(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】容器閉鎖システム
(51)【国際特許分類】
B65D 51/28 20060101AFI20231226BHJP
B65D 81/32 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
B65D51/28 100
B65D81/32 T
(21)【出願番号】P 2023515735
(86)(22)【出願日】2021-09-14
(86)【国際出願番号】 US2021050346
(87)【国際公開番号】W WO2022060753
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-04-14
(32)【優先日】2020-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513161449
【氏名又は名称】イーエルシー マネージメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タラント、フィリップ アンドリュー
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-083451(JP,A)
【文献】特表2017-525630(JP,A)
【文献】特表2013-525222(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109383923(CN,A)
【文献】韓国登録特許第10-1516372(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 51/28
B65D 81/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の流動性製品を収容することができる第1のリザーバを画定する、容器用閉鎖アセンブリであって、前記閉鎖アセンブリは、ねじ山付きキャップと、穿孔手段と、キャップインサートと、オリフィスレデューサとを備え、
前記ねじ山付きキャップが、
横断パーティションによって上部セクションと下部セクションとに分割された内部空間を画定する垂直壁であって、
前記上
部セクションが、前記穿孔手段及び前記キャップインサートを受け入れることができる開いた上部を有し、第2の流動性製品を収容することができる第2のリザーバとして機能する、垂直壁と、
前記横断パーティションから前記下部セクション内に垂下し、かつねじ山を備えるカラーと、
前記横断パーティションから垂下し、かつ前記カラーの内側に位置する中空ステムであって、前記中空ステムが、破壊可能なシールで封止されている、中空ステムと、を備え、
前記穿孔手段が、
円筒形側壁であって、前記ねじ山付きキャップの前記上部セクション内にぴったりと嵌合して、前記穿孔手段がその中で初期上方位置と最終下方位置との間で摺動することを可能にする一方で、前記円筒形側壁と前記ねじ山付きキャップの前記垂直壁との間に液密シールも形成する、円筒形側壁と、
閉じた上部と、
開いた底部と、
前記閉じた上部の中心から遠位端まで下方に垂下するピンテルと、を備え、
前記キャップインサートが、円筒壁と、閉じた上部と、開いた底部とを備え、前記キャップインサートの前記開いた底部が、前記穿孔手段に堅固に接続されており、
前記オリフィスレデューサが、前記カラーと前記ねじ山付きキャップの前記ステムとの間に固定され、円筒形本体と、前記円筒形本体から半径方向外向きに延びるフランジと、前記フランジから下向きに垂下するスカートとを備え、
前記穿孔手段が前記初期上方位置から前記最終下方位置まで移動するときに、前記ピンテルの前記遠位端が前記中空ステムの前記破壊可能なシールを破壊することができ、次いで、前記ピンテルが前記中空ステム内に入り、液密シールを形成することができるようになっている、容器用閉鎖アセンブリ。
【請求項2】
周方向の膝壁が、前記穿孔手段の前記閉じた上部から立ち上がっており、前記キャップインサートの前記開いた底部が、前記膝壁上に摩擦嵌合接続を形成する、請求項1に記載の閉鎖システム。
【請求項3】
前記ねじ山付きキャップの前記垂直壁の内面が、前記横断パーティションの上方に位置する周方向ビードを有し、
前記穿孔手段の前記円筒形側壁の外面が、円周方向溝を有し、
前記穿孔手段の前記上方位置は、前記ねじ山付きキャップの前記周方向ビードが前記穿孔手段の前記周方向溝内に位置決めされるように画定される、請求項1に記載の閉鎖システム。
【請求項4】
前記穿孔手段が前記最終下方位置に到達したとき、前記ピンテルが、前記中空ステム内に完全に着座させられる、請求項1に記載の閉鎖システム。
【請求項5】
容器閉鎖システムであって、
ねじ山付きネックを有し、かつ第1の流動性製品を収容することができる第1のリザーバを画定する容器と、
前記ねじ山付きキャップを前記ねじ山付きネック上にねじ込むことによって前記容器に適用される、請求項1に記載の閉鎖アセンブリと、を備え、
前記ねじ山付きキャップが前記容器上に完全に着座したとき、
前記オリフィスレデューサの前記スカートが、前記オリフィスレデューサと前記容器の前記ネックとの間に液密接続を形成するように、前記容器の前記ネックの上に伸ばされ、
前記ねじ山付きキャップの前記中空ステム及び前記オリフィスレデューサの前記円筒形本体が、前記容器の前記ネック内に位置決めされており、
前記穿孔手段が前記中空ステムの前記破壊可能なシールを破壊するとき、前記第1のリザーバと前記第2のリザーバとの間に通路が開かれ、前記通路が前記第2の流動性製品を前記第1のリザーバ内に落下させ、
前記ピンテルが前記中空ステムに入ると、前記通路が閉じられるようになっている、容器閉鎖システム。
【請求項6】
前記穿孔手段が前記ねじ山付きキャップに対して上方位置にあり、第1の流動性製品が前記第1のリザーバ内に収容されており、第2の流動性製品が前記第2のリザーバ内に収容されている、請求項5に記載の容器閉鎖システム。
【請求項7】
請求項5に記載の容器閉鎖システムを充填する方法であって、
a.前記オリフィスレデューサを前記ねじ山付きキャップに組み立てるステップと、
b.前記第2のリザーバに第2の流動性製品を充填するステップと、
c.前記穿孔手段を前記ねじ山付きキャップの上部に組み立てるステップと、
d.前記穿孔手段及び前記キャップインサートが一体として移動するように、剛性接続によって前記穿孔手段上に前記キャップインサートを組み立てるステップと、
f.前記第2の流動性製品の少なくとも一部のために前記第1のリザーバ内に十分なヘッドスペースを残して、前記容器の前記ネックを通して前記容器の前記第1のリザーバに第1の流動性製品を充填するステップと、
g.前記ねじ山付きキャップを前記容器の前記ねじ山付きネック上にきつくなるまでねじ込むことによって、前記閉鎖アセンブリを前記容器に適用するステップと、を含む、請求項5に記載の容器閉鎖システムを充填する方法。
【請求項8】
請求項5に記載の容器閉鎖システムを使用する方法であって、
a.前記ピンテルの前記遠位端が前記中空ステムの前記破壊可能なシールを破壊し、前記ピンテルが前記中空ステム内に入って液密シールを形成するまで、前記キャップインサートの前記上部に圧力を加えるステップと、
b.任意選択的に、2つの製品を完全に混合するために前記容器閉鎖システムを振るステップと、
c.前記容器から前記閉鎖アセンブリを回して外すステップと、
d 前記オリフィスレデューサを通して注ぐことによって前記混合された製品を分配するステップと、
e.前記閉鎖アセンブリを前記容器にねじ込むステップと、を含む、請求項5に記載の容器閉鎖システムを使用する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品及びパーソナルケア産業において見られるような消費者製品のための包装の分野にある。より具体的には、本発明は、複数の成分及び/又は組成物を、それらが使用時に混合されるまで分離された状態に保つことができる包装に関する。
【背景技術】
【0002】
配合者が時々直面する問題の1つは、有効性又は効力が時間とともに減少する成分の使用である。したがって、容器に充填してから消費者が最初に使用するまでの時間は、有効性又は効力の損失を表す。これを補うために、配合者は、消費者によって実際に必要とされるよりも多くの成分を含む場合がある。例えば、特定の酵素は、組成物中でゆっくりと分解する場合がある。消費者が製品を使用するときまでに有効量の酵素が存在することを確実にするために、余分な酵素が組成物中に入れられる場合がある。これは、酵素が高価である場合があるか、又は分解された酵素が化学組成を更に妨害する場合があるので、明らかに不利である。したがって、消費者による最初の使用時まで酵素を分解から保護することができれば有利である。更に、配合者は、いくつかの有益な目的のために組成物と反応性である1つ以上の成分を組成物中に含めることを望む場合がある。しかしながら、状況によっては、消費者による最初の使用時までその反応を遅延させることが有利である場合がある。これは、従来の単一区画容器では不可能である。
【0003】
化粧品及びパーソナルケア産業では、複数の成分及び/又は組成物を分離した状態に保つことができる包装が知られている。例えば、米国特許第8,087,842号は、第1の製剤を保持する容器と、両端が最初に封止されているワイパと、かかり付きツールとを含む多区画ワイパアプリケータパッケージを開示している。封止されたワイパ内には、容器内で第1の製剤と混合される一定量の第2の成分がある。かかり付きツールは、上部シールを穿孔し、次いで、底部シールを変位させて、第2の成分が第1の製剤と混合するために第1の製剤内に落下することを可能にすることができる。
【0004】
国際公開第2018/118845号は、化粧品として許容されるキャリアを不安定な活性成分から分離するためのホイルシールによって分離された2つの区画を有するパッケージを含むフレッシュ組成物送達システムを開示している。容器の底で、ダートを有するエラストマーバルブを使用者が作動させてホイルシールを穿孔することができ、その結果、キャリア及び活性物質をパッケージ中で混合して、使用直前に組成物を形成することができる。
【0005】
米国特許第10,661,968号は、2つの容器を備え、各容器が1つ以上の成分を保持する、混合及び分注のための容器システムを開示している。第1の容器はホイルシールで封止されている。第2の容器は、再使用可能なキャップ及びクロージャで封止されている。使用時に、容器は、一方の容器から他方の容器への通路を形成するように接合することができ、それによって各容器内の成分を混合することができる。容器が分離されるとき、第1の容器は空であり、第2の容器は混合された成分を保持する。第2の容器には、混合された成分を周囲環境から封止するために、再使用可能なキャップクロージャを取り付けることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的
使用が非常に容易でありながら、最初の使用時まで複数の成分及び/又は組成物が混合するのを防止することができる単一容器及び単一閉鎖システムを提供する。
【0007】
本発明による容器閉鎖システムは、第1の流動性製品を収容する通常のねじ山付きネック容器を含む。容器用のねじ山付き閉鎖アセンブリは、最初に第2の流動性製品を収容する。閉鎖アセンブリは、ねじ山付きキャップと、キャップインサートと、穿孔手段とを含む。ねじ山付きキャップに対するキャップインサートの移動は、容器内の2つの流動性製品の混合をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明による容器閉鎖システムの断面図である。
【
図2】
図2は、本発明による閉鎖アセンブリの分解図である。
【
図3】
図3は、本発明において有効な容器の正面図である。
【
図4】
図4は、本発明による閉鎖アセンブリの断面図である。
【
図5】
図5は、本発明によるねじ山付きキャップの断面図である。
【
図6】
図6は、本発明によるねじ山付きキャップの斜視図である。
【
図9】
図9は、ねじ山付きキャップに対して最初の関係にある穿孔手段を示す。
【
図13】
図13は、ねじ山付きキャップに対するオリフィスレデューサを示す。
【
図14】
図14は、ねじ山付きキャップ及びオリフィスレデューサを容器に対して示す。
【
図15】
図15は、使用中の本発明による容器閉鎖システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
用語「含む(comprises)」及びその変形は、要素のリストが明示的に記載されたものに必ずしも限定されないことを意味する。
【0010】
本発明は、最初の使用時まで2つの製品を別々に維持する。「製品」という用語は、複数の成分を含む組成物を指す場合もあれば、単一の成分を指す場合もある。例えば、成分の活性を保存するために、最初の使用の直前まで活性成分を主組成物から分離して維持することが望ましい場合がある。様々な種類のパーソナルケア製品が、本発明で使用され得る。しかしながら、混合前に、製品のうちの少なくとも1つは流動性であるべきであり、混合後に、組み合わされた製品も流動性であるべきである。例えば、いずれかの製品は、容易に流動性の液体又は流動性の粒状固体(粉末など)であってもよい。製品が何らかの程度の相互溶解性を有することは必要条件ではないが、一方の製品が他方に少なくとも部分的に可溶性であると好ましく、2つの製品が単に振ることによって完全な混和性を達成することができるとより好ましい。
図1及び
図2を参照すると、本発明による容器閉鎖システムは、容器(1)と、オリフィスレデューサ(2)と、ねじ山付きキャップ(3)と、穿孔手段(4)と、キャップインサート(5)とを備える。
図1は、これらの構成要素を互いに最初の関係で示している。
【0011】
本発明において有用な容器は、
図1及び
図3に示されるような消費財包装において典型的に使用されるタイプの通常のねじ山付きネック容器であってもよい。例えば、容器(1)は、第1の流動性製品(P1)を収容することができる第1のリザーバ(1b)を画定する壁(1a)を備える。第1の流動性製品は、容器のネック(1c)を通って第1のリザーバに流入し、そこから流出する。ネックの外面は、ねじ山付きキャップ(3)を取り付けるためのねじ山(1d)を含む。ねじ山の下に、容器には肩部(1g)が形成されている。ねじ山の上に、ネックの上面(1f)に溝(1h)が形成されてもよい。典型的には、容器はガラス又はプラスチックであってよい。
【0012】
本発明の閉鎖アセンブリ(10)は、外観が普通であってもよい。しかしながら、
図2及び
図4に示すように、本発明者らが説明する閉鎖アセンブリ(10)は、オリフィスレデューサ(2)と、ねじ山付きキャップ(3)と、穿孔手段(4)と、キャップインサート(5)とを備え、キャップインサート及び穿孔手段は、ねじ山付きキャップ内へ一体として移動することができる。
図5及び
図6を参照すると、ねじ山付きキャップ(3)は、内部空間を画定する垂直壁(3a)を備える。横断パーティション(3f)は、内部空間を上部セクション(3b)と下部セクション(3e)とに分割している。上部セクション(3b)は、穿孔手段及びキャップインサートを受け入れることができる開いた上部を有する。上部セクションはまた、第2の流動性製品(P2)を収容することができる第2のリザーバとして機能する。カラー(3c)が、横断パーティション(3f)から下方部分内へ垂下している。カラーは、容器(1)のねじ山(1d)と協働することができるねじ山(3d)を備える。また、カラーの内側に位置し、カラーと同心である中空ステム(3g)が、横断パーティション(3f)から垂下している。中空ステムは、破壊可能なシールによって中空ステムのある部分に沿って封止されている。例えば、中空ステムの上端は、ホイルなどの壊れやすい膜(3h)によって封止されてもよい。破壊可能なシールが無傷であるとき、それは液密シールを形成し、中空ステム(3g)を通る第2の流動性製品(P2)の流れを防止する。任意選択的に、周方向ビード(3i)が、垂直壁(3a)の内面上で、横断パーティション(3f)の上方で、ねじ山付きキャップの上部に近接して配置される。
【0013】
穿孔手段(4)は、
図7及び
図8に示されている。穿孔手段は、円筒形側壁(4a)と、閉じた頂部(4b)と、開いた底部(4c)とを備える。閉じた上部の中心から下方に、ピンテル(4d)が垂下している。ピンテルは、ねじ山付きキャップ(3)の中空ステム(3g)内に挿入されるときはいつでも液密シールをもたらすようにサイズ決めされている。任意選択的に、ピンテルの遠位端は、鋭い先端(4e)として形成されてもよい。周囲膝壁(4g)が穿孔手段の閉じた上部から立ち上がっている。
【0014】
図9を参照すると、穿孔手段(4)の円筒形側壁(4a)は、ねじ山付きキャップ(3)の上部セクション(3b)内にぴったりと、しかし摺動可能に嵌合するように設計されている。ねじ山付きキャップの垂直壁(3a)に対する穿孔手段の円筒形側壁(4a)の嵌合は、穿孔手段がねじ山付きキャップ内で摺動しているときでさえ、それらの間に液密シールをもたらすのに十分である。穿孔手段は、ねじ山付きキャップに対して最初の上方位置を有する。穿孔手段は、その上方位置において、ねじ山付きキャップの垂直壁(3a)の頂部付近に位置する。上方位置を更に画定するために、穿孔手段の円筒形側壁の外面は、ねじ山付きキャップの円周ビード(3i)を受け入れ、それらの間に液密シールを形成するための円周溝(4i)を有してよい。穿孔手段及びねじ山付きキャップがそれらの最初の上方位置にあるとき、ピンテル(4d)の遠位端(4e)は、中空ステム(3g)の破壊可能シール(3h)まで延在しない。このようにして、第2の流動性製品(P2)は、ねじ山付きキャップの第2のリザーバ(3b)内に捕捉され、容器(1)の第1のリザーバ(1b)内に落下させられない。穿孔手段はまた、ねじ山付きキャップに対して最終下方位置を有する。この最終下方位置は、穿孔手段がそれ以上下降できないときに到達される。
【0015】
キャップインサート(5)は、ねじ山付きキャップ(3)内で穿孔手段(4)を下方に移動させるために使用者が押す閉鎖アセンブリ(10)の部分である。
図4及び
図10を参照すると、キャップインサートは、円筒壁(5a)と、閉じた上部(5b)と、開いた底部(5c)とを備える。好ましくは、閉じた上部はねじ山付きキャップよりも高い位置にある。キャップインサートの開いた底部は、穿孔手段に堅固に接続されている。例えば、キャップインサートの開いた底部は、穿孔手段(4)の膝壁(4g)上に摩擦嵌合接続を形成するようにサイズ決めされており、穿孔手段及びキャップインサートは、ねじ山付きキャップ(3)に対して一体として移動することができる。この接続を更に確実にするために、接着剤、スナップ嵌め係合又は一体成形などの任意の適切な手段が使用されてよい。キャップインサート及び穿孔手段は、ねじ山付きキャップ内で下方に並進することができる。キャップインサート及び穿孔手段の下方への移動は、最初の上方位置と最後の下方位置(上述)との間で生じる。任意選択的に、キャップインサートの円筒形側壁(5a)の外面に周方向溝(5i)が設けられてよく、これにより、キャップインサート及び穿孔手段がそれらの最終下方位置に到達したときに、ねじ山付きキャップの周方向ビード(3i)がこの周方向溝内に静止してよい。
【0016】
図11及び
図12は、オリフィスレデューサ(2)の一実施形態を示す。一般に、オリフィスレデューサは、上部及び底部を有する中空円筒形本体(2a)を備える。フランジ(2b)が本体の頂部を囲んでおり、本体から半径方向外向きに延び、スカート(2c)がフランジから下向きに垂下している。スカートの底部は、容器(1)のネック(1c)を把持するための拡大部分(2h)として形成されてもよい。任意選択的に、シーリングビード(2e)がオリフィスレデューサのフランジから立ち上がっており、ねじ山付きキャップ(3)の横断パーティション(3f)との二次シールを形成してもよい。
【0017】
図13を参照すると、オリフィスレデューサ(2)は、最初にねじ山付きキャップ(3)と関連付けられている。オリフィスレデューサは、カラー(3c)とステム(3g)との間に摩擦嵌合されて、ねじ山付きキャップ内に固定されている。最初にオリフィスレデューサ(2)を有するねじ山付きキャップ(3)が容器(1)上に完全に着座され、オリフィスレデューサのスカート(2c)が、(
図14に示されるように)容器のネック(1c)の上に引き伸ばされる。その後、オリフィスレデューサは、ねじ山付きキャップが容器から回して外されても、容器のネックに取り付けられたままである。オリフィスレデューサの容器への取り付けは、スカートの拡大部分(2h)が容器のネック上の溝(1h)に係合することによって容易にすることができる。このプロセスでは、オリフィスレデューサと容器のネックとの間に液密接続が形成される。オリフィスレデューサと容器のネックとの間の液密接続を確実にするために、ねじ山付きキャップの垂直壁(3a)は、オリフィスレデューサがネック上に完全に着座する前に、容器の肩部(1g)の底に達してはならない。
【0018】
図14に示すように、オリフィスレデューサ(2)を有するねじ山付きキャップ(3)が容器(1)上に完全に着座すると、ねじ山付きキャップの中空ステム(3g)及びオリフィスレデューサの円筒形本体(2a)は、容器のネック(1c)内に位置決めされる。中空ステム及びオリフィスレデューサは、第1のリザーバ(1b)と第2のリザーバ(3b)との間に通路を形成し、この通路を通って、第1及び第2の流動性製品(P1,P2)が時々通過することができる。しかしながら、キャップインサート(5)及び穿孔手段(4)がねじ山付きキャップ(3)に対してそれらの最下位置にあるとき、穿孔手段のピンテル(4d)は、ねじ山付きキャップの中空ステム(3g)内に延びる(
図15参照)。ピンテル及び中空ステムは、第1及び第2のリザーバ(1b,3b)の間の通路を閉鎖する液密シールをもたらすようにサイズ決めされている。
【0019】
組み立て及び充填
本明細書に記載されるタイプのねじ山付きキャップ(3)は、中空ステム(3g)の一端又は両端上に破壊可能なシールを備える。次に、オリフィスレデューサ(2)が、上で説明されたように、ねじ山付きキャップ内に組み立てられる。ねじ山付きキャップの上側部分(すなわち、第2のリザーバ、3b)には、ある量の第2の流動性製品(P2)が充填されている。穿孔手段(4)は、穿孔手段の円周方向溝(4i)内にねじ山付きキャップの円周方向ビード(3i)を位置決めすることによって、ねじ山付きキャップの上部に組み立てられる。この構成では、穿孔手段はその上方位置に配置されている。次に、上述したように、キャップインサートが穿孔手段に取り付けられる。あるいは、最初にキャップインサートが穿孔手段に取り付けられてもよく、次に穿孔手段をねじ山付きキャップに取り付けることができる。このようにして、第2の流動性製品(P2)は、ねじ山付きキャップの第2のリザーバ(3b)内に捕捉される。オリフィスレデューサ、穿孔手段、及びキャップインサートを有するねじ山付きキャップは、第2の流動性製品(P2)が充填された完全な閉鎖アセンブリ(10)を形成する。容器(1)の第1のリザーバ(1b)には、第1の流動性製品(P1)が充填されている。これは、オリフィスレデューサがネックに取り付けられる前に、容器のネック(1c)を通して行われる。第2の流動性製品(P2)の少なくとも一部のために十分なヘッドスペースを第1のリザーバ内に残すことが重要である。
【0020】
次に、ねじ山付きキャップ(3)を容器のねじ山付きネック(1c)にきつくなるまでねじ込むことによって、閉鎖アセンブリ(10)が容器(1)に適用される。このプロセスにおいて、オリフィスレデューサのスカート(2c)は、容器のネック(1c)上に引き伸ばされ、その後、オリフィスレデューサは、容器のネックに取り付けられたままである。この時点で、第1の流動性製品は第1のリザーバ(1b)内にあり、第2の流動性製品は第2のリザーバ(3b)内にあり、容器閉鎖システムは
図1のように見える。製品の通常のボトルのように見える容器閉鎖システムは、流通の準備ができている。
【0021】
消費者の使用
図15を参照すると、ユーザが本発明の完全に組み立てられた容器閉鎖システムを使用したい場合、ユーザは、キャップインサート(5)の上部(5b)に圧力を加えて、穿孔手段(4)の周方向溝(4i)をねじ山付きキャップ(3)の周方向ビード(3i)に押し通す。キャップインサート及び穿孔手段がねじ山付きキャップ内で下方に移動すると、ピンテル(4d)の遠位端(4e)が中空ステム(3g)の破壊可能なシール(3h)を破壊し、したがって第1のリザーバ(1b)と第2のリザーバ(3b)との間の通路を開く。第2の流動性製品(P2)は、第1のリザーバ(1b)内に落下し始め、第1の流動性製品(P1)と混ざる。使用者は、キャップインサートがそれ以上動かなくなるまで、キャップインサートを押し下げ続ける。穿孔手段がその最終下方位置に到達するまでに、第2の製品のほとんど又は実質的に全てが第1のリザーバ内に落下し、ピンテルが中空ステム内に完全に着座し、中空ステムに対して液密シールをもたらし、したがって、第1のリザーバと第2のリザーバとの間の通路を閉鎖する。好ましくは、中空ステムの内側のピンテルの嵌合は、ピンテルが中空ステムから偶発的に後退することを防止するように十分に緊密である。これにより、第1のリザーバ内の混合された製品が第2のリザーバに入ることが防止される。キャップインサートの円筒形側壁(5a)の外面に任意選択の周方向溝(5i)が設けられている場合、キャップインサート及び穿孔手段がそれらの下方移動の終わりに達すると、ねじ山付きキャップの周方向ビード(3i)がこの周方向溝内に静止する。これは更に、ピンテルが中空ステムから偶発的に後退することを防止する。任意選択的に、消費者は、2つの製品を完全に混合するために容器閉鎖システムを振ってもよい。その後、ねじ山付きキャップ(3)に加えられたねじり力は、閉鎖アセンブリ(10)を容器(1)からねじり外すが、オリフィスレデューサ(2)は容器に取り付けられたまま残る。消費者は、オリフィスレデューサを通して注ぐことによって、混合された製品を分配する。完成したとき、閉鎖アセンブリは、従来のねじ山付きクロージャのように容器に再びねじ込まれる。