(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】独立した圧力源を用いる眼処置装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A61F 9/007 20060101AFI20231227BHJP
【FI】
A61F9/007 160
A61F9/007 170
(21)【出願番号】P 2020572543
(86)(22)【出願日】2019-06-27
(86)【国際出願番号】 US2019039399
(87)【国際公開番号】W WO2020006169
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-06-24
(32)【優先日】2018-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】523406196
【氏名又は名称】バランス オフサルミックス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BALANCE OPHTHALMICS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】バーダール、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ、ジョージ
【審査官】大橋 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-504768(JP,A)
【文献】国際公開第2017/156050(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/035406(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の各個々の眼の前面にわたる対応する環境におけるチャンバキャビティ圧力の独立した調整を可能にする装置であって、
左カバーと患者の左眼の前面との間に左キャビティを画定するように前記左眼の上に適合するようなサイズ及び形状である前記左カバーと、
前記左キャビティと連通し且つ前記左キャビティ内の流体圧を調整するように構成された左
ポンプと、
右カバーと患者の右眼の前面との間に右キャビティを画定するように前記右眼の上に適合するようなサイズ及び形状である前記右カバーと、
前記右キャビティと連通し且つ前記右キャビティ内の流体圧を調整するように構成された右
ポンプと、
前記左
ポンプおよび前記右ポンプのうちの少なくとも一方に接続され
た制御回路であって、前
記制御回路は、前記左
ポンプが前記右
ポンプから独立して前記左キャビティ内の流体圧を調整することができ、前記右
ポンプが前記左
ポンプから独立して前記右キャビティ内の流体圧を調整することができるように構成されている、前
記制御回路と、を備える、装置。
【請求項2】
前記左キャビティと連通し且つ前記左キャビティ内の左眼環境の指標を検知する左キャビティセンサと、
前記右キャビティと連通し且つ前記右キャビティ内の右眼環境の指標を検知する右キャビティセンサと、
前記左眼環境の指標、前記右眼環境の指標、および前記左眼環境の指標と前記右眼環境の指標との関係の指標のうちの少なくとも1つを検知するように構成された冗長センサと、
を含むシステムセンサを備える請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記左キャビティセンサが、前記左キャビティ内の左圧力の指標を検知する左圧力センサを含み、
前記右キャビティセンサが、前記右キャビティ内の右圧力の指標を検知する右圧力センサを含み、
前記冗長センサが、前記左眼環境の指標と前記右眼環境の指標との関係の指標を検知する冗長センサを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記冗長センサが、左差動圧力センサによる前記左キャビティ内の左圧力の指標と右差動圧力センサによる前記右キャビティ内の右圧力の指標との差を検知するように構成された差動圧力センサを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記冗長センサが、左差動信号センサによる前記左キャビティセンサからの左圧力の指標と右差動信号センサによる前記右キャビティセンサからの右圧力の指標との差を検知するように構成された差動信号センサを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前
記制御回路が、前記左キャビティ内の前記左眼環境の指標、前記右キャビティ内の前記右眼環境の指標、および前記左眼環境と前記右眼環境との関係の指標のうちの少なくとも1つを受信及び処理するように構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前
記制御回路が、
前記左
ポンプに結合され、且つ前記左眼環境の指標、および前記左眼環境と前記右眼環境との関係の指標のうちの少なくとも一方を受信及び処理することができる左制御回路と、
前記右
ポンプと通信し、且つ前記右眼環境の指標、および前記左眼環境と前記右眼環境との関係の指標のうちの少なくとも一方を受信及び処理することができる右制御回路と、を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記左制御回路が、前記左キャビティ内の左目標キャビティ圧力に向かって前記左キャビティ内に非大気圧を発生させるように前記左
ポンプを調整するように構成された左制御回路を含み、
前記右制御回路が、前記右キャビティ内の右目標キャビティ圧力に向かって前記右キャビティ内に非大気圧を発生させるように前記右
ポンプを調整するように構成された右制御回路を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記左制御回路と通信し且つ前記左眼内の左眼内圧(IOP)の指標、および前記患者内の脳脊髄液圧(CSFP)の指標のうちの少なくとも一方を検知するように構成された左バイオセンサと、
前記右制御回路と通信し且つ前記右眼内の右IOPの指標、および前記患者内のCSFPの指標のうちの少なくとも一方を検知するように構成された右バイオセンサと、を含む請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記左制御回路が、前記左IOPの指標を受信し、前記受信した左IOPの指標に基づき左目標IOPレベルに向かって非大気圧を発生させるように前記左
ポンプを調整するように構成された左制御回路を含み、
前記右制御回路が、前記右IOPの指標を受信し、前記受信した右IOPの指標に基づき右目標IOPレベルに向かって非大気圧を発生させるように前記右
ポンプを調整するように構成された右制御回路を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記左目標IOPレベルに向かって非大気圧を発生させるように構成された前記左制御回路が、前記左眼内における約10mmHg~約21mmHgの範囲の前記左目標IOPレベルを含み、
前記右目標IOPレベルに向かって非大気圧を発生させるように構成された前記右制御回路が、前記右眼内における約10mmHg~約21mmHgの範囲の前記右目標IOPレベルを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記左制御回路が、前記左眼に関連する左経篩状板圧勾配(TLPG)の指標を等化するように前記左キャビティ内に非大気圧を発生させるように前記左
ポンプを調整するように構成された左制御回路を含み、前記左TLPGの指標を等化することが、前記左TLPGの指標を第1左TLPGレベルからより低い第2左TLPGレベルに低下させることを含み、
前記右制御回路が、前記右眼に関連する右TLPGの指標を等化するように前記右キャビティ内に非大気圧を発生させるように前記右
ポンプを調整するように構成された右制御回路を含み、前記右TLPGの指標を等化することが、前記右TLPGの指標を第1右TLPGレベルからより低い第2右TLPGレベルに低下させることを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記左制御回路が、前記左眼の左視神経における軸索輸送の指標を向上させるように前記左キャビティ内に非大気圧を発生させるように前記左
ポンプを調整するように構成された左制御回路を含み、
前記右制御回路が、前記右眼の右視神経における軸索輸送の指標を向上させるように前記右キャビティ内に非大気圧を発生させるように前記右
ポンプを調整するように構成された右制御回路を含み、
軸索輸送の指標を向上させることが、軸索輸送の速度を第1軸索輸送レベルからより高い第2軸索輸送レベルまで上昇させることを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
前記左制御回路が、前記左眼の眼疾患を治療、抑制又は予防するように前記左キャビティ内に非大気圧を発生させるように前記左
ポンプを調整するように構成された左制御回路を含み、
前記右制御回路が、前記右眼の眼疾患を治療、抑制又は予防するように前記右キャビティ内に非大気圧を発生させるように前記右
ポンプを調整するように構成された右制御回路を含む、請求項
7に記載の装置。
【請求項15】
前記左キャビティと連通し且つ前記左キャビティ内の左圧力を左クラッキング圧力に制限するように構成された左受動キャビティ逆止弁と、前記右キャビティと連通し且つ前記右キャビティ内の右圧力を右クラッキング圧力に制限するように構成された右受動キャビティ逆止弁とを備える請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
緑内障又は視神経乳頭浮腫に関連する両眼疾患等の両眼疾患は、適切なケアがなければ患者の視力を気づかないうちに奪う可能性がある。患者の左眼及び右眼において異なる眼内圧(intraocular pressure : IOP)レベルが検知される可能性がある場合等、患者の非対称なIOPレベルの測定は、眼疾患があることと、患者の左眼及び右眼の各々に対する異なる治療レジメン等の異なる治療レジメンが必要であることとを示す可能性がある。両眼疾患の進行は患者の左眼及び右眼に対して異なる速度で影響を与える可能性があるため、左眼及び右眼の各々に対する異なる治療プロトコル等の別個の治療プロトコルを適用することができる装置は、患者の転帰を大幅に向上させることができる。
【0002】
ダップス(Dupps)の(特許文献1)は、撮像システムと透明チャンバ及びポンプを含む擾乱要素とを備えた、組織の生体力学的特性を特徴付けるシステムについて言及している。
【0003】
カン(Kang)の(特許文献2)は、空気孔を有するゴーグルユニットと、空気孔と連通し、使用者の眼の上に適合する少なくとも1つの空気チャンバとを含む、眼を治療するための小型ネブライザについて言及している。空気を排出するために、ゴーグルユニットに複数の排気孔が設けられている。
【0004】
スキバ(Skiba)の(特許文献3)は、眼の周囲に装着されるマスクについて言及しており、このマスクは1つ又は複数の霧出口と、薬剤を霧状にして、霧が霧出口から排出されて一方又は両方の眼に薬剤を送達するようにするアトマイザとを備える。
【0005】
ギヨン(Guillon)の(特許文献4)は、使用者の眼の周囲に密閉領域を提供するように適合された眼用カバーと、眼用カバーを適所に保持する手段と、眼用カバーに乾燥空気を供給する手段とについて言及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第7935058号明細書
【文献】米国特許第5807357号明細書
【文献】米国特許出願公開第2002/0124843号明細書
【文献】米国特許出願公開第2007/0265505号明細書
【発明の概要】
【0007】
緑内障及び視神経乳頭浮腫等の眼疾患は、世界中で6000万を超える人々(40歳~80歳)を襲い、患者数は2040年までに1億1000万まで増加すると推定される。眼疾患は両側である(たとえば、患者の両眼に発症する)ことが多いが、緑内障及び視神経乳頭浮腫は、両方の眼に等しく又は同じ進行速度で発症しないことが多い。実際には、左眼のための左治療レジメン及び右眼のための右治療レジメン等の2つの異なる治療レジメンによる眼疾患の治療により、介護者は、患者転帰を大幅に向上させる等のように、患者特有の疾患に治療処置をカスタマイズすることができる。
【0008】
本発明者らは、とりわけ、本技術分野において、眼疾患を治療、抑制又は予防するために、左眼に左治療レジメン、右眼に右治療レジメンを適用し、又は、左眼に左治療レジメン及び右眼に右治療レジメンを同時に適用する等のように、眼に治療レジメンを適用することができる、システム及び方法が必要とされていることを認識した。本明細書に記載する装置及び方法は、患者左眼の上の左眼環境又は患者右眼の上の右眼環境のうちの少なくとも一方等の患者眼の上の眼環境を、確立、調整及び維持する等、制御することができる。一例では、左眼環境の制御は右眼環境から独立することができ、右眼環境の制御は左眼環境から独立することができる。一例では、眼環境は、作動流体を含むことができ、そこでは、作動流体は、作動流体圧又は作動流体組成のうちの少なくとも一方等の作動流体特性を含むことができる。
【0009】
患者左眼及び患者右眼それぞれに適用されるような、左眼環境及び右眼環境の独立した制御により、患者転帰を向上させることができる疾患管理を改善する等のように、治療レジメンを各個々の患者の眼疾患に適応させることができる。本明細書は、とりわけ、眼疾患を治療、抑制又は予防するために、患者の左眼の上の左眼環境及び患者の右眼の上の右眼環境の同時の独立した制御等の制御の装置及び方法を記載する。
【0010】
装置は、左カバーと患者の左眼の前面との間に左キャビティを画定するように左眼の上に適合するようなサイズ及び形状である左カバーと、右カバーと患者の右眼の前面との間に右キャビティを画定するように右眼の上に適合するようなサイズ及び形状である右カバーとを含むことができる。本装置は、左キャビティ内の流体圧を調整するように構成された左圧力源等、左キャビティに左作動流体を付与する左圧力源を含むことができる。左圧力源は、正の左キャビティゲージ圧及び負の左キャビティゲージ圧を含む左キャビティゲージ圧等の左キャビティ圧力を発生させることができる。本装置は、右キャビティ内の流体圧を調整するように構成された右圧力源等、右キャビティに右作動流体を付与する右圧力源を含むことができる。右圧力源は、正の右キャビティゲージ圧及び負の右キャビティゲージ圧を含む右キャビティゲージ圧等の右キャビティ圧力を発生させることができる。右圧力源は左圧力源とは別個とすることができ、たとえば、左圧力源は、右圧力源から独立して左キャビティ圧力を発生させるように構成することができ、右圧力源は、左圧力源から独立して右キャビティ圧力を発生させるように構成することができる。左圧力源により左キャビティ内に左キャビティ圧力を発生させるとともに右圧力源により右キャビティ内に右キャビティ圧力を発生させる際、本装置は、左眼及び右眼の各々に治療圧力レジメンを適応させることにより眼疾患の治療を改善する等のように、左眼及び右眼の各々に独立して異なるゲージ圧を加えることができる。
【0011】
本主題のいくつかの非限定的な態様の概要を以下に示す。
態様1は、眼疾患を治療、抑制又は予防するために、左眼に左治療レジメン、右眼に右治療レジメンを適用するか、又は左眼に左治療レジメン及び右眼に右眼治療レジメンを同時に適用するように、眼に治療レジメンを適用する装置等、主題(装置、システム、デバイス、方法、複数の動作を実施する手段、又は、デバイスによって実行されるとデバイスに複数の動作を実施させることができる複数の命令を含むデバイス可読媒体等)を含む又は使用することができる。患者の左眼の上に適合するようなサイズ及び形状である左カバーが、左カバーと左眼の前面との間に左キャビティを画定することができる。左キャビティと連通している左圧力源は、左キャビティ内の流体圧を調整するように構成することができる。患者の右眼の上に適合するようなサイズ及び形状である右カバーが、右カバーと右眼の前面との間に右キャビティを画定することができる。右キャビティと連通している右圧力源は、右キャビティ内の流体圧を調整するように構成することができる。左圧力源又は右圧力源のうちの少なくとも一方に結合された制御回路は、左圧力源が右圧力源から独立して左キャビティ内の流体圧を調整することができ、右圧力源が左圧力源から独立して右キャビティ内の流体圧を調整することができるように構成することができる。
【0012】
態様2は、左キャビティと連通する、左キャビティ内の左眼環境の指標を検知する左キャビティセンサと、右キャビティと連通する、右キャビティ内の右眼環境の指標を検知する右キャビティセンサと、左眼環境の指標、右眼環境の指標、又は左眼環境の指標と右眼環境の指標との関係の指標のうちの少なくとも1つを検知するように構成された冗長センサとを含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様1の主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0013】
態様3は、左キャビティセンサが、左キャビティ内の左圧力の指標を検知する左圧力センサを含み、右キャビティセンサが、右キャビティ内の右圧力の指標を検知する右圧力センサを含み、冗長センサが、左眼環境の指標と右眼環境の指標との関係の指標を検知する冗長センサを含む、装置を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様1又は2のうちの一方若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0014】
態様4は、冗長センサが、左差動圧力センサによる左キャビティ内の左圧力の指標と右差動圧力センサによる右キャビティ内の右圧力の指標との差を検知するように構成された差動圧力センサを含む、装置を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様1~3のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0015】
態様5は、左差動信号センサによる左キャビティセンサからの左圧力の指標と右差動信号センサによる右キャビティセンサからの右圧力の指標との差を検知するように構成された差動信号センサを含む冗長センサを含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様1~4のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0016】
態様6は、左キャビティ内の左眼環境の指標、右キャビティ内の右眼環境の指標、又は左眼環境と右眼環境との関係の指標のうちの少なくとも1つを受信及び処理するように構成されているシステム制御回路を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様1~5のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0017】
態様7は、左圧力源に結合された、左眼環境の指標、又は左眼環境と右眼環境との関係の指標のうちの少なくとも一方を受信及び処理することができる左制御回路と、右圧力源と通信する、右眼環境の指標、又は左眼環境と右眼環境との関係の指標のうちの少なくとも一方を受信及び処理することができる右制御回路とを含む制御回路を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様1~6のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0018】
態様8は、左キャビティ内の左目標キャビティ圧力に向かって左キャビティ内に非大気圧を発生させるように左圧力源を調整するように構成された左制御回路を含む、左制御回路と、右キャビティ内の右目標キャビティ圧力に向かって右キャビティ内に非大気圧を発生させるように右圧力源を調整するように構成された右制御回路を含む、右制御回路とを含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様1~7のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0019】
態様9は、左制御回路と通信する、左眼内の左眼内圧(intraocular pressure : IOP)の指標、又は患者内の脳脊髄液圧(cerebrospinal fluid pressure : CSFP)の指標のうちの少なくとも一方を検知するように構成された左バイオセンサと、右制御回路と通信する、右眼内の右IOPの指標、又は患者内のCSFPの指標のうちの少なくとも一方を検知するように構成された右バイオセンサとを含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様1~8のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0020】
態様10は、左IOPの指標を受信するとともに、受信した左IOPの指標に基づき左目標IOPレベル[G]に向かって非大気圧を発生させるように左圧力源を調整するように構成された、左制御回路を含む、左制御回路と、右IOPの指標を受信するとともに、受信した右IOPの指標に基づき右目標IOPレベルに向かって非大気圧を発生させるように右圧力源を調整するように構成された、右制御回路を含む、右制御回路とを含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様1~9のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0021】
態様11は、左目標IOPレベルに向かって非大気圧を発生させるように構成することができ、左眼内における約10mmHg~約21mmHgの範囲の左目標IOPレベルを含む左制御回路と、右目標IOPレベルに向かって非大気圧を発生させるように構成することができ、右眼内における約10mmHg~約21mmHgの範囲の右目標IOPレベルを含む右制御回路とを含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様1~10のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0022】
態様12は、左眼に関連する左経篩状板圧勾配(translaminar pressure gradient : TLPG)の指標を等化するように左キャビティ内に非大気圧を発生させるように左圧力源を調整するように構成された左制御回路を含み、左TLPGの指標を等化することが、左TLPGの指標を第1左TLPGレベルからより低い第2左TLPGレベルに低下させることを含む、左制御回路と、右眼に関連する右TLPGの指標を等化するように右キャビティ内に非大気圧を発生させるように右圧力源を調整するように構成された右制御回路を含み、右TLPGの指標を等化することが、右TLPGの指標を第1右TLPGレベルからより低い第2右TLPGレベルに低下させることを含む、右制御回路とを含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様1~11のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0023】
態様13は、左眼の左視神経における軸索輸送の指標を向上させるように左キャビティ内に非大気圧を発生させるように左圧力源を調整するように構成された左制御回路を含む、左制御回路と、右眼の右視神経における軸索輸送の指標を向上させるように右キャビティ内に非大気圧を発生させるように右圧力源を調整するように構成された右制御回路を含む、右制御回路とを含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様1~12のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができ、軸索輸送の指標を向上させることは、軸索輸送の速度を第1軸索輸送レベルからより高い第2軸索輸送レベルまで上昇させることを含む。
【0024】
態様14は、左眼の眼疾患を治療、抑制又は予防するように左キャビティ内に非大気圧を発生させるように左圧力源を調整するように構成された左制御回路を含む、左制御回路と、右眼の眼疾患を治療、抑制又は予防するように右キャビティ内に非大気圧を発生させるように右圧力源を調整するように構成された右制御回路を含む、右制御回路とを含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様1~13のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0025】
態様15は、左キャビティと連通している、左キャビティ内の左圧力を左クラッキング圧力に制限するように構成された左受動キャビティ逆止弁と、右キャビティと連通している、右キャビティ内の右圧力を右クラッキング圧力に制限するように構成された右受動キャビティ逆止弁とを含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様1~14のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0026】
態様16は、主題(装置、システム、デバイス、方法、行為を実施する手段、又は、デバイスによって実行されるとデバイスに複数の動作を実施させることができる複数の命令を含むデバイス可読媒体等)を含み若しくは使用することができ、又は、装置を使用する方法を任意選択的に含み若しくは使用するために態様1~15のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。装置は、左カバーと患者の左眼の前面との間に左キャビティを画定するように左眼の上に適合するようなサイズ及び形状である左カバーと、左キャビティと連通している、左キャビティ内の流体圧を調整するように構成された左圧力源と、右カバーと患者の右眼の前面との間に右キャビティを画定するよう右眼の上に適合するようなサイズ及び形状である右カバーと、右キャビティと連通している、右キャビティ内の流体圧を調整するように構成された右圧力源とを備えることができ、左圧力源は、右圧力源から独立して左キャビティ内の流体圧を調整するように構成され、右圧力源は、左圧力源から独立して右キャビティ内の流体圧を調整するように構成されている。本方法は、装置により、左眼環境の指標、右眼環境の指標、左眼内の左眼内圧(IOP)の指標、右眼内の右IOPの指標、又は患者内の脳脊髄液圧(CSFP)の指標のうちの少なくとも1つを受信するステップを含むことができる。本方法は、受信された指標のうちの少なくとも1つに基づいて左キャビティ内に非大気圧を発生させるように左圧力源、又は受信された指標のうちの少なくとも1つに基づいて右キャビティ内に非大気圧を発生させるように右圧力源のうちの少なくとも一方を調整するステップを含むことができる。
【0027】
態様17は、指標を受信するステップが、左キャビティ圧力の指標を含む左眼環境の指標を受信することを含み、圧力源を調整するステップが、左キャビティ圧力の指標に基づき左圧力源を調整することを含み、指標を受信するステップが、右キャビティ圧力の指標を含む右眼環境の指標を受信することを含み、圧力源を調整するステップが、右キャビティ圧力の指標に基づき右圧力源を調整することを含む、方法を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様1~16のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0028】
態様18は、指標を受信するステップが、左IOPの指標を受信することを含み、圧力源を調整するステップが、左IOPの指標に基づき左圧力源を調整することを含み、指標を受信するステップが、右IOPの指標を受信することを含み、圧力源を調整するステップが、右IOPの指標に基づき右圧力源を調整することを含む、方法を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様1~17のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0029】
態様19は、指標を受信するステップが、左キャビティ圧力及び左IOPの指標を受信することを含み、圧力源を調整するステップが、左キャビティ圧力及び左IOPの指標に基づき左圧力源を調整することを含み、指標を受信するステップが、右キャビティ圧力及び右IOPの指標を受信することを含み、圧力源を調整するステップが、右キャビティ圧力及び右IOPの指標に基づき右圧力源を調整することを含む、方法を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様1~18のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0030】
態様20は、指標を受信するステップが、左眼に関連する左経篩状板圧差(translaminar pressure difference : TPD)の指標を受信することを含み、圧力源を調整するステップが、左TPDの指標を等化するように左圧力源を調整することを含み、指標を受信するステップが、右眼に関連する右TPDの指標を受信することを含み、圧力源を調整するステップが、右TPDの指標を等化するように右圧力源を調整することを含み、TPDの指標を等化することが、TPDの指標を第1のTPDレベルからより低い第2のTPDレベルまで低下させることを含む、方法を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様1~18のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0031】
態様21は、眼疾患を治療、抑制又は予防するために、患者の左眼の上に位置する左キャビティ又は患者の右眼の上に位置する右キャビティのうちの少なくとも一方に加えられる流体圧を調整する装置等、主題(装置、システム、デバイス、方法、複数の動作を実施する手段、又は、デバイスによって実行されるとデバイスに複数の動作を実施させることができる複数の命令を含むデバイス可読媒体等)を含む又は使用することができる。本装置は、左キャビティ及び右キャビティと連通する、左キャビティ内の左眼環境の指標、右キャビティ内の右眼環境の指標、又は左眼環境の指標と右眼環境の指標との関係の指標のうちの少なくとも1つを検知するように構成された差動センサを含むことができる。本装置は、システムセンサと通信する、左キャビティ内の左眼環境の指標、右キャビティ内の右眼環境の指標、又は左眼環境の指標と右眼環境の指標との関係の指標のうちの少なくとも1つを受信及び処理するように構成された制御回路を含むことができる。
【0032】
態様22は、システム制御回路に結合された、左キャビティ内の左眼環境の指標を検知する左キャビティセンサ、又は、システム制御回路に結合された、右キャビティ内の右眼環境の指標を検知する右キャビティセンサのうちの少なくとも一方を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様21の主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0033】
態様23は、左差動圧力センサによって検知された左キャビティ内の左圧力の指標と、右差動圧力センサによって検知された右キャビティ内の右圧力の指標との差を検知するように構成された差動圧力センサを含む差動センサを含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様21又は22のうちの一方又は任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0034】
態様24は、左差動信号センサで検知された左圧力センサからの左圧力の指標と、右差動信号センサで検知された右圧力センサからの右圧力の指標との差を検知するように構成された差動信号センサを含む差動センサを含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様21~23のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0035】
態様25は、左キャビティ又は右キャビティのうちの少なくとも一方と連通している、左キャビティ又は右キャビティのうちの少なくとも一方に非大気圧を加えるように構成された圧力源を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様21~24のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0036】
態様26は、左キャビティ及び右キャビティに非大気圧を加えるように構成された圧力源を含む圧力源を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様21~25のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0037】
態様27は、左キャビティと連通している、左キャビティ内の左圧力の指標を調整するように構成された左キャビティ弁と、右キャビティと連通している、右キャビティ内の右圧力の指標を調整するように構成された右キャビティ弁とを含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様21~26のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0038】
態様28は、受動左弁又は能動左弁のうちの少なくとも一方を含む左弁と、受動右弁又は能動右弁のうちの少なくとも一方を含む右弁と含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様21~27のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0039】
態様29は、システム制御回路で受信された指標のうちの少なくとも1つに基づき左圧力の指標を調整するように構成された能動左キャビティ弁を含む左キャビティ弁と、システム制御回路で受信された指標のうちの少なくとも1つに基づき右圧力の指標を調整するように構成された能動右キャビティ弁を含む右キャビティ弁とを含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様21~28のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0040】
態様30は、システム制御回路と通信する、左眼内の左眼内圧(IOP)の指標、又は患者内の脳脊髄液圧(CSFP)の指標のうちの少なくとも一方を検知するように構成された左バイオセンサと、システム制御回路と通信する、右眼内の右IOPの指標、又は患者内のCSFPの指標のうちの少なくとも一方を検知するように構成された右バイオセンサとを含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様21~29のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができ、左キャビティ弁は、左バイオセンサから受信された指標のうちの少なくとも1つに基づき左圧力の指標を調整するように構成された能動左キャビティ弁を含み、右キャビティ弁は、右バイオセンサから受信された指標のうちの少なくとも1つに基づき右圧力の指標を調整するように構成された能動右キャビティ弁を含む。
【0041】
態様31は、左IOPの指標を受信するとともに、受信した左IOPの指標に基づき能動左弁により左目標IOPレベルに向かって左キャビティ内の左圧力を調整するように構成された、左制御回路と、右IOPの指標を受信するとともに、受信した右IOPの指標に基づき能動右弁により右目標IOPレベルに向かって右キャビティ内の右圧力を調整するように構成された、右制御回路とを含むシステム制御回路を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様21~30のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0042】
態様32は、左眼に関連する左経篩状板圧差(TPD)の指標を等化するように、左能動弁により左キャビティ内の左圧力を調整するように構成され、左TPDの指標を等化することが、左TPDの指標を第1左TPDレベルからより低い第2左TPDレベルに低下させることを含む、左制御回路と、右眼に関連する右TPDの指標を等化するように、右能動弁により右キャビティ内の右圧力を調整するように構成され、右TPDの指標を等化することが、右TPDの指標を第1右TPDレベルからより低い第2右TPDレベルに低下させることを含む、右制御回路とを含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様21~31のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0043】
態様33は、左眼の左視神経における軸索輸送の指標を向上させるのに十分な左能動弁により左キャビティ内の左圧力を調整するように構成された左制御回路と、右眼の右視神経における軸索輸送の指標を向上させるのに十分な能動右弁により右キャビティ内の右圧力を調整するように構成された右制御回路とを含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様21~32のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができ、軸索輸送の指標を向上させることは、軸索輸送の速度を第1軸索輸送レベルからより高い第2軸索輸送レベルまで上昇させることを含む。
【0044】
態様34は、左眼の眼疾患を治療、抑制又は予防するように能動左弁により左キャビティ内の左圧力を調整するように構成された左制御回路と、右眼の眼疾患を治療、抑制又は予防するように能動右弁により右キャビティ内の右圧力を調整するように構成された右制御回路とを含むシステム制御回路を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様21~33のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0045】
態様35は、左キャビティと連通している、左キャビティ内の左圧力を左クラッキング圧力に制限するように構成された受動左弁と、右キャビティと連通している、右キャビティ内の右圧力を右クラッキング圧力に制限するように構成された受動右弁とを含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様21~34のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0046】
態様36は、主題(装置、システム、デバイス、方法、複数の動作を実施する手段、又は、デバイスによって実行されるとデバイスに複数の動作を実施させることができる複数の命令を含むデバイス可読媒体等)を含み若しくは使用することができ、又は、装置を使用する方法を任意選択的に含み若しくは使用するために態様21~35のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。装置は、左キャビティと連通する、左キャビティ内の左圧力の指標を検知する左圧力センサ、右キャビティと連通する、右キャビティ内の右圧力の指標を検知する右圧力センサ、及び冗長センサを含むシステムセンサと、システムセンサと通信する、左圧力の指標又は右圧力の指標のうちの少なくとも一方を受信及び処理するように構成されたシステム制御回路と、左キャビティと連通するとともにシステム制御回路と通信する能動左弁と、右キャビティと連通するとともにシステム制御回路と通信する能動右弁とを備えることができる。本方法は、システムセンサにより、左キャビティ内の左圧力の指標と右キャビティ内の右圧力の指標とを検知するステップを含むことができる。本方法は、検知された左圧力の指標に基づき能動左弁、又は検知された右圧力の指標に基づき能動右弁のうちの少なくとも一方を調整するステップを含むことができる。
【0047】
態様37は、システム制御回路と通信する、左眼内の左眼内圧(IOP)の指標、又は患者内の脳脊髄液圧(CSFP)の指標のうちの少なくとも一方を検知するように構成された左バイオセンサと、システム制御回路と通信する、右眼内の右IOPの指標、又は患者内のCSFPの指標のうちの少なくとも一方を検知するように構成された右バイオセンサとを含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様21~36のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができ、本方法は、能動左弁又は能動右弁のうちの少なくとも一方を調整するステップが、左バイオセンサから受信された指標のうちの少なくとも1つに基づいて能動左弁、又は右バイオセンサから受信された指標のうちの少なくとも1つに基づいて能動右弁のうちの少なくとも一方を調整することを含む。
【0048】
態様38は、能動左弁又は能動右弁のうちの少なくとも一方を調整するステップが、受信された左IOPの指標に基づき左圧力を左目標IOPレベルに向かって変化させるように能動左弁、又は受信された右IOPの指標に基づき右圧力を右目標IOPレベルに向かって変化させるように能動右弁のうちの少なくとも一方を調整することを含む、方法を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様21~37のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0049】
態様39は、能動左弁又は能動右弁のうちの少なくとも一方を調整するステップが、左眼に関連する左経篩状板圧差(TPD)の指標を等化するように能動左弁、又は右眼に関連する右TPDの指標を等化するように能動右弁のうちの少なくとも一方を調整することを含み、TPDの指標を等化することが、TPDの指標を第1のTPDレベルからより低い第2のTPDレベルまで低下させることを含む、方法を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様21~38のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0050】
態様40は、能動左弁又は能動右弁のうちの少なくとも一方を調整するステップが、左眼の左視神経における軸索輸送の指標を向上させるのに十分な左キャビティ内の左圧力を達成するように能動左弁、又は右眼の右視神経における軸索輸送の指標を向上させるのに十分な右キャビティ内の右圧力を達成するように能動右弁のうちの少なくとも一方を調整することを含み、軸索輸送の指標を向上させることが、軸索輸送の速度を第1軸索輸送レベルからより高い第2軸索輸送レベルまで上昇させることを含む、方法を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様21~39のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0051】
態様41は、患者の左眼及び右眼に加えられる流体圧レベルを制限する装置等、主題(装置、システム、デバイス、方法、複数の動作を実施する手段、又は、デバイスによって実行されるとデバイスに複数の動作を実施させることができる複数の命令を含むデバイス可読媒体等)を含み若しくは使用することができる。本装置は、左眼の上に位置する左キャビティ及び右眼の上に位置する右キャビティと連通する、左キャビティ及び右キャビティ内の流体圧の指標を調整するように構成された圧力源を含むことができる。本装置は、左キャビティ及び右キャビティと連通する、左キャビティ内の左眼環境の指標、右キャビティ内の右眼環境の指標、又は左眼環境の指標と右眼環境の指標との関係の指標のうちの少なくとも1つを検知するように構成された差動センサを含むことができる。
【0052】
態様42は、左キャビティに結合された、左キャビティ内の左眼環境の指標を検知する左キャビティセンサ、又は、右キャビティに結合された、右キャビティ内の右眼環境の指標を検知する右キャビティセンサのうちの少なくとも一方を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様41の主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0053】
態様43は、差動センサが、左差動圧力センサによって検知された左キャビティ内の左圧力の指標と、右差動圧力センサによって検知された右キャビティ内の右圧力の指標との差を検知するように構成された差動圧力センサを含む、装置を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様41又は42のうちの一方若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0054】
態様44は、差動センサが、左差動信号センサによる左キャビティセンサからの左圧力の指標と、右差動信号センサによる右圧力センサからの右圧力の指標との差を検知するように構成された差動信号センサを含む、装置を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様41~43のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0055】
態様45は、圧力源と通信して、左キャビティ内の左眼環境の指標、右キャビティ内の右眼環境の指標、又は左眼環境の指標と右眼環境の指標との関係の指標のうちの少なくとも1つを受信及び処理するように構成されたシステム制御回路を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様41~44のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0056】
態様46は、左眼環境の指標が、左キャビティ内の左圧力の指標を含み、右眼環境の指標が、右キャビティ内の右圧力の指標を含み、左眼環境と右眼環境との関係の指標が、左圧力の指標と右圧力の指標との差の指標を含む、装置を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様41~45のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0057】
態様47は、受信した指標のうちの少なくとも1つに基づき圧力源の動作を調整するように構成された圧力源回路を含むシステム制御回路を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様41~46のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0058】
態様48は、受信した指標のうちの少なくとも1つに基づきシステム障害を発生させるように構成された圧力源論理回路を含む圧力源回路を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様41~47のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0059】
態様49は、左圧力の指標が左圧力安全レベルを超えたか又は右圧力の指標が右圧力安全レベルを超えた少なくとも一方の場合にシステム障害を発生させるように構成された圧力源回路を含む圧力源回路を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様41~48のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0060】
態様50は、左眼環境と右眼環境との関係の指標が、左圧力の指標と右圧力の指標との差の指標を含み、圧力源回路が、差の指標が左圧力と右圧力との間の圧力差安全レベルを超えた場合にシステム障害を発生させるように構成された圧力源回路を含む、装置を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様41~49のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0061】
態様51は、左キャビティと連通し、左キャビティ内の流体圧を左圧力安全レベルに制限するように構成された左弁と、右キャビティと連通し、右キャビティ内の流体圧を右圧力安全レベルに制限するように構成された右弁とを含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様41~50のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0062】
態様52は、左圧力安全レベル又は右安全圧力レベルのうちの少なくとも一方が、約-50mmHg~約50mmHgゲージの範囲にある、左弁及び右弁を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様41~51のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0063】
態様53は、左圧力安全レベル又は右安全圧力レベルのうちの少なくとも一方が、約-35mmHg~約35mmHgゲージの範囲にある、左弁及び右弁を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様41~52のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0064】
態様54は、左弁又は右弁のうちの少なくとも一方が受動弁を含む、左弁及び右弁を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様41~53のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0065】
態様54は、左弁又は右弁のうちの少なくとも一方が能動弁を含む、左弁及び右弁を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様41~53のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0066】
態様56は、主題(装置、システム、デバイス、方法、複数の動作を実施する手段、又は、デバイスによって実行されるとデバイスに複数の動作を実施させることができる複数の命令を含むデバイス可読媒体等)を含み若しくは使用することができ、又は、装置を使用する方法を任意選択的に含み若しくは使用するために態様41~55のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。装置は、患者左眼の上に位置する左キャビティ及び患者右眼の上に位置する右キャビティと連通している圧力源と、左キャビティ内の左眼環境の指標を検知する左キャビティセンサ、右キャビティ内の右眼環境の指標を検知する右キャビティセンサ、及び左眼環境の指標と右眼環境の指標との関係を検知する冗長センサを含むシステムセンサとを備えることができる。本方法は、システムセンサにより、左キャビティ内の左圧力の指標と右キャビティ内の右圧力の指標とを検知するステップを含むことができる。本方法は、圧力源により左キャビティ及び右キャビティに加えられる圧力を制限するステップを含むことができる。
【0067】
態様57は、左キャビティと連通している左受動弁、又は右キャビティと連通している右受動弁のうちの少なくとも一方を含む、方法を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様41~56のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができ、圧力を制限するステップは、左受動弁の左クラッキング圧力又は右受動弁の右クラッキング圧力のうちの少なくとも一方を選択することを含む。
【0068】
態様58は、左キャビティと連通している左能動弁、及び右キャビティと連通している右能動弁のうちの少なくとも一方を含む、方法を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様41~57のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができ、圧力を制限するステップは、検知された左圧力の指標又は検知された右圧力の指標のうちの少なくとも一方に基づき左能動弁又は右能動弁のうちの少なくとも一方を開放することを含む。
【0069】
態様59は、左能動弁又は右能動弁のうちの少なくとも一方を開放することが、検知された左圧力の指標と検知された右圧力の指標との差に基づき左能動弁又は右能動弁のうちの少なくとも一方を開放することを含む、方法を含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様41~57のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0070】
態様60は、圧力を制限するステップが、検知された左圧力の指標又は検知された右圧力の指標のうちの少なくとも一方に基づき圧力源の動作を調整することを含む、方法含む若しくは使用することができ、又は任意選択的に含み若しくは使用するために態様41~57のうちの1つ若しくは任意の組合せの主題と任意選択的に組み合わせることができる。
【0071】
この概要は、本特許出願の主題の概要を提供するように意図されている。これは、本発明の排他的な又は網羅的な説明を提供するようには意図されていない。詳細な説明は、本特許出願に関するさらなる情報を提供するために含まれる。
【0072】
必ずしも正確な尺度で描かれていない図面において、同様の数字は異なる図における同様の構成要素を記載する場合がある。異なる文字接尾辞を有する同様の数字は、同様の構成要素の異なる例を表す場合がある。図面は、本明細書で考察するさまざまな実施形態を限定としてではなく例として、概略的に示す。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【
図1】本開示の少なくとも1つの例による、患者眼の上の環境を制御するような装置の一例を示す。
【
図1A】本開示の少なくとも1つの例による、手動式圧力源の一例を含む装置の一例を示す。
【
図2A-B】本開示の少なくとも1つの例による、閉鎖位置及び開放位置にある正圧キャビティ逆止弁の一例の側面図を示す。
【
図3A-B】本開示の少なくとも1つの例による、閉鎖位置及び開放位置にある負圧キャビティ逆止弁の一例の側面図を示す。
【
図4】本開示の少なくとも1つの例による逆止弁アセンブリの一例を示す。
【
図5A】本開示の少なくとも1つの例による、第1二重内腔導管等の導管の一例を示す。
【
図5B】本開示の少なくとも1つの例による、第2二重内腔導管等の導管の一例を示す。
【
図5C】本開示の少なくとも1つの例による、第3二重内腔導管等の導管の一例を示す。
【
図6】本開示の少なくとも1つの例による、患者の左眼の上の左眼環境及び患者の右眼の上の右眼環境を制御することができる装置の一例を示す。
【
図7】本開示の少なくとも1つの例による、冗長センサ等のセンサを含むことができる装置例の概略図を示す。
【
図8】単一の圧力源により、患者の左眼の上の左眼環境及び患者の右眼の上の右眼環境を独立して制御することができる装置の一例を示す。
【
図9】主圧力源、左圧力源又は右圧力源のうちの少なくとも1つにより、患者眼の上の眼環境を制御することができる装置例の概略図を示す。
【
図10】主圧力源と連通している一方向弁により、患者眼の上の眼環境を制御することができる第2装置例の概略図を示す。
【
図11】主圧力源及び左キャビティ弁又は右キャビティ弁のうちの少なくとも一方と連通している一方向弁により、患者眼の上の眼環境を制御することができる第3装置例の概略図を示す。
【
図12】装置を使用して、指標を受信し、受信した指標に基づいて圧力源を調整する方法例を示す。
【
図13】装置を使用して、指標を検知し、検知した指標に基づいて弁を調整する方法例を示す。
【
図14】装置を使用して、指標を検知し、キャビティに加えられる圧力を制限する方法例を示す。
【
図15】制御回路として使用することができる計算機例のブロック図例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0074】
図1は、患者眼の上の環境を制御するような装置100の一例を示す。一例では、患者眼は、視覚系の器官と、患者眼の前面等の器官の一部と、周囲組織とを含むことができる。装置100は、カバー110、流体レギュレータ(fluid regulator)120、センサ130、制御回路140及び圧力源(pressure source)150を含むことができる。
【0075】
カバー110は、患者眼の前面を含む眼と接触すること等なく、眼を包囲するとともに眼から間隔を空けて配置されるようなサイズ及び形状とすることができる。カバー110は、患者の左眼及び右眼等の両患者眼を包囲し且つ覆うようなサイズ及び形状とすることができる。一例では、カバー110は、ダイビング又はシュノーケリングマスクと形状及び機能が同様のカバー110等のマスクを含むことができる。カバー110は、患者がカバー110を通して外側を見るのを可能にし、又は、カバー110を通して内側の、角膜(cornea)を含む眼の外部構造若しくは網膜を含む眼の眼内構造等の眼の観察を可能にする等のために、レンズ部分182を含むことができる。レンズ部分182は、眼の乱視を矯正する等のために、患者に対して矯正レンズとしての役割を果たすことができる。レンズ部分182は、患者に対して処方レンズとしての形状とすることができる、A8レンズブランク等のレンズブランクを含むことができる。レンズ部分182は、交換可能レンズ部分182を含むことができ、たとえば、装置100の第1レンズ部分は、患者に提示されるレンズ倍率を変更する等のために、第2レンズ部分と交換することができる。レンズ部分182の内面は、結露が患者の視界を不明瞭にするのを防止する曇り止めコーティング等によって処理することができる。
【0076】
カバー110は、眼の上に且つ患者に接して配置されたとき等、密閉キャビティ112を画定することができる。キャビティ112は、カバー110が患者左眼及び患者右眼の上に位置するマスクを含む場合等、両眼の上に密閉キャビティ112を画定することができる。一例では、キャビティ112は、カバー110の内面188と患者眼の前面との間に画定された空間容積部等の空間容積部を画定することができる。キャビティ112は、患者眼と接触する眼環境を形成することができる、液体又はガス状流体等の作動流体を収容することができる。一例では、眼環境は、患者眼の生理学的状態を特徴付けるために使用することができ、たとえば、眼環境は、眼から放出されるバイオマーカーを含む生理学的成分を含むことができる。キャビティ112内の作動流体から検知されるバイオマーカー等の装置100によって検知される情報は、患者眼に関する眼疾患を診断する等のために、医療専門家に患者情報を提供することができる。一例では、眼環境は患者眼を治療するために使用することができ、たとえば、装置100は、眼疾患を治療するためにキャビティ112内の圧力又は作動流体組成のうちの少なくとも一方を変化させるように眼環境を調整することができる。
【0077】
眼疾患は、患者の視力に影響を与える可能性がある眼の生理学的状態等の眼の状態を述べることができる。眼疾患は、秒、分若しくは日で測定される期間にわたって持続する可能性がある眼疾患等の急性眼疾患、又は、日、週、月若しくは年で測定される期間にわたって持続する可能性がある眼疾患等の慢性眼疾患のうちの少なくとも1つを含むことができる。一例では、眼疾患は、病態である眼等の異常な眼疾患を含み得る。眼の病態としては、緑内障、視神経乳頭浮腫等のうっ血乳頭、フックスジストロフィ(Fuchs dystrophy)、糖尿病網膜症、滲出型又は委縮型黄斑変性等の黄斑変性、白内障、ドライアイ、角膜感染、マイボーム腺機能不全(meibomian gland disease)、ニキビダニ、角膜拡張又は眼周囲皮膚弛緩のうちの少なくとも1つを挙げることができる。
【0078】
眼の前部分を含む患者眼をキャビティ112内の眼環境にさらすこと等により、装置100によって眼疾患に作用することができる。一例では、負のゲージ圧を含む眼環境に眼をさらすこと等により、装置100によって緑内障を治療、抑制又は予防することができる。一例では、正のゲージ圧(gauge pressure)を含む眼環境に眼をさらすこと等により、装置100によって視神経乳頭浮腫を治療、抑制又は予防することができる。一例では、好気性眼感染の根底にある原因に対処する等のために、好気性環境(たとえば、酸素のない環境)に眼をさらすこと等により、装置100によって好気性眼感染を治療、抑制又は予防することができる。
【0079】
キャビティ112内の環境に眼をさらすことにより、装置100によって1つ又は複数の眼疾患に、作用する、例えば同時に作用することができる。一例では、患者が、緑内障及び視神経乳頭浮腫等の1つ又は複数の眼疾患を患っている可能性がある場合、緑内障を治療するための負圧環境及び好気性眼感染を治療するための好気性環境等の負のゲージ圧の好気性眼環境を含む眼環境に患者眼をさらすこと等により、装置100によって、複数の眼疾患を治療、抑制又は予防することができる。
【0080】
眼環境は、キャビティ112内の作動流体特性の指標等の作動流体特性の指標によって定義することができる。作動流体特性としては、キャビティ112に入る体積流量若しくは出る体積流量のうちの少なくとも一方を含む作動流体体積流量等のキャビティ112内の作動流体流、キャビティ112内の作動流体の相対湿度等のキャビティ112内の作動流体湿度、キャビティ112内の作動流体温度、キャビティ内の作動流体圧とキャビティを包囲する環境の大気圧との圧力差を含む、キャビティ112内の作動流体ゲージ圧等のキャビティ112内の作動流体圧、又は、構成流体濃度若しくは部分流体圧のうちの少なくとも一方によって測定される作動流体組成等のキャビティ112内の作動流体組成のうちの少なくとも1つを挙げることができる。
【0081】
カバー110は、患者眼の前部分と接触してキャビティ112内に眼環境を形成する等、患者に対して作動流体を保持することができる。眼環境に患者眼をさらすことは、診断検査等の眼の診断処置、又は眼に関連する眼疾患を治療、抑制又は予防する等のために、眼の治療処置のうちの少なくとも一方等の眼の処置に作用することができる。一例では、眼の処置としては、眼の前部分に力を加える等のために、キャビティ112内の作動流体圧に眼をさらすこと、又は、1種又は複数種の治療流体等を含む、1種又は複数種の構成流体からなる作動流体等のキャビティ112内の作動流体組成に眼をさらすことのうちの少なくとも一方を挙げることができる。
【0082】
カバー110は、キャビティ内の作動流体と周囲大気との流体圧差等のキャビティ112内のゲージ圧を維持することができる。一例では、ゲージ圧は、キャビティ112内の作動流体圧とカバー110を包囲する大気圧との圧力の差として定義することができる。キャビティ112内の作動流体圧が大気圧より高い場合等、正のゲージ圧により、眼の中の眼内圧(intraocular pressure : IOP)を上昇させる等のために、眼の前面に対する圧縮作動流体力をもたらすことができる。キャビティ112内の作動流体圧が大気圧より低い場合等、負のゲージ圧により、眼の中のIOPを低下させる等のために、眼の前面に対する負の(すなわち「真空」)作動流体力をもたらすことができる。
【0083】
眼の前面に加えられる作動流体力は、第1位置から第2位置への眼のたわみの測定を可能にするのに十分な期間にわたって眼の前面に加えることができる、診断検査用の力等の擾乱力(perturbation force)を含むことができる。一例では、秒又は分で測定される期間にわたって擾乱力を加えることは、たわみ測定に十分であり得る。擾乱力は、診断測定を含む診断検査のために眼の曲率を減少させる等のために、眼に正の擾乱力をかけるように、キャビティ112内の正のゲージ圧によって発生させることができる。擾乱力は、診断測定を含む診断検査のために眼の曲率を増加させる等のために、眼に負の擾乱力をかけるように、キャビティ112内の負のゲージ圧によって発生させることができる。
【0084】
眼の前面に加えられる力は、急性眼疾患又は慢性眼疾患を含む眼疾患を治療するのに十分な期間にわたって眼の前面に治療レジメン(therapy regimen)を適用する力等の治療力を含むことができる。一例では、日、週、月又は年で測定される期間にわたって治療力を加えることは、治療される眼疾患に応じて適用することができる。治療力は、視神経乳頭浮腫を含む眼疾患を抑制、治療又は予防するために眼の眼内圧(すなわちIOP)を上昇させる等のために、眼に正の治療圧縮力をかけるように、正のゲージ圧によって発生させることができる。治療力は、緑内障を含む眼疾患を抑制、治療又は予防するために眼のIOPを低下させる等のために、眼に負の治療力をかけることができる負のゲージ圧によって発生させることができる。
【0085】
作動流体は、1種又は複数種の液体又は気体の組合せ等の1種又は複数種の構成流体から構成することができる。作動流体は、ガス状一酸化窒素又はガス状二酸化炭素の組合せ等の2種の構成流体の組合せを含むことができる。構成流体は治療流体を含むことができ、たとえば、構成流体の成分は、眼疾患を抑制、治療又は予防するために眼を通して吸収され得る。たとえば、作動流体は、窒素と一酸化窒素との組合せを含むことができ、たとえば、一酸化窒素成分は、緑内障を含む眼疾患を治療するために眼の中の血管の血管拡張を促進するために、眼の表面を通して吸収され得る。
【0086】
治療流体は、二酸化炭素(CO2)、酸素(O2)、一酸化窒素(NO)、オゾン(O3)、窒素(N2)、ヘリウム(He)、フルオロカーボン及びパーフルオロカーボンを含む炭化水素、六フッ化硫黄、テトラヒドロカンナビノール(THC)及びカンナビジオール(CBD)を含むカンナビノイド、2種以上のガス状治療流体の組合せ等のガス状治療流体を含むことができる。一例では、治療ガスは、眼疾患を治療する等のために、二酸化炭素、酸素又は一酸化窒素のうちの少なくとも1種の混合物を含むことができる。一例では、治療ガスは、50%一酸化窒素と50%酸素との混合物を含む一酸化窒素と酸素との混合物、ヘリウムと酸素との混合物(ヘリオックス(heliox)としても知られる)、並びにメディカルグレードエアーUSP(Medical Grade Air USP)を含むメディカルエアー(Medical Air)を含むことができる。一例では、治療ガスの混合物は、眼疾患を治療する等のために、エントノックス(ENTONOX)という商品名でのビーオーシー・グループ社(The BOC Group plc)のガスを含む、50%一酸化窒素と50%酸素との混合物等の一酸化窒素と酸素との混合物を含むことができる。一例では、治療ガスの組合せは、眼疾患を治療する等のために、ヘリオックスとしても知られる、21%酸素と79%ヘリウムとの混合物等のヘリウムと酸素との混合物を含むことができる。一例では、治療ガスの組合せは、眼感染を含む眼疾患を治療する等のために、フッ素又は塩素のうちの少なくとも一方の混合物を含むことができる。一例では、治療ガスの組合せは、好気性眼感染を治療する等のために、約21%未満の体積分率のO2を含む混合物等の周囲空気より低い体積分率の酸素を含む混合物、又は、好気性眼感染を治療する等のために、約21%を超える体積分率のO2を含む混合物等の周囲空気より高い体積分率の酸素を含む混合物のうちの少なくとも一方を含むことができる。
【0087】
治療流体は、治療溶液等の液体治療流体を含むことができる。治療溶液は、水(H2O)等の溶媒と治療溶質等の溶質とを含むことができる。治療溶質は、ビタミンA、リボフラビン(ビタミンB2)等のビタミンB類、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、βカロテン、亜鉛、ルテイン又は葉酸のうちの少なくとも1つを含むことができる。治療溶液は、キャビティ112に送達し患者眼と接触するように、治療ミスト又は霧を形成するネブライザ(nebulizer)又はアトマイザ(atomizer)等により、液体治療流体からガス状治療流体に変換することができる。一例では、患者眼は、角膜潰瘍の治療等の第1治療結果を達成するために、ビタミンAを含む治療ミスト等のガス状治療流体にさらすことができる。一例では、患者眼は、円錐角膜を治療するための角膜架橋の促進等の第2治療結果を達成するために、リボフラビンを含む治療ミスト等のガス状治療流体にさらし、その後、紫外線光等の増強エネルギーにさらすことができる。
【0088】
カバー110は、第1ポート114を含むことができる。第1ポート114は、カバー110の表面に位置することができ、たとえば、第1ポート114は、カバー110の外面187からカバー110の内面188まで延在して、キャビティ112内の眼環境へのアクセスを可能にすることができる。第1ポート114は、周囲環境からキャビティ112を隔離するように第1ポート114の上に位置する可撓性隔膜(flexible septum)等の隔膜を含むことができる。可撓性隔膜は、キャビティ112内で、正のゲージ圧又は負のゲージ圧のうちの少なくとも一方等のゲージ圧を維持することができる。
【0089】
可撓性隔膜は、キャビティ112内のゲージ圧を維持しながら、隔膜を通るキャビティ112内への機器の挿入及び引抜きを可能にすることができる自己封止ポリマー材料を含む自己封止材料から形成された隔膜等の再封止可能隔膜を含むことができる。一例では、再封止可能隔膜により、キャビティ112内のゲージ圧(たとえば、正のゲージ圧又は負のゲージ圧)を維持しながら、再封止可能隔膜を通して皮下注射針を挿入し且つ引き抜くことができる。たとえば、再封止可能隔膜により、キャビティ112内のゲージ圧を維持しながら、治療流体を眼と接触させる等のために、皮下注射針を眼に近接して配置することができる。
【0090】
可撓性隔膜は、センサ130等のセンサが、眼環境に接触することなくキャビティ112内の眼環境の指標を検知することができるようにする隔膜等の測定隔膜を含むことができる。一例では、圧力センサが、圧力測定隔膜を通してキャビティ112内の作動流体圧の指標を検知する等のために、カバー110の第1ポート114を覆う測定隔膜と接触するように位置することができる。
【0091】
カバー110は、カバー110の外面187からカバー110の内面188まで延在する第2ポート116を含むことができる。一例では、第2ポート116は、導管117等により、キャビティ112を圧力源150と連通させることができる。
【0092】
カバー110は、装置100を装着したときに患者の快適さを向上させるように、カバー110と患者とのカバー-患者接触面を含む接触面を提供する等のために、シール119を含むことができる。シールは、周囲環境からキャビティ112内の眼環境を分離する等のために、バリアとしての機能も果たすことができる。シール119は、カバー110の周囲の少なくとも一部等、カバー110の周囲に取り付けることができる。一例では、シール119は、周囲環境からキャビティ112の容積部を分離するようにカバー110と患者との間に封止面を形成する等のために、カバーの周囲に連続して延在することができる。
【0093】
装置100は、キャビティ逆止弁189を含むことができる。キャビティ逆止弁189は、カバー110の任意の面を含むカバー110、導管117、制御回路140又は圧力源150のうちの少なくとも1つ等において、キャビティ112と連通するように装置100に位置することができる。一例では、キャビティ逆止弁189は、第1ポート114の中、上又は上方等、第1ポート114に近接して位置することができる。
【0094】
キャビティ逆止弁189は、キャビティ112に加えられる作動流体圧を制限することができる。一例では、キャビティ逆止弁189は、キャビティ112内の圧力が眼に損傷を与える可能性があるキャビティ圧力レベルを超えないことを確実にする等のために、安全弁として使用することができる。一例では、キャビティ逆止弁189は、キャビティ112内の圧力を目標キャビティ圧力レベルに制限することができる。
【0095】
キャビティ逆止弁189は、弁を通る流体流の開始を制御することができるキャビティ逆止弁189の特性のようなクラッキング圧力(cracking pressure)を含むことができる。一例では、クラッキング圧力は、流体がキャビティ逆止弁189を通る流れを開始することができる、キャビティ逆止弁189の入口圧力レベルを示すことができる。キャビティ112内の作動流体圧は、キャビティ逆止弁189のクラッキング圧力を目標キャビティ圧力レベルに等しいように選択又は設定すること等により、キャビティ逆止弁189のクラッキング圧力を選択又は設定することによって目標キャビティ圧力レベルに制限することができる。
【0096】
キャビティ逆止弁189は、フラッパー弁(flapper valve)又はポペット弁(poppet valve)等の受動キャビティ逆止弁を含むことができる。受動キャビティ逆止弁のクラッキング圧力は、受動キャビティ逆止弁の寸法又は受動キャビティ逆止弁の構成要素を変更すること等により、調整することができる。一例では、フラッパーキャビティ逆止弁のクラッキング圧力は、フラッパー逆止弁寸法(たとえば、長さ、幅、厚さ)、フラッパー逆止弁構成材料(たとえば、材料のタイプ、材料のデュロメータ(durometer)、単層又は多層材料、弁の剛性)又はフラッパー逆止弁ヒンジのうちの少なくとも1つを変更すること等により、調整することができる。一例では、ポペットキャビティ逆止弁のクラッキング圧力は、ポペット弁寸法(たとえば、ばね剛性、ポペット径)のうちの少なくとも1つを変更すること等により、調整することができる。
【0097】
図2A及び
図2Bは、キャビティ112内の圧力を正の目標キャビティ圧力レベルに制御するように構成されたフラッパー弁等の正圧キャビティ逆止弁の一例の側面図を示す。正の目標キャビティ圧力レベルは、医療専門家により眼疾患を治療、抑制又は予防する等のために、指定することができる。正圧キャビティ逆止弁は、正圧作動流体がキャビティ112から周囲環境に流れるのを可能にするようにカバー110の外面187等、カバー110の上に位置することができる。
【0098】
図2Aに示すように、キャビティ逆止弁189は閉鎖位置をとることができ、たとえば、作動流体は、キャビティ112からキャビティ逆止弁189を通って周囲環境に出ることができない。閉鎖位置では、装置100は、正の目標キャビティ圧力レベルより低い正のゲージ圧レベル等、キャビティ112内の正のゲージ圧環境を維持することができる。正の目標キャビティ圧力レベルは、正圧キャビティ逆止弁のクラッキング圧力を正の目標キャビティ圧力レベルに等しいように設定すること等により、制御することができる。
【0099】
図2Bに示すように、キャビティ逆止弁189は開放位置をとることができ、たとえば、キャビティ112内の正のゲージ圧が正の目標キャビティ圧レベル以上であるとき等、作動流体は、キャビティ112からキャビティ逆止弁189を通って周囲環境に出ることができる。開放位置では、装置100は、キャビティ112内の正のゲージ圧環境を、過度の作動流体圧から眼を保護する等のために、正の目標キャビティ圧力レベルにおよそ等しい圧力レベルに制限することができる。
【0100】
図3A及び
図3Bは、キャビティ112内の圧力を負の目標キャビティ圧力レベルに制御するように構成されたフラッパー弁等の負圧キャビティ逆止弁の一例の側面図を示す。負の目標キャビティ圧力レベルは、医療専門家により眼疾患を治療、抑制又は予防する等のために、指定することができる。負圧キャビティ逆止弁は、周囲環境からの流体が周囲環境からキャビティ112内に流れ込むのを可能にするようにカバー110の内面188等、カバー110の上に位置することができる。
【0101】
図3Aに示すように、キャビティ逆止弁189は閉鎖位置をとることができ、たとえば、周囲流体は、周囲環境からキャビティ逆止弁189を通ってキャビティ112内に入ることができない。閉鎖位置では、装置110は、負の目標キャビティ圧力レベルより高い負のゲージ圧レベル等、キャビティ112内の負のゲージ圧環境を維持することができる。負の目標キャビティ圧力レベルは、負圧キャビティ逆止弁のクラッキング圧力を負の目標キャビティ圧力レベルに等しいように設定すること等により、制御することができる。
【0102】
図3Bに示すように、キャビティ逆止弁189は開放位置をとることができ、たとえば、キャビティ112内の負のゲージ圧が負の目標キャビティ圧力レベル以下であるとき等、周囲流体は、周囲環境からキャビティ逆止弁189を通ってキャビティ112内に入ることができる。開放位置では、装置100は、キャビティ112内の負のゲージ圧環境を、過度の作動流体圧による眼に対するあり得る損傷を防止する等のために、負の目標キャビティ圧力レベルにおよそ等しい圧力レベルに制限することができる。
【0103】
患者眼疾患が、改善又は悪化する等、変化すると、医療専門家は、正の目標キャビティ圧力レベル又は負の目標キャビティ圧力レベルのうちの少なくとも一方を変更する等のために、指示された治療レジメンを調整することができる。装置100は、キャビティ112内の目標キャビティ圧力レベルを調整する交換可能な逆止弁アセンブリ190等の逆止弁アセンブリ190を含むことができる。一例では、第1クラッキング圧力が第1目標圧力レベルに設定されている第1キャビティ逆止弁を含む第1逆止弁アセンブリを備えた装置100を、目標キャビティ圧力レベルの変更を含む指示された患者治療レジメンの変更を具現化する等のために、第2クラッキング圧力が第2目標圧力レベルに設定されている第2キャビティ逆止弁を含む第2逆止弁アセンブリと交換することができる。
【0104】
図4は、開放位置にあるフラッパー逆止弁アセンブリ等の逆止弁アセンブリ190の一例の側面図を示す。キャビティ逆止弁アセンブリ190は、第1面193、第1面193に対して平行な第2面194、第1面193から第2面194まで延在する基部周辺部195、基部192を通って第1面193から第2面194まで延在する基部ポート196を有する基部192と、基部ポート196の少なくとも一部等、基部ポート196の上方で第1面193に位置するキャビティ逆止弁189とを含むことができる。
【0105】
逆止弁アセンブリ190は、カバー110の任意の面を含むカバー110、導管117、制御回路140又は圧力源150のうちの少なくとも1つの上等、キャビティ112と連通して装置100に位置することができる。キャビティ逆止弁アセンブリ190は、カバー110と接触して位置することができ、たとえば、基部周辺部195は、ポート114の面、外面187又は内面188のうちの少なくとも1つ等、カバー110の少なくとも一部と接触することができる。正圧逆止弁アセンブリ等のキャビティ逆止弁アセンブリ190は、キャビティ112内の圧力を正の目標キャビティ圧力レベルに制御するように構成することができ、たとえば、逆止弁アセンブリ190は、キャビティ逆止弁189がキャビティ112の外側に位置することができるようにポート114内に位置することができる。負圧逆止弁アセンブリ等のキャビティ逆止弁アセンブリ190は、キャビティ112内の圧力を負の目標キャビティ圧力レベルに制御するように構成することができ、たとえば、逆止弁アセンブリ190は、キャビティ逆止弁189がキャビティ112の内側に位置することができるようにポート114内に位置することができる。
【0106】
再び
図1を参照すると、流体レギュレータ120は、キャビティ112と加圧ガスシリンダ等の流体源170との間の流体流量等の2つのリザーバー(reservoir)の間の流体の流量を調節することができる。流体レギュレータ120は、第1リザーバーと第2リザーバーとの間の流量を調節するような、レギュレータ弁を含むことができる。レギュレータ弁は、圧力が臨界値を超えると閉鎖する逆止弁等の受動弁を含むことができる。一例では、逆止弁を備える流体レギュレータ120は、カバー110と流体源170との間に位置することができ、たとえば、流体源170の圧力が、患者眼に損傷をもたらす可能性がある圧力等の臨界値を超えた場合、逆止弁は、過度の力から患者眼を保護する等のために、患者眼から流体源170の圧力を隔離するように閉鎖することができる。レギュレータ弁は、サーボ弁を含む電気操作弁等の能動弁、又は圧電作動式比例弁等の比例弁を含むことができる。一例では、レギュレータ弁は、電気操作弁を通して流体流量を調節する等のために、弁箱に対する電気操作スプール(electrically-modulated spool)の位置を調整するように、制御回路140等から、制御信号を受信することができる。
【0107】
流体レギュレータ120は、流体源170からキャビティ112への流体の流量を調節する等のために、流体源170に取り付けることができる。流体源170は、加圧ガス状流体の貯蔵容器等の流体容器を含むことができる。流体源170は、別の流体から構成流体を濃縮又は蒸留する装置等の発生装置を含むことができる。一例では、発生装置は、酸素濃縮装置又は二酸化炭素濃縮装置等の濃縮装置を含むことができる。一例では、発生装置は、混和性溶液又はコロイド状懸濁液等の液体治療流体を、治療ミスト又は霧等のガス状作動流体に変換する、超音波加湿器又はエアロゾル化装置等のアトマイザを含むことができる。
【0108】
流体レギュレータ120は装置100と連通することができ、たとえば、流体レギュレータ120はキャビティ112と連通することができる。一例では、流体レギュレータ120は、第2ポート116を通してカバー110と直接連通する導管117等により、カバー110に接続することができる。一例では、流体レギュレータ120は、Yコネクタ等のチューブコネクタ118により、カバー110と連通する導管117に接続することができる。一例では、流体レギュレータ120は、サーボ弁の位置を調整する制御信号を制御回路140から受信する等のために、制御回路140に接続することができる。
【0109】
センサ130は、キャビティ112内の作動流体の特性の指標、又は患者の生理学的パラメータの指標のうちの少なくとも1つ等のキャビティ112内の眼環境の指標を検知することができる。センサ130は、センサ130によって検知された物理的パラメータの指標を受信し、受信した指標を処理して、制御回路140又は圧力源150のうちの少なくとも一方によって受信されるのに好適な電気信号を含む指標等にするようなセンサ回路等のセンサ回路を含むことができる。
【0110】
センサ130は、キャビティ112と連通するか又は少なくとも部分的に患者に取り付けられる等、装置100に近接して位置することができる。一例では、センサ130は、装置100とは別個であり得る。たとえば、センサ130は、キャビティ112内の作動流体圧の指標を検知するようにポート114の上に位置する測定隔膜に押し付けられる等、手持ち式圧力ゲージを含むことができる。一例では、センサ130は、キャビティ112と流体連通することができ、たとえば、センサ130は、キャビティ112内に位置するか、又はキャビティ112と流体連通して制御回路140上に位置することができる。一例では、センサ130は、眼の前面を含む眼の表面、又は、前頭骨、頭頂骨、蝶形骨、側頭骨、頬骨、上顎骨、後頭骨及び下顎骨の上の組織を含む、頭蓋骨を覆う患者組織等、患者に少なくとも部分的に取り付けることができる。たとえば、センサ130は、網膜電図装置を含むことができ、たとえば、その一部は、パターン網膜電図(pattern electroretinography)(すなわちPERG)検査に関連する電気的活動を含む、患者内の電気的活動の指標を検知するように、患者組織に取り付けられた電極を含むことができる。センサ130は、制御回路140又は圧力源150のうちの少なくとも一方等、装置と電気通信することができる。センサ130は、センサ130による眼環境の指標、又はIOP若しくはCSFP等、患者に関連する生理学的パラメータの指標をモニタリングする等のために、作動流体の連続的又は周期的(たとえば、断続的)検知のうちの少なくとも1つを提供することができる。
【0111】
センサ130は、キャビティ112に入る又はキャビティ112から出る体積流量又は質量流量のうちの少なくとも1つを含む作動流体流量の指標を検知するデバイス等の流量センサを含むことができる。センサ130は、キャビティ112内の作動流体の相対湿度の指標を検知するデバイス等の湿度センサを含むことができる。センサ130は、キャビティ112内の作動流体の温度の指標を検知するデバイス等の温度計を含むことができる。センサ130は、患者眼に関連する構造の変位を検知するように構成された光干渉断層法装置を含む変位の指標を検知するデバイス等の変位センサを含むことができる。
【0112】
センサ130は、キャビティ112内の作動流体圧の指標を検知するデバイス等の圧力センサを含むことができる。圧力センサは、キャビティ112と連通する等、キャビティ112と近接して位置することができる。一例では、圧力センサは、キャビティ112内に位置することができる。
【0113】
圧力源150がキャビティ112内の作動流体圧を調整していないときに圧力センサによって検知される圧力レベル等のキャビティ112内の静的キャビティ圧力レベルは、キャビティ112内のいかなる場所でも同じであり得る。圧力源150がキャビティ112内の作動流体圧を調整しているときに圧力センサによって検知される圧力レベル等の動的キャビティ圧力レベルは、キャビティ112と連通する圧力センサの位置に応じて変更することができる。
【0114】
センサ130は、キャビティ112内の静的キャビティ圧力レベルを推定するように、圧力源150の動作状態の指標等の別の指標と組み合わされた圧力センサを含むことができる。一例では、圧力センサの場所において動的圧力の指標を検知するとともに、流量の指標を含む圧力源150の動作状態の指標(たとえば、ポンプ速度は流量に比例し得る)を受信するセンサ回路等の回路を含むように、圧力源150の入口ポート又は出口ポート等、圧力源150に近接して、測定場所で作動流体圧(静的及び動的)と作動流体流量との両方を測定することができるセンサを含む圧力-流量センサ等の圧力センサを配置することができる。圧力-流量センサは、キャビティ112内で、目標圧力レベル等の静的キャビティ圧力を達成するように圧力源150が受信することができる制御信号を生成する等のために、動的圧力の指標又は流量の指標のうちの少なくとも一方を処理することができる。制御信号は、圧力源150の動作特性を考慮することができるp-Q(たとえば、圧力-流量)チャートによって記述される関係を含む圧力と流量との関係等の動的圧力の指標と指標流量との関係に基づくことができる。
【0115】
一例では、圧力センサは、圧力源150に近接して位置することができる。制御回路140は、圧力センサからの動的圧力の指標と、ポンプ速度の指標を含む圧力源150の動作状態の指標とを受信するように構成することができる。制御回路140は、キャビティ112内の、目標圧力レベル等の静的キャビティ圧力レベルを達成するように圧力源150が受信することができる制御信号を形成する等のために、動的圧力の指標又は圧力源150動作状態の指標のうちの少なくとも一方を処理することができる。
【0116】
センサ130は、作動流体における化学成分の指標を検知するデバイス等の濃度センサを含むことができる。一例では、濃度センサは、(CO2)、酸素(O2)、一酸化窒素(NO)、オゾン(O3)、窒素、ヘリウム(He)、フルオロカーボン及びパーフルオロカーボンを含む炭化水素、六フッ化硫黄、テトラヒドロカンナビノール(THC)及びカンナビジオール(CBD)を含むカンナビノイド、又は治療ガスの組合せのうちの1つ等、治療流体の指標を検知するように構成することができる。
【0117】
センサ130は、患者眼から放出されるか又は患者眼内で検知されるバイオマーカーを含む作動流体内のバイオマーカーの指標を検知するデバイス等のバイオマーカーセンサを含むことができる。バイオマーカーは、医学的介入が必要である可能性がある場所の苦痛の状態等、眼の生理学的状態を示唆することができる。バイオマーカーセンサは、作動流体におけるケトンの指標を検知するような、水晶振動子ナノバランス(quartz crystal nanobalance : QCN)センサを含む揮発性ガスセンサを含むことができる。バイオマーカーセンサは、患者内の血糖値の指標を検知するような、光干渉断層法(ocular coherence tomography : OCT)撮像システムを含むグルコースセンサを含むことができる。バイオマーカーセンサは、患者眼における又は作動流体における酸素の指標を検知するような、非侵襲的光学式酸素センサを含む酸素センサを含むことができる。バイオマーカーセンサは、患者眼における又は作動流体における溶解塩の指標を検知するような、塩分センサを含むことができる。バイオマーカーセンサは、患者眼における又は作動流体における血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor)(すなわちVEGF)の指標を検知するような、アプタマーベースのセンサを含むことができる。バイオマーカーセンサは、患者眼における又は作動流体におけるマトリックスメタロペプチダーゼ9(MPP-9)酵素を含む酵素を検出するような、酵素センサを含むことができる。バイオマーカーセンサは、患者眼における又は作動流体における脳由来神経栄養因子(brain-derived neurotrophic factor : BDNF)タンパク質を含むタンパク質を検出するような、タンパク質センサを含むことができる。
【0118】
センサ130は、患者に関連する生理学的パラメータの指標を検知するように構成されたセンサ等のバイオセンサを含むことができる。生理学的パラメータは、患者眼に関連する過程又は患者眼の生理学的活動に関連する過程等の患者に関連する生理学的過程の指標を含むことができる。一例では、生理学的パラメータは、患者眼内の眼内圧(IOP)の指標(IOPレベル等)、患者に関連する脳脊髄液圧(CSFP)の指標(CSFPレベル等)、全身血圧又は心拍数のうちの少なくとも一方等の心臓活動の指標のうちの少なくとも1つを含むことができる。生理学的パラメータは、パターン網膜電図(すなわちPERG)装置を含む網膜電図装置によって測定されるような、網膜活動の指標を含むことができる。
【0119】
制御回路140は、装置100の動作を可能にすることができ且つ調整することができる。一例では、制御回路140は、流体レギュレータ120、センサ130、圧力源150又は流体源170のうちの少なくとも1つに、通信する等、結合することができる。
【0120】
制御回路140は、センサ130によって検知される眼環境の指標のうちの少なくとも1つ等、信号を受信するように構成されたデータインタフェースを含むことができる。一例では、検知された指標は、センサ130からの検知された指標等の眼環境の指標、又は、左眼環境の指標と右眼環境の指標との関係の指標のうちの少なくとも一方を含むことができる。制御回路140は、受信信号を処理して、処理済み信号等にし、その処理済み信号を装置100の1つ又は複数の構成要素に送信することができる。制御回路140は、作動流体組成を制御するようにレギュレータ弁の位置を調整する等のために、流体レギュレータ120と通信することができる。制御回路140は、センサ130からの検知データを含む眼環境の指標を受信及び処理する等のために、センサ130と通信することができる。制御回路140は、装置100における作動流体圧又は作動流体流量のうちの少なくとも一方を調整する等のために、圧力源150と通信することができる。
【0121】
制御回路140は、ユーザが装置100を操作し且つ装置100と対話するのを可能にする等のために、通信インタフェースを提供することができる。通信インタフェースは、装置100に関する情報(たとえば、検知された指標の読取値、障害ステータス等)を含む情報をユーザに伝えるか又はユーザから情報を受け取る等、グラフィカルユーザインタフェース(すなわちGUI)を含むことができる。ユーザから受け取られる情報は、装置100に電力を循環させる等、装置100の基本機能を管理するための情報、又は、治療プロトコルを規定する目標レベルを含む動作パラメータ並びに最大限度及び最小限度等の安全パラメータ等のユーザ選好の指標のうちの少なくとも1つを含むことができる。一例では、通信インタフェースは、患者眼への損傷を防止するようにユーザによって選択されたキャビティ112内の最大圧力レベル又は最小圧力レベルのうちの少なくとも一方等、安全圧力レベルを受け取ることができる。
【0122】
制御回路140は、センサ130によって検知された眼環境の指標等の指標をモニタリングし且つ記録するデータ収集ユニット(すなわちDAC)を含むことができる。眼環境の指標は、秒、分、時間、日、年の期間、又は患者の寿命等のある期間にわたって、制御回路140がモニタリングし且つ記録することができる。
【0123】
制御回路140は、プログラム可能な中央処理装置(CPU)等の処理ユニットを含むことができる。CPUは、患者眼疾患を治療、抑制又は予防する等のために、装置100を使用する方法を実施する複数の命令を実行することができる。一例では、CPUは、計算機1500等の計算機の構成要素であり得る。
【0124】
CPUは、フィードバック制御回路等の制御回路として構成することができる。フィードバック制御回路は、センサ130によって検知される指標、通信インタフェースからのユーザ選好の指標、又はCPUによって処理された信号を含む処理済み信号の指標のうちの少なくとも1つ等の情報を受信し、制御信号を形成する等のために、検知した指標を処理することができる。
【0125】
CPUは、キャビティ112と連通する圧力センサからのキャビティ圧力レベルの指標等に基づき、キャビティ112内の圧力レベルを調整するように圧力源150に対する制御信号(たとえば、圧力源制御信号)を生成する等、圧力フィードバック制御回路として構成することができる。
【0126】
一例では、圧力源制御信号は、キャビティ112内の目標圧力レベルを達成するように、キャビティ112内の圧力等のキャビティ圧力の指標に基づくことができる。圧力フィードバック制御回路は、キャビティ112と連通する圧力センサを含むセンサ130によって検知されたキャビティ圧力レベルの指標等のキャビティ112内の作動流体圧の指標を受信することができる。圧力フィードバック制御回路は、受信した圧力レベルの指標を処理して、キャビティ112内の目標圧力レベルを達成するように圧力源150を調整する制御信号等の制御信号を形成することができる。
【0127】
受信した圧力の指標の処理は、キャビティ圧力差値の指標を形成するために通信インタフェースから受信したキャビティ圧力設定値レベルを含む、キャビティ圧力レベルの指標とユーザ選好の指標との差の指標を計算すること等の指標を計算することを含むことができる。受信した指標の処理は、圧力源150を調整するように、CPUで実行している比例積分微分(proportional-integral-derivative : PID)制御アルゴリズムにより、キャビティ圧力差値の指標に基づいて制御信号を生成することを含むことができる。制御信号の生成は、受信した圧力レベルの指標とキャビティ圧力設定値レベルとの差を最小化する制御信号を生成することを含むことができる。
【0128】
一例では、圧力源制御信号は、患者眼内の目標IOPレベルを達成するために、患者眼内のIOPの指標等、患者に関連する生理学的パラメータの指標に基づくことができる。圧力フィードバック制御回路は、IOPを検知するように構成されたバイオセンサを含むセンサ130によって検知されたIOPレベルの指標等の患者眼内のIOPレベルの指標を受信することができる。圧力フィードバック制御回路は、受信したIOPレベルの指標を処理して、患者眼内の目標IOPレベルを達成するのに十分な目標キャビティ圧力レベル等のキャビティ112内の目標キャビティ圧力レベルを達成するように、圧力源150を調整する制御信号等の制御信号を形成することができる。
【0129】
受信したIOPの指標の処理は、IOPレベルの指標と、通信インタフェースから受信したIOP設定値レベルを含む、ユーザ選好の指標との差分を計算して、IOP差分値(difference value)を生成することを含むことができる。受信した指標の処理は、圧力源150を調整するように、CPUで実行している比例積分微分(PID)制御アルゴリズムにより、IOP差値に基づいて制御信号を生成することを含むことができる。制御信号の生成は、受信した圧力レベルの指標とキャビティ圧力設定値レベルとの差を最小化する制御信号を生成することを含むことができる。
【0130】
CPUは、キャビティ112内の化学成分レベルを調整するレギュレータ制御信号を生成するような、濃度フィードバック制御回路として構成することができる。
一例では、レギュレータ制御信号は、作動流体における目標NO濃度レベルを達成するように、一酸化窒素(NO)濃度の指標等の作動流体に関連する化学成分の指標に基づくことができる。濃度フィードバック制御回路は、NOを検知するように構成された濃度センサを含むセンサ130によって検知されたNOレベルの指標等の作動流体におけるNO濃度レベルの指標を受信することができる。濃度フィードバック制御回路は、受信したNOレベルの指標を処理して、キャビティ112内の目標NO濃度レベルを達成するようにレギュレータ120を調整する制御信号等の制御信号を形成することができる。
【0131】
受信したNO濃度の指標の処理は、NO濃度の指標と、通信インタフェースから受信したNO設定値レベルを含む、ユーザ選好の指標との差分を計算して、NO差分値を生成することを含むことができる。受信した指標の処理は、NO差値に基づいて制御信号を生成することを含むことができる。受信した指標の処理は、レギュレータ120を調整するように、CPUで実行している比例積分微分(PID)制御アルゴリズムにより、NO差分値に基づいて制御信号を生成することを含むことができる。制御信号の生成は、受信したNO濃度の指標とNO設定値レベルとの差分を最小化する制御信号を生成することを含むことができる。
【0132】
制御回路140は、センサ130によって検知された指標のうちの少なくとも1つに基づき圧力源150の動作を調整するように構成された圧力源回路等の圧力源回路を含むことができる。圧力源回路は、データインタフェースにおいて受信した、検知された指標、又は、通信インタフェースを通して受信したユーザ選好の指標のうちの少なくとも一方に基づいてシステム障害(system fault)を発生させるように構成された圧力源論理回路等の圧力源論理回路を含むことができる。一例では、圧力源論理回路は、キャビティ112内のキャビティ圧力の指標が、通信インタフェースを通してユーザによって設定された圧力安全レベル等の圧力安全レベルを超えたとき等の障害事象の発生時に、システム障害を発生させることができる。
【0133】
制御回路140は、装置100に電気エネルギーを供給するような、電源を含むことができる。一例では、電源は、リチウムイオン電池等のバッテリと、指定された電圧及び電流で装置100において使用されるように壁コンセントから電力を受信する等のための、変圧器とを含むことができる。制御回路140は、治療流体の温度を上昇させる、カバー110の内面188を含むカバー110の面に位置する加熱素子を含む、治療流体と連通する加熱素子等の加熱素子を含むことができる。
【0134】
圧力源150は、作動流体を圧力源150からキャビティ112まで移動させるか、又は作動流体をキャビティ112から圧力源150若しくは周囲環境のうちの少なくとも一方まで移動させる等のために、装置100内に体積流体流を発生させるように構成することができる。圧力源150は、キャビティ112内の圧力レベルの指標を含む流体圧の指標を、第1圧力レベルから第1圧力レベルとは異なる第2圧力レベルまで調整する等のために、キャビティ112に非大気圧を加えるように構成することができる。
【0135】
圧力源150は、正のゲージ圧又は負のゲージ圧のうちの少なくとも一方を発生させることができるポンプ等のポンプを含むことができる。圧力源150は、容積式ポンプ又は遠心ポンプを含むポンプ等の電動圧力源を含むことができる。たとえば、圧力源150は、ダイヤフラム真空ポンプを含むことができる。圧力源150は、ベローズ型ポンプ(bellows-style pump)を含むハンドポンプ等の手動圧力源を含むことができる。一例では、圧力源150は、カバー110等の装置100の構成要素に組み込むことができる。
【0136】
図1Aは、手動圧力源の一例を含む装置101の一例を示す。一例では、装置101は、装置100のすべての構成要素を含むことができる。装置101は、左ベローズカバー111A又は右ベローズカバー111Bのうちの少なくとも一方等のベローズカバー111と、左キャビティ逆止弁189A又は右キャビティ逆止弁189Bのうちの少なくとも一方等のキャビティ逆止弁189と、左シール119A又は右シール119Bのうちの少なくとも一方等のシール119とを含むことができる。
【0137】
ベローズカバー111は、眼の前面を含む眼と接触することなく等、患者眼を包囲するとともに眼から間隔を空けて配置されるようなサイズ及び形状とすることができる。ベローズカバー111は、患者の左眼及び右眼等、両方の患者眼を包囲するとともに覆うようなサイズ及び形状とすることができる。一例では、ベローズカバー111は、ダイビング又はシュノーケリングマスクと形状及び機能が同様のベローズカバー111等のマスクを含むことができる。
【0138】
ベローズカバー111は、レンズ182とシール119との間のベローズカバー111の部分等のベローズ部分を含むことができる。ベローズ部分は、レンズ182とシール119との間の第1ベローズ距離によって画定されるような、第1ベローズ位置をとることができる。ベローズ部分は、第1ベローズ位置から変位した位置等の第2ベローズ位置をとることができる。ベローズ部分は、動きに対する抵抗を示すことができ、たとえば、ベローズ部分を第1ベローズ位置から第2ベローズ位置まで変位させるために、外力を必要とすることができる。動きに対する抵抗のレベルは、ベローズ材料の選択及びベローズ折目の数を含むベローズ部分の設計等を通して、制御することができる。ベローズ部分は、弾性、例えば、外力を取り除いた後の力平衡位置を含む平衡位置に回復するベローズ部分の傾向を示すことができる。
【0139】
第2ベローズ位置は、患者眼の上に負のゲージ圧(たとえば、真空)を発生させるような、圧縮ベローズ位置を含むことができる。一例では、レンズ182とシール119との間の距離は、ベローズカバー111に圧縮力が加えられたときの第1ベローズ位置から、圧縮ベローズ位置等まで低減することができる。ベローズカバー111が第1ベローズ位置から圧縮ベローズ位置まで移動すると、キャビティ112内の作動流体圧を上昇させる等のように、キャビティ112の容積を低減させることができ、その後、キャビティ112は、逆止弁189等を通して、キャビティ112からある体積の作動流体を排出することができる。圧縮力が取り除かれると、ベローズ部分は、患者眼の上に「吸引」又は負のゲージ圧をもたらす等のために、ベローズ部分の弾性により、第1ベローズ位置と圧縮ベローズ位置との間の位置等の第3ベローズ位置まで回復することができる。
【0140】
第2ベローズ位置は、患者眼の上に正のゲージ圧(たとえば、大気圧と比較した圧力の上昇)を発生させるような、拡張ベローズ位置を含むことができる。一例では、レンズ182とシール119との間の距離は、ベローズカバー111に拡張力が加えられると、第1ベローズ位置から、拡張ベローズ位置等まで、増大することができる。ベローズカバー111が第1ベローズ位置から拡張ベローズ位置まで移動すると、キャビティ112の容積は、キャビティ112内の作動流体圧を低下させる等のように、増加することができ、その後、キャビティ112は、逆止弁189等を通して、周囲環境からある体積の周囲空気を受け取ることができる。外力が取り除かれると、ベローズ部分は、患者眼の上に「加圧」又は正のゲージ圧をもたらす等のために、ベローズ部分の弾性により、第1ベローズ位置と拡張ベローズ位置の間の位置等の第3ベローズ位置に回復することができる。
【0141】
圧力源150は、加圧ガスシリンダ、又はキャビティ112内の作動流体圧を調整するために使用することができる装置100とは別個の加圧流体源等の圧力源を含むことができる。圧力源150は、キャビティ内の圧力を調整する補助装置と組み合わせて使用される圧力源を含むことができる。一例では、圧力源150は、キャビティ112内の流体圧を調整する圧力源を組み合わせて、ベンチュリジェットポンプ等のベンチュリ型ポンプを含むことができる。
【0142】
圧力源150は、物理的特性の間の関係等の物理的特性によって特徴付けることができる。いくつかの流れ源(sources of flow)の性能を比較する有用な基準としては、流れ源からの作動流体流の体積と、流体流に起因してもたらされる、静圧等の圧力との関係等の体積-圧力特性が挙げられる。一例では、圧力源150は、p-Qチャート等、体積-圧力特性によって特徴付けることができる。
【0143】
圧力源150は、キャビティ112内の目標キャビティ圧力に向かうか又はそれを達成するようにキャビティ112内の圧力を調整する等のために、キャビティ112内に圧力を発生させることができる。目標キャビティ圧力は、患者眼に対する診断処置を含む測定処置に作用するキャビティ圧力を含むことができる。一例では、キャビティ112内の圧力は、患者眼の前面の第1変位に作用する第1目標キャビティ圧力等の目標キャビティ圧力に向かって、圧力源150によって調整することができる。第1変位の指標は、変位センサを含むセンサ130によって検知することができる。続いて、第2目標キャビティ圧力が、変位センサによって検知することができる第2変位の指標等、患者眼の前面の第2変位に作用することができる。第1目標圧力と第2目標圧力との変位の指標の差により、患者眼内のIOPの指標の推定等、生理学的パラメータを推定することができる。
【0144】
目標キャビティ圧力は、眼疾患を治療、抑制又は予防するために医療専門家によって指示されたキャビティ圧力等、患者眼の治療に作用するキャビティ圧力を含むことができる。一例では、キャビティ112内の圧力は、IOPの指標を検知するように構成されたバイオセンサを含むセンサ130によって検知することができる患者眼内のIOPレベルの指標を含む患者眼の生理学的パラメータの指標に作用する目標キャビティ圧力等の目標キャビティ圧力に向かって圧力源150によって調整することができる。患者眼の治療は、患者眼内のIOPレベルの所望の指標に作用するキャビティ112内の目標キャビティ圧力を達成するように圧力源を調整すること等により、圧力源150によって作用することができる。
【0145】
目標キャビティ圧力は、患者眼内の目標IOPレベルを達成するようにキャビティ112に加えられる圧力等の目標IOPキャビティ圧力を含むことができる。目標IOPキャビティ圧力は、患者眼内のIOPレベルを増減させる等のために、患者眼内のIOPレベルを調整又は達成することができるキャビティ圧力を含むことができる。目標IOPレベルは、約5mmHg~約30mmHgの範囲のIOPレベルと、約10mmHg~約21mmHGの範囲のIOPレベルと、約12mmHg~約18mmHgの範囲のIOPレベルとを含むことができる。
【0146】
経篩状板圧(translaminar pressure)は、篩状板(lamina cribrosa)の前後の圧力差を述べる。経篩状板圧差(translaminar pressure difference : TPD)は、患者眼内の眼内圧と患者体内の脳脊髄流体圧との差として定義することができる。経篩状板圧勾配(translaminar pressure gradient : TPG)は、TPDに関連し、篩状板の単位厚さごとのIOPとCSFPとの差として定義することができる。TPDレベル等のTPDの指標は、眼疾患の存在又は不在等の患者眼の生理学的健康を示すことができる。眼疾患のない患者眼等の生理学的に正常な眼は、約-4mHg~約4mmHgの範囲の正常TPDレベル等の正常TPDレベルによって特徴づけることができる。対照的に、緑内障を含む眼疾患のある患者眼等の非正常眼は、正常TPDレベルの範囲外にあるTPDレベルによって特徴付けることができ、たとえば、そうしたTPDレベルは、約-4mmHg未満であるか又は約4mmHgを超える可能性がある。
【0147】
目標キャビティ圧力は、眼内のTPDレベルを等化する(equalize)ことができるキャビティ112に加えられる圧力等の目標等化キャビティ圧力を含むことができる。眼内のTPDレベルを等化することができるキャビティ圧力は、第2のTPDレベルの絶対値が第1のTPDレベルの絶対値未満であり得る場合を含む第1のTPDレベルから第2のTPDレベルへ等、眼内のTPDレベルを低下させることができるキャビティ112に加えられる任意の圧力を含むことができる。
【0148】
目標キャビティ圧力は、患者眼内で目標TPDレベルを達成することができるキャビティ112に加えられる圧力等の目標経篩状板圧差(TPD)キャビティ圧力を含むことができる。目標TPDキャビティ圧力は、患者眼のTPDレベルを、目標TPDレベル範囲等、ある範囲に調整するのに十分な、キャビティ112に加えられる圧力レベルを含むことができる。目標TPDレベル範囲は、約-4mmHg~約4mmHgのうちの少なくとも1つの範囲のTPDレベル、約-7mmHg~約7mmHgの範囲のTPDレベル、又は約-10mmHg~約10mmHgの範囲のTPDレベルを含むことができる。一例では、正常TPDレベル範囲は、約-4mmHg~約4mmHgの範囲のTPDレベルを含むことができる。
【0149】
患者眼内のTPDを第1のTPDレベルから第1のTPDレベルより低い第2のTPDレベルまで調整する等、TPDの調整により、患者眼の健康を向上させる等のために、患者眼内の生理学的過程を改善することができる。患者視神経における細胞生存能力を維持する役割を担う細胞過程の集まり(collection of cellular processes)等の軸索輸送は、患者眼内のTPDの指標が正常なTPDレベル範囲内にない場合等、上昇したTPDの存在によって悪影響を受ける可能性がある。視神経等における軸索輸送レベルの指標は、軸索輸送センサを含むセンサ130によって検知することができる。一例では、軸索輸送センサは、光干渉断層法(OCT)撮像システム又は共焦点走査レーザ検眼鏡(confocal scanning laser ophthalmoscope : CSLO)システムのうちの少なくとも一方を含むことができる。
【0150】
目標キャビティ圧力は、患者眼内で目標軸索輸送レベルを達成するようにキャビティ112に加えられるキャビティ圧力等の目標軸索輸送キャビティ圧力を含むことができる。目標軸索輸送キャビティ圧力は、第2軸索輸送レベルの指標が第1軸索輸送レベルの指標より高いものであり得る場合の軸索輸送レベルの第1指標から軸索輸送レベルの第2指標まで等、眼内の軸索輸送レベルの指標を向上させる(又は上昇させる)ことができるキャビティ圧力を含むことができる。
【0151】
軸索輸送の速度は、輸送される生理学的成分等に基づいて変化する可能性がある。一例では、「遅い」軸索輸送は、例えば、中間代謝の細胞骨格及び溶性酵素を含む細胞質成分の軸索に沿った移動を表す可能性がある。低速な軸索輸送成分等の場合の目標軸索輸送レベルは、約0.2mm/日~約2mm/日の範囲の軸索輸送レベルを含み得る。一例では、「速い」軸索輸送は、軸索に沿った、シナプス小胞ポリペプチド等のミトコンドリアポリペプチド及びニューロペプチドの移動を表す可能性がある。速い軸索輸送成分等の場合の目標軸索輸送レベルは、ミトコンドリアポリペプチド等の場合の約50mm/日~約100mm/日の範囲の軸索輸送レベルと、ニューロペプチド等の場合の約100mm/日~約200mm/日の範囲の軸索輸送レベルとを含み得る。
【0152】
目標キャビティ圧力は、患者眼内の眼疾患を治療、抑制又は予防する目標治療キャビティ圧力を含むことができる。
眼疾患を治療するための目標治療キャビティ圧力は、センサ130によって検知された生理学的パラメータ等の生理学的パラメータの指標を調整するように選択されたキャビティ圧力を含むことができる。一例では、生理学的パラメータの指標の調整は、患者不快感を緩和する等、患者自覚症状を緩和すること、又は、眼疾患若しくは病態によって低下した患者機能等の患者機能を向上させることを含むことができる。
【0153】
眼疾患を抑制するための目標治療キャビティ圧力は、診断された眼疾患による患者機能のさらなる低下を停止させるか又は遅らせる等のために、患者機能を維持するように選択されたキャビティ圧力を含むことができる。一例では、患者機能の指標の維持は、患者眼の生理学的パラメータの指標の変動を最小化することを含むことができる。たとえば、眼疾患を抑制するための目標治療キャビティ圧力は、ある期間にわたるIOPの指標の変動を最小化するように選択されたキャビティ圧力を含むことができる。
【0154】
眼疾患を予防するための目標治療キャビティ圧力は、眼疾患が出現する前に患者眼に適用される予防措置として選択されたキャビティ圧力を含むことができる。一例では、緑内障の潜在的な指標としての異常な陥凹乳頭径比(cup-to-disc ratio)等、眼疾患に対する前兆特性を示す患者の場合、生理学的過程が臨床的な眼疾患診断まで進行しないように、患者生理機能に好適な圧力レベル等で、装置100により患者眼にキャビティ圧力を加えることができる。したがって、目標キャビティ圧力レベルは、患者眼内の陥凹乳頭径比を低下させる等のために、患者眼内の陥凹乳頭径比を第1陥凹乳頭径比から第1陥凹乳頭径比より低い第2陥凹乳頭径比に調整するのに十分なキャビティ圧力レベルを含むことができる。
【0155】
導管117は、キャビティ112とセンサ130との間又はキャビティ112と圧力源150との間のうちの少なくとも一方の連続的に開存している流体伝送路等、装置100の1つ又は複数の構成要素の間の患者流体伝送路を提供することができる。導管117は、1つ又は複数の内腔等の内腔を含むことができる。
【0156】
図5Aは、第1二重内腔導管等の導管117の一例の断面を示す。第1二重内腔導管は、第1内腔壁115Aによって画定された第1内腔113Aと、第2内腔壁115Bによって画定された第2内腔113Bとを含むことができ、たとえば、第1内腔115Aは、第2内腔115Bに隣接して位置することができる。一例では、第1内腔113Aは、圧力源150とキャビティ112との間の流体連通路を提供することができ、たとえば、圧力源150は、目標キャビティ圧力レベルを達成するために、作動流体を、内腔113Aを通してキャビティ112まで移送することができる。一例では、第2内腔113Bは、圧力源150の動作を制御するフィードバック信号として使用される等のために、センサ130がキャビティ112内のキャビティ圧力レベルの指標を検知することができるように、キャビティ112と、制御回路140に位置する作動流体圧センサ等のセンサ130との間の流体連通路を提供することができる。
【0157】
装置100の潜在的な動作上の危険としては、導管117のキンク(kink)を含む開存した流体伝送路が中断される可能性がある導管117の状態等の導管117の閉塞を挙げることができる。一例では、キンクは、第1内腔113A又は第2内腔113Bのうちの少なくとも一方が折れ曲がってつぶれる可能性がある導管117に加えられる曲げ力による閉塞等の閉塞を含む可能性があり、たとえば、内腔の内面の第1部分が内腔の内面の第2部分と接触して、内腔を通る流体伝送を阻止する可能性がある。キャビティ112と、制御回路140に位置する作動流体圧センサ等のセンサ130との間の導管117におけるキンクにより、圧力源150が制御できなくなる可能性がもたらされる場合があり、たとえば、制御回路140は、センサ130からのキャビティ圧力レベルの間違った指標に基づいてキャビティ圧力レベルを発生させるように、圧力源150に命令する可能性がある。
【0158】
一例では、第1内腔113Aにおけるキンクが、キャビティ112と作動流体圧センサとの間の流体連通を停止する可能性があり、たとえば、作動流体圧センサが、キャビティ圧力レベルのない状態を含むキャビティ圧力レベルの間違った指標(たとえば、約0mmHgゲージというキャビティ圧力レベルの指標)を検知することになる。キャビティ圧力レベルの間違った指標により、制御回路140は、目標キャビティ圧力レベルを達成又は維持する等のために、キャビティ112内のキャビティ圧力レベルを補償するように圧力源150を動作させる等のように、キャビティ112への流体移送を、増減させる等、調整するように圧力源150に命令することになる可能性がある。キャビティ圧力レベルの間違った指標の連続した検知により、圧力源150は、患者眼に損傷を与える可能性があるキャビティ圧力レベルを発生させる可能性がある等、「暴走」(すなわち非制御)状態で動作する可能性がある。暴走状態を回避するために、導管117は、導管117の閉塞に起因する装置100の動作上の安全性等の装置100の安全性を向上させるように設計された1つ又は複数の特徴等の特徴を含むことができる。
【0159】
図5Bは、第1内腔壁115Aが、第2内腔壁115B内に第1内腔113A及び第2内腔113Bを形成する等のために、第2内腔壁115Bと接触することができる導管117等の第2二重内腔導管の一例の断面を示す。
【0160】
図5Cは、第1内腔113Aが第2内腔113B内に完全に位置することができ、たとえば、第1内腔壁115Aが第2内腔壁115Bから別個であり得る導管117等の第3二重内腔導管の一例を示す。
【0161】
導管117の開存性(Patency)は、第2内腔113Bに対する第1内腔113Aの向き等により、制御することができる。一例では、
図5B又は
図5Cに示す導管例117のうちの少なくとも1つ等の導管117におけるキンクは、圧力源150からキャビティ112への流体移送を阻止する等のように、第1内腔113Aを閉塞する可能性があるが、第2内腔113Bは開放したままにすることができ、たとえば、第1内腔壁115Aの外面が、第2内腔113Bの内面の第1部分が第2内腔113Bの内面の第2部分と接触するのを防止すること等により、第2内腔113Bがつぶれるのを防止することができる。
【0162】
導管117の開存性は、第1内腔113A又は第2内腔113Bのうちの少なくとも一方の設計を含む導管117の設計等により、制御することができる。導管117の寸法は、第2内腔113Bの開存性を維持する等のように、選択することができる。一例では、導管117が曲げ力を受けているとき等、第2内腔113Bの第1部分がつぶれるのを防止する等のように、第1内腔壁115Aの厚さが、第2内腔壁115Bの厚さとは異なり得る。導管117を構成するために使用される材料は、第2内腔113Bの開存性を維持するように選択することができる。一例では、導管117が曲げ力を受けているとき等、第2内腔113Bの第1部分がつぶれるのを防止する等のように、第1内腔壁115Aを形成するために使用される材料のタイプ又はデュロメータ堅さは、第2内腔壁115Bを形成するために使用される材料のタイプ又はデュロメータ堅さとは異なり得る。
【0163】
導管117は、第1内腔113A又は第2内腔113Bのうちの少なくとも一方の閉塞を防止する等のために、補強構造を含むことができる。補強構造は、第1内腔壁115A又は第2内腔壁115Bに位置するとともに、第1内腔壁115A又は第2内腔壁115Bのうちの少なくとも一方の周囲に延在するワイヤコイル等のワイヤのコイルを含むことができる。
【0164】
導管117の断面形状は、導管117の機能に影響を与えない任意の形状を呈することができる。第1内腔113Aの断面形状及び第2内腔113Bの断面形状等の導管117の断面形状は、円形、楕円形、三日月形、三角形、矩形又は任意の多角形断面形状のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0165】
第1内腔壁115A及び第2内腔壁115Bの剛性に起因する導管117の全体的な剛性等の導管117の可撓性を制御することができる。一例では、導管117の断面形状に関連する慣性モーメントを最小化する構造的構成等の導管117の構造的構成により、導管117の剛性を低下させることができる。たとえば、第1慣性モーメントが第2慣性モーメント又は第3慣性モーメントより大きいものであり得る場合等、第1慣性モーメント等を有する第1二重内腔導管は、第2慣性モーメントを有する第2二重内腔導管又は第3慣性モーメントを有する第3二重内腔導管のうちの少なくとも一方と比較した場合に、曲げ又はねじり等における、より高い全体的な剛性を実証することができる。一例では、第2二重内腔導管又は第3二重内腔導管は、第1二重内腔導管と比較して、接着又は押出しのうちの少なくとも一方からもたらされる可能性があるねじり付勢等のねじり付勢を最小化することができる。
【0166】
図6は、患者左眼の上の左眼環境又は患者右眼の上の右眼環境のうちの少なくとも一方等の患者眼の上の眼環境を制御することができる装置600の一例を示す。眼環境の制御は、キャビティ112内の作動流体キャビティ圧力の指標等の患者眼の上の眼環境の指標を確立、調整又は維持するうちの少なくとも1つを含むことができる。一例では、左眼環境の制御は右眼環境から独立することができ、右眼環境の制御は左眼環境から独立することができる。
【0167】
装置600は、左カバー110Aを備え、左カバー110Aが、左カバー110Aと左眼の前面との間に左キャビティ112Aを画定するように患者の左眼の上に適合するようなサイズ及び形状である左システム602と、右カバー110Bを備え、右カバー110Bが、右カバー110Bと右眼の前面との間に右キャビティ112Bを画定するように患者の右眼の上に適合するようなサイズ及び形状である右システム604と、右システム604に対して左システム602を配置する等のためのブリッジ606とを含むことができる。一例では、左システム602は装置100の少なくとも1つを含むことができ、右システム604は装置100の少なくとも1つを含むことができる。
【0168】
装置600は、装置600の動作を促進、調整及び制御するシステム制御回路640を含むことができる。システム制御回路640は、左眼環境の指標、右眼環境の指標、又は左眼環境の指標と右眼環境の指標との関係の指標のうちの少なくとも1つ等の眼環境の指標を受信及び処理するように構成することができる。
【0169】
システム制御回路640は、左システム602の動作を可能にし、調整及び制御する左制御回路140A等の左制御回路140A、又は右システム602の動作を可能にし、調整及び制御する右制御回路140B等の右制御回路140Bのうちの少なくとも一方を含むことができる。一例では、左制御回路140Aは、右システム604から独立して左システム602の動作を制御するように構成することができ、右システム604は、左システム602から独立して右システム604の動作を制御するように構成することができる。一例では、左制御回路140Aは、左眼環境の指標、又は左眼環境と右眼環境との関係の指標のうちの少なくとも一方を受信及び処理することができ得る。一例では、右制御回路140Bは、右眼環境の指標、又は左眼環境と右眼環境との関係の指標のうちの少なくとも一方を受信及び処理することができ得る。
【0170】
システム制御回路640は、左眼環境の指標、右眼環境の指標、又は左眼環境の指標と右眼環境との関係の指標のうちの少なくとも1つに基づいて、圧力源の動作を調整するように構成された圧力源回路等の圧力源回路を含むことができる。一例では、圧力源回路は、左制御回路140Aに結合されたような左圧力源回路、又は右制御回路140Bに結合されたような右圧力源回路のうちの少なくとも一方を含むことができる。
【0171】
圧力源回路は、システム制御回路640によって受信された指標等の受信された指標のうちの少なくとも1つに基づいてシステム障害を発生させるように構成された圧力源論理回路等の圧力源論理回路を含むことができる。一例では、圧力源論理回路は、障害事象の発現時にシステム障害を発生させることができ、たとえば、左キャビティ112Aにおける左圧力の指標が左圧力安全レベルを超えるか、又は、右キャビティ112Bにおける右圧力の指標が右圧力安全レベルを超えるうちの少なくとも一方である。一例では、圧力源論理回路は、左眼環境の指標と右眼環境の指標との関係が「関係安全レベル」を超えた場合にシステム障害を発生させることができる。たとえば、圧力源論理回路は、左キャビティ112Aにおける圧力の指標と右キャビティ112Bにおける圧力の指標との差が関係安全圧力レベルを超えると、システム障害を発生させることができる。関係安全圧力レベルは、制御回路140に関連する通信インタフェース等により、ユーザが定義することができる。
【0172】
システム制御回路640は、マスタ-スレーブ制御構成等において、装置600の動作を可能にし、調整及び制御するように構成することができる。一例として、第1制御回路は、眼環境の指標を受信及び処理することができ、第2制御回路は、第1制御回路と通信して、第1制御回路から処理済み指標を受信し、左システム602又は右システム604のうちの少なくとも一方等の装置600の動作を調整することができる。一例では、第1制御回路は左制御回路140Aを含むことができ、第2制御回路は右制御回路140Bを含むことができる。一例では、第1制御回路は右制御回路140Bを含むことができ、第2制御回路は左制御回路140Aを含むことができる。
【0173】
一例では、左制御回路140Aは、左キャビティ112A内の目標キャビティ圧力を達成するように左圧力源150Aを調整すること等により、左キャビティ112A内のキャビティ圧力を制御することができる。たとえば、左制御回路140Aは、左バイオセンサによって検知された左眼内のIOPレベルの指標等の左センサ130Aからの生理学的パラメータの指標に基づくフィードバック制御機構等の制御機構を含むとともに、受信した左IOPレベルの指標等の受信した生理学的パラメータに基づき左キャビティ112Aにおける目標キャビティ圧力レベルを達成するように、左圧力源150Aを調整する等のために、受信した生理学的パラメータを処理するように構成することができる。
【0174】
一例では、左制御回路140Aは、左キャビティ112A内の目標流体組成(target fluid composition)を達成するように左流体レギュレータ120Aを調整すること等により、左キャビティ112A内の左作動流体組成を制御することができる。たとえば、左制御回路140Aは、左NO濃度センサによって検知された左キャビティ内の一酸化窒素(NO)レベルの指標等の左センサ130Aから左眼環境の指標を受信するとともに、受信した左キャビティ112AにおけるNOレベルの指標等の受信した生理学的パラメータに基づきキャビティ112内の目標流体濃度レベルを達成するように、左流体レギュレータ120Aを調整する等のために、受信した左眼環境の指標を処理することができる。
【0175】
右制御回路140Bは、左制御回路140Aから独立して右キャビティ112B内の右眼環境を含む右システム604の動作を可能にし、調整及び制御することができる。
たとえば、右制御回路140Bは、キャビティ112B内の目標キャビティ圧力を達成するように右圧力源150Bを調整する等により、右キャビティ112B内の少なくとも1つのキャビティ圧力、又は、キャビティ112B内の目標流体組成を達成するように右流体レギュレータ120Bを調整すること等により、右作動流体組成を制御することができる。
【0176】
装置600は、右キャビティ112B内の右眼環境とは別個に左キャビティ112A内の左眼環境を制御し、左キャビティ112A内の左眼環境とは別個に右キャビティ112B内の右眼環境を制御することができる。一例では、左システム602は、右システム604から独立して、左キャビティ112A内の左キャビティ圧力又は左作動流体濃度のうちの少なくとも一方を制御することができ、右システム604は、左システム602から独立して、右キャビティ112B内の右キャビティ圧力又は右作動流体濃度のうちの少なくとも一方を制御することができる。
【0177】
左眼環境は、左導管117Aを通して左圧力センサ130Aによって検知されるような、左キャビティ112A内の左キャビティ圧力を含むことができる。右眼環境は、右導管117Bを通して右圧力センサ130Bによって検知されるような、右キャビティ112B内の右キャビティ圧力を含むことができる。
【0178】
一例では、左圧力源150Aは、左キャビティ112A内の左キャビティ圧力を、確立、調整及び維持する等、制御することができる。たとえば、左圧力源150A及び左流体レギュレータ120Aは、第2左ポート116A等を通して、左キャビティ112Aと連通して、左流体レギュレータ120Aから左キャビティ112A内に構成流体を搬送する等のために、左キャビティ112A内の左の正のゲージ圧を発生させることができる。左キャビティ112Aと連通している左キャビティ逆止弁189Aは、左キャビティ112A内の左キャビティ圧力を、目標正左キャビティ圧力レベル又は目標負左キャビティ圧力レベルを含む目標左キャビティ圧力レベル等に制限するように構成することができる。
【0179】
一例では、右圧力源150Bは、右キャビティ112B内の第1右キャビティ圧力を、確立、調整及び維持する等、制御することができる。たとえば、右圧力源150B及び右流体レギュレータ120Bは、第2右ポート116B等を通して、右キャビティ112Bと連通して、右流体レギュレータ120Bから右キャビティ112B内に構成流体を搬送する等のために、右キャビティ112B内の右の正のゲージ圧を発生させることができる。右キャビティ112Bと連通している右キャビティ逆止弁189Bは、右キャビティ112B内の右キャビティ圧力を目標右キャビティ圧力レベル等に制限するように構成することができる。一例では、第1左キャビティ圧力は、右圧力源150Bから独立して、増減させる等、調整することができ、第1右キャビティ圧力は、左圧力源150Aから独立して、増減させる等、調整することができる。
【0180】
左眼環境は、左キャビティ112A内の左作動流体組成を含むことができ、右眼環境は、右キャビティ112B内の右作動流体組成を含むことができる。一例では、左流体レギュレータ120Aは、左キャビティ112A内の第1左作動流体組成を制御することができる。一例では、右流体レギュレータ120Bは、右キャビティ112B内の第1右作動流体組成を、確立及び維持する等、制御することができる。一例では、右流体レギュレータ120Bから独立して、第1左作動流体の成分の濃度を増減させる等、第1左作動流体組成を調整することができ、左流体レギュレータ120Aから独立して、第1右作動流体の成分の濃度を増減させる等、第1右作動流体組成を調整することができる。
【0181】
装置600は、左センサ130A等により、左眼の上の左眼環境を検知し、右センサ130B等により、右眼の上の右眼環境を検知することができる。一例では、左センサ130Aは、右環境から独立して左眼環境を検知することができ、右センサ130Bは、左環境から独立して右眼環境を検知することができる。
【0182】
一例では、左キャビティ112Aと連通する左キャビティセンサ等の左センサ130Aは、左キャビティ112A内の左眼環境の指標を検知することができる。左キャビティセンサは、左キャビティ112A内の流体流量の指標を検知する左流量センサ、左キャビティ112A内の湿度の指標を検知する左湿度センサ、左キャビティ112A内の温度の指標を検知する左温度センサ、左キャビティ112A内の圧力の指標を検知する左圧力センサ、又は左キャビティ112A内の作動流体成分濃度等の作動流体組成の指標を検知する左組成センサのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0183】
一例では、右キャビティ112Bと連通する右キャビティセンサ等の右センサ130Bは、右キャビティ112B内の右眼環境の指標を検知することができる。右キャビティセンサは、右キャビティ112B内の流体流量の指標を検知する右流量センサ、右キャビティ112B内の湿度の指標を検知する右湿度センサ、右キャビティ112B内の温度の指標を検知する右温度センサ、右キャビティ112B内の圧力の指標を検知する右圧力センサ、又は右作動流体成分濃度等の右作動流体組成のうちの少なくとも1つを含むことができる。一例では、左センサ130Aは、右センサ130Bから独立して、左キャビティ112A内の左眼環境の指標を検知することができ、右センサ130Bは、左センサ130Aから独立して、右キャビティ112B内の右眼環境の指標を検知することができる。
【0184】
図7を参照すると、装置600は、制御回路140により、左センサ130A、右センサ130B又は冗長センサ732のうちの少なくとも1つ等のセンサ130によって検知される眼環境の指標を処理することができる。一例では、制御回路140は、左センサ130Aの指標又は冗長センサ732の指標のうちの少なくとも一方を処理及び表示することができる左ディスプレイを含む左制御回路と、右センサ130Bの指標又は冗長センサ732の指標のうちの少なくとも一方を処理及び表示することができる右ディスプレイを含む右制御回路とを含むことができる。
【0185】
図7は、冗長センサ732等のセンサ130を含むことができる装置例600の概略図を示す。冗長センサ732は、左キャビティ112A、右キャビティ112B、左センサ130A又は右センサ130Bのうちの少なくとも1つと連通する等、キャビティ112と連通することができる。
【0186】
冗長センサ732は、左キャビティ112A内の左眼環境の指標、右キャビティ112B内の右眼環境の指標、又は左眼環境の指標と右眼環境の指標との関係の指標のうちの少なくとも1つ等の眼環境の指標を検知するように構成することができる。一例では、冗長センサ732は、冗長センサ732によってモニタリングされる左センサ130A又は右センサ130Bのうちの少なくとも一方等のセンサ130の適切な動作を検証するか又は他の方法で確認するように構成することができる。
【0187】
冗長センサ732は、左眼環境の指標、右眼環境の指標、又は左眼環境の指標と右眼環境の指標との関係の指標のうちの少なくとも1つを検知する左キャビティと連通する左差動センサと右キャビティと連通する右差動センサとを含む差動センサ等の差動センサを含むことができる。一例では、差動センサは、左キャビティ112A内の圧力の指標等の左眼環境の指標と、右キャビティ112B内の圧力の指標等の右眼環境の指標との差を検知することができる。
【0188】
左差動センサは、左キャビティ112A内の流体流量の指標を検知する左差動流量センサ、左キャビティ112A内の湿度の指標を検知する左差動湿度センサ、左キャビティ112A内の温度の指標を検知する左温度センサ、左キャビティ112A内の圧力の指標を検知する左差動圧力センサ、又は、左キャビティ112A内の作動流体成分濃度等の作動流体組成の指標を検知する左差動組成センサのうちの少なくとも1つを含むことができる。左差動センサは、センサ130によって検知される眼環境の指標を表す電気信号等、センサ130によって検知される眼環境の指標を受信する、左センサ130A又は右センサ130Bのうちの少なくとも一方等のセンサ130と通信する左差動信号センサを含むことができる。
【0189】
右差動センサは、右キャビティ112B内の流体流量の指標を検知する右差動流量センサ、右キャビティ112B内の湿度の指標を検知する右差動湿度センサ、右キャビティ112B内の温度の指標を検知する右差動温度センサ、右キャビティ112B内の圧力の指標を検知する右差動圧力センサ、又は、右キャビティ112B内の作動流体成分濃度等の作動流体組成の指標を検知する右差動組成センサのうちの少なくとも1つを含むことができる。右差動センサは、センサ130によって検知される眼環境の指標を表す電気信号等、センサ130によって検知される眼環境の指標を受信する、左センサ130A又は右センサ130Bのうちの少なくとも一方等のセンサ130と通信する右差動信号センサを含むことができる。
【0190】
図8は、単一圧力源等により、患者の左眼の上の左眼環境と、患者の右眼の上の右眼環境とを独立して制御することができる装置800の一例を示す。装置800は、キャビティ弁890又はキャビティリザーバー892のうちの少なくとも一方を含むことができる。
【0191】
装置800は、キャビティ112と連通するキャビティ弁890等のキャビティ弁890を含むことができる。キャビティ弁890は、センサ130、制御回路140又は圧力源150のうちの少なくとも1つに結合する等、それと連通することができる。一例では、キャビティ弁890は、左キャビティ112Aと連通する左制御弁890A、又は右キャビティ112Bと連通する右制御弁890Bのうちの少なくとも一方を含むことができる。
【0192】
キャビティ弁890は、キャビティ112内の目標キャビティ圧力を達成する等のために、キャビティ112内の作動流体圧を制御することができる。
図8を参照すると、左制御弁890Aは、キャビティ112A内の作動流体圧を制御することができ、右制御弁890Bは、キャビティ112B内の作動流体圧を制御することができる。
【0193】
キャビティ弁890は、本出願において前述したような受動キャビティ逆止弁189等の受動キャビティ弁を含むことができる。キャビティ弁890は、圧力源850の連続動作がない場合にキャビティ112内の圧力を維持する等のために、単一の受動キャビティ逆止弁189を含むことができる。圧力源850の連続動作がないことは、バッテリ式圧力源850のバッテリ寿命を増大させること等の多くの利点を含むことができる。
【0194】
受動キャビティ逆止弁189は、正圧キャビティ逆止弁を含むことができる。一例では、作動流体が、圧力源850から正圧キャビティ逆止弁を通ってキャビティ112内に流れる等のように、圧力源850を作動させて、キャビティ112内の正のゲージ圧をもたらすことができる。圧力源850がある期間にわたってオフにされる場合等、圧力源850の電源が切断された場合、キャビティ112内の正のゲージ圧を維持する等のために、正圧キャビティ逆止弁は閉鎖することができる。制御回路840又は圧力源850のうちの少なくとも一方と通信するようなセンサ130が、キャビティ112内の圧力を検知し、キャビティ112内の正のゲージ圧が目標の正のキャビティ圧力レベルを含む閾値圧力レベル未満に低下することができる等の場合、圧力源850を再度作動させることができる。
【0195】
受動キャビティ逆止弁189は、負圧キャビティ逆止弁を含むことができる。一例では、作動流体をキャビティ112から負圧キャビティ逆止弁を通って圧力源850まで引き込む等のように、圧力源850を作動させて、キャビティ112内に負のゲージ圧をもたらすことができる。圧力源850がある期間にわたってオフにされる場合等、圧力源850の電源が切断された場合、キャビティ112内の負のゲージ圧を維持する等のために、負圧キャビティ逆止弁は閉鎖することができる。制御回路840又は圧力源850のうちの少なくとも一方と通信するようなセンサ130が、キャビティ112内の圧力を検知し、キャビティ112内の負のゲージ圧が目標の負のキャビティ圧力レベルを含む閾値圧力レベルを超えて上昇することができる等の場合、圧力源850を再度作動させることができる。
【0196】
キャビティ弁890は、キャビティ112内の目標キャビティ圧力範囲を達成する受動組合せキャビティ弁等の1つ又は複数の受動キャビティ逆止弁189の組合せを含むことができる。一例では、キャビティ弁890は、左受動組合せキャビティ弁890A又は右受動組合せキャビティ弁890Bのうちの少なくとも一方を含むことができる。目標キャビティ圧力範囲は、上位目標キャビティ圧力レベル及び下位目標キャビティ圧力レベルにより、上位目標キャビティ圧力レベルが下位目標キャビティ圧力レベルより大きいものであり得るように、規定することができる。一例では、受動組合せキャビティ弁は、上位目標キャビティ圧力レベルとして選択された第1クラッキング圧力を有するような第1受動キャビティ逆止弁と、下位目標キャビティ圧力レベルとして選択された第2クラッキング圧力を有するような第2受動キャビティ逆止弁とを含むことができる。
【0197】
受動組合せキャビティ弁は、圧力源850の不適切な又は予測されない動作から生じる過度な圧力を含む過度な正又は負の加えられた圧力からの患者の眼に対する損傷を防止する等のために、安全装置として使用することができる。一例では、正の目標キャビティ圧力レベルより10%、20%、30%、40%又は50%高いレベルを含む正の目標キャビティ圧力レベルより高いように選択された第1クラッキング圧力と、約0mmHgのゲージ圧で選択された第2クラッキング圧力とを有するような安全装置として動作する受動組合せキャビティ弁と連通するキャビティ112に、正のゲージ圧を加えることができる。この構成では、装置800は、第1クラッキング圧力による過度な正圧と第2クラッキング圧力による過度な負圧とから保護することができる。一例では、負の目標キャビティ圧力レベルより10%、20%、30%、40%又は50%低いレベルを含む負の目標キャビティ圧力レベルより低いように選択された第1クラッキング圧力と、約0mmHgのゲージ圧で選択された第2クラッキング圧力とを有するような安全装置として動作する受動組合せキャビティ弁と連通するキャビティ112に、負のゲージ圧を加えることができる。この構成では、装置800は、第1クラッキング圧力による過度な負圧と第2クラッキング圧力による過度な正圧とから保護することができる。
【0198】
受動組合せキャビティ弁は、圧力源850とキャビティ弁890のオリフィス領域(orifice area)とからの作動流体流量に基づいてキャビティ112の圧力を変更するような、計測デバイスとして使用することができる。一例では、受動組合せキャビティ弁は、p-Q曲線を含む圧力源850の体積-圧力特性等に基づき、キャビティ112内の圧力をもたらすように指定することができる。
【0199】
キャビティ弁890は、能動キャビティ弁を含むことができる。一例では、キャビティ弁890は、左制御弁890A又は右制御弁890Bのうちの少なくとも一方を含むことができる。能動キャビティ弁は、能動キャビティ弁を通る流量を制御する弁構成要素等の流量計測部分と、流量計測部分を調整するアクチュエータ構成要素等の作動部分とを含むことができる。一例では、能動キャビティ弁は、液圧作動流体又は空気圧作動流体のうちの少なくとも一方と使用されるように構成されたサーボ弁又は比例弁等のサーボ弁又は比例弁のうちの少なくとも一方を含むことができる。
【0200】
能動キャビティ弁は、キャビティ112と周囲環境との間の流体流量を制御する等のために、能動キャビティ弁の調整により、目標キャビティ圧力等のキャビティ112内の圧力を制御することができる。一例では、能動キャビティ弁は、キャビティ圧力が周囲環境より高い場合のキャビティ112から周囲環境への流体流、又は、キャビティ圧力が周囲環境より低い場合の周囲環境からキャビティ112内への流体流のうちの少なくとも一方を可能にするように調整することができる。
【0201】
能動キャビティ弁は、第1キャビティ圧力レベルから、第1キャビティ圧力レベルとは異なる第2キャビティ圧力レベルまで等、キャビティ112内の圧力を調整するように構成することができる。能動キャビティ弁は、制御回路140によって受信され且つ処理された検知された指標等の検知された指標に基づいてキャビティ112内の圧力を調整することができる。一例では、左能動キャビティ弁は、左IOPレベルの指標、CSFPレベルの指標、左TPDの指標等の左IOPとCSFPとの関係の指標、又は、全身血圧若しくは心拍数のうちの少なくとも一方等の心臓活動の指標のうちの少なくとも1つ等の左バイオセンサから受信した指標のうちの少なくとも1つに基づき、左キャビティ圧力の指標を調整するように構成することができる。一例では、右能動キャビティ弁は、右IOPレベルの指標、CSFPレベルの指標、右TPDの指標等の右IOPとCSFPとの関係の指標、又は、全身血圧若しくは心拍数のうちの少なくとも一方等の心臓活動の指標のうちの少なくとも1つ等の右バイオセンサから受信した指標のうちの少なくとも1つに基づき、右キャビティ圧力の指標を調整するように構成することができる。
【0202】
一例では、制御回路840は、左キャビティ112A内の目標キャビティ圧力を達成するように圧力源850又は左制御弁890Aのうちの少なくとも一方を調整すること等により、左キャビティ112A内のキャビティ圧力を制御することができる。たとえば、左制御回路140Aは、左バイオセンサによって検知された左眼内のIOPレベルの指標等、左センサ130Aからの受信した生理学的パラメータの指標からの指標に基づくフィードバック制御機構等の制御機構を含むとともに、受信した左IOPレベルの指標等の受信した生理学的パラメータに基づき左キャビティ112A内の目標キャビティ圧力レベルを達成するように、圧力源850又は左制御弁890Aのうちの少なくとも一方を調整する等のために、受信した生理学的パラメータを処理するように構成することができる。
【0203】
一例では、制御回路840は、右キャビティ112B内の目標キャビティ圧力を達成するように圧力源850又は右制御弁890Bのうちの少なくとも一方を調整すること等により、右キャビティ112B内のキャビティ圧力を制御することができる。たとえば、制御回路840は、右バイオセンサによって検知された右眼内のIOPレベルの指標等、右センサ130Bからの受信した生理学的パラメータの指標からの指標に基づくフィードバック制御機構等の制御機構を含むとともに、受信した右IOPレベルの指標等の受信した生理学的パラメータに基づき右キャビティ112B内の目標キャビティ圧力レベルを達成するように、圧力源850又は右制御弁890Bのうちの少なくとも一方を調整する等のために、受信した生理学的パラメータを処理するように構成することができる。
【0204】
装置800は、本明細書で前述したようなキャビティ逆止弁189と同様のキャビティ逆止弁189を含むことができる。一例では、キャビティ逆止弁189は、左受動キャビティ逆止弁等の左キャビティ逆止弁189A、又は右受動キャビティ逆止弁等の右キャビティ逆止弁189Bのうちの少なくとも一方を含むことができる。
【0205】
装置800は、キャビティ112と連通するキャビティリザーバー892等のキャビティリザーバー892を含むことができる。キャビティリザーバー892は、左キャビティリザーバー892A及び右キャビティリザーバー892Bのうちの少なくとも一方を含むことができる。
【0206】
キャビティリザーバー892は、目標キャビティ圧力を達成する装置800の能力を向上させる等のように、装置800におけるシステムエラスタンス(system elastance)の指標を調整する役割を果たすことができる。システムエラスタンスは、E=ΔP/ΔV等の所与の体積の変化に対する圧力の変化の比、又は、C=1/E=ΔV/ΔP等のシステムコンプライアンス(system compliance)の逆数のうちの少なくとも一方によって特徴付けることができる。一例では、システムエラスタンスの指標は、構成要素エラスタンスの指標と等価とすることができ、システムコンプライアンスの指標は、構成要素コンプライアンスの指標と等価とすることができる。「高」エラスタンスな流体システムは、体積変化の関数として急速な圧力変化があり得る流体システムを意味する。一例では、能動キャビティ弁は、目標キャビティ圧力の超過をもたらす低速なフィードバック応答等に起因して、高エラスタンスな装置800において目標キャビティ圧力に達成することができない可能性がある。システムエラスタンスを低下させるか又はシステムコンプライアンスを上昇させること等により、エラスタンスを調整することによって、フィードバック追跡誤差を最小限にするように体積変化に起因する圧力変化の率を低下させること等により、装置800の制御を改善することができる。
【0207】
キャビティリザーバー892は、流体アキュムレータ又は膨張室のうちの少なくとも一方を含むキャビティ112と連通する容積空間等の補助容積部を含むことができる。一例では、補助容積部は、患者眼に圧力を搬送するために必要な最小容積を超える、キャビティ112と流体連通する任意の構成要素等、キャビティ112の任意の追加の容積部として画定することができる。
【0208】
キャビティリザーバー892内の補助容積の量は、装置800を加圧しているときにシステム遅延及び誤差を変更するようにシステムエラスタンスを調整する等のように、選択することができる。補助容積は、第1補助容積レベルから第2補助容積に調整することができる。一例では、第2補助容積レベルは、システムエラスタンスを上昇させる等のために、第1補助容積レベルより小さくすることができる。システムエラスタンスを上昇させる際、圧力システム遅延を含む装置800に対するシステム遅延を低減させることができる。一例では、第2補助容積レベルは、システムエラスタンスを低下させる等のために、第1補助容積レベルより大きくすることができる。システムエラスタンスを低下させる際、圧力システム遅延を含む装置800に対するシステム遅延を増大させることができる。
【0209】
キャビティリザーバー892は、キャビティ112と連通している装置800の高コンプライアンス部分等の装置800の高コンプライアンス部分を含むことができる。高コンプライアンス部分は、キャビティ112又はキャビティ112と流体連通している任意の構成要素の最低コンプライアンス構成要素より高い構成要素コンプライアンスの変動率を実証する装置800の部分等のキャビティ112と流体連通している装置800の部分を含むことができる。構成要素コンプライアンスの変動率は、システムの最低コンプライアンス構成要素と比較して、約1%~約25%、約25%~約50%、約50%~約75%、又は約75%~約100%の範囲であり得る。
【0210】
高コンプライアンス部分は、システムの最低コンプライアンス構成要素より高い構成要素コンプライアンスの変動率を実証するキャビティ112と連通している装置800の部分等の弾性部分を含むことができる。一例では、弾性部分は、本明細書において前述したような可撓性隔膜等の膜を含むことができる。
【0211】
装置800は、本明細書において前述したような左制御回路140A及び右制御回路140Bを含む制御回路140と同様のシステム制御回路840を含むことができる。制御回路840は、左バイオセンサを含む左センサ130A等から、左眼環境の指標を受信し、受信した左IOPの指標等、受信した左眼環境の指標のうちの少なくとも1つに基づき、左制御弁890Aにより左キャビティ内の圧力を左目標IOPに向かって調整するように構成された左システム制御回路等の左システム制御回路を含むように構成することができる。制御回路140は、右バイオセンサを含む右センサ130A等から、右眼環境の指標を受信し、受信した右IOPの指標等、受信した右眼環境の指標のうちの少なくとも1つに基づき、右制御弁890Bにより右キャビティ内の圧力を右目標IOPに向かって調整するように構成された右システム制御回路等の右システム制御回路を含むように構成することができる。
【0212】
左制御回路は、左眼に関連する左経篩状板圧差(TPD)の指標を等化するように、左能動弁により左キャビティ112A内の左圧力を調整するように構成することができる。右制御回路は、右眼に関連する右経篩状板圧差(TPD)の指標を等化するように、右能動弁により右キャビティ内の右圧力を調整するように構成することができる。一例では、TPDの指標の等化は、TPDの指標を、第1左TPDレベルからより低い第2左TPDレベル又は第1右TPDレベルからより低い第2右TPDレベルのうちの少なくとも一方等、第1のTPDレベルからより低い第2のTPDレベルに低下させることを含むことができる。
【0213】
左制御回路は、左眼の左視神経における軸索輸送の指標を向上させるのに十分な左能動弁により左キャビティ内の左圧力を調整するように構成することができ、右制御回路は、右眼の右視神経における軸索輸送の指標を向上させるのに十分な右能動弁により右キャビティ内の右圧力を調整するように構成することができる。一例では、軸索輸送の指標の向上は、例えば、軸索輸送の速度を、第2軸索輸送レベルが第1軸索輸送レベルより高いものであり得る場合、第1軸索輸送レベルから第2軸索輸送レベルに上昇させる等、軸索輸送の速度を調整することを含むことができる。一例では、軸索輸送の指標の向上は、例えば、軸索輸送の速度を、第2軸索輸送レベルが第1軸索輸送レベルより低いものであり得る場合、第1軸索輸送レベルから第2軸索輸送レベルに低下させる等、軸索輸送の速度を調整することを含むことができる。
【0214】
装置800は、本明細書において前述したような圧力源150と同様の圧力源850を含むことができる。圧力源850は、左キャビティ112A又は右キャビティ112Bのうちの少なくとも一方等の装置800に非大気圧を加えるように構成することができる。一例では、圧力源850は、同時に左キャビティ112A及び右キャビティ112Bに等、左キャビティ112A及び右キャビティ112Bの両方を加圧するか又は他の方法でそれらに非大気圧を加えるように構成することができる。
【0215】
図9は、主圧力源、左圧力源又は右圧力源のうちの少なくとも1つにより、患者左眼の上の左眼環境又は患者右眼の上の右眼環境のうちの少なくとも一方等の患者眼の上の眼環境を制御することができる、装置例900の概略図を示す。
【0216】
装置900は、左圧力源150Aと同様の圧力源等の左圧力源950Aと、右圧力源150と同様の圧力源等の右圧力源950Bと連通している圧力源150と同様の圧力源等の主圧力源950を含むことができる。主圧力源950は、ポート951等において、周囲環境から作動流体を引き込むことができる。
【0217】
装置900は、主圧力源950、左圧力源950A又は右圧力源950Bのうちの少なくとも1つを含むような圧力源から、左カバー110Aの左キャビティ112A又は右カバー110Bの右キャビティ112Bのうちの少なくとも一方に作動流体流を向けるマニホールド(manifold)975を含むことができる。マニホールド975は、入口ポート979A及び出口ポート981Aを備える左カラム(left column)977Aと、入口ポート979B及び出口ポート981Bを備える右カラム977Bと、左カラム977A及び右カラム977Bと連通している中央カラム977Cとを含むことができる。マニホールド975は、左カラム977A内に入る左作動流体流を制御するように左入口ポート979Aに近接して位置する左制御弁983Aと、右カラム977Bに入る右作動流体流を制御するように右入口ポート979Bに近接して位置する右制御弁983と、左カラム977Aと右カラム977Bとの間の左作動流体流及び右作動流体流の流れを制御する、中央カラム977Cと連通している中央制御弁983Cとを含むサーボ弁又は比例弁を含む電気操作制御弁等の制御弁を含むことができる。
【0218】
装置900は、患者左眼及び患者右眼の上の眼環境の指標を制御することができ、たとえば、左キャビティ112A内の左圧力の指標の制御は、右キャビティ112B内の右圧力の指標から独立することができ、右キャビティ112B内の右圧力の指標は、左キャビティ112B内の左圧力の指標から独立することができる。一例では、左制御弁983A及び右制御弁983Bは、左制御弁983A及び右制御弁983Bを通る体積流を最大限にする等のために、開放状態となることができ、中央制御弁983Cは、右キャビティ112Bから左キャビティ112Aを隔離し、同様に左キャビティ112Aから右キャビティ112Bを隔離するように、中央制御弁983Cを通る体積流を阻止する等のために、閉鎖状態となることができる。左カラム977A及び右カラム977B内のおよそ等しい主体積流をもたらす等のために、装置900内に主体積流体流を発生させるように、主圧力源950を作動させることができる。主圧力源950は、左キャビティ112A及び右キャビティ112B内に正のゲージ圧又は負のゲージ圧のうちの少なくとも一方を発生させる等のように、動作させることができる。
【0219】
左カバー110A及び右カバー110Bの各々は、キャビティ112A、12Bに出入りする流体流を制御するような、シール119A、119Bを含むことができる。一例では、シール119A、119Bは、左キャビティ112A及び右キャビティ112Bに負のゲージ圧がかけられているとき等、左キャビティ112A及び右キャビティ112B内に周囲空気が入るのを制御することができる。一例では、シール119A、119Bは、左キャビティ112A及び右キャビティ112Bに正のゲージ圧がかけられているとき等、周囲環境に作動流体が出るのを制御することができる。シール透過性は、約0%透過性(たとえば、密閉)から約100%透過性の範囲までの範囲等で制御することができる。一例では、シール透過性は、約0%透過性~約25%透過性の範囲、約25%透過性~約50%透過性の範囲、約50%透過性~約75%透過性の範囲、又は約75%透過性~約100%透過性の範囲のうちの少なくとも1つ等のある範囲に制御することができる。
【0220】
シール透過性に対して、カバー-患者接触面、例えば患者と接触するシール面の特性を調整することによって作用することができる。患者と完全に接触している封止面等の平滑なシール面は、カバー110A、110Bと患者との間に密閉をもたらす等のように、患者眼の周囲に連続封止面を形成することができる。患者と完全には接触していない封止面等の非平滑面は、カバー110A、110Bと患者との間に半透過性シールをもたらす等のように、患者眼の周囲に半連続封止面を形成することができる。非平滑面は、合成皮革と、表面特徴部が形成されているエラストマー、たとえば、患者眼の周囲の連続封止面の形成を阻止するエラストマーの表面に形成された成形突起又は成形窪みのうちの少なくとも1つ又は複数等を備えたエラストマーとを含む、非平滑面仕上げがなされた材料によって形成された表面を含むことができる。
【0221】
シール透過性に対して、シール材料の多孔率、シール材料における細孔の径、又はシール材料における細孔径の分布のうちの少なくとも1つ等のシール材料の特性によって作用することができる。一例では、シール材料は、約0%多孔率~約100%多孔率の範囲等の指定された総多孔率で形成することができる。
【0222】
キャビティ112A、112B内の眼環境に対して、カバー110A、110Bの特徴部によって作用することができ、たとえば、カバー特徴部は、シール透過性の影響と同様の眼環境の変化に作用することができる。一例では、カバー特徴部は、キャビティ112を周囲環境と連通させるように、カバー110の外面187からカバー110の内面188まで延在することができる1つ又は複数の排気口等の排気口を含むことができる。
【0223】
眼環境の調整に対して、排気口全表面積を含む排気口表面積又はカバー110A、110Bにおける排気口の数のうちの少なくとも一方等の排気口の特性によって作用することができる。排気口表面積は、キャビティ112と周囲環境との間の流体交換の速度に影響を及ぼすことができ、たとえば、流体交換の速度は、排気口の表面積によって決まり得る。排気口の数は、流体交換の速度に影響を及ぼすことができ、たとえば、排気口の数は排気口総表面積に影響を及ぼすことができ、その場合、キャビティ112と周囲環境との間の流体交換の速度は、排気口の総表面積によって決まり得る。
【0224】
左キャビティ112A及び右キャビティ112B内の圧力は、装置900における主体積流体流に提示される抵抗を調整すること等によって変更することができる。一例では、左制御弁983A又は右制御弁983Bのうちの少なくとも一方の開放状態は、約0%開放~100%開放の範囲等で調整して、主体積流体流に対する抵抗を提示し、それにより、左カラム977A及び右カラム977Bにおける主体積流体流を調整することができる。その結果、左キャビティ112A及び右キャビティ112B内のゲージ圧は、左制御弁983A及び右制御弁983Bによって提示される開口面積に応じて変更することができる。
【0225】
装置900における総体積流体流を変化させること等により、左キャビティ112A及び右キャビティ112B内の圧力を変更することができる。一例では、左圧力源950Aに起因する左体積流体流と右圧力源950Bに起因する右体積流体流とを発生させるように、左圧力源950A及び右圧力源950Bを作動させることができる。左圧力源950A及び右圧力源950Bは独立して作動させることができ、たとえば、左圧力源950Aに起因する左体積流は、右圧力源950Bに起因する右体積流とは異なり得る。左圧力源950A及び右圧力源950Bの各々に加えられるエネルギーの量を調整する際、独立した左体積流及び右体積流により、左キャビティ112A内の左圧力の指標及び右キャビティ112B内の右圧力の指標の独立した制御を可能にすることができる。
【0226】
同様に、装置900は、患者左眼及び患者右眼の上の眼環境の指標を制御することができ、たとえば、左キャビティ112A内の左圧力の指標の制御は、右キャビティ112B内の右圧力の指標に依存することができ、右キャビティ112B内の右圧力の指標は、左キャビティ内の左圧力の指標に依存することができる。一例では、左キャビティ112Aを右キャビティ112Bと連通させるとともに右キャビティ112Bを左キャビティ112Aと連通させるように、中央制御弁983Cを、約0%開放~約100%開放の範囲等で開放することができる。左圧力源950A及び右圧力源950Bの各々に加えられるエネルギーの量を調整する際、独立した左体積流及び右体積流は、中央制御弁983Cを通って混合することができ、たとえば、左キャビティ112A内の左圧力は右圧力源950Bに依存することができ、右キャビティ112B内の右圧力は左圧力源950Aに依存することができる。一例では、左圧力源950Aに起因する左体積流又は右圧力源950Bに起因する右体積流のうちの少なくとも一方を絞るように、左制御弁983A及び右制御弁983Bを、約0%開放~約100%開放の範囲等で開放することができ、たとえば、左キャビティ112A内の左圧力は右圧力源950Bに依存することができ、右キャビティ112B内の右圧力は左圧力源950Aに依存することができる。
【0227】
図10は、患者左眼の上の左眼環境又は患者右眼の上の右眼環境のうちの少なくとも一方等、主圧力源950と連通している一方向弁により患者眼の上の眼環境を制御することができる第2装置例1000の概略図を示す。装置1000は、装置900と同様とすることができ、順方向における流体流は可能にすることができるが、逆方向における流体流は阻止する弁等の一方向弁1091を含むことができる。一方向弁1091は、主圧力源950と左圧力源950A及び右圧力源950Bとの間等、主圧力源950、左圧力源950A及び右圧力源950Bと連通するように位置することができる。
【0228】
一方向弁1091は、左キャビティ112A及び右キャビティ112Bに向かって順方向に向けることができる。主圧力源950を作動させる(たとえば、圧力源950を「オン」にする)と、一方向弁1091は、キャビティ112A、112B内に正のゲージ圧を発生させる等のために、主圧力源950から左キャビティ112A及び右キャビティ112B内への流れによって開放することができる。主圧力源950への電源を切断する(たとえば、圧力源950を「オフ」にする)と、一方向弁1091は、左キャビティ112A及び右キャビティ112B内の正のゲージ圧を維持する等のために、閉鎖することができる。装置900内への体積流を発生させる(たとえば、キャビティのゲージ圧は上昇することができる)ため、又は装置900から体積流を発生させる(たとえば、キャビティのゲージ圧は低下することができる)等のために、左圧力源950A及び右圧力源950Bを作動させることにより、左キャビティ112A及び右キャビティ112B内のゲージ圧を調整する、例えば、ゲージ圧を増減させるように調整することができる。
【0229】
一例では、左キャビティ112A内の左の正のゲージ圧及び右キャビティ112B内の右の正のゲージ圧は、主圧力源950により正のゲージ圧を生成するとともに、左キャビティ112A及び右キャビティ112B内の正のゲージ圧を維持及び隔離する等のように、制御弁983A、983B及び983Cを閉鎖すること等により、独立して調整することができる。左圧力源950A及び右圧力源950Bは、左キャビティ112A内の正のゲージ圧を右キャビティ112Bから独立して増減させる等のように、左キャビティ112A及び右キャビティ112B内のゲージ圧を調整するように独立して作動させることができる。
【0230】
一方向弁1091は、主圧力源950に向かって順方向に向けることができる。主圧力源950を作動させる(たとえば、圧力源950を「オン」にする)と、一方向弁1091は、キャビティ112A、112B内に負のゲージ圧を発生させる等のために、左キャビティ112A及び右キャビティ112Bから主圧力源950への流れによって開放することができる。主圧力源950への電源を遮断する(たとえば、圧力源950を「オフ」にする)と、一方向弁1091は、左キャビティ112A及び右キャビティ112B内の負のゲージ圧を維持する等のために、閉鎖することができる。
【0231】
一例では、左キャビティ112A内の左圧力及び右キャビティ112B内の右圧力は、主圧力源950により負のゲージ圧を生成するとともに、左キャビティ112A及び右キャビティ112B内の負のゲージ圧を維持及び隔離する等のように、制御弁983A、983B及び983Cを閉鎖すること等により、独立して調整することができる。左圧力源950A及び右圧力源950Bは、左キャビティ112A内の負のゲージ圧を右キャビティ112Bから独立して増減させる等のように、左キャビティ112A及び右キャビティ112B内のゲージ圧を調整するように独立して作動させることができる。
【0232】
図11は、主圧力源及び左制御弁890A又は右制御弁890Bのうちの少なくとも一方と連通している一方向弁1091により、患者左眼の上の左眼環境又は患者右眼の上の右眼環境のうちの少なくとも一方等の患者眼の上の眼環境を制御することができる、第3装置例1100の概略図を示す。装置1100は、装置1000と同様とすることができ、本明細書において前述したキャビティ弁890等、左制御弁890A及び右制御弁890Bを含むキャビティ弁890を含むことができる。
【0233】
左制御弁890Aは、左側ポート984Aにおいてマニホールド975に取り付けられる等、左キャビティ112Aと連通することができる。一例では、左側ポート984Aは、左側ポート984Aを左キャビティ112Aと連通させる等のように、カラム977Aと連通することができる。右制御弁890Bは、右側ポート984Bにおいてマニホールド975に取り付けられる等、右キャビティ112Aと連通することができる。一例では、右側ポート984Bは、右側ポート984Bを右キャビティ112Bと連通させる等のように、カラム977Bと連通することができる。
【0234】
装置100、600、800、900、1000又は1100のうちの少なくとも1つ等の装置を使用して、患者の眼疾患を治療、抑制又は予防することができる。眼疾患又は眼疾患の潜在的な存在に関与する患者等の患者に対して、診断レジメン又は治療レジメン等のプロセスを実施することができる。一例では、医療専門家によって患者を受け入れることができ、たとえば、患者は、眼疾患の検診、診断又は治療のうちの少なくとも1つを受けるために医療専門家との連絡を開始することができる。一例では、医療専門家によって患者を選択することができ、たとえば、患者は、眼疾患の検診、診断又は治療のうちの少なくとも1つを受けるために医療専門家から連絡を受けるか又は他の方法で招待を受けることができる。医療専門家による選択は、医療専門家による検査のために全人口から「リスクがある」患者を同定する基準等のスクリーニング基準に基づく選択を含むことができる。スクリーニング基準は、年齢、体重、ストレスレベル又は遺伝子マーカーを含む患者の生理学的パラメータ等の患者スクリーニング基準(又は、個々の患者に特定の基準)を含むことができる。スクリーニング基準は、患者の居住地、患者職業、又は眼疾患で特定される物質への潜在的な暴露等の環境的スクリーニング基準(又は、患者の生活環境に特定の基準)を含むことができる。
【0235】
眼疾患は、眼疾患のある患者の症状等の症状として現れる可能性がある。症状は、痛み、若しくは霧視を含む他の視覚の不調等の患者の不快感、又は、IOP、CSFP若しくは陥凹乳頭径比の異常な指標を含む異常な指標等の患者眼の生理学的状態を含むことができる。
【0236】
図12は、指標を受信し、受信した指標に基づき圧力源を調整する、装置100等の装置を使用する方法例1200を示す。装置100は、左カバー110Aと左眼の前面との間に左キャビティ112Aを画定するように患者の左眼の上に適合するようなサイズ及び形状である左カバーと、左キャビティ112Aと連通している、左キャビティ112A内の流体圧を調整するように構成された左圧力源150Aと、右カバー110Bであって、右カバー110Bと右眼の前面との間に右キャビティ112Bを画定するように患者の右眼の上に適合するようなサイズ及び形状である右カバー110Bと、右キャビティ112Bと連通している、右キャビティ112B内の流体圧を調整するように構成された右圧力源150Bとを含むことができ、左圧力源150Aは、右圧力源150Bから独立して左キャビティ112A内の流体圧を調整するように構成することができ、右圧力源150Bは、左圧力源150Aから独立して右キャビティ112B内の流体圧を調整するように構成することができる。
【0237】
1202において、装置100、例えば、左圧力源150Aおよび右圧力源150Bの少なくとも一方は、左センサ130Aで検知された左キャビティ112A内の左眼環境、若しくは右センサ130Bで検知された右キャビティ112B内の右眼環境等の眼環境の指標、左センサ130Aによって検知された患者左眼内の左眼内圧(IOP)、若しくは右センサ130Bによって検知された患者右眼内の右IOP等のIOPの指標、又は、左センサ130A若しくは右センサ130Bによって検知された患者内の脳脊髄液圧(CSFP)の指標を受信することができる。一例では、左圧力源150Aは、検知された左指標を受信するような、左制御回路140Aを含むことができ、右圧力源150Bは、検知された右指標を受信するような、右制御回路140Bを含むことができる。
【0238】
1204において、受信した指標のうちの少なくとも1つ等に基づき、左圧力源150A又は右圧力源150Bのうちの少なくとも一方を調整することができる。一例では、左圧力源150Aは、受信した左指標のうちの1つに基づいて、左キャビティ112A内の左非大気圧を発生させるように調整することができ、右圧力源150Bは、受信した右指標のうちの少なくとも1つに基づいて、右キャビティ112B内の右非大気圧を発生させるように調整することができる。
【0239】
一例では、左圧力源150Aは、左キャビティ112A内の左圧力の指標等の左眼環境の指標を受信することができ、左圧力源150Aは、受信した左キャビティ112A内の左圧力の指標等に基づいて、調整することができる。右圧力源150Bは、右キャビティ112A内の右圧力の指標等の右眼環境の指標を受信することができ、右圧力源150Bを、受信した右キャビティ112B内の右圧力の指標等に基づいて、調整することができる。
【0240】
一例では、左圧力源150Aは、左IOPセンサ等のセンサ130Aにより患者左眼から左IOPの指標を受信することができ、左圧力源150Aは、受信した患者左眼内の左IOPの指標等に基づいて、調整することができる。右圧力源150Bは、右IOPセンサ等のセンサ130Bにより患者右眼から右IOPの指標を受信することができ、右圧力源150Bを、受信した患者右眼内の右IOPの指標等に基づいて、調整することができる。
【0241】
一例では、左圧力源150Aは、左キャビティ112A内の左圧力の指標及び患者左眼からの左IOPの指標等の左眼環境の指標を受信することができる。それに続いて、左圧力源150Aを、受信した左キャビティ112A内の左圧力の指標及び受信した左眼内の左IOPの指標等に基づき、調整することができる。右圧力源150Bは、右キャビティ112A内の右圧力の指標等の右眼環境の指標を受信することができ、右圧力源150Bを、受信した右キャビティ112B内の右圧力の指標等に基づいて、調整することができる。右圧力源150Bは、右キャビティ112B内の右圧力の指標及び患者右眼からの右IOPの指標等の右眼環境の指標を受信することができる。それに続いて、右圧力源150Bを、受信した右キャビティ112B内の右圧力の指標及び受信した右眼内の右IOPの指標等に基づき、調整することができる。
【0242】
一例では、左圧力源150Aは、左制御回路140A等により、左IOPの指標及びCSFPの指標を受信することができる。左制御回路140Aは、左経篩状板圧差(TPD)の指標を形成する等のように、受信した指標を処理することができる。それに続き、左圧力源150Aは、受信した左TPDの指標に基づき左TPDの指標を等化する等のように、調整することができる。右圧力源150Bは、右制御回路140B等により、右IOPの指標及びCSFPの指標を受信することができる。右制御回路140Bは、右経篩状板圧差(TPD)の指標を形成する等のように、受信した指標を処理することができる。それに続き、右圧力源150Bは、受信した右TPDの指標に基づき右TPDの指標を等化する等のように、調整することができる。
【0243】
TPDの指標の等化は、TPDの指標を第1のTPDレベルからより低いTPDレベルに低下させる等、TPDの指標を変化させることを含むことができる。
図13は、装置を使用して、指標を検知し、検知した指標に基づいて弁を調整する方法例1300を示す。装置は、装置100、装置600、装置800、又は上述した装置の構成要素の組合せのうちの少なくとも1つを含むことができる。装置は、左キャビティ112Aと連通する、左キャビティ112A内の左圧力の指標を検知する左圧力センサを含む左センサ130A、右キャビティ112Bと連通する、右キャビティ112B内の右圧力の指標を検知する右圧力センサを含む右センサ130B、および冗長センサを含むシステムセンサと、システムセンサと通信する、左圧力の指標又は右圧力の指標のうちの少なくとも一方を受信及び処理するように構成されたシステム制御回路640と、左キャビティ112Aと連通するとともにシステム制御回路640と通信する左制御弁890Aと、右キャビティ112Bと連通するとともにシステム制御回路640と通信する右制御弁890Bとを含むことができる。
【0244】
1302において、装置は、左圧力の指標及び右圧力の指標等の指標圧力を検知することができる。左キャビティ112A及び右キャビティ112Bは、圧力源850により、正又は負の非大気圧レベル等に加圧することができる。装置は、システムセンサによる圧力の指標等の眼環境の指標を検知することができる。一例では、装置は、左圧力センサにより左キャビティ112A内の左圧力の指標を検知するとともに、右圧力センサにより右キャビティ112B内の右圧力の指標を検知することができる。
【0245】
1304において、装置は、検知された左圧力の指標及び検知された右圧力の指標等の検知された圧力の指標に基づき、弁を調整することができる。左キャビティ112Aと連通している左制御弁890A等の左弁は、検知された左キャビティ112A内の左圧力の指標等に基づいて調整することができる。左制御弁890Aを調整する際、左キャビティ112A内の圧力は、左キャビティ112A内の目標キャビティ圧力を達成する等のように、変化させることができる。右キャビティ112Bと連通している右制御弁890B等の右弁は、検知された右キャビティ112B内の右圧力の指標等に基づいて調整することができる。右制御弁890Bを調整する際、右キャビティ112A内の圧力は、右キャビティ112B内の目標キャビティ圧力を達成する等のように、変化させることができる。
【0246】
一例では、左センサ130Aは、システム制御回路640と通信する、左眼内の左眼内圧(IOP)の指標又は患者内の脳脊髄液圧(CSFP)の指標のうちの少なくとも一方を検知するように構成された左バイオセンサを含むことができる。左キャビティ112Aと連通している左制御弁890A等の左弁は、検知された左キャビティ112A内の左圧力の指標、検知された左IOPの指標、又は検知されたCSFPの指標のうちの少なくとも1つ等に基づいて、調整することができる。左制御弁890Aを調整する際、左キャビティ112A内の圧力は、左圧力を左目標IOPレベルに向かって変化させるように調整することができ、たとえば、左キャビティ112A内の左圧力は、受信した左IOPの指標に基づき、左眼内の左目標IOPレベルを含む左IOPレベルを達成するように調整することができる。
【0247】
一例では、右センサ130Bは、システム制御回路640と通信する、右眼内の右眼内圧(IOP)の指標又は患者内の脳脊髄液圧(CSFP)の指標のうちの少なくとも一方を検知するように構成された右バイオセンサを含むことができる。右キャビティ112Bと連通している右制御弁890B等の右弁は、検知された左キャビティ112A内の右圧力の指標、検知された右IOPの指標、又は検知されたCSFPの指標のうちの少なくとも1つ等に基づいて、調整することができる。右制御弁890Bを調整する際、右キャビティ112B内の圧力は、右圧力を右目標IOPレベルに向かって変化させるように調整することができ、たとえば、右キャビティ112B内の右圧力は、受信した右IOPの指標に基づき、右眼内の右目標IOPレベルを含む右IOPレベルを達成するように調整することができる。
【0248】
一例では、能動左弁の調整は、左眼に関連する左経篩状板圧差(TPD)の指標を等化する等のように、左キャビティ112A内の左圧力を変化させるように能動左弁を調整することを含むことができる。能動右弁の調整は、右眼に関連する右経篩状板圧差(TPD)の指標を等化する等のように、右キャビティ112B内の右圧力を変化させるように能動右弁を調整することを含むことができる。TPDの指標の等化は、TPDの指標を第1のTPDレベルからより低い第2のTPDレベルに低下させる等、TPDの指標を変化させることを含むことができる。
【0249】
一例では、能動左弁の調整は、左眼の左視神経における軸索輸送の指標を向上させるのに十分な左圧力を達成する等のように、左キャビティ112A内の左圧力を変化させるように能動左弁を調整することを含むことができる。能動右弁の調整は、右眼の右視神経における軸索輸送の指標を向上させるのに十分な右圧力を達成する等のように、右キャビティ112B内の右圧力を変化させるように能動右弁を調整することを含むことができる。
【0250】
図14は、装置を使用して指標を検知するとともにキャビティに加えられる圧力を制限する方法例1400を示す。装置は、装置100、装置600、装置800、又は上述した装置の構成要素の組合せのうちの少なくとも1つを含むことができる。装置は、患者左眼の上に位置する左キャビティ112A及び患者右眼の上に位置する右キャビティ112Bと連通している圧力源150と、左キャビティ内の左眼環境の指標を検知する左キャビティセンサ130、右キャビティ内の右眼環境の指標を検知する右キャビティセンサ130B、及び左眼環境の指標と右眼環境の指標との関係を検知する冗長センサ732を含むシステムセンサとを含むことができる。
【0251】
1402において、装置は、左圧力の指標及び右圧力の指標等の指標圧力を検知することができる。左キャビティ112A及び右キャビティ112Bは、圧力源850により、正又は負の非大気圧レベル等に加圧することができる。装置は、システムセンサによる圧力の指標等の眼環境の指標を検知することができる。一例では、装置は、左圧力センサにより左キャビティ112A内の左圧力の指標を検知するとともに、右圧力センサにより右キャビティ112B内の右圧力の指標を検知することができる。
【0252】
1404において、装置は、左キャビティ112A及び右キャビティ112B等に加えられる圧力を制限することができる。キャビティ112内の作動流体圧を制限するように、受動弁等の弁890を、弁のクラッキング圧力を含む弁890の特性等に基づき、選択することができる。左キャビティ112Aに加えられる圧力の制限は、左キャビティ112A内で左眼に加えられる左圧力を制限する等のように、左キャビティ112Aに連通している受動左弁等の左制御弁890Aを選択すること、又は、左受動弁に関連する左クラッキング圧力を選択することのうちの少なくとも1つを含むことができる。左クラッキング圧力は、左目標キャビティ圧力レベル等の左目標圧力を含むように選択することができる。右キャビティ112Bに加えられる圧力の制限は、右キャビティ112B内で右眼に加えられる右圧力を制限する等のように、右キャビティ112Bに連通している受動右弁等の右制御弁890Bを選択すること、又は、右受動弁に関連する右クラッキング圧力を選択することのうちの少なくとも1つを含むことができる。右クラッキング圧力は、右目標キャビティ圧力レベル等の右目標圧力を含むように選択することができる。
【0253】
キャビティ112内の作動流体圧を制限する等のために、キャビティ112と連通している能動弁等の弁890を選択することができる。左キャビティ112Aに加えられる圧力の制限は、左圧力センサを含む左センサ130Aによって検知された左キャビティ112A内の左圧力の指標等に基づき、能動左弁を開放することを含むことができる。左キャビティ112A内の左圧力の指標は、左キャビティ112A内の左圧力の指標と、左キャビティ112A内の最大圧力レベル又は最小圧力レベルのうちの少なくとも一方等の左安全圧力レベルとの差の指標を含むことができる。右キャビティ112Bに加えられる圧力の制限は、右圧力センサを含む右センサ130Bによって検知された右キャビティ112B内の右圧力の指標等に基づき、能動右弁を開放することを含むことができる。右キャビティ112B内の右圧力の指標は、右キャビティ112B内の右圧力の指標と、右キャビティ112A内の最大圧力レベル又は最小圧力レベルのうちの少なくとも一方等の右安全圧力レベルとの差の指標を含むことができる。
【0254】
圧力源150は、キャビティ112内の作動流体圧を制限する等のように調整することができる。圧力源150の動作の調整は、圧力源150によってもたらされた作動流体流量の指標を調整すること等により、キャビティ112内の圧力を調整することを含むことができる。作動流体流量の指標は、ポンプの作動流体流量に影響を及ぼすようにポンプの速度を増減させる等、圧力源150の動作を変化させることを含むことができる。左キャビティ112Aに加えられる圧力の制限は、左キャビティ112A内の左圧力、又は左キャビティ112A内の左圧力の指標と左安全圧力レベルとの差のうちの少なくとも一方等に基づき、左圧力源150Aの動作を調整することを含むことができる。右キャビティ112Bに加えられる圧力の制限は、右キャビティ112B内の右圧力、又は右キャビティ112B内の右圧力の指標と右安全圧力レベルとの差のうちの少なくとも一方等に基づき、右圧力源150Bの動作を調整することを含むことができる。
【0255】
さまざまな注記及び例
上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付図面への参照を含む。図面は、本発明を実施することができる所定の実施形態を例示として示す。これらの実施形態は、本明細書では「例」とも呼ぶ。こうした例は、図示又は記載したものに加えて要素を含むことができる。しかしながら、本発明者らは、図示又は記載した要素のみが提供される例も企図する。さらに、本発明者らは、本明細書に図示若しくは記載した特定の例(又は、その1つ若しくは複数の態様)に関して、又は他の例(又は、その1つ若しくは複数の態様)に関して、図示若しくは記載した要素(又は、その1つ若しくは複数の態様)の任意の組合せ又は置換を用いる例も企図する。
【0256】
本明細書と参照により本明細書に援用される任意の文献との間に矛盾する使用法がある場合、本明細書における使用法を優先する。
本明細書において、「1つの(a、an)」という用語は、特許文献において一般的であるように、「少なくとも1つの」又は「1つ又は複数の」という他のいかなる例又は使用法とも無関係に、1つ又は2つ以上を含むように使用している。本明細書において、「又は」という用語は、排他的論理和を指すように使用しており、「A又はB」は、別段の指示がない限り、「AであるがBではない」、「BであるがAではない」及び「Aであり且つBである」を含む。本明細書において、「含む(including)」及び「その中で(in which)」という用語は、「備える(comprising)」及び「そこで(wherein)」というそれぞれの用語の平易な英語の同義語として使用している。また、以下の特許請求の範囲において、「含む(including)」及び「備える(comprising)」という用語は、限定的ではなく(open-ended)、すなわち、ある請求項において、そうした用語の後に記載されるものに加えて要素を含むシステム、デバイス、物品、組成物、配合物又はプロセスは、依然として、その請求項の範囲内にあるとみなされる。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1」、「第2」及び「第3」等の用語は、単にラベルとして使用され、それらの対象物に対して数値的な要件を課すようには意図されていない。
【0257】
本明細書に記載する方法例は、少なくとも一部には機械又はコンピュータによって実装され得る。いくつかの例は、上記例に記載したような方法を実行するように電子装置を構成するように動作可能な命令で符号化されたコンピュータ可読媒体又は機械可読媒体を含むことができる。こうした方法の実装は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、より高水準の言語コード等のコードを含むことができる。こうしたコードは、さまざまな方法を実行するコンピュータ可読命令を含むことができる。コードは、コンピュータプログラム製品の一部を形成することができる。さらに、一例では、コードは、実行中又は他の時点等で、1つ又は複数の揮発性、非一時的又は不揮発性の有形コンピュータ可読媒体に有形に格納することができる。これらの有形コンピュータ可読媒体の例としては、限定されないが、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、リムーバブル光ディスク(たとえば、コンパクトディスク及びデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカード又はメモリスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)等を挙げることができる。
【0258】
図15は、制御回路140として使用することができる計算機例1500のブロック図例を示す。方法は、制御回路140において実装することができる。制御回路140は、本明細書において考察した技法又は方法のうちの任意の1つ又は複数を実施することができる計算機1500を含むことができる。機械1500は、ローカル若しくはリモートコンピュータ、又はスマートフォン、タブレット又はウェアラブルデバイス等のオンザゴー(on-the-go : OTG)デバイスにおける処理ノードであり得る。機械1500は、スタンドアロンデバイスとして動作することができ、又は他の機械に接続され(たとえば、ネットワーク化され)得る。一例では、機械は、装置100、例えば装置100の任意の構成要素に直接結合するか又は一体化することができる。プロセッサ1502が装置100に直接結合される場合、軽量且つフレキシブルなデバイス(たとえば、表示デバイス、UIナビゲーションデバイス等)を提供するために、機械1500のいくつかの構成要素を省略することができる。ネットワーク化配置では、機械1500は、サーバ-クライアントネットワーク環境において、サーバマシン、クライアントマシン又は両方の能力で動作することができる。一例では、機械1500は、ピアツーピア(P2P)(又は他の分散型)ネットワーク環境におけるピアマシンとして機能することができる。機械1500は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、ネットワークルータ、スイッチ若しくはブリッジ、又は、その機械によって実施されるべき動作を指定する命令(順次又は他の方法)で実行することができる任意の機械であり得る。一例では、機械1500は、本明細書を通して開示した機能及び方法を実行することができるプリント回路基板等の目的に合うように設計された回路を含むことができる。さらに、単一の機械のみを例示するが、「機械」という用語は、クラウドコンピューティング、サービスとしてのソフトウェア(software as a service : SaaS)、他のコンピュータクラスタ構成等、本明細書において考察した方法論のうちの任意の1つ又は複数を実施する命令の1つのセット(又は複数のセット)を個々に又は一緒に実行する機械の任意の集まりを含むようにも解釈することができる。
【0259】
本明細書に記載したような例は、ロジック若しくは複数のコンポーネント、又は機構を含むことができ、又はそうしたものによって動作することができる。回路は、ハードウェアを含む有形エンティティで実装される回路(たとえば、単純回路、ゲート、ロジック等)の集まりを含むことができる。回路構成のメンバーシップは、時間及び基礎をなすハードウェアの変動性にわたって柔軟であり得る。回路構成は、動作している間に指定された動作を単独で又は組み合わせて実施することができるメンバーを含む。一例では、回路構成のハードウェアは、所定の動作を実行するように不変に設計され(たとえば、配線され)得る。一例では、回路構成のハードウェアは、所定の動作の命令を符号化するように物理的に変更されたコンピュータ可読媒体(たとえば、不変質量の粒子の磁気的に、電気的に、可動な配置等)を含む、可変に接続された物理的コンポーネント(たとえば、実行ユニット、トランジスタ、単純回路等)を含むことができる。物理的コンポーネントを接続する際、ハードウェア構成要素の基礎をなす電気的特性は、たとえば、絶縁体から導電体に又はその逆に変更される。命令により、組込みハードウェア(たとえば、実行ユニット又はローディング機構)は、動作時に所定の動作のいくつかの部分を実行するように可変接続を介してハードウェアの回路構成のメンバーを生成することができる。したがって、コンピュータ可読媒体は、デバイスが動作している時、回路構成の他のコンポーネントに通信可能に結合される。一例では、物理的コンポーネントのうちの任意のものを、2つ以上の回路構成の2つ以上のメンバーで使用することができる。たとえば、動作中、実行ユニットは、1つの時点で第1回路構成の第1回路で使用し、異なる時点で第1回路構成の第2回路により、又は第2回路構成の第3回路により再使用することができる。
【0260】
機械(たとえば、コンピュータシステム)1500は、ハードウェアプロセッサ1502(たとえば、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)、ハードウェアプロセッサコア又はそれらの任意の組合せ)と、メインメモリ1504と、スタティックメモリ1506とを含むことができ、それらのうちのいくつか又はすべてが、相互リンク(たとえば、バス)1508を介して互いに通信することができる。機械1500は、表示ユニット1510、英数字入力デバイス1512(たとえば、キーボード)、及びユーザインタフェース(UI)ナビゲーションデバイス1514(たとえば、マウス)をさらに含むことができる。一例では、表示ユニット1510、入力デバイス1512及びUIナビゲーションデバイス1514は、タッチスクリーンディスプレイであり得る。機械1500は、記憶デバイス(たとえば、ドライブユニット)1516、信号生成デバイス1518(たとえば、スピーカ)、ネットワークインタフェースデバイス1520、及び、全地球測位システム(GPS)センサ、コンパス、加速度計又は他のセンサ等の1つ又は複数のセンサ1521をさらに含むことができる。一例では、例えばセンサ130を含むセンサ1521は、上述したように、ウェアラブル支援装置ベースのセンサ及び環境センサを含むことができる。機械1500は、1つ又は複数の周辺デバイス(たとえば、プリンタ、カードリーダ等)と通信するか又はそれらを制御するために、シリアル(たとえば、ユニバーサルシリアルバス(USB))、パラレル、又は他の有線若しくは無線(たとえば、赤外線(IR)、近距離無線通信(NFC)等)接続等の出力コントローラ1528を含むことができる。
【0261】
記憶デバイス1516は、機械可読媒体1522を含むことができ、そこに、本明細書に記載した技法又は機能のうちの任意の1つ又は複数を具現化するか又はそうしたものによって利用されるデータ構造又は複数の命令1524(たとえば、ソフトウェア)の1つ又は複数のセットが格納される。複数の命令1524は、機械1500によるそれらの実行中に、メインメモリ1504内に、スタティックメモリ1506内に、又はハードウェアプロセッサ1502内に、完全に又は少なくとも部分的に存在し得る。一例では、ハードウェアプロセッサ1502、メインメモリ1504、スタティックメモリ1506又は記憶デバイス1516のうちの1つ又は任意の組合せが、機械可読媒体を構成することができる。
【0262】
機械可読媒体1522は、単一媒体として例示するが、「機械可読媒体」という用語は、1つ又は複数の命令1524を格納するように構成された単一の媒体又は複数の媒体(たとえば、集中型若しくは分散型データベース、又は関連するキャッシュ及びサーバ)を含むことができる。
【0263】
「機械可読媒体」という用語は、機械1500によって実行される命令を格納、符号化又は担持することができ、機械1500に、本開示の技法のうちの任意の1つ又は複数を実施させるか、又は、こうした命令によって使用されるか若しくはこうした命令に関連するデータ構造を格納、符号化又は担持することができる、任意の媒体を含むことができる。非限定的な機械可読記憶媒体としては、固体メモリ、並びに光及び磁気媒体を挙げることができる。一例では、質量のある機械可読媒体は、不変(たとえば、静止)質量を有する複数の粒子を有する機械可読媒体を含む。したがって、質量のある機械可読媒体は、一時的な伝播信号ではない。質量のある機械可読媒体の所定の例としては、半導体メモリデバイス(たとえば、電気的プログラム可能リードオンリメモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能リードオンリメモリ(EEPROM))及びフラッシュメモリデバイス等の不揮発性メモリ、内蔵ハードディスク及びリムーバブルディスク等の磁気ディスク、光磁気ディスク、並びにCD-ROM及びDVD-ROMディスクを挙げることができる。
【0264】
複数の命令1524はさらに、複数の転送プロトコル(たとえば、フレームリレー、インターネットプロトコル(IP)、伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)等)のうちの任意の1つを利用するネットワークインタフェースデバイス1520を介して、伝送媒体を使用して通信ネットワーク1526を介して送受信することができる。通信ネットワーク例としては、とりわけ、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、パケットデータネットワーク(たとえば、インターネット)、携帯電話網(たとえば、セルラネットワーク)、基本電話サービス(Plain Old Telephone : POTS)網、無線データネットワーク(たとえば、Wi-Fi(登録商標)として知られる米国電気電子学会(IEEE)802.11規格ファミリ、WiMax(登録商標)として知られるIEEE802.16規格ファミリ)、IEEE802.15.4規格ファミリ、ピアツーピア(P2P)ネットワークが挙げられる。一例では、ネットワークインタフェースデバイス1520は、通信ネットワーク1526に接続するための1つ若しくは複数の物理的ジャック(たとえば、イーサネット(Ethernet)ジャック、同軸ジャック又は電話ジャック)又は1つ若しくは複数のアンテナを含むことができる。一例では、ネットワークインタフェースデバイス1520は、単入力多出力(single-input multiple-output : SIMO)、多入力多出力(multiple-input multiple-output : MIMO)又は多入力単出力(multiple-input single-output : MISO)技法のうちの少なくとも1つを使用して無線通信するための複数のアンテナを含むことができる。「伝送媒体」という用語は、機械1500によって実行される複数の命令を格納、符号化又は担持することができる任意の無形媒体を含むものと解釈され、及び、こうしたソフトウェアの通信を容易にするデジタル若しくはアナログ通信信号又は他の無形媒体を含む。
【0265】
上記説明は、限定的ではなく例示的なものであるように意図されている。たとえば、上述した例(又は、その1つ若しくは複数の態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。上記説明を検討した当業者等により、他の実施形態を使用することができる。要約書は、読者が本技術的開示の性質を迅速に確認することができるように、米国特許法施行規則第1.72(b)に準拠して提供される。要約書は、特許請求の範囲又は意味を解釈又は限定するために使用されないと理解した上で提出される。また、上記詳細な説明において、本開示を簡素化するためにさまざまな特徴を併せてグループ化している場合がある。これは、請求項に係らない開示した特徴がいかなる請求項にも必須であることを意図するものとして解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示した実施形態のすべてには満たない特徴にあり得る。したがって、以下の特許請求の範囲は、例又は実施形態として詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、別個の実施形態として自立し、こうした実施形態がさまざまな組合せ又は置換で互いに組み合わせることができることが企図されている。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を、こうした特許請求の範囲に権利が与えられる均等物の完全な範囲とともに参照することにより、決定されるべきである。
本開示に含まれる技術的思想を以下に記載する。
(付記1)
装置であって、
左カバーと患者の左眼の前面との間に左キャビティを画定するように前記左眼の上に適合するようなサイズ及び形状である前記左カバーと、
前記左キャビティと連通し且つ前記左キャビティ内の流体圧を調整するように構成された左圧力源と、
右カバーと患者の右眼の前面との間に右キャビティを画定するように前記右眼の上に適合するようなサイズ及び形状である前記右カバーと、
前記右キャビティと連通し且つ前記右キャビティ内の流体圧を調整するように構成された右圧力源と、
前記左圧力源および前記右圧力源のうちの少なくとも一方に接続された制御回路であって、前記システム制御回路は、前記左圧力源が前記右圧力源から独立して前記左キャビティ内の流体圧を調整することができ、前記右圧力源が前記左圧力源から独立して前記右キャビティ内の流体圧を調整することができるように構成されている、前記制御回路と、を備える、装置。
(付記2)
前記左キャビティと連通し且つ前記左キャビティ内の左眼環境の指標を検知する左キャビティセンサと、
前記右キャビティと連通し且つ前記右キャビティ内の右眼環境の指標を検知する右キャビティセンサと、
前記左眼環境の指標、前記右眼環境の指標、および前記左眼環境の指標と前記右眼環境の指標との関係の指標のうちの少なくとも1つを検知するように構成された冗長センサと、
を含むシステムセンサを備える付記1に記載の装置。
(付記3)
前記左キャビティセンサが、前記左キャビティ内の左圧力の指標を検知する左圧力センサを含み、
前記右キャビティセンサが、前記右キャビティ内の右圧力の指標を検知する右圧力センサを含み、
前記冗長センサが、前記左眼環境の指標と前記右眼環境の指標との関係の指標を検知する冗長センサを含む、付記2に記載の装置。
(付記4)
前記冗長センサが、左差動圧力センサによる前記左キャビティ内の左圧力の指標と右差動圧力センサによる前記右キャビティ内の右圧力の指標との差を検知するように構成された差動圧力センサを含む、付記2に記載の装置。
(付記5)
前記冗長センサが、左差動信号センサによる前記左キャビティセンサからの左圧力の指標と右差動信号センサによる前記右キャビティセンサからの右圧力の指標との差を検知するように構成された差動信号センサを含む、付記2に記載の装置。
(付記6)
前記システム制御回路が、前記左キャビティ内の前記左眼環境の指標、前記右キャビティ内の前記右眼環境の指標、および前記左眼環境と前記右眼環境との関係の指標のうちの少なくとも1つを受信及び処理するように構成されている、付記2に記載の装置。
(付記7)
前記システム制御回路が、
前記左圧力源に結合され、且つ前記左眼環境の指標、および前記左眼環境と前記右眼環境との関係の指標のうちの少なくとも一方を受信及び処理することができる左制御回路と、
前記右圧力源と通信し、且つ前記右眼環境の指標、および前記左眼環境と前記右眼環境との関係の指標のうちの少なくとも一方を受信及び処理することができる右制御回路と、を含む、付記6に記載の装置。
(付記8)
前記左制御回路が、前記左キャビティ内の左目標キャビティ圧力に向かって前記左キャビティ内に非大気圧を発生させるように前記左圧力源を調整するように構成された左制御回路を含み、
前記右制御回路が、前記右キャビティ内の右目標キャビティ圧力に向かって前記右キャビティ内に非大気圧を発生させるように前記右圧力源を調整するように構成された右制御回路を含む、付記7に記載の装置。
(付記9)
前記左制御回路と通信し且つ前記左眼内の左眼内圧(IOP)の指標、および前記患者内の脳脊髄液圧(CSFP)の指標のうちの少なくとも一方を検知するように構成された左バイオセンサと、
前記右制御回路と通信し且つ前記右眼内の右IOPの指標、および前記患者内のCSFPの指標のうちの少なくとも一方を検知するように構成された右バイオセンサと、を含む付記7に記載の装置。
(付記10)
前記左制御回路が、前記左IOPの指標を受信し、前記受信した左IOPの指標に基づき左目標IOPレベル[G]に向かって非大気圧を発生させるように前記左圧力源を調整するように構成された左制御回路を含み、
前記右制御回路が、前記右IOPの指標を受信し、前記受信した右IOPの指標に基づき右目標IOPレベル[G]に向かって非大気圧を発生させるように前記右圧力源を調整するように構成された右制御回路を含む、付記9に記載の装置。
(付記11)
前記左目標IOPレベルに向かって非大気圧を発生させるように構成された前記左制御回路が、前記左眼内における約10mmHg~約21mmHgの範囲の前記左目標IOPレベルを含み、
前記右目標IOPレベルに向かって非大気圧を発生させるように構成された前記右制御回路が、前記右眼内における約10mmHg~約21mmHgの範囲の前記右目標IOPレベルを含む、付記10に記載の装置。
(付記12)
前記左制御回路が、前記左眼に関連する左経篩状板圧勾配(TLPG)の指標を等化するように前記左キャビティ内に非大気圧を発生させるように前記左圧力源を調整するように構成された左制御回路を含み、前記左TLPGの指標を等化することが、前記左TLPGの指標を第1左TLPGレベルからより低い第2左TLPGレベルに低下させることを含み、
前記右制御回路が、前記右眼に関連する右TLPGの指標を等化するように前記右キャビティ内に非大気圧を発生させるように前記右圧力源を調整するように構成された右制御回路を含み、前記右TLPGの指標を等化することが、前記右TLPGの指標を第1右TLPGレベルからより低い第2右TLPGレベルに低下させることを含む、付記9に記載の装置。
(付記13)
前記左制御回路が、前記左眼の左視神経における軸索輸送の指標を向上させるように前記左キャビティ内に非大気圧を発生させるように前記左圧力源を調整するように構成された左制御回路を含み、
前記右制御回路が、前記右眼の右視神経における軸索輸送の指標を向上させるように前記右キャビティ内に非大気圧を発生させるように前記右圧力源を調整するように構成された右制御回路を含み、
軸索輸送の指標を向上させることが、軸索輸送の速度を第1軸索輸送レベルからより高い第2軸索輸送レベルまで上昇させることを含む、付記9に記載の装置。
(付記14)
前記左制御回路が、前記左眼の眼疾患を治療、抑制又は予防するように前記左キャビティ内に非大気圧を発生させるように前記左圧力源を調整するように構成された左制御回路を含み、
前記右制御回路が、前記右眼の眼疾患を治療、抑制又は予防するように前記右キャビティ内に非大気圧を発生させるように前記右圧力源を調整するように構成された右制御回路を含む、付記9に記載の装置。
(付記15)
前記左キャビティと連通し且つ前記左キャビティ内の左圧力を左クラッキング圧力に制限するように構成された左受動キャビティ逆止弁と、前記右キャビティと連通し且つ前記右キャビティ内の右圧力を右クラッキング圧力に制限するように構成された右受動キャビティ逆止弁とを備える付記1に記載の装置。
(付記16)
装置を使用する方法であって、前記装置が、左カバーと患者の左眼の前面との間に左キャビティを画定するように前記左眼の上に適合するようなサイズ及び形状である前記左カバーと、前記左キャビティと連通し且つ前記左キャビティ内の流体圧を調整するように構成された左圧力源と、右カバーと患者の右眼の前面との間に右キャビティを画定するよう前記右眼の上に適合するようなサイズ及び形状である右カバーと、前記右キャビティと連通し且つ前記右キャビティ内の流体圧を調整するように構成された右圧力源とを備え、前記左圧力源が、前記右圧力源から独立して前記左キャビティ内の流体圧を調整するように構成され、前記右圧力源が、前記左圧力源から独立して前記右キャビティ内の流体圧を調整するように構成されている、前記方法において、
前記装置により、左眼環境の指標、右眼環境の指標、前記左眼内の左眼内圧(IOP)の指標、前記右眼内の右IOPの指標、および前記患者内の脳脊髄液圧(CSFP)の指標のうちの少なくとも1つを受信するステップと、
前記受信された指標のうちの少なくとも1つに基づいて前記左キャビティ内に非大気圧を発生させるように前記左圧力源、および前記受信された指標のうちの少なくとも1つに基づいて前記右キャビティ内に非大気圧を発生させるように前記右圧力源のうちの少なくとも一方を調整するステップと、を備える方法。
(付記17)
指標を受信するステップが、左圧力源の指標を含む前記左眼環境の指標を受信することを含み、前記圧力源を調整するステップが、前記左キャビティ圧力の指標に基づき前記左圧力源を調整することを含み、
指標を受信するステップが、右圧力源の指標を含む前記右眼環境の指標を受信することを含み、前記圧力源を調整するステップが、前記右キャビティ圧力の指標に基づき前記右圧力源を調整することを含む、付記16に記載の方法。
(付記18)
指標を受信するステップが、前記左IOPの指標を受信することを含み、前記圧力源を調整するステップが、前記左IOPの指標に基づき前記左圧力源を調整することを含み、
指標を受信するステップが、前記右IOPの指標を受信することを含み、前記圧力源を調整するステップが、前記右IOPの指標に基づき前記右圧力源を調整することを含む、付記16に記載の方法。
(付記19)
指標を受信するステップが、前記左キャビティ圧力及び左IOPの指標を受信することを含み、前記圧力源を調整するステップが、前記左キャビティ圧力及び左IOPの指標に基づき前記左圧力源を調整することを含み、
指標を受信するステップが、前記右キャビティ圧力及び右IOPの指標を受信することを含み、前記圧力源を調整するステップが、前記右キャビティ圧力及び右IOPの指標に基づき前記右圧力源を調整することを含む、付記16に記載の方法。
(付記20)
指標を受信するステップが、前記左眼に関連する左経篩状板圧差(TPD)の指標を受信することを含み、前記圧力源を調整するステップが、前記左TPDの指標を等化するように前記左圧力源を調整することを含み、
指標を受信するステップが、前記右眼に関連する右TPDの指標を受信することを含み、前記圧力源を調整するステップが、前記右TPDの指標を等化するように前記右圧力源を調整することを含み、
前記TPDの指標を等化することが、前記TPDの指標を第1のTPDレベルからより低い第2のTPDレベルまで低下させることを含む、付記16に記載の方法。
(付記21)
眼疾患を治療、抑制又は予防するために、患者の左眼の上に位置する左キャビティおよび前記患者の右眼の上に位置する右キャビティのうちの少なくとも一方に加えられる流体圧を調整する装置であって、
前記左キャビティ及び前記右キャビティと連通し且つ前記左キャビティ内の左眼環境の指標、前記右キャビティ内の右眼環境の指標、および前記左眼環境の指標と前記右眼環境の指標との関係の指標のうちの少なくとも1つを検知するように構成された差動センサと、
前記システムセンサと通信し且つ前記左キャビティ内の前記左眼環境の指標、前記右キャビティ内の前記右眼環境の指標、および前記左眼環境の指標と前記右眼環境の指標との関係の指標のうちの少なくとも1つを受信及び処理するように構成された制御回路と、を備える、装置。
(付記22)
前記システム制御回路に結合され且つ前記左キャビティ内の左眼環境の指標を検知する左キャビティセンサ、および、前記システム制御回路に結合され且つ前記右キャビティ内の前記右眼環境の指標を検知する右キャビティセンサのうちの少なくとも一方を備える付記21に記載の装置。
(付記23)
前記差動センサが、左差動圧力センサによって検知された前記左キャビティ内の左圧力の指標と、右差動圧力センサによって検知された前記右キャビティ内の右圧力の指標との差を検知するように構成された差動圧力センサを含む、付記21に記載の装置。
(付記24)
前記差動センサが、左差動信号センサで検知された左圧力センサからの左圧力の指標と、右差動信号センサで検知された右圧力センサからの右圧力の指標との差を検知するように構成された差動信号センサを含む、付記21に記載の装置。
(付記25)
前記左キャビティおよび前記右キャビティのうちの少なくとも一方と連通し且つ前記左キャビティおよび前記右キャビティのうちの少なくとも一方に非大気圧を加えるように構成された圧力源を備える付記21に記載の装置。
(付記26)
前記圧力源が、前記左キャビティ及び前記右キャビティに非大気圧を加えるように構成された圧力源を含む、付記25に記載の装置。
(付記27)
前記左キャビティと連通し且つ前記左キャビティ内の前記左圧力の指標を調整するように構成された左キャビティ弁と、
前記右キャビティと連通し且つ前記右キャビティ内の前記右圧力の指標を調整するように構成された右キャビティ弁と、を備える付記22に記載の装置。
(付記28)
前記左弁が、受動左弁および能動左弁のうちの少なくとも一方を含み、前記右弁が、受動右弁および能動右弁のうちの少なくとも一方を含む、付記27に記載の装置。
(付記29)
前記左キャビティ弁が、前記システム制御回路で受信された前記指標のうちの少なくとも1つに基づき前記左圧力の指標を調整するように構成された能動左キャビティ弁を含み、前記右キャビティ弁が、前記システム制御回路で受信された前記指標のうちの少なくとも1つに基づき前記右圧力の指標を調整するように構成された能動右キャビティ弁を含む、付記28に記載の装置。
(付記30)
前記システム制御回路と通信し且つ前記左眼内の左眼内圧(IOP)の指標、および前記患者内の脳脊髄液圧(CSFP)の指標のうちの少なくとも一方を検知するように構成された左バイオセンサと、
前記システム制御回路と通信し且つ前記右眼内の右IOPの指標、および前記患者内のCSFPの指標のうちの少なくとも一方を検知するように構成された右バイオセンサと、を備え、
前記左キャビティ弁が、前記左バイオセンサから受信された前記指標のうちの少なくとも1つに基づき前記左圧力の指標を調整するように構成された能動左キャビティ弁を含み、前記右キャビティ弁が、前記右バイオセンサから受信された前記指標のうちの少なくとも1つに基づき前記右圧力の指標を調整するように構成された能動右キャビティ弁を含む、付記27に記載の装置。
(付記31)
前記システム制御回路が、前記左IOPの指標を受信し、前記受信した左IOPの指標に基づき前記能動左弁により左目標IOPレベルに向かって前記左キャビティ内の左圧力を調整するように構成された左制御回路を含み、
前記システム制御回路が、前記右IOPの指標を受信し、前記受信した右IOPの指標に基づき前記能動右弁により右目標IOPレベルに向かって前記右キャビティ内の右圧力を調整するように構成された右制御回路を含む、付記30に記載の装置。
(付記32)
前記システム制御回路が、前記左眼に関連する左経篩状板圧差(TPD)の指標を等化するように、前記左能動弁により前記左キャビティ内の左圧力を調整するように構成された左制御回路を含み、前記左TPDの指標を等化することが、前記左TPDの指標を第1左TPDレベルからより低い第2左TPDレベルに低下させることを含み、
前記システム制御回路が、前記右眼に関連する右TPDの指標を等化するように、前記右能動弁により前記右キャビティ内の前記右圧力を調整するように構成された右制御回路を含み、前記右TPDの指標を等化することが、前記右TPDの指標を第1右TPDレベルからより低い第2右TPDレベルに低下させることを含む、付記30に記載の装置。
(付記33)
前記システム制御回路が、前記左眼の左視神経における軸索輸送の指標を向上させるのに十分な前記左能動弁により前記左キャビティ内の左圧力を調整するように構成された左制御回路を含み、
前記システム制御回路が、前記右眼の右視神経における軸索輸送の指標を向上させるのに十分な前記能動右弁により前記右キャビティ内の右圧力を調整するように構成された右制御回路を含み、
軸索輸送の指標を向上させることが、軸索輸送の速度を第1軸索輸送レベルからより高い第2軸索輸送レベルまで上昇させることを含む、付記30に記載の装置。
(付記34)
前記システム制御回路が、前記左眼の眼疾患を治療、抑制又は予防するように前記能動左弁により前記左キャビティ内の左圧力を調整するように構成された左制御回路を含み、
前記システム制御回路が、前記右眼の眼疾患を治療、抑制又は予防するように前記能動右弁により前記右キャビティ内の右圧力を調整するように構成された右制御回路を含む、付記30に記載の装置。
(付記35)
前記左キャビティと連通し且つ前記左キャビティ内の左圧力を左クラッキング圧力に制限するように構成された受動左弁と、前記右キャビティと連通し且つ前記右キャビティ内の右圧力を右クラッキング圧力に制限するように構成された受動右弁とを備える付記21に記載の装置。
(付記36)
装置を使用する方法であって、前記装置が、左キャビティと連通し且つ前記左キャビティ内の左圧力の指標を検知する左圧力センサ、右キャビティと連通し且つ前記右キャビティ内の右圧力の指標を検知する右圧力センサ、及び冗長センサを含むシステムセンサと、前記システムセンサと通信し且つ前記左圧力の指標および前記右圧力の指標のうちの少なくとも一方を受信及び処理するように構成されたシステム制御回路と、前記左キャビティと連通し且つ前記システム制御回路と通信する能動左弁と、前記右キャビティと連通し且つ前記システム制御回路と通信する能動右弁とを備える、前記方法において、
前記システムセンサにより、前記左キャビティ内の前記左圧力の指標と前記右キャビティ内の前記右圧力の指標とを検知するステップと、
前記検知された左圧力の指標に基づき前記能動左弁、および前記検知された右圧力の指標に基づき前記能動右弁のうちの少なくとも一方を調整するステップと、を備える方法。(付記37)
前記装置が、前記システム制御回路と通信し且つ前記左眼内の左眼内圧(IOP)の指標、および前記患者内の脳脊髄液圧(CSFP)の指標のうちの少なくとも一方を検知するように構成された左バイオセンサと、前記システム制御回路と通信し且つ前記右眼内の右IOPの指標、および前記患者内のCSFPの指標のうちの少なくとも一方を検知するように構成された右バイオセンサとを含み、
前記能動左弁および前記能動右弁のうちの前記少なくとも一方を調整するステップが、前記左バイオセンサから受信された前記指標のうちの少なくとも1つに基づいて前記能動左弁、および前記右バイオセンサから受信された前記指標のうちの少なくとも1つに基づいて前記能動右弁のうちの少なくとも一方を調整することを含む、付記36に記載の方法。(付記38)
前記能動左弁および前記能動右弁のうちの前記少なくとも一方を調整するステップが、前記受信された左IOPの指標に基づき左圧力を左目標IOPレベルに向かって変化させるように前記能動左弁、および前記受信された右IOPの指標に基づき右圧力を右目標IOPレベルに向かって変化させるように前記能動右弁のうちの少なくとも一方を調整することを含む、付記37に記載の方法。
(付記39)
前記能動左弁および前記能動右弁のうちの前記少なくとも一方を調整するステップが、前記左眼に関連する左経篩状板圧差(TPD)の指標を等化するように前記能動左弁、および前記右眼に関連する右経篩状板圧差(TPD)の指標を等化するように前記能動右弁のうちの少なくとも一方を調整することを含み、
前記TPDの指標を等化することが、前記TPDの指標を第1のTPDレベルからより低い第2のTPDレベルまで低下させることを含む、付記37に記載の方法。
(付記40)
前記能動左弁および前記能動右弁のうちの前記少なくとも一方を調整するステップが、前記左眼の左視神経における軸索輸送の指標を向上させるのに十分な前記左キャビティ内の左圧力を達成するように前記能動左弁、および前記右眼の右視神経における軸索輸送の指標を向上させるのに十分な前記右キャビティ内の右圧力を達成するように前記能動右弁のうちの少なくとも一方を調整することを含み、
軸索輸送の指標を向上させることが、軸索輸送の速度を第1軸索輸送レベルからより高い第2軸索輸送レベルまで上昇させることを含む、付記37に記載の方法。
(付記41)
患者の左眼及び右眼に加えられる流体圧レベルを制限する装置であって、
前記左眼の上に位置する左キャビティ及び前記右眼の上に位置する右キャビティと連通し且つ前記左キャビティ及び前記右キャビティ内の流体圧の指標を調整するように構成された圧力源と、
前記左キャビティ及び前記右キャビティと通信し且つ前記左キャビティ内の左眼環境の指標、前記右キャビティ内の右眼環境の指標、および前記左眼環境の前記指標と前記右眼環境の前記指標との関係の指標のうちの少なくとも1つを検知するように構成された差動センサと、を備える装置。
(付記42)
前記左キャビティに結合され且つ前記左キャビティ内の左眼環境の指標を検知する左キャビティセンサ、および、前記右キャビティに結合され且つ前記右キャビティ内の前記右眼環境の指標を検知する右キャビティセンサのうちの少なくとも一方を備える付記41に記載の装置。
(付記43)
前記差動センサが、左差動圧力センサによって検知された前記左キャビティ内の左圧力の指標と、右差動圧力センサによって検知された前記右キャビティ内の右圧力の指標との差を検知するように構成された差動圧力センサを含む、付記41に記載の装置。
(付記44)
前記差動センサが、左差動信号センサによる左キャビティセンサからの左圧力の指標と、右差動信号センサによる右圧力センサからの右圧力の指標との差を検知するように構成された差動信号センサを含む、付記41に記載の装置。
(付記45)
前記圧力源と通信して、前記左キャビティ内の前記左眼環境の指標、前記右キャビティ内の前記右眼環境の指標、および前記左眼環境の指標と前記右眼環境の指標との関係の指標のうちの少なくとも1つを受信及び処理するように構成されたシステム制御回路を備える付記41に記載の装置。
(付記46)
前記左眼環境の指標が、前記左キャビティ内の左圧力の指標を含み、前記右眼環境の指標が、前記右キャビティ内の右圧力の指標を含み、前記左眼環境と前記右眼環境との関係の指標が、前記左圧力の指標と前記右圧力の指標との差の指標を含む、付記45に記載の装置。
(付記47)
前記システム制御回路が、前記受信した指標のうちの少なくとも1つに基づき前記圧力源の動作を調整するように構成された圧力源回路を含む、付記45に記載の装置。
(付記48)
前記圧力源回路が、前記受信した指標のうちの少なくとも1つに基づきシステム障害を発生させるように構成された圧力源論理回路を含む、付記47に記載の装置。
(付記49)
前記圧力源回路が、前記左圧力の指標が左圧力安全レベルを超えたか又は前記右圧力の指標が右圧力安全レベルを超えた少なくとも一方の場合に前記システム障害を発生させるように構成された前記圧力源回路を含む、付記8に記載の装置。
(付記50)
前記左眼環境と前記右眼環境との関係の指標が、前記左圧力の指標と前記右圧力の指標との差の指標を含み、
前記圧力源回路が、前記差の指標が前記左圧力と前記右圧力との間の圧力差安全レベルを超えた場合に前記システム障害を発生させるように構成された前記圧力源回路を含む、付記48に記載の装置。
(付記51)
前記左キャビティと連通し且つ前記左キャビティ内の流体圧を左圧力安全レベルに制限するように構成された左弁と、前記右キャビティと連通し且つ前記右キャビティ内の流体圧を右圧力安全レベルに制限するように構成された右弁とを備える付記41に記載の装置。(付記52)
前記左圧力安全レベルおよび前記右安全圧力レベルのうちの少なくとも一方が、約-50mmHg~約50mmHgゲージの範囲にある、付記51に記載の装置。
(付記53)
前記左圧力安全レベル及び前記右圧力安全レベルのうちの少なくとも一方が、約-35mmHg~約35mmHgゲージの範囲にある、付記51に記載の装置。
(付記54)
前記左弁および前記右弁のうちの少なくとも一方が受動弁を含む、付記51に記載の装置。
(付記55)
前記左弁および前記右弁のうちの少なくとも一方が能動弁を含む、付記51に記載の装置。
(付記56)
装置を使用する方法であって、前記装置が、患者左眼の上に位置する左キャビティ及び患者右眼の上に位置する右キャビティと連通している圧力源と、前記左キャビティ内の左眼環境の指標を検知する左キャビティセンサ、前記右キャビティ内の右眼環境の指標を検知する右キャビティセンサ、及び前記左眼環境の前記指標と前記右眼環境の前記指標との関係を検知する冗長センサを含むシステムセンサとを備える、前記方法において、
前記システムセンサにより、前記左キャビティ内の左圧力の指標と前記右キャビティ内の右圧力の指標とを検知するステップと、
前記圧力源により前記左キャビティ及び前記右キャビティに加えられる圧力を制限するステップと、を含む、方法。
(付記57)
前記装置が、前記左キャビティと連通している左受動弁、および前記右キャビティと連通している右受動弁のうちの少なくとも一方を含み、
圧力を制限するステップが、前記左受動弁の左クラッキング圧力および前記右受動弁の右クラッキング圧力のうちの少なくとも一方を選択することを含む、付記56に記載の方法。
(付記58)
前記装置が、前記左キャビティと連通している左能動弁、及び前記右キャビティと連通している右能動弁のうちの少なくとも一方を含み、
圧力を制限するステップが、前記検知された左圧力の指標および前記検知された右圧力の指標のうちの少なくとも一方に基づき前記左能動弁および前記右能動弁のうちの少なくとも一方を開放することを含む、付記56に記載の方法。
(付記59)
前記左能動弁および前記右能動弁のうちの少なくとも一方を開放することが、前記検知された左圧力の指標と前記検知された右圧力の指標との差に基づき前記左能動弁および前記右能動弁のうちの少なくとも一方を開放することを含む、付記58に記載の方法。
(付記60)
圧力を制限するステップが、前記検知された左圧力の指標および前記検知された右圧力の指標のうちの少なくとも一方に基づき前記圧力源の動作を調整することを含む、付記56に記載の方法。