(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】冷凍回路および冷凍装置
(51)【国際特許分類】
F25B 1/00 20060101AFI20231226BHJP
F28D 9/00 20060101ALI20231226BHJP
F25B 43/00 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
F25B1/00 331Z
F28D9/00
F25B43/00 L
(21)【出願番号】P 2022575147
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(86)【国際出願番号】 JP2021045834
(87)【国際公開番号】W WO2022153760
(87)【国際公開日】2022-07-21
【審査請求日】2022-12-07
(31)【優先権主張番号】P 2021004787
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314005768
【氏名又は名称】PHCホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】豊岡 峻
(72)【発明者】
【氏名】須藤 稔
【審査官】西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-114354(JP,A)
【文献】特開2005-009851(JP,A)
【文献】特表2018-505374(JP,A)
【文献】特開平11-092770(JP,A)
【文献】特許第5128424(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00
F25B 43/00
F28D 7/10
F28D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
凝縮器から流出した気液2相冷媒が流入し、前記気液2相冷媒を気相冷媒および液相冷媒に分離する気液分離器と、
前記気液分離器から流出した前記気相冷媒と前記気液分離器から流出した前記液相冷媒とが熱交換する第1熱交換部、および、前記第1熱交換部から流出した前記気相冷媒と蒸発器から流出した戻り冷媒とが熱交換する第2熱交換部を有しているプレート式熱交換器と、を備
え、
前記第1熱交換部において、前記気液分離器から流出した前記気相冷媒と、前記気液分離器から流出した前記液相冷媒と前記第2熱交換部から流出した前記戻り冷媒とが前記プレート式熱交換器の外部において混合した冷媒とが、熱交換する、
冷凍回路。
【請求項2】
前記プレート式熱交換器は、複数のプレートが互いの板面を対向させて並べられており、
前記プレート式熱交換器の第1端に配置されたプレートの板面には、前記気相冷媒が流入する気相冷媒流入部、前記液相冷媒が流入する液相冷媒流入部、および、前記液相冷媒が流出する液相冷媒流出部が配置され、
前記プレート式熱交換器の第2端に配置されたプレートの板面には、前記気相冷媒が流出する気相冷媒流出部、前記戻り冷媒が流入する戻り冷媒流入部、および、前記戻り冷媒が流出する戻り冷媒流出部が配置されている、
請求項
1に記載の冷凍回路。
【請求項3】
前記第2熱交換部から流出した前記気相冷媒が流れる内管、および、前記第2熱交換部に流入する前記戻り冷媒が流れる外管を有する2重管式熱交換器をさらに備えている、
請求項1
又は2に記載の冷凍回路。
【請求項4】
請求項1から
3の何れか1項に記載の冷凍回路を備える、
冷凍装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷凍回路および冷凍装置に関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍回路は、蒸発器にて必要な冷媒の温度が得られるように、循環する冷媒を冷却する熱交換器を備えている。例えば、特許文献1には、気液を分ける分流器、分流器から流出した気相冷媒と、分流器から流出した液相冷媒および蒸発器から圧縮機に戻る冷媒とが熱交換する2重管式の熱交換器を備える冷凍回路が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
冷凍回路においては、冷却する対象物によって、より低温が要求される場合がある。この場合、熱交換の効率化が求められるが、熱交換器の大型化や熱交換器の個数の増加は、熱交換器の取付スペースの問題を招く。
【0005】
本開示は、前記従来の課題を解決するもので、冷凍回路および冷凍装置において熱交換器の小型化および熱交換の効率の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本開示における冷凍回路は、凝縮器から流出した気液2相冷媒が流入し、気液2相冷媒を気相冷媒および液相冷媒に分離する気液分離器と、気液分離器から流出した気相冷媒と気液分離器から流出した液相冷媒とが熱交換する第1熱交換部、および、第1熱交換部から流出した気相冷媒と蒸発器から流出した戻り冷媒とが熱交換する第2熱交換部を有しているプレート式熱交換器と、を備える。
上述のような冷凍回路を実施する場合に、好ましくは、第1熱交換部において、気液分離器から流出した気相冷媒と、気液分離器から流出した液相冷媒と第2熱交換部から流出した戻り冷媒とがプレート式熱交換器の外部において混合した冷媒とが、熱交換するように構成されてよい。
【0007】
また、前記目的を達成するために、本開示における冷凍装置は、上記の冷凍回路を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様に係る冷凍回路および冷凍装置によれば、熱交換器の小型化および熱交換の効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】プレート式熱交換器における冷媒の流れを示す模式図
【
図5】プレート式熱交換器における冷媒の流れを示す模式図
【
図7】本開示の変形例におけるプレート式熱交換器において冷媒の流れを示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態における冷凍回路1について、図面を参照しながら説明する。冷凍回路1は、超低温フリーザなどの冷凍装置に用いられる。冷凍回路1は、
図1に示すように、圧縮機10、凝縮器11、乾燥器12、気液分離器13、第1の減圧器14、プレート式熱交換器20、第2の減圧器15、2重管式熱交換器16、および、蒸発器17を備えている。
【0011】
気液分離器13は、気相冷媒と液相冷媒とが混合した気液2相冷媒が流入し、気液2相冷媒を気相冷媒および液相冷媒に分離するものである。気相冷媒は、気液分離器13の上部から流出する。液相冷媒は、気液分離器13の下部から流出する。第1の減圧器14は、例えばキャピラリーチューブである。
【0012】
プレート式熱交換器20は、第1熱交換部20aおよび第2熱交換部20bを備えている。第1熱交換部20aは、気液分離器13から流出した気相冷媒と、気液分離器13から流出した液相冷媒と戻り冷媒とが混合した冷媒とが熱交換するものである。戻り冷媒は、蒸発器17から流出して、圧縮機10に戻る冷媒である。
【0013】
第2熱交換部20bは、第1熱交換部20aから流出した気相冷媒と蒸発器17から流出した戻り冷媒とが熱交換するものである。プレート式熱交換器20の詳細は後述する。
【0014】
2重管式熱交換器16の内管は、第2の減圧器15である。第2の減圧器15は、例えばキャピラリーチューブである。2重管式熱交換器16の外管16aには、蒸発器17から流出した戻り冷媒が流れる。すなわち、2重管式熱交換器16では、第2の減圧器15を流れる冷媒と戻り冷媒とが熱交換する。
【0015】
圧縮機10から吐出された冷媒が再び圧縮機10に戻るように、上述した各機器が配管18によって接続されている。
【0016】
冷媒は、
図1に示す矢印の方向に循環する。具体的には、冷媒は、圧縮機10、凝縮器11および乾燥器12をこの順に流れて、気液分離器13に流入する。冷媒は、気液分離器13にて気相冷媒と液相冷媒に分離される。
【0017】
気液分離器13から流出した気相冷媒は、第1熱交換部20a、第2熱交換部20b、第2の減圧器15および蒸発器17を、この順に流れる。さらに、蒸発器17から流出した戻り冷媒は、2重管式熱交換器16の外管16aおよび第2熱交換部20bをこの順に流れる。第2熱交換部20bから流出した戻り冷媒は、気液分離器13から流出して第1の減圧器14を流れた液相冷媒と、合流部18aにて合流して、第1熱交換部20aを流れて、圧縮機10に戻る。
【0018】
なお、気液2相冷媒とは、気相冷媒および液相冷媒が混合したものである。気液2相冷媒は、具体的には、表1におけるA群に記載された液相冷媒およびB群に記載された気相冷媒のうち、それぞれ1種類以上の冷媒が選択されて混合されたものである。なお、液相冷媒は、沸点が-55℃以上であり、気液分離器13に流入するまでに液化する冷媒である。また、気相冷媒は、沸点が-55℃より低い冷媒である。
【表1】
【0019】
次に、プレート式熱交換器20の詳細について、
図2乃至
図5を用いて説明する。なお、説明の便宜上、
図2における上側および下側をそれぞれプレート式熱交換器20の上方および下方とし、同じく左側および右側をそれぞれプレート式熱交換器20の左方および右方とし、同じく紙面手前側および紙面奥側をそれぞれプレート式熱交換器20の前方および後方として説明する。
【0020】
プレート式熱交換器20は、ブレージングプレート式熱交換器である。プレート式熱交換器20は、複数の伝熱プレート21およびカバープレート22を備えている。本実施形態において伝熱プレート21の枚数は、12枚である。伝熱プレート21およびカバープレート22は、「プレート」の一例である。伝熱プレート21およびカバープレート22は、正面視長方形状の板部材である。
【0021】
複数の伝熱プレート21は、互いの板面を平行にして互いに所定距離離れて前後方向に沿って並べられている(
図3)。これにより、互いに隣り合う伝熱プレート21の間に冷媒が流れる流路Rが形成される。具体的には、第1の流路R1から第11の流路R11が、前方から後方に向けてこの順に形成されている。
【0022】
また、第2の流路R2と第4の流路R4とは、互いに連通するように形成されている(
図4)。さらに、第2,4の流路R2,4は、それぞれ互いに隣り合う流路Rと連通しないように形成されている。具体的には、第2の流路R2を構成する第3の伝熱プレート21cには、互いに隣接し、かつ、第4の流路R4を構成する第4の伝熱プレート21dに向けて円柱状に突出する突出部21c1および突出部21c1の突出端に形成された貫通穴21c2が形成されている。
【0023】
貫通穴21c2は、第4の伝熱プレート21dに形成された貫通穴21d1と連通している。また、それぞれの貫通穴21c2,21d1の周縁は、互いに接触し、ロウ付けされている。これにより、第2の流路R2および第4の流路R4は、互いに連通するとともに、第2,4の流路R2,R4の間にある第3の流路R3と連通しない。
【0024】
また、同様の構成によって、第4,6,8,10の流路R4、R6,R8,R10のうち、互いに隣り合う流路Rは、連通するように構成されている。さらに、同様の構成によって、第1,3,5の流路R1、R3,R5のうち、互いに隣り合う流路Rは、連通するように構成されている。そして、同様の構成によって、第7,9,11の流路R7,R9,R11のうち、互いに隣り合う流路Rは、連通するように構成されている。なお、上述した互いに隣り合う流路Rのうち、第6の流路R6と第8の流路R8との間以外は、伝熱プレート21の上側および下側にて連通する構成されている。第6の流路R6と第8の流路R8との間は、伝熱プレート21の上側にて連通する構成されている。
【0025】
この複数の伝熱プレート21が並べられたものの前端および後端にカバープレート22が配置されている。各カバープレート22は、対向する伝熱プレート21と互いの板面を接触させて配置されている。
【0026】
また、第1のカバープレート22aの板面には、第1の接続管23a、第2の接続管23bおよび第3の接続管23cが配置されている。第1,2の接続管23a,23bは、第1のカバープレート22aの下側に左右方向に並べて配置されている。第3の接続管23cは、第2の接続管23bの上側に配置されている。第1の接続管23aは、「気相冷媒流入部」の一例である。第2の接続管23bは、「液相冷媒流入部」の一例である。第3の接続管23cは、「液相冷媒流出部」の一例である。
【0027】
さらに、第2のカバープレート22bの板面には、第4の接続管23d、第5の接続管23eおよび第6の接続管23fが配置されている。第4,5の接続管23d,23eは、第2のカバープレート22bの下側に左右方向に並べて配置されている。第6の接続管23fは、第5の接続管23eの上側に配置されている。第4の接続管23dは、「気相冷媒流出部」の一例である。第5の接続管23eは、「戻り冷媒流入部」の一例である。第6の接続管23fは、「戻り冷媒流出部」の一例である。
【0028】
第1の接続管23aの第1端は、気液分離器13の上部に接続された配管18が接続される。第1の接続管23aの第2端は、第2の流路R2に開口する。第2の接続管23bの第1端は、第6の接続管23fの第1端に配管18を介して接続される。第2の接続管23bの第2端は、第1の流路R1に開口する。
【0029】
第3の接続管23cの第1端は、圧縮機10に接続された配管18が接続される。第3の接続管23cの第2端は、第1の流路R1に開口する。第4の接続管23dの第1端は、第2の減圧器15に接続された配管18が接続される。第4の接続管23dの第2端は、第10の流路R10にて開口する。
【0030】
第5の接続管23eの第1端は、2重管式熱交換器16の外管16aに接続された配管18が接続されている。第5の接続管23eの第2端は、第11の流路R11にて開口する。第6の接続管23fの第1端は、上述したよう第2の接続管23bの第1端に接続されている。第6の接続管23fの第2端は、第11の流路R11にて開口する。
【0031】
第1熱交換部20aは、第1のカバープレート22a、第1乃至第6の伝熱プレート21a~21f、および、第1乃至第3の接続管23a~23cによって構成されている。
【0032】
第2熱交換部20bは、第2のカバープレート22b、第7乃至第12の伝熱プレート21g~21l、および、第4乃至第6の接続管23d~23fによって構成されている。第1熱交換部20aおよび第2熱交換部20bは、一体に形成されている。
【0033】
次に、第1熱交換部20aでの熱交換について説明する。
【0034】
気液分離器13から流出した気相冷媒は、第1熱交換部20aの流路Rを、
図3に示す実線の矢印のように流れる。具体的には、気相冷媒は、第1の接続管23aを介して第2の流路R2に下側から流入し、第2,4,6の流路R2,R4,R6を下方から上方に向けて流れ、第6の流路R6の上側から第8の流路R8に流出する。
【0035】
一方、第6の接続管23fから流出した戻り冷媒と、気液分離器13から流出した液相冷媒とが合流部18aにて合流した冷媒(以下、合流冷媒と記載する。)は、第1熱交換部20aの流路Rを、
図5に示す破線の矢印のように流れる。具体的には、合流冷媒は、第2の接続管23bを介して第1の流路R1に下側から流入し、第1,3,5の流路R1,R3,R5を下方から上方に向けて流れ、第1の流路R1の上側から第3の接続管23cを介して流出する。
【0036】
このように、第2乃至第6の伝熱プレート23b~21fを挟んで互いに隣り合う流路Rでは、互いに温度が異なる冷媒が流れている。これにより、第2乃至第6の伝熱プレート23b~21fを介して、気相冷媒と合流冷媒とが熱交換する。
【0037】
次に、第2熱交換部20bでの熱交換について説明する。
【0038】
第8の流路R8に上側から流入した気相冷媒は、第2熱交換部20bの流路Rを、
図3の実線の矢印にて示すように流れる。具体的には、第8の流路R8に上側から流入した気相冷媒は、第8,10の流路R8,R10を上方から下方に向けて流れ、第10の流路R10の下側から第4の接続管23dを介して流出する。
【0039】
一方、2重管式熱交換器16の外管16aから流出した戻り冷媒は、第2熱交換部20bの流路Rを、
図5に示す破線の矢印のように流れる。具体的には、戻り冷媒は、第5の接続管23eを介して第11の流路R11に下側から流入し、第7,9,11の流路R7,R9,R11を下方から上方に向けて流れ、第11の流路R11の上側から第6の接続管23fを介して流出する。
【0040】
このように、第7乃至第11の伝熱プレート21g~21kを挟んで互いに隣り合う流路Rでは、互いに温度が異なる冷媒が流れている。これにより、第7乃至第11の伝熱プレート21g~21kを介して、気相冷媒と戻り冷媒とが熱交換する。
【0041】
本実施形態によれば、冷凍回路1は、凝縮器11から流出した気液2相冷媒が流入し、気液2相冷媒を気相冷媒および液相冷媒に分離する気液分離器13と、気液分離器13から流出した気相冷媒と気液分離器13から流出した液相冷媒とが熱交換する第1熱交換部20a、および、第1熱交換部20aから流出した気相冷媒と蒸発器17から流出した戻り冷媒とが熱交換する第2熱交換部20bを有しているプレート式熱交換器20と、を備える。
【0042】
これによれば、冷凍回路1は、凝縮器11から蒸発器17に向かう冷媒について、2段階の熱交換を1つのプレート式熱交換器20を用いて行っている。よって、熱交換器の小型化を図るとともに、蒸発器17に向かう冷媒が効率よく熱交換して、蒸発器17にて必要な低温を得ることができる。
【0043】
また、第1熱交換部20aでは、気液分離器13から流出した気相冷媒と、気液分離器13から流出した液相冷媒と第2熱交換部20bから流出した戻り冷媒とが混合した冷媒とが熱交換する。
【0044】
これによれば、第1熱交換部20aにおいて液相冷媒と戻り冷媒とが混合した冷媒を用いて熱交換することができる。
【0045】
また、プレート式熱交換器20は、複数のカバープレート22および複数の伝熱プレート21が互いの板面を対向させて並べられている。プレート式熱交換器20の第1端に配置された第1のカバープレート22aの板面には、気相冷媒が流入する第1の接続管23a、液相冷媒が流入する第2の接続管23b、および、液相冷媒が流出する第3の接続管23cが配置されている。プレート式熱交換器20の第2端に配置された第2のカバープレート22bの板面には、気相冷媒が流出する第4の接続管23d、戻り冷媒が流入する第5の接続管23e、および、戻り冷媒が流出する第6の接続管23fが配置されている。
【0046】
これによれば、配管18の取り回しを簡便にできる。
【0047】
また、冷凍回路1は、第2熱交換部20bから流出した気相冷媒が流れる内管、および、第2熱交換部20bに流入する戻り冷媒が流れる外管16aを有する2重管式熱交換器16をさらに備えている。
【0048】
これによれば、2重管式熱交換器16によって、蒸発器17に供給される冷媒の温度を更に下げることができる。しかも、第1熱交換部20a、第2熱交換部20bおよび2重管式熱交換器16からなる熱交換器系全体で向流型熱交換器を構成することができる。したがって、この熱交換器系全体をコンパクトなものとしつつ効率よく熱交換し、必要な超低温を得ることができる。
【0049】
以上、一つまたは複数の態様に係る冷凍回路について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0050】
上述した第1熱交換部20aにおいては、気液分離器13から流出した気相冷媒と合流冷媒とが熱交換するが、これに代えて、気液分離器13から流出した気相冷媒と、気液分離器13から流出した液相冷媒とが熱交換するように配管118を構成してもよい。この場合、
図6に示すように、第2の接続管23bには、気液分離器13から流出した液相冷媒が流入する。さらに、第3の接続管23cから流出した液相冷媒は、合流部118aにて第2熱交換部20bから流出した戻り冷媒と合流して、気液2相冷媒として圧縮機10に戻る。
【0051】
また、伝熱プレート21は、板面が波状となるように形成されてもよい。これによれば、板面が平面状である場合に比べて、冷媒の流れが乱流になり易いため、熱交換の効率を向上させることができる。
【0052】
また、冷凍回路1は、2重管式熱交換器16を備えなくてもよい。この場合、第2熱交換部20bから流出した冷媒は、第2の減圧器15および蒸発器17の順に流れる。さらに、蒸発器17から流出した戻り冷媒は、第2熱交換部20bに流入する。
【0053】
また、プレート式熱交換器20において、気相冷媒が流れる流路Rを
図7に示すように構成してもよい。具体的には、第4の流路R4と第6の流路R6との間は、伝熱プレート21の上側のみにて連通する構成される。また、第2の流路R2と第4の流路R4との間は、伝熱プレート21の上側および下側にて連通する構成される。さらに、第6,8,10の流路R6,R8,R10の間それぞれは、伝熱プレート21の上側および下側にて連通する構成される。
【0054】
これにより、気液分離器13から流出した気相冷媒は、第1熱交換部20aの流路Rを、
図7に示す実線の矢印のように流れる。具体的には、気相冷媒は、第1の接続管23aを介して第2の流路R2に下側から流入し、第2,4の流路R2,R4を下方から上方に向けて流れる。
【0055】
さらに、第4の流路R4を流れた気相冷媒は、第2熱交換部20bの流路Rを、
図7の実線の矢印にて示すように流れる。具体的には、第4の流路R4を流れた気相冷媒は、第6の流路R6に上側から流入し、第6,8,10の流路R6,R8,R10を上方から下方に向けて流れ、第10の流路の下側から第4の接続管23dを介して流出する。
【0056】
2021年1月15日出願の特願2021-004787の日本出願に含まれる明細書、特許請求の範囲、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本開示の冷凍回路および冷凍装置は、超低温フリーザや冷凍庫などに広く利用可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 冷凍回路
10 圧縮機
11 凝縮器
12 乾燥器
13 気液分離器
16 2重管式熱交換器
17 蒸発器
20 プレート式熱交換器
20a 第1熱交換部
20b 第2熱交換部
21 伝熱プレート(プレート)
22 カバープレート(プレート)
23a 第1の接続管(気相冷媒流入部)
23b 第2の接続管(液相冷媒流入部)
23c 第3の接続管(液相冷媒流出部)
23d 第4の接続管(気相冷媒流出部)
23e 第5の接続管(戻り冷媒流入部)
23f 第6の接続管(戻り冷媒流出部)