(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-26
(45)【発行日】2024-01-10
(54)【発明の名称】点検作業順表示装置および点検作業支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20231227BHJP
【FI】
G06Q10/20
(21)【出願番号】P 2021121015
(22)【出願日】2021-07-21
【審査請求日】2022-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】521514059
【氏名又は名称】東芝デジタルエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100074147
【氏名又は名称】本田 崇
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】山下 幸夫
(72)【発明者】
【氏名】石川 秀一
【審査官】谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-123285(JP,A)
【文献】特開2017-081685(JP,A)
【文献】特開2017-143387(JP,A)
【文献】国際公開第2017/158718(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/097413(WO,A1)
【文献】特開平09-305218(JP,A)
【文献】「三次元モデルARを用いた保守点検作業支援技術」を開発,[online],三菱電機株式会社,2016年11月07日,pp.1-2,[2023年3月8日検索],インターネット<URL:http://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2016/pdf/1107.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
点検対象装置に対する所定内容の点検作業について与えられた点検作業識別情報毎に、点検作業を行うべき点検対象装置における点検対象作業箇所を含む点検対象装置録画画像と、点検対象作業箇所に対する点検作業順情報とが対応付けられて記憶された点検作業データベースと、
点検者の顔の前方を撮像するカメラと、
画像を表示するための点検者用表示装置と、
画像を表示するための指示者用表示装置と、
前記点検作業データベースから、与えられた点検作業識別情報に対応する点検対象装置録画画像と点検作業順情報を取り出すデータベースアクセス手段と、
前記データベースアクセス手段により取り出された点検対象装置録画画像と前記カメラにより現時点に得られる点検対象装置現時点画像とを比較して、点検対象装置現時点画像における点検対象作業箇所を特定する点検対象作業箇所特定手段と、
前記データベースアクセス手段により取り出された点検作業順情報に基づき点検作業の順番を示す順番符号画像を作成し、この順番符号画像を、前記点検対象作業箇所特定手段が特定した点検対象装置現時点画像における点検対象作業箇所の該当点検対象作業箇所に位置変更して表示用順番符号画像を作成する表示用順番符号画像作成手段と、
前記表示用順番符号画像作成手段により作成された表示用順番符号画像と前記カメラにより現時点に得られる点検対象装置現時点画像とに基づき、点検対象装置現時点画像における点検対象作業箇所の該当点検対象作業箇所に前記表示用順番符号画像を付した点検用画像を作成する点検用画像作成手段と、
前記点検用画像を前記点検者用表示装置に表示する制御を行う点検者用表示制御手段と、
前記点検用画像を前記指示者用表示装置に表示する制御を行う指示者用表示制御手段と
を具備し、
前記指示者用表示制御手段と前記点検者用表示制御手段は、点検対象作業箇所が複数の場合に点検用画像を表示するときには、表示当初の点検用画像において前記複数の点検対象作業箇所全てに表示用順番符号画像を付して表示を行い、点検作業の完了情報が入力される毎に、この点検作業が完了となった点検対象作業箇所に付されていた表示用順番符号画像を消去した表示用順番符号画像へ変更して表示を実行することを特徴とする点検作業支援システム。
【請求項2】
前記指示者用表示制御手段と前記点検者用表示制御手段は、点検対象作業箇所が複数の場合に点検用画像を表示するときには、表示当初の点検用画像において前記複数の点検対象作業箇所中の第1番目に点検作業を行うべき点検対象作業箇所についてのみ表示用順番符号画像を付して表示を行い、この点検対象作業箇所についての点検作業の完了情報が入力されると、この点検作業が完了となった点検対象作業箇所に付されていた表示用順番符号画像を消去し、次に点検作業を行うべき点検対象作業箇所についてのみ表示用順番符号画像を付して表示を実行するモードを有することを特徴とする請求項1に記載の点検作業支援システム。
【請求項3】
前記点検作業データベースには、点検対象作業箇所に対する点検作業順情報と点検作業内容情報が対応付けられて記憶されており、
前記表示用順番符号画像の表示の際に、前記点検作業データベースから該当する点検作業内容情報を読出し、点検作業内容の文字画像情報に変換する文字画像変換手段を備え、
前記点検者用表示制御手段による表示制御により前記点検者用表示装置へ表示させ、また前記指示者用表示制御手段による表示制御により前記指示者用表示装置へ表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の点検作業支援システム。
【請求項4】
点検者の識別番号に対応して、点検者が過去に行った点検作業の対象である点検対象装置と点検対象作業箇所により決定される点検作業識別情報と、点検回数情報が記憶された点検者点検履歴データベースを備え、
前記データベースアクセス手段は、当該点検作業を行う点検者の識別番号に基づき前記点検者点検履歴データベースから対応する点検者が過去に行った点検作業の対象である点検対象装置と点検対象作業箇所により決定される点検作業識別情報、点検回数情報を得るものであり、
前記表示用順番符号画像作成手段は、前記表示用順番符号画像を作成するに際し前記点検者点検履歴データベースから得られた情報に基づき、所定回数以上の点検回数の場合に、予め定められた点検対象装置と点検対象作業箇所に対応する表示用順番符号画像の作成をスキップすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の点検作業支援システム。
【請求項5】
点検者の視線を検出する視線検出手段と、
前記カメラから現時点に得られる点検対象装置現時点画像と前記点検者の視線に基づき前記表示用順番符号画像を表示すべき点検対象作業箇所から所定距離を超えて目による視点が外れているか否か検出する視点外れ検出手段と、
前記点検者用表示制御手段と前記指示者用表示制御手段は、前記視点外れ検出手段により視点が外れていることが検出された場合には、表示制御により表示用順番符号画像の表示を停止させる表示制御を行い、視点が外れていないことが検出された場合には、表示用順番符号画像を表示させる表示制御を行うモードを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の点検作業支援システム。
【請求項6】
前記視点外れ検出手段により視点が外れていることが検出された場合には、視点の移動に応じて移動した位置に、「表示用順番符号画像を表示すべき点検対象作業箇所から所定距離を超えて目による視点が外れていることを示す」ズレ位置画像を作成するズレ位置画像作成手段を具備し、
前記点検者用表示制御手段と前記指示者用表示制御手段は、視点が外れていることが検出された場合には、表示制御により表示用順番符号画像の表示を停止させると共に、前記ズレ位置画像を表示することを特徴とする請求項5に記載の点検作業支援システム。
【請求項7】
点検者の視線を検出する視線検出手段と、
前記表示用順番符号画像を表示すべき点検対象作業箇所に表示する正規位置ポイント画像であって、点検対象作業箇所であることを示す正規位置ポイント画像と、前記視線検出手段により検出された視線に基づき求められた視線の位置に表示する実際視点ポイント画像であって、点検者が目視している点検対象作業箇所を示す実際視点ポイント画像とを作成する視点ポイント画像作成手段と、
を具備し、
前記点検者用表示制御手段と前記指示者用表示制御手段は、正規視線ポイント画像と実際視線ポイント画像とを表示制御する表示モードを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の点検作業支援システム。
【請求項8】
点検作業の順番を示す順番符号画像を所望の点検対象作業箇所の画像に付して表示するための作成指示を指示者が行うための入力手段を具備し、
前記入力手段から点検作業の順番を示す順番符号画像の作成指示が入力されると、前記表示用順番符号画像作成手段は、前記入力に基づく順番符号画像に基づき、点検対象装置の現時点画像における該当点検対象作業箇所に付した如くなるように
当該点検対象装置における点検作業の順番を示す表示用順番符号画像を作成し、
前記点検者用表示制御手段と前記指示者用表示制御手段は、前記表示用順番符号画像作成手段により作成された表示用順番符号画像を表示制御するモードを有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の点検作業支援システム。
【請求項9】
前記点検者用表示装置は、前記点検者の視線の前方を透かして目視することができると共に画像を表示する画面を有するものであり、
前記点検者用表示制御手段は、前記表示用順番符号画像作成手段により作成された表示用順番符号画像のみを前記点検者用表示装置の前記画面に表示する制御を行うことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の点検作業支援システム。
【請求項10】
1または複数の点検対象作業箇所を含む点検対象装置に対し、前記1または複数の点検対象作業箇所の点検作業を順に行う場合の点検作業順である点検順を表示する点検作業順表示装置において、
前記1または複数の点検対象作業箇所を含む前記点検対象装置を撮像するカメラと、
前記点検順に応じて点検する点検対象作業箇所の情報が記憶されたデータベースを参照すると共に、前記点検対象作業箇所の各々を予め録画した録画画像と、前記カメラにより現時点に撮像した現時点画像との比較に基づき、表示画面上における、点検順毎の前記点検対象作業箇所の位置情報を特定する特定手段と、
前記点検順に応じて、前記特定手段により特定された前記点検対象作業箇所の位置情報に対応して前記点検作業順を示す点検順指示マークを表示画面に表示すると共に、点検対象作業箇所に関して点検作業の完了情報が入力される毎に、この点検作業が完了となった点検対象作業箇所に付されていたマークを消去した表示とする点検順表示制御手段と、
を具備することを特徴とする点検作業順表示装置。
【請求項11】
前記点検順表示制御手段は、点検順の第1番である点検対象作業箇所のみの位置情報に対応して前記点検作業順を示す点検順指示マークを表示画面に表示することを特徴とする請求項10に記載の点検作業順表示装置。
【請求項12】
前記点検順表示制御手段は、1または複数の点検対象作業箇所についての所定点検作業内容をいくつか行うことを1単位として、前記1単位内で行う全点検対象作業箇所について点検順指示マークを表示し、点検順指示マークが表示された点検対象作業箇所に関して点検作業の完了情報が入力される毎に、完了情報に対応する点検対象作業箇所の点検順指示マークをブリンク表示した後に表示を停止し、点検順指示マークを順次減少させる表示を行うことを特徴とする請求項10に記載の点検作業順表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、各種の工場や発電所等の施設や設備を点検する際の点検作業順表示装置および点検作業支援システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の点検作業支援システムとしては、特許文献1~3に記載されているものが知られている。特許文献1に記載の点検支援装置は、点検設備について定められた点検箇所に、点検箇所の点検に関する情報を投影するための投影画像を生成し、生成した投影画像をプロジェクタに出力する構成を有している。このプロジェクタは、点検支援装置から出力された投影画像を点検設備に投影することによって、点検者による点検作業の効率を向上させている。
【0003】
特許文献2には、設備の点検結果が入力されたとしても、設備の点検漏れを判定し、設備の点検漏れを防止することができる点検支援システムおよび点検支援方法が開示されている。このシステムは、移動可能な端末から設備の点検結果情報を入力して設備の点検を行う点検支援システムである。このシステムでは、端末の端末位置情報を取得して格納する端末位置DBと、設備の設備位置情報を格納する設備位置DBと、端末から設備の点検結果情報が入力されると、端末の端末位置情報の軌跡に、設備の設備位置情報が含まれているか否かを判定して、含まれていないと判定すると設備の点検漏れが発生したとして判定する判定部とを備えている。
【0004】
引用文献3には、点検支援装置が示されている。この装置は、IPネットワークNWを介して互いに通信可能に接続された複数の点検支援装置の各々は、無線ネットワークを介して接続された点検端末と、機器の点検に関する点検支援情報の送受信を行うように構成された送受信部と、送受信部で受信した点検支援情報のデータ形式を変換するように構成されたデータ変換部と、他の点検支援装置との間で、データ形式が変換された点検支援情報を中継するように構成された通信処理部とを備える。この構成によって、中央監視装置を介さずに現場の作業員同士で通信することができる点検支援技術を提供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】2016-170495号公報
【文献】2016-212767号公報
【文献】2020-119272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1~3のシステムは、点検順についても考慮がされているものの、点検者が動いている等の事情で、点検作業を行うべき点検対象装置における点検対象作業箇所を適切に把握できない状況があることの考慮はなされていない。
【0007】
本発明は、点検者が動いていたり、経験の浅い者であったりして、点検作業を行うべき点検対象装置における点検対象作業箇所を適切に把握できない状況が生じる場合にも、適切に点検作業ができるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態に係る点検作業支援システムは、点検対象装置に対する所定内容の点検作業について与えられた点検作業識別情報毎に、点検作業を行うべき点検対象装置における点検対象作業箇所を含む点検対象装置録画画像と、点検対象作業箇所に対する点検作業順情報とが対応付けられて記憶された点検作業データベースと、点検者の顔の前方を撮像するカメラと、画像を表示するための点検者用表示装置と、画像を表示するための指示者用表示装置と、前記点検作業データベースから、与えられた点検作業識別情報に対応する点検対象装置録画画像と点検作業順情報を取り出すデータベースアクセス手段と、前記データベースアクセス手段により取り出された点検対象装置録画画像と前記カメラにより現時点に得られる点検対象装置現時点画像とを比較して、点検対象装置現時点画像における点検対象作業箇所を特定する点検対象作業箇所特定手段と、前記データベースアクセス手段により取り出された点検作業順情報に基づき点検作業の順番を示す順番符号画像を作成し、この順番符号画像を、前記点検対象作業箇所特定手段が特定した点検対象装置現時点画像における点検対象作業箇所の該当点検対象作業箇所に位置変更して表示用順番符号画像を作成する表示用順番符号画像作成手段と、前記表示用順番符号画像作成手段により作成された表示用順番符号画像と前記カメラにより現時点に得られる点検対象装置現時点画像とに基づき、点検対象装置現時点画像における点検対象作業箇所の該当点検対象作業箇所に前記表示用順番符号画像を付した点検用画像を作成する点検用画像作成手段と、前記点検用画像を前記点検者用表示装置に表示する制御を行う点検者用表示制御手段と、前記点検用画像を前記指示者用表示装置に表示する制御を行う指示者用表示制御手段とを具備し、前記指示者用表示制御手段と前記点検者用表示制御手段は、点検対象作業箇所が複数の場合に点検用画像を表示するときには、表示当初の点検用画像において前記複数の点検対象作業箇所全てに表示用順番符号画像を付して表示を行い、点検作業の完了情報が入力される毎に、この点検作業が完了となった点検対象作業箇所に付されていた表示用順番符号画像を消去した表示用順番符号画像へ変更して表示を実行することを特徴とする。
【0009】
本実施形態に係る点検作業順表示装置は、1または複数の点検対象作業箇所を含む点検対象装置に対し、前記1または複数の点検対象作業箇所の点検作業を順に行う場合の点検作業順である点検順を表示する点検作業順表示装置において、前記1または複数の点検対象作業箇所を含む前記点検対象装置を撮像するカメラと、前記点検順に応じて点検する点検対象作業箇所の情報が記憶されたデータベースを参照すると共に、前記点検対象作業箇所の各々を予め録画した録画画像と、前記カメラにより現時点に撮像した現時点画像との比較に基づき、表示画面上における、点検順毎の前記点検対象作業箇所の位置情報を特定する特定手段と、前記点検順に応じて、前記特定手段により特定された前記点検対象作業箇所の位置情報に対応して前記点検作業順を示す点検順指示マークを表示画面に表示すると共に、点検対象作業箇所に関して点検作業の完了情報が入力される毎に、この点検作業が完了となった点検対象作業箇所に付されていたマークを消去した表示とする点検順表示制御手段と、を具備することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る点検作業支援システムの構成図。
【
図2】本発明の実施形態に係る点検作業支援システムの要部であるサーバコンピュータの一実施形態の構成図。
【
図3】本発明の実施形態に係る点検作業支援システムの要部であるサーバコンピュータの外部記憶装置に記憶されている情報内容を示す図。
【
図4】本発明の実施形態に係る点検作業支援システムの要部であるサーバコンピュータの外部記憶装置に記憶されている点検作業データベースの内容の一例を示す図。
【
図5】本発明の実施形態に係る点検作業支援システムにより点検する点検対象装置の録画画像の第1の例を示す図。
【
図6】本発明の実施形態に係る点検作業支援システムにより点検する点検対象装置の録画画像の第2の例を示す図。
【
図6A】本発明の実施形態に係る点検作業支援システムにより点検する点検対象装置の点検対象作業箇所に関する点検内容の一例に係るテーブルを示す図。
【
図7】
図7(a)は、
図4の点検作業データベースの一番上の欄に記載されている点検作業識別情報に対応する点検作業内容情報を示す図であり、
図7(b)は、
図4の点検作業データベースにおける上から2番目の欄に記載されている点検作業識別情報に対応する点検作業内容情報を示す図であり、
図7(c)は、
図4の点検作業データベースにおける上から3番目の欄に記載されている点検作業識別情報に対応する点検作業内容情報を示す図
【
図8】本発明の実施形態に係るシステムの指示者が使用するパーソナルコンピュータの構成ブロック図。
【
図9】本発明の実施形態に係るシステムの点検者が保持するエッジコンピュータの構成図。
【
図10】本発明の実施形態に係るシステムの要部のウェアラブル端末であるリモートビューワの構成ブロック図。
【
図11】本発明の第1の実施形態のパーソナルコンピュータのCPUが実現する各手段を示す図。
【
図12】第1の実施形態のエッジコンピュータのCPUが実現する手段を示す図。
【
図13】本発明の第1の実施形態に係る点検作業支援システムの動作を示すフローチャート。
【
図14】
図14(a)は、本発明の第1の実施形態に係る点検作業支援システムの動作を示すフローチャートのステップS104において作成された表示用順番符号画像を示す図であり、
図14(b)は、本発明の第1の実施形態に係る点検作業支援システムの動作を示すフローチャートのステップS105において作成された点検用画像を示す図。
【
図15】本発明の第2の実施形態に係る点検作業支援システムの表示制御により、表示用順番符号画像の表示の際に、点検作業内容情報を表示制御することにより得られる画像の一例を示す図。
【
図16】本発明の第2の実施形態に係る点検作業支援システムの表示制御により表示される画像の一例を示す図。
【
図17】本発明の第2の実施形態に係る点検作業支援システムの表示制御により表示される画像の一例を示す図。
【
図18】本発明の第3の実施形態に係る点検作業支援システムの表示制御により表示される画像の一例を示す図。
【
図19】本発明の第3の実施形態に係る点検作業支援システムの表示制御により表示される画像の一例を示す図。
【
図20】本発明の第3の実施形態に係る点検作業支援システムの表示制御により表示される画像の一例を示す図。
【
図21】本発明の第3の実施形態に係る点検作業支援システムの表示制御により表示される画像の一例を示す図。
【
図22】本発明の実施形態に係る点検作業支援システムの要部であるサーバコンピュータの外部記憶装置に記憶されている点検者点検履歴データベースの内容の一例を示す図。
【
図22A】本発明の実施形態に係る点検作業支援システム
図15に示すように表示されるものにおいて、手順1の順番符号画像の作成をスキップした場合の表示例を示す図。
【
図23】本発明の第5の実施形態に係る点検作業支援システムの表示制御により表示される画像の一例を示す図。
【
図23A】本発明の第6の実施形態に係る点検作業支援システムの表示制御により表示される画像の一例を示す図。
【
図24】本発明の本実施形態に係る点検作業支援システムにより好適な処理を行うことが可能な点検対象装置と点検者との関係を示す図。
【
図25】本発明の第8の実施形態に係る点検作業支援システムの動作を示すフローチャート。
【
図26】本発明の第8の実施形態に係る点検作業支援システムの表示制御により表示される画像の一例を示す図。
【
図27】本発明の第8の実施形態に係る点検作業支援システムの表示制御により表示される画像の一例を示す図。
【
図28】本発明の第8の実施形態に係る点検作業支援システムの表示制御により表示される画像の一例を示す図。
【
図29】本発明の実施形態に係る点検作業支援システムの要部であるサーバコンピュータの外部記憶装置に記憶されている点検順重みデータベースの記憶内容の一例を示す図。
【
図30】本発明の実施形態に係る点検作業支援システムの要部であるサーバコンピュータの外部記憶装置に記憶されている点検作業優先度テーブルの記憶内容の一例を示す図。
【
図31】本発明の第9の実施形態においてサーバコンピュータのCPUが実現する点検作業順情報更新手段を示す図。
【
図32】本発明の実施形態に係る点検作業支援システムの要部であるサーバコンピュータの外部記憶装置に記憶されている点検作業優先度テーブルの記憶内容の一例を示す図。
【
図33】本発明の実施形態に係る点検作業支援システムの要部であるサーバコンピュータの外部記憶装置に記憶されている関連情報テーブルの記憶内容の一例を示す図。
【
図34】本発明の第10の実施形態におけるサーバコンピュータの外部記憶装置に記憶されている緊急時点検情報セットを示す図。
【
図35】本発明の第10の実施形態における緊急時の点検モードの動作を説明するフローチャートである。
【
図36】本発明の実施形態に係る点検作業順表示装置のCPU21、CPU31が実現する手段を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下添付図面を参照して、本発明に係る点検作業支援システムの実施形態を説明する。各図において同一の構成要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図1には、実施形態に係る点検作業支援システムの構成図が示されている。点検作業支援システムには、サーバコンピュータ10と、点検者4が所持するエッジコンピュータ30と、指示者3が使用するパーソナルコンピュータ20とが通信ネットワーク1を介して接続されたシステムである。サーバコンピュータ10は、クラウドコンピューティングシステムであってもよく、パーソナルコンピュータ20はワークステーションなどと称されるコンピュータであってもよい。
【0012】
図2は、サーバコンピュータ10の一実施形態の構成図である。サーバコンピュータ10はCPU11が主メモリ12内のプログラムやデータによってサーバコンピュータ10の統括制御を行うもので、パーソナルコンピュータ20やエッジコンピュータ30に対し点検作業支援のための情報及びデータ等の提供、パーソナルコンピュータ20やエッジコンピュータ30から送られてくる点検結果情報の編集・保存などを行うものである。
【0013】
CPU11には、バス13を介して外部記憶インタフェース14、通信インタフェース15が接続されている。外部記憶インタフェース14には、外部記憶装置16が接続されており、通信インタフェース15は通信ネットワーク1に接続されている。サーバコンピュータ10には、
図2に示す構成以外に、例えばデータやコマンドを与えるための入力装置や必要な情報の表示を行うための表示装置などが設けられていてもよい。
【0014】
図3は、外部記憶装置16に記憶されている情報内容を示す図である。外部記憶装置16には、点検作業データベース161、点検者点検履歴データベース162、点検順重みデータベース163、関連情報テーブル164が記憶されている。本実施形態では、点検対象装置に対する所定内容の点検作業について点検作業識別情報が与えられている。例えば、装置Aのaa機能に関する点検作業、同じ装置Aのa1a機能に関する点検作業、別の装置Bのbb機能に関する点検作業、更に別の装置Cのccc機能に関する点検作業、・・・という作業毎に識別番号が与えられる。
【0015】
点検作業データベース161には、点検作業識別情報毎に、点検作業を行うべき点検対象装置における点検対象作業箇所を含む点検対象装置録画画像と、点検対象作業箇所に対する点検作業順情報とが対応付けられて記憶されている。
図4は、点検作業データベース161の内容の一例を示している。一番上の欄には、点検作業識別情報である点検作業IDが0001に対応して、点検対象装置名が〇〇装置であり、点検対象作業箇所名が、第1スイッチ、第2スイッチ、第3スイッチ、第4スイッチ、・・・とあり、点検順が1、3、4、2、・・・であり、点検内容が、ON、ON、OFF、ON、・・・であることが記憶され、点検対象作業箇所を含む点検対象装置録画画像が記憶されていることを示している。上から2番目の欄には、点検作業識別情報である点検作業IDが0002に対応して、点検対象装置名が〇〇装置であり、点検対象作業箇所名が、第1電流計、第1電圧計、第3電流計、第4スイッチ、・・・とあり、点検順が1、2、4、3、・・・であり、点検内容が、読取、読取、読取、ON、・・・であることが記憶され、点検対象作業箇所を含む点検対象装置録画画像が記憶されていることを示している。更に、上から3番目の欄には、点検作業識別情報である点検作業IDが0003に対応して、点検対象装置名が××装置であり、点検対象作業箇所名が、第1ランプ、第1電圧計、第2温度計、第1スイッチ、・・・とあり、点検順が4、2、1、3、・・・であり、点検内容が、点灯確認、読取、読取、ON、・・・であることが記憶され、点検対象作業箇所を含む点検対象装置録画画像が記憶されていることを示している。点検作業データベース161には、以下同様に情報が記憶されている。なお、点検対象作業箇所については、点検対象装置録画画像中の位置情報が、例えば、第1スイッチ、第2スイッチ、第3スイッチ、第4スイッチ、・・・や第1電流計、第1電圧計、第3電流計、第4スイッチ、・・・について記憶されており、パーソナルコンピュータ20から点検作業識別情報を用いてサーバコンピュータ10へ要求することによりパーソナルコンピュータ20へ送られてくる。
【0016】
図5は、点検対象装置録画画像の第1の例を示す。この画像は、例えば電源パネルの画像であり、符号41は第1メインスイッチ、符号42は第2メインスイッチ、符号411~418は第1副スイッチ~第8副スイッチである。これらの点検内容は、スイッチのONやOFFの確認、或いはスイッチをONやOFFに切り換えを行ったときに切り換えた通りに動作するかの確認をするなどである。
【0017】
図6は、点検対象装置録画画像の第2の例を示す。この画像は、例えばある装置の計器パネルの画像である。符号711~714はアナログ電圧計やアナログ電流計、符号715、716はアナログ圧力計やアナログ回転数計である。符号721~724は符号711~716のアナログ機器のディジタル値表示器である。また、符号731~734は状態ランプであり、符号741はメインスイッチであり、符号751はスライドスイッチであり、符号761~764はアナログ機器711~716には現れない当該装置の所要部位の温度や圧力等の物理量の測定結果等を表示するディジタル値表示器である。これらの点検内容は、計器のアナログ値とディジタル値の読取と数値範囲確認、状態ランプの状態(色)の読取などである。
図5、
図6の点検対象装置録画画像で示された点検対象装置の点検対象作業箇所に関する点検内容の一例を
図6Aに示す。このテーブルは、サーバコンピュータ10に備えられており、点検の際にパーソナルコンピュータ20へダウンロードされ、指示者3がこれを見ることができる。一方、点検者4が点検を行って点検内容を音声により入力したものを指示者3がパーソナルコンピュータ20の画面において確認し、点検対象装置の異常・正常を判定し、パーソナルコンピュータ20の外部記憶装置241に点検報告書として記憶することができる。点検報告書には、点検者名、指示者名、日時、点検対象装置及び点検対象作業箇所、点検の内容(オン・オフ操作の内容や、オン・オフの状態、計器の数値、正常・異常等)が含まれる。この報告書は適当なときに、サーバコンピュータ10へ送られ、点検履歴情報として残され、活用される。
【0018】
上記
図5と
図6の例は、一例に過ぎず、例えば回転や移動やスライドなどの動きがある機器の動作状態の画像や取り外して点検する必要がある部品の画像など様々なものが記憶される。また、
図5や
図6の例では、一方向から撮像した画像となっているが、点検する点検対象作業箇所を多方向から撮像した複数の画像とすることもできる。
【0019】
また、上記点検作業データベース161には、点検対象作業箇所に対する点検作業順情報と点検作業内容情報が対応付けられて記憶されており、後に説明する表示用順番符号画像の表示の際に、上記点検作業データベース161から該当する点検作業内容情報を読出し、点検作業内容の文字画像情報に変換して用いられる。点検作業内容情報は、文字情報であっても良く、これを音声に変換して聞くこともできる。
図7(a)は、
図4の点検作業データベース161の一番上の欄に記載されている点検作業識別情報に対応する点検作業内容情報を示し、
図7(b)は、
図4の点検作業データベース161における上から2番目の欄に記載されている点検作業識別情報に対応する点検作業内容情報を示し、
図7(c)は、
図4の点検作業データベース161における上から3番目の欄に記載されている点検作業識別情報に対応する点検作業内容情報を示す。
【0020】
即ち、
図7(a)は点検作業IDが0001の点検作業内容情報として、「手順1:○○装置の第1スイッチをONにする。」こと、「手順2:第4スイッチをONにする。」こと、「手順3:第2スイッチをONにする。」こと、「手順4:第3スイッチをONにする。」こと、が記憶されている。
【0021】
また、
図7(b)は点検作業IDが0002の点検作業内容情報として、「手順1:○○装置の第1電流計の値を読み取る。」こと、「手順2:第1電圧計の値を読み取る。」こと、「手順3:第4スイッチをONにする。」こと、「手順4:第3電流計の値を読み取る。」こと、が記憶されている。
【0022】
また、
図7(c)は点検作業IDが0003の点検作業内容情報として、「手順1:××装置の第2温度計の値を読み取る。」こと、「手順2:第1電圧計の値を読み取る。」こと、「手順3:第1スイッチをONにする。」こと、「手順4:第1ランプの点灯を確認する。」こと、が記憶されている。以下、上記点検作業データベース161に点検作業内容情報が記憶されている限りにおいて、様々な情報が記憶されている。
【0023】
図8は、パーソナルコンピュータ20の構成ブロック図である。パーソナルコンピュータ20は点検作業の際に、点検者4に指示を与える指示者3が用いるコンピュータである。パーソナルコンピュータ20は、CPU21が主メモリ22内のプログラムやデータを用いて各部を制御して点検作業の情報を取り込み出力し編集等するように機能する。CPU21は、バス23を介して外部記憶インタフェース24、入力インタフェース25、26、表示インタフェース27、通信インタフェース28が接続されている。
【0024】
外部記憶インタフェース24には、外部記憶装置241が接続され、入力インタフェース25には、キーボードやタッチパネルなどの入力装置251とマウスなどのポインティングデバイス252が接続されている。また、入力インタフェース26には、スピーカ261とマイクロフォン262が接続されており、音声の送受を行うことが可能である。表示インタフェース27には、LCDなどの表示装置271が接続されており、画像を表示することが可能である。通信インタフェース28は通信ネットワーク1が接続されており、サーバコンピュータ10、エッジコンピュータ30と通信することが可能である。
【0025】
図9は、点検者4が保持するエッジコンピュータ30の構成図である。エッジコンピュータ30は、CPU31が主メモリ32内のプログラムやデータを用いて各部を制御して点検作業の情報をパーソナルコンピュータ20との間で送受し、また点検作業の情報をリモートビューワ40から出力し又入力するように機能する。CPU31は、バス33を介して外部記憶インタフェース34、通信インタフェース35、36が接続されている。
【0026】
外部記憶インタフェース34には、外部記憶装置341が接続され、外部記憶装置341には各種データやプログラムを記憶しておくことができる。通信インタフェース35には、点検者4が装着するウェアラブル端末であるリモートビューワ40が接続されている。通信インタフェース36には、通信ネットワーク1が接続されている。
【0027】
図10は、ウェアラブル端末であるリモートビューワ40の構成ブロック図である。この実施形態では、CPU51が主メモリ52に記憶されているプログラムを実行して各部を制御し、点検作業に必要な画像の表示や撮像により得られる点検対象装置の画像等や点検結果の音声等をエッジコンピュータ30へ送信するなどを行う。CPU51には、バス53を介して入力インタフェース54、55、56、表示インタフェース57、通信インタフェース58が接続されている。
【0028】
入力インタフェース54には、マイクロフォン541とスピーカ542が接続され音声入出力が可能となっている。入力インタフェース55には、点検者4の顔の前方を撮像するカメラ551が備えられており、点検対象装置の点検対象作業箇所を撮像してエッジコンピュータ30へ画像を送信可能に構成されている。入力インタフェース56には、点検者4の瞳を撮像する視線検出用カメラ561が接続されており、点検者4の視線検出に用いられる瞳画像が取得される。表示インタフェース57には表示装置571が接続されている。表示装置571は、眼鏡型のウェアラブル端末における眼鏡の一方のレンズに相当する位置に配置された透明のパネルであり、点検者4の視線の前方を透かして目視することができると共に画像を表示する画面となっている。通信インタフェース58にはケーブル6が接続され、エッジコンピュータ30と通信が可能とされている。
【0029】
以上のようなハードウエア構成を有する点検作業支援システムでは、パーソナルコンピュータ20のCPU21が主メモリ22に記憶されたプログラムに基づき
図11に示す如き手段として動作し、エッジコンピュータ30のCPU31が主メモリ31に記憶されたプログラムに基づき
図12に示す如き手段として動作を行う。
【0030】
<第1の実施形態>
第1の実施形態では、パーソナルコンピュータ20のCPU21が、
図11のデータベースアクセス手段201、点検対象作業箇所特定手段202、表示用順番符号画像作成手段203、点検用画像作成手段204、指示者用表示制御手段221として動作する。また、エッジコンピュータ30のCPU31が、
図12の点検者用表示制御手段311として動作する。
【0031】
データベースアクセス手段201は、上記点検作業データベース161から、与えられた点検作業識別情報に対応する点検対象装置録画画像と点検作業順情報を取り出すものである。点検対象作業箇所特定手段202は、上記データベースアクセス手段201により取り出された点検対象装置録画画像と上記カメラ551により現時点に得られる点検対象装置現時点画像とを比較して、点検対象装置現時点画像における点検対象作業箇所を特定するものである。表示用順番符号画像作成手段203は、上記データベースアクセス手段201により取り出された点検作業順情報に基づき点検作業の順番を示す順番符号画像を作成し、この順番符号画像を、上記点検対象作業箇所特定手段202が特定した点検対象装置現時点画像における点検対象作業箇所の該当点検対象作業箇所に位置変更して表示用順番符号画像を作成するものである。点検用画像作成手段204は、上記表示用順番符号画像作成手段203により作成された表示用順番符号画像と上記カメラ551により現時点に得られる点検対象装置現時点画像とに基づき、点検対象装置現時点画像における点検対象作業箇所の該当点検対象作業箇所に上記表示用順番符号画像を付した点検用画像を作成するものである。
【0032】
点検者用表示制御手段311は、上記点検用画像を点検者用表示装置であるリモートビューワ40の表示装置571に表示する制御を行うものである。指示者用表示制御手段221は、上記点検用画像をパーソナルコンピュータ20の指示者用表示装置である表示装置271に表示する制御を行うものである
【0033】
図13は、第1の実施形態に係る点検作業支援システムの動作を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿ってCPU21による動作を説明する。点検作業を開始しようと指示者3が点検作業支援を開始するとCPU21は、パーソナルコンピュータ20からサーバコンピュータ10へアクセスし、点検対象装置に対する所定内容の点検作業について与えられた点検作業識別情報を用いて点検作業データベース161から、この点検作業識別情報に対応する点検対象装置録画画像と点検作業順情報の読み出しを行う(S101)。このとき、点検者4のリモートビューワ40及びエッジコンピュータ30は動作しており、カメラ551により撮像された画像をパーソナルコンピュータ20へ送ってきている。
【0034】
そこで、CPU21は点検作業データベース161から取り出された点検対象装置録画画像と上記カメラ551により現時点に得られる点検対象装置現時点画像とを比較して、点検対象装置現時点画像における点検対象作業箇所を特定する(S102)。点検対象装置録画画像は、
図5や
図6に示されるような画像であるので、点検者4は予め点検対象装置の前に立ちカメラ551による撮像を行うので、例えば、点検対象装置録画画像が
図5に示すようであれば、概ね
図5に示すような点検対象装置現時点画像が得られる。
【0035】
既に説明したように、点検対象作業箇所についても位置情報が送られてきており、点検対象装置録画画像と上記カメラ551により現時点に得られる点検対象装置現時点画像が概ね一致したとき、点検対象装置現時点画像における点検対象作業箇所を特定する。この結果、例えば、第1スイッチ、第2スイッチ、第3スイッチ、第4スイッチ、・・・や第1電流計、第1電圧計、第3電流計、第4スイッチ、・・・等、点検対象作業箇所が点検対象装置現時点画像において特定される。
【0036】
次に、CPU21は点検作業データベース161から得られている点検作業順情報に基づき点検作業の順番を示す順番符号画像を作成し(S103)、この順番符号画像を、上記で特定した点検対象装置現時点画像における点検対象作業箇所の該当点検対象作業箇所に位置変更して表示用順番符号画像を作成する(S104)。従って、例えば、第1スイッチ、第2スイッチ、第3スイッチ、第4スイッチ、・・・や第1電流計、第1電圧計、第3電流計、第4スイッチ、・・・等、点検対象作業箇所に付する表示用順番符号画像(本実施例では、〇内に数字が記載された画像とする)が、上記点検対象装置現時点画像における点検対象作業箇所の位置に位置変更されて〇内に数字が記載された表示用順番符号画像がそれぞれ作成されることになる。
図14(a)は、上記ステップS104において作成された表示用順番符号画像である。
【0037】
次に、CPU21は、表示用順番符号画像と上記カメラ551により現時点に得られる点検対象装置現時点画像とに基づき、点検対象装置現時点画像における点検対象作業箇所の該当点検対象作業箇所に上記表示用順番符号画像を付した点検用画像を作成する(S105)。ここでは、
図5の画像における該当点検対象作業箇所に表示用順番符号画像が付された如くの点検用画像が作成される。上記点検用画像をパーソナルコンピュータ20の指示者用表示装置である表示装置271に表示する制御並びに上記点検用画像を点検者用表示装置であるリモートビューワ40の表示装置571に表示する制御が実行される(S106)。斯くして、
図14(b)に示す点検用画像が表示装置271に表示され、
図14(a)に示す表示用順番符号画像が表示装置571に表示される。斯くして、表示用順番符号画像のみ(
図14(a)のように、〇内に数字が記載された画像のみ)が表示装置571に表示される結果、点検者4は目視している実際の点検対象装置における該当する点検対象作業箇所に表示用順番符号画像が付されている如く見えることになり、点検作業をスムーズに進めることが可能である。
図14(b)においては、作業順1位を示す〇内に数字1が記載された表示用順番符号画像M1、作業順2位を示す〇内に数字2が記載された表示用順番符号画像M2、作業順3位を示す〇内に数字3が記載された表示用順番符号画像M3、作業順4位を示す〇内に数字4が記載された表示用順番符号画像M4が表示されている。
【0038】
図4に示した点検作業データベース161の内容の一例にも明らかな通り、1つの点検作業識別情報に対して、点検対象作業箇所が4か所程度とは限らない。例えば、点検対象作業箇所が数十か所に上る場合には、1回の表示により表示される表示用順番符号画像に含まれている全ての箇所の点検が終了する毎に、指示者3がパーソナルコンピュータ20の入力装置251などから表示されている分の点検終了を入力し、次の点検箇所の表示用順番符号画像の表示に移行することができる。この場合、1回の表示用順番符号画像の表示で4か所乃至5か所程度の点検対象作業箇所に対応する表示用順番符号画像の表示を行うようにすることができる。
【0039】
本実施形態では、表示用順番符号画像の表示の際に、
図11の文字画像変換手段205が動作する。文字画像変換手段205は、上記表示用順番符号画像の表示の際に、点検作業データベース161から該当する点検作業内容情報を読出し、点検作業内容の文字画像情報に変換する。既に
図7(a)~
図7(c)を用いて説明した如く、点検作業データベース161の各点検作業識別情報に対応して点検作業内容情報が記憶されており、ステップS101の読出しのときにパーソナルコンピュータ20に到来している。文字画像変換手段205は、点検作業内容情報から点検作業内容の文字画像情報を作成する。この文字画像情報は、点検作業内容情報が
図7(a)~
図7(c)に示したようであれば、同じく
図7(a)~
図7(c)に示した如くである。
【0040】
指示者用表示制御手段221と点検者用表示制御手段311は、上記のように作成された文字画像情報を、上記表示用順番符号画像または点検用画像の表示の際に、表示制御により上記点検者用表示装置であるリモートビューワ40の表示装置571へ表示させ、また表示制御により上記指示者用表示装置である表示装置271へ表示させる。従って、
図14(a)に示す如き表示用順番符号画像の表示の際に、または
図14(b)に示す如き点検用画像の表示の際に、
図7(a)に示したような点検作業内容情報を表示制御することにより、
図15に示すような画像が目視できることになり、作業内容を一目瞭然に把握可能である。
【0041】
なお、前述の通り、1つの点検作業識別情報に対して、点検対象作業箇所が数十か所に上り、表示用順番符号画像の表示が複数回に亘って行われる場合には、各回の表示により表示される点検作業内容に応じて点検作業内容情報を追従させて表示することは言うまでもない。本実施形態では、点検作業内容の文字画像情報に変換して用いられ、更に、点検作業内容情報は、文字情報であっても良く、これを音声に変換して聞くこともできる。音声情報への変換の機能は、パーソナルコンピュータ20が備えるものとし、パーソナルコンピュータ20のスピーカ261から出力し、リモートビューワ40のスピーカ542から出力させる。また、点検作業データベース161の点検作業内容情報には、必要な注意事項情報が付加されていても良い。例えば、
図7(a)の手順3の「第2スイッチをONにする。」に、「第2スイッチと第3スイッチは似ているスイッチなので、スイッチの下部に付されたプレートでスイッチ名を確認のこと」などの注意事項情報が付されることがある。この注意事項情報は、点検作業内情報の近くに文字情報として表示し、及び/または音声として出力するようにしても良い。
【0042】
<第2の実施形態>
第2の実施形態では、上記指示者用表示制御手段221と上記点検者用表示制御手段311は、上記データベースアクセス手段201により取り出された点検作業順情報に基づき作成された点検用画像における全ての中において1回で表示すべき順番符号画像を全て含んだ点検用画像を各回の当初において表示制御し、1つの順番の点検対象作業箇所に関して点検作業の完了情報が入力される毎に、該当の点検対象作業箇所の順番符号画像を消去した順番符号画像へ変更する表示制御を実行するモードを有する。
【0043】
点検対象作業箇所が数十か所に上るために、何回かに分けて表示する場合の各回の最初では、その回に含まれる点検対象作業箇所に対応する〇内に数字1が記載された表示用順番符号画像の全てが各回の当初において表示される。例えば、
図14(b)または
図15に示されるように4か所全てに表示用順番符号画像が表示される。点検者4が点検作業内容通りの手順1の点検を行った場合に、これを見ていた指示者3が入力装置251またはマイクロフォン262から点検作業の完了情報が入力(例えば、手順1はオーケーなどの音声入力)を行えば、これを音声認識機能を用いて認識し、指示者用表示制御手段221へ伝えて該当の点検対象作業箇所の順番符号画像を消去した順番符号画像へ変更する表示制御を実行する。この場合には、
図16に示されるように手順1の点検対象作業箇所の順番符号画像を消去した順番符号画像へ変更する表示制御を実行される。点検作業内容の文字画像情報が付加された
図15の表示から
図17に示す如く、手順1の点検作業内容の文字画像情報が消去された画像が表示される。以下、同様に表示が進行し、点検作業が進行して行くことになる。
【0044】
<第3の実施形態>
第3の実施形態では、上記指示者用表示制御手段221と上記点検者用表示制御手段311は、上記データベースアクセス手段201により取り出された点検作業順情報に基づき作成された点検用画像であって全ての順番符号画像を含んだ点検用画像を、点検作業の第1番目を示す順番符号画像に変更して表示制御し、1つの点検対象作業箇所の点検作業が完了する毎に、完了に係る点検対象作業箇所の順番符号画像を消去し、次の点検対象作業箇所の順番符号画像へ変更する表示制御を実行するモードを有する。
【0045】
本実施形態では、点検対象作業箇所が数十か所に上る場合においても、上記データベースアクセス手段201により取り出された点検作業順情報に基づき作成された点検用画像であって全ての順番符号画像を含んだ点検用画像を作成して用いる。上記指示者用表示制御手段221と上記点検者用表示制御手段311は、全ての順番符号画像を点検作業の第1番目を示す順番符号画像に変更して表示制御する。
図16と同じ点検対象作業箇所を有する場合には、手順1の点検対象作業箇所の順番符号画像のみが含まれた
図18に示すような点検用画像が最初に表示される。また、点検作業内容の文字画像情報が付加された場合には
図19に示すように表示される。
【0046】
点検者4が点検作業内容通りの手順1の点検を行った場合に、これを見ていた指示者3が入力装置251またはマイクロフォン262から点検作業の完了情報の入力(例えば、手順1はオーケーなどの音声入力)を行えば、これを音声認識機能を用いて認識し、指示者用表示制御手段221へ伝えて該当の点検対象作業箇所の順番符号画像を消去し次の順番符号画像へ変更する表示制御を実行する。この場合には、
図20に示されるように手順1の点検対象作業箇所の順番符号画像を消去し次の手順2の点検対象作業箇所の順番符号画像へ変更する表示制御が実行される。点検作業内容の文字画像情報が付加された
図19の表示から
図21に示す如く、手順1の点検作業内容の文字画像情報が消去され次の手順2の点検対象作業箇所の順番符号画像へ変更した画像が表示される。以下、同様に表示が進行し、点検作業が進行して行くことになる。
【0047】
<第4の実施形態>
この第4の実施形態では、点検者点検履歴データベース162に記憶された情報を用いる。点検者点検履歴データベース162には、
図22に示されるように点検者の識別番号に対応して、点検者が過去に行った点検作業の対象である点検対象装置と点検対象作業箇所により決定される点検作業識別情報と、点検回数情報が記憶されている。
図4に示される点検作業データベース161には、点検作業識別情報である点検作業IDに対応して、点検対象作業箇所名が記憶されており、点検回数が所定回以上の点検者に対し表示する順番符号画像の作成を省略するマーク△が点検作業順の欄に付されている。一般的に、最初に操作するスイッチは点検回数の多いことにより点検者4が記憶していると思われるため、
図4では、点検の最初に操作するスイッチに対応する点検作業順の欄にマーク△が付されている。勿論、これは一例であり、他にも点検者4の記憶に残ると思われる点検作業順の欄にマーク△が付される等、様々な理由により点検作業順の欄にマーク△が付されている。本実施形態において、表示用順番符号画像作成手段203は、上記順番符号画像を作成するに際し上記点検者点検履歴データベース162から得られた情報に基づき、所定回数以上の点検回数の場合に、予め定められた点検対象装置と点検対象作業箇所に対応する順番符号画像の作成をスキップする。これにより、映し出される画面が多くの表示用順番符号画像により煩雑になる状態を防ぐことができる。
図22Aは、スキップなしでは
図15に示すように表示されるものにおいて、手順1の順番符号画像の作成をスキップした場合の表示例である。本実施形態において、表示用順番符号画像を含む点検用画像をパーソナルコンピュータ20の指示者用表示装置である表示装置271に表示する制御並びに点検者用表示装置であるリモートビューワ40の表示装置571に表示する制御は、基本的に
図13に示したフローチャートに示した第2の実施形態の動作処理によってなされることは言うまでもない。
【0048】
<第5の実施形態>
第5の実施形態では、パーソナルコンピュータ20のCPU21が、
図11に示す点検者の視線を検出する視線検出手段206、視点外れ検出手段207として機能する。視線検出用カメラ561により、点検者4の瞳を撮像した瞳画像がリモートビューワ40から送られ、エッジコンピュータ30を介してパーソナルコンピュータ20のCPU21が受け取る。主メモリ22または外部記憶装置241には、通常時の瞳画像、最も左側へ瞳が移動したときの瞳画像、最も右側へ瞳が移動したときの瞳画像、最も上方へ瞳が移動したときの瞳画像、最も下側へ瞳が移動したときの瞳画像を記憶しておく。そして、現在得られた瞳画像とこれら記憶されている瞳画像を比較し、どの程度左右へ移動しているか又どの程度上下へ移動しているかを検出する。例えば、通常の瞳画像の位置と最も右側へ移動した位置との中間点、1/3右へ移動した位置、3/4右へ移動した位置等のように移動の程度を検出する。上下方向についても同様である。また、瞳の位置が左右に最大で何度移動するか移動角度を当該点検者の情報として得て点検者識別番号に対応させて例えば記憶しておき、通常時の瞳の位置を中心として何度左右へ振れたかまた何度上下へ振れたかを示す触れ角度を検出する。点検者4の通常の立ち位置を点検対象装置5の前面から例えば0.5mとして、半径0.5mで上記の触れ角度の移動がなされたとして、視線の先が点検対象装置5に突き当たる位置を「目による視点」とする。視線検出用カメラ561の画像の中心を本来の視点とし、「目による視点」との距離を検出し、所定距離を超えているか検出する。即ち、CPU21は、視線検出用カメラ561から現時点に得られる点検対象装置現時点画像と上記点検者4の視線に基づき上記表示用順番符号画像を表示すべき点検対象作業箇所から所定距離を超えて目による視点が外れているか否か検出する視点外れ検出手段207として機能する。
【0049】
上記指示者用表示制御手段221と上記点検者用表示制御手段311は、上記視点外れ検出手段207により視点が外れていることが検出された場合には、表示制御により表示用順番符号画像の表示を停止させる表示制御を行い、視点が外れていないことが検出された場合には、表示用順番符号画像を表示させる表示制御を行うモードを有する。視点が外れていないことが検出された場合には、例えば
図15に示すように点検対象装置の点検対象作業箇所に表示用順番符号画像を加えて表示が行われる。視点が外れていることが検出された場合には、例えば
図23に示すように表示用順番符号画像が削除され、点検対象装置の点検対象作業箇所のみの表示が行われる。更に、視線が戻され、視点が外れていないことが検出された場合には、再び
図15に示すように点検対象装置の点検対象作業箇所に表示用順番符号画像を加えて表示が行われる。
【0050】
<第6の実施形態>
第6の実施形態は、第5の実施形態と同様に、パーソナルコンピュータ20のCPU21が、点検者の視線を検出する視線検出手段206、視点外れ検出手段207として機能する。また、パーソナルコンピュータ20のCPU21が、
図11に示すズレ位置画像作成手段208として機能する。ズレ位置画像作成手段208は、上記視点外れ検出手段207により視点が外れていることが検出された場合には、視点の移動に応じて移動した位置にズレ位置画像を作成する。ズレ位置画像作成手段208は、視線検出用カメラ561の画像の中心を本来の視点とし、この本来の視点と「目による視点」との距離を検出し、この距離に相当する位置にズレ位置画像を作成する。視点が外れていないことが検出された場合に表示される表示用順番符号画像が、〇内に数字が記載されたものであるのに対し、ズレ位置画像は、特に制限はないが、破線の〇とすることができる。
【0051】
この第6の実施形態では、上記指示者用表示制御手段221と上記点検者用表示制御手段311は、視点が外れていることが検出された場合には、表示制御により表示用順番符号画像の表示を停止させると共に、上記ズレ位置画像を表示する。従って、視点が外れていないことが検出された場合には、例えば
図15に示すように点検対象装置の点検対象作業箇所に表示用順番符号画像を加えて表示が行われる。視点が外れていることが検出された場合には、例えば
図23Aに示すように表示用順番符号画像が削除され、ズレた位置にズレ位置画像のみの表示が行われる。
【0052】
<第7の実施形態>
第7の実施形態は、第5の実施形態と同様に、パーソナルコンピュータ20のCPU21が、点検者の視線を検出する視線検出手段206として機能すると共に、
図11に示すように視点ポイント画像作成手段209として機能する。視点ポイント画像作成手段209は、表示用順番符号画像を表示すべき点検対象作業箇所に表示する正規位置ポイント画像と、上記視線検出手段206により検出された視線に基づき求められた視点の位置に表示する実際視点ポイント画像とを作成する。
【0053】
図24は本実施形態に係る点検作業支援システムにより好適な処理を行うことが可能な点検対象装置5と点検者4との関係を示す図である。点検対象装置5は、同様の機器が複数段重ねられたラック構造を有する。このため、点検者4が直ちに点検対象作業箇所を見つけ難い。
図13を用いて説明した通り、点検作業を開始するために、指示者3は、パーソナルコンピュータ20からサーバコンピュータ10へアクセスし、点検対象装置に対する所定内容の点検作業について与えられた点検作業識別情報を用いて点検作業データベース161から、この点検作業識別情報に対応する点検対象装置録画画像と点検作業順情報の読み出しを行う(S101)。例えば、パーソナルコンピュータ20の外部記憶装置241には、本実施形態のモードを実行すべき点検作業識別情報が記憶されており、上記の読出しが完了すると、外部記憶装置241の該当エリアを検索し、本実施形態のモードを実行すべき点検作業識別情報であるか検出する。
【0054】
本実施形態のモードを実行すべき点検作業識別情報である場合には、CPU21は、点検者の視線を検出する視線検出手段206として機能し、点検作業データベース161から取り出された点検対象装置録画画像と上記カメラ551により現時点に得られる点検対象装置現時点画像とを比較して、点検対象装置現時点画像における点検対象作業箇所を特定する(S102)。
図24の例では、点検対象装置5の上から4段目が点検対象作業箇所であると特定する。即ち、表示用順番符号画像を表示すべき点検対象作業箇所に表示する正規位置ポイント画像PSを作成する。上記点検者用表示制御手段311と上記指示者用表示制御手段221は、上記正規視線ポイント画像PSを点検対象作業箇所(点検対象作業箇所に)に表示するよう表示制御する。また、視点ポイント画像作成手段209は、上記視線検出手段206により検出された視線に基づき求められた視点の位置に表示する実際視点ポイント画像PRを作成する。上記点検者用表示制御手段311と上記指示者用表示制御手段221は、実際視線ポイント画像PRを求められた視点の位置に表示する表示制御する。
【0055】
立位の状態の点検者4Aであれば、正規位置ポイント画像PSは点検対象装置5の上から4段目に表示され、実際視点ポイント画像PRは点検対象装置5の例えば上から2段目に表示される。正規の点検対象作業箇所と目視している位置が異なっていることに気付き、しゃがみ込んだ状態に点検者4Bが移行すると、実際視点ポイント画像PRはしゃがみ込み動作に追従して、正規位置ポイント画像PSと同じ点検対象装置5の上から4段目に表示される。このモードにより点検者4が点検対象作業箇所を探す時間と手間を少なくすることが可能である。
【0056】
<第8の実施形態>
第8の実施形態では、点検作業の順番を示す順番符号画像の作成指示を指示者が行うための入力手段を具備し、表示用順番符号画像を指示者3の入力に基づき作成する。この順番符号画像から、表示用順番符号画像作成手段203は、入力に係る点検対象作業箇所に付した如くなるように表示用順番符号画像を作成する。上記点検者用表示制御手段311と上記指示者用表示制御手段221は、上記表示用順番符号画像作成手段203により作成された表示用順番符号画像を表示制御するモード(順番画像入力モード)を有する。
【0057】
図25は、第8の実施形態に係る点検作業支援システムの動作を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿ってCPU21による動作を説明する。点検作業を開始しようと指示者3による作業がなされると、CPU21は、パーソナルコンピュータ20から「順番画像入力モード」を指定し、サーバコンピュータ10へアクセスし、点検対象装置に対する所定内容の点検作業について与えられた点検作業識別情報を用いて点検作業データベース161から、識別情報に対応する点検対象装置録画画像と点検作業内容情報の読み出し、点検対象装置録画画像をパーソナルコンピュータ20の表示装置271に表示する(S201)。
【0058】
点検対象装置録画画像に重ねて点検作業内容情報(文字情報)を表示する(S202)。これにより、例えば
図26のような表示がなされる。次に、指示者3が点検作業内容情報にしたがって該当の点検対象作業箇所に点検作業の番号を入力するので、表示された点検対象作業箇所に点検作業の順番を示す順番符号画像の入力を得る(S203)。例えば、
図27のように手書き入力がなされる。
【0059】
次に、上記順番符号画像を使用して点検対象装置現時点画像における点検対象作業箇所の該当点検対象作業箇所に付した如くの表示用順番符号画像を作成する(S204)。例えば、
図28のように表示用順番符号画像が作成される。更に、点検用画像をパーソナルコンピュータ20の表示装置271とリモートビューワ40の表示装置571に表示用順番符号画像を表示する制御が実行される(S205)。表示は、
図28と変わらない。なお、本実施形態では、表示用順番符号画像を作成する場合に手書きのものからパーソナルコンピュータ20が有するフォントの文字等に変更したが、手書きの画像をそのまま用いても良い。また、本実施形態の順番画像入力モードにおいては、順番画像のみならず文字や矢印などの図形を入力してパーソナルコンピュータ20の表示装置271とリモートビューワ40の表示装置571に表示することも可能である。更に本実施形態において点検者4による点検対象作業箇所の点検作業が完了すると、第2および第3実施形態のように指示者3単独によるオーケーなどの音声入力に基づいて点検対象作業箇所の表示用順番符号画像をその都度消去させてもよいし、指示者3の他点検者4による両者のオーケーなどの音声入力が揃った時点で点検対象作業箇所の表示用順番符号画像をその都度消去させてもよい。また更に、本実施形態において指示者3による手書き画像および表示用順番符号画像が一定時間後に点滅しその後自動的に消滅してもよい。これは自動的に消滅させる理由は表示している状態で視線を移動させた場合に誤認識させないためである。すなわち、点検作業中はスイッチ等の計器を触ったり、夏場は汗を拭いたりとこれらの場合に点検者4の頭が揺れ一点を視認できないことが多い。つまり、指示者3が指示した表示用順番符号画像の位置がずれ適切なそれまで示していた点検対象作業箇所以外を示してしまうことがある。このような事態を引き起こさないように、例えば2秒など表示用順番符号画像の一定時間経過後に表示用順番符号画像を消滅(点滅後に消滅を含む)させることで誤認識を生じさせないようにさせている。
【0060】
<第9の実施形態>
第9の実施形態では、上記点検対象装置5が交換可能な機器(部品)を含み、この機器が点検対象作業箇所となっている場合に、サーバコンピュータ10において上記点検対象装置5毎の機器毎に交換の履歴を含む点検順重み情報を用い、この点検順重み情報に基づき、点検対象作業箇所に対する点検作業順情報を更新するものである。本実施形態では、サーバコンピュータ10が
図3に示すように、点検順重みデータベース163を備える。点検順重みデータベース163は、上記点検対象装置5が交換可能な機器(部品)を含み、この機器が点検対象作業箇所となっている場合に、上記点検対象装置5毎の機器毎に交換の履歴を含む点検順重み情報を記憶したものである。
【0061】
図29は、点検順重みデータベース163の記憶内容の一例を示すものである。点検順重みデータベース163には、点検対象装置1~nの計器(機器)A~D毎の点検履歴が記憶されており、ここでは、設置日、累計交換回数、最新取替日が記憶されている。この実施形態では、累計交換回数が点検順重み情報となっており、累計交換回数が多いほど点検順が早く設定される。本実施形態では、
図31に示す点検作業順情報更新手段210がサーバコンピュータ10に備えられている。点検作業順情報更新手段210は、上記点検順重みデータベース163の点検順重み情報に基づき、点検対象作業箇所に対する点検作業順情報を更新する。
図30は、点検作業順情報を更新するために作成される点検作業優先度テーブルを示す。
図29の重み情報である累計交換回数に基づき、点検作業順情報更新手段210は上記点検作業優先度テーブルにおいて、例えば、点検対象装置1では計器Aに重み情報である0を設定し、計器Bに重み情報である0を設定し、計器Cに重み情報である3を設定し、計器Dに重み情報である1を設定し、点検対象装置2では計器Aに重み情報である2を設定し、計器Bに重み情報である0を設定し、計器Cに重み情報である1を設定し、計器Dに重み情報である0を設定し、・・・、点検対象装置n-1では計器Aに重み情報である2を設定し、計器Bに重み情報である3を設定し、計器Cに重み情報である0を設定し、計器Dに重み情報である4を設定し、点検対象装置nでは計器Aに重み情報である4を設定し、計器Bに重み情報である2を設定し、計器Cに重み情報である0を設定し、計器Dに重み情報である1を設定して、
図30に示す点検作業優先度テーブルができあがる。この点検作業優先度テーブルの優先度に基づき、
図4の点検作業データベース161における点検対象作業箇所に対する点検作業順情報が更新されて記憶される。この前提として、点検者4による点検結果の情報は、サーバコンピュータ10へ送っており、これに基づきサーバコンピュータ10において点検順重みデータベース163が作成されるものである。
【0062】
<第10の実施形態>
第10の実施形態は、第9の実施形態を発展させたものである。本実施形態では、サーバコンピュータ10の外部記憶装置16には、上記点検履歴の情報以外に、上記点検対象装置毎の機器間に少なくとも劣化に関する関連がある場合の関連状況情報が記憶された関連情報テーブル164が備えられている。
図32は、この関連情報テーブル164の内容の一例を示すものである。
図32の例では、点検対象装置1においては計器Cと計器Bが関連しており、点検対象装置2においては関連状況情報が存在せず、・・・、点検対象装置n-1においては計器Bと計器Dが関連しており、点検対象装置nにおいては計器Aと計器Dが関連していることが示されている。
【0063】
上記点検作業順情報更新手段210は、上記点検対象作業箇所に対する点検作業順情報を更新する場合に、上記関連情報テーブル164の関連状況情報を参照して更新を行う。具体的には、まず、
図30の点検作業優先度テーブルを、上記関連情報テーブルの関連状況情報を参照して更新する。更新の規則として、「関連状況情報により関連あるとされている機器(計器)間においては、大きな重み情報は設定されている機器と小さな重み情報が設定されている機器との間で、重み情報の差を1とする」、が設定されているものとする。この規則により
図30の点検作業優先度テーブルを更新すると、
図33に示すように更新される。即ち、点検対象装置1においては計器Bの重み情報が関連する計器Cに応じて2に引き上げられており、点検対象装置n-1においては計器Bと計器Dの重み情報の差が1であるため更新されておらず、点検対象装置nにおいては計器Dの重み情報が関連する計器Aに応じて3に引き上げられている。このように更新された点検作業優先度テーブルの優先度に基づき、
図4の点検作業データベース161における点検対象作業箇所に対する点検作業順情報が更新されて記憶される。
【0064】
上記いずれの実施形態においても、点検者用表示装置である表示装置571は、眼鏡型のウェアラブル端末における眼鏡の一方のレンズに相当する位置に配置された透明のパネルであり、点検者4の視線の前方を透かして目視することができると共に画像を表示する画面となっている。そこで、前記点検者用表示制御手段311は、上記表示用順番符号画像作成手段203により作成された表示用順番符号画像のみを上記点検者用表示装置の前記画面である表示装置571に表示する制御を行うようにしても良い。表示用順番符号画像のみ(
図14(a)のように、〇内に数字が記載された画像のみ)が表示装置571に表示される結果、点検者4は目視している実際の点検対象装置における該当する点検対象作業箇所に表示用順番符号画像が付されている如く見えることになり、点検作業をスムーズに進めることが可能である。この実施形態において
図33のように更新された点検作業データベース161に基づいた作業順序が、点検対象作業箇所に対する表示用順番符号画像として表示装置571に表示される。これにより、どの計器から点検すれば故障前の交換すべき計器を効率的に見つけられるかが事前に把握でき、また、仮に計器が故障し、その計器を交換したい場合であっても行き当たりばったり端から壊れた計器を探すのではなく、故障した計器がどれなのか事前に当たりを付けて作業に取り掛かることができる。こうすることによって、未熟な点検者で作業に慣れていない場合であってもベテラン点検者のように的確に作業ができ、またオペレーション内容を忘れていたり、指示を的確に出せないような指示者3であっても頼ることなく点検者4は的確な作業が可能となる。
【0065】
<第11の実施形態>
第11の実施形態は、停電があった場合に復旧したようなときの点検に対応するものであり、本実施形態に係る点検作業支援システムは緊急時の点検モードを実行する。
図34は、サーバコンピュータ10の外部記憶装置16に記憶されている緊急時点検情報セットを示す。緊急時点検セットとしては、当該点検作業支援システムにおいて点検する施設をいくつかのエリアに分けて、緊急時点検を実行し易いようにした施設内エリア地
図Mと、順次にどのエリアでどのような点検を行えばよいかを記述した作業情報テーブルSSが備えられている。施設内エリア地
図Mは、施設の平面図において、4つのエリアに分けられた地図となっている。4つのエリアの境界は廊下や通路により仕切られており、エリア1~4がどこであるのかは点検者4と指示者3において既知である。
【0066】
作業情報テーブルSSには、作業の順位に対応して、4つのエリアの中どのエリアであるかを示すエリア情報と、作業識別情報が記憶されている。点検作業識別情報は、既に
図4を用いて説明したように、点検対象装置に対する所定内容の点検作業について与えられるもので、点検作業データベース161には、点検作業識別情報毎に、点検作業を行うべき点検対象装置における点検対象作業箇所を含む点検対象装置録画画像と、点検対象作業箇所に対する点検作業順情報とが対応付けられて記憶されている。従って、
図34の作業識別情報を入力して、点検作業データベース161から対応する点検作業を行うべき点検対象装置における点検対象作業箇所を含む点検対象装置録画画像と、点検対象作業箇所に対する点検作業順情報とを取り出すことができる。
【0067】
本実施形態に係る点検作業支援システムは緊急時の点検モードを実行する。
図35は、この緊急時の点検モードの動作を説明するフローチャートである。以下、このフローチャートに沿ってCPU21による動作を説明する。緊急時の点検モードを実行しようと指示者3による作業がなされるとCPU21は、取得したから「緊急時の点検モード」を入力して指定し、サーバコンピュータ10へアクセスして、施設内エリア地
図Mと作業情報テーブルSSを取得することができる(S301)。取得した施設内エリア地
図Mと作業情報テーブルSSは、パーソナルコンピュータ20の表示装置271に表示される。そこで、緊急時の点検モードの作業順ポインタiを1として、作業情報テーブルSSの第i番目の作業情報のエリア2を指示者3が読み、点検者4へこのエリア2へ点検に向かうようマイクロフォン262から音声で指示を与える(S302)。
【0068】
次に作業情報テーブルSSの順位i位の作業識別情報(順位1位においては、0030)をパーソナルコンピュータ20から入力し点検作業データベース161へアクセスし、点検作業識別情報に対応する点検対象装置録画画像と点検作業内容情報を読み出し、点検対象装置録画画像等をパーソナルコンピュータ20の表示装置271とリモートビューワ40の表示装置571へ表示がなされる(S303)。指示者3は表示された点検対象装置の点検対象作業箇所を認識し、点検者4に対して当該点検対象装置の点検対象作業箇所に向かうようマイクロフォン262から音声で指示を与える(S304)。
【0069】
指示者3は当該点検対象装置の点検対象作業箇所へ到着したことの連絡が点検者4からなされたか待ち(S305)、YESとなると第1の実施形態と同様にして点検順に沿って点検者に点検させ、サポートする(S306)。点検者4から順位i位の点検が終了したことの報告を待ち(S307)、YESとなると、ポインタiが最終であるか(つまり、作業情報テーブルSSの最終順まで終了したか)を確認し(S308)、NOであればポインタiを1歩進して(S309)、ステップS303へ戻って処理を続ける。ステップS308においてYESとなると緊急時の点検モードの動作を終了する。斯くして、停電後の復旧作業などの広範囲に亘る緊急時の点検モードの動作を誤ることなく適切にスムーズに実行することが可能である。
【0070】
<点検作業順表示装置>
本発明においては、
図1に示した点検作業支援システムの要部により点検作業順表示装置が構成される。本実施形態に係る点検作業順表示装置は、1または複数の点検対象作業箇所を含む点検対象装置に対し、いくつかの点検対象作業箇所の点検作業を順に行う場合の点検作業順を表示する。本実施形態に係る点検作業順表示装置は、1または複数の点検対象作業箇所を含む点検対象装置を撮像するカメラ551を備える。カメラ551は、リモートビューワ40に備えられており、点検者4の顔の前方を撮像するものであるが、点検作業の際には1または複数の点検対象作業箇所を含む点検対象装置を撮像することになる。CPU21、CPU31によって、
図36に示すように、特定手段71と、点検順表示制御手段72が実現される。
【0071】
特定手段71は、点検順に応じて、点検すべき点検対象作業箇所の位置情報を特定するものである。点検順表示制御手段72は、点検順に応じて、上記特定手段71により特定された点検対象作業箇所の位置情報に対応して点検作業順を示す点検順指示マークを表示画面に表示するものである。表示画面は、パーソナルコンピュータ20の表示装置271の表示画面とリモートビューワ40の表示装置571の表示画面とすることができる。
【0072】
第1の実施形態では、例えば
図14(a)に示した如く、〇内に数値を配したものを表示用順番符号画像としたが、形状は任意の枠内に点検の順番番号を付したものが表示用順番符号画像であり、これを本実施形態では点検順指示マークという。この場合、点検順指示マークは、1または複数の点検対象作業箇所を含む点検対象装置に対するいくつかの点検対象作業箇所についての所定点検作業内容をいくつか行うことを1単位として、1単位内で1つの点検対象作業箇所について行う点検作業に対し、順に一つの番号が割り当てられたものである。従って、1単位には数個の点検作業が含まれていることもあり、また数十の点検作業が含まれていることもあり、この点検作業の数だけ順位付けされた番号が用意される。本実施形態では、1単位の点検作業を開始すると、点検順指示マークを該当点検対象作業箇所に対応させて表示するようにする。該当の点検作業箇所に対応させて表示とは、1または複数の点検対象作業箇所を含む点検対象装置を撮像するカメラの現在の画像の該当点検対象作業箇所の位置に表示することと、透明なレンズをスクリーンとして、このスクリーンの所定位置に点検順マークを表示して、点検者4が目視している実際の点検対象装置における該当する点検対象作業箇所に点検順マークが付されている如く見えるように表示することを含むものである。
【0073】
特定手段71は一例として、点検順に応じて点検する点検対象作業箇所の情報が記憶されたデータベース(
図4に示した点検作業データベース161)を参照すると共に、各点検対象作業箇所を予め録画した録画画像と、上記カメラ551により現時点に撮像した現時点画像との比較に基づき、上記表示画面上における、点検順毎の点検対象作業箇所の位置情報を特定する。この一例は、前述した第1の実施形態の構成と動作により実現することができる。
【0074】
特定手段71は2つ目の例として、指示者3が表示画面において入力した位置を検出し、この位置の位置情報を点検順毎の点検対象作業箇所の位置情報として特定する。この例は、第8の実施形態において
図27に示した如く手書き入力がなされ、この位置情報を検出することにより、位置情報を特定することができる。また、点検順に関しては、入力された数字を文字認識して点検順を検出するようにしても良い。
【0075】
本実施形態では、第1の表示手法として、上記点検順表示制御手段72は、1つの順番の点検対象作業箇所に関して点検作業の完了情報が入力される毎に、現在表示中の点検順指示マークをブリンク表示した後に表示を停止し、次の順の点検順指示マークを表示画面に表示する。この第1の表示手法は、第3の実施形態における表示手法と概ね同一である。即ち、第3の実施形態と概ね同様に、点検順の点検順指示マークを表示し、1つの順番の点検対象作業箇所に関して点検作業の完了情報が入力される毎に、例えば、オーケーなどの音声入力を行えば、これを音声認識機能を用いて認識し、点検順表示制御手段72へ伝えて該当の点検順指示マークを消去し次の順の点検順指示マークへ変更する表示制御を実行する。本実施形態では点検順指示マークを消去するに際し、その点検順指示マークをブリンク表示し、その後にブリンク表示の点検順指示マークを消去し、次の順の点検順指示マークを表示画面に表示する。以下、同様に前述の1単位に含まれる点検作業の数の処理が繰り返される。
【0076】
本実施形態における第2の表示手法として、上記点検順表示制御手段72は、いくつかの点検対象作業箇所についての所定点検作業内容をいくつか行うことを1単位として、1単位内行う全点検対象作業箇所について点検順指示マークを表示し、1つの順番の点検対象作業箇所に関して点検作業の完了情報が入力される毎に、完了情報に対応する点検対象作業箇所の点検順指示マークをブリンク表示した後に表示を停止し、点検順指示マークを順次減少させる表示を行う。この第2の表示手法は、第2の実施形態における表示手法と概ね同一である。第2の実施形態と概ね同様に、最初に点検作業の数の点検順指示マークを全て表示し、1つの順番の点検対象作業箇所に関して点検作業の完了情報が入力される毎に、例えば、オーケーなどの音声入力を行えば、これを音声認識機能を用いて認識し、点検順表示制御手段72へ伝えて点検作業が完了した点検順指示マークを消去した画面へ変更する表示制御を実行する。従って、点検順指示マークは当初の数から1ずつ消されてゆく。本実施形態では点検順指示マークを消去するに際し、消去対象の点検順指示マークをブリンク表示し、その後にブリンク表示の点検順指示マークを消去し、残りの点検順指示マークのみを表示画面に表示する。以下、同様に前述の1単位に含まれる点検作業の数の処理が繰り返される。
【0077】
本発明に係る複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示するものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0078】
1…通信ネットワーク、2…中継インタフェース、3…指示者、4…点検者、20…パーソナルコンピュータ、30…エッジコンピュータ、40…リモートビューワ、71…特定手段、72…点検順表示制御手段、161…点検作業データベース、162…点検者点検履歴データベース、163…点検順重みデータベース、164…関連情報テーブル、201…データベースアクセス手段、202…点検対象作業箇所特定手段、203…表示用順番符号画像作成手段、204…点検用画像作成手段、205…文字画像変換手段、206…視線検出手段、207…視点外れ検出手段、208…ズレ位置画像作成手段、209…視点ポイント画像作成手段、210…点検作業順情報更新手段、221…指示者用表示制御手段、561…視線検出用カメラ、311…点検者用表示制御手段