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特許7410367サーバ、確率の算出方法、制御プログラム及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】サーバ、確率の算出方法、制御プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/9035 20190101AFI20231227BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20231227BHJP
【FI】
G06F16/9035
G06Q50/10
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019025736
(22)【出願日】2019-02-15
(65)【公開番号】P2020135217
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2022-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】307010096
【氏名又は名称】フリュー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】別府 俊一郎
(72)【発明者】
【氏名】菅俣 和美
【審査官】松尾 真人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0181873(US,A1)
【文献】特開2012-048360(JP,A)
【文献】特開2017-194906(JP,A)
【文献】特開2017-138970(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のサービスにおける少なくとも一部の処理を実行するサーバであって、
前記所定のサービスにおけるユーザの属性を示す情報、およびユーザの行動履歴を示す情報のうち少なくとも何れか一方を取得する取得部と、
前記所定のサービスにおけるコンテンツに関する情報が前記ユーザに提示されたとした場合に当該ユーザが当該コンテンツを利用する確率を示す情報を出力する学習済み機械学習モデルに、前記取得部が取得した情報を入力する算出部と
を備え、
前記所定のサービスにおいては、前記ユーザが情報を投稿することが可能であり、
前記学習済み機械学習モデルは、
情報の投稿が可能なコンテンツに関する情報が前記ユーザに提示されたとした場合に当該ユーザが情報を投稿する確率を示す情報を出力する
ことを特徴とするサーバ。
【請求項2】
前記学習済み機械学習モデルの出力値が、前記ユーザが前記コンテンツを利用する確率が所定の閾値よりも高いことを示している場合、当該コンテンツに関する情報を当該ユーザに提示する提示部を更に備える
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記提示部は、
前記ユーザに提示するコンテンツに関する情報の選択肢が複数存在する場合に、前記選択肢の中で、当該ユーザが利用する確率が最も高いコンテンツに関する情報を提示することを特徴とする請求項2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記機械学習モデルは、
前記所定のサービスの有料会員となることが前記ユーザに提示されたとした場合に当該ユーザが前記所定のサービスの有料会員となる確率を示す情報を出力する
ことを特徴とする請求項1から3までの何れか1項に記載のサーバ。
【請求項5】
前記ユーザは、前記情報として写真を投稿することが可能であり、
前記ユーザの行動履歴には、各ユーザが投稿した写真を用いた機能を使用する行動履歴が含まれる
ことを特徴とする請求項1から4までの何れか1項に記載のサーバ。
【請求項6】
前記行動履歴を示す情報は、各行動をユーザが行ったタイミングに応じて区別される
ことを特徴とする請求項5に記載のサーバ。
【請求項7】
所定のサービスにおける少なくとも一部の処理を実行するサーバであって、
前記所定のサービスを利用する1又は複数のユーザの属性を示す情報、および1又は複数のユーザの行動履歴を示す情報のうち少なくとも何れか一方、並びに前記所定のサービスにおけるコンテンツに関する情報が各ユーザに提示された場合に当該ユーザが前記コンテンツを利用したか否かを示す情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した情報を教師情報として、前記所定のサービスにおけるコンテンツに関する情報が前記ユーザに提示されたとした場合に当該ユーザが当該コンテンツを利用する確率を示す情報を出力する機械学習モデルを学習させる学習部と
を備え、
前記所定のサービスにおいては、前記ユーザが情報を投稿することが可能であり、
前記機械学習モデルは、
情報の投稿が可能なコンテンツに関する情報が前記ユーザに提示されたとした場合に当該ユーザが情報を投稿する確率を示す情報を出力する
ことを特徴とするサーバ。
【請求項8】
前記学習部は、
勾配ブースティングによって機械学習モデルを学習させる
ことを特徴とする請求項7に記載のサーバ。
【請求項9】
所定のサービスにおける少なくとも一部の処理を実行するサーバによって実行される確率の算出方法であって、
前記所定のサービスにおけるユーザの属性を示す情報、およびユーザの行動履歴を示す情報のうち少なくとも何れか一方を取得する取得ステップと、
前記所定のサービスにおけるコンテンツに関する情報が前記ユーザに提示されたとした場合に当該ユーザが前記コンテンツを利用する確率を示す情報を出力する学習済み機械学習モデルに、前記取得ステップにおいて取得した情報を入力する算出ステップと
を含み、
前記所定のサービスにおいては、前記ユーザが情報を投稿することが可能であり、
前記学習済み機械学習モデルは、
情報の投稿が可能なコンテンツに関する情報が前記ユーザに提示されたとした場合に当該ユーザが情報を投稿する確率を示す情報を出力する
ことを特徴とする算出方法。
【請求項10】
請求項1に記載のサーバとしてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、上記取得部および上記算出部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体を撮影した撮影画像またはその編集画像である画像データを管理する写真管理サービスに係るサーバなどに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、写真シール作成装置において生成された撮影画像データをユーザに提供するサービスとして、写真の印刷されたプリントシールをユーザに提供するサービスと合わせて、ユーザの所有する携帯端末に撮影画像を表示させることによって画像をユーザに提供するサービスが広がってきている。
【0003】
このようなサービスは、画像提供サイトにアクセスすることによって可能となる。画像提供サイトでは、写真シール作成装置にて撮影した撮影画像のうち、ユーザによって指定された画像を保存し、ユーザに閲覧可能としている。
【0004】
また、このようなサービスでは、例えば新しく追加されたコンテンツ等を、メール等を介してユーザに提示し、利用を訴求することがある。特許文献1では、提供される情報コンテンツと提供先のユーザとのマッチングを適切に行うことができる提供装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-16523号公報(2017年1月19日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したようなサービスにおいては、ユーザに対して提示するコンテンツを、より好適なものに改善できる余地がある。
【0007】
本発明の一態様は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザに対して提示するコンテンツを、より好適なものに改善するためのサーバを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るサーバは、所定のサービスにおける少なくとも一部の処理を実行するサーバであって、前記所定のサービスにおけるユーザの属性を示す情報、およびユーザの行動履歴を示す情報のうち少なくとも何れか一方を取得する取得部と、前記所定のサービスにおけるコンテンツに関する情報が前記ユーザに提示されたとした場合に当該ユーザが当該コンテンツを利用する確率を示す情報を出力する学習済み機械学習モデルに、前記取得部が取得した情報を入力する算出部とを備えていることを特徴としている。前記の構成によれば、ユーザに対して提示するコンテンツ(コンテンツに関する情報)を、より好適なものに改善するためのサーバを実現できる。
【0009】
本発明の一態様に係るサーバでは、前記学習済み機械学習モデルの出力値が、前記ユーザが前記コンテンツを利用する確率が所定の閾値よりも高いことを示している場合、当該コンテンツに関する情報を当該ユーザに提示する提示部を更に備えていてもよい。前記の構成によれば、利用される確率の高い好適なコンテンツに関する情報をユーザに提示することができる。
【0010】
本発明の一態様に係るサーバでは、前記提示部は、前記ユーザに提示するコンテンツに関する情報の選択肢が複数存在する場合に、前記選択肢の中で、当該ユーザが利用する確率が最も高いコンテンツに関する情報を提示してもよい。前記の構成によれば、最も好適なコンテンツに関する情報をユーザに提示することができる。
【0011】
本発明の一態様に係るサーバでは、前記機械学習モデルは、前記所定のサービスの有料会員となることが前記ユーザに提示されたとした場合に当該ユーザが前記所定のサービスの有料会員となる確率を示す情報を出力してもよい。前記の構成によれば、有料会員になることを提示するか否かの判定のための確率を出力可能な機械学習モデルを実現できる。
【0012】
発明の一態様に係るサーバでは、前記所定のサービスにおいては、前記ユーザが情報を投稿することが可能であり、前記機械学習モデルは、前記所定のサービスに情報を投稿することが前記ユーザに提示されたとした場合に当該ユーザが情報を投稿する確率を示す情報を出力してもよい。前記の構成によれば、情報を投稿することを提示するか否かの判定のための確率を出力可能な機械学習モデルを実現できる。
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るサーバは、所定のサービスにおける少なくとも一部の処理を実行するサーバであって、前記所定のサービスを利用する1又は複数のユーザの属性を示す情報、および1又は複数のユーザの行動履歴を示す情報のうち少なくとも何れか一方、並びに前記所定のサービスにおけるコンテンツに関する情報が各ユーザに提示された場合に当該ユーザが前記コンテンツを利用したか否かを示す情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した情報を教師情報として、前記所定のサービスにおけるコンテンツに関する情報が前記ユーザに提示されたとした場合に当該ユーザが当該コンテンツを利用する確率を示す情報を出力する機械学習モデルを学習させる学習部とを備えていることを特徴としている。前記の構成によれば、ユーザに対して提示するコンテンツ(コンテンツに関する情報)を、より好適なものに改善するための機械学習モデルを学習させることが可能なサーバを実現できる。
【0014】
本発明の一態様に係るサーバでは、前記学習部は、勾配ブースティングによって機械学習モデルを学習させてもよい。前記の構成によれば、ユーザに対して提示するコンテンツを、勾配ブースティングによって、より好適なものに改善するための機械学習モデルを学習させることが可能なサーバを実現できる。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る方法は、所定のサービスにおける少なくとも一部の処理を実行するサーバによって実行される確率の算出方法であって、前記所定のサービスにおけるユーザの属性を示す情報、およびユーザの行動履歴を示す情報のうち少なくとも何れか一方を取得する取得ステップと、前記所定のサービスにおけるコンテンツに関する情報が前記ユーザに提示されたとした場合に当該ユーザが前記コンテンツを利用する確率を示す情報を出力する学習済み機械学習モデルに、前記取得ステップにおいて取得した情報を入力する算出ステップとを含むことを特徴としている。前記の方法によれば、ユーザに対して提示するコンテンツ(コンテンツに関する情報)を、より好適なものに改善することに寄与する。
【0016】
本発明の各態様に係るサーバは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記サーバが備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記取得部および上記算出部をコンピュータにて実現させるサーバの制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様によれば、ユーザに対して提示するコンテンツを、より好適なものに改善するためのサーバを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る管理サーバの要部構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係る撮影画像管理システムの構成を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る写真シール作成装置の外観の構成例を示す斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係る写真シール作成装置の外観を他の角度からみた斜視図である。
図5】本発明の実施形態におけるユーザの移動について説明する図である。
図6】本発明の実施形態に係る写真シール作成装置に備えられる撮影部の構成例を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係る写真シール作成装置に備えられる背景部の構成例を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係る写真シール作成装置に備えられる編集部の構成例を示す図である。
図9】本発明の実施形態に係る写真シール作成装置に備えられる事後接客部の構成例を示す図である。
図10】本発明の実施形態に係る写真シール作成装置の内部の構成例を示すブロック図である。
図11】本発明の実施形態に係る会員データベースの例を示す図である。
図12】本発明の実施形態に係る画像保存判定データベースの例を示す図である。
図13】コンテンツの提示例に係る処理の流れを示すフローチャートである。
図14】本発明の実施形態に係るデータテーブルの例を示す図である。
図15】本発明の実施形態に係る携帯端末における表示画面の一例を示している。
図16】機械学習モデルの学習例に係る処理の流れを示すフローチャートである。
図17】本発明の実施形態に係る機械学習モデルを簡略化した概略図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
〔実施形態〕
本発明の実施形態について、図1図17を参照して以下に説明する。以下の特定の実施形態で説明する構成以外の構成については、必要に応じて説明を省略する場合があるが、他の実施形態で説明されている場合は、その構成と同じである。また、説明の便宜上、各実施形態に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。さらに、各図面に記載した構成の形状、ならびに、長さ、大きさおよび幅などの寸法は、実際の形状および寸法を反映させたものではなく、図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更している。
【0020】
(撮影画像管理システム10)
図2は、本発明の実施形態に係る撮影画像管理システム10の構成を示す図である。図2に示すように、撮影画像管理システム10は、写真シール作成装置1、携帯端末(端末装置)6、および管理サーバ4(サーバ4)を備えている。
【0021】
撮影画像管理システム10の概要について、以下に説明する。撮影画像管理システム10は、ユーザの写真撮影、画像の編集、画像の写真シールとしての印刷、および画像提供サイトへの画像の保存を実現するサービス(画像管理サービス)をユーザに提供する。写真撮影、画像編集、および写真シール印刷のサービスは、ゲームセンターなどの店舗に設置された写真シール作成装置1によって提供される。画像保存のサービスは、画像提供サイトを管理する管理サーバ4によって提供される。ユーザは、自身が所持する携帯端末6を操作することによって、自身の撮影画像を画像提供サイトに保存することができる。
【0022】
画像提供サイトへの画像の保存には、事前の会員登録が必要である。ユーザは、無料会員として自身を画像提供サイトに登録する。無料会員は、会費を支払う必要がないが、画像提供サイトは保存できる画像の枚数に制限を受ける。本実施形態では、無料会員は、一回のゲームごとに一枚の画像のみを画像提供サイトに保存できる。
【0023】
ユーザは、自身の会員属性を、無料会員から有料会員に変更することができる。有料会員は、一定の会費を継続的に支払う必要がある代わりに、画像提供サイトに無制限に画像を保存できる。本実施形態では、一回の写真撮影によって生成された撮影画像を全て画像提供サイトに保存できる。
【0024】
撮影画像管理システム10における写真撮影から画像保存までの流れについて、以下に簡潔に説明する。一人または複数人のユーザは、代金を写真シール作成装置1に支払い、写真撮影および画像編集に関するゲームをプレイする。ユーザはゲーム中に自身を被写体として撮影する。ユーザは、撮影によって生成された画像の中から、編集対象の画像をいくつか選択し、好きなように編集する。また、ユーザは、後で画像を画像提供サイトに保存するために、写真シール作成装置1に自身のメールアドレスを入力する。
【0025】
ゲームの終了後、ユーザは写真シールを手に入れる。一方、写真シール作成装置1は、生成した画像に、入力されたユーザのメールアドレスを関連付けて、管理サーバ4に送信する。管理サーバ4は、受信したメールアドレス宛に、受信した画像を画像提供サイトに保存することを案内するメールを送信する。ユーザは、自身の携帯端末6においてこのメールを受信する。メールには、画像を画像提供サイトに保存するための手順が、記載されている。ユーザは、その手順に従い、画像を保存するための操作を携帯端末6に対して行う。この結果、画像提供サイトにおけるユーザ専用の画像記憶領域に、画像が保存される。
【0026】
画像提供サイトへの画像保存後、ユーザは、携帯端末6または所望の他の装置を用いて画像提供サイトにログインして、画像をダウンロードすることができる。
【0027】
(写真シール作成装置の構成)
撮影画像管理システム10を構成する各装置の構成および機能について、以下に詳細に説明する。まず、写真シール作成装置1の詳細について、図3図10を参照して説明する。図3は、本発明の実施形態に係る写真シール作成装置1の外観の構成例を示す斜視図である。この図に示すように、写真シール作成装置1は、主に、撮影ユニット11、編集部12、および事後接客部13を備えている。写真シール作成装置1は、撮影ユニット11と編集部12とが接し、かつ、編集部12と事後接客部13とが接した状態で設置される。
【0028】
(撮影ユニット11)
撮影ユニット11は、撮影部21および背景部22を備えている。撮影部21と背景部22とは、所定の距離だけ離れて設置される。撮影部21と背景部22の間に形成される空間である撮影空間において、撮影制御が行われる。
【0029】
撮影部21は、撮影制御をユーザに行わせる装置である。撮影部21は、撮影空間に入り、撮影制御を行っているユーザの正面に位置する。撮影空間を正面に望む面を構成する撮影部21の正面パネル41には、撮影制御時にユーザによって用いられるタッチパネルモニタなどが設けられる。撮影空間にいるユーザから見て左側の面を左側面、右側の面を右側面とすると、撮影部21の左側面が側面パネル42Aによって構成され、右側面が側面パネル42Bによって構成される。
【0030】
背景部22は、正面を向いて撮影制御を行っているユーザの背面側に位置する板状の部材である背面パネル51、背面パネル51の左端に取り付けられ、側面パネル42Aより横幅の狭い板状の部材である側面パネル52A、および、背面パネル51の右端に取り付けられ、側面パネル42Bより横幅の狭い板状の部材である側面パネル52B(図4)から構成される。
【0031】
撮影部21の左側面を構成する側面パネル42Aと背景部22の側面パネル52Aは、ほぼ同一平面に設けられ、それぞれの上部が板状の部材である連結部23Aによって連結される。また、撮影部21の右側面を構成する側面パネル42Bと背景部22の側面パネル52Bは、ほぼ同一平面に設けられ、それぞれの上部が板状の部材である連結部23Bによって連結される。
【0032】
撮影部21の側面パネル42A、連結部23A、および背景部22の側面パネル52Aに囲まれることによって形成される開口が撮影空間の出入り口G1となる。撮影部21の側面パネル42B、連結部23B、および背景部22の側面パネル52Bに囲まれることによって形成される開口も撮影空間の出入り口G2となる。
【0033】
背景部22の上部には、背面パネル51、側面パネル52A、および側面パネル52Bに支持される形で背景カーテンユニット25が設けられる。背景カーテンユニット25には、色または柄の異なる、背景に利用する巻き取り式の背景カーテンが複数収納される。背景カーテンユニット25は、撮影部21に設けられたカメラ等による撮影と連動して動作し、撮影の際に、例えばユーザによって選択された色のカーテンを下ろし、その他のカーテンを巻き取る。
【0034】
背景カーテンユニット25に収納される背景カーテンとしては、複数枚のカーテンを1枚のクロマキ用のカーテンとして使用する昇降式カーテンを用意してもよい。また、クロマキ用のカーテンを予め撮影空間の背面となる背面パネル51に張り付けると共に、合成用の背景画像を複数種類用意し、後述する編集制御において、ユーザが所望する背景画像をカーテンの部分に合成することができるようにしてもよい。
【0035】
撮影空間の上方には、撮影部21の正面パネル41、連結部23A、連結部23B、および背景カーテンユニット25に囲まれる開口が形成され、その開口の一部を覆うように天井ストロボユニット24が設けられる。天井ストロボユニット24の一端が連結部23Aに固定され、他端が連結部23Bに固定される。天井ストロボユニット24は、撮影に合わせて撮影空間内に向けて発光するストロボを内蔵する。天井ストロボユニット24を構成するストロボの内部には蛍光灯が設けられており、撮影空間の照明としても機能する。
【0036】
(編集部12)
編集部12は、撮影制御によって得られた画像を編集する処理である編集制御をユーザに行わせる装置である。編集部12は、一方の側面が撮影部21の正面パネル41の背面に接するように撮影ユニット11に連結して設けられる。編集部12には、編集制御時にユーザによって用いられるタブレット内蔵モニタなどの構成が設けられる。
【0037】
図3に示す編集部12の構成を正面側の構成とすると、2組のユーザが同時に編集することができるように、編集部12の正面側と背面側には編集制御に用いられる構成がそれぞれ設けられる。
【0038】
編集部12の正面側は、床面に対して垂直な面であり、側面パネル42Aとほぼ平行な面である面71と、面71の上方に形成された斜面72から構成され、編集制御に用いられる構成が斜面72に設けられる。斜面72の左側には、柱状の形状を有し、照明装置74の一端を支持する支持部73Aが設けられる。支持部73Aの上面にはカーテンレール26を支持する支持部75が設けられる。斜面72の右側にも、照明装置74の他端を支持する支持部73B(図4)が設けられる。
【0039】
編集部12の上方にはカーテンレール26が取り付けられる。カーテンレール26は、上から見たときの形状がコの字状となるように3本のレール26A乃至26Cを組み合わせて構成される。平行に設けられるレール26Aと26Bの一端は、連結部23Aと連結部23Bにそれぞれ固定され、他端に残りの一本のレール26Cの両端が接合される。
【0040】
カーテンレール26には、編集部12の正面前方の空間と背面前方の空間の内部が外から見えないようにカーテンが取り付けられる。カーテンレール26に取り付けられたカーテンによって囲まれる編集部12の正面前方の空間と背面前方の空間が、ユーザが編集制御を行う編集空間となる。
【0041】
(事後接客部13)
図4は、写真シール作成装置の外観を他の角度からみた斜視図である。事後接客部13は事後接客を行い、ユーザに事後接客に対する操作を行わせる装置である。事後接客には、画像(編集済みの画像を含む)を管理サーバ4に送信する処理、ミニゲームをユーザに行わせる処理、アンケートに答えさせる処理などが含まれる。
【0042】
図4に示すように、事後接客部13は、所定の厚さを有する板状の筐体を有しており、その背面が編集部12の左側面に接するように編集部12に連結して設けられる。事後接客部13の正面には、事後接客に対する操作時にユーザによって用いられるタブレット内蔵モニタ、および、画像(編集済みの画像を含む)が印刷されたシール紙が排出される排出口などが設けられる。事後接客部13の正面前方の空間が、シール紙への印刷が終わるのを待っているユーザが事後接客に対する操作を行う事後接客空間となる。
【0043】
(ユーザの移動)
写真シール作成ゲームの流れと、それに伴うユーザの移動について図5を参照して説明する。図5は、ユーザの移動について説明する図である。
【0044】
写真シール作成装置1のユーザは、白抜き矢印#1で示すように出入り口G1から、または白抜き矢印#2で示すように出入り口G2から、撮影部21と背景部22の間に形成された撮影空間A1に入り、撮影部21に設けられたカメラおよびタッチパネルモニタなどを利用して撮影制御を行う。
【0045】
なお、ユーザの画像の撮影においては、すべての撮影がシール紙に印刷される画像を撮影するものとは限らず、携帯端末6に送信するため(または、携帯端末6において閲覧可能なように、管理サーバ4に送信するため)にのみ撮影される場合もある。これは、印刷される画像と携帯端末6に送信される画像との間でユーザの嗜好が異なることがあるためであり、ユーザの撮影時において、携帯端末6への送信を意識した撮影をしたいユーザの意向にこたえるものである。
【0046】
撮影制御を終えたユーザは、白抜き矢印#3で示すように出入り口G1を使って撮影空間A1から出て編集空間A2-1に移動するか、白抜き矢印#4で示すように出入り口G2を使って撮影空間A1から出て編集空間A2-2に移動する。
【0047】
編集空間A2-1は、編集部12の正面側の編集空間であり、編集空間A2-2は、編集部12の背面側の編集空間である。編集空間A2-1と編集空間A2-2のいずれの空間に移動するのかが、撮影部21のタッチパネルモニタの画面表示などによって案内される。例えば2つの編集空間のうちの空いている方の空間が移動先として案内される。編集空間A2-1または編集空間A2-2に移動したユーザは編集制御を開始する。編集空間A2-1のユーザと、編集空間A2-2のユーザは同時に編集制御を行うことができる。
【0048】
編集制御が終了した後、画像(編集済みの画像を含む)の中から選択された画像の印刷が開始される。画像の印刷中、編集制御を終えたユーザは、編集空間A2-1で編集制御を行っていた場合には白抜き矢印#5で示すように編集空間A2-1から事後接客空間A3に移動して事後接客を受け、当該事後接客に対する操作を行う。また、編集制御を終えたユーザは、編集空間A2-2で編集制御を行っていた場合には白抜き矢印#6で示すように編集空間A2-2から事後接客空間A3に移動し、事後接客空間A3において事後接客を受け、当該事後接客に対する操作を行う。
【0049】
画像の印刷が終了したとき、ユーザは、事後接客部13に設けられた排出口からシール紙を受け取り、一連の写真シール作成ゲームを終えることになる。
【0050】
(各部材の構成)
次に、写真シール作成装置1に備えられる各部材の構成について説明する。
【0051】
(撮影部21)
図6は、写真シール作成装置1に備えられる撮影部21の構成例を示す図である。撮影部21は、正面パネル41、側面パネル42A、および側面パネル42Bが、箱状の形状を有するベース部43に取り付けられることによって構成される。
【0052】
正面パネル41は撮影空間A1で撮影制御を行うユーザの正面に位置し、側面パネル42Aと側面パネル42Bは、それぞれ、撮影空間A1で撮影制御を行うユーザの左側、右側に位置する。側面パネル42Aの上方には連結部23Aが固定され、側面パネル42Bの上方には連結部23Bが固定される。
【0053】
正面パネル41のほぼ中央には撮影・表示ユニット81が設けられる。撮影・表示ユニット81は、カメラ91、正面ストロボ92、およびタッチパネルモニタ93から構成される。
【0054】
カメラ91は、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary metal-oxide semiconductor)などの撮像素子によって構成され、撮影空間A1にいるユーザ
を撮影する。カメラ91によって取り込まれた動画像は、タッチパネルモニタ93にリアルタイムで表示される。ユーザによって撮影が指示されたときなどの所定のタイミングでカメラ91によって取り込まれた画像は画像(静止画像)として保存される。
【0055】
カメラ91の下側に設けられたタッチパネルモニタ93は、LCD(Liquid Crystal Display)などのモニタと、それに積層されたタッチパネルによって構成される。タッチパ
ネルモニタ93は、カメラ91によって取り込まれた動画像を表示するライブビューモニタとしての機能と、各種のGUI(Graphical User Interface)画像を表示し、ユーザの選択操作をタッチパネルによって受け付ける機能とを備えている。タッチパネルモニタ93には、適宜、背景等の画像が合成された後の動画像が表示される。
【0056】
正面パネル41には、撮影・表示ユニット81の位置を基準として、上方に上ストロボ82が設置される。また、左方に左ストロボ83が設置され、右方に右ストロボ84が設置される。撮影・表示ユニット81の下方の位置には、ベース部43の上面が一部突出する形で下ストロボ85が設けられる。
【0057】
上ストロボ82は、ユーザを上前方から照射する。左ストロボ83は、ユーザを左前方から照射し、右ストロボ84は、ユーザを右前方から照射する。下ストロボ85は、ユーザを下前方から照射する。
【0058】
ベース部43にはユーザの足元を照射する足元ストロボ86も設けられる。上ストロボ82、左ストロボ83、右ストロボ84、下ストロボ85、および足元ストロボ86の内部には蛍光灯が設けられており、天井ストロボユニット24を構成するストロボの内部の蛍光灯と合わせて、撮影空間A1内の照明として用いられる。後述するように、各蛍光灯の発光量を調整することによって、または、発光させる蛍光灯の数を調整することによって、撮影空間A1内の明るさが、ユーザが行っている撮影制御の内容に応じて適宜調整される。
【0059】
足元ストロボ86の右側には、ユーザがお金を投入する硬貨投入返却口87が設けられる。
【0060】
下ストロボ85を挟んでベース部43の上面の左右に形成されるスペース43Aおよび43Bは、撮影制御を行うユーザが手荷物等を置くための荷物置場として用いられる。正面パネル41の例えば天井付近には、撮影制御の案内音声、BGM(Back Ground Music)、効果音等の音を出力するスピーカも設けられる。
【0061】
(背景部22)
図7は、写真シール作成装置1に備えられる背景部22の構成例を示す図である。上述したように、背面パネル51の上方には背景カーテンユニット25が設けられる。背景カーテンユニット25のほぼ中央には、撮影空間A1内で撮影制御を行っているユーザを後方中央から照射する背面中央ストロボ101が取り付けられる。
【0062】
背面パネル51の上方であって、出入り口G1側の位置には、撮影空間A1内で撮影制御を行っているユーザを左後方から照射する背面左ストロボ102が取り付けられる。また、背面パネル51の上方であって、出入り口G2側の位置には、撮影空間A1内で撮影制御を行っているユーザを右後方から照射する背面右ストロボ103が取り付けられる。
【0063】
(編集部12)
図8は、写真シール作成装置1に備えられる編集部12の構成例を示す図である。この図に示すように、編集部12において、斜面72のほぼ中央には、タブレット内蔵モニタ131が設けられる。タブレット内蔵モニタ131を挟んで左側にタッチペン132Aが設けられ、右側にタッチペン132Bが設けられる。
【0064】
タブレット内蔵モニタ131は、タッチペン132Aおよび132Bを用いて操作入力が可能なタブレットがLCDなどのモニタに重畳して設けられることによって構成される。タブレット内蔵モニタ131には、例えば、編集対象画像として選択された画像の編集に用いられる画面である編集画面が表示される。2人で同時に編集作業を行う場合、タッチペン132Aは一方のユーザによって用いられ、タッチペン132Bは他方のユーザによって用いられる。
【0065】
なお、編集部12において行われる画像の編集は、すべてが印刷される画像に対する編集であるとは限らず、ユーザが携帯端末6への送信のみを想定している画像(つまり、印刷されない画像)に対する編集である場合もある。これは、印刷される画像と携帯端末6へ送信されてweb上で利用される画像との間で、ユーザの嗜好に違いがあり、例えばブログなどに利用する画像などに対して、印刷される画像に対する編集とは異なる編集をしたいというユーザの意向にこたえるためのものである。
【0066】
(事後接客部13)
編集部12の左側には事後接客部13が設けられる。図9は、写真シール作成装置1に備えられる事後接客部13の構成例を示す図である。
【0067】
事後接客部13の上方中央にはタブレット内蔵モニタ161が設けられる。タブレット内蔵モニタ161を挟んで左側にタッチペン162Aが設けられ、右側にタッチペン162Bが設けられる。タブレット内蔵モニタ161もタブレット内蔵モニタ131と同様に、タッチペン162Aまたは162Bを用いて操作入力が可能なタブレットがLCDなどのモニタに重畳して設けられることによって構成される。タブレット内蔵モニタ161には、ミニゲームなどの事後接客の工程において用いられる画面が表示される。
【0068】
タブレット内蔵モニタ161の下には非接触型ICリーダ/ライタ163が設けられ、非接触型ICリーダ/ライタ163の下にはシール紙排出口164が設けられる。シール紙排出口164の下にはスピーカ165が設けられる。
【0069】
非接触型ICリーダ/ライタ163は、近接された非接触型ICと通信を行い、非接触型ICからのデータの読み出しおよび非接触型ICに対するデータの書き込みを行う。
【0070】
シール紙排出口164には、編集空間A2-1のユーザが編集制御を行うことによって作成した画像が印刷されたシール紙、または、編集空間A2-2のユーザが編集制御を行うことによって作成した画像が印刷されたシール紙が排出される。編集部12の内部にはプリンタが設けられており、画像の印刷がそのプリンタによって行われる。
【0071】
スピーカ165は、事後接客時の案内音声、BGM、効果音等の音を出力する。
【0072】
(写真シール作成装置1の内部構成)
次に、写真シール作成装置1の内部構成について説明する。図10は、写真シール作成装置1の内部の構成例を示すブロック図である。上述した構成と同じ構成には同じ符号を付す。重複する説明については適宜省略する。
【0073】
制御部201は、CPU(Central Processing Unit)などから構成され、ROM(Read Only Memory)206または記憶部202に記憶されているプログラムを実行し、写真シール作成装置1の全体の動作を制御する。制御部201には、記憶部202、通信部2
03、ドライブ204、ROM206、RAM(Random Access Memory)207が接続される。制御部201には、撮影部21、編集部12、事後接客部13、および印刷部211の各構成も接続される。
【0074】
記憶部202は、ハードディスクまたはフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体からなり、制御部201から供給された各種の設定情報を記憶する。記憶部202に記憶されている情報は制御部201によって適宜読み出される。
【0075】
通信部203はインターネットなどのネットワークのインタフェースであり、制御部201による制御に従って外部の装置と通信を行う。
【0076】
ドライブ204には、光ディスクまたは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205が適宜装着される。ドライブ204によってリムーバブルメディア205から読み出されたコンピュータプログラムおよびデータは、制御部201に供給され、記憶部202に記憶されたり、インストールされたりする。
【0077】
ROM206には、制御部201において実行されるプログラムおよびデータが記憶されている。RAM207は、制御部201が処理するデータおよびプログラムを一時的に記憶する。
【0078】
撮影部21は、撮影空間A1におけるユーザの撮影制御に関する処理を行う。撮影部21は、硬貨処理部221、背景制御部222、照明制御部223、カメラ91、タッチパネルモニタ93、およびスピーカ224から構成される。
【0079】
硬貨処理部221は、硬貨投入返却口87に対する硬貨の投入を検出する。硬貨処理部221は、例えば300円などの所定の金額分の硬貨が投入されたことを検出した場合、そのことを表す起動信号を制御部201に出力する。
【0080】
背景制御部222は、制御部201より供給される背景制御信号に従って背景カーテンユニット25に収納されている背景カーテンの上げ下ろしを行う。背景カーテンの選択がユーザによって手動で行われるようにしてもよい。
【0081】
照明制御部223は、制御部201より供給される照明制御信号に従って、撮影空間A1内の各ストロボの発光を制御する。上述したように、撮影空間A1には、天井ストロボユニット24のストロボの他に、撮影部21に設けられる上ストロボ82、左ストロボ83、右ストロボ84、下ストロボ85、足元ストロボ86と、背景部22に設けられる背面中央ストロボ101、背面左ストロボ102、背面右ストロボ103が設けられる。各ストロボの内部には蛍光灯も設けられる。
【0082】
また、照明制御部223は、各ストロボの内部に設けられる蛍光灯の発光量を調整することによって、または、発光させる蛍光灯の数を調整することによって、ユーザが行っている撮影制御の段階に応じて撮影空間A1内の明るさを調整する。
【0083】
カメラ91は、制御部201による制御に従って撮影を行い、撮影によって得られた画像(画像)を制御部201に出力する。また、カメラ91は、後述するユーザ認証を行う場合、ユーザの身体の一部、ユーザの姿勢(ポーズ)、または、ユーザの動き(ジェスチャー)を静止画または動画として撮影することにより、画像認証に係る情報(画像認証情報)を生成するための画像(認証用画像)を撮影し、制御部201に送信しても良い。
【0084】
編集部12Aは、編集空間A2-1におけるユーザの編集制御に関する処理を行う。編集部12Aは、編集部12の正面側に設けられるタブレット内蔵モニタ131、タッチペン132A、132B、およびスピーカ231から構成される。編集部12Bも編集部12Aと同一の構成を有しており、編集空間A2-2におけるユーザの編集制御に関する処理を行う。
【0085】
タブレット内蔵モニタ131は、制御部201による制御に従って編集画面を表示し、編集画面に対するユーザの操作を検出する。ユーザの操作の内容を表す信号は制御部201に供給され、編集対象の画像の編集が行われる。
【0086】
事後接客部13は、事後接客空間A3における事後接客に関する処理を行う。事後接客部13は、タブレット内蔵モニタ161、タッチペン162A、162B、非接触型ICリーダ/ライタ163、およびスピーカ165から構成される。
【0087】
印刷部211は、印刷制御を行う構成であるプリンタ241、およびシール紙ユニット242から構成される。プリンタ241は、画像、またはユーザによる編集制御によって得られた編集済みの画像を、プリンタ241に装着されたシール紙ユニット242に収納されているシール紙に印刷し、シール紙排出口164に排出する。一点鎖線で囲んで示す事後接客部13と印刷部211が、事後接客空間A3にいるユーザを相手とした事後接客に関する処理を行う構成となる。
【0088】
また、印刷部211は、印刷制御に係る処理において、シール紙への撮影画像(または編集画像)の印刷に加え、欄外(シール紙の端部など)に、管理サーバ4へ送信した画像を取得するためのURL(Uniform Resource Locater)、および、シールID(画像取得用ID)などを印刷してもよい。シールIDとは、写真シール作成装置1において1ゲーム中に生成された1または複数の画像(撮影画像および編集画像を含む)を一義的に特定するための識別子であり、ユーザが1ゲーム中に生成された画像を取得するための識別子である。ユーザは、画像を取得するためのURLにアクセスし、シールIDを入力することにより、写真シール作成装置1において1ゲーム中に生成された画像を取得するためのウェブページ(画像取得用ページ)を携帯端末6に表示させることができる。
【0089】
これは、例えば、事後接客部13などにおいてユーザからメールアドレスの入力を受け付ける際に、タイムアウトやミス入力により正しいアドレスを受け付けることができず、画像を取得するためのURLなどの情報をユーザに送信することができないなど場合に、シール紙に印刷されているURLにアクセスしてシールIDを入力することによりユーザが画像を取得することができるようにするためである。
【0090】
なお、印刷部211は、画像を取得するための情報として、URLではなく、例えば、所定のメールアドレスまたはQRコード(登録商標)などを印刷してもよい。所定のメールアドレスが印刷されている場合には、ユーザは、当該所定のメールアドレスに空メールを送信することにより、画像を取得するためのURLが記載されたメールを管理サーバ4から受信することができる。また、シール紙にQRコードが印刷されている場合には、ユーザは、携帯端末6を用いてQRコードの示すウェブページへアクセスすることにより、画像取得用ページへ直接アクセスすることもできる。
【0091】
(管理サーバ4)
次に、管理サーバ4(サーバ4)の詳細について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る管理サーバ4の要部構成を示すブロック図である。この図に示すように、管理サーバ4は、主に、制御部401、記憶部402、および通信部403を備えている。制御部401は、管理サーバ4に備えられる各部材を統括制御する。記憶部402は、管理サーバ4において使用される各種データを記憶する。通信部403は、撮影画像管理システム10を構成する他の装置と通信する。
【0092】
なお、管理サーバ4は、記憶部402の会員データベース422に格納された会員情報を写真シール作成装置1に定期的に送信してもよい。なお、写真シール作成装置1が、会員情報を定期的にダウンロードしてもよい。この場合、管理サーバ4と写真シール作成装置1とは、通信負荷が比較的少ない午前中や夜間に通信を行い、会員情報を送受信することが望ましい。
【0093】
また、管理サーバ4は、所定のサービスにおけるコンテンツに関する情報を、携帯端末6に送信することによってユーザに提示する処理を行う。また、本明細書において「提示」には、提案すること又は訴求することが含まれていてもよい。また、コンテンツとは、画像提供サイト等の画面、動画像、アプリケーション又はメール等を意味するが、所定のサービスの運営元が生成したものに限定されず、例えばユーザが写真シール作成装置1で撮像した写真やそれに準ずる画像等も含まれていてもよい。また、コンテンツに関する情報とは、例えばコンテンツを提示する広告、上記広告を含む画面、若しくはコンテンツを提示するメール等、又はコンテンツ自体であってもよい。また、管理サーバ4がユーザに提示する情報を決定する処理においては、機械学習モデルが用いられる。また、管理サーバ4は、ユーザに提示する情報を、情報を提示するための所定の条件が満たされた場合に動的に決定してもよいし、静的に、つまり所定の条件が満たされるよりも事前に決定していてもよい。
【0094】
また、以下の説明において、機械学習モデルは、連続的な値を出力する決定木であって、回帰問題を解くための決定木であるものとして説明するが、これに限定されず、ユーザの属性を示す情報、およびユーザの行動履歴を示す情報のうち少なくとも何れか一方を説明変数である入力値として、所定のサービスにおけるコンテンツに関する情報がユーザに提示されたとした場合に当該ユーザが当該コンテンツを利用する確率を示す情報を目的変数として出力可能な構成であればよい。上記構成は、例えばニューラルネットワークを用いた手法によって実現されてもよい。
【0095】
また、「コンテンツを利用する」ことには、コンテンツを閲覧すること、コンテンツを用いたサービスに入会すること、又はコンテンツに記載されたリンク先へ移動すること等が含まれるものとしてもよい。
【0096】
また、本実施形態においては、決定木を応用した手法として、ランダムフォレスト、或いはGBDT(Gradient Boosted Decision Tree)などの手法が使用されてもよい。
【0097】
また、前記機械学習モデルの学習には、勾配型のブースティング手法が用いられてもよい。これにより、ユーザに対して提示するコンテンツを、勾配ブースティングによって、より好適なものに改善するための機械学習モデルを学習させることが可能な管理サーバ4を実現できる。
【0098】
また、以下の説明においては、機械学習モデルに係る処理を管理サーバ4が実行する構成を例に挙げて説明するが、当該処理の一部または全部が、管理サーバ4とは異なる別の外部サーバによって実行されてもよい。
【0099】
(制御部401の詳細)
図1に示すように、制御部401は、通信制御部411、メール作成部412、ウェブページ作成部413、画像管理部(保存処理部)414、認証部415、取得部416、算出部417、提示部418、および学習部419を備えている。また、制御部401は、図示しない機械学習機構を有している。
【0100】
(通信制御部411)
通信制御部411は、通信部403による通信を制御する。
【0101】
(メール作成部412)
メール作成部412は、写真シール作成装置1で遊んだユーザのメールアドレス宛に送信されるメールを作成する。本実施形態では、メール作成部412は、メールデータベース421に格納されているデータを用いて、通信制御部411から入力されたメールアドレス宛に送信される、画像の保存を案内するメールを作成し、通信制御部411に出力する。
【0102】
(ウェブページ作成部413)
ウェブページ作成部413は、携帯端末6、または、写真シール作成装置1(後述する各種モニタ)に表示されるウェブページを作成する。本実施形態では、ウェブページ作成部413は、ウェブページデータベース423に格納されているデータを用いて、携帯端末6または写真シール作成装置1から受信したアクセス要求に応じたウェブページを作成し、通信制御部411に出力する。詳細は後述するが、ウェブページ作成部413は、ユーザの会員種別に応じたウェブページを作成する。
【0103】
なお、以下において「ページ」は、例えば、ウェブページのように、管理サーバ4が携帯端末6等の通信端末または写真シール作成装置1に送信して表示するためのデータを意味する。上記ページには、通常、テキストデータおよび画像データが含まれており、さらに、音声データおよび動画データが含まれていてもよい。
【0104】
(画像管理部414)
画像管理部414は、画像提供サイトを通じてユーザに提供される画像を管理する。本実施形態では、画像管理部414は、写真シール作成装置1によって作成された画像のうち、ユーザによって指定された画像を画像データベース424に保存する。
【0105】
(認証部415)
認証部415は、例えば、画像管理サービスへのログイン時に携帯端末6からユーザ認証の要求を受け付け、ユーザ認証を行うものである。認証部415は、携帯端末6から送信された画像データ(認証用撮影画像、ログイン画像)を用いて、予め登録されている会員であるか否かを判定し、画像提供サイトへのアクセス(画像管理サービスへのログイン)、およびユーザのマイページへの未保存画像の保存を行うものであり、画像データ取得部4151、特徴量抽出部4152、および照合部4153を含む。なお、本実施形態では、ログイン画像および個人識別用データとしてユーザの顔画像を想定しているが、これに限られるものではない。後述するように、ユーザの顔画像以外をログイン画像および個人識別用データとしてもよい。
【0106】
画像データ取得部4151は、通信部403を介して携帯端末6から、携帯端末6にて撮影された認証用撮影画像の画像データを取得し、特徴量抽出部4152に送信する。
【0107】
特徴量抽出部4152は、画像データ取得部4151から送信された画像データの特徴量を抽出し、照合部4153に送信する。
【0108】
照合部4153は、特徴量抽出部4152から送信された画像データの特徴量と、会員データベース422に保存されている、ユーザの個人識別用データとを照合する。
照合の手法は、どのような技術を用いて行ってもよいが、例えば、顔の輪郭点が各々一致するか否か比較する、特定の器官の輪郭点(網膜等)が各々一致するかを比較する等が挙げられる。そして、比較の結果、信頼度が閾値以上である場合、送信された画像データの特徴量と、会員データベース422に保存されている、ユーザの個人識別用データとが合致すると判断する。そして、特徴量と個人識別用データとが合致する場合、照合部4153は、ユーザ認証が成功したと判断し、携帯端末6から画像提供サイトのユーザのマイページへのアクセスを許可(ログイン)するとともに、写真シール作成装置1にて撮影された撮影画像のうち、ユーザのマイページに保存されていない撮影画像を、ユーザのマイページへ保存する指示を画像管理部414に送信する。マイページとは、画像提供サイトにおけるユーザ毎の固有のページである。ユーザはマイページにアクセスすることにより、写真シール作成装置1で撮影し、保存した撮影画像を閲覧等することができる。
【0109】
一方、特徴量と個人識別用データとが合致しない場合、照合部4153は、ユーザ認証が失敗した旨を携帯端末6に通知する。
【0110】
なお、ユーザ認証が所定の回数、失敗した場合は、会員IDおよびパスワードによる認証を求めてもよい。または、複数の種類の認証が可能である場合、他の認証方法に認証方法を切り替える操作を行って、当該他の認証方法による認証を求めてもよい。
【0111】
(取得部416)
取得部416は、所定のサービスにおけるユーザの属性を示す情報、およびユーザの行動履歴を示す情報のうち、少なくとも何れか一方を取得する。また、取得部416は、所定のサービスにおけるコンテンツに関する情報が各ユーザに提示された場合に各ユーザが前記コンテンツを利用したか否かを示す情報を取得可能であってもよい。また、取得部416が情報を取得する取得元は、特定の場所に限定されず、例えば管理サーバ4とは異なる外部サーバであってもよい。
【0112】
(算出部417)
算出部417は、取得部416が取得した情報のうち少なくとも何れかを、学習済み機械学習モデルに入力する。なお、本明細書において、機械学習モデルが学習済みであるとは、以後、当該機械学習モデルの学習が行えないことを意味しない。
【0113】
(提示部418)
提示部418は、学習済み機械学習モデルの出力値が、対象となるユーザがコンテンツを利用する確率が所定の閾値よりも高いことを示している場合、当該コンテンツに関する情報を当該ユーザに提示する処理を行う。また、当該処理は、提示部418が、コンテンツに関する情報を、携帯端末6に通信制御部411を介して送信することによって行う。また、管理サーバ4がコンテンツに関する情報の提示を行わない構成の場合、制御部401は、必ずしも提示部418として機能せずともよい。なお、コンテンツに関する情報を提示することは、間接的にコンテンツを提示することと同義であると解してもよい。
【0114】
(学習部419)
学習部419は、所定のサービスを利用する1又は複数のユーザの属性を示す情報、および1又は複数のユーザの行動履歴を示す情報のうち少なくとも何れか一方、並びに所定のサービスにおけるコンテンツに関する情報が各ユーザに提示された場合に各ユーザがコンテンツを利用したか否かを示す情報を教師情報として機械学習モデルを学習させる。
【0115】
また、機械学習モデルの学習とは、学習部419が、記憶部402に格納された値であって、機械学習モデルにおける動作を規定するパラメータセットの値を更新することを意味していてもよい。また、学習部419は、機械学習モデルを学習させる場合に、勾配型のブースティング手法を用いてもよい。
また、管理サーバ4が機械学習モデルの学習を行わない構成の場合、制御部401は、必ずしも学習部419として機能せずともよい。
【0116】
(記憶部402の詳細)
図1に示すように、記憶部402は、メールデータベース421、会員データベース422、ウェブページデータベース423、画像データベース424、および画像保存判定データベース425を含む。また、記憶部402は、機械学習モデルのデータ構造を規定する情報、および機械学習モデルにおける動作を規定するパラメータセットを示す情報を格納する。
【0117】
(メールデータベース421)
メールデータベース421は、ユーザに送信するメールを作成するための各種データを格納している。
【0118】
(会員データベース422)
会員データベース422は、画像提供サイトの会員であるユーザに関する各種情報(会員情報)を格納している。図11に、会員データベース422の例を示す。図11に示すように、本実施形態では、会員データベース422には、写真シール作成装置1を利用するユーザを識別する個人識別用データ(例えば顔情報)と、ユーザを特定する情報(ユーザ特定情報)が、ユーザ別に格納されている。ユーザ特定情報としては、例えば、ユーザの会員ID、メールアドレス、ニックネーム、パスワード、生年月日、住所、会員属性、入会日、および、ユーザが保有する携帯端末の端末IDなどを挙げることができる。また、会員属性としては、例えば、有料会員および無料会員などを挙げることができる。
【0119】
(ウェブページデータベース423)
ウェブページデータベース423は、携帯端末6または写真シール作成装置1(後述する各種モニタ)に表示される画像提供サイトのウェブページを作成するための各種データを格納している。
【0120】
(画像データベース424)
画像データベース424は、写真シール作成装置1によって作成されたユーザの画像のうち、画像提供サイトに保存するようにユーザによって指示された画像を格納している。画像データベース424には、画像が、会員データベース422に会員として登録されているユーザごとに区別されて格納されている。
【0121】
図示はしないが、記憶部402は、写真シール作成装置1から受信した画像などのデータを一時的に保存する一時保存データベースも有している。
【0122】
(画像保存判定データベース425)
画像保存判定データベース425には、写真シール作成装置1によって撮影された撮影画像をユーザがマイページに保存したか否かが記録されている。図12に画像保存判定データベース425の例を示す。図12に示すように、画像保存判定データベース425には、会員ID、パスワード、メールアドレス、シールID、シール機で撮影した撮影日時、撮影画像データ、および画像保存の有無が記録されている。例えば、会員ID「001」のユーザが撮影した画像データが、A1、A2、A3と3枚あり、そのうちのA1をマイページに保存していた場合、図12に示すように、「撮影画像データ」A1に対応する「画像保存の有無」には保存されていることを示す情報(図12では○で示す)が記録され、保存されていないA2およびA3に対応する「画像保存の有無」には保存されていないことを示す情報(図12では×で示している)が記録される。なお、保存されていない場合は「NULL」と記録し、保存された場合は、当該「NULL」が削除されるものであってもよい。
【0123】
(通信部403の詳細)
本実施形態では、写真シール作成装置1および携帯端末6が、通信部403の通信相手である。通信部403は、通信制御部411の制御を受けることによって、他の装置からデータを受信したり、他の装置にデータを送信したりする。
【0124】
(携帯端末6)
図1に示すように、携帯端末6は、主に、制御部601、記憶部608、通信部609、および表示部607を備えている。制御部601は、携帯端末6に備えられる各部材を統括制御する。記憶部602は、携帯端末6において使用される各種データを記憶する。通信部609は、撮影画像管理システム10を構成する他の装置と通信する。
【0125】
表示部607は、各種情報、例えば、管理サーバ4から提示されたコンテンツに関する情報を画面に表示する。また、表示部607は、ユーザが携帯端末6に情報を入力するためのタッチパネルとしても機能する。
【0126】
また、制御部601は、携帯端末6全体を統括し、通信制御部611および表示制御部602としても機能する。通信制御部611は、通信部603による通信を制御する。表示制御部602は、表示部607における情報表示を制御する。たとえば、通信制御部611から入力されたウェブページを表示制御部602が表示部607に出力することによって、当該ウェブページを表示部607に表示させることができる。
【0127】
(コンテンツの提示例)
本例に係る撮影画像管理システム10における処理、特に所定のサービスにおける少なくとも一部の処理を実行するサーバ4であって、所定のサービスにおけるユーザの属性を示す情報、およびユーザの行動履歴を示す情報のうち少なくとも何れか一方を取得する取得部416と、所定のサービスにおけるコンテンツに関する情報が前記ユーザに提示されたとした場合に当該ユーザが当該コンテンツを利用する確率を示す情報を出力する学習済み機械学習モデルに、取得部416が取得した情報を入力する算出部417とを備えるサーバ4における処理の一例について図13を参照してステップごとに説明する。図13は、本例に係る処理の流れを示すフローチャートである。また、上記のサーバ4の構成によれば、ユーザに対して提示するコンテンツ(コンテンツに関する情報)を、より好適なものに改善するためのサーバ4を実現できる。
【0128】
本明細書においては、所定のサービスとして、上述した撮影画像管理システム10が提供する、ユーザの写真撮影、画像の編集、画像の写真シールとしての印刷、および画像提供サイトへの画像の保存を、サービスの一部または全部として実現するサービス(以下、画像管理サービスと称することもある。)を例に挙げて説明するが、これに限定されず、例えば、サーバ4が期間限定で動画を配信するサービス等を適用してもよい。
【0129】
ステップS101において、制御部401は、対象となるユーザに対してコンテンツに関する情報を提示するか否かの判定を開始するための所定の条件が満たされたか否かを判定する。ここで、所定の条件は、例えば当該ユーザが画像提供サイトの特定のページにアクセスすることや、画像管理サービスにおける特定の機能を使用すること等であってもよい。制御部401が、当該条件が満たされたと判定した場合、続いてステップS102の処理が実行され、満たされていないと判定した場合、本ステップS101における判定処理が繰り返される。また、図13のフローチャートに基づく説明において、当該判定の対象となるユーザを、以下単にユーザと呼称することもある。
【0130】
ステップS102において、取得部416は、ユーザの属性を示す情報、およびユーザの行動履歴を示す情報のうち少なくとも何れか一方を取得する。ここで、ユーザの属性を示す情報とは、例えばユーザについての以下の情報である。ここで、フレンド数とは、画像管理サービス上においてSNS(Social Networking Service)又はそれに準じたサービスが実現されている場合における、ユーザの友達として関連付けられた他のユーザの数
を示している。
・年齢
・学年、職業等
・会員ステータス:有料会員であるか無料会員であるか等
・フレンド数
・SNS連携の有無:画像管理サービスに、ユーザのSNSアカウントが関連付けられているか等
また、ユーザの属性を示す情報としては、上述したものの他に、例えば、心理テスト等によって求められるユーザの心理若しくは性格、又は画像管理サービスに対応するアプリケーションの起動時間等から求められるユーザのライフスタイル等が挙げられる。
【0131】
また、ユーザの行動履歴を示す情報とは、例えば画像管理サービスの以下の各項目に関するユーザの行動である。また、以下に例示する情報は、ユーザのいつの行動に由来する情報であるかが区別されてもよい。ここで、写真のアルバム機能とは、ユーザが携帯端末6に保存した写真を整頓できる機能である。また、写真のランキング機能とは、各ユーザが投稿した写真について、他のユーザの反応があった人気の写真のランキングに関する機能であって、例えば投稿された任意の写真をブックマークする機能等である。
・ページ閲覧:ユーザが何れのページを閲覧したか
・写真保存:ユーザが何れの写真を保存したか
・SNS機能の使用
・写真のアルバム機能の使用
・写真のランキング機能の使用
続いてステップS103において、算出部417は、取得部416が取得した情報を、学習済み機械学習モデルに入力する。機械学習モデルは、所定のサービスにおけるコンテンツに関する情報が前記ユーザに提示されたとした場合に当該ユーザが当該コンテンツを利用する確率を示す情報を出力する。
【0132】
図14は、上述した確率を求める対象となるコンテンツに関する情報を決定するためのデータテーブルの一例を示す図である。図14(A)に示すテーブルにおいて、フィールド項目「ID」は、当該テーブルにおける主キーを示しており、図14(B)に示すテーブルの「FLOW_ID」に対応する。「NAME」は、「ID」に対応する一意なレコード名を示している。「PLACE_ID」は、画像提供サイトにおけるページを示して
いる。「START_AT」「END_AT」は、対応するレコードを有効とする期間の開始日と終了日とをそれぞれ示している。図14(B)に示すテーブルにおいて、フィールド項目「ID」は、当該テーブルにおける主キーを示しており、図14(C)に示すテーブルの「FLOW_CASE_ID」に対応する。「TYPE」は、何れのタイプのページがユーザに提示される候補となるかを示している。図14(C)に示すテーブルにおいて、「ACCOUNT_ID」は、ユーザのアカウントIDを示している。
【0133】
図14に示すデータテーブルの構成により、どのユーザがいつ何れのページにアクセスしたかによって、図14(B)のテーブルにおいて対応するレコードが一意に定まる。具体的には、ユーザがアクセスしたページと日付とから図14(B)のテーブルにおけるFLOW_IDの値が定まり、ユーザのアカウントIDから当該テーブルにおけるIDの値が定まる。また「PLACE_ID」と「TYPE」とからユーザに提示される候補となるページとそのタイプが一意に定まる。図15は、提示部418がユーザに提示する候補となる画像提供サイトのページを示している。また、図15に示す各ページは、コンテンツに関する情報の一例であって、互いに異なるタイプのページを示している。また、図15(A)~(C)に示すように、互いに異なるタイプのページであっても、内容の一部は同一であってもよい。
【0134】
続いてステップS104において、制御部401は、機械学習モデルの出力値が、ユーザがコンテンツを利用する確率が所定の閾値よりも高いことを示しているか否かを判定する。制御部401が、ユーザがコンテンツを利用する確率が所定の閾値よりも高いことを示していると判定した場合、続いてステップS105の処理が実行され、所定の閾値よりも高いことを示していないと判定した場合、図13のフローチャートに基づく処理が終了する。
【0135】
ステップS105において、提示部418は、コンテンツに関する情報を、携帯端末6に送信することによってユーザに対して提示する。このように、提示部418は、学習済み機械学習モデルの出力値が、ユーザがコンテンツを利用する確率が所定の確率よりも高いことを示している場合、当該コンテンツに関する情報をユーザに提示する。これにより、利用される確率の高い好適なコンテンツに関する情報をユーザに提示することができる。
【0136】
続いてステップS106において、表示制御部602は、サーバ4から取得したコンテンツに関する情報を、表示部607に表示させる。
【0137】
なお、ユーザに提示するコンテンツに関する情報が、図15に例示したように画像提供サイトのページ等であれば、ステップS104における機械学習モデルの出力値が、ユーザがコンテンツを利用する確率が所定の閾値よりも高いことを示していないと制御部401が判定した場合でも、ステップS105以降の処理において、提示部418は、デフォルトのページを示す情報を、携帯端末6に送信することでユーザに提示してもよい。
【0138】
(機械学習モデルの学習例)
所定のサービスにおける少なくとも一部の処理を実行する、本例に係るサーバ4であって、所定のサービスを利用する1又は複数のユーザの属性を示す情報、および1又は複数のユーザの行動履歴を示す情報のうち少なくとも何れか一方、並びに所定のサービスにおけるコンテンツに関する情報が各ユーザに提示された場合に各ユーザが前記コンテンツを利用したか否かを示す情報を取得する取得部416と、取得部416が取得した情報を教師情報として、所定のサービスにおけるコンテンツに関する情報がユーザに提示されたとした場合に当該ユーザが当該コンテンツを利用する確率を示す情報を出力する機械学習モデルを学習させる学習部419とを備えるサーバ4における処理の一例についてステップごとに説明する。上記のサーバ4の構成によれば、ユーザに対して提示するコンテンツ(コンテンツに関する情報)を、より好適なものに改善するための機械学習モデルを学習させることが可能なサーバ4を実現できる。図16は、本例に係る処理の流れを示すフローチャートである。
【0139】
ステップS201において、制御部401は、機械学習モデルの学習を行うための所定の条件が満たされたか否かを判定する。ここで、所定の条件とは、例えば、所定の時刻の到来や、画像管理サービスにおいてユーザが所定の行動を行うこと等であってもよい。制御部401が、所定の条件が満たされたと判定した場合、続いてステップS202の処理が実行され、満たされていないと判定した場合、本ステップS201における判定処理が繰り返される。
【0140】
ステップS202において、取得部416は、画像管理サービスを利用する一部または全部のユーザについて、ユーザの属性を示す情報、およびユーザの行動履歴を示す情報のうち少なくとも何れか一方、並びに所定のサービスにおけるコンテンツに関する情報が各ユーザに提示された場合に当該ユーザがコンテンツを利用したか否かを示す情報を取得する。
【0141】
続いてステップS203において、学習部419は、取得部416が取得した情報を、教師情報として機械学習モデルに入力する。
【0142】
続いてステップS204において、学習部419は、機械学習モデルを学習させる。図17は、本実施形態における機械学習モデルを簡略化した概略図を示している。図17に例示する決定木において、葉ノードに対応する値が、機械学習モデルの出力値に対応する。当該決定木においては、木の節に設定された各分岐が、算出部417が機械学習モデルに入力する情報についての判定条件に対応する。本ステップS204において、学習部419は、当該判定条件を規定するパラメータセットの値を、機械学習モデルの出力値によって規定される損失関数を減少させる勾配方向に更新する。なお、ステップS203及びステップS204の処理は、任意又は所定の回数、繰り返し実行されてもよい。
【0143】
以上が、図16のフローチャートに基づく処理の流れである。また、制御部は、学習済みの機械学習モデルを用いて、図14に例示したデータテーブルを更新してもよい。即ち、例えば算出部417が、架空のユーザの属性および行動履歴を、学習済み機械学習モデルに入力して、ユーザに提示されたとした場合に当該ユーザが利用する確率が最も高いコンテンツに関する情報のタイプを導出して図14(B)等のテーブルを更新してもよい。
【0144】
〔変形例〕
ステップS101に相当する工程において、制御部401が、対象となるユーザに対してコンテンツに関する情報を提示するための所定の条件が満たされたと判定した場合、続いてステップS105の処理が実行されて、図14に例示するデータテーブルによって定まるコンテンツに関する情報がユーザに提示されてもよい。即ち、コンテンツに関する情報がユーザに提示される度に、機械学習モデルが用いられずともよい。
【0145】
機械学習モデルは、「ユーザに提示されたとした場合にどのタイプのコンテンツに関する情報が当該ユーザに利用される確率が最も高いか」という分類問題を解くものであってもよい。また、ユーザに提示されるコンテンツに関する情報が決定される場合に図14に例示したようなデータテーブルが参照される構成に限定されない。
【0146】
提示部418は、ユーザに提示するコンテンツに関する情報の選択肢が複数存在する場合に、前記選択肢の中で、当該ユーザが利用する確率が最も高いコンテンツに関する情報を提示する構成でもよい。これにより、最も好適なコンテンツに関する情報をユーザに提示することができる。また、選択肢となるコンテンツに関する情報は、同一の内容でなくともよい。また、ユーザに提示される場合の媒介も互いに異なるものであってもよい。例えば、選択肢となるコンテンツに関する情報のうち、第1の情報は、メールによってユーザに提示され、第2の情報は、プッシュ通知によって提示されるものであってもよい。
【0147】
機械学習モデルは、所定のサービスの有料会員となることがユーザに提示されたとした場合に当該ユーザが所定のサービスの有料会員となる確率を示す情報を出力するものであってもよい。これにより、有料会員になることを提示するか否かの判定のための確率を出力可能な機械学習モデルを実現できる。なお、有料会員になることを提示することは、有料会員用のコンテンツに関する情報を提示することと同義であると解してもよい。また、「有料会員となること」には有料会員であることを維持することが含まれるものと解してもよい。つまり、機械学習モデルは、ユーザが所定のサービスの有料会員を退会する手続きを開始した場合等に、有料会員を継続することがユーザに提示されたとした場合に当該ユーザが退会を取りやめ、有料会員を継続する確率を示す情報を出力するものであってもよい。
【0148】
また、所定のサービスにおいては、ユーザがテキストや写真等の情報を投稿することが可能であり、機械学習モデルは、所定のサービスに情報を投稿することがユーザに提示されたとした場合に当該ユーザが情報を投稿する確率を示す情報を出力するものであってもよい。これにより、情報を投稿することを提示するか否かの判定のための確率を出力可能な機械学習モデルを実現できる。なお、所定のサービスに情報を投稿することを提示することは、情報の投稿が可能なコンテンツに関する情報を提示することと同義であると解してもよい。
【0149】
また、画像管理サービス等の所定のサービスは、専用に作成されたアプリケーションを介して利用されるものに限定されず、例えば、汎用のブラウザを介して利用されるものであってもよい。また、所定のサービスを実現する管理サーバ4は、アプリケーションサーバとして機能してもよいし、ウェブサーバとして機能してもよい。また、画像提供サイトに対しては、任意のパソコン等からログインが可能であってもよい。
【0150】
〔ソフトウェアによる実現例〕
管理サーバ4および携帯端末6の制御ブロック(特に制御部401および制御部601)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0151】
後者の場合、管理サーバ4および携帯端末6は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(
Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random
Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0152】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0153】
1 写真シール作成装置
4 管理サーバ(サーバ)
6 携帯端末(端末装置)
10 撮影画像管理システム
414 画像管理部(保存処理部)
415、614 認証部
416 取得部
417 算出部
418 提示部
419 学習部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17