(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】誘導プラズマ発生装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H05H 1/24 20060101AFI20231226BHJP
A61L 9/22 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
H05H1/24
A61L9/22
(21)【出願番号】P 2022540731
(86)(22)【出願日】2022-03-14
(86)【国際出願番号】 CN2022080616
(87)【国際公開番号】W WO2022218078
(87)【国際公開日】2022-10-20
【審査請求日】2022-06-29
(31)【優先権主張番号】202110402807.8
(32)【優先日】2021-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522261226
【氏名又は名称】イン チェンホア
【氏名又は名称原語表記】YIN, Zhenhua
【住所又は居所原語表記】No. 41, Juyuan 3rd Street, Huanzhuli Village, Changping Town, Dongguan, Guangdong 523585 China
(74)【代理人】
【識別番号】100131200
【氏名又は名称】河部 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100221512
【氏名又は名称】山中 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100104662
【氏名又は名称】村上 智司
(74)【代理人】
【識別番号】100184631
【氏名又は名称】大久保 隆
(72)【発明者】
【氏名】イン チェンホア
【審査官】牧 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-527701(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0064815(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0206661(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/00 - 1/46
B01J 19/08
A61L、B01D、F24F、H01J
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導プラズマ発生装置の製造方法であって、
S1、プラズマ発生装置(1)
、及び
、少なくとも2つの炭素繊維束を含む誘導イオン放出構造(2)を提供するステップと、
S2、前記誘導イオン放出構造(2)を前処理するステップと、
S3、
少なくとも2つの発泡金属メッシュを含むイオン化構造(3)を製造するステップと、
S4、ステップS2で得られた誘導イオン放出構造(2)とステップS3で得られたイオン化構造(3)をブラケット(4)によって重ね合わせるステップであって、前記イオン化構造(3)
の前記少なくとも2つの発泡金属メッシュは
前記誘導イオン放出構造(2)
の前記少なくとも2つの炭素繊維束の間に位置する、ステップと、
S5、
正極を生成するために使用される前記発泡金属メッシュ及び正イオンを放出するために使用される前記炭素繊維束を、ワイヤを介して前記プラズマ発生装置(1)の昇圧モジュールの正極接点に接続することと、負極を生成するために使用される前記発泡金属メッシュ及び負イオンを放出するための前記炭素繊維束を、ワイヤを介して前記プラズマ発生装置(1)の昇圧モジュールの負極接点に接続することとを含み、正イオンを放出するために使用される前記炭素繊維束は正極を生成するために使用される前記発泡金属メッシュに隣接しており、負イオンを放出するために使用される前記炭素繊維束は、負極を生成するために使用される前記発泡金属メッシュに隣接している、誘導プラズマ発
生装置を形成するステップとを含む、ことを特徴とする、誘導プラズマ発生装置の製造方法。
【請求項2】
前記ステップS2は具体的には、前記誘導イオン放出構造(2)の一端を削ってとがらせることを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の誘導プラズマ発生装置の製造方法。
【請求項3】
前記ステップS3は具体的には、発泡金属メッシュを提供し、そして前記金属発泡メッシュを酸化金属コーティング又はナノスケール酸化金属コーティングで被覆して、前記イオン化構造(3)を形成することを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の誘導プラズマ発生装置の製造方法。
【請求項4】
前記発泡金属メッシュは、ニッケル、銅、鉄、タングステン、マグネシウム、マンガン、銀、白金、コバルト、及びチタンのうちのいずれか1種又は複数種からなる発泡金属メッシュであり、前記酸化金属コーティングは、酸化ニッケル、酸化銅、酸化鉄、酸化タングステン、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化銀、酸化白金、酸化コバルト、及び酸化チタンのうちのいずれか1種又は複数種からなる酸化金属コーティングである、ことを特徴とする請求項
3に記載の誘導プラズマ発生装置の製造方法。
【請求項5】
前記ステップS3は、具体的には、
S31、キャリア金属を用いて基板ペーストを調製するステップと、
S32、前記基板ペーストに酸化金属材料を添加し、混合してメッシュ構造を形成して、前記イオン化構造(3)を得るステップとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の誘導プラズマ発生装置の製造方法。
【請求項6】
ステップS4において、前記ブラケット(4)は、第1のプレート(41)と、前記第1のプレート(41)に取り外し可能に接続された第2のプレート(42)とを含み、前記第1のプレート(41)及び第2のプレート(42)にはいずれも、イオン化構造(3)を取り付けるための第1の係着部(43)が設けられており、前記第1のプレート(41)には、誘導イオン放出構造(2)を取り付けるための第2の係着部(44)が更に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の誘導プラズマ発生装置の製造方法。
【請求項7】
S6、前記誘導プラズマ発生装置のイオン量及びオゾン量を検出するステップを更に含む、ことを特徴とする請求項1に記載の誘導プラズマ発生装置の製造方法。
【請求項8】
誘導プラズマ発生装置であって、プラズマ発生装置(1)と、前記プラズマ発生装置(1)
と接続された誘導イオン放出構造(2)及びイオン化構造(3)とを含み、
前記誘導イオン放出構造(2)は、少なくとも2つの炭素繊維束を含み、
前記イオン化構造(3)は、少なくとも2つの発泡金属メッシュを含み、
前記イオン化構造(3)と誘導イオン放出構造(2)は、ブラケット(4)によって重ね合わされ、前記イオン化構造(3)
の前記少なくとも2つの発泡金属メッシュは、前記誘導イオン放出構造(2)
の前記少なくとも2つの炭素繊維束の間に位置
し、
正極を生成するために使用される前記発泡金属メッシュ及び正イオンを放出するために使用される前記炭素繊維束は、ワイヤを介して前記プラズマ発生装置(1)の昇圧モジュールの正極接点に接続され、負極を生成するために使用される前記発泡金属メッシュ及び負イオンを放出するための前記炭素繊維束は、ワイヤを介して前記プラズマ発生装置(1)の昇圧モジュールの負極接点に接続され、正イオンを放出するために使用される前記炭素繊維束は正極を生成するために使用される前記発泡金属メッシュに隣接しており、負イオンを放出するために使用される前記炭素繊維束は、負極を生成するために使用される前記発泡金属メッシュに隣接している、ことを特徴とする誘導プラズマ発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気浄化装置の技術分野に関し、より具体的には、誘導プラズム発生装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、人々が生活する環境では、空気中に様々な有機有害ガスが浮遊しており、ヒートアイランド現象の影響で、環境汚染とともに様々な細菌も現れている。既存の空気浄化装置のほとんどは、活性炭フィルタ、紫外線ランプ又はイオン清浄機であり、基本的には受動的であり、浄化効果は理想的ではない。活性炭フィルタを使用する場合、有機有害ガスや一部の細菌を吸着することができるが、これらの有害物質は活性炭フィルタに蓄積して細菌の温床となり、二次汚染を引き起こす。紫外線ランプを使用する場合、特定の周波数スペクトルでしか滅菌できず、また紫外線ランプは熱くなりやすいため、滅菌効果に影響を及ぼす。イオン清浄機を使用する場合、殺菌効果がなく、また大量のオゾンが発生し、ひどい場合には使用者の気道に不快感を与える。
【0003】
公開番号CN204268589Uの中国特許文献は、高効率空気浄化装置を開示しており、該高効率空気浄化装置は、光触媒担持発泡金属を搭載しているため、浄化効果が向上する。
【0004】
しかしながら、上記の解決策は、使用中に発熱しやすいため、その滅菌効果が影響を受けやすく、その結果、その空気浄化効果に影響を与える。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、従来技術の欠陥を克服し、誘導プラズマ発生装置及びその製造方法を提供することであり、本発明は、細菌を死滅させ、有機有害ガスを分解し、空気を迅速かつ効果的に浄化することができ、良好な経済的利益及び安全上の利点を有する。
【0006】
上記の技術的問題を解決するために、本発明で採用する技術的解決手段は、誘導プラズマ発生装置の製造方法を提供することであり、この方法は、
S1、プラズマ発生装置及び誘導イオン放出構造を提供するステップと、
S2、誘導イオン放出構造を前処理するステップと、
S3、イオン化構造を製造するステップと、
S4、ステップS2で得られた誘導イオン放出構造とステップS3で得られたイオン化構造をブラケットによって重ね合わせるステップであって、前記イオン化構造は誘導イオン放出構造の間に位置する、ステップと、
S5、前記誘導イオン放出構造及びイオン化構造をそれぞれ、プラズマ発生装置と通信して接続して、誘導プラズマ発成装置を形成するステップとを含む。
【0007】
本発明は、誘導プラズマ発生装置の製造方法を含み、誘導イオン放出構造とイオン化構造は共同で電界を発生させることができ、また、誘導イオン放出構造を設定することで、イオン化構造を誘導してより多くのイオンを発生させることができ、イオン化構造によって生成される正イオンと負イオンは、空気中の細菌を死滅させ、空気を浄化することができ、この過程で微量のオゾンしか生成されず、人の健康への被害を軽減する。
【0008】
更に、前記ステップS2は具体的には、前記誘導イオン放出構造の一端を削ってとがらせることを含む。
【0009】
更に、前記誘導イオン放出構造は、少なくとも2つの炭素繊維束を含む。
【0010】
更に、前記ステップS3は具体的には、発泡金属メッシュを提供し、そして前記金属発泡メッシュを酸化金属コーティング又はナノスケール酸化金属コーティングで被覆して、前記イオン化構造を形成することを含む。
【0011】
更に、前記発泡金属メッシュは、ニッケル、銅、鉄、タングステン、マグネシウム、マンガン、銀、白金、コバルト、及びチタンのうちのいずれか1種又は複数種からなる発泡金属メッシュであり、前記酸化金属コーティングは、酸化ニッケル、酸化銅、酸化鉄、酸化タングステン、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化銀、酸化白金、酸化コバルト、及び酸化チタンのうちのいずれか1種又は複数種からなる酸化金属コーティングである。
【0012】
更に、前記ステップS3は、具体的には、
S31、キャリア金属を用いて基板ペーストを調製するステップと、
S32、前記基板ペーストに酸化金属材料を添加し、混合してメッシュ構造を形成して、前記イオン化構造を得るステップとを含む。
【0013】
更に、ステップS4において、前記ブラケットは、第1のプレートと、前記第1のプレートに取り外し可能に接続された第2のプレートとを含み、前記第1のプレート及び第2のプレートにはいずれも、イオン化構造を取り付けるための第1の係着部が設けられており、前記第1のプレートには、誘導イオン放出構造を取り付けるための第2の係着部が更に設けられている。
【0014】
更に、S6、前記誘導プラズマ発生装置のイオン量及びオゾン量を検出するステップを更に含む。
【0015】
本発明は誘導プラズマ発生装置を更に含み、誘導プラズマ発生装置は、プラズマ発生装置と、前記プラズマ発生装置と通信して接続された誘導イオン放出構造及びイオン化構造とを含み、前記イオン化構造と誘導イオン放出構造は、ブラケットによって重ね合わされ、前記イオン化構造は、前記誘導イオン放出構造の間に位置する。
【0016】
好ましくは、前記誘導イオン放出構造は少なくとも2つの炭素繊維束を含み、前記イオン化構造は少なくとも2つの発泡金属メッシュを含み、発泡金属メッシュは炭素繊維束の間にある。
【0017】
従来技術と比較して、本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【0018】
本発明は誘導プラズマ発生装置及びその製造方法を提供しており、誘導イオン放出構造とイオン化構造は共同で電界を発生させることができ、また、誘導イオン放出構造を設定することで、イオン化構造を誘導してより多くのイオンを発生させることができ、イオン化構造によって生成される正イオンと負イオンは、空気中の細菌を分解又は破壊し、空気を浄化することができ、この過程で微量のオゾンしか生成されず、人の健康への被害を軽減する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明による誘導プラズマ発生装置の製造方法のフローチャートである。
【
図2】本発明による誘導プラズマ発生装置の製造方法のデータ試験表である。
【
図3】本発明による誘導プラズマ発生装置の概略構造図である。
【
図4】本発明における誘導イオン放出構造及びイオン化構造の概略構造図である。
【
図5】本発明による誘導プラズマ発生装置の実施例3の概略構造図である。
【
図6】本発明におけるブラケットの構造概略図である。
【
図7】本発明におけるブラケットの別の角度の構造概略図である。
【
図8】本発明による誘導プラズマ発生装置の実施例4の概略構造図である。
【
図9】本発明における導風フードの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、特定の実施形態と併せて本発明を更に説明する。そのうち、添付の図面は、例示的な説明のためにのみ使用され、実物の図ではなく、単に概略図を示しており、本特許を限定するものとして解釈されるべきではない。本発明の実施例をよりよく説明するために、図面中の一部の部品を省略、拡大又は縮小しており、実際の製品の寸法を表していない。当業者には、一部の周知の構造及びその説明が図面から省略されてもよいことが理解されるであろう。
【0021】
本発明の実施例の図面において、同一又は類似の参照番号は、同一又は類似の部品に対応する。本発明の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」などの用語で示される配向又は位置関係は、添付の図面に示される配向又は位置関係に基づいており、これは、言及される装置又は要素が特定の配向を有し、特定の配向で構築及び動作しなければならないことを示す又は暗示するのではなく、単に本発明の説明を容易にし、説明を簡略化するためだけのものである。したがって、添付の図面における位置関係を説明する用語は、例示的な説明のためにのみ使用され、本特許を限定するものとして解釈されるべきではない。当業者であれば、上記の用語の特定の意味は、特定の状況に応じて理解することができる。
【0022】
実施例1
【0023】
図1に示すように、本発明による誘導プラズマ発生装置の製造方法の第1の実施例は、以下のステップを含む。
【0024】
S1、プラズマ発生装置1及び誘導イオン放出構造2を提供する。
【0025】
ここで、プラズマ発生装置1はプラズマ発生器であり、誘導イオン放出構造2は、少なくとも2つの炭素繊維束を含む。本実施例における誘導イオン放出構造2は、2つの炭素繊維束を含み、これらは、それぞれ正イオン及び負イオンを放出するために使用され、また、イオン化構造3を誘導してより多くのイオンを発生させるためにも使用される。
【0026】
S2、ステップS1の後、誘導イオン放出構造2を前処理する。前処理は、炭素繊維束の一端を削ってとがらせて、先端構造を形成することを含む。
【0027】
S3、イオン化構造3を製造する。これは、発泡金属メッシュを提供し、そして金属発泡メッシュを酸化金属コーティング又はナノスケール酸化金属コーティングで被覆して、イオン化構造3を形成することを含む。本実施例におけるイオン化構造3は、コーティングで被覆された2つの発泡金属メッシュを含み、これらはそれぞれ、正極及び負極を生成するために使用され、生成された正極及び負極は、イオン化して電界を発生させる。
【0028】
具体的には、発泡金属メッシュは、ニッケル、銅、鉄、タングステン、マグネシウム、マンガン、銀、白金、コバルト、及びチタンのうちのいずれか1種又は複数種からなる発泡金属メッシュである。本実施例における発泡金属メッシュのメッシュは、40メッシュ以上である。
【0029】
具体的には、酸化金属コーティングは、酸化ニッケル、酸化銅、酸化鉄、酸化タングステン、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化銀、酸化白金、酸化コバルト、及び酸化チタンのうちのいずれか1種又は複数種からなる酸化金属コーティングである。ナノスケール酸化金属コーティングの材料選択は、酸化金属コーティングと類似する。本実施例における酸化金属コーティング又はナノスケール酸化金属コーティングの被覆は、本明細書に限定されないが、スプレー、電気めっきなどによって実施されてもよい。
【0030】
発泡金属メッシュ及びコーティングの材料は、実際の機能要件に応じて合わせることができることに留意されたい。例えば、発泡銅メッシュを酸化銀コーティングで被覆することで、減菌及び空気浄化を達成することに加えて、酸化チタンを利用してオゾンを分解し、オゾンの発生を更に低減することができる。
【0031】
S4、ステップS2で得られた誘導イオン放出構造2とステップS3で得られたイオン化構造3をブラケット4によって重ね合わせる。一端が削られて尖っている誘導イオン放出構造2は空気の流れの方向に向いており、イオン化構造3は、誘導イオン放出構造2の間に位置する。
【0032】
具体的には、ブラケット4は、第1のプレート41と、第1のプレート41に取り外し可能に接続された第2のプレート42とを含み、第1のプレート41及び第2のプレート42にはいずれも、イオン化構造3を取り付けるための第1の係着部43が設けられており、第1のプレート41には、誘導イオン放出構造2を取り付けるための第2の係着部44が更に設けられている。具体的には、第2の係着部44は第1のプレート41の縁部の近くに位置する。
【0033】
具体的には、ステップS4は、
S41、コーティングで被覆された2つの発泡金属メッシュを第1の係着部43に係着させるステップと、
S42、ステップS41の後、2つの炭素繊維束を第2の係着部44に係着させ、炭素繊維束の先端構造を空気の流れの方向に向けて設けるステップと、
S43、ステップS42の後、第1のプレート41と第2のプレート42とを組み立てるステップとを含む。
【0034】
S5、ステップS4の後、誘導イオン放出構造2及びイオン化構造3をそれぞれ、プラズマ発生装置1と通信して接続して、誘導プラズマ発生装置を形成する。
【0035】
ステップS5は、具体的には、正極を生成するために使用される発泡金属メッシュ及び正イオンを放出するために使用される炭素繊維束を、ワイヤを介してプラズマ発生装置1の昇圧モジュールの正極接点に接続することと、負極を生成するために使用される発泡金属メッシュ及び負イオンを放出するための炭素繊維束を、ワイヤを介してプラズマ発生装置1の昇圧モジュールの負極接点に接続することとを含む。なお、正極を生成するために使用される発泡金属メッシュ及び正イオンを放出するために使用される炭素繊維束は、プラズマ発生装置1の同じ電位に接続され、負極を生成するために使用される発泡金属メッシュ及び負イオンを放出するために使用される炭素繊維束はプラズマ発生装置1の同じ電位に接続されている。また、正極接点及び負極接点は、プラズマ発生装置1の外部に位置してもよいし、プラズマ発生装置1の内部に位置してもよい。正イオンを放出するために使用される炭素繊維束は、正極を生成するために使用される発泡金属メッシュに隣接しており、負イオンを放出するために使用される炭素繊維束は、負極を生成するために使用される発泡金属メッシュに隣接している。
【0036】
S6、ステップS5の後、誘導プラズマ発生装置のイオン量及びオゾン量を検出する。
【0037】
ステップ6は、具体的には、
S61、電源6を提供し、プラズマ発生装置1を電源6に接続するステップと、
S62、ファンを提供し、誘導プラズム発生装置をファンの排気口に取り付けるステップと、
S63、空気正負イオンテスターを提供し、空気正負イオンテスターを誘導プラズマ発生装置の前端の初期テストポイントに配置するステップであって、具体的には、初期テストポイントとファンの排気口との間の水平距離は10cmである、ステップと、
S64、電源、ファン及び空気正負イオンテスターを起動し、空気正負イオンテスターが数値を表示してから5~10秒後に読み取り値を取り、このステップを少なくとも3回繰り返して、3つの読み取り値の平均をとるステップと、
S65、空気正負イオンテスターを初期テストポイントから離れて移動して再度テストするステップであって、具体的には、ファンの排気口から20cm、30cm及び40cm離れた場所でテストするステップと、
S66、オゾンモニタを使用してオゾン量を検出するステップとを含む。
【0038】
本実施例では、KT‐401 Air Ion Tester空気正負イオンテスターを用いてテストを実施し、該機器の最大読み取り値は1999×104である。
図2に示すように、誘導プラズマ発生装置は、プラズマ管、発泡金属メッシュ、及び炭素繊維束を組み合わせたものと比較して、より広い範囲でより多くのイオンを発生させることができる。また、誘導プラズマ発生装置によって生成されるオゾンの量は0.033ppmであり、オゾン臭がなく、基本的に無視できる。一方、プラズマ管、発泡金属メッシュ、及び炭素繊維束を組み合わせたものによって生成されるオゾンの量は0.2~1ppmであり、強いオゾン臭がある。誘導プラズマ発生装置によって生成されるオゾンの量は、プラズマ管、発泡金属メッシュ、及び炭素繊維束を組み合わせたものよりも著しく低いことが分かる。
【0039】
実施例2
【0040】
本実施例は実施例1と類似しているが、相違点は、ステップS3が具体的には、
S31、キャリア金属を用いて基板ペーストを調製するステップと、
S32、基板ペーストに酸化金属材料を添加し、混合してメッシュ構造を形成して、イオン化構造3を得るステップとを含むことである。
【0041】
実施例3
【0042】
図3~
図7は、本発明による誘導プラズマ発生装置の第1の実施例を示しており、誘導プラズマ発生装置は、プラズマ発生装置1と、プラズマ発生装置1と通信して接続された誘導イオン放出構造2及びイオン化構造3とを含み、イオン化構造3と誘導イオン放出構造2は、ブラケット4によって重ね合わされ、イオン化構造3は、前記誘導イオン放出構造2の間に位置する。
【0043】
ブラケット4は、第1のプレート41と、第2のプレート42と、接続シート45と、接続ブロック46とを含み、第1のプレート41、第2のプレート42、及び接続シート45はいずれも、接続ブロック46に接続されている。第1のプレート41及び第2のプレート42にはいずれも、イオン化構造3を固定するための第1の係着部43が設けられており、第1のプレート41には、誘導イオン放出構造2を固定するための第2の係着部44が更に設けられている。
図3、
図6、及び
図7に示すように、第1のプレート41、第2のプレート42、及び接続シート45は互いに平行に配置されており、接続ブロック46は、第1のプレート41の両端に接続されるとともに、第2のプレート42の両端にも接続されている。本実施例では、少なくとも2つの第2の係着部44及び少なくとも2つの第1の係合部43が設けられており、第2の係着部44は第1のプレート41の縁部に位置する。具体的には、第2の係着部44は貫通穴構造であり、第1のプレート41には、互いに平行な複数本のストリップ構造が設けられており、第2のプレート42の構造は、第1のプレート41と同様であり、第2のプレート42にも、互いに平行な複数本のストリップ構造が設けられており、第1の係着部43は、隣接するストリップ構造の間に形成される隙間である。更に、本実施例における接続シート45は、リング構造又は長方形構造であり、これは、ブラケット4を任意の空気清浄機又はファンと重ね合わせることを容易にすることができる。
【0044】
また、誘導プラズマ発生装置は、電源6を更に含み、電源6は、
図4に示すように、プラズマ発生装置1に電気的に接続されている。
【0045】
図3~
図5に示すように、本実施例における誘導プラズマ放出構造2は、2つの炭素繊維束を含み、炭素繊維束は、貫通穴構造に係止され、イオン化構造3は2つの発泡金属メッシュを含み、発泡金属メッシュは隙間に係止され、かつ発泡金属メッシュは2つの炭素繊維束の間に位置する。
図4に示すように、2つの発泡金属メッシュは互いに水平に配置されている。
図5に示すように、2つの発泡金属メッシュはまた、ある角度で配置することもできる。
【0046】
図5に示すように、使用時、誘導プラズマ発生装置に風が吹くと、発生した風速がジェット流を形成し、これはジェット流の原理であり、空気が2つの発泡金属メッシュの間を通過すると、ジェット流の原理により、2つの発泡金属メッシュ間のイオン化により電界が発生し、細菌や有機有害ガス(VOC)などを浄化することができる。空気がブラケット4を通って流れるとき、2つの発泡金属メッシュ及び2つの炭素繊維束は、流れている空気の両側に位置するため、風抵抗を低減し、排気量の減衰を防止することができる。また、炭素繊維束を設けて発泡金属メッシュを誘導することで、イオンの発生を大幅に増加させることができ、またこの過程で微量のオゾンしか生成されないため、浄化効果が向上し、使用者の健康を更に守る。更に、実際の性能に応じて誘導プラズマ発生装置の数を増やすことができるため、細菌を死滅させ、有機有害ガスを分解することを確保し、空気浄化効果を更に向上させることができる。
【0047】
実施例4
【0048】
本実施例は実施例3と類似しているが、相違点は、
図8及び
図9に示すように、本実施例における誘導プラズマ発生装置が導風フード5を更に含み、導風フード5には排気口51及び吸気口52が設けられ、プラズマ発生装置1が導風フード5内に設けられ、導風フード5が排気口51に取り外し可能に接続されていることである。
【0049】
図9に示すように、導風フード5内には、ブラケット4と接続するための第1の接続ポスト53が接続されるとともに、プラズマ発生装置1と接続するための第2の接続ポスト54も接続されている 。第2の接続ポスト54には、プラズマ発生装置1との固定を容易にすることができる切断面が設けられている。具体的には、ブラケット4と排気口51は、ねじを接続シート45及び第1の接続ポスト53に順に通すことによって接続されている。プラズマ発生装置1の両端には凸状リングが設けられており、プラズマ発生装置1と導風フード5は、ねじを凸状リング及び第2の接続ポスト54に順に通すことによって接続されている。本実施例における導風フード5は円筒形であり、導風フード5は、本明細書に限定されないが、長方形、円錐形などの他の構造にすることもできることに留意されたい。
【0050】
使用時、導風フード5の吸気口52を空気清浄機又はファンに接続することにより、空気清浄機又はファンによって吹き出された空気は、誘導プラズマ発生装置を通過した後、排気口51から流出して浄化効果を発揮する。
【0051】
明らかに、本発明の上記の実施例は、本発明を明確に説明するための単なる例であり、本発明の実施形態を限定するものではない。当業者であれば、上記の説明に基づいて他の異なる形態の変更又は修正を行うこともできる。ここでは、すべての実施形態を網羅する必要はなく、網羅することもできない。本発明の精神及び原理の範囲内でなされたいかなる修正、同等の置換及び改善なども、すべて本発明の特許請求の範囲の保護範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0052】
1‐プラズマ発生装置、2‐誘導イオン放出構造、3‐イオン化構造、4‐ブラケット、41‐第1のプレート、42‐第2のプレート、43‐第1の係着部、44‐第2の係着部、45‐接続シート、46‐接続ブロック、5‐導風フード、51‐排気口、52‐吸気口、53‐第1の接続ポスト、54‐第2の接続ポスト、6‐電源。
図5の矢印は、空気の流れの方向を示す。