の第1の絶縁フィルム13は、層間接続片12Aに貼り付けられた屈曲絶縁フィルム部分と、層内接続片12Bに貼り付けられた平面絶縁フィルム部分とを含み、屈曲絶縁フィルム部分は平面絶縁フィルム部分に接続される。
【0042】
本実施形態では、ソフトパック電池モジュール1は、第1の絶縁フィルム13に貼り付けられた加熱フィルム14をさらに含み、加熱フィルム14は、屈曲絶縁フィルム部分に貼り付けられた屈曲加熱フィルム部分と、平面絶縁フィルム部分に貼り付けられた平面加熱フィルム部分とを含む。
【0043】
本実施形態では、ソフトパック電池モジュール1は、加熱フィルム14に貼り付けられた第2の絶縁フィルム16をさらに含み、第2の絶縁フィルム16は、屈曲加熱フィルム部分に貼り付けられた屈曲絶縁フィルム部分と、平面加熱フィルム部分に貼り付けられた平面絶縁フィルム部分とを含む。
【0044】
本実施形態では、ソフトパック電池モジュール1は、回路基板15をさらに含む。回路基板15は、層間接続片121に接続された屈曲回路基板部分と、電池スタック層Qに沿って延び、層内接続片122に接続された回路基板平面部分とを有する。
【0045】
図10に示すように、本実施形態における各電池スタック層Qは、複数の電池セル11を含む。これは、図9に示すように、電池セル接続群Pを複数回折り畳んだときに、隣り合う折り線の間に設けられる電池セル11の数によって決定される。
【0046】
他の実施形態では、電池スタック層Qは、代替的に、1つの電池セルを含んでいてもよく、例えば、2つの電池セルが直列に接続された電池セル接続群Pが半分に1回折り畳まれる。代替的に、電池スタック層Qは、2つの電池セルを含んでいてもよく、例えば、4つの電池セルが直列に接続された電池セル接続群が半分に1回折り畳まれる。もちろん、電池スタック層Qは、電池セル接続群を複数回折り畳むことによって、1つまたは複数の電池セルを有してもよい。
【0047】
最後に、前述の実施形態は、本出願の技術的解決策を説明することを意図しているにすぎず、いかなる限定も構成することを意図していないことに留意されたい。本出願は、好ましい実施形態を参照して詳細に説明されているが、当業者は、本出願の技術的解決策の趣旨から逸脱することなく、本出願の実施形態に対して修正を行うことができ、またはいくつかの技術的特徴に対して等価な置換を行うことができることを理解すべきである。すべてのそのような修正または置換は、本出願で請求される技術的解決策の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0048】
参照符号はそれぞれ以下を表す:
1 ソフトパック電池モジュール
11 電池セル、111 負極タブ、112 正極タブ
12 接続片、121 第1の区画、121a 接続アーム、122 第2の区画
12A 層間接続片、12B 層内接続片
13 第1の絶縁フィルム
14 加熱フィルム
15 回路基板
16 第2の絶縁フィルム
2 上側箱体
3 下側箱体
10 電池パック
20 車体
P 電池セル接続群
Q 電池スタック層。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10