(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
B60C 19/00 20060101AFI20231227BHJP
【FI】
B60C19/00 H
B60C19/00 B
(21)【出願番号】P 2020111377
(22)【出願日】2020-06-29
【審査請求日】2023-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】長橋 祐輝
(72)【発明者】
【氏名】成瀬 雅公
【審査官】増永 淳司
(56)【参考文献】
【文献】特許第6683287(JP,B1)
【文献】特開2019-156070(JP,A)
【文献】特開2003-306007(JP,A)
【文献】特開2000-108621(JP,A)
【文献】特表2013-530874(JP,A)
【文献】特表2013-541246(JP,A)
【文献】米国特許第491127(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、各ビード部のビードコアの外周上にビードフィラーが配置され、前記一対のビード部間にカーカス層が装架され、前記トレッド部における前記カーカス層の外周側に複数層のベルト層が配置され、前記カーカス層に沿ってタイヤ内表面にインナーライナー層が配置され、前記カーカス層が前記ビードコアの廻りにタイヤ内側から外側へ巻き上げられた構造を有する空気入りタイヤにおいて、
前記カーカス層がポリエステル繊維コードからなる補強コードで構成され、前記カーカス層の補強コードの切断伸度EBが20%~30%の範囲にあり、前記ビードコアの上端からタイヤ径方向外側に15mmの位置と前記ベルト層の端末からタイヤ径方向内側に5mmの位置との間にトランスポンダが配置されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
【請求項2】
前記トランスポンダが前記カーカス層と前記サイドウォール部で前記カーカス層の外側に配置されたゴム層との間又は前記カーカス層と前記インナーライナー層との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記トランスポンダの中心がタイヤ構成部材のスプライス部からタイヤ周方向に10mm以上離間して配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記カーカス層の補強コードの1.0cN/dtex負荷時の中間伸度EMが5.0%以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記カーカス層の補強コードの正量繊度CFが4000dtex~8000dtexの範囲にあることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項6】
ディップ処理された前記カーカス層の補強コードの下記式で表される撚り係数CTが2000以上であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
CT=T×D
1/2
T:カーカス層の補強コードの撚り数(回/10cm)
D:カーカス層の補強コードの総繊度(dtex)
【請求項7】
前記トランスポンダがエラストマー又はゴムからなる被覆層により被覆され、該被覆層の比誘電率が7以下であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項8】
前記被覆層の総厚さGacと前記トランスポンダの最大厚さGarとが1.1≦Gac/Gar≦3.0の関係を満たすことを特徴とする請求項7に記載の空気入りタイヤ。
【請求項9】
前記トランスポンダが基板と該基板の両端から延びるアンテナとを有し、前記トランスポンダがタイヤ周方向に沿って延在し、前記アンテナのタイヤ周方向の端末と前記被覆層のタイヤ周方向の端末との距離Lが2mm~20mmの範囲にあることを特徴とする請求項7又は8に記載の空気入りタイヤ。
【請求項10】
前記トランスポンダが基板と該基板の両端から延びるアンテナとを有し、前記アンテナがタイヤ周方向に対して±20°の範囲内で延在していることを特徴とする請求項7~9のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項11】
前記トランスポンダの厚さ方向の中心が前記被覆層の厚さ方向の一方側の表面から該被覆層の総厚さGacの25%~75%の範囲内に配置されていることを特徴とする請求項7~10のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスポンダが埋設された空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、トランスポンダの通信性を確保しながら、タイヤの操縦安定性を改善することを可能にした空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤにおいて、RFIDタグ(トランスポンダ)をタイヤ内に埋設することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、カーカス層を構成する補強コード(カーカスコード)には有機繊維コードが用いられており、有機繊維としてレーヨンやポリエステル等を例示することができる。例えば、カーカス層がレーヨン繊維コードからなる補強コードで構成された空気入りタイヤにトランスポンダを埋設した場合、レーヨンは高剛性であるため優れた操縦安定性を得ることができる一方で、レーヨンは吸湿性が高いためトランスポンダの通信性が悪化するという問題がある。また、カーカス層がポリエステル繊維コードからなる補強コードで構成された空気入りタイヤにトランスポンダを埋設した場合、ポリエステル繊維の種類によっては剛性が低い(切断伸度が比較的高い)ものがあるため、操縦安定性を十分に得ることができないことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、トランスポンダの通信性を確保しながら、タイヤの操縦安定性を改善することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、各ビード部のビードコアの外周上にビードフィラーが配置され、前記一対のビード部間にカーカス層が装架され、前記トレッド部における前記カーカス層の外周側に複数層のベルト層が配置され、前記カーカス層に沿ってタイヤ内表面にインナーライナー層が配置され、前記カーカス層が前記ビードコアの廻りにタイヤ内側から外側へ巻き上げられた構造を有する空気入りタイヤにおいて、前記カーカス層がポリエステル繊維コードからなる補強コードで構成され、前記カーカス層の補強コードの切断伸度EBが20%~30%の範囲にあり、前記ビードコアの上端からタイヤ径方向外側に15mmの位置と前記ベルト層の端末からタイヤ径方向内側に5mmの位置との間にトランスポンダが配置されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、カーカス層はポリエステル繊維コードからなる補強コードで構成され、カーカス層の補強コードの切断伸度EBが20%~30%の範囲にあるので、従来のレーヨン繊維コードを用いた場合と同程度の良好な操縦安定性を確保することができる。また、カーカス層はポリエステル繊維コードで構成されているので、吸湿性が低いため、従来のレーヨン繊維コードを用いた場合のようにトランスポンダの通信性を悪化させることがない。更に、ビードコアの上端からタイヤ径方向外側に15mmの位置とベルト層の端末からタイヤ径方向内側に5mmの位置との間にトランスポンダが配置されているので、金属干渉が生じにくく、トランスポンダの通信性を十分に確保することができる。その結果、トランスポンダの通信性を確保しながら、タイヤの操縦安定性を改善することできるのである。
【0007】
本発明の空気入りタイヤにおいて、トランスポンダはカーカス層とサイドウォール部でカーカス層の外側に配置されたゴム層との間又はカーカス層とインナーライナー層との間に配置されていることが好ましい。例えば、トランスポンダがカーカス層とビードフィラーとの間に配置されている場合、カーカス層におけるカーカスラインが乱れ、タイヤの操縦安定性が悪化するが、上述したタイヤ幅方向の位置にトランスポンダを配置することにより、カーカス層におけるカーカスラインに影響を与えないため、タイヤの操縦安定性とトランスポンダの通信性を両立することができる。
【0008】
トランスポンダの中心はタイヤ構成部材のスプライス部からタイヤ周方向に10mm以上離間して配置されていることが好ましい。これにより、タイヤの耐久性を効果的に改善することができる。
【0009】
カーカス層の補強コードの1.0cN/dtex負荷時の中間伸度EMは5.0%以下であることが好ましい。これにより、タイヤの剛性を十分に確保することができ、ドライ路面での操縦安定性を効果的に改善することができる。
【0010】
カーカス層の補強コードの正量繊度CFは4000dtex~8000dtexの範囲にあることが好ましい。これにより、カーカス層の補強コードの剛性を十分に確保することができ、ドライ路面での操縦安定性を効果的に改善することができる。
【0011】
ディップ処理されたカーカス層の補強コードの下記式で表される撚り係数CTは2000以上であることが好ましい。これにより、カーカス層の補強コードの剛性を十分に確保することができ、ドライ路面での操縦安定性を効果的に改善することができる。
CT=T×D1/2
T:カーカス層の補強コードの撚り数(回/10cm)
D:カーカス層の補強コードの総繊度(dtex)
【0012】
トランスポンダはエラストマー又はゴムからなる被覆層により被覆され、被覆層の比誘電率は7以下であることが好ましい。これにより、トランスポンダが被覆層により保護され、トランスポンダの耐久性を改善することができると共に、トランスポンダの電波透過性を確保し、トランスポンダの通信性を効果的に改善することができる。
【0013】
被覆層の総厚さGacとトランスポンダの最大厚さGarとは1.1≦Gac/Gar≦3.0の関係を満たすことが好ましい。これにより、トランスポンダの通信距離を十分に確保することができる。
【0014】
トランスポンダは基板と基板の両端から延びるアンテナとを有し、トランスポンダはタイヤ周方向に沿って延在し、アンテナのタイヤ周方向の端末と被覆層のタイヤ周方向の端末との距離Lは2mm~20mmの範囲にあることが好ましい。これにより、トランスポンダの通信距離を十分に確保することができる。
【0015】
トランスポンダは基板と基板の両端から延びるアンテナとを有し、アンテナはタイヤ周方向に対して±20°の範囲内で延在していることが好ましい。これにより、トランスポンダの耐久性を十分に確保することができる。
【0016】
トランスポンダの厚さ方向の中心は被覆層の厚さ方向の一方側の表面から被覆層の総厚さGacの25%~75%の範囲内に配置されていることが好ましい。これにより、トランスポンダの通信距離を十分に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの一例を示す子午線半断面図である。
【
図2】
図1の空気入りタイヤを概略的に示す子午線断面図である。
【
図3】(a),(b)はそれぞれ本発明に係る空気入りタイヤに埋設可能なトランスポンダを示す斜視図である。
【
図4】
図1の空気入りタイヤに埋設されたトランスポンダを拡大して示す子午線断面図である。
【
図5】被覆層により被覆された状態で空気入りタイヤに埋設されたトランスポンダを示す断面図である。
【
図6】(a)~(c)はそれぞれ被覆層により被覆された状態で空気入りタイヤに埋設されたトランスポンダを示す平面図である。
【
図7】(a),(b)はそれぞれ被覆層により被覆された状態で空気入りタイヤに埋設されたトランスポンダを示す平面図である。
【
図8】
図1の空気入りタイヤを概略的に示す赤道線断面図である。
【
図9】本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの変形例を示す子午線断面図である。
【
図10】試験タイヤにおけるトランスポンダのタイヤ径方向位置を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1~8は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示すものである。
【0019】
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。
【0020】
一対のビード部3間には、複数本の補強コード(カーカスコード)をラジアル方向に配列してなる少なくとも1層(
図1では1層)のカーカス層4が装架されている。各ビード部3には環状のビードコア5が埋設されており、そのビードコア5の外周上に断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー6が配置されている。
【0021】
一方、トレッド部1におけるカーカス層4のタイヤ外周側には、複数層(
図1では2層)のベルト層7が埋設されている。ベルト層7は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°~40°の範囲に設定されている。ベルト層7の補強コードとしては、スチールコードが好ましく使用される。
【0022】
ベルト層7のタイヤ外周側には、高速耐久性の向上を目的として、補強コードをタイヤ周方向に対して例えば5°以下の角度で配列してなる少なくとも1層(
図1では2層)のベルトカバー層8が配置されている。
図1において、タイヤ径方向内側に位置するベルトカバー層8はベルト層7の全幅を覆うフルカバーを構成し、タイヤ径方向外側に位置するベルトカバー層8はベルト層7の端部のみを覆うエッジカバー層を構成している。ベルトカバー層8の補強コードとしては、ナイロンやアラミド等の有機繊維コードが好ましく使用される。
【0023】
上記空気入りタイヤにおいて、カーカス層4の両端末4eは、各ビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ折り返され、ビードコア5及びビードフィラー6を包み込むように配置されている。カーカス層4は、トレッド部1から各サイドウォール部2を経て各ビード部3に至る部分である本体部4Aと、各ビード部3においてビードコア5の廻りに巻き上げられて各サイドウォール部2側に向かって延在する部分である巻き上げ部4Bとを含む。
【0024】
また、タイヤ内表面には、カーカス層4に沿ってインナーライナー層9が配置されている。トレッド部1にはキャップトレッドゴム層11が配置され、サイドウォール部2にはサイドウォールゴム層12が配置され、ビード部3にはリムクッションゴム層13が配置されている。サイドウォール部2でカーカス層4の外側に配置されたゴム層10は、サイドウォールゴム層12とリムクッションゴム層13とを含む。
【0025】
また、上記空気入りタイヤにおいて、カーカス層4の巻き上げ部4Bとゴム層10との間にはトランスポンダ20が埋設されている。即ち、トランスポンダ20は、タイヤ幅方向の配置領域として、カーカス層4の巻き上げ部4Bとサイドウォールゴム層12又はリムクッションゴム層13との間に配置されている。また、トランスポンダ20は、タイヤ径方向の配置領域として、ビードコア5の上端5e(タイヤ径方向外側の端部5e)からタイヤ径方向外側に15mmの位置P1と、ベルト層7の端末7eからタイヤ径方向内側に5mmの位置P2との間に配置されている。即ち、トランスポンダ20は、
図2に示す領域S1に配置されている。
【0026】
なお、
図1及び
図2の実施形態では、
図1及び
図2の実施形態では、カーカス層4の巻き上げ部4Bの端末4eがサイドウォール部2の中腹に配置された例を示したが、カーカス層4の巻き上げ部4Bの端末4eはビードコア5の側方に配置することもできる。このようなロータンナップ構造の場合、トランスポンダ20は、ビードフィラー6とサイドウォールゴム層12又はリムクッションゴム層13との間に配置される。
【0027】
トランスポンダ20として、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)タグを用いることができる。トランスポンダ20は、
図3(a),(b)に示すにように、データを記憶する基板21と、データを非接触で送受信するアンテナ22とを有している。このようなトランスポンダ20を用いることで、適時にタイヤに関する情報を書き込み又は読み出し、タイヤを効率的に管理することができる。なお、RFIDとは、アンテナ及びコントローラを有するリーダライタと、基板及びアンテナを有するIDタグから構成され、無線方式によりデータを交信可能な自動認識技術である。
【0028】
トランスポンダ20の全体の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、
図3(a),(b)に示すにように柱状や板状のものを用いることができる。特に、
図3(a)に示す柱状のトランスポンダ20を用いた場合、タイヤの各方向の変形に対して追従することができるので好適である。この場合、トランスポンダ20のアンテナ22は、基板21の両端部の各々から突出し、螺旋状を呈している。これにより、走行時におけるタイヤの変形に対して追従することができ、トランスポンダ20の耐久性を改善することができる。また、アンテナ22の長さを適宜変更することにより、通信性を確保することができる。
【0029】
このように構成される空気入りタイヤにおいて、カーカス層4は、ポリエステル繊維コードからなる補強コード(カーカスコード)で構成されている。このカーカス層4の補強コードは、切断伸度EBが20%~30%の範囲に設定されている。特に、カーカス層4の補強コードの切断伸度EBは、22%~28%の範囲にあることが好ましい。本発明で用いられるカーカス層4の補強コードは、レーヨン繊維コードと同程度の剛性を有し、ポリエステル繊維コードの吸湿性が低いという特性を有している。なお、「切断伸度」は、JIS L1017の「化学繊維タイヤコード試験方法」に準拠し、つかみ間隔250mm、引張速度300±20mm/分の条件にて引張試験を実施し、コード切断時に測定される試料コードの伸び率(%)である。
【0030】
カーカス層4の補強コード(ポリエステル繊維コード)を構成する繊維の種類は特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート繊維(PET繊維)、ポリエチレンナフタレート繊維(PEN繊維)、ポリブチレンテレフタレート繊維(PBT)、ポリブチレンナフタレート繊維(PBN)を例示することができ、中でもPET繊維が好適である。いずれの繊維を用いた場合も、各繊維の物性によって良好な操縦安定性を得ることができる。特に、PET繊維の場合は、PET繊維が安価であることから、空気入りタイヤの低コスト化を図ることができる。また、コードを製造する際の作業性を高めることもできる。
【0031】
上述した空気入りタイヤでは、カーカス層4はポリエステル繊維コードからなる補強コードで構成され、カーカス層4の補強コードの切断伸度EBが20%~30%の範囲にあるので、従来のレーヨン繊維コードを用いた場合と同程度の良好な操縦安定性を確保することができる。また、カーカス層4はポリエステル繊維コードで構成されているので、吸湿性が低いため、従来のレーヨン繊維コードを用いた場合のようにトランスポンダ20の通信性を悪化させることがない。更に、ビードコア5の上端5eからタイヤ径方向外側に15mmの位置P1とベルト層7の端末7eからタイヤ径方向内側に5mmの位置P2との間にトランスポンダ20が配置されているので、金属干渉が生じにくく、トランスポンダ20の通信性を十分に確保することができる。その結果、トランスポンダ20の通信性を確保しながら、タイヤの操縦安定性を改善することできるのである。
【0032】
ここで、カーカス層4の補強コードの切断伸度EBが30%を超えると、補強コードの中間伸度も大きくなる傾向があり、補強コードの剛性が低下してタイヤの操縦安定性が悪化する。また、トランスポンダ20が位置P1よりタイヤ径方向内側に配置されていると、リムフランジとの金属干渉が発生し、トランスポンダ20の通信性が低下する傾向がある。また、トランスポンダ20が位置P2よりタイヤ径方向外側に配置されていると、ベルト層7との金属干渉が発生し、トランスポンダ20の通信性が低下する傾向がある。
【0033】
上記空気入りタイヤにおいて、トランスポンダ20は、カーカス層4とゴム層10(サイドウォールゴム層12又はリムクッションゴム層13)との間にゴム層10に当接しながら配置されていると良い。例えば、トランスポンダ20がカーカス層4とゴム層10との間であってもカーカス層4とビードフィラー6との間に配置されている場合、カーカス層4におけるカーカスラインが乱れ、タイヤの操縦安定性が悪化する傾向があるため、トランスポンダ20を上述したタイヤ幅方向の位置に設けることによって、カーカス層4におけるカーカスラインに悪影響を与えず、タイヤの操縦安定性とトランスポンダ20の通信性を両立することができる。
【0034】
上記空気入りタイヤにおいて、カーカス層4の補強コードの1.0cN/dtex負荷時の中間伸度EMは、5.0%以下であることが好ましく、2.0%~4.0%の範囲にあることがより好ましい。このようにカーカス層4の補強コードの中間伸度EMを適度に設定することで、タイヤの剛性を十分に確保することができ、ドライ路面での操縦安定性を効果的に改善することができる。ここで、カーカス層4の補強コードの1.0cN/dtex負荷時の中間伸度EMが5.0%を超えると、剛性を十分に確保できず操縦安定性を向上する効果が限定的になる恐れがある。なお、「1.0cN/dtex負荷時の中間伸度」は、JIS L1017の「化学繊維タイヤコード試験方法」に準拠し、つかみ間隔250mm、引張速度300±20mm/分の条件にて引張試験を実施し、1.0cN/dtex負荷時に測定される試料コードの伸び率(%)である。
【0035】
また、カーカス層4の補強コードの正量繊度CFは、4000dtex~8000dtexの範囲にあることが好ましく、5000dtex~7000dtexの範囲にあることがより好ましい。このようにカーカス層4の補強コードの正量繊度CFを適度に設定することで、カーカス層4の補強コードの剛性を十分に確保することができ、ドライ路面での操縦安定性を効果的に改善することができる。ここで、カーカス層4の補強コードの正量繊度CFが4000dtex未満であると操縦安定性を十分に確保することが難しくなり、逆にカーカス層4の補強コードの正量繊度CFが8000dtexを超えると乗り心地性が悪化する傾向がある。
【0036】
更に、ディップ処理されたカーカス層4の補強コードの下記式で表される撚り係数CTは、2000以上であることが好ましく、2100~2400の範囲にあることがより好ましい。このようにカーカス層4の補強コードの撚り係数CTを適度に設定することで、カーカス層4の補強コードの剛性を十分に確保することができ、ドライ路面での操縦安定性を効果的に改善することができる。また、コード疲労性を良好にすることができ、優れた耐久性を確保することもできる。ここで、カーカス層4の補強コードの撚り係数CTが2000未満であると、剛性を十分に確保できず操縦安定性を向上する効果が限定的になる恐れがある。
CT=T×D1/2
T:カーカス層の補強コードの撚り数(回/10cm)
D:カーカス層の補強コードの総繊度(dtex)
【0037】
図4に示すように、トランスポンダ20はエラストマー又はゴムからなる被覆層23により被覆されていると良い。この被覆層23は、トランスポンダ20の表裏両面を挟むようにしてトランスポンダ20の全体を被覆する。被覆層23は、サイドウォールゴム層12又はリムクッションゴム層13を構成するゴムと同じ物性を有するゴムで構成しても良く、異なる物性を有するゴムで構成しても良い。このようにトランスポンダ20が被覆層23により保護されていることで、トランスポンダ20の耐久性を改善することができる。なお、被覆層23の断面形状は、特に限定されるものではないが、例えば、三角形や長方形、台形、紡錘形を採用することができる。
【0038】
被覆層23の組成として、被覆層23は、ゴム又はエラストマーと20phr以上の白色フィラーとからなることが好ましい。このように被覆層23を構成することで、カーボンを含有する場合に比べ、被覆層23の比誘電率を比較的低くすることができ、トランスポンダ20の通信性を効果的に改善することができる。なお、本明細書において、「phr」は、ゴム成分(エラストマー)100重量部あたりの重量部を意味する。
【0039】
この被覆層23を構成する白色フィラーは、20phr~55phrの炭酸カルシウムを含むことが好ましい。これにより、被覆層23の比誘電率を比較的低くすることができ、トランスポンダ20の通信性を効果的に改善することができる。但し、白色フィラーに炭酸カルシウムが過度に含まれると脆性的になり、被覆層23としての強度が低下するため好ましくない。また、被覆層23は、炭酸カルシウムの他に、20phr以下のシリカ(白色フィラー)や5phr以下のカーボンブラックを任意に含むことができる。少量のシリカやカーボンブラックを併用した場合、被覆層23の強度を確保しつつ、その比誘電率を低下させることができる。
【0040】
また、被覆層23の比誘電率は7以下であることが好ましく、2~5であることがより好ましい。このように被覆層23の比誘電率を適度に設定することで、トランスポンダ20が電波を放射する際の電波透過性を確保し、トランスポンダ20の通信性を効果的に改善することができる。なお、被覆層23を構成するゴムの比誘電率は、常温において860MHz~960MHzの比誘電率である。ここで、常温はJIS規格の標準状態に準拠し、23±2℃、60%±5%RHである。当該ゴムは23℃、60%RHで24時間処理された後に比誘電率が計測される。上述した860MHz~960MHzの範囲は、現状のUHF帯のRFIDの割り当て周波数に該当するが、上記割り当て周波数が変更された場合、その割り当て周波数の範囲の比誘電率を上記の如く規定すれば良い。
【0041】
上記空気入りタイヤにおいて、被覆層23の総厚さGacとトランスポンダ20の最大厚さGarとは、1.1≦Gac/Gar≦3.0の関係を満たすことが好ましい。被覆層23の総厚さGacは、トランスポンダ20を含む位置での被覆層23の総厚さであり、例えば、
図5に示すように、タイヤ子午線断面においてトランスポンダ20の中心Cを通って最も近いカーカス層4のカーカスコードと直交する直線上での総厚さである。
【0042】
上述したようにトランスポンダ20の最大厚さGarに対する被覆層23の総厚さGacの比を適度に設定することで、トランスポンダ20の通信距離を十分に確保することができる。ここで、上記比が過度に小さい(被覆層23の総厚さGacが過度に薄い)と、トランスポンダ20が隣接するゴム部材と接触し、共振周波数がずれて、トランスポンダ20の通信性が悪化し、逆に上記比が過度に大きい(被覆層23の総厚さGacが過度に厚い)と、タイヤの耐久性が悪化する傾向がある。
【0043】
上記空気入りタイヤにおいて、
図5に示すように、トランスポンダ20の厚さ方向の中心Cは被覆層23の厚さ方向の一方側の表面から該被覆層23の総厚さGacの25%~75%の範囲内に配置されていると良い。これにより、トランスポンダ20が被覆層23によって確実に被覆されるので、トランスポンダ20の周辺環境が安定し、共振周波数のずれを生じることがなく、トランスポンダ20の通信距離を十分に確保することができる。
【0044】
上記空気入りタイヤにおいて、
図6(a)~(c)に示すように、トランスポンダ20は基板21と該基板21の両端から延びるアンテナ22とを有し、トランスポンダ20がタイヤ周方向Tcに沿って延在していると良い。より具体的には、トランスポンダ20は、タイヤ周方向に対する傾斜角度αが±20°の範囲内にあると良い。また、アンテナ22のタイヤ周方向の端末と被覆層23のタイヤ周方向の端末との距離Lは2mm~20mmの範囲にあると良い。これにより、トランスポンダ20の全体が被覆層23によって確実に被覆されるので、トランスポンダ20の通信距離を十分に確保することができる。
【0045】
ここで、トランスポンダ20のタイヤ周方向Tcに対する傾斜角度αの絶対値が20°よりも大きいと、走行時の反復的なタイヤ変形に対してトランスポンダ20の耐久性が低下する。また、アンテナ22のタイヤ周方向の端末と被覆層23のタイヤ周方向の端末との距離Lが2mmよりも小さいと、アンテナ22のタイヤ周方向の端末が被覆層23からはみ出てしまい、走行中にアンテナ22が破損する恐れがあり、また、走行後の通信距離が短くなる懸念がある。一方、距離Lが20mmよりも大きいと、タイヤ周上において局所的な重量増を生じるため、タイヤバランスが悪化する要因となる。
【0046】
上記空気入りタイヤにおいて、
図7(a),(b)に示すように、トランスポンダ20は基板21と該基板21の両端から延びるアンテナ22とを有し、少なくとも一方のアンテナ22が基板21に対して屈曲するように延在していても良い。この場合、各アンテナ22はタイヤ周方向Tcに対する角度βが±20°の範囲内にあると良い。このようにトランスポンダ20を構成するアンテナ22の傾斜を規制することにより、トランスポンダ20の耐久性を十分に確保することができる。
【0047】
ここで、トランスポンダ20のタイヤ周方向Tcに対する傾斜角度βの絶対値が20°よりも大きいと、走行時の反復的なタイヤ変形に対してアンテナ22の基端部に応力が集中し、トランスポンダ20の耐久性が低下する。なお、アンテナ22は必ずしも直線ではないため、アンテナ22の傾斜角度βはアンテナ22の基端と先端とを結ぶ直線がタイヤ周方向に対してなす角度とする。
【0048】
図8に示すように、タイヤ周上には、タイヤ構成部材の端部同士が重ねられてなる複数のスプライス部がある。
図8には各スプライス部のタイヤ周方向の位置Qが示されている。トランスポンダ20の中心は、タイヤ構成部材のスプライス部からタイヤ周方向に10mm以上離間して配置されていることが好ましい。即ち、トランスポンダ20は、
図8に示す領域S2に配置されていると良い。具体的には、トランスポンダ20を構成する基板21が位置Qからタイヤ周方向に10mm以上離間していると良い。更には、アンテナ22を含むトランスポンダ20の全体が位置Qからタイヤ周方向に10mm以上離間していることがより好ましく、被覆ゴムにより被覆された状態のトランスポンダ20の全体が位置Qからタイヤ周方向に10mm以上離間していることが最も好ましい。また、スプライス部がトランスポンダ20から離間して配置されるタイヤ構成部材は、トランスポンダ20と隣接する部材であると良い。このようなタイヤ構成部材として、例えば、カーカス層4、ビードフィラー6、サイドウォールゴム層12、リムクッションゴム層13を挙げることができる。タイヤ構成部材のスプライス部から離間させた位置にトランスポンダ20を配置することで、タイヤの耐久性を効果的に改善することができる。
【0049】
なお、
図8の実施形態では、各タイヤ構成部材のスプライス部のタイヤ周方向の位置Qが等間隔に配置された例を示したが、これに限定されるものではない。タイヤ周方向の位置Qは任意の位置に設定することができ、いずれの場合であってもトランスポンダ20は各タイヤ構成部材のスプライス部からタイヤ周方向に10mm以上離間するように配置される。
【0050】
図9は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの変形例を示すものである。
図9において、
図1~8と同一物には同一符号を付してその部分の詳細な説明は省略する。
【0051】
図9に示すように、トランスポンダ20は、カーカス層4とインナーライナー層9との間に配置されている。このようにトランスポンダ20を配置することで、サイドウォール部2の損傷に起因するトランスポンダ20の損傷を防ぐことができる。また、スプライス部Sがトランスポンダ20から離間して配置されるタイヤ構成部材は、トランスポンダ20と隣接する部材であると良い。このようなタイヤ構成部材として、例えば、カーカス層4、インナーライナー層9を挙げることができる。タイヤ構成部材のスプライス部から離間させた位置にトランスポンダ20を配置することで、タイヤの耐久性を効果的に改善することができる。
【実施例】
【0052】
タイヤサイズ235/60R18で、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、各ビード部のビードコアの外周上にビードフィラーが配置され、一対のビード部間にカーカス層が装架され、トレッド部におけるカーカス層の外周側に複数層のベルト層が配置され、カーカス層に沿ってタイヤ内表面にインナーライナー層が配置され、カーカス層がビードコアの廻りにタイヤ内側から外側へ巻き上げられた構造を有する空気入りタイヤにおいて、トランスポンダが埋設され、トランスポンダの位置(タイヤ幅方向、タイヤ径方向及びタイヤ周方向)、カーカス層の補強コード(構成材料、切断伸度EB、中間伸度EM、正量繊度CF及び撚り係数CT)、被覆層(構成材料、比誘電率及びGac/Gar)について表1及び表2のように設定した比較例1~6及び実施例1~16のタイヤを製作した。
【0053】
なお、表1及び表2において、トランスポンダの位置(タイヤ幅方向)が「W」の場合、トランスポンダがカーカス層とビードフィラーとの間に配置され、トランスポンダの位置(タイヤ幅方向)が「X」の場合、トランスポンダがカーカス層とサイドウォールゴム層との間にサイドウォールゴム層に当接して配置され、トランスポンダの位置(タイヤ幅方向)が「Y」の場合、トランスポンダがカーカス層とリムクッションゴム層との間にリムクッションゴム層に当接して配置され、トランスポンダの位置(タイヤ幅方向)が「Z」の場合、トランスポンダがカーカス層とインナーライナー層との間に配置されていることを示す。トランスポンダの位置(タイヤ径方向)は、
図10に示すA~Cのそれぞれの位置に対応する。トランスポンダの位置(タイヤ周方向)は、トランスポンダの中心からタイヤ構成部材のスプライス部までのタイヤ周方向に測定された距離[mm]を示す。
【0054】
これら試験タイヤについて、下記試験方法により、タイヤ評価(操縦安定性及び耐久性)並びにトランスポンダ評価(通信性)を実施し、その結果を表1及び表2に併せて示した。
【0055】
操縦安定性(タイヤ):
各試験タイヤを標準リムのホイールに組み付けて試験車両に装着し、テストドライバーによるテストコースでの官能評価を実施した。評価結果は、非常に良好である場合を「◎(優)」で示し、良好である場合を「○(良)」で示し、若干劣る場合を「△(可)」で示し、かなり劣る場合を「×(不可)」の4段階で示した。
【0056】
耐久性(タイヤ):
各試験タイヤを標準リムのホイールに組み付け、空気圧120kPa、最大負荷荷重に対して102%、走行速度81kmの条件でドラム試験機にて走行試験を実施し、タイヤに故障が発生した際の走行距離を測定した。評価結果は、走行距離が6480kmに達した場合を「◎(優)」で示し、走行距離が4050km以上6480km未満の場合を「○(良)」で示し、走行距離が4050km未満の場合を「△(可)」の3段階で示した。
【0057】
通信性(トランスポンダ):
各試験タイヤについて、リーダライタを用いてトランスポンダとの通信作業を実施した。具体的には、リーダライタにおいて出力250mW、搬送波周波数860MHz~960MHzとして通信可能な最長距離を測定した。評価結果は、通信距離1000mm以上の場合を「◎(優)」で示し、通信距離が500mm以上1000mm未満の場合を「○(良)」で示し、通信距離が250mm以上500mm未満の場合を「△(可)」で示し、通信距離が250mm未満の場合を「×(不可)」の4段階で示した。
【0058】
【0059】
【0060】
これら表1及び表2から判るように、実施例1~16は、タイヤの操縦安定性及びトランスポンダの通信性がバランス良く改善されていた。特に、実施例1~4,6~8,10~15については、タイヤの耐久性に対して十分な改善効果が得られた。
【0061】
一方、比較例1においては、カーカス層の補強コードがレーヨン繊維コードで構成されると共に、トランスポンダが本発明で規定する範囲よりもタイヤ径方向内側に外れていたため、トランスポンダの通信性が悪化した。比較例2においては、カーカス層の補強コードの切断伸度が本発明で規定する範囲よりも高く設定されていたため、タイヤの操縦安定性及び耐久性の改善効果が不十分であり、更に、トランスポンダが本発明で規定する範囲よりもタイヤ径方向内側に外れていたためトランスポンダの通信性を十分に確保することができなかった。比較例3においては、カーカス層の補強コードの切断伸度が本発明で規定する範囲よりも高く設定されていたため、タイヤの操縦安定性及び耐久性の改善効果が不十分であった。比較例4においては、カーカス層の補強コードがレーヨン繊維コードで構成されていたため、トランスポンダの通信性を十分に確保することができなかった。
【0062】
また、比較例5においては、トランスポンダがカーカス層とビードフィラーとの間に配置されていたためタイヤの操縦安定性が悪化し、更に、カーカス層の補強コードがレーヨン繊維コードで構成されていたためトランスポンダの通信性を十分に確保することができなかった。比較例6においては、トランスポンダがカーカス層とビードフィラーとの間に配置されると共に、カーカス層の補強コードの切断伸度が本発明で規定する範囲よりも高く設定されていたため、タイヤの操縦安定性が悪化し、タイヤの耐久性の改善効果が不十分であった。
【符号の説明】
【0063】
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
4A 本体部
4B 巻き上げ部
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
20 トランスポンダ
CL タイヤ中心線
P1,P2 位置