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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】RFコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/14 20060101AFI20231226BHJP
【FI】
H05K1/14 E
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022572320
(86)(22)【出願日】2021-05-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-28
(86)【国際出願番号】 KR2021006510
(87)【国際公開番号】W WO2021241988
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】10-2020-0063073
(32)【優先日】2020-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】508112782
【氏名又は名称】ケーエムダブリュ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キョ スン ジ
(72)【発明者】
【氏名】チ バク リュ
(72)【発明者】
【氏名】ベ モーク ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ヘ キム
【審査官】ゆずりは 広行
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-043653(JP,A)
【文献】特開2009-187809(JP,A)
【文献】特表2010-539687(JP,A)
【文献】特開平07-085910(JP,A)
【文献】特開平05-275139(JP,A)
【文献】米国特許第06048212(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/14
H01R 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の素子(device)が実装された(mounted)第1の印刷回路基板(first printed circuit board)と、
前記第1の印刷回路基板の少なくとも一側に隣接する領域に実装され、複数の第1の信号伝達ピン(first signal transmission pin)を含む第1のブリッジ組立体(first bridge assembly)と、
前記第1の印刷回路基板から離間されて配置された第2の印刷回路基板(second printed circuit board)と、
前記複数の第1の信号伝達ピンの少なくとも一面に接触可能なように、前記第2の印刷回路基板の少なくとも一側に隣接する領域に配置される複数の接続端子(connection terminal)と、
前記複数の第1の信号伝達ピンと前記複数の接続端子との接触を維持するために、前記複数の第1の信号伝達ピンの少なくとも一面に力を加えるように構成された第1のプッシュバー(first push bar)、及び、
前記第1のプッシュバー及び第2の印刷回路基板に固定され、前記第2の印刷回路基板及び前記第1のプッシュバーのうちの少なくとも一部を遮蔽(shield)するように構成された第1の金属遮蔽板(first metal shielding plate)と、を含むことを特徴とするRFコネクタ。
【請求項2】
互いに隣接する2つの第1の信号伝達ピンの間に配置される複数の遮蔽壁を含み、
前記複数の遮蔽壁は、前記第1の印刷回路基板及び前記第2の印刷回路基板のグランド(ground)と接触されることを特徴とする、請求項1に記載のRFコネクタ。
【請求項3】
前記複数の第1の信号伝達ピンは、前記第1のブリッジ組立体に等間隔に組み立てられることを特徴とする、請求項1に記載のRFコネクタ。
【請求項4】
前記複数の第1の信号伝達ピンはそれぞれ前記複数の接続端子に対応され、
前記複数の第1の信号伝達ピンは、前記複数の接続端子の一面にオーバーラップ(overlap)されて接触されることを特徴とする、請求項1に記載のRFコネクタ。
【請求項5】
前記複数の第1の信号伝達ピンの一面には、前記複数の接続端子と接触される突出部(protruding unit)が形成されることを特徴とする、請求項1に記載のRFコネクタ。
【請求項6】
前記第1のプッシュバーは、前記複数の第1の信号伝達ピンの他面に力を加えるように構成されたことを特徴とする、請求項5に記載のRFコネクタ。
【請求項7】
前記第1のプッシュバーは楔形状(wedge-shaped)を有し、前記楔形状の頂点(vertex)は前記第1の印刷回路基板及び前記第2の印刷回路基板の間に位置することを特徴とする、請求項6に記載のRFコネクタ。
【請求項8】
前記複数の第1の信号伝達ピンは、前記第1の印刷回路基板及び前記第2の印刷回路基板の間に曲げ部(bending unit)を形成することを特徴とする、請求項7に記載のRFコネクタ。
【請求項9】
前記複数の第1の信号伝達ピンは、RF信号(RF signal)、電源(power)、及びデジタル信号(digital signal)を伝達することを特徴とする、請求項1に記載のRFコネクタ。
【請求項10】
前記複数の接続端子はパッド型(pad type)でなされることを特徴とする、請求項1に記載のRFコネクタ。
【請求項11】
前記第1のプッシュバーはプラスチック(plastic)素材で構成されることを特徴とする、請求項1に記載のRFコネクタ。
【請求項12】
前記第1の印刷回路基板はアンプボード(Amp board)であり、
前記第2の印刷回路基板はデジタルボード(digital board)であることを特徴とする、請求項1に記載のRFコネクタ。
【請求項13】
さらに、前記第2の印刷回路基板を基準にして前記第1の印刷回路基板が位置する反対側に離間されて配置され、複数の素子が実装された第3の印刷回路基板(third printed circuit board)、及び、
前記第3の印刷回路基板の少なくとも一側に隣接する領域に実装され、複数の第2の信号伝達ピン(second signal transmission pin)を含む第2のブリッジ組立体(second bridge assembly)と、
前記複数の第2の信号伝達ピンと前記複数の接続端子との接触を維持するために、前記複数の第2の信号伝達ピンの少なくとも一面に力を加えるように構成された第2のプッシュバー(second push bar)、及び、
前記第2のプッシュバー及び前記第2の印刷回路基板に固定され、前記第2の印刷回路基板及び前記第2のプッシュバーのうちの少なくとも一部を遮蔽するように構成された第2の金属遮蔽板(second metal shielding plate)と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のRFコネクタ。
【請求項14】
前記第3の印刷回路基板はアンプボードであることを特徴とする、請求項13に記載のRFコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はRFコネクタに関する。より詳しくは、複数の信号伝達用ピン(pin)を用いてRF信号(Radio Frequency signal)を伝達するRFコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
この部分に記載されている内容は、単に本開示の背景情報を提供するだけであり、従来技術を構成するものではない。
【0003】
PCB(Printed Circuit Board)間でRF(Radio Frequency)信号を送受信するためにRFコネクタを用いるのが一般的である。RFコネクタには、1つの周波数信号を伝達するシングルコネクタ(single connector)及び、互いに異なる周波数帯域の信号を伝達するマルチコネクタ(multi-connector)がある。特に最近では、多様な周波数帯域の信号を処理するためにマルチコネクタが多く用いられている。
【0004】
ただし、従来のマルチコネクタはそれ自体の大きさが大きく、マルチコネクタの構造上、PCBをつなぐためにはPCB間に高さの差が生じ、全体的に部品のサイズが大きくなるという問題がある。
【0005】
また、マルチコネクタが処理できる周波数帯域の範囲には限界があり、マルチコネクタが多い、又は広い範囲の周波数帯域の信号を伝達するためには全体的に部品の単価が増加する問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本開示はこれらの問題を解決するためのものであり、同一平面上でRF信号を伝達できるようにすることによって全体的な部品のサイズを減らすことができるRFコネクタを提供することに主な目的がある。
【0007】
また、本開示は、多様な周波数帯域の信号を処理することができ、同時に単価を下げることができるRFコネクタを提供することに主な目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するための本開示の一実施例によると、複数の素子(device)が実装された(mounted)第1の印刷回路基板(first printed circuit board)と、前記第1の印刷回路基板の少なくとも一側に隣接する領域に実装され、複数の第1の信号伝達ピン(first signal transmission pin)を含む第1のブリッジ組立体(first bridge assembly)と、前記第1の印刷回路基板から離間されて配置された第2の印刷回路基板(second printed circuit board)と、前記複数の第1の信号伝達ピンの少なくとも一面に接触可能なように、前記第2の印刷回路基板の少なくとも一側に隣接する領域に配置される複数の接続端子(connection terminal)と、前記複数の第1の信号伝達ピンと前記複数の接続端子との接触を維持するために、前記複数の第1の信号伝達ピンの少なくとも一面に力を加えるように構成された第1のプッシュバー(first push bar)、及び、前記第1のプッシュバー及び、前記第2の印刷回路基板に固定され、前記第2の印刷回路基板及び前記第1のプッシュバーの少なくとも一部を遮蔽(shield)するように構成された第1の金属遮蔽板(first metal shielding plate)と、を含むことを特徴とするRFコネクタを提供する。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本実施例によると、複数の信号伝達用ピンを用いることにより、多様な周波数帯域のRF(Radio Frequency)信号を同一平面上で伝達して部品のサイズを小さくすることができ、かつ従来のRFコネクタに比べて製造単価を下げることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施例に係る遮蔽板が結合された印刷回路基板の斜視図である。
図2】本開示の一実施例に係るRFコネクタの分解斜視図である。
図3】本開示の一実施例に係るRFコネクタの側面を拡大した図である。
図4】本開示の一実施例に係るRFコネクタの信号伝達ピンを拡大した図である。
図5】本開示の一実施例に係る信号が伝達される各信号伝達ピン間の間隔が6mmである場合の隔離図を示す図である。
図6】本開示の一実施例に係る信号が伝達される各信号伝達ピン間の間隔が8mmである場合の隔離図を示す図である。
図7】本開示の一実施例に係る信号が伝達される各信号伝達ピンの間に配置される遮蔽壁を有し、各信号伝達ピン間の間隔が6mmである場合の隔離図を示す図である。
図8】本開示の一実施例に係る遮蔽板が結合された印刷回路基板の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の一部の実施例を例示的な図面を用いて詳しく説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加するにあたり、同一の構成要素に対しては、たとえ異なる図面に表示されても、できるだけ同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。なお、本開示を説明するにあたり、関連された公知の構成又は機能に関する具体的な説明が本開示の要旨を曖昧にすると判断される場合には、その詳しい説明は省く。
【0012】
本開示に係る実施例の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、i)、ii)、a)、b)などの符号を用いる場合がある。このような符号は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その符号によって当該構成要素の本質又は順番や順序等が限定されない。明細書で、ある部分がある構成要素を「含む」又は「備える」と言うとき、これは、明示的に逆の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0013】
図1は、本開示の一実施例に係る遮蔽板が結合された印刷回路基板の斜視図である。
【0014】
図2は、本開示の一実施例に係るRFコネクタの分解斜視図である。
【0015】
図3は、本開示の一実施例に係るRFコネクタの側面を拡大した図である。
【0016】
図4は、本開示の一実施例に係るRFコネクタの信号伝達ピンを拡大した図である。
【0017】
図5は、本開示の一実施例に係るRF信号が伝達される各信号伝達ピン間の間隔が6mmである場合の隔離図を示す図である。
【0018】
図6は、本開示の一実施例に係る信号が伝達される各信号伝達ピン間の間隔が8mmである場合の隔離図を示す図である。
【0019】
図7は、本開示の一実施例に係る信号が伝達される各信号伝達ピンの間に配置される遮蔽壁を有し、各信号伝達ピン間の間隔が6mmである場合の隔離図を示す図である。図7(a)は遮蔽壁が製作公差によって長さが縮小された場合を示し、図7(b)は遮蔽壁が適切に作製された場合を示す。
【0020】
図1ないし図7を参照すると、本開示の一実施例に係るRFコネクタは、第1の印刷回路基板(first printed circuit board)10、第2の印刷回路基板(second printed circuit board)20、第1のブリッジ組立体(first bridge assembly)200、複数の第1の信号伝達ピン(first signal transmission pin)220、複数の接続端子(connection terminal)260、第1のプッシュバー(first push bar)240、第1の金属遮蔽板(first metal shielding plate)100、複数の遮蔽壁(shielding wall)500の全部又は一部を含む。
【0021】
第1の印刷回路基板10は、複数の素子(device)が実装される(mounted)。本開示の一実施例に係るRFコネクタにて、第1の印刷回路基板10はアンプ(Amp)ボードになり得るが、必ずしもこれに限定されない。
【0022】
第2の印刷回路基板20は、第1の印刷回路基板10から離間されて配置され、複数の素子が実装される。本開示の一実施例に係るRFコネクタにて、第2の印刷回路基板20はデジタル(digital)ボードになり得るが、必ずしもこれに限定されない。
【0023】
第1のブリッジ組立体200は、複数の第1の信号伝達ピン220を含み、第1の印刷回路基板10の少なくとも一側に隣接する領域に実装される。すなわち、第1のブリッジ組立体200は、複数の第1の信号伝達ピン220が組み立てられるように構成され、複数の第1の信号伝達ピン220の一端を固定する役割を果たす。
【0024】
複数の第1の信号伝達ピン220は、第1の印刷回路基板10及び第2の印刷回路基板20につながって信号を送受信する媒介となる。複数の第1の信号伝達ピン220は、RF信号(RF signal)のみならず、電源(power)及びデジタル信号(digital signal)も伝達することができる。
【0025】
複数の第1の信号伝達ピン220は、第1のブリッジ組立体200に等間隔に組み立てられている。ただし、必ずしも等間隔に組み立てられる必要はなく、各信号伝達ピンの役割に応じて間隔を調整することができる。
【0026】
複数の第1の信号伝達ピン220が含む各信号伝達ピン間の間隔が非常に狭いと信号間干渉が発生するおそれがある。したがって、目的に応じて各信号伝達ピン間の距離を適切に設定する必要がある。図5に示すように、信号を伝達する各信号伝達ピン間の距離が6mmの場合、隔離度(isolation)値は3.5GHz周波数帯域で約48dBを示す。一方、図6に示すように、信号を伝達する各信号伝達ピン間の距離が8mmの場合、隔離度値は3.5GHz周波数帯域で約55dBを示す。したがって、隔離度値を55dB以上に維持するためには、信号を伝達する各信号伝達ピン間の間隔を8mm以上とすることが好ましい。
【0027】
例えば、複数の第1の信号伝達ピン220は、80個余りのピンからなり、8個余りのピン間の間隔は一定になるように構成される。ピンの個数は用途に応じて変更が可能であり、複数の第1の信号伝達ピン220は、印刷回路基板に実装された第1のブリッジ組立体200に組み付けられる方式であるため、製作が容易である。したがって、同じ性能を具現するためにRFマルチコネクタを用いる場合に比べたとき、複数の第1の信号伝達ピン220を用いることによって単価が節約される。
【0028】
複数の第1の信号伝達ピン220の一面には突出部(protruding unit)400が形成される。突出部400は、複数の第1の信号伝達ピン220が複数の接続端子260に接触されるように形成される。
【0029】
複数の接続端子260は、複数の第1の信号伝達ピン220の少なくとも一面に接触可能に構成され、第2の印刷回路基板20の少なくとも一側に隣接する領域に配置される。すなわち、第2の印刷回路基板20の両側のそれぞれに隣接する領域に配置されてもよい。本開示の一実施例に係るRFコネクタにて、複数の接続端子260はパッド型(pad type)をなしてもよいが、必ずしもこれに限定されず、挿入型(insertion type)をなしてもよい。
【0030】
複数の第1の信号伝達ピン220は、それぞれ複数の接続端子260に対応される。例えば、1つの信号伝達ピンは1つの接続端子に接触されるが、必ずしもこれに限定されず、複数の第1の信号伝達ピン220の一部はグランド(ground)と接触されてもよい。また、複数の第1の信号伝達ピン220は、それぞれ複数の接続端子260の一面にオーバーラップ(overlap)される方式で接触される。
【0031】
第1のプッシュバー240は、複数の第1の信号伝達ピン220の少なくとも一面に力を加えるように構成されることで、複数の第1の信号伝達ピン220と複数の接続端子260との接触を維持させる。例えば、第1のプッシュバー240は、複数の第1の信号伝達ピン220の突出部400が位置する反対面、すなわち他面に配置される。第1のプッシュバー240は、複数の第1の信号伝達ピン220の他面に力を加えることにより、突出部400が複数の接続端子260に離間することなく接触され、複数の第1の信号伝達ピン220が信号を安定的に伝達できるようにする。
【0032】
第1のプッシュバー240は絶縁性素材を用いて製造される。例えば、プラスチック(plastic)素材を用いて製造されるが、必ずしもこれに限定されるわけではない。
【0033】
第1のプッシュバー240の形状は、例えば、楔形状(wedge-shaped)であってよく、楔形状の頂点は、第1の印刷回路基板10及び第2の印刷回路基板20の間に位置する。ただし、必ずしも楔形状でなければならないわけではなく、複数の第1の信号伝達ピン220の突出部400が複数の接続端子260に強固に接触されるようにする限り、他の形状も可能である。
【0034】
第1のプッシュバー240が楔形状でなされ、楔形状の頂点が複数の第1の信号伝達ピン220の他面に力を加えると、複数の第1の信号伝達ピン220は第1の印刷回路基板10及び第2の印刷回路基板20の間に曲げ部(bending unit)280を形成することになる。このように、曲げ部280を形成されることで、梃子の原理により複数の第1の信号伝達ピン220の突出部400が複数の接続端子260に強固に接触される。
【0035】
第1の金属遮蔽板100は、第1のプッシュバー240及び第2の印刷回路基板20に固定され、第2の印刷回路基板20及び第1のプッシュバー240の少なくとも一部を遮蔽(shield)するように構成される。第1の金属遮蔽板100が第1のプッシュバー240と係合する場合、第1のプッシュバー240が複数の第1の信号伝達ピン220の一面に力を加えるように結合されること好ましい。第1の金属遮蔽板100の厚さは、印刷回路基板周辺のノイズ環境に応じて変更されてもよく、第1の金属遮蔽板100が第2の印刷回路基板20に固定される位置も変更されてもよい。
【0036】
複数の遮蔽壁500は、互いに隣接する2つの第1の信号伝達ピンの間に配置され、第1の印刷回路基板10及び第2の印刷回路基板20のグランドと接触される。複数の遮蔽壁500は、信号伝達ピン間で信号間干渉が起こる現象を防止する役割をする。すなわち、複数の遮蔽壁500を用いると、各信号伝達ピン間の隔離度(isolation)を確保できる効果がある。複数の遮蔽壁500は金属材料でなされる。
【0037】
本開示の一実施例に係るRFコネクタが複数の遮蔽壁500を含む場合、第1のプッシュバー240は複数の単位プッシュバー(図示せず)から構成される。例えば、複数の単位プッシュバーは、複数の第1の信号伝達ピン220のそれぞれの一面と対応される位置に配置されるように構成され、複数の遮蔽壁500は各信号伝達ピンの間に配置される。ただし、必ずしも前記のような形状に限定されるものではない。
【0038】
図7に示すように、信号を伝達する各信号伝達ピン間に遮蔽壁が形成され、各信号伝達ピン間の距離が6mmである場合、隔離度(isolation)値は3.5GHz周波数帯域で約69dBを表す。製作公差によって遮蔽壁の長さが縮小されたとしても、隔離度(isolation)値は3.5GHz周波数帯域で約65dBを表す。したがって、隔離度値を増加させるためには、信号を伝達する各信号伝達ピンの間に前記のような遮蔽壁が形成されることが好ましい。
【0039】
前記のような構成を用いて同一平面上で印刷回路基板間の信号伝達が可能であるため、部品のサイズが減少する効果がある。
【0040】
図8は、本開示の一実施例に係る遮蔽板が結合された印刷回路基板の上面図である。
【0041】
図3図4及び図8を参照すると、本開示の一実施例に係るRFコネクタは、第3の印刷回路基板(third printed circuit board)30、第2のブリッジ組立体(second bridge assembly)300、複数の第2の信号伝達ピン(second signal transmission pin)320、第2のプッシュバー(second push bar)340、第2の金属遮蔽板(metal shielding plate)120の全部又は一部をさらに含む。
【0042】
第3の印刷回路基板30は、第2の印刷回路基板20を基準に第1の印刷回路基板10が位置する反対側に離間されて配置され、複数の素子が実装される。本開示の一実施例に係るRFコネクタにて、第3の印刷回路基板30はアンプ(Amp)ボードがなされ得るが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0043】
第2のブリッジ組立体300は、複数の第2の信号伝達ピン320を含み、第3の印刷回路基板30の少なくとも一側に隣接する領域に実装される。すなわち、第2のブリッジ組立体300は、複数の第2の信号伝達ピン320が組み立てられるように構成され、複数の第2の信号伝達ピン320の一端を固定する役割を果たす。
【0044】
複数の第2の信号伝達ピン320は、第2の印刷回路基板20及び第3の印刷回路基板30につながって信号を送受信する媒介となる。複数の第2の信号伝達ピン320は、RF信号だけでなく電源及びデジタル信号も伝達することができる。第1の印刷回路基板10、第2の印刷回路基板20、及び第3の印刷回路基板30の特性に応じて複数の第2の信号伝達ピン320は複数の第1の信号伝達ピン220とは異なる特性の信号を伝達することもできる。
【0045】
複数の第2の信号伝達ピン320は、第2のブリッジ組立体300に等間隔に組み立てられる。ただし、必ずしも等間隔に組み立てなければならないものではなく、各信号伝達ピンの役割に応じて間隔を調整することができる。複数の第2の信号伝達ピン320における各信号伝達ピン間の間隔は、上述した複数の第1の信号伝達ピン220に関する説明と同じである。
【0046】
例えば、複数の第2の信号伝達ピン320は、80個余りのピンからなり、80個余りのピン間の間隔は一定になるように構成される。複数の第1の信号伝達ピン220と同様に、ピンの個数は用途に応じて変更が可能であり、複数の第2の信号伝達ピン320の一面には突出部400が形成される。
【0047】
複数の第2の信号伝達ピン320は、それぞれ複数の接続端子260に対応される。例えば、1つの信号伝達ピンは1つの接続端子に接触されるが、必ずしもこれに限定されず、複数の第2の信号伝達ピン320の一部はグランド(ground)と接触されてもよい。
【0048】
複数の第2の信号伝達ピンと接触する複数の接続端子260は第2の印刷回路基板20に位置し、好ましくは複数の第1の信号伝達ピン220が位置する側とは反対側に隣接する領域に位置する。複数の第2の信号伝達ピン320は、それぞれ複数の接続端子260の一面にオーバーラップ(overlap)される方式で接触される。
【0049】
第2のプッシュバー340は、複数の第2の信号伝達ピン320の少なくとも一面に力を加えるように構成されることで、複数の第2の信号伝達ピン320と複数の接続端子260との接触を維持させる。第1のプッシュバー240と同様に、第2のプッシュバー340は、複数の第2の信号伝達ピン320の突出部400が位置する反対面、すなわち他面に配置される。
【0050】
第2のプッシュバー340の形状は、例えば、楔形状(wedge-shaped)であってもよく、楔形状の頂点は、第2の印刷回路基板20及び第3の印刷回路基板30の間に位置する。ただし、必ずしも楔形状でなければならないものではなく、複数の第2の信号伝達ピン320の突出部400が複数の接続端子260に強固に接触できるようにする限り、他の形状も可能である。
【0051】
第2のプッシュバー340が楔形状でなされ、楔形状の頂点が複数の第2の信号伝達ピン320の他面に力を加えると、複数の第2の信号伝達ピン320は第2の印刷回路基板20及び第3の印刷回路基板30との間に曲げ部280を形成するようになる。このように、曲げ部280が形成されることで、梃子の原理により複数の第2の信号伝達ピン320の突出部400が複数の接続端子260にしっかりと接触される。
【0052】
第2のプッシュバー340は絶縁性素材を用いて製造される。例えば、プラスチック素材を用いて製造されるが、必ずしもこれに限定されるわけではない。
【0053】
第2の金属遮蔽板120は、第2のプッシュバー340及び第2の印刷回路基板20に固定され、第2の印刷回路基板20及び第2のプッシュバー340の少なくとも一部を遮蔽(shield)するように構成される。第2の金属遮蔽板120が第2のプッシュバー340と結合する場合、第2のプッシュバー340が複数の第2の信号伝達ピン320の一面に力を加えるように結合されることが好ましい。第2の金属遮蔽板120の厚さは、印刷回路基板周辺のノイズ環境に応じて変更されてもよく、第2の金属遮蔽板120が第2の印刷回路基板20に固定される位置も変更が可能である。
【0054】
第1の金属遮蔽板100及び第2の金属遮蔽板120以外にも、第1の印刷回路基板10及び第3の印刷回路基板30を覆う別途の金属遮蔽板がさらに結合される。これにより、無線信号が伝達される経路にノイズが干渉することを防止することができる。
【0055】
また、互いに隣接する2つの第2の信号伝達ピンの間に配置され、第2の印刷回路基板20及び第3の印刷回路基板30のグランドと接触されることを特徴とする複数の遮蔽壁500をさらに含んでもよい。複数の遮蔽壁500に関する説明は上述した通りである。
【0056】
本開示の一実施例に係るRFコネクタのブリッジ組立体、信号伝達ピン、プッシュバー、及び遮蔽壁は、印刷回路基板の間ごとに、例えば2つが用いられる。ただし、必ずしも2つを使用しなければならないものではなく、用途に応じて1つ又は3つ以上を用いることも可能である。
【0057】
上述のように、本開示の一実施例に係るRFコネクタは、複数の信号伝達ピンを用いて同一平面上で信号を伝達することで、部品のサイズを最小化することができる。また、マルチコネクタを用いる場合に比べて製作が容易で、相対的に部品の単価が低くなる効果がある。
【0058】
以上の説明は、本実施例の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性から逸脱しない範囲で多様な修正及び変形が可能であろう。したがって、本実施例は、本実施例の技術思想を限定するものではなく説明するためのものであり、このような実施例によって本実施例の技術思想の範囲が限定されるものではない。本実施例の保護範囲は、特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本実施例の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0059】
10:第1の印刷回路基板、20:第2の印刷回路基板、30:第3の印刷回路基板、100:第1の金属遮蔽板、120:第2の金属遮蔽板、200:第1のブリッジ組立体、220:第1の信号伝達ピン、240:第1のプッシュバー、260:接続端子、280:曲げ部、300:第2のブリッジ組立体、320:第2の信号伝達ピン、340:第2のプッシュバー、400 :突出部、500:遮蔽壁
【0060】
[CROSS-REFERENCE TO RELATED APPLICATION]
本特許出願は、本明細書にその全体が参考として含まれる、2020年05月26日付にて韓国に出願した特許出願番号第10-2020-0063073号に対して優先権を主張する。
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