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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】経絡刺激装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/06 20060101AFI20231226BHJP
【FI】
A61N5/06 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022562990
(86)(22)【出願日】2021-03-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-12
(86)【国際出願番号】 KR2021003092
(87)【国際公開番号】W WO2021210789
(87)【国際公開日】2021-10-21
【審査請求日】2022-12-02
(31)【優先権主張番号】10-2020-0045414
(32)【優先日】2020-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522404074
【氏名又は名称】ペク, スン ウク
【氏名又は名称原語表記】BAEK, Sung Wook
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ペク, スン ウク
【審査官】鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0004631(US,A1)
【文献】特開2009-142543(JP,A)
【文献】特開2007-307224(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1025473(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源を供給する電源部と、
ユーザーの皮膚に付着された状態で前記ユーザーの心臓拍動周期を検出する検出部と、
可視光線を放出する発光部と、前記可視光線を吸収せずに透過させるフィルターと、を含み、前記ユーザーに対して治療目的に対応する既設定された位置に付着される少なくとも1つのパッドと、
前記ユーザーの心臓拍動周期に基づき前記発光部が周期的に前記可視光線を放出するよう前記発光部の動作を制御する制御部と、を含み、
前記フィルターは、
鉄(Fe)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、リチウム(Li)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、およびノーベリウム(No)中少なくとも1つの鉱物質とセレン(Se)が前記治療目的に対応する疾病ごとに異なる設定の特定の比率で配合されて形成され、
前記制御部は、
前記疾病別に前記パッドから放出される前記可視光線の波長を制御し、前記疾病ごとに刺激される既設定された位置の刺激の程度を制御するために周期的に放出される前記可視光線の強さを制御する、経絡刺激装置。
【請求項2】
前記フィルターは、
前記鉄(Fe)、前記マグネシウム(Mg)、前記カルシウム(Ca)、前記リチウム(Li)、前記亜鉛(Zn)、前記銅(Cu)、前記モリブデン(Mo)、前記クロム(Cr)、前記ニッケル(Ni)、および前記ノーベリウム(No)中少なくとも1つの鉱物質と前記セレン(Se)が前記既設定された位置に対応して、それぞれ異なる比率で構成されることを特徴とする、請求項1に記載の経絡刺激装置。
【請求項3】
前記既設定された位置は、
前記ユーザーの経穴に対応する位置であって、前記フィルターを透過した前記可視光線によって刺激されることを特徴とする、請求項1に記載の経絡刺激装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのパッドは、
前記ユーザーの異なる既設定された位置に対応して、互いに異なる比率の元素で構成されたフィルターを含むことを特徴とする、請求項1に記載の経絡刺激装置。
【請求項5】
前記経絡刺激装置は、
外部サーバーから学習されたデータを受信する通信部をさらに含み、
前記制御部は、
前記学習されたデータを反映して、前記発光部の動作を制御することを特徴とする、請求項1に記載の経絡刺激装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の実施形態は、経絡刺激装置に関するものであって、具体的には心臓拍動周期に基づいて放出される可視光線が、複数の鉱物質の配合で構成されたフィルターを透過して経絡上の特定の経穴を刺激する経絡刺激装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に東洋医学において、鍼が病気の治療手段として多く使用されている。このとき、東洋医学の理論的根拠は経絡に置いている。東洋医学において、経絡は、複数の経穴を連結したものとして、エネルギーである気が流れる通路であり得る。このとき、経穴は、経絡上の特別な機能を有する位置に経絡が外部と通じる通路の役割として、鍼を通じて人体内部の気の流れが調節される位置であり得る。例えば、東洋医学においては、鍼を通じて経穴を刺激して、経絡を流れるエネルギーの流れを円滑にすることによって、疾病が治療され得ると見なす。
【0003】
しかし、経絡と経穴の実体が未だ明確に究明できていないという理由で、東洋医学が非科学的な医療行為であるという批判があることも事実である。これに関して、経絡と経穴の実体を究明するための多様な研究があり一部成果があった。但し、多様な研究を通じて発見された経絡と経穴の実体が客観的かつ再現可能ではなく、東洋医学の古典経絡図との不一致の問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書の実施形態は、前述の問題点を解決するために提案されたものであって、心臓拍動周期に基づいて放出される可視光線が複数の鉱物質の配合で構成されたフィルターを透過して、経絡上の特定の経穴を刺激する経絡刺激装置に関する技術を開示する。このとき、心臓拍動周期に基づいて放出される可視光線がフィルターを透過して経穴を刺激することによって、経絡に沿って温度が上昇され得、これによって経絡の実体が究明され得る。そのため、経絡刺激装置による経絡の視覚化を通じて経絡の実体が客観的に究明され得る。本実施形態が解決しようとする技術的課題は、前記のような技術的課題に限定されず、以下の実施形態からさらに他の技術的課題が類推され得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述した課題を解決するために、本明細書の一実施形態に係る経絡刺激装置は、電源を供給する電源部、ユーザーの皮膚に付着された状態で前記ユーザーの心臓拍動周期を検出する検出部、可視光線を放出する発光部と、前記可視光線が透過するフィルターを含み、前記ユーザーに対して既設定された位置に付着される少なくとも1つのパッド、および前記ユーザーの心臓拍動周期に基づいて前記発光部の動作を制御する制御部を含むことができる。
【0006】
一実施形態によると、前記制御部は、前記ユーザーの前記心臓拍動周期を考慮して、前記発光部が周期的に前記可視光線を放出するよう制御することを特徴とし得る。
【0007】
一実施形態によると、前記フィルターは、鉄(Fe)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、リチウム(Li)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、およびノーベリウム(No)の中から少なくとも1つとセレン(Se)を含むことを特徴とし得る。
【0008】
一実施形態によると、前記フィルターは、前記鉄(Fe)、前記マグネシウム(Mg)、前記カルシウム(Ca)、前記リチウム(Li)、前記亜鉛(Zn)、前記銅(Cu)、前記モリブデン(Mo)、前記クロム(Cr)、前記ニッケル(Ni)、および前記ノーベリウム(No)の中から少なくとも1つと前記セレン(Se)が前記既設定された位置に対応して、それぞれ異なる比率で構成されることを特徴とし得る。
【0009】
一実施形態によると、前記既設定された位置は、前記ユーザーの経穴に対応する位置であって、前記フィルターを透過した前記可視光線によって刺激されることを特徴とし得る。
【0010】
一実施形態によると、前記少なくとも1つのパッドは、前記ユーザーの異なる既設定された位置に対応して、互いに異なる比率の元素で構成されたフィルターを含むことを特徴とし得る。
【0011】
一実施形態によると、前記制御部は、前記ユーザーの既設定された位置を考慮して、前記放出される可視光線の強さを制御することを特徴とし得る。
【0012】
一実施形態によると、前記経絡刺激装置は、外部サーバーから学習されたデータを受信する通信部をさらに含み、前記制御部は、前記学習されたデータを反映して、前記発光部の動作を制御することを特徴とし得る。
【0013】
その他の実施形態の具体的な事項は、詳細な説明および図面に含まれている。
【発明の効果】
【0014】
本明細書の実施形態によると、以下のような効果が1つ或いはそれ以上ある。
【0015】
第1に、心臓拍動周期に基づいて放出される可視光線が、複数の鉱物質の配合で構成されたフィルターを透過して経絡上の特定の経穴を刺激することによって、経絡に沿って温度が上昇し、経絡の実体が確認され得る。
【0016】
第2に、光を用いた非侵襲方法を用いて、施術部位の感染発生をなくし、痛みなく疾病治療が可能であり得る。また、再使用可能であるため廃棄物処理費用が節減され得る。
【0017】
第3に、経絡刺激装置の小型化および軽量化によって携帯が容易であり、ユーザーの身体に固定され得、ユーザーが日常生活をしつつ同時に経絡刺激装置を用いて治療をすることができる。
【0018】
開示の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されていないさらに他の効果は、請求範囲の記載から当該技術分野の通常の技術者に明確に理解され得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】一実施形態に係る経絡刺激装置のブロック図を示す図面である。
図2】一実施形態に係るサーバーと経絡刺激装置を示す図面である。
図3】一実施形態に係るウェアラブル機器形態の経絡刺激装置を示す図面である。
図4】他の一実施形態に係る経絡刺激装置を示す図面である。
図5】さらに他の一実施形態に係る経絡刺激装置を示す図面である。
図6】一実施形態に係る駆動信号を示す図面である。
図7】一実施形態に係る古典経絡図上の足の太陰脾経(Spleen Meridian)を示す図面である。
図8】一実施形態に係る古典経絡図上の足の太陰脾経の特定の経穴を鍼で刺激したときに現れる人体の変化を示す図面である。
図9】一実施形態に係る図10ないし図12に対応する駆動信号を示す図面である。
図10】一実施形態に係る可視光線を連続的に放出する場合の人体の変化を示す図面である。
図11】一実施形態に係る可視光線を1.8Hzで放出する場合の人体の変化を示す図面である。
図12】一実施形態に係る可視光線を1.2Hzで放出する場合の人体の変化を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付した図面を参照して、本明細書に開示された実施形態を詳細に説明するが、図面符号に関係なく同一または類似の構成要素は同一の参照番号を付与し、これに関して重複する説明は省略するものとする。以下の説明において使用される構成要素に関する接尾辞、「モジュール」および「部」は、明細書作成の容易さのみが考慮されて付与または混用されるものであって、それ自体に互いに区別される意味または役割を有するものではない。また、本明細書に開示された実施形態を説明することにおいて、関連する公示技術に関する具体的な説明が本明細書に開示された実施形態の要旨を曖昧にし得ると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、添付された図面は、本明細書に開示された実施形態を容易に理解できるようにするためのものだけであり、添付された図面によって本明細書に開示された技術的事象が制限されず、本開示の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むものとして理解されなければならない。
【0021】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明することに使用され得るが、前記構成要素は前記用語によって限定されることはない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。
【0022】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるか、「接続されて」いると言及されるときには、その他の構成要素に直接連結されているか、または接続されていてもよいが、中間に他の構成要素が存在してもよいと理解されなければならないだろう。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるか、「直接接続されて」いると言及されるときには、中間に他の構成要素が存在しないものとして理解されなければならないだろう。
【0023】
単数の表現は、文脈上明確に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
【0024】
本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の異なる特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないものとして理解されなければならない。
【0025】
実施形態を説明することにおいて、本開示が属する技術分野においてよく知られており、本開示と直接的に関連のない技術内容に関しては説明を省略する。これは、不必要な説明を省略することにより、本開示の要旨を曖昧にせず、より明確に伝達するためである。
【0026】
同様の理由により、添付図面において一部の構成要素は、誇張または省略されるか、概略的に図示された。また、各構成要素の大きさは、実際の大きさを全的に反映するものではない。各図面において、同一または対応する構成要素には同一の参照番号を付与した。
【0027】
本開示の利点および特徴、そして、それらを達成する方法は、添付される図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば明確になるであろう。しかし、本開示は、以下において開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態として具現され得、単に本実施形態は、本開示の開示が完全なものとして、本開示が属する技術分野において通常の知識を有する者に開示の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本開示は請求項の範疇によって定義されるのみである。明細書全体にわたった同一の参照符号は、同一の構成要素を指称する。
【0028】
図1は、一実施形態に係る経絡刺激装置のブロック図を示す図面である。
【0029】
図1を参照すると、経絡刺激装置100は、電源部110、検出部120、パッド130、および制御部140の中から少なくとも1つを含むことができる。電源部110は、経絡刺激装置100に電源を供給することができ、検出部120は、ユーザーの皮膚に付着された状態でユーザーの心臓拍動周期を検出することができる。検出部120は、ユーザーの心臓拍動周期をモニタリングすることができ、ユーザーの動きによる心臓拍動周期の変化を検出することができる。検出部120が心臓拍動周期を検出およびモニタリングする方法は、関連技術分野において一般的に使用される方法が適用され得る。
【0030】
また、パッド130は、可視光線を放出する発光部と可視光線が透過するフィルターを含むことができ、パッド130は、ユーザーに対して既設定された位置に付着され得る。具体的には、発光部は、可視光線領域の光を放出することができ、例えば、発光部は、380~770nmの波長領域の光を放出することができる。発光部から放出された可視光線は、フィルターを透過してユーザーの既設定された位置に到達することができる。このとき、ユーザーの既設定された位置は、経穴に対応する位置であって、フィルターを透過した可視光線によって刺激され得る。このとき、発光部は、可視光線領域の光を放出する光源として、例えば、LED(Light Emitting Diode)であり得る。LEDは、波長線幅(wavelength bandwidth)が狭く特定波長の光源を放出するので、有害な紫外線や不必要な赤外線などを放出し得ない。
【0031】
このとき、フィルターは、複数の鉱物質(mineral)が配合されて構成され得る。一例として、フィルターは、鉄(Fe)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、リチウム(Li)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、およびノーベリウム(No)など、30数種類の鉱物質の中から少なくとも1つとセレン(Se)が配合されて構成され得る。このとき、セレンは、抗酸化効果による老化防止、がん発生の抑制効果、泌尿生殖器治療、免疫力強化など、人体を活性化する効果がある。
【0032】
具体的には、フィルターは、鉄(Fe)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、リチウム(Li)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、およびノーベリウム(No)など、30数種類の鉱物質の中から少なくとも1つとセレン(Se)が既設定された位置に対応して、それぞれ異なる比率で構成され得る。フィルターを透過した可視光線が、既設定された位置を刺激することによって疾病を治療するために、フィルターが既設定された位置ごとにそれぞれ異なる比率で構成され得る。例えば、足の太陰脾経(Spleen Meridian)または足の少陰腎経(Kidney Meridian)に位置する経穴(acupuncture point)を刺激して、慢性腎臓疾患(CKD)を治療するために、フィルターは、複数の鉱物質とセレンが32:1の比率で配合されて構成され得る。薬物を全く使用せず、特定の比率で配合されたフィルターを透過した可視光線が経穴を刺激することによって、慢性腎臓疾患(CKD)が治療され得る。
【0033】
このとき、フィルターは、多様な形状で可視光線が放出される経路に位置し得る。例えば、フィルターは、フィルム形態で発光部の一面に付着され得、発光部が放出する可視光線はフィルム形態のフィルターを透過することができる。
【0034】
このとき、パッドは、ユーザーの互いに異なる既設定された位置に対応して、互いに異なる比率の元素で構成されたフィルターを含むことができる。具体的には、他の疾病を治療するために他の経穴を刺激するときに用いられるフィルターは、複数の鉱物質とセレンが異なる比率で配合されて構成され得る。
【0035】
経絡に位置する経穴は固有周波数を有しており、固有周波数と同一の周波数で該当経穴を刺激する場合、共振により経絡に沿って温度が上昇され得る。具体的には、心臓拍動周期に基づいて放出される可視光線を用いて経絡に位置する経穴を刺激する場合、共振により経絡に沿って温度が上昇され得る。そこで、制御部140は、ユーザーの心臓拍動周期に基づいて発光部の動作を制御することができる。検出部120がユーザーの心臓拍動周期を検出した場合、制御部140は、心臓拍動周期を考慮して発光部の動作を制御することができる。ユーザーの動きによって心臓拍動周期が変化しても、検出部120は変化した心臓拍動周期を検出することができ、制御部140は変化した心臓拍動周期を考慮して発光部の動作を制御することができる。具体的には、可視光線の点滅周期が心臓拍動周期とn:1(但し、nは整数)で対応するよう、制御部140は発光部の動作を制御することができる。例えば、可視光線の点滅周期と心臓拍動周期が1:1で対応するよう、制御部140は発光部の動作を制御することができる。従って、経穴の位置において拍動する瞬間ごとに可視光線が経穴を刺激することができる。他の例を挙げると、可視光線の点滅周期と心臓拍動周期が2:1で対応するよう、制御部140は発光部の動作を制御することができる。従って、経穴の位置において拍動が2回する瞬間ごとに、可視光線が経穴を刺激することができる。さらに他の例を挙げると、韓医学において複数の部位に鍼を打つことと同様に、パッド130が複数の位置に付着された場合、それぞれのパッド130を通じて放出される可視光線の点滅周期は相違し得る。
【0036】
また、制御部140は、ユーザーの既設定された位置を考慮して、発光部から放出する可視光線の波長を制御することができる。具体的には、経絡刺激装置を用いて、既設定された位置を刺激することによって治療効果を得るために、制御部は発光部から放出する可視光線の波長を制御することができる。治療目的によって、経絡刺激装置が刺激するユーザーの既設定された位置が相違することがあり、制御部は既設定された位置を考慮して発光部から放出する可視光線の波長を制御することができる。例えば、310~330nmの波長の光はアトピー治療に適合することができ、410~430nmの波長の光はニキビ治療に適合することができ、630~660nmの波長の光は皮膚の美白、皮膚の老化防止に適合することができる。これに関して、制御部は、皮膚の美白、皮膚の老化防止の目的としてユーザーの既設定された位置を刺激するために、可視光線領域の中から630~660nmの波長の光を放出するよう発光部を制御することができるか、または制御部は、アトピー治療の目的としてユーザーの既設定された位置を刺激するために、可視光線領域の中から410~430nmの波長の光を放出するよう発光部を制御することができる。
【0037】
また、韓医学において、鍼の長さが互いに異なる長針と短針を使用するように、経絡刺激装置は、放出される可視光線の強さを用いて経穴が刺激される程度を制御することができる。制御部140は、ユーザーの既設定された位置を考慮して、発光部から放出する可視光線の強さを制御することができる。例えば、制御部140は、足の太陰脾経(Spleen Meridian)に位置する経穴(acupuncture point)を刺激するときと手の厥陰心包経(Pericardium Meridian)に位置する経穴を刺激するときに、発光部から放出する可視光線の強さを互いに異なるように制御することができる。ここで、手の厥陰心包経は、心臓病、疲労回復、リウマチ、手の麻痺などに関連する経絡として、9個の経穴を含んでいる。
【0038】
このとき、発光部から放出される可視光線の強さが弱い場合、経絡刺激効果が微弱であり得、強さが強い場合、皮膚に刺激となるかバッテリー消耗が早くなり得る。これに関して、発光部は、適正な強さで可視光線を放出することができる。例えば、経絡刺激装置は、300~1000lux範囲の可視光線を用いて経穴を刺激することができる。具体的には、経絡刺激装置は、800luxの可視光線を用いて経穴を刺激することができる。
【0039】
また、経絡刺激装置は、表示部(未図示)をさらに含むことができる。表示部は、パッド130が付着された位置が経穴に対応するか否かを表示することができる。経絡刺激装置は、関連技術分野において一般的に使用される方法を用いて、パッド130が付着された位置が経穴に対応するか否かを決定することができる。パッド130が付着された位置が経穴に対応しない場合、経絡刺激装置は、表示部を通じてパッド130が付着された位置の調整を示す指示を表示することができる。従って、専門家ではない一般人が経絡刺激装置を使用しても、経穴に対応する正確な位置にパッド130を付着して経絡が刺激され得る。例えば、経絡刺激装置は、パッド130を通じてユーザーの身体に電流を供給し、ユーザーの身体から発生した電圧を用いてインピーダンス値を測定することができる。経絡刺激装置は、インピーダンスから抽出されたリアクタンスと基準リアクタンスを比較して、パッド130が付着された位置が経穴に対応するか否かを決定することができる。ここで、基準リアクタンスは、該当経穴に対応するリアクタンス値であって、事前に実験を通じて決定された統計的な値であり得る。万一、経穴に対応しない場合、経絡刺激装置は、表示部を通じてパッド130が付着された位置の調整を指示することができる。
【0040】
実施形態によると、経絡に位置する経穴は、固有周波数を有しており、固有周波数と同一の周波数で該当経穴を刺激する場合、共振により経絡に沿って温度が上昇され得る。具体的には、心臓拍動周期に基づいて放出される可視光線を用いて経絡に位置する経穴を刺激する場合、共振により経絡-脈動イオン電流が発生し、脈動イオン電流の通路に沿って生じる電気・化学的反応の結果として、経絡に沿って温度が上昇することが熱画像カメラを通じて確認され得る。このとき、人体の血管やリンパ管は、生理的にこのような温度上昇はあり得ないため、これは、経絡に沿ってエネルギーが流れるものと見なすことができる。このようなエネルギーの流れによって、疾病が治療され得る。ここで、温度が上昇する部位を連結すると、古典経絡図上の経絡と類似することを確認することができ、温度上昇による経絡の視覚化を通じて経絡の客観的実体が究明され得る。例えば、足の少陰腎経(Kidney Meridian)に位置する経穴を刺激して、足の少陰腎経に沿ってエネルギーが流れることにより腎臓の機能が増進されることによって、慢性腎臓疾患(CKD)が治療され得る。慢性腎臓疾患(CKD)患者(男性31人、女性18人)を対象に、1日50~60分程度、経絡刺激装置を用いて経穴を刺激した場合、実際に1~2ヶ月後に患者のクレアチニン数値が3.6±0.5mg/dlから0.8±0.2mg/dlに改善されることを確認することができた。
【0041】
ここで、足の少陰腎経は、腎臓病、下肢麻痺、薬物中毒、咽喉痛、糖尿病、呼吸器疾患、婦人病、風邪、喘息などに関連する経絡として、27個の経穴を含んでいる。経絡刺激装置を用いて足の少陰腎経に位置する経穴を刺激する場合、足の少陰腎経に沿って人体の温度が上昇することが熱画像カメラを通じて確認され得る。
【0042】
図2は、一実施形態に係るサーバーと経絡刺激装置を示す図面である。
【0043】
図2を参照すると、サーバー210は、経絡刺激装置220と通信を遂行することができる。サーバー210と経絡刺激装置220は、有無線通信を用いてデータを送受信できる通信部を含むことができる。前述の記載がここで適用され得る。このとき、通信部が用いる通信技術には、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communication)、CDMA(Code Division Multi Access)、LTE(Long Term Evolution)、5G、WLAN(Wireless LAN)、Wi-Fi(Wireless-Fidelity)、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(Infrared Data Association; IrDA)、ZigBee(登録商標)、NFC(Near Field Communication)などがある。
【0044】
サーバー210は、経絡刺激装置220から関連データを受信して学習することができ、既存データをアップデートすることができる。具体的には、サーバー210は、ユーザーの特徴(例えば、年齢、身長、体重、運動習慣、食習慣など)による治療効果を経絡刺激装置220から受信することができる。関連データを受信したサーバー210は、ニューラルネットワーク(Neural Network)を適用して関連データを分析および学習して、関連データを管理することができる。例えば、サーバー210は、年齢による治療効果を分析および学習して管理できるか、または身長と体重による治療効果を分析および学習して管理できるか、または運動習慣および食習慣による治療効果を分析および学習して管理することができる。
【0045】
経絡刺激装置220は、サーバー210から学習されたデータを受信することができ、制御部は、学習されたデータを反映して発光部の動作を制御することができる。例えば、制御部は、サーバー210から受信したデータとユーザーの心臓拍動周期を考慮して、発光部の動作を制御することができる。
【0046】
また、経絡刺激装置220は、ユーザーに関連するデータを持続的に検出してサーバー210に伝送することができ、サーバー210は、ユーザーに関連する累積されたデータを用いてユーザーの健康状態をモニタリングすることができる。また、経絡刺激装置220は、累積されたデータを反映して、経穴を刺激することによって個人にオーダーメード型医療サービスが提供され得る。経絡刺激装置220は、定期的または不定期的に実行した結果をサーバー210に伝送し、サーバー210は、関連データを用いてユーザーの健康状態をモニタリングすることができる。サーバー210は、疾病が発生するか、または疾病が予想される場合、治療または予防目的として経穴が刺激され得るように関連情報を経絡刺激装置220に伝送し、経絡刺激装置220は、関連情報を反映してユーザーの経絡を刺激することによって、疾病を治療または予防することができる。
【0047】
図3は、一実施形態に係るウェアラブル機器形態の経絡刺激装置を示す図面である。
【0048】
図3を参照すると、経絡刺激装置は、時計形態としてユーザーの身体に着用されるウェアラブル機器であり得る。前述の記載がここで適用され得る。ウェアラブル機器(wearable device)は、ユーザーの身体に着用される機器であり得る。例えば、ウェアラブル機器は、指輪、時計、眼鏡、ブレスレット、ベルト、バンド、ネックレス、イヤリング、ヘルメット、または服のような多様な形態としてユーザーの身体に着用され得る。
【0049】
経絡刺激装置は、on/offスイッチ310を含むことができる。on/offスイッチ310の操作によって、電源部から電源が供給されるか、電源が供給され得ない。
【0050】
また、経絡刺激装置は、検出部320を含むことができる。検出部320は、ユーザーの心臓拍動周期をモニタリングすることができ、ユーザーの動きによる心臓拍動周期の変化を検出することができる。
【0051】
また、経絡刺激装置はパッド330を含むことができる。パッド330は、フィルター333と発光部331を含むことができる。図3のような経絡刺激装置のパッド330は、1つのフィルター333と1つの発光部331を含んでおり、本願発明の権利範囲がこれに制限されるものではなく、図4のように多様な個数のパッド330を含むことができる。
【0052】
経絡刺激装置のパッド330は、直径4.2mmの円筒形状であり得、発光部331は直径3.0mmの円筒形状であり得、フィルター333は発光部331の一面に付着され得る。例えば、フィルター333は、フィルム形態として発光部331の一面に付着され得る。このような形態およびサイズは一例に過ぎず、本願発明の権利範囲がこれに制限されるものではない。
【0053】
図4は、他の一実施形態に係る経絡刺激装置を示す図面である。
【0054】
経絡刺激装置は、1つの検出部410と複数のパッドを含むことができる。韓医学において、治療効果を高めるために多数の経穴に鍼を打つことと同様に、図3とは異なり、経絡刺激装置は、複数のパッドを用いて多数の経穴を刺激することができる。前述の記載がここで適用され得る。
【0055】
このとき、ユーザーに付着される部位に対応してパッドの個数が異なる経絡刺激装置が用いられ得る。例えば、図4のように、経絡刺激装置は、13個のパッド421~433を含むことができる。また、ユーザーの部位に対応して、異なる大きさを有する経絡刺激装置が用いられ得る。例えば、図4の経絡刺激装置は、110mm*70mmの大きさを有しているが、他の部位に適用されるときは、他の大きさの経絡刺激装置が用いられ得る。
【0056】
前述したことと同様に、検出部410は、ユーザーの心臓拍動周期を検出することができる。検出部410は、図4のように、パッドと同一平面上に位置するか、または別途で存在し得る。
【0057】
一例として、図4のように、パッドは、パッド421、パッド422、パッド423、パッド424、パッド425、パッド426、パッド427、パッド428、パッド429、パッド430、パッド431、パッド432、パッド433を含むことができる。このとき、経絡刺激装置は、それぞれのパッド421~433から放出される可視光線を通じて経穴を刺激することができる。
【0058】
このとき、13個のパッドの配列関係は、ユーザーの部位に対応して異なり得る。例えば、13個のパッドが用いられたとしても、ユーザーの腹部に用いられる場合とユーザーの腰に用いられる場合のパッドの配列関係は互いに異なり得る。
【0059】
また、図4のように、パッド421とパッド422の間およびパッド432とパッド433の間は50mm離隔され得、パッド421とパッド424の間およびパッド424とパッド431の間は30mm離隔され得、パッド425とパッド427の間およびパッド422とパッド425の間は15mm離隔され得、パッド427とパッド428の間は13mm離隔され得る。このような13個のパッドの離隔距離は一例に過ぎず、ユーザーの部位に対応して離隔距離は異なり得る。
【0060】
経絡刺激装置は、心臓拍動周期に基づいて、それぞれのパッド421~433から放出される可視光線を用いて経穴を刺激することができる。経絡刺激装置に含まれた制御部は、発光部の動作を制御するために駆動信号を生成することができる。駆動信号に関する詳細な内容は、以下の図6に記載する。
【0061】
制御部は、駆動信号を発光部に伝送することができ、発光部は、駆動信号によって動作が制御され得る。このとき、それぞれのパッドは、互いに異なる駆動信号を受信することができる。具体的には、制御部は、それぞれのパッド別に計算された遅延時間を適用して、特定の順序で可視光線を放出するよう駆動信号を発光部に伝送することができる。従って、人体の部位に鍼を打つ順序と同様に、可視光線を放出するパッドの順序が駆動信号によって制御され得る。例えば、それぞれの駆動信号によって、パッド427が心臓拍動周期に基づいて可視光線を放出する場合、パッド425、426、428、429は、1周期遅延して可視光線を放出することができ、パッド421、422、423、424、430、431、432、433は、2周期遅延して可視光線を放出することができる。
【0062】
また、制御部は、それぞれのパッド別に計算された周期を適用して、特定の周期に可視光線を放出するよう駆動信号を発光部に伝送することができる。例えば、それぞれの駆動信号によって、パッド427が心臓拍動周期と1:1で対応する周期に可視光線を放出する場合、パッド425、426、428、429は心臓拍動周期と2:1で対応する周期に可視光線を放出することができ、パッド421、422、423、424、430、431、432、433は心臓拍動周期と4:1で対応する周期に可視光線を放出することができる。
【0063】
また、経絡刺激装置は、バンド440を含むことができ、ユーザーが経絡刺激装置を手で掴んでいなくても、バンド440によって経絡刺激装置はユーザーの身体に固定され得る。
【0064】
図5は、さらに他の一実施形態に係る経絡刺激装置を示す図面である。
【0065】
図3および図4のように、パッドは本体に内蔵され得るか、または図5のように、パッド521~539は本体510に内蔵され得ない。経絡刺激装置は、本体510と少なくとも1つのパッド521~539を含むことができる。このとき、本体510は、電源を供給する電源部、ユーザーの心臓拍動周期に基づいて発光部の動作を制御する制御部を含むことができる。検出部は、本体510に内蔵されるか、または有無線を通じて本体510と関連データを送受信することができる。パッド521~539は一例に過ぎず、本願発明の権利範囲はパッドの個数が異なる場合も含むことができる。
【0066】
パッド521~539は、ユーザーの互いに異なる既設定された位置に対応して互いに異なる比率の元素で構成されたフィルターを含むことができる。治療効果を向上させるために、パッド521~539は、互いに異なる比率の元素で構成されたフィルターを含むことができる。即ち、他の疾病を治療するために、他の経穴を刺激するときに用いられるフィルターは、複数の鉱物質とセレンが異なる比率で配合されて構成され得る。例えば、足の太陰脾経(Spleen Meridian)に位置する経穴(acupuncture point)に付着されるパッド521と手の厥陰心包経(Pericardium Meridian)に位置する経穴に付着されるパッド523は、複数の鉱物質とセレンが異なる比率で配合されて構成されたフィルターを含むことができる。
【0067】
図6は、一実施形態に係る駆動信号を示す図面である。
【0068】
図610によると、パッドによる可視光線の放出順序を確認することができる。前述の記載がここで適用され得る。経絡刺激装置の制御部は、それぞれのパッド別に計算された遅延時間を適用して、特定の順序で可視光線を放出するよう駆動信号を発光部に伝送することができる。具体的には、グラフ611のように検出部は、周期的に反復される心臓拍動を検出することができる。経絡刺激装置の制御部は、グラフ613のように心臓拍動周期と1:1で対応するよう駆動信号を生成することができ、発光部は、駆動信号によって心臓拍動する期間t1に可視光線を放出し、心臓拍動しない期間t2に可視光線を放出し得ない。経絡刺激装置の制御部は、グラフ615のように駆動信号を生成することができ、発光部は、グラフ613よりも周期T遅延して駆動信号によって動作することができる。同様に、経絡刺激装置の制御部は、グラフ617のように駆動信号を生成することができ、発光部は、グラフ613よりも周期2T遅延して駆動信号によって動作することができる。即ち、制御部は、グラフ613に対応するパッドからグラフ615に対応するパッド、グラフ617に対応するパッドの順序で動作するよう制御することができる。
【0069】
図620によると、パッドによる可視光線の放出周期を確認することができる。前述の記載がここで適用され得る。経絡刺激装置の制御部は、それぞれのパッド別に計算された周期を適用して、特定の周期で可視光線を放出するよう駆動信号を発光部に伝送することができる。具体的には、グラフ621のように検出部は、周期的に反復される心臓拍動を検出することができる。経絡刺激装置の制御部は、グラフ623のように心臓拍動周期と1:1で対応するよう駆動信号を生成することができる。経絡刺激装置の制御部は、グラフ625のように心臓拍動周期と2:1で対応するように駆動信号を生成することができる。同様に、経絡刺激装置の制御部は、グラフ627のように心臓拍動周期と4:1で対応するよう駆動信号を生成することができる。
【0070】
実施形態によると、経穴を刺激することによる人体の変化が相違し得るので、可視光線の放出順序を変えて刺激される経穴の順序を通じて治療効果が向上され得る。また、可視光線の放出周期を変えて経穴の刺激される程度を変えることによって、治療効果が向上され得る。
【0071】
図7は、一実施形態に係る古典経絡図上の足の太陰脾経(Spleen Meridian)を示す図面である。図8は、一実施形態に係る古典経絡図上の足の太陰脾経の特定の経穴を鍼で刺激したときに現れる人体の変化を示す図面である。
【0072】
古代人たちは、人の体から経絡を発見して、これを図で表現した図6のような古典経絡図を残し、この古典経絡図に係る鍼術に基づいて多くの疾病を治療した。例えば、古典経絡図上の経穴に鍼を打つ順序を変えるか、または経穴による鍼の種類(ex:長針、短針など)を変えて、多くの疾病が治療された。
【0073】
図7のような足の太陰脾経は、月経不順、食中毒、結核、婦人科疾患、腎臓、糖尿病、喘息、肋膜炎などに関連する経絡として、21個の経穴を含んでいる。足の太陰脾経上の特定の経穴を鍼で刺激した場合、時折、図8のように人体の温度が上昇することが、熱画像カメラを通じて確認され得る。しかし、このような人体の温度上昇は、図7のような古典経絡図による温度上昇として示さず、特殊な生理現象として思われているだけで、人体における経絡の存在の論拠として用いられていなかった。
【0074】
図9は、一実施形態に係る図10ないし図12に対応する駆動信号を示す図面である。図10は、一実施形態に係る可視光線を連続的に放出する場合の人体の変化を示す図面である。図11は、一実施形態に係る可視光線を1.8Hzで放出する場合の人体の変化を示す図面である。図12は、一実施形態に係る可視光線を1.2Hzで放出する場合の人体の変化を示す図面である。
【0075】
経絡刺激装置の検出部は、グラフ901のように周期的に反復される心臓拍動を検出することができ、また、経絡刺激装置の制御部は、駆動信号を生成して発光部に伝送することができる。前述の記載がここで適用され得る。ここでは、ユーザーの心臓拍動周期は1.2Hzであることを前提とする。
【0076】
経絡刺激装置の制御部が、グラフ903のように可視光線を連続的に放出するよう駆動信号を発光部に伝送する場合、可視光線によって共振が発生することができない。従って、グラフ903による場合、図10のように古典経絡図上の足の太陰脾経による温度上昇が確認され得ない。
【0077】
経絡刺激装置の制御部が、グラフ905のように可視光線を1.8Hzで放出するよう駆動信号を発光部に伝送する場合、可視光線によって図11のように古典経絡図上の足の太陰脾経に沿って温度が一部上昇され得る。例えば、可視光線を1.8Hzで放出するよう制御部が駆動信号を発光部に伝送する場合、熱画像カメラで撮影した結果、図11のように古典経絡図上の足の太陰脾経に沿って一部で1.4度上昇したことを確認することができる。
【0078】
経絡刺激装置の制御部が、グラフ907のように可視光線を1.2Hzで放出するよう駆動信号を発光部に伝送する場合、可視光線によって図12のように古典経絡図上の足の太陰脾経に沿って温度が上昇され得る。例えば、心臓拍動周期と1:1で対応して可視光線を1.2Hzで放出するよう制御部が駆動信号を発光部に伝送する場合、熱画像カメラで撮影した結果、図12のように古典経絡図上の足の太陰脾経に沿って2.1度上昇したことを確認することができる。即ち、図11図12を比較すると、心臓拍動周期によって可視光線を放出する場合、古典経絡図上の足の太陰脾経に沿って、より明確な温度上昇を確認することができる。これは、生理的に人体の血管やリンパ管における温度上昇ではあり得ないため、経絡によるエネルギーの流れとして、図12のように温度が上昇したものと見なすことができる。即ち、心臓拍動周期に基づいて可視光線を放出して経穴を刺激することによって、発生する共振により経絡に沿ってエネルギーが流れることで図12のように温度が上昇されたものと見なすことができる。このように温度上昇した部分を連結した場合、古典経絡図上の足の太陰脾経とほぼ一致することを確認することができ、これによって、経絡の実体が客観的に究明されたと見なすことができる。
【0079】
一方、本明細書と図面には本開示の好ましい実施形態に関して開示しており、仮に特定用語が使用されたが、これは単に本開示の技術内容を容易に説明し、開示の理解を助けるための一般的な意味として使用されたものであって、本開示の範囲を限定しようとするものではない。ここに開示された実施形態のほかにも、本開示の技術的思想に基づく他の変形形態が実施可能であることは、本開示の属する技術分野において通常の知識を有する者には自明なことである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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